JP2015178822A - Internal combustion engine valve timing control device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。 The present invention relates to a valve timing control device for an internal combustion engine that controls opening and closing timings of intake valves and exhaust valves.
電動モータの回転力を利用して、スプロケットに対するカムシャフトの相対回転位相を変換制御するバルブタイミング制御装置としては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載されたものがある。
As a valve timing control device that converts and controls the relative rotational phase of the camshaft with respect to the sprocket using the rotational force of the electric motor, there is one described in
このバルブタイミング制御装置は、モータハウジングがクランクシャフトと同期回転する電動モータと、カムシャフトの軸方向の一端部にカムボルトによって軸方向から結合された従動部材と、前記電動モータの回転速度を減速して従動部材を介してカムシャフトに伝達する減速機構と、を備えている。 The valve timing control device reduces the rotational speed of the electric motor whose motor housing rotates synchronously with the crankshaft, a driven member coupled to one end of the camshaft in the axial direction by a cam bolt, and the electric motor. And a speed reduction mechanism for transmitting to the camshaft via the driven member.
前記減速機構の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油供給手段は、前記カムシャフトの内部軸方向に形成された油供給孔と、前記従動部材のカムシャフトの端面と対向する固定面の内周側に形成されて、前記油供給孔の一端開口と連通する円環状のグルーブ溝と、前記従動部材の内部軸方向に貫通形成されて、前記グルーブ溝と減速機構の内部とを連通する連通孔と、を備えている。 Lubricating oil is supplied into the speed reduction mechanism by lubricating oil supply means. This lubricating oil supply means is formed on the inner peripheral side of the oil supply hole formed in the inner axial direction of the camshaft and the fixed surface facing the end face of the camshaft of the driven member, An annular groove groove communicating with the one-end opening, and a communication hole penetratingly formed in the inner axial direction of the driven member and communicating the groove groove and the inside of the speed reduction mechanism are provided.
そして、オイルポンプから吐出された潤滑油は、前記油供給孔からグルーブ溝に圧送され、ここからさらに前記連通孔を介して減速機構内のベアリングなどに供給されるようになっている。 The lubricating oil discharged from the oil pump is pumped to the groove groove from the oil supply hole, and is further supplied from here to the bearing in the speed reduction mechanism through the communication hole.
しかしながら、前記従来のバルブタイミング制御装置にあっては、前記円環状のグルーブ溝が、従動部材の固定面の径方向内周側、つまり、前記カムボルトの外周面に十分に近接した径方向内周側の位置に形成されて、前記カムシャフトの一端面と従動部材の固定面は、互いの内周側では接触しない状態になっている。 However, in the conventional valve timing control device, the annular groove groove has a radially inner periphery sufficiently close to the radially inner peripheral side of the fixed surface of the driven member, that is, the outer peripheral surface of the cam bolt. The one end surface of the cam shaft and the fixed surface of the driven member are not in contact with each other on the inner peripheral side.
このため、前記カムボルトによって前記従動部材をカムシャフトに軸方向から固定する際に、前記カムボルトを締め付けてボルト軸力を加えて行くと、カムシャフト一端面のカムボルト周辺の内周部が前記グルーブ溝の内部方向へ僅かながら撓み変形する。この反作用としてカムシャフト一端面の外周部が外側に反り返えるように変形(開き方向への変形)してしまう。 For this reason, when the driven member is fixed to the camshaft from the axial direction by the cam bolt, when the cam bolt is tightened and a bolt axial force is applied, the inner peripheral portion around the cam bolt on one end surface of the camshaft becomes the groove groove. It slightly bends and deforms in the inner direction. As the reaction, the cam shaft is deformed (deformed in the opening direction) so that the outer peripheral portion of one end surface of the camshaft warps outward.
この結果、カムシャフトの一端面と従動部材の固定面の両外周部での圧接力が低下して、前記カムボルトによって締結されているカムシャフトの一端面と従動部材の締結力(スリップトルク)が低下してしまうと共に、場合によっては前記グルーブ溝から潤滑油がリークしてしまうおそれがある。 As a result, the pressure contact force at both outer peripheral portions of the one end surface of the camshaft and the fixed surface of the driven member decreases, and the fastening force (slip torque) between the one end surface of the camshaft and the driven member fastened by the cam bolt is reduced. In addition to the decrease, there is a possibility that the lubricating oil may leak from the groove.
本発明は、カムボルトによって締結されるカムシャフトと従動部材との締結力の低下を抑制し得る内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。 An object of the present invention is to provide a valve timing control device for an internal combustion engine that can suppress a decrease in fastening force between a camshaft fastened by a cam bolt and a driven member.
本願請求項1に記載の発明は、とりわけ、カムシャフトの一端面と従動回転体の固定面のいずれか一方側に設けられ、前記締結部材の径方向外側に配置された潤滑油溝と、前記カムシャフトの内部に形成されて前記潤滑油溝に連通した油供給孔と、前記従動回転体の内部に設けられ、前記潤滑油溝と前記減速機構の内部を連通させる連通孔と、を備え、
前記カムシャフトの一端面と従動回転体の固定面の少なくともいずれか一方の内周部側であって、かつ前記締結部材と潤滑油溝との間に、前記締結部材の締結力によって前記一端面か固定面のいずれか他方の内周部に軸方向から当接する当接部を設けたことを特徴としている。
The invention according to
The one end surface of the one end surface of the camshaft and the fixed surface of the driven rotating body is on the inner peripheral side and between the fastening member and the lubricating oil groove by the fastening force of the fastening member. A contact portion that contacts from the axial direction is provided on the other inner peripheral portion of the fixed surface.
