JP2015183100A - 熱伝導材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電導性及び流動性の向上した熱伝導材を、より少ないフィラー含有量で、かつ簡便な方法で提供する。【解決手段】熱伝導性繊維状フィラーと、前記熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る工程と、前記複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む熱伝導材の製造方法。熱伝導性粒子の最大粒径が熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径の50%以下であり、熱伝導性繊維状フィラーが炭素繊維であり、熱伝導性粒子が窒化ホウ素であり、表面処理剤がアクリル樹脂である熱伝導材。【選択図】なし

Description

本発明は、マトリクス樹脂に複合フィラーを配合した熱伝導材及びその製造方法に関する。
電子部品では、発熱した部位やその周辺部位を保護するため、熱伝導性を高めた放熱材料にて封止したり、それらを放熱材料と接触させて冷却媒体へ伝熱させている。
放熱材料としては、マトリクス樹脂に熱伝導性が高いフィラーを配合した熱伝導材が知られている。しかし、熱伝導材の熱伝導性を高めるためには、フィラーを多量にマトリクス樹脂に配合することが必要である。また、配合されるフィラーが球形又はほぼ均一な形状である場合、フィラー同士の接触点を増加させて熱伝導パスを形成するために、フィラーの配合量を増加させなければならない。しかし、フィラーを多量にマトリクス樹脂に配合すると熱伝導材の流動性が大きく低下してしまう。そのため、フィラーを多量にマトリクス樹脂に配合した熱伝導材は、プリプレグなどの流動性を持たない材料に用いることはできるが、形状自由度の大きなトランスファー成形や射出成形などの注型用途に用いることは困難であった。
マトリクス樹脂に熱伝導性が高いフィラーを配合した材料として、特許文献1には、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維と、該ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維の表面の一部又は全部に結着された窒化ホウ素粉末とからなる熱伝導繊維であって、前記窒化ホウ素粉末の結着が熱硬化性樹脂によりなされることを特徴とする熱伝導繊維が記載されている。
また、特許文献2には、繊維径0.01〜0.5μmの気相法炭素繊維の表面の一部又は全部が電気絶縁体で被覆された電気絶縁体被覆気相法炭素繊維が記載されている。
しかし、特許文献1の方法では、280℃の高温に加熱した表面処理剤をディッピングにより繊維に付与し、これを冷却し、得られた繊維に窒化ホウ素を含有するコーティング剤を塗布し、370℃で焼成した後、所定の長さに繊維を切断することにより、熱伝導材に配合するための熱伝導繊維を得ており、その方法は煩雑である。
また、特許文献2では、炭素繊維を窒化ホウ素で被覆するために2000℃以上での熱処理が必要であり、熱伝導材を製造するために多量のエネルギーが必要である。
特開2012−162817号公報 特開2002−235279号公報
前記のように、従来のマトリクス樹脂にフィラーを配合した熱伝導材では、熱伝導材の熱伝導性を高くするためには、フィラーの含有量を増加させる必要があるが、これにより、熱伝導材の流動性が大きく低下してしまう。また、従来の熱伝導材を製造するための方法の中には、煩雑な工程を経たり、多量のエネルギーが必要となる方法もある。それ故、本発明は、熱電導性及び流動性の向上した熱伝導材を、より少ないフィラー含有量で、かつ簡便な方法で提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、熱伝導性繊維状フィラーと、特定の最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合することにより得られる複合フィラーを用いることにより、より少ないフィラー含有量、かつ簡便な方法で熱伝導材の熱電導性及び流動性を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)熱伝導性繊維状フィラーと、前記熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る工程と、前記複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む熱伝導材の製造方法。
(2)熱伝導性粒子の最大粒径が熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径の50%以下である(1)の製造方法。
(3)熱伝導性繊維状フィラーが炭素繊維であり、熱伝導性粒子が窒化ホウ素であり、表面処理剤がアクリル樹脂である(1)又は(2)の製造方法。
(4)(1)〜(3)のいずれかの製造方法で得られた熱伝導材。
本発明により、より少ないフィラー含有量で熱電導率及び流動性の向上した熱伝導材を提供することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明は、マトリクス樹脂に複合フィラーを配合した熱伝導材及びその製造方法に関する。本発明の熱伝導材は、熱伝導性繊維状フィラーと、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して得られる複合フィラーがマトリクス樹脂に配合されたものである。
