JP2015178572A - 成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、成形加工性に優れ、高価な材料や添加剤を使用せず、表面が平滑であり、耐摩耗性に優れ、軽量で、環境に対する汚染の少ない高光沢成形品を提供することである。【解決手段】本発明は、下記要件(i)〜(iv)を満たすプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形してなる成形体に係る。(i)MFRが0.01〜200g/10分の範囲にある、(ii)密度勾配管法で測定した密度が860〜920kg/m3の範囲にある、(iii)溶融張力が170℃〜230℃のいずれかの温度において10〜80mNの範囲にある、(iv)プロピレンから導かれる構成単位を60質量%以上含有し、実質的にシンジオタクティック構造を有する。【選択図】なし
Description
本発明は、特定のポリオレフィンを含むことにより、得られる成形体の表面光沢度が高く、且つ耐摩耗性・耐傷つき性、耐薬品性、繰り返しの折り曲げに対しても損傷が小さい成形体に関する。
ポリオレフィンは、その優れた成形加工性より射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形、プレス成形など様々な成形方法を用いることができるため、その成形品は様々な用途に使用されている。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンは低コストで大量の成形品を短時間で生産できる利点がある。
しかしながら、ポリエチレンやポリプロピレンを単一で成形して得られる成形品は、用途によっては、透明性や表面光沢が不十分な場合があることから、更に付加価値を上げた成形品が求められている。
かかる要望に応えるために、例えば、ポリオレフィンの優れた特性を失わずに優れた塗装密着性を得ることができ、かつ薄い塗膜で優れた表面光沢を得る方法として、官能基が分子内結合した官能化ポリオレフィンとポリオレフィン系樹脂を射出成形することが提案されている(特許文献1:特開平06−155503号公報)。また、多層プラスチック容器の最外層の透明ポリエステル系樹脂層に無機粒子を含有させて特定の性能を有する最外層としてポリオレフィン樹脂層等との多層することで光沢度を改善することが提案されている(特許文献2:再表2010/061910号公報)。
しかしながら、これら従来の技術は、高価な材料や添加剤を必要としたり、複雑な仕様の金型や追加の処理工程を必要とするなど、成形品のコストアップの原因となるため、更なる改善が求められている。
本発明の課題は、上記問題点を解決するものであり、成形加工性に優れ、高価な材料や添加剤を使用せず、表面が平滑であり、耐摩耗性に優れ、軽量で、環境に対する汚染の少ない高光沢成形品を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するため、鋭意検討の結果、特定の物性を有するプロピレン系重合体を含む樹脂組成物を用いると、高光沢成形品として上記課題を改善させることを見出した。すなわち、本発明の概要は以下の通りである。
〔1〕下記要件(i)〜(iv)を満たすプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形してなる成形体。
(i)MFRが0.01〜200g/10分の範囲にある、
(ii)密度勾配管法で測定した密度が860〜920kg/m3の範囲にある、
(iii)溶融張力が170℃〜230℃のいずれかの温度において10〜80mNの範囲にある、
(iv)プロピレンから導かれる構成単位を60質量%以上含有し、実質的にシンジオタクティック構造を有する。
〔2〕前記樹脂組成物(A)が、前記プロピレン系重合体(I)を5〜50重量%、オレフィン系重合体(II)(ただし、プロピレン系重合体(I)を除く。)を50〜95質量%含む樹脂組成物である、〔1〕に記載の成形体。
〔3〕前記オレフィン系重合体(II)が、アイソタクティックプロピレン系重合体である、〔2〕に記載の成形体。
〔4〕成形体が、射出成形、ブロー成形、押出成形のいずれかにより成形されることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の成形体。
〔5〕成形体が、前記樹脂組成物(A)を最外層に有する成形体である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の成形体。
〔1〕下記要件(i)〜(iv)を満たすプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形してなる成形体。
(i)MFRが0.01〜200g/10分の範囲にある、
(ii)密度勾配管法で測定した密度が860〜920kg/m3の範囲にある、
(iii)溶融張力が170℃〜230℃のいずれかの温度において10〜80mNの範囲にある、
(iv)プロピレンから導かれる構成単位を60質量%以上含有し、実質的にシンジオタクティック構造を有する。
〔2〕前記樹脂組成物(A)が、前記プロピレン系重合体(I)を5〜50重量%、オレフィン系重合体(II)(ただし、プロピレン系重合体(I)を除く。)を50〜95質量%含む樹脂組成物である、〔1〕に記載の成形体。
〔3〕前記オレフィン系重合体(II)が、アイソタクティックプロピレン系重合体である、〔2〕に記載の成形体。
〔4〕成形体が、射出成形、ブロー成形、押出成形のいずれかにより成形されることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の成形体。
