JP2015183330A - 頭蓋骨矯正ヘルメット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来とそん色ない矯正作用を有し、重量による乳児の首への負担が少なく、汗の吸水性と速乾性が飛躍的に高まり、汗に起因した匂いを抑制する頭蓋骨矯正ヘルメットを提供する。【解決手段】乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材10と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材20とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、乳児用頭蓋骨矯正ヘルメット、特に、従来とそん色ない矯正作用を発揮でき、さらに軽量で汗を吸水及び速乾し、汗に起因した匂いを抑制する頭蓋骨矯正ヘルメットに関する。
一般に乳児の頭の形が変形していても、我が国では、時間が経過すれば治ると考えられ、それほど関心が持たれていなかった。身体が成長するにつれて、当該部分が身体全体の中で占める割合が相対的に減少するため、時間の経過で矯正されるように見えるためである。しかしながら、旋毛が曲がっている子供は大人になっても曲がったままであり、その原因は、寝ぐせ等により乳児の頭に一定方向の力が加わることにより、頭蓋が変形していることにあると考えられる。頭の形が変形している子どもたちは、容姿を揶揄される恐れもあり、近年の小学校では大きな問題となっている。
また、我が国においては、乳児の頭の変形が検診等で発見された場合においても、従来の医療現場では問題にされない傾向にある。そのため、そのまま放置し治らなかった子供を持つ多数の親が、頭蓋骨矯正を切望している状況にある。
このように、我が国では、命に係わる医療に関しては、世界最先端の科学と技術レベルを有しているが、美容整形、歯列矯正などに関しては、世界的水準と比較して高水準とはいえないのが現状であり、特に、乳児の頭蓋骨の矯正においては、特定の大学病院で行われているのみであった。
また、我が国においては、乳児の頭の変形が検診等で発見された場合においても、従来の医療現場では問題にされない傾向にある。そのため、そのまま放置し治らなかった子供を持つ多数の親が、頭蓋骨矯正を切望している状況にある。
このように、我が国では、命に係わる医療に関しては、世界最先端の科学と技術レベルを有しているが、美容整形、歯列矯正などに関しては、世界的水準と比較して高水準とはいえないのが現状であり、特に、乳児の頭蓋骨の矯正においては、特定の大学病院で行われているのみであった。
一方、米国では早くから乳児の頭蓋骨矯正に注力し、矯正用ヘルメットの開発が行われており、現在、我が国における頭蓋骨矯正で使用するヘルメット類は主に米国に頼っている状況である。また、現在の米国に頼るヘルメットは、米国の乳児の首が強いため重量が重くできている。そのため、日本人の乳児には重すぎるため、本来なら早い時期からの頭蓋骨矯正が必要にもかかわらず、首がすわらない状態の日本人の乳児には使用できないという問題があった。この問題の解決のため、総合的な材料開発が切望されていたが、未だ開発ができていない状態であった。
また、現在の米国で開発されたヘルメットでは、日本のような湿気が高い国においては、乳児は新陳代謝が早く汗をかき易いため、密閉したヘルメット内部の汗による菌の発生や匂いの発生が起きて衛生面の問題が生じていた。そのため乳児がヘルメットの装着を嫌がり泣き、また汗疹が発生するため、長い時間の装着が難しくなるため、頭蓋骨矯正の治療が難しくなるという問題が生じていた。さらにまた、乳児が泣き汗疹ができるにもかかわらず、ヘルメットを乳児に装着させることに対し、親に心理的負担をかけるという問題も生じていた。
そのため、乳児用の頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、矯正機能を有しつつ、軽量で、汗を吸い乳児の頭部を湿気から保護する頭蓋骨矯正ヘルメットの必要性が増している。
また、現在の米国で開発されたヘルメットでは、日本のような湿気が高い国においては、乳児は新陳代謝が早く汗をかき易いため、密閉したヘルメット内部の汗による菌の発生や匂いの発生が起きて衛生面の問題が生じていた。そのため乳児がヘルメットの装着を嫌がり泣き、また汗疹が発生するため、長い時間の装着が難しくなるため、頭蓋骨矯正の治療が難しくなるという問題が生じていた。さらにまた、乳児が泣き汗疹ができるにもかかわらず、ヘルメットを乳児に装着させることに対し、親に心理的負担をかけるという問題も生じていた。
そのため、乳児用の頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、矯正機能を有しつつ、軽量で、汗を吸い乳児の頭部を湿気から保護する頭蓋骨矯正ヘルメットの必要性が増している。
頭蓋骨矯正ヘルメットの従来技術として、例えば、特許文献1には、少なくとも1つの不規則に形成された頭蓋骨部を有する利用者の、不規則に形成された頭蓋骨部に所定の成長を促す装着システムであって、外壁及び、利用者の頭を受ける内壁とを有するヘッドピースと、利用者の頭とヘッドピースの内壁の間に、弾性材料を型に入れて作ることによって形成された装着システム、が開示されている。
また、汗の吸収及び消臭機能を考慮したヘルメットとして、例えば、特許文献2には、帽体に使用者の頭部に装着するための内装材を有し、消臭繊維と吸水速乾繊維及び補強繊維の組み合せからなる複合繊維構造材を前記内装材として用いた消臭機能付きヘルメット、が開示されている。
この技術によれば、吸水速乾繊維等を組み合わせることにより、汗を素早く吸収し、また乾燥も助けるので、帽体の内部が蒸れなく、快適な使用環境を実現できる。
この技術によれば、吸水速乾繊維等を組み合わせることにより、汗を素早く吸収し、また乾燥も助けるので、帽体の内部が蒸れなく、快適な使用環境を実現できる。
また、消臭効果の面を考慮したヘルメットとして例えば、特許文献3には、ヘルメット本体の外面、内面、又はヘルメット本体の内側に設けたライナーの面の、何れかの面に銀鏡皮膜を設け、この内面、又はライナーに設けた銀鏡皮膜で、このヘルメット内の温度上昇を抑制可能とする構成としたヘルメット、が開示されている。
この技術によれば、銀鏡皮膜(銀鏡メッキ)の特徴である高い熱伝導率を利用した放熱効果等を図り、ヘルメットの温度上昇を抑制可能とし汗の発生の抑制が期待できる。
この技術によれば、銀鏡皮膜(銀鏡メッキ)の特徴である高い熱伝導率を利用した放熱効果等を図り、ヘルメットの温度上昇を抑制可能とし汗の発生の抑制が期待できる。
しかしながら、特許文献1の技術では、日常での長時間の使用をするヘルメットとしては重く乳児の首に負担をかけてしまうという問題があった。また、乳児の汗に起因した菌や匂いの発生を防止することができなかった。