この発明によれば、カムボルトによって締結されるカムシャフトと従動部材との締結力の低下を抑制することができる。 According to this invention, the fall of the fastening force of the camshaft fastened with a cam bolt and a driven member can be suppressed.
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態では、吸気弁側に適用したものである。 DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, an embodiment of a valve timing control device for an internal combustion engine according to the present invention will be described with reference to the drawings. In this embodiment, the present invention is applied to the intake valve side.
このバルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド01上に軸受02を介して回転自在に支持され、前記タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、タイミングスプロケット1の前方位置に配置されたチェーンカバー49に固定されたカバー部材3と、タイミングスプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて前記両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構4と、を備えている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the valve timing control device is rotatably supported on a
前記タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって環状一体に形成され、内周面が段差径状のスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受けるギア部1bと、前記スプロケット本体1aの前端側に一体に設けられた内歯構成部19と、から構成されている。
The
また、このタイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aと前記カムシャフト2の前端部に設けられた後述する従動部材9との間に、1つの大径ボールベアリング43が介装されており、この大径ボールベアリング43によって、タイミングスプロケット1と前記カムシャフト2が相対回転自在に支持されている。
The
前記大径ボールベアリング43は、外輪43aと、内輪43b及び該両輪43a、43bの間に介装されたボール43cと、から構成され、前記外輪43aがスプロケット本体1aの内周側に固定されているのに対して内輪43bが従動部材9の外周側に固定されている。
The large-diameter ball bearing 43 includes an
前記スプロケット本体1aは、内周側に、前記カムシャフト2側に開口した円環溝状の外輪固定部60が切欠形成されている。
In the sprocket body 1a, an annular groove-shaped outer
この外輪固定部60は、段差径状に形成されて、前記大径ボールベアリング43の外輪43aが軸方向から圧入されると共に、該外輪43aの軸方向一方側の位置決めをするようになっている。
The outer
前記内歯構成部19は、前記スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられ、位相変更機構4の前方へ延出した円筒状に形成されていると共に、内周には波形状の複数の内歯19aが形成されている。
The
また、前記内歯構成部19の前端側には、後述するモータハウジング5と一体の円環状の雌ねじ形成部6が対向配置されている。
Further, an annular female
さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部19と反対側の後端部には、円環状の保持プレート61が配置されている。この保持プレート61は、金属板材によって一体に形成され、図1に示すように、外径が前記スプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、内径が前記大径ボールベアリング43の外輪43aの内径よりも小径に形成されている。
Further, an
前記保持プレート61の内周部61aは、前記外輪43aの軸方向の外端面に当接配置されている。また、前記内周部61aの内周縁所定位置には、径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部61bが一体に設けられている。
An inner
このストッパ凸部61bは、図1及び図4に示すように、ほぼ扇状に形成されて、先端縁61cが後述するストッパ溝2bの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。さらに、前記保持プレート61の外周部には、前記各ボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔61dが周方向の等間隔位置に貫通形成されている。
As shown in FIGS. 1 and 4, the
前記スプロケット本体1a(内歯構成部19)及び保持プレート61の各外周部には、それぞれボルト挿通孔1c、61dが周方向のほぼ等間隔位置に6つ貫通形成されている。前記雌ねじ形成部6には、各ボルト挿通孔1c、61dと対応した位置に6つの雌ねじ孔6aが形成されており、これらに挿通した6本のボルト7によって前記タイミングスプロケット1と保持プレート61及びモータハウジング5が軸方向から共締め固定されている。
Six
なお、前記スプロケット本体1aと内歯構成部19は、後述する減速機構8のケーシングとして構成されている。
The sprocket body 1a and the
また、前記スプロケット本体1aと前記内歯構成部19、保持プレート61及び雌ねじ形成部6は、それぞれの外径がほぼ同一に設定されている。
The sprocket body 1a, the
前記チェーンカバー49は、図1に示すように、機関本体であるシリンダヘッド01と図外のシリンダブロックの前端側に前記タイミングスプロケット1に巻回された図外のチェーンを覆うよう上下方向に沿って配置固定されている。また、前記位相変更機構4に対応した位置に形成された開口部を構成する環状壁49aの円周方向の4箇所に、ボス部49bが一体に形成されていると共に、環状壁49aから各ボス部49bの内部に亘って雌ねじ孔49cがそれぞれ形成されている。
As shown in FIG. 1, the
前記カバー部材3は、図1、図2に示すように、アルミニウム合金材よってカップ状に一体に形成されて、前記モータハウジング5の前端部を覆うように配置され、膨出状のカバー本体3aと、該カバー本体3aの開口側の外周縁に一体に形成された円環状の取付フランジ3bと、を備えている。また、このカバー部材3の内面3fとモータハウジング5の前端部外面との間には、カップ状の空間部32が画成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
