JP2015181800A - 流量センサ及び流量センサを備えた体外循環装置、及びその制御方法 - Google Patents

流量センサ及び流量センサを備えた体外循環装置、及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプを作動して血液循環を行う場合に、時々刻々と変化する患者の血液の特性の変化に対応して、しかもその時使用されたチューブ等に適合させて血液の流量値を正確に測定することができる流量センサとこの流量センサを使用した体外循環装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させるものであって、前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサ30を備え、前記循環回路を挟んで位置ずれした箇所に対向するように設けた超音波送信装置32,33,34,35および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置36と、制御部100とを有する構成。
【選択図】図3

Description

本発明は、血液を患者の体外へ移送して循環させる体外循環装置に関する。
例えば患者の心臓外科手術を行う場合には、体外循環装置のポンプを作動して患者の静脈(大静脈)より脱血し、人工肺により血液中のガス交換を行った後に、この血液を再び患者の動脈(大動脈)に戻す体外血液循環を行う。このような手術や治療を適切に行うためには、ポンプによる血液の流量値を正確に把握することが必要である。
特許文献1は、体外循環装置とは異なる体内埋め込み型のポンプの流量推定方法を示している。このポンプの流量推定方法では、ポンプ特性の個体差によって血液の吐出流量の推定結果の精度が劣化するのを抑制することができる。ポンプの流量推定方法の第1ステップでは、複数のポンプのそれぞれを用いて補正項を含む一般流量推定式を作成するステップ及び患者の体内に埋め込んだポンプ実機を用いて得られる測定データを補正項に代入して一般流量推定式からポンプ実機における流量推定式を作成するステップを含む。そして、第2ステップでは、患者の体内に埋め込んだポンプ実機におけるモータの回転数N及びモータの消費電流I並びに患者の血液の属性データZを測定して、ポンプ実機における流量推定式とこれらの値N,I,Zに基づいて、ポンプの流量を推定する。
このポンプの流量推定をする場合に第2ステップでは、特許文献1の段落番号0033に記載されているように、患者の血液の属性データZは、患者の血液の粘度及び密度を測定する代わりに、患者の血液のヘマトクリット値を測定して、このヘマトクリット値から換算して得られる換算粘度及び換算密度を用いてポンプの吐出流量を推定している。
特開2010−119859号公報
特許文献1に記載されているポンプの吐出流量の推定方法では、患者の体内に埋め込んだポンプ実機について、患者の血液のヘマトクリット値を測定して、このヘマトクリット値から換算して得られる換算粘度及び換算密度を用いてポンプの吐出流量を推定している。
この方法はあくまで推定手法であるため、体外循環手技のための厳密な流量管理の方法としては期待できない。
厳密な流量管理をする場合に一般的に用いられるもののひとつに超音波を用いた伝搬時間差方式の流量計があるが、超音波伝播時間差方式の流量計の中には、血液を送るチューブの外側から超音波を送信して計測する場合もあることから、測定する血液(血液)と温度のパラメータだけでなく、チューブの条件によっても精度に影響を受ける。
本発明者は、これら測定流量に関係するパラメータが、特定の校正条件から外れると、超音波の伝搬経路がずれる点に注目した。超音波の伝播経路がずれると、超音波受信装置に到達した時の超音波強度と超音波伝播時間が校正時と違うため流量測定の計算に誤差が生じるのである。
そこで、本発明は、ポンプを作動して血液循環を行う場合に、時々刻々と変化する患者の血液の特性の変化に対応して、しかもその時使用されたチューブ等に適合させて血液の流量値を正確に測定することができる流量センサとこの流量センサを使用した体外循環装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の体外循環装置は、循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置であって、前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、前記循環回路を挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置と、前記超音波送信装置と前記超音波受信装置とが接続された制御部とを有し、前記超音波送信装置からの超音波の送信角度を調整することにより、前記血液の測定流量値を精度よく計測する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、前記循環回路を挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置とを備えているので、前記角度変更装置により、前記超音波送信装置から、前記超音波受信装置への伝播経路を正しく調整して計測することができるので、流量測定精度が向上する。
