JP2015187941A - ポリマー電解質組成物、リチウム金属二次電池用負極及びリチウム金属二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウム金属の表面に、常温での高イオン伝導性及び電池のサイクル寿命特性が両立できる保護膜を形成することができるポリマー電解質組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ポリオレフィンのブロック(a1)、ポリエステルのブロック(a2)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルのブロック(B)と、炭素数3〜24のジカルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた残基からなるブロックであって前記ブロック(A)及び前記ブロック(B)に含まれないブロック(C)とを有するブロックポリマー(D)並びにリチウム塩(E)を含有するポリマー電解質組成物。【選択図】 図1
Description
本発明は、ポリマー電解質組成物、リチウム金属二次電池用負極及びリチウム金属二次電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ及び携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が増大している。上記のような用途に用いられる電池には、常温使用が求められると同時に、高いエネルギー密度と優れたサイクル特性が要望される。
上記要望に対して、リチウム金属電池は、密度が0.54g/cm3と低く、標準還元電位度も−3.045Vと非常に低いリチウムを負極に用いるため高容量化が可能であり、次世代二次電池として実用化に向けた研究が進められている。
しかしながら、負極活物質として反応性が非常に高いリチウム金属を用いるため、リチウム金属と反応しない適切な電解質を選択できなかった場合、充放電時にリチウム金属のデンドライト(樹枝状晶)が発生してサイクル寿命特性を低下させる問題点がある。したがって、リチウム金属の反応性を減少させるための研究が要求されている。
従来、上記のようなサイクル寿命特性の低下を抑制する方法として、リチウム金属の表面にポリマー電解質を用いて前処理層及び保護層(以下、保護膜という)を形成する技術が開示されている(例えば特許文献1〜3)。
しかしながら、特許文献1及び2のように高分子架橋体中に可塑剤としてポリエーテル骨格含有低分子を含む場合、電解液へ低分子可塑剤が溶出し、サイクル寿命特性が低下する問題がある。また、特許文献3のようにポリエーテルの直鎖状高分子を高分子架橋体中に含む場合、ポリエーテル鎖の結晶化により常温でのイオン伝導性が低下する問題がある。
そこで、リチウム負極表面に形成する保護膜として、常温での高イオン伝導性と電池のサイクル寿命特性とが両立できるものが望まれている。
しかしながら、特許文献1及び2のように高分子架橋体中に可塑剤としてポリエーテル骨格含有低分子を含む場合、電解液へ低分子可塑剤が溶出し、サイクル寿命特性が低下する問題がある。また、特許文献3のようにポリエーテルの直鎖状高分子を高分子架橋体中に含む場合、ポリエーテル鎖の結晶化により常温でのイオン伝導性が低下する問題がある。
そこで、リチウム負極表面に形成する保護膜として、常温での高イオン伝導性と電池のサイクル寿命特性とが両立できるものが望まれている。
本発明は、リチウム金属の表面に、常温での高イオン伝導性及び電池のサイクル寿命特性が両立できる保護膜を形成することができるポリマー電解質組成物を提供することを目的とする。
本発明は、ポリオレフィンのブロック(a1)、ポリエステルのブロック(a2)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルのブロック(B)と、炭素数3〜24のジカルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた残基からなるブロックであって前記ブロック(A)及び前記ブロック(B)に含まれないブロック(C)とを有するブロックポリマー(D)並びにリチウム塩(E)を含有するポリマー電解質組成物;これで被覆されてなるリチウム金属二次電池用負極;これを有するリチウム金属二次電池である。
本発明のポリマー電解質組成物は、リチウム金属の表面に、常温での高イオン伝導性及びリサイクル寿命特性に優れる保護層を形成することができる。
本発明のポリマー電解質組成物は、ポリオレフィンのブロック(a1)、ポリエステルのブロック(a2)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルのブロック(B)と、炭素数3〜24のジカルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた残基からなるブロックであって前記ブロック(A)及び前記ブロック(B)に含まれないブロック(C)とを有するブロックポリマー(D)並びにリチウム塩(E)を含有するポリマー電解質組成物である。
本発明においてブロックポリマー(D)は、ポリオレフィンのブロック(a1)、ポリエステルのブロック(a2)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック(A)を有する。
ポリオレフィンのブロック(a1)において、オレフィンには、炭素数2〜30のアルケンが含まれ、具体的には、炭素数2〜3のもの{エチレン及びプロピレン等}並びに炭素数4〜30のα−オレフィン{1−又は2−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−デセン及び1−ドデセン等}等が含まれる。
ポリオレフィンのブロック(a1)として、具体的には、特許文献4(特開2013−136724号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a11)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a12)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a13)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a14)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a15)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a16)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a17)からアミノ基を除いた残基及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a18)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a11)及び(a15)である。
ポリオレフィンのブロック(a1)として、具体的には、特許文献4(特開2013−136724号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a11)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a12)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a13)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン(a14)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a15)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a16)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a17)からアミノ基を除いた残基及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリオレフィン(a18)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a11)及び(a15)である。
