JP2015183542A - エンジン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1ケース28または第2ケース29などの排気ガス浄化装置の構成部品数を削減でき、組付け作業性を向上できるものでありながら、保温効果を期待できると共に、中継管39の防振構造なども簡略化できるようにしたエンジン装置を提供しようとするものである。
【解決手段】エンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、エンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に中継管39を介して第2ケース29を接続させるエンジン装置において、第1ケース28または第2ケース29のいずれか一方の外側に中継管39を一体的に配置すると共に、第1ケース28のガス出口または第2ケース29のガス入口に管継ぎ手体41を介して中継管39を着脱可能に連結したものである。
【選択図】図19

Description

本願発明は、農業機械(トラクタ、コンバイン)または建設機械(ブルドーザ、油圧ショベル、ローダー)などに搭載するディーゼルエンジン等のエンジン装置に係り、より詳しくは、排気ガス中に含まれた粒子状物質(すす、パティキュレート)、または排気ガス中に含まれた窒素酸化物質(NOx)等を除去する排気ガス浄化装置が搭載されたエンジン装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンの排気経路中に、排気ガス浄化装置(排気ガス後処理装置)として、ディーゼルパティキュレートフィルタを内設したケース(以下、DPFケースという)と、尿素選択還元型触媒を内設したケース(以下、SCRケースという)を設け、DPFケースとSCRケースに排気ガスを導入して、ディーゼルエンジンから排出された排気ガスを浄化処理する技術が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。
特開2009−74420号公報 特開2012−21505号公報 特開2012−177233号公報 特開2013−104394号公報
DPFケースとSCRケースを組付ける場合、DPFケースとSCRケース間の排気ガス経路中に、尿素水噴射ノズルが配置された中継管(尿素混合管)を設け、SCRケースに供給される排気ガス中にアンモニアを発生させるから、中継管を所定長さ以上に長く形成して、尿素の結晶化を防止しながら、アンモニアを生成させる必要がある。しかしながら、DPFケースの排気ガス出口とSCRケースの排気ガス入口の両方に中継管の両端側を着脱可能に連結する構造では、DPFケースとSCRケースと中継管を各別に製作できるが、DPFケースの排気ガス出口またはSCRケースの排気ガス入口または中継管の加工誤差等にて、組立作業時間を容易に短縮できないと共に、エンジンの取付け位置などに対してDPFケースとSCRケースの支持姿勢を所定姿勢に支持しにくい等の問題がある。なお、DPFケース内のディーゼルパティキュレートフィルタ(スートフィルタ)をクリーニングまたは交換する場合、DPFケース全体を取外す構造では、ディーゼルパティキュレートフィルタのクリーニング工数などを容易に低減できない等の問題もある。
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したエンジン装置を提供しようとするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明のエンジン装置は、エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備え、前記第1ケースに中継管を介して前記第2ケースを接続させるエンジン装置において、前記第1ケースまたは第2ケースのいずれか一方の外側に前記中継管を一体的に配置すると共に、前記第1ケースのガス出口または第2ケースのガス入口に管継ぎ手体を介して前記中継管を着脱可能に連結したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジン装置において、前記第2ケースの外側に前記中継管を一体的に固定すると共に、前記第1ケースのガス出口に接続させる前記中継管の一端側に尿素水噴射ノズルを配置し、前記第1ケースのガス出口に管継ぎ手体を介して前記中継管の一端側を着脱可能に連結したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジン装置において、前記第2ケースを、内側ケースと外側ケースにて円筒状の二重管構造に形成する構造であって、前記外側ケースの外周面に前記中継管の外周面を接合させたものである。
請求項1に係る発明によれば、エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備え、前記第1ケースに中継管を介して前記第2ケースを接続させるエンジン装置において、前記第1ケースまたは第2ケースのいずれか一方の外側に前記中継管を一体的に配置すると共に、前記第1ケースのガス出口または第2ケースのガス入口に管継ぎ手体を介して前記中継管を着脱可能に連結したものであるから、前記エンジンの組立工場などにおいて、前記第1ケースまたは第2ケースのいずれか一方と前記中継管を一部品として取扱うことができ、構成部品数を削減できる。また、前記第1ケースの排気ガス出口または前記第2ケースの排気ガス入口のいずれか一方と前記中継管の一端側の連結部に加工誤差が生じても、その連結部の加工誤差を簡単に解消でき、組立時の位置調整などの作業時間を容易に短縮でき、組付け作業性を向上できる。前記第1ケースまたは第2ケースのいずれか一方の外側に前記中継管を近接させて設置できるから、保温効果を期待でき、前記中継管内部での尿素結晶化を低減できると共に、前記中継管の防振構造なども簡略化できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記第2ケースの外側に前記中継管を一体的に固定すると共に、前記第1ケースのガス出口に接続させる前記中継管の一端側に尿素水噴射ノズルを配置し、前記第1ケースのガス出口に管継ぎ手体を介して前記中継管の一端側を着脱可能に連結したものであるから、前記管継ぎ手体の分解にて、第1ケースの排気ガス出口側から前記中継管を分離でき、前記尿素噴射ノズル設置側で前記中継管の内部を容易に掃除でき、前記中継管内部での尿素結晶化を低減できる。また、前記第1ケースのガス出口側を部分的に着脱可能に構成できるから、前記第1ケースのガス出口側を部分的に取外すだけで、前記第1ケースのガス出口側に内設するスートフィルタのメンテナンスなどを容易に実行できる。
請求項3に記載の発明によれば、前記第2ケースを、内側ケースと外側ケースにて円筒状の二重管構造に形成する構造であって、前記外側ケースの外周面に前記中継管の外周面を接合させたものであるから、前記第1ケースに第2ケースを密着状に近接させて、前記第1ケース及び第2ケースを狭少スペースに配置できると共に、前記中継管の防振構造などが不要になり、前記第1ケースと第2ケースの連結構造を簡略化できる。
第1実施形態を示すディーゼルエンジンの左側面図である。 同右側面図である。 同正面図である。 同背面図である。 同平面図である。 同正面斜視図である。 排気ガス浄化ユニット体の底面説明図である。 同正面斜視分解図である。 同背面斜視分解図である。 同右側斜視分解図である。 同左側斜視分解図である。 ディーゼルエンジンを搭載したトラクタの左側面図である。 同平面図である。 同ケース取付けフレーム体部の背面断面図である。 第1ケースの一部を分解した背面斜視図である。 第1ケースの一部を分解した着脱説明図である。 ディーゼルエンジンを搭載した作業車両の側面図である。 同作業車両の平面図である。 第1ケースと第2ケースと尿素混合管の断面図である。 第1ケースと尿素混合管の連結部の拡大断面図である。
