JP2015175135A - 掻き出し用作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトコンベア等の下に堆積する堆積物を掻き出す作業機として、小型化が可能で、狭隘な作業場に対応でき、かつ能率よく掻き出し物の処理が可能となるものを提供する。
【解決手段】上部旋回体6の旋回フレーム2に取付けられ、可動側フレーム9を油圧シリンダ12により上下動させる4節リンク7を取付ける。可動側フレーム9に縦旋回装置18を取付ける。縦旋回装置18の被旋回部22側に、関節部駆動用の油圧シリンダ付きの多関節アーム24を取付ける。多関節アーム24の先端に掘削機能を有すると共に掻き出し物を収容可能な構造の掻き出し用バケット25を油圧シリンダ36により回動可能に取付ける。多関節アーム24および掻き出し用バケット36を横向きにし、ベルトコンベア40の下に潜らせ、関節部を回動させて堆積物を掻き出す。
【選択図】図4
【解決手段】上部旋回体6の旋回フレーム2に取付けられ、可動側フレーム9を油圧シリンダ12により上下動させる4節リンク7を取付ける。可動側フレーム9に縦旋回装置18を取付ける。縦旋回装置18の被旋回部22側に、関節部駆動用の油圧シリンダ付きの多関節アーム24を取付ける。多関節アーム24の先端に掘削機能を有すると共に掻き出し物を収容可能な構造の掻き出し用バケット25を油圧シリンダ36により回動可能に取付ける。多関節アーム24および掻き出し用バケット36を横向きにし、ベルトコンベア40の下に潜らせ、関節部を回動させて堆積物を掻き出す。
【選択図】図4
Description
本発明は、例えばベルトコンベアから落下してベルトコンベアと地面との間の隙間近傍に堆積する堆積物等を掻き出す作業機に関する。
鉄工所においては、鉱石を搬送するベルトコンベアが設置され、ベルトコンベアの動き等により、搬送中の鉱石がベルトコンベアから地面に落下してベルトコンベアの下の地面に堆積する。この鉱石は回収して再搬送する必要があるので、従来はスコップ等を用いて人力で回収し、清掃を行なっていた。しかしこの作業は労力を必要とするため、作業機による省力化、能率向上が望まれてきた。
このような要望に応える掻き出し用作業機として、特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の掻き出し用作業機は、油圧ショベルをベースマシンとして用い、その多関節アームの先端に伸縮アームを取付け、その伸縮アームの先端に掻き出しのためのレーキを取付け、下部走行体のフレームにローダバケットを取付けた構造を有する。そしてベルトコンベアの下に落下した堆積物を掻き出す際には、作業機の下部走行体およびローダバケットをベルトコンベアに向け、多関節アームの操作により伸縮アームを下げ、次に伸縮アームをベルトコンベアの下に潜らせ、伸縮アームを伸長した状態から収縮させることにより、ベルトコンベアの下の堆積物をレーキによって掻き出すと共に、多関節アームを操作してこの掻き出した堆積物をベルトコンベアに対面しているローダバケットに詰め込み、その後、作業機を走行させてローダバケットに入れた堆積物を集積所等にて廃棄するものである。
しかしながら、特許文献1に記載のように、油圧ショベルの多関節アームの先端に、掘削用バケットの代わりに伸縮アームを取付け、その先端に掻き出し用レーキを取付け、下部走行体にローダバケットを取付けた構成であると、伸縮アームをベルトコンベアの下へ挿入したりや引き出したりローダバケットに堆積物を詰め込むために、多関節アームの曲げ伸ばしを行なう必要があり、作業機本体(下部走行体および上部旋回体)からベルトコンベアとの間に広い作業スペースが必要である上、上下にも広い作業スペースが必要となる。
また、多関節アームの先端に伸縮アームが取付けられるため、作業装置の先端が重くなり、小型の油圧ショベルを用いることが困難となり、作業機の小型化が困難である上、安定度の観点からカウンタウエイトを増量する必要があり、作業機全体の重量が大きくなる。
このように、構造に起因して作業スペースが大きくなることと、作業機を小型化できないことによる作業スペースの拡大により、狭い箇所での作業が困難となり、例えば2列に並んだベルトコンベアの間に作業機を位置させて作業を行なうことは困難である。
