JP2015184136A - 研削装置における砥石フランジ構造 - Google Patents

研削装置における砥石フランジ構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2015184136A
JP2015184136A JP2014060746A JP2014060746A JP2015184136A JP 2015184136 A JP2015184136 A JP 2015184136A JP 2014060746 A JP2014060746 A JP 2014060746A JP 2014060746 A JP2014060746 A JP 2014060746A JP 2015184136 A JP2015184136 A JP 2015184136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grindstone
flange
correction
correction surface
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014060746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6275520B2 (ja
Inventor
岳見 浅井
Takemi Asai
岳見 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Seiki Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Seiki Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Seiki Kogyo Co Ltd filed Critical Mitsui Seiki Kogyo Co Ltd
Priority to JP2014060746A priority Critical patent/JP6275520B2/ja
Publication of JP2015184136A publication Critical patent/JP2015184136A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6275520B2 publication Critical patent/JP6275520B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Testing Of Balance (AREA)

Abstract

【課題】研削装置において、砥石及びフランジの動的な不釣り合いを有効に修正できる砥石フランジ構造を提供する。
【解決手段】モータにより駆動される回転軸に軸承される円盤状のフランジ200と、フランジ200に軸方向の両側から挟持される砥石100と、砥石100及びフランジ200全体の質量の不釣り合いを修正するために、フランジ200の上記軸方向において砥石100からの距離が相異なる第1、第2及び第3の修正面211、221、234にそれぞれ複数の錘を取り付ける。
【選択図】 図8

Description

本発明は、回転する砥石によりワークを研削加工する研削装置における砥石フランジの構造に関し、特に、研削装置における砥石フランジに複数面釣合せ機能を追加した構造に関する。
従来、研削装置の砥石フランジに設けた修正面に錘を取り付けることで、砥石の回転の不釣り合い(アンバランス)を修正することが行われている。例えば、研削装置の使用時、フランジに砥石を取り付ける際、その砥石を静バランス台に載せ、周方向に質量の不均一がある場合には重い(質量の大きい)側が下に来るように回るので、その不均一をキャンセルするようにフランジに固定する修正用の錘である2つ駒又は3つ駒等の固定位置を移動させ、或いはネジ等の修正用の錘の本数や大きさを変えることにより、その静的な不釣り合いを修正するようにしている(例えば、非特許文献1参照)。
グラインダ安全必携(研削といしの取替え・試運転関係特別教育用テキスト)中央労働災害防止協会編
しかし、以上の対処でも静止時には不釣り合いを修正し砥石の回転に伴う振動を減少させることが可能であるが、更に、振動を抑制するためには、回転軸方向における動的な不釣り合いをも修正することが望ましい。即ち、フランジの厚み方向(砥石の回転軸方向)における実際の不釣り合いと上記の修正用の錘となる物との距離があるため、回転中には、砥石及びフランジを、その面方向に回転させようとするモーメントが働いてしまう。そして、この、いわば動的な不釣り合いを有したまま研削装置を使用し砥石とフランジが回転駆動されると、上記モーメントの作用により、砥石の回転軸方向の振動が加工面に描写され易くなり、また、砥石が外れる虞を生じかねない場合もある。
以上の問題点は、上述した非特許文献1記載の対処法では解決できないことは明らかであり、研削装置において、このような動的な不釣り合いを有効に修正できる技術の開発が望まれている。
