JP2015181835A - 薬液投与装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】投与部位に装着して携帯される本体部分を大型化することなく、薬液の投与速度に対して薬液の充填速度の高速化を図ることが可能な携帯型の薬液投与装置を提供する。【解決手段】内部モータ部と、前記内部モータ部の回転軸に固定された減速歯車装置と、前記減速歯車装置に対して直接または間接的に嵌合して設けられた最終段歯車と、薬液を収容するシリンジ内で押し子を摺動させるためのものであって前記最終段歯車の回転軸上に設けられた送りネジと、前記内部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率と前記減速歯車装置に嵌合する外部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率とを切り替える減速率切替部とを有する薬液投与装置である。【選択図】図1

Description

本発明は薬液投与装置に関し、特にはインスリンポンプのように持続的な薬液投与を行うための携帯型の薬液投与装置に関する。
近年、皮下注射や静脈内注射などによって、患者の体内に薬液を持続的に投与する治療法が行われている。例えば、糖尿病患者に対する治療法として、患者の体内に微量のインスリンを持続的に注入する治療が実施されている。この治療法では、一日中患者に薬液(インスリン)を投与するために、患者の身体又は衣服に固定して持ち運び可能な携帯型の薬液投与装置(いわゆるインスリンポンプ)が用いられている。
このような携帯型の薬液投与装置の一つとして、ポンプ形式のものが提案されている。ポンプ形式の薬液投与装置は、薬液が貯蔵されるリザーバとしてのシリンジと、シリンジの内部で駆動されるピストンとを有し、モータによって回転する親ネジの軸方向にピストンを移動させることにより、シリンジ内の薬液を分注、投与する構成である(下記特許文献1参照)。
特表2010−509984号公報(図1,図2および関連記載部)
ところで、以上のような携帯型の薬液投与装置への薬液充填は、患者自らが、薬液バイアルから注射針とシリンジを用いて必要量の薬液をシリンジ内に吸引し、薬液投与装置に充填する作業を行っている。この充填作業は、まず、薬液バイアルのゴムパッキンに注射針をさして空気を注入した後、外筒に印刷された目盛を目安にしてシリンジ内に必要量の薬液を吸引する。次に、注射針部を上にしてシリンジ内の空気を排出する。そして、薬液投与装置の薬液リザーバに空気が残らないようにシリンジから薬液を注入するか、または、薬液を吸引したシリンジを薬液投与装置にセットすることにより行われる。これらの複雑な作業を、安全性、衛生面も考慮しながら、病院内とは異なる一般家庭、出先の化粧室などで行なわなければならず、熟練を要し、手間のかかる作業となっており、作業の簡素化、安全性向上、衛生面の向上が望まれている。
このため、薬液バイアルのゴムパッキンに吸引用の針をさし、必要となる充填量を入力するだけで、薬液投与装置内の薬液リザーバに薬液を充填することが可能な、投与部位に装着した状態で携帯されるパッチタイプの携帯型薬液投与装置の実現が期待されている。
この場合、問題となるのが、充填時の駆動源である。携帯型薬液投与装置は小型軽量化が必須要素となっているので、投与に必要な限界出力の超小型モータと、このモータを駆動する最低限の電力容量の小型電池を内蔵している。この種の携帯型薬液投与装置の時間当たりの薬液投与量は、0.5μl/hから20μl/h程度のため、非力な超小型モータに大減速機構を組み合わせて使用されている。これに対して、薬液充填は短時間に行う必要があり、また、薬液リザーバ内に空気が入った場合にはこれをスピーディに排出することも必要であり、大出力の大きなモータとこれを駆動可能な大きめの電池が必要となる。もし、携帯型薬液投与装置に内蔵されているモータと電池にて充填作業を行おうとすると、薬液リザーバに対する薬液の充填作業は、薬液の投与速度と同程度の速度でしか行われず、相当の作業時間を必要とし、実現が困難であった。また、携帯型薬液投与装置に充填作業に適したモータと電池を実装すると非常に大きな装置となり、携帯性を損なう結果となり、実現ができなかった。
そこで本発明は、投与部位に装着した状態で携帯される本体部分を大型化することなく、薬液の投与速度に対して充填速度の高速化を図ることが可能な携帯型の薬液投与装置を提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するための本発明の薬液投与装置は、内部モータ部と、前記内部モータ部の回転軸に固定された減速歯車装置と、前記減速歯車装置に対して直接または間接的に嵌合して設けられた最終段歯車と、薬液を収容するシリンジ内で押し子を摺動させるためのものであって前記最終段歯車の回転軸上に設けられた送りネジと、前記内部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率と前記減速歯車装置に嵌合する外部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率とを切り替える減速率切替部とを有する。
このような構成の薬液投与装置では、減速率切替部によって、内部モータ部の回転から最終段歯車の回転への減速率に対して、外部モータ部の回転から最終段歯車の回転への減速率を大きくすることにより、内部モータ部を用いた低速での薬液投与と、外部モータ部を用いた高速での薬液充填とが行われる。