また、特許文献2及び3の技術については、特許文献2の技術は、吸水速乾性繊維が、断面形状が異なる複数の極細繊維の組み合せで構成される繊維である。該吸収速乾繊維は、汗を吸収し乾燥を助けるものの、新陳代謝が早い乳児用としては、吸水性及び乾燥性が十分でなかった。これは、乳児は同じ皮膚面積における発汗量が大人の2倍とも言われるため、従来の技術を乳児用のヘルメットに適用するだけでは、乳児の汗を十分に吸収速乾することができなかったからである。さらにまた、特許文献3の技術は、銀鏡皮膜を設けるため、銀鏡皮膜が汗を通さないため、汗の速乾性が損なわれるという問題があった。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、乳児用の頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、従来と遜色ない矯正作用を有し、重量による乳児の首への負担が少なく、汗の吸水性及び速乾性が飛躍的に高く、汗に起因した匂いを抑制できる頭蓋骨矯正ヘルメットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、矯正効果を有しつつ、前記内装部材について、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満とし、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下とすることで、乳児の汗を吸収速乾することを見出した。さらに、本発明者らは、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量を、150グラム以下と軽量にすることで、乳児の首への負担を少なくすることが可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づきされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメット。
(1)乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメット。
(2)前記内装部材は、前記外装部材の内面に接するスポンジと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布とを有し、該織布は前記頭部と接する面積がより大きい縦糸と前記スポンジと接する面積がより大きい横糸とを織りこんで形成されたものであり、前記縦糸の吸水性が大きく、前記横糸の吸湿性が小さいことを特徴とする上記(1)に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(3)前記織布の縦糸は、綿、レーヨン、ビニロン繊維、アクリルアミド系繊維及びポリ乳酸繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることを特徴とする上記(2)に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(4)前記織布の横糸は、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、フッ素系繊維、液晶系繊維、ポリエチレン系繊維及びポリプロピレン系繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(5)前記内装部材は、殺菌力及び/又は抗菌力のある金属として、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Co、Mn、Ni、Fe、V、Zn、Sn、Sb、Mo及びCeのうちから選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(6)前記織布を構成する繊維は、該繊維の直径が20nmから800nmの極細繊維であることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(7)前記外装部材は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ブタジエン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂のうちから選択される少なくとも一種を含む材料からなることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(8)前記外装部材は、その内部に気孔を有し、その気孔が連続気孔であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(9)前記外装部材は外形に妨害部を設け、就寝時に前記頭部の発達させたい部分が、ヘルメットによって押圧されないように頭の方向を制御することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法であって、前記外装部材は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンターによって製造することを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法であって、前記内装部材は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンター及び/又は3次元切削機によって製造することを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法。
本発明によれば、乳児用の頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、従来と遜色ない矯正作用を有し、重量による乳児の首への負担が少なく、汗の吸水性と速乾性が飛躍的に高まり、汗に起因した匂いを抑制する頭蓋骨矯正ヘルメットが可能となる。その結果、乳児が快適に使用できる頭蓋骨矯正ヘルメットが可能になる。
本発明に従う頭蓋骨矯正ヘルメットについて、必要に応じて図面を用いて説明する。
本発明による頭蓋骨矯正ヘルメット1は、図1及び図2に示すように、乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材10と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材20とを備える。
そして、前記内装部材20は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする。
本発明による頭蓋骨矯正ヘルメット1は、図1及び図2に示すように、乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材10と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材20とを備える。
そして、前記内装部材20は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする。
ここで、頭蓋骨矯正ヘルメットとは、乳児が該ヘルメットを装着することによって、頭蓋骨の歪を矯正するヘルメットのことを言う。また、頭蓋骨の歪とは、例えば、仰向け寝や寝ぐせ等による押圧のために、新生児又は乳児の頭の形成途中で頭蓋骨が柔らかい時期に一定方向の偏った力が頭にかかった結果、頭の形が歪んだ状態のことを言う。
