JP2019124506A - 静電容量型センサ - Google Patents

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泰弘 本荘
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【課題】 小荷重領域を含む所定の圧力範囲において、感度および分解能が高い静電容量型センサを提供する。【解決手段】 静電容量型センサ1は、誘電層20と、誘電層20を厚さ方向に挟んで配置され各々に電極層01X〜08X、01Y〜08Yを有する一対の電極ユニット30、40と、を備え、電極層01X〜08X、01Y〜08Yが誘電層20を介して対向する部分に感圧部Dが設定される。静電容量型センサ1において、誘電層20は、発泡体シート21と、発泡体シート21に積層されエラストマーのソリッド体からなるソリッド体シート22と、を有し、ソリッド体シート22は、平板部23と、平板部23における発泡体シート21側の表面に配置される複数の突部24と、を有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、荷重分布センサやタッチセンサなどとして用いられる静電容量型センサに関する。
静電容量型センサは、誘電層とそれを挟んで配置される一対の電極層とを備え、電極層間距離の変化に伴う静電容量の変化を利用して荷重を検出する。誘電層としては、樹脂、エラストマー、これらの発泡体などが用いられる。小さな荷重を検出するためには、小荷重でも電極層間距離、すなわち誘電層の厚さの変化が大きいことが望ましい。しかし、従来の誘電層によると、小荷重領域における厚さの変位量が小さいため、静電容量の変化が小さく、小荷重を正確に検出することができなかった。
小荷重を検出しやすくした静電容量型センサとして、特許文献1には、複数の貫通孔を有する発泡体製の誘電層を備えるセンサが開示されている。特許文献2には、非発泡体からなる柱部と空間部とを有する誘電層を備えるセンサが開示されている。特許文献3には、所定の圧力−ひずみ曲線を満足する誘電層を備え、0MPaより大きく0.015MPa以下の圧力範囲において、感度が7.5×10−11F/MPa以上7.5×10−10F/MPa以下である静電容量型センサが開示されている。
特開2012−173100号公報 特開2010−223953号公報 国際公開第2017/057598号公報
特許文献1に記載されているように、誘電層に貫通孔を形成すると、誘電層の厚さ方向のばね定数が小さくなる(誘電層が柔らかくなる)ため、小荷重でも誘電層が変形しやすくなり、小荷重を検出しやすくなる。しかしながら、誘電層が柔らかいため、ある荷重以上になると誘電層が潰れきってしまい、それ以上の荷重を検出することができない。また、発泡体はへたりやすいため、繰り返し使用した場合に出力や感度にばらつきを生じやすい。
特許文献2に記載されているように、柱部と空間部とで誘電層を構成すると、空間部が存在する分だけ、誘電層全体の厚さ方向のばね定数を小さくすることができる。しかしながら、柱部自体は非発泡体(ソリッド体)からなるため、荷重が小さい領域においては変形しにくく、小荷重の検出には充分とはいえない。
小さな荷重をノイズに埋もれることなく測定するためには、センサの感度が0.03pF/mmHg(1mmHg=133.322Paとして換算すると2.25×10−10F/MPa。以下、本明細書においては同様に換算する。)以上であるとよい。この点、特許文献3に記載されている静電容量型センサの感度は、小荷重領域を含む圧力範囲において、7.5×10−11F/MPa以上7.5×10−10F/MPa以下である。よって、特許文献3に記載されている静電容量型センサは、小荷重の測定に充分な感度を有しているようにみえる。例えば、静電容量型センサを寝具に配置して、寝ている人の体圧分布を測定する場合、首や二の腕などの体圧変化が小さい部分についても正確に測定できることが望まれる。このためには、10mmHg(1333.22Pa)程度の小さな圧力差を測定できるようにする必要がある。しかし、特許文献3に記載されている静電容量型センサの感度は、大小二つの荷重(圧力)をセンサに加えた時に検出された静電容量の変化量から算出されるにすぎないため(静電容量の変化量/圧力の変化量)、10mmHg刻みで圧力を変化させた場合、感度が0.03pF/mmHgを下回ってしまう場合があることがわかった。すなわち、特許文献3に記載されている静電容量型センサによると、分解能がそれほど高くないため、小さな荷重の変化を見逃してしまうおそれがある。
特許文献3の第一実施形態には、シリコーンゴムのソリッド体からなり、平板部と多数の突起部とを有する誘電層が記載されている(特許文献3の図3参照)。第二実施形態には、二つの誘電層を面方向に90°回転させた状態で積層した積層誘電層が記載されている(特許文献3の図5参照)。二つの誘電層は、いずれもシリコーンゴムのソリッド体からなり、平板部と多数の突条とを有している。積層誘電層を上側から見ると、突条は井桁状に配置されている。このように、特許文献3に記載されている静電容量型センサにおいては、誘電層の形状を工夫しているが、使用している材料は一種類である。すなわち、誘電層の材質は、平板部と突起部などで同じである。この場合、材質に起因した以下の問題が生じる。すなわち、ソリッド体は比較的硬いため、荷重が小さい領域においては変形しにくい。これにより、感度が低下するおそれがある。一方、発泡体は比較的柔らかいが、へたりやすく(耐久性が低く)、ある荷重以上になると潰れきってしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、小荷重領域を含む所定の圧力範囲において、感度および分解能が高い静電容量型センサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の静電容量型センサは、誘電層と、該誘電層を厚さ方向に挟んで配置され各々に電極層を有する一対の電極ユニットと、を備え、該電極層が該誘電層を介して対向する部分に感圧部が設定される静電容量型センサであって、該誘電層は、発泡体シートと、該発泡体シートに積層されエラストマーのソリッド体からなるソリッド体シートと、を有し、該ソリッド体シートは、平板部と、該平板部における該発泡体シート側の表面に配置される複数の突部と、を有することを特徴とする。
