JP2015177881A - 眼科撮影装置及び撮影方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一方の眼に対して複数回撮影を行い、左右眼の撮影を行う撮影シーケンスのトータル時間を短縮することが可能な眼科撮影装置を提供する。
【解決手段】 左右の被検眼を撮影する複数の撮影シーケンスを記憶する撮影シーケンス記憶手段と、を有する眼科撮影装置に対し、撮影後に被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を取得する散瞳時間取得手段と、散瞳時間取得手段により取得された時間に応じて、記憶された撮影シーケンスから実行する撮影シーケンスを選択する撮影シーケンスの選択手段と、を眼科撮影装置に配する。
【選択図】 図6
【解決手段】 左右の被検眼を撮影する複数の撮影シーケンスを記憶する撮影シーケンス記憶手段と、を有する眼科撮影装置に対し、撮影後に被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を取得する散瞳時間取得手段と、散瞳時間取得手段により取得された時間に応じて、記憶された撮影シーケンスから実行する撮影シーケンスを選択する撮影シーケンスの選択手段と、を眼科撮影装置に配する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、集団健診や眼科医院等で使用される眼底カメラ等の眼科撮影装置或いは被検眼の撮影方法に関するものである。
従来から、集団健診によるスクリーニングや眼科疾患の診断を目的として、眼底カメラによる眼底撮影が広く普及している。そして、眼底撮影では、散瞳剤等を用いて被検眼の瞳孔を散瞳させて撮影を行う場合と、散瞳剤等を用いず、自然散瞳による撮影を行う場合がある。
また、眼底カメラによる撮影種類には、最も一般的なカラー撮影、眼底の自発蛍光を撮影する自発蛍光撮影(以下、FAF撮影)、視差を持たせて撮影することで眼底を立体的に得ることができるステレオ撮影、虹彩や瞳孔などの前眼部を撮影する前眼部撮影、眼底の様々なアングルの画像を撮影するパノラマ撮影などがある。
例えば、総合病院などで行われる健康診断では、眼底の複数部位のカラー画像の撮影や、緑内障診断等に有効なステレオ撮影を行う。さらに、眼科医院における眼底撮影では、カラー撮影に加えて、FAF撮影を行うことで、被検眼に対して多角的に診断をすることがある。
ただし、眼底カメラによる複数の撮影を行う場合、撮影手順が複雑になる。その結果、操作者がどのような眼底撮影を行えばよいか分からなくなる、診断に必要な眼底画像を撮影し忘れてしまう、等が生ずる可能性がある。
特許文献1には、このような状況に鑑みた技術が開示されている。具体的には、撮影手順である撮影シーケンスを登録し且つこれを表示することで、操作者が撮影時に、どのような眼底撮影を行わなければならないかを容易に知ることとしている。
一方、近年では、操作者の代わりに被検眼の位置合わせ(アライメント)や合焦(フォーカス)を自動的に行う自動(オート)機能を備えた眼科撮影装置が普及してきている。そして、このオート機能の進化により、操作者が行っていた操作を全自動(フルオート)で行う眼科撮影装置もある。このようなフルオートの眼科撮影装置に対して、特許文献1に開示される撮影シーケンスの登録及び表示を組み合わせて多角的診断の容易化を図ることも考えられる。
ここで、例えば一方の被検眼に対して複数回撮影を行う場合、撮影光の照射に伴う被検眼の縮瞳が生じた後には、再度の撮影が可能となるまでの被検眼の散瞳を待つ必要がある。しかしながら、特許文献1に開示される技術においてはこの様な課題に対しての考察は為されていない。また、単純にフルオートの撮影を行う眼科装置に特許文献1に示す撮影シーケンスを加味しても、この散瞳のための待機時間による測定時間の延長化への対処については考慮されない。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであって、撮影シーケンスを実行する際のトータル時間を短縮し、操作者による操作の煩雑さを無くして、操作者にとっては使い勝手が良く撮影効率の良い眼科撮影装置或いは撮影方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る眼科撮影装置は、
左右の被検眼を撮影する撮影シーケンスを複数記憶する撮影シーケンス記憶手段と、
撮影後に被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を取得する散瞳時間取得手段と、
前記散瞳時間取得手段により取得された前記時間に応じて、記憶された複数の撮影シーケンスから実行する撮影シーケンスを選択する撮影シーケンス選択手段と、を有することを特徴とする。
左右の被検眼を撮影する撮影シーケンスを複数記憶する撮影シーケンス記憶手段と、
撮影後に被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を取得する散瞳時間取得手段と、
前記散瞳時間取得手段により取得された前記時間に応じて、記憶された複数の撮影シーケンスから実行する撮影シーケンスを選択する撮影シーケンス選択手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、撮影シーケンスの実行に要するトータル時間が短くなり、操作者による操作の煩雑さも抑制される。従って、操作者にとっては使い勝手が良く撮影効率の良い眼科撮影装置及び撮影方法の提供が可能となる。更に、当該装置は被検者にとっても短い時間で撮影が終了することで、負荷の小さい装置となっている。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は眼科撮影装置である本実施形態の眼底カメラの構成図を示している。眼底カメラCは、基台C1、撮影部C2、及びジョイスティックC3を有する。撮影部C2は、基台C1に対して左右方向(X方向)及び前後(作動距離、Z方向)及び上下(Y方向)に移動可能な光学系が収納される。
図1は眼科撮影装置である本実施形態の眼底カメラの構成図を示している。眼底カメラCは、基台C1、撮影部C2、及びジョイスティックC3を有する。撮影部C2は、基台C1に対して左右方向(X方向)及び前後(作動距離、Z方向)及び上下(Y方向)に移動可能な光学系が収納される。
より詳細には、撮影部C2は、基台C1に設けられたパルスモータ等からなる駆動部によって、被検眼Eに対し三次元(XYZ)方向に移動されるようになっている。また、ジョイスティックC3の操作によって、撮影部C2をXYZ方向に移動可能となっている。
次に、眼底カメラCの撮影部C2に構成されている光学系について、図2を用いて説明する。当該光学系は、被検眼を観察・撮像する撮影光学系に対応する。
次に、眼底カメラCの撮影部C2に構成されている光学系について、図2を用いて説明する。当該光学系は、被検眼を観察・撮像する撮影光学系に対応する。
光軸L1上には、ハロゲンランプ等の定常光を発する観察用光源1、コンデンサレンズ2、赤外光を透過し可視光を遮断するフィルタ3、ストロボ等の撮影用光源4、レンズ5、及びミラー6が、観察用光源1よりこの記載順に配置される。ミラー6の反射方向の光軸L2上には、リング状開口を有するリング絞り7、リレーレンズ8、及び中央部開口を有する穴あきミラー9がこの記載順で順次に配列されている。
また、穴あきミラー9の反射方向の光軸L3上には、ダイクロイックミラー24と、被検眼Eに対向して対物レンズ10が配置されており、ダイクロイックミラー24は光軸L3に対して挿脱可能となっている。穴あきミラー9の穴部には撮影絞り11が配置される。更にその後方には、光軸L3上を移動することによりピントを調整するフォーカスレンズ12、撮影レンズ13、及びハーフミラー100が順次配列されている。ハーフミラー100の透過方向には、動画観察と静止画撮影を兼ねた撮像素子14が配列され、ハーフミラー100の反射方向である光軸L4の先には内部固視灯101が配列されている。
