JP2015184071A - 農産物検査装置及び農産物検査方法 - Google Patents

農産物検査装置及び農産物検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光照射による通常の外観検査と、特定の波長による紫外光照射による腐敗検査との両方が可能な農産物検査装置を提供する。
【解決手段】蛍光物質を含む農産物10に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査装置であって、搬送手段2と、撮像手段と、可視光照射手段と、蛍光物質の励起波長を含む紫外線を照射する紫外線照射手段と、制御手段と、を備え、紫外線照射手段は、可視光照射時の画像を撮像する間も、紫外線照射時の画像を撮像する間も、紫外線を常時照射し、制御手段は、可視光照射手段を制御して可視光を照射させつつ、撮像手段を制御して第1の撮像条件で可視光及び紫外線が照射された農産物の画像を撮像し、制御手段は、可視光照射手段を制御して可視光の照射を停止し、撮像手段を制御して第2の撮像条件で紫外線が照射された農産物の画像を撮像する。
【選択図】図1

Description

本発明は、農産物を検査する技術に関し、特に、農産物に可視光を照射して農産物の外観を検査しながら、紫外線を照射して表皮に付いた生傷からの蛍光反応を検出する農産物検査装置及び農産物検査方法に関する。
従来、農産物の通常の傷(収穫前についた傷、虫食い、変色、汚れ、腐敗が進行した後のカビを含む)、大きさ、形状などを検査するために、適当な撮像手段によって農産物の外観を撮像し、検査する検査装置が利用されている。農産物のうち、ミカン、グレープフルーツ、ユズ、レモンなどの柑橘類の表皮には直径1mm程度の球形の油胞が存在し、その中にはリモネンなどの精油が含まれている。これらの農産物は、収穫、運搬、選別作業時において、柑橘類に衝撃、擦過、打撲などが加えられることなどで傷が生じ(以下「生傷」という)、油胞が損傷し、この損傷部分に腐敗菌が付着して初期の腐敗が生じる(以下「水腐れ」という)。この水腐れは、表皮にとどまらず、やがて内部の腐敗へと進行する。また、腐敗薗が他の柑橘類に付着すると、他の正常な柑橘類までも腐敗させてしまう虞がある。
この生傷(水腐れを含む)は、正常な果実の表皮とほぼ同じ色であること、極めて微小なものも含まれることなどから、通常の傷とは異なり、検査者の目視による検査や可視光を利用した通常の傷を検査するための装置では判別することが困難である。しかし、柑橘類の表皮に生傷がつくと、その損傷部分からポリフェノールの一種であるフラボノイド系物質などが分泌され、この物質に紫外線が照射されると、励起状態となり蛍光反応を示すことが知られている。この蛍光反応を利用して柑橘類の表皮に付いた生傷の有無を検査する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の農産物検査装置は、農産物に紫外領域の光を照射する光源と、農産物の画像を撮像する撮像装置とを備え、紫外線照射時の蛍光を検出して、農産物の表皮に生傷があるか否か判定することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の農産物検査装置は、生傷ないし水腐れの箇所に存在する蛍光物質から放出されるわずかな蛍光を検出するものであるので、撮像手段として高感度の特殊なカメラなどを必要とする。つまり、生傷又は水腐れを検出するための検査装置は、通常の傷を検出するための検査装置とは、構成が異なるものである。そのため、農産物の選別施設において、水腐れの検査も含めて農産物の外観検査を実施する場合、通常の傷を検査するための既存の検査装置に加えて、水腐れの有無を検査するための検査装置を新たに設ける必要があり、検査工程に時間がかかる。選別施設に十分な広さがない場合、水腐れの有無を検査するための新たなラインを配置することが難しいこともある。既存の検査装置において、水腐れの検査も可能な構成に改造する場合であっても、照射手段の配置変更、高感度カメラの設置などのために大きな費用を要するなどの問題があった。
そこで、本出願人は、可視光による外観検査と、かかる検査では検出できない生傷又は水腐れの腐敗検査との両方を1つの農産物検査装置において実施できる装置及び方法を提案し、これらの技術を先に出願した(特許文献2参照)。特許文献2に記載の農産物検査装置は、搬送手段によって搬送されている農産物を撮像する撮像手段、農産物に可視光を照射する可視光照射手段、農産物に紫外線を照射する紫外線照射手段、及び各種手段を制御する制御手段を備え、可視光及び紫外線を順次照射しつつ、一つの撮像手段において可視光照射時の撮像手段の設定(第1の撮像条件)と紫外線照射時の撮像手段の設定(第2の撮像条件)とを切り替えながら、可視光照射時の画像と紫外線照射時の画像を連続的に取得するものである。
特許文献2に記載の農産物検査装置によれば、可視光照射による農産物の外観検査と紫外線照射による腐敗検査を一つの農産物検査装置において実施できる。また、紫外線照射時の弱い蛍光反応を検出するため、紫外線照射時の撮像手段の設定(第2の撮像条件)として、露出時間を長くしたり、感度を大きくしたりすることによって、通常のカメラを使用して可視光線の照射時と紫外線照射時との画像を取得することが可能であり、低コストの検査装置を提供することができる。
特開2003−14650号公報 特開2013−231668号公報
柑橘類などに含まれる蛍光物質として、代表的にはフラボノイド系物質が知られている。フラボノイド系の蛍光物質は、375nm付近の励起波長によって、540nm付近の蛍光波長の蛍光を発生させる。励起波長とは、光吸収によって電子遷移を生じさせるために使用する励起光の波長である。蛍光波長とは、蛍光反応によって生じる蛍光の波長である。
本出願人は、特許文献2に係る発明の一態様として、フラボノイド系蛍光物質の励起波長に対応した360〜375nm付近の波長を有する紫外線LEDランプを紫外線照射手段に採用し、温州ミカンなどの柑橘類を検査対象とした農産物検査装置を実用化している。
