JP2015176121A - 表示ドライバー、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

表示ドライバー、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】フレーム周波数の温度依存性を低減できる表示ドライバー、電気光学装置及び電子機器等の提供。【解決手段】表示ドライバーは、温度センサー90を用いて求められた検出温度に基づいて、フレーム周波数の温度特性を補償するための調整値を出力する調整部20と、調整値に基づいてフレーム周波数が設定される同期信号を出力するタイミング制御部52と、同期信号に基づいて表示パネル200を駆動する駆動回路70を含む。調整部20は、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数の調整値として、第1の温度範囲に対応する第1の調整値を出力し、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数の調整値として、第2の温度範囲に対応する第2の調整値を出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、表示ドライバー、電気光学装置及び電子機器等に関する。
従来より、LCDパネル等の表示パネルを駆動する表示ドライバーが知られている。このような表示ドライバーでは、表示パネルの駆動電源電圧を調整する電子ボリュームや環境温度を検出する温度センサーが設けられている。この表示ドライバーでは、温度センサーにより検出された検出温度に基づいて電子ボリューム値を調整し、駆動電源電圧を、環境温度に対応した電圧に設定する。
LCDパネルを例にとれば、環境温度が異なると、液晶の透過率が変化するため、同一の駆動電源電圧でLCDパネルを駆動した場合にも、表示画像の色味が変化してしまう。温度センサーの検出温度に基づいて電子ボリューム値を調整して駆動電源電圧を設定すれば、このような色味の変化を抑制できる。このような電子ボリュームと温度センサーを有する表示ドライバーの従来技術としては、例えば特許文献1に開示される技術がある。
特開2004−85384号公報
このような表示ドライバーでは、表示動作のフレーム周波数は、表示ドライバーが内蔵する発振回路の発振周波数等により決まる。
しかしながら、発振回路の発振周波数には温度依存性(例えば±10%)がある。従って、表示ドライバーの製造時にヒューズ回路等を用いて、発振周波数を仕様で規定される周波数に設定したとしても、温度変動があると発振回路の発振周波数も変動してしまう。そして発振周波数が変動すると、フレーム周波数も変動してしまい、表示に悪影響を及ぼすおそれがある。この場合に、温度変動に応じてフレーム周波数を動的に切り換える手法も考えられるが、温度が変化すると常にフレーム周波数が変化するようになってしまい、安定した表示を実現できない。またフレーム周波数を切り換える温度の境界付近で温度が変動すると、その影響が視認されてしまうおそれもある。
また、上述の温度センサーを有する表示ドライバーでは、温度センサーを用いて電子ボリューム値を調整して、表示パネルの駆動電源電圧を調整しているが、この温度センサーを用いてフレーム周波数の温度依存性を補償する点については提案されていなかった。
本発明の幾つかの態様によれば、温度センサーを有効利用してフレーム周波数の温度依存性を低減できる表示ドライバー、電気光学装置及び電子機器等を提供できる。
本発明の一態様は、温度センサーを用いて求められた検出温度に基づいて、フレーム周波数の温度特性を補償するための調整値を出力する調整部と、前記調整値に基づいて前記フレーム周波数が設定される同期信号を出力するタイミング制御部と、前記同期信号に基づいて表示パネルを駆動する駆動回路と、を含み、前記調整部は、前記検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の温度範囲に対応する第1の調整値を出力し、前記検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第2の温度範囲に対応する第2の調整値を出力する表示ドライバーに関係する。
本発明の一態様によれば、温度センサーを用いて求められた検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、第1の温度範囲に対応する第1の調整値が出力されて、フレーム周波数が調整される。これにより、第1の調整値に基づきフレーム周波数が設定される同期信号を駆動回路に供給して、表示パネルを駆動できるようになる。また検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、第2の温度範囲に対応する第2の調整値が出力されて、フレーム周波数が調整される。これにより、第1の調整値に基づきフレーム周波数が設定される同期信号を駆動回路に供給して、表示パネルを駆動できるようになる。このように本発明の一態様によれば、各温度範囲に対応する各調整値でフレーム周波数を調整し、調整後のフレーム周波数の同期信号を用いて、表示パネルを駆動できるようになる。従って、温度センサーを有効活用してフレーム周波数の温度依存性を低減することが可能になる。
また本発明の一態様では、前記調整部は、前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間の補間調整値を出力してもよい。
このようにすれば、検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わると、第1の調整値と第2の調整値の間の補間調整値によりフレーム周波数が調整されるようになる。従って、温度範囲の切り替わり時にフレーム周波数が変化することによる悪影響を低減できる表示ドライバーの提供が可能になる。
また本発明の一態様では、前記調整部は、前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間を所与の分割数で補間した複数の補間調整値を出力してもよい。
このようにすれば、調整値の切り替え期間において、第1の調整値と第2の調整値の間を所与の分割数で補間した複数の補間調整値が出力されるようになる。そして、これらの複数の補間調整値により調整されたフレーム周波数の同期信号で、表示パネルを駆動できるようになり、調整値の切り替え時にフレーム周波数が変化することによる悪影響を低減できる。
また本発明の一態様では、前記分割数を可変に設定するための分割数レジスターを含んでもよい。
このようにすれば、調整値の切り替え期間における調整値の変化幅を、分割数レジスターに設定される分割数に基づいて可変に制御できるようになる。
また本発明の一態様では、前記調整部は、前記検出温度が属する温度範囲を判断する温度範囲判断部と、前記温度範囲判断部による今回の期間での判断結果及び前回の期間での判断結果に基づいて、前記検出温度が属する温度範囲が変化したか否かを判断し、前記温度範囲が変化したと判断した場合に、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間の前記補間調整値を出力する出力部と、を含んでもよい。
このようにすれば、温度範囲判断部による今回の期間での判断結果及び前回の期間での判断結果に基づいて、検出温度が属する温度範囲がどのように変化したかを適切に検出できるようになり、調整値の切り替え期間において、適正な補間調整値を出力できるようになる。
また本発明の一態様では、前記調整部は、前記温度センサーからの複数の検出温度値に基づいて、前記検出温度を求め、前記検出温度が属する温度範囲を判断してもよい。
このようにすれば、温度センサーからの検出温度値にノイズ等が乗っていた場合にも、適切な検出温度を取得して、当該検出温度が属する温度範囲を適正に判断できるようになる。
また本発明の一態様では、前記温度センサーから前記複数の検出温度値が出力される期間の長さをT1とし、前記補間調整値が出力される期間の長さをT2とした場合に、T1≧T2であってもよい。
このようにすれば、調整部の回路構成を簡素化できると共に回路設計の容易化を図れるようになる。
また本発明の一態様では、前記第1の調整値、前記第2の調整値を可変に設定するための調整値レジスターを含んでもよい。
このようにすれば、検出温度が第1の温度範囲に属する場合に出力される第1の調整値や、検出温度が第2の温度範囲に属する場合に出力される第2の調整値を、調整値レジスターを用いて可変に制御できるようになる。
また本発明の一態様では、前記第1の温度範囲と前記第2の温度範囲の境界温値度を可変に設定するための境界温度レジスターを含んでもよい。
このようにすれば、温度範囲の切り替えが行われる境界温度値を、境界温度レジスターを用いて可変に制御できるようになる。
また本発明の一態様では、前記調整部は、前記表示パネルの表示制御に用いられるポーチ数を、前記フレーム周波数の前記調整値として出力してもよい。
このようにすれば、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、第1の温度範囲に対応する第1のポーチ数(フロントポーチ数又はバックポーチ数)によりフレーム周波数が調整されて、表示パネルが駆動される。また検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、第2の温度範囲に対応する第2のポーチ数によりフレーム周波数が調整されて、表示パネルが駆動される。従って、ポーチ数を用いて、フレーム周波数を各温度範囲に適切な周波数に調整できるようになり、フレーム周波数の温度補償を実現できる。
また本発明の一態様では、電源回路を含み、前記調整部は、前記温度センサーを用いて求められた前記検出温度に基づいて電子ボリューム値を出力し、前記電源回路は、前記電子ボリューム値に基づいて駆動電源電圧を供給し、前記駆動回路は、前記駆動電源電圧に基づいて前記表示パネルを駆動し、前記調整部は、前記検出温度が前記第1の温度範囲に属する場合には、前記駆動電源電圧を第1の電圧に設定する第1の電子ボリューム値を出力し、前記検出温度が前記第2の温度範囲に属する場合には、前記駆動電源電圧を第2の電圧に設定する第2の電子ボリューム値を出力し、前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記駆動電源電圧を、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の補間電圧に設定する補間電子ボリューム値を出力してもよい。
本発明の一態様によれば、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、電子ボリューム値が第1の電子ボリューム値に設定されることで、駆動電源電圧が第1の電圧に設定されて、表示パネルが駆動される。また検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、電子ボリューム値が第2の電子ボリューム値に設定されることで、駆動電源電圧が第2の電圧に設定されて、表示パネルが駆動される。そして検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わると、電子ボリューム値が補間電子ボリューム値に設定されることで、駆動電源電圧が、第1の電圧と第2の電圧の間の補間電圧に設定されて、表示パネルが駆動されるようになる。これにより、電子ボリューム値の切り替え時の画質低下や表示のチラツキ等を抑制できる表示ドライバーの提供が可能になる。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の表示ドライバーを含む電気光学装置に関係する。
