JP2015186009A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】個々の情報のデータ量が小さく、より多数の情報を一括して送信することが容易な無線通信装置を提供すること。
【解決手段】無線通信装置は、所定の領域内を複数のセルに区画して、各セルに1ビットを割り当てて、各セルの状態を1ビットのデータで表現することにより、所定の領域内全体の状態を複数のセルと同数分のビット数で表現可能に構成されたマップデータを作成する。自車両の周囲に存在する交通要素に関して当該交通要素の自車両に対する相対位置を示す相対位置情報を取得する情報取得部から提供される相対位置情報に基づいて(S110,S115)、各セルに対応する相対位置に交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録したマップデータを作成する(S120−S150)。
【選択図】図14

Description

本発明は、車両等の交通要素の位置を無線通信で伝送する無線通信装置に関する。
自車両で取得した情報を車車間通信によって他車両へ提供する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この種の技術では、自車両で取得可能な各種情報全てを他車両へ伝送しようとすると、その情報量が膨大になる。そのため、車両間における通信処理にかかる時間が長くなり、そのような通信制御やデータ処理を行う制御装置にかかる負荷も大きくなる。こうした問題に対し、上記特許文献1に記載の技術では、情報の価値に重み付けをして、より有益と判断された情報を選択的に送信することで、情報量を削減することが提案されている。
特開2007−156753号公報
しかし、上記従来技術は、送信される情報の数を少なくすることで、全体としての情報量を削減する技術であって、送信される個々の情報そのもののデータ量を小さくする技術ではない。そのため、いくつかの重要な情報が車車間で伝送されるとしても、それ以外の情報は欠落しやすく、一方の車両では必要な情報であっても、他方の車両では不要との価値判断がなされると、必要な情報が伝送されないといった状況にも陥り得る。
この点、個々の情報のデータ量をより小さくすることができれば、全体としての情報量は同等であっても、送信される情報の数をより多くして、それら多数の情報を一括して送信することも可能となる。
以上のような事情から、個々の情報のデータ量が小さく、より多数の情報を一括して送信することが容易な無線通信装置を提供することが望ましい。
以下に説明する無線通信装置は、マップ作成部と、送信部と、受信部と、フィッティング部とを備える。マップ作成部は、情報取得部から提供される相対位置情報に基づいて、交通要素(例えば、自車両以外の車両である他車両、あるいは歩行者等。)の存在する相対位置が記録されたマップデータを作成する。なお、情報取得部は、自車両の周囲に存在する交通要素に関して当該交通要素の自車両に対する相対位置を示す相対位置情報を取得する構成である。相対位置情報は、情報取得部からマップ作成部へ直接提供されてもよいし、情報取得部が相対位置情報をデータベースに登録して、データベース経由でマップ作成部へ提供されてもよい。
マップ作成部が作成するマップデータは、自車両の周辺における所定の領域内に関し、当該所定の領域内を複数のセルに区画し、各セルに1ビットを割り当てたデータとされる。これにより、このマップデータは、各セルの状態が1ビットのデータで表現され、所定の領域内全体の状態を複数のセルと同数分のビット数で表現可能に構成されたデータとなる。マップ作成部は、上述のようなマップデータにおいて、各セルに対応する相対位置に交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録する。
送信部は、検出部によって検出された自車両の絶対位置と、マップ作成部によって作成されたマップデータとを、データ送信先(例えば、自車両の周辺にいる他車両、あるいは路上の通信施設等。)に対して送信する。なお、検出部は、自車両の絶対位置を検出する構成である。受信部は、データ送信元(例えば、自車両の周辺にいる他車両、あるいは路上の通信施設等。)から送信されてくる交通要素の絶対位置とマップデータとを受信する。フィッティング部は、受信部によって受信した交通要素の絶対位置とマップデータとに基づいて、マップデータ中に記録された交通要素の相対位置を絶対位置に変換する。
ちなみに、データ送信元から受信したマップデータ中に記録された交通要素は、マップデータを送信したデータ送信元において存在が認識されている交通要素である。そのような交通要素としては、例えば、マップデータを送信した車両自体、マップデータを送信した車両以外の車両(自車両も含まれ得る。)等が該当し得る。ただし、これら全ての交通要素が該当するか否かは仕様や環境によっても変わり得る。
また、フィッティング部での変換によって得られた交通要素の絶対位置は、自車両において各種用途で利用され得るが、どのような用途で利用するかは任意である。例えば、自車両の報知装置(例えばナビゲーションシステム等。))から運転者に向かって交通情報として報知されてもよいし、自車両の車速制御や制動制御を行うために必要な情報として利用されてもよく、これら以外の用途で利用されてもよい。
以上のように構成された無線通信装置によれば、自車両に対する交通要素の相対位置を1ビットという極めて小さなデータ量で伝送することができる。そのため、多数の交通要素それぞれに対応する相対位置情報であっても一括して送信することができる。したがって、データ量を抑制するために、例えば、一部の交通要素だけを選択して相対位置情報を送信し、残りの交通要素については相対位置情報の送信を断念する、といった対応をしなくても済む。
また、一括して送信可能なデータ量が決まっている場合、自車両に対する交通要素の相対位置に関するデータ量が小さくなれば、その分だけ他のデータを送信できる。したがって、自車両に対する交通要素の相対位置以外にも、より多くの他の情報を付加して送信する余裕ができる。あるいは、そのような他の情報を付加しなければ、一括して送信されるデータ量そのものを小さくできるので、通信トラフィックを減少させることができ、無線通信装置の各部にかかる処理負荷を軽減することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、本発明は、上述した無線通信装置の他、当該無線通信装置を構成要素とするシステム、当該無線通信装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、無線通信方法など、種々の形態で実現することができる。