しかしながら、種々検討の結果、上記構成の農産物検査装置では、特定の柑橘類(例えば、レモン、ユズ、ハルミ、ポンカンなど)については、360〜375nm付近の紫外線照射(励起光)に対しては弱い蛍光反応しか生じないため、生傷を識別するための十分な蛍光反応を検出することができないことが明らかになった。
本出願人は、レモン、ユズなどについて、蛍光物質の特定を行ったところ、いずれの果皮も、クマリン系の蛍光物質を含むことを発見した。クマリン系物質は、320〜330nmの範囲の励起波長(ピーク波長約327nm)によって、380〜400nmの範囲の蛍光波長(ピーク波長約390nm)を有するため、クマリン系の蛍光物質を含む果皮に対して蛍光反応を生じさせるためには、320〜330nmの範囲の紫外線(励起光)を照射する必要があった。そこで、特許文献2の農産物検査装置でレモン、ユズなどを検査しようとすると、320〜330nmの範囲の紫外線を発生、照射可能な紫外線照射手段が必要となり、制御手段によって可視光及び紫外線を順次照射しつつ、撮像することになる。しかし、現状では、320〜330nmの範囲の紫外線を発生させ、且つ制御手段による制御に応じて応答可能な紫外線照射手段(例えば、紫外LEDランプ)は、非常に高額なものであり、低コストの検査装置を提供する特許文献2では実用化するのが難しかった。
本発明は、上記観点から特許文献2に記載の発明を改良するものであり、特に、360〜375nm付近の紫外線によって蛍光を発生する蛍光物質(例えば、フラボノイド系物質)を少量しか含まず、それ以外の波長の紫外線によって蛍光を発生する蛍光物質(例えば、クマリン系物質)を含むような農産物(例えば、レモン、ユズなど)においても、一つの農産物検査装置において、低コストで、可視光照射による外観検査と紫外線照射による検査とを実施できる農産物検査装置及び方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するため、本発明の農産物検査装置の一つは、蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査装置であって、農産物を検査位置まで搬送する搬送手段と、搬送手段によって検査位置まで搬送された農産物を撮像する撮像手段と、検査位置に向けて可視光を照射する可視光照射手段と、検査位置に向けて農産物の蛍光物質の励起波長を含む紫外線を照射する紫外線照射手段と、撮像手段及び可視光照射手段を制御する制御手段と、を備え、紫外線照射手段は、可視光照射時の画像を撮像する間も、紫外線照射時の画像を撮像する間も、紫外線を常時照射し、制御手段は、可視光照射手段を制御して可視光を照射させつつ、撮像手段を制御して第1の撮像条件で可視光及び紫外線が照射された農産物の画像を撮像し、制御手段は、可視光照射手段を制御して可視光の照射を停止し、撮像手段を制御して第2の撮像条件で紫外線が照射された農産物の画像を撮像することを特徴とする。
上記農産物検査において、装置紫外線照射手段から検査位置までの間に、少なくとも農産物の蛍光物質の励起波長の紫外線を通過させ、農産物の蛍光物質から発生する蛍光波長の光を遮断する第1のフィルタを設けることが好ましい。第1のフィルタは、少なくとも360nm以上の光を遮断するショートパスフィルタであることが好ましい。撮像手段から検査位置までの間に、少なくとも可視光及び農産物の蛍光物質から発生する蛍光波長の光を通過させ、農産物の励起波長の紫外線を遮断する第2のフィルタを設けることが好ましい。第2のフィルタは、少なくとも380nm以下の光を遮断するロングパスフィルタであることが好ましい。農産物は、320〜330nmの範囲の励起波長を有する蛍光物質を含むことが好ましい。
また、本発明の農産物検査装置の他の一つは、320〜330nmの範囲の励起波長を有し、380〜400nmの範囲の蛍光波長を有する蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査装置であって、農産物を検査位置まで搬送する搬送手段と、搬送手段によって検査位置まで搬送された農産物を撮像する撮像手段と、撮像手段から検査位置までの間に設けられた少なくとも380nm以下の光を遮断するロングパスフィルタと、検査位置に向けて可視光を照射する可視光照射手段と、検査位置に向けて少なくとも320〜330nmの範囲の波長を含む紫外線を照射する紫外線ランプと、紫外線照射手段から検査位置までの間に設けられた少なくとも360nm以上の光を遮断するショートパスフィルタと、撮像手段及び可視光照射手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の農産物検査方法は、搬送手段と、撮像手段と、可視光照射手段と、紫外線照射手段と、制御手段と、を備えた農産物検査装置を用いて、蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査方法であって、搬送手段によって農産物を検査位置まで搬送する工程と、検査位置に向けて紫外線照射手段から農産物の蛍光物質の励起波長を含む紫外線を常時照射した状態で、制御手段によって、可視光照射手段及び撮像手段を制御して、(1)検査位置に向けて可視光照射手段から可視光を照射しつつ、第1の撮像条件で可視光及び紫外線が照射された農産物の画像を撮像手段で撮像し、(2)可視光照射手段の可視光の照射を停止し、第2の撮像条件で紫外線のみが照射された農産物の画像を撮像する工程と、を含むことを特徴とする。
上記農産物検査方法において、農産物は、320〜330nmの範囲の励起波長を有する蛍光物質を含み、紫外線照射手段は、320〜330nmの範囲の波長を含む紫外線を照射することが好ましい。