ポリエステルのブロック(a2)としては、ポリエステルのブロック(a21)及びポリカーボネートのブロック(a22)が含まれる。
ポリエステルのブロック(a21)としては、特許文献5(特開平06−220193号公報)、特許文献6(特開平08−027269号公報)及び特許文献7(特開2002−121274号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a211)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a212)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a213)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a214)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a215)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a216)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a217)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a218)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a211)、(a214)及び(a215)である。
ポリエステルのブロック(a21)としては、特許文献5(特開平06−220193号公報)、特許文献6(特開平08−027269号公報)及び特許文献7(特開2002−121274号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a211)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a212)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a213)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリエステル(a214)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a215)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a216)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a217)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリエステル(a218)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a211)、(a214)及び(a215)である。
ポリカーボネートのブロック(a22)としては、特許文献8(特開2007−084652号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリカーボネート(a221)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリカーボネート(a222)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリカーボネート(a223)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリカーボネート(a224)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリカーボネート(a225)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリカーボネート(a226)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリカーボネート(a227)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリカーボネート(a228)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a221)、(a224)及び(a225)である。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a221)、(a224)及び(a225)である。
ポリアミドブロック(a3)としては、特許文献9(特開2011−046941号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a31)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a32)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a33)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリアミド(a34)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリアミド(a35)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリアミド(a36)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリアミド(a37)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリアミド(a38)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a31)、(a34)及び(a35)である。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a31)、(a34)及び(a35)である。
ポリイミドブロック(a4)としては、特許文献10(特開平08−012763号公報)及び特許文献11(特開2010−202679号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリイミド(a41)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリイミド(a42)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリイミド(a43)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリイミド(a44)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリイミド(a45)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリイミド(a46)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリイミド(a47)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリイミド(a48)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a41)、(a44)及び(a45)である。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a41)、(a44)及び(a45)である。