また、伸縮アームの前後方向の移動による掻き出し作業となるため、作業範囲が狭く、1回に掻き出せる堆積物の量が少ない。その上、伸縮アームの収縮によりレーキを動かしてローダバケットに堆積物を集め、作業機を走行させて堆積物を廃棄することを繰り返すため、堆積物の移動のために作業機を多数回往復する必要があり、非能率的である。
また、ローダバケットにより堆積物を運搬することは可能であるが、下部走行体に取付けたローダバケットによっては、トラック等への堆積物の積込みはできないので、トラック等への積込みのためには積込み用作業機を別途用意する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、地面とベルトコンベア等の地上構造物との間の隙間が狭い場所に作業装置を潜らせ、作業装置により堆積する堆積物を掻き出す作業機において、作業機の小型化、軽量化が可能で、かつ比較的狭い作業スペースでの作業を可能にすると共に、掻き出し物のトラックへの積込みも可能となり、能率よく掻き出し物の処理が可能となるものを提供することを目的とする。
請求項1の掻き出し用作業機は、
下部走行体上に旋回装置を介して旋回フレームを設置し、前記旋回フレーム上に動力源装置および運転室を搭載して上部旋回体を構成した作業機本体と、
前記旋回フレームに取付けられ、可動側が上下動可能な構造の4節リンクと、
前記4節リンクの前記可動側を上下動させる油圧シリンダと、
前記4節リンクの前記可動側に取付けられた縦旋回装置と、
前記縦旋回装置の被旋回部側に取付けられ、関節部駆動用の油圧シリンダを有する多関節アームと、
前記多関節アームの先端に油圧シリンダにより回動可能に取付けられ、掘削機能を有しかつ掻き出し物を収容可能な構造の掻き出し用バケットとを備えたことを特徴とする。
下部走行体上に旋回装置を介して旋回フレームを設置し、前記旋回フレーム上に動力源装置および運転室を搭載して上部旋回体を構成した作業機本体と、
前記旋回フレームに取付けられ、可動側が上下動可能な構造の4節リンクと、
前記4節リンクの前記可動側を上下動させる油圧シリンダと、
前記4節リンクの前記可動側に取付けられた縦旋回装置と、
前記縦旋回装置の被旋回部側に取付けられ、関節部駆動用の油圧シリンダを有する多関節アームと、
前記多関節アームの先端に油圧シリンダにより回動可能に取付けられ、掘削機能を有しかつ掻き出し物を収容可能な構造の掻き出し用バケットとを備えたことを特徴とする。
請求項2の掻き出し用作業機は、請求項1に記載の掻き出し用作業機において、
前記旋回フレームと前記4節リンクとの間に水平揺動装置を設けたことを特徴とする。
前記旋回フレームと前記4節リンクとの間に水平揺動装置を設けたことを特徴とする。
請求項3の掻き出し用作業機は、請求項1または2に記載の掻き出し用作業機において、
前記4節リンクを構成する上リンクまたは下リンクのいずれか一方を油圧シリンダにより構成したことを特徴とする。
前記4節リンクを構成する上リンクまたは下リンクのいずれか一方を油圧シリンダにより構成したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、旋回フレームに取付けた4節リンクの可動側に縦旋回装置を設け、縦旋回装置の被旋回部側に多関節アームを取付け、多関節アームの先端に掻き出し用バケットを取付けたので、縦旋回装置によって多関節アームを横向きとし、4節リンクの操作により多関節アームを低姿勢としてベルトコンベア等の構造物の下に潜らせ、多関節アームを回動させることにより、掻き出し用バケットを地面に沿って水平に動かして地面上の堆積物を掻き出すことができる。このため、多関節アームはトータルの長さが特許文献1に記載の伸縮アームの長さ程度のものですみ、また、多関節アームを上下動させる4節リンクも小型に構成できるので、多関節アームや掻き出し用バケットを含む作業装置の作業機本体からの突出長さが短く、かつ高さも低くなり、作業機全体を小型に構成できる。
