JP2015174020A - 耐衝撃性自動車部品の製造方法 - Google Patents

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Toshio Okabe
俊雄 岡部
山本 修二
Shuji Yamamoto
修二 山本
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Daisuke Sato
大輔 佐藤
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Abstract

【課題】表面処理の金属膜を光輝性、防錆性、耐剥離性に優れるものとし、更に、衝撃時に金属膜の鋭利化、飛び出しで人体に危険な状況を作り出す可能性を無くす。【解決手段】衝撃に対する耐性が要求され、且つ表面に衝撃による基材変形に追従する島状金属膜が施される耐衝撃性自動車部品の製造方法であって、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材11を形成する工程と、基材11上に成膜されたベースコート層12上に、無電解めっきを施して金属膜13を形成する工程と、基材11と金属膜13との内部応力差により、金属膜13をクラック15で不連続に分割して、島状構造の微細金属領域14の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する工程と、島状金属膜の微細金属領域14を被覆し、且つクラック15に入り込んでベースコート層12と接触するように、透光性のトップコート層16を形成する工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に光輝性を有し、衝撃に対する耐性が要求される耐衝撃性自動車部品の製造方法に関する。
従来、バンパーモール、フロントグリル等の衝撃に対する耐性が要求される自動車部品で、表面に光輝性を有するものが知られている。この種の部品は、例えば合成樹脂製の基材や金属製の基材の表面に、必要に応じて下地となるベースコート層を形成する工程、そのベースコート層の表面にスパッタリング等で金属薄膜を形成する工程、その金属薄膜の上に透光性のトップコート層を形成する工程を経て製造され、金属薄膜の金属光沢により光輝性を得ることができる。金属薄膜は、通常は連続して形成されている連続膜とされるのが一般的である。
しかし、連続的な金属薄膜を有する部品では、衝撃により外力が負荷された場合に連続的な金属薄膜は基材の変形に追従できず、金属薄膜に亀裂が生じて拡大する傾向がある。このように発生・拡大する亀裂は、外部から水の浸入を招き、金属薄膜に錆を発生させて拡大すると共に、金属薄膜を剥離させる原因となる。更に、衝突時の衝撃で部品が変形した際に、亀裂が生じて剥離した金属薄膜は、鋭利な先端あるいは刃になって飛び出してしまうため、人体に非常な危険な状況を作り出す可能性がある。
斯様な問題点は、特許文献1の技術を用いてある程度の解消を図ることができる。特許文献1では、基材の表面に、或いは基材の表面のベースコート層上に、スパッタリング等の真空金属化処理によって、熱膨張係数が基材よりも小さい金属微粒子からなる金属薄膜を形成し、金属薄膜を形成した基材全体の温度を上昇させて熱膨張させることにより、金属薄膜に微細なクラックを生じさせ、クラックにより互いに分離された多数の島状構造を形成し、多数の島状構造を包み込みつつ、クラックから基材表面或いはベースコート層に固着するようにトップコート層を形成している。
特開平11−131213号公報
ところで、特許文献1の技術で表面光輝性の自動車部品を製造する場合、真空金属化処理を行うために真空容器等の大がかりな真空処理設備が必要となるため、製造コストが高価になり、特に大量生産を行うためには多額の設備投資が必要になるという問題がある。
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、衝撃に対する耐性が要求される耐衝撃性自動車部品において、良好な表面光輝性を有し、防錆性、耐剥離性に優れる金属膜で表面処理が施されると共に、低コストで大量生産することができる耐衝撃性自動車部品の製造方法を提供することを目的とする。更に、衝撃によって外力が負荷された場合に、金属膜の亀裂の発生、拡大を防止でき、金属膜の鋭利化、飛び出しにより人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる耐衝撃性自動車部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、衝撃に対する耐性が要求され、且つ表面に衝撃による基材変形に追従する島状金属膜が施される耐衝撃性自動車部品の製造方法であって、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材を形成する第1工程と、前記基材上に、若しくは前記基材上に成膜されたベースコート層上に、無電解めっきを施して金属膜を形成する第2工程と、前記基材と前記金属膜との内部応力差により、前記金属膜をクラックで不連続に分割して、島状構造の微細金属領域の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する第3工程と、前記島状金属膜の微細金属領域を被覆し、且つ前記クラックに入り込んで前記基材若しくは前記ベースコート層と接触するように、透光性のトップコート層を形成する第4工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成することにより、良好な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を得ることができる。また、微細金属領域で島状金属膜を形成し、トップコート層が微細金属領域を被覆して、クラックに入り込んで基材やベースコート層と接触するので、トップコート層の密着性を向上することができ、優れた防錆性、耐剥離性を発揮させることができる。また、無電解めっきで金属膜を形成することにより、真空容器等の大がかりな真空処理設備が不要となり、表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を効率的な製造ラインで低コストに大量生産することが可能となる。