JP2015178289A - 車両用操舵装置、及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】バンプステアを抑制できる車両用操舵装置、及びそのような車両用操舵装置を備えた車両を提供する。【解決手段】左右対の操舵輪20aの実舵角を左右独立に調節可能な舵角制御装置10aを備える車両用操舵装置であって、舵角制御装置10aは、下側部材(第1部材)11と、駆動装置12と、上側部材(第2部材)14とを備え,バネ下に設けられることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用操舵装置、及び車両に関する。
左右の操舵輪の実舵角を独立に調節可能な車両用操舵装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、タイロッドが伸縮可能なアクチュエータロッドの先端に接続され、アクチュエータの駆動によって左右の操舵輪の実舵角を独立に調節する構成が開示されている。
特開2008−168744号公報
しかし、上記のような構成では、操舵輪と車両本体との鉛直方向における相対位置が変化した際、すなわち、サスペンションがストロークした際に、アームの回転半径とタイロッドの回転半径とが異なることによって、実舵角が変化してしまうバンプステアという問題が生じる場合があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、バンプステアを抑制できる車両用操舵装置、及びそのような車両用操舵装置を備えた車両を提供することを目的の一つとする。
本発明の車両用操舵装置の一つの態様は、左右対の操舵輪の実舵角を左右独立に調節可能な舵角制御装置を備える車両用操舵装置であって、前記舵角制御装置は、バネ下に設けられることを特徴とする。
前記舵角制御装置は、前記操舵輪に、前記操舵輪の軸回りに回転可能に設けられた第1部材と、前記操舵輪の軸方向と交差する舵角回転軸を介して前記第1部材と接続された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との前記舵角回転軸回りの相対角度を変化させる駆動装置と、を備える構成としてもよい。
前記舵角回転軸と前記操舵輪の軸とは、車両を正面視した際に直交する構成としてもよい。
前記第1部材及び前記第2部材は、アームを介して車両本体に対して鉛直方向に移動可能に接続されている構成としてもよい。
前記駆動装置は、前記アームに設けられている構成としてもよい。
前記アームと前記第2部材との接続箇所は、前記舵角回転軸に対してオフセットした位置に設けられている構成としてもよい。
前記駆動装置は、前記操舵輪の駆動軸よりも鉛直方向上方側に設けられている構成としてもよい。
前記舵角制御装置は、前記操舵輪の内部に収容されている構成としてもよい。
本発明の車両の一つの態様は、上記の車両用操舵装置を備えることを特徴とする。
本発明の一つの態様によれば、バンプステアを抑制できる車両用操舵装置、及びそのような車両用操舵装置を備えた車両が提供される。
第1実施形態の車両を模式的に示す概略構成図である。 第1実施形態の車両を示す図であって、図1におけるII−II断面模式図である。 第1実施形態の舵角制御装置を示す斜視図である。 第1実施形態の舵角制御装置を示す正面図である。 第1実施形態の舵角制御装置を示す図であって、図4におけるV−V断面図である。 第1実施形態の効果を説明するための説明図である。 第1実施形態の効果を説明するための説明図である。 第1実施形態の効果を説明するための説明図である。 第1実施形態の舵角制御装置の他の一例を示す斜視図である。 第1実施形態の舵角制御装置の他の一例を示す正面図である。 第1実施形態の舵角制御装置の他の一例を示す斜視図である。 第1実施形態の舵角制御装置の他の一例を示す正面図である。 第1実施形態の舵角制御装置を示す斜視図である。 第2実施形態の舵角制御装置を示す斜視図である。 第2実施形態の舵角制御装置の他の一例を示す斜視図である。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態に係る車両用操舵装置、及び車両について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の車両1を模式的に示す概略構成図である。図2は、車両1を示す図であって、図1におけるII−II断面模式図である。図3から図5は、舵角制御装置10aを示す図である。図3は、斜視図である。図4は、正面図(YZ面図)である。図5は、図4におけるV−V断面図である。図4においては、アッパーアーム41及びロアアーム42の図示を省略している。
なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、鉛直方向をZ軸方向、車両1(図1参照)の長さ方向をY軸方向、車両1の幅方向をX軸方向とする。また、Y軸方向においては、車両1が前進する側を+Y側とする。
本実施形態の車両1は、図1及び図2に示すように、車両本体部(車両本体)2と、車両用操舵装置3と、フロントサスペンションメンバ31と、リアサスペンションメンバ32と、サスペンション40a,40b,40c,40dと、ホイール(操舵輪)20a,20b,20c,20dと、を備えている。
車両用操舵装置3は、舵角制御装置10a,10b,10c,10dと、制御装置60と、ステアリングホイール(ハンドル)70と、を備えている。
[フロントサスペンションメンバ]
フロントサスペンションメンバ31は、サスペンション40a,40bを車両本体部2に接続するための部材である。フロントサスペンションメンバ31は、車両本体部2の前方(+Y側)に固定されている。図2に示すように、フロントサスペンションメンバ31には、サスペンション40a,40bが、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。
[リアサスペンションメンバ]
リアサスペンションメンバ32は、フロントサスペンションメンバ31と同様に、サスペンション40c,40dを車両本体部2に接続するための部材である。リアサスペンションメンバ32は、車両本体部2の後方(−Y側)に設けられている。リアサスペンションメンバ32には、フロントサスペンションメンバ31と同様にサスペンション40c,40dが接続されている。