〔5〕成形体が、前記樹脂組成物(A)を最外層に有する成形体である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の成形体。
本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体は、従来光沢をもたせるために使用していた添加剤等を配合せずとも高光沢性を有し、外観や塗装密着性に優れている。また、ポリオレフィン系樹脂のもつリサイクル性や、軽量性、環境に対する低汚染性を保持しながら、従来のポリオレフィン系樹脂では難しかった耐傷付性に優れる成形体を提供することができる。
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
〈プロピレン系重合体(I)〉
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)を形成する成分の一つであるプロピレン系重合体(I)は、下記要件(i)〜(iv)を満たす重合体である。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)を形成する成分の一つであるプロピレン系重合体(I)は、下記要件(i)〜(iv)を満たす重合体である。
(i)MFR(JIS K6721、230℃、2.16kg荷重)が、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜150g/10分、さらに好ましくは0.05〜100g/10分の範囲である。MFRが上記範囲にあることにより、成形加工時における溶融性、金型離型性及び離ロール性に優れ、成形性に優れた樹脂組成物(A)が得られる。
(ii)密度勾配管法で測定した密度が、860〜950kg/m3、好ましくは860〜920kg/m3、さらに好ましくは860〜890kg/m3の範囲である。上記範囲にあることにより良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、またプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)は成形加工時の金型離型性および離ロール性に優れる。
(iii)キャピラリーレオメーターで測定した溶融張力が、170〜230℃の温度範囲において、10〜80mNの範囲である。溶融張力が、上記範囲にあることにより、成形時において良好な流動性を示し、他の成分と配合し易く、また機械的強度に優れた成形体が得られる。
特にこれらの物性をすべて満たすプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)は、一般に溶融張力が小さいと成形しづらいブロー成形やカレンダー成形等も可能となり、経済性の点で特に好ましい。
(iv)プロピレンから導かれる構成単位を60質量%以上、好ましくは60〜95質量%の範囲、より好ましくは60〜90質量%の範囲で有し、実質的にシンジオタクティック構造を有する。
本発明に係るプロピレン系重合体(I)が、実質的にシンジオタクティック構造を有することによる上記効果の理由については、同一分子量において絡み合い点間分子量(Me)が小さく、分子の絡み合いが多くなるため、溶融張力が大きくなり液だれを起こさず、プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を用いて成形体を製造する際に、成形時に金型やロールへの適度な密着性が生じる。また、一般的なアイソタクティックポリプロピレン系重合体と比較し結晶化速度が遅いため、金型やロールでの冷却がゆっくりとなり、密着性が向上する。そして、その結果として、成形品の表面は高光沢性、耐摩耗性、耐傷付性や柔軟性などが発現すると推察される。
本発明に係るプロピレン系重合体(I)が、実質的にシンジオタクティック構造を有するとは、13C−NMRスペクトルにおける19.5〜20.3ppmに相当するピーク面積が、相対的に0.5以上であることをいう。シンジオタクティシティーが上記範囲にあると、成形できる程度に結晶化速度が遅く、加工性に優れる。
本発明に係るプロピレン系重合体(I)は、プロピレンから導かれる構成単位が、実質的にシンジオタクティック構造を含有することにより、汎用ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン、ブロックポリプロピレン、アイソタクティックポリプロピレンよりも耐摩耗性、耐傷付性の点において特に優れる。
本発明に係るプロピレン系重合体(I)において、プロピレンと共重合される単量体はα−オレフィンであり、通常、炭素原子数が2〜20、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどであり、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
本発明に係るプロピレン系重合体(I)は、種々公知の製造方法で製造し得る。
また、本発明に係るプロピレン系重合体(I)は、例えばノティオTM−SN−0285(三井化学(株)製)として、市場で入手できる。
〈オレフィン系重合体(II)〉