無線通信装置を含むシステム全体の一例を示す構成図である。 交通情報DBに格納されるデータを例示した説明図である。 交通状況を例示した説明図である。 マップデータの一例を示す説明図である。 受信マップデータテーブルに格納されるデータを例示した説明図である。 マップデータ内に複数のセルサイズが混在する例を示す説明図である。 ヘッダとマップデータのデータ構造を示す説明図である。 車速に応じてセルサイズが可変とされたマップデータを示す説明図である。 測定精度に応じてセルサイズが可変とされたマップデータを示す説明図である。 データ化の対象が変更されたマップデータを示す説明図である。 隣接する複数のセルで位置精度を表現したマップデータを示す説明図である。 交通情報DBに格納される位置精度付きのデータを例示した説明図である。 隣接する複数のセルで車速を表現したマップデータを示す説明図である。 データ送信処理のフローチャートである。 データ受信処理のフローチャートである。
次に、上述の無線通信装置について、より具体的な例を挙げて説明する。
[無線通信装置、及び車車間通信システムの構成]
以下に説明する実施形態は、本発明の一実施形態として例示する無線通信装置が複数の車両それぞれに搭載されて、これらの車両によって車車間通信を行う情報通信システムが構成されている例である。この情報通信システムは、車車間通信以外にも、更に歩車間通信や路車間通信によって各種交通情報を取得可能に構成されていてもよい。
図1に例示した範囲内において、この情報通信システムは、複数の車両(図1では、三台の車両1,2,3を例示。ただし、システムとしては三台に限定されない。)によって構成されている。これらの車両1,2,3には、無線通信装置10が搭載され、車両1,2,3の間で相互に情報通信が可能となるように構成されている。図1においては、図を簡略にするため、車両1に搭載されている構成を記載し、車両2,3に搭載されている構成の図示を省略してある。ただし、車両2,3にも車両1と同等な構成が搭載されている。以下、図1において車両1が備える構成を参照しつつ説明を続ける。
車両1に搭載された無線通信装置10は、制御部20、及び通信部30を備えている。制御部20は、周知のCPU21やRAM22などを備えたマイクロコンピュータを中心に、各種インターフェイス回路等を配して構成されている。CPU21は、所定のプログラムに従って各種処理を実行する。これにより、CPU21は、本実施形態に関連する構成として、後述するマップ作成部211、フィッティング部212、及び情報提供部213などとして機能する。RAM22は、制御部20の作動中に入出力される各種データを一時的に記憶する記憶手段である。本実施形態に関連する構成として、RAM22には、受信マップデータテーブル221が確保される。通信部30は、RF(Radio Frequency)帯の電波による無線通信方式で、各種情報の送受信を実行可能な周知の構成であり、変調部31、RF部32、及び復調部33などを備えている。なお、通信部30は、RF帯の電波以外を利用する無線通信方式であってもよい。
車両1には、上述の無線通信装置10と連携して機能する構成として、情報取得部40、検出部50、及び交通情報データベース(以下、交通情報DBと略称する。)60を備えている。情報取得部40は、車両1の周辺における交通情報を取得可能な構成全てが該当する。その一例としては、例えば、対象物を画像として撮影するカメラ41、レーザー光等を照射して対象物の大きさや対象物までの距離を検出するライダー(LIDAR)42、車車間/歩車間/路車間通信などで交通情報を取得する無線装置43などを挙げることができる。
情報取得部40については、これらカメラ41、ライダー42、及び無線装置43に限られず、交通情報を取得する上で有用な構成であれば、更に他の構成を備えていてもよい。あるいは、情報取得部40としての機能を実現可能な範囲内であれば、上述した構成のいずれかが省略されてもよい。また、情報取得部40は、上述の無線通信装置10と連携させることを目的として採用された専用の構成ではなく、車両1が備える他の機能を実現するためにも利用され得る汎用の構成である。ただし、このような汎用の構成とは別に、上述のような専用の構成として情報取得部40が設けられていてもよい。無線装置43については、無線通信装置10自体が無線装置43相当の役割を果たすように構成されていてもよい。
検出部50は、自車両の絶対値を検出するための構成全てが該当する。その一例としては、例えば、人工衛星による測位が可能なGPS(Global Positioning System)51、車両の向きや角速度を検出可能なジャイロセンサ52、道路やその他の施設の位置情報などが格納された地図情報53などを挙げることができる。
検出部50についても、これらGPS51、ジャイロセンサ52、及び地図情報53に限られず、自車両の絶対位置を検出する上で有用な構成であれば、更に他の構成(例えば、車速センサ、操舵角センサ等。)を備えていてもよい。あるいは、検出部50としての機能を実現可能な範囲内であれば、上述した構成のいずれかが省略されてもよい。また、検出部50も、上述の無線通信装置10と連携させることを目的として採用された専用の構成ではなく、車両1が備える他の機能を実現するためにも利用され得る汎用の構成である。ただし、このような汎用の構成とは別に、上述のような専用の構成として検出部50が設けられていてもよい。
交通情報DB60は、不揮発性の記憶手段によって構成されたデータベースである。この交通情報DB60には、情報取得部40において取得された交通情報、無線通信装置10において取得された交通情報、あるいはその他の手法で取得された交通情報などが随時格納される。格納される情報の項目は特に限定されないが、例示的に項目の一例を挙げれば、例えば図2に示すような項目で構成された情報群が格納され得る。更にこれら以外の項目に対応する情報が格納されてもよい。