以下に、本発明を具体化した第1実施形態を図面(図1〜図11)に基づいて説明する。図1はディーゼルエンジン1の排気マニホールド6が設置された左側面図、図2はディーゼルエンジン1の吸気マニホールド3が設置された右側面図、図3はディーゼルエンジン1の冷却ファン24が設置された正面図である。なお、排気マニホールド6が設置された側をディーゼルエンジン1の左側面と称し、吸気マニホールド3が設置された側をディーゼルエンジン1の右側面と称し、冷却ファン24が設置された側をディーゼルエンジン1の正面と称する。図1〜図8を参照しながら、ディーゼルエンジン1の全体構造について説明する。
図1〜図6に示す如く、ディーゼルエンジン1のシリンダヘッド2の一側面には吸気マニホールド3が配置されている。シリンダヘッド2は、エンジン出力軸4(クランク軸)とピストン(図示省略)が内蔵されたシリンダブロック5に上載されている。シリンダヘッド2の他側面に排気マニホールド6が配置されている。シリンダブロック5の正面と背面からエンジン出力軸4の前端と後端を突出させている。
図1〜図6に示す如く、シリンダブロック5の背面にフライホイールハウジング8を固着している。フライホイールハウジング8内にフライホイール9を設ける。エンジン出力軸4の後端側にフライホイール9を軸支させている。フライホイール9を介してディーゼルエンジン1の動力を取り出すように構成している。さらに、シリンダブロック5の下面にはオイルパン11が配置されている。
図2〜図6に示すように、吸気マニホールド3には、再循環用の排気ガスを取込む排気ガス再循環装置(EGR)15を配置する。エアクリーナ16(図13参照)が吸気マニホールド3に接続される。エアクリーナ16にて除塵・浄化された外部空気は、吸気マニホールド3に送られ、ディーゼルエンジン1の各気筒に供給されるように構成している。
上記の構成により、ディーゼルエンジン1から排気マニホールド6に排出された排気ガスの一部が、排気ガス再循環装置15を介して、吸気マニホールド3からディーゼルエンジン1の各気筒に還流されることによって、ディーゼルエンジン1の燃焼温度が下がり、ディーゼルエンジン1からの窒素酸化物(NOx)の排出量が低減され、かつディーゼルエンジン1の燃費が向上される。
なお、シリンダブロック5内とラジエータ19(図12参照)に冷却水を循環させる冷却水ポンプ21を備える。ディーゼルエンジン1の冷却ファン24設置側に冷却水ポンプ21を配置する。エンジン出力軸4にVベルト22などを介して冷却水ポンプ21及び冷却ファン24を連結し、冷却水ポンプ21及び冷却ファン24を駆動する。冷却水ポンプ21から、排気ガス再循環装置15のEGRクーラ18を介して、シリンダブロック5内に冷却水を送込む一方、冷却ファン24風にてディーゼルエンジン1を冷却するように構成している。
図1〜図7に示す如く、前記ディーゼルエンジン1の各気筒から排出された排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置27として、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)としての第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する尿素選択触媒還元(SCR)システムとしての第2ケース29を備える。図3、図4に示すように、DPFケースとしての第1ケース28には、酸化触媒30と、スートフィルタ31が内設される。SCRケースとしての第2ケース29には、尿素選択触媒還元用のSCR触媒32と、酸化触媒33が内設される。
ディーゼルエンジン1の各気筒から排気マニホールド6に排出された排気ガスは、排気ガス浄化装置27等を経由して、外部に放出される。排気ガス浄化装置27によって、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)や、粒子状物質(PM)や、窒素酸化物質(NOx)を低減するように構成している。
第1ケース28と第2ケース29は、平面視でディーゼルエンジン1の出力軸(クランク軸)4と交叉する直交方向に長く延びた長尺円筒形状に構成している(図3〜図5参照)。第1ケース28の筒形状両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるDPF入口管34と、排気ガスを排出するDPF出口管35を設けている。同様に、第2ケース29の両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるSCR入口36と、排気ガスを排出するSCR出口管37を設けている。
また、排気マニホールド6の排気ガス出口に、ディーゼルエンジン1に空気を強制的に送り込む過給機38と、排気マニホールド6にボルト締結する排気ガス出口管7を配置している。過給機38と排気ガス出口管7を介して排気マニホールド6にDPF入口管34を連通させ、ディーゼルエンジン1の排気ガスを第1ケース28内に導入するように構成している。一方、第1ケー28スに第2ケース29を連結させる中継管としての尿素混合管39を介して、DPF出口管35にSCR入口36を接続させ、第1ケース28の排気ガスを第2ケース29内に導入するように構成している。加えて、DPF出口管35と、尿素混合管39は、ボルト締結させるDPF出口側フランジ体41にて着脱可能に接続されている。なお、SCR入口36に尿素混合管39の一端側を溶接加工にて一体的に接続させる。
図2に示す如く、ディーゼルエンジン1の多気筒分の各インジェクタ(図示省略)に、図12(図13)に示す燃料タンク45を接続する燃料ポンプ42とコモンレール43を備える。シリンダヘッド2の吸気マニホールド3設置側にコモンレール43と燃料フィルタ44を配置し、吸気マニホールド3下方のシリンダブロック5に燃料ポンプ42を配置している。なお、前記各インジェクタは、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ(図示省略)を有する。
燃料タンク45内の燃料が燃料フィルタ44を介して燃料ポンプ42に吸込まれる一方、燃料ポンプ42の吐出側にコモンレール43が接続され、円筒状のコモンレール43がディーゼルエンジン1の各インジェクタにそれぞれ接続されている。なお、燃料ポンプ42からコモンレール43に圧送される燃料のうち余剰分は、燃料タンク45に戻され、高圧の燃料がコモンレール43内に一時貯留され、コモンレール43内の高圧燃料がディーゼルエンジン1の各気筒(シリンダ)内部に供給される。
上記の構成により、前記燃料タンク45の燃料が燃料ポンプ42によってコモンレール43に圧送され、高圧の燃料がコモンレール43に蓄えられると共に、前記各インジェクタの燃料噴射バルブがそれぞれ開閉制御されることによって、コモンレール43内の高圧の燃料がディーゼルエンジン1の各気筒に噴射される。即ち、前記各インジェクタの燃料噴射バルブを電子制御することによって、燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)を高精度にコントロールできる。したがって、ディーゼルエンジン1から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。
次に、図12〜図13を参照して、前記ディーゼルエンジン1を搭載したトラクタ51について説明する。図12〜図13に示す作業車両としてのトラクタ51は、図示しない耕耘作業機などを装着し、圃場を耕す耕耘作業などを行うように構成されている。図12は農作業用トラクタの側面図、図13は同平面図である。なお、以下の説明では、トラクタの前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図12〜図13に示す如く、作業車両としての農作業用トラクタ51は、走行機体52を左右一対の前車輪53と左右一対の後車輪54とで支持し、走行機体52の前部に前記ディーゼルエンジン1を搭載し、ディーゼルエンジン1にて後車輪54及び前車輪53を駆動することにより、前後進走行するように構成されている。ディーゼルエンジン1の上面側及び左右側面側は、開閉可能なボンネット56にて覆われている。