I.材料
1.熱伝導性繊維状フィラー
本発明で用いられる熱伝導性繊維状フィラーは、繊維状であり、かつその最大粒径(繊維長)が下記の熱伝導性粒子の最大粒径よりも大きいものであれば特に限定されずに用いることができる。ここで、本発明の熱伝導性繊維状フィラーは、複合化設備内にて粉砕された後も最大粒径が熱伝導性粒子の最大粒径よりも大きいものを選択する。本発明において、最大粒径とは粒子の長径の最大となるところをいう。
本発明で用いられる熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径は、例えば、1mm〜20mmであり、得られる熱伝導材の機械的な特性の観点から、好ましくは2mm〜10mmである。
本発明で用いられる熱伝導性繊維状フィラーは、好ましくは、アスペクト比(最大粒径に対する繊維径の比)が2以上である。
本発明で用いられる熱伝導性繊維状フィラーとしては、特に限定されずに、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、PBO繊維、アルミナ繊維、針状ワラストなどを挙げることができ、好ましくはガラス繊維、炭素繊維、PBO繊維であり、炭素繊維が特に好ましい。
炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系、ポリビニルアルコール系等の炭素繊維を挙げることができるが、好ましくはピッチ系炭素繊維が用いられる。炭素繊維としては、市販品としては、例えば、帝人(株)製Raheama(ラヒーマ)(登録商標)、東レ(株)製トレカ(登録商標)、東邦テナックス(株)製テナックス(登録商標)、三菱レイヨン(株)製パイロフィル(登録商標)、三菱樹脂(株)製ダイアリード(登録商標)、日本グラファイトファイバー(株)製GRANOC(登録商標)等を挙げることができる。
本発明において、熱伝導性繊維状フィラーとして炭素繊維を用いる場合、その表面が表面処理剤で処理された炭素繊維を用いることもできる。
本発明において、熱伝導性繊維状フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2.熱伝導性粒子
本発明で用いられる熱伝導性粒子は、その最大粒径が熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さいものであれば特に限定されずに用いることができる。
熱伝導性粒子の最大粒径は、好ましくは、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径に対して、50%以下であり、さらに好ましくは30%以下であり、最も好ましくは10%以下である。熱伝導性粒子の最大粒径がこの範囲であると、少量のフィラーで効率的な熱伝導パスを形成することが可能な異形状の複合フィラーを得ることができる。
熱伝導性粒子の最大粒径は、例えば0.05μm〜300μm、繊維状フィラーへ結着させる観点から、好ましくは0.1μm〜40μmである。熱伝導性粒子の最大粒径はレーザ回折/散乱式の粒度計などによって測定することができる。
熱伝導性粒子の形状は、例えば、平板状、針状、球状、繊維状又は鱗片状等、様々な形態をとることが可能である。
本発明で用いられる熱伝導性粒子の熱伝導率は、例えば、1〜200W/m・Kである。
本発明で用いられる熱伝導性粒子としては、特に限定されずに、例えば、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク及びマイカを挙げることができ、得られる熱伝導材の熱伝導性の観点から、好ましくは窒化ホウ素、アルミナ、酸化マグネシウムであり、特に好ましくは窒化ホウ素である。熱伝導性粒子は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。熱伝導性粒子としては、好ましくは、絶縁性を有するものを選択するが、特性に限定されるものではない。
3.表面処理剤
本発明で用いられる表面処理剤は、前記の熱伝導性繊維状フィラーと熱伝導性粒子とを結着するために用いられる。本発明で用いられる表面処理剤としては、特に限定されずに、例えばシランカップリング剤、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリエステル、エポキシ樹脂、澱粉類(例えば、デキストリン、アミロース)、カルボキシセルロース、ポリビニルアルコール、植物油等を挙げることができるが、熱伝導性繊維状フィラーと熱伝導性粒子との結着性の観点から、好ましくはアクリル樹脂である。
4.マトリクス樹脂
本発明において、マトリクス樹脂は、熱伝導性繊維状フィラーと、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して得られる複合フィラーを分散させるために用いる。本発明で用いられるマトリクス樹脂としては、絶縁性を有するものであれば特に限定されずに熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選択することができる。本発明で用いられるマトリクス樹脂としては、例えば、エポキシ、ウレタン、シリコーンなどの熱硬化性材料、及びポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を挙げることができる。
II.熱伝導材の製造方法