交通情報DB60に格納された交通情報は、必要時に無線通信装置10側へと提供される。このように情報取得部40と無線通信装置10が交通情報DB60を介して交通情報の入出力を行えば、情報取得部40と無線通信装置10とで、一方が交通情報を取得するタイミングと他方が交通情報を必要とするタイミングに時差があっても、両者が非同期で情報の授受を行うことができる。なお、交通情報DB60を備えている場合でも、更に情報取得部40と無線通信装置10とが同期して直接情報を伝送可能とするための構成を備えていてもよい。
[マップデータの態様(その1)]
無線通信装置10において、マップ作成部211では、情報取得部40において取得された交通情報(本実施形態では、交通情報DB60に格納されている情報。)に基づいて、自車両の周辺における所定の領域内の交通状況を表すマップデータが作成される。このマップデータは、自車両の周辺における所定の領域内を複数のセルに区画して、各セルに1ビットを割り当てて、各セルの状態を1ビットのデータで表現したデータである。このようなマップデータにより、所定の領域内全体の状態は、複数のセルと同数分のビット数で表現される。
本実施形態において、上述のようなマップデータ化される交通情報の代表的な例としては、自車両の周囲に存在する他車両の相対位置を示す情報(すなわち、他車両の自車両に対する相対位置を示す情報。)を挙げることができる。具体的には、情報取得部40から提供される他車両の相対位置情報(本実施形態では、交通情報DB60に格納されている相対位置情報。)に基づいて、マップ作成部211は、各セルに対応する相対位置に他車両が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録したマップデータを作成する。
例えば、図3に示すように、自車両C0の周囲において、自車両C0と同方向へ走行する他車両C1,C2や、反対車線上を自車両C0とは反対方向へ走行する他車両C3,C4が存在する場合を想定する。この場合、自車両C0では、情報取得部40によって各他車両C1〜C4の自車両C0に対する相対位置を取得する。このような相対位置は、例えば情報取得部40の一例に相当するライダー42で測定して取得することができる。あるいは、他車両C1〜C4との車車間通信で他車両C1〜C4の絶対位置(例えば、GPS51による測位で得た位置。)を取得して自車両C0の絶対位置との差を得ることで取得することができる。これら複数の取得方法は、いずれかを択一的に利用してもよいが、複数の取得方法を併用してもよい。複数の取得方法を併用すれば情報の精度を向上させることができる。
図3に例示した各他車両C1〜C4の場合、他車両C1は、自車両C0に対し左方へA(−A)、前方へ3B(+3B)の相対位置にある。他車両C2は、自車両C0に対し左方へA(−A)、後方へ3B(−3B)の相対位置にある。他車両C3は、自車両C0に対し右方へA(+A)、前方へ2B(+2B)の相対位置にある。他車両C4は、自車両C0に対し右方へ3A(+3A)、後方へ3B(−3B)の相対位置にある。ここでA,Bは、各セルの一辺に対応する距離に相当する。したがって、例えば、Aが10m、Bが10mであれば、他車両C1は、自車両C0に対し左方へ10m、前方へ30mの相対位置に存在することになる。
このような交通状況が情報取得部40において取得されると、その情報は交通情報DB60に格納される。そして、マップ作成部211においてマップデータが作成される際には、マップ作成部211により、交通情報DB60に格納された様々な交通情報の中から、他車両C1〜C4の相対位置に関する情報が抽出されて、図4に示すようなマップデータが作成される。このマップデータにおいて、他車両C1〜C4の相対位置情報に基づいて、各セルに対応する相対位置に他車両C1〜C4が存在する場合には、各セルに対応するビットがオン(1)とされる(図4中で斜線を付したセル参照。)。また、オンとされたセル以外のセルに対応するビットはオフ(0)とされる。これにより、他車両C1〜C4の相対位置がマップデータ中に記録される。
なお、図4では自車両C0が存在するセルに対応するビットもオン(1)とされている。ただし、当該セルに自車両C0が存在することはビットのオン・オフによらず自明である。よって、このセルに車両が存在するのは当然であるものと扱う取り決めになっていれば、当該セルのオン・オフをいずれにするかは任意である。また、自車両の位置がマップの中央となるか否かも任意である。例えば、自車両の前方については後方よりも遠方までマップ化したい場合は、マップの2/3を自車両の前方、1/3を自車両の後方に割り当ててもよい。この場合、自車両の位置はマップの中央ではなくなる。さらに、このマップデータは車両の有無をオン・オフで識別できればよいデータである。したがって、車両が存在する場合にビットがオフ、存在しない場合にビットがオンとなるマップデータとされていてもよく、これも取り決め次第である。
いずれにしても、図4に例示するようなマップデータが作成されれば、例えば、上述した例のように、Aが10m、Bが10mであれば、車両の幅方向へ90m、車両の進行方向へ90mの範囲を対象に、81ビットのデータ量で他車両の相対位置を表現することができる。A,Bは10m以外であってもよく、両者の比A:Bも10m:10m以外でもよい。実用上、より精密な相対位置を表現したい場合は、各セルの一辺に対応する距離は短くなるほど好ましい。例えば、セルの一辺が20mの場合は±10mの誤差が含まれ得るのに対し、セルの一辺が10mの場合は±5mの誤差が含まれるだけなので、後者の方が2倍高い精度で相対位置を表現できる。
また、図4では、図を簡略にする都合上、縦横9×9のセルを配列した構成のマップデータを例示したが、縦横9×9とするか否かも任意である。より広範囲のマップデータを作成したい場合は、セルの一辺の長さを大きくするのではなく、セルの配列数を増やすことで、高い精度で相対位置を表現できるようになる。例えば、セルの一辺が10mの場合、9×9のセルでは90m四方の範囲しか表現できないが、27×27のセルであれば270m四方の範囲を表現することができる。セルの一辺を30mに変更すれば、9×9のセルでも270m四方の範囲を表現できるが、この場合は±15mまで誤差が拡大するので、精度を維持したい場合はセルの配列数を増やす方がよい。
マップ作成部211において作成されたマップデータは、変調部31において変調されて、RF部32から自車両の周囲にいる他車両に対して同報送信される。このとき、無線通信装置10は、自車両の絶対位置を示す情報もマップデータとともに送信する。このようなマップデータの同報送信は他車両においても実施される。