本発明によれば、可視光照射による農産物の外観検査と紫外線照射による腐敗検査を一つの農産物検査装置において実施できる。特に、フラボノイド系物質を少量しか含まず、それ以外の波長の紫外線によって蛍光を発生する蛍光物質(例えば、クマリン系物質)を含むような農産物(例えば、レモン、ユズなど)においても、検査可能な農産物検査装置及び方法を提供することができる。また、安価な紫外蛍光灯を利用可能であり、従来の撮像手段を使用して可視光線の照射時と紫外線照射時との画像を取得することが可能であるので、低コストの検査装置を提供することができる。その他の効果については、発明を実施するための形態において述べる。
本発明の第1の実施形態の農産物検査装置の概略平面図 紫外線照射手段及び撮像手段のフィルタの例 撮像手段及び各照射手段の動作順序の一例を示す説明図 本発明の第2の実施形態の農産物検査装置の概略平面図 撮像手段及び各照射手段の動作順序の別の例を示す説明図
[発明の概要]
本発明は、農産物(主に柑橘類)の外観(通常の傷、大きさ、形状など)を検査する外観検査と、生傷又は水腐れの有無を検査する腐敗検査とを、一つの検査装置で実施可能な農産物検査装置及び検査方法である。特に、従来では困難であった360〜375nm付近の紫外線によって蛍光を発生する蛍光物質(例えば、フラボノイド系物質)を少量しか含まず、それ以外の波長の紫外線によって蛍光を発生する蛍光物質(例えば、クマリン系物質)を含むような農産物(例えば、レモン、ユズなど)においても実施可能な農産物検査装置及び検査方法を提供する。
本発明の農産物検査装置1(以下、符号について図1参照)は、農産物10を搬送する搬送手段2、搬送手段2によって搬送される農産物10を撮像する撮像手段3、農産物10に可視光を照射する可視光照射手段4、農産物10に紫外線を照射する紫外線照射手段5、及び各種手段を制御する制御手段6を備える。そして、本発明の農産物検査装置1では、可視光及び紫外線を順次照射するのでなく、紫外線照射手段5を常時点灯し紫外線を照射しつつ、制御手段6によって可視光照射手段4を所定のタイミングでオンオフさせると共に、撮像手段3で画像を撮像する。制御手段6は、可視光照射手段4をオンとして可視光を照射している間(紫外線も重ねて照射されている)に撮像手段3によって外観検査用の条件(第1の撮像条件)で農産物10を撮像し、可視光照射手段4をオフとして可視光の照射を停止し、紫外線照射手段5からの紫外線を照射している間に撮像手段3によって腐敗検査用の条件(第2の撮像条件)で農産物10を撮像する。なお、可視光による撮像と紫外線による撮像の順番は、どちらが先でもよい。
これによって、本願の農産物検査装置1では、紫外線照射手段5として、オンオフの切替え制御を必要としないので、応答速度の速い高価な紫外線LEDランプではなく、比較的安価な紫外線放電ランプ(例えば、紫外蛍光灯など)、白熱電球なども利用することができる。紫外線照射手段5としては、対象農産物10の蛍光物質を励起させる波長の紫外線を照射可能であればよく、後述するようにフィルタ51を設けるため、励起波長の紫外線以外の波長の光を照射可能であってもよい。
上述したとおり、レモン、ユズなどは、フラボノイド系物質を少量しか含まず、320〜330nmの範囲の励起波長(ピーク波長約327nm)によって、380〜400nmの範囲の蛍光波長(ピーク波長約390nm)の蛍光を発生させるクマリン系の蛍光物質を含んでいるため、蛍光反応を生じさせるには、320〜330nmの範囲の紫外線(励起光)を照射する必要がある。このような320〜330nmの範囲の紫外線を照射可能なLEDランプは、現在のところ高価であり、検査装置の製造コストを増大させるものとなる。このため、紫外線照射手段5としては、LEDランプの代わりに、当該波長領域の紫外線を発生させることができる安価な紫外線放電ランプ(例えば、UV−Bの紫外蛍光灯)を用いることが好ましい。
また、本発明の農産物検査装置1は、図2に示すように、紫外線照射手段51と農産物10の検査位置との間、好ましくは紫外線照射手段5のより近傍に第1のフィルタ51を配置することが好ましい。紫外線放電ランプや白熱電球は、LEDに比べて、スペクトルが広い範囲に広がって分布しているため、農産物10の蛍光物質を励起させる波長領域の紫外線のほか、農産物10の蛍光物質から発生した蛍光波長近傍の光(例えば、可視光を含む近紫外領域以上の波長成分(380nm〜))を含むことがある。この場合、紫外線照射手段5から農産物10に照射されて反射した光と、農産物10から発生した蛍光とが重なって撮像手段3に入射するため、腐敗検査工程において蛍光のみを正しく検出することが困難となる。このため、少なくとも所望の波長領域の紫外線を通過させ、農産物から発生される蛍光波長の光を遮断するように構成された第1のフィルタ51を配置する。第1のフィルタ51は、例えば、360nm以上の光を遮断するように構成されたショートパスフィルタ(長波長カットフィルタ)を用いることができる。これによって、紫外線照射手段5は、所望の波長領域の紫外線55を農産物10に対して照射することができ、一方で、農産物10からの蛍光反応による蛍光と重なる波長の光の照射を防ぐことができる。
紫外線照射により発生する蛍光の強度は弱いので、第2の撮像条件は、第1の撮像条件より露出時間(シャッタースピード)を長くする、及び/又は、感度(ゲイン)を大きくすることによって、高い明度の画像を取得することが好ましい。可視光照射時には、ピントを合わせ、鮮明な画像を取得することが求められるのに対して、このような第2の撮像条件では、雑音やボケを含む画像となる可能性があるが、生傷又は水腐れの箇所から生じる蛍光反応の有無を判別できれば足るので、第1の撮像条件に比べて画質の精細さは要求されない。例えば、可視光照射時の第1の撮像条件では、シャッタースピードを1/1000〜1/2000秒とし、紫外線照射時の第2の撮像条件では、シャッタースピードを1/500秒以上(搬送速度にもよるが、例えば1/100〜1/500秒)とする。また、可視光照射時の第1の撮像条件では、ゲインを80以下とし、紫外線照射時の第2の撮像条件では、ゲインを200以上とする。