また、多関節アームや掻き出し用バケット等の作業装置および縦旋回装置を取付ける4節リンクは小型のものですみ、旋回フレームから作業装置の先端の掻き出し用バケットまでの長さを短くすることができるので、これらの作業装置に重量バランスするために上部旋回体に設けるカウンタウエイトも軽量のものですみ、作業機の軽量化も可能となる。
また、ベルトコンベア等の構造物と地面との間に多関節アームおよび掻き出し用バケットを出し入れする際には、縦旋回装置により多関節アームを横向きとしかつ4節リンクにより低姿勢としておき、この状態で上部旋回体の旋回により構造物の下に作業装置を出し入れすることができるので、作業機本体を構造物に近接させた状態で作業装置を出し入れでき、構造物近傍に作業のための広い作業スペースを必要とせず、高さ方向についても作業スペースが狭くてすむ。このため、狭くかつ天井が低い作業環境でも作業が可能となる。
また、このように狭い箇所での作業が行なえることから、ベルトコンベア等の構造物の脇の作業スペースが狭い場合でも掻き出し作業が行なえる。また、下部走行体の向きをベルトコンベア等の構造物の向きに合わせて走行しつつ、狭い作業スペースで作業を行なうことが可能となることから、例えば2列に並んだベルトコンベアの間に作業機を位置させ、断続的に作業機を走行させつつ、作業を行なうことが可能となる。
また、掻き出し用バケットに掘削機能と掻き出し物の収容機能を有するものを用いたので、作業機を油圧ショベルのように掘削、積込み機として使用できるから、掻き出し物を同じ作業機を用いてトラックに積込むことができ、掻き出し物の処理を能率良く行なうことができる。また、作業機が積込み機の役目を果たすため、トラックに掻き出し物を積み込むための作業機が不要となり、経済化が達成される。
請求項2の発明によれば、多関節アームや掻き出し用バケットからなる作業装置の左右方向の向きを揺動装置により変えることができるため、作業機の位置を変更することなく、広い範囲について掻き出し物を掻き出すことができ、能率向上が達成される。
また、多関節アームや掻き出し用バケットを横向きにして回動させることにより掻き出しを行なうと共に、揺動装置により多関節アームの向きを変えることにより、広い範囲について掻き出し作業が行なえるので、例えばベルトコンベア等の構造物の脇に障害物があるような作業場所においては、下部走行体はベルトコンベア等の構造物と平行に向けるのではなく、構造物に対して傾斜した向きにして作業を行なうことができ、作業場所に適応した好適な向きで作業を行なうことができる。
請求項3の発明によれば、作業機本体の走行場所が傾斜している場合であっても、4節リンクの上リンクまたは下リンクに用いた油圧シリンダによる長さ調整により、作業機本体を傾斜面に沿って斜めに傾向しても、多関節アームや掻き出し用バケットは水平にして掻き出し作業を行なうことができるので、傾斜のある地面で作業を行なう場合も、作業装置の姿勢を傾斜に係わらず適合させて能率良く掻き出し作業を行なうことが可能となる。
図1は本発明の掻き出し用作業機の一実施の形態を示す側面図、図2はその平面図である。1は履帯式下部走行体であり、この下部走行体1は、左右のサイドフレーム1aと、各サイドフレーム1aの一端に取付けられ、油圧モータ(図示せず)により駆動される駆動輪1bと、サイドフレーム1aの他端側に取付けられた従動輪1cと、駆動輪1bと従動輪1cとに掛け回された履帯1dとを備える。
2は下部走行体1に旋回装置3を介して設置した旋回フレーム、4はこの旋回フレーム2上に設置した動力源装置、5は運転室、37はカウンタウエイトである。旋回フレーム3、動力源装置4、運転室5およびカウンタウエイト37により上部旋回体6を構成する。動力源装置4は、エンジンまたは電動機からなる原動機と、原動機により駆動され、後述の油圧シリンダや油圧モータの油圧源となる油圧ポンプと、作動油タンク等を含む。下部走行体1と上部旋回体6とにより作業機本体を構成する。