そのため、自車両の周囲に複数の他車両が存在する場合、それら複数の他車両において上述のような同報送信が実施されると、それを自車両ではRF部32で受信し、復調部33において復調する。これにより、複数の他車両それぞれから当該他車両の絶対位置情報とマップデータを取得することになる。マップデータを受信した際には、図5に示すように、複数のマップデータそれぞれが受信マップデータテーブル221に格納される。このとき、受信マップデータテーブル221には、他車両の絶対位置情報(図5に示す送信車両緯度及び送信車両経度。)も併せて格納される。他車両の絶対位置情報は、マップデータとともに送信されてきてもよいが、マップデータよりも先行して受信した絶対位置情報が交通情報DB60に格納されている場合は、交通情報DB60から絶対位置情報を取得してもよい。
定期的な更新タイミングにおいてフィッティング部212では、マップデータを送信した他車両の絶対位置情報を用いて、マップデータ中に記録されている他車両の相対位置情報を絶対位置情報に変換する。ここで、複数のマップデータを受信している場合は、他車両の絶対位置とマップデータの範囲が判れば、複数のマップデータに重複する範囲が存在するか否かを判断できる。
複数のマップデータに重複する範囲が含まれる場合、その重複範囲に他車両が存在していれば、複数のマップデータそれぞれから他車両の絶対位置を読み取ることができる。読み取った絶対位置には誤差も含まれる。そのため、複数のマップデータから読み取った位置全てが一致するとは限らない。しかし、複数のマップデータそれぞれから他車両の絶対位置を読み取ることができれば、それらの複数の絶対位置から最小二乗法などで絶対位置の真値を推定することで、位置情報の精度を更に向上させることができる。
このようにしてフィッティング部212において推定された他車両の絶対位置情報は、交通情報DB60に格納される。なお、交通情報DB60に格納され他車両の絶対位置情報は、自車両において各種用途で利用され得る。例えば、自車両が備えるナビゲーション装置から運転者に向かって交通情報として報知されるような用途で利用され得る。あるいは、自車両の車速制御や制動制御を行うために必要な情報として利用され得る。この他の用途もあり得るが、どのような用途で用いるかについては、要部との関連性が低いので、これ以上の説明は省略する。
[マップデータの態様(その2)]
ところで、図4に例示したマップデータの場合、複数のセル全てにおいて、セルのサイズが同サイズとなっていたが、セルサイズを自車両からの相対位置に応じて可変とする構成を採用してもよい。例えば、図6に示すように、自車両からの相対位置に応じて、相対位置が遠いセルほど当該セルのサイズが連続的又は段階的に大きくされたマップデータを考え得る。図6に示す例の場合、自車両からの相対位置に応じてセルのサイズが二段階に変えられている。このセルサイズは三段階以上にわたって変えられてもよい。また、図6に示す例の場合、セルのサイズが二段階に変えられているので、サイズが変更される段階よりも自車両からの相対位置が近い範囲内にあるセルのサイズは同サイズとされているが、自車両からの相対位置に応じて連続的にセルのサイズが変更されていてもよい。
このようにセルのサイズを可変とした場合でも、各セルに割り当てられるデータサイズは1ビットとされる。これにより、自車両から近い位置にあるセルについては位置精度が高い状態を維持し、自車両から遠い位置にあるセルについては位置精度が低くなるものの、その点さえ許容すれば、より少ないデータ量でより広範囲の交通状況を記録することができるようになる。
ちなみに、通常、自車両の近くにいる他車両については、その位置を正確に把握できるのに対し、自車両から遠方にある他車両については、その位置を把握できても相応の誤差が含まれ得る。したがって、正確な位置情報を提供可能な自車両近くの他車両と、正確な位置情報の提供が困難な自車両から離れた他車両とでは、図6に示すようにデータの精度に差異があっても、そのような差異がない場合と誤差範囲については大差がないことも多い。よって、図6に示すような形態のマップデータにすれば、誤差範囲をそれほど大きくすることなく、データサイズの削減ないしマップ範囲の広域化を図ることができる。
図4に例示したようなマップデータと、図6に例示したようなマップデータのいずれを利用するかは、システムにおいて取り決められていればよい。また、そのような取り決めとして、両方のタイプのマップデータを使用可能としてもよい。両方のタイプのマップデータを使用する場合は、例えば、図7に例示するように、マップデータの先頭にヘッダを付加して、そのヘッダの中にマップ形状を示す情報を記録する。
マップ形状を示す情報は、例えば、1ビットあれば2種類のマップ形状のいずれであるのかを示すことができ、2ビットあれば最大4種類のマップ形状のいずれであるのかを示すことができ、必要なら3ビット以上あってもよい。すなわち、何種類のマップ形状があるのかに応じて、必要なビット数のマップ形状情報をヘッダ内に確保すればよく、これにより、受信側での処理を適切に実施することができる。なお、図7において、ヘッダ内には、セルサイズ情報、情報種別情報なども記録されているが、これらについては後述する。
[マップデータの態様(その3)]
既に説明した事例では、マップデータを構成するセルのサイズについては任意に変更し得る旨を説明してきたが、セルのサイズを動的に変更する構成を採用してもよい。具体的には、例えば、自車両の速度に応じて、当該速度が速いほど一つのセルに対応する実際の範囲が連続的又は段階的に拡大されるように構成されてもよい。理解を促すために例示的な数値を挙げれば、例えば、図8に示すように、車速が60km/h未満の場合は、セルの一辺が10mに対応するマップデータを作成し、車速が60km/h以上の場合は、セルの一辺が20mに対応するマップデータを作成する。
このように構成した場合、車速が低速であれば、より精度の高い情報(誤差が±5m)を記録可能なマップデータが作成される。一方、車速が高速の場合は、低速時よりは精度の低い情報(誤差が±10m)しか記録できない。しかし、同じビット数でより広範囲の記録が可能なマップデータが作成されることになる。車速が低速な場合は、車間距離が短くなりがちで、位置精度の高い情報が必要なので、このような状況下で誤差が小さいマップデータを作成するのは有益である。一方、車速が高速な場合は、車間距離は長くなるので、近くにいる他車両との距離を厳密に測定することの重要性は低くなるが、単位時間当たりの移動距離が大きくなるので、より広範囲の交通情報を取得することは重要になる。したがって、より重要性の高い情報を適切に取得する観点から、上述のような車速に応じてセルサイズを変更する構成は有益である。