[サスペンション]
サスペンション40a〜40dは、本実施形態においては、ダブルウイッシュボーン式サスペンションである。サスペンション40a〜40dは、それぞれ同様の構成であるため、以下の説明においては、代表してサスペンション40aについてのみ説明する場合がある。
サスペンション40aは、図2に示すように、アッパーアーム(アーム)41と、ロアアーム(アーム)42と、コイルオーバー43と、を備えている。
アッパーアーム41は、図3に示すように、アーム部41aと、アーム部41bと、回転軸部41cと、を備えている。
回転軸部41cは、円柱形状である。回転軸部41cは、後述する舵角制御装置10aの上側部材14に、軸回りに回転可能となるように設けられている。
アーム部41a,41bは、棒状である。アーム部41a,41bは、回転軸部41cに接続されている。アーム部41aの一端(+X側の端部)は、回転軸部41cの車両1が前進する側(+Y側)に固定されている。アーム部41aの他端(−X側の端部)は、図2に示すように、フロントサスペンションメンバ31と、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。アーム部41bの一端(+X側の端部)は、図3に示すように、回転軸部41cの車両1の前進する側と逆側(−Y側)に固定されている。アーム部41bの他端(−X側の端部)は、アーム部41aと同様にして、フロントサスペンションメンバ31と、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。これにより、アッパーアーム41は、フロントサスペンションメンバ31を介して、車両本体部2に、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。
アーム部41a,41bは、図2に示すように、車両1の正面視(ZX面視)において、重なるように設けられている。すなわち、アーム部41aの長さ方向とアーム部41bの長さ方向とを含む面は、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行である。アーム部41aとアーム部41bとは、図3に示すように、回転軸部41cからフロントサスペンションメンバ31側(−X側)に向かうに従って、互いに離間するように設けられている。
ロアアーム42は、アーム部42aと、アーム部42bと、ボール部42cと、を備えている。
アーム部42a,42bは、それぞれ一端(+X側の端部)がボール部42cと接続されている。アーム部42aの他端(−X側の端部)は、図2に示すように、フロントサスペンションメンバ31と、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。アーム部42bについても同様である。これにより、ロアアーム42は、フロントサスペンションメンバ31を介して、車両本体部2に、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。
アーム部42a,42bは、図2に示すように、車両1の正面視(ZX面視)において、重なるように設けられている。すなわち、アーム部42aの長さ方向とアーム部42bの長さ方向とを含む面は、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行である。アーム部42aとアーム部42bとは、図3に示すように、ボール部42cからフロントサスペンションメンバ31側(−X側)に向かうに従って、互いに離間するように設けられている。
ボール部42cは、後述する舵角制御装置10aのソケット部16と球面接触して設けられ、ボールジョイントを構成している。
コイルオーバー43は、図2に示すように、スプリング部44と、ショックアブソーバー部45と、を備えている。コイルオーバー43のスプリング部44側(−Z側)の端部は、ロアアーム42と、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。コイルオーバー43のショックアブソーバー部45側(+Z側)の端部は、フロントサスペンションメンバ31と、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に接続されている。
[ホイール]
ホイール20a〜20dは、図1に示すように、それぞれ、舵角制御装置10a〜10dを介して、サスペンション40a〜40dと接続されている。ホイール20aとホイール20bとは、車両1における一対の前輪であり、ホイール20dとホイール20dとは、車両1における一対の後輪である。
ホイール20a〜20dは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表してホイール20aについてのみ説明する場合がある。
ホイール20aは、図5に示すように、ディスク部23にハブ21が締結固定されており、ハブ21にはホイール軸22が固定されている。例えば、車両1が前輪駆動車や、四輪駆動車である場合には、前輪であるホイール20a,20bのホイール軸22の車両本体部2側(−X側)の端部には、車両本体部2から延出する図示しないドライブシャフトが接続されている。ホイール20a,20bは、ドライブシャフトからホイール軸22へと伝達される駆動力によって、ホイール軸22回りに回転する。
[車両用操舵装置]
(舵角制御装置)
舵角制御装置10a〜10dは、ホイール20a〜20dの実舵角φを制御する装置である。舵角制御装置10a〜10dは、それぞれ同一の構成を有しているため、以下の説明においては、代表して舵角制御装置10aについて説明する。
実舵角φは、図1に示すように、車両1を平面視(XY面視)した際における、車両1の長さ方向(X軸方向)に対するホイール20a〜20dの径方向の傾きである。
舵角制御装置10aは、図2及び図3に示すように、サスペンション40aのバネ下に設けられている。本実施形態においては、舵角制御装置10aは、ホイール20aの内部に収容されている。