さらに、本発明の農産物検査装置1は、腐敗検査工程において蛍光のみを正しく検出するために、図2に示すように、撮像手段3と農産物10の検査位置との間、好ましくは撮像手段3のより近傍に第2のフィルタ31を配置し、紫外線照射手段5から照射される紫外線55が撮像手段3に入射することを防止することが好ましい。紫外線照射により農産物10から発生する蛍光56はわずかであるので、撮像手段3に入射するノイズをできるだけ少なくすることが好ましい。しかし、本願では、紫外線照射手段5が紫外線55を常時照射しており、直接又は農産物10に反射した紫外線が撮像手段3に入射する虞がある。第2のフィルタ31は、少なくとも可視光及び農産物10から発生する蛍光を通過させ、それ以外の波長の光であって、紫外線照射手段5から照射される紫外線の少なくとも一部(励起波長の光であることが好ましい)を遮断する。例えば、第2のフィルタ31は、380nm以下の短波長の光を遮断するロングパスフィルタ(短波長カットフィルタ)によって構成してもよい。
被検査物である農産物10は、上記のとおり、クマリン系の蛍光物質を含む柑橘類(例えば、ユズ、レモン、ハルミ、ポンカンなど)に適用可能であるが、これに限定されない。可視光照射手段による可視光の波長領域(380〜760nm)とは重なりが少ない蛍光波長(例えば、360〜400nm、又は740〜780nm)を有する蛍光物質、あるいは、蛍光強度が比較的弱い蛍光物質を含むような農産物にも適用することができる。かかる農産物であれば、外観検査において、紫外線照射手段を常時オンとしても、外観検査に支障をきたすほど蛍光反応が可視光画像に写り込むおそれが少ない。
本発明において、搬送手段2、撮像手段3、可視光照射手段4、紫外線照射手段5などの配置、数量、形態などは適宜変更することができる。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。
[実施形態1]
図1は、本発明の第1の実施形態の農産物検査装置1の概略平面図である。本実施形態の農産物検査装置1は、農産物10として、ユズを検査する検査装置であり、搬送手段2、複数の撮像手段3(図面の3a〜3eをまとめて「3」とする。以下、他の枝番が付加されているものについても同様)、複数の可視光照射手段4、複数の紫外線照射手段5、及び制御手段6を備える。本実施形態では、撮像手段3a、3bが農産物10を上流側方から撮像し、撮像手段3c、3dが農産物10を下流側方から撮像するように配置され、撮像手段3eが農産物10を上方から撮像するように配置される。農産物検査装置1は、外部の光による影響を避けるために、撮像手段3、可視光照射手段4、紫外線照射手段5及び検査位置を含む領域の周囲を覆うように遮蔽部材を設け、暗室内で検査することが好ましい。
搬送手段2は、図示しない駆動源からの駆動力によって、農産物10(ユズ)を所要の搬送速度で矢印の方向(搬送方向)に搬送する。以下、農産物10の供給元側を上流側といい、搬送先側を下流側という。搬送手段2には、PK(Piano Key)コンベヤ(ピアノ鍵盤状のトレーコンベヤ)を採用することが好ましい。PKコンベヤの各キーには固有の識別番号が付与されることが好ましい。ただし、搬送手段2の構成はこれに限定されず、例えば、ベルトコンベヤ、ローラーコンベヤ、オーバーヘッドコンベヤ、パケットコンベヤなどを使用することもできる。なお、搬送手段2は、農産物10を連続的に搬送しつつ検査するように一定速度で搬送するように構成されていてもよいし、農産物10を検査位置まで搬送し、検査のために一旦停止させ、検査後再び作動させるように構成されていてもよい。
撮像手段3は、農産物10を撮像するものであり、検査位置の農産物10を撮像できるように配置されている。撮像手段3としては、デジタルカメラを使用することが好ましいが、これに限定されず、被検査物の二次元画像が得られればよい。撮像手段3は、図示しない記憶手段(例えば、半導体メモリなど)を備えることが好ましい。記憶手段には、可視光照射時と紫外線照射時とで異なる撮像条件(シャッタースピード、ゲイン、ガンマ値などを含む。)の設定が記憶されることが好ましい。なお、かかる撮像条件は、制御手段が備える記憶手段に記憶されてもよい。
本実施形態では、平面視において、搬送方向の上流側を0°とし、時計回りを正とした場合、上流側の撮像手段3a及び3bは、搬送手段2に対して対称に配置され、それらの光軸が搬送方向に対し、それぞれ45°及び−45°となるように配置される。そのため、上流側の撮像手段3a及び3bは、農産物10を搬送方向の上流側から撮像して、農産物10の搬送方向の後方の少なくとも一部を含むような画像を撮像することができる。一方、下流側の撮像手段3c及び3dも、搬送手段2に対し対称に配置され、それらの光軸が搬送方向に対し、それぞれ−135°及び135°となるように配置される。そのため、下流側の撮像手段3c及び3dは、農産物10を搬送方向の下流側から撮像して、農産物10の搬送方向の前方の少なくとも一部を含むような画像を撮像することができる。このように、側面を4台の撮像手段3a〜3dで撮像する場合、上流側の撮像手段3a、3bの光軸、及び下流側の第2撮像手段3c、3dの光軸が一点で交差するように配置されることが好ましい。撮像手段3eは、光軸の交点の鉛直上方に配置することが好ましく、農産物10の上面を含むような画像を撮像する。
ただし、本発明の農産物検査装置における撮像手段3は、制御手段によって撮像タイミングを独立して制御可能であるので、かかる配置(及び数量)に限定されない。必要に応じて、適宜の数量の撮像手段が適宜の配置で設けられてよい。例えば、農産物10の下面を下方から撮像するための撮像手段が配置されてもよいし、農産物10を真横から撮像するための撮像手段が配置されてもよい。被検査物の側面を撮像するために、三つの撮像手段を用い、それぞれの光軸の間の角度が120°となるように配置することもできる。各撮像手段(又はその周囲)には、可視光照射手段及び紫外線照射手段が設置される。また、撮像手段3は、図2に示すように、農産物10との間に380nm以下の短波長の光を遮断するロングパスフィルタ31をそれぞれ配置し、紫外線照射手段5から照射される励起波長(320〜330nm)の紫外線の入射を防止している。
