JP2015175473A - フォイル軸受、ターボ機械、及びフォイルホルダ - Google Patents

フォイル軸受、ターボ機械、及びフォイルホルダ Download PDF

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Abstract

【課題】フォイル12を取り付けるための複数の溝11cを内周面に有するフォイルホルダ11について、軽量化及び素形材使用量の低減を図る。
【解決手段】本発明のフォイル軸受10は、軸受面を有する複数のフォイル12と、筒状を成し、内周面に複数の溝11cを有するフォイルホルダ11とを備え、各フォイル12の周方向端部(凸部12d)がフォイルホルダ11の溝11cに差し込まれる。このフォイルホルダ11の外周面に、大径部11aと小径部11bとを円周方向で交互に設け、大径部11aの円周方向領域内に前記溝11cを設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、フォイル軸受、特に、ガスタービン等のターボ機械に設けられた主軸のラジアル荷重を支持するフォイル軸受に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸は、超高速で回転し、且つ、主軸に接続されたタービン翼は高温環境下にある。主軸は、油潤滑の転がり軸受や油動圧軸受によって支持されることも多いが、油の使用が困難な場合(例えば、油による潤滑が困難な場合や、油のせん断による抵抗が問題となる場合)には、空気膜の動圧作用で軸を相対回転自在に非接触支持する空気動圧軸受が使用される。
空気動圧軸受では、使用される回転速度に応じた軸受隙間の管理が重要であり、安定限界を超えるとホワールと呼ばれる振れ回りが生じる。このため、軸受隙間を厳密に設定しなければ、所定の回転速度で運転することはできない。しかし、軸受及び軸が剛体で構成される一般的な空気動圧軸受の場合、軸受隙間を高精度に設定するためには、各部材を高精度に製造する必要があり、高コスト化を招く。特に、ガスタービンやターボチャージャのように温度変化の激しい環境で使用される空気動圧軸受では、各部材の熱膨張の影響により軸受隙間の管理が極めて困難となる。
そこで、上記のような条件下での使用に適合する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである(例えば、下記の特許文献1〜3参照)。軸の回転時には、軸の外周面とフォイルの軸受面との間に流体膜(例えば空気膜)が形成され、軸が非接触支持される。フォイル軸受の場合、フォイルの可撓性により軸の回転速度や荷重、周囲温度等の運転条件に応じた適切な軸受隙間が自動的に形成されるため、安定性に優れ、一般的な空気動圧軸受と比べて高速での使用が可能となる。
特開2002−364643号公報 特開2003−262222号公報 特開2009−299748号公報
本出願人は、特願2013−256843において、図11に示すようなフォイル軸受200を提案している。このフォイル軸受200では、フォイルホルダ210の内周面211に複数の軸方向溝212を設け、この軸方向溝212に各フォイル220の端部を差し込むことで、各フォイル220をフォイルホルダ210の内周面211に取り付けている。同文献では、軸方向溝212を含め、フォイルホルダ210を焼結金属で成形している。
このフォイル軸受200では、フォイルホルダ210の外周面が円筒面とされる。この場合、フォイルホルダ210は、軸方向溝212が形成された円周方向領域(溝形成領域)が最も薄肉となるため、この溝形成領域で必要強度が得られるように外径寸法が設定される。このため、フォイルホルダ210のうち、溝形成領域以外の領域は、溝形成領域よりも厚肉となる。フォイル軸受は、フォイルに設けられた軸受面と軸の外周面との間のラジアル軸受隙間の流体(通常は空気)の圧力で軸を支持するものであり、支持荷重は比較的小さいため、フォイルホルダ210に求められる強度も比較的小さい。このため、フォイルホルダ210の溝形成領域以外の領域は、強度上、必要以上の肉厚となり、製品としての重量増及び素形材使用量の増加を招く。
以上のような事情から、本発明が解決すべき課題は、フォイルを取り付けるための溝が内周面に形成されたフォイルホルダについて、軽量化及び素形材使用量の低減を図ることにある。