なお、撮像素子14の出力は画像処理部17に接続され、画像処理部17の出力はシステム制御部18に接続されている。システム制御部18は後述するフォーカスレンズ12等の駆動可能な光学系の駆動、撮影部C2の基台C1に対する駆動等のために各々の駆動系を制御する。画像処理部17はモニタ15に接続されており、撮像素子14に撮像される観察像を該モニタ15に映出させる。また、システム制御部18は、後述する操作入力部21にも接続される。該操作入力部21を介して、操作者は撮影開始の操作、撮影シーケンスの選択の操作等を行う。
ここで、当該眼底カメラCにおける位置合わせ(アライメント)と合焦(フォーカス)に供せられる光学系の構成について説明する。
まず、アライメントのための前眼部観察光学系の構成について説明する。
ダイクロイックミラー24の反射方向の光軸L5上には、レンズ61、絞り62、プリズム63、レンズ64、及び赤外域の感度を持つ二次元撮像素子65が配置される。これら光学素子によって、前眼部の観察を行うための前眼部観察光学系を形成している。当該前眼部観察光学系において、プリズム63に入射した光は、該プリズム63の上半分と下半分で相反する左右方向に屈折して分離される。このため、レンズ61による結像位置は、被検眼Eと撮影部C2との距離が適正作動距離よりも長い場合はプリズム63よりもレンズ61に近い側に結像し、観察像の上半分は右側に下半分は左側にずれて撮像される。これらの前眼部観察光学系によって、可視光を遮断するフィルタ3を透過する波長とは異なる赤外域の前眼部観察用光源105により照明された被検眼Eの前眼部を観察し、被検眼Eの前眼部とのアライメント状態の検出が可能になっている。
ダイクロイックミラー24の反射方向の光軸L5上には、レンズ61、絞り62、プリズム63、レンズ64、及び赤外域の感度を持つ二次元撮像素子65が配置される。これら光学素子によって、前眼部の観察を行うための前眼部観察光学系を形成している。当該前眼部観察光学系において、プリズム63に入射した光は、該プリズム63の上半分と下半分で相反する左右方向に屈折して分離される。このため、レンズ61による結像位置は、被検眼Eと撮影部C2との距離が適正作動距離よりも長い場合はプリズム63よりもレンズ61に近い側に結像し、観察像の上半分は右側に下半分は左側にずれて撮像される。これらの前眼部観察光学系によって、可視光を遮断するフィルタ3を透過する波長とは異なる赤外域の前眼部観察用光源105により照明された被検眼Eの前眼部を観察し、被検眼Eの前眼部とのアライメント状態の検出が可能になっている。
次に、アライメント用指標投影光学系の構成について説明する。
穴あきミラー9の前面にLED光源103aからの光束を導くライトガイド104aの出射端が配置され、この出射端はアライメント指標P1とされている。アライメント指標P1は光軸L3から外れて配置されている。また、光軸L3の周りのアライメント指標P1と対称位置に、LED光源103aと同様の波長を持つLED光源103bからの光束を導くライトガイド104bの出射端が配置されている。この出射端はアライメント指標P2とされている。これら構成は、アライメント用指標投影光学系を構成している。そして、被検眼Eと撮影部C2との作動距離が適正な場合には、ライトガイド104aとライトガイド104bの出射端からの光は、被検眼Eの角膜面で反射される。反射された指標光束は平行光となり、照明光束の眼底反射光束と同じ光路を通って撮像素子14の撮像面上に結像する。以上説明したアライメント用指標投影光学系によって、アライメント用指標の位置関係を検出し、被検眼Eの眼底Erと眼底カメラCにおける光学系とのアライメント状態が検出可能となっている。
穴あきミラー9の前面にLED光源103aからの光束を導くライトガイド104aの出射端が配置され、この出射端はアライメント指標P1とされている。アライメント指標P1は光軸L3から外れて配置されている。また、光軸L3の周りのアライメント指標P1と対称位置に、LED光源103aと同様の波長を持つLED光源103bからの光束を導くライトガイド104bの出射端が配置されている。この出射端はアライメント指標P2とされている。これら構成は、アライメント用指標投影光学系を構成している。そして、被検眼Eと撮影部C2との作動距離が適正な場合には、ライトガイド104aとライトガイド104bの出射端からの光は、被検眼Eの角膜面で反射される。反射された指標光束は平行光となり、照明光束の眼底反射光束と同じ光路を通って撮像素子14の撮像面上に結像する。以上説明したアライメント用指標投影光学系によって、アライメント用指標の位置関係を検出し、被検眼Eの眼底Erと眼底カメラCにおける光学系とのアライメント状態が検出可能となっている。
最後に、フォーカス光学系の構成について説明する。
光軸L2上のリング絞り7とリレーレンズ8の間には、フォーカス指標投影部22が配置されている。このフォーカス指標投影部22は、被検眼Eの瞳Ep上に、分割されたスプリット指標を投影するためのものである。そして、フォーカス指標投影部22とフォーカスレンズ12とは、システム制御部18からの制御に基づいて、それぞれ光軸L2及び光軸L3方向に連動して移動するようになっている。このとき、フォーカス指標投影部22と、撮像素子14とが光学的に共役関係になっている。これらのフォーカス光学系によって、被検眼Eの眼底Erのフォーカス状態が検出可能となっている。
光軸L2上のリング絞り7とリレーレンズ8の間には、フォーカス指標投影部22が配置されている。このフォーカス指標投影部22は、被検眼Eの瞳Ep上に、分割されたスプリット指標を投影するためのものである。そして、フォーカス指標投影部22とフォーカスレンズ12とは、システム制御部18からの制御に基づいて、それぞれ光軸L2及び光軸L3方向に連動して移動するようになっている。このとき、フォーカス指標投影部22と、撮像素子14とが光学的に共役関係になっている。これらのフォーカス光学系によって、被検眼Eの眼底Erのフォーカス状態が検出可能となっている。
以上、位置合わせ(アライメント)と合焦(フォーカス)の光学系の構成について説明したが、次に、その動作について、図3と図4を用いてより詳細に説明する。
図3は、図2で説明した前眼部観察光学系の二次元撮像素子65上の観察像を示している。図2中の前眼部観察用光源105により照明された被検眼Eの前眼部は、プリズム63により上下に分割され、二次元撮像素子65上で図3(a)に示すように観察されている。瞳孔以外の部分は前眼部観察用光源105の反射光が多く反射して入ってくるために白く映り、一方で瞳孔は反射光が入らないので黒く映る。従って、このコントラスト差から瞳孔部Pを抽出可能となっていて、瞳孔位置を決定することができる。図3(a)では、上下に分割された瞳孔部Pのうち、下部の瞳孔部Pから、瞳孔中心POを検出している。こうして検出した瞳孔中心POが、図3(b)に示している二次元撮像素子65の画像中心Oに位置するように、基台C1に設けられた駆動部を動かすことで、被検眼Eの前眼部と撮影部C2とのアライメントを自動的に行うことが可能となっている。
次に、図4は、図2で説明した動画観察と静止画撮影を兼ねた撮像素子14上の観察像を示している。アライメント指標P1およびP2は、アライメント用指標投影光学系で説明したLED光源103aおよびLED光源103bによる輝点である。ガイド枠A1とガイド枠A2とは、それぞれアライメント指標P1およびP2の合わせ位置を示している。また、スプリット指標22a及び22bは、フォーカス光学系のフォーカス指標投影部22によって被検眼Eの瞳上で分割された指標を示している。
