JP2015180207A - Igf2の対立遺伝子特異的な発現を判定するための多型の組み合わせ - Google Patents

Igf2の対立遺伝子特異的な発現を判定するための多型の組み合わせ Download PDF

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Abstract

【課題】個体のインスリン増殖因子-2(IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定する方法の提供。【解決手段】個体におけるIGF2のRNAの対立遺伝子特異的な発現を判定する方法であって、個体におけるIGF2遺伝子のSNP遺伝子型を検出する段階であって、特定の配列によって示されるSNPの遺伝子型が判定され、それによって個体が該SNPの各々においてヘテロ接合性又はホモ接合性であるかどうかを判定する段階と、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量を個体由来の試料において定量化する段階と、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量の比率を判定する段階と、該RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階と、の各段階を含む方法。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2009年2月11日付で出願された米国仮特許出願第61/207,450号の恩典を主張するものであり、この出願は参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
インスリン様増殖因子2の遺伝子、すなわちIGF2は、ヒト染色体11p15.5上のインプリンティング遺伝子のクラスタに位置している。ゲノムインプリンティングは、一方の遺伝子コピーが通常発現され、他方のコピーが親由来のエピジェネティックな特徴付けを通じてサイレンシングされる重要な遺伝子調節機構である。IGF2は、通常、ヒト組織では母性的にインプリントされており、それゆえ、父性的に受け継がれた遺伝子コピーからのみ発現される(DeChiara TM, et al. Cell 64, 849-859 (1991)(非特許文献1); Rainier S, et al., Nature 362, 747-749 (1993)(非特許文献2); Ogawa, et al, Nature 362, 749-751 (1993)(非特許文献3))。IGF2のインプリンティングの消失(インプリンティングの消失またはLOIといわれる)は、いくつかのがん種(Falls, et al. 1999, AJP 154, 635-647(非特許文献4)に概説されている20種を超える腫瘍種)に強く結び付けられている。さらに、山のような証拠から、IGF2のLOIを示す個体は、結腸直腸がんを発症するリスクが高い可能性のあることも示唆される(Kinochi et al., 1996, Cancer Letters 107, 105-108 (1996)(非特許文献5); Nishihara S. 2000, Int. Jour. Oncol. 17, 317-322(非特許文献6); Cui H 1998, Nature Medicine 4-11, 1276-1280(非特許文献7); Nakagawa H 2001, PNAS 98-2, 591-596(非特許文献8))。IGF2のLOIは、末梢血および正常結腸粘膜を含むがん患者の正常組織において(Kinochi et al., 1996, Cancer Letters 107, 105-108 (1996)(非特許文献5); Ogawa, et al, Nature Genetics 5, 408-412 (1993)(非特許文献9); Cui H, Science 299, 1753 (2003)(非特許文献10))、ならびにがんがないと考えられる人の正常組織において(Cui H, et al. Nature Medicine 4-11, 1276-1280 (1998)(非特許文献7); Cui H, Science 299, 1753 (2003)(非特許文献10); Woodson K et al., JNCI 96, 407-410 (2004)(非特許文献11); Cruz-Correa Met al., Gastroenterology 126, 964-970 (2004)(非特許文献12))検出することができる。
一般集団の末梢血に関するいくつかの研究から、7〜10%の人が結腸粘膜組織においてIGF2のインプリンティングの消失を示すことが報告されている。三つの後ろ向き研究から、末梢血または結腸粘膜のどちらかでIGF2のLOIを示す結腸直腸がん患者の確率は、LOIを示すがんなしの年齢適合対照群の確率よりも著しく(2〜21倍)高いことが報告されている。これらの研究から、IGF2のLOIは、他の点では健常な個体を結腸直腸がんにかかりやすくさせる可能性のあることが示唆される。それゆえ、IGF2のLOIの検出に基づくリスク検査には将来の臨床的有益性があり得る(Cui H, et al. Nature Medicine 4-11, 1276-1280 (1998)(非特許文献7); Cui H, Science 14, 1753-1755 (2003)(非特許文献13); Woodson K 2004, JNCI 96, 407-410(非特許文献11); Cruz-Correa M, Gastroenterology 126, 964-970 (2004)(非特許文献12))。これらの研究から、IGF2のLOI (IGF2バイオマーカーともいわれる)を有する人は、IGF2バイオマーカーのない個体よりも結腸直腸がんを発症する可能性が最大で20倍まで高い可能性のあることが明らかである。
IGF2のLOIの検出は、IGF2遺伝子の両コピー由来の転写産物がそれぞれ定量化される、定量的な対立遺伝子特異的遺伝子発現アッセイ法に基づく。次いでその量を互いに比較して、対立遺伝子の発現比率を判定し、これを次に閾値と比較する。豊富ではない方の対立遺伝子の濃度が豊富な方の対立遺伝子の濃度と「比較的似ている」なら、IGF2のインプリントは失われていると判定される。豊富ではない方の対立遺伝子の濃度が豊富な方の対立遺伝子の濃度と「比較的似ていない」なら、IGF2のインプリントは存在していると判定される。試料におけるIGF2のインプリンティング状態を測定する一つの方法は、IGF2遺伝子の転写領域における一つまたは複数の多型部位の遺伝子型をまず判定することである。遺伝子の転写領域におけるヘテロ接合性のマーカーは、IGF2遺伝子の個々の対立遺伝子を試料中において互いに識別できる簡便な分子的手段を提供する。二コピーのIGF2遺伝子の各々からのRNA転写を定量的な対立遺伝子特異的アッセイ法で独立的に測定することができる。一方の対立遺伝子の発現量と他方の対立遺伝子の発現量との比較をゆえに行うことができ、IGF2遺伝子のインプリンティング状態を判定することができる(図2参照)。
IGF2は、各々が選択的スプライスによる転写産物の発現を、組織特異的に推進する四つのプロモーターを有する(図1)。第7、8、および9エクソンは全ての転写産物に存在するが、第1〜6エクソンはプロモーター特異的に発現されることが報告されている。第9エクソンはタンパク質コード配列の短いストレッチと、その後にそれよりもかなり長い3' UTRを含む。それゆえ、第7、8、および9エクソンにおける多型マーカーは、四つのIGF2プロモーターのいずれかより推進されるIGF2転写の対立遺伝子特異的な発現の検出を可能にすることにより、IGF2インプリンティング状態の判定において有用である。
IGF2インプリンティング状態を測定する四種の対立遺伝子特異的な発現アッセイ法が当業者に公知である。Woodsonらは、二種のSNPに基づくアッセイの組み合わせ(rs680およびrs2230949)を用いてIGF2のインプリンティング状態を測定した(Woodson K 2004, JNCI 96, 407-410(非特許文献11))。両SNPはIGF2の第9エクソンの中にあるが、Woodsonらによって最小の連鎖不均衡にあると報告されている。それゆえ、そのようなマーカーの組み合わせを用いて個体のLOIを測定しようとする試みは、個体がその二種のSNPの少なくとも一種についてヘテロ接合性であるという可能性を高め、それにより、個体のLOI状態を判定できる可能性を高める。同著者らは、第一のSNP、第二のSNP、または両方のSNPが、評価した患者106人中48人(または45%)において情報価値のある(すなわち、ヘテロ接合性であり、それゆえ、IGF2のLOIの測定を可能にする)ことを実証した。Cuiらは、一つがSNP (rs680)を標的とし、もう一つがIGF2の第9エクソン内の単純な配列リピートの制限断片長多型を測定する、二通りのアッセイ法の組み合わせを用いてIGF2のインプリンティングを測定した。同著者らは、SNP、リピート、または両方のマーカーが、評価した患者421人中191人(または45%)において情報価値のあることを実証した(Cui H, et al. Nature Medicine 4-11, 1276-1280 (1998)(非特許文献7))。
過去の研究では、これらの多型を使用すると患者集団におけるヘテロ接合性の組み合わせの頻度が低く、それゆえ、これらの集団における多数の個体が、彼らのIGF2のインプリンティング状態を判定され得ない「情報価値なし」であったことを示している。本出願では、IGF2の第9エクソン中で新たに発見されたSNP、およびヒト集団のさらに高い割合において功を奏するLOIの測定を可能にするSNPの有用な組み合わせの発見について記述する。一般集団でこれらの多型を用いてLOIを測定する能力には、さまざまな分子診断的および治療的検査の基礎を成す著しい医学的有益性があるであろう。
LOIの検出のための所与のSNPの情報提供性は、集団内でのSNPのヘテロ接合性の頻度に基づく。さらに、異なるSNPの組み合わせの至適な情報提供性は、異なるマーカー間の連鎖に依る。例えば、二種のSNPが共通のハプロタイプブロック内にあれば、二種のSNPの併用は二種のSNP単独でのどちらかの使用と比べて情報提供性の増加はわずかとなる。しかしながら、二種のSNPが同一のハプロタイプブロック内になければ(すなわち、最小の連鎖不均衡にあれば)、二種のSNPの併用は二種のSNP単独でのどちらかの使用と比べて情報提供性の効果的増加を与える。
DeChiara TM, et al. Cell 64, 849-859 (1991) Rainier S, et al., Nature 362, 747-749 (1993) Ogawa, et al, Nature 362, 749-751 (1993) Falls, et al. 1999, AJP 154, 635-647 Kinochi et al., 1996, Cancer Letters 107, 105-108 (1996) Nishihara S. 2000, Int. Jour. Oncol. 17, 317-322 Cui H 1998, Nature Medicine 4-11, 1276-1280 Nakagawa H 2001, PNAS 98-2, 591-596 Ogawa, et al, Nature Genetics 5, 408-412 (1993) Cui H, Science 299, 1753 (2003) Woodson K et al., JNCI 96, 407-410 (2004) Cruz-Correa Met al., Gastroenterology 126, 964-970 (2004) Cui H, Science 14, 1753-1755 (2003)
本発明は、個体のインスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定する方法を提供する。いくつかの態様において、この方法は、
個体におけるIGF2遺伝子のSNP遺伝子型を検出する段階であって、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPの遺伝子型が判定され、それによって個体が少なくとも三種のSNPの各々においてヘテロ接合性またはホモ接合性であるかどうかを判定する段階;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢(polymorphic option)を含むRNAの量を個体由来の試料において定量化する段階;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量の比率を判定する段階; ならびに
RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階
を含む。
いくつかの態様において、検出する段階における少なくとも一種のSNPは、配列番号:1、2、3、4、5および6からなる群より選択される。
いくつかの態様において、関連付ける段階はさらに、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含むRNAの相対量を、がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測と関連付ける段階を含む。
いくつかの態様において、検出されるSNPの少なくとも二種はヘテロ接合性であり、かつ定量化する段階は、少なくとも二種のヘテロ接合性SNPにおける二つの多型選択肢を含むRNAの量を定量化する段階を含む。
いくつかの態様において、試料は血液、大便、細胞切屑または組織試料である。
いくつかの態様において、RNAはcDNAに逆転写され、各多型選択肢を含むcDNAの量を用いて、二つの多型選択肢を含むRNAの量を判定する。いくつかの態様において、対立遺伝子特異的なcDNAの量は、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む方法で定量化される。いくつかの態様において、この方法は、前記群由来の各ヘテロ接合性SNPに関して多型選択肢が判定されるように、十分な数の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む。いくつかの態様において、この方法は、ある数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含み、各異なるヘテロ接合性SNPを検出するために少なくとも一つの異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが用いられるように、この数は上記群中のヘテロ接合性SNPの数に等しいまたはその数よりも大きいものとする。いくつかの態様において、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドはcDNAとハイブリダイズし、cDNA中のSNPの多型位置を通じて鋳型依存的に伸長する。
いくつかの態様において、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドは対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかである。
いくつかの態様において、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドは、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含み、かつこの配列はSNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、この配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する。
いくつかの態様において、検出する段階は以下の各々の各多型選択肢のSNP遺伝子型を検出する段階を含む:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
いくつかの態様において、検出する段階は、前述の群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPを検出する段階を含む。
いくつかの態様において、検出する段階は、本明細書において(例えば、反応混合物またはキットに関して以下に)記述される第一、第二および第三のポリヌクレオチドと試料とを接触させる段階を含む。
いくつかの態様において、本方法はさらに、関連付ける段階に基づいてがんのリスク分類、がんの診断もしくは予後を提供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体を疾患スクリーニング手順(例えば、結腸鏡検査)に供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体由来の試料をさらなる診断もしくは予後アッセイ法に供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体の薬物もしくは他の処置計画を変更する段階を含む。
本発明は同様に、反応混合物を提供する。いくつかの態様において、反応混合物は、
第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチド、
第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチド、ならびに
第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチド
を含み、
第一および第二および第三のSNPが配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5または6のものである。
いくつかの態様において、第一、第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つ、少なくとも二つまたは三つが、それぞれ、第一および第二および第三のSNPに対応する配列番号の、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む。
いくつかの態様において、配列は、SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、この配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する。
いくつかの態様において、反応混合物はさらに、ヒト由来の核酸を含んだ試料を含む。
いくつかの態様において、反応混合物はさらに、ポリメラーゼを含む。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは耐熱性ポリメラーゼである。
いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される。いくつかの態様において、検出可能な標識は蛍光標識である。いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドは、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される。
いくつかの態様において、反応混合物は、8〜100ヌクレオチドの複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含み、この複数のうちの少なくとも一つのポリヌクレオチドは以下の各々に対しハイブリダイゼーション反応においてSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)とSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とを識別する:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
いくつかの態様において、反応混合物は、
8〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
8〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
8〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
を含み、
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々が対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一
のいずれかであり、
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々に対応するSNP領域が異なり、かつSNP領域が、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNP領域が配列番号:1、2、3、4、5または6である。
いくつかの態様において、反応混合物はさらに、ヒト由来の核酸を含んだ試料を含む。
いくつかの態様において、反応混合物はさらに、ポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼは耐熱性ポリメラーゼである。
いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される。いくつかの態様において、検出可能な標識は蛍光標識である。いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドは、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される。
いくつかの態様において、反応混合物は複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含み、複数のポリヌクレオチドの各々がその3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一
のいずれかであり、
この複数のポリヌクレオチドには、少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下のSNP領域:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々に対応するような十分な数のポリヌクレオチドが含まれる。
本発明は同様に、本発明の方法を行うのに有用なキットを提供する。いくつかの態様において、キットは、
第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチド、
第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチド、
第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチド
を含み、
第一および第二および第三のSNPが配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNPが配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される。
いくつかの態様において、第一、第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つ、少なくとも二つまたは三つが、それぞれ、第一および第二および第三のSNPに対応する配列番号の、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む。
いくつかの態様において、配列は、SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、この配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する。
いくつかの態様において、キットはさらに、ポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼは耐熱性ポリメラーゼである。
いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される。いくつかの態様において、検出可能な標識は蛍光標識である。いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドは、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される。
いくつかの態様において、キットは、8〜100ヌクレオチドの複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含み、この複数のうちの少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下の各々に対しハイブリダイゼーション反応においてSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)とSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とを識別する:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
いくつかの態様において、キットは、
8〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
8〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
8〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド、
を含み、
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々が対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかであり、
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々に対応するSNP領域が異なり、かつSNP領域が、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNP領域が配列番号:1、2、3、4、5または6である。
いくつかの態様において、キットはさらに、ヒト由来の核酸を含んだ試料を含む。
いくつかの態様において、キットはさらに、ポリメラーゼを含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼは耐熱性ポリメラーゼである。
いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される。いくつかの態様において、検出可能な標識は蛍光標識である。いくつかの態様において、第一および第二および第三のポリヌクレオチドは、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される。
いくつかの態様において、キットは複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含み、複数のポリヌクレオチドの各々がその3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一
のいずれかであり、
この複数のポリヌクレオチドには、少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下のSNP領域の各々に対応するような十分な数のポリヌクレオチドが含まれる:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
本発明は同様に、インスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定するためのコンピュータで実行する方法を提供する。いくつかの態様において、この方法は以下の段階を含む:
(a) 配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPに関する遺伝子型の値をホストコンピュータで受信する段階であって、この遺伝子型が個体由来の試料から判定される、段階; ならびに
(b) 配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの各多型選択肢を含むRNAの量を表す値を、ホストコンピュータで受信する段階であって、このRNAが個体由来の試料に由来する、段階; ならびに
(c) 少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量の比率を、ホストコンピュータで判定する段階; ならびに
(d) RNAの比率をヒトに出力する段階またはホストコンピュータにおいて、RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階、および任意で関連付ける段階の結果をヒトに出力する段階。
いくつかの態様において、少なくとも一種のSNPは、配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される。いくつかの態様において、関連付ける段階はさらに、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含むRNAの相対量を、がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測と関連付ける段階を含む。
いくつかの態様において、受信する段階(a)は、
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信する段階を含む。
いくつかの態様において、受信する段階(a)は、前述の群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPの各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信する段階を含む。
本発明は、インスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定するためのコンピュータプログラム製品を提供する。いくつかの態様において、コンピュータ読み取り可能な製品は、
プログラムコードでコード化されているコンピュータ読み取り可能な媒体
を含み、このプログラムコードには以下が含まれる:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPに関する遺伝子型の値を受信するためのプログラムコードであって、この遺伝子型が個体由来の試料から判定される、プログラムコード;
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの各多型選択肢を含むRNA量を表す値を受信するためのプログラムコードであって、このRNAが個体由来の試料に由来する、プログラムコード;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量の比率を判定するためのプログラムコード; ならびに
任意で、ホストコンピュータにおいて、RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付けるためのプログラムコード。
いくつかの態様において、少なくとも一種のSNPは、配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される。
いくつかの態様において、RNAの相対量を関連付けるためのプログラムコードは、がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測に対しての少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含む。
いくつかの態様において、プログラムコードは、試料中のゲノムDNAにおける少なくとも三種のSNPの各多型選択肢の有無を表す情報を受信するためのプログラムコード; および個体が少なくとも二種のSNPについてヘテロ接合性であるかどうかを判定するためのプログラムコードを含む。
いくつかの態様において、プログラムコードは、
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信するためのプログラムコードを含む。
いくつかの態様において、プログラムコードは、前述の群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPの各々を表す遺伝子型の値を受信するためのプログラムコードを含む。
さらなる局面において、本発明は同様に、細胞核酸を実質的に含まない、単離された対照核酸メンバーの対を提供し、対の両メンバーが少なくとも二種のインスリン増殖因子-2 (IGF2)単一塩基多型(SNP)配列を含み:
(a) 対の一つのメンバーが、少なくとも二種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含むポリヌクレオチドを含み、第一のSNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一であり; かつ第二のSNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一であり; および
(b) 対のもう一つのメンバーが、少なくとも二種のIGF2 SNPの別の対立遺伝子を含むポリヌクレオチドを含み; 第一のSNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一であり、かつ第二のSNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一である。
対のいくつかの態様において、SNPの少なくとも一つが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16に示されるSNPからなる群より選択される。いくつかの態様において、SNPの少なくとも二つが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16に示されるSNPからなる群より選択される。いくつかの態様において、SNPの少なくとも一つが、配列番号:1、2、3、4、5および6に示されるSNPからなる群より選択される。
対のいくつかの態様において、少なくとも二種のIGF2 SNPが3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16種のIGF2 SNPを含む。
対照核酸の対のいくつかの態様において、SNPは以下に示されるSNPを含む:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16;
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16;
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
対照対のいくつかの態様において、対の第一のメンバーは、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16の一つの対立遺伝子の少なくとも8個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチド)、またはその相補体を有するポリヌクレオチドを含み; かつ対の第二のメンバーは、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16の別の対立遺伝子の少なくとも8個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチド)、またはその相補体を有するポリヌクレオチドを含む。
いくつかの態様において、対のメンバーの一つは少なくとも二つの少ない方のSNP対立遺伝子を含む。
いくつかの態様において、単離された核酸メンバーの対はRNAである。
いくつかの態様において、単離された核酸メンバーの対はDNAである。
いくつかの態様において、対の一つのメンバーであるポリヌクレオチドはプロモーターに機能的に連結され、かつ対のもう一つのメンバーであるポリヌクレオチドはプロモーターに機能的に連結される。