なお、上述の事例では、車速が60km/h以上か否かに応じて、セルサイズを二段階に変更する例を挙げたが、三段階以上に変更してもよいことはもちろんである。また、そのような多段階に変更する構成の他、セルサイズが無段階に連続的に変化する構成としてもよい。どのようなセルサイズのマップデータなのかは、図7に例示したヘッダの中にセルサイズ情報として記録されていれば、受信側での処理を適切に実施することができる。ヘッダ内におけるセルサイズを示す情報は、例えば、1ビットあれば2段階に変更されるセルサイズのいずれであるのかを示すことができる。同情報は、2ビットあれば最大4段階に変更されるセルサイズのいずれであるのかを示すことができる。同情報は、必要なら3ビット以上あってもよい。セルサイズが無段階に変更され得るのであれば、セルサイズとして取り得る値全てを表現可能なビット数にすればよい。
[マップデータの態様(その4)]
上述のようなセルサイズの変更は、車速に連動して変更されるものに限らず、他の条件で変更される構成とされていてもよい。例えば、上述の通り、セルサイズは小さい場合ほど、精度の高い情報を記録可能なマップデータとなる。したがって、自車両の情報取得部40によって取得される相対位置情報の位置精度に応じて、位置精度が高い場合ほどセルに対応する実際の範囲が小さくなるマップデータを作成してもよい。すなわち、情報取得部40としては、コスト的な制約やその他の事情から、比較的精度の高い測定機器を採用している場合もあれば比較的精度の低い測定機器を採用している場合もある。
そのため、精度の高い測定機器を採用している場合にはセルサイズを小さく、精度の低い測定機器を採用している場合にはセルサイズを大きくすることで、測定機器の精度を活かした情報を他車両へ提供することができるようになる。理解を促すために例示的な数値を挙げれば、例えば、図9に示すように、測定精度が低い場合は、セルの一辺が10mに対応するマップデータを作成し、測定精度が高い場合は、セルの一辺が5mに対応するマップデータを作成する。これにより、セル数が同数であればデータ量は変わらずマップの範囲は狭くなるが、精度の高い位置情報をマップデータ中に記録できるようになる。このような精度を維持したまま、マップの範囲を広域化したければ、データ量は増えることになるがセルの配列数を増やせばよい。なお、このような構成を採用する場合でも、どのようなセルサイズのマップデータなのかは、図7に例示したヘッダの中にセルサイズ情報として記録されていればよいが、更にセルサイズ情報とは別に、高精度情報であることを示す情報をヘッダに記録してもよい。
[マップデータの態様(その5)]
これまで説明した事例は、マップデータに車両の有無を記録する例であった。これに対し、自車両の周囲に存在する他車両のうち、所定のイベントが発生している他車両を対象に、そのような他車両の相対位置を示す情報(すなわち、他車両の自車両に対する相対位置を示す情報。)をマップデータ化してもよい。
このような構成は、特に自車両の周囲に多数の他車両が存在する場合に有益である。具体的には、自車両の周囲に多数の他車両が存在する場合、類似する範囲のマップデータが多数送信されてくる可能性が高くなる。このような場合には、全てのマップデータが同じ車両を対象にして車両の存在の有無ばかりを記録しても、位置情報の精度向上に一定の効果はあるものの、ある程度の精度が確保された段階で、それ以上の冗長な情報は不要となる。このような状況になった場合に、上述のように、所定のイベントが発生している他車両だけを選択してマップデータ化すれば、存在する全車両が記録されているマップデータと併用することで、存在する全車両の相対位置と、その中で所定のイベントが発生している車両がどれなのか、といった情報を把握することができる。すなわち、記録対象を変えることにより、把握可能な情報の幅を広げることが可能となる。
理解を促すために具体的な例を挙げると、例えば、図3に示すように、他車両C1,C4においてウインカーオンとなっている場合に、ウインカーオンとなっている他車両を対象にマップデータ化を行う。このようなマップデータを作成すると、図10に示すように、全車両を対象とするマップデータと、ウインカーオンの車両を対象とするマップデータとでは異なるマップデータが作成される。これら二つのマップデータがそれぞれ別々の車両で作成されて、順次送信されれば、両方のマップデータを取得した車両では、どのような位置に車両が存在し、その中でどの車両のウインカーがオンになっているのかを適切に把握することができる。
どのようなイベントが発生している車両を示すマップデータなのかは、図7に例示したヘッダの中に情報種別情報として記録されていれば、受信側での処理を適切に実施することができる。ヘッダ内における情報種別情報は、例えば、1ビットあれば2種類の情報種別のいずれであるのかを示すことができ、2ビットあれば最大4種類の情報種別のいずれであるのかを示すことができ、必要なら3ビット以上あってもよい。
ちなみに、図10を見れば理解できるが、イベントが発生している他車両を示すマップデータでは、イベントが発生していない他車両の位置を把握することができない。そのため、このようなマップデータの同報送信をするか否かの判断を行うに当たっては、直近に全車両の存在が記録されたマップデータが同報送信されていることを必要条件として判断を行うとよい。例えば、通信部30で他車両からマップデータを受信してから所定以上の時間が経過している場合には、最新の車両位置を把握することがより重要なので、全車両の存在が記録されたマップデータを同報送信する。一方、所定以上の時間が経過していない場合には、最新の車両位置を把握済みと見なすことができるので、イベントが発生している他車両を示すマップデータを同報送信する。このようにすれば、イベントが発生していない他車両の位置を把握できないといった事態に陥るのを抑制することができる。
[マップデータの態様(その6)]