図3(b)の状態となるように、被検眼Eの前眼部に対して自動的に撮影部C2のアライメントを行うと、アライメント指標P1及びP2は、ガイド枠A1とガイド枠A2の近傍に現れ、図4(a)に示す観察画像となる。ここで、アライメント指標P1およびP2は、観察用光源1によって照明された被検眼Eの眼底Erからの反射光に比べて高輝度となる。このため、撮像素子14上の観察像を二値化する等の画像処理を行うことで、容易に検出可能となっている。そして、アライメント指標P1及びP2が、図4(b)の状態のようにガイド枠A1とガイド枠A2と各々に入るように基台C1に設けられた駆動部を動かす。これにより、被検眼Eの眼底Erと撮影部C2とのアライメントを自動的に行うことが可能である。以上に述べた被検眼Eと撮影光学系とのアライメントを行うための構成は、アライメント手段を構築する。
また、前述したように、フォーカス指標投影部22とフォーカスレンズ12とは、システム制御部18からの制御に基づいて、光軸L2、光軸L3方向に連動して移動し、撮像素子14がフォーカス指標投影部22と光学的に共役関係となっている。そのため、フォーカス指標投影部22を光軸L2方向に移動させることで、スプリット指標22aと22bとが撮像素子14上の観察像で移動するとともに、フォーカスレンズ12が光軸L3方向に連動して移動する。つまり、このスプリット指標22aと22bとを、撮像素子14上で図4(a)の状態から図4(b)の状態(一直線)になるように制御する。この制御により、被検眼Eの眼底Erに対するフォーカスを自動的に行うことが可能である。以上に述べた被検眼に対する撮影光学系の合焦状態を得るための構成は、合焦手段を構築する。
なお、本発明においては、後述するように撮影及び観察対象となる被検眼が右眼であるか左眼であるかを予め判別しておくことを要する。判別方法としては、例えば観察されている被検眼の画像から判別することとしても良く、或いは予め何れの眼より検査を開始するかを操作者が入力し、該入力により判別することとしても良い。以上の構成は、本実施形態において、システム制御部18に配置される被検眼の左右を判別する左右眼検知手段を構築する。
以上説明したように、本実施形態による眼底カメラは、アライメントとフォーカスの動作により、位置合わせから合焦までの動作をすべて自動的に実行可能となっている。また、位置合わせ動作と合焦動作が終了したことを検出して、撮影動作を実行することが可能なことは言うまでもない。つまり、操作者は、操作入力部21中の不図示の撮影開始スイッチを押すことにより、眼底カメラCによる自動撮影を行うことが可能である。さらに、左右方向(X方向)への移動が可能となっているため、撮影対象の眼を自動的に切替えることも可能である。このような構成によって、本実施形態は、撮影眼へのアライメント動作とフォーカス動作を自動的に行い、撮影までの動作を自動的に実行可能な眼科撮影装置として説明する。
ここで、眼科撮影装置によるステレオ撮影は、1回の撮影で同時に左右の立体画像を得る同時立体撮影方法と、通常の撮影を左右にずらして2度撮影することにより左右の立体像を得る撮影方法とが知られている。本実施形態では、通常の撮影を左右にずらして2度撮影する方法を用いた場合について説明する。なお、当該撮影方法では、左(右)眼の撮影をすべて終了後に右(左)眼を撮影する方法、或いは左右眼を交互に撮影することによって、被検眼の眼底の複数部位を撮影する方法、が知られている。本実施形態中では、左右にずらした2度の撮影を、右側撮影および左側撮影として説明する。
更に、撮影シーケンスを自動的に実行するフルオートの眼科撮影装置として、被検眼の散瞳剤点眼の有無によって、撮影シーケンスを切り替える方法が考えられる。具体的には、散瞳剤が点眼されている場合、一方の眼の撮影をすべて終了した後、他方の眼の撮影をすべて実行する撮影シーケンスとし、散瞳剤が点眼されていない場合、1回目の撮影終了後、他方の眼の1回目の撮影を行うというように、左右交互に撮影を行う撮影シーケンスが考えられる。このように、被検眼の散瞳剤点眼の有無によって、撮影シーケンスを切り替えることで、撮影シーケンスのトータル時間の短縮が可能となる。しかしながら、本実施形態では、散瞳剤等を用いず、自然散瞳による撮影を行う無散瞳型の眼底カメラを例示することとし、集団健診等の用途で散瞳剤を左右眼ともに点眼せずに撮影を行う場合に限定して説明する。つまり、本実施形態では、撮影後に被検眼は縮瞳するため、被検眼が再び散瞳状態に戻るための時間を待って、次の撮影が可能になることを前提としている。
まず、同一の被検眼に対する両眼のステレオ撮影を行う際の基本的な撮影シーケンスを、図6(a)のフローチャートを用いて説明する。
最初に、ステップ600にて右眼の右側撮影を行い、ステップ601にて右眼が撮影可能な散瞳状態になるまで待機し、ステップ602にて右眼の左側撮影を行う。次に、ステップ603にて左眼に移動し、ステップ604にて左眼の右側撮影を行い、ステップ605にてステップ601同様に、左眼が撮影可能な散瞳状態になるまでに待機し、ステップ606にて左眼の左側撮影を行う。以上説明した撮影シーケンスでは、右眼を優先して撮影しているが、左眼から撮影する場合もあり、同様に撮影可能な散瞳状態になるまで待機することが必要となることは言うまでもない。
このように、基本的な両眼ステレオ撮影シーケンスでは、一方の眼(図6(a)では右眼)の2回のステレオ撮影を終了した後、他方の眼(図6(a)では左眼)の2回のステレオ撮影を行っている。そして、本実施形態では、散瞳剤を点眼せずに撮影を行っているので、ステップ600やステップ604の撮影の後、被検者の瞳孔が縮瞳する。そのため、ステップ601やステップ605のように、被検者の瞳孔が散瞳するまでの時間Ta0の間、待機しなければならない。よって、図6(a)のフローチャートに示す撮影シーケンスでは、被検者の瞳孔が散瞳するまでの時間Ta0の間、撮影シーケンスが中断していた。
そこで、本実施形態では、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618とに沿った撮影シーケンスによって、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮することとしている。このステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスは、被検者の瞳孔が散瞳するまでの時間Ta0の間に左右眼の切換えを行うことで、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮している。その詳細を以下に詳しく説明する。
まず、ステップ610にて右眼の右側撮影を行い、ステップ613にて右眼から左眼への切替えを行う。続いて、ステップ610での右眼の右側撮影終了後の時刻T1から時間Ta1の経過後、ステップ614にて左眼の右側撮影を行う。次に、ステップ614での左眼の右側撮影終了後から時間Ta1の経過後、ステップ615にて左眼から右眼への切替えを行い、ステップ616にて右眼の左側撮影を行う。最後に、ステップ616にて右眼の左側撮影終了後、ステップ617にて右眼から左眼への切替えを行い、ステップ618にて左眼の左側撮影を行う。
次に、この撮影シーケンスを実行することで、撮影シーケンス全体に要する時間が短縮可能である理由について図7を用いて説明する。
図7は、散瞳剤を点眼していない場合の被検眼に対して、光Lgtを右眼に照射した場合の両眼の瞳孔径の変化の様子を示している。同図中、RPuは右眼の瞳孔径を示し、LPuは左眼の瞳孔径を示しており、光Lgtは、時刻Tstから時刻T1の間、右眼に照射されている。時刻TLは、光Lgtの照射後、左眼の瞳孔径LPuが光Lgtの照射前の瞳孔径に戻った時刻を示している。また、時刻TRは、光Lgtの照射後、右眼の瞳孔径RPuが光Lgtの照射前の瞳孔径に戻った時刻を示している。同図によれば、撮影後の被検者の瞳孔が散瞳するまでの時間は、撮影した眼に比べて撮影しなかった眼のほうが、瞳孔が散瞳するまでの時間が短いことを示している。