本発明は上述のような事情から為されたものであり、その目的は、研削装置において、砥石及びフランジの動的な不釣り合いを有効に修正できる砥石フランジの構造を提供することにある。
本発明者は、上述した動的な不釣り合いを修正できる砥石フランジについて、様々な観点から構造的アプローチを試み、鋭意研究した結果、その動的な不釣り合いを有効に修正できる砥石フランジの構造に関する種々の着想を得るに至った。まず、モータにより回転される砥石をワークに切り込んで研削する研削装置において、前記モータにより駆動される回転軸と、該回転軸に軸承される円盤状のフランジと、該フランジに前記回転軸の軸方向の両側から挟持される砥石と、該砥石及び前記フランジ全体の質量の不釣り合いを修正するために前記フランジの局所の修正面に取り付ける複数の錘とを有する砥石フランジ構造において、前記軸方向において前記フランジの前記砥石からの距離が相異なる少なくとも2以上の面に前記錘を取り付けることを想到するに至った。
即ち、上記目的を達成するため、本発明の砥石フランジ構造は、モータにより回転される砥石をワークに切り込んで研削する研削装置において、前記モータにより駆動される回転軸と、該回転軸に軸承される円盤状のフランジと、該フランジに前記回転軸の軸方向の両側から挟持される砥石と、該砥石及び前記フランジ全体の質量の不釣り合いを修正するために前記フランジの局所の修正面に取り付ける複数の錘とを有する砥石フランジ構造であって、前記軸方向において前記フランジの前記砥石からの距離が相異なる少なくとも第1及び第2の修正面にそれぞれ前記複数の錘を取り付けることを特徴とする。
ここで、前記第1及び第2の修正面は、前記フランジの前記軸方向において前記モータとは反対側に位置する部分にのみ設けられるようにしても良い。また、前記第1及び第2の修正面は、前記フランジの前記モータとは反対側に位置する部分に段差を有してそれぞれ形成されているようにしても良い。
更に、前記軸方向において前記フランジの前記砥石からの距離が前記第1及び第2の修正面とは異なる第3の修正面を有し、該第3の修正面にも前記錘を取り付けるようにしても良い。
本発明によれば、砥石及びフランジの動的な不釣り合いを有効に修正できる砥石フランジの構造を提供することができる。
本発明の比較例としての1面修正の砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の他の比較例としての1面修正の砥石フランジ構造の模式図である。 (a)は、図1のものと同様の修正面を有する砥石フランジ構造の模式図であり、(b)は、その砥石フランジ構造において作用する静的な力の釣合いを示す概念図(原理図)である。 回転体を回転させて釣り合わせ「1面釣合せ」を達成しても、不可避的に生じる偶力成分を示す概念図(原理図)である。 本発明の第1の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第6の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 図10に示した砥石フランジ構造における砥石まわりのモーメントの釣り合いを示す概念図(原理図)である。 本発明の第7の実施形態に係る砥石フランジ構造の模式図である。 本発明の第8の実施形態に係る砥石フランジ構造を示す図である。 本発明の第8の実施形態に係る砥石フランジの溝構造の設置例を示す図である。 図13に示した本発明の第8の実施形態に係る砥石フランジ構造の変形例を示す図である。
まず、本発明の比較例として、1面修正の砥石フランジ構造の模式図を図1に示す。尚、ここでいう「修正面」とは、フランジ200のいずれかの箇所の「表面」という意味ではなく、砥石100から軸方向の所定の距離にある物理的な「質量の面」という意味であり、以降の諸実施形態においても同様である。
図1に示すように、この砥石フランジ構造は、モータ400により回転される環状の砥石100を図示しないワークに切り込んで研削する研削装置(図示せず)において、環状の砥石100と、モータ400により回転駆動される砥石軸(モータ軸)402と、砥石軸(モータ軸)402に軸承され、環状の砥石100の内環部を砥石軸(モータ軸)402の軸方向の両側から挟持する円盤状のフランジ200と、砥石100及びフランジ200全体の質量の不釣り合いを修正するためにフランジ200の修正面210に取り付ける複数の錘300とを有する。錘300は、フランジ200に設けたレール333内に挿入し固定されている。尚、250は、砥石100の内環部を両側から挟持したフランジ200を締め付けて砥石100がフランジ200から外れないようにするネジである。図1では2つの修正錘300を使用しているが、修正錘300が2つの場合、それぞれの質量が均等に製作されていない場合には、修正量0を作り出せなくなるため、冗長性を付加するため3つの修正錘を使用しても良い。