以上説明したように本発明の薬液投与装置によれば、内部モータ部の駆動による低速での薬液投与に対して、外部モータ部の駆動による高速での薬液充填を行うことが可能になる。この結果、装置を大型化することなく、薬液の投与速度に対して充填速度の高速化を図ることが可能になる。
第1実施形態の薬液投与装置における本体部分と充填器との斜視図である。 第1実施形態の薬液投与装置における薬液充填を示す図である。 第1実施形態の薬液投与装置における本体部分を含む要部の分解斜視図である。 第1実施形態の薬液投与装置における本体部分の概略平面図(薬液投与時)である。 第1実施形態の薬液投与装置における本体部分の概略平面図(薬液充填時)である。 本発明の薬液投与装置に備えられた遊星歯車機構の斜視図である。 第1実施形態の変形例を示す本体部分の概略平面図である。 第1実施形態の変形例の薬液投与装置における薬液充填を説明する図である。 第2実施形態の薬液投与装置における本体部分の概略平面図(薬液投与時)である。 第2実施形態の薬液投与装置における本体部分の概略平面図(薬液充填時)である。
以下、本発明を適用した薬液投与装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、ここではパッチ式のインスリンポンプに本発明を適用した場合の構成を説明するが、本発明の薬液投与装置は、持続的な薬液投与を行うと共に、装置内に薬液を充填する機能を有する携帯型の薬液投与装置に広く適用される。
≪第1実施形態≫
[薬液投与装置の構成]
図1は、第1実施形態の薬液投与装置1における本体部分1aと充填器1bの斜視図である。また図2は、第1実施形態の薬液投与装置1における薬液充填を示す図である。これらの図に示すように、薬液投与装置1は、薬液投与の際に患者に装着される本体部分1aと、本体部分1aに対して組み合わせて用いられる薬液の充填器1bとを有し、本体部分1aに対して薬液を充填する機能を備えている。
また図3は、第1実施形態の薬液投与装置1における本体部分1aを含む要部の分解斜視図である。この図に示すように、薬液投与装置1は、薬液投与時において、本体部分1aに対して本体カバー1cおよびクレードル1dを嵌合させて用いられるものである。
以下、第1実施形態の薬液投与装置1の詳細な構成を、本体部分1a、充填器1b、本体カバー1c、およびクレードル1dの順に説明する。
《本体部分1a》
図4および図5は、薬液投与装置1における本体部分1aの概略平面図である。図4は、薬液投与時の概略平面図であり、図5は薬液充填時の概略平面図である。これらの図4および図5、さらには先の図1および図3に示すように、薬液投与装置1の本体部分1aは、筐体10の内部に、内部モータ部11を有し、さらに本実施形態に特徴的な遊星歯車機構13および長軸平歯車15を有している。また本体部分1aの筐体10内には、長軸平歯車15に嵌合して設けられる最終段歯車17、この最終段歯車17に固定された送りネジ19、および送りネジ19の最終段歯車17側の端部に取り付けられた押さえロッド18が収納される。また筐体10の内部には、長軸平歯車15に対して平行に配置されたレール21、送りネジ19に嵌合する固定ナット23(図3参照)、薬液を収容するシリンジ25、およびシリンジ25内に陥入された押し子27が収納される。さらに以上のような本体部分1aは、内部モータ部11を駆動するための電池Eを収納する電池ボックス29、および薬液の投与/充填ポート31を備えていている。以上のような本体部分1aの各構成要素の詳細は、次のようである。
<筐体10(本体部分1a)>
筐体10は、本体部分1aを構成する各構成要素を収納するものであり、一方の主面側を開口した箱状のものである。この筐体10には、遊星歯車機構13が収納される位置に対応する側壁部に、開口部10a(図1参照)が設けられたものである。また、筐体10の側壁には、以降に説明する充填器1bの筐体40との連結を図るために嵌合部10bが設けられている。さらに図2に示すように、筐体10において収納部が形成されている側に対する裏面側には、本体部分1aと充填器1bとを所定状態で配置した場合に、この状態を保持するためのフックを掛ける止め付け部10cが設けられていても良い。
またここでの図示は省略したが、筐体10は、開口部10aの他に電池ボックス29への電池Eの出し入れを行うための蓋付きの開口部を有していても良い。
<内部モータ部11(本体部分1a)>
内部モータ部11は、モータと減速ギアヘッドとを備えて電池Eによって駆動されるものであり、筐体10の内部に固定された状態で設けられている。この内部モータ部11は、例えば以降に説明する充填器1bに備えられた制御部での制御により、シリンジ25内に送りネジ19を挿入する方向に自在に回転する回転軸11a(図4、図5参照)を有する。このような内部モータ部11のモータは、例えばパルス駆動されるステッピングモータであることとする。
<遊星歯車機構13(本体部分1a)>
遊星歯車機構13は、減速歯車装置であり、本発明に特徴的な構成を有している。この遊星歯車機構13は、内部モータ部11の回転軸に固定された状態で設けられている。
図6は、薬液投与装置1に備えられた遊星歯車機構13の斜視図である。図6に示すように、遊星歯車機構13は、内部モータ部11の回転軸に固定された太陽歯車13a、その周囲に設けられた複数の遊星歯車13b、これらを囲んで設けられた内歯車13c、および各遊星歯車13bの回転軸に固定された遊星キャリア13dを備えている。尚、遊星歯車13bは、ここでは3個設けた構成を図示したが、設計に応じた必要な個数が太陽歯車13aの周囲に均等に配置されれば良い。