また本発明の他の態様は、上記のいずれかに記載の表示ドライバーを含む電子機器に関係する。
本実施形態の表示ドライバー、電気光学装置の構成例。 本実施形態の表示ドライバーの要部を示す図。 温度範囲及び各温度範囲に設定されるフロントポーチ数の説明図。 本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 フロントポーチ、バックポーチの説明図。 タイミング制御部の構成例。 調整部の構成例。 本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 図9(A)〜図9(C)も本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 図11(A)〜図11(C)も本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 フロントポーチ数の自動調整を行う場合の動作を説明するフローチャート。 フロントポーチ数の自動調整を行わない場合の動作を説明するフローチャート。 図14(A)、図14(B)は本実施形態のフロントポーチ数、フレーム周波数の調整手法の説明図。 電子ボリューム値の自動調整を行う場合の本実施形態の構成例。 温度範囲及び各温度範囲に設定される電子ボリューム値の説明図。 電子ボリューム値の自動調整を行う場合の本実施形態の動作を説明するタイミングチャート。 電源回路の構成例。 本実施形態の電子機器の構成例。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.表示ドライバー、電気光学装置
図1に本実施形態の表示ドライバー及びこの表示ドライバーを含む電気光学装置の構成例を示す。表示ドライバーは表示パネル200を駆動し、表示パネル200は表示ドライバーにより駆動されて画像を表示する。電気光学装置は、この表示ドライバーと表示パネル200(電気光学パネル)を含む。電気光学装置としては、例えば車載用の表示ユニット(運転補助用ディスプレイ、インパネ内のメーターディスプレイ、カーナビゲーション用ディスプレイ等)や、携帯情報端末、テレビ、プロジェクターなどに使用される表示ユニットがある。
表示パネル200は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチ素子を用いたアクティブマトリクス方式のLCDパネル(液晶パネル)である。表示パネル200は、複数のソース線(データ線)と、複数のゲート線(走査線)と、複数の画素を有する。そして表示パネル200は、各画素領域における電気光学素子(液晶素子、EL素子等)の光学特性を変化させることで表示動作を実現する。なお表示パネル200はLCDパネル以外のパネル(ELパネル等)であってもよい。
表示ドライバーは、制御部10、駆動回路70を含む。また表示ドライバーは、電源回路60、温度センサー90、発振回路100、I/F(インターフェース)部120を含むことができる。なお本実施形態の表示ドライバーは図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
制御部10は各種の制御処理を行う。例えば表示ドライバーの各部の制御や表示タイミングの制御やデータ処理の制御などを行う。この制御部10はゲートアレイ回路などのロジック回路やプロセッサー等により実現できる。
制御部10は、調整部20、レジスター部40、デコード部50、タイミング制御部52を含む。調整部20の詳細については後述する。レジスター部40は、各種情報を記憶するためのレジスターを有し、例えばフリップフロップ回路やRAM等のメモリーにより実現される。デコード部50は、例えばI/F部120を介して外部デバイス(MPU、表示コントローラー等)から入力されたコマンドのデコード処理を行う。デコード処理により得られた各種の情報はレジスター部40に記憶される。タイミング制御部52は、表示パネル200の表示動作のための各種の表示制御信号を生成する。
電源回路60は電源電圧を生成して供給する。例えば電源回路60は昇圧回路やレギュレーターを有し、これらの昇圧回路やレギュレーターにより生成された電源電圧を表示ドライバーの各部に供給する。例えば電源回路60は駆動電源電圧を生成して駆動回路70に供給する。また内部ロジック回路用電源を生成して制御部10に供給する。また電源回路60は基準電源電圧等も生成する。
駆動回路70は表示パネル200を駆動する。具体的には電源回路60から供給された駆動電源電圧に基づいて表示パネル200のソース線等を駆動する。この駆動回路70は、例えばソースドライバー72、ゲートドライバー74、D/A変換回路76、階調電圧生成回路78を有する。なお駆動回路70にゲートドライバー74等を設けない変形実施も可能である。
ソースドライバー72は表示パネル200のソース線を駆動する。例えば画像データ(表示データ)に基づくソース電圧(データ電圧)を供給してソース線(データ線)を駆動する。ゲートドライバー74は表示パネル200のゲート線を駆動する。例えばゲート線(走査線)を順次選択するための選択電圧を供給してゲート線を駆動する。階調電圧生成回路78(ガンマー回路)は複数の階調電圧(例えば256階調)を生成する。D/A変換回路76は、制御部10からの画像データに基づいて、階調電圧生成回路78により生成された複数の階調電圧の中から電圧を選択し、選択した電圧をソース電圧としてソースドライバー72に供給する。
温度センサー90は温度検出を行う。例えば温度センサー90は検出温度(環境温度)に応じた検出温度値を出力する。例えば温度センサー90が有する温度検出回路が、温度勾配を持つアナログの検出温度電圧を出力し、温度センサー90が有するA/D変換回路がこのアナログの検出温度電圧をデジタルの検出温度値にA/D変換して、制御部10に出力する。
発振回路100は発振動作を行って発振クロック信号を生成する。制御部10等はこの発振クロック信号に基づくクロック信号により動作する。発振回路100は例えば抵抗とキャパシターを有するCR発振回路などにより実現できる。
I/F部120は外部デバイス(MPU、表示コントローラー等)とのインターフェース処理を行う。このI/F部120は、例えばMPUインターフェース回路(ホストインターフェース回路)やRGBインターフェース回路を含む。
2.フレーム周波数の自動調整
図1の表示ドライバーでは、その製造時において、例えばヒューズ回路等を用いて発振回路100の発振周波数を、仕様で規定される周波数に設定する。具体的には、発振回路100の発振クロック信号の発振周波数をモニターし、発振周波数が、所望の仕様周波数(例えば1MHz)に一致するように、ヒューズ回路の複数のヒューズ素子のうちの対応するヒューズ素子を溶断する。そして、このヒューズ回路により設定された周波数設定値に基づいて、実動作時における発振回路100の発振周波数を設定する。例えば発振回路100に可変抵抗回路を設け、発振周波数が仕様周波数になるように、可変抵抗回路の抵抗値を、周波数設定値により設定する。
このようにすることで、表示ドライバーの実動作時において、発振回路100は、周波数設定値により設定された発振周波数の発振クロック信号を出力するようになる。そして駆動回路70は、発振回路100からの発振クロック信号により生成されたクロック信号(駆動クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)に基づいて、表示パネル200を駆動する。
しかしながら、発振回路100の発振周波数には温度依存性がある。発振回路100がCR発振回路である場合を例にとれば、温度変動により、発振周波数には例えば±10%程度の周波数変動が生じるおそれがある。このように発振周波数が変動すると、表示パネル200の表示動作のフレーム周波数も変動してしまい、表示に不具合が発生するおそれがある。特に、車載用機器に搭載される表示ドライバーでは、例えば−40度〜120度というような広い温度範囲において、表示ドライバーの適正な動作を保証する必要がある。従って、温度変動によりフレーム周波数が変動してしまうと、このような広い温度範囲での動作保証を実現できなくなるおそれがある。また、温度が変動した場合に、温度変動に応じてフレーム周波数を単に切り換える手法も考えられるが、フレーム周波数を切り換える温度の境界付近で温度が変動すると、その影響が表示に見えてしまうという問題がある。
このような問題を解決するために本実施形態では、表示ドライバーのフレーム周波数を、温度センサー90による検出温度により得られた調整値で調整することで、フレーム周波数の温度補償を実現する手法を採用する。また、検出温度が属する温度範囲が切り替わった際に、フレーム周波数の調整値を段階的に変化させる手法を採用する。
このような手法を実現するために、本実施形態の表示ドライバーは、温度センサー90を用いて求められた検出温度に基づいて、フレーム周波数の温度特性を補償するための調整値を出力する調整部20と、この調整値に基づいてフレーム周波数が設定される同期信号を出力するタイミング制御部52と、同期信号に基づいて表示パネル70を駆動する駆動回路70を含む。
そして調整部20は、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数を調整する調整値として、第1の温度範囲に対応する第1の調整値を出力する。一方、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数を調整する調整値として、第2の温度範囲に対応する第2の調整値を出力する。ここで、例えば第1の温度範囲と第2の温度範囲は境界温度値を境界として隣り合う温度範囲である。また第1、第2の調整値は、例えば第1、第2の温度範囲に対応づけられてレジスター部40に記憶される。またフレーム周波数の調整値は、例えば後述するようなポーチ数である。即ち調整部20は、例えば表示パネル200の表示制御に用いられるポーチ数(フロントポーチ数又はバックポーチ数)を、フレーム周波数の調整値として出力する。
これにより、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数が第1の調整値により調整される。そしてタイミング制御部52は、第1の調整値に基づいてフレーム周波数が設定(調整)される同期信号(例えば垂直同期信号)を出力し、駆動回路70は、この同期信号に基づいて表示パネル200を駆動する。即ち、第1の調整値により調整されたフレーム周波数で表示パネル200が駆動されるようになる。一方、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数が第2の調整値により調整される。そしてタイミング制御部52は、第2の調整値に基づいてフレーム周波数が設定(調整)される同期信号を出力し、駆動回路70は、この同期信号に基づいて表示パネル200を駆動する。即ち、第2の調整値により調整されたフレーム周波数で表示パネル200が駆動されるようになる。
