JP2015179114A - 打楽器パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】打撃による直接波を感度よく検出でき、かつアコースティックドラムに近づけた打感を有する打楽器パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の打楽器パッドは、表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層と、このパッド層の裏面又は中層の略全面に配設される1又は複数の感圧センサー素子とを備え、前記パッド層の表層以外の厚さ方向の少なくとも一部にスリットが平面視格子状に形成されている。前記パッド層が、表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有し、前記スリットが、前記硬質パッド層の表面側又は裏面側に形成されているとよい。また、前記スリットにより硬質パッド層の表面側又は裏面側に複数の柱状体が略等密度で配設されているとよい。また、前記複数の柱状体が硬質パッド層の裏面側に形成され、前記感圧センサー素子が前記硬質パッド層の裏面側に積層されるとよい。
【選択図】図2

Description

本発明は、打楽器パッドに関する。
従来の電子ドラム等の電子打楽器は、パッドの裏面側に振動検知センサーを配設し、パッドの表面側の打撃面がスティック等で打撃された際に生じる振動を振動検知センサーが検知し、その振動に応じた音質及び音量の電子音を出力するよう構成されている。
このような電子打楽器でも、家庭で練習する場合などではパッドの打撃面を打撃するときの打撃音が発生し、騒音となる。また、電子打楽器でも、打感が通常のドラム(アコースティックドラム)に近いことが要求されている。そのため、打撃音を小さくすると共に打感を通常のドラムヘッドに近づけた電子打楽器が開発されており、例えば打撃面を有するパッド本体の打撃面とは反対の下面側に埋め込まれるように複数の弾性突起を形成し、パッド本体と共に複数の弾性突起の下端と接合される保持板を備え、保持板の裏面中央部に振動検知センサーが取り付けられたものが開発されている(特開2004−287356号公報参照)。
しかし、前記従来の電子打楽器は、複数の弾性突起により弾性が増すので、その下面に配設される補強板により底付き感が生じ易い。従って、通常のドラムヘッドの構成とは違うものとなる。また、複数の弾性突起はパッド本体の中に隙間なく埋め込まれている。そのため、打撃による振動は打撃面に対して垂直方向だけでなく水平方向へも伝搬して拡散するので、保持板の裏面に配設された振動検知センサーによって打撃位置を検出することが難しい。
一方、打撃面を有するパッドの裏面側に、面状の可動電極と、この可動電極と所定の間隔を隔てて対向する面状の固定電極とを配設した電子打楽器も開発されている(特開2009−145554号公報参照)。この電子打楽器は、固定電極が硬質のガラスエポキシ基板等のプリント基板上に形成され、可動電極と固定電極との間のスペーサとして格子状の両面テープがこれらの電極間に配設されている。
しかし、前記従来の電子打楽器は、格子状の両面テープが一体で構成されているため打撃による振動が水平方向に伝播し易く、打撃による直接波を検出しづらい。また、固定電極が硬質のプリント基板上に形成されているため、打撃面を強く叩いた際に直接プリント基板を叩いているような底付き感が生じるおそれがある。
特開2004−287356号公報 特開2009−145554号公報
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、打撃による直接波を感度よく検出でき、かつアコースティックドラムに近づけた打感を有する打楽器パッドを提供することを目的とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層と、このパッド層の裏面又は中層の略全面に配設される1又は複数の感圧センサー素子とを備え、前記パッド層の表層以外の厚さ方向の少なくとも一部にスリットが平面視格子状に形成されている打楽器パッドである。
当該打楽器パッドは、表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層の裏面又は中層の略全面に感圧センサー素子が配設されることで、打撃による直接波が感圧センサー素子によって感度よく検出される。また、当該打楽器パッドは、前記パッド層の表層以外の厚さ方向の少なくとも一部にスリットが平面視格子状に形成されていることで、打撃時に格子状のスリットにより囲まれた柱状部が座屈し衝撃を吸収するため、打撃音が小さくなる。また、パッド層の表面側を強く打撃した際にスティック等の先端が受ける抵抗が低減されることにより底付き感が抑制され、アコースティックドラムに近い打感が得られる。