好ましくは、前記超音波の送信角度に応じて前記超音波の受信装置における超音波受信強度の測定装置を有していて、該超音波受信強度が前記制御部に与えられて、該制御部によりもっとも受信強度が強い個所で、前記超音波の送信角度を決定する構成としたことを特徴とする。
上記構成によれば、前記超音波送信装置から送信角度調整しつつ送信した超音波を受信する超音波受信装置にて、前記超音波受信強度の測定装置が、実用上十分に高い受信強度を検出した時点で、前記超音波送信装置の超音波の送信角度を決定することにより、前記超音波送信装置から、前記超音波受信装置への伝播経路を正しく調整して計測することができるので、流量測定精度が向上する。
好ましくは、前記制御部が周囲温度を取得するための温度センサと、前記循環回路が弾性チューブであり、前記超音波信号検出部が、前記循環回路を挟んで径方向と斜め方向とに位置するように配置されているとともに、前記循環回路の径方向と、前記循環回路を斜めに横切る方向とに超音波を送受信する構成とされており、さらに、前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液のヘマトクリット値を測定する測定部と、前記超音波の送受信に関する時間を計測して前記制御部に伝達するタイマーとを有しており、前記超音波送信装置から前記超音波受信装置に至る超音波の進行経路が前記循環回路を斜めに横切る際に、該超音波の進行経路が、前記循環回路のチューブ材料を通過し、さらに前記循環回路の中身を通過し、再び前記循環回路のチューブ材料を通過するように異種媒体を通る際の屈折率変化による屈折角度を適切に調整するように、前記超音波送信装置の送信角度を決めることを特徴とする。
上記構成によれば、超音波信号の検出部は、超音波を送信し、さらに反射波を受信することができる。またタイマーを備えており、温度センサの値も得ることができる。このため、循環回路の径方向に超音波を送信して、循環回路内を流れる血液との境界で反射した反射波を得ることでその伝達時間を測定し、また透過波が径方向に配置されたセンサに到達するまでの時間を測定することができる。それらの時間データに基づき、循環回路を構成するチューブ厚みを求めることができる。このチューブ厚みと反射波が戻るまでの時間に基づいてチューブを伝達する際の音速を得ることができる。さらに、循環回路を流れる血液の温度情報とヘマトクリット値を測定し、血液内の音速を推定することができる。これにより、その時使われたチューブに適合させ、常に周囲温度条件下における最適な超音波の射出角度を求めることができる。
好ましくは、前記超音波の進行経路が対となる超音波の送信装置と前記超音波受信装置との距離的中間位置を通るように前記超音波送信装置の送信角度を決定することを特徴とする。
上記構成によれば、対となる超音波の送信装置と前記超音波受信装置の距離の中間位置を通るように超音波の経路を定めると、正しい流速を得ることができる。
また、本発明は、循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置の前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、
前記超音波信号の送信装置の送信角度を変化させながら、前記循環回路を挟んで設定した対となる超音波受信装置の超音波の受信強度を計測し、実用上十分な程度の受信強度と判断される個所で前記送信角度を決定する流量測定方法である。
上記構成によれば、前記角度変更装置により、前記超音波送信装置から送信する超音波の角度を振ることで、超音波が循環回路内を適切な経路で伝搬し、正しい流速を求めることができる。
好ましくは、循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置の前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、該流量センサが前記循環回路を挟んで径方向と斜め方向とに位置するように配置されて、前記循環回路の径方向と、前記循環回路を斜めに横切る方向とに、前記循環回路を流れる血液である血液の温度とヘマトクリット値とに基づいて、超音波の音速を求める音速特定工程と、前記音速特定工程の結果に基づいて、スネルの法則により、前記超音波の進行する媒体の屈折率を求める屈折率特定工程と、前記各工程により求めた屈折率に基づいて超音波を送信すべき角度を求めて、当該角度にて、超音波送信装置による超音波送信角度を決定する流量測定方法である。
上記構成によれば、既に説明した理由から、その時使われたチューブに適合させ、常に周囲温度条件下における最適な流速を求めることができる
