JP2015181347A - 神経細胞の培養方法及び移植用モジュール - Google Patents

神経細胞の培養方法及び移植用モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】神経細胞を所定の方向に成長させる神経細胞の培養方法を提供すること。
【解決手段】培養基材上に、神経細胞と、前記神経細胞の神経突起の伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する工程と、配置された前記神経細胞を培養する培養工程と、を有する、神経細胞の培養方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、神経細胞の培養方法及び移植用モジュールに関する。
近年、再生医療等の医療分野において、細胞培養の培養及び成長に関する研究開発が進められている。特に、神経細胞については、パーキンソン病、アルツハイマー病等の治療を目的とした、損傷した神経の治療や、神経の自己組織性を利用した神経回路の形成等の研究開発が広く進められている(例えば、特許文献1)。
神経細胞は、細胞体と、この細胞体から他の神経細胞へと伸びる神経突起を含む。また、神経突起は、樹状突起及び軸索を含み、樹状突起は、外部からの刺激を受けて、軸索を介して、他の細胞に神経伝達物質を放出する。
特開2006−223197号公報
神経細胞が損傷して断絶した場合、上述の機能が失われるため、障害を引き起こす可能性がある。そのため、神経細胞を所定の方向に成長させて、損傷箇所を回復させることが必要となる。
損傷箇所の回復には、神経細胞移植による接続が行われるが、各々の神経細胞の成長は不規則であるため、神経細胞を所定の方向に成長させる技術の開発が求められている。
上記課題に対して、神経細胞を所定の方向に成長させる神経細胞の培養方法を提供する。
培養基材上に、神経細胞と、前記神経細胞の神経突起の伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する工程と、
配置された前記神経細胞を培養する培養工程と、
を有する、
神経細胞の培養方法。
神経細胞を所定の方向に成長させる神経細胞の培養方法を提供できる。
本実施形態に係る神経細胞の培養方法のフロー図の一例である。 第1の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図である。 本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の一例を説明するための概略図を示す。 第2の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図である。 第2の実施形態に係る神経細胞の培養方法の他の例を説明するための概略図である。 第3の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図である。 本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の他の例を説明するための概略図である。 本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真の一例である。 本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真及び蛍光顕微鏡写真の他の例である。 本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真及び蛍光顕微鏡写真の他の例である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において、同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、同一図面における各々の構成要素は、説明のために、異なる縮尺を使用していることがある。
(神経細胞)
先ず、本実施形態において培養可能な神経細胞について、説明する。本実施形態において、培養対象の神経細胞は、シャーレ等の神経細胞培養基材上で培養できるものであれば、特に限定されるものではなく、公知の神経細胞を選択することができる。
例えば、ヒトを対象とした医療分野に適用する場合には、主にヒト由来の神経細胞を培養対象の神経細胞として選択することができ、より具体的には、神経損傷の患者の患部に適応する組織由来の神経細胞を選択することができ、例えばヒトの口腔粘膜細胞を好ましく使用することができる。しかしながら、各種ニューロデバイス等の、ヒトを対象としない用途に使用する場合には、種々の動物種及び組織由来の神経細胞を選択しても良い。
また、神経細胞は、生体組織から単離したものを使用しても良いし、幹細胞から神経細胞に分化誘導したものであっても良いし、これらを継代培養したものを使用しても良い。
(神経細胞の培養条件)
次に、本実施形態の神経細胞の培養条件について、説明する。本実施形態において、神経細胞の培養条件は、使用する神経細胞に対応する公知の培養条件の中から、当業者が適宜適切な条件を選択することができる。
使用する培地としては、特に限定されず、神経細胞の培養に使用される公知の培養用培地を使用することができる。また、培地は、胎児ウシ血清(FBS)、新生仔ウシ血清、ウマ血清等の血清を含んでいても良い。