前記カバー本体3aは、外周部側に円筒壁3cが軸方向に沿って一体に突設されており、この円筒壁3cは、内部軸方向に保持用孔3dが貫通形成されている。
The cover body 3a has a
また、カバー本体3aの前記円筒壁3cの下部側には、円筒部34が前記円筒壁3cと平行かつ軸方向に沿って突設されている。この円筒部34は、上端部が前記円筒壁3cの下端部と一体に結合されて、内部軸方向に前記カバー本体3aの外側と前記空間部32との間を連通する連通孔35が貫通形成されていると共に、外端側内部に通気用栓体56が圧入固定されている。
In addition, a
前記連通孔35(円筒部34)は、前記カバー部材3をチェーンカバー49に組み付けた後に、前記従動部材9をカムシャフト2に固定するためのカムボルト10をモータ出力軸13の内部を介して挿通するための作業用孔として機能するものである。
The communication hole 35 (cylindrical portion 34) is inserted into the
前記通気用栓体56は、有底円環状の本体57と、該本体57の凹溝内に嵌着圧入された円盤状の支持部58と、前記凹溝の底面に配置収容されて、該底面と前記支持部58に挟持状態に保持された円形状のフィルタ59と、を備えている。
The vent plug 56 is disposed and accommodated on a bottomed annular
前記本体57は、合成樹脂材によって一体に形成され、底面の中央から内部軸方向に沿って貫通された第1通気孔57aが形成されている。この第1通気孔57dは、軸方向のカバー部材3側の内端部は大径に形成されているが、外端側の通気部57bは小径状に形成されて、外部からの水や塵芥などの内部への浸入を抑制するようになっている。
The
前記支持部58は、弾性変形可能な合成樹脂材によって一体に形成され、中央に前記第1通気孔57bと連通する第2通気孔58aが軸方向に沿って貫通形成されている。
The
前記フィルタ59は、自由に撓み変形可能な薄い布状の円盤形状に形成され、外径が前記本体底面57cの内径よりも小さく形成されて、全体が前記凹溝の底面上に密着するようになっている。また、このフィルタ59は、支持部58側の表面から本体底面側の裏面側に掛けて空気を透過可能になっていると共に、裏面から表面に掛けては液体や塵芥などを透過しない材質の基材が用いられている。
The filter 59 is formed in a thin cloth-like disk shape that can be freely bent and deformed, and has an outer diameter smaller than an inner diameter of the bottom surface 57c of the main body, so that the entire surface is in close contact with the bottom surface of the concave groove. It has become. Further, the filter 59 is made to be able to transmit air from the surface on the
前記取付フランジ3bは、円周方向のほぼ等間隔位置に4つのボス部3eが周方向のほぼ等間隔位置(約90°位置)に設けられている。この各ボス部3eには、図1に示すように、前記チェーンカバー49に形成された各雌ねじ孔49dに螺着するボルト70通するボルト挿通孔3gがそれぞれ貫通形成されて、前記各ボルト70によってカバー部材3がチェーンカバー49に固定されている。
The mounting
また、前記カバー本体3aの外周側の段差部内周面と前記モータハウジング5の外周面との間には、大径なオイルシール50が介装されている。この大径オイルシール50は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されていると共に、外周側の円環状基部が前記カバー部材3の内周面に設けられた段差円環部3hに嵌着固定されている。この大径オイルシール50は、前記空間部32を液密的に封止して、主として前記タイミングスプロケット1の回転駆動に伴って飛散した潤滑油の前記空間部32内への浸入を阻止するようになっている。
A large-
前記モータハウジング5は、図1に示すように、鉄系金属材をプレス成形によって有底筒状に形成されたハウジング本体5aと、該ハウジング本体5aの前端開口を封止する給電プレート11と、を備えている。
As shown in FIG. 1, the
前記ハウジング本体5aは、後端側に円板状の隔壁5bを有し、該隔壁5bのほぼ中央に後述する偏心軸部39が挿通される大径な軸挿通孔5cが形成されていると共に、該軸挿通孔5cの孔縁にカムシャフト2の軸方向へ突出した円筒状の延出部5dが一体に設けられている。また、前記隔壁5bの前端面外周側には、前記雌ねじ形成部6が一体に設けられている。
The housing
前記カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有していると共に、前端部に前記フランジ部2aが一体に設けられていると共に、該フランジ部2aを含めた内部軸方向に、後述するカムボルト10の軸部10b先端部に形成された雄ねじ部10cが螺着される雌ねじ孔2eが穿設されている。
The
前記フランジ部2aは、図1に示すように、外径が後述する従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく設定されて、各構成部品の組み付け後に、前端面の外周部が前記大径ボールベアリング43の内輪43bの軸方向外端面に当接配置されるようになっている。
As shown in FIG. 1, the
前記フランジ部2aの一端面である前端面2fが、従動部材9の後述する固定端部9aの後端面9cに軸方向から当接した状態でカムボルト10によって軸方向から結合されている。
A
また、前記前端面2fの前記雌ねじ孔2eの孔縁には、図6にも示すように、インローとなる円筒部2gが軸方向に突設されていると共に、前記雌ねじ孔2eの前端孔縁から円筒部2gとフランジ部2aの軸方向のほぼ中央位置までの間に、カムボルト10の挿通時における軸部10b先端縁との干渉を回避する円筒状の逃がし孔2hが形成されている。
Further, as shown in FIG. 6, a
さらに、前記フランジ部2aの外周には、図4に示すように、前記保持プレート61のストッパ凸部61bが係入するストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝2bは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されて、この長さ範囲で回動したストッパ凸部61bの両端縁が周方向の対向縁2c、2dにそれぞれ当接することによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側あるいは最大遅角側の相対回転位置を規制するようになっている。
Further, as shown in FIG. 4, a stopper
なお、前記ストッパ凸部61bは、前記保持プレート61の大径ボールベアリング43の外輪43aに軸方向外側から対向して固定する部位よりもカムシャフト2側に離間して配置されて、前記従動部材9の固定端部9aとは軸方向で非接触状態になっている。したがって、ストッパ凸部61bと固定端部9aとの干渉を十分抑制できる。
The stopper
前記カムボルト10は、図1に示すように、頭部10aの端面が小径ボールベアリング37の内輪を軸方向から支持していると共に、軸部10bの先端部外周に前記雄ねじ部10cが形成されている。