ポリウレタンブロック(a5)としては、特許文献12(特開平07−062045号公報)に記載のカルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリウレタン(a51)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの両末端に有するポリウレタン(a52)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの両末端に有するポリウレタン(a53)からアミノ基を除いた残基、イソシアネート基をポリマーの両末端に有するポリウレタン(a54)からイソシアネート基を除いた残基、カルボキシル基をポリマーの片末端に有するポリウレタン(a55)からカルボキシル基を除いた残基、水酸基をポリマーの片末端に有するポリウレタン(a56)から水酸基を除いた残基、アミノ基をポリマーの片末端に有するポリウレタン(a57)からアミノ基を除いた残基、及びイソシアネート基をポリマーの片末端に有するポリウレタン(a58)からイソシアネート基を除いた残基が含まれる。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a51)、(a54)及び(a55)である。
これらは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、変性のし易さの観点から好ましいのは、(a51)、(a54)及び(a55)である。
ブロック(a2)、ブロック(a3)、ブロック(a4)及びブロック(a5)中にはポリエーテルのブロックを含んでいてもよい。この場合、ポリエーテルのブロックのMnは、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、500未満であることが好ましい。
また、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、ブロック(a2)、ブロック(a3)、ブロック(a4)及びブロック(a5)中にはポリエーテルのブロックを含んでいないことが好ましい。
また、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、ブロック(a2)、ブロック(a3)、ブロック(a4)及びブロック(a5)中にはポリエーテルのブロックを含んでいないことが好ましい。
本発明においてブロックポリマー(D)は、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、ブロック(A)としてポリオレフィンのブロック(a1)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)を有するものが好ましく、さらに好ましくはポリオレフィンのブロック(a1)、ポリアミドのブロック(a3)及びポリウレタンのブロック(a5)であり、特に好ましくはポリオレフィンのブロック(a1)である。
ブロック(a)のMnは、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点及び電池のサイクル寿命の観点から、100〜5,000が好ましく、さらに好ましくは500〜2,000である。
本発明においてブロック(B)は、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルのブロックである。
ポリエーテルのブロックとしては、炭素数2〜5のアルキレンオキサイドが重合したものから、ヒドロキシル基の水素原子を除いた残基が含まれる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
(B)は、アルキレンオキサイド1種を用いたものでもよく、2種以上を併用したものでもよい。
2種以上を併用する場合、結合形式は、ブロック結合及びランダム結合のいずれでもよい。
(B)としては、ポリオキシエチレンブロック、ポリオキシプロピレンブロック及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック等が挙げられる。
(B)としては、保護膜のイオン伝導性の観点から、ポリオキシエチレンブロックが好ましい。
ポリエーテルのブロックとしては、炭素数2〜5のアルキレンオキサイドが重合したものから、ヒドロキシル基の水素原子を除いた残基が含まれる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
(B)は、アルキレンオキサイド1種を用いたものでもよく、2種以上を併用したものでもよい。
2種以上を併用する場合、結合形式は、ブロック結合及びランダム結合のいずれでもよい。
(B)としては、ポリオキシエチレンブロック、ポリオキシプロピレンブロック及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック等が挙げられる。
(B)としては、保護膜のイオン伝導性の観点から、ポリオキシエチレンブロックが好ましい。
ブロック(B)のMnは、500〜5,000であるが、保護膜の膜強度、保護膜のイオン伝導性及び電池のサイクル寿命の観点から、1,000〜4,000が好ましく、さらに好ましくは1,500〜3,500である。
ブロック(B)のMnが500以上であることで、常温での保護膜のイオン伝導率が高く、電池のサイクル寿命特性が高く、保護膜の膜強度も高くすることができ、5,000以下であることで、常温での保護膜のイオン伝導性を高くすることができる。
ブロック(B)のMnが500以上であることで、常温での保護膜のイオン伝導率が高く、電池のサイクル寿命特性が高く、保護膜の膜強度も高くすることができ、5,000以下であることで、常温での保護膜のイオン伝導性を高くすることができる。
ブロックポリマー(D)中のオキシエチレン基の含有量は、保護膜のイオン伝導性及び保護膜の膜強度の観点から、(D)の重量を基準として、30〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜99重量%である。
なお、(D)中のオキシエチレン基の含有量は、1H−NMRによって求めることができる。
なお、(D)中のオキシエチレン基の含有量は、1H−NMRによって求めることができる。
ブロック(B)を有するポリマーとしては、ヒドロキシル基をポリマーの両末端に有するポリアルキレングリコール(b1)、ヒドロキシル基を片末端に有しもう一方の末端にアミノ基を有するポリアルキレングリコールアミン(b2)及びアミノ基をポリマーの両末端に有するポリアルキレングリコールジアミン(b3)等が挙げられる。
ブロックポリマー(D)において、ブロック(A)の溶解度パラメータ(以下、SP値と記載する)とブロック(B)のSP値との差の絶対値|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は、保護膜のイオン伝導性及び保護膜の膜強度の観点から、1.0以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜5.0である。
SP値差がこの範囲であると、ブロック(A)とブロック(B)とが相分離構造を形成することができ、より25℃でのイオン伝導率が高く、保護膜の強度に優れたポリマー電解質とすることができる。
ここでいうSP値とは、凝集エネルギー密度をΔE(単位はcal/モル)、分子容をV(単位はcm3/モル)とするとき、下記の式で定義される量を意味するものとする。
SP値=(ΔE/V)1/2 [単位は(cal/cm3)1/2]
具体的なSP値の求め方は例えばFedorsの方法が知られており、該方法は、該方法で得られたSP値とともに、「A Method for Estimatingboth the Solubility Parameters and MolarVolumes of Liquids,POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,vol.14,Issue2、p.147−154」に記載されており、本発明ではこれらを用いることができ、後述の実施例におけるSP値はこれに従った。
SP値差がこの範囲であると、ブロック(A)とブロック(B)とが相分離構造を形成することができ、より25℃でのイオン伝導率が高く、保護膜の強度に優れたポリマー電解質とすることができる。
ここでいうSP値とは、凝集エネルギー密度をΔE(単位はcal/モル)、分子容をV(単位はcm3/モル)とするとき、下記の式で定義される量を意味するものとする。
SP値=(ΔE/V)1/2 [単位は(cal/cm3)1/2]
具体的なSP値の求め方は例えばFedorsの方法が知られており、該方法は、該方法で得られたSP値とともに、「A Method for Estimatingboth the Solubility Parameters and MolarVolumes of Liquids,POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,vol.14,Issue2、p.147−154」に記載されており、本発明ではこれらを用いることができ、後述の実施例におけるSP値はこれに従った。