また、島状金属膜により、耐衝撃性自動車部品に衝突等で衝撃が加わった場合に、金属膜で亀裂の発生、拡大が生じることや、更には、金属膜で鋭利化、飛び出しが生じることを防止でき、人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、衝撃に対する耐性が要求され、且つ表面に衝撃による基材変形に追従する島状金属膜が施される耐衝撃性自動車部品の製造方法であって、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材を形成する第1工程と、前記基材上に、若しくは前記基材上に成膜されたベースコート層上に、無電解めっきを施して第1の金属膜を形成する第2工程と、前記第1の金属膜上に電解めっきを施して少なくとも第2の金属膜を形成し、前記基材若しくは前記ベースコート層と前記第1の金属膜との結合力より、少なくとも前記第1の金属膜と前記第2の金属膜で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにする第3工程と、前記基材と前記複層金属膜との内部応力差により、前記複層金属膜を一体的に同じ位置のクラックで不連続に分割して、島状構造の微細複層金属領域の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する第4工程と、前記島状金属膜の微細複層金属領域を被覆し、且つ前記クラックに入り込んで前記基材若しくは前記ベースコート層と接触するように、透光性のトップコート層を形成する第5工程とを備えることを特徴とする。
これによれば、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成することにより、良好な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を得ることができる。また、微細複層金属領域で島状金属膜を形成し、トップコート層が微細複層金属領域を被覆して、クラックに入り込んで基材やベースコート層と接触するので、トップコート層の密着性を向上することができ、優れた防錆性、耐剥離性を発揮させることができる。また、無電解めっき、電解めっきで金属膜を形成することにより、真空容器等の大がかりな真空処理設備が不要となり、表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を効率的な製造ラインで低コストに大量生産することが可能となる。また、島状金属膜により、耐衝撃性自動車部品に衝突等で衝撃が加わった場合に、金属膜で亀裂の発生、拡大が生じることや、更には、金属膜で鋭利化、飛び出しが生じることを防止でき、人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる。また、島状構造を微細複層金属領域で構成することにより、表面光輝性の質感、島状金属膜の特性、適用可能な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品の多様化を図ることができる。また、複層金属膜を一体的に不連続に分割し、第1の金属膜と第2の金属膜等の微細複層金属領域やクラックが異なる位置に形成されることがなく、同じ位置に形成することが可能であり、島状金属膜の視認性や特性の均一化、クラックに入るトップコート層の基材やベースコート層への接触を確実に図ることができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、前記第3工程において、前記第2の金属膜上に電解めっきを施して第3の金属膜を形成し、前記基材若しくは前記ベースコート層と前記第1の金属膜との結合力より、前記第1の金属膜、前記第2の金属膜及び前記第3の金属膜で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにし、前記第4工程において、前記基材と、前記第1の金属膜、前記第2の金属膜及び前記第3の金属膜で構成される複層金属膜との内部応力差により、前記複層金属膜を前記クラックで不連続に分割することを特徴とする。
これによれば、無電解めっきの金属層と電解めっきの2層の金属層から構成される微細複層金属領域とし、表面光輝性の質感、島状金属膜の特性、適用可能な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品の一層の多様化を図ることができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、前記基材が合成樹脂、若しくは前記基材と前記ベースコート層が合成樹脂であることを特徴とする。
これによれば、内部応力差を生じさせやすくして、基材若しくはベースコート層に形成される金属膜のクラックの形成を一層容易且つ確実に行うことができる、或いは基材若しくはベースコート層とその上の第1の金属膜との結合力より複層金属膜の各膜相互間の結合力を高くし、且つ内部応力差を生じさせやすくして、基材若しくはベースコート層に形成される複層金属膜のクラックの形成を一層容易且つ確実に行うことができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、前記金属膜又は前記複層金属膜を不連続に分割する際に加熱処理を施し、加熱処理で生ずる内部応力差により前記金属膜又は前記複層金属膜を不連続に分割することを特徴とする。
これによれば、基材と金属膜、複層金属膜との間に熱膨張係数差による熱応力差を生じさせ、金属膜、複層金属膜を簡単且つ確実に不連続に分割することができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法は、前記耐衝撃性自動車部品がフロントグリル、バンパーモール、サイドモール若しくはホイールキャップであることを特徴とする。
これによれば、少なくとも本発明の耐衝撃性自動車部品の効果を発揮するフロントグリル、バンパーモール、サイドモール若しくはホイールキャップを得ることができる。
本発明の耐衝撃性自動車部品の製造方法によれば、良好な表面光輝性を有し、防錆性、耐剥離性に優れると共に、低コストで大量生産することができる耐衝撃性自動車部品を得ることができる。更に、衝撃によって外力が負荷された場合に、金属膜の亀裂の発生、拡大を防止でき、金属膜の鋭利化、飛び出しにより人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる耐衝撃性自動車部品を得ることができる。