本形態では、このように、撮影しなかった眼のほうが、瞳孔が散瞳する時間が短いことを利用している。これにより、図6(a)のフローチャートに示す撮影シーケンスよりも、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンスのほうがシーケンスの実行に要する時間を短縮できている。より詳細には、当該実施形態中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスの実行により、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できる。
さらに詳しく説明すると、図7の時刻T1から時刻TRまでの時間が、図6で説明した時間Ta0に相当し、時刻T1から時刻TLまでの時間が、図6の時間Ta1に相当している。つまり、時間Ta1<時間Ta0となっているため、図6のステップ600とステップ610に示す右眼の右側撮影後、図6のステップ601に示す右眼の左側撮影よりも、ステップ614に示す左眼の右側撮影のほうが、先に撮影可能となっていることがわかる。そのため、時間Ta1の間に、ステップ613に示す右眼から左眼への切り替えを行うことで、撮影シーケンスに要する時間を、時間Ta0から時間Ta1を差し引いた時間(時間Ta0−時間Ta1)だけ短縮できる。これと同様に、図6(a)のステップ604に示す左眼の右側撮影から、ステップ606に示す左眼の左側撮影の間に要する時間Ta1に対して、ステップ617に示す右眼から左眼への切り替えを行うことで、時間Ta0から時間Ta1を差し引いた時間(時間Ta0−時間Ta1)だけ短縮できる。
つまり、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスは、図6(a)のフローチャートに示す撮影シーケンスに対して、(時間Ta0−時間Ta1)×2に相当する時間分、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できる。
なお、以上の説明において、ステップ610での右眼の右側撮影終了後の時刻T1からのフローについて述べている。しかし、実際には、図6(b)に示すように、ステップ610〜ステップ612にかけて時刻T0からT1の時間が経過している。これらの動作は、ソフトウェアのプログラムやハードウェアの回路によって瞬時に実行されるため、極めて短い時間(数ミリ秒)となっているので、撮影シーケンス全体の時間には影響がない。また、例えば撮影光量選択ボタン21a、bにより予め撮影光量を定める等の操作を行うことで、ステップ610の動作とステップ611及び612の動作とを同時に実行することも可能である。よって、以上のフローは時刻T0から実行されることと捉えることも可能である。
以上、撮影シーケンスの時間が短縮可能である理由について説明した。
ここで、健康診断等で使用される健常眼においては、図6で説明した時間Ta0であるとともに図7の時刻T1から時刻TRまでの時間は、20秒から30秒程度となる。また、時間Ta1に相当する図7の時刻T1から時刻TLまでの時間は、10秒から15秒程度が目安になる。
ここで、健康診断等で使用される健常眼においては、図6で説明した時間Ta0であるとともに図7の時刻T1から時刻TRまでの時間は、20秒から30秒程度となる。また、時間Ta1に相当する図7の時刻T1から時刻TLまでの時間は、10秒から15秒程度が目安になる。
図1から図4を用いて説明したように、本実施形態では、位置合わせから合焦までの動作をすべて自動的に実行可能な眼底カメラを用いている。当該眼底カメラにおいては、図6(b)のステップ617に示す右眼から左眼への切り替えに要する時間を、10秒程度となるように構成としているその結果、図6(a)のフローチャートに示す撮影シーケンスを行うことで、少なくとも(20-15)×2=10秒の撮影シーケンス実行時間の短縮が可能である。なお、被検者一人あたりに対しては10秒程度の短縮効果となっているが、特に健康診断等で使用される場合になると、たとえば被検者数が100人では1000秒(17分程度)の時間短縮になるため、その効果は大きい。
また、この右眼から左眼への切り替え時間は、左眼から右眼への切り替え時間も同様の時間であり、より高速なモーター等を使用することにより、10秒以下とすることも可能であることは言うまでもない。さらに、眼底カメラ側で自動的に撮影されるため、操作者の負荷は極めて少なく、操作の煩雑さは解消されている。
しかし、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスを用いるだけでは、すべての撮影で撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できるわけではない。
その詳細について、図8を用いて説明する。
その詳細について、図8を用いて説明する。
図8は、図7と同様に、散瞳剤を点眼していない場合の被検眼に対して、照明時間及び輝度の少なくともいずれかの異なる光Lgtおよび光Lgt′を右眼に照射した場合の両眼の瞳孔径の変化の様子を示している。図8中の図7と同じ記号は図7同様のものを示しており、光Lgt′が時刻Tstから時刻T1′の間、右眼に照射されたときの右眼の瞳孔径をRPu′で示してある。このように、光Lgtおよび光Lgt′によって、右眼の瞳孔径をRPuと右眼の瞳孔径をRPu′が、光Lgtおよび光Lgt′の照射前の瞳孔径に戻った時刻である時刻TRと時刻TR′は異なる。本実施形態では、図8のように、光Lgt′は光Lgtに比べて、照射時間と輝度がほぼ半分になっているため、照射光量では1/4になっていることがわかる。
以上説明したように、照射光量の大小によって、照射前の瞳孔径に戻るために要する時間が異なる。つまり、光Lgtの照射後に照射前の右眼の瞳孔径に戻った時刻TRよりも、光Lgt′の照射後に照射前の右眼の瞳孔径に戻った時刻T′Rのほうが早くなる。さらに、図8に示したように、光Lgtを照射されていない左眼が照射前の左眼の瞳孔径に戻る時刻TLよりも、時刻TR′のほうが早い。この場合、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスをだけでは、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できない。
よりわかりやすくするために、図6(b)のフローチャートを用いて説明する。
図8の時刻T1から時刻T′Rまでの時間が、図6で示した時間Ta2に相当し、図8の時刻T1から時刻TLまでの時間が、図6の時間Ta1に相当している。つまり、時間Ta2<時間Ta1となっている。従って、図6のステップ610に示す右眼の右側撮影後、図6のステップ614に示す左眼の右側撮影よりも、ステップ620に示す右眼の左側撮影のほうが、先に撮影可能となっていることがわかる。この照明条件の場合、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスを用いるだけでは、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できない。
図8の時刻T1から時刻T′Rまでの時間が、図6で示した時間Ta2に相当し、図8の時刻T1から時刻TLまでの時間が、図6の時間Ta1に相当している。つまり、時間Ta2<時間Ta1となっている。従って、図6のステップ610に示す右眼の右側撮影後、図6のステップ614に示す左眼の右側撮影よりも、ステップ620に示す右眼の左側撮影のほうが、先に撮影可能となっていることがわかる。この照明条件の場合、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスを用いるだけでは、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できない。