また、前記走行機体52の上面のうち、ボンネット56の後方には、オペレータが搭乗するキャビン57が設置されている。該キャビン57の内部には、オペレータが着座する操縦座席58と、操向手段としての操縦ハンドル59などの操縦機器が設けられている。また、キャビン57の左右外側部には、オペレータが乗降するための左右1対のステップ60が設けられ、該ステップ60より内側で且つキャビン57の底部より下側には、ディーゼルエンジン1に燃料を供給する燃料タンク45が設けられている。
また、前記走行機体52は、ディーゼルエンジン1からの出力を変速して後車輪54(前車輪53)に伝達するためのミッションケース61を備える。ミッションケース61の後部には、ロワーリンク62及びトップリンク63及びリフトアーム64などを介して、図示しない耕耘作業機などが昇降動可能に連結される。さらに、ミッションケース61の後側面に、前記耕耘作業機などを駆動するPTO軸65が設けられている。なお、トラクタ51の走行機体52は、ディーゼルエンジン1と、ミッションケース61と、それらを連結するクラッチケース66などにて構成される。
さらに、図1〜図11、図14〜図16を参照して、前記第1ケース28と第2ケース29の取付け構造を説明する。図8〜図11、図14〜図16に示す如く、シリンダヘッド2の前面のうち右側角隅部に下端側をボルト81締結する前部支脚体82と、シリンダヘッド2の左側面のうち前側角隅部に下端側をボルト83締結する側部支脚体84と、シリンダヘッド2の後面に下端側をボルト85締結する後部支脚体86を備え、シリンダヘッド2に各支脚体82,84,86を立設させる。板金加工にて形成した矩形状の支持台87を備え、各支脚体82,84,86の上端側に支持台87の側面及び上面側をボルト88締結させる。また、排気ガス出口管7に対設する支持台87の上面に平板状の位置決め体89を溶接固定させ、上向きに開口させた排気ガス出口管7の平坦な排気ガス出口面7aの一部に、位置決め体89の平板状下面の一部を面接触させ、排気ガス出口管7に位置決め体89を位置決めボルト90にて締結する。排気ガス出口管7に位置決め体89の面接触にて、ディーゼルエンジン1に対して支持台87の上面が略水平になるように構成している。
図5、図10〜図11、図14〜図16に示す如く、第1ケース28と第2ケース29を平行に配置させる挟持体として、一対の左ケース固定体95及び右ケース固定体96と、4本の締結バンド97を備える。左ケース固定体95及び右ケース固定体96の後側載置部に左右の締結バンド97にて第1ケース28を固着させると共に、左ケース固定体95及び右ケース固定体96の前側載置部に左右の締結バンド97にて第2ケース29を固着させる。したがって、左右方向に長尺な円筒状の第1ケース28と第2ケース29が、ディーゼルエンジン1の上面側に平行に配置されるもので、ディーゼルエンジン1上面の後側に第1ケース28が位置し、ディーゼルエンジン1上面の前側に第2ケース29が位置する。
図8〜図11、図16に示す如く、左ケース固定体95及び右ケース固定体96の前後端部に前後支持フレーム体98を取付け位置(支持姿勢)調節可能にボルト99締結させ、左右ケース固定体95,96と前後支持フレーム体98を四角枠状に連結させ、それらに締結バンド97を介して第1ケース28と第2ケース29を固着させ、排気ガス浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27を構成している。なお、ボルト99の外径寸法に比べ、支持フレーム体98のボルト貫通孔の内径寸法を大きく形成して、支持フレーム体98のボルト貫通孔にボルト99を遊嵌挿入させるものであり、ケース固定体95,96と支持フレーム体98を固着するとき、ケース固定体95,96に対する支持フレーム体98の連結姿勢を所定姿勢に支持しながら、ケース固定体95,96にボルト99を螺着させ、ケース固定体95,96に支持フレーム体98をボルト99締結させるように構成している。
また、左ケース固定体95の前端側と右ケース固定体96の後端側に左右の吊下げ部材91をボルト92締結させて、左右ケース固定体95,96と前後支持フレーム体98の四角枠の対角線位置に左右の吊下げ部材91を配置する。一方、略水平な支持台87の上面に前後の仮止めボルト体93を立設させ、左右の吊下げ部材91の対角線配置と反対側の対角線位置に前後の仮止めボルト体93を配置する。即ち、左右ケース固定体95,96と前後支持フレーム体98の四角枠の頂角部に、左右の吊下げ部材91と、前後の仮止めボルト体93を振分けて配置させる。
次に、ディーゼルエンジン1に排気ガス浄化装置27(排気浄化ユニット)を組付ける組立手順を説明する。図8〜図11に示す如く、先ず、排気ガス浄化装置(排気浄化ユニット)27を組立てるものであり、左ケース固定体(挟持体)95と右ケース固定体(挟持体)96の各両端部に、端面L形状の板金製の一対の支持フレーム体98をボルト99締結する。ボルト99を締付けるとき、左ケース固定体95の上面高さと右ケース固定体96の上面高さが面一になるように、各支持フレーム体98のボルト孔とボルト99のガタを利用して、各ケース固定体95,96と各支持フレーム体98の連結位置を調節しながら、ボルト99を締結して、各ケース固定体95,96と各支持フレーム体98を四角フレーム枠状に連結する。
続いて、各ケース固定体95,96上面側の上向き凹状支持部に第1ケース28と第2ケース29を所定方向(平行)に載置し、DPF出口管35にDPF出口側フランジ体41をボルト締結させると共に、SCR入口36に尿素混合管39の他端側を溶接にて一体的に接合固定させ、第1ケース28と第2ケース29と尿素混合管39を一体的に結合させる。そして、第1ケース28と第2ケース29の各上面側に各2本の締結バンド97を半巻き状にそれぞれ装着して、各ケース固定体95,96に各締結バンド97の下端側をボルト締結すると共に、各ケース固定体95,96に吊下げ部材91をボルト92締結させ、排気ガス浄化装置27の組立を完了する。なお、SCR入口側フランジ体40のボルト締結のとき、センサブラケット112もSCR入口側フランジ体40にボルト締結させ、センサブラケット112に差圧センサ111を取付ける。
一方、ディーゼルエンジン1の組立ライン(エンジン組立場所)の最終組立工程付近で、組立作業が略終了したディーゼルエンジン1のシリンダヘッド2に、前部支脚体82と側部支脚体84と後部支脚体86の各下端側を、ボルト81,83,85締結させ、シリンダヘッド2に各支脚体82,84,86を立設させる。次いで、各支脚体82,84,86の上端側に支持台87を載置し、排気ガス出口管7の排気ガス出口面7aに位置決め体89の下面を面接触させて、支持台87の上面が略水平に支持された状態下で、各支脚体82,84,86に支持台87をボルト88締結させ、ディーゼルエンジン1の上面側に支持台87を水平姿勢に固定させる。
さらに、ディーゼルエンジン1の組立工程の最終付近の作業場所において、上記のように組立が完了した排気ガス浄化装置27を、吊下げ部材91を介して、図示しない荷役装置(ホイストまたはチェンブロック)に吊下げて、上記のように支持台87を組付けたディーゼルエンジン1の上面側に搬送させると共に、前後の仮止めボルト体93を介して支持台87の略水平な上面に前後支持フレーム体98を上方側から載置し、支持台87に前後支持フレーム体98をボルト100締結させ、ディーゼルエンジン1上面側に排気ガス浄化装置27(第1ケース28と第2ケース29)を合体させ、ディーゼルエンジン1に排気ガス浄化装置27を組付ける組立作業を完了する。