いくつかの態様において、対のメンバーは、配列番号:22に記載される配列の500ヌクレオチド未満を含む。
いくつかの態様において、対のメンバーは分離されている。あるいは、対のメンバーはともに混合物中に存在する。
本発明は同様に、本明細書において記述される単離された対照核酸メンバーの対、例えば、本明細書において前述した核酸の対を含む混合物を提供する。いくつかの態様において、対のメンバーは等モル量で存在する。
いくつかの態様において、本混合物はさらに、細胞核酸を実質的に含まない、単離された核酸の第二の対を含み、第二の対の両メンバーが少なくとも一種のIGF2 SNP配列を含み、かつ第二の対における少なくとも一種のIGF2 SNP配列が第一の対におけるIGF2 SNPとは異なり; かつ
(c) 第二の対の一方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含み、SNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一であり; および
(d) 第二の対の他方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPのもう一つの別の対立遺伝子を含み; SNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一である。
本発明はさらに、本明細書において記述される核酸の対照対のいずれかの一つの、単離された核酸メンバーの対、例えば、本明細書において前述した対を含むキットを含む。いくつかの態様において、対の一つのメンバーは、対のもう一つのメンバーのない別個の容器中にある。いくつかの態様において、本発明のキットは、核酸の少なくとも一つの対照対を含む混合物を含む。
いくつかの態様において、本キットはさらに、細胞核酸を実質的に含まない、単離された核酸の第二の対を含み、第二の対の両メンバーが少なくとも一種のIGF2 SNP配列を含み、かつ第二の対における少なくとも一種のIGF2 SNP配列が第一の対におけるIGF2 SNPとは異なり; かつ
(c) 第二の対の一方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含み、SNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一であり; および
(d) 第二の対の他方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの別の対立遺伝子を含み; SNP部位のすぐ隣りの3'核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド(例えば、少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチド)と実質的に同一である。いくつかの態様において、単離された核酸の第二の対は核酸の第一の対とは別個の容器にある。
本発明は同様に、個体由来のIGF2遺伝子におけるインプリンティングの消失(LOI)を判定する方法であって、
(a) 試料RNAまたはその試料cDNAを、第一および第二のコピーにおける、それぞれ、第一の可能なSNP対立遺伝子と第二の可能なSNP対立遺伝子とを識別する一つまたは複数のオリゴヌクレオチドと接触させる段階を含む、個体由来の試料においてIGF2 RNAの母方(第一)および父方(第二)のコピーの量を定量化する段階; ならびに
(b) 段階(a)における第一の可能なSNP対立遺伝子および第二の可能なSNP対立遺伝子を有するポリヌクレオチドを含む本明細書において記述の核酸の対照対の既知の比率のものを含んだ対照混合物を提供する段階;
(c) 対照混合物において核酸の対の各メンバーの量を定量化する段階;
(d) 段階(c)で測定された対照混合物中に存在する核酸の対の比率を、IGF2 RNAまたはその試料cDNAの第一および第二のコピーの、段階(a)で測定された試料における量と比較し、それによってIGF2 LOIの有無を判定する段階
を含む方法を提供する。
本発明はさらに、IGF2インプリンティングの消失(LOI)アッセイ法において、対照の標準物質を提供して反応条件の実行可能性を確認する方法であって、
本明細書において記述される核酸の対照対の既知の比率のものを含んだ対照混合物を提供する段階; および
対照混合物において核酸の対の各メンバーの測定比率を定量化し、それによってアッセイ法の反応条件の実行可能性を確認する段階
を含む方法を提供する。
定義
「熱安定性ポリメラーゼ」とは、PCRの用途に有用なポリメラーゼをいう。熱安定性ポリメラーゼは一般に、75℃まで繰り返し(例えば、毎回1分間を少なくとも20回)加熱されても、元の活性の少なくとも80%を保持することができる。そのようなポリメラーゼの例としては、Taqポリメラーゼが挙げられるが、これに限定されることはない。
「一塩基多型」または「SNP」とは、対立遺伝子間で異なる一塩基の部位をいう。
「対立遺伝子」とは、異なる遺伝子形態の対または組のうちの一つのメンバーをいう。二倍体生物においては、個体は二コピーの各常染色体遺伝子を持つ。一塩基多型の場合、多型ヌクレオチドの位置での遺伝子型が、一方の遺伝子コピー上でもう一方の遺伝子コピーと異なっていれば、個体は多型ヌクレオチドの異なる対立遺伝子を二つ持つ(すなわち個体は多型ヌクレオチドについてヘテロ接合性である)。個体が両方の遺伝子コピー上の多型ヌクレオチドの位置で同じ遺伝子型を持つ(すなわち個体が多型ヌクレオチドについてホモ接合性である)なら、個体は多型ヌクレオチドの同じ対立遺伝子のコピーを二つ持つ。所与の個体は遺伝子内のある多型ヌクレオチドについてホモ接合性(多型ヌクレオチドの同じ対立遺伝子のコピーが二つ)であり、同じ遺伝子内の異なる多型ヌクレオチドについてヘテロ接合性(多型ヌクレオチドの異なる対立遺伝子が二つ)であることができる。
「ハイブリダイゼーション」とは、相補的塩基対合に起因する二本の一本鎖核酸による二重鎖構造の形成をいう。ハイブリダイゼーションは厳密に相補的な核酸鎖の間で、またはミスマッチの領域が小さい核酸鎖の間で起こりうる。
「標的配列」または「標的領域」とは、分析される核酸の領域をいい、関心対象の多型部位を含む。
本明細書において用いられる場合、「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、核酸領域、核酸セグメント、プライマー、プローブ、アンプリコンおよびオリゴマー断片をいう。これらの用語は長さによって限定されるものではなく、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、およびプリン塩基もしくはピリミジン塩基、または修飾プリン塩基もしくは修飾ピリミジン塩基のその他任意のN-グリコシドの直鎖重合体に対する総称である。これらの用語は二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNAを含む。
核酸、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、例えば、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホロアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエートまたはスルホン結合、およびこのような結合の組み合わせを含むが、これらに限定されない、ホスホジエステル結合または修飾結合を含むことができる。
核酸、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、生物学的に存在する5種の塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシンおよびウラシル)および/または生物学的に存在する5種の塩基以外の塩基を含むことができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、N6-メチル-アデニン、N6-tert-ブチル-ベンジル-アデニン、イミダゾール、置換イミダゾール、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-Dマンノシルキューオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、2,6-ジアミノプリン、および5-プロピニルピリミジンを含むが、これらに限定されない、一つまたは複数の修飾された、非標準的な、または誘導体化された塩基部分を含むことができる。修飾された、非標準的な、または誘導体化された塩基部分の他の例は、米国特許第6,001,611号; 同第5,955,589号; 同第5,844,106号; 同第5,789,562号; 同第5,750,343号; 同第5,728,525号; および同第5,679,785号において見出すことができる。
さらに、核酸、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、アラビノース、2-フルオロアラビノース、キシルロース、およびヘキソースを含むが、これらに限定されない、一つまたは複数の修飾された糖部分を含むこともできる。
「ハプロタイプブロック」とは、遺伝でともに受け継がれる傾向にある一個または複数個(例えば、1〜10個)の多型部位を含んだ染色体の領域をいう。換言すれば、ブロック内の多型部位での多型の組み合わせは、ある集団において、異なるハプロタイプブロックで生じる多型部位の組み合わせよりも高頻度に同時分離する。ハプロタイプブロック内の多型部位は、お互いに連鎖不均衡の傾向がある。多くの場合、ハプロタイプブロックを特徴付ける多型部位は、共通の多型部位である。ハプロタイプブロックのなかには、個体集団において隣接する多型部位と同時分離しない多型部位を含むものもある。
「連鎖不均衡」とは、特定の多型の、異なる染色体位置にある別の多型との、偶然と予想されるよりも高い頻度での選択的な分離をいう。連鎖不均衡とは、表現型形質が、偶然と予想されるよりも高い頻度で、特定の多型または別の表現型形質との選択的な分離を示す状況も指し得る。
[本発明1001]
個体のインスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定する方法であって、以下の段階を含む方法:
個体におけるIGF2遺伝子のSNP遺伝子型を検出する段階であって、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPの遺伝子型が判定され、それによって個体が該少なくとも三種のSNPの各々においてヘテロ接合性またはホモ接合性であるかどうかを判定する、段階;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢(polymorphic option)を含むRNAの量を個体由来の試料において定量化する段階;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含む該RNAの量の比率を判定する段階; ならびに
該RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階。
[本発明1002]
検出する段階における少なくとも一種のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5および6からなる群より選択される、本発明1001の方法。
[本発明1003]
関連付ける段階がさらに、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含むRNAの相対量を、がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測と関連付ける段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
検出されるSNPの少なくとも二種がヘテロ接合性であり、かつ定量化する段階が、少なくとも二種のヘテロ接合性SNPにおける二つの多型選択肢を含むRNAの量を定量化する段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1005]
試料が血液、大便、細胞切屑または組織試料である、本発明1001の方法。
[本発明1006]
RNAをcDNAに逆転写し、各多型選択肢を含むcDNAの量を用いて、二つの多型選択肢を含むRNAの量を判定する、本発明1001の方法。
[本発明1007]
対立遺伝子特異的なcDNAの量が、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む方法で定量化される、本発明1006の方法。
[本発明1008]
前記群由来の各ヘテロ接合性SNPに関して多型選択肢が判定されるように、十分な数の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む、本発明1006の方法。
[本発明1009]
ある数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む方法であって、各異なるヘテロ接合性SNPを検出するために少なくとも一つの該異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが用いられるように、該数が前記群中のヘテロ接合性SNPの数に等しいまたはその数よりも大きい、本発明1008の方法。
[本発明1010]
少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドがcDNAとハイブリダイズし、cDNA中のSNPの多型位置を通過して鋳型依存的に伸長する、本発明1007の方法。
[本発明1011]
少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが、対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも8個の連続したヌクレオチドが以下:
前記配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
前記配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個のヌクレオチドと100%同一
のいずれかである、本発明1010の方法。
[本発明1012]
少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含み、かつ該配列がSNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、該配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する、本発明1007の方法。
[本発明1013]
検出する段階が、以下の各々の各多型選択肢のSNP遺伝子型を検出する段階を含む、本発明1001の方法:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
[本発明1014]
検出する段階が、前記群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPを検出する段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1015]
検出する段階が、本発明1017〜1019または1027のいずれかの第一、第二および第三のポリヌクレオチドと試料とを接触させる段階を含む、本発明1001の方法。
[本発明1016]
関連付ける段階に基づいてがんのリスク分類、がんの診断もしくは予後を提供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体を疾患スクリーニング手順(例えば、結腸鏡検査)に供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体由来の試料をさらなる診断もしくは予後アッセイ法に供する段階、および/または関連付ける段階に基づいて個体の薬物もしくは他の処置計画を変更する段階をさらに含む、本発明1003の方法。
[本発明1017]
第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチド;
第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチド;ならびに
第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチド
を含む反応混合物であって、
該第一および第二および第三のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNPが1、2、3、4、5または6のものである、反応混合物。
[本発明1018]
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つ、少なくとも二つまたは三つが、それぞれ、第一および第二および第三のSNPに対応する前記配列番号の、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む、本発明1017の反応混合物。
[本発明1019]
配列が、SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、該配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する、本発明1018の反応混合物。
[本発明1020]
ヒト由来の核酸を含んだ試料をさらに含む、本発明1017の反応混合物。
[本発明1021]
ポリメラーゼをさらに含む、本発明1017の反応混合物。
[本発明1022]
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼである、本発明1020の反応混合物。
[本発明1023]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される、本発明1017の反応混合物。
[本発明1024]
検出可能な標識が蛍光標識である、本発明1020の反応混合物。
[本発明1025]
第一および第二のポリヌクレオチドが、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される、本発明1020の反応混合物。
[本発明1026]
8〜100ヌクレオチドの複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含む反応混合物であって、
該複数のポリヌクレオチドのうち少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々に対しハイブリダイゼーション反応においてSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)とSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とを識別するような、本発明1017の反応混合物。
[本発明1027]
8〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド;
8〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド;
8〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド
を含む反応混合物であって、
該第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々が対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも8個の連続したヌクレオチドが以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかであり、
該第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々に対応する該SNP領域が異なり、かつ該SNP領域が、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNP領域が配列番号:1、2、3、4、5または6である、
反応混合物。
[本発明1028]
ヒト由来の核酸を含んだ試料をさらに含む、本発明1027の反応混合物。
[本発明1029]
ポリメラーゼをさらに含む、本発明1027の反応混合物。
[本発明1030]
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼである、本発明1029の反応混合物。
[本発明1031]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される、本発明1027の反応混合物。
[本発明1032]
検出可能な標識が蛍光標識である、本発明1031の反応混合物。
[本発明1033]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドが、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される、本発明1027の反応混合物。
[本発明1034]
複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含む反応混合物であって、
該複数のポリヌクレオチドの各々がその3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも8個の連続したヌクレオチドが以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一
のいずれかであり、
該複数のポリヌクレオチドには、少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下のSNP領域:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々に対応するような十分な数のポリヌクレオチドが含まれる、本発明1027の反応混合物。
[本発明1035]
第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチド;
第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチド;
第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、8〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチド、
を含むキットであって、
該第一および第二および第三のSNPが配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNPが配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される、
キット。
[本発明1036]
第一、第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つ、少なくとも二つまたは三つが、それぞれ、第一および第二および第三のSNPに対応する前記配列番号の、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む、本発明1035のキット。
[本発明1037]
配列が、SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、該配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する、本発明1036のキット。
[本発明1038]
ポリメラーゼをさらに含む、本発明記載のキット。
[本発明1039]
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼである、本発明1038のキット。
[本発明1040]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される、本発明1035のキット。
[本発明1041]
検出可能な標識が蛍光標識である、本発明1040のキット。
[本発明1042]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドが、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される、本発明1040のキット。
[本発明1043]
8〜100ヌクレオチドの複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含むキットであって、
該複数のポリヌクレオチドのうち少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々に対しハイブリダイゼーション反応においてSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)とSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とを識別するような、本発明1035のキット。
[本発明1044]
8〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド;
8〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド;
8〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド
を含むキットであって、
該第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々が対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも8個の連続したヌクレオチドが以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかであり、
該第一、第二および第三のポリヌクレオチドの各々に対応する該SNP領域が異なり、かつ該SNP領域が、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、少なくとも一種のSNP領域が配列番号:1、2、3、4、5または6である、
キット。
[本発明1045]
ヒト由来の核酸を含んだ試料をさらに含む、本発明1044のキット。
[本発明1046]
ポリメラーゼをさらに含む、本発明1044のキット。
[本発明1047]
ポリメラーゼが耐熱性ポリメラーゼである、本発明1046のキット。
[本発明1048]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドの少なくとも一つが検出可能に標識される、本発明1044のキット。
[本発明1049]
検出可能な標識が蛍光標識である、本発明1048のキット。
[本発明1050]
第一および第二および第三のポリヌクレオチドが、標識の蛍光の異なる波長または標識の異なる質量に基づいて示差的に検出できるような異なる標識で検出可能に標識される、本発明1044のキット。
[本発明1051]
複数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを含むキットであって、
該複数のポリヌクレオチドの各々がその3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも8個の連続したヌクレオチドが以下:
SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかであり、
該複数のポリヌクレオチドには、少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下のSNP領域:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々に対応するような十分な数のポリヌクレオチドが含まれる、本発明1044のキット。
[本発明1052]
以下の段階を含む、インスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定するためにコンピュータで実行する方法:
(a) 配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPに関する遺伝子型の値をホストコンピュータで受信する段階であって、該遺伝子型が個体由来の試料から判定される、段階;ならびに
(b) 配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの各多型選択肢を含むRNAの量を表す値をホストコンピュータで受信する段階であって、該RNAが個体由来の試料に由来する、段階; ならびに
(c) 少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含む該RNAの量の比率を、ホストコンピュータで判定する段階; ならびに
(d) 該RNAの比率をヒトに出力する段階、またはホストコンピュータにおいて、該RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階、および任意で関連付ける段階の結果をヒトに出力する段階。
[本発明1053]
少なくとも一種のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される、本発明1052のコンピュータで実行する方法。
[本発明1054]
関連付ける段階がさらに、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含むRNAの相対量を、がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測と関連付ける段階を含む、本発明1052のコンピュータで実行する方法。
[本発明1055]
受信する段階(a)が、
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信する段階を含む、本発明1052のコンピュータで実行する方法。
[本発明1056]
受信する段階(a)が、前記群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPの各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信する段階を含む、本発明1052のコンピュータで実行する方法。
[本発明1057]
インスリン増殖因子-2 (IGF2)遺伝子におけるインプリンティングの消失を判定するためのコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ読み取り可能な製品がプログラムコードでコード化されているコンピュータ読み取り可能な媒体を含み、
該プログラムコードが以下:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも三種のSNPに関する遺伝子型の値を受信するためのプログラムコードであって、該遺伝子型が個体由来の試料から判定される、プログラムコード;
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの各多型選択肢を含むRNAの量を表す値を受信するためのプログラムコードであって、該RNAが個体由来の試料に由来する、プログラムコード;
少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含む該RNAの量の比率を判定するためのプログラムコード; ならびに
任意で、ホストコンピュータにおいて、該RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付けるためのプログラムコード
を含む、コンピュータプログラム製品。
[本発明1058]
少なくとも一種のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される、本発明1057のコンピュータプログラム製品。
[本発明1059]
がんのリスクの増大、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測と少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの多型選択肢を含むRNAの相対量を関連付けるためのプログラムコードを含む、本発明1057のコンピュータプログラム製品。
[本発明1060]
試料中のゲノムDNAにおける少なくとも三種のSNPの各多型選択肢の有無を表す情報を受信するためのプログラムコード; および個体が少なくとも二種のSNPについてヘテロ接合性であるかどうかを判定するためのプログラムコードを含む、本発明1057のコンピュータプログラム製品。
[本発明1061]
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16
の各々の各多型選択肢を有するRNAの量を表す値を受信するためのプログラムコードを含む、本発明1057のコンピュータプログラム製品。
[本発明1062]
前記群より選択される少なくとも4 (例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)種のSNPの各々を表す遺伝子型の値を受信するためのプログラムコードを含む、本発明1057のコンピュータプログラム製品。
[本発明1063]
細胞核酸を実質的に含まない、単離された対照核酸メンバーの対であって、
対の両メンバーが少なくとも二種のインスリン増殖因子-2 (IGF2)一塩基多型(SNP)配列を含み、
(a) 該対の一つのメンバーが、少なくとも二種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含むポリヌクレオチドを含み、第一のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一であり、かつ第二のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一であり; および
(b) 対のもう一つのメンバーが、少なくとも二種のIGF2 SNPの別の対立遺伝子を含むポリヌクレオチドを含み; 第一のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一であり; かつ第二のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一である、
対。
[本発明1064]
SNPの少なくとも一つが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16に示されるSNPからなる群より選択される、本発明1063の対。
[本発明1065]
SNPの少なくとも二つが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16に示されるSNPからなる群より選択される、本発明1063の対。
[本発明1066]
SNPの少なくとも一つが、配列番号:1、2、3、4、5およびに示されるSNPからなる群より選択される、本発明1063の対。
[本発明1067]
少なくとも二種のIGF2 SNPが3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16種のIGF2 SNPを含む、本発明1063の対。
[本発明1068]
SNPが以下に示すSNPを含む、本発明1067の対:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16;
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16;
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
[本発明1069]