7は4節リンクであり、この4節リンク7は、固定側フレーム8と可動側フレーム9とを、上リンク10、下リンク11、および各リンクの両端の連結ピン10a、10b、連結ピン11a,11bにより連結して構成する。12は可動側フレーム9を上下動させる油圧シリンダであり、この油圧シリンダ12は、その一端を固定側フレーム8の中間部にピン12aにより連結し、他端を連結ピン10bにより可動側フレーム9に連結して取付ける。この例では上リンク10と下リンク11とを同長とすることにより、4節リンク7を平行リンクとして構成した例を示す。この4節リンク7は、油圧シリンダ12を伸縮させることにより、矢印13で示すようにリンク10,11を回動させ、これにより可動側フレーム9を上下に平行移動させることができる。
14は4節リンク7と旋回フレーム2との間に設けた揺動装置であり、4節リンク7を左右に揺動させるものである。この揺動装置14は、4節リンク7の固定側フレーム8を旋回フレーム2に対して縦軸15を中心として水平に回動可能に取付け、図2に示すように、揺動用油圧シリンダ16を、旋回フレーム2と固定側フレーム8との間にそれぞれ連結ピン16a,16bにより連結して取付ける。この揺動用油圧シリンダ16を伸縮させることにより、4節リンク7ないし後述の縦旋回装置18や多関節アーム24を矢印17に示すように左右に揺動させることができる。
4節リンク7の可動側フレーム9に縦旋回装置18を取付ける。この縦旋回装置18は、可動側フレーム9に取付けた旋回用油圧モータ19により歯車機構20を介して上部旋回体6の前後方向に向けた旋回軸21を中心に、被旋回部22を縦方向面内で左右に旋回させるものである。
24は縦旋回装置18の被旋回部22側に取付けた多関節アーム、25はこの多関節アーム24の先端に取付けた掻き出し用バケットである。多関節アーム24は、被旋回部22側にピン23により矢印26に示すように回動可能に取付けた直線状の第1アーム27と、この第1アーム27の先端に矢印28に示すように回動可能に取付けた直線状の第2アーム29と、第1アーム27、第2アーム29の関節部をそれぞれ回動させる油圧シリンダ30,31と、掻き出し用バケット25をピン32を中心として、リンク33,34を介して矢印35に示すように回動させる油圧シリンダ36とからなる。掻き出し用バケット25は断面形状がほぼC字形を有し、掘削機能を有すると共に、内部に堆積物を収容可能な構造を有するものであり、油圧ショベルの掘削バケットと同様のものを用いることができる。
38は下部走行体1のフレームにおける、駆動輪1bの反対側に履帯1dより外方に突出して、油圧シリンダ(図示せず)により上下動可能に取付けられた排土板である。
図3は多関節アーム24や掻き出し用バケット25を、ベルトコンベア40の下の隙間に挿入する前の状態を示す。図3に示すように、掻き出し作業は、好ましくは下部走行体1をベルトコンベア40の長手方向に向け、縦旋回装置18により多関節アーム24および掻き出し用バケット25を横向きにする。また、図1に示した4節リンク7の油圧シリンダ12を収縮させて可動側フレーム9と共に多関節アーム24および掻き出し用バケット25を下げた姿勢にする。そして、旋回装置3の作動により、上部旋回体6と共に4節リンク7、縦旋回装置18、多関節アーム24および掻き出し用バケット25を図3の矢印44に示すように水平に旋回させる。そして図4に示すように、多関節アーム24と共に掻き出し用バケット25をベルトコンベア40の下に潜らせる。そして、4節リンク7の油圧シリンダ12をさらに収縮させて掻き出し用バケット25の側面を地面(舗装面を含む。)39に接地し、多関節アーム24の油圧シリンダ30,31,36を作動させて掻き出し作業を行なう。
図5はこのように掻き出し作業を行なう際に、作業機本体を1箇所に止めた状態での掻き出し可能範囲を示すものである。41は、下部走行体1の向きをベルトコンベア40の長手方向に向け、上部旋回体6の運転室5がベルトコンベア40に対面するように旋回させ、4節リンクを実線7で示すようにベルトコンベア40に向けた時の掻き出し可能範囲を示す。
また、42は、揺動装置14の油圧シリンダ16(図2参照)を最も収縮させて4節リンクを二点鎖線7Aで示すように最も右側に揺動させた時の掻き出し可能範囲である。43は、揺動装置14の油圧シリンダ16を最も伸長させて4節リンクを二点鎖線7Bで示すように最も左側に揺動させた時の掻き出し可能範囲である。