また、第1ケース28と第2ケース29の間に、それらに平行に尿素混合管39を配置する。冷却ファン24の冷却風路(図1に示すシュラウド101)よりも高位置に、支持台87の上面を介して第1ケース28と第2ケース29と尿素混合管39が支持されると共に、尿素混合管39の前側方が第2ケース29にて閉塞される。冷却ファン24の冷却風などによって尿素混合管39内の排気ガス温度が低下して、尿素混合管39内に供給される尿素水が結晶化するのを防止する。また、尿素混合管39内に供給される尿素水が、第1ケース28から第2ケース29に至る排気ガス中にアンモニアとして混合されるように構成している。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管39を介して第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、第1ケース28と第2ケース29を固着するケース固定体95,96を備え、ケース固定体95,96に吊下げ部材91を固着している。したがって、ケース固定体95,96にて前記各ケース28,29が排気ガス浄化装置(排気浄化ユニット)27として一体的に組付けられた状態で、荷役装置などに吊下げ部材91を介して排気浄化ユニット27を吊下げ支持できる。ディーゼルエンジン1の上面側などに排気ガス浄化装置27を着脱させる組立分解作業において、大重量部品である排気ガス浄化装置27を容易に取扱うことができる。
図1〜図11に示す如く、前記ケース固定体95,96にて一体的に固着する前記第1ケース28と第2ケース29間に尿素混合管39を連結して、排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27を形成すると共に、排気ガス浄化装置27の外周側のうち平面視で対角線位置の外周側に一対の吊下げ部材91を対向させて配置している。したがって、ディーゼルエンジン1の組立工程のうち最終付近の組立工程で、ディーゼルエンジン1に排気ガス浄化装置27を簡単に組付けることができると共に、ディーゼルエンジン1のメンテナンス作業または修理作業などにおいて、ディーゼルエンジン1から排気ガス浄化装置27を簡単に取外すことができる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の上面側に複数の支脚体82,84,86を介して支持台87の下面側に連結させ、ディーゼルエンジン1の上面側に支持台87を配置し、支持台87の略水平な上面側にケース固定体95,96を着脱可能に固着している。したがって、ディーゼルエンジン1上面側の付設部品などとの干渉を容易に低減できるものでありながら、ディーゼルエンジン1の組立作業性またはディーゼルエンジン1のメンテナンス作業性などを簡単に向上できる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の一側に冷却ファン24を設ける構造であって、冷却ファン24の上部高さよりも支持台87の略水平な上面高さを高く形成している。したがって、支持台87の下面側に前記冷却ファン24風を移動させ、ディーゼルエンジン1の空冷効率を適正に維持できるものでありながら、冷却ファン24風にて排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27の温度が低下するのを防止でき、排気ガス浄化装置27を所定温度以上に維持して排気浄化効率を向上できる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管39を介して第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、第1ケース28と第2ケース29を挟持体としてのケース固定体95,96及び締結バンド97及び支持フレーム体98にて一体的に固着して、排気浄化ユニット27を形成すると共に、ケース固定体95,96及び締結バンド97及び支持フレーム体98を介してディーゼルエンジンに排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27を着脱可能に支持するように構成している。したがって、ディーゼルエンジン1と排気ガス浄化装置27を同一振動構造に一体的に構成でき、第1ケース28と第2ケース29の排気連結部などを防振連結する必要がなく、ディーゼルエンジン1と排気ガス浄化装置27における排気ガス排出径路を低コストに構成できる。また、ディーゼルエンジン1の組立作業場所と異なる場所で排気ガス浄化装置27を予め組立て、ディーゼルエンジン1の組立作業の最終工程付近で、ディーゼルエンジン1に排気ガス浄化装置27を載置でき、ディーゼルエンジン1の組立作業性を向上できる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の上面側に略水平に支持台87を固着させ、支持台87の上面側に支持フレーム体98を介してケース固定体95,96を固着させ、ディーゼルエンジン1の上面側にケース固定体95,96及び締結バンド97を介して第1ケース28と第2ケース29を横倒し姿勢に支持すると共に、第1ケース28と第2ケース29間でそれらの上面側に尿素混合管39を支持するように構成している。したがって、支持台87と支持フレーム体98の結合分離にて排気ガス浄化装置27を簡単に組立分解できると共に、ディーゼルエンジン1の上面側に第1ケース28と第2ケース29を嵩低くコンパクトに支持できる。また、ケース固定体95,96及び締結バンド97を介して第1ケース28と第2ケース29の取付け間隔を一定に維持でき、前記各ケース28,29間の尿素混合管39などの排気ガス配管構造を簡略化できる。
図9〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1のシリンダヘッド2の外周面に複数の支脚体82,84,86の下端側を固着させると共に、複数の支脚体82,84,86の上端側に略水平な支持台87を着脱可能に連結させ、ディーゼルエンジン1の上面側に支持台87を介して排気ガス浄化装置27を載置するように構成している。したがって、複数の支脚体82,84,86と支持台87の連結部を着脱して、支持台87を取外し、ディーゼルエンジン1上面側を大きく開放させ、ディーゼルエンジン1上面側のメンテナンス作業などを簡単に実行できると共に、シリンダヘッド2に複数の支脚体82,84,86を介して支持台87を強固に連結でき、ディーゼルエンジン1上面側に排気ガス浄化装置27を高剛性に支持できる。
図1〜図6に示す如く、ディーゼルエンジン1の出力軸4芯線方向の幅内に支持台87を介して排気ガス浄化装置27を支持すると共に、ディーゼルエンジン1の出力軸4芯線と交叉する方向と前記第1ケース28または第2ケース29の排気ガス移動方向を一致させるように構成している。したがって、ディーゼルエンジン1の排気マニホールド6側に前記第1ケース28の排気ガス入口を向けることにより、ディーゼルエンジン1の吸気マニホールド3側に第2ケース29の排気ガス出口が向く姿勢に排気ガス浄化装置27を支持できる。ディーゼルエンジン1の排気マニホールド6から第2ケース29の排気ガス出口に至る排気ガス径路を短尺に形成でき、ディーゼルエンジン1上面側に排気ガス浄化装置27をコンパクトに載置できる。
一方、図12〜図13に示す如く、キャビン57の前面のうち、キャビン57右側角隅部の前面にテールパイプ78を立設させ、ボンネット56内部に向けてテールパイプ78の下端側を延設させ、SCR出口管37に蛇腹管状可とう管79を介してテールパイプ78の下端側を接続し、第2ケース29にて浄化された排気ガスがテールパイプ78からキャビン57の上方に向けて排出される。可とう管79の接続にて、ディーゼルエンジン1側からテールパイプ78側に伝達される機械振動が低減される。また、キャビン57の前面のうち、テールパイプ78が配置された右側部と反対側のボンネット56の左側部に尿素水タンク71を設置している。即ち、ボンネット56後部の右側部にテールパイプ78を配置させる一方、ボンネット56後部の左側部に尿素水タンク71を振分けて配置している。なお、図12〜図13の仮想線に示す如く、ディーゼルエンジン1側に固着するテールパイプ78aを備える構造では、SCR出口管37にテールパイプ78を一体的に連結させ、可とう管79を省くことができる。
さらに、ボンネット56左側後部の走行機体52(キャビン57の底部フレーム等)に尿素水タンク71を搭載する。キャビン57左側の前面下部に、燃料タンク45の注油口46と、尿素水タンク71の注水口72を隣接させて設ける。オペレータの乗降頻度が低いキャビン57右側の前面にテールパイプ78が配置される一方、オペレータの乗降頻度が高いキャビン57左側の前面に注油口46と注水口72が配置される。なお、キャビン57は、左側または右側のいずれからでもオペレータが操縦座席58に乗降可能に構成されている。