本明細書において、「バネ下」とは、車両1を構成する部分のうち、サスペンション40aのスプリング部44によって車両本体部2に吊り下げられている部分を意味するものである。言い換えると、「バネ下」とは、スプリング部44が伸縮した際に、車両本体部2に対する鉛直方向(Z軸方向)の位置が変動する部分を意味する。本実施形態においては、「バネ下」とは、例えば、アッパーアーム41と、ロアアーム42と、ホイール20aと、を意味する。
また、本明細書において、「バネ上」とは、車両1を構成する部分のうち、サスペンション40aのスプリング部44によって車両本体部2に吊り下げられていない部分を意味するものである。言い換えると、「バネ上」とは、スプリング部44が伸縮した際に、車両本体部2に対する鉛直方向(Z軸方向)の位置が変動しない部分を意味する。本実施形態においては、「バネ上」とは、例えば、車両本体部2と、フロントサスペンションメンバ31と、リアサスペンションメンバ32と、制御装置60と、ステアリングホイール70と、を意味する。
舵角制御装置10aは、図3から図5に示すように、下側部材(第1部材)11と、駆動装置12と、上側部材(第2部材)14と、を備える。
下側部材11は、ホイール20aと接続される部材である。下側部材11の形状は、特に限定されず、本実施形態においては、例えば、ほぼ直方体形状である。下側部材11には、厚み方向(X軸方向)に貫通する貫通孔11aが形成されている。貫通孔11aには、ベアリング15を介して、後述するホイール20aのホイール軸22が挿通されている。下側部材11の鉛直方向下方側(−Z側)の端部には、ソケット部16が設けられている。上述したように、ソケット部16には、ロアアーム42のボール部42cが球面接触している。すなわち、ソケット部16とボール部42cとによって、ボールジョイントが構成されている。これにより、ロアアーム42と下側部材11とは、互いに任意の方向に回転可能に設けられている。
駆動装置12は、本実施形態においては、下側部材11の鉛直方向上方側(+Z側)の端部に設けられている。すなわち、駆動装置12は、ホイール軸22よりも鉛直方向上方側(+Z側)に設けられている。駆動装置12の出力軸13は、上側部材14に固定されている。
駆動装置12は、図示は省略するが、アクチュエータと、アクチュエータの回転を減速する減速機と、を備えている。アクチュエータとしては、特に限定されず、例えば、電動モータや、油圧式アクチュエータ、空圧式アクチュエータ等が挙げられる。アクチュエータは、ホイール20aに外力が働いた場合であっても、アクチュエータが外力によって駆動されないように、バックドライブが発生しにくい機構であることが好ましい。または、アクチュエータが駆動しているとき以外においては、ホイール20aの実舵角φの変化が機械的にロックされるような機構としてもよい。
減速機としては、例えば、ウォームギア等の保持トルクが大きいものを用いることが好ましい。このような減速機を用いることにより、ホイール20aに外力が加えられた際に、アクチュエータかかる負荷を低減しつつ、実舵角φを保持することができる。減速機の出力軸は、すなわち、駆動装置12の出力軸13である。本実施形態において、出力軸13は、特許請求の範囲における舵角回転軸に相当する。
駆動装置12における出力軸13の軸方向C11は、図4に示すように、舵角制御装置10aの正面視(YZ面視)において、鉛直方向(Z軸方向)に対して角度θ1だけ傾いて設けられている。角度θ1は、キャスター角である。本実施形態においては、軸方向C11は、車両1の前進する側と逆側(−Y側)に傾いている。すなわち、本実施形態においては、キャスター角θ1は、正である。
本実施形態においては、キングピン角度を0°に設定できるため、キャスター角θ1を、比較的小さく設定できる。これにより、小さいキャスター角でも操舵時に適切にキャンバー角度をネガティブに設定でき、操舵時のリフトも低減できるため、走行安定性を高めることができる。
本実施形態においては、キャスタートレールW1は、比較的小さく設定されている。キャスタートレールW1とは、ホイール20aの径方向の中心を通り、かつ、鉛直方向(Z軸方向)と垂直な方向の中心線H1と地面との交点と、舵角回転軸(軸方向C11)と地面との交点との距離である。キャスタートレールW1が比較的小さく設定されていることにより、ステアリングホイール70の操作性を向上できる。
軸方向C11は、図5に示すように、車両1の正面視(舵角制御装置10aの側面視、ZX面視)において、鉛直方向(Z軸方向)と平行に設けられている。すなわち、本実施形態においては、キングピン傾斜角度θ2は0°である。キングピン傾斜角度θ2をこのような値に設定することにより、車両1の直進性能を高くできる。
キングピン傾斜角度θ2とは、図5において2点鎖線で示すように、車両1の正面視(ZX面視)において、舵角回転軸(軸方向C11)が鉛直方向(Z軸方向)に対して傾く角度である。
軸方向C11は、正面視(ZX面視)において、ホイール軸22の軸方向C2と直交している。また、軸方向C11は、正面視(ZX面視)において、ホイール20aの厚み方向(X軸方向)の中心線H2と一致している。すなわち、本実施形態においては、スクラブ半径W2は、0mmである。スクラブ半径W2をこのように設定することにより、駆動装置12のアクチュエータに掛かる負担を軽減できるとともに、走行安定性を向上できる。
スクラブ半径W2とは、舵角回転軸(軸方向C11)と地面との交点と、ホイール20aの厚み方向の中心線H2と地面との交点と、の距離である。
上側部材14は、駆動装置12を介して、下側部材11と接続されている部材である。上側部材14は、基部14aと、延出部14bと、延出部14cと、を備えている。基部14aは、図3に示すように、細長の平板形状である。延出部14bは、基部14aの長手方向(Y軸方向)の一方側(−Y側)の端部から鉛直方向上方側(+Z側)に延出して設けられている。延出部14cは、基部14aの長手方向(Y軸方向)の他方側(+Y側)の端部から鉛直方向上方側(+Z側)に延出して設けられている。延出部14bと延出部14cとの間には、アッパーアーム41の回転軸部41cが挟持されており、アッパーアーム41と、上側部材14とが、回転軸部41cの軸回り、すなわち、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに、回転可能となるように設けられている。
下側部材11及び上側部材14は、それぞれアッパーアーム41及びロアアーム42を介して、上記のように車両本体部2(フロントサスペンションメンバ31)に接続されているため、車両本体部2に対して鉛直方向(Z軸方向)に移動可能である。