前記課題を解決するために、本発明は、軸受面を有する複数のフォイルと、筒状を成し、内周面に複数の溝を有するフォイルホルダとを備え、各フォイルの周方向端部が前記フォイルホルダの溝に差し込まれたフォイル軸受であって、前記フォイルホルダの外周面に大径部と小径部とを円周方向で交互に設け、前記大径部の円周方向領域内に前記溝を設けたフォイル軸受を提供する。
このように、フォイルホルダの外周面に大径部を設け、この大径部の円周方向領域内に溝を設けることにより、溝形成部におけるフォイルホルダの肉厚を確保し、必要強度を得ることができる。一方、フォイルホルダの外周面のうち、溝形成部以外の円周方向領域に小径部を設けることで、この領域における肉厚が低減されるため、フォイルホルダの軽量化及び素形材使用量の低減が図られる。
前記フォイルホルダの外周面の大径部及び小径部、並びに、前記フォイルホルダの内周面及び前記複数の溝の溝底面を、何れも同軸の円筒面とすれば、フォイルホルダの半径方向の肉厚を全周で略均一にすることが可能となる。この場合、フォイルホルダを、例えば絞り加工が施された金属板で構成することができる。
フォイルホルダの溝に差し込まれたフォイルが軸方向に移動すると、フォイルがフォイルホルダから外れてしまう恐れがある。そこで、フォイルホルダの複数の溝の少なくとも軸方向一端に、当該溝に差し込まれたフォイルの端部と軸方向に係合する係止部を設ければ、フォイルがフォイルホルダから外れる事態を防止できる。
上記のフォイル軸受は、このフォイル軸受を内周に保持するハウジングを備えたターボ機械に組み込むことができる。この場合、前記フォイルホルダの外周面の大径部を前記ハウジングの内周面に固定すると共に、前記フォイルホルダの外周面の小径部と前記ハウジングの内周面との間に隙間を形成することが好ましい。このように、ハウジングとフォイルホルダとの間に隙間を形成することで、これらの間の熱移動を抑制し、フォイル軸受の温度上昇を抑えることができる。特に、この隙間を冷却媒体通路とすれば、フォイル軸受を効率的に冷却することが可能となる。
以上のように、本発明のフォイル軸受によれば、フォイルホルダの外周面に大径部及び小径部を設け、大径部の円周方向領域内にフォイルを取り付けるための溝を設けることで、フォイルホルダの軽量化及び素形材使用量の低減を図ることができる。
ガスタービンの構成を概念的に示す図である。 上記ガスタービンにおけるロータの支持構造を示す断面図である。 上記支持構造に組み込まれた、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 上記フォイル軸受のフォイルホルダの断面図である。 上記フォイルホルダの斜視図である。 図3のフォイル軸受の拡大断面図である。 (a)〜(c)は、上記フォイルホルダの成形方法を示す断面図である。 (a)は、上記フォイル軸受のフォイルの斜視図であり、(b)は3枚のフォイルを仮組みした状態の斜視図である。 他の実施形態に係るフォイル軸受のフォイルホルダの断面図である。 図9のフォイルホルダの製造方法を示す斜視図である。 本出願人による先の出願に記載されたフォイル軸受の断面図である。
図1に、ターボ機械の一種であるガスタービンの構成を概念的に示す。このガスタービンは、翼列を形成したタービン1および圧縮機2と、発電機3と、燃焼器4と、再生器5とを主に備える。タービン1、圧縮機2、および発電機3には、水平方向に延びる共通の主軸6が設けられ、この主軸6と、タービン1および圧縮機2とで一体回転可能のロータが構成される。吸気口7から吸入された空気は、圧縮機2で圧縮され、再生器5で加熱された上で燃焼器4に送り込まれる。この圧縮空気に燃料を混合して燃焼させ、高温、高圧のガスでタービン1を回転させる。タービン1の回転力が主軸6を介して発電機3に伝達され、発電機3が回転することにより発電し、この電力がインバータ8を介して出力される。タービン1を回転させた後のガスは比較的高温であるため、このガスを再生器5に送り込んで燃焼前の圧縮空気との間で熱交換を行うことで、燃焼後のガスの熱を再利用する。再生器5で熱交換を終えたガスは、排熱回収装置9を通ってから排ガスとして排出される。
図2に、上記ガスタービンにおけるロータの支持構造の一例を示す。この支持構造では、軸方向の2箇所にラジアル軸受10が配置され、主軸6に設けられたフランジ部6bの軸方向両側にスラスト軸受20、20が配置される。このラジアル軸受10およびスラスト軸受20により、主軸6がラジアル方向及び両スラスト方向に回転自在に支持される。