可視光照射手段4は、農産物10のカラー画像を撮像するための照明であり、可視光領域(一般的には波長380〜750nm)の少なくとも一部の範囲を含む可視光を検査位置に向かって照射する。可視光照射手段4としては、白色LEDランプなどを使用することができる。可視光照射手段4は、農産物10の撮像面に可視光が十分に照射できるように一つ又は複数配置される。例えば、図1においては、可視光の照射量が偏らないように、撮像手段の周囲に環状の可視光照射手段4が配置されている。図1の上方の撮像手段3eでは、撮像手段3eを中心として環状の可視光照射手段4eが図示されている。側面の撮像手段3a〜3dについては、撮像手段の周囲に配置された環状の可視光照射手段の一部(上面)が図示されている。
紫外線照射手段5は、農産物10の生傷又は水腐れの箇所からの蛍光反応を検出するための紫外線を検査位置に向かって照射する。紫外線照射手段5から照射される紫外線としては、被検査物であるユズに含まれる蛍光物質の励起波長に対応した波長の紫外線を含む、おおよそ320〜330nmの範囲の紫外線を用いる。紫外線照射手段5としては、紫外線ランプ(例えば、紫外線放電ランプ(紫外線蛍光灯など)、白熱電灯、紫外線LEDランプなど)を使用することができる。しかし、320〜330nmの範囲の紫外線を照射可能な紫外線LEDランプは、現在のところ高価であるので、検査装置の製造コストを増大させるものとなるため、当該波長領域の紫外線を発生させることができる安価な紫外線蛍光灯などを用いることが好ましい。本農産物検査装置では、紫外線照射手段のオンオフを切り替える必要がなく、常時点灯としたので、紫外線蛍光灯などを採用することができる。
さらに、紫外線放電ランプ、白熱電灯などは、スペクトルが広い範囲に広がって分布しているため、所望の紫外線の波長領域(320〜330nm)のほか、被検査物の蛍光に対応する波長成分(380〜400nm)を含むことがある。このため、クマリン系の蛍光反応と紫外線蛍光灯からの光とが重なり、蛍光反応のみを正しく検出することが困難となるので、本実施形態では、図2に示すように、紫外線照射手段5の前方に360nm以上の長波長の光を遮断するショートパスフィルタ(長波長カットフィルタ)51をそれぞれ配置した。フィルタ51によって、紫外線照射手段5から照射される360nm以上の光は遮断され、所望の波長領域の紫外線55を農産物10に対して照射することができた。
紫外線照射手段5は、農産物10の撮像面に紫外線が十分に照射できるように一つ又は複数配置される。例えば、図1においては、紫外線の照射量が偏らないように、撮像手段の周囲に環状の紫外線照射手段5が配置されている。図1の上方の撮像手段3eでは、撮像手段3eを中心として周囲に配置された環状の紫外線照射手段5eが図示されている。側面の撮像手段3a〜3dについては、撮像手段の周囲に配置された環状の紫外線照射手段の一部(上面)が図示されている。なお、同図における各照射手段の個数、形状、配置は一例であって、必要に応じて適宜変更可能である。例えば、複数の照射手段を撮像手段の周囲に配置してもよい。
制御手段6は、被検査物(農産物10)の位置に基づいて、複数の撮像手段3の撮像タイミング、可視光照射手段4の可視光照射タイミング、撮像手段3の撮像条件の切換えなどを制御する。本農産物検査装置1では、紫外線照射手段5を常時照射とするので、紫外線照射のオンオフについて制御する必要はないが、紫外線照射手段5のオンオフについても制御(検査前にオンとし、検査終了時にオフとする)してもよい。
また、制御手段6は、図示しない位置特定手段によって農産物10の位置を特定する。位置特定手段は、例えば、農産物検出手段及び搬送距離測定手段(図示省略)を含む。農産物検出手段は、例えば、搬送経路上の撮像位置より上流側に配置され、農産物10の存在を検出する。農産物検出手段としては、例えば、発光素子と受光素子の組み合わせたもの、圧力センサ、赤外線センサなどを適宜使用することができる。農産物検出手段は、農産物の前端及び後端の少なくとも一方を検出できることが好ましい。
搬送距離測定手段は、搬送手段2による農産物10の搬送距離を測定するものであり、農産物検出手段が検出した位置からの移動距離を測定する。搬送距離測定手段は、例えば、エンコーダなどのパルス発生器によって、コンベヤの図示しない回転軸に接続させて回転軸の回転角度を検出して搬送距離を測定する構成であってもよいし、搬送速度と搬送時間(クロック回路などに基づく)を検出して搬送距離を測定する構成であってもよい。ただし、位置特定手段としては、かかる構成に限定されるものではない。
さらに、制御手段6は、農産物検査装置1のその他の機能についても制御してもよい。例えば、装置の起動と終了や、搬送速度の調整、搬送経路の設定を制御してもよい。制御手段6としては、例えば、演算機能と記憶機能を備えた情報処理装置を使用することができる。演算機能は、例えば、プロセッサによって構成されてもよい。記憶機能は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク装置などによって構成されてもよい。プロセッサは、例えば、ハードディスク装置から半導体メモリにロードされたプログラムを実行することによって、各種処理を実現する。以下、本農産物検査装置1における農産物の検査の工程について説明する。
搬送手段2によって農産物10が上流から下流へ搬送される際、制御手段6は、農産物検出手段及び搬送距離測定手段によって取得された情報に基づいて、搬送されている農産物10の現在位置を特定する。制御手段6は、農産物10の現在位置が撮像開始位置(検査位置ともいう。図1では、例えば、光軸交点付近)に到達したと判定されると、所定の撮像タイミング(図3参照)で、可視光を照射するように可視光照射手段4を制御しつつ、第1の撮像条件で撮像手段3によって可視光照射時の画像を撮像し、続けて、可視光照射手段4の照明をオフに切り替えて、第2の撮像条件で撮像手段3によって紫外線照射時の画像を連続的に撮像するように撮像手段3を制御する。なお、第1の撮像条件及び第2の撮像条件は、制御手段6によって撮像条件を切り替え可能であれば、制御手段6の記憶機能に記憶されていてもよいし、撮像手段3の内部の記憶手段に記憶されていてもよいし、その他の記憶媒体に記憶されていてもよい。