(制御装置)
制御装置60は、図1に示すように、舵角制御装置10a〜10dを制御するための装置である。制御装置60は、ステアリングホイール70に入力された角度情報に基づいて、舵角制御装置10aの駆動装置12に電気信号を入力する。すなわち、本実施形態における車両用操舵装置3は、フライバイワイヤシステムによって、実舵角φを制御するものである。制御装置60による駆動装置12への電気信号の入力は、有線によるものであっても、無線によるものであってもよい。無線による場合には、舵角制御装置10aには、制御装置60からの電気信号を受信するための、図示しない信号受信機が設けられる。
(ステアリングホイール)
ステアリングホイール70は、操作者によって操作されるハンドルである。ステアリングホイール70は、回転軸71を介して、回転角度を制御装置60に入力する。図1においては、回転軸71が直接、制御装置60に接続されているが、これに限られない。例えば、回転軸71は、ステアリングホイール70の回転角度を別途検出する検出装置に接続されてもよい。この場合においては、検出装置から制御装置60にステアリングホイール70の回転角度の情報が伝達される。
次に、舵角制御装置10aによる舵角制御方法について説明する。
まず、操作者によって操作されたステアリングホイール70の角度情報に基づいて、制御装置60は、舵角制御装置10aの駆動装置12に電気信号を入力する。
電気信号を受信した駆動装置12は、その電気信号に基づいてアクチュエータを動作させる。これにより、舵角制御装置10aの下側部材11と上側部材14との出力軸13回りの相対角度が変化する。
ここで、本実施形態においては、上側部材14の鉛直方向(Z軸方向)回りの回転については、アッパーアーム41によって制限されている。一方、下側部材11は、ホイール20aと接続され、かつ、ボールジョイントによってロアアーム42と任意の方向に回転可能に設けられている。したがって、出力軸13が回転すると、回転による反力は上側部材14が受けることとなり、下側部材11が、出力軸13回りに回転する。すなわち、下側部材11の車両本体部2に対する角度が変化する。その結果、下側部材11の回転に伴って、下側部材11とホイール軸22を介して接続されているホイール20aも出力軸13回りに回転し、ホイール20aの車両1の長さ方向(Y軸方向)に対する傾き、すなわち、実舵角φが変化する。
以上のようにして、舵角制御装置10aによって車両1の実舵角φが制御される。舵角制御装置10b〜10dについても同様である。舵角制御装置10a〜10dは、ステアリングホイール70からの入力に基づいて、それぞれ独立に制御される。これにより、ホイール20a〜20dの実舵角φは、ステアリングホイール70の入力角度に基づいた方向に進行するために最適な値となるように制御される。舵角制御装置10a〜10dによって制御されるホイール20a〜20dの実舵角は、同じであっても、それぞれ異なっていてもよいことは言うまでもない。
本実施形態によれば、バンプステアを抑制できる車両用操舵装置が得られる。以下、詳細に説明する。
図6(A),(B)及び図7(A),(B)は、本実施形態の効果を説明するための図である。図6(A),(B)は、比較例の車両100における車両用操舵装置4を示す図である。図7(A),(B)は、本実施形態の車両1における車両用操舵装置3を示す図である。図6(A),(B)及び図7(A),(B)は、説明のために、適宜簡略化されている。例えば、実際には、アッパーアーム41とロアアーム42とは、図2に示すように、それぞれ長さが異なり、フロントサスペンションメンバ31に対する角度もそれぞれ異なるように設けられるが、図6(A),(B)及び図7(A),(B)においては、アッパーアーム41とロアアーム42とは、それぞれ長さが同じで、フロントサスペンションメンバ31に対する角度も同じとなるように図示している。
比較例の車両用操舵装置4は、図6(A)に示すように、タイロッド80と、ラック81と、ピニオンホイール82と、ステアリングホイール70と、を備えている。比較例においては、タイロッド80と、ラック81と、ピニオンホイール82と、ステアリングホイール70とによって、舵角制御装置が構成されている。比較例において舵角制御装置は、車両本体部2、すなわち、サスペンション40aのバネ上に設けられている。
ステアリングホイール70は回転軸71を介してピニオンホイール82と接続されている。ピニオンホイール82は、ステアリングホイール70に入力された回転角度に基づいて回転する。ピニオンホイール82は、ラック81と噛合されており、ピニオンホイール82の回転に応じて、ラック81は、車両100の幅方向(X軸方向)に移動する。
ラック81の一方側(+X側)の端部には、タイロッド80が接続されている。タイロッド80は、棒状の部材であり、ラック81と接続された側と逆側(+X側)の端部が、アップライト24にボールジョイント接続されている。
アップライト24は、サスペンション40aとホイール20aとを接続する部材である。比較例においては、アップライト24は、例えば、直方体形状である。アップライト24の中央には、ホイール20aのホイール軸22が挿通されており、アップライト24は、ホイール20aに対して、ホイール軸22回りに回転可能に設けられている。
なお、図示は省略するが、ラック81の他方側(−X側)の端部にもタイロッドが接続されており、アップライトを介して、ホイール20bと接続されている。
比較例の車両用操舵装置4においては、ラック81の移動に応じて、ラック81の一方側(+X側)の端部における車両100の幅方向(X軸方向)の位置が変化する。すなわち、ラック81の一方側の端部と、ホイール20a、より詳細にはアップライト24におけるタイロッド80との接続箇所との車両100の幅方向(X軸方向)の距離が変化する。これにより、タイロッド80の鉛直方向(Z軸方向)回りの角度が変化し、結果として、ホイール20aの実舵角φが変化する。
なお、比較例の車両100においては、本実施形態の車両1と異なり、アッパーアーム41のホイール20a側(+X側)の端部は、アップライト24とボールジョイント接続されている。