また、本発明の他の比較例としての1面修正の砥石フランジ構造を図2に示す。図2に示すように、フランジ200の修正面220における同一円周に等間隔もしくは回転軸(砥石軸)402(図1参照)に対して対称になるように複数のねじ穴204を設け、長さをヤスリなどで調整した止めねじ302を不釣合い修正用の錘として挿入し固定できるようにした。尚、図2では、モータ400や砥石軸(モータ軸)402は、図示を省略している。270は、フランジ200の周面を示している。
図1及び図2に示したいずれの比較例にしても、これらが作り出す修正面210或いは修正面220は、本願明細書の背景技術の欄で述べた「静バランス」の改善に寄与するものである。この操作により、軸周りの質量の不均衡を改善し、図3に示すように、静的な力の釣り合いを作り出すことはできる。即ち、図3(a)は、図1のものと同様の修正面210を有する砥石フランジ構造の模式図であり、図3(b)は、その砥石フランジ構造において作用する静的な力の釣り合いを示す概念図(原理図)である。尚、図3(a)において、砥石100やフランジ200の寸法の縦横比等は図1のものと若干相違して示している。しかしながら、以上の図1及び図2に示した砥石フランジ構造では、静バランスでは現れない図4のような偶力成分は打ち消すことができない。即ち、図1に示した砥石フランジ構造では、1つの修正面210を有するだけなので、軸方向における位置が略同じ複数の錘300を用いるだけであるから、回転体を回転させて釣り合わせ「1面釣合せ」を達成しても、図4のような偶力成分を打ち消すことができない。また、図2に示した砥石フランジ構造では、1つの修正面220を有するだけなので、軸方向における位置が同じ複数の錘としての止めねじ302を用いるだけであるから、回転体を回転させて釣り合わせ「1面釣合せ」を達成しても、図4のような偶力成分を打ち消すことができない。
しかして、本発明者は、図4のような偶力成分を解消し、静的モーメントのみならず、動的なモーメントの釣り合いをも達成するためには、フランジ200の上述した軸方向において砥石100からの距離が相異なる第1及び第2の修正面にそれぞれ複数の錘を取り付けるようにすれば良いとの知見に到達した。即ち、フランジ200に第1の修正面210と第2の修正面220を設け、且つ、これら第1の修正面210と第2の修正面220をフランジ200の軸方向において砥石100からの距離が相異なる位置に形成し、これら第1の修正面210と第2の修正面220にそれぞれ複数の錘300、302を挿入することで、軸方向における質量のバランスを調整することが可能になる。
かかる観点からは、上述した図1に示した修正面210と図2に示した修正面220を併せ持ち、それぞれに複数の錘300、(止めねじ)302を挿入することで、軸方向における質量のバランスを調整する実施形態(図示せず)が考えられる。
しかしながら、より望ましくは、第1の修正面210と第2の修正面220は、フランジ200の砥石100を挟んだ軸方向の両側にそれぞれ設けるのが動的モーメントの釣り合いをより効果的に達成することができるものと考えられる。
そこで、本発明者は、まず、砥石フランジ200の中に砥石100を挟んで軸方向の距離をもつ両側に2つの修正面(釣合せ用の面)211及び221を設けることを検討した。この本発明の第1の実施形態に係る砥石フランジ構造を図5に示す。即ち、本実施形態の砥石フランジ構造は、図5に示すように、モータ(図示せず)により回転される環状の砥石100を図示しないワークに切り込んで研削する研削装置(図示せず)において、環状の砥石100と、モータにより回転駆動される砥石軸(図示せず)と、砥石軸(モータ軸)に軸承され、環状の砥石100の内環部を砥石軸(モータ軸)の軸方向の両側から挟持する円盤状のフランジ200を有している。また、本実施形態の砥石フランジ構造は、砥石100及びフランジ200全体の質量の不釣り合いを修正するためにフランジ200の第1の修正面211に取り付ける複数の錘としての止めねじ302と、フランジ200の第1の修正面211とは砥石100を挟んで反対側のフランジ面に形成される第2の修正面221に取り付ける複数の錘としての止めねじ302を有している。尚、図5に示すように、フランジ200の第1の修正面211における同一円周に等間隔もしくは回転軸(砥石軸)に対して対称になるように複数のねじ穴204が形成され、第2の修正面221においては、第1の修正面211とは反対側から同一円周に等間隔もしくは回転軸(砥石軸)に対して対称になるように複数のねじ穴204が形成されている。そして、これら複数のねじ穴204に、長さをヤスリなどで調整した止めねじ302を不釣合い修正用の錘として挿入し固定できるのは、図2に示した形態と同様である。また、図5では、モータ400や砥石軸(モータ軸)402は、図示を省略している。
この本発明の第1の実施形態に係る砥石フランジ構造によれば、軸方向における質量のバランスを調整することが可能になるので、図4のような偶力成分を解消し、静的モーメントのみならず、動的なモーメントの釣り合いをも達成することができる。従って、静的不釣り合いを修正し砥石100の回転に伴う振動を減少させることができるだけでなく、動的不釣り合いを修正し砥石100の回転に伴う振動を更に抑制することが可能である。