図3は、撮像手段及び各照射手段の動作順序の一例を示す説明図であり、撮像タイミング20、撮像手段の動作21、可視光照射手段の動作22、及び紫外線照射手段の動作23の対応関係を示したものである。なお、紫外線照射手段の動作23は、常時照射とされている。
制御手段6は、まず、農産物10が撮像開始位置に到達したと判定すると、同図の撮像タイミング「1」において、可視光照射手段4a、4b、4dから可視光を照射させて、撮像手段3aが可視光照射時の第1の撮像条件で農産物10の後面左側を撮像するように制御する。図1に示すように、撮像する撮像手段3aと対向する位置に配置されている可視光照射手段4cについては、撮像手段3aへの写り込みを防止するため、撮像タイミング「1」では動作させない。
次いで、撮像タイミング「2」において、可視光照射手段4a、4b、4cから可視光を照射させて、撮像手段3bが可視光照射時の第1の撮像条件で農産物10の後面右側を撮像するように制御する。撮像手段3bと対向する可視光照射手段4dについては動作させない。
そして、撮像タイミング「3」において、可視光照射手段4をいずれもオフとして、撮像手段3aが紫外線照射時の第2の撮像条件で農産物10の後面左側を撮像するように制御する。さらに、撮像タイミング「4」においては、可視光照射手段4をいずれもオフとしたまま、撮像手段3bが紫外線照射時の第2の撮像条件で農産物10の後面右側を撮像するように制御する。
その後、撮像タイミング「5」においては、可視光照射手段4eから可視光を照射させて、撮像手段3eが可視光照射時の第1の撮像条件で農産物10の上面を撮像するように制御し、次いで、撮像タイミング「6」において、可視光照射手段4eをオフとして、撮像手段3eが紫外線照射時の第2の撮像条件で農産物10の上面を撮像するように制御する。なお、図3の動作順序では、撮像タイミング「5」において、その他の可視光照射手段4a〜4dを動作させていないが、より明るい画像を得るために、それぞれ可視光照射手段4a〜4dを動作させてもよい。
以下、同図に示したとおり、撮像タイミング「7」では撮像手段3cによって紫外線照射時の画像を第2の撮像条件で撮像し、撮像タイミング「8」では撮像手段3dによって紫外線照射時の画像を第2の撮像条件で撮像する。そして、撮像タイミング「9」では撮像手段3cによって可視光照射時の画像を第1の撮像条件で撮像し、撮像タイミング「10」では撮像手段3dによって可視光照射時の画像を第1の撮像条件で撮像する。
図3では、撮像手段3a〜3eは、別々のタイミング(「3」、「4」、「6」、「7」及び「8」)で紫外線照射時の画像を第2の撮像条件で撮像しているが、紫外線照射手段5a〜5eから紫外線を常時照射しているので、そのいずれか又は全部を同じタイミングで同時に撮像してもよい。例えば、図2の撮像タイミング「3」及び「4」を同時とし、撮像タイミング「6」、「7」及び「8」を同時としてもよい。また、図2の撮像タイミング「3」、「4」、「6」、「7」及び「8」のすべてを同時に撮像してもよい。特に、第2の撮像条件はシャッタースピードを長くする必要があるので、撮像タイミングを同時にすることで、第2の撮像条件による撮像を短時間で行うことができる。
撮像タイミングの間隔は、搬送手段2の搬送速度及び撮像手段に設定されるシャッタースピードに応じて適宜設定してよく、等間隔でなくてもよい。また、上記の撮像の順序は単なる一例であって、これに限定されない。また、可視光照射時の画像を撮像できるピントの合う最良の位置となるタイミングで撮像することが好ましい。農産物10の画像を撮像する際、撮像手段3やその他のセンサがその農産物10が載置された搬送手段2上のキーに付与された識別番号を読み取ることが好ましい。
本農産物検査装置では、高感度の特殊なカメラを用いずに、通常のカメラによって、紫外線照射時の弱い蛍光反応を検出するため、撮像手段の撮像条件をその都度蛍光反応に対応した設定に切り換えなければならない。
可視光照射時の第1の撮像条件は、搬送速度及び柑橘類の種類に応じて適宜設定することができる。例えば、搬送速度が1000mm/秒で被検査物がユズである場合、シャッタースピードを1/1000〜1/2000秒、ゲインを60〜70、ガンマ値を0.9とすることが好ましい。これによって、制御手段6は、農産物10の外観の通常の傷などを検出できる鮮明な画像を取得することができる。
一方、紫外線照射時の第2の撮像条件は、例えば、シャッタースピードを1/500秒、ゲインを255、ガンマ値を0.7とすることが好ましい。これによって、制御手段6は、柑橘類の生傷又は水腐れの箇所に生じる蛍光反応を検出できるコントラストの高い画像を取得することができる。ただし、この場合、シャッタースピードが大きいため、撮像画像は不鮮明なものとなる可能性がある。しかしながら、蛍光反応の大きさ、位置、数などは問題とはならない。小さな生傷又は水腐れであっても流通の間に腐敗が進行して品質が維持できない可能性があることから、蛍光反応がわずかでも示された農産物は、腐敗果としてあらかじめ排除しておくのが好ましい。このため、本実施形態では蛍光反応の有無を検出できれば足る。なお、必要に応じて、蛍光反応の大きさ、位置、数などについてしきい値を設定し、これらによって、農産物における生傷又は水腐れのおおよその程度を判定してもよい。
ここで、ゲインとは、信号の増幅度(感度)を表わし、ゲインを大きくすることによって画像を明るくすることができる。ただし、同時にノイズも増幅されるので不鮮明な画像となる。ガンマ値とは、入力値と出力値との関係を表わす指標であり、ガンマ値が大きくなると画像の明暗の差が大きくなる。なお、第1及び第2の撮像条件は、これに限定されず、搬送手段2の搬送速度、柑橘類の種類に応じて適宜変更することができる。
次いで、制御手段6は、各撮像手段によって撮像された可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を記憶部(図示省略)に格納する。この場合、当該農産物10が載置された搬送手段2上のキーに付与された識別番号と画像とを関連付けておくことが好ましい。