例えば温度の上昇により発振回路100の発振周波数等が減少し、これに伴いフレーム周波数が減少する場合を想定する。また第2の温度範囲は第1の温度範囲よりも高い温度の範囲であるとする。この場合に第2の温度範囲に対応する第2の調整値は、第1の温度範囲に対応する第1の調整値に比べて、フレーム周波数を増加させる方向の調整値となる。例えば、検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わり、フレーム周波数の調整値が第1の調整値から第2の調整値に切り替わったとする。すると、温度上昇により減少しようとするフレーム周波数が、第2の調整値により、周波数が増加する方向に調整されるようになる。この結果、温度上昇によるフレーム周波数の減少が低減(相殺)されて、フレーム周波数の温度補償が実現される。
また調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、フレーム周波数の調整値として、第1の調整値と第2の調整値の間の補間調整値を出力する。なお調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合にも、フレーム周波数の調整値として、第1の調整値と第2の調整値の間の補間調整値を出力する。
具体的には調整部20は、検出温度が属する温度範囲(温度領域)が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、フレーム周波数の調整値として第1の調整値と第2の調整値の間を所与の分割数で補間した複数の補間調整値を出力する。例えば調整部20は、検出温度の温度範囲が切り替わった場合に、その切り替え期間において、第1の調整値から第2の調整値へと段階的に変化する値を、補間調整値として出力する。そして、タイミング制御部52は、第1の調整値から第2の調整値へと段階的に変化する補間調整値に基づいてフレーム周波数が設定される同期信号を出力し、駆動回路70は、この同期信号に基づいて表示パネル200を駆動する。即ち、補間調整値により調整されたフレーム周波数で表示パネル200が駆動されるようになる。なお調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合には、その切り替え期間において、第2の調整値から第1の調整値へと段階的に変化する値を、補間調整値として出力する。そしてタイミング制御部52は、第2の調整値から第1の調整値へと段階的に変化する補間調整値に基づいてフレーム周波数が設定される同期信号を出力し、駆動回路70は、この同期信号に基づいて表示パネル200を駆動する。ここで、第1の調整値をAJ1、第2の調整値をAJ2、補間調整値をAJIPとすると、AJ1<AJIP<AJ2(或いはAJ1>AJIP>AJ2)の関係が成り立つ。
このような構成の本実施形態の表示ドライバー(回路装置)によれば、検出温度が属する温度範囲が切り替わった際に、フレーム周波数の調整値が段階的に変化するようになるため、切り替えの瞬間が表示に見えにくくなり、画質の向上を実現できる。また、調整値の切り替えの境界付近で検出温度が不安定であった場合にも、表示のチラツキ等を十分に抑えることが可能になる。
図2は本実施形態の表示ドライバーの要部を示す図である。温度センサー90は温度検出回路92とA/D変換回路94を有する。温度検出回路92は、アナログの検出温度電圧TQを出力する。この検出温度電圧TQは温度勾配を有するアナログ電圧である。温度検出回路92からのアナログの検出温度電圧TQはA/D変換回路94によりA/D変換される。これにより、温度センサー90はデジタル値の検出温度値TADを出力する。また温度センサー90はストローブ信号STBを出力する。
なお温度センサー90の実現構成としては種々の構成が考えられる。例えば温度センサー90の温度検出回路92は、温度勾配を有する基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、ラダー抵抗を有し基準電圧から分割電圧を生成するヒューズ回路と、分割電圧に基づいて、アナログの検出温度電圧を生成する電圧発生回路などにより実現できる。また温度センサー90をサーミスター等の温度検出素子を用いて実現してもよい。
I/F部120は外部デバイス(MPU、表示コントローラー等)が発行したコマンドを受け付ける。デコード部50は受け付けられたコマンドのデコード処理を行い、デコード結果をレジスター部40に書き込む。
レジスター部40は、フロントポーチ数レジスター41、境界温度レジスター44、分割数レジスター46を有する。
フロントポーチ数レジスター41(広義には調整値レジスター)は、各温度範囲に対応づけられるフロントポーチ数(広義にはフレーム周波数の調整値)を記憶する。境界温度レジスター44は温度範囲の境界温度値を記憶する。
なお、以下では、フレーム周波数の調整値がフロントポーチ数である場合を主に例にとり説明するが、本実施形態の調整値はこれに限定されない。例えばフレーム周波数の調整値はバックポーチ数であってもよい。或いは、フレーム周波数を調整可能なパラメーターであって、フロントポーチ数やバックポーチ数と等価なパラメーターであってもよい。
例えば上述のように調整部20は、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数の調整値として、第1のフロントポーチ数を出力し、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、フレーム周波数の調整値として、第2のフロントポーチ数を出力する。この場合に第1のフロントポーチ数は第1の温度範囲に対応づけて設定されるフロントポーチ数であり、第2のフロントポーチ数は第2の温度範囲に対応づけて設定されるフロントポーチ数である。
そしてフロントポーチ数レジスター41は、これらの第1、第2のフロントポーチ数を可変に設定するためのレジスターである。例えば外部デバイスは、第1、第2のフロントポーチ数を設定するためのコマンドを発行し、デコード部50がこのコマンドのデコード処理を行う。そして、デコード結果により得られた第1、第2のフロントポーチ数がフロントポーチ数レジスター41に書き込まれる。
また境界温度レジスター44は、第1の温度範囲と第2の温度範囲の境界温度値を可変に設定するためのレジスターである。例えば外部デバイスは、温度範囲の境界温度値を設定するためのコマンドを発行し、デコード部50がこのコマンドのデコード処理を行う。そしてデコード結果により得られた境界温度値が境界温度レジスター44に書き込まれる。
また上述のように、調整部20は、第1のフロントポーチ数と第2のフロントポーチ数の間を所与の分割数(刻み回数)で補間した複数の補間フロントポーチ数を出力する。この場合に分割数レジスター46はこの補間の際の分割数を可変に設定するためのレジスターである。例えば外部デバイスは、フロントポーチ数の補間の分割数を設定するためのコマンドを発行し、デコード部50がこのコマンドのデコード処理を行う。そしてデコード結果により得られた分割数が分割数レジスター46に書き込まれる。
調整部20は、温度センサー90から検出温度値TADとストローブ信号STBを受ける。また、第1〜第3の温度範囲に対応づけられた第1〜第3のフロントポーチ数FP1〜FP3をフロントポーチ数レジスター41から読み出す。また、第1の温度範囲と第2の温度範囲の境界温度値TBLや、第2の温度範囲と第3の温度範囲の境界温度値TBHを、境界温度レジスター44から読み出す。またフロントポーチ数の補間の分割数DVNを分割数レジスター46から読み出す。
そして調整部20は、検出温度値TADにより求められた検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、第1のフロントポーチ数FP1と第2のフロントポーチ数FP2の間を分割数DVNで補間した複数の補間フロントポーチ数FPN(広義には補間調整値)を出力する。検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合も、第1のフロントポーチ数FP1と第2のフロントポーチ数FP2の間を分割数DVNで補間した複数の補間フロントポーチ数FPNを出力する。
また調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第3の温度範囲に切り替わった場合に、第2のフロントポーチ数FP2と第3のフロントポーチ数FP3の間を分割数DVNで補間した複数の補間フロントポーチ数FPNを出力する。検出温度が属する温度範囲が第3の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合も、第2のフロントポーチ数FP2と第3のフロントポーチ数FP3の間を分割数DVNで補間した複数の補間フロントポーチ数FPNを出力する。
タイミング制御部52は、調整部20からのフロントポーチ数FPNを受ける。そしてフロントポーチ数(調整値)に基づいてフレーム周波数が設定される同期信号VSYNC、HSYNCを駆動回路70に出力する。VSYNCは垂直同期信号であり、HSYNCは水平同期信号である。これにより駆動回路70は同期信号VSYNCで設定されるフレーム周波数で表示パネル200を駆動することになる。
図3に、第1〜第3の温度範囲に設定される第1〜第3のフロントポーチ数FP1〜FP3や、温度範囲の境界温度値TBL、TBHの例を示す。
図3では第1、第2、第3の温度範囲は、各々、低温範囲、室温範囲、高温範囲となっている。そして低温範囲にはフロントポーチ数FP1=40hが設定され、室温範囲にはフロントポーチ数FP2=80hが設定され、高温範囲にはフロントポーチ数FP3=C0hが設定されている。これらのフロントポーチ数FP1〜FP3はフロントポーチ数レジスター41に設定される。また低温範囲と室温範囲の境界温度値はTBL=10hに設定され、室温範囲と高温範囲の境界温度値はTBH=40hに設定されている。これらの境界温度値TBL、TBHは境界温度レジスター44に設定される。本実施形態では、このように低温範囲、室温範囲、高温範囲及びそれに対応するフロントポーチ数FP1、FP2、FP3を設定することで、例えば−40度〜120度というような広い温度範囲での表示ドライバーの適正な動作を実現している。なお図3では3つの温度範囲を設定する場合について説明したが、温度範囲は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
図4は本実施形態の詳細な動作を説明するタイミングチャートである。
まず温度センサー90の動作をオンにするコマンドTSENONと、表示パネル200の表示をオンにするコマンドDISONが、例えば外部デバイスにより発行される。これにより同期信号VSYNCが1フレームごとにアクティブになり、表示パネル200の表示動作が開始する。また温度センサー90の動作がオンになり、検出温度値TADが温度センサー90から出力される。
図4のA1に示すように、初回は1フレーム(VSYNC)ごとに温度センサー90からの検出温度値TADがサンプリングされて計測される。またA2〜A6に示すように、2回目以降は、64フレーム(約1秒)に1回ずつ検出温度値TADがサンプリングされて計測される。ここでA2(及びA3〜A6)は後述する検出温度TDTの検出期間であり、本実施形態においては、他の動作期間及びタイミング等はA2に基づき設定される。
そして本実施形態では、温度センサー90からの複数の検出温度値TADに基づいて、検出温度TDTが求められ、検出温度TDTが属する温度範囲が判断される。例えば図4では5個の検出温度値TADに基づいて検出温度TDTが求められている。具体的には、5個の検出温度値TADの中央値が検出温度TDTとして求められる。