そして特に、内歯車13cは、内周に内歯を有し、かつ外周には外歯13eが設けられて平歯車を構成している。また遊星キャリア13dの回転軸φ上には、遊星キャリア13dの固定部材として別の平歯車13fが固定された状態となっている。
図4に示すように、この平歯車13fには、着脱自在に停止部材13gがかみ合わせて設けられており、これらの平歯車13fと停止部材13gとで、遊星キャリア13dの固定部材が構成されている。この停止部材13gは、例えば図3に示した本体カバー1cの内壁に設けられ、本体部分1aに対して本体カバー1cを被せた状態において、平歯車13fの回転を停止状態とし、これにより遊星キャリア13dが固定される構成となっている。
このように遊星キャリア13dを固定した状態においては、内部モータ部11に対し、太陽歯車13aが入力軸、内歯車13cが出力軸となる。また、遊星キャリア13dの固定により、遊星歯車13bは、太陽歯車13aの周囲を公転せず、自転のみとなる。これにより、内部モータ部11の駆動による太陽歯車13aの回転速度に対して、内歯車13cおよび外歯13eの回転速度が減速されることになる。
また、図1に示されるように、以上のように構成された遊星歯車機構13は、筐体10の側壁に設けた開口部10aに対応する位置に配置されている。これにより、図5に示すように、開口部10aを介して、外部モータ部41によって駆動される外部歯車45が、遊星歯車機構13の外歯13eに対して嵌合され、外部モータ部41による外歯13eの駆動が自在な構成となっている。尚、この外部モータ部41は、以降に詳しく説明する充填器1bに設けられたモータ部であり、以降「充填用モータ部41」と記す。
このような状態においては、内部モータ部11を駆動させずに、充填用モータ部41の駆動によって遊星歯車機構13の外歯13eを駆動させることができる。この場合、平歯車13fの固定が解除されているため、遊星歯車13bは自転しながら公転する。このため、充填用モータ部41による駆動は、直接、遊星歯車機構13の外歯13eに伝わり、減速されることなく外歯13eで構成された平歯車、すなわち内歯車13cが回転することになる。尚、平歯車13fと停止部材13gとで構成される固定部材は、遊星キャリア13dを自在に固定可能な形状であればこのような構成に限定されることない。例えば、停止部材13gを本体カバー1cに設けず、予め平歯車13fにかみ合わせた状態で本体部分1aに停止部材13gを設け、薬液充填時に充填器1bと組み合わせたときに、停止部材13gが平歯車13fから解除されるような機構を設けても良い。このような固定部材は、減速歯車装置である遊星歯車機構13の減速率切替部となる。
<長軸平歯車15(本体部分1a)>
図4および図5に示すように、長軸平歯車15は、以降に説明する送りネジ19と同程度の長さの回転軸を有する平歯車であり、筐体10の内部に固定された状態で設けられている。この長軸平歯車15は、遊星歯車機構13における外歯13eと次に説明する最終段歯車17との間に、これらに嵌合させた状態で設けられている。尚、長軸平歯車15と遊星歯車機構13の外歯13eとの間には、必要に応じて中間歯車をかみ合わせて設けても良い。
<最終段歯車17(本体部分1a)>
最終段歯車17は、例えば図示したような平歯車であって良く、長軸平歯車15に対して嵌合させた状態で設けられている。この最終段歯車17は、筐体10には固定されておらず、これにより長軸平歯車15の回転軸方向に沿って移動可能となっている。
<送りネジ19(本体部分1a)>
送りネジ19は、最終段歯車17の回転軸上に固定されている。この送りネジ19において、最終段歯車17に固定されている基端部とは逆側の先端部19aは、次に説明する押し子27に対して固定され、固定された状態で押し子27に対して回転自在であることとする。図4に示すように、このような先端部19aは、送りネジ19の径を一部小さくしたくびれ形状を有し、押し子27の中央部に形成された貫通孔27aに陥入されている。くびれ形状には、Eリング27cが嵌合されており、これによって貫通孔27aから送りネジ19が外れることが防止されている。
また送りネジ19は、固定ナット23に嵌合させた状態において、上述した内部モータ部11による遊星歯車機構13の駆動により先端部19a側に移動するように、ネジ山が形成されていることとする。このネジ山は、押し子27の送り速度にあわせたピッチを有する。また送りネジ19は、押し子27の移動範囲に合わせた有効長を有する。
<押さえロッド18(本体部分1a)>
押さえロッド18は、送りネジ19の最終段歯車17側の端部に取り付けられ、レール21と嵌合する凹部が設けられており、送りねじ19を回転自在にしてレール21に沿って滑りながら、最終段歯車17を長軸平歯車15に押し付ける。押さえロッド18の取り付けは、最終段歯車17と長軸平歯車15を嵌合させてから、押さえロッド18の凹部をレール21にはめ込むことで行われる。なお、押さえロッド18は、弾性を有するエラストマーまたはゴム製で構成されていても良く、凹部にはレール21との滑りを良くするフッ素樹脂テープを貼りつけても良い。
<レール21(本体部分1a)>
レール21は、押さえロッド18の凹部と嵌合することで最終段歯車17を長軸平歯車15に対して押しつけるためのものであり、長軸平歯車15に対して平行となるように、筐体10の内部に固定された状態で設けられている。このようなレール21は、例えばその断面がT字状をしており、最終段歯車17に向かう面が、長軸平歯車15とレール21との間への最終段歯車17の着脱が自在でありながらも、長軸平歯車15とレール21との間で最終段歯車17が両方向に回転自在となる形状を有していることとする。このようなレール21は、最終段歯車17に向かう面が、弾性材料で構成されていても良い。