細胞の培養における、インキュベータとしては、培地中の二酸化炭素(CO)濃度を所定の値に維持するために、神経細胞における一般的な細胞培養に使用するものと同様のCOインキュベータを使用することができる。一般的には、CO濃度が5%〜10%、温度が28℃〜37℃、相対湿度80%程度の培養条件で培養される。また、培地中の酸素(O)濃度を所定の値に維持するために、Oインキュベータを使用しても良い。
また、神経細胞の培養において、神経細胞から分泌される神経成長因子(以下、Neuro Growth Factor:NGFと呼ぶことがある)を培地中に添加することが好ましい。
神経細胞は、神経細胞培養基材上に播種され、COインキュベータ内で所定期間静置されることで培養される。神経細胞の定着後は、所定の期間毎に培地を交換しても良い。交換培地としては、血清培地でも良いし、無血清培地でも良いし、サイトカイン等を添加した添加培地でも良い。
培養基材としては、特に制限はなく、例えばシャーレ等のプラスチックの培養器皿又は時計皿等の従来の培養基材を使用することができる。
(神経細胞の培養方法)
図1に、本実施形態に係る神経細胞の培養方法のフロー図の一例を示す。
図1に示されるように、本実施形態に係る神経細胞の培養方法は、
培養基材上に神経細胞と、前記神経細胞の伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する工程(S1000)と、
配置された前記神経細胞を培養する培養工程(S2000)と、
を有する。
ガイド部材の種々の実施形態について、下記に詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図2に、第1の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図を示す。
図2に示されるように、本実施形態においては、培養基材100上に、ナノファイバ102と、このナノファイバ102の近傍に神経細胞104とが配置される。この状態で、神経細胞104を培養することで、神経細胞104の神経突起106は、ナノファイバ102の伸長方向(軸方向)に沿って成長する。即ち、ナノファイバ102の伸長方向を制御することにより、神経細胞104を所望の方向に伸長させることができる。この際、ナノファイバ102は、神経突起106の成長をガイドするガイド部材としての役割を果たす。
ナノファイバ102は、図2では1つだけ示されているが、本発明はこの点において限定されず、一般的には、2以上のナノファイバ102が配置される。また、本明細書における図面において、神経細胞は概略的に示されており、本発明はこの点において限定されない。
ナノファイバ102の材料としては、生体親和性を有していれば、特に制限はなく、無機材料、有機材料及び/又は無機有機複合材料のナノファイバを使用することができる。無機材料としては、例えば、カーボンナノファイバ等の材料を使用することができる。また、有機材料としては、例えば、セルロース系又は合成高分子系のナノファイバを使用することができる。
ナノファイバ102の径としては、特に制限はなく、通常の市販のナノファイバを使用することができる。
第1の実施形態に係る神経細胞の培養方法では、上述した培養条件において、約3mm/日のオーダで神経細胞104がナノファイバ102の伸長方向に沿って成長することが確認されている。
ナノファイバ102及び神経細胞104は、神経細胞損傷箇所に適用して損傷箇所を修復する移植用モジュール112aとして使用することができる。
図3に、本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の一例を説明するための概略図を示す。
本実施形態においては、例えば、損傷箇所108を有する脊髄110に、移植用モジュール112aを適用する実施形態について説明するが、本発明はこの点において限定されない。
損傷箇所108は、神経細胞が損傷して断絶した領域、箇所を意味する。この損傷箇所108に、好ましくは複数整列されたナノファイバ102及び培養した神経細胞104を含む移植用モジュール112aを、移植する。神経細胞104は、損傷箇所108の損傷長さLに応じて、前述した培養方法によって所定の長さに培養したものを使用することが好ましい。なお、ナノファイバ102は、生体親和性を有する材料で形成されている。そのため、ナノファイバ102及び神経細胞104を含む移植用モジュール112aを、直接、損傷箇所108に移植することが可能である。
この際、移植用モジュール112aを損傷箇所108に支持する、支持部材110を配置しても良い。支持部材110としては、生体親和性を有すると共に、ナノファイバ102及び神経細胞104を損傷箇所108に保持することができれば、特に限定されない。
ナノファイバ102によって、移植される神経細胞104は、所定の方向に成長しやすい状態となっている又は所定の方向に成長している。この移植用モジュール112aを移植することにより、脊髄110における、損傷箇所108を介して対向する2つの端面110a、110bに位置される図示しない神経細胞同士が、移植された神経細胞104を介して接続される可能性を高くすることができる。即ち、損傷箇所108の修復を、容易に実現することができる。