また好ましくは、前記超音波信号の送信装置の送信角度を変化させながら、前記循環回路を挟んで設定した対となる超音波受信装置の超音波の受信強度を計測し、実用上十分な程度の受信強度と判断される個所で前記送信角度を決定する流量測定方法である。
上記構成によれば、前記超音波送信装置から送信角度調整しつつ送信した超音波を受信する超音波受信装置にて、前記超音波受信強度の測定装置が、実用上十分に高い受信強度を検出するか否かを監視するだけで、容易に正しい流速を計測することができる。
また、本発明は、血液が流される循環回路に配置されており、前記循環回路を挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置と、少なくとも前記超音波送信装置と前記超音波受信装置とが接続された制御部とを備える流量センサである。
本発明は、ポンプを作動して血液循環を行う場合に、時々刻々と変化する患者の血液の特性の変化に対応して、しかもその時使用されたチューブ等に適合させて血液の流量値を正確に測定することができる流量センサとこの流量センサを使用した体外循環装置およびその制御方法を提供することができる。
本発明の体外循環装置の実施形態を示す系統図。 流量センサの構成例を示す概略図。 流量センサの構成例を示す概略図。 血液の超音波伝播速度を算出する方法を示すフローチャート。 チューブ材料の超音波伝播速度を算出する方法を示すフローチャート。 超音波の送信角度を決める方法を示すフローチャート。 流量センサの構成例を示す概略図。 超音波の送信角度に応じて超音波受信感度の変化する様子を示すグラフ。 超音波の送信角度を決める方法を示すフローチャート。 超音波送信角度を変更する機構の別の例を示す概念図。 超音波送信角度を変更する機構の別の例を示す概念図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の体外循環装置の好ましい実施形態を示す系統図である。
図1に示す体外循環装置1が行う「体外循環」には、「体外循環動作」と、「補助循環動作」を含む。体外循環装置1は、「体外循環動作」と「補助循環動作」のいずれも行うことができる。
「体外循環動作」とは、例えば心臓外科手術によって一時的に心臓での血液循環を止めるような場合に、この体外循環装置1により血液の循環動作とこの血液に対するガス交換動作(酸素付加および/または二酸化炭素除去)を行うことである。「補助循環動作」とは、体外循環装置1の適用対象である患者Pの心臓が十分な機能を果たせない場合や肺によるガス交換が十分に行えないような状態において体外循環装置1によっても血液の循環動作とこの血液に対するガス交換動作を行うことである。
図1に示す体外循環装置1は、例えば患者の心臓外科手術を行う場合には、体外循環装置1のポンプを作動して患者の静脈(大静脈)から脱血して、人工肺により血液中のガス交換を行って血液の酸素加を行った後に、この血液を再び患者の動脈(大動脈)に戻す人工肺体外血液循環を行うことができる。この体外循環装置1は、心臓と肺の代行を行う装置である。
図1に示す体外循環装置1は、血液を循環させる循環回路1Rを有している。循環回路1Rは、人工肺2と、遠心ポンプ3と、駆動手段であるドライブモータ4と、静脈側カテーテル(脱血側カテーテル)5と、動脈側カテーテル(送血側カテーテル)6と、制御部としてのコントローラ10を有している。
図1に示すように、静脈側カテーテル(脱血側カテーテル)5は、大腿静脈より挿入され、静脈側カテーテル5の先端が右心房に留置される。動脈側カテーテル(送血側カテーテル)6は、大腿静脈より挿入される。静脈側カテーテル5は脱血チューブ11を用いて遠心ポンプ3に接続されている。脱血チューブ(脱血ラインともいう)11は、血液を送る管路である。ドライブモータ4がコントローラ10の指令SGにより遠心ポンプ3を動作すると、遠心ポンプ3は、脱血チューブ11から脱血して人工肺2に通した後に、送血チューブ12(送血ラインともいう)を介して患者Pに血液を戻すことができる。脱血液チューブ11には、例えば、遠心ポンプ3に隣接して、血液の流量測定を行うための流量測定装置20が設けられている。流量測定装置20は、後で詳しく説明する流量センサを有する。
人工肺2は、遠心ポンプ3と送血チューブ12の間に配置されている。人工肺2は、この血液に対するガス交換動作(酸素付加および/または二酸化炭素除去)を行う。人工肺2は、例えば膜型人工肺であるが、特に好ましくは中空糸膜型人工肺を用いる。この人工肺2には、酸素ガス供給部13から酸素ガスがチューブ14を通じて供給される。送血チューブ12は、人工肺2と動脈側カテーテル6を接続している管路である。脱血チューブ11と送血チューブ12は、例えば塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の透明性の高い、可撓性を有する合成樹脂製の管路が使用できる。脱血チューブ11内では、血液はV方向に流れ、送血チューブ12内では、血液はW方向に流れる。