対の第一のメンバーが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16の一つの対立遺伝子の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体を有するポリヌクレオチドを含み; かつ対の第二のメンバーが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16の別の対立遺伝子の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体を有するポリヌクレオチドを含む、本発明1063の対。
[本発明1070]
対のメンバーの一つが少なくとも二つの少ない方のSNP対立遺伝子を含む、本発明1063の対。
[本発明1071]
単離された核酸メンバーの対がRNAである、本発明1063の対。
[本発明1072]
単離された核酸メンバーの対がDNAである、本発明1063の対。
[本発明1073]
(a)のポリヌクレオチドがプロモーターに機能的に連結され、かつ(b)のポリヌクレオチドがプロモーターに機能的に連結される、本発明1063の対。
[本発明1074]
対のメンバーが、配列番号:22に記載される配列の500ヌクレオチド未満を含む、本発明1063の対。
[本発明1075]
対のメンバーが分離されている、本発明1063の対。
[本発明1076]
対のメンバーがともに混合物中に存在する、本発明1063の対。
[本発明1077]
前記本発明のいずれかの単離された核酸メンバーの対を含む、混合物。
[本発明1078]
対のメンバーが等モル量で存在する、本発明1077の混合物。
[本発明1079]
細胞核酸を実質的に含まない、単離された核酸の第二の対をさらに含む混合物であって、
該第二の対の両メンバーが少なくとも一種のIGF2 SNP配列を含み、かつ該第二の対における該少なくとも一種のIGF2 SNP配列が前記第一の対におけるIGF2 SNPとは異なり; および
(c) 該第二の対の一方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含み、該一種のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一であり; および
(d) 第二の対の他方のメンバーが少なくとも一種のIG2F SNPの別の対立遺伝子を含み; 該少なくとも一種のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一である、
本発明1077の混合物。
[本発明1080]
本発明1063〜1076のいずれかの単離された核酸メンバーの対を含む、キット。
[本発明1081]
対の一つのメンバーが、該対のもう一つのメンバーのない別個の容器中にある、本発明1080のキット。
[本発明1082]
本発明1077〜1079のいずれかの混合物を含む、キット。
[本発明1083]
細胞核酸を実質的に含まない、単離された核酸の第二の対をさらに含むキットであって、
該第二の対の両メンバーが少なくとも一種のIGF2 SNP配列を含み、かつ該第二の対における少なくとも一種のIGF2 SNP配列が前記第一の対におけるIGF2 SNPとは異なり; および
(c) 該第二の対の一方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの一つの対立遺伝子を含み、該少なくとも一種のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21もしくは23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一であり; および
(d) 該第二の対の他方のメンバーが少なくとも一種のIGF2 SNPの別の対立遺伝子を含み; 該少なくとも一種のSNPに隣接する核酸配列が配列番号:17、18、21または23の対応する領域の少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と実質的に同一である、
本発明1080のキット。
[本発明1084]
単離された核酸の第二の対が核酸の第一の対とは別個の容器にある、本発明1083のキット。
[本発明1085]
個体由来のIGF2遺伝子におけるインプリンティングの消失(LOI)を判定する方法であって、以下の段階を含む方法:
(a) 試料RNAまたはその試料cDNAを、第一および第二のコピーにおける、それぞれ、可能性のある第一のSNP対立遺伝子と可能性のある第二のSNP対立遺伝子とを識別する一つまたは複数のオリゴヌクレオチドと接触させる段階を含む、個体由来の試料においてIGF2 RNAの母方(第一)および父方(第二)のコピーの量を定量化する段階; ならびに
(b) 段階(a)における、可能性のある第一のSNP対立遺伝子および可能性のある第二のSNP対立遺伝子を有するポリヌクレオチドを含む本発明1063〜1076のいずれかの核酸の対の既知の比率のものを含む対照混合物を提供する段階;
(c) 対照混合物において核酸の対の各メンバーの量を定量化する段階;
(d) 段階(c)で測定された対照混合物中に存在する核酸の対の比率を、段階(a)で測定されたIGF2 RNAまたはその試料cDNAの第一および第二のコピーの量と比較し、それによってIGF2 LOIの有無を判定する段階。
[本発明1086]
IGF2インプリンティングの消失(LOI)アッセイ法において対照の標準物質を提供して反応条件の実行可能性を確認する方法であって、
本発明1063〜1076のいずれかの核酸の対の既知の比率のものを含んだ対照混合物を提供する段階; および
対照混合物において核酸の対の各メンバーの測定比率を定量化し、それによってアッセイ法の反応条件の実行可能性を確認する段階
を含む、方法。
IGF2遺伝子の構造を図示している。遺伝子略図の上の尺度棒は、1 Kbの増分で描かれており、染色体11 (NCBI build 36)上のIGF2の位置を表現している。この尺度棒は図4にも含まれている。図1A中の矢印はIGF2の四つのプロモーターを表す。遺伝子略図の下には第1〜9エクソンが示されている。黒の影付きの第1〜6エクソンは、IGF2の大部分の転写産物においてタンパク質をコードしていない。白色の第7および8エクソンはタンパク質をコードしており、第9エクソンの小さな白色領域も同様である。第9エクソンの黒の影付きの領域は3' UTRである。 生体試料においてIGF2のLOIを判定するための基本戦略を図示している。個体に由来する生体試料(例えば、末梢血、末梢血単核細胞、結腸生検または細胞切屑、大便など)からゲノムDNAおよびトータルRNAまたはポリアデニル化RNAを単離する。ゲノムDNA試料を一種または複数種の多型マーカーの遺伝子型の特定(DNA SNPアッセイ法)に用いる。この段階では、特定のSNPまたはSNPの組み合わせについて個体がヘテロ接合性であるかどうかを判定する。ヘテロ接合性であると判定された、いずれかのSNPまたはSNPの組み合わせを、適合するRNA試料でのIGF2遺伝子の対立遺伝子特異的な発現の分析(RNA SNPアッセイ法)に利用することができる。示した例では、対立遺伝子を識別するDNA遺伝子型特定アッセイ法により、個体は仮想のSNP 1、3、4および6についてホモ接合性、かつ仮想のSNP 2および5についてヘテロ接合性であると判定されている。標準的な逆転写酵素、ならびに少なくともSNP 2および5を含むPCR産物が増幅されるようなPCR法を用いてIGF2転写産物の関連領域からcDNAを増幅する。二コピーのIGF2遺伝子の各々に由来する発現を、定量的な、かつ遺伝子の二種の対立遺伝子を十分に識別できる、対立遺伝子特異的な遺伝子発現アッセイ法で、生成されたcDNAを用いて独立的に測定する。一方の対立遺伝子の発現量の、他方の対立遺伝子の発現量に対する比較により、IGF2遺伝子のインプリンティング状態が判定される。SNP 2および5を識別するアッセイは同時に行われてもよく、各アッセイで得た対立遺伝子特異的な発現比率を比べて精度を高めることができる。 IGF2第9エクソンにおけるSNPの組み合わせの情報提供性を図示している。一種のSNP (白色の棒グラフ)、二種のSNP (灰色の棒グラフ)または三種以上のSNP (黒色の棒グラフ)についてヘテロ接合性(情報価値あり)である個体の割合を、第一のSNPパネル用に遺伝子型を特定したアフリカ系アメリカ人の試料パネル(AA)、第二のSNPパネル用に遺伝子型を特定した白人の試料パネル(CAU)、第三のSNPパネル用に遺伝子型を特定したメキシコ人家系の試料パネル(MEX)、第四のSNPパネル用に遺伝子型を特定した日本人の試料パネル(JPN)および第五のSNPパネル用に遺伝子型を特定した中国人の試料パネル(CHI)についてプロットしている。計96人分のアフリカ系アメリカ人のパネル試料、207人分の白人のパネル試料、96人分のメキシコ人家系のパネル試料、88人分の日本人のパネル試料および84人分の中国人のパネル試料を遺伝子型特定した。全てのSNPについて一塩基プライマー伸長アッセイ法により成功裏に遺伝子型を特定された試料のみが情報提供の割合(%)の計算に含まれている。各民族群に含まれる試料の数がx軸の下(n)に示されている。誤差棒は95%信頼区間を示す。各民族集団に対するSNPの組み合わせには、アフリカ系アメリカ人の試料パネルにおいて遺伝子型を特定した第一のSNPパネル用の配列番号:1、2、3、4、12、13、15および16; 白人の試料パネルにおいて遺伝子型を特定した第二のSNPパネル用の配列番号:5、8、9、10、12、15および16; メキシコ人家系の試料パネルにおいて遺伝子型を特定した第三のSNPパネル用の配列番号:1、7、9、10、11、12、14、15および16; 日本人の試料パネルにおいて遺伝子型を特定した第四のSNPパネル用の配列番号:10、12、14および16; ならびに中国人の試料パネルにおいて遺伝子型を特定した第五のSNPパネル用の配列番号:6、8、12および16で表されるSNPが含まれた。 IGF2第9エクソンにおけるSNPの各種最適な組み合わせの情報提供性を図示している。各組み合わせのSNP内の一つまたは複数のSNPについてヘテロ接合性(情報価値あり)である個体の割合を、アフリカ系アメリカ人の試料パネル(AA)、白人の試料パネル(CAU)、メキシコ人家系の試料パネル(MEX)、日本人の試料パネル(JPN)、中国人の試料パネル(CHI)および遺伝子型を特定した全試料を組み合わせたもの(全体)についてプロットしている。全てのSNPについて一塩基プライマー伸長アッセイ法により成功裏に遺伝子型を特定された試料のみが情報提供の割合(%)の計算に含まれている。全試料(全体)にわたり15、14、13、12、11または10種のSNPのうち最大の情報提供性となる組み合わせの全てに共通しているSNPの特定に基づいてSNPのパネルを選択した。全ての割合を表4に示す。各パネルに含まれるSNPの配列番号は表5に記載されている。 配列番号:8に対応するSNPの遺伝子型を特定するための制限酵素に基づくアッセイ法の使用を図示している。多型ヌクレオチドは二種の制限酵素の認識配列内に位置している。Apa Iは「G」対立遺伝子が存在する場合に配列を認識かつ切断し、Ava IIは「A」対立遺伝子が存在する場合に配列を認識かつ切断する。3人の個体に由来する3つの独立したゲノムDNA試料(試料A、BおよびC)から配列番号:8を含むPCRアンプリコンを増幅した。アンプリコンをApa IもしくはAva IIまたは両酵素の組み合わせ(二重)により消化した。Apa Iのみによる消化では、G対立遺伝子について個体がホモ接合性であることを示唆し(試料B)、Ava IIのみによる消化では、A対立遺伝子について個体がホモ接合性であることを示唆し(試料C)、両酵素による消化では、このSNPについて個体がヘテロ接合性であることを示唆する(試料A)。 IGF2のLOIを検出するための制限酵素に基づく方法の使用を図示している。配列番号:8についてヘテロ接合性である個体3人からトータルRNAを抽出した。配列番号:8を含む、IGF2遺伝子の第9エクソンの3' UTRの領域を各試料からRT-PCR増幅した。各レーンの上方に示したように、cDNAアンプリコンをApa IもしくはAva IIまたは両酵素の組み合わせで消化した。消化された産物をAgilent Bioanalyzerにて分離し、切断されたおよび切断されなかった断片の濃度を測定した。Apa Iにより切断された断片の量は、「G」対立遺伝子を含むcDNAの割合を表す。Ava IIにより切断された断片の量は、「A」対立遺伝子を含むcDNAの割合を表す。それゆえ、Apa I切断断片のAva II切断断片に対する比率は、元のRNA試料における二種の対立遺伝子の発現の相対比率を示す。計算されたG:Aの比率を、各試料に対応する各三つ組のレーンの下方に示す。試料2は「A」対立遺伝子を排他的に発現しており、ゆえにIGF2のインプリントが存在していた。試料1は、G:Aの比率0.53で両コピーのIGF2遺伝子を発現しており、ゆえにIGF2のLOIを示している。試料3は、G:A比率0.27で検出可能な量の両コピーのIGF2遺伝子を発現しており、これを(LOIを判定する場合の比率0.33の閾値に近い)インプリンティング状態の境界線上の判定と見なすことができる。 一塩基プライマー伸長戦略を用いたSNPの対立遺伝子特異的な検出のための方法を図示している。配列番号:8により表されるSNPおよびその周囲のDNA配列(配列番号:25、相補配列は配列番号:28)を一例(「PCRアンプリコン」)として示す。配列番号:8のヌクレオチド位置を、矢印で表示した「配列番号:8」により示している。一塩基プライマー伸長に用いられるポリヌクレオチドの配列は、括弧で表示した「プライマー」(配列番号:24)により示される。関心対象の配列を含むPCR DNAアンプリコン(また、あるいはRT-PCR cDNAアンプリコン)を、アッセイするゲノムDNAまたはRNA試料から増幅する。精製したPCR (また、あるいはRT-PCR)産物に、遺伝子型を特定する多型ヌクレオチドの3'側1塩基の位置で鋳型ヌクレオチドに相補的な3'末端のヌクレオチドによりアニールするプライマーを加える。熱安定性DNAポリメラーゼおよび示差的に蛍光標識されたddNTPを用いて、一塩基のプライマー伸長を行う。この例では、dR110標識ddGTPまたはdR6G標識ddATPのどちらかがプライマーの3'末端に付加される。次いでこれらの標識されたポリヌクレオチド(配列番号:26および27)を分離し、取り込まれた可能性のある各ヌクレオチドを表すピーク面積を計算する。ピーク面積を比較して、そのSNP位置での個体の遺伝子型を判定する(また、あるいは対立遺伝子特異的な遺伝子発現の比率を判定する)。 配列番号:8について3人の個体の遺伝子型を特定するための図7に記述した一塩基プライマー伸長アッセイ法の使用を図示している。図6に示した制限酵素に基づくアッセイ法によりIGF2のLOIについてアッセイされた同一の個体3人の遺伝子型を特定した。図には、ABI 3730XL Genetic AnalyzerおよびGene Mapperソフトウェアによる電気泳動分離およびピーク検出後に各試料について得られたクロマトグラムが示されている。予想通り、配列番号:8の両対立遺伝子に相当するピークは比較的均等な割合で得られており、3人の個体が配列番号:8についてヘテロ接合性であることが確認され、制限酵素に基づく方法により得られた結果と一塩基プライマー伸長に基づく方法により得られた結果との一致が実証された。 IGF2のLOIを検出するための方法に基づく一塩基プライマー伸長の適用を図示している。配列番号:8を含む領域を、図8で遺伝子型を特定した個体3人の各人に由来するトータルRNA試料からRT-PCR増幅した。得られたcDNA産物を精製し、図7に図示されているように解析した。図には、ABI 3730XL Genetic AnalyzerおよびGene Mapperソフトウェアによる電気泳動分離およびピーク検出後に各試料について得られたクロマトグラムが示されている。各試料について、可能性のある二種の対立遺伝子の各々に相当するピーク面積を計算し、互いに比較した。計算されたG:Aの比率を各クロマトグラムの右側に示してある。図6に示した結果と一致して、試料1および3はIGF2のLOIを示すと判定され、試料2はIGF2の正常なインプリンティングを示すと判定された。 8種の独立的SNPに対して開発された一塩基プライマー伸長アッセイ法の定量分析の直線性を図示している: 配列番号:8 (A)、配列番号:2 (B)、配列番号:9 (C)、配列番号:10 (D)、配列番号:5 (E)、配列番号:7 (F)、配列番号:15 (G)および配列番号:16 (H)。8アッセイの各アッセイに関しては、SNPの一方の対立遺伝子について一方がホモ接合性、およびSNPの他方の対立遺伝子について他方がホモ接合性の、二人の個体に由来するゲノムDNA試料からIGF2遺伝子の第9エクソンの3' UTRを標的とする二つのPCRアンプリコンを別々に増幅した(すなわち、8つの対立遺伝子対に相当する計16のアンプリコンを得た)。16種のPCR産物を精製し定量化した。8種のSNPの各々については、2種のPCR産物(特定のSNPの一方の対立遺伝子(対立遺伝子1)を含む一方のもの、および他方の対立遺伝子(対立遺伝子2)を含む他方のもの)を、対立遺伝子1の対立遺伝子2に対する以下11の比率(または希釈点); 1:10、1:6、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、6:1および10:1で混合した。8種のSNPの各々については、一塩基プライマー伸長アッセイ法を各希釈点に対し三つ組で実施した。可能性のある2種の対立遺伝子の各々に相当するピーク面積の比率を各希釈点について計算し(y軸)、各対立遺伝子対の既知のインプットした比率(x軸)と比較した。値はlog10の尺度でプロットされている。各アッセイのR2および傾きを表6に示す。 5種の独立的SNPに対して開発された一塩基プライマー伸長アッセイ法の定量分析の直線性を図示している: 配列番号:3 (A)、配列番号:4 (B)、配列番号:6 (C)、配列番号:11 (D)および配列番号:14 (E)。各アッセイに関しては、SNPの一方の対立遺伝子について一方がホモ接合性、およびSNPの他方の対立遺伝子について他方がホモ接合性の、二人の個体に由来するゲノムDNA試料からPCR産物を別々に増幅した。PCR産物を精製し定量化した。8種のSNPの各々に関しては、2種のPCR産物(一方の対立遺伝子についてホモ接合性のDNA試料から増幅された一方のもの、および他方の対立遺伝子についてホモ接合性のDNA試料から増幅された他方のもの)を、対立遺伝子1の対立遺伝子2に対する以下の比率; 1:10、1:6、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、6:1および10:1で混合した。8種のSNPの各々については、一塩基プライマー伸長アッセイ法を各希釈点に対し三つ組で実施した。可能性のある二種の対立遺伝子の各々に相当するピーク面積の比率を計算し(y軸)、各対立遺伝子対の既知のインプット比率(x軸)と比較した。値はlog 10の尺度でプロットされている。各アッセイのR2および傾きを表6に示す。 IGF2の遺伝子型およびインプリンティング状態を判定するための多重化アッセイ法の使用を図示している。図12A: 一人の個体の血液試料に由来するゲノムDNAから産生されたPCR産物の多重化遺伝子型特定アッセイ法について、GeneMapperソフトウェアにより作成されたクロマトグラムを示す(表7中の試料A)。このアッセイ法では、配列番号:1、2、3、7、8、10、11、12、15および16によって表されるSNP位置での遺伝子型およびインプリンティング状態を判定する。図中で、ピークには対応する配列番号でラベル付けしてあり、それに続くのは括弧内に表示された一塩基配列である。例えば、12 (C)および12 (T)とラベル付けされたピークは、この試料が配列番号:12により表されるSNPについてヘテロ接合性(C/T)であることを示す。この試料は配列番号:3、11および12により表されるSNP位置でヘテロ接合性であり、それゆえ情報価値あり、である。これらのヘテロ接合性の位置に対応するピークは、図12A中のクロマトグラム下の角括弧で強調されている。図12B: 図12Aにおけるのと同じ個体の血液試料に由来する全RNAより増幅されたcDNAから産生されたPCR産物の多重化インプリンティングアッセイ法についてGeneMapperにより作成されたクロマトグラムを示す(表7中の試料A)。ピークには図12Aと同様にラベル付けしてある。この試料は、配列番号:3、11および12により表されるSNP位置について一つのピークしか検出されないので、IGF2の正常なインプリンティング(すなわち、単一対立遺伝子性の発現)を示すものと分かる。例えば、配列番号:12のC対立遺伝子は検出されるが、T対立遺伝子は検出されない。 Synth1およびSynth2対照に関連するIGF2 LOIアッセイ法の詳細に関する略図。13A: IGF2遺伝子の略図。潜在的プロモーターがプロモーター1、P0、P2、P3またはP4でラベル付けされた矢印によって示されている。潜在的な転写エクソンは、イントロン配列領域に相当する点線でつながったブロック矢印によって示されている。非翻訳エクソン配列領域は黒ブロック矢印によって示されており、翻訳エクソン配列領域は白ブロック矢印によって示されている。略図の上部にある尺度棒は1000塩基対(Kb)の増分で示されている。13B: Synth1 (またはSynth2)核酸領域の拡大図。Synth1 (またはSynth2)核酸配列は第8エクソンの最も3'側の21塩基対と、そのすぐ後に続く第9エクソンの配列を含む。Synth1 (またはSynth2)の5'および3'末端は、転写ベクターへの配列の核酸の連結を可能とするように含まれたNot I制限酵素認識配列を含む。IGF2第9エクソンに存在するCAリピートに富む配列領域は、Synth1 (またはSynth2)配列から除外された。Synth1 (またはSynth2)領域内の(または任意で、IGF2 mRNA領域内の)四つのプライマーのアニーリング部位が矢印(RTプライマー)によって示されている。これらのRTプライマーを用いてSynth1もしくはSynth2 IVT RNAから(または任意で、ヒト生体試料に由来するトータルRNAから)第一鎖cDNAを逆転写する。尺度棒は500塩基対の増分で示されている。13C: これらのRT反応により生成される第一鎖cDNA分子が点線によって示されている。13D: 逆転写の後、第一鎖cDNAを四つの独立したアンプリコンの第一ラウンドのPCR増幅のための鋳型として用いる。生成される第一鎖cDNAに対する四つのプライマー対のアニーリング部位が矢印によって示されている。プライマー対をつなぐ実線は、各第一ラウンドのPCR増幅反応において産生されるPCRアンプリコンを表す。白四角によって強調されたプライマーは、第8-第9エクソンのスプライス部位にまたがる配列を含む。13E: 第一ラウンドのPCR増幅において産生されるアンプリコンを四つの独立したネスト化アンプリコンの増幅用の鋳型として使用する。生成される第一鎖cDNAに対する四つのプライマー対のアニーリング部位が矢印によって示されている。プライマー対をつなぐ実線は、各第二ラウンドのPCR増幅反応において産生されるPCRアンプリコンを表す。13F: 第二ラウンドのPCR反応によって生成される四つのアンプリコンの各々は配列番号:1〜16によって表されるSNP位置の一つまたは複数を含む。各SNPの位置は菱形によって示されている。 IGF2 LOIアッセイ法の定量分析の直線性を判定するためのDNA対照の使用。pEZ-Synth1およびpEZ-Synth2の混合物を以下の比率: 8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:6および1:8 (Synth1:Synth2)で調製した。16種のSNPヌクレオチドを含むIGF2第9エクソンの転写領域を増幅するために四つの非重複性のPCRアンプリコンをデザインした。Synth1/Synth2の比率混合物に由来するアンプリコンを、実施例1に記述されている多重化された一塩基プライマー伸長アッセイ法の鋳型として用いた。アッセイを三つ組で行い、各ピークの平均ピーク面積を計算した。鋳型Synth1:Synth2の既知のインプット比率をx軸にプロットしている。Synth1対立遺伝子:Synth2対立遺伝子に相当するピーク面積の平均の測定比率をy軸にプロットしている。誤差棒は三つ組の測定結果にわたる±1標準偏差を示す。全ての平均データ点値に、既知の1:1インプットデータ点に対する測定値を正確に1.0に等しくなるように調整する共通の正規化因子を乗じた。アンプリコン1 (A)内の配列番号:7、アンプリコン2 (B)内の配列番号:5、アンプリコン3 (C)内の配列番号:1およびアンプリコン4 (D)内の配列番号:13によって表されるSNPを利用するアッセイ法の結果を示す。 IGF2 LOIアッセイ法の定量分析の直線性を判定するためのRNA対照の使用。pEZ-Synth1に由来するIVT RNAをpEZ-Synth2に由来するIVT RNAと、8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:6および1:8 (Synth1:Synth2)を含む比率で混合した。計120 pgのSynth1:Synth2 IVT RNA混合物(すなわち、pEZ-Synth1に由来するIVT対照RNAの量に加えてpEZ-Synth2に由来するIVT対照RNAの量が120 pgに等しかった)を酵母RNA 500 ngに添加した。このRNA混合物を、図13Eに記述されている四つのアンプリコンのRT-PCR増幅の鋳型として用いた。Synth1:Synth2の比率混合物に由来するアンプリコンを、実施例1に記述されている多重化された一塩基プライマー伸長アッセイ法の鋳型として用いた。アッセイを三つ組で行い、各ピークの平均ピーク面積を計算した。鋳型Synth1:Synth2 IVT RNAの既知のインプット比率をx軸にプロットしている。Synth1対立遺伝子:Synth2対立遺伝子に相当するピーク面積の平均の測定比率をy軸にプロットしている。誤差棒は三つ組の測定結果にわたる±1標準偏差を示す。全ての平均データ点値に、既知の1:1インプットデータ点に対する測定値を正確に1.0に等しくなるように調整する共通の正規化因子を乗じた。アンプリコン1 (A)内の配列番号:7、アンプリコン2 (B)内の配列番号:5、アンプリコン3 (C)内の配列番号:1、アンプリコン4 (D)内の配列番号:13、アンプリコン2 (E)内の配列番号:4およびアンプリコン4 (F)内の配列番号:14によって表されるSNPを利用するアッセイ法の結果を示す。
発明の詳細な説明
I. 導入
本発明はIGF2のLOIを検出する方法を提供する。本発明者らは、多数の、考えられる公知のおよび新発見のSNPから選択された、IGF2 SNPの特異的な組み合わせが不均一なヒト集団においてIGF2のLOIを検出するのに最適な方法に当たることを見出した。LOIの検出は、個体が保有するIGFの両対立遺伝子を検出する能力に依存し、それゆえ、個体が保有する二つのIGF対立遺伝子間に少なくとも一つの検出可能な差異が存在することを要する。任意の特定のIGF2 SNPはゆえに、LOIを測定するための潜在的なマーカーであるが、その特定のSNPの位置でヘテロ接合性である個体においてLOIを測定するのに有用であるにすぎない。本発明者らは今回、さまざまな組み合わせまたは部分的組み合わせで用いた場合、アッセイされる任意の特定の個体についてヘテロ接合性である少なくとも一種の、一般的には二種またはそれ以上のSNPを有する可能性が極めて高い、ごく少数のIGF2 SNPを特定した。過去の研究では典型的には、試験される患者の40〜50%で、IGF2のインプリンティング状態の測定に成功したにすぎなかった。本発明は、初めて、さまざまなバックグラウンドの高比率のヒト被験体においてIGF2のインプリンティング状態を判定することを可能にする。実施例において示されるように、本明細書において記述されるSNPの組み合わせは、種々の異なる民族的バックグラウンドで効果的に用いることができ、かくして、ヒト集団全般(異なる民族群の組み合わせであること)で用いるのにも効果的である。
II. IGF2 SNP
以下のSNPを本明細書において記述される組み合わせまたは部分的組み合わせで検出して、種々の民族群にわたるLOIの最適な検出を最小数のマーカーで達成することができる: 配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16。配列識別子は、SNPを含むその周囲の配列に対応し、それらは表1に示されており、配列中の角括弧で多型位置(および多型選択肢)が示されている。個体が、多型選択肢を有するIGF2のコピーを保有する場合、そのコピーはSNPの「対立遺伝子」といわれる。
本発明は、上記のSNP (例えば、配列番号:1〜16またはその部分的組み合わせで表される)の全ての検出を可能にする。例えば、いくつかの態様において、配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16を含むまたはそれらからなるSNPが検出される。以下の実施例に示されるように、この特定の部分的組み合わせは、民族群全体で非常に高い比率のヘテロ接合性を提供し、かくして、LOIを検出するためのマーカーの有用な組み合わせとなる。いくつかの態様において、配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16からなる少なくとも一つ、二つ、三つまたはそれ以上(例えば、全て)のSNPが検出される。いくつかの態様において、配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16からなる少なくとも一つ、二つ、三つまたはそれ以上(例えば、全て)のSNPが検出される。いくつかの態様において、配列番号:1、2、3、4、5および6からなる少なくとも一つ、二つ、三つまたはそれ以上(例えば、全て)のSNPが検出される。いくつかの態様において、配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16を含むまたはそれらからなるSNPが検出される。いくつかの態様において、配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16を含むまたはそれらからなるSNPが検出される。いくつかの態様において、配列番号:1〜16を含むまたはそれらからなるSNPが検出される。SNPは、以下に論じられるように遺伝子型の特定、LOIの判定またはその両方のために検出することができる。
いくつかの態様において、アッセイされる個体はアフリカ人家系(例えば、アフリカ人またはアフリカ系アメリカ人)のものであり、検出される少なくとも一つ(例えば、2、3、4、5、6、7または8つ)のSNPが配列番号:1、2、3、4、12、13、15および16より選択される。いくつかの態様において、アッセイされる個体は白人であり、検出される少なくとも一つ(例えば、2、3、4、5、6または7つ)のSNPが配列番号:5、8、9、10、12、15および16より選択される。いくつかの態様において、アッセイされる個体はメキシコ人またはメキシコ人家系のものであり、検出される少なくとも一つ(例えば、2、3、4、5、6、7、8または9つ)のSNPが配列番号:1、7、9、10、11、12、14、15および16より選択される。いくつかの態様において、アッセイされる個体は日本人家系(例えば、日本人または日系アメリカ人)のものであり、検出される少なくとも一つ(例えば、2、3または4つ)のSNPが配列番号:10、12、14および16より選択される。いくつかの態様において、アッセイされる個体は中国人家系(例えば、中国系アメリカ人)のものであり、検出される少なくとも一つ(例えば、2、3または4つ)のSNPが配列番号:6、8、12および16より選択される。
本発明は、本明細書において(例えば、上記のように)提示される組み合わせに記載の第一および第二(またはそれ以上)のSNPの二種の対立遺伝子を識別するポリヌクレオチドの組み合わせ、およびその使用を提供する。例えば、各ポリヌクレオチドが異なるSNPを識別できるような、いくつかの異なるポリヌクレオチドの組み合わせを用いることができる。したがって、例えば、以下のSNPの組み合わせの各々の二つまたはそれ以上の対立遺伝子を識別する少なくとも一つのポリヌクレオチドを用いることができる。いくつかの態様において、組み合わせには、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択される2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16種のSNPが含まれる。
例えば、本発明は、ポリヌクレオチドの組み合わせであって、異なるポリヌクレオチドを含み、異なるポリヌクレオチドの各々が特定の異なるSNPの第一の対立遺伝子にハイブリダイズするが、SNPの第二の対立遺伝子とは有意にハイブリダイズしない組み合わせを提供する。「有意にハイブリダイズしない」とは、試料中における等量の両対立遺伝子の存在下で、ポリヌクレオチドが第一の対立遺伝子の存在を検出できるが、アッセイの解釈を妨げるような程度には第二の対立遺伝子の存在を検出しないことを意味する。いくつかの態様において、試料中における等量の両対立遺伝子の存在下で、ポリヌクレオチドは、等量の第二の対立遺伝子を有する試料に対してポリヌクレオチドが発するシグナルよりも少なくとも、例えば、約10倍、100倍、1,000倍、10,000倍、100,000倍またはそれ以上である、第一の対立遺伝子を有する試料に対するシグナルを与える。「シグナル」とは、相補配列へのポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを示す任意の出力をいう。いくつかの態様において、SNPの組み合わせの検出のための群中のポリヌクレオチドの任意、部分集合または全ての配列の少なくとも70%、80%、90%、95%が、配列番号:1〜16より選択される一種(またはポリヌクレオチドの数に応じて、それ以上)のSNPに相補的である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、8〜200、8〜100、8〜50、10〜50、115〜100、20〜200ヌクレオチド長である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、少なくとも8、10、15、20、30、40または50個の相補的なヌクレオチドを含む。複数の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドを用いて、複数の異なるSNPを検出することができる。例えば、いくつかの態様において、複数のポリヌクレオチドは以下の組み合わせの一つを検出するのに十分な数のポリヌクレオチドを含む:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
例えば、組み合わせにおけるSNPの各々の一つの対立遺伝子に相補的である一つのポリヌクレオチドが存在するような、複数のポリヌクレオチドをデザインすることができる。したがって、少なくとも一つのポリヌクレオチドが以下のSNP領域の「各々」に対応するような十分な数のポリヌクレオチドは、この複数のポリヌクレオチドがつまり、SNP領域の全てに対応することを意味し、必ずしも一つのポリヌクレオチドが全てのSNP領域に対応することを意味しない。
あるいは、群中の任意、部分集合または全てのポリヌクレオチドは、鋳型特異的なプライマー伸長反応においてプライマーとして作用することによりSNPの二種の対立遺伝子を識別することもできる。これらの態様において、ポリヌクレオチドは、多型ヌクレオチドを一般的に包含しないが、その代わりに多型ヌクレオチドの位置でポリヌクレオチドの3'伸長が起こるようにゲノムDNAまたはcDNAとハイブリダイズする。したがって、いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの3'末端は多型ヌクレオチドから1000、100、10、5、3、2または1ヌクレオチド上流の範囲内のヌクレオチドに相補的である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドはIGF2ゲノムDNAもしくはcDNA (またはその相補体)に対するポリヌクレオチド長の少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%にわたって相補的である。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドはその3'末端に、IGF2ゲノムDNAもしくはcDNA (またはその相補体) (例えば、NM_000612 (配列番号:17)またはENST00000300632 (配列番号:18)またはENSG00000167244 (配列番号:19))に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%相補的である少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50個またはそれ以上の連続ヌクレオチドを含む。任意で、ポリヌクレオチドの5'末端は、配列タグまたはIGF2ゲノムDNAもしくはcDNAに相補的ではない他の配列を含んでもよい。当技術分野において周知であるように、種々のプライマー伸長法を利用して、SNPを検出することができる。