制御手段6は、取得した可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像に対して必要に応じて2値化処理などの画像処理を施してもよい。これによって、制御手段6は、可視光照射時の画像における農産物の通常の傷(長さ、面積)、大きさ、形状、色相などを判定し、これらに基づいて農産物の等級を決定してもよい。また、紫外線照射時の画像において、蛍光反応の有無(すなわち、生傷又は水腐れ)を判定する。蛍光反応があると判定された場合、その農産物が腐敗果であると決定してもよい。なお、必要であれば、蛍光反応の大きさ、位置、数などを予め設定したしきい値と比較することによって、腐敗の程度(生傷の大きさ、水腐れの進行状況)を判定してもよい。
また、制御手段6は、図示しない表示装置(例えば、液晶ディスプレイなど)に、取得した画像を表示してもよいし、画像処理によって得られた検査結果(農産物の通常の傷、大きさ、形状、色相、蛍光反応などを含む)を表示してもよい。検査者は、これらの検査結果に基づいて、農産物10の等級を判定してもよい。
制御手段6は、農産物10に付与された等級に基づいて、農産物10をその等級毎に設けられた図示しない選別コンベア又はコンテナに受け渡すこともできる。例えば、制御手段6は、搬送手段2の下流において、農産物を載置するキーが等級に応じた所定に位置に到達すると、このキーを傾斜させて農産物10を後段の選別コンベヤに送り出す。蛍光反応が検出された農産物は腐敗果として、搬送手段2の下流側末端で排出されるように構成してもよい。
本実施形態では、撮像手段3aと3c、3bと3dが相互に対向するように配置されている。ここで、紫外線照射手段5は、撮像手段3の外側に張り出した位置に配置されており、常時紫外線を照射しているため、対向する撮像手段に入射する可能性があるが、紫外線照射手段5の前方にショートパスフィルタ51を設け、撮像手段3の前方にロングパスフィルタ31を設けることで、紫外線照射手段5からの可視光はショートパスフィルタ51によって遮断され、紫外線照射手段5から照射された紫外線はロングパスフィルタ31によって遮断され、撮像手段3に入射するのを防止できる。なお、撮像手段3が対向していなくても、農産物10での反射によって紫外線照射手段5からの光が撮像手段3に入射する虞があり、また、紫外線照射手段5として紫外線放電ランプを用いた場合は、光が拡散するので撮像手段3に入射する虞があるので、フィルタを設けることが好ましい。
[実施形態2]
図4は、本発明の第2の実施形態の農産物検査装置の概略平面図である。本実施形態の農産物検査装置1は、搬送手段2、複数の撮像手段3、複数の可視光照射手段4、複数の紫外線照射手段5、反転機構7及び制御手段(図示省略)を備える。
本実施形態では、搬送手段2の上流側の右側方に2台の撮像手段3a、3bを配置し、下流側の左側方に2台の撮像手段3c、3dを配置し、さらに上流及び下流の上方のそれぞれに撮像手段3e、3fを配置する。各撮像手段には、その周囲に環状の可視光照射手段4及び紫外線照射手段5が設けられる。
なお、撮像手段及び各照射手段の数量、配置、形状は、一例であって、装置や搬送手段の構成に応じて適宜変更されてよい。例えば、上流において農産物10の後面を撮像する撮像手段3aの左端に、広い範囲を照射可能な長方形の可視光照射手段を設けてもよいし、農産物10の前面を撮像する撮像手段3bの右端に、広い範囲を照射可能な長方形の可視光照射手段4bを設けてもよい。
各手段の具体的構成については、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。反転機構7は、搬送されている農産物10の上下を反転させるように構成される(例えば、段差、ピンローラなど)。
図5は、撮像手段及び各照射手段の動作順序の別の例を示す説明図であり、撮像タイミング70、撮像手段の動作71、可視光照射手段の動作72、及び紫外線照射手段の動作73の対応関係を示したものである。紫外線照射手段として、紫外線蛍光灯を使用する場合、かかる紫外線蛍光灯は紫外線を常時照射とする。
制御手段6は、まず、農産物10が上流側の撮像開始位置に到達したと判定すると、同図の撮像タイミング「1」において、可視光照射手段4a、4b、4eから可視光を照射させて、撮像手段3a、3b、3eが可視光照射時の第1の撮像条件でそれぞれ農産物10の後面、前面、頂部側(例えば、果梗部側)の面を含む可視光照射時の画像を同時に撮像するように制御する。なお、同時に撮像するとは、撮像手段のシャッタースピード程度の時間差で順次撮像することを含んでもよい。
次いで、撮像タイミング「2」において、可視光照射手段4をオフとして、撮像手段3a、3b、3eが紫外線照射時の第2の撮像条件でそれぞれ農産物10の後面、前面、頂部側(例えば、果梗部側)の面を含む紫外線照射時の画像を同時に撮像するように制御する。
そして、農産物10が搬送手段2によって移動し反転機構7に到達すると、その上下が返される。制御手段6は、農産物10が下流側の撮像開始位置に到達したと判定すると、撮像タイミング「3」において、可視光照射手段4c、4d、4fから可視光を照射させて、撮像手段3c、3d、3fが可視光照射時の第1の撮像条件でそれぞれ農産物10の後面、前面、底部側(例えば、花痕部側)の面を含む可視光照射時の画像を同時に撮像するように制御する。
その後、撮像タイミング「4」においては、可視光照射手段4をオフとして、撮像手段3c、3d、3fが紫外線照射時の第2の撮像条件でそれぞれ農産物10の後面、前面、及び上流では底部側(例えば、花痕部側)であった面を含む紫外線照射時の画像を同時に撮像するように制御する。
[実施形態3]