例えば図4のA1に示すようにサンプリングされた5個の検出温度値TADに基づいて、B1に示す検出温度TDT=0Chが求められている。この検出温度TDT=0Chは、A1に示す5個の検出温度値TADの中央値である。またA2に示す5個の検出温度値TADに基づいて、B2に示すように検出温度TDT=0Fhが求められている。この検出温度TDT=0Fhは、A2に示す5個の検出温度値TADの中央値である。同様にA3、A4、A5に示す5個の検出温度値TADに基づいて、B3、B4、B5に示すように検出温度TDT=1Fh、2Fh、4Fhが求められている。このように複数の検出温度値TADの中央値を検出温度TDTとして求めれば、検出温度値TADにノイズ等が乗って温度が誤検出されてしまう事態を抑制できる。なお複数の検出温度値TADの平均化処理等を行って検出温度TDTを求めてもよい。
図4のB1で求められた検出温度TDT=0Chについては、0h<0Ch<10hの関係が成り立つ。従って、この検出温度TDT=0Chは図3の低温範囲(広義には第1の温度範囲)に属していると判断される。B2に示す検出温度TDT=0Fhについても、0h<0Fh<10hの関係が成り立つ。従って、この検出温度TDT=0Fhも低温範囲に属していると判断される。
そして図3に示すように低温範囲に対してはフロントポーチ数FP1=40hが設定されている。従って、調整部20は、検出温度TDTが低温範囲に属している場合には、C1に示すようにFPN=FP1=40hのフロントポーチ数を出力する。
一方、B3に示す検出温度TDT=1Fhについては、10h<1Fh<40hの関係が成り立つ。従って、この検出温度TDT=1Fhは、図3の室温範囲(広義には第2の温度範囲)に属していると判断される。B4に示す検出温度TDT=2Fhについても、10h<2Fh<40hの関係が成り立つ。従って、この検出温度TDT=2Fhも室温範囲に属していると判断される。
そして図3に示すように室温範囲に対してはフロントポーチ数FP2=80hが設定されている。従って、調整部20は、検出温度TDTが室温範囲に属している場合には、C2に示すようにFPN=FP2=80hのフロントポーチ数を出力する。
このように本実施形態では調整部20は、検出温度TDTが低温範囲(第1の温度範囲)に属する場合には、フロントポーチ数FPN(フレーム周波数の調整値)として、低温範囲に対応づけられたフロントポーチ数FP1=40h(第1のフロントポーチ数、第1の調整値)を出力する。一方、調整部20は、検出温度TDTが室温範囲(第2の温度範囲)に属する場合には、フロントポーチ数FPN(フレーム周波数の調整値)として、室温範囲に対応づけられたフロントポーチ数FP2=80h(第2のフロントポーチ数、第2の調整値)を出力する。
そして図4のB2、B3では、検出温度TDTが属する温度範囲が低温範囲(第1の温度範囲)から室温範囲(第2の温度範囲)に切り替わっている。この場合に本実施形態では、C3に示すように、調整部20は補間フロントポーチ数FPN=50h、60h、70hを出力する。即ち、フロントポーチ数FPN=FP1=40hと、フロントポーチ数FPN=FP2=80hを、図2の分割数レジスター46に設定された分割数DVN=4で補間した複数の補間フロントポーチ数FPN=50h、60h、70hを出力する。即ち、フロントポーチ数FPN=FP1とFPN=FP2との差を分割数DVNの分だけ刻んだ補間フロントポーチ数を出力する。本実施形態では、補間フロントポーチ数を出力するタイミングは検出温度値TADのサンプリングタイミングに合致させている。
また図4のB4、B5では、検出温度TDTが属する温度範囲が室温範囲から高温範囲に切り替わっている。この場合に調整部20は、C4に示すように補間フロントポーチ数FPN=90h、A0h、B0hを出力する。即ち、フロントポーチ数FPN=FP2=80hと、フロントポーチ数FPN=FP3=C0hを、分割数DVN=4で補間した複数の補間フロントポーチ数FPN=90h、A0h、B0hを出力する。即ち、フロントポーチ数FPN=FP2とFPN=FP3との差を分割数DVNの分だけ刻んだ補間フロントポーチ数を出力する。
以上のように本実施形態によれば、検出温度が、各温度範囲(低温範囲、室温範囲、高温範囲)内に入っている間は、フロントポーチ数FPNは、各温度範囲に設定されたフロントポーチ数(FP1〜FP3)から変化せず、フレーム周波数も変化しないようになる。従って、不必要にフロントポーチ数FPNが変化することで、フレーム周波数が変化し、表示パネル200の表示が不必要に変化してしまう事態を抑制できる。これにより表示パネル200の安定した画像表示が可能になる。
また、このような温度範囲を設定した場合、温度範囲の切り替えが生じると、フロントポーチ数FPNが大きく変化することで、フレーム周波数が大きく変化し、切り替えの瞬間が表示に見えてしまうおそれがある。例えば図3では、低温範囲に対してフロントポーチ数FP1=40hが設定され、室温範囲にフロントポーチ数FP2=80hが設定されており、FP1とFP2の差は大きい。従って、低温範囲から室温範囲への切り替えの瞬間に、フロントポーチ数が40hから80hというように大きく変化し、それに応じてフレーム周波数も大きく変化してしまうと、それが表示として見えてしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、温度範囲の切り替え期間においては、図4のC3、C4に示すように、フロントポーチ数FPNが段階的に変化する。例えば低温範囲から室温範囲への切り替え期間では、C3に示すようにフロントポーチ数FPNが40h、50h、60h、70h、80hというように段階的に徐々に変化する。また室温範囲から高温範囲への切り替え期間では、C4に示すようにフロントポーチ数FPNが80h、90h、A0h、B0h、C0hというように段階的に徐々に変化する。従って、フレーム周波数も段階的に徐々に変化するようになり、切り替えの瞬間が表示として見えてしまう事態を抑制できる。
また例えば、検出温度が、温度範囲の境界温度(図3のTBL、TBH)の付近において不安定に変化した場合に、フロントポーチ数FPNが頻繁に切り替わって、表示にチラツキ等が生じるおそれがある。
この点、本実施形態では、図4のC3、C4に示すように、温度範囲の境界付近ではフロントポーチ数は段階的に徐々に変化する。従って、後述の図14(A)、図14(B)で詳細に説明するように、検出温度が、温度範囲の境界温度の付近において不安定に変化した場合にも、フレーム周波数が頻繁に切り替えられることによる表示のチラツキ等を十分に抑えることが可能になる。
また本実施形態では、各温度範囲に設定されるフロントポーチ数FP1〜FP3や、温度範囲の境界温度値TBL、TBHや、フロントポーチ数の補間の際の分割数DVNについては、各レジスターに設定される。従って、これらのフロントポーチ数FP1〜FP3や境界温度値TBL、TBHや分割数DVNを、ユーザーの仕様等に応じて可変に設定できるようになる。この結果、様々なユーザーの要望に対応できるようになり、ユーザーの利便性等を向上できる。
また本実施形態では、温度センサー90からの複数の検出温度値TADに基づいて、検出温度TDTが求められ、この検出温度TDTが属する温度範囲が判断される。従って、検出温度値TADにノイズ等が乗り、誤った検出温度TDTが測定され、フロントポーチ数が予期しない変化をして、正常ではないフレーム周波数により表示パネル200が駆動されてしまうのを抑制できる。例えば複数の検出温度値の中央値を検出温度として求めれば、温度センサー90からの複数の検出温度値の中に、ノイズ等によって生じた異常値が存在した場合にも、検出温度には、この異常値は反映されないようになる。従って、温度センサー90の検出温度値として異常値が出力された場合にも、この異常値が表示パネル200の表示に悪影響を及ぼす事態を効果的に抑制できる。
また図4において、温度センサー90から複数の検出温度値TADが出力される期間の長さをT1とし、補間フロントポーチ数が出力される期間の長さをT2としたとする。例えば、このT1は、図4のA4に示すように5個の検出温度値が温度センサー90から出力されてサンプリングされる期間の長さである。またT2は、C3に示すように、補間フロントポーチ数50h、60h、70hが出力される期間の長さであり、フロントポーチ数の切り替え期間の長さである。この場合に本実施形態では、例えばT1≧T2の関係が成り立つ。例えば図4のA4、C3ではT1>T2の関係が成り立っている。
このようにすれば、検出温度値のサンプリング期間(T1)内に、フロントポーチ数の切り替え期間(T2)を収めることができる。従って、切り替え期間が長くなって、次の検出温度値のサンプリング期間まで延びてしまう事態を防止できる。これにより、切り替え期間が次のサンプリング期間まで延びてしまう事態を想定しなくても済むようになるため、調整部20の回路構成を簡素化できると共に回路設計の容易化を図れる。
なお本実施形態では分割数DVN=4を用いてT1>T2の関係が成り立つように設定した。これは、検出温度TDTの検出期間(即ち図4のA2)での検出温度値TADのサンプリング回数である5よりも少ない数を、分割数DVNとして設定したことによる。
図5はフロントポーチやバックポーチについての説明図である。1フレームの期間における表示期間は、表示パネル200の物理的な表示ラインにより決定される。例えば表示期間の長さは表示パネル200の物理的な表示ライン数(垂直表示ライン数、走査ライン数)に対応する。そして、この表示期間の前後にはフロントポーチとバックポーチが設けられている。例えば図5では、垂直同期信号がアクティブから非アクティブになるタイミングから、表示期間の開始タイミングまでの期間が、バックポーチの期間となっている。また表示期間の終了タイミングから、垂直同期信号が非アクティブからアクティブになるタイミングまでの期間が、フロントポーチの期間となっている。そしてフロントポーチ数やバックポーチ数を調整することで、フレーム周波数を調整できる。フロントポーチ数は、例えばフロントポーチでの仮想的な表示ライン数を表しており、フロントポーチ期間やフロントポーチ幅とも呼ばれる。バックポーチ数は、例えばバックポーチでの仮想的な表示ライン数を表しており、バックポーチ期間やバックポーチ幅とも呼ばれる。
例えばフレーム周波数は、人間の目に最適な周波数に設定することが望ましく、例えば60〜80Hz程度に設定することが望ましい。従って、表示ライン数(水平走査ライン数)が多い表示パネル200を駆動する場合には、例えばフロントポーチ数やバックポーチ数を少なくする。一方、表示ライン数が少ない表示パネル200を駆動する場合には、例えばフロントポーチ数やバックポーチ数を多くする。こうすることで、フレーム周波数を例えば60〜80Hz程度に設定することが可能になる。
図6にタイミング制御部52の構成例を示す。図6では、タイミング制御部52の回路のうち同期信号HSYNC、VSYNCを生成する回路部分を主に示している。タイミング制御部52は、Hカウンター54(水平同期カウンター)、論理回路56、Vカウンター58(垂直同期カウンター)を有している。
