JP2015176448A - 識別システムおよび識別システム用オパール複合体 - Google Patents

識別システムおよび識別システム用オパール複合体 Download PDF

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【課題】比較的低いコストで、識別体の美観を損ねずに識別対象体を高精度に識別する。【解決手段】 複数のシリカ粒子からなる集合体が樹脂中に複数分散されて配置されたオパール複合体と、前記オパール複合体に光を照射する光照射手段と、前記オパール複合体による前記光の反射光または前記オパール複合体を透過した前記光の透過光の少なくともいずれか一方からなる識別光を受光して、受光した前記識別光に応じた識別用情報を出力する受光手段と、前記受光手段から出力された前記識別用情報と、前記オパール複合体に前記光を照射した場合に得られる前記識別用情報の特徴を表す条件情報とを比較して、前記識別用情報が前記オパール複合体に前記光を照射することで得られたものか否かを識別する識別手段を有することを特徴とする識別システムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は識別システムおよび識別システム用オパール複合体に関する。
外観上似ている複数の物品について、それぞれを識別するためには、例えばこの物品にそれぞれ異なる模様等を付けて物品の外観に特徴を持たせる方法がある。このような手法により、その物品を見た人物が、模様等に基づく外観的な特徴を判断材料として、その人物の主観的感覚に基いて物品を識別することができる。また例えば、外観に頼らずに下記特許文献1に記載されているようないわゆるICタグと呼ばれる無線通信チップを物品に埋め込み、このチップに記憶された識別情報(ID)に基いて外観上似ている複数の物品を識別する技術も利用されている。
特開2002−183693号公報
しかし上述の模様等を付ける手法の場合、人間が主観的に識別できる模様のバリエーション等には限界があるので、識別すべき対象の物品の数が多くなった場合、細かい模様の違いなどを人物の主観に基いて判断することは難く、また識別に多くの時間を要するといった課題がある。模様ではなく、数字や英字等の文字列からなる識別符号を明記しておく手法もあるが、この手法では物品の外観上の美観を損ねてしまう。また、上述のICタグ技術を用いる手法では、基本的に物品の製造過程においてICタグを物品に埋め込む必要があり、コストが比較的高くなってしまう。物品を製造した後に、物品の表面にICタグを取り付けることもできるが、この場合は物品の美観を損ねてしまう。本発明はこれら課題を解決することも目的とする。
本発明は、複数のシリカ粒子からなる集合体が樹脂中に複数分散されて配置されたオパール複合体と、前記オパール複合体に光を照射する光照射手段と、前記オパール複合体による前記光の反射光または前記オパール複合体を透過した前記光の透過光の少なくともいずれか一方からなる識別光を受光して、受光した前記識別光に応じた識別用情報を出力する受光手段と、前記受光手段から出力された前記識別用情報と、前記オパール複合体に前記光を照射した場合に得られる前記識別用情報の特徴を表す条件情報とを比較して、前記識別用情報が前記オパール複合体に前記光を照射することで得られたものか否かを識別する識別手段を有することを特徴とする識別システムを提供する。また、識別システムに用いるためのオパール複合体であって、前記識別対象体に取り付けることができることを特徴とする識別システム用オパール複合体を併せて提供する。
本発明によれば、比較的低いコストで、識別体の美観を損ねずに識別対象体を高精度に識別することができる。本発明によれば、識別体の美観をむしろ向上させることもできる。
本発明の識別システムの一実施形態について説明する機能ブロック図である。 図1に示す識別システムに用いるためのオパール複合体の一実施形態について説明する概略図である。 図2に示すオパール複合体が、図1に示す識別システムで識別する識別対象体に取り付けられた状態を示す図である。 図1に示す識別システムにおいて、識別対象体のオパール複合体に光を照射している状態について説明する概略の側面図である。 受光手段から出力される識別用情報の一例を示している。 本実施形態のオパール複合体の電子顕微鏡写真である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の識別システムの一実施形態について説明する機能ブロック図である。図2は、図1に示す識別システムに用いるためのオパール複合体の一実施形態について説明する概略図である。図3は、図2に示すオパール複合体が、図1に示す識別システムで識別する識別対象体に取り付けられた状態を示す図である。