ところで、上記第1及び第2の実施形態では、農産物検査装置は、可視光照射手段と紫外線照射手段の2種類の光源を有するが、1種類の光源において各照射手段を構成することもできる。この場合、かかる光源は、紫外線領域から可視光領域までの波長を含む光を照射可能に構成すればよい。光源には、例えば、スペクトル分布の広い蛍光灯などを用いることができる。また、かかる光源には、可視光の範囲の光を所定のタイミングで遮断するように構成された開閉可能なフィルタなどを設けることが好ましい。例えば、蛍光反応を検出する時だけ、フィルタなどによって可視光領域の光を遮断して非照射とすればよい。
以上、説明したとおり、本発明の農産物検査装置によれば、可視光照射による農産物の通常の傷の検査と、紫外光による生傷又は水腐れの有無の検査との両方を一の工程によって実施でき、検査ラインを短縮することができる。また、一般的な撮像手段を用いるので低コストの検査装置を提供することができる。さらに、紫外線照射手段として安価な紫外線放電ランプや白熱電灯を使用することができるので、低コストの検査装置を提供することができる。加えて、本発明の農産物検査装置では、フラボノイド系の蛍光物質を含まない又は少量しか含まない農産物であっても、蛍光反応を検出することができる。
1 農産物検査装置
2 搬送手段
3 撮像手段
4 可視光照射手段
5 紫外線照射手段
6 制御手段
10 農産物

Claims (7)

  1. 蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査装置であって、
    前記農産物を検査位置まで搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって前記検査位置まで搬送された前記農産物を撮像する撮像手段と、
    前記検査位置に向けて可視光を照射する可視光照射手段と、
    前記検査位置に向けて前記農産物の蛍光物質の励起波長を含む紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    前記撮像手段及び前記可視光照射手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記紫外線照射手段は、前記可視光照射時の画像を撮像する間も、前記紫外線照射時の画像を撮像する間も、紫外線を常時照射し、
    前記制御手段は、前記可視光照射手段を制御して可視光を照射させつつ、前記撮像手段を制御して第1の撮像条件で前記可視光及び前記紫外線が照射された前記農産物の画像を撮像し、
    前記制御手段は、前記可視光照射手段を制御して可視光の照射を停止し、前記撮像手段を制御して第2の撮像条件で前記紫外線が照射された前記農産物の画像を撮像することを特徴とする農産物検査装置。
  2. 前記紫外線照射手段から前記検査位置までの間に、少なくとも前記農産物の蛍光物質の励起波長の紫外線を通過させ、少なくとも360nm以上の光を遮断するショートパスフィルタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の農産物検査装置。
  3. 前記撮像手段から前記検査位置までの間に、少なくとも可視光及び前記農産物の蛍光物質から発生する蛍光波長の光を通過させ、少なくとも380nm以下の光を遮断するロングパスフィルタを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の農産物検査装置。
  4. 前記農産物は、320〜330nmの範囲の励起波長を有する蛍光物質を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに1項に記載の農産物検査装置。
  5. 320〜330nmの範囲の励起波長を有し、380〜400nmの範囲の蛍光波長を有する蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査装置であって、
    前記農産物を検査位置まで搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって前記検査位置まで搬送された前記農産物を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段から前記検査位置までの間に設けられた少なくとも380nm以下の光を遮断するロングパスフィルタと、
    前記検査位置に向けて可視光を照射する可視光照射手段と、
    前記検査位置に向けて少なくとも320〜330nmの範囲の波長を含む紫外線を照射する紫外線ランプと、
    前記紫外線照射手段から前記検査位置までの間に設けられた少なくとも360nm以上の光を遮断するショートパスフィルタと、
    前記撮像手段及び前記可視光照射手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする農産物検査装置。
  6. 搬送手段と、撮像手段と、可視光照射手段と、紫外線照射手段と、制御手段と、を備えた農産物検査装置を用いて、蛍光物質を含む農産物に対して可視光照射時の画像及び紫外線照射時の画像を撮像する農産物検査方法であって、
    前記搬送手段によって前記農産物を検査位置まで搬送する工程と、
    前記検査位置に向けて前記紫外線照射手段から前記農産物の蛍光物質の励起波長を含む紫外線を常時照射した状態で、前記制御手段によって、前記可視光照射手段及び前記撮像手段を制御して、
    (1)前記検査位置に向けて前記可視光照射手段から可視光を照射しつつ、第1の撮像条件で前記可視光及び前記紫外線が照射された前記農産物の画像を前記撮像手段で撮像し、

    (2)前記可視光照射手段の可視光の照射を停止し、第2の撮像条件で前記紫外線のみが照射された前記農産物の画像を撮像する工程と、
    を含むことを特徴とする農産物検査方法。
  7. 前記農産物は、320〜330nmの範囲の励起波長を有する蛍光物質を含み、前記紫外線照射手段は、320〜330nmの範囲の波長を含む紫外線を照射することを特徴とする請求項6に記載の農産物検査方法。
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