<固定ナット23(本体部分1a)>
固定ナット23は、送りネジ19に嵌合して設けられるもので、筐体10の内部に固定された状態で設けられている。この固定ナット23は、長軸平歯車15およびレール21と平行に送りネジ19が保持されるように、筐体10内において位置決めされて設けられている。このような固定ナット23の固定位置は、長軸平歯車15の端部側であることとする。
また図3の分解斜視図に示したように、固定ナット23は、送りネジ19が嵌合自在なハーフナットであることとする。これにより、最終段歯車17、送りネジ19、以降に説明するシリンジ25および押し子27が、本体部分1aから着脱自在となっている。また、固定ナット23を少なくとも2つのセグメントに分割したスプリットナットとしても良く、各セグメントが送りネジ19を締め付けるように付勢させることで、送りネジ19の着脱が容易となる。この場合、薬液投与装置1の本体部分1aは、繰り返し使用可能なリユース部と、このリユース部に対して取り外し自在としたディスポ部とに分けられる。このうちリユース部は、筐体10内に固定して設けられた内部モータ部11、遊星歯車機構13、長軸平歯車15、レール21、電池ボックス29、および投与/充填ポート31で構成される。一方、ディスポ部は、薬液に晒されるシリンジ25および押し子27、さらには押し子27に固定された送りネジ19、最終段歯車17、および押さえロッド18で構成される。ディスポ部は、これらの構成要素を別の筐体に設けた状態で、筐体10から取り外し自在としても良い。
尚、薬液投与装置1の本体部分1aをリユース部とディスポ部とに分ける必要のない場合であれば、固定ナット23はハーフナットやスプリットナットとして構成することに限定されず、通常のリング状のナットであって良い。
<シリンジ25(本体部分1a)>
シリンジ25は、一方の底面が閉塞され他方の底面が開放された筒状の薬液貯蔵部である。このシリンジ25は、内部において筒状の延設方向に押し子27の摺動が自在な寸胴形状に成形されている。また、シリンジ25内においての押し子27の摺動に伴い、押し子27が回転することのないように、筒状の底面は楕円形のような扁平形状であることが好ましい。またシリンジ25における筒状の延設方向の長さは、送りネジ19の長さと同程度であることとする。
このようなシリンジ25は、閉塞された底面側に薬液の投与口が設けられ、この投与口において薬液の投与/充填用のチューブ25aが連通されている。チューブ25aは、例えば先端に針が接続されたものである。尚、チューブ25aの先端に設けられた針部分は、保持部材25bによって所定の向きとなるように保持され、この保持部材25bが薬液の投与/充填ポート31内に嵌合して配置される構成となっている。
またシリンジ25は、透明材料で構成され、内部の薬液量および気泡の有無が目視で確認できる構成となっている。尚、図4は、次の押し子27の説明のため、シリンジ25の一部を切り欠いた図となっている。
<押し子27(本体部分1a)>
押し子27は、シリンジ25内に液密を保った状態で摺動自在に陥入され、シリンジ25内の容積を自在に調整するものであり、送りネジ19の先端部19aに固定されている。押し子27において送りネジ19が固定された部分は、送りネジ19の軸受けとして構成され、押し子27に対して送りネジ19の回転が自在でありながらも、送りネジ19の移動に対して押し子27が追従するように構成されている。
このような押し子27は、図4に示すように、例えば中央部に貫通孔27aを有する。この貫通孔27aは、送りネジ19の先端部19aが挿入される側の開口部分で開口径を絞った形状である。一方、シリンジ25内に向かう側の開口部分の内壁にはネジ山が形成され、このネジ山に蓋27bが嵌合して設けられ、貫通孔27aが蓋27bで閉塞された状態となっている。
押し子27の貫通孔27aに挿入された送りネジ19の先端部19aには、そのくびれ形状の部分にEリング27cがはめ込まれ、これにより押し子27からの送りネジ19の脱落が防止された状態となっている。
尚、シリンジ25の底面が円形である場合、シリンジ25内において押し子27が回転しても良い。この場合、押し子27は、送りネジ19に対して固定されていても良い。
このような押し子27の外周には、気密性を確保するためのパッキン27dが埋め込まれている。パッキン27dは、シリンジ25内において押し子27を摺動させる際の平行性を保つために2重に配置されていることが好ましい。
<電池ボックス29(本体部分1a)>
電池ボックス29は、内部モータ部11を駆動するための電池を収納する部分であり、内部モータ部11を駆動できる出力を有する電池が収納される構成となっている。ここでは例えば2個のボタン電池が重ねて収納される構成となっている。
<投与/充填ポート31(本体部分1a)>
投与/充填ポート31は、シリンジ25内からの薬液の投与、およびシリンジ25内への薬液の充填を行うためのインターフェースとなる部分である。
図1に示すように、この投与/充填ポート31は、筐体10において収納部が形成されている側に対する裏面側から、薬液Lが収納された薬液バイアル100の接続が可能となっている。例えば、薬液バイアル100には、薬液Lが収納された内部に連通するチューブ101が延設され、さらにチューブ101の先端側には、チューブ101の先端部分を所定状態で保持するアダプタ103が設けられている。投与/充填ポート31は、筐体10の裏面側において、アダプタ103が陥入される構成となっている。投与/充填ポート31にアダプタ103が陥入された状態において、シリンジ25から延設されたチューブ25aと、薬液バイアル100から延設されたチューブ101とが連通される構成となっている。