As shown in FIG. 1, the
前記従動部材9は、鉄系金属によって一体に形成され、図1に示すように、後端側(カムシャフト2側)に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、前記固定端部9aの外周部に一体に形成されて、複数の転動体であるローラ48を保持する保持部材である円筒状の保持器41と、から構成されている。
The driven
前記固定端部9aは、前述したように、固定面である後端面9cが前記フランジ部2aの前端面2fに当接配置されて、前記カムボルト10の軸力によってフランジ部2aに軸方向から圧接固定されている。
As described above, the
前記固定端部9aと円筒部9bは、図1に示すように、中央に前記カムボルト10の軸部10bが挿通されるボルト挿通孔9d(カムボルト挿通孔)が貫通形成されていると共に、外周側には軸受部材であるニードルベアリング38が設けられている。
As shown in FIG. 1, the
また、前記固定端部9aの後端面9cのボルト挿通孔9dの孔縁には、図6及び図7にも示すように、前記カムシャフト2の円筒部2gが軸方向から挿通嵌合する円筒状の嵌合溝9eが形成されている。この嵌合溝9eの底面と該底面に対向する前記円筒部2gの先端面との間には、前記カムボルト10が雌ねじ孔2eに螺着して所定軸力で締結された際の締め代となる円環状の隙間Sが形成されている。
Further, as shown in FIGS. 6 and 7, a
さらに、前記固定端部9aの後端面9cの径方向内周側、つまり、前記嵌合溝9eの外周側には、図6及び図7に示すように、前記フランジ部2aの円筒部2gよりも外周側の円環状の前端面2fに軸方向から当接する円環状の当接部36が一体に形成されている。
Further, on the radially inner peripheral side of the
この当接部36は、円環状の先端面36aが前記後端面9cと同一平面上に形成されて、前記カムボルト10のカムシャフト2の雌ねじ孔2eへの締結時に、この軸力によって前記先端面36aが該先端面36aに対向する前記フランジ部2aの前端面2fに軸方向から当接(圧接)するように形成されている。
The abutting
前記保持器41は、図1に示すように、前記固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲されて、前記円筒部9bと同方向へ突出した有底円筒状に形成されている。
As shown in FIG. 1, the
この保持器41の筒状先端部41aは、前記雌ねじ形成部6と前記延出部5dとの間に形成された円環凹状の収容空間44を介してモータハウジング5の隔壁5b方向へ延出している。また、前記筒状先端部41aの周方向のほぼ等間隔位置には、図1及び図2に示すように、前記複数のローラ48をそれぞれ転動自在に保持するほぼ長方形状に切り欠かれた複数のローラ保持孔41bが周方向の等間隔位置に形成されている。このローラ保持孔41b(ローラ48)は、その全体の数が前記内歯構成部19の内歯19aの全体の歯数よりも少なくなっている。これによって、減速比を得るようになっている。
The
前記位相変更機構4は、前記従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された前記電動モータ12と、該電動モータ12の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機構8と、から主として構成されている。
The phase changing mechanism 4 includes the
前記電動モータ12は、図1及び図2に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、前記タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークである前記モータハウジング5と、該モータハウジング5の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸13と、モータハウジング5の内周面に固定されたステータである半円弧状の一対の永久磁石14,15と、前記給電プレート11と、を備えている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
前記モータ出力軸13は、段差円筒状に形成されてアーマチュアとして機能し、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部13cを介してカムシャフト2側の大径部13aと、その反対側の小径部13bと、から構成されている。前記大径部13aは、外周に鉄心ロータ17が固定されていると共に、後端側に減速機構8の一部を構成する偏心軸部39が一体に形成されている。
The
一方、前記小径部13bは、外周に円環部材20が圧入固定されていると共に、該円環部材20の外周面に後述するコミュテータ21が軸方向から圧入固定されて前記段差部13cの外面によって軸方向の位置決めがなされている。前記円環部材20は、その外径が前記大径部13aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、軸方向の長さが小径部13bよりも僅かに短く設定されている。
On the other hand, the
前記小径部13bの内周面には、モータ出力軸13や偏心軸部39内に供給されて前記各ベアリング37,38を潤滑するための潤滑油の外部への漏洩を抑制する栓体55が圧入固定されている。
On the inner peripheral surface of the
前記鉄心ロータ17は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル18のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。
The
一方、前記コミュテータ21は、導電材によって円環状に形成されて、前記鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに前記コイル18の引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。
On the other hand, the
前記永久磁石14,15は、全体が円筒状に形成されて円周方向に複数の磁極を有していると共に、その軸方向の位置が前記鉄心ロータ17の軸方向の中心に対して前記給電プレート11側にオフセット配置されている。これによって、前記永久磁石14,15の前端部が、径方向で前記コミュテータ21や給電プレート11に設けられた後述する切換用ブラシ25a、25bなどとオーバーラップするように配置されている。
The
前記給電プレート11は、図1、図5に示すように、鉄系金属材からなる円盤状の剛性プレート部16(固定プレート)と、該剛性プレート部16の前後両側面にモールドされた円板状の樹脂部22と、から構成されている。なお、前記給電プレート11は、電動モータ12への給電機構の一部として構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 5, the
前記剛性プレート16は、前記樹脂部22に覆われていないで露出した外周部16aが前記モータハウジング5の前端部内周に形成された円環状の段差状の凹溝5eにかしめによって位置決め固定されていると共に、中央部にはモータ出力軸13の一端部などが挿通される軸挿通孔16bが貫通形成されている。また、剛性プレート16は、図5に示すように、前記軸挿通孔16bの内周縁に連続した所定の位置に異形状の2つの保持孔16c、16dが打ち抜きにより形成されており、この各保持孔16c、16dには、後述するブラシホルダ23a、23bが嵌入保持されるようになっている。