プライマー伸長反応に有用な対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドは、対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個の連続したヌクレオチドを有するものを含み、少なくとも8個の連続したヌクレオチドは以下:
(配列番号:1〜16に記載の) SNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
SNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一、[または、例えば、SNP領域の相補体の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15、20)個のヌクレオチドと100%同一]
のいずれかである。
この構成はポリヌクレオチドの3'末端が(どちらかの鎖由来の)多型位置のすぐ上流の領域とワトソンクリック塩基対合を形成することを可能にし、プライマー伸長反応が行われて、どちらの対立遺伝子が個体のcDNAまたはゲノムDNAにあるかを判定することを可能にする。「100%相補的」は、ポリヌクレオチドの指定されている(例えば、「少なくとも8個の」)連続したヌクレオチドがSNP領域中の指定配列に完全に相補的である、すなわち、ミスマッチが存在しないことを意味する。ポリヌクレオチドは、ワトソンクリック塩基対合を保持する天然に存在しないヌクレオチドを含みうることが理解されよう。ポリヌクレオチドは、必要に応じてSNP領域に相補的であるまたはそうでない、さらなるヌクレオチドを5'末端に含むことができる。
そのようなポリヌクレオチドの組み合わせを用いて、本明細書において記述されるSNPの特定の組み合わせを検出することができる。例えば、単一のポリヌクレオチドが単独の伸長反応を開始することができ、それによって複数のポリヌクレオチドが以下の組み合わせの一つを検出するように、上記の特徴を考慮して複数の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドをデザインすることができる:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
いくつかの態様において、二種の対立遺伝子を識別するポリヌクレオチドは、長さが少なくとも4、6、8、10、12、15、20、30、50個またはそれ以上のヌクレオチドである。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、長さがわずか1000、500、200、100、80、50、40、30、または25個のヌクレオチドしかない。例えば、ポリヌクレオチドは、例えば、8〜25、8〜30、8〜50、8〜100、10〜25、10〜50、10〜100ヌクレオチドなどであり得る。二種の対立遺伝子を識別するポリヌクレオチドは、典型的には、SNPの多型ヌクレオチドの一つに対応する(すなわち、それと整列する)およびそれに相補的であるヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドの最後のまたは最後から2番目の3'ヌクレオチドは、SNPの多型位置のヌクレオチドに相補的である。そのような態様は、ポリヌクレオチドをプライマーまたはプローブとして、例えばポリメラーゼ連鎖反応を伴うものなどの増幅に基づくアッセイ法において、利用するSNP検出法にとりわけ有用でありうる。
本発明のポリヌクレオチドを検出可能な程度に標識することができる。本発明で用いるのに適した検出可能な標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的または化学的な手段によって検出可能な任意の組成物を含む。本発明において有用な標識は、標識ストレプトアビジン結合体で染色するためのビオチン、磁性ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン、緑色蛍光タンパク質など、例えば、Molecular Probes, Eugene, Oregon, USA参照)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14C、もしくは32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびELISAでよく使われるその他のもの)、およびコロイド金のような比色標識(例えば、直径サイズ40〜80 nmの範囲で、高効率の散乱緑色光の金粒子)または着色ガラスもしくは着色プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズを含む。そのような標識の使用について教示している特許としては、米国特許第3,817,837号; 同第3,850,752号; 同第3,939,350号; 同第3,996,345号; 同第4,277,437号; 同第4,275,149号; および同第4,366,241号が挙げられる。二種もしくはそれ以上の対立遺伝子およびまたは複数のSNPもしくはポリヌクレオチドを検出する場合、異なる蛍光標識または他の標識で各ポリヌクレオチドを標識することが有用でありうる。任意で、プライマー伸長が用いられる場合、遊離ヌクレオチドを検出可能に、および任意で示差的に、標識し、それによって特定のヌクレオチドの取り込みの検出を可能にしてもよい。
ハイブリダイゼーション反応条件は、SNPを検出するために用いられるアッセイ法に応じて変わりうる。オリゴヌクレオチドが厳密に相補的な標的配列としかハイブリダイズしない、ストリンジェントで配列特異的なハイブリダイゼーション条件が、当技術分野において周知である。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、異なる環境では異なるであろう。いくつかの態様において、ストリンジェントな条件は規定のイオン強度およびpHでの特異的配列に対する熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmは、塩基対の50%が解離した(規定のイオン強度およびpH下の)温度である。ハイブリダイズする条件のストリンジェンシーを緩めることで、配列のミスマッチが許容されるようになる。許容されるミスマッチの程度は、ハイブリダイゼーション条件の適当な調整によって制御することができる。
サザン型のハイブリダイゼーションの場合、例示的な条件は以下である: 50%ホルムアミド、5×SSC、および1% SDS、42℃でインキュベートを行い、または5×SSC、1% SDS、65℃でインキュベートを行い、0.2×SSC、および0.1% SDS中55℃、60℃、または65℃で洗浄する。このような洗浄は、5、15、30、60、120分またはそれ以上の間行うことができる。PCR用途(プライマーおよび/またはプローブのハイブリダイゼーションおよび/または伸長を伴う)の場合、アニーリングおよび伸長条件を含むハイブリダイゼーション条件は、例えば、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Innis et al., eds., 1990)に記述されているように周知である。
本発明は、遺伝子組み換え工学の分野における日常の技術に依る。本発明で役に立つ一般的な方法を開示している基礎的なテキストには、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd ed. 2001); Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual (1990); およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds., 1994))が含まれる。
III. インプリンティングの消失およびがん素因を測定する方法
LOIの検出は、個体から得た生体試料中の二種のIGF2遺伝子コピーの各々に由来する発現量の比較に基づく。すなわち、個体がIGF2遺伝子の異なる二種の対立遺伝子を持っているなら、対立遺伝子特異的な検出を用いて、各遺伝子コピーの発現を定量化することができる。インプリンティングが機能しているなら、一方の遺伝子コピー(典型的には母方のコピー)は遺伝子のゲノムコピーの存在にもかかわらず発現されないであろう。しかし、LOIが起きているなら、発現は、IGF2遺伝子の母方および父方の両方のコピーから起こるであろう。したがって、各対立遺伝子を有するRNAの量の比率を生ずるまたはその相対量を別の方法で判定することが有用である。LOIが起きている場合に、発現レベルは必ずしも厳密に等しいとは限らないので、いくつかの態様において、ヘテロ接合性の個体において定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の33.3%(すなわち、豊富に発現される方の対立遺伝子と豊富には発現されない方の対立遺伝子との比率3:1)を超えるか、またはそれに等しい場合に、試料はIGF2のLOIを示すと判定される。定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の33.3%よりも低いレベルでの豊富ではない方の対立遺伝子の発現はまた、IGF2遺伝子のインプリンティングの消失を示唆し、がんのリスクの増大と関連しうる。それゆえ、いくつかの態様において、ヘテロ接合性の個体において定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の、例えば、10%、15%、20%、25%または30%(すなわち、豊富に発現される方の対立遺伝子と豊富には発現されない方の対立遺伝子との比率がそれぞれ、10.00:1、6.67:1、5.00:1、4.00:1または3.33:1)を超えるか、またはそれに等しい場合に、試料はIGF2のLOIを示すと判定される。いくつかの態様において、ヘテロ接合性の個体において定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、豊富な方の対立遺伝子に対して、例えば、比率10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1または4:1(すなわち、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の、それぞれ、10%、11.11%、12.50%、14.29%または16.67%、20.00%または25.00%)を超えるか、またはそれに等しい場合に、試料はIGF2のLOIを示すと判定される。
特定のSNPについて個体がヘテロ接合性であるかどうかを知ることは、一般的に望ましい。したがっていくつかの態様においては、試料からDNA (すなわち、ゲノムDNA)もRNAもともに得る。ゲノムDNAをアッセイして、特定のSNPについて個体がヘテロ接合性であるかどうかを判定する。遺伝子型を特定したSNPの組み合わせの一つまたは複数のSNPについて個体がヘテロ接合性であるなら、ヘテロ接合性のSNPから選択された二種またはそれ以上の可能なSNP対立遺伝子のどちらかを有するRNAを検出し、次いでその発現を比較することによりインプリンティングの消失を測定することが可能である。これを図2に示す。いくつかの態様では、本明細書において記載されるSNPの組み合わせの遺伝子型を検出し、次にヘテロ接合性であると判定されたSNPの一つまたは複数についてLOIを判定する。
しかしながら、ある状況では、特定のSNPについて個体がヘテロ接合体であるかどうかを事前に知ることなく、RNAのみを検出するのが有益なこともある。この状況では、二種の対立遺伝子の比較的同じような発現量を観察することでLOIが示唆されるが、一方の対立遺伝子の発現を検出するのでは情報価値がない。というのも、陰性の結果が特定のSNPのインプリンティングまたはホモ接合性に起因するのかは、分からないためである。しかしながら、検出される異なるSNPの数を増やすことにより、どのSNPについても個体がホモ接合性であるという可能性が低くなるようなアッセイ法をデザインすることが可能である。本明細書において説明されるように、提供されるSNPの組み合わせは、特定の個体が組み合わせにおける各SNPについてホモ接合性であるという可能性を低くする。さらに、インプリンティングは通常、十分に完全ではないので、インプリントされた対立遺伝子(これはそれでも、ごく少量の転写産物を生じ、従ってヘテロ接合体を示唆するであろう)と、ホモ接合体(これは第二の対立遺伝子に対する転写産物を全く生成しない)とを識別できるような十分な感度のアッセイ法を用いればRNA量のみを測定することによって個体の遺伝子型を判定することが可能である。
いくつかの態様において、人種を問わずヘテロ接合性のSNPをアッセイする最大の機会を可能とするように一組のSNPを選択することができる。したがって、いくつかの態様において、表5より選択されたSNPのパネルが用いられる。
IV. SNP検出の方法
SNPの存在について核酸を評価するための検出技術は、分子遺伝学の分野において周知の手順を伴う。さらに、方法の多くは核酸の増幅を伴う。SNP検出を実施するための十分な指針が当技術分野において提供されている。例示的な参考文献としてはPCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification (ed. H. A. Erlich, Freeman Press, NY, N.Y., 1992); PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (eds. Innis, et al., Academic Press, San Diego, Calif., 1990); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, 1994-1999, 2004年4月までの追補改訂版を含む; Sambrook & Russell, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd Ed, 2001)などの手引き書が挙げられる。
これらの方法では典型的にはPCRの工程を利用するが、他の増幅または非増幅に基づくプロトコルを用いることもできる。適当な増幅法には、リガーゼ連鎖反応(例えば、Wu & Wallace, Genomics 4:560-569, 1988を参照のこと); 鎖置換アッセイ(例えば、Walker et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:392-396, 1992; 米国特許第5,455,166号を参照のこと); ならびに米国特許第5,437,990号; 同第5,409,818号; および同第5,399,491号に記述されている方法を含め、いくつかの転写に基づく増幅系; 転写増幅系(TAS) (Kwoh et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173-1177, 1989); ならびに自家持続配列複製(3SR) (Guatelli et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-1878, 1990; WO 92/08800)が含まれる。あるいは、Qβ-レプリカーゼ増幅(Kramer & Lizardi, Nature 339:401-402, 1989; Lomeli et al., Clin. Chem. 35:1826-1831, 1989)などの、検出可能なレベルまでプローブを増幅する方法を用いることもできる。公知の増幅法の総説は、例えば、AbramsonおよびMyersによってCurrent Opinion in Biotechnology 4:41-47, 1993に提供されている。
典型的には、個体におけるSNPの検出は、オリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブを用いて行われる。オリゴヌクレオチドは任意の適当な方法、通常は化学合成によって調製することができる。オリゴヌクレオチドは市販の試薬および機器を用いて合成することができる。あるいは、商業的供給源を通じてそれらを購入することもできる。オリゴヌクレオチドを合成する方法は、当技術分野において周知である(例えばNarang et al., Meth. Enzymol. 68:90-99, 1979; Brown et al., Meth. Enzymol. 68:109-151, 1979; Beaucage et al., Tetrahedron Lett. 22:1859-1862, 1981; 米国特許第4,458,066号の固体支持体法を参照のこと)。さらに、上記の合成方法の改変を用いて、合成されたオリゴヌクレオチドに対する酵素作用に望ましい影響を与えることもできる。例えば、修飾されたホスホジエステル結合(例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホアミデートもしくはボラノホスフェート)または亜リン酸誘導体以外の結合のオリゴヌクレオチドへの組み込みを用いて、選択部位での切断を阻止することができる。さらに、2'-アミノ修飾糖の使用は、新しい核酸鎖の合成のための鋳型でもある核酸へのハイブリダイズ時のオリゴヌクレオチドの消化よりも置換に有利に働く傾向がある。
個体から得た試料における本発明のSNPの対立遺伝子の量および/または存在は、当技術分野において周知である多くの検出法を用いて判定することができる。いくつかのSNPアッセイフォーマットでは、いくつかの一般的なプロトコル: 対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いたハイブリダイゼーション、プライマー伸長、対立遺伝子特異的なライゲーション、配列決定、または電気泳動的な分離技術、例えば、一本鎖高次構造多型分析(SSCP)およびヘテロ二重鎖分析のうちの一つを必要とする。例示的なアッセイ法としては、5'ヌクレアーゼアッセイ法、鋳型を標的とした色素終結因子の取り込み、分子指標対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドアッセイ法、一塩基伸長アッセイ法、および実時間のピロリン酸エステル配列によるSNPスコアリングが挙げられる。増幅された配列の分析はマイクロチップ、蛍光偏光アッセイ法およびマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析などの、さまざまな技術を用いて行うことができる。同様に使用できる二つの方法は、Flapヌクレアーゼを用いた侵襲的切断に基づくアッセイ法、およびパドロックプローブを利用した方法論である。
特定のSNP対立遺伝子の有無の判定は、分析される個体由来の生体試料から得られる核酸試料を分析することによって一般に行われる。SNP対立遺伝子の量および/または存在は、試料由来のRNAを用いて直接測定されてもよいが、多くの場合、試料中のRNAを逆転写し、任意で増幅し、次いで得られたcDNAにおいてSNP対立遺伝子を検出する。
SNPの対立遺伝子の量および/または存在を測定するのによく使われる核酸試料の分析方法を簡単に記述する。しかしながら、当技術分野において公知の任意の方法を本発明で用いて、単一塩基多型の量および/または存在を測定することができる。
対立遺伝子特異的なハイブリダイゼーション
対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ASO)ともよくいわれるこの技術(例えば、Stoneking et al., Am. J. Hum. Genet. 48:70-382, 1991; Saiki et al., Nature 324, 163-166, 1986; EP 235,726; およびWO 89/11548)は、変種の一方に特異的であるオリゴヌクレオチドプローブを、核酸試料の増幅から得られた増幅産物とハイブリダイズすることによって、一塩基だけ異なる二種のDNA分子を識別することに依る。いくつかの態様において、この方法では短い、例えば、長さが15〜20塩基のオリゴヌクレオチドを利用する。プローブは、もう一方の変種と比べて一方の変種と示差的にハイブリダイズするようにデザインされる。そのようなプローブをデザインするための原理および指針は、当技術分野において、例えば、本明細書に引用の参考文献において入手可能である。ハイブリダイゼーション条件は、対立遺伝子間にハイブリダイゼーション強度の有意な相違が存在し、好ましくは本質的に二成分の応答が存在し、それによってプローブが対立遺伝子の一方とのみハイブリダイズするように十分にストリンジェントにすべきである。プローブのなかには、多型部位がプローブの中央の位置と(例えば、オリゴヌクレオチドの中央の4塩基内で、例えば、15塩基のオリゴヌクレオチドでは7個目の位置で; 16塩基のオリゴヌクレオチドでは8個目か9個目かのどちらかの位置で)整列するように、標的DNAまたはcDNAのセグメントとハイブリダイズするようデザインされるものもある(例えば、本発明のポリヌクレオチドは本明細書に記載の二種のSNP対立遺伝子を識別する)が、このデザインは必要とされない。
対立遺伝子の量および/または存在は、試料とハイブリダイズしている対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドの量を測定することによって判定される。典型的には、オリゴヌクレオチドは蛍光標識などの標識で標識される。例えば、対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを、潜在的なSNP配列に相当する固定化されたオリゴヌクレオチドにアプライする。ストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件の後、各SNPオリゴヌクレオチドについて蛍光強度を測定する。
一つの態様において、多型部位に存在するヌクレオチドは、多型部位を包含する領域において多型対立遺伝子の一方に厳密に相補的なオリゴヌクレオチドプローブを用いた配列特異的なハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションによって特定される。プローブハイブリダイズ配列および配列特異的なハイブリダイゼーション条件は、多型部位での単一のミスマッチがハイブリダイゼーション二重鎖を十分に不安定化し、その結果、この二重鎖が効果的に形成されないように選択される。かくして、配列特異的なハイブリダイゼーション条件の下では、安定な二重鎖はプローブと、厳密に相補的な対立遺伝子配列との間だけで形成されよう。したがって、多型部位を包含する領域において対立遺伝子配列に厳密に相補的である、長さが約10〜約35ヌクレオチドの、例えば、長さが約15〜約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内(例えば、配列番号:1〜16のうちの一つ)である。
代替的な態様において、多型部位のヌクレオチドの量および/または存在は、多型部位を包含する領域においてSNP対立遺伝子の一方に実質的に相補的な、および多型部位で対立遺伝子に厳密に相補的なオリゴヌクレオチドを用いた十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションによって特定される。非多型部位で生じるミスマッチは両方の対立遺伝子配列とのミスマッチであるので、標的の対立遺伝子配列と形成された二重鎖中のおよび対応する非標的の対立遺伝子配列と形成された二重鎖中のミスマッチ数の相違は、標的の対立遺伝子配列に厳密に相補的なオリゴヌクレオチドを用いた場合と同じである。この態様においては、非標的配列との安定な二重鎖の形成を防ぐのに十分なストリンジェンシーは維持しながらも、ハイブリダイゼーション条件を十分に緩めて、標的配列との安定な二重鎖の形成を可能にする。そのような十分にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で、安定な二重鎖はプローブと標的の対立遺伝子との間でのみ生じる。したがって、多型部位を包含する領域において対立遺伝子配列に実質的に相補的である、および多型部位で対立遺伝子配列に厳密に相補的である、長さが約10〜約35ヌクレオチドの、好ましくは、長さが約15〜約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドは、本発明の範囲内である。
厳密によりもむしろ、実質的に、相補的なオリゴヌクレオチドの使用は、ハイブリダイゼーション条件の最適化が制限されているアッセイの形式において望ましいことがある。例えば、典型的な多標的固定化プローブアッセイの形式においては、各標的に対するプローブを単一の固体支持体に固定化する。ハイブリダイゼーションは、標的DNAまたはcDNAを含有する溶液と固体支持体を接触させることによって同時に行われる。全てのハイブリダイゼーションが同一の条件下で行われるので、ハイブリダイゼーション条件を各プローブについて別々に最適化することはできない。アッセイの形式によってハイブリダイゼーション条件の調整が不可能とされる場合には、プローブへのミスマッチの組み込みを用いて、二重鎖の安定性を調整することができる。導入された特定のミスマッチが二重鎖の安定性に及ぼす影響は周知であり、二重鎖の安定性を、上記のように、日常的に推定することも実験的に判定することもできる。プローブの正確なサイズおよび配列に依る、適当なハイブリダイゼーション条件は、本明細書において提供のおよび当技術分野において周知の指針を用いて実験的に選択することができる。配列の一塩基対の相違を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブの使用は、例えば、Conner et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:278-282、ならびに米国特許第5,468,613号および同第5,604,099号に記述されており、これらの各々が参照により本明細書に組み入れられる。
完全マッチのハイブリダイゼーション二重鎖と一塩基ミスマッチのハイブリダイゼーション二重鎖との間の安定性の比例的変化は、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの長さに依る。より短いプローブ配列と形成される二重鎖は、ミスマッチの存在によっていっそう比例的に不安定化される。実際には、長さが約15〜約35ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが、配列特異的な検出には好ましい。さらに、ハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの末端は、熱エネルギーによって間断のない無作為の解離および再アニーリングを起こしているので、両末端のミスマッチは、内部に生じたミスマッチほど、ハイブリダイゼーション二重鎖を不安定化しない。標的配列における一塩基対変化の識別のため、多型部位がプローブの内部領域に生じるように、標的配列とハイブリダイズするプローブ配列を選択することが好ましい。
特定のSNPとハイブリダイズするプローブ配列を選択するための上記の基準は、プローブのハイブリダイズ領域、すなわち、標的配列とのハイブリダイゼーションに関わるプローブのその部分に当てはまる。プローブのハイブリダイゼーション特性をあまり変化させないで、プローブを固定化するために使われるポリ-T尾部などの、さらなる核酸配列にプローブを結合させることができる。本発明の方法で用いる場合、標的配列に相補的ではない、すなわち、ハイブリダイゼーションに関わらないさらなる核酸配列に結合するプローブは、未結合のプローブと本質的に同等であることを当業者は認識するであろう。
プローブと試料中の標的核酸配列との間で形成されるハイブリッドを検出するのに適したアッセイ形式は、当技術分野において公知であり、固定化した標的(ドットブロット)の形式および固定化したプローブ(逆ドットブロットまたはラインブロット)のアッセイ形式を含む。ドットブロットおよび逆ドットブロットのアッセイ形式は、米国特許第5,310,893号; 同第5,451,512号; 同第5,468,613号; および同第5,604,099号に記述されており、これらの各々が参照により本明細書に組み入れられる。
ドットブロットの形式においては、増幅された標的DNAまたはcDNAをナイロン膜などの、固体支持体に固定化する。膜-標的複合体を適当なハイブリダイゼーション条件の下で標識プローブとともにインキュベートし、ハイブリダイズしなかったプローブを適当にストリンジェントな条件下での洗浄によって除去し、結合したプローブの存在について膜をモニタリングする。
逆ドットブロット(またはラインブロット)の形式においては、プローブをナイロン膜またはマイクロタイタープレートなどの、固体支持体に固定化する。標的DNAまたはcDNAを、典型的には増幅の間に標識プライマーの取り込みによって標識する。プライマーの一方または両方を標識することができる。膜-プローブ複合体を適当なハイブリダイゼーション条件の下で、標識され増幅された標的DNAまたはcDNAとともにインキュベートし、ハイブリダイズしなかった標的DNAまたはcDNAを、適当にストリンジェントな条件下での洗浄によって除去し、結合した標的DNAまたはcDNAの存在について膜をモニタリングする。
多型変種の一方に特異的である対立遺伝子特異的なプローブは、他方の多型変種に対する対立遺伝子特異的なプローブと併せて用いられることが多い。いくつかの態様において、プローブを固体支持体に固定化し、個体における標的配列を両方のプローブによって同時に分析する。核酸アレイの例はWO 95/11995によって記述されている。特徴付けられている多型の分析に同じアレイまたは異なるアレイを用いることができる。WO 95/11995でも、既に特徴付けられている多型の変種型の検出のために最適化されたサブアレイについて記述している。
対立遺伝子特異的なプライマー
対立遺伝子の量および/または存在は同様に、対立遺伝子特異的な増幅法またはプライマー伸長法を用いて一般に検出される。これらの反応では、典型的には、プライマーの3'末端のミスマッチを介して多型を特異的に標的化するようにデザインされたプライマーの使用を伴う。ポリメラーゼに誤りを修正する活性がない場合には、ミスマッチの存在がプライマーを伸長するポリメラーゼの能力に影響を与える。例えば、対立遺伝子特異的な増幅または伸長に基づく方法を用いて対立遺伝子配列を検出するために、SNPの多型ヌクレオチドに相補的なプライマーは、3'末端のヌクレオチドが多型位置でハイブリダイズするようにデザインされる。特定の対立遺伝子の存在は、伸長を開始するプライマーの能力によって判定することができる。3'末端が不適合であれば、伸長が妨げられる。プライマーが3'末端の多型ヌクレオチドに適合すれば、プライマーは効率的に伸長されるであろう。
典型的には、プライマーは増幅反応において第二のプライマーと併せて用いられる。第二のプライマーは多型位置と無関係の部位でハイブリダイズする。増幅はこれらの二つのプライマーから進行し、特定の対立遺伝子型が存在することを示す検出可能な産物をもたらす。対立遺伝子特異的な増幅または伸長に基づく方法は、例えば、WO 93/22456; 米国特許第5,137,806号; 同第5,595,890号; 同第5,639,611号; および米国特許第4,851,331号に記述されている。
対立遺伝子特異的な増幅に基づく方法を用いる、対立遺伝子の特定および/または定量化には増幅された標的配列の存在または非存在の検出が必要になる。増幅された標的配列の検出のための方法は、当技術分野において周知である。例えば、記述したゲル電気泳動法およびプローブハイブリダイゼーションアッセイ法は、核酸の存在を検出するために使われることが多い。
プローブを使用しない代替的な方法では、増幅された核酸は、反応混合液中での二本鎖DNAの総量の増大をモニタリングすることによって検出され、これは、例えば、米国特許第5,994,056号; ならびに欧州特許出願公開第487,218号および同第512,334号に記述されている。二本鎖の標的DNAまたはcDNAの検出は、さまざまなDNA結合色素、例えば、SYBR Greenが二本鎖DNAへの結合時に示す蛍光の増大に依る。
当業者には理解されるように、対立遺伝子特異的な増幅法は、特定の標的対立遺伝子に対する複数の対立遺伝子特異的なプライマーを利用する反応において実施することができる。そのような複数の用途のためのプライマーは、一般には識別可能な標識を用いて標識されるか、または対立遺伝子から生じる増幅産物がサイズによって識別可能であるように選択される。したがって、例えば、単一試料中の両方の対立遺伝子は、さまざまな方法により単一増幅を用いて特定および/または定量化することができる。
対立遺伝子特異的なプローブの場合と同様に、対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドプライマーは、ハイブリダイズする領域において多型対立遺伝子の一方に厳密に相補的であってもよく、またはオリゴヌクレオチドの3'末端以外の位置でいくつかのミスマッチを有していてもよいが、そのミスマッチは両方の対立遺伝子配列内の非多型部位に存在している。
5'-ヌクレアーゼアッセイ法
対立遺伝子の量および/または存在は米国特許第5,210,015号; 同第5,487,972号; および同第5,804,375号; ならびにHolland et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:7276-7280に記述されているように、「TaqMan(登録商標)」または「5'-ヌクレアーゼアッセイ法」を用いて判定することもできる。TaqMan(登録商標)アッセイでは、増幅された領域内でハイブリダイズする標識した検出プローブが増幅反応中に加えられる。プローブは、DNA合成用のプライマーとしてプローブが作用することを阻止するように修飾される。増幅は、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを用いて行われる。増幅の各合成段階中、伸長されているプライマーより下流の標的核酸とハイブリダイズする任意のプローブは、DNAポリメラーゼの5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性によって分解される。したがって、新しい標的鎖の合成はプローブの分解も引き起こし、分解産物の蓄積は標的配列合成の尺度となる。
ハイブリダイゼーションプローブは、SNP対立遺伝子を識別する対立遺伝子特異的なプローブであってもよい。あるいは、本方法は、対立遺伝子特異的なプライマーおよび増幅産物に結合する標識プローブを用いて行われてもよい。
分解産物を検出するのに適した任意の方法を5'ヌクレアーゼアッセイ法において用いることができる。多くの場合には、検出プローブを二種の蛍光色素で標識し、その一方が他方の色素の蛍光を消光することができる。色素をプローブに付着させるが、好ましくは、プローブが非ハイブリダイズ状態にある場合に消光が起こるように、およびDNAポリメラーゼの5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性によるプローブの切断が二種の色素間で起こるように、一方を5'末端に付着させ、他方を内部部位に付着させる。増幅は、同時に起こる消光の解除と、最初には消光されていた色素からの観察可能な蛍光の増大とともに、色素間でのプローブの切断を引き起こす。分解産物の蓄積は、反応による蛍光の増大を測定することによってモニタリングされる。参照によりともに本明細書に組み入れられる米国特許第5,491,063号および同第5,571,673号では、増幅と同時に起こるプローブの分解を検出するための代替的な方法について記述している。