また図3に示すように、この投与/充填ポート31は、筐体10における裏面側に、クレードル1dに設けられた投与針105の針アダプタ107の接続が可能となっている。例えば、クレードル1dには、投与針105を所定状態で保持しつつ、投与針105に連通される針アダプタ107が設けられている。投与/充填ポート31は、筐体10の裏面側に針アダプタ107が陥入され、これにより、シリンジ25から延設されたチューブ25aと、針アダプタ107に連通して保持された投与針105とが連通される構成となっている。
《充填器1b》
図1に示した充填器1bは、例えば薬液投与装置1のコントローラを兼ねたものである。この充填器1bは、筐体40の内部に、充填用モータ部41、充填用モータ部41によって駆動される外部歯車43,45,および充填用モータ部41を駆動するための電池E’を収納する電池ボックス47を有する。さらに充填器1bは、薬液投与装置1の駆動を制御する制御部49を備えている。以上のようなコントローラを兼ねた充填器1bの各構成要素の詳細は、次のようである。
<筐体40(充填器1b)>
筐体40は、充填器1bを構成する各構成要素を収納するものである。この筐体40には、外部歯車43,45が収納される位置に対応する側壁部に、開口部40aを有する。また、筐体40の側壁からは、2つの爪部40bが延設されている。これらの爪部40bは、先に説明した本体部分1aの筐体10の嵌合部10bに嵌合し、本体部分1aの筐体10を2方向からかしめて本体部分1aと充填器1bとを連結するためのものである。また筐体40の外装面には、薬液投与装置1の駆動状態を表示するための表示部40cが設けられている。
尚、ここでの図示は省略したが、筐体40には、開口部40aを塞ぐ蓋が設けられる。また筐体40は、開口部40aの他に電池ボックス47への電池の出し入れを行うための蓋付きの開口部を有する。
また筐体40において表示部40cが配置されている面と逆の裏面側には、図2に示したように、本体部分1aと充填器1bとを所定状態で配置した場合に、この状態を保持するためのフック40dが設けられていても良い。
<充填用モータ部41(充填器1b)>
充填用モータ部41は、電池E’によって駆動されるものであり、筐体40の内部に固定された状態で設けられている。充填用モータ部41は、制御部49による制御により、選択された方向に自在に回転する回転軸41aを有する。この充填用モータ部41は、本体部分1aの内部モータ部11よりも十分に大きな出力を有することとする。
<外部歯車43,45(充填器1b)>
外部歯車43,45は、充填用モータ部41の回転軸上に固定された初段歯車43と、これに嵌合して設けられた最終段歯車45である。最終段歯車45は、筐体40内に固定して設けられている。また、本体部分1aの筐体10の開口部10aを開放し、充填器1bの筐体40の開口部40aを開放した状態において、これらを隣接して配置することで、充填器1bの最終段歯車45と本体部分1aの遊星歯車機構13を構成する外歯13eとが嵌合する構成となっている。
<電池ボックス47(充填器1b)>
電池ボックス47は、充填用モータ部41を駆動するための電池E’を収納する部分であり、本体部分1aに収納される電池Eよりも十分に大きな出力であって、充填用モータ部41の駆動およびコントローラの機能を作動できる出力を有する電池E’が収納される構成となっている。
<制御部49(充填器1b)>
制御部49は、筐体40の外装面に配置された、薬液投与装置1の薬液充填の操作に関わる各種スイッチ49a〜49d、および薬液投与装置1の薬液投与に供する内部モータ部11の駆動を遠隔で操作する操作部49e、さらにはここでの図示を省略した演算部を備えている。
制御部49を構成する各種スイッチ49a〜49dは、電源のオン/オフスイッチ49a、シリンジ25への薬液の充填量を入力する3つの充填量入力スイッチ49b、薬液の充填スタートスイッチ49c、および薬液の充填ストップスイッチ49dである。このうち、薬液の充填スタートスイッチ49cは、押し続けることで薬液投与装置1の押し子27をシリンジ25の薬液の投与口方向から遠ざかるように充填用モータ部41を回転させるスイッチも兼ねる。また薬液の充填ストップスイッチ49dは、押し続けることで薬液投与装置1の押し子27がシリンジ25の薬液の投与口方向に動かすように充填用モータ部41を回転させるスイッチも兼ねる。
また操作部49eは、薬液投与の開始や停止以外に、シリンジ25からの薬液投与のプログラムを設定し、その設定にしたがって内部モータ部11の駆動を操作する部分である。薬液投与のプログラムとしては、長時間にわたって少量の薬液を持続的に投与する場合の基礎投与(べーサル)設定、および所定のタイミングで所定量の薬液を一時的に投与する場合の追加投与(ボーラス)設定などがある。
以上のような各種スイッチ49a〜49dおよび操作部49eにおける各設定の状態は、筐体40に設けた表示部40cに表示される構成となっている。
また、ここでの図示を省略した演算部は、充填スタートスイッチ49cを作動させた場合に、所定のアルゴリズムに従って充填用モータ部41を駆動する。このアルゴリズムは、以降の薬液投与装置1に対する薬液充填の手順において詳細に説明する。また演算部は、操作部49eでの薬液投与の開始や停止、あるいは設定されたプログラムに対応するアルゴリズムに従って、遠隔操作で内部モータ部11を駆動する。