マップデータのセルサイズは、一つのセルに対して車両の存在を記録した際に、その周囲のセルに確実に車両が存在しないことを保証できる程度まで、セルのサイズを小さくすることが可能である。例えば、一般的な車両の全長は少なくとも3m程度はあるので、一つのセルのサイズを2m四方とか1m四方といったサイズまで小さくすれば、全長3mの車両が2mピッチや1mピッチで縦列配置されないことは保証できる。
このようにセルサイズを小さくした場合、隣接する位置にある複数のセルを対象にしてビットのオン・オフを実施することにより、他車両が存在する相対位置とともに、他の情報を記録することが可能となる。すなわち、隣接する位置にある複数のセルがオンとなっていても、上述のようにセルサイズが十分に小さければ、そのような隣接するセルそれぞれに対応する位置に別の車両がいないことは保証できる。そのため、この場合、複数の車両が隣接する位置に存在する可能性を排除できる。したがって、隣接する位置にある複数のセルがオンとなっていれば、複数の車両が存在すると解釈せず、何らかの情報が記録されているものと解釈することが可能となる。
このような何らかの情報の例としては、例えば、他車両が存在する相対位置の位置精度を記録することが考えられる。例えば、自車両の周囲にある四台の他車両(普通車#1〜#4)について、図11に示すようなマップデータが作成された場合、普通車#1〜#3については位置精度が高い情報として記録されたものと解釈できる。普通車#4については位置精度が低い情報として記録されたものと解釈できる。
すなわち、普通車#4については2×2のセルがオンとされているが、当該セルに四台の車両が存在しないことは保証されているので、このような2×2のセルがオンとされている場合には、位置精度が低い情報が記録されているものと解釈する。このようなマップデータは、例えば、図12に示すような、位置精度情報付きの交通情報に変換されて、交通情報DB60に登録される。これにより、交通情報DB60に登録された情報を利用する制御では、車両の位置に加え、その位置精度も考慮した制御を実施することができるようになる。
[マップデータの態様(その7)]
車両の位置を示すセルに加えて、隣接する位置にあるセルについてもオンとする方式で、上述のように記録可能な他の情報としては、車速情報の記録なども可能である。例えば、図13に例示するように、低速車両(図13中の普通車#4)はセルを一つだけオンにする。中速車両(図13中の普通車#1,#3)は進行方向に隣接する二つのセルをオンにする。高速車両(図13中の自車両,普通車#2)は進行方向に隣接する三つのセルをオンにする。
このようにすることで、進行方向に並ぶセルが1〜3の範囲でオンとされて、その数で車速域を記録することができる。なお、この場合は、進行方向に並ぶ三つのセルがオンとされても、そのような各セルに別の車両が存在し得ない程度までセルサイズが小さい構成を採用する。上述の事例では速度域を三段階に分けたが、セル数に十分な余裕があれば更に多段階の速度域に分けてもよい。また、車両の進行方向に並ぶセル以外に、車両の幅方向に並ぶセルを利用して速度を表現してもよく、例えば、最大で3×3のセルを一台の車両に割り当てることができるのであれば、最大で9段階の車速域を表現できる。以上のような構成を採用すれば、マップデータによって速度情報の伝送も可能となる。
[マップデータの送受信処理]
次に、上述のような無線通信装置10が備えるCPU21によって実行されるマップデータの送受信処理について、図14及び図15に基づいて説明する。まず、マップデータの送信処理について説明する。この送信処理は、無線通信装置10の作動期間中は定期的又は不定期に何度も実行される処理である。
この送信処理を開始すると、CPU21は、過去100ミリ秒以内にマップを受信したか否かを判断する(S105)。ここで、過去100ミリ秒以内にマップを受信していなければ(S105:NO)、全ての車両を対象に交通情報DB60から交通情報を抽出する。一方、過去100ミリ秒以内にマップを受信していれば(S105:YES)、ウインカーを点滅させている車両を対象に交通情報DB60から交通情報を抽出する。これらS105〜S115により、図10に例示したマップデータのいずれを作成するのかが決まる。
続いて、CPU21は、抽出した車両の位置精度を取得し(S120)、マップ形状を決定する(S125)。S125では、図4に例示したようなマップ形状とするのか、図6に例示したようなマップ形状とするのか、あるいは、これら以外のマップ形状とするのか等が決められる。その際には、S120で取得した位置精度なども参照され、より高精度な情報が取得できている場合は、それを反映可能なタイプのマップ形状が選ばれる。
続いて、CPU21は、自車両の車速を取得して(S130)、車速及び測定精度に基づきマップサイズを決定する(S135)。S135では、図8に例示したような車速条件に基づくマップサイズの選定、及び図9に例示したような測定精度に基づくマップサイズの選定が実施される。車速及び測定精度の双方を利用するか否かは任意であり、いずれか一方に基づく選定を行ってもよい。
続いて、CPU21は、車両ごとの位置精度又は車速に基づき、車両ごとに割り当てるセル数を決定する(S140)。S140では、図11に例示したような位置精度に基づくセル数の選定、及び図13に例示したような車速に基づくセル数の選定が実施される。位置精度及び車速の双方を利用するか否かは任意であり、いずれか一方に基づく選定を行ってもよい。例えば、双方を利用したい場合は、縦方向のセル数で速度、横方向のセル数で位置精度をそれぞれ表現するとよい。
続いて、CPU21は、抽出した交通情報から決定したマップ形状、サイズ、車両ごとのセル数でマップを作成し(S145)、ヘッダ部に交通情報抽出条件、マップ形状、サイズ情報を付加する(S150)。これにより、これまで説明してきたような、各セルの状態を1ビットで表現したマップデータが作成され、各種情報がヘッダ部に記録される。
こうしてマップデータが完成したら、CPU21は、マップを符号化して圧縮し、周囲の送信先に対して同報送信し(S155)、送信処理を終了する。マップを符号化する際の符号化方式は、マップデータのデータ量を圧縮可能な方式であればどのような方式であってもよい。ただし、例えば、図11などを参照すれば明らかなように、オンとなっているビット数の割に、オフとなっているビット数が多いデータになりがちなので、ランレングス符号化方式などが有効である。