The
なお、前記外周部16aの周方向の所定位置には、前記ハウジング本体5aに対して円周方向の位置決めを、図外の治具を介して行う3つのU字溝16eが形成されている。
Note that three
また、前記給電プレート11には、図1、図5に示すように、前記剛性プレート16の各保持孔16c、16dの内側に配置されて、前記樹脂部22に複数のリベット40により固定された銅製の一対のブラシホルダ23a、23bと、該各ブラシホルダ23a、23bの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリング24a、24bのばね力で円弧状の各先端面が前記コミュテータ21の外周面に径方向から弾接する整流子である一対の切換用ブラシ25a、25bと、前記樹脂部22の前端部に、それぞれの前端面を露出した状態でモールド固定された内外二重の給電用スリップリング26a,26bと、前記各切換用ブラシ25a、25bと各スリップリング26a,26bを電気的に接続する導線である一対のピグテールハーネス27a、27bと、が設けられている。なお、前記これらの各構成部品と前記給電プレート11によって給電機構が構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 5, the
前記内周側の小径なスリップリング26aと、外周側の大径なスリップリング26bは、銅材からなる薄板をプレスによって円環状に打ち抜き形成されていると共に、図5に示すように、モータハウジング5の内部に臨む後端面の一部26c、26dが樹脂部22から露出している。
The
前記カバー部材3のカバー本体3aには、合成樹脂材によって一体的にモールドされた保持体28が固定されている。この保持体28は、図1、図2に示すように、側面視ほぼクランク形状に形成され、前記カバー部材3の保持用孔3dに挿入されるほぼ有底円筒状のブラシ保持部28aと、該ブラシ保持部28aと反対側に有するコネクタ部28bと、前記ブラシ保持部28aの一側面に一体に突設されて、前記カバー本体3aにボルト固定されるボス部28cと、内部に一部が埋設された一対の給電用端子片31、31と、から主として構成されている。
A holding
前記ブラシ保持部28aは、図1及び図2に示すように、ほぼ水平方向(軸方向)に延設されて、内部の上下位置(モータハウジング5の軸心に対して内外周側)に平行に形成された一対の角柱状の固定用孔内に一対の角筒状のブラシホルダ29a、29bがそれぞれ圧入固定されている。この各ブラシホルダ29a、29bの内部に給電用ブラシ30a、30bが軸方向へそれぞれ摺動自在に保持されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
また、このブラシ保持部28aは、図1に示すように、基部側外周に形成された円環状の嵌着溝内に前記保持用孔3dの内周面に弾接する前記環状シール部材33が嵌着保持されている。この環状シール部材33によって、前記空間部32とカバー部材3の外部との間を液密的に封止するようになっている。
Further, as shown in FIG. 1, the
前記各ブラシホルダ29a、29bは、前後端に開口部が形成されて、前端側の開口部から前記各給電用ブラシ30a、30bの先端部が進退自在になっていると共に、各後端側の開口部を介して図外のピグテールハーネスの一端部が前記各給電用ブラシ30a、30bの後端に半田付けによって接続されている。
Each of the
前記各給電用ブラシ30a、30bは、角柱状に形成されて所定の軸方向長さに設定されていると共に、平坦な各先端面が前記各スリップリング26a,26bに軸方向からそれぞれ当接するようになっている。
Each of the power supply brushes 30a and 30b is formed in a prismatic shape and set to a predetermined axial length, and each flat tip surface is in contact with each of the
また、前記ブラシ保持部28の各ブラシホルダ29a、29bの内部後端側には、前記各給電用ブラシ30a、30bを各スリップリング26a,26bの方向へ付勢する一対のコイルばね42a,42bが設けられている。
A pair of
前記一対の給電用端子片31,31は、図1に示すように、上下方向に沿って平行かつほぼクランク状に形成されて、一方側(下端側)の各端子31a、31aが露出状態に配置され、他方側(上端側)の各端子31b、31bが前記コネクタ部28bの雌型嵌合溝28d内に突設されている。
As shown in FIG. 1, the pair of power
前記一方側の各端子31a、31aは、それぞれが底壁28fの上面に当接配置されていると共に、図外の一対のピグテールハーネスの他端部が半田付けによって接続されている。
Each of the
前記各ピグテールハーネスは、その長さが前述したように、前記給電用ブラシ30a、30bが前記コイルばね42a、42bのばね力によって押し出されてもブラシホルダ29a、29bから脱落しないような長さに設定されている。
As described above, the length of each pigtail harness is such that the power supply brushes 30a and 30b are not dropped from the
前記コネクタ部28bは、上端部に図外の雄型端子が挿入される前述の嵌合溝28dに臨む前記他方側端子31b、31bが雄型端子を介して図外のコントロールユニットに電気的に接続されている。
The
前記モータ出力軸13と偏心軸部39は、前記カムボルト10の軸部10b外周面に設けられた小径ボールベアリング37と、前記従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング37の軸方向側部に配置された前記ニードルベアリング38とによって回転自在に支持されている。
The
前記ニードルベアリング38は、偏心軸部39の内周面に圧入された円筒状のリテーナ38aと、該リテーナ38aの内部に回転自在に保持された複数の転動体であるニードルローラ38bと、から構成されている。このニードルローラ38bは、前記従動部材9の円筒部9bの外周面を転動している。
The
前記小径ボールベアリング37は、内輪が前記従動部材9の円筒部9bの前端縁とカムボルト10の頭部10aとの間に挟持状態に固定されている一方、外輪が前記偏心軸部39の段差拡径状の内周面に圧入固定されていると共に、前記内周面に形成された段差縁に当接して軸方向の位置決めがなされている。
The small-diameter ball bearing 37 has an inner ring fixed between the front end edge of the
また、前記モータ出力軸13(偏心軸部39)の外周面と前記モータハウジング5の延出部5dの内周面との間には、減速機構8の内部から電動モータ12内への潤滑油のリークを阻止する小径なオイルシール46が設けられている。このオイルシール46は、電動モータ12と減速機構8とをシール機能をもって隔成するものである。
Further, between the outer peripheral surface of the motor output shaft 13 (eccentric shaft portion 39) and the inner peripheral surface of the extending portion 5d of the