《本体カバー1c》
図3に示す本体カバー1cは、本体部分1aに着脱自在に被せられる。この本体カバー1cの本体部分1aに向かう面には、先の本体部分1aの遊星歯車機構13において説明した停止部材13gが形成されている。このため、本体カバー1cを本体部分1aに被せた状態において、停止部材13gが遊星歯車機構13の平歯車13fにかみ合わせられ、平歯車13fを固定する構成となっている。
さらに、本体カバー1cの外装面には、シリンジ25が配置される部分に対応する透明窓51が設けられおり、この透明窓51からシリンジ25内の薬液量および気泡の有無が確認できる構成となっている。また、本体カバー1cの側周面には、次に説明するクレードル1dを止め付けるためのクレードル固定溝53が設けられている。
《クレードル1d》
図3に示すクレードル1dは、本体カバー1cが装着された本体部分1aに対して、本体カバー1cと逆側から着脱自在に装着される。クレードル1dにおいて、本体部分1aに向かう面とは逆側の面は、皮膚に対する貼合せ面となっている。
またクレードル1dの本体部分1aに向かう面には、本体部分1aとは逆側に投与針105を向けた状態で、投与針105を保持する針アダプタ107が設けられている。尚、針アダプタ107に対する投与針105の保持は自在である。
この針アダプタ107は、クレードル1dを本体部分1aに装着した状態において、先に説明した本体部分1aの投与/充填ポート31に陥入される。陥入された状態においては、シリンジ25から延設されたチューブ25aと、針アダプタ107に保持された投与針105とが連通される構成となっている。
またクレードル1dには、本体カバー1cで覆われた本体部分1aにクレードル1dを装着した状態で、本体カバー1cのクレードル固定溝53に嵌合される固定部109が設けられている。
[薬液投与装置1に対する薬液充填の手順]
以上のように構成された薬液投与装置1に対する薬液充填は、次のように行う。先ず、図5に示すように、本体部分1aに、シリンジ25、送りネジ19、保持部材25b、最終段歯車17、および押さえロッド18を含むディスポ部をセットする。この際、シリンジ25の最深部に押し子27を押し込んだ状態としておく。この状態で、本体部分1aの遊星歯車機構13に充填器1bの外部歯車45をかみ合わせ、本体部分1aと充填器1bとを連結させる。
次いで、図1および図2に示すように、薬液バイアル100から延設されたアダプタ103を本体部分1aの投与/充填ポート31に陥入させ、シリンジ25から延設されたチューブ25aと、薬液バイアル100から延設されたチューブ101とを連通させる。
この状態においては、シリンジ25におけるチューブ25aの接続部が上方向となるように本体部分1aと充填器1bとを配置することが重要である。この場合、例えば図2に示すように、薬液バイアル100の接続部側が上方向となる。この状態を保つために、連結した本体部分1aと充填器1bとを保持するためのスタンド1eを用いても良い。尚、このスタンド1eは、薬液投与装置1の構成要素として、本体部分1a、充填器1bとは別体として用意されていても良い。
以上のように本体部分1a、充填器1b、および薬液バイアル100の配置を完了させたところで、図1に示した充填器1bの制御部49での制御により、先ずオン/オフスイッチ49aによって電源を入れ、充填量入力スイッチ49bの操作により充填量を設定する。
次いで、充填スタートスイッチ49cをオンにする。これにより以下のようなアルゴリズムに従って充填用モータ部41が駆動される。
先ず、充填用モータ部41によって遊星歯車機構13を駆動させ、シリンジ25の最深部から押し子27を引き出し、薬液バイアル100からシリンジ25内に薬液Lが規定量になるまで吸引する。次いで、充填用モータ部41を逆回転させることで、押し子27をシリンジ25内の最深部にまで押し戻し、チューブ101から薬液バイアル100までの間の気泡を追い出す。その後、再度、充填用モータ部41を逆回転させることで、シリンジ25の最深部から押し子27を引き出し、シリンジ25内に設定量の薬液Lを充填する。
[薬液投与装置1による薬液投与の手順]
以上のようにして薬液が充填された薬液投与装置1による薬液投与は、次のように行う。先ず、上述の手順で薬液充填が完了した後、本体部分1aと、充填器1bおよび薬液バイアル100との連結を解除する。その後、図3に示すように、本体部分1aに、本体カバー1cを被せることにより、本体カバー1cの停止部材13gを遊星歯車機構13の平歯車13fにかみ合わせ、遊星キャリア13dを固定状態とする。
また、本体部分1aとの連結を解除した充填器1bの操作部49eで、薬液投与のプログラムを設定しておく。
また、薬液の投与部位に対して、投与針105を保持させる前のクレードル1dを貼合せる。貼合せ後、クレードル1dの針アダプタ107に投与針105を保持させることにより、薬液の投与部位に対して投与針105を穿刺する。
以上の後、クレードル1dに対して、本体カバー1cで覆われた本体部分1aを嵌合させる。
以上のようにして薬液の投与部位に対して、クレードル1dを介して本体部分1aを装着させたところで、充填器1bにおける電源のオン/オフスイッチ49aをオンにし、操作部49eを操作して、制御部49からの遠隔操作により、操作部49eで設定されたプログラムに対応するアルゴリズムに従って内部モータ部11を駆動させる。これにより、設定されたプログラムにしたがってシリンジ25の内部に押し子27を押し込み、シリンジ25に連通する投与針105から投与部位に対して薬液Lを投与する。