本発明の静電容量型センサの誘電層は、発泡体シートとソリッド体シートとを有する。ソリッド体シートは、平板部と発泡体シート側に突設される複数の突部とを有する。荷重が加わっていない無荷重状態において、複数の突部は、発泡体シートに接触していてもしていなくてもよいが、少しでも荷重が加われば突部は速やかに発泡体シートに接触する。なお、突部と発泡体シートとの接触は、直接的でも他の部材を介して間接的でも構わない。
誘電層を、発泡体とソリッド体(非発泡体)という材質の異なるシートから構成することにより、個々の材料が有する欠点を補い、利点を生かして、優れた効果を発揮することができる。すなわち、低圧領域(小荷重領域)においては、まず、ソリッド体シートの複数の突部が発泡体シートに接触する。突部と発泡体シートとの接触状態は、突部の形状に応じて、点接触または線接触になる。これにより、シート同士が面接触する場合と比較して、突部の接触部分に荷重が集中されるため、発泡体シート単体では変形しないような微小な荷重であっても、発泡体シートを変形させることができる。これにより、感度が向上し、小荷重を精度良く測定することができる。荷重が大きくなるにつれて、複数の突部は発泡体シートに埋もれていく。この状態においては、ソリッド体シートの平板部と発泡体シートとの間の空間が小さくなることにより、誘電層の比誘電率が大きくなり、静電容量が大きくなる。これにより、感度が向上し、小〜中荷重を精度良く測定することができる。さらに荷重が大きくなると、複数の突部は発泡体シートに埋入する。これ以降は、ソリッド体シートの平板部と共に発泡体シート自体が変形することにより、大荷重を精度良く測定することができる。
以上説明したように、本発明の静電容量型センサによると、誘電層を構成する各シートの材質、厚さなどに応じて、小荷重から大荷重に至るまでの比較的広範囲の荷重を、高感度で測定することができる。また、材質および形状が異なる二種類のシートを組み合わせて誘電層とすることにより、微小な圧力変化もきめ細やかに測定することが可能になる。すなわち、静電容量型センサの分解能を向上させることができる。本発明の静電容量型センサによると、例えば0mmHg(0MPa)より大きく180mmHg(23997.96Pa=約0.024MPa)以下の圧力範囲において、10mmHg(1333.22Pa)ごとの感度を、0.03pF/mmHg(2.25×10−10F/MPa)以上に維持することができる。また、発泡体のみを用いた場合と比較して、誘電層がへたりにくい。このため、耐久性が向上し、繰り返し使用しても出力や感度にばらつきが生じにくい。
第一実施形態の静電容量型センサの透過上面図である。 同静電容量型センサの斜視分解図である。 図2のIII−III断面図である。 第二実施形態の静電容量型センサの誘電層におけるソリッド体シートの斜視図である。 比較例1の誘電層の斜視分解図である。 比較例2の誘電層の斜視分解図である。 実施例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 比較例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 比較例3の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例2の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例3の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例4の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例5の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。 参考例6の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果を示すグラフである。
次に、本発明の静電容量型センサの実施の形態について説明する。以下の図においては、上下方向が本発明の誘電層の厚さ方向に対応している。
<第一実施形態>
[静電容量型センサの構成]
まず、本実施形態の静電容量型センサの構成について説明する。図1に、本実施形態の静電容量型センサの透過上面図を示す。図2に、同静電容量型センサの斜視分解図を示す。図3に、図2のIII−III断面図を示す。なお、説明の便宜上、図2、図3においては、ソリッド体シートの突条を誇張して示している。
図1、図2に示すように、静電容量型センサ1は、誘電層20と、第一電極ユニット30と、第二電極ユニット40と、コネクタ10と、を備えている。誘電層20は、発泡体シート21と、ソリッド体シート22と、基材シート210と、を有している。