また、図3〜図5、図13に示す如く、尿素水タンク71内の尿素水溶液を圧送する尿素水噴射ポンプ73と、尿素水噴射ポンプ73を駆動する電動モータ74と、尿素水噴射ポンプ73に尿素水噴射管75を介して接続させる尿素水噴射ノズル76を備える。尿素混合管39に噴射台座77を介して尿素水噴射ノズル76を取付け、尿素混合管39の内部に尿素水噴射ノズル76から尿素水溶液を噴霧する。
上記の構成により、第1ケース28内の酸化触媒30及びスートフィルタ31にて、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)が低減される。次いで、尿素混合管39の内部で、ディーゼルエンジン1からの排気ガスに、尿素水噴射ノズル7からの尿素水が混合される。そして、第2ケース29内のSCR触媒32、酸化触媒33にて、尿素水がアンモニアとして混合された排気ガス中の窒素酸化物質(NOx)が低減され、テールパイプ78から機外に放出される。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管39を介して前記第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、ディーゼルエンジン1から突設させる支脚体82,84,86と、支脚体82,84,86に固着する支持台87を備え、支持台87の平面に第1ケース28と第2ケース29を取付けるように構成している。したがって、ディーゼルエンジン1に支脚体82,84,86を介して支持台87を後付け作業(ディーゼルエンジン1の組立工程の最終付近)にて簡単に固着でき、ディーゼルエンジン1の支持台87に第1ケース28と第2ケース29を適正姿勢に支持できると共に、第1ケース28と第2ケース29の着脱作業性などを向上できる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の外側面のうち排気ガス出口部(排気ガス出口管7)の水平面(排気ガス出口面7a)に、支持台87の平面(位置決め体89底面)を面接触させて、ディーゼルエンジン1外側の水平面(排気ガス出口面7a)と支持台87の平面(位置決め体89底面)を介してディーゼルエンジン1外側面に支持台87を接合させて、支脚体82,84,86に前記支持台87を固定したときに、支持台87の上面側が略水平になるように構成している。したがって、排気ガス出口管7(排気ガス出口部)と支持台87の連結にて支持台87の取付け角度を簡単に決定できるものでありながら、支持台87を高剛性の板金構造に構成して取付け強度を容易に確保できる。例えば、ディーゼルエンジン1に対して支持台87の取付け角度が水平に形成される組付け作業性などを向上できる。
図1〜図11に示す如く、支持台87に位置決め体89を一体的に固着し、ディーゼルエンジン1の排気ガス出口部(排気ガス出口管7)の開口面(排気ガス出口面7a)に位置決め体89を面接触させて、ディーゼルエンジン1側に位置決め体89を介して前記支持台87を接合させて、支持台87の上面側が略水平になるように構成している。したがって、支持台87をプレス加工などにて形成した後に、支持台87と位置決め体89を溶接加工などにて連結でき、支持台87の上面に対して位置決め体89の下面が高精度に平行になるように形成できる。支持台87の連結冶具を特別に用意することなく、ディーゼルエンジン1側と位置決め体89との面接触にて支持台87の上面側を略水平に形成できる。支持台87の連結冶具として位置決め体89を設けるから、支持台87の連結冶具が用意されていないディーゼルエンジン1の修理場所などにおいても、前記支持台87の着脱作業を簡単に実行できる。
図1〜図11に示す如く、第1ケース28と第2ケース29を排気浄化ユニット(排気ガス浄化装置27)として一体的に構成する構造であって、支脚体82,84,86に下面側が固着された前記支持台87の平坦な上面側に排気浄化ユニット(排気ガス浄化装置27)を一体的に着脱させるように構成している。したがって、前記各ケース28,29を単一部品として着脱でき、前記各ケース28,29の組立分解作業性またはディーゼルエンジン1のメンテナンス作業性などを向上できる。
図1〜図7に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管39を介して第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、ディーゼルエンジン1と第1ケース28と第2ケース29を一体的に固着して、ディーゼルエンジン1と第1ケース28と第2ケース29を一体的に揺振可能に構成している。したがって、ディーゼルエンジン1と第1ケース28と第2ケース29を同一振動構造に構成でき、ディーゼルエンジン1と第1ケース28間の排気通路、または第1ケース28と第2ケース29間の排気通路を防振連結する必要がなく、ディーゼルエンジン1と第2ケース29間の排気ガス径路構造を低コストに構成できる。即ち、第1ケース28と第2ケース29間の排気ガス径路中に、例えば蛇腹状の可とう性管または耐熱性ゴムホースなどの防振部材を接続する必要がないから、ディーゼルエンジン1と第2ケース29間の排気ガス径路構造などを低コストに構成できる。
図1〜図9に示す如く、ディーゼルエンジン1のシリンダヘッド2に複数の支脚体82,84,86を立設させ、複数の支脚体82,84,86の上端側に支持台87を連結し、ディーゼルエンジン1の上面側に略水平な支持台87を介して第1ケース28と第2ケース29を固着している。したがって、ディーゼルエンジン1の付設部品から支持台87を簡単に離間させることができる。また、ディーゼルエンジン1に対して、第1ケース28と第2ケース29を一体的に取付けて、各ケース28,29の排気ガス配管を簡略化できると共に、シリンダヘッド2に第1ケース28と第2ケース29を高剛性に固着できる。加えて、複数の支脚体82,84,86と支持台87の連結部の調節にて、支持台87などの取付け部品の加工誤差等を吸収でき、支持台87の取付け傾斜角度などを容易に補正でき、第1ケース28と第2ケース29を所定姿勢に支持できる。ディーゼルエンジン1に第1ケース28と第2ケース29を組付ける組立作業性を容易に向上できる。
図1〜図7に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気マニホールド6が設置された側に第1ケース28のDPF入口管34を配置させ、ディーゼルエンジン1の出力軸芯線に対して交叉する方向に第1ケース28内の排気ガスが移動可能に、第1ケース28を取付けると共に、第1ケース28の側方のうちディーゼルエンジン1の冷却ファン24設置側の側方に第2ケース29を並設させている。したがって、ディーゼルエンジン1の上面側に第1ケース28と第2ケース29を近接させてコンパクトに配置できる一方、冷却ファン24と第1ケース28の間に第2ケース29を介在させて、冷却ファン24風による第1ケース28の温度低下を低減できる。また、第1ケース28から第2ケース29に排気ガスを供給させる尿素混合管39を、第1ケース28と第2ケース29間に支持させることにより、冷却ファン24と尿素混合管39の間に第2ケース29を介在させて、冷却ファン24風による尿素混合管39の温度低下も低減できる。
図1〜図7、図12、図13に示す如く、ディーゼルエンジン1が内設されたボンネット56の後方に運転キャビン57を配置した作業車両であって、運転キャビン57前部とディーゼルエンジン1後部の間に排気ガス浄化用の尿素水タンク71を設置している。したがって、ディーゼルエンジン1などの排熱にて尿素水タンク71を加温でき、尿素水タンク71内の尿素水溶液温度を所定以上に維持でき、寒冷地などにおいて第2ケース29の排気ガス浄化能力が低下するのを防止できる。運転キャビン57のオペレータ乗降部に尿素水タンク71の給水口72を近接させて配置でき、尿素水タンク71への尿素水溶液の給水作業をオペレータ乗降場所にて容易に実行でき、排気ガス浄化用の尿素水溶液の補給作業性を向上できる。