次に、マップデータの受信処理について説明する。この受信処理は、無線通信装置10の作動期間中は定期的又は不定期に何度も実行される処理である。上述の送信処理と受信処理は、時分割で交互に実行されてもよいし、両処理が非同期でそれぞれ並列に実行されてもよい。
この受信処理を開始すると、CPU21は、圧縮されたマップを受信し、復号する(S205)。S205では、上述のS155で利用された符号化方式に準拠して復号が実施される。そして、CPU21は、ヘッダ部に記載のマップ形状、サイズ情報を用いて車両の相対位置を計算する(S210)。すなわち、マップデータ中において、車両が存在する相対位置はビットがオンにされることで記録されているが、そのビットが示す位置までの相対的な距離はセルのサイズなどに応じて変わり得る。そこで、S210では、各種情報をヘッダから取得して、相対位置の計算を行う。
続いて、CPU21は、送信元車両の位置情報とセットで、車両の相対位置を受信マップテーブルに格納し(S215)、1つ以上のマップで受信した相対位置情報を絶対位置に変換する(S220)。S220では、複数のマップデータを受信した結果、一台の車両に対応して複数の相対位置情報が取得できている場合もあるので、そのような場合は、それら全ての相対位置を絶対位置に変換した上で、最小二乗法などを利用して絶対位置の真値を推定する。
続いて、CPU21は、マップで受信した最新の交通情報と、既に情報を蓄積している自車両の交通情報DB60とを比較し(S225)、受信マップに交通情報の欠落があるか否かを判断する(S230)。S230では、例えば、交通情報DB60には、自車両の周辺に他車両#1〜#4が存在する旨の情報が登録されていて、それにもかかわらず、受信マップには他車両#1〜#3の情報しかない場合に、欠落があると判断される。
このような欠落がある場合、例えば、受信マップの送信元となった他車両が他車両#1であれば、他車両#1は何らかの事情で他車両#4の存在を認識していないものと推定できる。したがって、この場合は、他車両#1に対して他車両#4の存在を伝達することが有益である。そこで、CPU21は、受信マップに交通情報の欠落がある場合は(S230:YES)、欠落している交通情報の詳細データ(追加情報)を転送する(S235)。上述の例でいえば、他車両#4の詳細データを他車両#1に対して転送する。なお、本実施形態においては、他車両#4の詳細データとしては、上述のようなマップデータではなく、他車両#4の情報を車車間通信で転送する。ただし、他車両#4の位置を伝達したいだけであれば、先に説明した送信処理により上述のようなマップデータを送信してもよい。
こうしてS235を終えるか、S230で否定判断がなされた場合は(S230:NO)、交通情報DB60を更新して(S240)、最新の受信マップに記録されている情報を交通情報DB60に登録し、受信処理を終了する。
[効果]
以上のような無線通信装置10によれば、自車両に対する他車両の相対位置を1ビットという極めて小さなデータ量で伝送することができる。そのため、多数の他車両それぞれに対応する相対位置情報であっても一括して送信することができる。したがって、データ量を抑制するために、例えば、一部の他車両だけを選択して相対位置情報を送信し、残りの他車両については相対位置情報の送信を断念する、といった対応をしなくても済む。
また、一括して送信可能なデータ量が決まっている場合、自車両に対する他車両の相対位置に関するデータ量が小さくなれば、その分だけ他のデータを送信できる。したがって、自車両に対する他車両の相対位置以外にも、より多くの他の情報を付加して送信する余裕ができる。あるいは、そのような他の情報を付加しなければ、一括して送信されるデータ量そのものを小さくできるので、通信トラフィックを減少させることができ、無線通信装置10の各部にかかる処理負荷を軽減することができる。
[他の実施形態]
以上、無線通信装置について、例示的な実施形態を示して説明をしたが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、図6に例示したような、単一のマップデータ内でセルサイズを可変とする構成について説明したが、このような構成を採用するか否かは任意である。また、上記実施形態では、図8に例示したように、車速対応でセルサイズを動的に変更する構成について説明したが、このような構成を採用するか否かも任意である。また、上記実施形態では、図9に例示したように、情報取得部40の測定精度に基づいて、セルサイズを変更する構成について説明したが、このような構成を採用するか否かも任意である。また、上記実施形態では、S105−S115の処理ステップを採用することで、図10に例示したような二種類のマップデータのいずれかを択一的に送信する構成について説明したが、このような構成を採用するか否かも任意である。
また、上記実施形態では、図11に例示したように、隣接する複数のセルをオンとすることで、対象となる交通要素の位置精度を表現する構成について説明したが、このような構成を採用するか否かも任意である。また、上記実施形態では、図13に例示したように、隣接する複数のセルをオンとすることで、対象となる交通要素の速度を表現する構成について説明したが、このような構成を採用するか否かも任意である。また、上記実施形態では、S155,S205において、ランレングス符号化方式などにより、送信時にはマップデータを符号化して圧縮し、受信時にはマップデータを復号する旨を説明したが、このようなデータ圧縮を行う構成を採用するか否かも任意である。さらに、上記実施形態では、S230−S235により、受信したマップデータにおいて情報の欠落を発見した際に、マップデータの送信元へ情報提供を行う構成を採用していたが、このような構成を採用するか否かも任意である。以上のような任意に採用すればよい構成は、全てを採用してもよいし、いくつかを選択して採用してもよいし、全てを採用しないものであってもよい。
また、上記実施形態において、交通要素としては、車両を対象にしている旨を説明したが、歩行者や自転車などを対象にしてもよい。また、説明を簡略にするため、上述の実施形態では車車間通信システムを例に挙げて説明したが、上述のようなマップデータは、歩車間通信や路車間通信で送信先に対して提供されてもよい。