そこで、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンス中のステップ610とステップ613からステップ618に沿った撮影シーケンスにおける対応方法について説明する。いうまでもないが、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンスが、本実施形態の特徴的な動作になっている。
まず、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンスを実現するための、本実施形態における特徴的な構成について、図5を用いて説明する。
まず、図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンスを実現するための、本実施形態における特徴的な構成について、図5を用いて説明する。
システム制御部18の中には、撮影後に被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を算出する散瞳時間算出手段500と、一時的に記録可能なメモリ等に撮影シーケンス記憶部501が構成され、互いに接続されている。該撮影シーケンス記憶部501は本実施形態での撮影シーケンス記憶手段に対応し、左右の被検眼を各々複数の種類撮影する撮影シーケンスを記憶する。また、操作入力部21からの入力は、散瞳時間算出手段500と接続されており、散瞳時間算出手段500による散瞳時間の算出に利用される。本実施形態では、操作入力部21の実施形態として図5に示すように、撮影光量選択ボタン21a、21bが構成されている。よって、操作者が撮影光量の大、小の選択を撮影光量選択ボタン21a、21bを用いて選択することが可能となっている。
上記、図5を用いて説明した構成によって、特徴的な動作である図6(b)のフローチャートに示す撮影シーケンスが可能となっている。
今度は、図6(b)のフローチャートを用いて、上述してきた同一の被検眼に対して両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、その特徴的な撮影シーケンスについて説明する。
今度は、図6(b)のフローチャートを用いて、上述してきた同一の被検眼に対して両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、その特徴的な撮影シーケンスについて説明する。
まず、ステップ610にて右眼の右側撮影を行う。次に、1つ目に特徴的な動作であるステップ611にて散瞳時間を算出する。この散瞳時間算出の動作は、図5の散瞳時間算出手段500にて実施され、操作入力部21からの入力に応じて算出されるようになっている。具体的には、操作入力部21の撮影光量選択ボタン21bが選択された場合、図8に示す光Lgt′が時刻Tstから時刻T1′の間照射される。この場合、右眼の瞳孔径はRPu′となり、散瞳時間算出手段500で算出される散瞳時間は、時刻T1′から時刻T′Rまでの時間となる。一方、操作入力部21の撮影光量選択ボタン21aが選択された場合、図8に示す光Lgtが時刻Tstから時刻T1の間照射される。この場合、右眼の瞳孔径はRPuとなり、散瞳時間算出手段500で算出される散瞳時間は、時刻T1から時刻TRまでの時間となる。このとき、時刻T1′から時刻T′Rまでの時間は、図6(b)において時間Ta2であり、同様に、時刻T1から時刻TRまでの時間は、図6(b)において時間Ta0となる。従って、時間Ta2<時間Ta0の関係となることがわかる。ここで、時刻T1と時刻T1′は、ストロボ等の撮影用光源4によって照射されるため、時刻T1から時刻TRまでの時間や、時刻T1′から時刻T′Rまでの時間に比べてごく小さい(およそ数ミリ秒)ので、同時刻と仮定しても問題ない。
さらに、時刻T1から時刻TLまでの時間で示される撮影眼と反対の眼の散瞳時間である時間Ta1は、ステップ613に示す右眼から左眼への切り替えを行うための時間とほぼ等価となっている。つまり、図8に示したように、(時刻T1′から時刻T′Rまでの時間)<(時刻T1から時刻TLまでの時間)<(時刻T1から時刻TRまでの時間)のような関係になる。よって、図6(b)に示すように、時間Ta2<時間Ta1<時間Ta0となり、(撮影光量選択ボタン21b選択時の右眼の散瞳時間)<(右眼から左眼への切り替えを行うための時間)<(撮影光量選択ボタン21a選択時の右眼の散瞳時間)となっていることがわかる。
次に、2つ目に特徴的な動作であるステップ612では、撮影シーケンスを変更するかどうかを判定する。その判定動作について説明する。
前述したように、撮影光量によって、散瞳時間を求めることができるため、撮影光量選択ボタン21b選択時には、右眼の散瞳時間Ta2の方が、右眼から左眼への切り替えを行うための時間Ta1よりも短いため、ステップ619の散瞳待ち動作に進む。一方、撮影光量選択ボタン21a選択時には、右眼から左眼への切り替えを行うための時間の方が、右眼の散瞳時間Ta0よりも短いため、ステップ613の右眼から左眼への切り替え動作に進む。以上が、ステップ612の動作である。すなわち、撮像後に撮像された被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間が右眼から左眼への切り替え時間よりも短い場合には右眼を連続撮像し、撮像後に撮像された被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間が右眼から左眼への切り替え時間よりも長い場合には左眼の撮像ため撮影部C2を移動させる。
該ステップ612における撮影シーケンスの選択は、散瞳時間算出手段500の算出結果に応じて記憶された撮影シーケンスから実行すべき撮影シーケンスを選択する撮影シーケンス選択手段として機能する、システム制御部18中のモジュール領域により実行される。なお、本発明では、撮影シーケンスの選択は、撮影シーケンスに含まれる各工程の実行順序を変更する場合も包含する。また、散瞳時間算出手段500は、右眼の右側測定後、或いは撮影後の瞳孔径を測定し、これに基づいて散瞳時間を求め、撮影光量と散瞳時間との関係を算出している。即ち、本形態では、被検眼に照射される撮影光量に基づいて散瞳時間を算出しているが、散瞳時間の算出態様は本形態に限定されなお。例えば、複数の光量についての散瞳時間を示すテーブルから指定するものであっても良く、実際に光量を測定してこのテーブルを用いる態様としても良い。更には、患者情報が特定される場合には、当該情報を読み出してこれに基づいて散瞳時間を特定しても良い。従って、散瞳時間算出手段500は、散瞳時間等の時間に関するデータを読取等によって取得する態様も包含し、散瞳時間取得手段としても把握可能である。また、撮影シーケンスは複数存在し、撮影シーケンス記憶手段は、複数の種類の撮影を含む撮影シーケンスを記憶している。
上記、特徴的な動作であるステップ611およびステップ612は、図5に示したシステム制御部18の中に構成されている散瞳時間算出手段500と、撮影シーケンス記憶部501を用いて、システム制御部18内部で実行される。また、図6(b)に示すように、ステップ610による右眼の右側撮影終了の時刻T0から、ステップ612の終了後の時刻である時刻T1の間に終了する。そして、これらの動作は、ソフトウェアのプログラムやハードウェアの回路によって瞬時に実行されるため、極めて短い時間(数ミリ秒)となっているので、撮影シーケンス全体の時間には影響がない。
次に、ステップ612によって、ステップ619の散瞳待ち動作に進んだ場合について説明する。