図1〜図11、図14に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管39を介して第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、第1ケース28と第2ケース29を固着する複数のケース固定体95,96と、複数のケース固定体95,96を固着する支持フレーム体98を備え、ケース固定体95,96と支持フレーム体98を取付け角度(取付け位置)調節可能に連結させ、ディーゼルエンジン1の取付け面に対して第1ケース28の排気ガス入口部34の姿勢を調節可能に構成したものであるから、ディーゼルエンジン1に第1ケース28と第2ケース29をユニット化して組付けるときに、ケース固定体95,96と支持フレーム体98を取付け角度調節にて、ディーゼルエンジン1の排気ガス出口面7aに第1ケース28の排気ガス入口部としてのDPF入口管34の連結面を容易に接合できる。第1ケース28と第2ケース29の取付け位置決め作業を簡略化できる。即ち、第1ケース28と第2ケース29の着脱作業性などを向上でき、ディーゼルエンジン1の組立作業またはメンテナンス作業を簡略化できる。
図1〜図11に示す如く、前記各ケース28,29とケース固定体95,96と支持フレーム体98にて排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27を形成すると共に、ディーゼルエンジン1のシリンダヘッド2の外側面に複数の支脚体82,84,86下端側を固着させ、複数の支脚体82,84,86の上端側に支持フレーム体98を連結している。したがって、排気ガス浄化装置27の着脱にてディーゼルエンジン1上面側のメンテナンス作業などを簡単に実行できる。シリンダヘッド2に前記複数の支脚体82,84,86を介して支持フレーム体98を強固に連結でき、ディーゼルエンジン1上面側などに排気ガス浄化装置27を高剛性に支持できるものでありながら、ディーゼルエンジン1の付設部品との干渉を容易に低減できる。
図1〜図11に示す如く、ディーゼルエンジン1の上面側に複数の支脚体82,84,86を介して支持台87を略水平に配置させ、支持台87の上面側に前記支持フレーム体98を固着している。したがって、ディーゼルエンジン1のメンテナンス作業または修理作業などにおいて、第1ケース28と第2ケース29をディーゼルエンジン1から簡単に取外すことができ、ディーゼルエンジン1上面側のメンテナンス作業などを簡略化できる。
次いで、図1、図2、図5に示す如く、第1ケース28内部のうち、スートフィルタ31の排気ガス取入れ側(上流側)の排気ガス圧力と、排気ガス排出側(下流側)の排気ガス圧力との差を検出する差圧センサ111を備える。SCR入口側フランジ体40にセンサブラケット112の一端側をボルト締結して、SCR入口側フランジ体40から第1ケース28上面側に向けてセンサブラケット112の他端側を突設させ、センサブラケット112の他端側に差圧センサ111を固着している。第1ケース28の上側方にセンサブラケット112を介して差圧センサ111が配置される。なお、差圧センサ111には、合成ゴム製の上流側センサ配管113と下流側センサ配管114の一端側をそれぞれ接続される。第1ケース28のうちスートフィルタ31の上流側と下流側に、上流側と下流側の前記各センサ配管113,114の他端側をそれぞれ接続させる。
また、ディーゼル酸化触媒30の排気ガス取入れ側の排気温度を検出する上流側ガス温度センサ115と、ディーゼル酸化触媒30の排気ガス排出側の排気温度を検出する下流側ガス温度センサ116を備えるものであり、スートフィルタ31の流入側の排気ガス圧力と、スートフィルタ31の流出側の排気ガス圧力との差(排気ガスの差圧)が、差圧センサ111にて検出されると共に、スートフィルタ31排気ガス取入れ側のディーゼル酸化触媒30部の排気ガス温度が、各温度センサ115,116にて検出される。即ち、スートフィルタ31に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ31に残留する粒子状物質の量が所定以上に増加したときに、差圧センサ111の検出結果に基づき、スートフィルタ31の粒子状物質量を減少させるスートフィルタ再生制御(例えば排気ガス温度を上昇させるディーゼルエンジン1の燃料噴射制御または吸気制御)が実行される。
次いで、図15、図16を参照して、第1ケース28の組立分解構造を説明する。図15、図16に示す如く、第1ケース28は、DPF入口管34を設けた排気取入れ側ケース121と、DPF出口管35を設けた排気排出側ケース122にて形成している。排気取入れ側ケース121に酸化触媒30を内設させると共に、排気排出側ケース122の内筒122bにスートフィルタ31を内設させ、排気排出側ケース122の外筒122cに内筒122bの排気ガス取入れ側を内設させ、外筒122cから内筒122bの排気ガス排出側を突出させるように構成している。
また、排気取入れ側ケース121に内筒122bの排気ガス排出側を出し入れ可能に挿入させ、排気取入れ側ケース121のケースフランジ体121aと、外筒122cのケースフランジ体122aを分離可能にボルト123締結させ、排気取入れ側ケース121と排気排出側ケース122を着脱可能に連結する。一方、排気排出側ケース122(外筒122c)に排気出口管としてのDPF出口管35を設け、第1ケース28の排気ガス移動方向と交叉する放射方向(第1ケース28の円筒軸線に直交する方向)に、DPF出口管35の排気ガス出口側を延設させる。さらに、尿素混合管39とDPF出口管35を連結するためのDPF出口側フランジ体41は、DPF出口管35の排気ガス出口側端部の出口管フランジ41aと、尿素混合管39の排気ガス入口側端部の混合管フランジ41bにて形成すると共に、排気排出側ケース122(外筒122c)の円筒形外周面の外側方に出口管フランジ41aを位置させる。
即ち、排気排出側ケース122の外側のうち排気ガス移動方向と交叉する方向の外側にDPF出口管35を延設させ、排気ガス移動方向に分離させる排気排出側ケース122の分離軌跡から外れた位置に、尿素混合管39とDPF出口管35の連結部(DPF出口側フランジ体41)を配置させている。出口管フランジ41aに混合管フランジ41bをボルト124締結して、DPF出口管35に尿素混合管39の一端側を連結させると共に、SCR入口36に尿素混合管39の他端側を溶接にて一体的に接合固定させ、DPF出口管35と尿素混合管39とSCR入口36が連通接続されるように構成している。
上記の構成により、スートフィルタ31の粒子状物質の残留量(差圧センサ111の検出値など)が、再生制御可能範囲以上に増加したときには、ボルト123を外して、各ケースフランジ体121a,122aの締結を解除すると共に、ボルト124を外して、出口管フランジ41aと混合管フランジ41bの締結を解除したとき、排気取入れ側ケース121から排気排出側ケース122を分離できる。排気取入れ側ケース121から排気排出側ケース122を、第1ケース28の円筒形軸心線方向(排気ガス移動方向)に離反させ、排気取入れ側ケース121から内筒122bを抜き出し、第1ケース28を着脱分解する。次ぎに、内筒122bからスートフィルタ31を取出して、スートフィルタ31の粒子状物質を人為的に除去する第1ケース28のメンテナンス作業が行われる。
なお、ボルト123を外して、各ケースフランジ体121a,122aの締結を解除したとき、排気取入れ側ケース121がDPF入口管34を介して排気ガス出口管7に支持されると共に、ボルト124を外して、出口管フランジ41aと混合管フランジ41bの締結を解除したとき、SCR入口側フランジ体40を介して尿素混合管39が第2ケース29に支持される。したがって、スートフィルタ31のメンテナンス(フィルタ再生)作業において、排気排出側ケース122だけを取外し、排気取入れ側ケース121または尿素混合管39などを取外す必要がないから、排気取入れ側ケース121または尿素混合管39などの分解が必要な構造に比べて、スートフィルタ31のメンテナンス工数を低減できる。