この第1の実施形態に係る砥石フランジ構造では、ユーザが操作する交換側に操作をする余地を与える。両側もしくは片側の修正面211もしくは221を図1に示したレール333とその中を可動・固定可能な修正用の駒セットを使用する方法で作っても良いことは言うまでもない。また、錘としての止めねじ302は、移動側フランジと固定側フランジのどちらにあっても良いことは言うまでもない。
しかしながら、この第1の実施形態を研削装置の砥石フランジに採用する場合には、砥石を回転駆動するモータ等の機械側に片方の修正面があると作業がし難いという問題がある。即ち、砥石を回すべき砥石軸と砥石フランジ側に分けて不釣合い修正面を複数設けると、一般に砥石軸のモータ側は機械ユーザ側が調整する部分であり、ユーザは使用しないのが普通である。しかしながら、研削盤では、通常 片側にモータもしくはモータからの動力を伝達してくる機構がある。そのモータもしくは当該機構の筐体およびその他の周辺機構が邪魔になる場合が多い。そこで、本発明の第2の実施形態の砥石フランジ構造では、更に、砥石100を挟んで両側に2つの修正面(釣合せ用の面)211、222を設けることに加え、モータ側の修正面222をモータ400(図1参照)の筐体404の大きさからはみ出させ、修正用の錘としての止めねじ302の操作(螺入)を容易にするようにした。この模式図を図6に示す。即ち、第2の実施形態の砥石フランジ構造では、フランジ200の第1の修正面211とは砥石100を挟んで反対側のフランジ面に形成される第2の修正面222は、図5に示した第1の実施形態の第2の修正面221と異なり、モータ400(図1参照)の筐体404の大きさからはみ出るだけの大きさの径に形成されている。そして、そのはみ出た部分に、複数のねじ穴204が形成されている。従って、モータ400(図1参照)の筐体404が邪魔になることが無いので、第2の修正面222に形成されたねじ穴204に、修正用の錘としての止めねじ302を操作(螺入)する作業が容易になるので、バランシング作業の効率が向上するという大きな利点が得られる。
更に、以上の第1及び第2の実施形態の改良として、特にモータ400側の修正面に対して、周の外側から修正できるように構成した第3の実施形態の砥石フランジ構造を図7に示す。即ち、第3の実施形態の砥石フランジ構造では、フランジ200の第1の修正面211とは砥石100を挟んで反対側に、第1の修正面211とは直交する周面270(図3参照)に第2の修正面223が構成されている。図6に示した第2の実施形態の第2の修正面222と異なり、第2の修正面223が構成される周面270の径の大きさは、モータ400(図1参照)の筐体404の大きさより僅かに大きいだけである。しかいながら、その周面270側に複数のねじ穴204が形成されているので、第2の修正面223に形成されたねじ穴204に、修正用の錘としての止めねじ302を操作(螺入)する作業を行う際に、モータ400(図1参照)の筐体404が邪魔になることが無い。従って、第2の実施形態と同様に、バランシング作業の効率が向上する上に、第2の修正面223が構成される周面270の径の大きさは、モータ400(図1参照)の筐体404の大きさより僅かに大きいだけであるので、フランジ200全体の質量とコストを節減できるという利点が得られる。
次に、本発明の第4及び第5の実施形態として、特にモータ400(図1参照)側を使用できない場合、以上の第2及び第3の実施形態と異なり、砥石100を挟まず片側のフランジ200の中央部に軸方向の距離を有する2つの修正面(釣合せ面)224、234を設けた砥石フランジの構造を図8及び図9に示す。これら第4及び第5の実施形態では、前述した第2及び第3の実施形態における片側のフランジ200の周縁部に設けた1つの修正面(釣合せ面)211を第1の修正面とすると、図8及び図9に示すように、この第1の修正面211と軸方向の距離を有する第2及び第3の修正面(釣合せ面)224、234を更に設けたことを特徴としている。
まず、第4の実施形態の砥石フランジ構造では、図8に示すように、前述した第2及び第3の実施形態と同様に、片側のフランジ200の周縁部には、第1の修正面211が構成されている。また、砥石100の片側のフランジ200の中央部には、第2の修正面224と第3の修正面234が相互に、且つ上記第1の修正面211とも軸方向の距離を持つように構成されている。このように第4の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200に、第1の修正面211、第2の修正面224及び第3の修正面234が、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つように構成され、砥石100からの軸方向の距離が近い順に第1の修正面211、第2の修正面224、第3の修正面234の順番に設けられている。