なお、本発明の各構成要素は概念的なものであり、上記実施形態に限定されない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。上記実施形態の構成のうち、ソフトウェアで実現していた部分を、同等な機能を有するハードウェアで代替してもよいし、その逆に、ハードウェアで実現していた部分を、同等な機能を有するソフトウェアで代替してもよい。
10…無線通信装置、20…制御部、21…CPU、22…RAM、30…通信部、31…変調部、32…RF部、33…復調部、40…情報取得部、41…カメラ、42…ライダー、43…無線装置、50…検出部、51…GPS、52…ジャイロセンサ、60…交通情報DB、211…マップ作成部、212…フィッティング部、213…情報提供部、221…受信マップデータテーブル。

Claims (9)

  1. 自車両の周辺における所定の領域内の交通状況を表すマップデータとして、前記所定の領域内を複数のセルに区画して、各セルに1ビットを割り当てて、各セルの状態を1ビットのデータで表現することにより、前記所定の領域内全体の状態を前記複数のセルと同数分のビット数で表現可能に構成されたマップデータを作成可能で、前記自車両の周囲に存在する交通要素に関して当該交通要素の前記自車両に対する相対位置を示す相対位置情報を取得する情報取得部(40)から提供される前記相対位置情報に基づいて、各セルに対応する相対位置に前記交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録した前記マップデータを作成するマップ作成部(20,21,211)と、
    前記自車両の絶対位置を検出可能な検出部(50)から提供される前記自車両の絶対位置と、前記マップ作成部によって作成された前記マップデータとを、データ送信先に対して送信する送信部(30,31,32)と、
    データ送信元から送信されてくる前記交通要素の絶対位置と前記マップデータとを受信する受信部(30,32,33)と、
    前記受信部によって受信した前記交通要素の絶対位置と前記マップデータとに基づいて、前記マップデータ中に記録された前記交通要素の相対位置を絶対位置に変換するフィッティング部(20,21,212)と
    を備える無線通信装置。
  2. 前記マップ作成部(20,21,211,S120−S125)は、前記自車両からの相対位置に応じて、当該相対位置が遠い前記セルほど当該セルのサイズが連続的又は段階的に大きくされた前記マップデータを作成する
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記マップ作成部(20,21,211,S130−S135)は、前記自車両の速度に応じて、当該速度が速いほど一つの前記セルに対応する実際の範囲が連続的又は段階的に拡大された前記マップデータを作成する
    請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記マップ作成部(20,21,211,S135)は、前記自車両の前記情報取得部によって取得される前記相対位置情報の位置精度に応じて、当該位置精度が高い場合ほど一つの前記セルに対応する実際の範囲が連続的又は段階的に縮小された前記マップデータを作成する
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  5. 前記マップ作成部(20,21,211,S105−S115)は、前記受信部によって前記データ送信元から前記マップデータを受信してから所定以上の時間が経過している場合には、各セルに対応する相対位置に前記交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録した前記マップデータを作成する一方、前記所定以上の時間が経過していない場合には、各セルに対応する相対位置に存在する前記交通要素において所定のイベントが発生しているか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録した前記マップデータを作成する
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  6. 前記マップ作成部(20,21,211,S140−S145)は、各セルに対応する相対位置に前記交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録する際、隣接する位置にある複数のセルを対象にしてビットのオン・オフを実施することにより、前記交通要素が存在する前記相対位置とともに当該相対位置の位置精度を記録した前記マップデータを作成する
    請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  7. 前記マップ作成部(20,21,211,S140−S145)は、各セルに対応する相対位置に前記交通要素が存在するか否かを各セルに対応するビットのオン・オフによって記録する際、隣接する位置にある複数のセルを対象にしてビットのオン・オフを実施することにより、前記交通要素が存在する前記相対位置とともに前記交通要素の速度又は速度域を記録した前記マップデータを作成する
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  8. 前記マップ作成部(20,21,211,S155)は、前記マップデータを作成したあと、所定の符号化方式で符号化することにより、前記マップデータのデータ量を圧縮するように構成され、
    前記フィッティング部(20,21,212,S205)は、圧縮された前記マップデータを、前記所定の符号化方式で復号して圧縮前の前記マップデータに変換する
    請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
  9. 前記受信部によって前記データ送信元から前記マップデータを受信した際に、自車両側では存在を認識している前記交通要素であって、かつ前記データ送信元から受信した前記マップデータには記録されていない前記交通要素が存在する場合に、当該交通要素に関する追加情報を前記データ送信先に対して提供する情報提供部(20,21,213,S230−S235)
    を備える請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の無線通信装置。
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