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)を形成する他の成分の一つであるオレフィン系重合体(II)は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンを重合して得られるα‐オレフィンの単独重合体、あるいは二種以上のα‐オレフィンの共重合体であり、通常、結晶性の重合体であれば制限なく使用できる。具体的には例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン単独重合体を含むブロック共重合体等のアイソタクティック構造を有するプロピレン系重合体;1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体等のブテン系重合体;4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ブテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン・1−ブテン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系重合体;エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系重合体;等を挙げることができる。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)を形成する他の成分の一つであるオレフィン系重合体(II)は、エチレンおよび炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンを重合して得られるα‐オレフィンの単独重合体、あるいは二種以上のα‐オレフィンの共重合体であり、通常、結晶性の重合体であれば制限なく使用できる。具体的には例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン単独重合体を含むブロック共重合体等のアイソタクティック構造を有するプロピレン系重合体;1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体等のブテン系重合体;4−メチル−1−ペンテン単独重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・1−ブテン共重合体、4−メチル−1−ペンテン・プロピレン・1−ブテン共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系重合体;エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン系重合体;等を挙げることができる。
これらオレフィン重合体(II)の中でも、耐熱性の観点からアイソタクティックプロピレン単独重合体、アイソタクティックプロピレン単独重合体を含むブロック共重合体及びアイソタクティックプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体などのアイソタクティックプロピレン系重合体が好ましく利用され得る。これら重合体は1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明に係るアイソタクティックプロピレン系重合体は、13C-NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上のプロピレン重合体である。アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)は、13C-NMR法を使用して測定される分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクティック連鎖の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルで観測されるメチル炭素領域の全吸収ピーク中に占めるmmmmピークの分率として算出される値である。アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)は、特開2003-147135号公報に記載されている方法で測定、計算される。
本発明に係るアイソタクティックプロピレン系重合体としては、プロピレンから導かれる構成単位とプロピレン以外の単量体から導かれる構成単位との合計を100モル%とした場合に、プロピレンから導かれる構成単位は90モル%を超える量でかつ100モル%以下、好ましくは91モル%以上100モル%以下の量含み、プロピレン以外の単量体から導かれる構成単位を0モル%以上10モル%未満、好ましくは0モル%以上9モル%以下の量含む例を挙げることができる。プロピレン以外の単量体は、全量が炭素数2〜20のα−オレフィン(但しプロピレンを除く)であることが好ましい。
具体的にはプロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここでアイソタクティックポリプロピレン中の、プロピレンから導かれる構成単位とプロピレン以外の単量体から導かれる構成単位との合計を100モル%とした場合に、プロピレンから導かれる構成単位は90モル%を超える量でかつ100モル%以下、好ましくは91モル%以上100モル%以下の量存在している。
ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。これらのα−オレフィンから導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に10モル%未満、好ましくは9モル%以下の割合で含んでいてもよい。
本発明に係るオレフィン系重合体(II)は種々公知の製造方法で製造し得る。