図6(B)は、フロントサスペンションメンバ31(車両本体部2)が図6(A)の状態よりも、鉛直方向下方側(−Z側)に沈み込んだ状態を示す図である。この場合においては、ラック81が車両本体部2、すなわち、バネ上に設けられているため、車両本体部2とホイール20aとの鉛直方向(Z軸方向)の相対位置が変化することにより、ラック81の一方側(+X側)の端部とアップライト24におけるタイロッド80との接続箇所との幅方向(X軸方向)距離が変化してしまう。すなわち、舵角制御装置とホイール20aとの幅方向(X軸方向)距離が変化してしまう。
タイロッド80と、アッパーアーム41及びロアアーム42とは、それぞれ長さが異なるため、車両100の長さ方向(Y軸方向)回りの回転半径が異なり、車両本体部2に対する幅方向(X軸方向)距離の変化量は、それぞれ異なる。その結果、アッパーアーム41、ロアアーム42、及びタイロッド80の幾何拘束に応じて、ホイール20aの実舵角φが変化してしまう。したがって、比較例においては、車両本体部2とホイール20aとの鉛直方向(Z軸方向)における相対位置が変化すると、実舵角φが変化してしまうバンプステアが生じるという問題があった。
これに対して、本実施形態においては、舵角制御装置10aが、バネ下に設けられているため、図7(B)に示すように、図7(A)の状態よりも車両本体部2が鉛直方向下方側(−Z側)に沈み込んだ状態となった場合、すなわち、車両本体部2とホイール20aとの鉛直方向(Z軸方向)の相対位置が変化した場合であっても、舵角制御装置10aとホイール20aとの鉛直方向(Z軸方向)の相対位置は変化しない。これにより、車両本体部2とホイール20aとの鉛直方向(Z軸方向)の相対位置の変化が実舵角φに影響を与えることを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、バンプステアを抑制できる車両用操舵装置が得られる。
また、比較例の車両100においては、車両本体部にラック81及びピニオンホイール82を設ける必要があったため、車両本体部2の内部においてスペースを取ってしまうという問題があった。
この問題に対して、本実施形態によれば、舵角制御装置10aは、バネ下に設けられているため、バネ上、すなわち、車両本体部2の内部のスペースを広くとることができる。
また、本実施形態においては、舵角制御装置10aは、ホイール20aの内部に収容されているため、コンパクトである。
また、例えば、ホイール20aがインホイールモータによって駆動される場合には、ホイール20aの内部に、ホイール20aをホイール軸22回りに回転するインホイールモータと、舵角制御装置10aとが内包されるため、ホイール20aを移動ユニット化できる。そのため、ユニットとしてのホイール20aを車両本体部2に接続するだけで、車両としての機能を持たせることが可能であるため、多品種の車両の生産を簡便にできる。
また、比較例の車両100においては、ラック81に一対のホイール20a,20bが接続される構成であるため、ホイール20aとホイール20bとの実舵角φは、独立に制御することはできなかった。そのため、内外輪差を考慮した実舵角φの制御が困難であった。
これに対して、本実施形態によれば、舵角制御装置10a,10bによって、一対のホイール20a,20bの実舵角φをそれぞれ独立に制御できるため、内外輪差を考慮した、実舵角φの制御が容易である。
なお、ホイール20a〜20dのそれぞれについて実舵角φを独立に制御可能であることは、上述した通りである。
また、本実施形態によれば、比較例の車両100におけるラック81及びピニオンホイール82といった機械的な伝達装置を介さずに、実舵角φを制御することができる。そのため、本実施形態によれば、実舵角φの制御の応答性や精度を向上できる。
また、比較例の車両100のような構成では、初期状態における実舵角φであるトー角を変更するためには、タイロッド80の長さを変更する等、ホイール20aと車両本体部2との幾何拘束条件を調整する必要があった。
これに対して、本実施形態によれば、舵角制御装置10aによって電気的にトー角(実舵角φ)を制御できるため、簡便である。
また、比較例の車両100では、キャスター角θ1及びキングピン傾斜角度θ2を任意の角度に設計することが容易である。以下詳細に説明する。
図8は、比較例におけるキングピン傾斜角度θ2について説明するための図である。
図8に示すように、比較例においては、舵角回転軸は、アッパーアーム41とアップライト124との接続部83と、ロアアーム42とアップライト124との接続部84とを結んだ線に沿った方向(軸方向C12)となる。すなわち、キングピン傾斜角度θ2は、アッパーアーム41及びロアアーム42と、アップライト24との幾何条件によって決定される。そのため、比較例においては、車両の設計によっては、キングピン傾斜角度θ2を小さくすることが困難な場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、駆動装置12の出力軸13が舵角回転軸となるため、駆動装置12の配置角度を変更することによってキングピン傾斜角度θ2を容易に変更できる。すなわち、本実施形態によれば、キングピン傾斜角度θ2を任意の角度に設計することが容易である。また、同様にして、本実施形態によれば、キャスター角θ1を任意の角度に設計することも容易である。
また、本実施形態によれば、上記のようにして、舵角回転軸(キングピン軸)を駆動装置12の配置によって容易に設計できるため、キャスタートレールW1及びスクラブ半径W2の設計も容易である。
また、本実施形態によれば、駆動装置12は、ホイール軸22よりも鉛直方向上方側(+Z側)に設けられている。舵角回転軸にかかるラジアル方向、すなわち舵角回転軸の軸方向と垂直な方向(X軸方向)の荷重は、ホイール軸22より鉛直方向上方側(+Z側)よりも、ホイール軸22より鉛直方向下方側(−Z側)の方が大きい。そのため、ホイール軸22より鉛直上方側(+Z側)の方が、舵角回転軸を回転させるためのトルクが小さい。したがって、本実施形態によれば、駆動装置12によるトルクを小さくできる。
また、本実施形態においては、駆動装置12の駆動による反力をアッパーアーム41が接続されている上側部材14で受ける構成となっている。そのため、本実施形態によれば、スプリング部44によって負荷を大きく受けるロアアーム42に、駆動装置12による負荷を与えることが抑制される。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