本発明において、ブロックポリマー(D)は、炭素数3〜24のジカルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた残基からなるブロックであって前記ブロック(A)及び前記ブロック(B)に含まれないブロック(C)を含むものである。
炭素数3〜24のジカルボン酸としては、マロン酸、4,4−ジ(n−プロピル)マロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スべリン酸、2,2,6,6−テトラメチルスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサン二酢酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、デカヒドロ−1,4−ナフタレンジカルボン酸、3−ノルアダマンタンカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸及び1,3−アダマンタンジカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、イオン伝導性の観点から、炭素数3〜12のジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜8のジカルボン酸であり、より好ましくは4,4−ジ(n−プロピル)マロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸及びスべリン酸である。
ブロック(C)としては、イオン伝導性の観点から、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜8のアルキレン基であり、より好ましくは4,4−ジ(n−プロピル)メチレン基、エチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、n−プロピレン基、3−メチル−n−プロピレン、3,3−ジメチル−n−プロピレン、2,2−ジメチル−n−プロピレン、3−エチル−3−メチル−n−プロピレン、2,4−ジエチル−n−プロピレン、ブチレン基、3−メチルブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基である。
炭素数3〜24のジカルボン酸としては、マロン酸、4,4−ジ(n−プロピル)マロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スべリン酸、2,2,6,6−テトラメチルスベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサン二酢酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、デカヒドロ−1,4−ナフタレンジカルボン酸、3−ノルアダマンタンカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸及び1,3−アダマンタンジカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、イオン伝導性の観点から、炭素数3〜12のジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜8のジカルボン酸であり、より好ましくは4,4−ジ(n−プロピル)マロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、グルタル酸、3−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3−エチル−3−メチルグルタル酸、2,4−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、3−メチルアジピン酸、ピメリン酸及びスべリン酸である。
ブロック(C)としては、イオン伝導性の観点から、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは炭素数3〜8のアルキレン基であり、より好ましくは4,4−ジ(n−プロピル)メチレン基、エチレン基、2,2−ジメチルエチレン基、n−プロピレン基、3−メチル−n−プロピレン、3,3−ジメチル−n−プロピレン、2,2−ジメチル−n−プロピレン、3−エチル−3−メチル−n−プロピレン、2,4−ジエチル−n−プロピレン、ブチレン基、3−メチルブチレン基、ペンチレン基及びヘキシレン基である。
本発明において、ブロック(A)とブロック(B)とは、保護膜の膜強度の観点から、エステル基、ウレタン基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基で結合されていることが好ましく、さらに好ましくはエステル基である。
本発明において、ブロック(A)とブロック(C)とは、保護膜の膜強度の観点から、エステル基及び/又はアミド基で結合されていることが好ましい。
ブロック(B)とブロック(C)とは、保護膜の膜強度の観点から、エステル基及び/又はアミド基で結合されていることが好ましい。
ブロック(B)とブロック(C)とは、保護膜の膜強度の観点から、エステル基及び/又はアミド基で結合されていることが好ましい。
ブロックポリマー(D)のMnは、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、10,000〜1,000,000が好ましく、さらに好ましくは15,000〜500,000である。
本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
装置(一例):「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
ブロックポリマー(D)の水酸基価は、イオン伝導性の観点から、0〜5mgKOHであることが好ましく、さらに好ましくは0〜1mgKOHである。
本発明においてリチウム塩(E)としては、無機酸のリチウム塩(E1)及び有機酸のリチウム塩(E2)が含まれる。
無機酸のリチウム塩(E1)としては、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等が挙げられる。
有機酸のリチウム塩(E2)としては、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2及びLiC(CF3SO2)3等が挙げられる。
(E)のうち、保護膜のイオン伝導性の観点から、有機酸のリチウム塩(E2)が好ましく、さらに好ましくはLiN(CF3SO2)2である。
無機酸のリチウム塩(E1)としては、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6及びLiClO4等が挙げられる。
有機酸のリチウム塩(E2)としては、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2及びLiC(CF3SO2)3等が挙げられる。
(E)のうち、保護膜のイオン伝導性の観点から、有機酸のリチウム塩(E2)が好ましく、さらに好ましくはLiN(CF3SO2)2である。
本発明のポリマー電解質組成物中のブロックポリマー(D)の含有量は、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、ポリマー電解質組成物の重量を基準として、20〜95重量%が好ましく、さらに好ましくは30〜90重量%である。
本発明のポリマー電解質組成物中のリチウム塩(E)の含有量は、保護膜のイオン伝導性の観点から、ポリマー電解質組成物の重量を基準として、5〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量%である。
本発明のポリマー電解質組成物中のリチウム塩(E)の含有量は、保護膜のイオン伝導性の観点から、ポリマー電解質組成物の重量を基準として、5〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量%である。