図1に示す識別システム100は、複数のシリカ粒子1からなる集合体2が樹脂4中に複数分散されて配置されたオパール複合体10(図2参照)と、オパール複合体10に光L1を照射する光照射手段102と、オパール複合体10による光L1の反射光からなる識別光L2を受光して、受光した識別光L2に応じた識別用情報を出力する受光手段104と、オパール複合体10に光L1を照射した場合に得られる識別用情報の特徴を表す条件情報が予め記憶された記憶手段106と、受光手段104から出力された識別用情報と条件情報とを比較して、識別用情報がオパール複合体10に光L1を照射することで得られたものか否かを識別する識別手段108とを有する。より詳しくは、識別システム100では、複数のオパール複合体10a〜10nそれぞれが、複数の識別対象体11a〜11nにそれぞれ取り付けられており(nは任意の数で特に限定されない)、記憶手段106には、複数のオパール複合体10a〜10nそれぞれと、取り付けられた識別対象体11a〜11nそれぞれとの対応関係(例えばオパール複合体10aが識別対象体11aに取り付けられ、オパール複合体10bは識別対象体11bに取り付けられている等の情報)が予め記憶されている。また識別手段108は、記憶手段106に記憶された条件情報と対応関係とを参照し、識別情報が複数の識別対象体11a〜11nのうちいずれに取り付けられたオパール複合体に光L1を照射することで得られたものかを識別する。
なお本実施形態では、識別光L2として光L1の反射光のみを用いる例を示すが、識別光L2としてオパール複合体10を透過した光L1の透過光のみを用いてもよく、光L1の反射と光L1の透過光との双方を用いてもよい。
本実施形態のオパール複合体10は、複数のシリカ粒子1からなる集合体2が樹脂4中に分散されて配置されている。集合体2では、シリカ粒子1はある程度の規則性をもって配列されてなる層が複数積層したような構造を有している。シリカ粒子1が層状に配列して構成された面を主面3とすると、主面3の方向や位置、また層状に構成された主面3の間隔等は集合体2ごとに異なっており、樹脂4中にそれぞれがランダムに配置されている。このようなオパール複合体10に例えば白色光が照射された場合、白色光は集合体2におけるそれぞれの主面3において反射して特定波長の光が強め合うが、主面3の位置や角度の違い等に応じて、これら強め合う波長が変化する。オパール複合体10内には、このように集合体2が分散しているので、見る角度に応じてそれぞれの集合体2の色が変化する(すなわち、見る角度に応じて、観察者の目に届く光のうちの強まっている波長が変化する)。このように見る角度に応じて、強度が強い光の波長(色)が変化する効果は遊色効果と呼ばれ、優れた美観を有する。また、集合体2の配置位置はランダムに分散しているので、集合体2で反射する光の強度や、集合体2を透過する光の強度は、場所毎に異なる。これらオパール複合体10における集合体2の位置(分散状態)や、各集合体2における主面3の向きや層の間隔などは完全に制御することは実質的に不可能であり、オパール複合体10が複数あれば、これら反射光や透過光の状態はオパール複合体10毎に全て異なっているといえる。一方で、遊色効果自体は複数のオパール複合体10それぞれが共通して有しているので、複数のオパール複合体10それぞれの外観上の特徴は、人間が主観的に識別できるほど大きくない。オパール複合体10はこのように、外観上の特徴は人間が主観的に識別できるほど大きくなく統一したデザイン感をもつ一方で、人間が主観的に識別できる精度よりも高い精度で反射光や透過光の状態を比較した場合、反射光や透過光の状態は複数のオパール複合体10それぞれで全て異なっている。
本実施形態のオパール複合体10はシート状に薄く加工されており、接着剤等を用いて他の物品に容易に取り付けることができ、取り付けた場合も取り付けた物品の全体のサイズの増加を抑制できる。識別システム100では、図3に示すように複数のオパール複合体10a〜10nそれぞれが、複数の識別対象体11a〜11nにそれぞれ取り付けられている。本実施形態の識別対象体11a〜11nは例えばバッジであり、材料の質感や形状、標記された文字列(図3で●▲■で示す)などからなる基本的デザインが同一である(すなわち、複数の識別体11a〜11nそれぞれで、人間が主観的に識別できるほど外観上の違いが大きくない )。このように基本的デザインが同一のバッジは、例えば社章
など、これらバッジをつけた人物が、特定の1つの組織(特定の企業等)に属していることを示すために用いられている。複数の識別体11a〜11nには、オパール複合体10a〜10nがそれぞれ取り付けられているが、上述のようにオパール複合体10a〜10nも、人間が主観的に識別できる程度の外観上の違いは無い。すなわち、オパール複合体10a〜10nが取り付けられている状態でも、複数の識別体11a〜11nを見た人物は、いずれの識別体(バッジ)についても、それらが全て特定の1つの組織を表す同一のデザインであると判断できる。