DNA配列決定および一塩基または他のプライマー伸長
対立遺伝子の量および/または存在は直接的な配列決定によって判定することもできる。方法としては、例えば、ダイデオキシ配列決定に基づく方法、ならびにMaxamおよびGilbert配列のような他の方法が挙げられる(例えば、Sambrook and Russell, 前記を参照のこと)。
その他の検出方法には、オリゴヌクレオチド長の産物のパイロシークエンス法(商標)が含まれる。そのような方法では、PCRなどの増幅技術を利用することが多い。例えば、パイロ配列決定法では、配列決定用のプライマーを、一本鎖の、PCR増幅された、DNAまたはcDNA鋳型とハイブリダイズし、酵素のDNAポリメラーゼ、ATPスルフリラーゼ、ルシフェラーゼおよびアピラーゼ、ならびに基質のアデノシン5'ホスホ硫酸(APS)およびルシフェリンとともにインキュベートする。初めの四種のデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を反応に加える。DNAポリメラーゼは、鋳型鎖中の塩基に相補的であれば、DNA鎖へのデオキシヌクレオチド三リン酸の組み込みを触媒する。各組み込み事象には、組み込まれたヌクレオチドの量と当モルの量でのピロリン酸塩(PPi)の遊離が付随する。ATPスルフリラーゼは、アデノシン5'ホスホ硫酸の存在下でPPiをATPへ定量的に変換する。このATPは、ATPの量に比例する量で可視光を発生するオキシルシフェリンへのルシフェリンの、ルシフェラーゼを介した変換を推進する。ルシフェラーゼ触媒反応において生じた光は、電荷結合素子(CCD)カメラによって検出され、パイログラム(商標)におけるピークとして見られる。各光シグナルは、組み込まれたヌクレオチドの数に比例する。ヌクレオチド分解酵素であるアピラーゼは、組み込まれていないdNTPおよび過剰なATPを持続的に分解する。分解が完了した時点で、さらに別のdNTPを加える。
SNPを特徴付けるための別の類似の方法では、完全なPCRの使用を要しないが、典型的には、SNPの対立遺伝子選択肢のいずれかに相補的な、および場合によっては、容易に検出されるように修飾された、一つのヌクレオチドによるプライマーの伸長だけを用いる。ddNTPの修飾は蛍光標識または質量変更を含むことができるが、これらに限定されることはない。多型部位に取り込まれたヌクレオチドを次に、一塩基のみ伸長された、かつ蛍光的に標識されているまたは質量変更されているプライマーの検出によって特定することができる(例えば、Kobayashi et al, Mol. Cell. Probes, 9:175-182, 1995)。もちろん、伸長産物を必要に応じて、他種の標識に基づきまたは質量分析により検出することもできる。
類似の方法では、PCR増幅された標的DNAまたはRT-PCR増幅された標的cDNAを、一塩基のプライマー伸長反応の鋳型として用いることができ、それによって多型ヌクレオチドに相補的な一つの蛍光標識ddNTPが単一のプライマーの3'末端に組み込まれる。各特異的ddNTPを、異なる蛍光色素で標識することができる(例えば、ddATPをdR6Gで標識し、ddCTPをdTAMRA(商標)で標識し、ddGTPをdR110で標識し、およびddTTPまたはddUTPをdROX(商標)で標識することができる)。それゆえ、初めには標識されていないプライマーの一塩基伸長により、プライマーは、非標識プライマーの3'末端に付加された塩基を特定する特異的な蛍光色素でタグ付けされる。伸長されたプライマーを分離し分析して、標的DNAまたは標的cDNA鋳型中の各対立遺伝子の相対量に当たる、各特異的色素タグの付いたプライマーの存在および相対量を判定することができる。
制限断片長多型分析
他の態様において、SNPの対立遺伝子の量および/または存在は、関心対象の多型ヌクレオチドが制限酵素の認識配列内にある場合、増幅された標的DNAまたはcDNAの示差的消化によって判定することができる。ある場合には、SNPの一方の対立遺伝子(第一の対立遺伝子)は制限酵素の認識配列を保持しており、他方の対立遺伝子(第二の対立遺伝子)は保持していない。この場合には、制限酵素は、第一の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAを切断するが、第二の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAは切断しないであろう。別の場合には、SNPの一方の対立遺伝子(第一の対立遺伝子)は制限酵素(第一の制限酵素)の認識配列を保持しており、他方の対立遺伝子(第二の対立遺伝子)は異なる制限酵素(第二の制限酵素)の認識配列を保持している。この場合には、第一の制限酵素は、第一の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAを切断するが、第二の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAは切断しないであろう。第二の制限酵素は、第二の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAを切断するが、第一の対立遺伝子を含む標的DNAまたはcDNAは切断しないであろう。対立遺伝子の量および/または存在は、固定化された制限断片へのサザンブロットハイブリダイゼーションおよびバンド強度の定量化、ゲル電気泳動による制限断片の分離および可視化、(Agilent BioAnalyzerを用いて行われるような)キャピラリー電気泳動による制限断片の分離および定量化、または切断された鋳型DNAもしくはcDNA vs 切断されなかった鋳型DNAもしくはcDNAの示差的な定量的PCR増幅を含むが、これらに限定されない、さまざまな方法によって判定することができる。
変性勾配ゲル電気泳動
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて生成された増幅産物は、変性勾配ゲル電気泳動の使用によって分析することができる。異なる配列依存的融解特性および溶液中でのDNAの電気泳動的な移動に基づいて、異なる対立遺伝子を特定することができる(例えば、Erlich, ed., PCR Technology, Principles and Applications for DNA Amplification, W. H. Freeman and Co, New York, 1992, Chapter 7を参照のこと)。
一本鎖高次構造多型分析
標的配列の対立遺伝子は、例えば、Orita et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 86, 2766-2770 (1989)に記述されているように、一本鎖PCR産物の電気泳動的な移動の変化によって塩基の差異を特定する、一本鎖高次構造多型分析を用いて差別化することができる。増幅されたPCRまたはRT-PCR産物を上記のように生成し、加熱するか、それ以外の方法で変性させて、一本鎖増幅産物を形成させることができる。一本鎖核酸は再び折り畳まれるか、または塩基配列に部分的に依存した二次構造を形成することができる。一本鎖増幅産物の異なる電気泳動移動度を、標的の対立遺伝子間の塩基配列差異に関連付けることができる。
SNP検出法では、標識されたオリゴヌクレオチドを利用することが多い。オリゴヌクレオチドは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的な手段によって検出可能な標識を組み込むことによって標識することができる。有用な標識には、蛍光色素、放射性標識、例えば、32P、電子密度の高い試薬、例えばペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼなどの酵素、ビオチン、または抗血清もしくはモノクローナル抗体が得られるハプテンおよびタンパク質が含まれる。標識化技術は、当技術分野において周知である(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, 前記; Sambrook & Russell, 前記を参照のこと)。
V. RNAを定量化するための方法
特定のSNPに対応するRNAの存在および量を、RNAを定量化するための任意の方法にしたがって容易に判定することができる。固体支持体へのRNAの結合およびRNAのプロービングを伴う種々の方法(例えば、ノザンブロット、ドットブロットなど)を用いることができる。
いくつかの態様において、標的RNAを初めに(例えば、逆転写酵素を用いて)逆転写し、次いで、得られたcDNAをRNA量の代わりに、当技術分野において公知の任意の方法(ブロットハイブリダイゼーション、RT-PCRなど)により定量化する。種々の逆転写の方法が公知であり、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd ed. 2001); Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual (1990); およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds., 1994))に記述されており、特異的または非特異的なプライマーのどちらかを用いた逆転写を伴いうる。
いくつかの態様において、RT-PCRまたは他の定量的な増幅技術を用いて、標的RNAを定量化する。反応によるcDNAの増幅は周知である(米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号; PCR PROTOCOLS: A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS (Innis et al., eds, 1990))。
本発明の方法により増幅された配列を、溶液中でまたは固体支持体への結合の後に、特異的なDNA配列の検出に通常適用される任意の方法、例えばPCR、オリゴマー制限(Saiki, et al., Bio/Technology 3:1008-1012 (1985))、対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチド(ASO)プローブ分析(Conner, et al., PNAS USA 80:278 (1983))、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA) (Landegren, et al., Science 241:1077, (1988))などによって、さらに評価、検出、配列決定することなどができる。DNA分析のための分子技術が概説されている(Landegren, et al., Science 242:229-237 (1988))。
定量的増幅の方法は、例えば、米国特許第6,180,349号; 同第6,033,854号; および同第5,972,602号に、ならびに、例えば、Gibson et al., Genome Research 6:995-1001 (1996); DeGraves, et al., Biotechniques 34(1): 106-10, 112-5 (2003); Deiman B, et al., Mol Biotechnol. 20(2): 163-79 (2002)に開示されている。増幅は「実時間」でモニタリングすることができる。
一般に、定量的増幅は、増幅(例えばPCR)反応のサイクルにおける鋳型のコピー数に当たるシグナル(例えば、プローブの蛍光)のモニタリングに基づく。PCRの初期サイクルにおいては、形成されたアンプリコンの量はアッセイ由来の測定可能なシグナル出力を支持するものではないので、非常に低いシグナルが観察される。初期サイクルの後、形成されたアンプリコンの量が増加するにつれて、シグナル強度は測定可能なレベルまで増大し、PCRが非対数増殖期に入る後期サイクルでプラトーに達する。シグナル強度 vs サイクル数のプロットを通じて、測定可能なシグナルがPCR反応から得られる特定のサイクルを推定し、これを用いて、PCRの開始前の標的の量を逆算することができる。この方法によって判定される特定のサイクル数は、典型的には、サイクル閾値(Ct)といわれる。例示的な方法は、例えば、加水分解に関連してHeid et al. Genome Methods 6:986-94 (1996)に記述されている。
増幅産物の検出のための一つの方法は、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ「加水分解」PCRアッセイ法(TaqMan(商標)アッセイ法ともいわれる) (米国特許第5,210,015号および同第5,487,972号; Holland et al., PNAS USA 88: 7276-7280 (1991); Lee et al., Nucleic Acids Res. 21: 3761-3766 (1993))である。このアッセイ法では増幅反応中の、二重標識された蛍光発生プローブ(「TaqMan(商標)」プローブ)のハイブリダイゼーションおよび切断によって特異的なPCR産物の蓄積を検出する。この蛍光発生プローブは、蛍光レポーター色素と消光剤色素の両方を用いて標識されたオリゴヌクレオチドからなる。PCR中、このプローブは、増幅されているセグメントとハイブリダイズする場合に、かつその場合にのみ、DNAポリメラーゼの5'-エキソヌクレアーゼ活性によって切断される。プローブの切断によって、レポーター色素の蛍光強度の増大が生じる。
エネルギー転移の使用に依存した増幅産物を検出する別の方法は、Tyagi and Kramer, Nature Biotech. 14:303-309 (1996)によって記述されている「ビーコンプローブ」法であり、これは米国特許第5,119,801号および同第5,312,728号の主題でもある。この方法では、ヘアピン構造を形成できるオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを利用する。ハイブリダイゼーションプローブの一方の末端(5'または3'末端のどちらか)には供与体フルオロフォアがあり、他方の末端には、受容体成分がある。TyagiおよびKramerによる方法の場合には、この受容体成分は消光剤であり、すなわち、受容体は供与体によって放出されたエネルギーを吸収するが、蛍光自体は吸収しない。かくして、ビーコンが開放構造にある場合、供与体フルオロフォアの蛍光は検出可能であるのに対し、ビーコンがヘアピン(閉鎖)構造にある場合、供与体フルオロフォアの蛍光は消光される。PCRに利用された場合、PCR産物の鎖の一つとハイブリダイズする分子ビーコンプローブは「開放構造」にあって、蛍光が検出されるのに対し、未ハイブリダイズのままのものは、蛍光を発しないであろう(Tyagi and Kramer, Nature Biotechnol. 14: 303-306 (1996))。結果として、蛍光の量は、PCR産物の量が増加するにつれて増加するので、したがってPCRの進行の尺度として用いることができる。その他の定量的増幅の方法も利用可能であることを当業者は認識するであろう。
核酸の定量的増幅を実施するためのその他種々の技術も公知である。例えば、方法論のなかには、オリゴヌクレオチドが標的核酸とハイブリダイズする場合に蛍光の変化が生じるように構造化されている一つまたは複数のプローブオリゴヌクレオチドを利用するものもある。例えば、一つのそのような方法には、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を活用する二重フルオロフォア法、例えば、二種のオリゴプローブがアンプリコンにアニールするLightCycler(商標)ハイブリダイゼーションプローブがある。このオリゴヌクレオチドは、頭尾方向でハイブリダイズし、効率的なエネルギー転移に適合した距離でフルオロフォアが離れているようにデザインされている。核酸に結合するまたは伸長産物に組み込まれる場合にシグナルを放射するよう構造化されている標識オリゴヌクレオチドのその他の例としては、Scorpions(商標)プローブ(例えば、Whitcombe et al., Nature Biotechnology 17:804-807, 1999および米国特許第6,326,145号)、Sunrise(商標) (またはAmplifluor(商標))プローブ(例えば、Nazarenko et al., Nuc. Acids Res. 25:2516-2521, 1997および米国特許第6,117,635号)、ならびに消光剤なしでもシグナルの低下をもたらす、かつ標的とハイブリダイズする場合に増大したシグナルを放射する二次構造を形成するプローブ(例えば、Luxプローブ(商標))が挙げられる。
他の態様において、二本鎖DNAに挿入される場合にシグナルを生み出す挿入剤を用いることができる。例示的な薬剤としては、SYBR GREEN(商標)およびSYBR GOLD(商標)が挙げられる。これらの薬剤は鋳型特異的ではないので、シグナルは鋳型特異的な増幅に基づいて作り出されるものと考えられる。これは、温度に応じてシグナルをモニタリングすることにより確認することができる。なぜなら、鋳型配列の融解点は一般的に、例えば、プライマー-二量体などよりもはるかに高いからである。
VI. キット
本発明は同様に、本方法を実践するのに有用な構成成分を含むキットを提供する。いくつかの態様において、キットは、本明細書において記述されるSNPの組み合わせのいずれかに対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含むことができる。そのようなポリヌクレオチドは適切な支持膜に任意で固定化されてもよい。いくつかの態様において、キットは、本明細書において記述されるSNPの組み合わせを検出するのに十分な数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様において、第一および第二のSNPは、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、任意で少なくとも一種のSNPが、配列番号:1、2、3、4、5または6のものである。
いくつかの態様において、キットは、配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、キットは、配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15または16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、キットは、配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15または16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、キットは、配列番号:1〜16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。
いくつかの態様において、SNPの組み合わせの検出のためのポリヌクレオチドの一つ、一部または全部が、検出されるSNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む。例えば、三つのSNP (A、BおよびCと任意に指定する)を検出するなら、キットは少なくとも三種のポリヌクレオチドを含むことができ:
第一のポリヌクレオチドはSNP Aの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい;
第二のポリヌクレオチドはSNP Bの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい;
第三のポリヌクレオチドはSNP Cの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい。
いくつかの態様において、対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの配列は標的SNPの可変位置からすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドを含みまたはそれからなり、その配列はこのポリヌクレオチドの3'末端の位置にある。そのような選択肢は、例えばプライマー伸長反応のために好都合に用いられる。いくつかの態様において、配列はSNPの可変位置からすぐ3'側の(またはの2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドの相補体を含みまたはそれからなり、その配列はこのポリヌクレオチドの3'末端の位置にある。そのような選択肢は同様に、例えばプライマー伸長反応のために好都合に用いられる。
いくつかの態様において、配列は、SNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、この配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する。そのような態様は、例えば、SNP対立遺伝子との示差的なハイブリダイゼーションを伴うようなアッセイ法に有用である。
そのようなキットは、多型部位を包含するIGF2遺伝子座の領域を増幅するための増幅プライマーを含むこともできる。あるいは、有用なキットは、多型対立遺伝子の特異的増幅のための対立遺伝子特異的なプライマーを含んだプライマーのセットを含むこともできる。そのようなキットは、増幅産物の検出のためのプローブを含むこともできる。あるいは有用なキットは、上記のプライマー伸長法で用いるために関心対象のSNP位置の5'側の、しかしそのSNP位置は含まない配列(またはその相補体)に相補的なプライマーのセットを含むこともできる。
キットのその他の任意の構成成分には、患者の遺伝子型を決定するのに、および/または存在する特定の対立遺伝子の相対量を定量化するのに使われるさらなる試薬が含まれる。例えば、キットは、ポリメラーゼ、標識されたまたは標識されていない基質ヌクレオシド三リン酸(任意で、いくつかのまたは各々の異なるヌクレオチドが異なる、識別可能な標識で標識される場合、核酸を標識するおよび/または検出するための手段、増幅またはハイブリダイゼーション反応に適した緩衝液、ならびに/あるいは本発明の方法を実施するための使用説明書を含むことができる。
任意で、キットは対照核酸試料、例えば、唯一の可能な対立遺伝子を含む試料および任意で特定のSNPの二つの(または、適切な場合、全三つの)可能な対立遺伝子を有する対照を含む。対照は少なくとも一つの対照核酸または各SNPに対する(例えば、一方または両方の対立遺伝子を有する)核酸の混合物を含むことができる。陰性対照および他の対照を含めることもできる。
VII. 反応混合物
本発明は、本発明を行うための反応混合物を提供する。いくつかの態様において反応混合物は、本明細書において記述されるSNPの組み合わせのいずれかに対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含むことができる。そのようなポリヌクレオチドは適切な支持膜に任意で固定化されてもよい。いくつかの態様において反応混合物は、本明細書において記述されるSNPの組み合わせを検出するのに十分な数のポリヌクレオチドを含む。例えばいくつかの態様において、8〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチドであって、第一のSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)と第一のSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する第一のポリヌクレオチド、および8〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチドであって、第二のSNPの一方の対立遺伝子(またはその相補体)と第二のSNPの他方の対立遺伝子(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する第二のポリヌクレオチドを、反応混合物は含むことができ、第一および第二のSNPが配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16からなる群より選択され、任意で少なくとも一種のSNPが配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される。例示的な組み合わせは以下を含むが、それらに限定されることはない:
配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; または
配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または
配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16。
いくつかの態様において、反応混合物は、配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、反応混合物は、配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15または16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、反応混合物は、配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15または16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。いくつかの態様において、反応混合物は、配列番号:1〜16の各々に対する一方または両方の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド(例えば、プライマーまたはプローブ)を含む。
いくつかの態様において、SNPの組み合わせの検出のためのポリヌクレオチドの一つ、一部または全部が、検出されるSNPの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含む。例えば、三つのSNP (A、BおよびCと任意に指定する)を検出するなら、キットは少なくとも三種のポリヌクレオチドを含むことができ:
第一のポリヌクレオチドはSNP Aの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい;
第二のポリヌクレオチドはSNP Bの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい;
第三のポリヌクレオチドはSNP Cの、少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を検出する(および任意で含んでもよい。
いくつかの態様において、配列は標的SNPの可変位置からすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドを含むかまたはそれらからなり、その配列はこのポリヌクレオチドの3'末端の位置にある。そのような選択肢は、例えばプライマー伸長反応のために好都合に用いられる。いくつかの態様において、配列はSNPの可変位置からすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドの相補体を含みまたはそれからなり、その配列はこのポリヌクレオチドの3'末端の位置にある。そのような選択肢は同様に、例えばプライマー伸長反応のために好都合に用いられる。
いくつかの態様において配列は、SNPの少なくとも8 (例えば、少なくとも10、12、15)個の連続したヌクレオチドまたはその相補体からなり、この配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する。そのような態様は例えば、SNP対立遺伝子との示差的なハイブリダイゼーションを伴うようなアッセイ法に有用である。
そのような反応混合物は、多型部位を包含するIGF2遺伝子座の領域を増幅するための増幅プライマーを含むこともできる。あるいは、反応混合物は、多型対立遺伝子の特異的増幅のための対立遺伝子特異的なプライマーを含んだプライマーのセットを含むこともできる。そのような反応混合物は、増幅産物の検出のためのプローブを含むこともできる。あるいは有用な反応混合物は、上記のプライマー伸長法で用いるために関心対象のSNP位置の5'側の、しかしそのSNP位置は含まない配列(またはその相補体)に相補的なプライマーのセットを含むこともできる。
反応混合物のその他の任意の構成成分には、患者の遺伝子型を決定するのに、および/または存在する特定の対立遺伝子の相対量を定量化するのに使われるさらなる試薬が含まれる。例えば、キットはポリメラーゼ、標識されたまたは標識されていない基質ヌクレオシド三リン酸(任意で、いくつかのまたは各々の異なるヌクレオチドが異なる、識別可能な標識で標識される場合、核酸を標識するおよび/または検出するための手段、増幅またはハイブリダイゼーション反応に適した緩衝液、ならびに/あるいは本発明の方法を実施するための使用説明書を含むことができる。任意で、反応混合物はヒト由来の核酸試料を含んでもよい。
VIII. LOI測定結果を検証するための対照
臨床試料におけるIGF2のインプリンティング状態を判定するアッセイ法は、遺伝子の一方の対立遺伝子からの発現量、および他方の対立遺伝子の発現量の比率の判定、ならびに遺伝子のインプリンティングの消失と関連する、およびまたはがんの存在、がんのリスクもしくは患者のための処置計画の選択のような臨床学的因子と関連するカットオフ値に対する比率の比較を伴う。
IGF2インプリンティング状態の測定結果は、アッセイ測定結果に無作為誤差または系統的誤差のいずれかを導入する可能性がある故に測定結果の精度を下げる可能性がある、多くのプロセス因子にさらされる。例えば、インプリンティング状態のアッセイ法は、典型的には、複数の段階を要する。これらの段階は、試料からのRNAの単離、第1鎖cDNAへのRNAの逆転写、第2鎖cDNAへの第1鎖cDNAの第二鎖合成、増幅cDNAへのcDNAの増幅、および試料中の遺伝子の各転写対立遺伝子から生じる増幅cDNAコピーのSNPに基づく定量化を含むことができる。
臨床試験の環境において、時には、異なる試薬ロット、異なる機器、異なる検査技師、さらには異なる標準操作手順を用いて、同じ臨床試料を何回も測定することができ、または任意で、異なる臨床試料を測定してもよい。二つ以上のヘテロ接合性のSNPを測定するアッセイ法では、測定される各SNPに対して異なる成分を含有することができる。例えば、異なるRTプライマーを用いて転写産物の異なる配列領域を逆転写することができ、または異なるPCRプライマーを用いて異なる配列領域のcDNAを増幅することができ、または異なる検出プローブを用いてパネルの異なるSNPの多型選択肢を検出することができる。
所与のインプリンティング状態の測定においていずれかの段階またはいずれかのアッセイ成分が対立遺伝子特異的な増幅バイアスをもたらすなら、または任意で、対立遺伝子特異的な検出バイアスをもたらすなら、そのような段階または成分は、測定される対立遺伝子の比率に影響を与え、得られるインプリンティング状態の比率に誤差を導入するであろう。それゆえ、いずれかの所与のインプリンティング状態の測定の段階および成分のバラツキを測定するために使用できる、かつ測定結果の改善になるこれらの測定結果の補正を可能にする、対照を開発することは有用である。
本明細書において記述されるSNPの最適化されたパネルを測定するアッセイ法の対照の好ましい供給源は、一対の個体から単離されたDNAまたはRNAであり、一方の個体が所与のパネル中のあらゆるSNPの一方の対立遺伝子についてホモ接合性であり、かつもう一方の個体がパネル中のあらゆるSNPの他方の対立遺伝子についてホモ接合性である。しかしながら、一般集団において最適化されたパネルのSNPの組み合わせヘテロ接合性頻度により、そのような個体の対を見つけ出す可能性は極端に低い。
本明細書において記述される最適化されたSNPパネルを測定するアッセイ法の対照の任意的な供給源は、複数の個体対のセットに由来するDNAおよび/またはRNAであり; 個体の各対において、一方の個体が所与のSNPの一方の対立遺伝子についてホモ接合性であり(例えば、G/A SNPヌクレオチドの位置でG対立遺伝子についてホモ接合性であり)、かつ、もう一方の個体が同じSNPの他方の対立遺伝子についてホモ接合性であり(例えば、同じG/A SNPヌクレオチドの位置でA対立遺伝子についてホモ接合性であり); ならびに複数の個体対のセットが、最適化されたパネルにおけるSNPの全ての異なる対立遺伝子選択肢に対応する。そのような個体対のセットを特定することにより、各SNPを管理するのに有用なDNAまたはRNAの代表的供給源を樹立することができよう。しかしながら、各対が一種または数種のSNPに対応するような、複数の対照対の使用は、複数の対照曲線の作成および使用を必要とし、このことがひいては、アッセイの複雑度、アッセイの費用、および対照の累積誤差を大いに増大し、それによって同じ臨床試料内の複数のヘテロ接合性SNP間で判定されるASE比率のアッセイ間比較の威力を損なうであろう。
これらの問題に取り組むために、本発明の一つの局面では、IGF2 LOIアッセイのための合成対照核酸配列およびこの対照を使用する方法を提供する。本発明の対照核酸(本明細書において「LOI対照対」ともいわれる)は、少なくとも二種のIGF2 SNPの対立遺伝子および別の対立遺伝子に対応するポリヌクレオチドの対である。かくして、この対の一つのメンバーは少なくとも二種のIGF2 SNP、例えば、配列番号:1〜16に記載されている少なくとも二種の第9エクソンIGF2 SNP、またはその相補体を含む。SNP対立遺伝子の一つ(第一のSNP)に相補的なヌクレオチドがこの対のメンバーの一つに存在し; 第一のSNPの別の対立遺伝子に相補的なヌクレオチドがこの対のもう一つのメンバーに存在する。同様に、対照の第二のIGF2 SNPの場合、この対の一方のメンバーが第二のSNPの対立遺伝子の一つに相補的なヌクレオチドを含み、かつこの対の他方のメンバーが第二のSNPの別の対立遺伝子に相補的なヌクレオチドを含む。核酸の対照対の以下の記述において、参照配列番号への言及は、たとえ明記されることがない場合であっても、その配列番号の相補配列もいう。
本発明の「LOI対照対」は、細胞核酸を「実質的に含まない」; したがって、その核酸はヒトまたは宿主細胞、例えば、細菌宿主細胞由来のゲノムDNA、RNAなどを実質的に含まない。例えば、対照対はインビトロ転写反応を用いて得ることができる。細胞核酸を実質的に含まないことによって、LOI対照対は長時間、未分解のままとするように高濃度でおよび核酸安定剤の存在下で混合物中に貯蔵することができ、臨床試料に対してインプリンティングアッセイ法が行われる時点で実行用量にまで希釈されて、対照としての役割を果たすことができる。
対照ポリヌクレオチド対は任意の数のSNPに対応することができ、例えば、対照対は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは16種またはそれ以上のIGF2 SNPを有することができ、この対の一つのメンバーが異なるSNPの各々に対するSNP対立遺伝子の一つに対するヌクレオチドを有し、この対のもう一つのメンバーがそれらのSNPの各々に対する別の対立遺伝子に対するヌクレオチドを有する。いくつかの態様において、この対の一つのメンバーが二種またはそれ以上、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16種のSNPに対する少ない方の対立遺伝子ヌクレオチドを有することができる。例えば、配列番号:1〜16に示されるSNPの10種に対するLOI対照核酸対の場合、この対の一方のメンバーが全10種のSNPに対する少ない方の対立遺伝子のヌクレオチドを有することができ、この対の他方のメンバーが10種のSNPの多い方の対立遺伝子の全てに対するヌクレオチドを有することができる。あるいは、例えば、この対の一方のメンバーは10種のSNPのうちの2種に対する少ない方の対立遺伝子のヌクレオチドを有し、その他8種のSNPヌクレオチドが多い方の対立遺伝子のものであってよく; かつこの対の他方のメンバーはこの2種のSNPの多い方の対立遺伝子のヌクレオチドを有し、少ない方の対立遺伝子がこの、その他8種のSNPに対するものである。