発泡体シート21は、ウレタンフォーム(ウレタンゴムの発泡体)からなる。発泡体シート21は、厚さ0.95mmの矩形シート状を呈している。発泡体シート21の10%圧縮応力は1800Paであり、40%圧縮応力は4200Paである。発泡体シート21のタイプAデュロメータ硬さを、JIS K6253−3:2012に規定される方法で測定したところ、測定限界の下限値に満たず測定することができなかった。基材シート210は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製であり、厚さ0.05mmの矩形シート状を呈している。基材シート210は、厚さを除いて発泡体シート21と同じ大きさである。発泡体シート21は、基材シート210に支持されている。
ソリッド体シート22は、発泡体シート21の上面に積層されている。ソリッド体シート22は、平板部23と複数の突条24とを有している。平板部23は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる。平板部23は、厚さ0.2mmの矩形シート状を呈している。平板部23は、厚さを除いて発泡体シート21と同じ大きさである。複数の突条24は、平板部23の下面(発泡体シート21側の表面)に配置されている。複数の突条24は、荷重が加わっていない無荷重状態において、発泡体シート21に接触している。複数の突条24は、シリコーンゴムからなる。熱可塑性ポリウレタンおよびシリコーンゴムは、「エラストマーのソリッド体」の概念に含まれる。複数の突条24のタイプAデュロメータ硬さは、いずれも25である。すなわち、複数の突条24の硬さは、発泡体シートの硬さよりも大きい。
複数の突条24は、各々、断面矩形状の線状を呈しており、前後方向に延在している。複数の突条24は、左右方向に所定の間隔で離間して互いに平行に配置されている。複数の突条24の形状、大きさは全て同じである。複数の突条24の高さは0.08mm(80μm)、幅は0.5mm、隣接する突条24同士の間隔は1.5mmである。複数の突条24は、平板部23の下面にスクリーン印刷されている。平板部23の面積(下面全体の面積)を100%とすると、複数の突条24の面積割合は25%である。突条24は、本発明における「突部」の概念に含まれる。
第一電極ユニット30は、誘電層20の上側に配置されている。第一電極ユニット30は、第一基材31と、8本の第一電極層01X〜08Xと、8本の第一配線層01x〜08xと、第一保護層32と、を有している。
第一基材31は、TPU製であって、矩形シート状を呈している。第一基材31の厚さは、0.2mmである。第一基材31の下面には、8本の第一電極層01X〜08Xおよび8本の第一配線層01x〜08xが配置されている。第一保護層32は、第一電極層01X〜08Xおよび第一配線層01x〜08xを下側から被覆するように、第一基材31の下面側に配置されている。第一保護層32は、シリコーンゴム製であって、第一基材31の大きさと同じ矩形シート状を呈している。第一保護層32の厚さは0.03mmである。
8本の第一電極層01X〜08Xは、各々、アクリルゴムおよび導電性カーボンブラックを含んでいる。第一電極層01X〜08Xは、各々、幅20mmの帯状を呈している。第一電極層01X〜08Xは、各々、左右方向に延在している。第一電極層01X〜08Xは、前後方向に2mmの間隔で離間して互いに平行に配置されている。
8本の第一配線層01x〜08xは、各々、アクリルゴムおよび銀粉末を含んでいる。8本の第一配線層01x〜08xは、各々、線状を呈しており、8本の第一電極層01X〜08Xと、コネクタ10と、を電気的に接続している。コネクタ10は、図示しない制御装置に電気的に接続されている。
第二電極ユニット40は、誘電層20の下側に配置されている。第二電極ユニット40の構成は、第一電極ユニット30の構成と同じである。すなわち、第二電極ユニット40は、第二基材41と、8本の第二電極層01Y〜08Yと、8本の第二配線層01y〜08yと、第二保護層42と、を有している。
第二基材41は、TPU製であって、長方形のシート状を呈している。第二基材41の厚さは、0.2mmである。第二基材41の上面には、8本の第二電極層01Y〜08Yおよび8本の第二配線層01y〜08yが配置されている。第二保護層42は、第二電極層01Y〜08Yおよび第二配線層01y〜08yを上側から被覆するように、第二基材41の上面側に配置されている。第二保護層42は、シリコーンゴム製であって、第二基材41の大きさと同じ矩形シート状を呈している。第二保護層42の厚さは0.03mmである。
8本の第二電極層01Y〜08Yは、各々、アクリルゴムおよび導電性カーボンブラックを含んでいる。第二電極層01Y〜08Yは、各々、幅20mmの帯状を呈している。第二電極層01Y〜08Yは、各々、前後方向に延在している。第二電極層01Y〜08Yは、左右方向に2mmの間隔で離間して互いに平行に配置されている。
8本の第二配線層01y〜08yは、各々、アクリルゴムおよび銀粉末を含んでいる。8本の第二配線層01y〜08yは、各々、線状を呈しており、8本の第二電極層01Y〜08Yと、コネクタ10と、を電気的に接続している。
第一基材31および第二基材41の周縁部は、所定の間隔でスポット融着されている。すなわち、第一基材31と第二基材41とは、袋状に貼り合わされている。上方から見て、第一電極層01X〜08Xと第二電極層01Y〜08Yとは格子状に並んでいる。第一電極層01X〜08Xと第二電極層01Y〜08Yとが重複する部分には、複数の感圧部Dが設定されている。感圧部Dは、合計64個設定されている。
[静電容量型センサの動き]