前記コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類から情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出し、これに基づいて機関制御を行うと共に、前記給電用ブラシ30a、30bや各スリップリング26a,26b、切換用ブラシ25a、25b、コミュテータ21などを介してコイル18に通電してモータ出力軸13の回転制御を行い、減速機構8によってカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
The control unit detects the current engine operating state based on information signals from various sensors such as a crank angle sensor, an air flow meter, a water temperature sensor, and an accelerator opening sensor (not shown), and performs engine control based on this information signal. At the same time, the
前記減速機構8は、図1〜図3に示すように、偏心回転運動を行う前記偏心軸部39と、該偏心軸部39の外周に設けられた中径ボールベアリング47と、該中径ボールベアリング47の外周に設けられた前記ローラ48と、該ローラ48を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する前記保持器41と、該保持器41と一体の前記従動部材9と、から主として構成されている。なお、前記偏心軸部39と中径ボールベアリング47によって偏心回転体が構成されている。
As shown in FIGS. 1 to 3, the speed reduction mechanism 8 includes the
前記偏心軸部39は、外周面に形成されたカム面39aの回転中心Yがモータ出力軸13の回転軸心Xから径方向へ僅かに偏心している。
In the
前記中径ボールベアリング47は、前記ニードルベアリング38の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置され、内輪47aと外輪47b及び該両輪47a、47bとの間に介装されたボール47cとから構成されている。前記内輪47aは、前記偏心軸部39の外周面に圧入固定されているのに対して、前記外輪47bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪47bは、軸方向の電動モータ12側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器41の内側面との間に微小な第1隙間Cが形成されてフリーな状態になっている。また、この外輪47bの外周面には、前記各ローラ48の外周面が転動自在に当接していると共に、この外輪47bの外周側には、円環状の第2隙間C1が形成されて、この第2隙間C1によって中径ボールベアリング47全体が前記偏心軸部39の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。
The medium-
前記各ローラ48は、鉄系金属によって中実円柱状に形成され、外径の大きさが全て均一に形成されている。また、この各ローラ48は、前記中径ボールベアリング47の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ前記内歯構成部19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41のローラ保持孔41bの両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向に揺動運動させるようになっている。
Each of the
前記減速機構8の内部には、潤滑油供給手段によって潤滑油が供給されるようになっている。この潤滑油供給手段は、前記シリンダヘッド01の軸受02の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路51と、前記カムシャフト2の内部軸方向に形成されて、前記油供給通路51にグルーブ溝52aを介して連通した油供給孔52と、前記従動部材9の後端面9cに形成されて、前記油供給孔52の先端開口52aが臨む潤滑油溝である第2グルーブ溝53と、前記従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて、一端部54aが前記第2グルーブ溝53に開口し、他端部54bが前記ニードルベアリング38や中径ボールベアリング47の付近に開口した連通孔54と、同じく従動部材9に貫通形成された図外のオイル排出孔と、から構成されている。
Lubricating oil is supplied into the speed reduction mechanism 8 by lubricating oil supply means. This lubricating oil supply means is formed inside the bearing 02 of the
前記第2グルーブ溝53は、図6及び図7に示すように、カムシャフト2の軸心を中心とした同心円状に円環状に形成されて、前記当接部36よりも外周側に配置されている共に、この先端面36aの外周側に沿って形成されている。また、この第2グルーブ溝53は、横断面ほぼ台形状(拡径状)に形成されて、幅の大きな開口端53aが前記油供給孔52の他端部52bに臨んでいる一方、幅の小さな開口が前記連通孔54の一端部54aに臨んでいる。
As shown in FIGS. 6 and 7, the
前記連通孔54は、前記一端部54a側が前記第2グルーブ溝53との大きな開口面積を確保するために大径状に形成されているが、減速機構8の内部に開口した他端部54b側は小径状に形成されている。
The
したがって、オイルポンプから圧送された潤滑油が前記潤滑油供給手段を介して前記収容空間44内に強制的に供給されて滞留し、ここから中径ボールベアリング47や各ローラ48を潤滑すると共に、さらには偏心軸部39とモータ出力軸13の内部に流入してニードルベアリング38や小径ボールベアリング37などの可動部の潤滑に供されるようになっている。なお、前記収容空間44内に滞留した潤滑油は、前記小径オイルシール46によってモータハウジング5内へのリークが抑制されている。
〔本実施形態の作動〕
以下、本実施形態の作動について説明すると、まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転して、その回転力が内歯構成部19と雌ねじ形成部6を介してモータハウジング5に伝達されて、該モータハウジング5が同期回転する。一方、前記内歯構成部19の回転力が、各ローラ48から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
Accordingly, the lubricating oil pumped from the oil pump is forcibly supplied and retained in the
[Operation of this embodiment]
Hereinafter, the operation of the present embodiment will be described. First, the
そして、機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニットから各端子片31,31、各ピグテールハーネス及び給電用ブラシ30a、30bや各スリップリング26a,26bなどを介して電動モータ12のコイル18に通電される。これによって、モータ出力軸13が回転駆動され、この回転力が減速機構8を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。