上記説明した実施形態においては、舵角制御装置10aは、ホイール20aの内部に収容されている構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、舵角制御装置10aは、バネ下に設けられている範囲内において、いずれの箇所に設けられていてもよく、例えば、ホイール20aの外側に設けられていてもよい。
また、上記説明した実施形態においては、駆動装置12は、下側部材11に設けられている構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、駆動装置12は、上側部材14に設けられる構成としてもよい。この場合においては、車両本体部2に対して相対位置が変化しない上側部材14に駆動装置12が設けられるため、駆動装置12に対して車両本体部2から配線するような場合に、配線への損傷を抑制することができる。
また、本実施形態においては、舵角制御装置10aにおける駆動装置12のみホイール20aの外側に設けられるような構成としてもよい。この場合においては、駆動装置12が放熱されやすく、熱によって駆動装置12が損傷することを抑制できる。
また、本実施形態においては、駆動装置12は、アッパーアーム41またはロアアーム42に設けられていてもよい。例えば、インホイールモータを用いるような場合においては、ホイール20aの内部において舵角制御装置10aを設置するスペースが小さい場合がある。このような場合において、この構成によれば、駆動装置12をホイール20aの外側に配置できるため、ホイール20aの内部には、舵角制御装置10aの駆動装置12以外の部分を配置するのみでよい。そのため、この構成によれば、舵角制御装置10aの配置が容易である。
また、上記説明した実施形態においては、ホイール20a〜20dのそれぞれに舵角制御装置10a〜10dが設けられている構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、例えば、前輪であるホイール20a,20bのみに舵角制御装置が設けられている構成としてもよい。
また、上記説明した実施形態においては、図5に示すように、アッパーアーム41と上側部材14との接続箇所(回転軸部41c)と、ロアアーム42と下側部材11との接続箇所(ボール部42c)とは、車両1の幅方向(X軸方向)において、出力軸13の軸方向C11と重なるように設けられている構成としたが、これに限られない。
本実施形態においては、アッパーアーム41と舵角制御装置10aとの接続箇所と、ロアアーム42と舵角制御装置10aとの接続箇所とのうち、いずれか一方、もしくは、両方が、舵角回転軸とオフセットして設けられていてもよい。これは、上記説明したように、本実施形態においては、舵角回転軸は、駆動装置12の配置によって決定されるためである。
図9及び図10は、アッパーアームと舵角制御装置との接続箇所が舵角回転軸に対してオフセットした位置に設けられた舵角制御装置110aを示す図である。図9は、斜視図である。図10は、側面図(ZX面図)である。
なお、以下の説明においては、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
図9及び図10に示すように、舵角制御装置110aは、下側部材11と、上側部材(第2部材)114と、駆動装置12と、を備えている。
上側部材114は、基部114aと、延出部114bと、延出部114cと、を備えている。基部114aは、上記説明した基部14aと同様である。
延出部114b及び延出部114cは、基部114aの長さ方向(Y軸方向)の両端部から車両本体部2側(−X側)に延出して設けられている。延出部114bと延出部114cとの間には、アッパーアーム(アーム)141の回転軸部141cが、車両1の長さ方向(Y軸方向)と平行な軸回りに回転可能に挟持されている。回転軸部141cには、アーム部141a及びアーム部141bが接続されている。アッパーアーム141は、上記説明した実施形態におけるアッパーアーム41と同様である。
この構成においては、上側部材114の延出部114b及び延出部114cが、駆動装置12の出力軸13が固定された基部114aよりも車両本体部2側(−X側)に延出して設けられているため、アッパーアーム141と舵角制御装置110aとの接続箇所(回転軸部141c)は、出力軸13の軸方向C11に対して、車両1の幅方向(X軸方向)にオフセットした位置に設けられている。
図11及び図12は、アッパーアームと舵角制御装置との接続箇所と、ロアアームと舵角接続箇所との両方が舵角回転軸に対してオフセットした位置に設けられた舵角制御装置210aを示す図である。図11は、斜視図である。図12は、側面図(ZX面図)である。
なお、以下の説明においては、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
図11及び図12に示すように、舵角制御装置210aは、ホイール接続部材(第1部材)211と、アーム接続部材(第2部材)214と、駆動装置212と、を備えている。
ホイール接続部材211には、ホイール20aのホイール軸22が、図示しないベアリングを介して、挿通されている。これにより、ホイール接続部材211は、ホイール20aと、ホイール軸22回りに回転可能に接続されている。
アーム接続部材214は、基部214aと、延出部214bと、延出部214cと、を備えている。
基部214aの形状は、鉛直方向(Z軸方向)に延在する板状である。基部214aの鉛直方向上方側(+Z側)の端部には、アッパーアーム141が車両1の長さ方向(Y軸方向)に回転可能に接続されている。基部214aの鉛直方向下方側(−Z側)の端部には、ロアアーム(アーム)242が車両1の長さ方向(Y軸方向)に回転可能に接続されている。
ロアアーム242は、アーム部242aと、アーム部242bと、回転軸部242cと、を備えている。ロアアーム242は、アッパーアーム141と同様である。
延出部214bは、図12に示すように、基部214aの鉛直方向上方側(+Z側)からホイール接続部材211側(+X側)に延出して設けられている。延出部214b鉛直方向上方側(+Z側)には、駆動装置212が設けられている。