この支持構造において、タービン1と圧縮機2の間の領域は、高温、高圧のガスで回転されるタービン1に隣接しているために高温雰囲気となる。この高温雰囲気では、潤滑油やグリース等からなる潤滑剤が変質・蒸発してしまうため、これらの潤滑剤を使用する通常の軸受(転がり軸受等)を適用することは難しい。そのため、この種の支持構造で使用される軸受10、20としては、空気動圧軸受、特にフォイル軸受が適合する。
以下、上記ガスタービン用のラジアル軸受に適合するフォイル軸受10の構成を図面に基づいて説明する。
フォイル軸受10は、図3に示すように、筒状(図示例では円筒状)のフォイルホルダ11と、フォイルホルダ11の内周面に取り付けられた複数(図示例では3枚)のフォイル12とを有する。
フォイルホルダ11の外周面には、大径部11aと小径部11bとが円周方向交互に設けられる。図示例では、大径部11a及び小径部11bがそれぞれ等ピッチで3箇所ずつに形成される。大径部11aと小径部11bとの間には、これらの周方向端部同士を半径方向に連続し、軸方向に沿って延びる段差面が設けられる。
フォイルホルダ11の内周面には、複数の溝11cが形成される。本実施形態では、フォイルホルダ11の円周方向等間隔の複数箇所(図示例では3箇所)に、軸方向に沿って延びる溝11cが設けられる。複数の溝11cの円周方向間領域は、円筒面11dとされる。溝11cには、各フォイル12の周方向端部が差し込まれる。図4及び図5に示すように、各溝11cの軸方向一端には係止部11eが設けられる。係止部11eの内周面は円筒面11dと連続した同一径の円筒面である。各溝11cの軸方向他端は、フォイルホルダ11の端面に開口している。
溝11cは、外周面の大径部11aの円周方向領域内に設けられる。各溝11cには、図6に示すように、円筒面11dよりも大径な溝底面11c1と、溝底面11c1の周方向両端と円筒面11dとを連続する側面11c2とが設けられる。溝底面11c1と一方の側面11c2との境界に設けられた角部11c3に、フォイル12の周方向端部(凸部12d)が突き当たる。
上記のように、フォイルホルダ11の外周面の大径部11aの円周方向領域内に溝11cを設けることで、溝11cの形成領域におけるフォイルホルダ11の半径方向の肉厚を確保することができる。また、フォイルホルダ11の外周面のうち、溝11cの形成領域以外の領域に小径部11bを設けることで、フォイルホルダ11の肉厚を低減して、フォイル軸受10の軽量化及び素形材使用量の低減が図られる。図示例では、フォイルホルダ11の外周面の大径部11a及び小径部11b、並びに、内周面の円筒面11d及び溝底面11c1が、何れも同軸の円筒面である。これにより、フォイルホルダ11の肉厚を、全周で略均一にすることができる。特に、大径部11aと溝11cの溝底面11c1との径差と、小径部11bと円筒面11dとの径差を同じ大きさにすることで、フォイルホルダ11の肉厚を均一化することができる。
上記のように、フォイルホルダ11の肉厚を均一とすることで、フォイルホルダ11を、絞り加工が施された金属板で構成することが可能となる。具体的には、図7に示すように、平板状の金属板W{図7(a)参照}にプレス成形機で絞り加工を施すことにより、金属板Wを有底筒状に成形する{図7(b)参照}。成形された金属板Wには、円筒部W1と、円筒部W1の軸方向一端に設けられたフランジ部W2と、円筒部W1の軸方向他端の開口部を閉塞する底部W3が設けられる。円筒部W1の外周面には大径部11a及び小径部11bが成形され、円筒部W1の内周面には溝11c及び円筒面11dが成形される。その後、有底筒状の金属板Wのフランジ部W2及び底部W3を切断加工で除去することで、フォイルホルダ11が完成する。{図7(c)参照}。このとき、底部W3の一部が、溝11cの軸方向一端を塞ぐ係止部11eとして残る。
フォイル12は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルにプレス加工を施すことで形成される。本実施形態のように流体膜として空気を用いる空気動圧軸受では、雰囲気に潤滑油が存在しないため、金属フォイルとしてステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