When a predetermined engine is operated after the engine is started, the
すなわち、前記モータ出力軸13の回転に伴い偏心軸部39が偏心回転すると、各ローラ48がモータ出力軸13の1回転毎に保持器41の各ローラ保持孔41bで径方向へガイドされながら前記内歯構成部19の一つの内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。この各ローラ48の転接によって前記モータ出力軸13の回転が減速されつつ前記従動部材9に回転力が伝達される。このときの減速比は、前記内歯19aの数とローラ48の数の差によって任意に設定することが可能である。
That is, when the
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。
As a result, the
前記タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の正逆相対回転の最大位置規制(角度位置規制)は、前記ストッパ凸部61bの各側面が前記ストッパ凹溝2bの各対向面2c、2dのいずれか一方に当接することによって行われる。
The maximum position restriction (angular position restriction) of forward and reverse relative rotation of the
したがって、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。 Therefore, the opening / closing timing of the intake valve is converted to the maximum on the advance side or the retard side, and the fuel efficiency and output of the engine can be improved.
そして、本実施形態では、前記カムシャフト2に従動部材9をカムボルト10によって組み付ける際には、まず、カムシャフト2の円筒部2gを従動部材9の嵌合溝9eを嵌挿させると共に、カムシャフト2の前端面2fに固定端部9aの後端面9cを当接させた状態で、頭部10aを図外の六角ボルトなどの締め付け治具によってカムボルト10を雌ねじ孔2eに締め付けて行く。
In this embodiment, when the driven
このとき、該カムボルト10の軸力が、径方向内周側の前記当接部36の先端面36aとこれに対向するフランジ部2aの前端面2fに直接的に作用する。これにより、前記カムボルト10軸力の多くを、前記各先端面36aとフランジ部前端面2fが受けることになる。
At this time, the axial force of the
このため、カムボルト10の大きな軸力によって、従来技術のように、フランジ部2aの内周部が固定端部9aの方向へ撓み変形を十分に抑制することが可能になり、前記固定端部9aの後端面9cに対して前記フランジ部2aの前端面2fの全体がほぼ均一圧で圧接することになる。これにより、前端面2fの接触有効径が大きくなる。
For this reason, the large axial force of the
よって、前記カムボルト10によって締結される前記固定端部9aの後端面9cと前記フランジ部2aの前端面2fの締結力(スリップトルク)の低下を抑制することができることから、前記フランジ部2aと固定端部9aとの圧接力を十分に高めることが可能になる。
Therefore, a decrease in fastening force (slip torque) between the
しかも、フランジ部2aの外周部の外側への反り返りもなくなるので、前記第2グルーブ溝53からの潤滑油のリークも抑制できる。
And since the curvature to the outer side of the outer peripheral part of the
また、本実施形態では、前記大径オイルシール50や環状シール部材33によって前記空間部32内が密閉状態となるが、前記カバー部材3の円筒部34に通気用栓体56を設けたことから、前記装置の作動中に、前記各スリップリング26a、26bに各給電用ブラシ30a、30bが摺動してこの摩擦熱などにより前記空間部32内の温度が上昇しても、この空間部32内の空気を、前記フィルタ59を通して速やかに排出することができる。これにより、前記空間部32の内圧の上昇を効果的に抑制することが可能になる。
In the present embodiment, the inside of the space portion 32 is hermetically sealed by the large-
この結果、例えば、前記大径オイルシール50や環状シール部材33などの部品の変形や脱落を十分に抑制することができる。
〔第2実施形態〕
図8は第2実施形態を示し、基本構成は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、前記第2グルーブ溝54を円環状ではなくカムシャフト2の軸心を中心とした円弧状に形成したものである。
As a result, for example, deformation and dropping of components such as the large-
[Second Embodiment]
FIG. 8 shows the second embodiment, and the basic configuration is the same as that of the first embodiment, except that the
すなわち、前記第2グルーブ溝54は、その円弧角度が前述したタイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最進角位置と最遅角位置との相対回転角度とほぼ同一に形成されている。
That is, the
したがって、第1実施形態と同様な作用効果が得られると共に、前記第2グルーブ溝54の形成範囲は小さくなることから、前記当接部36の先端面36aの表面積と相俟って前記固定端部9aの後端面9cとフランジ部2aの前端面2fの径方向内周部での当接面積が大きくなる。
Accordingly, the same effect as that of the first embodiment can be obtained, and the formation range of the
この結果、前記カムボルト10の軸力を、大きな表面積で受けることになるから、フランジ部2aの撓み変形をさらに抑制することが可能になる。
As a result, since the axial force of the
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、このバルブタイミング制御装置を吸気側の他に、排気側に設けることも可能である。 The present invention is not limited to the configuration of each of the above embodiments. For example, the valve timing control device can be provided on the exhaust side in addition to the intake side.