Hカウンター54の入力端子INには1水平期間のクロック数の設定値1HCKNが入力され、クロック端子Cにはクロック信号CLK(ドットクロック信号)が入力される。そしてHカウンター54は水平同期信号HSYNCを出力する。論理回路56には表示ライン数の設定値DLNとフロントポーチ数FPNとバックポーチ数BPNが入力され、信号LCQを出力する。Vカウンター56の第1の入力端子IN1には水平同期信号HSYNCが入力され、第2の入力端子IN2には論理回路56からの信号LCQが入力され、クロック端子Cにはクロック信号CLKが入力される。そしてVカウンター56は垂直同期信号VSYNCを出力する。
このタイミング制御部52によれば、フロントポーチ数FPNやバックポーチ数BPNなどのポーチ数を設定することで、垂直同期信号VSYNCがアクティブになるタイミング等を制御することができ、フレーム周波数の長さを制御できるようになる。
3.詳細な構成例
次に本実施形態の詳細な構成例及び動作について説明する。図7は調整部20の詳細な構成例を示す図である。なお本実施形態の調整部20は図7の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
調整部20は、温度範囲判断部24、出力部26を含む。またラッチ部22を含むことができる。
ラッチ部22は、ストローブ信号STB、同期信号VSYNCを受ける。そして、これらの信号に基づくラッチ信号により、温度センサー90からの検出温度値TADをラッチする。そしてラッチ部22は、今回(今回のサンプリング期間)の検出温度を示す信号TDTCURと、前回(前回のサンプリング期間)の検出温度を示す信号TDTBFRを、温度範囲判断部24に出力する。
温度範囲判断部24は、検出温度が属する温度範囲を判断する。そして出力部26は、温度範囲判断部24による前回の期間での判断結果と今回の期間での判断結果に基づいて、検出温度が属する温度範囲が変化したか否かを判断する。例えば前回の期間での判断結果と今回の期間での判断結果の比較処理等を行うことで、検出温度が属する温度範囲が変化したか否かを判断する。そして出力部26は、検出温度が属する温度範囲が変化したとの判断した場合に、第1のフロントポーチ数と第2のフロントポーチ数の間の補間フロントポーチ数を出力する。即ち図4のC3、C4に示すような補間フロントポーチ数を、温度範囲(フロントポーチ数)の切り替え期間において出力する。
具体的には、温度範囲判断部24は、ラッチ部22からの検出温度信号TDTCUR、TDTBFRを受ける。また境界レジスター44からの境界温度値TBL、TBHを受ける。そして温度範囲判断部24は、検出温度が属する温度範囲の判断処理等を行い、ストローブ信号STB64F、STBMPを、出力部26(加算部30)に出力する。ここでSTB64Fは64フレーム(約1秒)に1回ずつアクティブになるストローブ信号である。また温度範囲判断部24は、今回の検出温度が属する温度範囲を示すフラグ信号FLCUR1〜FLCUR3と、前回の検出温度が属する温度範囲を示すフラグ信号FLBFR1〜FLBFR3を、出力部26(演算部28)に出力する。
出力部26は、演算部28、加算部30、セレクター32を含む。演算部28は、温度範囲判断部24からの温度範囲のフラグ信号FLCUR1〜FLCUR3、FLBFR1〜FLBFR3を受ける。また分割数レジスター46からの分割数DVNと、フロントポーチ数レジスター41からのフロントポーチ数FP1〜FP3を受ける。そして演算部28は、これらの信号やレジスター値に基づいて演算処理を行い、フロントポーチ数の切り替え期間におけるカウント値信号CNTと、切り替え期間におけるフロントポーチ数の変化幅信号MVを加算部30に出力する。
加算部30は、フロントポーチ数レジスター41から、各温度範囲に設定されるフロントポーチ数FP1〜FP3を受ける。また温度範囲判断部24からストローブ信号STB64F、STBMPを受けると共に、演算部28からカウント値信号CNT、変化幅信号MVを受ける。そして、フロントポーチ数の切り替え期間において、各温度範囲に設定されるフロントポーチ数FP1〜FP3に対して、カウント値信号CNTと変化幅信号MVにより特定される変化値を加算する処理を行う。そして、加算処理により求められたフロントポーチ数FPCALをセレクター32に出力する。
セレクター32は、フロントポーチ数の自動調整が有効に設定されている場合(後述の図12)には、加算部30からのFPCALを選択して、フロントポーチ数FPNとしてタイミング制御部52に出力する。一方、セレクター32は、フロントポーチ数の自動調整が無効に設定されている場合(後述の図13)には、フロントポーチ数レジスター41からのフロントポーチ数FP2を、フロントポーチ数FPNとしてタイミング制御部52に出力する。
以上のように本実施形態の表示ドライバーは、フロントポーチ数FP1〜FP3(広義には第1〜第3のフロントポーチ数)を可変に設定するためのフロントポーチ数レジスター41と、境界温度値TBL、TBHを可変に設定するための境界温度レジスター44と、分割数DVNを可変に設定するための分割数レジスター46を含む。
そして調整部20の温度範囲判断部24は、境界温度レジスター44に設定される境界温度値TBL、TBHに基づいて、検出温度が属する温度範囲を判断する。また出力部26の演算部28は、温度範囲判断部24による今回の期間での判断結果(FLCUR1〜FLCUR3)及び前回の期間での判断結果(FLBFR1〜FLBFR3)と、分割数レジスター46に設定される分割数DVNとに基づいて、フロントポーチ数の切り替え期間におけるカウント値信号CNTと、切り替え期間におけるフロントポーチ数の変化幅信号MVを出力する。そして出力部26の加算部30は、フロントポーチ数レジスター41に設定されるフロントポーチ数FP1〜FP3と、演算部28からのカウント値信号CNT及び変化幅信号MVとに基づいて、加算処理を行う。そして、切り替え期間において、フロントポーチ数FP1とFP2(或いはFP2とFP3)の間を分割数DVNで補間した複数の補間フロントポーチ数FPCALを出力する。
4.詳細な動作
次に本実施形態の詳細な動作について説明する。図8は本実施形態の詳細な動作を説明するタイミングチャートである。
図8のD1に示す期間がサンプリング期間であり、本実施形態では、1回のサンプリング期間において、温度センサー90からの5個の検出温度値TADがサンプリングされて、図7のラッチ部22にラッチされる。そして、これらの5個の検出温度値TADに基づいて当該サンプリング期間での検出温度TDTが求められる。具体的には5個の検出温度値TADの中央値が検出温度TDTとして求められる。
そしてD2では、今回のサンプリング期間の検出温度はTDT=10hと判断されている。このため、ラッチ部22は、D3に示すように、今回のサンプリング期間の検出温度を示す信号としてTDTCUR=10hを温度範囲判断部24に出力する。なお、次回のサンプリング期間では、ラッチ部22は、D4に示すように、前回のサンプリング期間の検出温度を示す信号としてTDTBFR=10hを出力することになる。
これらの信号TDTCUR、TDTBFRを受けた温度範囲判断部24は、検出温度が属する温度範囲を判断する。そして、検出温度が属する温度範囲を示すフラグ信号FLCUR1〜FLCUR3、FLBFR1〜FLBFR3を、出力部26の演算部28に出力する。ここで、FLCUR1、FLCUR2、FLCUR3は、今回のサンプリング期間(以下、「今回のサンプリング期間」を、適宜、単に「今回」と記載する)の検出温度が、各々、図3の低温範囲、室温範囲、高温範囲に属することを示すフラグ信号である。またFLBFR1、FLBFR2、FLBFR3は、前回のサンプリング期間(以下、「前回のサンプリング期間」を適宜、単に「前回」と記載する)の検出温度が、各々、図3の低温範囲、室温範囲、高温範囲に属することを示すフラグ信号である。
例えば今回の検出温度TDT=10hは低温範囲に属すると判断され、D5では、低温範囲に対応するフラグ信号FLCUR1がアクティブ(Hレベル)になっている。この場合に、次回のサンプリング期間では、D6に示すようにフラグ信号FLBFR1がアクティブになる。また後述するように図8では温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わっているため、次回のサンプリング期間では、D7に示すように室温範囲に対応するフラグ信号FLCUR2がアクティブになる。
ストローブ信号STBMPは、D8に示すように、温度範囲の切り替えが行われた場合にアクティブになる信号である。このストローブ信号STBMPは加算部30に出力される。
図8の信号FPCUR、FPBFR、INC、DEC、DIFは、演算部28の内部信号である。FPCURは今回のフロントポーチ数を示す信号であり、FPBFRは前回のフロントポーチ数を示す信号である。INCは、温度範囲の切り替え期間においてフロントポーチ数を増加させることを指示する信号であり、DECは、フロントポーチ数を減少させることを指示する信号である。DIFは、温度範囲の切り替え後のフロントポーチ数(FP2)と温度範囲の切り替え前のフロントポーチ数(FP1)の差分値を示す信号である。
図8では、検出温度TDTが10hから11hに変化したため、検出温度TDTが属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わったと判断される。これにより、D8に示すようにストローブ信号STBMPがアクティブになる。またD9に示すように信号INCがアクティブになって、切り替え期間においてフロントポーチ数を増加させることが指示される。またD10に示すように、差分値はDIF=FP2−FP1=80h−40h=40hに設定される。
図9(A)は、図8のように検出温度が属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わった場合において、切り替え期間における分割数がDVN=4であるときのタイミングチャートである。この場合には、切り替え期間においてフロントポーチ数FPNは増加することになるため、図9(A)のE1に示すように信号INCがアクティブになる。そして演算部28は、E2、E3に示すように、0からDVN=4までインクリメントするカウント値信号CNTと、フロントポーチ数FPNの変化幅信号MV=(FP2−FP1)/DVN=(80h−40h)/4=10hを出力する。即ち、フロントポーチ数FPNの変化幅は分割数DVNにより可変に設定される。そして、E4に示すように40h、50h、60h、70h、80hというように段階的に徐々に増加するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。この場合に50h、60h、70hが、切り替え期間において出力される複数の補間フロントポーチ数に相当する。
図9(B)は、検出温度が属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わった場合において、切り替え期間における分割数がDVN=8であるときのタイミングチャートである。この場合には、演算部28は、E5、E6に示すように、0からDVN=8までインクリメントするカウント値信号CNTと、フロントポーチ数FPNの変化幅信号MV=(FP2−FP1)/DVN=(80h−40h)/8=08hを出力する。これによりE7に示すように40h、48h、50h、58h、60h、68h、70h、78h、80hというように段階的に徐々に増加するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。この場合に48h、50h、58h、60h、68h、70h、78hが、切り替え期間において出力される複数の補間フロントポーチ数に相当する。