また、本発明の前記頭蓋骨矯正ヘルメットの重量は、150グラム以下である。軽量で乳児の首への負担を少なくできるため、首がすわらない状態の日本人の乳児に使用できるようになり、早い時期からの頭蓋骨矯正が可能となるからである。
なお、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの重量は、80グラム以下であることが好ましい。乳児の首への負担がより少なくなるため、より早い時期からの頭蓋骨矯正が可能となり、矯正効果をさらに大きくすることができるからである。
なお、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの重量は、80グラム以下であることが好ましい。乳児の首への負担がより少なくなるため、より早い時期からの頭蓋骨矯正が可能となり、矯正効果をさらに大きくすることができるからである。
(外装部材)
本発明の頭蓋骨矯正ヘルメットは、図1及び図2に示すように、外装部材10を備える。該外装部材10とは、乳児の頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための部材のことを言う。例えば、頭蓋骨の変形した歪の成長をさせたくない頭部について、該外装部材10によって押圧することにより該頭部が成長しないようにすることで、頭蓋骨の矯正をする。また、前記頭部の発達させたい部分40は、該外装部材10によって押圧されないように、頭部と該外装部材10が接しないように、該外装部材10の形状を設計する。
なお、前記頭部の発達させたい部分の位置は特に限定されず、図1で示す位置に何ら限定されるものではない。
また、該外装部材10の製作は、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定し、該推定した形状に基づいて製作する。スキャナーによって、短時間で乳児の頭部の外形を高精度に測定でき、乳児がぐずって動くことによる影響を少なくできるためである。
本発明の頭蓋骨矯正ヘルメットは、図1及び図2に示すように、外装部材10を備える。該外装部材10とは、乳児の頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための部材のことを言う。例えば、頭蓋骨の変形した歪の成長をさせたくない頭部について、該外装部材10によって押圧することにより該頭部が成長しないようにすることで、頭蓋骨の矯正をする。また、前記頭部の発達させたい部分40は、該外装部材10によって押圧されないように、頭部と該外装部材10が接しないように、該外装部材10の形状を設計する。
なお、前記頭部の発達させたい部分の位置は特に限定されず、図1で示す位置に何ら限定されるものではない。
また、該外装部材10の製作は、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定し、該推定した形状に基づいて製作する。スキャナーによって、短時間で乳児の頭部の外形を高精度に測定でき、乳児がぐずって動くことによる影響を少なくできるためである。
ここで、前記外装部材10は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ブタジエン、シリコン樹脂及びエポキシ樹脂のうちから選択される少なくとも一種を含む材料からなることが好ましい。これらの材料は、軽量で適度な弾性を有するため、矯正機能を発揮しながら、乳児の頭をきつく締め過ぎることがないからである。また、これらの材料については、未反応のモノマーを残さなければ、乳児に対し毒性もなく安全だからである。
さらに、前記外装部材10は、図6に示すように、その内部に気孔を有し、その気孔が連続気孔であることが好ましい。気孔を有することで軽量化でき、乳児の首にかかる負担が少なくなり、また、汗が気孔を通じて蒸発し易くなり速乾するため、乳児の早い新陳代謝による頭部の汗の発生を抑え、乳児が快適に前記頭蓋骨矯正ヘルメットを使用できるからである。
ここで、気孔とは、材料中の物質に含まれる微小な空洞のことである。例えば、前記外装部材10を発泡させる等の手法をとることにより気孔ができる。
また、連続気孔とは、気孔同士がつながっていることを言い、独立気孔とは、気孔の空洞が他の気孔の空洞とはつながっていないことを言う。連続気孔であると、前記頭部の汗が容易に前記外装部材10に侵入し前記外装部材10の外気に接している側に出てき易いため、汗をより速乾することができるからである。
ここで、気孔とは、材料中の物質に含まれる微小な空洞のことである。例えば、前記外装部材10を発泡させる等の手法をとることにより気孔ができる。
また、連続気孔とは、気孔同士がつながっていることを言い、独立気孔とは、気孔の空洞が他の気孔の空洞とはつながっていないことを言う。連続気孔であると、前記頭部の汗が容易に前記外装部材10に侵入し前記外装部材10の外気に接している側に出てき易いため、汗をより速乾することができるからである。
なお、前記気孔の気孔率は、40%以上かつ70%以下であることが好ましい。ここで、気孔率とは、前記外装部材の全体積に占める気孔の割合のことである。一般に気孔率が大きいほど、強度は弱くなるが流体透過性能は向上する。前記気孔の気孔率を、40%以上かつ70%以下にすることで、従来とそん色ない矯正作用を有し、乳児の頭の汗を速乾する性能を気孔によって向上させ、しかも該頭蓋骨矯正ヘルメットの質量を小さくすることができ、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの強度及び形状も確保することができるからである。
また、前記外装部材10は、図2に示すように、孔60を有することが好ましい。汗が空中に蒸発し易くなり、また、熱も空中に逃がし頭の温度を下げ汗の発生を抑制するからである。
さらに、前記外装部材10は、図2に示すように、例えば、頭頂部に通風孔70を備え乳児の頭を覆わないようにすることが好ましい。これにより、さらに汗が空中に蒸発し易くなり、また、熱も空中に逃がし頭の温度を下げ汗の発生を抑えるからである。なお、該通風孔70は、頭蓋骨矯正ヘルメットの、前記孔60より大きな孔であり、通風孔70の位置については、図2に何ら限定されるものでなく、例えば、頭の側頭部の部分に設けることもできる。
さらに、前記外装部材10は、図2に示すように、例えば、頭頂部に通風孔70を備え乳児の頭を覆わないようにすることが好ましい。これにより、さらに汗が空中に蒸発し易くなり、また、熱も空中に逃がし頭の温度を下げ汗の発生を抑えるからである。なお、該通風孔70は、頭蓋骨矯正ヘルメットの、前記孔60より大きな孔であり、通風孔70の位置については、図2に何ら限定されるものでなく、例えば、頭の側頭部の部分に設けることもできる。
また、前記外装部材10は、例えば、図3及び図4に示すように外形に妨害部50を有することが好ましい。該妨害部50を前記外装部材の外形に設けることで、就寝時に前記頭部の発達させたい部分40が、ヘルメットによって押圧されないように頭の方向を制御することができるからである。乳児の頭蓋骨の発達は、就寝時に押されている部分は発達し難くいため、頭の向きによって影響を受ける。例えば記頭部の発達させたい部分40が、ヘルメットによって押圧されていると該部分が発達しなくなり、頭蓋骨矯正ができなくなる。