このように、砥石100から軸方向に互いに異なる距離を有する3つの修正面を有しているので、それぞれの修正面に形成した複数のねじ穴204の一部に修正用の錘としての止めねじ302を螺入することで、軸方向に作用する動的モーメントを3段階で調整可能になる。3面のうち1面の設置・使用を省略する使用方法も可能であることはいうまでもない。
また、図8に示す第4の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200の中央部に小径の円筒部224sが形成され、この小径の円筒部224sによる段差を利用して第2の修正面224に形成した複数のねじ穴204の一部に修正用の錘としての止めねじ302を螺入し易いようになっている。尚、第2の修正面224と第3の修正面234における修正個所に相当する複数のねじ穴204の位置は、図8に示すように、同心円状に第2の修正面224と第3の修正面234で同じ数だけ形成されており、砥石の回転軸からの径方向の距離は同じである。これに対して、第2の修正面224及び第3の修正面234における複数のねじ穴204の位置は、第1の修正面211における複数のねじ穴204の位置とは、砥石の回転軸からの径方向の距離において異なる(より近い)ように形成されている。
次に、第5の実施形態の砥石フランジ構造では、図9に示すように、前述した第2、第3及び第4の実施形態と同様に、片側のフランジ200の周縁部には、第1の修正面211が構成されている。また、砥石100の片側のフランジ200の中央部には、第2の修正面225と第3の修正面235が相互に、且つ上記第1の修正面211とも軸方向の距離を持つように構成されている。このように第5の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200に、第1の修正面211、第2の修正面225及び第3の修正面235が、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つように構成され、砥石100からの軸方向の距離が近い順に第1の修正面211、第2の修正面225、第3の修正面235の順番に設けられている。このように、砥石100から軸方向に互いに異なる距離を有する3つの修正面を有しているので、それぞれの修正面に形成した複数のねじ穴204の一部に修正用の錘としての止めねじ302を螺入することで、軸方向に作用する動的モーメントを3段階で調整可能になるのは、上述した第4の実施形態と同様である。但し、図8と図9を比較すれば明らかなように、第2の修正面225と第3の修正面235との砥石100からの軸方向の距離の比は、第4の実施形態における第2の修正面224と第3の修正面234との砥石100からの軸方向の距離の比とは異なり、より距離の比が大きいように構成し修正面234の半径が修正面235より小さい分を考慮し、より少ない質量の付加でもモーメント修正の効果を得やすく意図されている。
また、図9に示す第5の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200の基端側に大径の円筒部225Lが形成され、フランジ200の先端側に小径の円筒部235sが形成され、これらによる段差を利用して第2の修正面225に形成した複数のねじ穴204の一部に修正用の錘としての止めねじ302を螺入し易いようになっている。尚、第2の修正面225と第3の修正面235における修正個所に相当する複数のねじ穴204の位置は、図9に示すように、共に同心円状に形成されているが、大径の円筒部225Lを用いた第2の修正面225の方が小径の円筒部235sを用いた第3の修正面235に比べ、より大きい径方向の位置により多数形成されている。軸対象であれば,数をそろえること,数を間引くことも可能であることはいうまでもない。また、第2の修正面225及び第3の修正面235における複数のねじ穴204の位置は、第1の修正面211における複数のねじ穴204の位置とは、砥石の回転軸からの径方向の距離において異なり、第1の修正面211よりも第2の修正面225のそれらがより近く、第2の修正面225よりも第3の修正面235のそれらがより近いように形成されている。
更に、本発明の第6の実施形態として、図10に示すように、同一ピッチ円上の穴で深さの異なるねじ穴204A、204Bを用意して長さの異なる止めねじ302A、302Bなどを固定する深さに差を設けることも可能である。これにより、第6の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200に、第1の修正面216、第2の修正面226が、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つように構成される。