図9(C)は、検出温度が属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わった場合において、切り替え期間における分割数がDVN=16であるときのタイミングチャートである。この場合には、演算部28は、E8、E9に示すように、0からDVN=16までインクリメントするカウント値信号CNTと、フロントポーチ数FPNの変化幅信号MV=(FP2−FP1)/DVN=(80h−40h)/16=04hを出力する。これによりE10に示すように40h、44h、48h、4Ch・・・・74h、78h、7Ch、80hというように段階的に徐々に増加するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。
図10も本実施形態の詳細な動作を説明するタイミングチャートである。前述の図8は、検出温度が属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わった場合のタイミングチャートであるのに対して、図10は、検出温度が属する温度範囲が高温範囲から室温範囲に切り替わった場合のタイミングチャートである。
図10のF1〜F10は図8のD1〜D10に対応するものであり、詳細な説明は省略する。例えば図10のF2に示す今回の検出温度TDT=41hは、高温範囲に属すると判断され、F5では高温範囲に対応するフラグ信号FLCUR3がアクティブになっている。次回のサンプリング期間では、F6に示すようにフラグ信号FLBFR3がアクティブになる。また温度範囲が高温範囲から室温範囲に切り替わったため、次回のサンプリング期間では、F7に示すように室温範囲に対応するフラグ信号FLCUR2がアクティブになる。また、F9に示すように信号DECがアクティブになって、切り替え期間においてフロントポーチ数を減少させることが指示される。またF10に示すように、差分値はDIF=FP3−FP2=C0h−80h=40hに設定される。
図11(A)、図11(B)、図11(C)は、図10のように検出温度が属する温度範囲が高温範囲から室温範囲に切り替わった場合において、切り替え期間における分割数が、各々、DVN=4、8、16であるときのタイミングチャートである。
図11(A)では、G1に示すように信号DECがアクティブになり、G2、G3に示すように、0からDVN=4まで変化するカウント値信号CNTと、変化幅信号MV=10hが出力される。これによりG4に示すようにC0h、B0h、A0h、90h、80hというように段階的に徐々に減少するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。
図11(B)では、G5、G6に示すように、0からDVN=8まで変化するカウント値信号CNTと、変化幅信号MV=08hが出力される。これによりG7に示すようにC0h、B8h、B0h、A8h、A0h、98h、90h、88h、80hというように段階的に徐々に減少するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。
図11(C)では、G8、G9に示すように、0からDVN=16まで変化するカウント値信号CNTと、変化幅信号MV=04hが出力される。これによりG10に示すようにC0h、BCh、B8h、B4h・・・・・90h、8Ch、88h、84h、80hというように段階的に徐々に減少するフロントポーチ数FPNが出力されるようになる。
図12は、フロントポーチ数(フレーム周波数)の自動調整を行う場合の本実施形態の動作を説明するフローチャートである。
まず、例えば外部デバイスが、温度センサー90による温度検出をオンにするTSENONコマンドを発行する(ステップS1)。このTSENONコマンドはI/F部120により受け付けられ、デコード部50によりデコード処理される。そして調整部20は、例えば1秒間のウェイトの後(ステップS2)、温度センサー90からの検出温度値を取得する(ステップS3)。そして、検出温度が属する温度範囲が変移したか否かを判断する(ステップ4)。例えば、検出温度が属する温度範囲が、低温範囲から室温範囲、室温範囲から高温範囲、高温範囲から室温範囲、或いは室温範囲から低温範囲に変移したか否かを判断する。そして温度範囲の変移が無かった場合にはステップS2に戻る。一方、温度範囲の変移があった場合には、調整部20は、フロントポーチ数FP1〜FP3、分割数DVN等の設定に応じて、フロントポーチ数(フレーム周波数)の自動調整を実行する(ステップS5)。即ち図8〜図11(C)等で説明したフロントポーチ数の自動調整の処理を実行する。
図13は、フロントポーチ数(フレーム周波数)の自動調整を行わない場合の本実施形態の動作を説明するフローチャートである。
まず、例えば外部デバイスが、TSENONコマンドを発行する(ステップS11)。次に外部デバイスは、例えば1秒間のウェイトの後(ステップS12)、検出温度値の読み出しコマンドであるRDTSENコマンドを発行して、温度センサー90の検出温度値を読み出す(ステップS13)。これらのTSENONコマンド、RDTSENコマンドはI/F部120により受け付けられ、デコード部50によりデコード処理される。そして温度センサー90の検出温度値はI/F部120を介して外部デバイスにより読み出される。次に外部デバイスは、読み出された検出温度値に基づいてフロントポーチ数の調整が必要か否かを判断し、(ステップS14)、必要ではないと判断した場合にはステップS12に戻る。一方、必要であると判断した場合には、外部デバイスは、フロントポーチ数FP2を設定するコマンドでフロントポーチ数を再調整する(ステップS15)。即ち、この場合には図7のセレクター32が、フロントポーチ数レジスター41からのフロントポーチ数FP2を選択する。そして外部デバイスが、FP2として所望のフロントポーチ数を設定することで、フロントポーチ数の再調整が実行される。
図14(A)、図14(B)は、本実施形態のフロントポーチ数、フレーム周波数の調整手法の説明図である。
図14(A)において、TBLは、低温範囲と高温範囲の境界温度値であり、この境界温度値TBLを境界として、フロントポーチ数の切り替えが行われる。そして図14(A)では、この境界温度値TBLの付近で検出温度が上下に変動している。
例えば期間TP1(サンプリング期間)では、温度センサー90からの5個の検出温度値TADがサンプリングされて、5個の検出温度値TADの中央値が検出温度TDT1として求められている。同様に期間TP2、TP3、TP4、TP5、TP6、TP7では、各期間での5個の検出温度値TADの中央値が、検出温度TDT2、TDT3、TDT4、TDT5、TDT6、TDT7として求められている。
そして期間TP1の検出温度TDT1は境界温度値TBLよりも低く、次の期間TP2の検出温度TDT2は境界温度値TBLよりも高い。また期間TP3の検出温度TDT3は境界温度値TBLよりも低く、次の期間TP4の検出温度TDT4は境界温度値TBLよりも高い。また期間TP5、TP6の検出温度TDT5、TDT6は境界温度値TBLよりも高く、次の期間TP7の検出温度TDT7は境界温度値TBLよりも低い。このように図14(A)では検出温度が境界温度値TBLの付近で上下に変動している。
そして、境界温度値TBL(或いはTBH)の付近で検出温度が不安定に変動する場合に、本実施形態の手法を採用しないと、フロントポーチ数が頻繁に切り替わって、フレーム周波数が頻繁に切り替わることで、表示にチラツキ等が生じてしまう。例えば図3では、低温範囲に対してはフロントポーチ数FP1=40hが設定され、室温範囲に対してはフロントポーチ数FP2=80hが設定されている。従って、図14(A)のように境界温度値TBLの付近で検出温度が不安定に変動すると、フロントポーチ数が、FP1=40hからFP2=80hに一気に切り替わったり、FP2=80hからFP1=40hに一気に切り替わってしまう。これにより、フレーム周波数が大きく変化し、表示にチラツキが生じてしまう。
この点、本実施形態の手法を採用すれば、図14(B)に示すように、フロントポーチ数の切り替え期間において、フロントポーチ数が段階的に増加又は減少するようになり、フレーム周波数も段階的に増加又は減少するようになる。
例えば期間TP1の検出温度TDT1は低温範囲に属し、期間TP2の検出温度TDT2は室温範囲に属している。従って、期間TP1からTP2になると、温度範囲が切り替わったと判断され、図14(B)に示すように、フロントポーチ数、フレーム周波数は、各々、FP1、FRF1からFP2、FRF2へと段階的に増加する。ここでFP1、FP2(第1、第2のフロントポーチ数)は、各々、低温範囲、室温範囲に設定されたフロントポーチ数である。またFRF1、FRF2(第1、第2のフレーム周波数)は、各々、フロントポーチ数がFP1、FP2に設定されたときのフレーム周波数である。またFPBD、FRFBDは境界値であり、例えばFPBD=(FP1+FP2)/2、FRFBD=(FRF1+FRF2)/2である。
また期間TP2の検出温度TDT2は室温範囲に属し、期間TP3の検出温度TDT3は低温範囲に属している。従って、期間TP2からTP3になると、温度範囲が切り替わったと判断され、フロントポーチ数、フレーム周波数は、各々、FP2、FRF2からFP1、FRF1に段階的に減少する。
また期間TP3の検出温度TDT3は低温範囲に属し、期間TP4の検出温度TDT4は室温範囲に属している。従って、期間TP3からTP4になると、温度範囲が切り替わったと判断され、フロントポーチ数、フレーム周波数は、各々、FP1、FRF1からFP2、FRF2に段階的に増加する。
また期間TP4、TP5、TP6の検出温度TDT4、TDT5、TDT6は全て室温範囲に属している。従って、期間TP4からTP5になった場合や、期間TP5からTP6になった場合に、温度範囲は切り替わっていないと判断され、フロントポーチ数、フレーム周波数は、FP2、FRF2から変化せず一定になる。そして期間TP6から期間TP7になると、温度範囲が切り替わったと判断され、フロントポーチ数、フレーム周波数は、各々、FP2、FRF2からFP1、FRF1に段階的に減少する。
即ち図14(A)では、期間TP1(第1の期間)において温度センサー90から出力される5個の検出温度値TAD(複数の第1の検出温度値)に基づき求められた検出温度TDT1(第1の検出温度)が、低温範囲(第1の温度範囲)に属している。また期間TP2(第2の期間)におい温度センサー90から出力される5個の検出温度値TAD(複数の第2の検出温度値)に基づき求められた検出温度TDT2(第2の検出温度)が、室温範囲(第2の温度範囲)に属している。
この場合に本実施形態では、期間TP1からTP2になって、検出温度が属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わったと判断されると、この切り替わり期間において、調整部20は、フロントポーチ数FP1とFP2を補間した複数の補間フロントポーチ数を出力する。そして、この補間フロントポーチ数を受けたタイミング制御部52は、この補間フロントポーチ数に基づきフレーム周波数が設定された同期信号を出力する。