次に、体外循環用血液学的パラメータモニタ測定セル(以下、モニタ測定セルという)70について説明する。
図1に示すこのモニタ測定セル70は、脱血チューブ11の途中において脱血チューブ11の外側に着脱可能に配置されている。モニタ測定セル70は、ディスポーザブル部品であり、脱血チューブ11の途中に配置されている。モニタ測定セル70は、血液BDに対して非接触で光学的に、酸素飽和度(%)、ヘマトクリット値(%)、そしてヘモグロビン(g/dL)の数値を測定することができるセンサユニットである。
すなわち、モニタ測定セル70は被検体から脱血された脱血チューブ11内の血液についてヘマトクリット値を測定することができる。モニタ測定セル70は時々刻々と変化する患者の血液の特性(密度)の変化に対応して、補正した血液の流量値を得ることができる。
図1に示すモニタ測定セル70の構造例を説明する。モニタ測定セル70は、光プローブ69を有し、光プローブ69は発光部71と受光部72と、マイクロコンピュータ73を有している。例えば発光部71は発光ダイオードであり、受光部72はフォトダイオードである。発光部71は、脱血チューブ11を通る血液BDに光を当てて、受光部72は、血液BDの一部分を通る光の反射を検出して、この検出信号を図1に示すマイクロコンピュータ73に送る。発光部71が放つ光パルスは、直接血液BDに当たり、その血液BD中のヘモグロビンの酸素飽和量に応じた反射強度で反射される。
図1に示すマイクロコンピュータ73は、この反射強度から、酸素飽和度(%)、ヘマトクリット値(%)、そしてヘモグロビン(g/dL)の数値を分析して、酸素飽和度(%)、ヘマトクリット値(%)を得る。
そしてこれらの数値SWは、図1に示す液晶モニタのようなモニタ装置75に表示できるようになっている。このヘマトクリット値Ht(%)は、血液中に占める血球の体積割合を示す数値である。
図1に示すモニタ装置75とモニタ測定セル70は、体外循環用血液ガス分析装置76を構成している。酸素飽和度(%)、ヘマトクリット値(%)、そしてヘモグロビン(g/dL)の数値SWは、モニタ装置76を通じて、コントローラ10の制御部100に送られる。
ここでは、モニタ測定セル70は、ヘモグロビンの酸素飽和量に応じた反射強度でヘマトクリット値を測定するようにしているが、このような手法には限られない。例えば、ヘモグロビンの酸素飽和量に応じた透過光強度や吸光度からヘマトクリット値を測定しても良い。この場合、モニタ測定セルは、脱血チューブ11を発光部と受光部とで挟み込む構造である(図示せず)。
また、モニタ測定セルには、循環回路1Rを流れる血液の温度を検出する温度センサ17が設けられている。
ところで、図1に示す流量測定装置20は、上述したように超音波伝搬時間差方式の血液の流量計として用いる場合に、脱血チューブ11内を通る血液BDの特性(密度)が変化すると、血液の測定流量値に測定誤差が生じる。体外循環装置1では、脱血チューブ11内の血液BDの流量を測定する場合に、患者によっては血液BDの密度は異なっている。しかも、例えば体外血液循環手術中に血液が生理食塩水と混ざると、循環される血液BDが薄くなり、体外血液循環手術中では、患者の血液の密度は時々刻々と異なる。
この血液BDの密度(特性)は、このように、時々刻々と変化していることから、脱血チューブ11内を流れる血液BDのヘマトクリット値が大きいと(血液の密度が高いと)、超音波の往きと戻りにおける血液を伝搬する時間差が小さくなり、流量測定装置20により測定される血液の流量値が、実際の血液の流量値に比べて、小さくなってしまう。逆に、脱血チューブ11内を流れる血液BDのヘマトクリット値が小さいと(血液の密度が低いと)、超音波の往きと戻りにおける血液を伝搬する時間差が大きくなり、流量測定装置20により測定される血液の流量値が、実際の血液の流量値に比べて、大きくなってしまう。
血液BDの密度と、上述した血液BDのヘマトクリット値との関係には、相関性がある。このために、実施形態の体外循環装置1では、図1に示す体外循環用血液ガス分析装置76のモニタ測定セル70は、脱血チューブ11内を流れる血液BDのヘマトクリット値を常時測定している。このヘマトクリット値の測定結果は、マイクロコンピュータ73から、モニタ装置75を通じて、制御部100に常時フィードバックされる。脱血チューブ11内を流れる血液BDのヘマトクリット値Htは、例えば体外循環前、体外循環5分後、体外循環離脱時では、大きく変化をすることが既に分かっている。そして、制御部100は、流量測定装置20により測定された脱血チューブ11内を流れる血液BDの測定流量値(吐出流量値)を、後で説明する方式で補正して、補正した流量値を得るようになっている。
ここで、血液などの流体の流量と、環境変化、超音波の強度の変化について一例をあげて、簡単に説明する。モータの基準流量が4リットル/分とする。
環境温度が40℃、流体が5%食塩水である時、後述する流量センサにおける超音波強度が227、流量値3601(「ミリリットル/分」、以下流量値は同じ。)である。