また、前記当接部36を、前記固定端部9aの後端面9cに代えて、カムシャフト2のフランジ部2aの前端面2f側に形成することも可能である。
Further, the
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)
1a…スプロケット本体
2…カムシャフト
2a…フランジ部
2f…前端面(一端面)
4…位相変更機構
5…モータハウジング
8…減速機構
9…従動部材(従動回転体)
9a…固定端部
9c…後端面(固定面)
10…カムボルト(締結部材)
12…電動モータ
36…当接部
36a…先端面(当接面)
44…収容空間
51…油供給通路
52…油通路孔
53…第2グルーブ溝(潤滑油溝)
54…連通孔
1. Timing sprocket (drive rotor)
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1a ... Sprocket
4 ...
9a:
10: Cam bolt (fastening member)
12 ...
44 ...
54. Communication hole
Claims (8)
カムシャフトの軸方向一端面に対して軸方向から面接触する固定面を有する従動回転体と、
前記一端面と固定面の面接触を介して前記カムシャフトと従動回転体を軸方向から結合させる締結部材と、
前記駆動回転体に設けられた電動モータと、
該電動モータの出力軸の回転速度を減速して前記従動回転体に伝達する減速機構と、
前記カムシャフトの一端面と前記従動回転体の固定面のいずれか一方側に設けられ、前記締結部材の径方向外側に配置された潤滑油溝と、
前記カムシャフトの内部に形成されて前記潤滑油溝に連通した油供給孔と、
前記従動回転体の内部に設けられ、前記潤滑油溝と前記減速機構の内部を連通させる連通孔と、
を備え、
前記カムシャフトの一端面と従動回転体の固定面の少なくともいずれか一方側であって、前記締結部材と潤滑油溝との間に、前記締結部材の締結力によって前記一端面か固定面のいずれか他方に軸方向から当接する当接部を設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 A driving rotating body to which rotational force is transmitted from the crankshaft;
A driven rotor having a fixed surface in surface contact from the axial direction to one axial end surface of the camshaft;
A fastening member for coupling the camshaft and the driven rotor from the axial direction through surface contact between the one end surface and the fixed surface;
An electric motor provided in the drive rotor;
A speed reduction mechanism for reducing the rotational speed of the output shaft of the electric motor and transmitting it to the driven rotor;
A lubricating oil groove provided on one side of the one end surface of the camshaft and the fixed surface of the driven rotor, and disposed on the radially outer side of the fastening member;
An oil supply hole formed in the camshaft and communicating with the lubricating oil groove;
A communication hole provided in the driven rotor, and communicating the lubricating oil groove and the inside of the speed reduction mechanism;
With
At least one of the one end surface of the camshaft and the fixed surface of the driven rotor, and between the one end surface and the fixed surface by the fastening force of the fastening member between the fastening member and the lubricating oil groove A valve timing control device for an internal combustion engine, characterized in that a contact portion that contacts in the axial direction is provided on the other side.
前記潤滑油溝を、前記従動回転体の固定面に形成すると共に、前記カムシャフトの油供給孔の一端部を、前記カムシャフトの一端面に開口形成して前記潤滑油溝に連通させたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control apparatus for an internal combustion engine according to claim 1,
The lubricating oil groove is formed on the fixed surface of the driven rotor, and one end portion of the oil supply hole of the camshaft is formed at one end surface of the camshaft to communicate with the lubricating oil groove. An internal combustion engine valve timing control device.
前記潤滑油溝を、前記カムシャフトの軸心を中心とした同心円状に形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 2,
2. A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the lubricating oil groove is formed concentrically around an axis of the camshaft.
前記潤滑油溝を、前記カムシャフトの軸心を中心とした円弧状に形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control apparatus for an internal combustion engine according to claim 3,
The valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the lubricating oil groove is formed in an arc shape centering on an axis of the camshaft.
前記カムシャフトの一端面の径方向内側に、軸方向に突出した円筒部を設けると共に、
前記従動回転体の固定面の径方向内側に、前記円筒部が軸方向から嵌挿される円筒穴を設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control apparatus for an internal combustion engine according to claim 3,
A cylindrical portion protruding in the axial direction is provided on the radially inner side of one end surface of the camshaft, and
A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein a cylindrical hole into which the cylindrical portion is inserted from the axial direction is provided on a radially inner side of a fixed surface of the driven rotor.
前記潤滑油溝を、前記カムシャフトの一端面に設けたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control apparatus for an internal combustion engine according to claim 1,
The valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the lubricating oil groove is provided on one end surface of the camshaft.
前記潤滑油溝を、前記カムシャフトの軸心を中心とした同心円状に形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 The valve timing control apparatus for an internal combustion engine according to claim 6,
2. A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the lubricating oil groove is formed concentrically around an axis of the camshaft.
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170627 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180109 |