光照射手段102は、例えばLED素子を有するLED照射デバイスや、レーザー光を出射するレーザー発光デバイスなどである。また、受光手段104は、例えばフォトダイオード素子やCCD素子等を備える受光デバイスであり、受光した光の強度に応じた電気信号を識別用情報として出力する。
記憶手段106と識別手段108とは、情報処理ユニット120に設けられている。また情報処理ユニット120には、各手段と接続して各手段の動作を制御する制御手段110も設けられている。情報処理ユニット120は、例えばメモリ106に記憶されたプログラムをCPU(図示せず)が実行することで各手段(記憶手段106、識別手段108、制御手段110等)が機能するコンピューターである。なお、情報処理ユニット120は、例えば特定機能を有する電子回路等が組み合わされて構成された専用装置であってもよく、光照射手段102や受光手段104、および情報処理ユニット120について、その構成は特に限定されない。
図4は、識別システム100において、識別対象体11のオパール複合体10に光L1を照射している状態について説明する概略の側面図である。識別システム100では、識別対象体11a〜11nのいずれかを例えば図示しないホルダ等に固定する。光照射手段102は、このホルダにおける特定位置に特定の角度で光L1が照射されるよう設定されており、光照射手段102は、この識別対象体11(識別対象体11a〜11nのいずれか)に取り付けられたオパール複合体10(オパール複合体10a〜10nのいずれか)の所定位置に所定の角度で光L1を照射する。光L1は、受光手段104の種類などシステムに応じた特性に応じて設定すればよく特に限定されない。例えば、紫外光や可視光など、その波長範囲は特に限定されず、またレーザー光などであってもよい。
受光手段104の受光面も、ホルダに対して特定の位置と特定の角度で設定されており、受光手段104は、この識別対象体11(識別対象体11a〜11nのいずれか)に取り付けられたオパール複合体10(オパール複合体10a〜10nのいずれか)による、光L1の反射光からなる識別光L2を受光して、受光した識別光L2に応じた識別用情報を出力する。より詳しくは本実施形態では、光照射手段102は、オパール複合体10に対して光L1を走査させて照射し、受光手段104は光L1の走査にともなって変化する識別光L2に応じた識別用情報を時系列に出力する。
図5は、受光手段104から出力される識別用情報の一例を示している。図5に示すように本実施形態では、識別光L2における、異なる複数(図示は2つ)の特定波長W1、W2それぞれの光強度(波長依存強度)を時系列に出力し、この時系列の情報を識別情報として用いている。
オパール複合体10に対して光L1を照射した場合、オパール複合体10による反射光からなる識別光L2は、オパール複合体10にランダムに配置された集合体2の位置や、集合体2における主面3の状態等に応じて決まる。オパール複合体10に対して光L1を走査させて照射した場合は、識別光L2の波長依存強度は時系列に変化し、これら識別光L2の情報(本実施形態では時系列情報)は複数のオパール複合体10それぞれで異なっている。
記憶手段106には、オパール複合体10に光L1を照射した場合に得られる識別用情報の特徴を表す条件情報として、図5に示されるような波長依存強度を表す情報が予め記憶されている。このような条件情報は、識別システム100の使用に先がけて、実際に光照射手段102および受光手段104を用いて、各オパール複合体10(オパール複合体10a〜10n)が設けられた識別対象体11の全て(識別対象体11a〜11nの全て)について識別光L2の時系列変化情報を取得し、これら時系列変化情報を条件情報としてメモリ106に記憶しておけばよい。
また本実施形態のメモリ106には、このようなオパール複合体10それぞれ(オパール複合体10a〜10nそれぞれ)毎に記憶された条件情報に加えて、複数のオパール複合体10(オパール複合体10a〜10n)それぞれの条件情報と、取り付けられた識別対象体11a〜11nそれぞれとの対応関係が予め記憶されている。例えば、図5に示すような複数のオパール複合体10(オパール複合体10a〜10n)それぞれの条件情報の1つ1つについて、この条件情報に対応するオパール複合体10が取り付けられた識別対象体11は同じ組織内のどの人物が所有するものであるかといった情報が、メモリ106に記憶されている。
識別手段108は、記憶手段106に記憶された上述の条件情報を参照し、取得した識別情報がいずれのオパール複合体(オパール複合体10a〜10nのいずれか)に光L1を照射することで得られたものかを識別し、かつ対応関係を参照する。参照によって識別手段108は、取得した識別情報が複数の識別対象体11a〜11nのうちいずれに対応するものであり、さらに取得した識別情報は、どの人物に対応するもの(どの人物が所有するもの)であるかを識別する。