これに対して、環境温度が15℃、流体が水である時、後述する流量センサにおける超音波強度が246、流量値4148である。
すなわち、図1に示す脱血チューブ11内に流れる血液BDの吐出流量値を流量測定装置20で測定すると、血液BDの測定流量値が得られるが、この得られた血液BDの測定流量値を、モニタ測定セル70により常時測定されているヘマトクリット値Htにより補正して、次に示す補正した流量値Flow_Cを得るようになっている。
この補正した流量値Flow_Cは、次式の換算式で得ることができる。なお、この換算式は、異なる温度についてそれぞれ得られる。この換算式は、血液の測定流量値とヘマトクリット値との関係から補正した血液の流量値を得ることができる。

Flow_C=Flow_M*(1+(Ht_B−Ht_M)*A))・・・換算式

上記式において、補正した流量値:Flow_C、測定流量値:Flow_M、測定ヘマトクリット値:Ht_M、基準ヘマトクリット値:Ht_B、傾き:A(変化率)である。
図1に示す制御部100が、血液の温度毎の換算式を記憶している。
図1に示す本発明の第1実施形態の体外循環装置1では、コントローラ10の制御部100が、血液の複数の温度にそれぞれ対応する上述した複数の換算式を予め記憶している制御部100は、例えばすでに説明したように、液温が実際に手術を行う場合の想定される最低の温度を15℃とし、想定される最高の温度を40℃として、その間を任意の温度間隔で設定された複数の換算式を記憶している。
図1に示す体外循環装置1の循環回路1Rを用いて、例えば患者の心臓外科手術を行う場合には、ドライブモータ4がコントローラ10の指令SGにより遠心ポンプ3を動作すると、遠心ポンプ3は、脱血チューブ11から脱血して人工肺2に通して血液中のガス交換を行って血液の酸素化を行った後に、送血チューブ12(送血ラインともいう)を介して患者Pに血液を戻す。
この際に、脱血チューブ11内を流れる血液BDのヘマトクリット値Htは、例えば体外循環前、体外循環5分後、体外循環離脱時では、大きく変化し、例えば、手術中に用いられる生理食塩水により小さくなることがある。
そこで、図1に示す体外循環用血液ガス分析装置76のモニタ測定セル70は、ヘマトクリット値を常時測定して更新しており、体外循環用血液ガス分析装置76のモニタ装置75は測定値として、更新後の新しいヘマトクリット値を、制御部100にフィードバックする。そして、制御部100は、ヘマトクリット値の測定結果と、その時の血液BDの温度から、制御部100は、温度毎に上記複数の換算式から、脱血チューブ11内を流れる血液BDの温度に該当する温度の換算式を選んで計算する。これにより、制御部100は、流量測定装置20により測定された脱血チューブ11内を流れる血液BDの測定流量値(吐出流量値)を、常時補正して、補正された血液の流量値を得ることができる。
しかしながら、このような校正を仮に行ったとしても、この校正におけるパラメータがずれる場合には、後述する超音波の伝搬経路がずれると超音波送信装置からの超音波が、受信すべき超音波受信装置の位置からずれてしまうと、流量が測れないまたは正しい流量が得られない。
したがって、本実施例は、上述のような校正を行い、これに加え以下に説明する手法を実施する。
図1の循環回路1Rを挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置(後述)から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、超音波送信装置の超音波の送信角度を変更する角度変更装置と、超音波送信装置と超音波受信装置とが接続された制御部100とを有し、超音波送信装置からの超音波の送信角度を調整することにより、前記血液の測定流量値を精度よく計測する構成を採用する。
(第1の実施形態)
次にこのような手法を実現するための第1の実施形態に用いる流量センサの構造を説明し、流量測定の制御方法を説明する。
図2は、流量センサ30の概略構成を示す断面図である。
流量センサ30は、流量測定装置20内に設けられており、各構成要素はコントローラ100の制御部10に接続されている。
循環回路1Rは、既に説明したように、例えば塩化ビニル樹脂やシリコーンゴム等の透明性の高い、可撓性を有する合成樹脂製の管路が選択される。この場合、チューブは都度選択されるので、その超音波伝達特性や、特にチューブ厚みM1は異なる。
循環回路1Rの外側には、超音波受送信装置としての超音波素子32,33,34,35が配置されている。超音波素子32,34がチューブを挟んで対向しており、循環回路1Rを挟んでずれた位置に別の対となって対向している超音波素子33,35が配置されている。これらは皆同じ構造である。
そこで、超音波素子32を代表させて説明する。