まず、ステップ619では、右眼の散瞳時間Ta2だけ待機する。そして、ステップ620にて右眼の左側撮影を行い、ステップ621にて右眼から左眼への切替えを行い、ステップ622にて左眼の右側撮影を行う。ステップ623では、再び左眼の散瞳時間Ta2だけ待機した後、最後に、ステップ624にて左眼の左側撮影を行う。一方、ステップ613に進んだ場合は、前述しているため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態における特徴的な撮影シーケンスは、操作入力部21からの照射光量の大小の入力に応じて散瞳時間を算出し、算出した散瞳時間に応じて撮影シーケンスを切り替えることである。このような撮影シーケンスを実行することによって、すべての撮影で撮影シーケンス全体に要する時間を短縮可能となっている。なお、以上に述べた、撮像光学系によって左右の被検眼のうち一方の被検眼に照射される光量に基づいて、該一方の被検眼の撮像後に左右眼のうち他方の被検眼を撮像するために撮像光学系を移動させるか否かの決定は、システム制御部18の中において決定手段として機能するモジュール領域により実行される。また、本実施形態に例示されるステレオ撮影の場合においては、ここで例示したように、第1光量で被検眼を撮像する第1撮像モードと、前記第1の光量よりも低い第2光量で被検眼を撮像すう第2撮像モードとを備えることが好ましい。この場合、該決定手段は、一方の被検眼に照射される光量が第1光量の場合、一方の被検眼の撮像後に他方の被検眼を撮像するために撮像光学系を移動させると決定し、一方の被検眼に照射される光量が第2光量の場合他方の被検眼を撮像するために前記撮像光学系を移動させないと決定することとなる。更に、この場合、該決定手段により他方の被検眼を撮像するために撮像光学系を移動させないと決定された場合、撮像光学系は一方の被検眼を続けて撮像することとなる。
次に、その効果について図6(b)を用いて説明する。照射光量が小さい場合、まず、ステップ619の右眼の散瞳待ち動作によって、右眼から左眼への切り替えを行わないため、撮影シーケンスに要する時間を、時間Ta1から時間Ta2を差し引いた時間(時間Ta1−時間Ta2)だけ短縮できる。これと同様に、ステップ623の左眼の散瞳待ち動作によって、右眼から左眼への切り替えを行わないため、撮影シーケンスに要する時間を、時間Ta1から時間Ta2を差し引いた時間(時間Ta1−時間Ta2)だけ短縮できる。
つまり、照射光量が小さい場合は、照射光量が大きい場合の撮影シーケンスに対して、(時間Ta1−時間Ta2)×2に相当する時間分、撮影シーケンス全体に要する時間を短縮できる。
ここで、健康診断等で使用される健常眼においては、前述のとおり、時間Ta1に相当する時刻T1から時刻TLまでの時間は、10秒から15秒程度が目安になる。一方、時間Ta2に相当する時刻T1′から時刻T′Rまでの時間は、照射光量が1/4であれば、前述した時間Ta0に相当する時刻T1から時刻TRまでの時間である20秒から30秒程度に対して、5秒から7秒程度である。つまり、少なくとも(10−7)×2=6秒の短縮が可能である。なお、被検者一人あたり6秒程度の短縮効果となっているが、特に健康診断等で使用される場合等、被検者数が100人の場合では600秒(10分程度)になるため、その効果は大きい。また、右眼と左眼の切り替え動作が、1つの撮影シーケンス中に2回省略できるため、装置の負担軽減の効果もある。
上記説明した、散瞳までの時間である時間Ta1、時間Ta2は、平均的な値をプログラム中に予め記録しておく方法や、設定によって変更可能とする方法が考えられる。
さらに、本実施形態では、両眼の立体像を得るステレオ撮影を行う場合について説明してきた。乳頭部を中心とするカラー撮影と黄斑部を中心とするカラー撮影を2回以上行う場合や、複数のアングルや複数部位を撮影するパノラマ撮影などを両眼に対して行うような場合にも、ステレオ撮影時と同様の構成と動作によって、同様の効果があることは言うまでもない。また、自発蛍光撮影やレッドフリー撮影などの複数の撮影モードで両眼の撮影を行う場合や、一方の眼につき3回以上撮影する場合においても、散瞳時間を算出することで撮影シーケンスの切換えを行うことによって、撮影開始から終了までの時間を短縮することが可能である。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、被検眼の両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、本発明によって撮影シーケンスの時間が短縮可能であることを説明した。そして、散瞳剤等を用いず、自然散瞳による撮影を行う無散瞳型の眼底カメラであり、集団健診等の用途で散瞳剤を左右眼ともに点眼せずに撮影を行う場合に限定した。
第1の実施形態では、被検眼の両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、本発明によって撮影シーケンスの時間が短縮可能であることを説明した。そして、散瞳剤等を用いず、自然散瞳による撮影を行う無散瞳型の眼底カメラであり、集団健診等の用途で散瞳剤を左右眼ともに点眼せずに撮影を行う場合に限定した。
第2の実施形態では、眼科医院等で使用される場合について説明する。眼科医院では、被検者への散瞳剤等の点眼を行う場合と、病眼(たとえば、緑内障では散瞳剤を点眼できない場合がある)等の事情により点眼しない場合がある。そのような用途において用いられる無散瞳型の眼底カメラとして、第1の実施形態と同様に被検眼の両眼のステレオ撮影を行う場合を例に説明する。また、これまで第1の実施形態で説明してきたものと同じ記号は、同一のものを示している。
まず、図9を用いて、第2の実施形態における特徴的な構成の説明を行う。
図9に示すシステム制御部18は、図5同様、システム制御部18の中に、散瞳時間算出手段500と、撮影シーケンス記憶部501を構成している。そして、散瞳時間算出手段500には、前眼部の観察を行うための二次元撮像素子65の出力が接続されており、この二次元撮像素子65の出力を用いて、散瞳時間を算出することが特徴となっている。
図9に示すシステム制御部18は、図5同様、システム制御部18の中に、散瞳時間算出手段500と、撮影シーケンス記憶部501を構成している。そして、散瞳時間算出手段500には、前眼部の観察を行うための二次元撮像素子65の出力が接続されており、この二次元撮像素子65の出力を用いて、散瞳時間を算出することが特徴となっている。
一方、図6(b)による撮影シーケンスのフローチャート上は、すべて第1の実施形態と同じステップを実施しており、第2の実施形態による特徴的な動作は、ステップ611での散瞳時間の算出方法にある。
この特徴的な散瞳時間の算出方法を、図10を用いて説明する。
図10は、二次元撮像素子65の出力を示している。詳細には、図10(a)として、図8で説明した光Lgtを右眼に照射した場合の、図8の時刻T1における右眼の瞳孔の様子を示している。また、図10(b)として、図8で説明した光Lgt′を右眼に照射した場合の、図8の時刻T1における右眼の瞳孔の様子を示している。図10(a)では、右眼の瞳孔径はRPuとなり、図10(b)では、右眼の瞳孔径はRPu′となっており、これは、右眼に照射された光に対する縮瞳状態を示していることがわかる。
図10は、二次元撮像素子65の出力を示している。詳細には、図10(a)として、図8で説明した光Lgtを右眼に照射した場合の、図8の時刻T1における右眼の瞳孔の様子を示している。また、図10(b)として、図8で説明した光Lgt′を右眼に照射した場合の、図8の時刻T1における右眼の瞳孔の様子を示している。図10(a)では、右眼の瞳孔径はRPuとなり、図10(b)では、右眼の瞳孔径はRPu′となっており、これは、右眼に照射された光に対する縮瞳状態を示していることがわかる。
ここで、瞳孔径の算出方法は、例えば、画像全体を2値化し、中心部分の縦の黒い部分の長さを求める方法や、縦中心付近の黒い部分の円の面積から直径を求める方法などにより、容易に算出することができる。