このような識別システム100によれば、例えばホルダに配置したバッジが、どの人物が所有するバッジであるかを識別することができる。識別システム100は図示しないモニタ等の情報出力手段を備えており、この出力手段で出力された情報を確認することで、識別システム100を扱うオペレータが、ホルダに配置した識別対象体11を、どの人物が所有するものであるかを確認することができる。
本識別システムを用いるとICタグ等を用いることなく比較的低いコストで、識別対象体を高精度に識別することができる。またオパール複合体は、遊色効果も備えた優れた美観を有するものであり、美観を損ねないばかりでなく、例えばバッジ等の識別体の美観をむしろ向上させることもできる。
例えば社章等のバッジの一部等にオパール複合体を用いた場合、オパール複合体が優れた美観を有する統一したデザインの一部を構成しつつ、人物名や組織内IDなどの個人情報を隠した(標記しない)状態で、識別システム100によって各バッジ等を1つ1つ識別することも可能である。例えば、会社等の建物の入館の際の目印として、統一したデザインのバッジの外観を利用し、入館時のバッジの有無に基いて簡易的に入館の可否を判断しておきながら、館内の特定場所については識別システム100を設置し、上述の識別情報に基づいて識別された特定の人物のみを入室させるなど、段階的な識別に利用することもできる。本システムの利用例はこのような例に限定されず、その他多様な形態で利用することができる。例えば、記憶手段106に1つのオパール複合体10xの条件情報のみを記憶しておき、複数のオパール複合体10(オパール複合体10a〜10n)の中から1つのオパール複合体10xを選定するように使用してもよく、使用形態について特に限定されない。また、条件情報を記憶手段106に記憶させておくのではなく、システム100に設けられた図示しない入力手段(キーボードやマウス等)によって、外部から条件情報を入力し、識別手段108がこの入力された条件情報を用いて識別してもよい。このようにシステム100の構成についても、上記実施形態に限定されない。
次に、オパール複合体10の製造方法の一実施形態について説明しておく。本実施形態のオパール複合体は、薄膜状のオパールを粉砕することによって、複数の集合体を得る第1工程と、複数の集合体を樹脂中に分散させる第2工程と、集合体が分散された樹脂を固化して固化物を得る第3工程とを含む。
第1工程においては、薄膜状のオパールを粉砕して複数の集合体2を得る。まず、シリカ粒子1を分散媒に少量ずつ混ぜ、最終的には質量比でシリカ粒子1に対して分散媒が1〜5倍程度になるようにして1〜3分間攪拌する。分散媒は極性を有する液体であれば特に制限されない。例えば水、アルコール、これらの混合物などが挙げられる。特に水のような極性の高い液体が好ましく、アルコールなどの揮発性の高い液体を分散媒に用いることも可能である。次に、シリカ粒子1の分散液をビュレットに入れて、平板上に塗布して、シート状のオパールの前駆体を形成させる。ここで平板は親水性を有するものが用いられことが好ましい。
次に、平板上の前駆体を崩さないように乾燥室へ移動して、シリカ粒子1の分散液の分散媒を少しずつ蒸発させ、シリカ粒子1が沈殿するとともに、シリカ粒子1が凝集するように、シリカ粒子1の分散液の分散媒が少しずつ蒸発させていくのが良い。乾燥する温度と時間は、シリカ粒子1が沈殿するとともに、シリカ粒子1が凝集する時間を満足すればよく、30〜40℃、1〜10分間くらいが目安である。
次に、乾燥した薄膜状のオパールを平板からリムバーなどで擦り落すなどの粉砕方法によって、集合体2を得る。あるいは、薄膜状のオパールを水やアルコールなどの分散媒で洗い落として、濾過して分散媒とシリカ粒子1とを分離して集合体2を得ても良い。または、薄膜状のオパールをミル内に投入してもよい。
このように、薄膜状のオパールを粉砕すれば、主面を大部分有する集合体2を得ることができる。なお、平板に形成された薄膜上のオパールに事前に樹脂を添加して含浸させることによって、リムバーなどで擦り落とす際に、集合体2が崩れて主面3が損なわれてし
まうことを低減することができる。
これによって、安定して集合体2を再現性良く、かつ、効率的に製造することができるので、大量生産することが可能である。
樹脂を含浸させた薄膜状のオパールは、また、その後の粉砕においても、板状の形を崩さないままで主面3を維持することができる。
樹脂を含浸しない集合体2がオパール複合体10中に含まれる場合、より多彩な色合いを有する遊色効果が得られる。
このような粉砕された集合体2は、粒径が揃うように分級しても良い。分級方法としては、フィルターでろ過すると集合体2同士が張り付いてしまうので、集合体2を水に分散させた分散液を遠心分離によって分級した後に、撹拌した分散媒中で保管するのが好ましい。