また、本発明に係るオレフィン系重合体(II)は、例えば、プライムポリプロ((株)プライムポリマー製)、ノバテック(日本ポリプロ(株)製)、ウィンテック(日本ポリプロ(株)製)、ミラソン((株)プライムポリマー製)、サンテック(旭化成ケミカルズ(株)製)、住友ノーブレン(住友化学(株)製)、エボリュー((株)プライムポリマー製)、ハイゼックス((株)プライムポリマー製)、などの商品名で製造・販売されており、市場で入手できる。
〈樹脂組成物(A)〉
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)は、前記プロピレン系重合体(I)を必須の構成成分として含む樹脂組成物(A)である。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物(A)は、前記プロピレン系重合体(I)を必須の構成成分として含む樹脂組成物(A)である。
本発明の樹脂組成物(A)は、好ましくは前記プロピレン系重合体(I)を5〜50質量%、前記オレフィン系重合体(II)(ただし、プロピレン系重合体(I)を除く。)を50〜95質量%〔(I)と(II)の合計で100質量%とする。〕を必須の構成成分として含む。
プロピレン系重合体(I)の含有量が上記範囲の樹脂組成物(A)を成形してなる成形体は、成形体表面が平滑になり、高光沢になる。
また、前記プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を最外層に配して射出成形、ブロー成形、押出成形、カレンダー成形等により成形体を製造すると、得られる成形品の凹凸が小さくなるため、光沢度の指標であるグロスが高くなる。その理由としては、樹脂組成物(A)が、結晶化速度が遅いプロピレン系重合体(I)を含むことで金型への密着性が増し、ゆっくりと結晶化する成形されるためと推察される。
本発明に係る樹脂組成物(A)は、好ましくはプロピレン系重合体(I)が10〜45質量%、オレフィン系重合体(II)が55〜90質量%、より好ましくはプロピレン系重合体(I)が10〜35質量%、オレフィン系重合体(II)が65〜90質量%、特に好ましくはプロピレン系重合体(I)が10〜30質量%、オレフィン系重合体(II)が70〜90質量%〔(I)と(II)の合計で100質量%とする。〕である。
本発明に係る樹脂組成物(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、例えば、オレフィン系エラストマーを添加しても良い。このような樹脂の市販品としては、例えば、ミラストマー(三井化学(株)製)、タフマー(三井化学(株)製)、ビスタマックスTM(ExxonMobil Chemical Company製)、バーシファイTM(The Dow Chemical Company製)、サントプレンTM(ExxonMobil Chemical Company製)、ウェルネックス(日本ポリプロ(株)製)、インフューズTM(The Dow Chemical Company製)、出光エルモーデュ(出光興産(株)製)、タフセレン(住友化学(株))などの商品名で製造・販売されている種々のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
また、本発明に係る樹脂組成物(A)は、水添スチレン系ブロック共重合体、水添スチレン系ランダム共重合体などのゴム成分を添加してもよい。このような水添スチレン系ブロック共重合体の市販品としては、例えば、クレイトンG(シェル化学(株)製)、ハイブラー((株)クラレ製)、タフテック(旭化成工業(株)製)、セプトンR((株)クラレ製)などが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物(A)には、必要に応じて、更に無機充填剤、造核剤、酸化防止剤、難燃材剤、帯電防止剤、顔料、染料、発錆防止剤などの添加物を添加することができる。
例えば、滑剤の例としては、ステアリル酸ホスフェイト系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アミド、シリコーンオイル、シリカ等が挙げられる。また、結晶核剤の例としては、リン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、ベンジリデンソルビトール、キナクリドン、シアニンブルー、タルクなどが挙げられる。これらの市販品としては、アデカスタブNAシリーズ((株)ADEKA製)、ゲルオールシリーズ(新日本理化(株)製)、リカファストシリーズ(新日本理化(株)製)、イルガクリア(BASF社製)、ミラッドシリーズ(ミリケンジャパン社製)、ハイパフォームシリーズ(ミリケンジャパン社製)等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物(A)は、プロピレン系重合体(I)を必須成分として、オレフィン系重合体(II)、更に上記の樹脂および/またはゴム成分を含むことができるが、成形体全体に含まれるプロピレン系重合体(I)とオレフィン系重合体(II)の総量は、80質量%以上が好ましい。成形体におけるプロピレン系重合体(I)とオレフィン系重合体(II)の総量が上記範囲にあると、樹脂組成物(A)から得られる成形体は、偏肉がなく、成形加工性に優れた成形体を得ることができる。
〈成形体〉
本発明の成形体は、上記プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形したものである。本発明の成形体は、上記プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)からなるので、成形体表面が平滑で、高光沢である。