即ち、ここでいう「修正面」とは、フランジ200のいずれかの箇所の「表面」という意味ではなく、砥石100から相互に異なる軸方向の距離にある物理的な「質量の面」という意味であるから、このようにフランジ200に段差形状等を設けなくても、異なる深さの穴を形成し、その穴に異なる長さの止めねじ等を螺入することによっても、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つ2つの修正面216、226を構成することも可能である。尚、異なる深さの穴は、必ずしも同一ピッチ円上になくても良く、半径r、質量mとして修正量(遠心力を生じる効果)∝mrとなるため、修正量をピッチ円直径で割って規格化してもよい。図10では、固定側フランジに2つの修正面216、226を設けているが、片方もしくは両方の修正面が移動側フランジ(砥石を抑える板側)にあっても良い。本実施形態は、図11に示すように、砥石100のまわりのモーメントの釣り合い考えると、これらを完全に対処できていないように見えるが、固定端まわりを考えたときには対応できているのは明らかである。即ち、研削盤の全体を考えた場合、機械側へ伝わる振動を大幅に削減することができるだけでなく、軸受等への負荷も大幅に軽減できる。
更に、本発明の第7の実施形態として、図12に示すように、2段レールを用いて軸方向に距離のある複数の修正面を設けることもできる。図12に示すように、錘は2つ割りになっていて、公差管理されており、止めねじをねじ込むことにより固定される。これにより、第7の実施形態の砥石フランジ構造では、砥石100の片側のフランジ200に、第1の修正面217、第2の修正面227が、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つように構成される。このようにフランジ200に段差形状等を設けなくても、フランジ200に異なる深さの2段レール700を形成し、その2段レールのそれぞれに2つ割りの錘の一方を挿入することによっても、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つ2つの修正面217、227を構成することも可能である。即ち、第7の実施形態の砥石フランジ構造では、図12(a)(b)(c)に示すように、フランジ200の片側に、環状の2段レール700が形成されている。この2段レール700には、2つ割りの錘702の一方702A又は702B、或いは双方702A及び702Bを圧入し、止めねじ702a又は702bをねじ込むことにより固定できるようになっている。ここでは、2段レール700の上段側に位置させ固定するのが第1の修正面用の錘702Aであり、下段側に位置させ固定するのが第2の修正面用の錘702Bとしている。このように、2段レール700内に2つ割りの錘702の一方702A又は702B、或いは双方702A及び702Bを圧入し、止めねじ702a又は702bをねじ込むことにより固定することで、砥石100から相互に異なる軸方向の距離を持つ第1の修正面217、第2の修正面227を構成することができる。
更に、本発明の第8の実施形態として、図13に示すように、図1等に示した1面修正の修正機構をそのまま利用でき、そこに使う不釣合い修正錘に図14に示すようなテーパを設ける等僅かな変更を加えることにより軸方向に距離のある複数の修正面を設けることもできる。即ち、第8実施形態の砥石フランジ構造では、図13に示すように、例えば、フランジ200(図1も参照)の片側に環状のレール333(図1も参照)を設けた1面修正の修正機構をそのまま利用し、そのレール333内に、錘セット1及び錘セット2から成る2組の錘セットを挿入している。この錘セット1及び錘セット2における各錘802はネジ805により固定する。3個ずつ1組の錘セット1、錘セット2として大きさが異なる各錘802をレール333内に配置することでネジ805により固定したときに回転軸方向に距離を持たせることが可能である。尚、大きくした側の錘802のとび出しが心配される場合には、レール333に代えて、図14に示すように、とび出し防止のテーパ付きレール880を使用し遠心力を受けると錘802がとび出すよりもむしろレール880の奥へ引き込まれる様に配置することができる。3つ以上の同じ大きさの錘の組があれば、冗長性があるため同じ方向に錘がなくても3つの錘の合成として同位相・逆位相の各面の修正効果を表現することは可能である。
また、以上の第8の実施形態の変形例として、図15に示すように、2つの質量の異なる2種の材料(例えば、鋼とアルミニウム)を重ねても可能である。即ち、この第8実施形態の変形例の砥石フランジ構造では、図15に示すように、例えば、フランジ200(図1等参照)の片側に環状のレールを設けた1面修正の修正機構をそのまま利用し、そのレール333(図1参照)内に、例えば、鋼材から成り質量のより大きい材料部分802Aと、例えば、アルミニウム材から成り質量のより小さい材料部分802Bを組み合わせた錘802を挿入してネジ805により固定する。図15(a)(b)では、鋼材から成る材料部分802Aとアルミニウム材から成る材料部分802Bの大きさ及び上下の位置関係を逆にしている。尚、この変形例においても、錘802のとび出しが心配される場合には、レール333に代えて、とび出し防止のテーパ付きレール880を使用し遠心力を受けると錘802がとび出すよりもむしろレール880の奥へ引き込まれる様に配置することができる。