前記パッド層が、表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有し、前記スリットが、前記硬質パッド層の表面側又は裏面側に形成されているとよい。このように、表面側に軟質パッド層を有し裏面側に硬質パッド層を有することで、弱い打撃による衝撃は表層で吸収され、強い打撃による衝撃はスリットに挟まれた柱状部の座屈によって吸収されるので、打撃が強くなるほど弾性が大きくなり、自然な打感が得られる。また、硬質パッド層を設けることで、パッド層の振動伝達性を高めて振動検知の応答性を向上させることができる。
前記スリットにより硬質パッド層の表面側又は裏面側に複数の柱状体が略等密度で配設されているとよい。このように、複数の柱状体を略等密度で配設することで、打感が均一化される。
前記複数の柱状体が硬質パッド層の裏面側に形成され、前記感圧センサー素子が前記硬質パッド層の裏面側に積層されるとよい。このように、複数の柱状体が裏面側に形成されている硬質パッド層の裏面側の略全面に感圧センサー素子が積層されることで、打撃による振動が柱状体内を打撃面に対する垂直方向へ伝播し、打撃位置の直下の前記感圧センサー素子によって直接的に検知される。その結果、従来の電子打楽器よりも高精度に打撃位置の検出ができる。
前記パッド層が、表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有し、前記硬質パッド層が前記スリットを画定する複数の柱状体からなり、前記柱状体を貫通させる複数の孔によって前記複数の柱状体の移動を防止するガイド板をさらに備えるとよい。このように、硬質パッド層が複数の柱状体からなることにより、柱状体ごとに材質や硬度の異なる他の柱状体に容易に変更できるので、打撃面の領域ごとの打感を細かく調整できる。また、柱状体を貫通させる複数の孔によってガイド板が複数の柱状体の移動を防止することにより、柱状体の数の増減やガイド板の孔径の変更によって平面視での柱状体の存在密度を容易に変更でき、打感の調整が容易にできる。
以上説明したように、本発明の打楽器パッドは、打撃による直接波を感度よく検出でき、かつアコースティックドラムに近づけた打感を有するので、電子打楽器等として好適に用いることができる。
本発明の第一実施形態に係るドラムパッドの模式的断面図である。 図1のドラムパッドの要部を拡大した模式的断面図である。 図2のA−A線での模式的断面図である。 本発明の第二実施形態に係るドラムパッドの模式的断面図である。 図4のドラムパッドの要部を拡大した模式的断面図である。 図1及び図4とは異なる実施形態のドラムパッドの図2に対応する模式的断面図である。 図1、図4及び図6とは異なる実施形態のドラムパッドの図2に対応する模式的断面図である。 図1、図4、図6及び図7とは異なる実施形態のドラムパッドの図2に対応する模式的断面図である。 図1、図4、図6、図7及び図8とは異なる実施形態のドラムパッドの図2に対応する模式的断面図である。 図1、図4、図6、図7、図8及び図9とは異なる実施形態のドラムパッドの硬質パッド層の柱状体の形成領域を説明する模式的平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明に係る打楽器パッドとして、電子ドラムに用いられ、スティックで打撃されるドラムパッドを例にとり図面を参酌しつつ説明する。なお、本発明に係る打楽器パッドは、ドラムパッドに限定されるものではなく、その他の打撃入力装置にも適用可能である。
[第一実施形態]
図1、図2及び図3のドラムパッド1は、表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層2と、このパッド層2の裏面の略全面に配設される感圧センサー素子5と、パッド層2の表面に貼設される伸長可能な表面シート材6とを備えている。パッド層2は、表面側の軟質パッド層3と裏面側の硬質パッド層4とを有する。また、図3に示すように複数の柱状体7が硬質パッド層4の裏面側に下側へ向けて突出するよう配設されており、これらの柱状体7によって硬質パッド層4の裏面側の厚さ方向の一部にスリット8が平面視六角格子状に形成されている。このドラムパッド1は、例えば電子ドラムの10〜14インチのスネアやタムに用いられるものが想定され、具体的には直径が200〜300mmで、厚みが10〜30mm程度のものが挙げられる。また、当該ドラムパッド1は、パッド層2の周囲を囲む略円筒形のシェル(ドラム胴(図示省略))を備えてもよく、このシェルが表面側端部にリムを有してもよい。なお、ドラムパッドのサイズや用途等は前記のものに限定されるものではない。
<パッド層>
パッド層2は、表面側の軟質パッド層3及び裏面側の硬質パッド層4の2つの層を有している。
(軟質パッド層)
軟質パッド層3はエラストマー材料製である。軟質パッド層3を構成するエラストマーとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどが用いられる。また、これらの材料を発泡したものも好適に用いられる。軟質パッド層3を発泡エラストマーで構成することにより、軟質パッド層3の伸縮性が優れ、当該打楽器パッドの打感を高めると共に打撃音を小さくできる。また、軟質パッド層3の材料として熱可塑性エラストマーも好適に用いられる。軟質パッド層3の材料として熱可塑性エラストマーを用いることで、成形型に挿入して加熱することにより、容易に所望の形状の軟質パッド層を作成することができる。