図1〜図6、図15、図16に示す如く、エンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、エンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に尿素混合管を介して第2ケース29を接続させる作業車両のエンジン装置において、第1ケース28を、排気取入れ側ケース121と排気排出側ケース122に分割形成し、エンジン1側に前記排気取入れ側ケース121を支持させた状態で、排気排出側ケース122を分離可能に構成している。したがって、第1ケース28内部のメンテナンス作業において、第1ケース28全体を取外す必要がなく、排気排出側ケース122(第1ケース)内部のメンテナンス作業に必要な着脱部品数を簡単に削減でき、排気排出側ケース122に内設させるスートフィルタ31などを容易に取外すことができ、排気排出側ケース122の内部またはスートフィルタ31のクリーニング工数などを低減できる。
図15、図16に示す如く、第1ケース28に尿素混合管39を連結する排気出口管としてのDPF出口管35を備え、排気排出側ケース122の外側のうち排気ガス移動方向と交叉する方向の外側にDPF出口管35を延設させ、排気ガス移動方向に分離させる排気排出側ケース122の分離軌跡から外れた位置に、尿素混合管39とDPF出口管35の連結部(DPF出口側フランジ体41)を配置させている。したがって、尿素混合管39とDPF出口管35の連結部の締結ボルトなどを離脱して、排気取入れ側ケース121と排気排出側ケース122の連結を解除することにより、第1ケース28の排気移動方向に排気排出側ケース122をスライドさせて容易に分離できる。
図15、図16に示す如く、排気取入れ側ケース121と第2ケース29を固着する挟持体としてのケース固定体95,96及び締結バンド97と、排気排出側ケース122と第2ケース29を固着する挟持体としてのケース固定体95,96及び締結バンド97を備え、第1ケース28と第2ケース29を前記各ケース固定体95,96及び締結バンド97にて一体的に固着して、排気浄化ユニットとしての排気ガス浄化装置27を形成するように構成している。したがって、排気排出側ケース122と第2ケース29を固着している締結バンド97を外すことにより、排気排出側ケース122を簡単に着脱できる。排気排出側ケース122内部をメンテナンスするときに、排気取入れ側ケース121と第2ケース29を固着している締結バンド97の着脱作業が不要であり、排気排出側ケース122内部のメンテナンス(スートフィルタのクリーニング)作業性を向上できる。
図1、図9〜図11に示す如く、第1ケース28と第2ケース29を一体的に固着する前記各ケース固定体95,96及び締結バンド97と、前記各ケース固定体95,96を取付ける支持台87とを備え、ディーゼルエンジン1の上面側に複数の支脚体82,84,86を立設させ、ディーゼルエンジン1の排気マニホールド6と複数の支脚体82,84,86に支持台87を連結させるように構成している。したがって、支脚体82,84,86と支持台87の連結部の調節にて、支持台87などの取付け部品の加工誤差等を吸収でき、支持台87の取付け傾斜角度などを容易に補正でき、第1ケース28と第2ケース29を所定姿勢に簡単に支持できると共に、ディーゼルエンジン1の付設部品から支持台87を離間させて相互の干渉をなくすように支持できる。ディーゼルエンジン1に第1ケース28と第2ケース29を組付ける組立作業性を容易に向上できる。
次に、図17、図18を参照して、前記ディーゼルエンジン1を搭載したスキッドステアローダ151について説明する。図17、図18に示す作業車両としてのスキッドステアローダ151は、後述するローダ装置152を装着し、ローダ作業を行うように構成されている。このスキッドステアローダ151には、左右の走行クローラ部154が装着されている。また、スキッドステアローダ151の走行クローラ部54の上方には、開閉可能なボンネット155が配置されている。ボンネット155内にはディーゼルエンジン1が収容されている。ボンネット155内部のうち、ディーゼルエンジン1の上面部に、前記第1ケース28及び第2ケース29が上載固定されている。
前記ディーゼルエンジン1は、スキッドステアローダ151が備える走行機体156に防振部材等を介して支持されている。ボンネット155の前方には、運転者が搭乗するキャビン157が配置されており、このキャビン157の内部には操縦ハンドル158及び運転座席159等が備えられている。また、ディーゼルエンジン1によって駆動されるローダ作業油圧ポンプ装置160と、左右の走行クローラ部154を駆動する走行ミッション装置161が備えられている。ディーゼルエンジン1からの動力が、走行ミッション装置161を介して左右の走行クローラ部154に伝達される。運転座席159に座乗したオペレータは、操縦ハンドル158等の操作部を介して、スキッドステアローダ151の走行操作等を行うことができる。
また、ローダ装置152は、走行機体156の左右両側に配置されたローダポスト162と、各ローダポスト162の上端に上下揺動可能に連結された左右一対のリフトアーム163と、左右リフトアーム163の先端部に上下揺動可能に連結されたバケット164とを有している。
各ローダポスト162とこれに対応したリフトアーム163との間には、リフトアーム163を上下揺動させるためのリフトシリンダ166がそれぞれ設けられている。左右リフトアーム163とバケット164との間には、バケット164を上下揺動させるためのバケットシリンダ168が設けられている。この場合、操縦座席159のオペレータがローダレバー(図示省略)を操作することによって、ローダ作業油圧ポンプ装置160の油圧力が制御されて、リフトシリンダ166やバケットシリンダ168が伸縮作動し、リフトアーム163やバケット164を上下揺動させ、ローダ作業を実行するように構成している。なお、前記尿素水タンク71は、ボンネット155の前側方上部に内設される。また、冷却ファン24に対向させて配置する前記ラジエータ19は、ボンネット155の後部に内設されている。
次に、図15、図16、図19、図20を参照して、第1ケース28と第2ケース29と中継管としての尿素混合管39の連結構造について説明する。図19、図20に示す如く、第2ケース29は、内側ケース29aと外側ケース29bにて円筒状の二重管構造に形成する。また、尿素混合管39は、内側筒39aと外側筒39bにて円筒状の二重管構造に形成する。そして、内側ケース29aのSCR入口36開口縁に内側筒39aの一端部を溶接固定すると共に、内側ケース29aの外周面または外側筒39bのSCR入口36開口縁に外側筒39bの一端部を溶接固定している。
即ち、外側ケース29bの外周面に尿素混合管39(外側筒39b)の外周面を接合させ、第2ケース29の外側に尿素混合管39を一体的に配置する一方、第1ケース28のDPF出口管35(排気ガス出口)に管継ぎ手体としてのDPF出口側フランジ体41を介して尿素混合管39を着脱可能に連結するものであり、第2ケース29の外側に尿素混合管39を一体的に固定すると共に、第1ケース28のDPF出口管35に接続させる尿素混合管39の一端側に尿素水噴射ノズル76を配置し、図15、図16に示す如く、DPF出口管35に管継ぎ手体としてのDPF出口側フランジ体41を介して尿素混合管39の一端側を着脱可能に連結している。なお、第1ケース28の外側に尿素混合管39を一体的に配置すると共に、第2ケース29のSCR入口36(排気ガス入口)に、図示しない管継ぎ手体を介して尿素混合管39を着脱可能に連結してもよい。
一方、図19、図20を参照して、尿素混合管39部の構造を説明する。図19、図20に示す如く、尿素混合管39は、DPF出口管35に接続させるエルボ管部39cと、長尺な円筒状の直管部39dを有する。エルボ管部39cと直管部39dが接合する付近のエルボ管部39cに噴射台座77を溶接固定し、エルボ管部39c側から直管部39dの内孔に向けて尿素水噴射ノズル76を開口させる。