本発明の成形体は、上記プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形したものである。本発明の成形体は、上記プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)からなるので、成形体表面が平滑で、高光沢である。
本発明の成形体の製造方法としては、種々公知の製造方法(成形方法)を採用し得る。具体的には、例えば、(共)押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、スタンピング成形、真空成形、カレンダー成形、フィラメント成形、発泡成形などの公知の熱成形方法を採り得、中でも、各種ブロー成形、インフレーション成形、射出成形、押出成形が特に好ましい。
一般的な公知のブロー成形方法の例示としては、溶融した樹脂組成物(A)からパリソンを成形し、そのパリソンを金型で挟んだ後、パリソン内部に加圧気体をブローして容器を成形するダイレクトブロー成形法や、一旦、射出成形でプリフォームを成形し、そのプリフォームをブロー成形する射出ブロー成形法等がある。
さらに、射出ブロー成形法には射出成形機とブロー成形機が一体化した1ステージであるホットパリソン法、射出成形したプリフォームを完全に冷却した後、さらに再加熱してブロー成形を行なうコールドパリソン法がある。
具体的には樹脂組成物(A)を溶融して、金型内にこの樹脂組成物(A)を射出成形することによりプリフォームを成形する。続いて、このプリフォームを溶融状態あるいは軟化状態で、または冷却固化した状態で赤外線ヒーター等を用いて所定の温度まで再加熱して、加熱後に特定の金型内で気体を圧入して2軸延伸して所望の形態に成形する。
本発明に係る樹脂組成物(A)の溶融、射出温度、延伸倍率等は、公知の成形条件を用いることができる。
また、本発明の成形体は、本発明に係る樹脂組成物(A)および変性体を適宜組み合せても製造できる。更に、成形体の構成は単層でもよいし、複数層でもよいが、本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であることが好ましい。本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であると、得られる成形品の高光沢化に特に効果がある。
ブロー成形方法により得られる成形体は以下の用途で好適に用いられるが、下記に限定されるわけではない。
中空容器;食品容器、調味料容器、レトルト容器、冷凍保存容器、電子レンジ耐熱容器、医療用容器、トナー容器、粉末容器、ガソリンタンク用容器、灯油用容器、フラスコなど実験器具、
ボトル;化粧品ボトル、整髪剤、飲料水用ボトル、炭酸飲料ボトル、アルコール類用、ボトル、洗剤用ボトル、柔軟剤用ボトル、漂白剤用ボトル、シャンプー用ボトル、リンス用ボトル、薬剤ボトル、接着剤用ボトル、農薬用ボトル、医療用ボトル、輸液ボトル、哺乳瓶、医療バック、輸液バック、血液保存バック、
カップ;食品用カップ、包装用カップ、等が挙げられる。
ボトル;化粧品ボトル、整髪剤、飲料水用ボトル、炭酸飲料ボトル、アルコール類用、ボトル、洗剤用ボトル、柔軟剤用ボトル、漂白剤用ボトル、シャンプー用ボトル、リンス用ボトル、薬剤ボトル、接着剤用ボトル、農薬用ボトル、医療用ボトル、輸液ボトル、哺乳瓶、医療バック、輸液バック、血液保存バック、
カップ;食品用カップ、包装用カップ、等が挙げられる。
一般的な射出成形方法の例示としては、本発明に係る樹脂組成物(A)を直接、または公知の方法にて混合を行った後、射出成形機のホッパーに投入して直接成形する。射出成形を行う方法としては、例えば、一般的な射出成形法の他に、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法が挙げられる。また、射出成形体を製造する際には、必要に応じて着色のためにカラーマスターバッチを適宜添加し成形する事もできる。また成形温度や方法によっては、熱履歴によって本発明に係る樹脂組成物(A)が危惧される場合があるが、その際は熱安定剤や加工安定剤のマスターバッチを適宜添加することもできる。
更に、本発明の成形体の構成は単層でもよいし、複数層でもよいが、本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であることが好ましい。本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であると、得られる成形品の高光沢化に特に効果がある。
また、射出成形で多層の成形体を得る方法の例としては、一組の射出シリンダーをもつ射出成形機を用いるインサート成形法が挙げられる。この方法ではまず、射出成形によって、予め1〜5mmの肉厚からなる本発明に係る樹脂組成物(A)層を成形し、成形体を一旦キャビティーから取り出す。次いでこの肉厚に対し、さらに+0.1〜2mmの肉厚をもつキャビティー内のコア側に本発明に係る樹脂組成物(A)層の成形体をセットし、別種の本発明に係る樹脂組成物(A)を射出することにより、それぞれの層が一体化した二層の成形体が得られる。また、二本の射出シリンダーをもつ射出成形機を用いる二色成形による成形も可能である。この方法ではまず、射出成形により1〜5mmの肉厚からなる本発明に係る樹脂組成物(A)層を成形する。次いで、成形体を同一コアに残した状態で金型を回転させ、0.1〜2mmの肉厚をもつキャビティーへ入れ、別種の本発明に係る樹脂組成物(A)を射出することによって得ることができる。なお、多層成形体は、いずれの層も本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層であってもよいし、また、何れかの層が本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層を有する限り、他の層は本発明に係る樹脂組成物(A)以外の樹脂からなる層であってもよい。