[薬液投与装置1の効果]
以上説明した第1実施形態の薬液投与装置1では、上述したような構成を有する遊星歯車機構13を備えている。これにより、内部モータ部11の回転速度を、遊星歯車機構13によって十分に減速した速度で送りネジ19に伝えることが可能である。一方、コントローラを兼ねた充填器1bに設けた充填用モータ部41の回転速度を、遊星歯車機構13の外歯13eを介して減速させることなく、本体部分1aの送りネジ19に伝えることが可能である。
したがって、内部モータ部11の駆動による低速での薬液投与に対して、充填用モータ部41の駆動による高速での薬液充填を行うことが可能になる。この結果、薬液の投与部位に装着される本体部分1aを大型化することなく、薬液の投与速度に対して、シリンジ25内への薬液の充填速度の高速化を図ることが可能になる。
また、充填用モータ部41を有する充填器1bを、薬液投与装置1のコントローラに設けたことにより、さらに別体として充填器1bを携帯することなく、上述した高速での薬液充填が可能となる。
≪変形例≫
[薬液投与装置の構成]
図7は第1実施形態の変形例を示す薬液投与装置1’の本体部分1a’の概略平面図である。この図に示す変形例の薬液投与装置1’が、第1実施形態の薬液投与装置と異なるところは、本体部分1a’を構成する幾つかの部材のレイアウトにあり、本体部分1a’を構成する各部材の構成は同様である。以下、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる構成要素のみを説明する。
すなわち変形例1における薬液投与装置1’の本体部分1a’は、筐体10’の隅に開口部10a’が設けられるように構成されている。ここでは、長軸平歯車15に対する遊星歯車機構13と内部モータ部11との位置関係を反転させた構成となっている。ここでは特に、シリンジ25に設けられた投与/充填用のチューブ25aの接続部が上方となるように本体部分1a’を立てて設置した場合に、本体部分1a’の下部に開口部10a’が配置されることが重要である。
この場合、図8に示すように、本体部分1a’に連結して用いられる充填器1b’においては、充填用モータ部41に対して、複数の傘型モータ43a,43bを組み合わせて用いる。これにより、本体部分1a’の遊星歯車機構13を構成する外歯13eに嵌合される最終段歯車45の向きを、充填用モータ部41の回転軸41aに対して90度傾ける。
[薬液投与装置1’に対する薬液充填/薬液投与の手順]
変形例の薬液投与装置1’に対する薬液充填の手順、および薬液投与装置1’による薬液投与の手順は、第1実施形態と同様である。
[変形例の効果]
このような変形例の構成とすることにより、第1実施形態の薬液投与装置の効果に加え、薬液充填に際して、平置きした充填器1b’を固定用のスタンドとして用いることができる。これにより別体としてスタンドを用意することなく、本体部分1a’を安定して立てた状態で保持することが可能になる。
≪第2実施形態≫
[薬液投与装置の構成]
図9は第2実施形態の薬液投与装置2における本体部分2aの概略平面図である。図9および図10は、第2実施形態の薬液投与装置2における本体部分2aの概略平面図である。図9は薬液投与時の概略平面図であり、図10は薬液充填時の概略平面図である。
これらの図に示す第2実施形態の薬液投与装置2が、第1実施形態の薬液投与装置と異なるところは、遊星歯車機構13に嵌合させる歯車201,203、送りネジ205、ナット207、および押し子209の構成にあり、他の構成要素は同様である。尚、本体部分2aのレイアウトは、第1実施形態の変形例に合わせた構成を図示しているが、本第2実施形態の構成は、第1実施形態のレイアウトであっても良い。以下、第1実施形態またはその変形例と同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略し、異なる構成要素のみを説明する。
<歯車201,203>
遊星歯車機構13にかみ合わせる歯車201,203は、遊星歯車機構13の外歯13eにかみ合わせられた中間歯車201と、この中間歯車201にかみ合わせて設けられた最終段歯車203である。これらの中間歯車201および最終段歯車203は、通常の平歯車であって良く、筐体10’内に固定して設けられている。
このうち中間歯車201は、必要に応じて設けられれば良く、さらに複数段に設けられても良い。一方、最終段歯車203は、その回転軸上に送りネジ205が固定されたものである。
<送りネジ205>
送りネジ205は、最終段歯車203の回転軸上に立設された状態で固定されている。この送りネジ205は、シリンジ25内で押し子209を摺動させるためのものである。このため、送りネジ205は、押し子209の送り速度にあわせたピッチのネジ山を有し、また押し子209の移動範囲に合わせた有効長を有する。
また送りネジ205は、ナット207に嵌合させた状態において、上述した内部モータ部11による遊星歯車機構13の駆動によりシリンジ25側に移動するように、ネジ山が形成されていることとする。このネジ山は、押し子209の送り速度にあわせたピッチを有する。また送りネジ205は、押し子209の移動範囲に合わせた有効長を有する。
<ナット207>
ナット207は、押し子209に固定された状態で送りネジ205に嵌合して設けられたものである。これにより、最終段歯車203に固定して設けた送りネジ205を回転させた場合に、送りネジ205に嵌合させたナット207が送りネジ205の延設方向に移動する。このため、ナット207に固定された押し子209がシリンジ25内において送りネジ205の延設方向に摺動し、これに伴ってシリンジ25内の容積が伸縮する。