いくつかの態様において、対照LOI対を構成するポリヌクレオチドは、長さが、40ヌクレオチドから約3600もしくは4000ヌクレオチド、または4500、5000もしくは6,000ヌクレオチドまでの範囲である。いくつかの態様において、対照LOI対は、長さが40、50、60、70または80ヌクレオチドから長さが100、200、300、400、600、800、1000、1500、2000、2500または3000ヌクレオチドまでである。この対のメンバーは同じ長さまたは異なる長さのものであることができる。
対照対ポリヌクレオチドは、第9エクソン、第8エクソンおよび第7エクソンに存在するSNPを含めて、IGF2転写産物に存在するいずれかのSNPを含むことができる。いくつかの態様において、LOI対は第9エクソンのSNPを含む。
いくつかの態様において、核酸対のLOI対照ポリヌクレオチドメンバーは、IGF2転写産物、例えば、配列番号:17または配列番号:18の対応する領域に対して、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、典型的には少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチドと実質的に同一である第一のSNPに隣接した3'核酸配列(本明細書において「3'隣接配列」といわれる)を有し; かつIGF2転写産物、例えば、配列番号:17または配列番号:18の対応する領域の、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、典型的には少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチドと実質的に同一である第二のSNPに対する3'隣接配列を有する。いくつかの態様において、第一のSNPに隣接する3'核酸配列の、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチドは、IGF2転写産物、例えば、配列番号:17または配列番号:18の対応する領域と同一であり; かつ第二のSNPに隣接する3'核酸配列の、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチドは、配列番号:17または配列番号:18の対応する領域と同一である。合成核酸の対照対の記述に関する本発明の文脈において、「SNPに隣接する3'核酸配列」とは、SNP部位の3'側のヌクレオチドを含めて、SNP位置のすぐ3'側の核酸配列をいう。
いくつかの態様において、核酸対のLOI対照ポリヌクレオチドメンバーは、第9エクソンの多型部位を含むIGF2核酸配列、例えば、配列番号:21または配列番号:23の対応する領域に対して、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、典型的には少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチドと実質的に同一である第一のSNPに隣接した3'核酸配列を有し; かつIGF2核酸配列、例えば、配列番号:21または配列番号:23の対応する領域の、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、典型的には少なくとも20、25または50個の連続したヌクレオチドと実質的に同一である第二のSNPに対する3'隣接配列を有する。いくつかの態様において、第一のSNPに隣接する3'核酸配列の、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチドは、IGF2配列、例えば、配列番号:21または配列番号:23の対応する領域と同一であり; かつ第二のSNPに隣接する3'核酸配列の、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20もしくは25個の連続したヌクレオチドは、配列番号:21または配列番号:23の対応する領域と同一である。
二つまたはそれ以上の核酸との関連で「同一の」または「100%の同一性」という用語は、同じ配列のものである二つまたはそれ以上の配列または部分配列をいう。二つの配列が公知の配列比較アルゴリズム、例えば、BLASTを用いデフォルトのパラメータを使って、または手動的アライメントおよび目視検査によって測定されるように比較ウィンドウ、または指定領域にわたり最大の一致を求めて比較され整列される場合、同じものであるアミノ酸残基またはヌクレオチドの特定の割合(すなわち、特定の領域にわたり、または、特定されない場合には、配列全体にわたり、70%の同一性、任意で75%、80%、85%、90%または95%の同一性)を有するなら、二つの配列は「実質的に同一」であるかまたはある割合の同一性がある。
いくつかの態様において、対照対に含まれるSNPの少なくとも一つが、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15および16に示されるSNPからなる群より選択される。典型的な態様において、配列番号:1〜16に示されるSNPの少なくとも二つが対照核酸対に含まれる。多くの場合、配列番号:1〜16に示されるSNPの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または全16種が対照LOI核酸対に含まれる。いくつかの態様において、対照におけるSNPの少なくとも一つが配列番号:1、2、3、4、5または6より選択される。いくつかの態様において、対照LOI核酸対が、配列番号:1、5、8、9、10、11、14、15および16; 配列番号:1、5、8、9、10、11、12、14、15および16; または配列番号:1、2、4、5、8、9、10、12、13、14、15および16に示されるSNPを含む。
いくつかの態様において、少なくとも二種のIGF2 SNPを有する本発明の核酸の対照対の第一のメンバーは、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16に示されるSNPの一つの対立遺伝子の、SNP部位を含む、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20、25もしくは30個の連続したヌクレオチド、あるいはその相補体を有するポリヌクレオチドを含み; かつ対照ポリヌクレオチドの第一のメンバーに存在する第二のIGF2 SNP部位は、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16に示される異なるSNPの一つの対立遺伝子の、SNP部位を含む、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20、25もしくは30個の連続したヌクレオチド、あるいはその相補体を有する。対照対の第二のメンバーはこの対の第一のメンバーと同じポリヌクレオチド配列を有するが、多型位置に存在するヌクレオチドは二種のSNPの別の対立遺伝子に対応する。
いくつかの態様において、本発明の核酸の対照対の一つのメンバーは配列番号:21または配列番号:23に対して、少なくとも70%の同一性、典型的には少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有し、配列番号:1〜16に示されるSNPを含む。いくつかの態様において、本発明の核酸の対照対のもう一つのメンバーは配列番号:21または配列番号:23に対して、少なくとも70%の同一性、典型的には少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%の同一性を有し、配列番号:1〜16に示されるSNPの別の対立遺伝子を含む。
いくつかの態様において、少なくとも二種のIGF2 SNPを有する本発明の核酸の対照対の第一のメンバーは、配列番号:21または配列番号:23の、少なくとも一種のSNP部位を含む、少なくとも8個の連続したヌクレオチド、または少なくとも10、12、15、20、25、30、35、40、50もしくは100個の連続したヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを含む。
いくつかの態様において、LOI対照対により含まれるポリヌクレオチドは、配列番号:20またはその相補体と実質的に同じ配列を有するが、500ヌクレオチド未満のCAに富む多型領域を含む。配列番号:20のCAに富む多型領域は配列番号:20の1115位と1692位との間に現れ、そのすぐ両側に、配列番号:21に記載されるヌクレオチド配列の1168位および1169位がある。配列番号:20のCAに富む領域は配列番号:22に示されている。このように、いくつかの態様において、対照対の第一および第二のポリヌクレオチドは、配列番号:20と実質的に同じ配列を含むが、配列番号:22の500ヌクレオチド未満を含む。いくつかの態様において、LOI対照ポリヌクレオチドは、特異的増幅を促進するためにさらなる配列を含むことができる。例えば、対照がIGF2第9エクソンのSNPを含む場合、IGF2第8エクソンの3'末端由来のさらなる配列を対照ポリヌクレオチドの5'配列に組み入れることができる。
対照核酸はRNAもしくはDNAまたは他の塩基対合核酸であり得る。いくつかの態様において、対のメンバーに対応するポリヌクレオチドは、RNA転写産物がポリヌクレオチドから生成されて、RNA対照を提供できるように、RNAポリメラーゼプロモーター、例えば、T7プロモーターに機能的に連結される。いくつかの態様において、このポリヌクレオチドは、一つのベクターが対照対の一つのメンバーをコードし、かつ別のベクターが対の他のメンバーをコードするような別々のベクター上でプロモーターに連結することができる。対照核酸対は、当技術分野において周知の方法を用いて得ることができる。例えば、いくつかの態様において、例えば、各メンバーが100ヌクレオチド長未満であるような対の場合、ポリヌクレオチドを化学的に合成することができる。典型的な態様において、対照ポリヌクレオチドは増幅反応を用いて得ることができる。
いくつかの態様において、LOI対照対のメンバーは分離されている。本発明との関連で、「分離され」とは、対の二つのメンバーが同じ混合物または溶液中に存在しないことを意味する。いくつかの態様において、対のメンバーはともに混合物中に存在する。
さらなる局面において、本発明は、LOI対照対を含む混合物を提供する。いくつかの態様において、対のメンバーは等モル量で存在する。いくつかの態様において、対のメンバーは、例えば、1:2、1:4、1:8などのモル比で存在する。いくつかの態様において、本発明は、各混合物が異なる所定量の対のメンバーを含むような、複数の混合物を提供する。例えば、本発明は同様に、混合物が10:1、8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:6、1:8および1:10で存在する対の個々のメンバーを有するような、複数の混合物を提供する。
いくつかの態様において、混合物は、細胞核酸を実質的に含まない、単離された核酸の第二のLOI対照対を含むことができ、第二の対の両メンバーは、第二の対におけるIGF2 SNP配列が第一の対におけるIGF2 SNPとは異なるような、少なくとも一つのIGF2 SNP配列を含む。したがって、さまざまなIGF2 SNP、例えば、配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16に示されるSNPの位置でのLOIは、各ポリヌクレオチドが全16種のSNPを有するような、一つのポリヌクレオチド対照対を用いて評価することができ、あるいは複数の核酸対照対、例えば、2対、3対、4対、5対、6対、7対もしくは8対またはそれ以上を用いて評価することができる。
本発明はさらに、本明細書において記述される核酸のLOI対照対を含むキットを提供する。対照核酸は混合物中でキット中に提供されてもよい。あるいは、キットは別々の容器中の対照対の二つのメンバーで提供されてもよい。いくつかの態様において、本発明のキットには、対のメンバーをコードするポリヌクレオチドを含む一つまたは複数の転写ベクターが含まれる。
いくつかの態様において、本発明のキットは同様に、IGF2 LOI対照核酸の第二の対を含み、第二の対の両メンバーは少なくとも一つのIGF2 SNP配列を含み、かつ第二の対における少なくとも一つのIGF2 SNP配列が第一の対におけるIGF2 SNPとは異なる。いくつかの態様において、対照核酸の第二の対は、核酸の第一の対とは別個の容器の中にある。
IGF2核酸の対照対を含む本発明のキットはさらに、キットの項に記述されている、プライマーおよびプローブを含む、試薬のいずれかを含むことができる。
本発明は同様に、対照としてIGF2 LOIアッセイ法で核酸の対照対を用いてアッセイ条件を検証する方法を提供する。本発明の方法は、典型的には、一つのSNP対立遺伝子ともう一つのSNP対立遺伝子とを識別するオリゴヌクレオチドを用い本明細書において記述されるIGF 2ゲノムDNAまたは細胞RNAの母方および父方のコピーを定量化する段階; SNPを定量化する段階; 対のメンバーが既知の比率で存在するようなオリゴヌクレオチドの対照対を用いる段階ならびにアッセイ法において実際に検出される対照対の二つのメンバーの比率を定量化する段階ならびにこの比率と患者試料において定量化された母方および父方のコピーの比率とを比較する段階を含む。これは遺伝子型特定またはインプリンティング状態のアッセイ条件を検証する手段、およびさらに、患者試料における母型 vs 父型のIGF2ゲノムDNAまたはRNAの実際の量を定量化する手段を提供する。
IX. がんの管理
IGF2のLOIは、例えば、がんの存在と関連付けられ、がんの素因および種々の薬物によるがん処置の効力の予測と関連付けることができる。例えば、WO2004/003003; Kaneda et al. Proc. Natl . Acad. Sci. USA 104(52): 20926-20931 (2007)を参照されたい。したがって、本明細書において記述のIGF2におけるLOIの検出は、がんのリスクの診断、予後、分類、予測、がんの再発の検出、およびいくつかのがん種のための処置の選択において用いることができる。原発がん、転移がんおよび再発がんなどの、任意の進行度のがんを検出することができる。多数のがん種に関する情報は、例えば、米国がん協会(cancer.orgのワールドワイドウェブにて入手可能)より、または、例えば、Harrison's Principles of Internal Medicine, Kaspar, et al., eds., 16th Edition, 2005, McGraw-Hill, Incより見出すことができる。検出できる例示的ながんとしては、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、絨毛がん、結腸直腸新生物(結腸直腸腺腫または結腸直腸がん)、食道がん、胃腺がん、神経膠腫、肝細胞がん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、肺がん、髄芽腫、前立腺がん、中皮腫、卵巣がん、腎細胞がん、精巣生殖細胞、および子宮がんが挙げられる。
本発明は、哺乳類(例えば、ヒト)ががんを有するかどうか、哺乳類から採取された生体試料ががん細胞を含むかどうかを判定する、哺乳類ががんを発現するリスクもしくは可能性を推定する、がんの種類および病期を分類する、抗がん処置の効力をモニタリングする、またはがんを有する哺乳類において適切な抗がん処置を選択するための方法を提供する。
いくつかの態様において、生体試料は、がん細胞を含むものと疑われる組織由来の組織試料を含む。例えば、がんを有するものと疑われる個体において、乳房組織、リンパ組織、肺組織、脳組織、または血液を評価することができる。あるいは、肺、腎臓、肝臓、卵巣、頭頸部、甲状腺、膀胱、頸部、結腸、子宮内膜、食道、前立腺、または皮膚の組織を評価することもできる。組織または細胞は、例えば、外科手術、生検、静脈切開術、綿球採取、乳頭分泌、大便などによるような、当技術分野において公知の任意の方法により得ることができる。他の態様において、がん細胞を含むことが分かっている組織試料、例えば、腫瘍由来の組織試料をLOI状態について分析し、がんに関する情報、例えば、ある種の処置の効力、個体の生存予測などについて判定する。いくつかの態様において、本方法をさらなる診断法、例えば、他のがんバイオマーカーの検出などと併せて用いる。
本発明の方法は、がんを有することが分かっているもしくは疑われる個体を評価するために、または日常の臨床検査として、すなわち、がんを有することが必ずしも疑われない個体において用いることができる。さらなる診断アッセイを実施して、個体におけるがんの状態を確認することもできる。
さらに、本発明の方法は、処置過程の効力を評価するために用いることもできる。例えば、がんを有する哺乳類において経時的にLOIをモニタリングすることによって、抗がん処置の効力を評価することができる。例えば、処置の前に、または処置の初期に哺乳類から採取された試料でのレベルと比べて、処置後の哺乳類から採取された生体試料でのIGF2におけるLOIの低下または欠如は、有効な処置であることを示しうる。さらに、がん予防またはがん処置のいずれかに適した薬物の選択の前にIGF2のLOIについて個体をスクリーニングすることもできる。例えば、LOIが検出されたら、患者はIGF1R阻害剤にふさわしい候補である可能性が高く、患者にがんのないことが分かっており、かつ将来がんを発症するリスクが高いと考えられるならそれを予防的治療と見なすことができ、または患者にがんのあることが分かっているならそれを既存の疾患を処置するための化学療法と見なすことができる。例えば、Kaneda et al., 前記を参照されたい。
いくつかの態様において、本方法は、個体から判定されたLOI状態に基づき、診断、予後、リスク評価または分類を記録する段階を含む。例えば、コンピュータによる電磁的記録を含め、いかなる種類の記録も企図される。
X. コンピュータに基づく方法
本明細書において記述される方法のための算出は、コンピュータに基づく算出およびツールを伴うことができる。例えば、LOIは、本明細書において記述するように生じたデータを用いて判定することができる。例えば、個体に関する遺伝子型情報を任意で含んでもよい、SNPの各対立遺伝子の存在、非存在または量に関する入力データを単独で用いることができ、または予測LOIを作製するために核酸の対照対で作製された類似の測定結果との比較で用いることができる。ツールは、簡便なデザインの一般的な目的のコンピュータシステム(本明細書において「ホストコンピュータ」といわれる)によって実行可能な、コンピュータプログラムの形状で有利に提供される。ホストコンピュータは、多数の異なるハードウェア構成物で構成されてもよく、かつ多数の寸法および様式において作製されうる(例えば、デスクトップPC、ラップトップ、タブレットPC、手持ち型コンピュータ、サーバー、ワークステーション、メインフレーム)。モニター、キーボード、ディスクドライブ、CDおよび/またはDVDドライブなどのような標準的構成物が含まれてもよい。ホストコンピュータがネットワークに取り付けられる場所で、接続は任意の適当な伝達媒体(例えば、有線媒体、光学媒体、および/または無線媒体)、ならびに任意の適切なコミュニケーションプロトコル(例えば、TCP/IP)を介して提供されてもよい; ホストコンピュータは、適当なネットワークハードウェア(例えば、モデム、イーサネットカード、WiFiカード)を含んでもよい。ホストコンピュータは、UNIX、Linux、Microsoft Windows、MacOSまたは任意の他のオペレーティングシステムを含む、任意のさまざまなオペレーティングシステムを実装してもよい。
本発明の実装局面に関するコンピュータコードは、PERL、C、C++、Java、JavaScript、VBScript、AWK、またはホストコンピュータで実行されうるもしくはホストコンピュータ上で実行されるようにコンパイルされうる、任意の他のスクリプト言語もしくはプログラム言語を含む、種々の言語で記述されてもよい。コードもまた、アセンブリ言語またはマシン言語のような低級言語で記述または伝達されてもよい。
ホストコンピュータシステムは、ユーザーがツールの操作を制御するインターフェースを有利に提供する。本明細書において記述される例において、ソフトウェアツールはスクリプトとして実行され(例えば、PERLを使用して)、ユーザーは、LinuxまたはUNIXのようなオペレーティングシステムの標準的コマンドラインインターフェースから実行を開始する。当業者は、コマンドが適切にオペレーティングシステムに調節されうることを理解すると考えられる。他の態様において、ユーザーがポインティングデバイスを使用して操作を制御することを許容するグラフィカルユーザーインターフェースが提供されてもよい。したがって、本発明は、いかなる特定のユーザーインターフェースにも限定されない。
本発明のさまざまな特徴を組み込んでいるスクリプトまたはプログラムは、記憶および/または伝達のために、さまざまなコンピュータ読み取り可能な媒体上にコード化されてもよい。適当な媒体の例としては、磁気ディスクまたはテープ、コンパクトディスク(CD)またはDVD (デジタル多目的ディスク)のような光学記憶媒体、フラッシュメモリー、ならびにインターネットを含む種々のプロトコルに適合する有線ネットワーク、光学ネットワークおよび/または無線ネットワークを介した伝達に適応したキャリア信号が挙げられる。
以下の実施例は、本発明を限定するためではなく例示するために提供される。
実施例1. IGF2遺伝子の第9エクソン内のSNPの発見および独立的検証
IGF2遺伝子の第9エクソン内の、限られた数のSNPのコレクションがこれまでに報告されている。これまでに特徴付けられていないSNPを特定するため、IGF2の第9エクソンの全体をタイル状に埋め尽くす12種のPCRアンプリコンをデザインした。各々を用いてInternational HapMap Projectコレクションの一部である試料433個を含む、個体571人分のパネルに由来するゲノムDNAからPCRアンプリコンを増幅した。個体571人分のパネルには、白人個体207人分(祖先が北および西欧州出身のユタ州の住民であった親族でない健常白人個体を含むCoriell Human Variation Panel由来の96人分、ならびに血液試料を商業的に入手した個体111人分)のサブパネルが含まれた。このサブパネルは以後、白人パネルといわれ、(CAU)と表示される。個体571人分のパネルには、米国南西部のアフリカ人祖先を有する親族でない健常な個体(Coriell Human Variation Panel HD100A由来の)96人分のサブパネルも含まれた。このサブパネルは以後、アフリカ系アメリカ人パネルといわれ、(AA)と表示される。個体571人分のパネルには、親族でないメキシコ人家系の個体(Coriell Human Variation Panel HD100MEX由来の)96人分のサブパネルも含まれた。このサブパネル中の各個体は、各人にメキシコで生まれた3人または4人の祖父母がいる、ロサンゼルスのメキシコ系アメリカ人社会由来であった。このサブパネルは以後、メキシコ人家系パネルといわれ、(MEX)と表示される。個体571人分のパネルには、日本・東京出身の親族でない日本人個体(International Hapmap Project collection HAPMAPPT02およびHAPMAPPT05) 88人分のサブパネルも含まれた。このサブパネルは以後、日本人パネルといわれ、(JPN)と表示される。個体571人分のパネルには、中国・北京出身の親族でない中国人漢族の個体(International Hapmap Project collection HAPMAPPT02およびHAPMAPPT05) 84人分のサブパネルも含まれた。このサブパネルは以後、中国人パネルといわれ、(CHI)と表示される。個体571人分の各々から作製されたアンプリコンを両方向で配列決定した。配列を集めて整列し、SNPを自動化ポリフレッドポリスキャン解析パイプラインによって特定し、ヒトによる再検査で確認した。本発明者らは、IGF2第9エクソンにおけるこれまでに特定された65種のSNPの確認およびこれまでに特定されなかった推定上の47種のSNPの特定についてこれまでに報告している(PCT/US2008/072356)。
SNPについてさらに確認し、選択したSNPに対して正確なヘテロ接合性の頻度を得るために、いずれかの民族集団内の個体1%超においてヘテロ接合性であることがDNA配列決定により判定されたSNPに対してプライマー伸長に基づく遺伝子型特定アッセイ法をデザインした。解析される一つまたは複数のSNPヌクレオチドを含むようにさまざまなPCRアンプリコンをデザインした。これらを用いて、個体のゲノムDNA試料の適切なサブパネルからPCR産物を増幅した。一塩基プライマー伸長アッセイ法の場合、プライマーの3'末端のヌクレオチドが、解析される各SNPヌクレオチドのすぐ3'側のPCR鋳型鎖にアニールするようにプライマーをデザインした。一塩基プライマー伸長反応は、示差的に蛍光標識されたジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)を用いて行った。伸長されたプライマーをABI 3730XL機器にて分離し、未加工の蛍光強度データを受信側のコンピュータに転送し、受信側のコンピュータにてGeneMapperソフトウェアによって遺伝子型を判定した。
実施例3において詳細に記述されるように、各ヒト試料サブパネル内で認められた遺伝子型を組み合わせで解析して、5種の個体集団の各々にわたりおよび単一の集団と見なした全5種のヒト集団にわたり最大の情報提供性をともに提供するSNPのパネルを特定した。例えば、二種またはそれ以上のSNPの組み合わせがさらに小さな組み合わせのSNPに対して情報提供性の増大を提供するなら、これらのSNPはお互いに完全な連鎖不均衡にはなく、それゆえ、効果的に組み合わせてIGF2のインプリンティング状態を判定するための情報提供性の改善を可能にすることができる。この解析により、全集団にわたって最大の情報提供性を提供する16種のSNPのパネルが明らかになった。このパネルには6種の過去に未公開のSNPが含まれる。表1はこれらの過去に未公開のSNPのゲノム座標(NCBI build 36)、一塩基配列変種、および周囲のヌクレオチド配列を記載している。さらに、パネルには10種の過去に公開のSNPが含まれる。表2はこれらの過去に公開のSNPのゲノム座標(NCBI build 36)、一塩基配列変種、NCBI dbSNP参照識別子および周囲のヌクレオチド配列を記載している。以下の実施例に記述されているように、過去に公開のおよび過去に未公開のSNPの組み合わせは、全体としての情報提供性の増大を可能にし、これによって、とりわけ患者集団にアフリカ系アメリカ人またはその他のアフリカ系黒人が含まれる場合には、過去に公開のSNPだけの組み合わせと比べてIGF2のインプリンティングの消失を成功裏にモニタリングできる患者の数が増える。
各SNP (過去に未公開のSNPも過去に特定のSNPもともに含む)について認められたヘテロ接合性の頻度は、そのSNPについて遺伝子型を特定された全個体のパネル(全体)において、ならびにアフリカ系アメリカ人(AA)、白人(CAU)、中国人(CHI)、日本人(JPN)およびメキシコ人家系(MEX)のパネルにおいて別々に、表3に記載されている。
実施例2. IGF2遺伝子のLOIの検出改善のためのいずれか一種または複数種のSNPの使用
上記のように、IGF2遺伝子のLOIの検出は、所与の個体由来の生体試料から単離された二コピーのIGF2遺伝子の各々に由来する発現量の独立的な比較に基づく。IGF2遺伝子は、通常、母性的にインプリントされ(すなわち、個体の母親から受け継がれたコピーは、通常、転写的に抑制され)、その一方で、父性的に受け継がれた遺伝子コピーは、通常、発現される。IGF2の母方のインプリントが緩められるとLOIが起こり、父性的におよび母性的に受け継がれた遺伝子コピーの両方の発現レベルが類似になる。試料におけるIGF2のインプリンティング状態を測定する一つの方法は、生体試料からゲノムDNAを最初に単離し、次いでIGF2遺伝子の転写領域における一つまたは複数の多型部位の遺伝子型を判定することである。第二に、IGF2の対立遺伝子特異的な発現を、同じ生体試料から、または同じ個体由来の異なる生体試料から抽出されたRNAにおいて一種または複数種のヘテロ接合性ヌクレオチドを利用することにより次いで測定する。二コピーのIGF2遺伝子の各々に由来する発現を、定量的であり、かつ試料中の一種または複数種のヘテロ接合性のSNPの二種の対立遺伝子を十分に識別できるアッセイ法で独立的に測定することができる。第三に、一方の対立遺伝子由来の発現量の、他方の対立遺伝子の発現量に対する比率をコンピュータで計算し、対照値と任意で比較し、任意で調整し、閾値と比較し、それによって試料におけるIGF2遺伝子のインプリンティング状態を判定する。
患者試料におけるIGF2のインプリンティング状態を判定するために本出願において報告される過去に未公開のSNPのいずれか一種または複数種を用いることの有用性の一例として、意図する具体的手法の一つをここに記述する。SNPの検出および定量化のための複数の手法が存在しており、これらのいずれも、特定のSNPに対する生体試料由来ゲノムDNAの遺伝子型の特定と、生体試料の発現mRNAにおいて存在する各配列変種の相対レベルの定量化の両方に利用できることは、当業者には明らかである。基本戦略を図2に概説する。この戦略には、同じ生体試料または同じ個体から採取された生体試料の適合する対(例えば、末梢血、末梢血単核細胞、結腸粘膜試料、大便試料など)からゲノムDNAとトータルRNA(またはポリアデニル化RNA)の両方を単離することが伴われる。次いで、ゲノムDNA試料を、一種または複数種のSNPの対立遺伝子を検出するアッセイ法で遺伝子型を特定する。この段階では、もしあるなら、どのSNPを、適合するRNA試料でのIGF2遺伝子の対立遺伝子特異的な発現の分析に利用できるかを判定する。アッセイにより評価した全てのSNPについて個体がホモ接合性であるなら、個体は、それらのSNPについて情報価値がなく、SNPアッセイ法を用いてIGF2のLOIについて測定することができない。一種または複数種のSNPについて個体がヘテロ接合性である(情報価値がある)なら、標準的な逆転写酵素/PCR (RT-PCR)法を用いてIGF2転写産物の関連領域からcDNAを増幅する。二コピーのIGF2遺伝子の各々に由来する発現を、定量的であり、かつ二種の対立遺伝子を十分に識別できるアッセイ法で、生成されたcDNAを用いて独立的に測定する。一方の対立遺伝子の発現量の、他方の対立遺伝子の発現量に対する比率のコンピュータ計算、およびこの比率と閾値との比較により、IGF2遺伝子のインプリンティング状態を判定する。所与の試料に複数のヘテロ接合性のSNPが存在していれば、各々のSNPを識別するアッセイ法を同時に用いることができる。これによって試料内での対立遺伝子特異的な発現の重複測定が可能になり、これらの測定結果の比較を用いて、平均値または最頻値または中央値を表す新たな値を判定することができ、アッセイ内の変動係数を判定することができる。(定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の10%、15%、20%、25%または30%を超えるか、またはそれに等しいというような)閾値の範囲を用いることができるが、典型的には、定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の33.3%を超えるか、またはそれに等しい場合に、試料はIGF2のLOIを示すと一般的に判定される。
所与のSNPについて個体の遺伝子型を特定するための一つの方法は、IGF2遺伝子の配列に相補的であり、かつ、鋳型の多型ヌクレオチドの一塩基3'側のIGF2鋳型ヌクレオチドに相補的である3'末端のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドプライマーをデザインすることにより達成される。アッセイ法は表1および2に記載のSNPのいずれかの一種または複数種の遺伝子型を特定するようにデザインすることができる。オリゴヌクレオチドプライマーを、異なる蛍光成分を加えてそれぞれタグ付けされた全ddNTP (ddATP、ddCTP、ddGTP、ddTTP (またはddUTP))を含む混合物中でゲノムDNA試料からPCR増幅されたDNA産物と混ぜ合わせ、ハイブリダイズさせる。例えば、G/A多型の遺伝子型を特定したい(およびG/AヌクレオチドがゲノムDNA試料の鋳型鎖にある)なら、相補的な鋳型とハイブリダイズし、3'末端のヌクレオチドが鋳型のG/A位置の一塩基3'側の相補的な鋳型ヌクレオチドとハイブリダイズしているようにオリゴヌクレオチドプライマーをデザインする。一塩基のプライマー伸長は、ddCTPの取り込み(G対立遺伝子を表す)によって、またはddTTPの取り込み(A対立遺伝子を表す)によって伸長するオリゴヌクレオチドがその3'末端で示差的に蛍光標識されるような、示差的に蛍光標識されたddNTPの存在下においてDNAポリメラーゼにより触媒される。次いで、伸長されたオリゴヌクレオチドをキャピラリー電気泳動によって分離し、第5の蛍光色素で標識されたサイズ標準物質の存在下において分析する。特異的な一塩基のプライマー伸長産物に相当するピークを検出し定量化して、所与のDNA試料に対する遺伝子型を判定する。異なる多型部位のすぐ3'側で終結するようにデザインされた異なる長さのオリゴヌクレオチドと多重化することにより、一回の反応で複数のSNPの遺伝子型を特定することができる。異なる遺伝子型は、(i) 異なる長さの伸長されたヌクレオチドの分離および(ii) 一塩基の伸長の間に組み込まれた、特異的な蛍光でタグ付けされているddNTPに基づいて得られる。
IGF2のインプリンティング状態を判定するための一つの方法では、特定のSNPの異なる対立遺伝子を識別するようにデザインされた類似の一塩基プライマー伸長法を伴う。表1および2に記載したSNPのいずれかの一種または複数種を利用するようにアッセイ法をデザインすることができる。所与のSNPがゲノムDNA試料においてヘテロ接合性であると判定されれば、ランダムヘキサマーもしくはデカマープライマー、mRNAのポリA尾部に相補的なオリゴdTプライマーまたはIGF2転写産物の特定領域に相補的なプライマーを用いて逆転写酵素(RT)により適合するRNA試料から第一鎖cDNAを増幅する。SNP部位に隣接する配列に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーを引き続き用いて、多型部位を含むcDNA産物をPCR増幅する。あるいは、ネスト化PCR法を用いて、cDNA産物を生成することもできる。あるいは、直鎖のインビトロでの転写によるcDNAからのアンチセンスRNAの生成、続けてランダムヘキサマーもしくはデカマープライマーまたはIGF2転写産物特異的なプライマーによる2回目の逆転写反応およびその後のPCR増幅を含む手法を用いて、cDNA産物を生成することもできる。次いでこれらのRT-PCR産物を、上記と同じ一塩基プライマー伸長アッセイ法により多型部位の特異的な配列変種についてアッセイする。特異的な一塩基のプライマー伸長産物に相当するピークを検出し定量化する。一方の対立遺伝子の他方の対立遺伝子に対する定量化された量の比率を判定する。この比率を、対照曲線によって判定された類似の比率と比較し、その比率によって潜在的に調整してもよい。豊富ではない方の対立遺伝子に相当するPCR産物の定量化された割合が、豊富な方の対立遺伝子に相当するPCR産物の定量化された割合の33.3%を超えるか、またはそれに等しいなら、LOIが検出される。上記のように、複数のヘテロ接合性のSNPを用いて、異なる多型部位のすぐ3'側で終結するようにデザインされた異なる長さのオリゴヌクレオチドと、または伸長されるプライマーに異なる標識ddNTPまたは質量修飾ddNTPを組み込むオリゴヌクレオチドと多重化することにより、共通の反応でLOIを測定することができる。