射出成形方法により得られる成形体の用途としては、例えば、容器、容器のキャップ、文具、玩具、日用雑貨、家具用材料、自動車用材料、家電用材料、医療用材料、建築材料等が挙げられ、押出成形体の用途としては、例えば、容器、包装材料、文具、玩具、日用雑貨、家具用材料、農業用フィルム、自動車用材料、医療用材料、建築材料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般的な押出成形の例としては、従来公知の押出装置および成形条件を採用することができるが、たとえば単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した本発明に係る樹脂組成物(A)をT−ダイなどのダイスなどから押出すことにより成形できる。押出成形品の構成は単層でもよいし、複数層が積層されていても良いが、本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であることが好ましい。本発明に係る樹脂組成物(A)からなる層が、成形品の最外層であると、得られる成形品の高光沢化に特に効果がある。
これらの成形品が積層構造を有する場合は、種々公知の製造方法、具体的には、例えば、あらかじめT−ダイ成形またはインフレーション成形にて得られた各層上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により積層する方法や、各層を独立してシートまたはフィルムとした後、各々のシートまたはフィルムをドライラミネーションにより積層する方法、各層の各成分を多層の押出機に供して成形する共押出成形などなど従来公知の積層方法を採用することができる。
押出成形方法により得られる成形体の用途としては、自動車用装備品や、家具、鞄、建材、医療用、日用雑貨材料、電気器具用ハウジング用材料、チューブ及びトレーのような容器等の押出成形品や、押出シート及びフィルム等の包装材料、保護用フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)MFR(g/10分)
MFRは、JIS K6721に準拠して、230℃で2.16kgfの荷重にて測定した。
MFRは、JIS K6721に準拠して、230℃で2.16kgfの荷重にて測定した。
(2)密度(kg/m3)
密度は、ASTM−D1505に準拠して、密度勾配管法にて測定した。
密度は、ASTM−D1505に準拠して、密度勾配管法にて測定した。
(3)溶融張力(mN)
プロピレン系重合体(I)の溶融張力は、東洋精機社製キャピログラフ1C((バレル径9.55mmΦ)、バレル温度200℃、キャピラリー長(L)=8mm、キャピラリー直径(D)=2.095mm、L/D=3.82)を用い、ピストン速度=15mm/min、巻き取り速度=15mm/min、の条件にて測定を行い、得られた値の平均値を求めた。
プロピレン系重合体(I)の溶融張力は、東洋精機社製キャピログラフ1C((バレル径9.55mmΦ)、バレル温度200℃、キャピラリー長(L)=8mm、キャピラリー直径(D)=2.095mm、L/D=3.82)を用い、ピストン速度=15mm/min、巻き取り速度=15mm/min、の条件にて測定を行い、得られた値の平均値を求めた。
(4)シンジオタクティック構造
プロピレン系重合体(I)に含まれるシンジオタクティック構造は、13C−NMRスペクトルにおける19.5〜20.3ppmに相当する相対ピーク面積により求めた。
プロピレン系重合体(I)に含まれるシンジオタクティック構造は、13C−NMRスペクトルにおける19.5〜20.3ppmに相当する相対ピーク面積により求めた。
(5)グロス(%)
JIS K7105に準拠し、各成形法で得られた成形体を試験片として用いて、グロスメーターを用いて室温にてグロス角度60°で測定した。
JIS K7105に準拠し、各成形法で得られた成形体を試験片として用いて、グロスメーターを用いて室温にてグロス角度60°で測定した。
(6)全ヘイズ・内部ヘイズ(%)
各成形法にて得られた成形体を試験片として用いて、ベンジルアルコール中で日本電色工業(株)製のデジタル濁度計(NDH−20D)にて測定した。
各成形法にて得られた成形体を試験片として用いて、ベンジルアルコール中で日本電色工業(株)製のデジタル濁度計(NDH−20D)にて測定した。
(7)平均表面粗さ(nm)
各成形法にて得られた成形体の表面に、前処理としてPtコーティングした後、表面形状測定装置(WYKO)(BrukerAXS製 NT1100)を用い、測定範囲245.3μm×186.5μmにおける平均表面粗さ(Ra)を求めた。
各成形法にて得られた成形体の表面に、前処理としてPtコーティングした後、表面形状測定装置(WYKO)(BrukerAXS製 NT1100)を用い、測定範囲245.3μm×186.5μmにおける平均表面粗さ(Ra)を求めた。
(8)半結晶化時間(sec)