軟質パッド層3のショアデュロメーターのAスケールにおける硬度の下限としては、25が好ましく、30がより好ましい。一方、前記硬度の上限としては、90が好ましく、80がより好ましい。前記硬度が前記下限未満であると、表面側の軟質パッド層3が軟らかくなり過ぎ、好ましい打感が得られなくなるおそれがある。逆に、前記硬度が前記上限を超えると、軟質パッド層3が硬くなり過ぎ、好ましい打感が得られなくなるおそれがある。
なお、軟質パッド層3の厚みは特に限定されるものではなく、軟質パッド層3の平均厚みとしては、例えば1mm以上10mm以下とすることができる。
(硬質パッド層)
硬質パッド層4は、軟質パッド層3の裏面側に積層され、硬質パッド層4の裏面から突出する複数の柱状体7を備え、複数の柱状体7の間の空間がスリット8を形成している。
硬質パッド層4は、軟質パッド層3よりも硬度が高いことによって振動伝達性が高く、軟質パッド層3の表面側への打撃により生じた圧力や振動が効率よく感圧センサー素子5に伝わる。また、軟質パッド層3の表面側を強く打撃した際に、柱状体7が屈曲してクッションの代わりとなり、パッド層2を打撃した際の底付き感を低減することができる。
硬質パッド層4はエラストマー材料製である。硬質パッド層4を構成するエラストマーとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどが用いられる。また、硬質パッド層4の形成材料として熱可塑性エラストマーも好適に用いられる。
硬質パッド層4のショアデュロメーターのAスケールにおける硬度の下限としては、40が好ましく、50がより好ましい。一方、前記硬度の上限としては、100が好ましく、95がより好ましい。前記硬度が前記下限未満であると、強打時に柱状体7が潰れ、検知精度が低下するおそれがある。また、前記硬度が前記上限を超えると、底付き感が十分に抑制されないおそれがある。
また、硬質パッド層4の軟質パッド層3に対する硬度の比(硬質パッド層4の硬度/軟質パッド層3の硬度)の下限としては、1.0が好ましく、1.5がより好ましい。また、前記硬度比の上限としては、4.0が好ましく、3.5がより好ましい。前記硬度比が前記下限未満であると、軟質パッド層3の表面側が打撃された際の振動を打撃面に対する垂直方向へ伝播させる効率が減少するおそれがある。また、前記硬度比が前記上限を超えると、底付き感を十分に抑制できないおそれがある。
なお、硬質パッド層4の厚みは特に限定されるものではなく、硬質パッド層4の平均厚みとしては、例えば3mm以上10mm以下とすることができる。
(スリット)
スリット8は、硬質パッド層4の厚さ方向の一部に平面視で裏面の全面に亘って六角格子状に形成されている。図2及び図3に示すように、このスリット8により、硬質パッド層4の裏面側に複数の柱状体7が略等密度で形成されている。
柱状体7は、その高さ方向が硬質パッド層4の厚さ方向となる向きに配設されている。そのため、軟質パッド層3の表面側で受けた打撃による振動が、柱状体7を介して硬質パッド層4の裏面側へ打撃面に対する垂直方向に伝わる。また、各柱状体7はスリット8に囲まれているため、平面方向に振動が伝わり難く、より効率よく振動が打撃面に対する垂直方向へ伝えられる。
また、複数の柱状体7はスリット8に囲まれているので、柱状体7の周囲にはスリット8による空間があり、柱状体7は打撃面に対して垂直方向の圧力を受けた際に圧縮され座屈する。そのため、打撃時にスティックの先端がパッド層2に沈み込み易く、底付き感が効果的に抑制される。また、柱状体7は硬質パッド層4の全面に、その高さの方向が硬質パッド層4の厚さ方向と平行となるように配設されているので、スティックによって軟質パッド層3の表面側のどの位置を打撃しても、軟質パッド層3の表面に対するスティックの先端の進入角度が同じであればスティックの先端は同様に沈み込む。そのため、軟質パッド層3の打撃する位置に関わらず、略均一の打感が得られる。
また、格子間隔が一定の平面視六角格子状にスリット8が形成されているので、柱状体7が硬質パッド層4の全面に亘って略等密度で配設されている。そのため、当該ドラムパッド1は、軟質パッド層3の表面側全体において打撃を受けた際にスティックを略均一な方向に跳ね返すことができる。
柱状体7の平均径Dの下限としては、0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。また、柱状体7の平均径Dの上限としては、7mmが好ましく、5mmがより好ましい。前記平均径Dが前記下限未満では、柱状体7が変形し易くなり、振動が打撃面に対する垂直方向へ効率よく伝わらなくなるおそれがある。また、前記平均径Dが前記上限を超えると、柱状体7内における平面方向への振動が大きくなり振動が効率よく打撃面に対する垂直方向へ伝わらなくなると共に、柱状体が座屈し難くなり底付き感が十分に抑制されなくなるおそれがある。なお、ここで柱状体7の平均径Dとは、柱状体7の高さ方向中央の断面と同一面積を有する真円の直径をいう。