次に、本実施形態の静電容量型センサ1の動きについて説明する。まず、静電容量型センサ1に荷重が加わる前(初期状態)に、第一電極層01X〜08Xおよび第二電極層01Y〜08Yに電圧を印加して、感圧部Dごとに静電容量Cを算出する。続いて、静電容量型センサ1に荷重が加わった後も同様に、感圧部Dごとに静電容量Cを算出する。荷重が加わった部分の感圧部Dにおいては、第一電極層と第二電極層との距離が小さくなる。これにより、当該感圧部Dの静電容量Cは、大きくなる。この静電容量Cの変化量ΔCに基づいて、感圧部Dごとの面圧が算出される。このようにして、荷重分布を測定することができる。
[静電容量型センサの作用効果]
次に、本実施形態の静電容量型センサ1の作用効果について説明する。静電容量型センサ1においては、誘電層20が、発泡体シート21と複数の突条24を有するソリッド体シート22とから構成されている。静電容量型センサ1に荷重が加わると、まず突条24が発泡体シート21に線接触する。これにより、荷重が線状に集中されるため、発泡体シート21単体では変形しないような微小な荷重であっても、発泡体シート21を変形させることができる。したがって、静電容量型センサ1によると、小荷重を精度良く測定することができる。また、荷重が大きくなると、複数の突条24は発泡体シート21に埋もれていく。この状態においては、平板部23と発泡体シート21との間の空間が小さくなることにより、誘電層20の比誘電率が大きくなり、静電容量が大きくなる。したがって、静電容量型センサ1によると、小〜中荷重を精度良く測定することができる。さらに荷重が大きくなると、複数の突条24は発泡体シート21に埋入する。これ以降は、平板部23および発泡体シート21自体が変形する。したがって、静電容量型センサ1によると、大荷重を精度良く測定することができる。
このように、静電容量型センサ1によると、微小な圧力変化もきめ細やかに測定することができる。詳細は後の実施例において説明するが、静電容量型センサ1によると、0mmHg(0MPa)より大きく180mmHg(23997.96Pa=約0.024MPa)以下の圧力範囲において、10mmHg(1333.22Pa)ごとの感度を、0.03pF/mmHg(2.25×10−10F/MPa)以上に維持することができる。すなわち、静電容量型センサ1は高い分解能を有する。静電容量型センサ1においては、突条24と発泡体シート21とが、無荷重状態において接触している。このため、荷重に対して誘電層20が速やかに変形する。よって、静電容量型センサ1の応答性は良好である。
誘電層20は、発泡体シート21単体ではなく、非発泡体からなるソリッド体シート22との積層体である。このため、発泡体シート21のみを用いた場合と比較して、繰り返し荷重が加わっても誘電層20がへたりにくい。したがって、静電容量型センサ1は耐久性に優れ、繰り返し使用しても出力や感度のばらつきが少ない。また、発泡体シート21は、樹脂製の基材シート210に支持される。よって、発泡体シート21を薄膜化しやすい。これにより、静電容量型センサ1全体を薄型にすることができ、感度向上を図るのに好適である。
<第二実施形態>
本実施形態の静電容量型センサと第一実施形態の静電容量型センサとは、誘電層におけるソリッド体シートの構成のみが相違する。したがって、ここでは相違点を中心に説明する。図4に、本実施形態の誘電層におけるソリッド体シートの斜視図を示す。説明の便宜上、図4においては、突起部を誇張して示している。
図4に示すように、ソリッド体シート25は、平板部26と複数の突起部27とを有している。ソリッド体シート25は、全体がシリコーンゴム製の一体物である。平板部26は、厚さ1mmの矩形シート状を呈している。平板部26は、厚さを除いて発泡体シートと同じ大きさである。
複数の突起部27は、平板部26の表面(発泡体シート側の表面)に配置されている。複数の突起部27は、平板部26の表面全体に略均一に配置されている。複数の突起部27は、全て同じ形状、大きさを有している。すなわち、突起部27は、平板部26に向かって広がる円錐台状を呈している。突起部27の上底の直径は1.2mm、下底の直径は1.8mm、高さは0.25mmである。複数の突起部27は、荷重が加わっていない無荷重状態において、発泡体シートに接触している。複数の突起部27のタイプAデュロメータ硬さは、いずれも13である。すなわち、複数の突起部27の硬さは、発泡体シートの硬さよりも大きい。平板部26の面積(表面全体の面積)を100%とすると、複数の突起部27の面積割合は28.3%である。突起部27は、本発明における「突部」の概念に含まれる。
本実施形態の静電容量型センサにおいては、ソリッド体シート25が平板部26と複数の突起部27とからなる。突起部27は、平板部26に向かって広がる円錐台状を呈している。このため、突起部27は平板部26から引き裂かれて脱離しにくく、座屈しにくい。よって、誘電層20は耐久性に優れる。
<その他の形態>
以上、本発明の静電容量型センサの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
(1)誘電層
[発泡体シート]
発泡体シートは、樹脂またはエラストマーの発泡体から製造すればよい。エラストマーには、架橋ゴムおよび熱可塑性エラストマーが含まれる。例えば、ウレタンフォームの他、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリオレフィン発泡体、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)フォーム、PETフォーム、フェノールフォーム、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)フォーム、シリコーンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、アクリルフォーム、ポリイミドフォーム、ポリ乳酸系樹脂発泡体、メラミンフォーム、ポリメタクリルイミドフォーム、フッ素樹脂フォームなどが挙げられる。