本発明のポリマー電解質組成物中のブロック(B)とリチウム塩(E)との重量比{ブロック(B):(E)}は、保護膜のイオン伝導性の観点から、100:1〜10:1が好ましく、さらに好ましくは100:1〜50:1である。
本発明のポリマー電解質組成物には上記ブロックポリマー(D)及びリチウム塩(E)以外に、無機粒子(F)を含んでもよい。
前記無機粒子(F)としては、保護膜の強度を向上することができるものが含まれ、例えば、リチウムイオン伝導性を有する無機粒子(リチウムオキシスルフィド、リチウムナイトライド、リチウムホスホロスオキシナイトライド、リチウムシリコンジスルフィド、リチウムボロンジスルフィド及びこれらの混合物等)並びにリチウムイオン伝導性を有さない無機粒子(SiO2、Al2O3、TiO2、BaTiO2及びBa2O3等)等が挙げられる。
無機粒子(F)の含有量は、(D)、(E)及び(F)の合計重量を基準として、保護膜の強度及びイオン伝導性の観点から、0〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜10重量%である。
前記無機粒子(F)としては、保護膜の強度を向上することができるものが含まれ、例えば、リチウムイオン伝導性を有する無機粒子(リチウムオキシスルフィド、リチウムナイトライド、リチウムホスホロスオキシナイトライド、リチウムシリコンジスルフィド、リチウムボロンジスルフィド及びこれらの混合物等)並びにリチウムイオン伝導性を有さない無機粒子(SiO2、Al2O3、TiO2、BaTiO2及びBa2O3等)等が挙げられる。
無機粒子(F)の含有量は、(D)、(E)及び(F)の合計重量を基準として、保護膜の強度及びイオン伝導性の観点から、0〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜10重量%である。
本発明のポリマー電解質組成物には、さらに溶媒を添加してもよい。
溶媒としては、エチレンカーボネート(炭酸エチレン、EC)及びプロピレンカーボネート(炭酸プロピレン、PC)等が挙げられる。
溶媒の添加量としては、イオン伝導性の観点から、ポリマー電解質組成物に対して、0〜120重量%が好ましく、さらにこのましくは0〜100重量%である。
溶媒としては、エチレンカーボネート(炭酸エチレン、EC)及びプロピレンカーボネート(炭酸プロピレン、PC)等が挙げられる。
溶媒の添加量としては、イオン伝導性の観点から、ポリマー電解質組成物に対して、0〜120重量%が好ましく、さらにこのましくは0〜100重量%である。
本発明のポリマー電解質組成物は、ブロックポリマー(D)及びリチウム塩(E)等を含有するものであり、製造及び使用方法は特に限定はない。
一例としては、ブロックポリマー(D)、リチウム塩(E)及び溶媒を混合し、必要により無機粒子(F)等を加え、10〜100℃で攪拌混合し、リチウム金属二次電池負極に塗布し、溶媒を留去する方法が挙げられる。
一例としては、ブロックポリマー(D)、リチウム塩(E)及び溶媒を混合し、必要により無機粒子(F)等を加え、10〜100℃で攪拌混合し、リチウム金属二次電池負極に塗布し、溶媒を留去する方法が挙げられる。
溶媒を留去する温度は、塗膜の均質性(=高サイクル特性)(塗膜の不均一な箇所に過電圧がかかり、リチウム金属の凝集・析出が促進され電極保護膜の破壊が起こるとされている)の観点から、使用溶媒の沸点±30℃が好ましく、さらに好ましくは使用溶媒の沸点±10℃である。
本発明のリチウム金属二次電池用負極は、上記本発明のポリマー電解質組成物で被覆されてなるものである。
負極としては、リチウム金属又は金属リチウム合金が含まれる。
金属リチウム合金としては、Al、Mg、K、Na、Ca、Sr、Ba、Si、Ge、Sb、Pb、In及びZnからなる群より選択される元素を含むことができる。
負極としては、リチウム金属又は金属リチウム合金が含まれる。
金属リチウム合金としては、Al、Mg、K、Na、Ca、Sr、Ba、Si、Ge、Sb、Pb、In及びZnからなる群より選択される元素を含むことができる。
本発明のリチウム金属二次電池用負極において、ポリマー電解質組成物の膜厚は、保護膜のイオン伝導性と膜強度とを両立させる観点から、10〜50μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。
本発明のリチウム金属二次電池用負極は、負極の一部が被覆されたものでもよく、全部が被覆されていてもよいが、サイクル特性の観点から、負極の全表面積の70〜100%が被覆されていることが好ましく、さらに好ましくは95〜100%である。
被覆されている面積は、SEM観察及びラマン分光測定での元素マッピングにより、特許文献13(特開2013−201062号公報)の記載に準じて測定することができる。
被覆されている面積は、SEM観察及びラマン分光測定での元素マッピングにより、特許文献13(特開2013−201062号公報)の記載に準じて測定することができる。
本発明のリチウム金属二次電池は、上記本発明のリチウム金属二次電池用負極を有するものである。
本発明のリチウム金属二次電池の一例の断面構造を図1に示す。図1において、1は正極、2は固体電解質又は固体電解液、3はリチウム金属二次電池負極用保護膜、4は負極(リチウム金属)を指す。
特に限定するものではないが、図1中の1としては、例えば、金属銅(リチウム−銅電池の場合)及び白金触媒担持多孔質カーボン(リチウム空気電池の場合)等が挙げられる。
2としては、リチウムイオン伝導体であれば特に限定されるものではなく、固体電解質、水系電解液及び非水系電解液等が挙げられる。
固体電解質としては、無機系固体電解質(LiN、LISICON類、Thio−LISICON類及びLa0.55Li0.35TiO3等のペロブスカイト構造を有する結晶、NASICON型構造を有するLiTi2P3O12、さらにこれら結晶化させた酸化物系電解質及びLiaMbPcSdで示される硫化物形電解質等)と有機系(ポリマー)電解質{例えば、特許文献14(特開2010−262860号公報)に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート及びこれらの誘導体、共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料等}が挙げられる。
また、水系電解液としては、エチレングリコール及び水を、非水系電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル及びこれらの混合液を使用することができる。
特に限定するものではないが、図1中の1としては、例えば、金属銅(リチウム−銅電池の場合)及び白金触媒担持多孔質カーボン(リチウム空気電池の場合)等が挙げられる。
2としては、リチウムイオン伝導体であれば特に限定されるものではなく、固体電解質、水系電解液及び非水系電解液等が挙げられる。
固体電解質としては、無機系固体電解質(LiN、LISICON類、Thio−LISICON類及びLa0.55Li0.35TiO3等のペロブスカイト構造を有する結晶、NASICON型構造を有するLiTi2P3O12、さらにこれら結晶化させた酸化物系電解質及びLiaMbPcSdで示される硫化物形電解質等)と有機系(ポリマー)電解質{例えば、特許文献14(特開2010−262860号公報)に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート及びこれらの誘導体、共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料等}が挙げられる。
また、水系電解液としては、エチレングリコール及び水を、非水系電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル及びこれらの混合液を使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1:ブロックポリマー(D−1)の製造>
反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン85.0部(三洋化成工業(株)製、Mn2,500、密度0.89、「ビスコール660−P」)と無水マレイン酸15.0部とを、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、20時間反応を行った。その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下留去して、酸変性ポリプロピレン(a1−1)を得た。