またナット207は、送りネジ205が嵌合自在なハーフナットであることとする。また、ナット207を少なくとも2つのセグメントに分割したスプリットナットとし、各セグメントが送りネジ205を締め付けるように付勢させることとしても良い。これにより、ナット207、押し子209、およびシリンジ25が、本体部分2aから着脱自在となっている。この場合、薬液投与装置2の本体部分2aは、第1実施形態と同様に、繰り返し使用可能なリユース部と、このリユース部に対して取り外し自在としたディスポ部とに分けられる。
尚、薬液投与装置2の本体部分2aをリユース部とディスポ部とに分ける必要のない場合であれば、ナット207はハーフナットやスプリットナットとして構成することに限定されず、通常のリング状のナットであって良い。
<押し子209>
押し子209は、シリンジ25内に液密を保った状態で摺動自在に陥入され、シリンジ25内の容積を自在に調整するものである。このような押し子209は、例えばシリンジ25に陥入されるヘッド部209aと、ヘッド部209aに対して垂直に立設されたシャフト部209bとで構成されて、シャフト部209bの長さは送りネジ205の長さと同程度であることとする。
このような押し子209のヘッド部209aの外周には、気密性を確保するためのパッキンが埋め込まれている。パッキンは、シリンジ25内において押し子209を摺動させる際の平行性を保つために2重に配置されていることが好ましい。
[薬液投与装置2に対する薬液充填/薬液投与の手順]
以上のような第2実施形態の薬液投与装置2に対する薬液充填の手順、および薬液投与装置2による薬液投与の手順は、第1実施形態と同様である。
[薬液投与装置2の効果]
以上のような構成を備えた第2実施形態の薬液投与装置2であっても、第1実施形態と同様の遊星歯車機構13を備えているため、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
尚、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
1,1’,2…薬液投与装置、1a,1a’,2a,…本体部分、1b,1b’…充填器、11…内部モータ部、13…遊星歯車機構、13a…太陽歯車、13b…遊星歯車、13c…内歯車、13d…遊星キャリア、13e…外歯、13f…平歯車(固定部材)、13g…停止部材(固定部材)、15…長軸平歯車、17,203…最終段歯車、19,205…送りネジ、18…押さえロッド、21…レール、23…シリンジ、25,209…押し子、27…固定ナット、41…充填用モータ部(外部モータ部)、43…外部歯車、43a,43b…傘歯車(外部歯車)、45…最終段歯車(外部歯車)、49…制御部、207…ナット

Claims (8)

  1. 内部モータ部と、
    前記内部モータ部の回転軸に固定された減速歯車装置と、
    前記減速歯車装置に対して直接または間接的に嵌合して設けられた最終段歯車と、
    薬液を収容するシリンジ内で押し子を摺動させるためのものであって前記最終段歯車の回転軸上に設けられた送りネジと、
    前記内部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率と前記減速歯車装置に嵌合する外部モータ部の回転から前記最終段歯車の回転への減速率とを切り替える減速率切替部とを有する
    薬液投与装置。
  2. 前記減速歯車装置は、太陽歯車と、前記太陽歯車に嵌合して設けられた複数の遊星歯車と、内周に前記遊星歯車に対して嵌合する内歯を備え外周に外歯を備えた内歯車と、前記遊星歯車の回転軸に固定された遊星キャリアとを有し、前記太陽歯車が前記内部モータ部の回転軸に固定され、前記外歯が前記最終段歯車と直接または間接的に嵌合する
    請求項1に記載の薬液投与装置。
  3. 前記内歯車は、前記外歯に嵌合する前記外部モータ部によって駆動される
    請求項2に記載の薬液投与装置。
  4. 前記減速率切替部は、前記遊星キャリアを固定自在とするための固定部材である
    請求項2または3記載の薬液投与装置。
  5. 前記送りネジの軸上に、
    薬液の投与口を備えたシリンジと、
    前記シリンジ内に陥入された押し子と、
    前記押し子に固定された状態で前記送りネジに嵌合して設けられたナットとが設けられた
    請求項1に記載の薬液投与装置。
  6. 前記ナットは前記送りネジに対して取り外し自在なハーフナットまたはスプリットナットであり、
    前記シリンジおよび前記押し子は、前記ハーフナットまたはスプリットナットを介して前記内部モータ部が設けられた本体部分に対して着脱自在である
    請求項5に記載の薬液投与装置。
  7. 前記内部モータ部が設けられた本体部分とは別体とした充填器を備え、
    前記充填器は、
    前記固定部材による前記遊星キャリアの固定を解除した状態において前記内歯車に対してかみ合わせ自在な外部歯車と、
    前記内部モータ部よりも大きな出力を有し当該外部歯車を駆動するための充填用モータ部とを有する
    請求項4〜6の何れかに記載の薬液投与装置。
  8. 前記充填器は、前記充填用モータ部の駆動を制御すると共に、前記内部モータ部の駆動を遠隔で制御する制御部を有する
    請求項7に記載の薬液投与装置。
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