IGF2の正常なインプリンティングを示すものと判定される個体がIGF2遺伝子の両方のコピーを発現することは可能であるが、ただし、豊富には発現されない方のIGF2遺伝子のコピーの発現は豊富に発現される方のIGF2遺伝子のコピーと比べて特定の閾値レベルに満たない。この場合、インプリントされた遺伝子コピーからの低レベルのIGF2遺伝子発現を検出できる定量的アッセイ法を用いて、RNAまたはRNAから増幅されたcDNAに対してのみアッセイ法を行う(すなわち、ゲノムDNAから増幅されたPCR産物に対してアッセイ法を行うことによって個体の遺伝子型を判定する段階を除く)ことによりSNPのいずれかについての個体の遺伝子型も個体のIGF2インプリンティング状態も判定することができる。例えば、インプリントされた母方のIGF2遺伝子コピーからの通常の発現が父方のIGF2遺伝子コピーの発現レベルの1/1000であることを考慮されたい。例えば、10,000個の父性的に発現されたIGF2遺伝子コピーの存在下において一個の母性的に発現されたコピーの検出ができる定量的アッセイ法を用いて、SNPのいずれかでの個体の遺伝子型もIGF2のインプリンティング状態も判定することができるが、ただし、アッセイされるSNPの少なくとも一種について個体はヘテロ接合性であるものとする。特定のSNPの異なる対立遺伝子を含むIGF2遺伝子の発現の検出は、個体がその特定のSNPについてヘテロ接合性であることを示唆するであろう。次に定量化した二つの対立遺伝子の相対的発現レベルを比較して、IGF2のインプリンティング状態を判定する。定量化した豊富ではない方の対立遺伝子の割合が、定量化した豊富な方の対立遺伝子の割合の閾値百分率を超えるか、またはそれに等しい場合に、個体はIGF2のLOIを示すと判定されよう。
実施例3. IGF2遺伝子のLOIの検出改善のためにSNPの組み合わせを用いることの実証
IGF2のLOIの検出のために一つの特定のSNPを適用することによって、その一つのSNPについてヘテロ接合性(すなわち情報価値あり)である個体だけが解析可能になる。例えば、表3は、個体のコホート全体にわたって最も情報提供性であるSNPが配列番号:8によって表されるSNPである(このSNPについて、個体の45.6%が情報価値あり、であった)ことを示唆している。しかしながら、連鎖不均衡にはない個々のSNPの組み合わせの適用では、単一のSNPのみと比べて組み合わせの情報提供性の比率がいっそう高くなるであろう。IGF2のLOIの検出のための情報提供性を改善するSNPの組み合わせを特定するため、各民族集団内で最大の情報提供性をともに提供するSNPの組み合わせを特定した。表1および2に記載した全16種のSNPについて成功裏に遺伝子型特定された試料だけを解析に含めた。アフリカ系アメリカ人のパネル試料96人分のうち74人分、白人のパネル試料207人分のうち150人分、メキシコ人家系のパネル試料96人分のうち69人分、日本人のパネル試料88人分のうち79人分および中国人のパネル試料84人分のうち71人分が全16種のSNPについて成功裏に遺伝子型特定された。図3に示されるように、SNPの組み合わせは、いずれか一種の特定のSNPの情報提供性と比べて情報提供性を劇的に増大し、表1および2に記載したSNPのなかで完全な連鎖不均衡の欠如を示す。この所見は、16種のSNPの各々の、互いとの近接近を考慮すると驚くべきことであり、公表された複数の報告書は、この領域が数個の連鎖ブロックで構成されており、連鎖不均衡を一般的に示すことを示唆している。さらに、解析された大部分の個体がSNPの組み合わせパネル中の2種またはそれ以上のSNPについて情報価値あり、であった(図3中の黒色および灰色の棒グラフで示した)。各民族集団に対するSNPの組み合わせには、アフリカ系アメリカ人の試料パネルの場合配列番号:1、2、3、4、12、13、15および16; 白人の試料パネルの場合配列番号:5、8、9、10、12、15および16; メキシコ人家系の試料パネルの場合配列番号:1、7、9、10、11、12、14、15および16; 日本人の試料パネルの場合配列番号:10、12、14および16; ならびに中国人の試料パネルの場合配列番号:6、8、12および16で表されるSNPが含まれた。
一般集団全体で至適な情報提供性を提供するSNPの組み合わせを特定するため、表1および2に記載した16種のSNPの各々について遺伝子型を特定された全試料で表1に記載した少なくとも一種のSNPを含むSNPの可能な全ての組み合わせに対する全体的な情報提供性を計算した。特定数のSNPの各パネルに対し、複数の組み合わせが類似の情報提供性を提供できる。例えば、15種のSNPの4通りの異なる組み合わせは全試料にわたって情報価値ありが80.59%であり、14種のSNPの5通りの異なる組み合わせは情報価値ありが80.36%、13種のSNPの10通りの異なる組み合わせは情報提価値ありが79.91%〜80.14%、など。特定数のSNPの各パネルに対し、各可能な最適パネルに存在していた特異的SNPを特定し、全試料にわたるこれらの組み合わせの各々の情報提供性を計算した。最適な組み合わせのパネルに共通する16、12、10、9および4種のSNPのパネル(それぞれパネルA、B、C、DおよびE)に対する複合的情報提供性を表4に記載し、図4にグラフ化している。16種のSNPの全部そろったパネル(パネルA)は、全体的にかつとりわけ各民族群について最も高い情報提供性を提供するが、サブパネルも類似の情報提供性が観察される。これらのパネルの各々に含まれるSNPに相当する配列番号を表5に示す。図4に示されるように、10種のSNPのパネル(パネルC)で観察された情報提供性は、16種のSNPの組み合わせ(パネルA)よりもわずかに低いだけである。10種の既知のSNP (表2)を含むパネルに関して全試料にわたる至適情報提供性は76.98%であり、本出願において報告される過去に未公開のSNPが情報提供性の改善をもたらすことを示唆している。
実施例4. IGF2のLOI状態を判定するためにSNPを用いることの実証
配列番号:8に対応するSNP (rs680)は、二種の制限酵素Apa IおよびAva IIの標的認識配列の中にある。これらの二種の酵素は対立遺伝子特異的な形で切断を行う。Apa Iは「G」対立遺伝子が存在する場合に配列を認識かつ切断し、Ava IIは「A」対立遺伝子が存在する場合に配列を認識かつ切断する。選択した個体パネル内の遺伝子型を独立的に評価するため、各個体に由来するゲノムDNA試料から配列番号:8の位置を含むPCRアンプリコンを増幅した。アンプリコンをApa IもしくはAva IIまたは両酵素の組み合わせを用いて消化した。Apa Iのみによる消化では、G対立遺伝子について個体がホモ接合性であることを示唆し、Ava IIのみによる消化では、A対立遺伝子について個体がホモ接合性であることを示唆し、両酵素による消化では、このSNPについて個体がヘテロ接合性であることを示唆する。配列番号:8の各可能性のある遺伝子型に関するデータ出力の一例を図5に示す。
検査している個体が配列番号:8についてヘテロ接合性であれば、同じ基本的アッセイ戦略を利用してIGF2のLOIを検出することができる。一例を図6に示す。配列番号:8についてヘテロ接合性の個体3人の全血からトータルRNAを抽出した。2人の個体はIGF2についてLOIであることが以前に示され、3人目はIGF2の正常なインプリンティングを見せることが以前に示されていた。配列番号:8を含む領域を各試料からRT-PCR増幅した。逆転写酵素を欠いた反応を並行して実施し、ゲノムDNAからの増幅がないことを確認した。次いでRT-PCRアンプリコンを上記のように、Apa IもしくはAva IIまたは両酵素の組み合わせを用いて消化した。消化された産物をAgilent Bioanalyzerにて分離し、切断されたおよび切断されなかった断片の濃度を測定した。Apa Iにより切断された断片の量は、「G」対立遺伝子から増幅されたcDNAの割合を表す。Ava IIにより切断された断片の量は、「A」対立遺伝子から増幅されたcDNAの割合を表す。それゆえ、Apa I切断断片のAva II切断断片に対する比率は、元のRNA試料における二種の対立遺伝子の発現の相対比率を示す。図6に示されるように、試料2は「A」対立遺伝子を排他的に発現し、それゆえ、IGF2の正常なインプリンティングを示す。試料1は、両方の対立遺伝子を発現しており(すなわちIGF2のLOIを示しており)、G:Aの比率0.53を有し、それゆえ、IGF2のインプリンティングの消失を示す。試料3は検出可能なレベルの両方の対立遺伝子を発現しており、G:Aの比率0.27を有する。上記のように、過去の研究では、IGF2のLOIの定義として、豊富な方の対立遺伝子に対する豊富ではない方の対立遺伝子由来の発現の閾値33.3%を用いていた。ゆえに、IGF2状態のLOIを判定するための制限酵素に基づく方法を用いると、試料3は、IGF2のLOIの判定に典型的な33.3%の閾値に近い対立遺伝子の比率を記録し、LOI状態のボーダーライン判定に相当するものと考えることができた。IGF2状態のLOIを判定するための制限酵素に基づく手法の限界の一つは、cDNAのPCR増幅の間に、ヘテロ接合性のSNPの一方の対立遺伝子を含む増幅された鎖が、もう一方の対立遺伝子の相補体を含む増幅された相補鎖とハイブリダイズしうるということである。これは、SNP位置でミスマッチ塩基とヘテロ二重鎖を形成した分子を生ずる。これらの分子はその二種の制限酵素のいずれによっても認識かつ消化されず、未切断のDNAを生ずる。結果として、計算された対立遺伝子の比率は絶対に正確というわけではないかもしれない。以下に記述されるように、制限酵素消化を伴わない方法の使用は、PCR産物のヘテロ二重鎖形成が導く問題を克服することができる。
IGF2のLOIを検出するのに有用でありうる他のSNPは、制限酵素認識配列の中に入っていない。それゆえ、制限酵素消化を要しない対立遺伝子特異的な遺伝子発現アッセイ法を開発することにより、所与の個体におけるLOIをモニタリングする能力は改善される。実証として、本発明者らは、配列番号:8についてプライマー伸長に基づくアッセイ法を開発した。図7は、配列番号:8の遺伝子型を特定するためのプライマー伸長アッセイ法の使用を図示している。遺伝子型を特定する個体から得られたゲノムDNAを用いて、関心対象のSNPを含む領域(配列番号:25)をPCR増幅する。精製したPCR産物に、遺伝子型を特定する多型ヌクレオチドの3'側1塩基の位置で鋳型ヌクレオチドに相補的な3'末端のヌクレオチドによりアニールするプライマー(配列番号:24)を加える。熱安定性DNAポリメラーゼおよび示差的に蛍光標識されたddNTPを用いて、一塩基のプライマー伸長を行う。図7に図示した例では、dR110標識ddGTPまたはdR6G標識ddATPのどちらかがプライマー(それぞれ、配列番号:27および26)の3'末端に付加される。次いでこれらの標識されたポリヌクレオチドを分離し、キャピラリーゲル電気泳動および蛍光イメージングによって定量化する。取り込まれた可能性のある各ヌクレオチドを表すピーク面積を計算する(すなわちABI 3730 XL Gene AnalyzerをGene Mapperソフトウェアとともに用いる)。ピーク面積を比較して、そのSNP位置での個体の遺伝子型を判定する。
制限酵素に基づくアッセイ法(図6)によりIGF2のLOIについてアッセイした個体3人を、プライマー伸長アッセイ法(図8)により配列番号:8について遺伝子型を特定した。SNPの両対立遺伝子に相当するピークを検出したところ、予想通り、個体3人が配列番号:8についてヘテロ接合性であることが確認された。
同じ個体3人でのIGF2の対立遺伝子特異的な発現を測定するため、各個体に由来するトータルRNA試料から配列番号:8を含む領域をRT-PCR増幅した。逆転写酵素を欠いた反応を並行して実施し、ゲノムDNAからの増幅がないことを確認した。得られたcDNA産物を精製し、図7に図示するように一塩基プライマー伸長アッセイ法で解析した。可能性のある二種の対立遺伝子の各々に相当するピーク面積を計算した。色素強度の相違を補正するため、各対立遺伝子の所定の比率1:1 (すなわち二種の対立遺伝子の各々についてホモ接合性である個体に由来するDNAアンプリコンの比率1:1)を用いて計算されたピーク面積の比較に基づきこれらの値を正規化した。得られたクロマトグラムおよび計算された対立遺伝子の比率を図9に示す。図6に示した結果に一致して、試料1および3はIGF2のLOIを示すと判定され、試料2はIGF2の正常なインプリンティングを示すと判定された。IGF2の転写領域内の任意のSNPを利用する同種の一塩基プライマー伸長アッセイ法を用いて、IGF2の対立遺伝子特異的な発現をモニタリングできるのは明らかである(図10および11を参照のこと)。
IGF2の対立遺伝子特異的な発現を測定するためのさらなるSNPの使用を実証するため、さらに12種のSNP (配列番号:2、3、4、5、6、7、9、10、11、14、15および16)に基づき一塩基プライマー伸長アッセイ法をデザインした。13種のSNP (配列番号:8を含む)の各々について、SNPの一方の対立遺伝子について一方がホモ接合性およびSNPの他方の対立遺伝子について他方がホモ接合性の二人の個体に由来するゲノムDNA試料からPCR産物を別々に増幅した。PCR産物を精製し定量化した。13種のSNPの各々について、2種のPCR産物(一方の対立遺伝子についてホモ接合性のDNA試料から増幅された一方のもの、および他方の対立遺伝子についてホモ接合性のDNA試料から増幅された他方のもの)を、対立遺伝子1の対立遺伝子2に対する以下の比率; 1:10、1:6、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、6:1、および10:1で混合した。9種のSNPの各々について、一塩基プライマー伸長アッセイ法を各希釈点に対し三つ組で実施した。可能性のある二種の対立遺伝子の各々に相当するピーク面積を計算した。色素強度の相違を補正するため、各対立遺伝子の所定の比率1:1を用いて計算されたピーク面積の比較に基づきこれらの値を正規化した。各アッセイの分析定量の直線性を図10および図11に示す。各アッセイのR2および傾きを表6に示す。
SNPの組み合わせが単一のアッセイ法で、遺伝子型を特定されるように(またあるいは、SNPの組み合わせを用いてRNAもしくはcDNAにおける対立遺伝子の発現を測定するように)多重化された形式で一塩基プライマー伸長アッセイ法を用いることができる。次に所与の個体において情報価値ありと見出される各SNPを、その個体のIGF2のインプリンティング状態を判定するのに用いることができる。キャピラリー電気泳動中に示差的に移動する、または固有の質量を有し、例えば質量分析によって示差的に定量化されうるプライマーを用いることにより多重化されたアッセイパネルへアッセイを一体化することができる。図12Aは、1人の個体の血液試料から抽出されたゲノムDNAに対して行われた多重化遺伝子型特定アッセイ法の結果を示す。このアッセイ法では、配列番号:1、2、3、7、8、10、11、12、15および16により表されるSNP位置で、遺伝子型を判定し、インプリンティング状態を判定する。SNP位置で二本の鎖の(または二種もしくは以上の対立遺伝子選択肢の)どちらかに対して一塩基配列を判定するように一塩基プライマー伸長アッセイ法をデザインすることができる。プライマー伸長アッセイ法では、表1および表2に表示されているものとは反対側の鎖をモニタリングするので、図12Aおよび12Bならびに表7に示されるヌクレオチドは、配列番号:2、3、7および11により表されるSNPに対して表1および表2に示されている配列に相補的であることに留意されたい。図12Aおよび表7に示されるように、試料Aは、配列番号:1、2、7、8、10、15および16により表されるSNPの位置でホモ接合性である。しかしながら、その同試料は、配列番号:3、11および12により表されるSNPの位置でヘテロ接合性(それゆえ、情報価値あり)である。全三種のヘテロ接合性SNPが本実施例において用いられたが、これらの三種のヘテロ接合性SNPのいずれか一種、またはこれらのSNPのうちの二種の任意の組み合わせをこのときに用いて、この個体におけるIGF2のインプリンティング状態を判定できることに留意すべきである。図12Bは、その同多重化アッセイパネルを、その同血液試料に由来するトータルRNAから生成されたcDNAにおけるIGF2の対立遺伝子特異的な発現を検出するのに用いた場合のその結果を示す。図12Aおよび表7に示されるように、試料Aは正常にインプリントされたIGF2の発現を示す。すなわち、発現はIGF2遺伝子の単一のコピーに由来する。発現された対立遺伝子は、配列番号:3により表されるSNPの位置にT、配列番号:11により表されるSNPの位置にGおよび配列番号:12により表されるSNPの位置にCを含む。配列番号:3により表されるSNPの位置にG、配列番号:11により表されるSNPの位置にAおよび配列番号:12により表されるSNPの位置にTを含むIGF2遺伝子のコピーは検出されない。表7は、第二の試料(試料B)に対して行われたその同多重化アッセイ法の結果を示す。この試料は、配列番号:16により表されるSNPの位置でヘテロ接合性(それゆえ、情報価値あり)である。試料Bは正常にインプリントされたIGF2の発現を示す。発現された対立遺伝子は、配列番号:16により表されるSNPの位置にGを含む。A対立遺伝子を含むIGF2遺伝子のコピーは検出されない。
図12に示したその同二種の試料(試料Aおよび試料B)を、配列番号:4、5、6、9、13および14により表されるSNPについてシングルプレックスアッセイ法を用い解析して、これらのSNP位置での遺伝子型を判定し、これらのSNPに基づくインプリンティング状態を判定した(表7)。試料Aは、配列番号:4、5、6、9、13および14により表されるSNPの位置でホモ接合性である。試料Bは、配列番号:4、6、9、13および14により表されるSNPの位置でホモ接合性である。しかしながら、試料Bは、配列番号:5により表されるSNPの位置でヘテロ接合性(情報価値あり)である。IGF2の対立遺伝子特異的な発現の解析によって、配列番号:5のG対立遺伝子もA対立遺伝子も検出された(表7)。
表8には、上記の実験において検出されたピークごとに得た値を記載してある(試料Aおよび試料B、全16種のSNPについて解析した)。一塩基プライマー伸長反応のキャピラリー電気泳動およびABI 3730XL Genetic Analyzerによる蛍光強度の測定の後、コンピュータプログラム(GeneMapper)によってピーク面積を計算した。値をホストコンピュータで受信した。ピーク面積値によって、ゲノムDNAから増幅されたPCR産物のアッセイに由来する16種のSNP位置の各々での各多型選択肢の有無が示された(表8中のゲノムDNAピーク面積1およびゲノムDNAピーク面積2)。コンピュータプログラムによって、検出されたピーク面積の有無が各SNP位置での遺伝子型の判定と関連付けられた。例えば、試料Aは配列番号:1により表されるSNP位置で、ピークがT対立遺伝子について検出された(ピーク面積1)が、G対立遺伝子について検出されなかった(ピーク面積2)ので、ホモ接合性(T/T)である。さらに、試料Aは配列番号:12により表されるSNP位置で、ピークがC対立遺伝子について検出され(ピーク面積1 = 54813)、かつT対立遺伝子について検出された(ピーク面積2 = 163646)ので、ヘテロ接合性(C/T)である。各SNP位置でのおよび両方の試料における遺伝子型を同様に判定した。コンピュータに実装された方法を用いて、表7に示されるように、これらの結果を出力した。
検出された対立遺伝子の存在量を表す比率を計算するには、一塩基プライマー伸長反応に用いた異なる標識ddNTP間での蛍光タグ強度の差異を正規化することが必要である。所与のSNP位置に対し、そのSNPについてヘテロ接合性である2倍体の個体から抽出されたゲノムDNAにおける二つの対立遺伝子の存在比は1:1である。それゆえ、コンピュータに実装された方法を用いて、蛍光強度の差異を正規化した。例えば、試料Bにおいて配列番号:5により表されるSNPのG対立遺伝子に対して計算されたピーク面積(16043)を、試料Bにおいて配列番号:5により表されるSNPのA対立遺伝子に対して計算されたピーク面積(12107)で割って、対立遺伝子1 対 対立遺伝子2の比率1.3251を得た。色素の影響を考慮して二つの対立遺伝子の比率が1.0に再調整されるように正規化因子(表8)を計算した(1/1.3251 = 0.7547)。標準物質混合物を用いて正規化因子を判定することもできる。
IGF2のインプリンティング状態を表す値を判定するために、ピーク面積値によって、cDNAから増幅されたPCR産物のアッセイに由来する16種のSNP位置の各々での各多型選択肢の有無が示された(表8中のRNAピーク面積1およびRNAピーク面積2)。値をホストコンピュータで受信し、コンピュータに実装された方法を用いて、各可能な対立遺伝子に対して検出されたピーク面積を比較した。例えば、試料Aは、配列番号:3、11および12により表されるSNPについて情報価値ありと判定される。個体は、この三つのSNP位置の各々で、二つの可能な対立遺伝子のうちの一つだけに対するピーク面積が検出されたので、正常なIGF2インプリンティングを示すものと判定される。試料Bは、配列番号:5および16により表されるSNPについて情報価値ありと判定される。二つの可能な対立遺伝子のうちの一つだけに対するピーク面積が配列番号:12により表されるSNPについて検出された。しかし、二つの可能な対立遺伝子の両方に対するピーク面積が配列番号:5により表されるSNPについて検出された(表8中のRNAピーク面積1 = 6283およびRNAピーク面積2 = 14115)。コンピュータに実装された方法を用いて、対立遺伝子1 対 対立遺伝子2の正規化比率を計算した((RNAピーク面積1 (6283)/RNAピーク面積2 (14115)) 正規化因子(0.7541) = 正規化比率(0.3359))。個体は、一つの情報提供性のSNPが二つの可能な対立遺伝子のうちの一つだけの検出を記録し(配列番号:12)、異なるSNPがインプリンティング 対 インプリンティングの消失を判定するための閾値に非常に近い比率で両方の対立遺伝子の検出を記録したので、IGF2のボーダーラインのインプリンティング状態を示すものと判定される。コンピュータに実装された方法を用いて、表8に示されるように、これらの結果を出力した。
上記のように、所与の個体(複合ヘテロ接合体)での二種以上のヘテロ接合性SNPの解析は、個体に対するインプリンティング状態の複数の独立した測定結果を判定するための方法を提供し、それによって、i) 計算されたピーク面積の平均値、遺伝子型ピーク面積比率、正規化因子、対立遺伝子特異的な発現ピーク面積比率および正規化された対立遺伝子特異的な発現比率、ii) 計算されたピーク面積間の標準偏差、遺伝子型ピーク面積比率、正規化因子、対立遺伝子特異的な発現ピーク面積比率および正規化された対立遺伝子特異的な発現比率、iii) 計算されたピーク面積の様式、遺伝子型ピーク面積比率、正規化因子、対立遺伝子特異的な発現ピーク面積比率および正規化された対立遺伝子特異的な発現比率、ならびにiv) 計算されたピーク面積の変動係数、遺伝子型ピーク面積比率、正規化因子、対立遺伝子特異的な発現ピーク面積比率および正規化された対立遺伝子特異的な発現比率を含むが、これらに限定されないさらなる値の計算が可能になる。これらの方法を適用することで、所与の個体に対するインプリンティング状態のさらに正確な単回判定を可能にすることができる。例えば、パネル中の三種のSNP (SNP1、SNP2、SNP3)についてヘテロ接合性である個体を考慮されたく、インプリンティング状態の解析は各SNPの両対立遺伝子に当たるピークの検出をもたらした。計算されたピーク面積1 (対立遺伝子1)が153330 (SNP1)、136263 (SNP2)および147544 (SNP3)であって、計算されたピーク面積2 (対立遺伝子2)が124589 (SNP1)、132581 (SNP2)および126598 (SNP3)であったなら。これらのピーク面積に対する正規化因子が0.778 (SNP1)、0.897 (SNP2)および1.258 (SNP3)であれば、正規化比率は0.9575 (SNP2)、0.9219 (SNP2)および1.4661 (SNP3)である。平均の対立遺伝子特異的な発現比率は1.115であり、中央の対立遺伝子特異的な発現比率は0.9574であり、対立遺伝子特異的な発現比率間の標準偏差は0.3045であり、対立遺伝子特異的な発現比率間の変動係数は0.273である。複合ヘテロ接合性SNPのアッセイから得られた値を比較する複数の異なるアルゴリズムを用いて、IGF2のインプリンティング状態と相関する正確な値を計算できることに留意されたい。
実施例5. 遺伝子型の制御およびIGF2遺伝子の第9エクソン内のSNPを測定する対立遺伝子特異的な発現アッセイ法に有用な、合成核酸の対の開発
IGF2に対する遺伝子型特定およびインプリンティングアッセイ法のために大幅に改良された対照を提供するように遺伝子操作された、対照合成核酸の対をデザインした。四つの目的がデザインに影響を与えた。
第一に、対の二つの核酸メンバー(「Synth1」; 配列番号:21)および(「Synth2」; 配列番号:23)を、IGF2第8エクソンの配列の3'末端の一部分およびIGF2第9エクソンの配列の大部分を含むようにデザインした(ヒトIGF2の第9エクソンに天然に存在するCAリピートに富む領域は対照配列から除外された)。IGF2の第8エクソンの3'末端および第9エクソンの配列の大部分を対照のデザインに含めて、IGF2に対する遺伝子型特定およびインプリンティングアッセイ法に用いられるポリヌクレオチド(臨床試料中のIGF2の転写部分に特異的にアニールするようにデザインされている逆転写酵素プライマー、PCRプライマーおよびSNPプライマーまたはプローブを含む)が対照の核酸メンバーにおよび臨床試料由来のIGF2転写産物に等しい効率でアニールすることを可能にした。さらに、CAリピートに富む領域は、このような半反復領域がインビトロで合成困難なこともあり、細菌へのクローニング時に不安定なこともあり、対照のその後の使用においてPCR増幅を困難にすることもあるという事実によって対照核酸対のデザインから除外した。
第二に、対の核酸メンバー(Synth1およびSynth2)を、16種のSNP位置の各々で各対照メンバーにおいてデザインされた多型選択肢を除き、その配列が同一であるようにデザインした。Synth1は16種のSNPの各々の一方の多型選択肢を含むようにデザインし、その一方でSynth2は16種のSNPの各々の他方の多型選択肢を含むようにデザインした。対照の開発での本実施例の目的上、対の、核酸メンバーを、16種のSNP位置を除く全ての塩基位置において同一であるようにデザインして、配列特異的な増幅の意図しない導入または対照対の一方のメンバーの、他方と比べての検出バイアス、もしくは対照対のメンバーと臨床試料のアッセイ測定との間の検出バイアスの可能性を回避した。
第三に、IGF2第8エクソンの3'末端の配列とそれに続くIGF2第9エクソンの5'末端の配列(すなわち、第8-第9エクソンのスプライス部位を含む)を、SYNTH1およびSYNTH2の各々の5'末端のデザインに含めた(図13A)。臨床試料を測定するインプリンティングアッセイ法においてエクソンスプライス部位に重なるポリヌクレオチドを用いることで、インプリンティングアッセイ法によりRT-PCR増幅段階中に患者試料から抽出されたRNA中の夾雑ゲノムDNAが意図せず増幅されてしまうという可能性を著しく低下させることができる。第8エクソンの3'領域を含めることにより、第8エクソンと第9エクソンとの間のイントロンを除外することにより、ならびにSynth1およびSynth2の配列の5'末端のデザインにおいて第9エクソンの5'領域を含めることにより、IGF2インプリンティングアッセイ法において用いられる第8エクソンから第9エクソンにまたがる任意のポリヌクレオチドは、それらが臨床試料中からのIGF2転写産物にアニールするのと同じくらい効率的に対照中の核酸の対にアニールする可能性が高くなるであろう。
第四に、T7プロモーター配列を第8エクソン配列の開始部の5'側に含めて、遺伝子操作された第8-9エクソン配列を含むRNAのインビトロ転写を可能にし、クローニング用のNot I制限酵素部位を含む配列をSynth1およびSynth2配列の各末端に含めて(図13B)、プラスミドベクターへの簡便な挿入を可能にした。
核酸対の合成が完了したら、Synth1およびSynth2のデザインをDNA配列解析によって確認した。Synth1のDNA配列は配列番号:21として記載されている。Synth2の配列は配列番号:20として記載されている。Synth1およびSynth2の各々に存在する16種のSNP位置の場所および多型選択肢が表9に示されており、Synth1およびSynth2の中にデザインされた16種のSNPの各々に対するSNP位置が配列番号:1〜16として記載されている。IGF2第9エクソンの完全な配列が、EnsembleエクソンエントリENSE00001488587 (Human GRCh37, 2009年2月)と正確に一致する配列、配列番号:20として示されている。上記のように合成された対照核酸から除外された、CAに富む半反復領域および長多型領域は、配列番号:22に示されており、IGF2第9エクソンの天然配列、配列番号:20の1115位と1692位との間に位置している。除外されたCAリピートに富む領域のすぐ両側には配列番号:21および配列番号:23の1168位および1169位が位置している。この除外された配列領域は、配列番号:1〜16に記載されている16種のSNP位置のいずれも含んでいない。第8エクソン由来の配列は配列番号:21および23の34位と54位との間に位置している。T7プロモーター配列は配列番号:21および23の11位と30位との間に位置している。
Synth1およびSynth2がDNA配列決定によって確認されたら、それらの断片をNot Iで別々に消化し、pEZベクターのNot Iクローニング部位へ核酸連結して、二つの独立したプラスミド: pEZ-Synth1およびpEZ-Synth2を作製した。これらのプラスミドをDH5α大腸菌(E. coli)株へ個別に形質転換した。
本発明の一つの態様では、Synth1およびSynth2の混合物中の対照の核酸メンバーを既知の量比で使用し、IGF2の対立遺伝子特異的な発現をモニタリングするためにデザインされたアッセイ法においてこれらの混合物を鋳型として使用する。それゆえ、本発明者らは、未知のインプリンティング状態の臨床試料からのアッセイ結果を正確な標準対照の結果と比較できるように対照分子の定量化が正確であることを確認するための戦略をデザインした。IGF2の対立遺伝子特異的な発現をモニタリングするためにデザインされたアッセイ法の戦略、およびこのアッセイ法における対照核酸の使用は、図13に図示されている。図13AはIGF2遺伝子の略図を示す。IGF2の種々の潜在的プロモーターがプロモーター1、P0、P2、P3またはP4でラベル付けされた矢印によって示されている。潜在的な転写エクソンは、イントロン配列領域に相当する点線でつながったブロック矢印によって示されている。非翻訳エクソン配列領域は黒ブロック矢印によって示されており、翻訳エクソン配列領域は白ブロック矢印によって示されている。図13Aの上部にある尺度棒は1000塩基対(Kb)の増分で示されている。Synth1 (またはSynth2)核酸領域の拡大図が図13Bに示されている。尺度棒は500塩基対の増分で示されている。Synth1 (またはSynth2)核酸配列は第8エクソンの最も3'側の21塩基対と、そのすぐ後に続く第9エクソンの配列を含む(すなわち、図13Aに図示されているように、第8エクソンと第9エクソンとの間のイントロン配列が除外されている)。Synth1 (またはSynth2)の5'および3'末端は、転写ベクターへの配列の核酸連結を可能とするように含まれたNot I制限酵素認識配列を含む。IGF2第9エクソンに存在するCAリピートに富む配列領域は、図13Bに示されるように、Synth1 (またはSynth2)配列から除外された。
内因性IGF2 mRNAからまたはpEZ-Synth1もしくはpEZ-Synth2プラスミドに由来するインビトロで転写されたRNAからcDNAを生成するため、四つのプライマーを用いて逆転写酵素により第一鎖cDNAを生成する。これらの反応は、プライマーごとに別々の四反応として、または任意で、全四つのプライマーを含む多重化された一反応として行われてもよい。Synth1 (またはSynth2)領域内の(または任意で、IGF2 mRNA領域内の)これらの四つのプライマーのアニーリング部位が図13B中に矢印(RTプライマー)によって示されている。このRT反応により生成される第一鎖cDNA分子が図13C中に点線によって示されている。
逆転写の後、第一鎖cDNAを四つの独立したアンプリコンの第一ラウンドのPCR増幅のための鋳型として用いる。生成される第一鎖cDNAに対する四つのプライマー対のアニーリング部位が図13D中に矢印によって示されている。プライマー対をつなぐ実線は、各第一ラウンドのPCR増幅反応において産生されるPCRアンプリコンを表す。これらの反応は、プライマー対ごとに別々の四反応として、または任意で、全四つのプライマー対を含む多重化された一反応として行われてもよい。図13D中の白四角によって示されたプライマーが、第8-第9エクソンのスプライス部位にまたがる配列を含むことに留意されたい。
次に、第一ラウンドのPCR増幅において産生されるアンプリコンを四つの独立したネスト化アンプリコンの増幅用の鋳型として使用する。生成される第一鎖cDNAに対する四つのプライマー対のアニーリング部位が図13E中に矢印によって示されている。プライマー対をつなぐ実線は、各第二ラウンドのPCR増幅反応において産生されるPCRアンプリコンを表す。これらの反応は、プライマー対ごとに別々の四反応として、または任意で、全四つのプライマー対を含む多重化された一反応として行われてもよい。
第二ラウンドのPCR反応によって生成される四つのアンプリコンの各々は配列番号:1〜16によって表されるSNP位置の一つまたは複数を含む。各SNPの位置は図13F中に菱形によって示されている。このPCR反応により生成されるアンプリコンを用いて、存在する各SNP位置の各多型選択肢の量を定量化することができる。一種または複数種のSNPについてヘテロ接合性である個体に由来するRNA試料の場合、SNPの一方の多型選択肢を含む生成されたアンプリコンの量をSNPの他方の多型選択肢を含む生成されたアンプリコンの量に対して定量化することで、その個体に由来する試料内でのIGF2の他方の対立遺伝子からの発現の量に対するIGF2の一方の対立遺伝子からの発現の量の判定が可能になる。
対照を用いて達成された定量化の正確さを確認するために、pEZ-Synth1およびpEZ-Synth2中の配列番号:1〜16により表される各SNP位置のヌクレオチドを、多重化一塩基プライマー伸長アッセイ法を用いて測定した。各プライマーの3'末端が各SNP位置の5'側の1塩基位置でアニールするようにハイブリダイズする16種のプライマーをデザインした。一塩基プライマー伸長反応は、示差的に蛍光標識されたddNTPの存在下において行われた(例えば、https://products.appliedbiosystems.com/ab/en/US/adirect/ab?cmd=catNavigate2&catID=600762&tab=DetailInfo; またはBiotechniques. 2001 Dec;31(6): 1374-80を参照のこと)。一塩基伸長プライマーの分離をキャピラリー電気泳動(ABI 3730XL)によって行い、特異的なピーク面積を、ABI GeneMapperソフトウェアを用いて計算した。結果を表10に示す。
これらの結果から、SNPに基づく一塩基プライマー伸長アッセイ法で各対照核酸における各SNP位置に対するDNA配列決定により生じた遺伝子型の判定が反復されることが確認された。さらに、これらの結果から、これらの16種のSNP位置に存在するヌクレオチドを判定するいかなるタイプの遺伝子型を特定するアッセイ法に対しても陽性対照として対照核酸を使用できることが実証された。例えば、pEZ-Synth1 (または制限酵素消化によるもしくはPCR増幅によるような、pEZ-Synth1に由来する分子)を、Synth1構築体に含まれる対立遺伝子のいずれかについてホモ接合性の個体に対して予想される遺伝子型特定アッセイ法の結果のための陽性対照として役立てることができる。同様に、pEZ-Synth2 (または制限酵素消化によるもしくはPCR増幅によるような、pEZ-Synth2に由来する分子)を、Synth2構築体に含まれる対立遺伝子のいずれかについてホモ接合性の個体に対して予想される遺伝子型特定アッセイ法の結果のための陽性対照として役立てることができる。最後に、等量のpEZ-Synth1およびpEZ-Synth2(またはpEZ-Synth1およびpEZ-Synth2に由来する等量の分子)を含む混合物を、16種のSNPのいずれかについてヘテロ接合性の個体に対する遺伝子型特定アッセイ法の結果のための陽性対照として役立てることができる。