超音波素子32は、好ましくは、圧電振動子でなり、実際には、図示するような大きな面状のヘッド部ではなく、より小さな点状のものが実用的であるが、理解の便宜のため台形に記載してある。超音波の受送信を行うヘッド部先端には、好ましくは、弾性体等による音響レンズ32aが配置されており、送信する超音波をその伝播路に沿って集束できるようにし、より伝播路に指向性を付与できるようになっている。
超音波素子32を構成する圧電振動子はコントローラ10を介して、制御部10により、駆動電圧を与えられることにより一定周波数、例えば1.8MHz(メガヘルツ)で励振され、これに応じた超音波を送信することができる。なお、周波数は循環回路1Rの構造や材質等に適する種類の圧電材料による素子を選択することで適宜変更してかまわない。
超音波素子32は、超音波を送信できるだけでなく、受信した超音波により励振され、電気信号に変換されることにより受信信号を生じる。
また、この実施例では超音波素子の一部または全部が角度変更機構36を備えている。
図2の場合、全ての超音波素子に角度変更機構36が付されているが、この実施例の作用を発揮するためには、少なくとも超音波素子の斜め方向の対となるもの、すなわち超音波素子32と35には矢印P方向に回動されるための角度変更機構36が設けられており、送信する超音波の方向を角度変更できるようになっている。この角度変更機構36は、P方向への回動を可能とするように正逆に回転可能なモータを有する。また、モータの回転を制御するモータ制御部(不図示)は、流量測定装置20内に構成され、コントローラ100の制御部10と電気的に接続されていてもよく、無線により通信可能としてもかまわない。なお、コントローラ100の制御部10が直接モータを制御してもよい。すなわち、制御部10はモータ制御部の機能を有し、この場合、モータ制御部は流量測定装置20内に構成されていないこととなる。
さらに、対角方向の付いてなる超音波素子32と35は同期して回動するようにして、超音波の送信角度と受信角度を一致させるようにすると好ましい。
流量センサ30は以上のように構成されており、次に図2の流量センサ30を用いた流量測定方法の一例を説明する。
この場合対となる超音波素子の一方から他方の超音波素子に超音波を送信し、受信させようとしても、チューブ自体と該チューブを流れる血液とは別の物であり、物性が異なるので、これらの境界で超音波の経路が屈折する。
このことを考慮して、超音波を送信する超音波素子の送信角度を適切に定めないと、他方の超音波素子に正しく受信するような伝播経路を決めることはできない。
そこで、以下のようにしてその送信角度を定める。
図3と合わせて、図4ないし図6フローチャートを参照する。
図4は循環回路R1を流れる血液に応じた超音波の伝搬速度を求める方法に関するものであり、図5は循環回路1Rを構成するチューブの超音波伝播速度を求める方法に関するものである。これらは別々に行われるものであり、それぞれの工程の実行に前後の決まりはない。しかし、図4と図5の各工程の結果をもって、図6の超音波送信角度の決定が行われる。
図4において、先ず図1の温度センサ17から血液の温度測定値を得る(ST1)。次にモニタ測定セル70により、ヘマトクリット値Htを取得する(ST2)。なお、この際に既述の換算式等により(※)血液の超音波伝播速度V2を得ておく。これは図3の循環回路R1の直径Mのうち各M2の部分の伝播速度である。
なお、変換式ではなく、温度、ヘマトクリット値Htの条件等から予め用意したテーブルデータ等を利用して血液の超音波伝播速度をV2を得てもよい。
次に図5を参照する。
流量センサ30による超音波(反射波)の伝搬時間を測定する(ST11)。
これは次の手順による。
図2において、チューブを伝播する超音波の伝播速度を正確に知るには、チューブ厚M1を知る必要がある。チューブは都度取り替えて使用される場合を考慮したものである。
まず、超音波素子32から垂直に下方に向けて超音波を送信しP1の経路で超音波素子34に受信させる。受信した超音波は反射波として超音波素子34により垂直に上方に反射され、P2の経路で超音波素子32に受信される。この間の時間は図1のタイマー17により計測される。
図2および図5において、このタイマー17により計測された時間をSとして、チューブの厚みの距離M1を超音波が通るのに要する時間をS1とする。超音波が血液を通過する(チューブ内径を通過する)のに要する時間S2は、M2を超音波が伝播する速度がVとして既知であることから直ぐに求められる。
すなわち、この血液を通過するのに要する時間S2=S−S1である。
また、チューブ内径M2=V×S2である。
これらの関係から、チューブの厚みM1を求めると、
M1=(M−M2)/2
である。
次に、S1=(S−S2)/2であり、M1/S1により、チューブの超音波伝播速度V2が算出される(ST12)。
次に、図3および図6を参照する。
超音波素子32をP1方向に回転させる(同時に超音波素子35を同期して同じだけP2方向に回転させる)上で回転角が仮想の垂線Zからθ1だけ回転させる場合の角度を求める。
スネルの法則は、sinθ1/sinθ2=V2/V