なお、図3と図4の妨害部50は、それぞれ前記外装部材10の後方面及び前記外装部材10の側面に妨害部を設けた一実施形態について模式的に示した図である。
ここで、該妨害部50とは、乳児の就寝時に、本来押圧するべきでない頭部に圧力がかからないように、該妨害部50によって強制的に頭の向きをコントロールするための部材である。該妨害部50は、図3に示すように、前記頭部の発達させたい部分の近傍の前記外装部材の外形に設けるが、該妨害部50の位置については、図3又は図4に何ら限定されるものでない。このような妨害部を設けることで、乳児が例えばベッドの上で、該妨害部付近をベッド側に向け該妨害部を下にして就寝しようとすると、該妨害部が邪魔をして、乳児が自然に該妨害部を下に向けないようにして就寝することになる。そのため、就寝時に前記頭部の発達させたい部分40が、ヘルメットによって押圧されないようになる。
なお、図3と図4の妨害部50は、それぞれ前記外装部材10の後方面及び前記外装部材10の側面に妨害部を設けた一実施形態について模式的に示した図である。
ここで、該妨害部50とは、乳児の就寝時に、本来押圧するべきでない頭部に圧力がかからないように、該妨害部50によって強制的に頭の向きをコントロールするための部材である。該妨害部50は、図3に示すように、前記頭部の発達させたい部分の近傍の前記外装部材の外形に設けるが、該妨害部50の位置については、図3又は図4に何ら限定されるものでない。このような妨害部を設けることで、乳児が例えばベッドの上で、該妨害部付近をベッド側に向け該妨害部を下にして就寝しようとすると、該妨害部が邪魔をして、乳児が自然に該妨害部を下に向けないようにして就寝することになる。そのため、就寝時に前記頭部の発達させたい部分40が、ヘルメットによって押圧されないようになる。
さらに、前記妨害部50の前記外装部材10に装着した際に接する部分には、図7に示すように、前記孔60に嵌め込み前記妨害部50を固定する突起51があり、そのため前記妨害部50の設ける位置を変えることができることが好ましい。前記突起51を孔60に嵌め込むことで、前記妨害部50を前記外装部材に取り付け及び取り外しが可能になり、しかも、前記妨害部50の設ける位置を、前記頭部の発達させたい部分40の近傍になるように、容易に変えることができるからである。なお、突起51の形状や個数は、前記孔60に嵌め込み前記妨害部50を前記外装部材10に取り付けることができれば、特に限定されるものではない。また、突起51の材質は、前記妨害部50を前記孔60に嵌め込み固定することができれば特に限定されないが、例えば、高弾性材料で作製することができる。比較的容易に嵌め込むことができ、一旦嵌め込めば抜け難くなるからである。
また、前記妨害部50は、前記乳児の頭の向きをコントロールし易いように、例えば、複数の種類の大きさの異なる前記妨害部50を備えることが好ましい。前記乳児の成長に合わせて、頭の向きをコントロールする前記妨害部50の必要な大きさが変わることがあるためである。
また、前記妨害部50は、前記乳児の頭の向きをコントロールし易いように、例えば、複数の種類の大きさの異なる前記妨害部50を備えることが好ましい。前記乳児の成長に合わせて、頭の向きをコントロールする前記妨害部50の必要な大きさが変わることがあるためである。
(内装部材)
本発明の頭蓋骨矯正ヘルメットは、図1及び図2に示すように、内装部材20を備える。
ここで、内装部材20とは、前記外装部材10による乳児の頭部への押圧の刺激を緩和するため、該外装部材の内面に設けられた部材のことである。前記内装部材20は、例えば、前記外装部材の形状に合わせ、前記外装部材の内面を均等に覆うように作製することもできる。
本発明の頭蓋骨矯正ヘルメットは、図1及び図2に示すように、内装部材20を備える。
ここで、内装部材20とは、前記外装部材10による乳児の頭部への押圧の刺激を緩和するため、該外装部材の内面に設けられた部材のことである。前記内装部材20は、例えば、前記外装部材の形状に合わせ、前記外装部材の内面を均等に覆うように作製することもできる。
また、頭部に装着するための前記頭蓋骨矯正ヘルメットの前記内装部材20は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって測定された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下である。
織物の前記吸水性は60秒未満であり、前記内装部材20の前記吸水性として60秒未満であれば、高い吸水性を確保でき、乳児のかいた汗を十分吸収できるからである。また、前記拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下としたのは、前記拡散性残留水分率が10%以下であれば、吸収した汗が速乾し乳児が不快に感じることがないからであり、該拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下あれば、綿の織物と同程度であり、吸収した乳児の汗を十分速乾できるからである。
ここで、吸水性とは液体の水分を吸収する性質のことである。吸水性は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって評価し、前記内装部材20の頭部と接する面に水を一滴滴下し、その水滴を吸収するまでの時間によって測定される。
また、拡散性残留水分率は、速乾性の評価のために測定する。縦横各々10cmの前記内装部材20を切り出した試験片の質量(W)を測定し、前記内装部材20の頭部と接する面の試験片の面に、水0.6mlを滴下し質量(W0)を測定し、標準状態(200C、65%RH)下で吊るして一定時間ごとの質量(Wt)を測定して時間ごとの次の残留水分率(%)を算出する。
残留水分率(%)={(Wt−W)/(W0−W)}X100
日本のような湿気が高い国において、乳児は汗をかき易いが、吸水性及び速乾性の機能によって、密閉したヘルメット内部において、乳児がかいた汗を吸水速乾できるため、乳児が快適に前記頭蓋骨矯正ヘルメットを使用できる。
なお、前記内装部材20は、JIS L 1099B−1に準拠して算出された吸湿性が、10,000g/m2/24h以上となっていることが好ましい。乳児の汗が蒸発した場合に、前記内装部材によって吸湿されるからである。
織物の前記吸水性は60秒未満であり、前記内装部材20の前記吸水性として60秒未満であれば、高い吸水性を確保でき、乳児のかいた汗を十分吸収できるからである。また、前記拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下としたのは、前記拡散性残留水分率が10%以下であれば、吸収した汗が速乾し乳児が不快に感じることがないからであり、該拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下あれば、綿の織物と同程度であり、吸収した乳児の汗を十分速乾できるからである。
ここで、吸水性とは液体の水分を吸収する性質のことである。吸水性は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって評価し、前記内装部材20の頭部と接する面に水を一滴滴下し、その水滴を吸収するまでの時間によって測定される。