発泡体シートは、センサの感度を向上させるという観点から、薄い方が望ましい。したがって、発泡体シートの厚さを1mm以下にすることが望ましい。上記実施形態のように、基材シート上に成形すると、発泡体シートの薄膜化が容易になる。
発泡体シートが柔らかすぎると、潰れやすいため、測定可能な荷重範囲が狭まってしまう。反対に硬すぎると、変形しにくいため、感度が低下してしまう。これらを考慮すると、発泡体シートの10%圧縮応力を2666.44Pa(20mmHg)より小さくし、かつ40%圧縮応力を5999.49Pa(45mmHg)より小さくすることが望ましい。10%圧縮応力、40%圧縮応力は、発泡体シートを厚さ方向に10%または40%圧縮した時の荷重を、圧縮部の厚さ方向に垂直な断面積で除した値である。本明細書における圧縮応力の測定においては、直径15mmの円形状の押圧部を有する金属製測定子を用い、当該金属製測定子を1mm/分の速度で移動させて発泡体シートを圧縮した。この際、発泡体シートに0.01Nの荷重を加えた状態を圧縮率0%(初期状態)とした。
[基材シート]
上記実施形態においては、発泡体シートを支持するために基材シートを用いたが、基材シートは必ずしも必要ではない。基材シートとしては、PETの他、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエチレンなどの樹脂製のシートを用いればよい。
[ソリッド体シート]
ソリッド体シートは、エラストマーのソリッド体から製造すればよい。ソリッド体とは、非発泡体の固体である。エラストマーとしては、例えば、比誘電率が2.5以上(測定周波数25kHz)であるものとして、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンなどが挙げられる。また、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素系、ニトリル系、スチレン系などの熱可塑性エラストマーでもよい。なかでも、比誘電率と柔軟性との両方を満足するという理由から、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、アクリルゴムが好適である。
ソリッド体シートは、平板部と複数の突部とを有する。平板部と突部との材質は、同じでも異なっていてもよい。ソリッド体シートは、一体的に製造されても、平板部と突部とが別々に製造されても構わない。例えば、プレス加工法、切削加工法、射出成形法などにより一体的に製造することができる。また、平板部の表面に、スクリーン印刷法、メタルマスク印刷法、インクジェット印刷法などにより、突部を形成してもよい。
突部の形状は、特に限定されない。第一実施形態のように突条を配置する場合には、横断面を矩形状、台形状、三角形などにする他、半円形、円形、楕円形などにして頂部を曲面状にしてもよい。第二実施形態のように突起部を配置する場合には、その形状を、円錐台状の他、角錐台状、円錐状、角錐状などにすることができる。突起部の上底は、平面でも曲面でもよい。複数の突起部は、平板部の表面に所定の間隔で離間して配置してもよく、間隔をあけずに突起部同士が連続するように配置してもよい。複数の突起部を連続して配置することにより、いわゆるプロファイル加工品のように、表面全体に凹凸を付与することができる。
突部の高さは、発泡体シートを押圧して変形させる、発泡体シートとの間の空間を調整するなどの機能を考慮して、適宜決定すればよい。例えば、発泡体シートの厚さが1mm以下の場合には、突部の高さを30μm以上にするとよい。50μm以上にするとより好適である。突部の高さが小さすぎる(突部が低すぎる)と、荷重が加わるとすぐに発泡体シートに埋入してしまうため、小荷重領域における感度が低下する。また、突部の硬さは、発泡体シートの硬さよりも大きいことが望ましい。本明細書において、硬さは、JIS K6253−3:2012に規定されるタイプAデュロメータ硬さである。突部に応力を集中させる、繰り返し使用してもへたりにくいなどの観点から、突部のタイプAデュロメータ硬さは、10以上、より好ましくは20以上、さらには25以上であるとよい。
平板部に対する突部の面積割合は、突部による応力集中効果を考慮して適宜決定すればよい。「突部の面積」とは、無荷重状態において、突部を相手部材に接触させた場合の接触面積である。突部の面積割合が小さすぎると、突部同士の間で平板部が撓んで発泡体シートに接触しやすくなるなどして、充分な応力集中効果が得られない。したがって、平板部の面積を100%とした場合に、突部の面積割合を6.25%より大きくするとよい。12.5%以上にするとより好適である。反対に、突部の面積割合が大きすぎると、発泡体シートへの接触面が面状に近くなるため、充分な応力集中効果が得られない。したがって、突部の面積割合を75%より小さくするとよい。50%以下にするとより好適である。
無荷重状態において、突部と発泡体シートとは接触していてもしていなくてもよいが、荷重が加わることにより速やかに接触することが望ましい。突部と発泡体シートとの接触は、直接的でも他の部材を介して間接的でも構わない。すなわち、発泡体シートの変形を阻害しない範囲において、突部と発泡体シートとの間に薄膜状の他のシート部材が介在していても構わない。上述したように、誘電層は、発泡体シート、ソリッド体シートに加えて、基材シートなどの他のシート部材を有していてもよい。