このように、図10(a)の画像から求められた瞳孔径RPuは、図8の光Lgtを右眼に照射した場合と判断でき、同様に、図10(b)の画像から求められた瞳孔径RPu′は、図8の光Lgt′を右眼に照射した場合と判断することができる。つまり、第1の実施形態中の図6(b)を用いて説明したときと同様に、散瞳時間算出手段500において散瞳時間を算出することが可能となる。繰り返しになるが、第1の実施形態では、操作入力部21の撮影光量選択ボタン21a、21bを入力として、散瞳時間を算出しているが、第2の実施形態では、二次元撮像素子65の出力を入力として、散瞳時間を算出していることが、大きく異なる。即ち、本実施形態において、散瞳時間算出手段500は、実行中の撮影シーケンスにおいて取得した被検眼の画像より得られた瞳孔径に基づいて散瞳時間の算出を行っている。
さらに、図3(b)の画像を用いて、撮影前の瞳孔径PLを算出し、記録しておくことにより、図8に示す光による瞳孔径の時間的な変化を、より正確に求めることができる。また、時刻T1における瞳孔径と、時刻T1から所定時間後の瞳孔径を比較し、瞳孔径の時間的な変化を正確に求めることも可能である。さらに、さまざまな被検眼の光による瞳孔径のデータを記録して平均値を求めることで、瞳孔径の時間的な変化を随時変更していく方法も考えられる。
以上が、散瞳剤を使用しないで撮影した場合の説明であるが、第2の実施形態では、時刻T1における瞳孔径を算出する方法であるため、散瞳剤を使用した場合にも、最短の撮影シーケンスが選択されることになる。
それは、図3(b)の画像から得られる撮影前の瞳孔径PLと、時刻T1の画像から求められた瞳孔径が、同一になるためである。つまり、図6(b)のステップ610による右眼の右側撮影後に、散瞳状態となっているので、図6(b)のステップ612では、ステップ619に進む動作が選択されることになる。第1の実施形態では、散瞳剤を点眼しないことが前提であったため、撮影直後の瞳孔の状態を検出する必要がない。しかし、第2の実施形態のように、眼科医院等で使用される、被検者への散瞳剤等の点眼を行う場合と、点眼しない場合が混在する場合には、第2の実施形態による構成と動作が効果的になる。
例えば、被検眼への散瞳剤の点眼の有無によって、撮影シーケンスを切り替えるだけの従来の眼科撮影装置がある。当該装置による検査で、散瞳剤を点眼していない場合において撮影光量が低い場合には、縮瞳してもすぐに散瞳し同一眼の撮影が可能であるにもかかわらず、散瞳剤が点眼されていないと判断されてしまう場合が考えられる。この状態で、他方の眼の撮影を実行してしまうと、撮影シーケンスの実効のための全体時間を短縮できなくなる。
また、縮瞳状態でも撮影が可能な撮影(たとえば、前眼部の撮影)が含まれている場合も、考えられる。この場合も、上述と同様の理由により同一眼の撮影が可能であるにもかかわらず、散瞳剤が点眼されていないと判断され、他方の眼の撮影を実行してしまう。よって、撮影シーケンスのトータル時間が長くなってしまう可能性がある。
本形態によれば、この様な判断の齟齬に基づいた撮影シーケンスの実行がなくなることから、撮影シーケンス実行のための全体の時間を確実に短縮することが可能となる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態及び第2の実施形態では、被検眼の両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、撮影シーケンスの時間が短縮可能であることを説明した。そして、眼底カメラを用いて眼底部位を撮影する場合について述べた。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、被検眼の両眼のステレオ撮影を行う場合を例に、撮影シーケンスの時間が短縮可能であることを説明した。そして、眼底カメラを用いて眼底部位を撮影する場合について述べた。
第3の実施形態では、被検眼の両眼の眼底撮影と前眼部の撮影(前眼撮影)とを行う場合について説明する。前眼撮影は、眼底カメラによる眼底撮影の検査時に、虹彩や強膜の記録を行う目的で、眼底撮影と同時に撮影されることがある。そして、前眼撮影時には被検眼が散瞳状態となっている必要はないが、眼底とは異なる部位にアライメントする必要がある。ここで、第2の実施形態の繰り返しになるが、これまで第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと同じ記号は、同一のものを示している。
まず、第3の実施形態の構成については、第1の実施形態及び第2の実施形態のどちらの構成であっても構わない。つまり、撮影光量に応じて散瞳時間を算出し、撮影シーケンスを変更する第1の実施形態の構成や、被検眼の瞳孔径を検出して散瞳時間を算出し、撮影シーケンスを変更する第2の実施形態の構成のいずれの構成であっても問題ない。
次に、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なる、第3の実施形態の特徴的な動作について図11を用いて説明する。
まず、ステップ1100にて右眼の眼底撮影を行い、次に、ステップ1101にて散瞳時間を算出する。この散瞳時間算出の動作は、上述したように、第1の実施形態及び第2の実施形態のいずれの方法でもよく、図5および図9の散瞳時間算出手段500にて実施される。次に、第3の実施形態において特徴的なステップ1102の動作について説明する。
前述したように、図6(b)のステップ612では、撮影シーケンスを変更するかどうかを判定している。第1の実施形態では、撮影光量選択ボタン21a及び21bの選択状況から散瞳時間を算出し、右眼から左眼への切り替えを行うための時間Ta1と比較している。また、第2の実施形態では、二次元撮像素子65の出力から得られる瞳孔径の状態から散瞳時間を算出し、右眼から左眼への切り替えを行うための時間Ta1と比較している。つまり、第1の実施形態と第2の実施形態とでは、散瞳時間算出手段500にて算出した右眼の散瞳時間Ta2と、右眼から左眼への切り替えを行うための時間Ta1との比較を行っている。
ところが、第3の実施形態において、撮影シーケンスを変更するかどうかを判定するステップ1102では、ステップ1100での右眼の眼底撮影後に、散瞳時間算出手段500にて算出した右眼の散瞳時間Ta2と、右眼の前眼撮影位置への移動時間との比較を行っている。この理由については、図11に示す動作の説明後に述べる。
ステップ1102にて左眼の眼底撮影を選択した場合には、ステップ1103に進み、右眼から左眼へ移動する。その後、ステップ1104にて左眼の眼底撮影を行い、ステップ1105にて図1で説明した前後(作動距離、Z方向)の後方への移動を行う。次に、ステップ1106にて左眼の前眼撮影を行った後、ステップ1107にて左眼から右眼へ切り替えた後、最後にステップ1108にて右眼の前眼撮影を行う。
一方、ステップ1102にて右眼の前眼撮影を選択した場合には、ステップ1109に進み、後方へ移動する。その後、ステップ1110にて右眼の前眼撮影を行い、ステップ1111にて右眼から左眼へ移動する。次に、ステップ1112にて左眼の眼底撮影を行った後、ステップ1113にて後方へ移動した後、最後にステップ1114にて左眼の前眼撮影を行う。
以上が、第3の実施形態の特徴的な動作である。
ここで、ステップ1102にて、ステップ1100での右眼の眼底撮影後に、散瞳時間算出手段500にて算出した右眼の散瞳時間Ta2と、右眼の前眼撮影位置への移動時間との比較を行っている理由について、図12を用いて説明する。
ここで、ステップ1102にて、ステップ1100での右眼の眼底撮影後に、散瞳時間算出手段500にて算出した右眼の散瞳時間Ta2と、右眼の前眼撮影位置への移動時間との比較を行っている理由について、図12を用いて説明する。