また、拡散性残留水分率は、速乾性の評価のために測定する。縦横各々10cmの前記内装部材20を切り出した試験片の質量(W)を測定し、前記内装部材20の頭部と接する面の試験片の面に、水0.6mlを滴下し質量(W0)を測定し、標準状態(200C、65%RH)下で吊るして一定時間ごとの質量(Wt)を測定して時間ごとの次の残留水分率(%)を算出する。
残留水分率(%)={(Wt−W)/(W0−W)}X100
日本のような湿気が高い国において、乳児は汗をかき易いが、吸水性及び速乾性の機能によって、密閉したヘルメット内部において、乳児がかいた汗を吸水速乾できるため、乳児が快適に前記頭蓋骨矯正ヘルメットを使用できる。
なお、前記内装部材20は、JIS L 1099B−1に準拠して算出された吸湿性が、10,000g/m2/24h以上となっていることが好ましい。乳児の汗が蒸発した場合に、前記内装部材によって吸湿されるからである。
前記内装部材20については、上記物性の「JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって測定された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下である」ことを満足すれば良い。
また、前記内装部材20は、図1、図2及び図5に示すように、前記外装部材の内面に接するスポンジ20bと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布20aとを有し、該織布20aは前記頭部と接する面積がより大きい縦糸201と前記スポンジと接する面積がより大きい横糸202とを織りこんで形成されたものであり、前記縦糸の吸水性が大きく、前記横糸の吸湿性が小さいことが好ましい。
前記外装部材の内面に接する前記スポンジ20bの弾力性によって、前記外装部材10による乳児の頭部への押圧の刺激を緩和することができ、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた柔らかい織布20aによって、乳児の頭部に力を加えることなく、乳児の頭に発生した汗を短時間で除去できるからである。
また、前記内装部材20は、図1、図2及び図5に示すように、前記外装部材の内面に接するスポンジ20bと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布20aとを有し、該織布20aは前記頭部と接する面積がより大きい縦糸201と前記スポンジと接する面積がより大きい横糸202とを織りこんで形成されたものであり、前記縦糸の吸水性が大きく、前記横糸の吸湿性が小さいことが好ましい。
前記外装部材の内面に接する前記スポンジ20bの弾力性によって、前記外装部材10による乳児の頭部への押圧の刺激を緩和することができ、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた柔らかい織布20aによって、乳児の頭部に力を加えることなく、乳児の頭に発生した汗を短時間で除去できるからである。
ここで、図5は織布を拡大して示した図であり、図5で表示されている面が前記頭部に接する面である。前記織布20aは、前記縦糸201と前記横糸202が直角又は直角に近い角度で交わり、特定の本数ごとに浮沈しながら隣の繊維と密着して平面的に連なる布である。なお、何本の糸の間隔で浮沈するかについては、図5に何ら限定されるものではない。乳児の頭の汗は前記縦糸201が吸収し拡散していき、該縦糸201と前記横糸202の界面の水分と触れると、前記横糸202の吸湿性が小さいため汗が吸収されず、表面エネルギーが高くなる。そのため、高くなった表面エネルギーの分だけ蒸発の潜熱は低くなり、該界面の汗はより蒸発し易くなり、乳児の身体の熱により蒸発していく。
このように、乳児の頭の汗は、前記織布20aによって吸水し、速乾できる。また、同時に、乳児の頭は冷やされ汗がより出にくくなる。
また、スポンジとは、内部に無数の細かな孔を有する多孔質の柔らかな物質のことで、生物の海綿を加工して製造する方法と、ポリウレタン等の合成樹脂から成形して製造する方法がある。
このように、乳児の頭の汗は、前記織布20aによって吸水し、速乾できる。また、同時に、乳児の頭は冷やされ汗がより出にくくなる。
また、スポンジとは、内部に無数の細かな孔を有する多孔質の柔らかな物質のことで、生物の海綿を加工して製造する方法と、ポリウレタン等の合成樹脂から成形して製造する方法がある。
なお、前記織布の縦糸201は、吸水性が大きければ特に限定されないが、例えば、綿、レーヨン、ビニロン繊維、アクリルアミド系繊維及びポリ乳酸繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることが好ましい。綿、レーヨン、ビニロン繊維、アクリルアミド系繊維及びポリ乳酸繊維は吸水性が大きいので、乳児の頭部の汗をより吸水するからである。
また、前記織布の縦糸201は、例えば、さらし及びタオル及びガーゼの構造であることが好ましい。これらの繊維の構造は吸水性が大きいので、乳児の頭部の汗をより吸水するからである。
また、前記織布の縦糸201は、例えば、さらし及びタオル及びガーゼの構造であることが好ましい。これらの繊維の構造は吸水性が大きいので、乳児の頭部の汗をより吸水するからである。
さらに、前記織布の横糸202は、吸湿性が小さければ特に限定はされないが、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、フッ素系繊維、液晶系繊維、ポリエチレン系繊維及びポリプロピレン系繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることが好ましい。これらの繊維は、吸湿性が小さいからである。乳児の汗は、前記横糸202の吸湿性が小さいため吸収されず、乳児の身体の熱により蒸発していく。
また、前記織布の横糸202は、例えば、ブロードの構造であることが好ましい。該ブロードの構造は目が密ですき間が少なく吸水性が小さいからである。ここで、ブロードとは、ポリエステル等ででき、緻密に織られた布である。
また、前記織布の横糸202は、例えば、ブロードの構造であることが好ましい。該ブロードの構造は目が密ですき間が少なく吸水性が小さいからである。ここで、ブロードとは、ポリエステル等ででき、緻密に織られた布である。
なお、該内装部材20の前記スポンジ20bは、前記スポンジの弾力性によって、前記外装部材10による乳児の頭部への押圧の刺激を緩和することができる。
また、前記スポンジ20bは気泡を有し、その気泡が連続気泡であることが好ましい。気泡を有することで軽量化でき、乳児の首への負担を減らすことができ、また、連続気泡であることで、汗が気泡を通じて速やかに前記外装部材10側に拡散し易くなるからである。
ここで、気泡とは、材料中の物質に含まれる微小な空洞のことである。例えば、内装部材20を発泡させる等の手法をとることにより気泡ができる。