であることから、この斜め傾斜線L1と仮想の垂線Zでそれぞれチューブ内とチューブ厚みないで作る直角三角形から、θ1、θ2が求められる。(ST21)。
そこで、図3において超音波素子32をP1方向に仮想の垂線Zに対してθ1回転させることにより、超音波の伝播経路L1は、超音波素子32と35の中点を通り、超音波素子35から位置ずれを生じることなく受信される(ST22)。
なお、理解の便宜のため、図3では、回動後の超音波素子32,35のヘッド部はチューブから離れているが、既に説明したように、付勢手段32bにより、回動位置に係らず超音波素子のヘッド部はチューブに密着されている。
以上により、本実施形態によれば、ポンプを作動して血液循環を行う場合に、時々刻々と変化する患者の血液の特性の変化に対応して、しかもその時使用されたチューブ等に適合させて血液の流量値を正確に測定することができる。
なお、以上の手法をとる場合、超音波素子33は省略することができる。
また、以上の結果を超音波素子33と34,35を用いて行い、両者の結果を平均することで、微細な補正をしてもよい。
なお、以上の説明は、チューブ内の血液の流速は均一であることを前提として、チューブ内の径方向の位置における流速変化を考慮しない場合の手法である。そこで、より正確を期するには、例えば、血液を通す際には、粘性血液の時のハーゲンポアズイユ流を考慮し、管路の中心付近で流れが速く、管壁に近づく程流速が遅くなることに鑑みて、チューブ内の位置による流速分布を予め算出して、その算出結果に基づいて、超音波送信角度を補正すると、より正確な計測が可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、超音波素子の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する構成については同じ符号を付して重複する説明を省略し、以下相違点を中心に説明する。
図8は超音波受信感度を計測したグラフであり、図9は第2の実施形態の計測方法を示すフローチャートである。
図7において、この流量センサ41では、対角方向にチューブを挟む一対の超音波素子32と35だけあれば超音波の送信角度を決めることができる。
まず超音波素子32から超音波を送信する。その状態で超音波素子32を矢印P1方向に回動機構36で回動させる(ST21)。この時、超音波素子35も同期してP2方向に回動される。
この動作中に、制御部100は、超音波素子35の超音波受信状態をモニタする。
図9において、超音波素子35の受信感度はグラフに示すように、超音波受信感度はK1に示すように次第に高くなり、KPの箇所にて、最も高くなって、その後K2に示すように下がっていく。
従って制御部は図9のグラフを参照しながら、例えば、その値を微分し頂点KPにいたり微分値がマイナスに転じた瞬間に超音波素子32の回動を停止し、角度θ1を得る。図8の場合は、θ1が45度の場合を例示しているが、角度は45に限られるものではない。
超音波素子32は、角度θで超音波を送信した時に、超音波の伝播経路はL2となり、同期して対向した超音波素子35に位置ずれすることなく、正確に受信されることになる。
むしろ、図9のKPの箇所を発見することが重要であり、この箇所で超音波の送信角度θ1を決定するのである。
本実施形態は以上のように構成されており、第1の実施形態と同じ作用効果を発揮することができ、当該作用効果をより簡便な手法により、得ることができる。
(変形例)
図10および図11は主に第2の実施形態の変形例であり、超音波素子32を別の構成を示したものである。
この場合、超音波素子自体を回動することなく、特定角度で超音波を「送信できる構成例である。
図11に示すように、超音波素子は小型の圧電発振器等で構成した素子を32−1,32−2,32−3・・・・・のようにチューブの長さ方向に沿って複数もしくは多数配置する。これら超音波素子は送信する超音波を集束することなく、拡散状態で送信するようにする点が重要である。
そして、各超音波素子32−1,32−2,32−3・・・・・には、図10に示すように、その駆動電圧を位相をずらして、各素子に、順番に印加するようになっている。
これにより、超音波は拡散ビームとして図11の左から順番に送信され、超音波の前縁の破面が到達する位置は左が早く、右へ行くほど遅れ、その瞬間で見ると、右に行くほど各超音波素子からの超音波の前縁の破面は遅く、小さくなる。
これにより、全体として、超音波の強度高い箇所が、仮想の垂線Zに対して角度θ5に沿って進むことになる。
この仕組みを利用して、図10に示した各超音波素子32−1,32−2,32−3・・・・・に印加する駆動電圧のピークの間隔を変更し、間隔を短くしたり、早くすることで、角度θを振ることができ、図8を見ながら、駆動電圧の印加のタイミングを変えることで、ピークKPの超音波を送信することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