次に、別の反応容器に、得られた(a1−1)を110部、Mn1,000のポリオキシエチレングリコール(三洋化成工業製「PEG−1000」)(b1−1)を800部、コハク酸(東京化成工業(株)製)を90部及び酢酸ジルコニルを1.3部加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化し、ブロックポリマー(D−1)を得た。(D−1)のMnは32,000、(D−1)中のオキシエチレン基の含有量は80重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
反応容器に、熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン85.0部(三洋化成工業(株)製、Mn2,500、密度0.89、「ビスコール660−P」)と無水マレイン酸15.0部とを、窒素ガス雰囲気下、200℃で溶融し、20時間反応を行った。その後、過剰の無水マレイン酸を減圧下留去して、酸変性ポリプロピレン(a1−1)を得た。
次に、別の反応容器に、得られた(a1−1)を110部、Mn1,000のポリオキシエチレングリコール(三洋化成工業製「PEG−1000」)(b1−1)を800部、コハク酸(東京化成工業(株)製)を90部及び酢酸ジルコニルを1.3部加え、240℃、0.13kPa以下の減圧下で5時間重合させ、粘稠なポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状で取り出し、ペレット化し、ブロックポリマー(D−1)を得た。(D−1)のMnは32,000、(D−1)中のオキシエチレン基の含有量は80重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
<比較製造例1:ブロックポリマー(D’−1)の製造:ブロック(B)のMnが上限よりも大きい例>
製造例1において、「(b1−1)800部」を「Mn10,000のポリオキシエチレングリコール(三洋化成工業製「PEG−10000」)(b1’−1)50部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−1)を得た。(D’−1)のMnは8,000,000、(D’−1)中のオキシエチレン基の含有量は20重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
製造例1において、「(b1−1)800部」を「Mn10,000のポリオキシエチレングリコール(三洋化成工業製「PEG−10000」)(b1’−1)50部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−1)を得た。(D’−1)のMnは8,000,000、(D’−1)中のオキシエチレン基の含有量は20重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
<比較例製造例2:ブロックポリマー(D’−2):ブロック(B)のMnが下限未満である例>
製造例1において、「(b1−1)800部」を「ポリエチレングリコール(Mn:250)(東京化成工業(株)製)(b1’−2)900部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−2)を得た。(D’−2)のMnは8,000、(D’−2)中のオキシエチレン基の含有量は82重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
製造例1において、「(b1−1)800部」を「ポリエチレングリコール(Mn:250)(東京化成工業(株)製)(b1’−2)900部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−2)を得た。(D’−2)のMnは8,000、(D’−2)中のオキシエチレン基の含有量は82重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は2.1であった。
<比較例製造例3:ブロックポリマー(D’−3):ブロック(B)のMnが下限未満である例>
製造例1において、「(a1−1)110部」を「酸変性ポリエチレン(Mn:2,700)(三井化学製「ハイワックス2203A」)(b1’−3)110部」に、「(b1−1)800部」を「ポリエチレングリコール(Mn:250)(東京化成工業(株)製)(b1’−2)80部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−3)を得た。(D’−2)のMnは35,000、(D’−2)中のオキシエチレン基の含有量は28重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は0.8であった。
製造例1において、「(a1−1)110部」を「酸変性ポリエチレン(Mn:2,700)(三井化学製「ハイワックス2203A」)(b1’−3)110部」に、「(b1−1)800部」を「ポリエチレングリコール(Mn:250)(東京化成工業(株)製)(b1’−2)80部」に変更する以外は同様にして、ブロックポリマー(D’−3)を得た。(D’−2)のMnは35,000、(D’−2)中のオキシエチレン基の含有量は28重量%、|{(A)のSP値}−{(B)のSP値}|は0.8であった。
Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定した。
装置:「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム:「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
装置:「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム:「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL−M」(1本)
試料溶液:0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:135℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
ブロックポリマー(D)中のオキシエチレン基の含有量は、1H−NMRを用いて、下記測定条件により求めた。
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド
装置:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)
周波数:300MHz
<実施例1>
<ポリマー電解質組成物前駆溶液(1)の製造>
(D−1)100部及びLiN(CF3SO2)2(キシダ化学(株)製)1部をトルエン100部に溶解させ、ポリマー電解質組成物前駆溶液(1)を得た。
<ポリマー電解質組成物前駆溶液(1)の製造>
(D−1)100部及びLiN(CF3SO2)2(キシダ化学(株)製)1部をトルエン100部に溶解させ、ポリマー電解質組成物前駆溶液(1)を得た。
<ポリマー電解質組成物膜の製造>
厚さ調節用のスペーサー(厚み20μm)を置いたガラス板上に、得られたポリマー電解質組成物前駆溶液(1)を0.0018g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて、5時間静置した後、25℃で1時間おいて、ガラス板上にできた膜を剥離し、ポリマー電解質組成物からなるポリマー電解質組成物膜(1)を得た。
得られたポリマー電解質組成物膜(1)について、デジタル膜厚計DG−925[小野測器(株)製)により膜厚を測定した。結果を表1に示す。
厚さ調節用のスペーサー(厚み20μm)を置いたガラス板上に、得られたポリマー電解質組成物前駆溶液(1)を0.0018g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて、5時間静置した後、25℃で1時間おいて、ガラス板上にできた膜を剥離し、ポリマー電解質組成物からなるポリマー電解質組成物膜(1)を得た。