図12は、光を間欠的に照射した場合の瞳孔径の時間的変化の様子を示している。光Lgtと光Lgt1を間欠的に照射したときの瞳孔径はRPuであらわされ、光Lgt′と光Lgt1′を間欠的に照射したときの瞳孔径はRPu′であらわされている。まず、1回目に照射される光Lgtおよび光Lgt′は、ステップ1100での右眼の眼底撮影と考える。そして、2回目に照射される光Lgt1および光Lgt1′は、右眼の前眼撮影と考える。前述したように、前眼撮影は、眼底撮影と異なり、散瞳状態とは無関係に撮影が可能である。しかしながら、光Lgt照射後に、瞳孔径はRPuが散瞳状態となっていない状態で、光Lgt1を照射した場合、光Lgt照射直後の時刻T1(所定時刻としてのT′Rに対応)における瞳孔径RPuよりも、光Lgt1照射直後の時刻T2における瞳孔径RPuの方が小さくなっている。したがって、光Lgtを照射後の散瞳時間に比べて、光Lgt1を照射後の散瞳時間のほうが大きい(時間がかかる)。
仮に、照射する光の量とは無関係に、ステップ1109からステップ1114までの撮影シーケンスを実行するとする。この場合、ステップ1111にて右眼から左眼へ移動後、ステップ1112での左眼の眼底撮影の前に、散瞳状態になっていないために散瞳待ちをしなければならなくなる。それは、先程図12を用いて説明した、光Lgt照射直後の時刻T1における瞳孔径RPuよりも、光Lgt1照射直後の時刻T2における瞳孔径RPuの方が小さいからである。
このように、散瞳状態とは無関係な前眼撮影が、撮影シーケンス内に含まれる場合にも、前眼撮影後の散瞳状態を考慮しなければ、次の眼底撮影時に散瞳待ち状態となってしまう可能性がある。したがって、前眼撮影への切り替え中に、散瞳状態に戻っているかどうかを検知して、撮影シーケンスを変更することによって、最短の撮影シーケンスを提供することが可能となる。
ここで、健康診断等で使用される健常眼においては、前述のとおり、時間Ta1に相当する時刻T1から時刻TLまでの時間は、10秒から15秒程度が目安になる。一方、図11中の後方への移動時間Ta11は、3秒程度である。また、図11中のステップ1103からステップ1108までの撮影シーケンスでは、時間Ta1が2回と時間Ta11が1回であり、ステップ1109からステップ1114までの撮影シーケンスでは、時間Ta1が1回と時間Ta11が2回である。つまり、照射光量が小さい場合、照射光量が大きい場合に比べて、少なくとも10-3=7秒程度の時間を短縮できる。また、照射光量が大きい場合には、ステップ1103からステップ1108までの撮影シーケンスとすることで、撮影以外には装置の左右や後方への移動時間のみになるため、最短の撮影シーケンスとなる。
なお、本形態の場合、被検者一人あたりに対して7秒程度の短縮効果となっている。しかし、特に健康診断等で使用される場合になると、たとえば被検者数が100人とした場合には撮影シーケンスの実行に関しての短縮時間は700秒(12分程度)になるため、その効果は大きい。
以上述べたように、前述した第1乃至第3の実施形態においては、一方の眼に対して撮影、好適には複数回撮影を行い、左右眼撮影を行う眼科撮影装置において、撮影後の散瞳時間の算出結果と左右眼切り替え時間との比較結果に応じて、撮影シーケンスを切り替える。また、散瞳状態によらず撮影可能な前眼部撮影を含む場合には、撮影部位切り替え時間との比較結果に応じて、撮影シーケンスを切り替える。
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
C … 眼底カメラ
C1 … 基台部
C2 … 撮影部
C3 … ジョイスティック
E … 被検眼
18 … システム制御部
21 … 操作入力部
21a、21b … 撮影光量選択ボタン
65 … 二次元撮像素子
500 … 散瞳時間算出部
501 … 撮影シーケンス記憶部
C1 … 基台部
C2 … 撮影部
C3 … ジョイスティック
E … 被検眼
18 … システム制御部
21 … 操作入力部
21a、21b … 撮影光量選択ボタン
65 … 二次元撮像素子
500 … 散瞳時間算出部
501 … 撮影シーケンス記憶部
Claims (15)
- 左右の被検眼を撮影する撮影シーケンスを複数記憶する撮影シーケンス記憶手段と、
撮影後に前記被検眼が撮影可能な散瞳状態になる時間を取得する散瞳時間取得手段と、
前記散瞳時間取得手段により取得された前記時間に応じて、記憶された複数の前記撮影シーケンスから実行する撮影シーケンスを選択する撮影シーケンスの選択手段と、
を有することを特徴とする眼科撮影装置。 - 前記散瞳時間取得手段は被検眼に照射する撮影光量に基づいて前記散瞳時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 前記散瞳時間取得手段は、撮影後の瞳孔径に基づいて前記散瞳時間を取得することを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影シーケンス記憶手段は複数の種類の撮影を含む撮影シーケンスを記憶することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影は、カラー撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影は、自発蛍光撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影は、レッドフリー撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記複数回撮影は、被検眼の眼底部の複数部位の撮影を行うパノラマ撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影は、前記被検眼の前眼部の撮影を行う前眼撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 前記撮影は、左右にずらして2度撮影することにより左右の立体像を得るステレオ撮影を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科撮影装置。
- 被検眼に光を照射した後の散瞳に要する散瞳時間を取得する工程と、
前記左右の被検眼の一方について撮影光学系により撮像を行う工程、前記撮影光学系を前記左右の被検眼の他方について撮影可能となるように移動させる工程、及び前記他方について撮影を行う工程、を含む前記左右の被検眼を撮影する撮影シーケンスについて、取得された前記散瞳時間に基づいて前記撮影シーケンスに含まれる工程の実行順序を変更する工程と、を有することを特徴とする眼科撮影装置の制御方法。 - 請求項11に記載の眼科撮影装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
- 被検眼を撮像する撮像光学系と、
前記撮像光学系によって左右の被検眼のうち一方の被検眼に照射される光量に基づいて、前記一方の被検眼の撮像後に前記左右眼のうち他方の被検眼を撮像するために前記撮像光学系を移動させるか否かを決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする眼科装置。 - 第1光量で被検眼を撮像する第1撮像モードと、前記第1の光量よりも低い第2光量で被検眼を撮像すう第2撮像モードとを備え、
前記決定手段は、前記一方の被検眼に照射される光量が前記第1光量の場合、前記一方の被検眼の撮像後に前記他方の被検眼を撮像するために前記撮像光学系を移動させると決定し、前記一方の被検眼に照射される光量が前記第2光量の場合、前記他方の被検眼を撮像するために前記撮像光学系を移動させないと決定することを特徴とする請求項13記載の眼科装置。 - 前記決定手段により前記他方の被検眼を撮像するために前記撮像光学系を移動させないと決定された場合、前記撮像光学系により前記一方の被検眼を続けて撮像することを特徴とする請求項14記載の眼科装置。
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