フォイル12は、フォイルホルダ11の内周面に周方向に並べて配置される。各フォイル12は、図8(a)に示すように、周方向一端に設けられた凸部12aと、周方向他端に設けられた凹部12bと、これらの周方向間に設けられた本体部12cとを備える。図8(b)に示すように、各フォイル12の凸部12aを、隣接するフォイル12の凹部12bに嵌め込むことで、3枚のフォイル12を筒状に仮組みすることができる。この場合、図3に示す軸方向視において、各フォイル12の周方向一端(凸部12a)と、隣接するフォイル12の周方向他端(凹部12bの軸方向両側の凸部12d)とが交差した状態となる。
3枚のフォイル12を筒状に仮組みした状態で、この仮組体がフォイルホルダ11の内周に挿入される。具体的には、3枚のフォイル12の仮組体をフォイルホルダ11の内周に挿入しながら、各フォイル12の周方向他端の凸部12dをフォイルホルダ11の溝11cに軸方向一端側(開口側)から差し込む。そして、各フォイル12の凸部12dがフォイルホルダ11の溝11cの係止部11eに当接したら、挿入が完了する。このとき、各フォイル12の周方向一端の凸部12aは、隣接するフォイル12の外径面とフォイルホルダ11の内周面の円筒面11dとの間に配される(図6参照)。以上により、各フォイル12の周方向両端が、フォイルホルダ11の内周面に保持される。このとき、一方のフォイル12の他端(凹部12bの軸方向両端)と他方のフォイル12の一端(凸部12aの根元部)は、周方向で係合して互いに突っ張り合っている。これにより、各フォイル12の本体部12cが外径側に張り出し、フォイルホルダ11の内周面(円筒面11d)に沿った形状に湾曲する。
各フォイル12の本体部12cの内周面は、軸受面として機能する。本実施形態では、図3に示すように、3枚のフォイル12で多円弧型の軸受面を形成している。各フォイル12の外径面とフォイルホルダ11の内周面(溝11c及び円筒面11d)とは摺動可能とされる。各フォイル12の周方向一端の凸部12aは、隣接するフォイル12の本体部12cを外径側から支持するアンダーフォイル部として機能する。
上記構成のフォイル軸受10は、フォイルホルダ11の外周面を、ガスタービンのハウジング30の内周面31に固定することにより、ガスタービンに組みつけられる(図3参照)。このとき、フォイルホルダ11の外周面の大径部11aとハウジング30の円筒面状の内周面31とが、圧入や溶接等により固定される。一方、フォイルホルダ11の外周面の小径部11bとハウジング30の内周面31との間には隙間Pが形成される。この隙間Pに積極的に冷却媒体(例えば、空気)を供給する冷却媒体供給部(図示省略)を設け、隙間Pを冷却媒体通路とすれば、フォイル軸受10を効率的に冷却することができる。
ハウジング30に固定されたフォイル軸受10の内周に、主軸6が挿入される。このとき、フォイル軸受10の軸方向一端側(溝11cの開口側)から主軸6を挿入することが好ましい。この場合、主軸6との摩擦によりフォイル12が軸方向他端側に移動しようとするが、各フォイル12の周方向他端の凸部12dがフォイルホルダ11の溝11cの係止部11eと係合することで、各フォイル12のフォイルホルダ11に対する軸方向移動が規制される。これにより、ターボ機械の組立時に、フォイルホルダ11からフォイル12が外れる事態を防止できる。
主軸6が図3の矢印方向に回転すると、フォイル軸受10の各フォイル12の本体部12cの内周面(軸受面)と主軸6の外周面6aとの間のラジアル軸受隙間の空気膜の圧力が高められる。具体的には、主軸6の回転に伴って流動する流体(空気)との摩擦により、各フォイル12が回転方向先行側に押し込まれ、図6に示すように、フォイルホルダ11の溝11cの角部11c3に突き当たる。これによりフォイル12が湾曲し、各フォイル12の軸受面と主軸6の外周面6aとの間に、回転方向先行側へ向けて徐々に狭くなったラジアル軸受隙間が形成され、ラジアル軸受隙間の幅狭側に空気が押し込まれる。これにより、ラジアル軸受隙間の空気膜の圧力が高められ、この圧力により主軸6がラジアル方向に非接触支持される。