得られたポリマー電解質組成物膜(1)について、デジタル膜厚計DG−925[小野測器(株)製)により膜厚を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1〜3>
<ポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)の製造>
(D’−1)〜(D’−3)をそれぞれ100部と、LiN(CF3SO2)21部とをそれぞれトルエン100部に溶解させ、比較用のポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)を得た。
<ポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)の製造>
(D’−1)〜(D’−3)をそれぞれ100部と、LiN(CF3SO2)21部とをそれぞれトルエン100部に溶解させ、比較用のポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)を得た。
<ポリマー電解質組成物膜の製造>
厚さ調節用のスペーサー(厚み20μm)を置いたガラス板上に、得られたポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)をそれぞれ0.0018g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて、5時間静置した後、25℃で1時間おいて、ガラス板上にできた膜を剥離し、比較用のポリマー電解質組成物膜(1’)〜(3’)を得た。
得られたポリマー電解質組成物膜(1’)〜(3’)について、デジタル膜厚計DG−925[小野測器(株)製)により膜厚を測定した。結果を表1に示す。
厚さ調節用のスペーサー(厚み20μm)を置いたガラス板上に、得られたポリマー電解質組成物前駆溶液(1’)〜(3’)をそれぞれ0.0018g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて、5時間静置した後、25℃で1時間おいて、ガラス板上にできた膜を剥離し、比較用のポリマー電解質組成物膜(1’)〜(3’)を得た。
得られたポリマー電解質組成物膜(1’)〜(3’)について、デジタル膜厚計DG−925[小野測器(株)製)により膜厚を測定した。結果を表1に示す。
得られたポリマー電解質膜(1)及び(1’)〜(3’)について、イオン伝導性及び塗膜(保護膜)強度を、下記試験法にて評価した。
<イオン伝導性の評価>
各ポリマー電解質組成物膜を白金板で挟み、電極間の交流インピーダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行った。なお、測定機としては、横河ヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザー(形式:4192A)を使用し、その測定条件としては、印加電圧=10mV、測定使用周波数=5Hz〜13MHz、測定温度=25℃とした。結果を表1に示す。
各ポリマー電解質組成物膜を白金板で挟み、電極間の交流インピーダンスを測定し、複素インピーダンス解析を行った。なお、測定機としては、横河ヒューレットパッカード社製のインピーダンスアナライザー(形式:4192A)を使用し、その測定条件としては、印加電圧=10mV、測定使用周波数=5Hz〜13MHz、測定温度=25℃とした。結果を表1に示す。
<塗膜強度の評価>
各ポリマー電解質膜の引っ張り強度の測定を、テンシロン万能試験機を用いてJIS L1096−1990に準じて行った。試験片のサイズは幅50mm×長さ(測定長)200mmとした。結果を表1に示す。
各ポリマー電解質膜の引っ張り強度の測定を、テンシロン万能試験機を用いてJIS L1096−1990に準じて行った。試験片のサイズは幅50mm×長さ(測定長)200mmとした。結果を表1に示す。
<リチウム金属二次電池用負極の作成>
実施例1及び比較例1〜3のポリマー電解質組成物前駆溶液(1)及び(1’)〜(3’)を、電極となるリチウム金属(縦20mm×横30mm×厚み50μm)表面全面に0.0045g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて5時間静置することで、ポリマー電解質組成物(保護膜)で被覆されたリチウム金属二次電池用負極(1)及び比較用のリチウム金属二次電池用負極(1’)〜(3’)を得た。
実施例1及び比較例1〜3のポリマー電解質組成物前駆溶液(1)及び(1’)〜(3’)を、電極となるリチウム金属(縦20mm×横30mm×厚み50μm)表面全面に0.0045g/cm2で塗工後、110℃で3時間乾燥させた。その後、150℃まで温度を上げて5時間静置することで、ポリマー電解質組成物(保護膜)で被覆されたリチウム金属二次電池用負極(1)及び比較用のリチウム金属二次電池用負極(1’)〜(3’)を得た。
<被覆面積の測定>
得られたリチウム金属二次電池用負極(1)及び(1’)〜(3’)のSEM観察及びラマン分光測定での元素マッピングにより、特許文献15(特開2013−201062号公報)の記載に準じて被覆面積を測定した。結果を表1に示す。
得られたリチウム金属二次電池用負極(1)及び(1’)〜(3’)のSEM観察及びラマン分光測定での元素マッピングにより、特許文献15(特開2013−201062号公報)の記載に準じて被覆面積を測定した。結果を表1に示す。
下記手順に従い、リチウム金属電池用セルを得た。尚、電解液は1MのLiN(CF3SO2)2が溶解しているエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(50重量%/50重量%)を用いた。
(正極の作製手順)
正極活物質として、アルカリ賦活法によって得られた比表面積が約2200m2/gである活性炭を用いた。活性炭粉末、アセチレンブラック、及びポリフッ化ビニリデンを、それぞれ重量比80:10:10の割合となるように混合し、この混合物を、溶媒であるN−メチルピロリドン中に添加し、攪拌混合してスラリーを得た。このスラリーを、厚さ30μmのアルミニウム箔の上にドクターブレード法で塗布し、仮乾燥した後、電極サイズが20mm×30mmとなるように切り取った。電極の厚みは約50μmであった。
(電池の作製手順)
上記正極とそれぞれリチウム金属二次電池用負極(1)及び(1’)〜(3’)との間に、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、これに電解液を含浸させ、ラミネートフィルムからなる収納ケースに入れて密封しリチウム金属二次電池(1)及び(1’)〜(3’)を作成した。
(正極の作製手順)
正極活物質として、アルカリ賦活法によって得られた比表面積が約2200m2/gである活性炭を用いた。活性炭粉末、アセチレンブラック、及びポリフッ化ビニリデンを、それぞれ重量比80:10:10の割合となるように混合し、この混合物を、溶媒であるN−メチルピロリドン中に添加し、攪拌混合してスラリーを得た。このスラリーを、厚さ30μmのアルミニウム箔の上にドクターブレード法で塗布し、仮乾燥した後、電極サイズが20mm×30mmとなるように切り取った。電極の厚みは約50μmであった。
(電池の作製手順)
上記正極とそれぞれリチウム金属二次電池用負極(1)及び(1’)〜(3’)との間に、セパレータ(ポリプロピレン製不織布)を挿入し、これに電解液を含浸させ、ラミネートフィルムからなる収納ケースに入れて密封しリチウム金属二次電池(1)及び(1’)〜(3’)を作成した。
<室温充放電サイクル特性の評価>
得られたリチウム金属二次電池(1)及び(1’)〜(3’)について、室温25℃で、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を3.0Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と50サイクル目充電時の電池容量を測定し、下記式から充放電サイクル特性を算出した。数値が大きい程、充放電サイクル特性が良好であることを示す。結果を表1に示す。
室温充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)×100