等温結晶化測定により求められる半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程でのDSC熱量曲線とベースラインとの間の面積を全熱量とした場合、50%熱量に到達した時間である〔新高分子実験講座8 高分子の物性(共立出版株式会社)参照〕。
等温結晶化測定により求められる半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程でのDSC熱量曲線とベースラインとの間の面積を全熱量とした場合、50%熱量に到達した時間である〔新高分子実験講座8 高分子の物性(共立出版株式会社)参照〕。
半結晶化時間(t1/2)測定は次のようにして行われる。各成形法にて得られた成形体を試験片とし、試料5mg程度を専用アルミパンに詰め、示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製DSC7)を用い、30℃から200℃までを320℃/minで昇温し、200℃で5分間保持したのち、該温度(200℃)から各等温結晶化温度までを320℃/minで降温し、その等温結晶化温度に保持して得られたDSC曲線から得たものである。ここで半結晶化時間(t1/2)は等温結晶化過程開始時間(200℃から等温結晶化温度に到達した時刻)t=0として求めた。
なお、本発明の成形体に用いたプロピレン系重合体(I)の物性は表1に示す。
プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物を表2のとおり配合し、東芝機械株式会社製射出成形機IS−55にて、シリンダー温度(HN/H1/H2/H3=220/220/220/220℃)、射出圧力28〜35%、射出速度20%、スクリュー回転数60rpm、金型温度50℃、冷却時間20〜50秒にて、厚み2mmの射出角板を作製した。
<ブロー成形>
プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物を表3のとおり配合し、30mmφダイレクトブロー成形機を用いて、200℃で樹脂組成物を溶融し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形後、水楯環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを成形した。ボトル重量:10g、内容量50ml、胴回り平均肉厚:0.5mmの単層円筒ボトルを作製した。
プロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物を表3のとおり配合し、30mmφダイレクトブロー成形機を用いて、200℃で樹脂組成物を溶融し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形後、水楯環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを成形した。ボトル重量:10g、内容量50ml、胴回り平均肉厚:0.5mmの単層円筒ボトルを作製した。
[実施例1]
プロピレン系重合体(I)として、ノティオTM−SN−0285(三井化学(株)製、商品名)を、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体を含むブロック共重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMJ715M(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を表2に記載の比率にて配合して樹脂組成物とした後、射出成形により試験片を作製した。得られた平板の評価結果を表2に示す。高グロスで、表面凹凸の小さい平板を得た。溶融張力が大きく、結晶化速度も遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
プロピレン系重合体(I)として、ノティオTM−SN−0285(三井化学(株)製、商品名)を、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体を含むブロック共重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMJ715M(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を表2に記載の比率にて配合して樹脂組成物とした後、射出成形により試験片を作製した。得られた平板の評価結果を表2に示す。高グロスで、表面凹凸の小さい平板を得た。溶融張力が大きく、結晶化速度も遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
[実施例2]
射出成形品の配合比を表2に記載の比率にしたこと以外は、実施例1と同様に射出試験片を作製した。得られた平板の評価結果を表2に示す。高グロスで、表面凹凸の小さい平板を得た。溶融張力が大きく、結晶化速度も遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
射出成形品の配合比を表2に記載の比率にしたこと以外は、実施例1と同様に射出試験片を作製した。得られた平板の評価結果を表2に示す。高グロスで、表面凹凸の小さい平板を得た。溶融張力が大きく、結晶化速度も遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
[実施例3]