1・・・体外循環装置、1R・・・循環回路、2・・・人工肺、3・・・遠心ポンプ、4・・・ドライブモータ、5・・・静脈側カテーテル(脱血側カテーテル)、6・・・動脈側カテーテル(送血側カテーテル)、10・・・制御部としてのコントローラ、20・・・流量測定装置、30,31・・・流量センサ、32,33,34,35・・・超音波素子

Claims (7)

  1. 循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置であって、
    前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、
    前記流量センサ内部に、前記循環回路を挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、
    前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置と、
    前記超音波送信装置と前記超音波受信装置とが接続された制御部と
    を有し、
    前記超音波送信装置からの超音波の送信角度を調整することにより、前記血液の測定流量値を精度よく計測する構成とした
    ことを特徴とする体外循環装置。
  2. 前記超音波の送信角度に応じて前記超音波の受信装置における超音波受信強度を測定する装置を有していて、該超音波受信強度が前記制御部に与えられて、該制御部によりもっとも受信強度が強い個所で、前記超音波の送信角度を決定する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の体外循環装置。
  3. 前記制御部が周囲温度を取得するための温度センサと、
    前記循環回路が弾性チューブであり、前記超音波信号検出部が、前記循環回路を挟んで径方向と斜め方向とに位置するように配置されて、前記循環回路の径方向と、前記循環回路を斜めに横切る方向とに、超音波を送受信する構成とされており、
    さらに、前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液のヘマトクリット値を測定する測定部と、
    前記超音波の送受信に関する時間を計測して前記制御部に伝達するタイマーと
    を有しており、
    前記超音波送信装置から前記超音波受信装置に至る超音波の進行経路が前記循環回路を斜めに横切る際に、該超音波の進行経路が、前記循環回路のチューブ材料を通過し、さらに前記循環回路の中身を通過し、再び前記循環回路のチューブ材料を通過するように異種媒体を通る際の屈折率変化による屈折角度を適切に調整するように、前記超音波送信装置の送信角度を決めることを特徴とする請求項1に記載の体外循環装置。
  4. 前記超音波の進行経路が対となる超音波の送信装置と前記超音波受信装置との距離的中間位置を通るように前記超音波送信装置の送信角度を決定することを特徴とする請求項3に記載の体外循環装置。
  5. 循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置の前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、
    前記超音波信号の送信装置の送信角度を変化させながら、前記循環回路を挟んで設定した対となる超音波受信装置の超音波の受信強度を計測し、実用上十分な程度の受信強度と判断される個所で前記送信角度を決定することを特徴とする流量測定方法。
  6. 循環回路に配置されたポンプを用いて、患者の血液を前記患者の体外で循環させる体外循環装置の前記循環回路に配置されて、前記循環回路を通る前記血液の測定流量値を超音波信号を利用して得る流量センサを備えており、
    該流量センサが前記循環回路を挟んで径方向と斜め方向とに位置するように配置されて、前記循環回路の径方向と、前記循環回路を斜めに横切る方向とに、超音波を送受信する構成の超音波信号検出部を備えており、
    前記循環回路を流れる血液である血液の温度とヘマトクリット値とに基づいて、超音波の音速を求める音速特定工程と、
    前記音速特定工程の結果に基づいて、スネルの法則により、前記超音波の進行する媒体の屈折率を求める屈折率特定工程と、
    前記各工程により求めた屈折率に基づいて超音波を送信すべき角度を求めて、当該角度にて、超音波送信装置による超音波送信角度を決定することを特徴とする請求項5に記載の流量測定方法。
  7. 血液が流される循環回路に配置されており、
    前記循環回路を挟んで位置ずれした個所で対向するように設けた超音波送信装置および該超音波送信装置から送信した超音波を受信する超音波受信装置と、
    前記超音波送信装置の前記超音波の送信角度を変更する角度変更装置と、
    少なくとも前記超音波送信装置と前記超音波受信装置とが接続された制御部と
    を備えることを特徴とする流量センサ。
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