(2)電極ユニット
上記実施形態においては、基材に電極層などを形成して電極ユニットとした。しかしながら、誘電層に直接電極層などを形成して電極ユニットとしてもよい。すなわち、誘電層の厚さ方向の両面に、各々、電極層、配線層、保護層などを形成して、電極ユニットとしてもよい。また、上記実施形態においては、電極ユニットに保護層を含めたが、保護層は必ずしも必要ではない。また、電極ユニットにおける電極層および配線層の配置形態は、特に限定されない。すなわち、電極層を任意の大きさ、形状で配置して、一対の電極ユニットを積層方向に透過して見た場合に、誘電層を挟んで電極層が重複することにより、少なくとも一つの感圧部を設定できればよい。
基材としては、PET、PEN、ポリイミド、ポリエチレンなどの樹脂シート、シリコーンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、エチレン―プロピレン共重合ゴムなどのエラストマーシート、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系などの熱可塑性エラストマーからなるシート、および当該熱可塑性エラストマー、PET、ナイロンなどからなる伸縮布などが好適である。
保護層としては、柔軟性や引張永久歪みなどを考慮して、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンなどが好適である。
電極層は、誘電層の変形に追従しやすいという観点から、柔軟で伸縮性を有することが望ましい。例えば、エラストマーおよび導電材を含んで、電極層を形成するとよい。電極層は、エラストマー中に導電材が分散されている態様の他、導電材からなる層とエラストマーからなる層とが積層されている態様でもよい。後者の態様においては、エラストマーの一部が導電材層に含浸していてもよい。
エラストマーとしては、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(ニトリルゴム)、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンなどが好適である。導電材としては、銀、金、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金などからなる金属粒子、酸化亜鉛、酸化チタンなどからなる金属酸化物粒子、チタンカーボネートなどからなる金属炭化物粒子、銀、金、銅、白金、およびニッケルなどからなる金属ナノワイヤ、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、およびグラフェンなどの導電性炭素材料の中から、適宜選択すればよい。これらの一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
配線層も、柔軟で伸縮性を有することが望ましい。例えば、エラストマーおよび導電材を含んで、配線層を構成するとよい。配線層は、電極層と電気的に接続されていればよく、電極層の一端部に接続する他、電極層の一端部から所定の長さで延在させて電極層に積層してもよい。
エラストマーとしては、電極層と同様に、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンなどが好適である。導電材としては、電極層と同様に、金属粒子、金属酸化物粒子、金属炭化物粒子、金属ナノワイヤ、および導電性炭素材料の中から、適宜選択すればよい。これらの一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
(3)静電容量型センサ
上記実施形態の静電容量型センサにおいては、0MPaより大きく0.024MPa以下の圧力範囲において、10mmHg(1333.22Pa)ごとの感度を、0.03pF/mmHg(2.25×10−10F/MPa)以上に維持することができる。したがって、測定圧力範囲に0.024MPa以下の荷重領域を含めると、本発明の効果を存分に発揮することができる。なお、本発明の静電容量型センサを、当該圧力範囲より大きい圧力を測定するために使用できることは言うまでもない。
静電容量型センサは、上記実施形態のまま使用してもよいが、外装カバーに収容して使用してもよい。外装カバーに収容すると、センサが人の体に接触した時の違和感を低減することができる他、安全性、防汚性、意匠性が向上する。外装カバーの材質としては、塩化ビニル、TPUなどの樹脂およびエラストマー、ポリウレタンやポリエステルなどの弾性繊維を用いた伸縮布、エラストマーと伸縮布との積層体などが好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
(1)実験1
構成が異なる四種類の誘電層を用いて静電容量型センサを製造し、センサの感度を測定した。
<誘電層の製造>
[実施例1]
上記第一実施形態と同じ構成の誘電層を製造して実施例1の誘電層とした(前出図2、図3参照)。まず、PETシート(縦350mm、横350mm、厚さ0.05mm)の表面に、厚さ0.95mmのウレタンフォームシートを配置して、基材シートに支持された発泡体シートを製造した。次に、TPUシート(縦350mm、横350mm、厚さ0.2mm)の表面に、シリコーンゴムをスクリーン印刷して、複数の線状の突条を成形した。個々の突条の高さは0.08mm(80μm)、幅は0.5mm、隣接する突条同士の間隔は1.5mmである。このようにして得られたソリッド体シートの突条面を、発泡体シートに重ね合わせて、実施例1の誘電層を製造した。発泡体シートの10%圧縮応力は1800Paであり、40%圧縮応力は4200Paである。TPUシート(平板部)における複数の突条の面積割合は、25%である。