プロピレン系重合体(I)として、ノティオTM−SN−0285(三井化学(株)製、商品名)を、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMB205(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を表3に記載の比率にて配合して樹脂組成物とした後、ダイレクトブロー成形によりボトルを作製した。得られたボトルの評価結果を表3に示す。高グロスで、表面凹凸が小さく、偏肉のない透明性に優れたボトルを得た。結晶化速度が遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
プロピレン系重合体(I)として、ノティオTM−SN−0285(三井化学(株)製、商品名)を、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMB205(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を表3に記載の比率にて配合して樹脂組成物とした後、ダイレクトブロー成形によりボトルを作製した。得られたボトルの評価結果を表3に示す。高グロスで、表面凹凸が小さく、偏肉のない透明性に優れたボトルを得た。結晶化速度が遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
[実施例4]
ボトルの配合比を表3に記載の比率にしたこと以外は、実施例3と同様にダイレクトブローボトルを作製した。得られたボトルの評価結果を表3に示す。高グロスで、表面凹凸が小さく、偏肉のない透明性に優れたボトルを得た。結晶化速度が遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
ボトルの配合比を表3に記載の比率にしたこと以外は、実施例3と同様にダイレクトブローボトルを作製した。得られたボトルの評価結果を表3に示す。高グロスで、表面凹凸が小さく、偏肉のない透明性に優れたボトルを得た。結晶化速度が遅くなったことにより金型への密着性が良くなったためと考えられる。
[比較例1]
プロピレン系重合体(I)を配合せず、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMJ715M(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様に行い射出成形を行ったが、グロス値が低く、表面凹凸が大きい試験片を得た。結晶化速度が速く、金型への密着性が劣っていたためと考えられる。結果を表2に示す。
プロピレン系重合体(I)を配合せず、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMJ715M(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様に行い射出成形を行ったが、グロス値が低く、表面凹凸が大きい試験片を得た。結晶化速度が速く、金型への密着性が劣っていたためと考えられる。結果を表2に示す。
[比較例2]
プロピレン系重合体(I)を配合せず、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMB205(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様に行いダイレクトブロー成形を行ったが、グロス値が低く、表面凹凸が大きく、透明性に劣るボトルを得た。結晶化速度が速く、金型への密着性が劣っていたためと考えられる。結果を表3に示す。
プロピレン系重合体(I)を配合せず、オレフィン系重合体(II)としてプロピレン単独重合体〔アイソタクティックポリプロピレン:プライムポリプロTMB205(プライムポリマー(株)製、商品名)〕を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様に行いダイレクトブロー成形を行ったが、グロス値が低く、表面凹凸が大きく、透明性に劣るボトルを得た。結晶化速度が速く、金型への密着性が劣っていたためと考えられる。結果を表3に示す。
本発明の樹脂組成物を成形して得られる成形体の表面光沢度が高く、且つ表面が平滑で、耐摩耗性・耐傷つき性、耐薬品性に優れる軽量な高光沢成形体を提供できる。
Claims (5)
- 下記要件(i)〜(iv)を満たすプロピレン系重合体(I)を含む樹脂組成物(A)を成形してなる成形体。
(i)MFRが0.01〜200g/10分の範囲にある、
(ii)密度勾配管法で測定した密度が860〜920kg/m3の範囲にある、
(iii)溶融張力が170℃〜230℃のいずれかの温度において10〜80mNの範囲にある、
(iv)プロピレンから導かれる構成単位を60質量%以上含有し、実質的にシンジオタクティック構造を有する。 - 前記樹脂組成物(A)が、前記プロピレン系重合体(I)を5〜50重量%、オレフィン系重合体(II)(ただし、プロピレン系重合体(I)を除く。)を50〜95質量%含む樹脂組成物である請求項1に記載の成形体。
- 前記オレフィン系重合体(II)が、アイソタクティックプロピレン系重合体である、請求項2に記載の成形体。
- 成形体が、射出成形、ブロー成形、押出成形のいずれかにより成形されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形体。
- 成形体が、前記樹脂組成物(A)を最外層に有する成形体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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