本発明の熱伝導材は、(1)熱伝導性繊維状フィラーと、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る工程と、(2)複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む方法によって得られる。本発明の方法によると、異形状の複合フィラーを得ることができ、この複合フィラーは熱伝導材中でランダム配向した熱伝導パスを形成するため、厚さ方向への確実な放熱経路が少量のフィラーで確保できるようになり、熱伝導性が向上し、かつ良好な流動性を有する熱伝導材を得ることができる。
1.工程(1)について
本発明の熱伝導材の製造方法の工程(1)において、熱伝導性繊維状フィラーと、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る。本発明の製造方法は、熱伝導性繊維状フィラーと、前記の熱伝導性粒子と、表面処理剤とから簡易な方法で複合フィラーを得ることができるため、簡便な方法で熱伝導材を提供することが可能である。
本発明の工程(1)において、熱伝導性繊維状フィラーと、前記の最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とは、好ましくは、事前に混合して回転混合を行う。熱伝導性繊維状フィラーと表面処理剤は、熱伝導性繊維状フィラーの表面を表面処理剤で前もって処理して用いてもよい。
複合フィラー中の熱伝導性繊維状フィラーの含有量は、例えば1重量%〜79.9重量%であり、得られる熱伝導材の機械的特性の観点から、好ましくは5重量%〜69.5重量%である。
複合フィラー中の熱伝導性粒子の含有量は、例えば20重量%〜98.9重量%であり、得られる熱伝導材の熱伝導率の観点から、好ましくは30重量%〜94.5重量%である。
複合フィラー中の表面処理剤の含有量は、例えば0.1重量%〜20重量%であり、熱伝導性繊維状フィラーと熱伝導性粒子との結着性の観点から、好ましくは0.5重量%〜10重量%である。
本発明の工程(1)において、回転混合に用いる混合機としては、例えば、連続又は回分式混合機、気流型混合機及び回転攪拌型混合機を用いることができ、特に回転攪拌型混合機を用いることが好ましい。これら混合機としては、例えば、コニカルブレンダー、ナウターミキサー、ニーダー、V型混合機、流動式混合機、タービュラーザー、レィデゲミキサー、スクリューミキサー、リボンブレンダー、モルタルミキサーなどの機械的混合機を挙げることができる。本発明において、回転混合は、通常、10〜10000rpm、好ましくは1000〜9000rpm、さらに好ましくは2000〜8000rpm、特に好ましくは4000〜6000rpmで行われる。この範囲の回転数で回転混合することにより、少量のフィラーで効率的な熱伝導パスの形成が可能になる異形状の複合フィラーを得ることができ、この複合フィラーを用いて得られる熱伝導材の熱伝導性を向上させることができ、同時に、熱伝導材の流動性も確保することができる。本発明の工程(1)において、回転混合は、例えば10秒〜900秒、好ましくは30秒〜300秒行う。本発明の工程(1)において、回転混合は、例えば0〜85℃、好ましくは室温(約25℃)で行うことができる。
2.工程(2)について
本発明の熱伝導材の製造方法の工程(2)において、工程(1)で得られた複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る。
熱伝導材中の複合フィラーの含有量は、例えば、10重量%〜60重量%であり、得られる熱伝導材の熱伝導性及び流動性の観点から、好ましくは20重量%〜55重量%である。
複合フィラーとマトリクス樹脂の混合の方法としては、溶融混練、溶媒キャストブレンド、ラテックスブレンド、又は、ポリマーコンプレックスなどの物理的ブレンドを用いることができるが、特に溶融混練法が好ましい。混合する装置としては、タンブラー、ヘンシェルミキサー、ロータリーミキサー、スパーミキサー、リボンタンブラー、又は、Vブレンダー等を用いることができ、溶融混練した上でペレット化する。ペレット化には単軸又は多軸押出機を用いるのが一般的であるが、前記押出機以外にはバンバリーミキサー、ローラー、コ・ニーダー、プラストミル、又は、プラベンダーブラウトグラフなどを用いることもできる。これらを回分的、又は連続的に運転する。
本発明は、前記の製造方法で得られた熱伝導材にも関する。
本発明の一つの実施形態において、本発明の熱伝導材は、熱伝導性繊維状フィラーと、熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る工程と、前記複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む方法によって得られる。
本発明の好ましい一つの実施形態において、本発明の熱伝導材は、熱伝導性繊維状フィラーと、前記熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを、例えば10〜10000rpm、好ましくは1000〜9000rpm、さらに好ましくは2000〜8000rpm、特に好ましくは4000〜6000rpmで回転混合して複合フィラーを得る工程と、前記複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む方法によって得られる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