実施例6. 異なる対立遺伝子の相対存在量をモニタリングするアッセイ法の定量分析の直線性を判定するためのDNA対照の使用
プラスミドpEZ-Synth1およびpEZ-Synth2をNanodropによって定量化し、各精製プラスミドの濃度を1 ng/μLに正規化した。pEZ-Synth1およびpEZ-Synth2の混合物を以下の比率: 8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:6および1:8 (Synth1:Synth2)で作製した。図13Eに示されるように、16種のSNPヌクレオチドを含むIGF2第9エクソンの転写領域を増幅するために四つの非重複性のPCRアンプリコンをデザインした。各比率の点ごとに、プラスミド混合物1 ngを四つのアンプリコンのPCR増幅用の鋳型として用いた。Synth1/Synth2の比率の混合物に由来するアンプリコンをPCR精製スピンカラム(Qiagen)にて個別に精製し、実施例5に記述されている多重化された一塩基プライマー伸長アッセイ法の鋳型として用いた。アッセイを三つ組で行い、各ピークの平均ピーク面積を計算した。結果を図14に示す。鋳型Synth1:Synth2の既知のインプット比率をx軸にプロットした。多重化アッセイ法のなかでの各SNPに基づく一塩基プライマー伸長アッセイ法の場合、Synth1対立遺伝子:Synth2対立遺伝子に相当するピーク面積の平均の測定比率をy軸にプロットした。誤差棒は三つ組の測定結果にわたる±1標準偏差を示す。全ての平均データ点値に、既知の1:1インプットデータ点に対する測定値を正確に1.0に等しくなるように調整する共通の正規化因子を乗じた。データを対数目盛りでプロットして、比率系列にわたる全データ点を均等に視覚化した。各四つのアンプリコン内で一種のSNP位置を利用する一種のSNPに基づくアッセイ法から得たデータを示す。これらには、アンプリコン1 (図14A)内の配列番号:7、アンプリコン2 (図14B)内の配列番号:5、アンプリコン3 (図14C)内の配列番号: 1およびアンプリコン4 (図14D)内の配列番号:13によって表されるSNPを利用するアッセイ法が含まれる。
これらのデータは、このアッセイ法がこの範囲で定量的であって、再現性のあったことを実証し、対照核酸混合物の対が単一の希釈系列で、全16種のSNPを検出するのに必要なアッセイ成分の全てを管理するのに十分な標準曲線データセットを提供したことを実証している。本実施例はしたがって、未知の対立遺伝子比の試料のアッセイ測定結果をこの曲線に対し外挿して、二つの対立遺伝子を含む分子の相対存在量を判定できるように混合物の標準曲線のアッセイ測定結果を臨床試料とともにいかにして管理できるかを実証する。
実施例7. 異なる対立遺伝子の相対存在量をモニタリングするアッセイ法の定量分析の直線性を判定するためのRNA対照の使用
両方の対照核酸がIGF2第8-9結合配列領域の上流のT7プロモーターを含むので、IGF2 mRNAに類似のRNA分子をインビトロ転写(IVT)によって生成することができる。対照核酸の各々をNot I消化によってpEZ-Synth1またはpEZ-Synth2から切り出し、T7 RNAポリメラーゼによるIVT反応における鋳型として用いた。得られたRNAを次に、DNaseで処理して残りのプラスミドDNA鋳型を除去した。IVT RNAをNanodropによって定量化した。
次に、臨床試料のRNA複雑度を模倣した、バックグラウンドRNAを含むRNA対照混合物を構築し、Synth1およびSynth2に由来するIVT RNAの既知混合物に添加した。原則的に、インプリンティングアッセイ法のための一連のRNA対照混合物は一般に、以下の特性を有するであろう: i) 典型的な試験試料のトランスクリプトーム(transriptome)複雑度に類似する、ii) 対照の二つの核酸の量の既知比率を含む、ならびにiii) 対照のトータルRNAの量(すなわち、Synth1およびSynth2 IVT RNA混合物に添加されたバックグラウンドRNAの総量)に対するIVT対照RNAの量(すなわち、本実施例では全てのSynth1およびSynth2 IVT RNA分子の全体量)の比率が、臨床試料中に通例存在するRNAの総量に対する、臨床試料中に通例存在する天然IGF2 mRNAの量の比率に類似するように構築されるであろう。
既知量のインプット対照RNAを用いて生体試料中のLOIをモニタリングするためにデザインされたアッセイ法のバラツキの潜在源を正確にモデル化するため、所与の生体試料中に存在するものと予想されるIGF2 mRNAの量を初めに判定した。これを達成するために、一連のRNA鋳型混合物を調製した。RNA混合物が生体試料のトランスクリプトームの複雑度を反映するように、Synth2から作製された一連の既知量のIVT RNAを酵母のトータルRNA 500 ngのアリコットに添加した。LOIアッセイ法のための典型的なトータルRNAインプット量は500 ngであるので、この酵母のトータルRNA量を用いた。IGF2 mRNAを欠くRNA源として酵母のトータルRNAを用いて、血液RNA試料中に存在するRNAの複雑度を模倣し、RT-PCR増幅がバックグラウンドRNA源からではなく添加された対照RNAに由来するものであることをさらに確実にした。一連のRNA鋳型混合物には、120 ng、12 ng、1.2 ng、120 pg、12 pg、1.2 pg、120 fg、12 fgまたは1.2 fgの量の中に添加されたIVT RNAが含まれた(すなわち、各々がこれらのインプットされたIVT RNA量の1つを有する、9つの独立した混合物を調製した)。
あるいは、Synth1および/またはSynth2 IVT RNAを、未知のインプリンティング状態を有する臨床試料中のRNA源に対して複雑度が類似している、かつIGF2 mRNAを実質的に欠いている他の複合RNA源に添加することもできる。ヒト試料のインプリンティングアッセイ法のための対照としてSynth1および/またはSynth2 IVT RNAとの組み合わせで有用である、代替的なバックグラウンドRNA源の例としては、i) IGF2発現を欠く真核細胞もしくは細胞株(例えば、IGF2ノックアウトマウス細胞)に由来するRNA、ii) IGF2相同遺伝子を欠いている、もしくはIGF2遺伝子型特定およびインプリンティングアッセイ法のポリヌクレオチドが真核細胞IGF2相同体の転写産物にアニールしないようなヒトIGF2配列からの十分な配列分散を有する真核細胞もしくは細胞株に由来するRNA、iii) IGF2発現を欠くヒト細胞(例えば、IGF2の両コピーが母性的にインプリントされ、転写的にサイレントであることが確認されている卵巣奇形腫細胞)に由来するRNA、iv) IGF2発現を欠く遺伝子改変ヒト細胞に由来するRNA、またはv) 前には存在していたIGF2 mRNAが除去されているヒト細胞のRNA抽出物が挙げられる。
次に、図13Eに示した四つのPCRプライマー対を利用した四つのqRT-PCRアッセイ法をデザインした。9つのRNA混合物の各々(各々が酵母のトータルRNA 500 ngおよび添加されたIVT対照RNAの9つの量のうちの1つを含む)を、図13に図示されているようにRT-PCRの鋳型として用いた。逆転写酵素を欠く対照を各鋳型混合物に対して行い、下流の増幅が潜在的な夾雑DNAではなくcDNAに由来することを確実にした。SYBR Greenを含む反応緩衝液中で第二ラウンドのPCR反応を行い、Ct値を判定した。反応を二つ組で行い、Ct値を平均した。これらのデータを用いて広範囲の既知インプット対照IVT RNA量にわたりCt値の標準曲線を構築した。
次に、同じqRT-PCRアッセイ法を、異なる4人の個体に由来する4つの血液試料から抽出されたトータルRNAに対して行った。各反応において、トータルRNA 500 ngを図13に図示されているようにRT-PCRの鋳型として用いた。逆転写酵素を欠く対照を各鋳型混合物に対して行い、下流の増幅が潜在的な夾雑DNAではなくcDNAに由来することを確実にした。SYBR Greenを含む反応緩衝液中で第二ラウンドのPCR反応を行い、Ct値を判定した。反応を二つ組で行い、Ct値を平均した。
血液RNAに由来する四つのPCRアンプリコンの各々に対して得たCt値を一連のIVT RNA/酵母RNA混合物に由来するCt値の標準曲線に対して外挿した。四つの血液試料の平均Ct値は、Synth1、Synth2またはSynth1およびSynth2の混合物84 pgから得られたCt値と同様であった。それゆえ、対照曲線実験において用いられる総IVT対照RNAの量(すなわち、Synth1に由来するIVT対照RNAの量に加えてSynth2に由来するIVT対照RNAの量)を、血液RNA 500 ng中の平均量よりもおよそ50%高い量である120 pgに設定した。対照IVT RNAのこの量(すなわち、120 pg)は、i) 全血試料から単離されたトータルRNAの試料500 ng中に存在するものと予想される典型的なIGF2 mRNA量をわずかに超える、およびii) 複数の対照RNA混合物の実験に用いた場合に一貫してRT-PCR増幅の成功をもたらすように選択された。
対立遺伝子特異的なIGF2発現をモニタリングするアッセイ法の全段階の定量分析の直線性を判定するため、Synth1に由来するIVT RNAをSynth2に由来するIVT RNAと、10:1、8:1、6:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:6、1:8および1:10 (Synth1:Synth2)を含む比率で混合した。計120 pgの各Synth1:Synth2 IVT RNA混合物(すなわち、Synth1に由来するIVT対照RNAの量に加えてSynth2に由来するIVT対照RNAの量が120 pgに等しかった)を酵母RNA 500 ngに添加した(すなわち、各々が酵母RNA 500 ngに加えて上記の13のSynth1:Synth2の比率のうちの一つの120 ngを含む、13種の混合物を調製した)。このRNA混合物を、図13に記述されているRT-PCR反応の鋳型として用いた。比率点ごとに、RTを欠く対照反応を行って、増幅がいずれかの残りの夾雑DNAではなくIVT RNAに由来することを確実にした。第一鎖cDNA合成の後、各RT+またはRT-反応液1 μLを、図13Eに図示される四つのアンプリコンのネスト化PCR増幅の鋳型として用いた。各PCR反応液のアリコットをアガロースゲル上で分析して、RT-の対照反応に由来する反応において増幅のなかったことを確認した。Synth1:Synth2の比率混合物に由来するアンプリコンをPCR精製スピンカラム(Qiagen)にて個別に精製し、実施例5に記述されている多重化された一塩基プライマー伸長アッセイ法の鋳型として用いた。アッセイを三つ組で行い(具体的には、各反応の三つ組は一つのRT反応、アンプリコンにつき三つの独立した第一ラウンドPCR反応、アンプリコンにつき三つの独立した第二ラウンドPCR反応および三つの独立した多重化プライマー伸長アッセイ反応を含み)、各プライマー伸長アッセイの平均ピーク面積比率を計算した。得られたデータは図15にプロットされている。
図15において、鋳型Synth1:Synth2 IVT RNAの既知のインプット比率をx軸にプロットした。多重化アッセイ法のなかでの各SNPに基づく一塩基プライマー伸長アッセイ法の場合、Synth1対立遺伝子およびSynth2対立遺伝子に相当するピーク面積の平均の測定比率をy軸にプロットした。プロットにおいて、誤差棒は三つ組の測定結果にわたる±1標準偏差を示す。全ての平均データ点値に、既知の1:1インプットデータ点に対する測定値を正確に1.0に等しくなるように調整する共通の正規化因子を乗じた。データを対数目盛りでプロットして、比率系列にわたる全データ点を均等に視覚化した。各四つのアンプリコン内で一種のSNP位置を利用する一種のSNPに基づくアッセイ法から得たデータを示す。これらには、アンプリコン1 (図15A)内の配列番号:7、アンプリコン2 (図15B)内の配列番号:5、アンプリコン3 (図15C)内の配列番号:1およびアンプリコン4 (図15D)内の配列番号:13によって表されるSNPを利用するアッセイ法が含まれる。
これらのデータは、このインプリンティングアッセイ法がこの範囲で定量的であって、再現性のあることを実証し、Synth1およびSynth2に由来するIVT RNAの形態での対照核酸混合物の対が単一の希釈系列で、全16種のSNPに対する標準曲線データセットを提供することを実証した。この系列の混合物の対立遺伝子特異的な発現測定結果は、未知の対立遺伝子比の試料の測定結果を対照混合物の系列から作製された標準曲線に対し外挿して、二つの対立遺伝子を含む分子の相対存在量を判定できるように臨床試料のインプリンティングアッセイ測定結果とともに管理することができる。
さらに、これらのデータは、予想される結果からのアッセイ結果のずれを示すための、およびどのアッセイ成分がこのずれに関与しているかを指し示すための対照RNA混合物の使用を実証している。例えば、四つの第一ラウンドおよび第二ラウンドアンプリコンのうちの三つ(Amp1、Amp2およびAmp3 - 図13E中のアンプリコンの位置を参照のこと)に位置する一種のSNPから得た定量化された対立遺伝子比は、予想されるインプット対立遺伝子比との密接な相関関係を実証した(図15A、BおよびC)。さらに、同じアンプリコンに位置する第二のSNPから得られた対立遺伝子比は、測定された対立遺伝子比とインプット対立遺伝子比との間で非常に似通った密接な相関関係を記録した(Amp1上の第一のSNPの曲線を描く図15Bおよび同様にAmp1上の第二のSNPの曲線を描く図15Eを比較のこと)。これらのデータから、対照RNAの比率混合物が正確なことが確認され、かつ(RT、PCRおよび一塩基プライマー伸長反応物を含めて)アンプリコン1、2および3を伴うアッセイ法における全ての段階および全てのアッセイ成分が正確な定量的測定結果を記録することが確認された。しかしながら、第一ラウンドおよび第二ラウンドのアンプリコンAmp4 (図13E中の位置を参照のこと)に位置する一種のSNPから得た定量化された対立遺伝子比は、インプット対立遺伝子比と測定された対立遺伝子比との間での顕著なずれを実証するものであった(図15DおよびFの左下象限中のデータ点に対する直線からのずれに留意されたい)。図15Dには配列番号:13によって表されるアンプリコン4内の第一のSNPから得た対立遺伝子比がプロットされており、その一方で、図15Fには配列番号:14によって表されるAmp4内の第二のSNPから得た対立遺伝子比がプロットされている。各プロット中の所与のデータ点に対し、三つ組の測定結果にわたる標準偏差は小さく、この偏差が主に、アッセイの第一ラウンドPCR、第二ラウンドPCRおよびプライマー伸長反応成分のバラツキによるものではなかったことを示唆している。というのは、三つ組の測定結果がこれらの三つの段階とは無関係に再現されたからであった。さらに、二つのプロット(DおよびF)において予想される直線から各インプット比率に対する各データ点がずれた方向および程度は、同じアンプリコン内の二種の独立したSNP位置に由来するデータ間で非常に似ている。対照曲線との比較に基づき、これらの結果から、三つ組のプライマー伸長反応、三つ組の第2ラウンドのPCR増幅、および三つ組の第1ラウンドのPCR増幅の上流でバラツキが生じたものと示唆されることについて判定することができる。さらに、四つのアンプリコンのうちの三つは予想される結果を記録したので、IVT反応においてまたはIVT RNA混合物の調製においてバラツキは生じなかった。これらの結果は、そうではなく、非複製RT段階、具体的にはAmp4をRT-PCR増幅するために必要なRTプライマー(図13Bに図示されている最も右側のRTプライマー)を用いた第一鎖cDNAの逆転写の時点でバラツキが導入されるということと一致している。このバラツキ源とは対照的に、図15D中のSynth1:Synth2 2:1の混合物のデータ点を考慮されたい。この場合、かなりのバラツキが三つ組の対立遺伝子比の測定結果で見られる(大きな標準偏差に反映されている)。この場合、バラツキ源は三つ組の反応の一つまたは複数(第1ラウンドのPCR、第2ラウンドのPCR、プライマー伸長反応またはピーク検出および面積計算)で生じた可能性が高い。
実施例8. 血液試料における対立遺伝子特異的な遺伝子発現の相対存在量を判定するためのRNA対照の使用
実施例5に記述されている一塩基プライマー伸長アッセイ法を用いて、二つの全血試料(AおよびB)から抽出されたゲノムDNAの遺伝子型を特定した。試料Aは、配列番号:3、11および12により表されるSNPについてヘテロ接合性(それゆえ、情報価値あり)であった。試料Bは、配列番号:5および16により表されるSNPについてヘテロ接合性(それゆえ、情報価値あり)であった(表11)。
トータルRNAを同じ二つの血液試料(AおよびB)から抽出した。それぞれに対し、RNA 500 ngを実施例7に記述されているように第一鎖cDNA合成の鋳型として用いた。逆転写酵素を欠く対照反応を行って、下流の増幅が潜在的な夾雑ゲノムDNAではなくcDNAに由来することを確実にした。第一鎖cDNA合成の後、各RT+またはRT-反応液1 μLを、実施例7に記述され、図13に図示されているように、四つのアンプリコンのネスト化PCR増幅の鋳型として用いた。各PCR反応液のアリコットをアガロースゲル上で分析して、RT-の対照反応に由来する反応において増幅のなかったことを確認した。アンプリコンをPCR精製スピンカラム(Qiagen)にて個別に精製し、実施例5に記述されている多重化された一塩基プライマー伸長アッセイ法の鋳型として用いた。得られた未加工のピーク面積および未加工のピーク面積比率を表11に示す。
試料Aは配列番号:3、11および12により表されるSNP位置でヘテロ接合性であったので、これらの三種の特異的SNPに基づくアッセイ法はIGF2のLOIの測定について情報価値ありであった(表11)。試料Aについて試験されたcDNAでは、配列番号:3に対する一塩基プライマー伸長アッセイ法により、C対立遺伝子に対してのみピークが検出された(A対立遺伝子に対してピークは検出されなかった)。試料Aについて試験されたcDNAでは、配列番号:11に対する一塩基プライマー伸長アッセイ法により、G対立遺伝子に対してのみピークが検出された(A対立遺伝子に対してピークは検出されなかった)。試料Aについて試験されたcDNAでは、配列番号:12に対する一塩基プライマー伸長アッセイ法により、C対立遺伝子に対してのみピークが検出された(T対立遺伝子に対してピークは検出されなかった)。それゆえ、この試料はIGF2の正常なインプリンティングを示すと判定された。すなわち、IGF2遺伝子の二つの対立遺伝子のうちの一つだけが発現された。この対立遺伝子は、それぞれ配列番号:3、11および12により表されるSNP位置にヌクレオチドC、GおよびCを含む。他方の対立遺伝子(配列番号:3、11および12により表されるSNP位置に、それぞれ、ヌクレオチドA、AおよびTを含む)はインプリントされ、発現は検出されなかった。
試料Bは配列番号:5および16により表されるSNP位置でヘテロ接合性であった(表11)。試料Bについて試験されたcDNAでは、配列番号:16に対する一塩基プライマー伸長アッセイ法により、A対立遺伝子に対してのみピークが検出された(G対立遺伝子に対してピークは検出されなかった)。しかしながら、配列番号:5に対する一塩基プライマー伸長アッセイ法では、両対立遺伝子(それぞれGおよびA)に対してバックグラウンドを超えるピークが検出された。これらのヌクレオチドが配列番号:5に示される配列に対して相補的な鎖を表すことに留意されたい。ピーク面積1:ピーク面積2の比率は0.445であった。報告によっては、検出された二つの対立遺伝子の比率が1:3〜3:1 (すなわち、0.333〜3.0の比率)であれば、IGF2のインプリンティングの消失が存在するものと考えられる。試料Bに対するこの未加工の結果は、配列番号:5および配列番号:16に対するSNPアッセイが異なるLOIの結果を記録した(すなわち配列番号:16は正常なインプリンティングを記録し、配列番号:5はLOIを記録した)ことを示唆するものと思われる。しかしながら、0.445の比率は、図15Bに示される既知のインプットRNA対立遺伝子比の標準的対照の系列に対して外挿することによって補正されなかった。この対照データ系列の線形法的式は、y = 0.8717x + 0.2032である。測定比率yは0.445である。それゆえ、この値を用いることによってインプット比率xの値を求め、補正された値が0.278であるものと判定された。それゆえ、上記のようにLOIの定義(0.333〜3.0)によって、このアッセイ法から、試料BがIGF2のLOIを示さないことが示唆された。
本明細書において記述する実施例および態様が例示的な目的のものでしかないと、かつそれらに照らして種々の修正または変更が当業者に示唆されるはずであり、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲のなかに含まれるものと理解されよう。本明細書において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的についてその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
(表1) IGF2第9エクソンにおける過去に未公開の一塩基多型
Figure 2015180207
NCBI Build 36, Chr:11に関する座標
(表2) IGF2第9エクソンにおける過去に同定された一塩基多型
Figure 2015180207
NCBI Build 36, Chr:11に関する座標
(表3) ヒト集団において認められた転写IGF2 SNPのヘテロ接合性
Figure 2015180207
(表4) ヒト集団において転写IGF2 SNPの組み合わせについて認められたヘテロ接合性
Figure 2015180207
(表5) 表4に記述されているSNPの組み合わせに関する配列番号
Figure 2015180207
(表6) 13種の独立したSNPの対立遺伝子特異的な割当量を測定するアッセイ法の直線性
Figure 2015180207
(表7) IGF2の遺伝子型およびインプリンティング状態に対する多重化アッセイ法の結果
Figure 2015180207
アッセイされた10種のSNPの各々での遺伝子型。
†発現されたIGF2転写産物において検出された対立遺伝子。
‡各SNPでホモ接合性またはヘテロ接合性、および情報提供性を示す。
aインプリント状態: IGF2の単一対立遺伝子性の発現; n/a: 特定のSNPでホモ接合性のため適用できない結果。
(表8) IGF2の遺伝子型およびインプリンティング状態の解析のためのピーク面積の比較
Figure 2015180207
遺伝子型アッセイ法のデータ。
対立遺伝子特異的な発現解析のデータ。
a遺伝子型を特定されたピーク面積1/ピーク面積2の計算比
b色素強度差を説明するための正規化(1/(遺伝子型を特定されたピーク面積1/ピーク面積2))
c発現ピーク面積1/発現ピーク面積2に関する正規化された計算比((発現ピーク面積1/発現ピーク面積2)正規化因子)
(表9) Synth1およびSynth2におけるSNP位置および遺伝子型
Figure 2015180207
aNCBI Build 36, Chr:11に関する座標
b配列番号:18および配列番号:20に関する座標
c「配列」および「可能な対立遺伝子」の列に示されている配列は「Synth1対立遺伝子」および「Synth2対立遺伝子」の列に示されている配列に対して逆側の鎖に対応する。
(表10) Synth1およびSynth2のSNP対立遺伝子のSNPに基づくプライマー伸長アッセイ法による確認
Figure 2015180207
aSynth1 (1)またはSynth2 (2)のいずれかに関する遺伝子型を特定する反応を示す
bNCBI Build 36, Chr:11に対するSNPのゲノム位置
cSynth1およびSynth2対立遺伝子の指定は、配列番号:11に示されている配列に対して逆側の鎖を反映する
遺伝子型特定アッセイ法では、配列番号の配列に示されている配列に対して逆側の鎖を記録する
(表11) IGF2の遺伝子型およびインプリンティング状態の解析のためのピーク面積の比較
Figure 2015180207
a遺伝子型アッセイ法のデータ。
b対立遺伝子特異的な発現解析のデータ。
c図X+3に示されるRNA対照標準曲線からの比率値を外挿することによって補正された比率
(配列表)
Figure 2015180207
Figure 2015180207
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Claims (18)

  1. 個体におけるインスリン増殖因子-2 (IGF2)RNAの対立遺伝子特異的な発現を判定する方法であって、以下の段階を含む方法:
    個体におけるIGF2遺伝子のSNP遺伝子型を検出する段階であって、配列番号:10、12、14および16によって示されるSNPの遺伝子型が判定され、それによって個体が該SNPの各々においてヘテロ接合性またはホモ接合性であるかどうかを判定する、段階;
    少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢(polymorphic option)を含むRNAの量を個体由来の試料において定量化する段階;
    少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの二つの多型選択肢を含むRNAの量の比率を判定する段階; ならびに
    該RNAの比率をIGF2遺伝子のインプリンティングの消失と関連付ける段階。
  2. 前記個体が日本人家系の個体である、請求項1記載の方法。
  3. 検出する段階が、配列番号:1、2、3、4、5および6からなる群より選択される少なくとも一種のSNPを検出することをさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. インプリンティングの消失の検出が、がんのリスクの増大の素因、がんの診断もしくは予後、またはがんを改善、処置もしくは予防するための薬物の効力の予測の指標となる、請求項1記載の方法。
  5. 検出されるSNPの少なくとも二種がヘテロ接合性であり、かつ定量化する段階が、少なくとも二種のヘテロ接合性SNPにおける二つの多型選択肢を含むRNAの量を定量化する段階を含む、請求項1記載の方法。
  6. 試料が血液、大便、細胞切屑または組織試料である、請求項1記載の方法。
  7. RNAをcDNAに逆転写し、各多型選択肢を含むcDNAの量を用いて、二つの多型選択肢を含むRNAの量を判定する、請求項1記載の方法。
  8. 対立遺伝子特異的なcDNAの量が、少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む方法で定量化される、請求項7記載の方法。
  9. 前記群由来の各ヘテロ接合性SNPに関して多型選択肢が判定されるように、十分な数の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む、請求項7記載の方法。
  10. ある数の異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドとcDNAとを接触させる段階を含む方法であって、各異なるヘテロ接合性SNPを検出するために少なくとも一つの該異なる対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが用いられるように、該数が前記群中のヘテロ接合性SNPの数に等しいまたはその数よりも大きい、請求項9記載の方法。
  11. 少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドがcDNAとハイブリダイズし、cDNA中のSNPの多型位置を通過して鋳型依存的に伸長する、請求項8記載の方法。
  12. 少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが、対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドの3'末端に少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含み、該少なくとも15個の連続したヌクレオチドが以下:
    前記配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    前記配列番号に記載されるSNP領域の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一
    のいずれかである、請求項11記載の方法。
  13. 少なくとも一つの対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチドが、少なくとも一種のヘテロ接合性SNPの、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体と100%同一の配列を含み、かつ該配列がSNPの、少なくとも15個の連続したヌクレオチド、またはその相補体からなり、該配列の位置のうちの一つがSNPの可変位置に対応する、請求項8記載の方法。
  14. 検出する段階が、以下の各々の各多型選択肢のSNP遺伝子型を検出する段階をさらに含む、請求項1記載の方法:
    配列番号:1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13および15;
    配列番号:1、5、8、9、11および15;または
    配列番号:1、2、4、5、8、9、13および15。
  15. 第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチドであって、該第一のSNPが配列番号:10によって示される、第一のポリヌクレオチド;
    第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチドであって、該第二のSNPが配列番号:12によって示される、第二のポリヌクレオチド;
    第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチドであって、該第三のSNPが配列番号:14によって示される、第三のポリヌクレオチド;ならびに
    第四のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と、第四のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第四のポリヌクレオチドであって、該第四のSNPが配列番号:16によって示される、第四のポリヌクレオチド
    を含む、インスリン増殖因子-2 (IGF2)の対立遺伝子特異的な発現を検出するための反応混合物。
  16. 以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:10の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的;あるいは
    配列番号:10の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:12の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:12の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:14の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:14の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第四の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:16の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:16の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一
    を含む、インスリン増殖因子-2 (IGF2)の対立遺伝子特異的な発現を検出するための反応混合物。
  17. 第一のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第一のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第一のポリヌクレオチドであって、該第一のSNPが配列番号:10によって示される、第一のポリヌクレオチド;
    第二のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第二のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第二のポリヌクレオチドであって、該第二のSNPが配列番号:12によって示される、第二のポリヌクレオチド;
    第三のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第三のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第三のポリヌクレオチドであって、該第三のSNPが配列番号:14によって示される、第三のポリヌクレオチド;ならびに
    第四のSNPの一方の多型選択肢(またはその相補体)と第四のSNPの他方の多型選択肢(またはその相補体)とをハイブリダイゼーション反応において識別する、15〜100ヌクレオチドの第四のポリヌクレオチドであって、該第四のSNPが配列番号:16によって示される、第四のポリヌクレオチド
    を含む、インスリン増殖因子-2 (IGF2)の対立遺伝子特異的な発現を検出するためのキット。
  18. 以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第一の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:10の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的;あるいは
    配列番号:10の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第二の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:12の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:12の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第三の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:14の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:14の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一;
    以下のいずれかである少なくとも15個の連続したヌクレオチドを3'末端に含む、15〜100ヌクレオチドの第四の対立遺伝子特異的な検出ポリヌクレオチド:
    配列番号:16の多型位置のすぐ3'側の(または2もしくは3ヌクレオチド3'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%相補的; あるいは
    配列番号:16の多型位置のすぐ5'側の(または2もしくは3ヌクレオチド5'側にある)少なくとも15個のヌクレオチドと100%同一
    を含む、インスリン増殖因子-2 (IGF2)の対立遺伝子特異的な発現を検出するためのキット。
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