延出部214cは、基部214aの鉛直方向下方側(−Z側)からホイール接続部材211側(+X側)に延出して設けられている。延出部214bと延出部214cとは、ホイール接続部材211を鉛直方向(Z軸方向)に挟持している。
アーム接続部材214と、ホイール接続部材211とは、駆動装置212の出力軸213(軸方向C21)回りに回転可能に設けられている。
アッパーアーム141と舵角制御装置210aとの接続箇所(回転軸部141c)と、ロアアーム242と舵角制御装置210aとの接続箇所(回転軸部242c)とは、出力軸13の軸方向C11に対して、車両1の幅方向(X軸方向)にオフセットした位置に設けられている。
この構成においては、駆動装置212のアクチュエータが駆動すると、ホイール接続部材211におけるアーム接続部材214に対する出力軸213の軸方向C21回りの相対角度が変化し、結果としてホイール20aの実舵角φを制御することができる。
この構成によれば、アーム接続部材214における車両本体部2に対する出力軸213の軸方向C21回りの回転角度は変わらない。そのため、アーム接続部材214に設けられている駆動装置212においても、車両本体部2に対する相対角度は変わらない。したがって、この構成によれば、駆動装置212に対して有線によって電気信号の送信や、電力の供給をするような場合に、配線に対して捻れる等の損傷を与えることが抑制される。
また、上記説明した実施形態においては、ロアアーム42のアーム部42a,42bが、ボール部42cを介して一体接続されている構成としたが、これに限られない。図13は、ロアアームが備える2つのアーム部が別部材である場合を示す斜視図である。
舵角制御装置310aは、下側部材(第1部材)311と、上側部材(第2部材)14と、駆動装置12と、を備えている。
なお、以下の説明においては、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
下側部材311は、基部311aと、ソケット部311bと、を備えている。
基部311aは、ソケット部16が設けられていない点を除いて、上記説明した下側部材11と同様である。
ソケット部311bは、基部311aから車両本体部2側(−X側)に突出して設けられている。ソケット部311bには、ロアアーム(アーム)342のアーム部342aがボール部342cを介してボールジョイント接続されている。ソケット部311bには、ロアアーム342のアーム部342bがボール部342dを介してボールジョイント接続されている。
ロアアーム342のアーム部342aとアーム部342bとは、別部材である。すなわち、サスペンション340aは、マルチリンク式サスペンションである。
この構成においては、ロアアーム342のアーム部342aとアーム部342bとは、舵角制御装置310aに対して、それぞれ独立に任意の方向に回転可能となるように設けられる。
また、本実施形態においては、アーム部41aと、アーム部41bとは、車両1の正面視(ZX面視)において、重ならなくてもよい。
また、本実施形態においては、ロアアーム42は、車両本体部2に、車両1の長さ方向(Y軸方向)と交差する軸回りに回転可能に接続されていてもよい。車両1の長さ方向と交差する軸は、XY平面と交差する軸であってもよいし、YZ平面と交差する軸であってもよい。
また、本実施形態においては、駆動装置12と出力軸13とは、それぞれ離間して設けられていてもよい。この場合においては、駆動装置12の出力を出力軸13に伝達する出力伝達部が設けられる。駆動装置12が設けられる位置は、出力軸13に回転を伝達できる範囲内において、特に限定されず、例えば、下側部材11におけるホイール軸22とソケット部16との間等に設けられていてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、サスペンションがストラット式サスペンションである点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記説明した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すこと等により、説明を省略する場合がある。
図13は、本実施形態の舵角制御装置410aを示す斜視図である。
舵角制御装置410aは、図14に示すように、上側部材(第1部材)414と、駆動装置412と、下側部材(第2部材)411と、を備えている。
上側部材414は、基部414aと、突出部414bと、を備えている。
基部414aには、図示しないベアリングを介して、ホイール軸22が挿通されている。これにより、上側部材414は、ホイール20aと接続されている。
駆動装置412は、基部411aの鉛直方向下方側(−Z側)の端部に設けられている。駆動装置412は、第1実施形態における駆動装置12と同様である。
突出部411bは、上側部材414の鉛直方向上方側(+Z側)の端部から、車両本体部2側(−X側)に突出して設けられている。突出部414bの突出する側の先端には、後述するコイルオーバー443のショックアブソーバー部445が接続されている。
下側部材411は、図9において示した上側部材114と同様の構成である。
下側部材411は、駆動装置412の出力軸(舵角回転軸)413を介して、上側部材414と接続されている。下側部材411には、ロアアーム242が車両1の長さ方向(Y軸方向)に回転可能に接続されている。
サスペンション440aは、コイルオーバー443と、ロアアーム242と、を備えている。サスペンション440aは、ストラット式サスペンションである。
コイルオーバー443は、ショックアブソーバー部445と、スプリング部444と、ブッシュ部446と、を備えている。コイルオーバー443は、上側部材414を車両本体部2(フロントサスペンションメンバ31)に接続するアームとしても機能する。
ショックアブソーバー部445は、上述したように舵角制御装置410aの上側部材414と接続されている。
スプリング部444は、ショックアブソーバー部445の上側部材414と接続されている側とは逆側に設けられている。図14においては、スプリングの図示を省略している。
ブッシュ部446は、スプリング部444のショックアブソーバー部445が設けられている側と逆側に設けられている。
ブッシュ部446は、車両本体部2と、例えば、図示しないベアリングを介して接続されている。