また、連続気泡とは、気泡同士がつながっていることを言い、一方、独立気泡とは、気泡の空洞が他の気泡の空洞とはつながっていないことを言う。連続気泡であると、汗の水分が容易に侵入するので、汗をより速乾することができる。
また、前記スポンジ20bは気泡を有し、その気泡が連続気泡であることが好ましい。気泡を有することで軽量化でき、乳児の首への負担を減らすことができ、また、連続気泡であることで、汗が気泡を通じて速やかに前記外装部材10側に拡散し易くなるからである。
ここで、気泡とは、材料中の物質に含まれる微小な空洞のことである。例えば、内装部材20を発泡させる等の手法をとることにより気泡ができる。
また、連続気泡とは、気泡同士がつながっていることを言い、一方、独立気泡とは、気泡の空洞が他の気泡の空洞とはつながっていないことを言う。連続気泡であると、汗の水分が容易に侵入するので、汗をより速乾することができる。
なお、気泡率は80%以上かつ99%以下であることが好ましい。ここで、気泡率とは、前記スポンジの全体の体積にしめる前記気泡の割合のことである。一般に気泡率が大きいほど、流体透過性能は向上する。前記気孔の気泡率を、80%以上かつ99%以下にすることで、乳児の頭の汗を速乾する性能を気泡によって向上させることが出来、しかも該頭蓋骨矯正ヘルメットの質量を小さくすることができるからである。
さらに、前記内装部材は、殺菌力及び/又は抗菌力のある金属として、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Co、Mn、Ni、Fe、V、Zn、Sn、Sb、Mo及びCeのうちから選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
ここで、殺菌性とは微生物のうち主として細菌やウイルス等を死滅させ又は除去する性質のことである。殺菌効果及び/又は抗菌効果があるため、乳児の早い新陳代謝による汗のために不潔になった頭部に菌が発生して匂いが生じることを防止し、乳児が快適に使用できる頭蓋骨矯正ヘルメットとなるからである。前記金属のうち、Ag、Cu、Co、Ni及びZnは殺菌力及び/又は抗菌力がさらに強いので、より好ましく、特にAg、Cu及びZnは、殺菌力及び/又は抗菌力がさらに一層強いので、さらにより好ましい。
ここで、殺菌性とは微生物のうち主として細菌やウイルス等を死滅させ又は除去する性質のことである。殺菌効果及び/又は抗菌効果があるため、乳児の早い新陳代謝による汗のために不潔になった頭部に菌が発生して匂いが生じることを防止し、乳児が快適に使用できる頭蓋骨矯正ヘルメットとなるからである。前記金属のうち、Ag、Cu、Co、Ni及びZnは殺菌力及び/又は抗菌力がさらに強いので、より好ましく、特にAg、Cu及びZnは、殺菌力及び/又は抗菌力がさらに一層強いので、さらにより好ましい。
なお、前記内装部材は、殺菌力及び/又は抗菌力のある金属として、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Co、Mn、Ni、Fe、V、Zn、Sn、Sb、Mo及びCeのうちから金属アレルギーを考慮して選択される少なくとも一種を、前記内装部材の表面だけに存在させることがより好ましい。 前記金属は前記頭部の汗に触れるので、汗による菌の発生を抑える十分な効果があるうえ、前記前記内装部材の内部にまで前記金属を練り込むことに比べ、前記金属の量は少なく済みコストがかからないからである。
ここで、前記金属を前記内装部材の表面だけに存在させることは、例えば、前記金属を該頭蓋骨矯正ヘルメットの製造時に、スプレイによって前記内装部材の表面だけに塗布することで実現できる。
ここで、前記金属を前記内装部材の表面だけに存在させることは、例えば、前記金属を該頭蓋骨矯正ヘルメットの製造時に、スプレイによって前記内装部材の表面だけに塗布することで実現できる。
さらに、前記織布を構成する繊維は、該繊維の直径が20nmから800nmの極細繊維から構成されることが好ましい。繊維径と殺菌性は強い相関をもち、20nmから800nmの極細繊維において殺菌性を備えるからである(大串他、「電界紡糸法により作製した超極細繊維不織布の抗菌活性」、Seikei-Kakou Vol.21 No.5 2009を参照 )。
なお、極細繊維にしても、吸水性及び吸湿性は素材によって決まる性質なので、例えば、ビニロンの極細繊維とすれば吸水性を大きくでき、ポリエチレン系の極細繊維とすれば吸湿性を小さくできる。
なお、極細繊維にしても、吸水性及び吸湿性は素材によって決まる性質なので、例えば、ビニロンの極細繊維とすれば吸水性を大きくでき、ポリエチレン系の極細繊維とすれば吸湿性を小さくできる。
(製造方法)
前記頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法として、前記外装部材10は、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定し、該推定した形状に基づいて製作する。ここで、該頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法は、特に限定されない。
なお、前記外装部材10は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンターによって製造することが好ましい。大規模な製造装置を使用しなくても、また、大量生産をしない製品に対しても、3次元プリンターでは、比較的容易に製造することがでるからである。頭蓋骨矯正ヘルメットにおいては、個々の乳児の頭部の外形に基づいた設計が必要となるため、少量生産となるので、3次元プリンターによる製造が適しているからである。
前記頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法として、前記外装部材10は、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定し、該推定した形状に基づいて製作する。ここで、該頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法は、特に限定されない。
なお、前記外装部材10は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンターによって製造することが好ましい。大規模な製造装置を使用しなくても、また、大量生産をしない製品に対しても、3次元プリンターでは、比較的容易に製造することがでるからである。頭蓋骨矯正ヘルメットにおいては、個々の乳児の頭部の外形に基づいた設計が必要となるため、少量生産となるので、3次元プリンターによる製造が適しているからである。
ここで、3次元プリンターとは、通常の紙に印刷するプリンターに対して、3次元CAD等のデータに基づき、断面形状を積層していくことで、目的とする立体形状を造形するデバイスのことである。3次元プリンターによって物を製造する方法には、熱融解樹脂積層法、インクジェット方式、光造形方式、粉末焼結方式、及び粉末を樹脂でバインドする方法等あり、特に限定はされないが、より小さな積層ピッチが可能なため高精度の製造ができるインクジェット方式が好ましい。