このように、本実施の形態の掻き出し用作業機は、縦旋回装置18に多関節アーム24を取付け、多関節アーム24の先端に掻き出し用バケット25を取付け、縦旋回装置18によって多関節アーム24を横向きとし、多関節アーム24の関節部を回動させることにより、掻き出し用バケット25を地面39に沿って水平に動かして地面上の堆積物を掻き出す構成であるため、多関節アーム24はトータルの長さが特許文献1に記載の伸縮アームの長さ程度のものですむ。また、多関節アーム24を上下動させる4節リンク7も小型に構成できるので、多関節アーム24や掻き出し用バケット25等からなる作業装置の作業機本体からの突出長さが短く、かつ高さも低くなり、このため、作業機全体を小型に構成できる。また、作業機全体を小型に構成できる上、作業装置と重量バランスするために上部旋回体6に設けるカウンタウエイト37も軽量のものですみ、作業機の軽量化も可能となる。
また、ベルトコンベア40と地面39との間に多関節アーム24および掻き出し用バケット25を出し入れする際には、図3に示すように、縦旋回装置18の作動により多関節アーム24を横向きとした状態としておき、この状態で上部旋回体6の旋回により多関節アーム24や掻き出し用バケット25をベルトコンベア40の下に出し入れすることができる。このため、作業機本体とベルトコンベア40との間の距離L(図3参照)を小さくした状態、すなわち作業機をベルトコンベア40に近接させた状態で多関節アーム24や掻き出し用バケット25からなる作業装置を出し入れできる。このため、ベルトコンベア40近傍に作業のための広い作業スペースを必要としない。また、4節リンク7は低い位置に取付けられるため、高さ方向についても作業スペースが狭くてすむ。このため、狭くかつ天井が低い作業環境でも作業が可能となる。
また、前述のように作業機をベルトコンベア40に近接させて作業を行なうことができ、かつ下部走行体1の向きをベルトコンベア40の向きに合わせて作業を行なうことができるため、図6に示すように、2列に並んだベルトコンベア40,40間の狭いスペースに作業機を走行させながら、双方のベルトコンベア40,40の下の掻き出し物の掻き出し作業を行なうことが可能となる。
また、この本実施の形態の作業機は、掻き出し用バケット25が掻き出し機能のみならず、堆積物をバケット内に収容する機能を有するので、図7に示すように、この掻き出し用作業機自身を積込み機として兼用してトラック46にこの作業機を使用して堆積物(掻き出し物)を積込むことができる。すなわち、所定の範囲について掻き出し作業を行なった後、多関節アーム24をベルトコンベア40の外に位置させ、縦旋回装置18を作動させて多関節アーム24を縦向きにし、油圧ショベルの操作と同様に掻き出し用バケット25を掘削バケットとして使用することにより、掻き出し物をトラック46に積込むことができる。
このような積込み作業は、トラック46を作業機に併走させて行なうことができる。すなわち、特許文献1で記載のように、作業機を集積場と掻き出し現場との間で往復することなく、ベルトコンベア40に沿って作業機を断続的に走行させつつ、同時にトラック46への積込みを行なうことができる。このため、作業機を頻繁に走行させることなく、能率よく掻き出し物の処理を行なうことができる。また、作業機が積込み機の役目を果たすため、トラックに掻き出し物を積み込むための作業機が不要となり、経済化が達成される。
なお、本実施の形態の作業機の作業形態として、このようにトラック46を作業機に併走させるのではなく、ベルトコンベア40の下の堆積物をベルトコンベア40の全長について掻き出しを行なった後、トラック46を作業機に併走させて積込みを行なうようにしてもよい。また、ベルトコンベア40の所定の長さについて掻き出し作業を行なった後、排土板38を利用し、作業機の走行により所定の集積場に堆積物を集積させるようにしてもよい。
また、多関節アーム24や掻き出し用バケット25を横向きにして回動させることにより掻き出しを行なうと共に、揺動装置14により多関節アーム24の向きを変えることにより、図5に示すように広い範囲について掻き出し作業が行なえるので、ベルトコンベア40の脇に障害物があるような作業場所においては、下部走行体1はベルトコンベア40と平行に向けるのではなく、ベルトコンベア40に対して傾斜した向きにし、これにより障害物を避けて作業を行なうことができ、作業場所に適応した好適な向きで作業を行なうことができる。