以上に述べた本発明の実施形態によれば、研削装置において、砥石及びフランジの動的な不釣り合いを有効に修正できる砥石フランジの構造が得られる。尚、以上の実施形態では、修正面として、第1及び第2の修正面の二面、或いは更に第3の修正面の三面を設けるようにしたが、複数であれば良く、二面或いは三面に限らず組みあわせて四面以上の多数面あっても良いのは、勿論である。また、止めネジにより錘を固定する形態について述べたが、錘自体を圧入し、或いはピン等により固定する等、錘の固定方法も任意で良い。
本発明は、砥石及びそのフランジを有する砥石フランジ構造であれば、ネジ研削、円筒研削、或いは歯車研削等、どのような研削装置(研削盤)にも広く適用可能である。
100 砥石、 200 フランジ、 210 修正面、 250 ネジ、
300 錘、 333 レール、 400 モータ、 402 砥石軸(モータ軸)

Claims (6)

  1. モータにより回転される砥石をワークに切り込んで研削する研削装置において、前記モータにより駆動される回転軸と、該回転軸に軸承される円盤状のフランジと、該フランジに前記回転軸の軸方向の両側から挟持される砥石と、該砥石及び前記フランジ全体の質量の不釣り合いを修正するために前記フランジの局所の修正面に取り付ける複数の錘とを有する砥石フランジ構造であって、前記軸方向において前記フランジの前記砥石からの距離が相異なる少なくとも第1及び第2の修正面にそれぞれ前記複数の錘を取り付けることを可能とし、かつ機械に取り付けられた状態のままで、モータなどの機械構造を避けて各面に操作者が錘の調整が出来るように修正面を配置することを特徴とする砥石フランジ構造。
  2. 前記第1及び第2の修正面は、前記フランジの前記軸方向において前記モータとは反対側に位置する部分にのみ設けられることを特徴とする請求項1に記載の砥石フランジ構造。
  3. 前記第1及び第2の修正面は、前記フランジの前記モータとは反対側に位置する部分に段差を有してそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項2に記載の砥石フランジ構造。
  4. 更に、前記軸方向において前記フランジの前記砥石からの距離が前記第1及び第2の修正面とは異なる第3の修正面を有し、該第3の修正面に前記錘を取り付けることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の砥石フランジ構造。
  5. 前記第1、第2及び第3の修正面のいずれか1以上の修正面を設けるために前記フランジにレールを設け、該レール内に挿入する錘の重心に差を設けることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の砥石フランジ構造。
  6. 請求項5記載の修正面を設けるために、前記レール内に挿入する錘の重心に差を設ける砥石フランジ構造をつくるために、大き目の錘を設ける場合に、当該大き目の錘及び前記レールに飛び出し防止のためのテーパを形成することを特徴とする砥石フランジ構造。
JP2014060746A 2014-03-24 2014-03-24 研削装置における砥石フランジ構造 Active JP6275520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060746A JP6275520B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 研削装置における砥石フランジ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060746A JP6275520B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 研削装置における砥石フランジ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015184136A true JP2015184136A (ja) 2015-10-22
JP6275520B2 JP6275520B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=54350832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014060746A Active JP6275520B2 (ja) 2014-03-24 2014-03-24 研削装置における砥石フランジ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6275520B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114800096A (zh) * 2022-05-20 2022-07-29 温州富通管件制造有限公司 一种钛钢法兰铸件的加工设备及其加工工艺