100重量部のピッチ系炭素繊維A−1(三菱樹脂製:ダイアリード(登録商標)K6371T、繊維長:6mm、繊維径:11μm、1〜3重量部のアクリル樹脂で表面処理されている)及び100重量部の窒化ホウ素C−1(水島合金鉄製:HP−40J2、平均粒径:10μm)を粉体表面改質装置(奈良機械製作所製)にて、室温で、4800rpmで1分間回転混合して複合フィラーを得た。
(実施例2)
100重量部のピッチ系炭素繊維A−1の代わりに67重量部のピッチ系炭素繊維A−1を用い、100重量部の窒化ホウ素C−1の代わりに133重量部の窒化ホウ素C−1を用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合フィラーを得た。
(実施例3)
100重量部のピッチ系炭素繊維A−1の代わりに33重量部のピッチ系炭素繊維A−1を用い、100重量部の窒化ホウ素C−1の代わりに167重量部の窒化ホウ素C−1を用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合フィラーを得た。
(実施例4)
100重量部のピッチ系炭素繊維A−1の代わりに18重量部のピッチ系炭素繊維A−1を用い、100重量部の窒化ホウ素C−1の代わりに182重量部の窒化ホウ素C−1を用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合フィラーを得た。
(実施例5)
1重量部のシランカップリング剤(信越化学製:KBM−403)を、100重量部のピッチ系炭素繊維A−1及び100重量部の窒化ホウ素C−1に加えて用いた以外は、実施例1と同様の方法で複合フィラーを得た。
(実施例6)
1重量部のシランカップリング剤の代わりに3重量部のシランカップリング剤を用いた以外は、実施例5と同様の方法で複合フィラーを得た。
(実施例7)
1重量部のシランカップリング剤の代わりに5重量部のシランカップリング剤を用いた以外は、実施例5と同様の方法で複合フィラーを得た。
(比較例1)
ピッチ系炭素繊維A−1の代わりに、ピッチ系炭素繊維A−2(三菱樹脂製:ダイアリード(登録商標)K223HE、繊維長:6mm、繊維径:11μm、表面処理剤で処理されていない)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施したが、複合フィラーを得ることができなかった。
(比較例2)
窒化ホウ素C−1の代わりに窒化ホウ素C−2(水島合金鉄製:HP−40MF100:平均粒径45μm)を用いた以外は、比較例1と同様の方法で実施したが、複合フィラーを得ることができなかった。
表1に実施例1−7及び比較例1、2の複合フィラーの組成及び複合化の可否を示す。表1より、表面処理剤で処理された炭素繊維を用いた実施例1−7では複合フィラーが得られたが、表面処理剤で処理された炭素繊維を用いていない比較例1及び2では、複合フィラーは得られなかった。
Figure 2015183100
(実施例8)
45重量%の実施例1で得られた複合フィラー及び55重量%のポリエステル系ワニス(日立化成製;WP2008)を混合して熱伝導材を得た。
(比較例3)
42重量%のピッチ系炭素繊維A−1及び58重量%のポリエステル系ワニスを混合して熱伝導材を得た。
(比較例4)
18重量%のピッチ系炭素繊維A−1、18重量%の窒化ホウ素C−1及び64重量%のポリエステル系ワニスを混合して熱伝導材を得た。
実施例8及び比較例3、4で得られた熱伝導材の熱伝導率、及び実施例8の熱伝導材を100とした熱伝導材の流動性を表2に示す。
熱伝導材の流動性は以下の通り測定した:
直径1mmのキャピラリを有する高化式フローテスターを用い、所定の温度にて流下粘度を測定、比較することで流動性の指標とした。粘度的に厳しければ(高粘度で流下が困難)、トランスファー成形機を用いてスパイラルフロー長を比較することで流動性の指標とした。
Figure 2015183100
表2より、実施例8と比較例3を比較すると、複合フィラーを用いた実施例8の熱伝導材は、炭素繊維のみを用いた比較例3の熱伝導材よりも熱伝導率が高く、また、熱伝導材の流動性が著しく高かった。また、実施例8と比較例4を比較すると、複合フィラーを用いた実施例8の熱伝導材は、複合化されていない炭素繊維と窒化ホウ素を用いた比較例4の熱伝導材よりも熱伝導率が著しく高く、また、熱伝導材の流動性は同等であった。従って、炭素繊維と窒化ホウ素の複合化フィラーを用いることにより、熱電導性及び流動性の向上した熱伝導材を得ることができることが示された。

Claims (4)

  1. 熱伝導性繊維状フィラーと、前記熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径よりも小さい最大粒径の熱伝導性粒子と、表面処理剤とを回転混合して複合フィラーを得る工程と、前記複合フィラーとマトリクス樹脂とを混合して熱伝導材を得る工程とを含む熱伝導材の製造方法。
  2. 熱伝導性粒子の最大粒径が熱伝導性繊維状フィラーの最大粒径の50%以下である請求項1の製造方法。
  3. 熱伝導性繊維状フィラーが炭素繊維であり、熱伝導性粒子が窒化ホウ素であり、表面処理剤がアクリル樹脂である請求項1又は2の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の製造方法で得られた熱伝導材。
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