柱状体7の高さ方向断面の断面形状は、円、楕円、多角形等どのような形状であってもよいが、均一な打感及び感度を得るためには、多角形であれば正多角形が好ましく、円形が最も好ましい。また、柱状体7は高さ方向に断面積が変形するような形状でもよいが、均一に力を受けられる構成として高さ方向に断面積が一定の柱状が最も好ましい。
柱状体7の平均高さHの下限としては、0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。また、柱状体7の平均高さHの上限としては、7mmが好ましく、5mmがより好ましい。前記平均高さHが前記下限未満では、振動の伝播方向が打撃面に対する垂直方向へ規制され難くなり、振動が打撃面に対する垂直方向へ伝わり難くなるおそれがある。また、前記平均高さHが前記上限を超えると、柱状体7が変形し易くなり、振動が効率よく打撃面に対する垂直方向へ伝わらなくなるおそれがある。
柱状体7同士の平均間隔Pの下限としては、0.15mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。また、前記平均間隔Pの上限としては、4mmが好ましく、3mmがより好ましい。前記平均間隔Pが前記下限未満では、硬質パッド層4の裏面に対する柱状体7の密度が大きくなり、底付き感を十分に抑制できないおそれがある。また、前記平均間隔Pが前記上限を超えると、感圧センサー素子5が柱状体7の端面から直接振動を感知できない部分が多くなり、十分な位置検出精度が得られないおそれがある。なお、ここで柱状体7同士の平均間隔Pとは、隣接する柱状体7の最短距離の平均値をいう。
各柱状体7の高さ方向中央を通る断面(図2のA−A線で示す断面)におけるスリット8の占める面積率の下限としては、7%が好ましく、10%がより好ましい。また、スリット8の占める面積率の上限としては、97%が好ましく、95%がより好ましい。前記面積率の下限が前記下限未満であると、柱状体の密度が大きくなり、底付き感が十分に抑制されないおそれがある。また、前記面積率の上限が前記上限を超えると、柱状体同士の間隔が大きくなり、振動が打撃面に対する垂直方向へ効率よく伝わらないおそれがある。なお、ここでいうスリット8の占める面積率とは、スリット8が形成されている領域における面積率をいう。従って、例えば硬質パッド層の外周に近い領域にスリットが形成されていない場合には、スリットが形成されている硬質パッド層の中央領域内におけるスリットの占める面積率をいう。
<感圧センサー素子>
感圧センサー素子5は、シート状であり、硬質パッド層4の裏面側に形成された各柱状体7の先端に接して硬質パッド層4の裏面側に積層されており、軟質パッド層3の表面側への打撃による振動を硬質パッド層4の裏面側で感知する。このように、感圧センサー素子5が、打撃面に対して垂直方向に伝播する振動を柱状体7を介して感知することにより、軟質パッド層3の表面側の打撃位置が精度よく検出される。また、感圧センサー素子5には、硬質パッド層4の裏面から突出する柱状体7の先端が接触している。柱状体7の先端には打撃による圧力が集中するので、このように柱状体7の先端が感圧センサー素子5に接触する構成は、打撃による振動を高い感度で感圧センサー素子5に感知させる効果も有する。
感圧センサー素子5は、硬質パッド層4の裏面へ伝播する振動を感知し、打撃検出信号を信号出力線(図示省略)から電子音源(図示省略)に出力するものである。この感圧センサー素子5としては、硬質パッド層4の裏面へ伝播する打撃面に対する垂直方向の振動を感知することができるものであれば特に限定されず、容量変化や抵抗変化によって面圧を検知する素子や圧電素子などが用いられる。
また、感圧センサー素子5の構成は、硬質パッド層4の裏面へ伝播する打撃面に対する垂直方向の振動の大きさ及び平面的な位置を検知できればよく、シート状の1つのセンサー素子からなる構成であってもよいし、複数のセンサー素子が平面状に配置される構成であってもよい。また、各センサー素子は、一体からなるものであってもよいし、検知部分と電力供給部分とが分離したものであってもよい。従って、例えば硬質パッド層4の裏面側に3個以上の圧電素子を配置し、それらの圧電素子が出力する電気信号から、硬質パッド層4内を打撃面に対する垂直方向に伝播する振動の平面的な位置が検出される構成としてもよい。
<表面シート材>
表面シート材6は、軟質パッド層3の表面側を覆うよう軟質パッド層3の表面に貼設されている。この表面シート材6によって打撃による軟質パッド層3の表面の損傷を抑制し、当該ドラムパッド1の耐久性が向上する。
表面シート材6としては、伸長可能なシート状に設けられているものであれば特に限定されず、例えば公知の繊維シートが用いられる。なお、表面シート材6は、伸縮可能、つまり伸長された際に表面シート材6自体が復元力を有するものが好ましい。ここで、表面シート材6は、シート平面方向のいずれの方向(二次元の任意の方向)へも伸縮可能であること(2wayストレッチ)が好ましく、具体的にはニット材(ニット編みされた編物)を採用することが好ましい。このニット材を構成する繊維は、特に限定されず、天然繊維を採用することも可能であるが、表面シート材6の強度等の観点から合成繊維を用いることが好ましい。この合成繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる繊維、ポリエステル、アクリル樹脂、ナイロン等のポリアミドからなる繊維及びこれら樹脂の共重合物、変性物及びこれらの組み合わせからなる合成繊維が挙げられる。なお、これらの繊維を単独で用いることも可能であり、また複数種類の繊維を組み合わせて用いることも可能である。