また、「前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データ」とは、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定した3次元の設計データのことである。
また、「前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データ」とは、乳児の頭部の外形をスキャナー等で測定したデータから、今後の成長見込みを考慮した歪の無い頭部の形状を推定した3次元の設計データのことである。
また、該頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法は、特に限定されないが、前記内装部材20は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンター及び/又は3次元切削機によって製造することが好ましい。頭蓋骨矯正ヘルメットにおいては、個々の乳児の頭部の外形に基づいた設計が必要となるため、少量生産となるので、3次元プリンター及び/又は3次元切削機による製造が適しているからである。
ここで、3次元切削機とは、造形素材を、縦、横、及び高さの3方向の軸からカッターで削ることで、対象である3次元立体物を造形する機械である。樹脂等のやわらかい材料の切削が可能で、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの前記内装部材として、例えば、樹脂、スポンジ等を素材とする場合に、用いることが可能である。
また、3次元プリンターによって前記内装部材20を製造する方法には、熱融解樹脂積層法、インクジェット方式、光造形方式、粉末焼結方式、及び粉末を樹脂でバインドする方法等あり、特に限定はされないが、より小さな積層ピッチが可能なため高精度の製造ができるインクジェット方式が好ましい。
また、3次元プリンターによって前記内装部材20を製造する方法には、熱融解樹脂積層法、インクジェット方式、光造形方式、粉末焼結方式、及び粉末を樹脂でバインドする方法等あり、特に限定はされないが、より小さな積層ピッチが可能なため高精度の製造ができるインクジェット方式が好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
図1及び図2に示すように、頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材10と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材20とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットを作製した。
なお、前記外装部材の素材としては、ポリエチレンを発泡させた材料を用いた。内装部材20は、図1及び図2に示すように前記外装部材の内面に接するスポンジ20bと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布20aとを有する。該織布20aは前記頭部と接する面積がより大きい縦糸として綿を使用し、前記スポンジと接する面積がより大きい横糸としてナイロンを使用して織った。また、Agをナイロンの繊維の中に含有させた。
図1及び図2に示すように、頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材10と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材20とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットを作製した。
なお、前記外装部材の素材としては、ポリエチレンを発泡させた材料を用いた。内装部材20は、図1及び図2に示すように前記外装部材の内面に接するスポンジ20bと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布20aとを有する。該織布20aは前記頭部と接する面積がより大きい縦糸として綿を使用し、前記スポンジと接する面積がより大きい横糸としてナイロンを使用して織った。また、Agをナイロンの繊維の中に含有させた。
(評価)
作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットの重量を測定した。また、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットの内装部材について、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって、頭部と接する面に水を一滴滴下することで吸水性を測定した。さらに、縦横各々10cmの前記内装部材20を切り出した試験片について、前記内装部材20の頭部と接する面の試験片の面に、水を滴下することで拡散性残留水分率を測定した。
さらにまた、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットと市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを、乳児に装着して状況を観察した。
作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットの重量を測定した。また、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットの内装部材について、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって、頭部と接する面に水を一滴滴下することで吸水性を測定した。さらに、縦横各々10cmの前記内装部材20を切り出した試験片について、前記内装部材20の頭部と接する面の試験片の面に、水を滴下することで拡散性残留水分率を測定した。
さらにまた、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットと市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを、乳児に装着して状況を観察した。
その結果、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットは、150グラム以下であった。軽量であるため、乳児の首への負担が少なく、首がすわらない状態の乳児に使用できることがわかった。
また、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法による吸収率から測定した吸水性が60秒未満であることがわかった。また、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であることもわかった。一方、比較例として市販の頭蓋骨矯正ヘルメットについて、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法による吸収率から測定した吸水性を測定した結果、60秒以上であった。これらの結果により、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットに比べ、汗の吸水及び速乾の効果が大きいことがわかった。