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52124102A (en) * 1976-04-12 1977-10-18 Hitachi Ltd Ballancing for rotary machine
JPS60186370A (ja) * 1984-02-29 1985-09-21 Okamoto Kosaku Kikai Seisakusho:Kk 砥石車のバランス調整装置
JPH04122572A (ja) * 1990-09-10 1992-04-23 Honda Motor Co Ltd 研削砥石の回転釣り合い補正装置
US20020072316A1 (en) * 2000-10-12 2002-06-13 Chong-Oak Kim Wheel grinder and balancing apparatus for the same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52124102A (en) * 1976-04-12 1977-10-18 Hitachi Ltd Ballancing for rotary machine
JPS60186370A (ja) * 1984-02-29 1985-09-21 Okamoto Kosaku Kikai Seisakusho:Kk 砥石車のバランス調整装置
JPH04122572A (ja) * 1990-09-10 1992-04-23 Honda Motor Co Ltd 研削砥石の回転釣り合い補正装置
US20020072316A1 (en) * 2000-10-12 2002-06-13 Chong-Oak Kim Wheel grinder and balancing apparatus for the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114800096A (zh) * 2022-05-20 2022-07-29 温州富通管件制造有限公司 一种钛钢法兰铸件的加工设备及其加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP6275520B2 (ja) 2018-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2731151C2 (ru) Устройство для балансировки ротора турбомашины
JP6818506B2 (ja) 高速において回転機械のロータのバランスを取るためのバランス方法
JP2005525520A (ja) 釣合わせ方法及び装置
US20150316135A1 (en) Gearwheel for a backlash-free transmission stage and transmission stage equipped therewith
JP6309921B2 (ja) ロータのアンバランスの修正方法
TR201910704T4 (tr) Yükseltilmiş bir sürücüyle atalet konik kırıcı.
CN107147226A (zh) 转子、电机及相关方法
JP2019086150A (ja) 動力源を有する減速機
JP6275520B2 (ja) 研削装置における砥石フランジ構造
WO2008143055A1 (ja) 工作機械用の角度割出し装置
US20140239568A1 (en) Rotary table for machine tool
WO2015186172A1 (ja) 回転アクチュエータ
KR20140095064A (ko) 구동 장치
JP2009014101A (ja) 軸受装置およびこれを備えた工作機械
JP2024031742A (ja) バランサ
CN108931722B (zh) 磁轴承-转子系统多功能实验台
CN104864803A (zh) 旋转角度检测器和具备该检测器的旋转机械
JP2008045747A (ja) 流体機械のロータ
JP2008045747A6 (ja) 流体機械のロータ
EP3133317B1 (en) Toroidal continuously variable transmission
JP2005172717A (ja) 転がり軸受の振動測定装置
TWI537494B (zh) 振動抑制裝置
WO2024043236A1 (ja) バランサ
JP2016086531A (ja) 電動機
TWM521296U (zh) 具有可擴充模組化之永磁發電引擎

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6275520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250