表面シート材6の平均厚みの下限としては、250μmが好ましく、400μmがより好ましい。一方、表面シート材6の平均厚みの上限としては、800μmが好ましく、600μmがより好ましい。表面シート材6の平均厚みが前記下限未満であると、表面シート材6の強度が不十分となるおそれがある。逆に、表面シート材6の平均厚みが前記上限を超えると、表面シート材6が厚くなり過ぎ、打感を損ねるおそれがある。
[ドラムパッドの製造方法]
次に、当該ドラムパッド1の製造方法について説明する。
当該ドラムパッド1の製造方法は、軟質パッド層3及び硬質パッド層4を形成する工程と、軟質パッド層3及び硬質パッド層4を貼合する工程と、感圧センサー素子5及び表面シート材6を付設する工程とを有する。
軟質パッド層及び硬質パッド層形成工程においては、それぞれのパッド層成形用の成形型に液状又は熱可塑性のエラストマー材料を供給する。このとき、硬質パッド層成形用の成形型には、軟質パッド層成形用の成形型に供給するエラストマー材料よりも硬化後の硬度が高いエラストマー材料を供給する。これらのエラストマー材料を硬化させることで、軟質パッド層3及び硬質パッド層4が形成される。なお、パッド層の成形材料として熱可塑性のエラストマー材料を供給する場合は、成形型に供給した後、加熱してエラストマー材料を一旦液状にした後に硬化させる。硬質パッド層成形用の成形型には、スリット8の反転形状である複数の突起又は複数の柱状体7の反転形状である複数の穴が形成されている。従って、この硬質パッド層成形用の成形型によって、前記突起に対応してスリット8又は前記穴に対応して柱状体7が形成され、裏面側に複数の柱状体7が配設された硬質パッド層4が形成される。
軟質パッド層及び硬質パッド層を貼合する工程においては、軟質パッド層及び硬質パッド層形成工程で形成された軟質パッド層3の裏面と硬質パッド層4の表面とを対面させ、接着剤により軟質パッド層3と硬質パッド層4とを貼り合せ、パッド層2を形成する。
感圧センサー素子及び表面シート材付設工程においては、接着剤により、パッド層2の裏面にシート状の感圧センサー素子5を貼り合せ、パッド層2の表面に表面シート材6を貼り合せる。
なお、この製造方法は一例であって、他の製造方法により当該ドラムパッド1を製造してもよい。例えば、軟質パッド層のエラストマー材料として発泡性のエラストマー材料を用い、軟質パッド層成形用の成形型の底に表面シート材6を敷いた上から液状の発泡エラストマー材料を供給し、発泡及び硬化させることにより、軟質パッド層3を形成させてもよい。この場合、成形型を気密にしておくことで発泡エラストマーの発泡圧によって軟質パッド層3が形成されると共に、軟質パッド層3の表面に表面シート材6が接合され、表面シート材6の接合に接着剤が不要となる。
また、例えば軟質パッド層3を形成した後、硬質パッド層成形用の成形型の底に軟質パッド層3を置き、この軟質パッド層3の上から硬質パッド層用の液状のエラストマー材料を供給し、硬質パッド層4を形成してもよい。このとき、硬質パッド層成形用の成形型の蓋部に、スリット8の反転形状である複数の突起又は複数の柱状体7の反転形状である複数の穴を形成しておくことにより、軟質パッド層3とは反対側の面に複数の柱状体7が配設された硬質パッド層4が形成される。この場合、エラストマー材料の硬化と共に硬質パッド層4が軟質パッド層3に接合されるので、軟質パッド層3と硬質パッド層4との接合に接着剤が不要となる。
[利点]
当該打楽器パッドは、硬質パッド層4の裏面の略全面に感圧センサー素子5が配設されているので、軟質パッド層3の表面側への打撃による直接波が感圧センサー素子5によって感度よく検出される。
また、当該打楽器パッドは、硬質パッド層4の裏面の全面に亘って厚さ方向の一部にスリット8が形成されることにより、硬質パッド層4の裏面側に、打撃面とは反対側の方向に突出するように複数の柱状体7が配設されているので、柱状体7が座屈し衝撃を吸収するため打撃音が小さくなると共に、パッド層2の表面側を強く打撃した際にスティック等の先端が受ける抵抗が低減されることにより底付き感が抑制され、アコースティックドラムに近い打感が得られる。
また、当該打楽器パッドは、表面側の軟質パッド層3と裏面側の硬質パッド層4とを有しているので、弱い打撃による衝撃は表層で吸収され、強い打撃による衝撃は柱状体の座屈によって吸収されるので、打撃が強くなるほど弾性が大きくなり、自然な打感が得られる。また、硬質パッド層4の裏面側の複数の柱状体7が略等密度で配設されているので、軟質パッド層3の表面側のどの位置を打撃しても略均一の打感が得られると共に、略均一の感度で振動が検知される。