[比較例1]
二つの部材を積層して、比較例1の誘電層とした。図5に、比較例1の誘電層の斜視分解図を示す。図5に示すように、比較例1の誘電層90は、第一部材91と第二部材92とからなる。第一部材91と第二部材92とは、上下方向に積層されている。第一部材91と第二部材92とは同じ部材であるため、ここでは下側の第二部材92についてのみ説明する。
第二部材92は、シリコーンゴム製であり、平板部920と複数の突条921とを有している。平板部920は、縦120mm、横120mm、厚さ0.3mmの矩形シート状を呈している。複数の突条921は、平板部920の上面に配置されている。複数の突条921は、各々、四角柱状を呈しており、左右方向に延在している。突条921の高さは1mm、幅は1mmである。複数の突条921は、前後方向に6mmの間隔で離間して互いに平行に配置されている。第一部材91は、第二部材92に対して面方向(前後左右方向)に90°回転させた状態で配置されている。よって、比較例1の誘電層90を上側または下側から見た場合に、第一部材91の複数の突条911と、第二部材92の複数の突条921と、は井桁状に配置されており、交差する部分で当接している。
[比較例2]
二つの部材を積層して、比較例2の誘電層とした。図6に、比較例2の誘電層の斜視分解図を示す。図6に示すように、比較例2の誘電層93は、第一部材94と第二部材95とからなる。第一部材94と第二部材95とは、上下方向に積層されている。第一部材94と第二部材95とは同じ部材であるため、ここでは下側の第二部材95についてのみ説明する。
第二部材95は、平板部950と、複数の突条951と、を有している。平板部950は、TPU製であり、縦900mm、横700mm、厚さ0.2mmの矩形シート状を呈している。複数の突条951は、シリコーンゴム製であり、平板部950の上面にスクリーン印刷されている。複数の突条951は、各々、断面台形状の線状を呈しており、左右方向に延在している。突条951の高さは0.1mm、幅は0.4mmである。複数の突条951は、前後方向に2.4mmの間隔で離間して互いに平行に配置されている。第一部材94は、第二部材95に対して面方向(前後左右方向)に90°回転させた状態で配置されている。よって、比較例2の誘電層93を上側または下側から見た場合に、第一部材94の複数の突条941と第二部材95の複数の突条951とは、井桁状に配置されており、交差する部分で当接している。
[比較例3]
縦350mm、横350mm、厚さ3mのウレタンフォーム製の矩形シートを、比較例3の誘電層とした。
<静電容量型センサの感度の測定>
[測定方法]
上記実施形態と同様に、製造した誘電層の上面に第一電極ユニットを、下面に第二電極ユニットを重ね合わせ、周縁部をスポット融着することにより一体化して、静電容量型センサを製造した。第一電極ユニットおよび第二電極ユニットは、各々、基材の表面に、配線層、電極層、および保護層を順にスクリーン印刷して製造した。製造した静電容量型センサの感度を、次のようにして測定した。
まず、質量0.3kg、86mm角の正方形板状の金属錘を複数個準備した。金属錘の一面には、樹脂板が配置されている。当該一面は、幅20mmの帯状の電極層4本に重なる(感圧部は4×4=16個)。次に、金属錘を、樹脂板が配置されている一面を下にして静電容量型センサに載せ、中央4か所の感圧部の静電容量を測定した。続いて、金属錘の個数を増加して圧力を10mmHg(1333.22Pa)ずつ変化させながら、同4か所の静電容量を測定した。測定された4か所の静電容量の平均値を算出し、当該平均値をその圧力に対する静電容量とした。そして、圧力の変化量に対する静電容量の変化量を算出し(静電容量の変化量/圧力の変化量)、それをセンサの感度とした。
[測定結果]
表1に、各静電容量型センサにおいて、180mmHg(23997.96Pa)以下の圧力範囲で測定された10mmHgごとの感度の最低値を示す。また、図7に、実施例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。図8に、比較例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。図9に、比較例3の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。
Figure 2019124506
表1および図7に示すように、実施例1のセンサの最低感度は0.03pF/mmHg(2.25×10−10F/MPa)であった。これにより、実施例1のセンサによると、0mmHgより大きく180mmHg以下の圧力範囲において、10mmHgごとの感度を0.03pF/mmHg以上に維持できることが確認された。これに対して、表1および図8、図9に示すように、比較例1〜3のセンサの最低感度は、いずれも0.03pF/mmHgを下回った。特に、比較例1のセンサにおいては、圧力範囲の全体において感度が低かった。
(2)実験2
実験1で使用した実施例1の誘電層において、ソリッド体シートの突条の本数を変更することにより突条の面積割合を変更して、参考例1、2の誘電層を製造した。参考例1の誘電層における突条の面積割合は6.25%であり、参考例2の誘電層における突条の面積割合は75%である。そして、参考例1、2の誘電層を用いた静電容量型センサの感度を、実験1と同様にして測定した。図10に、参考例1の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。図11に、参考例2の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。