このように本実施形態では、境界温度値TBLの付近で検出温度が不安定に変化した場合にも、温度範囲の切り替わり期間においてフロントポーチ数やフレーム周波数が段階的に増加又は減少するようになる。従って、表示のチラツキ等を十分に抑えることができる。また期間TP5、TP6のように、検出温度が、1つの温度範囲に属している間は、フロントポーチ数は同じ値から変化せず、フレーム周波数も同じ周波数から変化せずに一定になる。従って、温度変動が少ない場合に、不必要にフロントポーチ数が変化することで、フレーム周波数が変化し、表示パネル200の表示が不必要に変化してしまう事態についても抑制できる。
5.電子ボリューム値の自動調整
さて、LCDパネル等の表示パネルを駆動する表示ドライバーでは、温度センサーにより検出された検出温度に基づいて電子ボリューム値を調整し、駆動電源電圧を、環境温度に対応した電圧に設定する手法を採用している。本実施形態では、このような駆動電源電圧の設定に使用される温度センサーを用いて、フレーム周波数の温度補償を実現している。即ち、駆動電源電圧の温度補償に用いられる温度センサー等のハードウェア構成を有効活用して、駆動電源電圧のみならず、フレーム周波数の温度補償についても実現している。こうすることで、温度センサー等のハードウェア構成の兼用が可能になる。
ところで、このような駆動電源電圧の温度補償を行う場合に、従来の表示ドライバーでは、温度センサーの検出温度に基づく電子ボリューム値の切り替えを一気に行っていた。このため、電子ボリューム値が切り替わった瞬間が表示に見えてしまったり、切り替えの境界付近で検出温度が不安定な場合に、電子ボリューム値が頻繁に切り替わって、表示がちらつくなどの問題が生じるおそれがある。
このような問題を解決するために本実施形態では、電子ボリューム値の切り替えを一気には行わずに、段階的に電子ボリューム値を刻んで出力する手法を採用する。例えば検出温度が属する温度範囲が切り替わった際に、電子ボリューム値を段階的に変化させる手法を採用する。
このような手法を実現するために、図1の表示ドライバーでは、調整部20が、温度センサー90を用いて求められた検出温度に基づいて電子ボリューム値を出力し、電源回路60が、この電子ボリューム値に基づいて駆動電源電圧を供給する。そして駆動回路70が、供給された駆動電源電圧に基づいて表示パネル200を駆動する。
そして調整部20は、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、駆動電源電圧を第1の電圧に設定する第1の電子ボリューム値を出力する。一方、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、駆動電源電圧を第2の電圧に設定する第2の電子ボリューム値を出力する。そして調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、駆動電源電圧を、第1の電圧と第2の電圧の間の補間電圧に設定する補間電子ボリューム値を出力する。なお調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合にも、駆動電源電圧を、第1の電圧と第2の電圧の間の補間電圧に設定する補間電子ボリューム値を出力する。
具体的には調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、第1の電子ボリューム値と第2の電子ボリューム値の間を所与の分割数で補間した複数の補間電子ボリューム値を出力する。例えば調整部20は、検出温度の温度範囲が切り替わった場合に、その切り替え期間において、第1の電子ボリューム値から第2の電子ボリューム値へと段階的に変化する値を、補間電子ボリューム値として出力する。そして電源回路60は、この切り替え期間において、第1の電圧(第1の駆動電源電圧)から第2の電圧(第2の駆動電源電圧)へと段階的に変化する補間電圧を、駆動電源電圧として出力する。なお調整部20は、検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合には、その切り替え期間において、第2の電子ボリューム値から第1の電子ボリューム値へと段階的に変化する値を、補間電子ボリューム値として出力する。そして電源回路60は、この切り替え期間において、第2の電圧から第1の電圧へと段階的に変化する補間電圧を、駆動電源電圧として出力する。
ここで第1の電圧をPWV1、第2の電圧をPWV2、補間電圧をPWVIPとすると、例えばPWV1<PWVIP<PWV2(或いはPWV1>PWVIP>PWV2)の関係が成り立つ。また第1の電子ボリューム値をEV1、第2の電子ボリューム値をEV2、補間電子ボリューム値をEVIPとすると、EV1<EVIP<EV2(或いはEV1>EVIP>EV2)の関係が成り立つ。また駆動電源電圧は、駆動回路70が表示パネル200の駆動のために用いる電源電圧である。例えば駆動電源電圧としては、コモン電極駆動電圧(VCOM)、ソースドライバー用電源電圧、ゲートドライバー用電源電圧、或いは階調電圧生成回路用電源電圧などがある。
このような構成の本実施形態の表示ドライバーによれば、検出温度が属する温度範囲が切り替わった際に、電子ボリューム値が段階的に変化するようになるため、切り替えの瞬間が表示に見えにくくなり、画質の向上を実現できる。また、電子ボリューム値の切り替えの境界付近で検出温度が不安定であった場合にも、表示のチラツキを十分に抑えることが可能になる。
図15は、このような電子ボリューム値の自動調整を実現する表示ドライバーの要部を示す構成例である。ここでは図2と重複する部分については詳細な説明を省略する。
図15では、レジスター部40がボリューム値レジスター42を有している。このボリューム値レジスター42は、各温度範囲に対応づけられる電子ボリューム値を記憶する。
例えば上述のように調整部20は、検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、駆動電源電圧を第1の電圧に設定する第1の電子ボリューム値を出力し、検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、駆動電源電圧を第2の電圧に設定する第2の電子ボリューム値を出力する。この場合に第1の電子ボリューム値は第1の温度範囲に対応づけて設定される電子ボリューム値であり、第2の電子ボリューム値は第2の温度範囲に対応づけて設定される電子ボリューム値である。
そしてボリューム値レジスター42は、これらの第1、第2の電子ボリューム値を可変に設定するためのレジスターである。例えば外部デバイスは、第1、第2の電子ボリューム値を設定するためのコマンドを発行し、デコード部50がこのコマンドのデコード処理を行う。そして、デコード結果により得られた第1、第2の電子ボリューム値がボリューム値レジスター42に書き込まれる。
また上述のように、調整部20は、第1の電子ボリューム値と第2の電子ボリューム値の間を所与の分割数(刻み回数)で補間した複数の補間電子ボリューム値を出力する。この場合に分割数レジスター46には、この補間の際の分割数が設定されることになる。
調整部20は、第1〜第3の温度範囲に対応づけられた第1〜第3の電子ボリューム値EV1〜EV3をボリューム値レジスター42から読み出す。そして調整部20は、検出温度値TADにより求められた検出温度が属する温度範囲が第1の温度範囲から第2の温度範囲に切り替わった場合に、第1の電子ボリューム値EV1と第2の電子ボリューム値EV2の間を分割数DVNで補間した複数の電子ボリューム値EVOLを出力する。検出温度が属する温度範囲が第2の温度範囲から第1の温度範囲に切り替わった場合も、第1の電子ボリューム値EV1と第2の電子ボリューム値EV2の間を分割数DVNで補間した複数の電子ボリューム値EVOLを出力する。
電源回路60は、調整部20からの電子ボリューム値EVOLを受ける。そして、駆動電源電圧PWVを、電子ボリューム値EVOLに応じた電圧に設定して、駆動回路70に出力する。
図16に、第1〜第3の温度範囲に設定される第1〜第3の電子ボリューム値EV1〜EV3の例を示す。図16では第1、第2、第3の温度範囲は、各々、低温範囲、室温範囲、高温範囲となっている。そして低温範囲には電子ボリューム値EV1=40hが設定され、室温範囲には電子ボリューム値EV2=80hが設定され、高温範囲には電子ボリューム値EV3=C0hが設定されている。これらの電子ボリューム値EV1〜EV3はボリューム値レジスター42に設定される。本実施形態では、このように低温範囲、室温範囲、高温範囲及びそれに対応する電子ボリューム値EV1、EV2、EV3を設定することで、例えば−40度〜120度というような広い温度範囲での表示ドライバーの適正な動作を実現している。
図17は、電子ボリューム値の自動調整を行う場合の本実施形態の詳細な動作を説明するタイミングチャートである。ここでは図4と重複する部分については詳細な説明を省略する。例えば図17のAA1〜AA6、BB1〜BB5、CC1〜CC4は、各々、図4のA1〜A6、B1〜B5、C1〜C4に対応する。
例えば図17のBB1、BB2に示す検出温度TDT=0Ch、0Fhは低温範囲に属していると判断される。そして図16に示すように低温範囲に対しては電子ボリューム値EV1=40hが設定されている。従って、調整部20は、検出温度TDTが低温範囲に属している場合には、CC1に示すようにEVOL=EV1=40hの電子ボリューム値を出力する。
一方、BB3、BB4に示す検出温度TDT=1Fh、2Fhは室温範囲に属していると判断される。そして図16に示すように室温範囲に対しては電子ボリューム値EV2=80hが設定されている。従って、調整部20は、検出温度TDTが室温範囲に属している場合には、CC2に示すようにEVOL=EV2=80hの電子ボリューム値を出力する。
そして図17のBB2、BB3では、検出温度TDTが属する温度範囲が低温範囲から室温範囲に切り替わっている。この場合に本実施形態では、CC3に示すように、調整部20は補間電子ボリューム値EVOL=50h、60h、70hを出力する。即ち、電子ボリューム値EVOL=EV1=40hと、電子ボリューム値EVOL=EV2=80hを、境界温度レジスター44に設定された分割数DVN=4で補間した複数の補間電子ボリューム値EVOL=50h、60h、70hを出力する。
また図4のBB4、BB5では、検出温度TDTが属する温度範囲が室温範囲から高温範囲に切り替わっている。この場合に調整部20は、CC4に示すように補間電子ボリューム値EVOL=90h、A0h、B0hを出力する。即ち、電子ボリューム値EVOL=EV2=80hと、電子ボリューム値EVOL=EV3=C0hを、分割数DVN=4で補間した複数の補間電子ボリューム値EVOL=90h、A0h、B0hを出力する。
以上のように本実施形態によれば、検出温度が、各温度範囲(低温範囲、室温範囲、高温範囲)内に入っている間は、電子ボリューム値EVOLは、各温度範囲に設定された電子ボリューム値(EV1〜EV3)から変化せず、駆動電源電圧も変化しないようになる。従って、不必要に電子ボリューム値EVOLが変化することで、駆動電源電圧が変化し、表示の色味等が不必要に変化してしまう事態を抑制できる。これにより表示パネル200の安定した画像表示が可能になる。