また、当該打楽器パッドは、複数の柱状体7が裏面側に形成されている硬質パッド層4の裏面側の略全面に感圧センサー素子5が積層されているので、軟質パッド層3の表面側が打撃された際に生じる振動が柱状体7内を打撃面に対する垂直方向へ伝播し、打撃位置の直下の感圧センサー素子5によって直接的に検知されるので、打撃位置が精度よく検出される。
[第二実施形態]
図4及び図5のドラムパッド11は、表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層12と、このパッド層12の中層の略全面に配設される感圧センサー素子15と、パッド層12の表面に貼設される伸長可能な表面シート材16とを備えている。パッド層12は、表面側の軟質パッド層13と裏面側の硬質パッド層14とを有し、軟質パッド層13と硬質パッド層14との間に感圧センサー素子15が配設されている。また、硬質パッド層14の表面側の厚さ方向の一部にスリット18が平面視格子状に形成されている。このドラムパッド11も、第一実施形態のドラムパッド1と同様に、例えば電子ドラムの10〜14インチのスネアやタムに用いられるものが想定されている。以下では、第一実施形態のドラムパッド1と同様の構成及び機能についての説明を省略し、ドラムパッド1と異なる点について説明する。
なお、第一実施形態のドラムパッド1の軟質パッド層3、硬質パッド層4、感圧センサー素子5、表面シート材6、柱状体7及びスリット8の材質、硬度、サイズ、配置等は、それぞれ当該ドラムパッド11の軟質パッド層13、硬質パッド層14、感圧センサー素子15、表面シート材16、柱状体17及びスリット18に適用することができる。
感圧センサー素子15は、シート状であり、軟質パッド層13と硬質パッド層14との間に積層されており、軟質パッド層13の表面側への打撃による振動を軟質パッド層13の裏面側で感知する。感圧センサー素子15は、パッド層12の中層に配設されているため、軟質パッド層13の表面と感圧センサー素子15との距離が小さく、軟質パッド層13の表面側へ打撃を受けた際、その振動が短時間で感圧センサー素子15によって検知される。この場合、複数の柱状体17は硬質パッド層14の表面から打撃面側へ突出している。また、感圧センサー素子15には、硬質パッド層14の表面から突出する柱状体17の先端が接触している。柱状体17の先端には打撃による圧力が集中するので、このように柱状体17の先端が感圧センサー素子15に接触する構成は、打撃による振動を高い感度で感圧センサー素子15に感知させる効果も有する。また、感圧センサー素子15と共に軟質パッド層13が変形することによって、柱状体17の先端が軟質パッド層13側へ向かって感圧センサー素子15に食い込むことになる。その結果、打撃した際の底付き感が低減できる。
硬質パッド層14は、感圧センサー素子15を挟んで軟質パッド層13の裏面側に積層され、厚さ方向の一部にスリット18が平面視で表面の全面に亘って格子状に形成されている。このスリット18により、硬質パッド層14の表面側に複数の柱状体17が略等密度で形成されている。
複数の柱状体17はスリット18に囲まれているので、柱状体17の周囲にはスリット18による空間があり、柱状体17は打撃面に対して垂直方向の圧力を受けた際に圧縮されて座屈し易い。そのため、打撃時にスティックの先端がパッド層12に沈み込み易く、底付き感が効果的に抑制される。
[利点]
当該打楽器パッドは、打撃を受ける側の軟質パッド層13の表面と感圧センサー素子15との距離が小さいため、軟質パッド層13の表面側への打撃による振動が短時間で検知され、電子音をタイムラグなく出力させる制御がし易い。
また、当該打楽器パッドは、表面側に軟質パッド層13を有することにより良好な打感が得られると共に、表面の全面に亘って厚さ方向の一部にスリット18を形成した硬質パッド層14が軟質パッド層13の裏面側に積層されていることにより、打撃した際のスティックの先端が受ける抵抗の低減効果が大きく、底付き感が効率よく抑制される。また、当該打楽器パッドは、硬質パッド層14の表面から打撃面側へ突出する柱状体17の先端で感圧センサー素子15を受けているので、柱状体17の先端には打撃による圧力が集中し、打撃による振動が高い感度で検知される。
[その他の実施形態]
本実施形態は前記構成からなり、前述の利点を奏するものであったが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
つまり、図1に示した第一実施形態の当該ドラムパッド1は、スリット8が平面視六角格子状に形成されている構成としたが、この構成に限らず、複数のスリットが平面視格子状に形成されていればよい。例えば、スリットの平面視中心線が湾曲している形状であってもよいし、スリットごとに平面視における幅や中心線の湾曲率が異なっていてもよいし、隣接するスリットの間隔がスリットごとに異なっていてもよい。その結果、複数のスリットが交差する格子点の位置に形成される複数の柱状体が、平面視で規則的ではなくランダムに配設されていてもよい。