このとき、フォイル12が有する可撓性により、各フォイル12の軸受面が、荷重や主軸6の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、ラジアル軸受隙間は運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、ラジアル軸受隙間を最適幅に管理することができ、主軸6を安定して支持することが可能となる。また、主軸6の回転中は、ラジアル軸受隙間に形成された空気膜の影響でフォイル12がフォイルホルダ11に押し付けられ、これに伴って両者の間で微小摺動が生じる。この微小摺動による摩擦エネルギーにより、主軸6の振動を減衰させることができる。
尚、主軸6の停止直前や起動直後の低速回転時には、各フォイル12の軸受面と主軸6の外周面とが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル12とフォイルホルダ11との間の微小摺動による摩擦力を調整するために、これらの何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。例えば上記の実施形態では、フォイルホルダ11の溝11cの軸方向一端に係止部11eを設けた場合を示したが、これに限らず、図9に示すように、溝11cの軸方向両端に、溝11cに差し込まれたフォイル12の端部(凸部12d)と軸方向に係合可能な係止部を設けてもよい。この場合、溝11cの両端の係止部11eを含めて、フォイルホルダ11を絞り加工で成形することはできないため、フォイルホルダ11は例えば切削加工で形成される。あるいは、図10に示すように、絞り加工で、溝11cの軸方向一端の係止部11eを成形すると共に、フォイルホルダ11の端面から軸方向に突出する突出部11fを成形し、この突出部11fを図中矢印方向に折り曲げることで、軸方向他端の係止部11eを設けてもよい。尚、係止部が特に不要な場合は、係止部11eを省略して溝11cの軸方向両側をフォイルホルダ11の端面に開口させてもよい。
本発明にかかるフォイル軸受の適用対象は、上述したガスタービンに限られず、例えばターボチャージャ(過給機)のロータを支持する軸受としても使用することができる。また、本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械に限らず、油の使用が制限される車両用軸受や産業機器用軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明した各フォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。
1 タービン
6 主軸
10 フォイル軸受
11 フォイルホルダ
11a 大径部
11b 小径部
11c 溝
11e 係止部
12 フォイル
20 スラスト軸受
30 ハウジング
P 隙間

Claims (7)

  1. 軸受面を有する複数のフォイルと、筒状を成し、内周面に複数の溝を有するフォイルホルダとを備え、各フォイルの周方向端部が前記フォイルホルダの溝に差し込まれたフォイル軸受であって、
    前記フォイルホルダの外周面に大径部と小径部とを円周方向で交互に設け、前記大径部の円周方向領域内に前記溝を設けたフォイル軸受。
  2. 前記フォイルホルダの外周面の大径部及び小径部、並びに、前記フォイルホルダの内周面及び前記複数の溝の溝底面を、何れも同軸の円筒面とした請求項1記載のフォイル軸受。
  3. 前記フォイルホルダが、絞り加工が施された金属板からなる請求項1又は2に記載のフォイル軸受。
  4. 前記フォイルホルダの複数の溝の少なくとも軸方向一端に、当該溝に差し込まれた前記フォイルの端部と軸方向に係合する係止部を設けた請求項1〜3の何れかに記載のフォイル軸受。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のフォイル軸受と、前記フォイル軸受を内周に保持するハウジングとを備え、前記フォイルホルダの外周面の大径部を前記ハウジングの内周面に固定すると共に、前記フォイルホルダの外周面の小径部と前記ハウジングの内周面との間に隙間を形成したターボ機械。
  6. 前記隙間を冷却媒体通路とした請求項5記載のターボ機械。
  7. 筒状を成し、内周面に、複数のフォイルの端部が差し込まれる複数の溝を有すると共に、外周面に大径部と小径部とを円周方向で交互に有し、前記大径部の円周方向領域内に前記溝を設けたフォイルホルダ。
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