突条の面積割合を小さくすると、図10に示すように、圧力が10mmHgの場合に、最低感度が0.03pF/mmHgを下回った。突条の面積割合を大きくすると、図11に示すように、圧力が10mmHgの場合に、最低感度が0.03pF/mmHgを下回った。
(3)実験3
実験1で使用した実施例1の誘電層において、ウレタンフォームの硬さを変更することにより発泡体シートの10%圧縮応力または40%圧縮応力の値を変更して、参考例3、4の誘電層を製造した。参考例3の誘電層における発泡体シートの40%圧縮応力は6800Pa(10%圧縮応力は1860Pa)であり、参考例4の誘電層における発泡体シートの10%圧縮応力は2950Pa(40%圧縮応力は5940Pa)である。そして、参考例3、4の誘電層を用いた静電容量型センサの感度を、実験1と同様にして測定した。図12に、参考例3の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。図13に、参考例4の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。
発泡体シートの40%圧縮応力を5999.49Pa以上にすると、発泡体シートが硬くなるため、図12に示すように、全体の感度が低下して、小荷重領域においては最低感度が0.03pF/mmHgを下回った。また、発泡体シートの10%圧縮応力を2666.44Pa以上にすると、発泡体シートが硬くなるため、図13に示すように、圧力によっては最低感度が0.03pF/mmHgを下回る場合があった。
(4)実験4
実験1で使用した実施例1の誘電層において、発泡体シートの厚さを1.1mmに変更して、参考例5の誘電層を製造した。また、ソリッド体シートの突条の高さを29μmに変更して、参考例6の誘電層を製造した。そして、参考例5、6の誘電層を用いた静電容量型センサの感度を、実験1と同様にして測定した。図14に、参考例5の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。図15に、参考例6の誘電層を用いたセンサの感度の測定結果をグラフで示す。
発泡体シートの厚さを1mmより大きくすると、図14に示すように、圧力が180mmHgの場合に、最低感度が0.03pF/mmHgを下回った。また、突条の高さを30μmより小さくすると、図15に示すように、圧力が10mmHgの場合に、最低感度が0.03pF/mmHgを下回った。
1:静電容量型センサ、10:コネクタ、20:誘電層、21:発泡体シート、22:ソリッド体シート、23:平板部、24:突条(突部)、25:ソリッド体シート、26:平板部、27:突起部(突部)、30:第一電極ユニット、31:第一基材、32:第一保護層、40:第二電極ユニット、41:第二基材、42:第二保護層、01X〜08X:第一電極層、01x〜08x:第一配線層、01Y〜08Y:第二電極層、01y〜08y:第二配線層、D:感圧部。

Claims (8)

  1. 誘電層と、該誘電層を厚さ方向に挟んで配置され各々に電極層を有する一対の電極ユニットと、を備え、該電極層が該誘電層を介して対向する部分に感圧部が設定される静電容量型センサであって、
    該誘電層は、発泡体シートと、該発泡体シートに積層されエラストマーのソリッド体からなるソリッド体シートと、を有し、
    該ソリッド体シートは、平板部と、該平板部における該発泡体シート側の表面に配置される複数の突部と、を有することを特徴とする静電容量型センサ。
  2. 前記発泡体シートの10%圧縮応力は2666.44Paより小さく、該発泡体シートの40%圧縮応力は5999.49Paより小さく、前記ソリッド体シートにおいて前記平板部の面積を100%とした場合の前記突部の面積割合は6.25%より大きく75%より小さい請求項1に記載の静電容量型センサ。
  3. 前記ソリッド体シートの前記突部の硬さは、前記発泡体シートの硬さよりも大きい請求項1または請求項2に記載の静電容量型センサ。
  4. 前記発泡体シートの厚さは1mm以下であり、前記ソリッド体シートの前記突部の高さは30μm以上である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の静電容量型センサ。
  5. 前記誘電層は、樹脂製の基材シートを有し、
    該基材シートは、前記発泡体シートの前記ソリッド体シートとは反対側に積層され、該発泡体シートを支持する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の静電容量型センサ。
  6. 前記発泡体シートは、ウレタンフォームからなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の静電容量型センサ。
  7. 前記ソリッド体シートの前記突部は、シリコーンゴムからなる請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の静電容量型センサ。
  8. 複数の前記突部は、前記平板部の表面に互いに離間して平行に配置される複数の突条である請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の静電容量型センサ。
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