図8は本発明の掻き出し用作業機の他の実施の形態を示す側面図である。この実施の形態においては、前記4節リンク7に代わる4節リンク70として、下リンク11の代わりに油圧シリンダ71を、その両端をそれぞれ固定側フレーム8、可動側フレーム9に連結ピン71a,71bにより連結して取付けたものである。なお、油圧シリンダ71は上リンク10の代わりに取付けてもよい。このように、油圧シリンダ71を上下リンクのうちの一方のリンクとして用いれば、固定側フレーム8に対する可動側フレーム9の角度を調整することが可能となる。
このように、図8の実施の形態においては、油圧シリンダ71を下リンク11の代わりに用いたので、図9に示すように、ベルトコンベア40の下の地面39が水平である一方で、作業機が走行する走行路39aが紙面上、右上がりの場合には油圧シリンダ71を伸長させることにより、多関節アーム24や掻き出し用バケット25をベルトコンベア40の下の地面39に平行にして掻き出し用バケット25を接地させることができる。
また、図10に示すように、作業機が走行する走行路39bが紙面上、右下がりの場合には油圧シリンダ71を収縮させることにより、多関節アーム24や掻き出し用バケット25をベルトコンベア40の下の地面39に平行にして掻き出し用バケット25を接地させることができる。したがって、作業機を傾斜のある地面上に設置して作業を行なう場合も、能率良く掻き出し作業を行なうことが可能となる。
以上本発明を実施の形態により説明したが、本発明は、ベルトコンベア40の下に堆積する堆積物を掻き出す場合のみならず、ベルトコンベア以外の構造物と地面との間の隙間が狭く、構造物の下に何らかのものが堆積する場合、堆積物を回収あるいは清掃する場合に適用することが可能である。また、本発明を実施する場合は、上記の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
1:下部走行体、2:旋回フレーム、3:旋回装置、4:動力源装置、5:運転室、6:上部旋回体、7,70:4節リンク、8:固定側フレーム、9:可動側フレーム、12:油圧シリンダ、14:揺動装置、16:油圧シリンダ、18:縦旋回装置、19:旋回用油圧モータ、22:被旋回部、24:多関節アーム、25:掻き出し用バケット、27:第1アーム、28:第2アーム、30,31,36:油圧シリンダ、37:カウンタウエイト、39:排土板、40:ベルトコンベア(構造物)、46:トラック、71:油圧シリンダ
Claims (3)
- 下部走行体上に旋回装置を介して旋回フレームを設置し、前記旋回フレーム上に動力源装置および運転室を搭載して上部旋回体を構成した作業機本体と、
前記旋回フレームに取付けられ、可動側が上下動可能な構造の4節リンクと、
前記4節リンクの前記可動側を上下動させる油圧シリンダと、
前記4節リンクの前記可動側に取付けられた縦旋回装置と、
前記縦旋回装置の被旋回部側に取付けられ、関節部駆動用の油圧シリンダを有する多関節アームと、
前記多関節アームの先端に油圧シリンダにより回動可能に取付けられ、掘削機能を有しかつ掻き出し物を収容可能な構造の掻き出し用バケットとを備えたことを特徴とする掻き出し用作業機。 - 請求項1に記載の掻き出し用作業機において、
前記旋回フレームと前記4節リンクとの間に水平揺動装置を設けたことを特徴とする掻き出し用作業機。 - 請求項1または2に記載の掻き出し用作業機において、
前記4節リンクを構成する上リンクまたは下リンクのいずれか一方を油圧シリンダにより構成したことを特徴とする掻き出し用作業機。
Priority Applications (1)
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JP2015175135A true JP2015175135A (ja) | 2015-10-05 |
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