また、図1、図2及び図3に示した第一実施形態の当該ドラムパッド1は、スリット8が硬質パッド層4の裏面側に形成されている構成としたが、この構成に限らず、図6(a)に示すドラムパッド21のように、感圧センサー素子5が硬質パッド層4aの裏面側に配設され、スリット8aが硬質パッド層4aの表面側に形成されている構成であってもよい。この場合にも、柱状体7aは、その高さ方向が硬質パッド層4aの厚み方向の向きとなるよう配設されているので、軟質パッド層3の表面側への打撃による振動が、柱状体7aを介して硬質パッド層4aの裏面側へ打撃面に対する垂直方向に伝わる。また、この場合には、感圧センサー素子5に局所的に荷重が集中することが防止される。さらに、軟質パッド層4aが変形しつつ、柱状体7aの先端が軟質パッド層3へ食い込むことによって、打撃の際の底付き感が低減される。
また、図6(b)に示すドラムパッド22のように、スリット8bが硬質パッド層4bの両面に形成される構成であってもよい。このドラムパッド22では、硬質パッド層4bの表面側及び裏面側に配設される柱状体7bの平面視における位置が同一となるよう硬質パッド層4bの両面にスリット8bが形成されている。この場合にも、軟質パッド層3の表面側への打撃による振動が、硬質パッド層4bの表面側及び裏面側に配設される柱状体7bを介して硬質パッド層4bの裏面側へ打撃面に対する垂直方向に伝わる。なお、図6(b)のドラムパッド22では、感圧センサー素子5を硬質パッド層4bの裏面側に配設しているが、軟質パッド層3と硬質パッド層4bの間に感圧センサー素子5を配設してもよい。
また、第一実施形態及び第二実施形態では、パッド層が表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有する2層の構成としたが、本発明はこれに限定されず、図7に示すドラムパッド23のように、エラストマー材料製の1層のパッド層2cを備える構成としてもよい。1層で構成されるパッド層2cの裏面側の厚さ方向の一部にスリット8cを形成することにより、パッド層2cの表面側で受けた打撃による振動が、パッド層2cの裏面側に配設された柱状体7cを介してパッド層2cの裏面側へ打撃面に対する垂直方向に伝わる。そして、その振動がパッド層2cの裏面側の略全面に配設されている感圧センサー素子5によって検知され、パッド層2cの表面側の打撃位置が検知される。また、パッド層2cの裏面側にスリット8cが形成されていることにより、打撃時にスリット8cに囲まれる柱状体7cが座屈するので底付き感が抑制される。
図7のドラムパッド23の構成では、スリット8cを厚さ方向に大きく形成するほど好ましい。スリット8cが厚さ方向に大きいほど、パッド層2cの表面側で受けた打撃による振動の伝播方向を打撃面に対する垂直方向へ規制する効果が大きくなると共に、柱状体7cが座屈し易くなり底付き感の抑制効果が効率よく発揮される。
また、第一実施形態及び第二実施形態のように柱状体が配設される構成に限らず、図8に示すドラムパッド24のように、スリット8dによって、パッド層2での厚さ方向に断面積が変化する突起部7dが複数配設される構成であってもよい。パッド層2dは、硬質パッド層4cの裏面側に突起部7dが配設されることにより、軟質パッド層3の表面側で受けた打撃による振動が、突起部7dを介して硬質パッド層4cの裏面側へ打撃面に対する垂直方向に伝わる。各突起部7dの先端に接して硬質パッド層4cの裏面側の略全面に配設されている感知センサー素子5によって、その振動の大きさ及び打撃位置が検知される。
また、第一実施形態及び第二実施形態では、硬質パッド層に配設される複数の柱状体が繋がって一体的に構成されていたが、本発明はこれに限定されず、複数の独立した柱状体が配設される構成であってもよい。例えば図9に示すように、ドラムパッド25が、軟質パッド層3と、複数の柱状部材19からなる硬質パッド層4dと、これらの柱状部材19の移動を防止するガイド板20とを備える構成としてもよい。複数の柱状部材19は、例えば図1に示す複数の柱状体7と同じ位置に配設される。つまり、図1の複数の柱状体7と同様に、複数の柱状部材19が平面視格子状のスリット8eを画定している。柱状部材19は、例えばエラストマー材料製の部材である。ガイド板20は、パンチングメタルのように複数の円形状の孔が形成された板状部材であり、これらの孔に各柱状部材19を貫通させ、平面方向へ移動しないように複数の柱状部材19を同時に支持する。ガイド板20は、柱状部材19が平面方向へ移動しないように支持できる硬度を有する材質であればよく、例えば金属板を好適に用いることができる。また、柱状部材19によって効率よく振動を打撃面に対する垂直方向へ伝播させるために、ガイド板20は厚みが薄いほど好ましい。また、柱状体19が傾かないようにガイド板20を平行に2枚以上配置してもよい。図9に示すドラムパッド25は、複数の柱状部材19からなるので、柱状部材19ごとに材質や硬度の異なる他の柱状部材に容易に変更できる。そのため、材質や硬度の異なる柱状部材19を混在させてガイド板20に支持させることができ、打撃面の領域ごとの打感の細かな調整が可能となる。また、図9に示すドラムパッド25は、柱状部材19の径を変更したり、柱状体19の数を増減することによって、平面視での柱状部材19の存在密度を容易に変更できるので、容易に打感を変化させることができる。また、ガイド板20の孔と柱状体19との隙間(あそび)を調整することでも、打感を変化させることができる。例えば、あそびが小さい場合には、柱状体19はガイド板20に固く固定されるので、柱状体19が座屈する量は小さい。しかし、あそびが大きい場合には柱状体19は予め傾いていて柱状体19が座屈し易くなるので、底付き感低減効果の向上が図れる。