また、このような温度範囲を設定した場合、温度範囲の切り替えが生じると、電子ボリューム値EVOLが大きく変化することで、駆動電源電圧が大きく変化し、切り替えの瞬間が表示に見えてしまうおそれがある。例えば図16では、低温範囲に対して電子ボリューム値EV1=40hが設定され、室温範囲に電子ボリューム値EV2=80hが設定されており、EV1とEV2の差は大きい。従って、低温範囲から室温範囲への切り替えの瞬間に、電子ボリューム値が40hから80hというように大きく変化し、それに応じて駆動電源電圧も大きく変化してしまうと、それが表示として見えてしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、温度範囲の切り替え期間においては、図17のCC3、CC4に示すように、電子ボリューム値EVOLが段階的に変化する。従って、駆動電源電圧も段階的に徐々に変化するようになり、切り替えの瞬間が表示として見えてしまう事態を抑制できる。
また例えば、検出温度が、温度範囲の境界温度(TBL、TBH)の付近において不安定に変化した場合に、電子ボリューム値EVOLが頻繁に切り替わって、表示にチラツキが生じるおそれがある。
この点、本実施形態では、図17のCC3、CC4に示すように、温度範囲の境界付近では電子ボリューム値は段階的に徐々に変化する。従って、検出温度が、温度範囲の境界温度の付近において不安定に変化した場合にも、電子ボリューム値の頻繁な切り替えは抑えられ、表示のチラツキを十分に抑えることが可能になる。
なお本実施形態の比較例の手法として、駆動電源電圧と、検出温度により設定された最適電圧との電圧差を算出し、この電圧差に基づいて、駆動電源電圧が最適電圧になるまでの時間が所定時間になるように、駆動電源電圧の変化量を設定し、駆動電源電圧を最適電圧に近づける手法が考えられる。
しかしながらこの比較例の手法は、駆動電源電圧が最適電圧に対してオーバーシュートやアンダーシュートを繰り返し、最適電圧に収束するまでの時間が長くなってしまう事態を防止することを課題とする手法である。これに対して本実施形態の手法は、検出温度が境界温度の付近で不安定に変化した場合の表示のチラツキ等を抑制する手法であり、比較例の手法とは解決しようとする課題が異なる。
図18は電源回路60の構成例である。なお図18では、電源回路60のうち、電子ボリューム値に関係する回路部分だけを示し、他の回路部分(例えば昇圧回路、レギュレーター等)については記載を省略している。
電源回路60には、抵抗ラダー回路62とセレクター64が設けられる。抵抗ラダー回路62は、基準電源電圧VREG(例えば3.5V)のノードと、低電位側電源VSSのノードとの間に直列に接続された複数の抵抗R1〜Rnを有する。そして抵抗ラダー回路62は、抵抗R1〜Rnの各タップノードに、抵抗による各分割電圧を出力する。
セレクター64は、抵抗ラダー回路62からの複数の分割電圧の中から、電子ボリューム値EVOLにより選択された電圧を、駆動電源電圧PWVとして出力する。例えば電子ボリューム値EVOLが、高電位の駆動電源電圧PWVの出力を指示する値になっていたとする。この場合には、セレクター64は、抵抗ラダー回路62からの複数の分割電圧の中から、電子ボリューム値EVOLに対応する高電位側の分割電圧を選択して、駆動電源電圧PWVとして出力する。一方、電子ボリューム値EVOLが、低電位の駆動電源電圧PWVの出力を指示する値になっていたとする。この場合には、セレクター64は、抵抗ラダー回路62からの複数の分割電圧の中から、電子ボリューム値EVOLに対応する低電位側の分割電圧を選択して、駆動電源電圧PWVとして出力する。
6.電子機器
図19に、本実施形態の表示ドライバー190を含む電子機器の構成例を示す。電子機器は、処理部300、記憶部310、操作部320、入出力部330、表示ドライバー190、表示パネル200を含む。表示ドライバー190と表示パネル200とにより電気光学装置が構成される。なお本実施形態の電子機器は図19の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また本実施形態が適用される電子機器としては、車載機器(運転補助装置、インパネのメーターユニット、カーナビゲーション装置等)、携帯情報端末(スマートフォン、携帯電話機等)、プロジェクター、デジタルカメラ、ビデオカメラ、プリンター、電子手帳、電子辞書、テレビ、HMD、或いは情報処理装置(PC、PDA)などの種々の機器を想定できる。
処理部300は、電子機器の各種の制御処理や演算処理を行うものであり、例えばMPU等のプロセッサーや表示コントローラーなどのASICなどにより実現される。処理部300が表示ドライバー190に対する各種のコマンドを発行することで、表示パネル200での画像の表示動作が実現される。
記憶部310は処理部300等の記憶領域となるものであり、例えばDRAM、SRAM、或いはHDD等により実現される。例えば表示パネル200に表示される画像のデータは記憶部310に記憶される。操作部320はユーザーが各種の操作情報を入力するためのものである。入出力部330は、外部との間でデータ等のやり取りを行うものであり、有線のインターフェース(USB等)や無線の通信部等により実現される。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(フレーム周波数の調整値、第1、第2、第3の温度範囲等)と共に記載された用語(フロントポーチ数、低温範囲、室温範囲、高温範囲等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、表示ドライバーや電気光学装置や電子機器の構成や動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 制御部、20 調整部、22 ラッチ部、24 温度範囲判断部、
28 演算部、30 加算部、32 セレクター、40 レジスター部、
41 フロントポーチ数レジスター、42 ボリューム値レジスター、
44 境界温度レジスター、46 分割数レジスター、50 デコード部、
52 タイミング制御部、54 Hカウンター、56 論理回路、58 Hカウンター、
60 電源回路、62 抵抗ラダー回路、64 セレクター、
70 駆動回路、72 ソースドライバー、74 ゲートドライバー、
76 D/A変換回路、78 階調電圧生成回路、90 温度センサー、
92 温度検出回路、94 A/D変換回路、100 発振回路、
120 I/F部、190 表示ドライバー、200 表示パネル、
300 処理部、310 記憶部、320 操作部、330 入出力部

Claims (13)

  1. 温度センサーを用いて求められた検出温度に基づいて、フレーム周波数の温度特性を補償するための調整値を出力する調整部と、
    前記調整値に基づいて前記フレーム周波数が設定される同期信号を出力するタイミング制御部と、
    前記同期信号に基づいて表示パネルを駆動する駆動回路と、
    を含み、
    前記調整部は、
    前記検出温度が第1の温度範囲に属する場合には、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の温度範囲に対応する第1の調整値を出力し、
    前記検出温度が第2の温度範囲に属する場合には、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第2の温度範囲に対応する第2の調整値を出力することを特徴とする表示ドライバー。
  2. 請求項1において、
    前記調整部は、
    前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間の補間調整値を出力することを特徴とする表示ドライバー。
  3. 請求項2において、
    前記調整部は、
    前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記フレーム周波数の前記調整値として、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間を所与の分割数で補間した複数の補間調整値を出力することを特徴とする表示ドライバー。
  4. 請求項3において、
    前記分割数を可変に設定するための分割数レジスターを含むことを特徴とする表示ドライバー。
  5. 請求項2乃至4のいずれかにおいて、
    前記調整部は、
    前記検出温度が属する温度範囲を判断する温度範囲判断部と、
    前記温度範囲判断部による今回の期間での判断結果及び前回の期間での判断結果に基づいて、前記検出温度が属する温度範囲が変化したか否かを判断し、前記温度範囲が変化したと判断した場合に、前記第1の調整値と前記第2の調整値の間の前記補間調整値を出力する出力部と、
    を含むことを特徴とする表示ドライバー。
  6. 請求項2乃至5のいずれかにおいて、
    前記調整部は、
    前記温度センサーからの複数の検出温度値に基づいて、前記検出温度を求め、前記検出温度が属する温度範囲を判断することを特徴とする表示ドライバー。
  7. 請求項6において、
    前記温度センサーから前記複数の検出温度値が出力される期間の長さをT1とし、前記補間調整値が出力される期間の長さをT2とした場合に、T1≧T2であることを特徴とする表示ドライバー。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記第1の調整値、前記第2の調整値を可変に設定するための調整値レジスターを含むことを特徴とする表示ドライバー。
  9. 請求項1乃至8のいずれかにおいて、
    前記第1の温度範囲と前記第2の温度範囲の境界温値度を可変に設定するための境界温度レジスターを含むことを特徴とする表示ドライバー。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記調整部は、
    前記表示パネルの表示制御に用いられるポーチ数を、前記フレーム周波数の前記調整値として出力することを特徴とする表示ドライバー。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    電源回路を含み、
    前記調整部は、
    前記温度センサーを用いて求められた前記検出温度に基づいて電子ボリューム値を出力し、
    前記電源回路は、
    前記電子ボリューム値に基づいて駆動電源電圧を供給し、
    前記駆動回路は、
    前記駆動電源電圧に基づいて前記表示パネルを駆動し、
    前記調整部は、
    前記検出温度が前記第1の温度範囲に属する場合には、前記駆動電源電圧を第1の電圧に設定する第1の電子ボリューム値を出力し、
    前記検出温度が前記第2の温度範囲に属する場合には、前記駆動電源電圧を第2の電圧に設定する第2の電子ボリューム値を出力し、
    前記検出温度が属する温度範囲が前記第1の温度範囲から前記第2の温度範囲に切り替わった場合に、前記駆動電源電圧を、前記第1の電圧と前記第2の電圧の間の補間電圧に設定する補間電子ボリューム値を出力することを特徴とする表示ドライバー。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の表示ドライバーを含むことを特徴とする電気光学装置。
  13. 請求項1乃至11のいずれかに記載の表示ドライバーを含むことを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020077966A (ja) * 2018-11-07 2020-05-21 ローム株式会社 信号生成回路、表示ドライバ及び画像表示装置

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