さらに、実際に乳児に装着した実験の結果、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットを乳児に装着した場合、汗の匂いの発生も少ないことがわかった。一方、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを装着した乳児の場合、汗の発生のため、該ヘルメットの内部が蒸れ、汗の匂いも発生し、乳児は、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを装着し続けることを嫌がることもわかった。
また、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法による吸収率から測定した吸水性が60秒未満であることがわかった。また、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であることもわかった。一方、比較例として市販の頭蓋骨矯正ヘルメットについて、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法による吸収率から測定した吸水性を測定した結果、60秒以上であった。これらの結果により、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットに比べ、汗の吸水及び速乾の効果が大きいことがわかった。
さらに、実際に乳児に装着した実験の結果、作製した該頭蓋骨矯正ヘルメットを乳児に装着した場合、汗の匂いの発生も少ないことがわかった。一方、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを装着した乳児の場合、汗の発生のため、該ヘルメットの内部が蒸れ、汗の匂いも発生し、乳児は、市販の頭蓋骨矯正ヘルメットを装着し続けることを嫌がることもわかった。
本発明によれば、乳児用の頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、従来と遜色ない矯正作用を有し、重量による乳児の首への負担が少なく、汗の吸水性と速乾性が飛躍的に高まり、汗に起因した匂いを抑制する頭蓋骨矯正ヘルメットが可能となり、その結果、乳児が快適に使用できる頭蓋骨矯正ヘルメットを提供することが可能となり、産業上有用である。
1 乳児用頭蓋骨矯正ヘルメット
10 外装部材
20 内装部材
20a 織布
20b スポンジ
201 織布の頭部と接する面積がより大きい縦糸
202 スポンジと接する面積がより大きい横糸
30 乳児
40 頭部の発達させたい部分
50 妨害部
51 突起
60 孔
70 通風孔
80 気孔
10 外装部材
20 内装部材
20a 織布
20b スポンジ
201 織布の頭部と接する面積がより大きい縦糸
202 スポンジと接する面積がより大きい横糸
30 乳児
40 頭部の発達させたい部分
50 妨害部
51 突起
60 孔
70 通風孔
80 気孔
Claims (11)
- 乳児の頭部の外形に基づいて設計され、該頭部を押圧して頭蓋骨形状の矯正を行うための外装部材と、該外装部材の内面に設けられ、該外装部材による頭部への刺激を緩衝するための内装部材とを備える乳児用頭蓋骨矯正ヘルメットにおいて、
前記内装部材は、JIS L 1907に準拠した吸水滴下法によって算出された吸水性が60秒未満であり、拡散性残留水分率が10%に至るまでの時間が65分以下であり、
前記頭蓋骨矯正ヘルメットの質量が150グラム以下であることを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメット。 - 前記内装部材は、前記外装部材の内面に接するスポンジと、前記スポンジの前記頭部に接する面に設けられた織布とを有し、該織布は前記頭部と接する面積がより大きい縦糸と前記スポンジと接する面積がより大きい横糸とを織りこんで形成されたものであり、前記縦糸の吸水性が大きく、前記横糸の吸湿性が小さいことを特徴とする請求項1に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記織布の縦糸は、綿、レーヨン、ビニロン繊維、アクリルアミド系繊維及びポリ乳酸繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることを特徴とする請求項2に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記織布の横糸は、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、フッ素系繊維、液晶系繊維、ポリエチレン系繊維及びポリプロピレン系繊維のうちから選択される少なくとも一種を含む繊維からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記内装部材は、殺菌力及び/又は抗菌力のある金属として、Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Co、Mn、Ni、Fe、V、Zn、Sn、Sb、Mo及びCeのうちから選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記織布を構成する繊維は、該繊維の直径が20nmから800nmの極細繊維であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記外装部材は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、ブタジエン、シリコン樹脂及びエポキシ樹脂のうちから選択される少なくとも一種を含む材料からなることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記外装部材は、その内部に気孔を有し、その気孔が連続気孔であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 前記外装部材は外形に妨害部を設け、就寝時に前記頭部の発達させたい部分が、ヘルメットによって押圧されないように頭の方向を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメット。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法であって、
前記外装部材は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンターによって製造することを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法であって、
前記内装部材は、前記頭部の外形に基づいて設計された3次元設計データに基づき、3次元プリンター及び/又は3次元切削機によって製造することを特徴とする頭蓋骨矯正ヘルメットの製造方法。
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