本実施形態においては、コイルオーバー443と車両本体部2との接続点と、駆動装置412と下側部材411との接続点と、を結んだ線が舵角回転軸となる。駆動装置412の出力軸413は、舵角回転軸上に設けられている。
駆動装置412によって舵角制御装置410aに駆動力が与えられると、下側部材411が反力を受け、上側部材414と、上側部材414と接続されているコイルオーバー443及びホイール20aとが、舵角回転軸、すなわち、出力軸413回りに回転し、ホイール20aの実舵角φが変化する。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様にして、バンプステアを抑制できる車両用操舵装置が得られる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
また、上記説明した実施形態においては、ロアアーム242の回転軸部242cが、舵角回転軸(出力軸413)とオフセットして設けられた構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、回転軸部242cが、舵角回転軸上に設けられるような構成としてもよい。
また、本実施形態においては、図15に示すような構成を採用してもよい。
図15は、本実施形態の他の構成の一例を示す斜視図である。
舵角制御装置510aは、図15に示すように、ホイール接続部材(第1部材)511と、アーム接続部材(第2部材)514と、駆動装置512と、を備えている。
ホイール接続部材511には、ホイール20aのホイール軸22が、図示しないベアリングを介して、挿通されている。これにより、ホイール接続部材511は、ホイール20aと、ホイール軸22回りに回転可能に接続されている。
アーム接続部材514は、基部514aと、延出部514bと、延出部514cと、を備えている。
基部514aの形状は、板状である。基部514aの鉛直方向上方側(+Z側)の端部には、コイルオーバー443が接続部材516を介して接続されている。基部514aの鉛直方向下方側(−Z側)の端部には、ロアアーム242が車両1の長さ方向(Y軸方向)に回転可能に接続されている。
延出部514bは、基部514aの鉛直方向上方側(+Z側)からホイール接続部材511側(+X側)に延出して設けられている。延出部514b鉛直方向上方側(+Z側)には、駆動装置512が設けられている。
延出部514cは、基部514aの鉛直方向下方側(−Z側)からホイール接続部材511側(+X側)に延出して設けられている。延出部514bと延出部514cとは、ホイール接続部材511を鉛直方向(Z軸方向)に挟持している。
アーム接続部材514と、ホイール接続部材511とは、駆動装置512の出力軸513回りに回転可能に設けられている。
コイルオーバー443と舵角制御装置510aとの接続箇所(接続部材516)と、ロアアーム242と舵角制御装置510aとの接続箇所(回転軸部242c)とは、出力軸513に対して、車両1の幅方向(X軸方向)にオフセットした位置に設けられている。
この構成においては、図11において示した、第1実施形態における他の構成例と同様に、駆動装置512のアクチュエータが駆動すると、ホイール接続部材511におけるアーム接続部材514に対する出力軸513回りの相対角度が変化し、結果としてホイール20aの実舵角φを制御することができる。
1,100…車両、2…車両本体部(車両本体)、3,4…車両用操舵装置、10a,10b,110a,210a,310a,410a,510a…舵角制御装置、11,311…下側部材(第1部材)、12,212,412,512…駆動装置、13,213,413,513…出力軸(舵角回転軸)、14,114…上側部材(第2部材)、20a,20b,20c,20d…ホイール(操舵輪)、41,141…アッパーアーム(アーム)、42,242,342…ロアアーム(アーム)、60…制御装置、71…回転軸、211,511…ホイール接続部材(第1部材)、214,514…アーム接続部材(第2部材)、411…下側部材(第2部材)、414…上側部材(第1部材)

Claims (9)

  1. 左右対の操舵輪の実舵角を左右独立に調節可能な舵角制御装置を備える車両用操舵装置であって、
    前記舵角制御装置は、バネ下に設けられることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記舵角制御装置は、
    前記操舵輪に、前記操舵輪の軸回りに回転可能に設けられた第1部材と、
    前記操舵輪の軸方向と交差する舵角回転軸を介して前記第1部材と接続された第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との前記舵角回転軸回りの相対角度を変化させる駆動装置と、
    を備える、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記舵角回転軸と前記操舵輪の軸とは、車両を正面視した際に直交する、請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記第1部材及び前記第2部材は、アームを介して車両本体に対して鉛直方向に移動可能に接続されている、請求項2または3に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記駆動装置は、前記アームに設けられている、請求項4に記載の車両用操舵装置。
  6. 前記アームと前記第2部材との接続箇所は、前記舵角回転軸に対してオフセットした位置に設けられている、請求項4または5に記載の車両用操舵装置。
  7. 前記駆動装置は、前記操舵輪の駆動軸よりも鉛直方向上方側に設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
  8. 前記舵角制御装置は、前記操舵輪の内部に収容されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用操舵装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用操舵装置を備えることを特徴とする車両。
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