移植用モジュール112aは、1又は2つ以上の電極を有することが好ましい。電極を移植箇所、即ち損傷箇所108に、好ましくは複数の電極を損傷箇所108の中心に対して放射状に配置する。そして、神経活動電位の変化を測定することにより、神経細胞がどのように細胞活動しているかを調べることができる。さらにこの場合、損傷箇所108に対応する筋肉表面に、皮下埋め込み型電極を配置することが好ましい。損傷個所108に配置した電極の生体電位と、損傷個所108に対応する筋肉表面に配置した皮下埋め込み型電極の生体電位との比較から、神経伝達信号の伝達具合、つまりは損傷箇所108の修復度合いを推定することができる。また、これらの電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。
また、電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。外部からの電気刺激に対して反射した活動電位を計測することにより、神経細胞の細胞活動を更に詳細にモニタすることができる。さらに、モニタリングした活動電位と細胞活動との関係から、電気刺激の刺激頻度を制御することにより、神経細胞の伸長の指向性を制御することも可能である。
例えば、矩形波電流によって電気刺激を入力する場合の電流強度、パルス持続時間及び波形の傾きは、神経線維を興奮させることができれば、特に限定されない。また、通電方式は、単極通電法であっても、双極通電法であっても良い。
移植用モジュール112aを移植した後は、パイプ等の流路を介して、移植用モジュール112aに、NGF、O又はCO等を含む培地を、ポンプ等を用いて供給することが好ましい。これにより、移植用モジュール112aは、前述した培養条件と同様の、細胞が生物体の中で生存可能な環境と近い条件で培養される。そのため、神経細胞104の成長が更に促進されるため、より高い確率で損傷箇所108を修復することができる。
移植用モジュール112a及び後述する移植用モジュール112b、112cは、冷凍保存によるストックが可能である。この場合、必要な時に移植用モジュールを解凍して使用することができる。
以上、第1の実施形態に係る神経細胞の培養方法では、神経細胞104のガイド部材として、ナノファイバ102を使用する。神経細胞104はナノファイバ102の伸長方向に沿って成長するため、所望の伸長方向にナノファイバ102を配置することで、所望の方向に神経細胞104を成長させることができる。
[第2の実施形態]
図4に、第2の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図を示す。
図4に示されるように、第2の実施形態においては、培養基材100上に、中空ナノファイバ114と、神経細胞104とが配置される。この際、神経細胞104は、中空ナノファイバ114の入口付近又は内部に配置される。この状態で、神経細胞104を培養することで、神経細胞104の神経突起106は、中空ナノファイバ114の伸長方向に沿って成長する。即ち、中空ナノファイバ114の伸長方向を制御することにより、神経細胞104を所望の方向に伸長させることができる。この際、中空ナノファイバ114は、神経突起106の成長をガイドするガイド部材としての役割を果たす。
本実施形態の中空ナノファイバ114は、図4では1つだけ示されているが、本発明はこの点において限定されず、一般的には、2以上の中空ナノファイバ114が配置される。また、1つの中空ナノファイバ114には、1つの神経細胞104が配置されても良いし、2つ以上の神経細胞104が配置されていても良い。
中空ナノファイバ114の直径は、神経細胞104を内部に配置することができれば特に限定されないが、10μm〜100μmとすることが好ましい。
中空ナノファイバ114の材料としては、第1のナノファイバ102の材料と同様に、生体親和性を有していれば、特に制限はなく、無機材料、有機材料及び/又は有機無機複合材料の中空ナノファイバを使用することができる。無機材料としては、例えば、カーボン製の中空ナノファイバを使用することができる。有機材料としては、例えば、セルロース系の中空ナノファイバ又は合成高分子系の中空ナノファイバを使用することができる。
図5に、第2の実施形態に係る神経細胞の培養方法の他の例を説明するための概略図を示す。
図5に示されるように、第2の実施形態の変形例においては、培養基材100上に、外表面から内表面へと連通する微小なホール116を有する中空ナノファイバ114と、神経細胞104とが配置される。
この第2の実施形態の変形例では、中空ナノファイバ114は微小なホール116を有するため、成長の過程で中空ナノファイバ114の内表面に到達した神経突起106は、ホール116を介して中空ナノファイバ114の外表面へと出る。外表面114に出た神経突起106は、この外表面114に沿って、即ち、中空ナノファイバ114の伸長方向に沿って、更に成長する。
ホール116の径としては、神経突起106が通過することができれば、特に制限されない。
第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例に係る神経細胞の培養方法では、上述した培養条件において、約3mm/日のオーダで神経細胞104が中空ナノファイバ114の伸長方向に沿って成長することが確認されている。