また、第一実施形態では、スリット8が平面視六角格子状に形成されている構成としたが、本発明はこれに限定されず、スリットが六角格子以外の格子状に形成されている構成であってもよい。すなわち、スリットが平面視で正格子状や菱格子状に形成されていてもよい。
また、第一実施形態及び第二実施形態では、スリットを形成する格子状の格子間隔が一定である構成としたが、本発明はこれに限定されず、スリットを形成する格子状の格子間隔を硬質パッド層の領域ごとに異ならせる構成としてもよい。硬質パッド層の領域ごとにスリットを形成する格子状の格子間隔を異ならせることで、その領域ごとに柱状体の密度が異なり、打撃する位置によって打感を異ならせることができる。例えば、図10に示すように、硬質パッド層4eの中央部の第1領域30における柱状体同士の間隔を広くし、硬質パッド層4eの外周部の第2領域31における柱状体同士の間隔を狭くすることにより、打撃する位置によって打感を異ならせることができる。すなわち、軟質パッド層の表面側の中央部を打撃したときには、平面視における柱状体が占める面積率が小さいので柱状体が変形し易く、柔らかめの打感が得られる。一方、軟質パッド層の表面側の外周に近い領域を打撃したときには、平面視における柱状体が占める面積率が大きいので柱状体が変形し難く、硬めの打感が得られる。
また、図10では、柱状体同士の間隔を異ならせる領域を、硬質パッド層4eの中央部の第1領域30及び硬質パッド層4eの外周部の第2領域31の2つの領域としたが、柱状体同士の間隔が異なる3つ以上の領域としてもよく、硬質パッド層の中心部から外周に向かって連続的に柱状体同士の間隔を異ならせる構成としてもよい。また、柱状体同士の間隔を径方向に沿って変化させるのではなく、硬質パッド層の任意の領域の柱状体同士の間隔のみを他の領域の柱状体同士の間隔と異ならせる構成としてもよい。硬質パッド層に形成する柱状体同士の間隔を変えることで、容易に所望の領域の打感を変化させることができる。また、柱状体の径を領域によって変えることで打感を変化させることもできる。また、柱状体が予め傾いて配設されていてもよい。例えば硬質パッド層の中心方向又は外周方向に柱状体が傾いていることで、柱状体が座屈する方向が予め定まり柱状体の座屈を促すので、底付き感がより低減される。このときの柱状体の傾き角度としては、打撃面に垂直な方向に対して、1°以上10°以下が好ましい。前記柱状体の傾き角度が前記下限未満では、十分な底付き感の低減効果が得られないおそれがある。また、前記柱状体の傾き角度が前記上限を超えると、アコースティックドラムとは異なる打感となるおそれがある。
以上説明したように、本発明の打楽器パッドは、打撃による直接波を感度よく検出でき、かつアコースティックドラムに近づけた打感を有するので、例えば電子ドラム等の電子楽器に好適に用いることができる。
1、11、21、22、23、24、25 ドラムパッド
2、12、2a、2b、2c、2d、2e パッド層
3、13 軟質パッド層
4、14、4a、4b、4c、4d、4e 硬質パッド層
5、15 感圧センサー素子
6、16 表面シート材
7、17、7a、7b、7c 柱状体
7d 突起部
8、18、8a、8b、8c、8d、8e スリット
19 柱状部材
20 ガイド板
30 第1領域
31 第2領域

Claims (5)

  1. 表面側が打撃されるエラストマー材料製のパッド層と、
    このパッド層の裏面又は中層の略全面に配設される1又は複数の感圧センサー素子と
    を備え、
    前記パッド層の表層以外の厚さ方向の少なくとも一部にスリットが平面視格子状に形成されている打楽器パッド。
  2. 前記パッド層が、表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有し、
    前記スリットが、前記硬質パッド層の表面側又は裏面側に形成されている請求項1に記載の打楽器パッド。
  3. 前記スリットにより硬質パッド層の表面側又は裏面側に複数の柱状体が略等密度で配設されている請求項2に記載の打楽器パッド。
  4. 前記複数の柱状体が硬質パッド層の裏面側に形成され、
    前記感圧センサー素子が前記硬質パッド層の裏面側に積層される請求項3に記載の打楽器パッド。
  5. 前記パッド層が、表面側の軟質パッド層と裏面側の硬質パッド層とを有し、
    前記硬質パッド層が前記スリットを画定する複数の柱状体からなり、
    前記柱状体を貫通させる複数の孔によって前記複数の柱状体の移動を防止するガイド板をさらに備える請求項1に記載の打楽器パッド。
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