第2工程および第3工程においては、複数の集合体2を樹脂4の中に分散して固化する。分散工程において、集合体2と樹脂4との比重の差により両者が混合しない場合、樹脂4を撹拌あるいは対流させながら集合体2を分散する、あるいはさらに、徐々に加熱することで樹脂4を固化した固化物とすればよい。このような分散工程により主面3がそれぞれ異なる方向に面したオパール複合体10が得られる。
得られたオパール複合体は、最終的な表面仕上げとして、バフ研磨を用いてもよいが、研磨の有無および研磨の種類はこの限りではない。あるいは研磨しないで表面にニスなどを塗布して平滑にすることも可能である。
なお、このようなオパール複合体10は、ワイヤーソー等でスライス加工してシート状にすることで、壁紙、包装紙、パッケージ、あるいは工芸品の螺鈿模様等の装飾に用いることができるものである。
図6は、このような工程を経て得られるオパール複合体10の電子顕微鏡写真である。図6中で白く見える部分が集合体2であり、黒く見える部分が樹脂である。このように樹脂中に集合体2が分散されていることがわかる。オパール複合体10における集合体2の配置等はランダムで、見た目の印象については統一感はあるものの、識別システム100によって得られる識別情報は、いずれも異なっている。
以上、本発明の実施形態および実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限定されるものでない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよいのはもちろんである。
1 シリカ粒子
2 集合体
3 主面
4 樹脂
10(10a〜10n) オパール複合体
11(11a〜11n) 識別対象体
100 識別システム
102 光照射手段
104 受光手段
106 記憶手段
108 識別手段
L1 光
L2 識別光

Claims (7)

  1. 複数のシリカ粒子からなる集合体が樹脂中に複数分散されて配置されたオパール複合体と、
    前記オパール複合体に光を照射する光照射手段と、
    前記オパール複合体による前記光の反射光または前記オパール複合体を透過した前記光の透過光の少なくともいずれか一方からなる識別光を受光して、受光した前記識別光に応じた識別用情報を出力する受光手段と、
    前記受光手段から出力された前記識別用情報と、前記オパール複合体に前記光を照射した場合に得られる前記識別用情報の特徴を表す条件情報とを比較して、前記識別用情報が前記オパール複合体に前記光を照射することで得られたものか否かを識別する識別手段を有することを特徴とする識別システム。
  2. 前記条件情報が予め記憶された記憶手段を有することを特徴とする請求項1記載の識別システム。
  3. 前記記憶手段には、複数の前記オパール複合体それぞれについての前記条件情報が予め記憶されており、
    前記識別手段は、前記識別情報と複数の前記条件情報とをそれぞれ比較することで、前記識別情報が、複数の前記オパール複合体のうちいずれの前記オパール複合体に前記光を照射することで得られたものかを識別することを特徴とする請求項1または2記載の識別システム。
  4. 前記光照射手段は、前記オパール複合体に対して前記光を走査させて照射し、前記受光手段は前記光の走査にともなって変化する前記識別光に応じた識別用情報を時系列に出力し、
    前記識別手段は、出力された時系列の前記光識別情報を用いて識別することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の識別システム。
  5. 前記受光手段は、前記識別光の光強度を表す情報を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の識別システム。
  6. 複数の前記オパール複合体それぞれが、複数の識別対象体にそれぞれ取り付けられており、
    前記記憶手段には、複数の前記オパール複合体それぞれの条件情報と、取り付けられた前記識別対象体それぞれとの対応関係が予め記憶されており、
    前記識別手段は、前記記憶手段に記憶された前記条件情報と前記対応関係とを参照し、前記識別情報が、複数の識別対象体のうちいずれに取り付けられた前記オパール複合体に前記光を照射することで得られたものかを識別することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の識別システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の識別システムに用いるためのオパール複合体であって、前記識別対象体に取り付けることができることを特徴とする識別システム用オパール複合体。
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