第2の実施形態及び第2の実施形態の変形例においても、中空ナノファイバ114及び神経細胞104は、移植用モジュール112b、112b'として、これを損傷箇所108に移植することで、容易に損傷箇所108の修復を実現することができる。
移植用モジュール112b、112b'は、移植用モジュール112aと同様に、1又は2つ以上の電極を有することが好ましい。電極を移植箇所、即ち損傷箇所108に、好ましくは複数の電極を損傷箇所108の中心に対して放射状に配置する。そして、神経活動電位の変化を測定することにより、神経細胞がどのように細胞活動しているかを調べることができる。さらにこの場合においても、損傷箇所108に対応する筋肉表面に、皮下埋め込み型電極を配置することが好ましい。損傷個所108に配置した電極の生体電位と、損傷個所108に対応する筋肉表面に配置した皮下埋め込み型電極の生体電位との比較から、神経伝達信号の伝達具合、つまりは損傷箇所108の修復度合いを推定することができる。また、これらの電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。
以上、第2の実施形態に係る神経細胞の培養方法では、神経細胞104のガイド部材として、中空ナノファイバ114を使用する。神経細胞104は中空ナノファイバ114の伸長方向に沿って成長するため、所望の伸長方向で中空ナノファイバ114を配置することで、所望の方向に神経細胞104を成長させることができる。
[第3の実施形態]
図6に、第3の実施形態に係る神経細胞の培養方法の一例を説明するための概略図を示す。
図6に示されるように、第3の実施形態においては、培養基材100上に、雲状(クラウド状)に形成されたナノファイバ118と、神経細胞104とが配置される。本実施形態において、「クラウド状に形成されたナノファイバ」とは、1つ又は2つ以上のナノファイバが、規則的又は不規則的に伸長することによって形成されたナノファイバ又はナノファイバ群のことを指す。
クラウド状に形成されたナノファイバ118を利用することで、神経細胞104の神経突起106を、規則的又は不規則的に伸長するナノファイバ118の伸長方向に対応して成長させることができる。
即ち、第3の実施形態に係るクラウド状に形成されたナノファイバ118は、神経突起106の成長を、第1及び第2の実施形態と比較して、自由度を有して所定の方向性に成長させるガイド部材としての役割を果たす。
ナノファイバ118の材料としては、他の実施形態と同様に、生体親和性を有していれば、特に制限はなく、無機材料、有機材料及び/又は無機有機複合材料のナノファイバを使用することができる。無機材料としては、例えば、カーボンナノファイバ等の材料を使用することができる。また、有機材料としては、例えば、セルロース系又は合成高分子系のナノファイバを使用することができる。
第3の実施形態に係る神経細胞の培養方法においても、上述した培養条件において、約3mm/日のオーダで神経細胞104がナノファイバ118の伸長方向に沿って成長することが確認されている。
クラウド状に形成されたナノファイバ118及び神経細胞104は、第1及び第2の実施形態と同様に、神経細胞損傷箇所に適用して損傷箇所を修復する移植用モジュール112cとして使用することができる。
図7(a)に、本実施形態に係る培養方法によって培養された神経細胞を、神経細胞損傷箇所に適用する方法の他の例を説明するための概略図を示す。また、図7(b)に、第3の実施形態に係るクラウド状に形成されたナノファイバを含む移植用モジュールの一例の光学顕微鏡写真を示す。
本実施形態においては、損傷箇所120を有する脳神経122に、培養された神経細胞を適用する実施形態について説明するが、本発明はこの点において限定されない。
本実施形態において、損傷箇所120は、図7に示されるように、脳梗塞等によって形成された脳神経内の穴の領域、箇所を意味する。この損傷箇所120に、クラウド状に形成されたナノファイバ118及び培養した神経細胞104を含む移植用モジュール112cを、移植する。なお、ナノファイバ118の大きさ、形状は、損傷箇所120の大きさ、形状等に合わせて予め設定しておく。また、第3の実施形態のナノファイバ118と神経細胞104とを有する移植用モジュール112cを使用する場合、神経細胞104の神経突起106が、例えば、移植用モジュール112cの略表面にまで成長したものを使用することが好ましい。
移植用モジュール112cを損傷箇所120に移植する場合、移植用モジュール112cを損傷箇所108に支持する図示しない支持部材を配置しても良い。
移植用モジュール112cにおける神経細胞104は、この移植用モジュール112cの略表面にまで成長している。この移植用モジュール112cを移植することにより、脳細胞122における、損傷箇所120に面する縁部124に位置する神経細胞と接続される可能性を高くすることができる。即ち、損傷箇所120の修復を、容易に実現することができる。
移植用モジュール112cを移植した後は、図示しないパイプ等を介して、移植用モジュール112cに、NGF、O又はCO等を含む培地を、供給することが好ましい。これにより、移植用モジュール112cは、前述した培養条件と同様の、細胞が生物体の中で生存可能な環境と近い条件で培養される。そのため、神経細胞104の成長が更に促進されるため、より高い確率で損傷箇所120を修復することができる。