得られたリチウム金属二次電池(1)及び(1’)〜(3’)について、室温25℃で、充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電池電圧を3.0Vまで放電し、この充放電を繰り返した。この時の初回充電時の電池容量と50サイクル目充電時の電池容量を測定し、下記式から充放電サイクル特性を算出した。数値が大きい程、充放電サイクル特性が良好であることを示す。結果を表1に示す。
室温充放電サイクル特性(%)=(50サイクル目充電時の電池容量/初回充電時の電池容量)×100
表1の結果から、比較例1においては、ブロック(B)のMnが上限よりも大きいブロックポリマー(D)を用いているため、結晶化が促進され、導電パスを形成し難く、25℃でのイオン伝導率が低かった。また、これを用いたリチウム金属二次電池は、室温充放電のサイクル特性が低かった。
また、ブロック(B)のMnが下限未満であるブロックポリマー(D)を用いた比較例2においては、塗膜(保護膜)の強度が低く、これを用いたリチウム金属二次電池は、リチウム電極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性いずれも低かった。被覆率が低いのは、リチウム金属二次電池用負極の作成工程において、乾燥時にリチウム電極表面を覆ったブロックポリマー(D)の塗膜(保護膜)の強度が低いためクラッキングが発生するためと推察される。
また、ブロック(B)のMnが下限未満であるブロックポリマー(D)を用いていた比較例3においては、オキシエチレン基の含有量が高いため塗膜(保護膜)の強度は高めであるものの、25℃でのイオン伝導率が低く、これを用いたリチウム金属二次電池は、リチウム電極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性いずれも低かった。
一方、実施例1の本発明のポリマー電解質組成物膜は、25℃でのイオン伝導性及び塗膜強度が高かった。さらに、このポリマー電解質組成物膜で被覆されたリチウム金属二次電池用負極を用いたリチウム金属二次電池は、リチウム金属二次電池用負極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性もいずれも高かった。したがって、本発明のポリマー電解質組成物を用いれば、常温での高イオン伝導性を達成でき、塗膜(保護膜)の強度が高く、被覆率の高いリチウム金属二次電池用負極を得ることができ、室温充放電サイクル特性の優れた電池を得られることが分かる。
また、ブロック(B)のMnが下限未満であるブロックポリマー(D)を用いた比較例2においては、塗膜(保護膜)の強度が低く、これを用いたリチウム金属二次電池は、リチウム電極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性いずれも低かった。被覆率が低いのは、リチウム金属二次電池用負極の作成工程において、乾燥時にリチウム電極表面を覆ったブロックポリマー(D)の塗膜(保護膜)の強度が低いためクラッキングが発生するためと推察される。
また、ブロック(B)のMnが下限未満であるブロックポリマー(D)を用いていた比較例3においては、オキシエチレン基の含有量が高いため塗膜(保護膜)の強度は高めであるものの、25℃でのイオン伝導率が低く、これを用いたリチウム金属二次電池は、リチウム電極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性いずれも低かった。
一方、実施例1の本発明のポリマー電解質組成物膜は、25℃でのイオン伝導性及び塗膜強度が高かった。さらに、このポリマー電解質組成物膜で被覆されたリチウム金属二次電池用負極を用いたリチウム金属二次電池は、リチウム金属二次電池用負極表面の被膜率及び室温充放電のサイクル特性もいずれも高かった。したがって、本発明のポリマー電解質組成物を用いれば、常温での高イオン伝導性を達成でき、塗膜(保護膜)の強度が高く、被覆率の高いリチウム金属二次電池用負極を得ることができ、室温充放電サイクル特性の優れた電池を得られることが分かる。
本発明のポリマー電解質組成物は、常温での高イオン伝導性に優れるリチウム金属二次電池負極用保護膜を与えることができる。また、本発明のポリマー電解質組成物で被覆したリチウム金属二次電池負極を用いれば、リサイクル寿命特性の優れたリチウム金属二次電池を得ることができる。
1:正極
2:固体電解質又は固体電解液
3:リチウム金属二次電池負極用保護膜
4:負極
2:固体電解質又は固体電解液
3:リチウム金属二次電池負極用保護膜
4:負極
Claims (9)
- ポリオレフィンのブロック(a1)、ポリエステルのブロック(a2)、ポリアミドのブロック(a3)、ポリイミドのブロック(a4)及びポリウレタンのブロック(a5)からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック(A)と、数平均分子量が500〜5,000のポリエーテルのブロック(B)と、炭素数3〜24のジカルボン酸から2個のカルボキシル基を除いた残基からなるブロックであって前記ブロック(A)及び前記ブロック(B)に含まれないブロック(C)とを有するブロックポリマー(D)並びにリチウム塩(E)を含有するポリマー電解質組成物。
- 前記ブロック(A)と前記ブロック(B)とが、エステル基、ウレタン基、アミド基及びイミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基で結合され、前記ブロック(A)と前記ブロック(C)とがエステル基及び/又はアミド基で結合されてなり、前記ブロック(B)と前記ブロック(C)とがエステル基及び/又はアミド基で結合されてなる請求項1に記載のポリマー電解質組成物。
- ブロック(B)がポリオキシエチレンブロックである請求項1又は2に記載のポリマー電解質組成物。
- ブロックポリマー(D)中のオキシエチレン基の含有量が30〜99重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリマー電解質組成物。
- ブロック(A)がポリオレフィンのブロック(a1)である請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー電解質組成物。
- ブロックポリマー(D)の数平均分子量が10,000〜1,000,000である請求項1〜5のいずれかに記載のポリマー電解質組成物。
- ブロック(A)の溶解度パラメータとブロック(B)の溶解度パラメータとの差の絶対値|{(A)の溶解度パラメータ}−{(B)の溶解度パラメータ}|が1.0以上である請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー電解質組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリマー電解質組成物で被覆されてなるリチウム金属二次電池用負極。
- 請求項8に記載のリチウム金属二次電池用負極を有するリチウム金属二次電池。
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---|---|---|---|---|
KR20170127721A (ko) * | 2016-05-12 | 2017-11-22 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬금속전지용 보호음극 및 이를 포함한 리튬금속전지 |
JPWO2019044720A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2020-08-13 | 日本ゼオン株式会社 | 電気化学素子機能層用組成物、電気化学素子用機能層および電気化学素子 |
JP2020164819A (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-08 | 三洋化成工業株式会社 | ブロックポリマー |
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-
2014
- 2014-03-26 JP JP2014064767A patent/JP2015187941A/ja active Pending
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