また、図19、図20に示す如く、円筒状の直管部39dの円筒軸心線131(直管部39b内の排気ガス流れ方向)に対して、尿素水噴射ノズル76の尿素水噴射方向132を、エルボ管部39cの排気ガス下手側に所定の噴射傾斜角度133(約2〜20度、例えば約12度、約8度、約4度など)だけ傾斜させ、直管部39dの中心軸線(円筒軸心線131)に対してエルボ管部39cの曲げ内側寄りに向けて尿素水噴射ノズル76から尿素水を噴射する。加えて、直管部39bの円筒軸心線131(中心軸線)よりも曲げ外側寄りに一定位置ずれ寸法135だけ変位させた位置に尿素水噴射ノズル76の噴口76aを配置すると共に、エルボ管部39cの曲げ外側に尿素水噴射ノズル76を配置し、エルボ管部39cの曲げ内側と直管部39dの始端側との境界付近の内壁面134aのうち、直管部39d側の内壁面134aに向けて尿素水を噴射可能に、尿素水噴射ノズル76の噴口76aを形成している。
即ち、直管部39bの内壁面134のうち、エルボ管部39aの湾曲内径側の内壁面134a側に向けて、尿素水噴射ノズル76の噴口76aから尿素水が噴射される。尿素水噴射ノズル76の噴口76aから噴射された尿素水は、エルボ管部39cから直管部39dに移動する排気ガスの排出圧力により、直管部39dの内壁面134のうち、エルボ管部39cの湾曲外径側の内壁面134b側に向けて、円筒軸心線131付近にて拡散されるものであり、第2ケース29に送給される排気ガス中に、尿素水の加水分解にてアンモニアとして混合される。
なお、直管部39bの円筒軸心線131に対する尿素水噴射ノズル76の傾斜角度133(尿素水噴射方向132)は、エルボ管部39c及び直管部39dの内径、または標準作業(ディーゼルエンジン1の定格回転における運転)での排気ガスの流速などに基づき決定される。例えば、噴射傾斜角度133が過大のときには、エルボ管部39cの湾曲内径側の内壁面134aに尿素水が付着して、湾曲内径側の内壁面134a部において尿素が結晶化し易い不具合がある。一方、噴射傾斜角度133が過小のときには、エルボ管部39cの湾曲外径側の内壁面134bに尿素水が付着して、湾曲外径側の内壁面134b部において尿素が結晶化し易い不具合がある。
加えて、図19、図20に示す如く、エルボ管部39aの曲げ外側(湾曲外径側)の内周面のうち、直管部39bの円筒軸心線131(中心軸線)よりも曲げ外側寄りの内周面(湾曲外径側の内周面)位置に湾曲外径側の後退面134cを形成し、その後退面134cに尿素水噴射ノズル76の噴口76aを配置して、噴口76a付近の排気ガス圧力を低減させるように構成している。なお、前記後退面134cに噴射台座77を固着して尿素水噴射ノズル76を取付け、エルボ管部39cの曲げ内側と直管部39dの始端側との境界付近の内壁面134のうち、エルボ管部39cの湾曲内径側の内壁面134aに向けて、尿素水噴射ノズル76の噴口76aを開口している。
即ち、エルボ管部39cに形成した湾曲外径側の後退面134cに、尿素水噴射ノズル76の噴口76aを支持し、エルボ管部39c内を移動する排気ガス流動圧力が、噴口76aに直接的に作用するのを低減している。したがって、エルボ管部39cの曲げ半径を小さくして、第2ケース29外周面に直管部39dを近接させてコンパクトに形成できるものでありながら、尿素水噴射ノズル76の支持部(噴口76a付近)での尿素結晶塊の生成を抑制できる。
また、エルボ管部39cに形成した後退面134cと湾曲外径側の内壁面134bの間に後退傾斜部134dを設けて、エルボ管部39cの湾曲外径側に凹部134eを形成している。後退傾斜部134dは、円筒軸心線131に対して所定の後退傾斜角度136(約2〜20度、例えば約12度、約8度、約4度など)だけ傾斜させ、直管部39dの中心部に向けて凹部134e内の排気ガスを後退傾斜部134dにて移動案内するように構成している。凹部134e内の排気ガス(尿素水が噴射された直後の排気ガス)が、湾曲外径側の内壁面134bに接触するのを抑制している。なお、噴射傾斜角度133と後退傾斜角度136は、略等しい傾斜角度に形成している。
図1〜図6、図14〜図16、図19に示す如く、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース28と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース29を備え、第1ケース28に中継管としての尿素混合管39を介して第2ケース29を接続させるエンジン装置において、第1ケース28または第2ケース29のいずれか一方の外側に尿素混合管39を一体的に配置すると共に、第1ケース28のガス出口または第2ケース29のガス入口に管継ぎ手体としてのDPF出口側フランジ体41を介して尿素混合管39を着脱可能に連結したものであるから、ディーゼルエンジン1の組立工場などにおいて、前記第1ケース28または第2ケース29のいずれか一方と尿素混合管39を一部品として取扱うことができ、排気ガス浄化装置27の構成部品数を削減できる。また、第1ケース28の排気ガス出口または第2ケース29の排気ガス入口のいずれか一方と尿素混合管39の一端側の連結部に加工誤差が生じても、その連結部の加工誤差を簡単に解消でき、組立時の位置調整などの作業時間を容易に短縮でき、組付け作業性を向上できる。第1ケース28または第2ケース29のいずれか一方の外側に尿素混合管39を近接させて設置できるから、保温効果を期待でき、尿素混合管39内部での尿素結晶化を低減できると共に、尿素混合管39の防振構造なども簡略化できる。
図19、図20に示す如く、第2ケースの外側に尿素混合管39を一体的に固定すると共に、第1ケース28のガス出口に接続させる尿素混合管39の一端側に尿素水噴射ノズル76を配置し、第1ケース28のガス出口にDPF出口側フランジ体41を介して尿素混合管39の一端側を着脱可能に連結したものであるから、DPF出口側フランジ体41の分解にて、第1ケース28の排気ガス出口側から尿素混合管39を分離でき、尿素噴射ノズル76設置側で尿素混合管39の内部を容易に掃除でき、尿素混合管39内部での尿素結晶化を低減できる。また、第1ケース28のガス出口側を部分的に着脱可能に構成できるから、第1ケース28のガス出口側を部分的に取外すだけで、第1ケース28のガス出口側に内設するスートフィルタ31のメンテナンスなどを容易に実行できる。
図19に示す如く、第2ケース29を、内側ケース29aと外側ケース29bにて円筒状の二重管構造に形成する構造であって、外側ケース29bの外周面に尿素混合管39の外周面を接合させたものであるから、第1ケース28に第2ケース29を密着状に近接させて、第1ケース28及び第2ケース29を狭少スペースに配置できると共に、尿素混合管39の防振構造などが不要になり、第1ケース28と第2ケース29の連結構造を簡略化できる。
1 ディーゼルエンジン
28 第1ケース
29 第2ケース
35 DPF出口管(排気ガス出口)
39 尿素混合管(中継管)
41 DPF出口側フランジ体(管継ぎ手体)
76 尿素水噴射ノズル

Claims (3)

  1. エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備え、前記第1ケースに中継管を介して前記第2ケースを接続させるエンジン装置において、
    前記第1ケースまたは第2ケースのいずれか一方の外側に前記中継管を一体的に配置すると共に、前記第1ケースのガス出口または第2ケースのガス入口に管継ぎ手体を介して前記中継管を着脱可能に連結したことを特徴とするエンジン装置。
  2. 前記第2ケースの外側に前記中継管を一体的に固定すると共に、前記第1ケースのガス出口に接続させる前記中継管の一端側に尿素水噴射ノズルを配置し、前記第1ケースのガス出口に管継ぎ手体を介して前記中継管の一端側を着脱可能に連結したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン装置。
  3. 前記第2ケースを、内側ケースと外側ケースにて円筒状の二重管構造に形成する構造であって、前記外側ケースの外周面に前記中継管の外周面を接合させたことを特徴とする請求項2に記載のエンジン装置。
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