移植用モジュール112cは、移植用モジュール112a及び112bと同様に、1又は2つ以上の電極を有することが好ましい。電極を移植箇所、即ち損傷箇所120に、好ましくは複数の電極を損傷箇所120の中心に対して放射状に配置する。そして、神経活動電位の変化を測定することにより、神経細胞がどのように細胞活動しているかを調べることができる。さらにこの場合においても、損傷箇所108に対応する筋肉表面に、皮下埋め込み型電極を配置することが好ましい。損傷個所108に配置した電極の生体電位と、損傷個所108に対応する筋肉表面に配置した皮下埋め込み型電極の生体電位との比較から、神経伝達信号の伝達具合、つまりは損傷箇所108の修復度合いを推定することができる。また、これらの電極に、例えば矩形波電流等の電気刺激を入力しても良い。
以上、第3の実施形態に係る神経細胞の培養方法では、神経細胞104のガイド部材として、クラウド状に形成されたナノファイバ118を使用する。神経細胞104はクラウド状に形成されたナノファイバ118の伸長方向に対応して成長するため、所定の方向性を有しながらも、高い自由度を有して、神経細胞104を成長させることができる。
(実施例)
次に、神経細胞を、ガイド部材によって、所定の方向に伸長させることが可能であることを実証した実施例について、説明する。
本実施形態では、モデル細胞として、PC−12細胞を使用した。ラット副腎髄質クロム親和性細胞腫から樹立された細胞株であるPC−12細胞は、NGFを作用させることにより、神経突起を伸長して、交感神経細胞様に分化することが知られている。
PC−12細胞を、BD PuraMatrixペプチドハイドロゲル(株式会社スリー・ディー・マトリックス製)に接着し、全培養条件で突起を伸長させた。なお、細胞密度は、8×10cells/mlとし、NGFを添加後、8日間全培養条件で培養した。
図8に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真の一例を示す。図8に示されるように、PC−12細胞は、主として、
パターン1(P1):ゲルの端部に向かって又はゲルの端部に沿って伸長する:
パターン2(P2):ゲルの凹凸に並行に伸長する:
パターン3(P3):他の細胞に向かって伸長する:及び
パターン4(P4):放射状に伸長する:
4つのパターンで神経突起が伸長していることがわかる。
この4つのパターンをより詳細に説明するために、図9(a)に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真と、図9(b)に、蛍光顕微鏡写真の他の例を示す。また、図10(a)に、本実施形態に係る神経細胞の位相差顕微鏡写真と、図10(b)に、蛍光顕微鏡写真の他の例を示す。
図9(a)及び図9(b)の写真からも、PC−12細胞は、放射状に、かつ、他の細胞に向かって伸長していることが観察される。また、図10(a)及び図10(b)の写真から、ゲルの端部に向かって又はゲルの端部に沿って、ゲルの凹凸に並行に伸長していることが観察される。
以上の結果から、PC−12細胞の伸長方向は、配置された足場や、ゲルの凹凸、細胞の凝集等に影響されることがわかった。即ち、規則的又は不規則的な所定の方向性を有するガイド部材を使用することで、神経細胞の伸長方向を、所定の方向に制御できることがわかった。
以上、本実施形態に係る神経細胞の培養方法は、神経細胞を所望の方向性を有して伸長させることができる。また、この神経細胞及びガイド部材を有する移植用モジュールは、所望の方向性に神経細胞を伸長させることができるため、神経細胞の損傷を有する箇所に、汎用的に適用することができる。
100 培養基材
102 ナノファイバ
104 神経細胞
106 神経突起
108 損傷箇所
110 脊髄
112 移植用モジュール
114 中空ナノファイバ
116 ホール
118 クラウド状に形成されたナノファイバ
120 損傷箇所
122 脳神経
124 縁部

Claims (8)

  1. 培養基材上に、神経細胞と、前記神経細胞の神経突起の伸長方向をガイドするガイド部材とを配置する工程と、
    配置された前記神経細胞を培養する培養工程と、
    を有する、
    神経細胞の培養方法。
  2. 前記ガイド部材は、ナノファイバを含む、
    請求項1に記載の神経細胞の培養方法。
  3. 前記ナノファイバは、クラウド状に形成されている、
    請求項2に記載の神経細胞の培養方法。
  4. 前記ガイド部材は、中空ナノファイバを含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の神経細胞の培養方法。
  5. 前記中空ナノファイバは、外表面から内表面へと連通する穴部を有する、
    請求項4に記載の神経細胞の培養方法。
  6. 神経細胞と前記神経細胞の神経突起の伸長方向をガイドするガイド部材と、
    を有する、移植用モジュール。
  7. 前記移植用モジュールは更に、電極を有する、
    請求項6に記載の移植用モジュール。
  8. 前記移植用モジュールは更に、前記神経細胞に外部から酸素、二酸化炭素及び/又はNGFを供給するための流路を有する、
    請求項6又は7に記載の移植用モジュール。
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