(a)〜(d)は第1実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法における製造工程の流れを示す模式断面説明図。 (a)〜(e)は第2実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法における製造工程の流れを示す模式断面説明図。 (a)〜(f)は第3実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法における製造工程の流れを示す模式断面説明図。
〔第1実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法〕
第1実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法で製造される耐衝撃性自動車部品は、図1(d)に示すように、合成樹値等により耐衝撃性自動車部品の原形形状に形成された基材11と、基材11の上に必要に応じて成膜される合成樹脂等のベースコート層12と、ベースコート層12上若しくは基材11上に無電解めっきを施して形成され、島状構造の微細金属領域14の集合体からなる島状金属膜と、島状金属膜の微細金属領域14を被覆する透光性のトップコート層16とから構成される。
基材11は、本発明の趣旨の範囲内で適宜の材料で形成することが可能であり、樹脂、金属、セラミックス等の種々の材料を用いることができる。例えば基材11を合成樹脂とする場合に適用可能な素材としては、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル−エチレン−スチレン)樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー(LCP)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、セルロース樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられ、又、基材11を金属とする場合に適用可能な素材としては、鉄、アルミニウム等が挙げられる。
また、基材11の形状は、フロントグリル、バンパーモール、サイドモール若しくはホイールキャップ等の衝撃に対する耐性が要求される各種の耐衝撃性自動車部品の原形形状に形成される。尚、本発明において、衝撃に対する耐性が要求される耐衝撃性自動車部品は、衝突等の衝撃に対抗して車体の所定箇所を保護する部品であり、例えば前方衝突時に車体の前部や乗車空間を保護するフロントグリル、バンパーモール、或いはドアの開閉時の接触による衝撃からドアを保護するサイドモール、或いは側面衝突時に締付ボルトを保護するホイールキャップ等が含まれる。
ベースコート層12は、微細金属領域14、トップコート層16の密着性の向上等のために、必要に応じて基材11上に設けられる。例えば基材11を合成樹脂とする場合、ベースコート層12は、親水性樹脂材料の有機塗膜とすると、基材11の表面が平滑でも触媒活性を有する金属粒子を吸着若しくは付着させ、均一な触媒層の形成が容易になり、その結果、均一な触媒層が置換析出して得られる後述の金属膜13が良好な密着性を備えるものとなって好適である。この親水性樹脂材料としては、例えばアクリル系樹脂、非水溶性ポリエステル樹脂、水酸基を有する樹脂及びイソシアネート系化合物、水酸基を含有してなる親水性及び/又は水溶性樹脂等を用いることができる。また、無電解めっき工程において基材11を触媒液や無電解めっき液に接触させた際に、ベースコート層12が触媒液や無電解めっき液に溶出し、剥離することを防止すると共に、溶出防止による触媒液や無電解めっき液を長寿命化を図るため、この親水性樹脂材料は非水溶性とすることが好ましく、水溶性である場合には硬化処理を行う等して非水溶性にすることが好ましい。また、合成樹脂を基材11とする場合に、ベースコート層12を設けることに代え、無電解めっきの密着性向上のため、大気下で基材11の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その改質層の上に無電解めっきを施し、島状構造の微細金属領域14の集合体からなる島状金属膜を形成するようにしてもよい。
島状構造の微細金属領域14は、後述する無電解めっきと内部応力差による分割により形成され、島状金属膜は、クラック15で分離された島状構造の微細金属領域14の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する。微細金属領域14或いはその集合体である島状金属膜は、無電解めっきで析出できる適宜の金属で形成することが可能であるが、例えばニッケル若しくはニッケル合金、パラジウム若しくはパラジウム合金、スズ若しくはスズ合金、銅若しくは銅合金、銀若しくは銀合金、金若しくは金合金、又は、コバルト若しくはコバルト合金等とすると好ましい。
微細金属領域14の平均最大幅(測定対象とする微細金属領域14の一端から他端までの距離を測定した場合に、最長となる端部間の距離、或いは、画像処理装置を用いる等して、微細金属領域14の面積と等しくなる円の直径を算出して得られる径)は例えば20μm前後等であり、また、クラック15の幅は、狭すぎるとトップコート層16のクラック15への入り込みや密着の確保が難しくなり、広すぎると一体的な光輝面の視認性の確保が難しくなるため、好適には10nm〜2μm、より好適には30nm〜500nmとするとよい。この基材11の表面に施される島状金属膜の微細金属領域14は、衝撃によって基材11が変形した際に、その変形に追従して島状構造を維持することが可能である。
透光性のトップコート層16は、島状金属膜の微細金属領域14を被覆し、且つクラック15に入り込んでベースコート層12若しくは基材11と接触するように形成される。トップコート層16は、例えばシリコンアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂等で形成される。
第1実施形態における耐衝撃性自動車部品を製造する際には、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材11を形成した後、図1(a)に示すように、基材11上に必要に応じてベースコート層12を成膜する。ベースコート層12は、例えばアクリルウレタン系塗料等の有機塗料を基材11上に塗布或いは浸漬で設け、乾燥させることで形成する。また、合成樹脂を基材11とする場合に、ベースコート層12を設けることに代え、大気下で基材11の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その上に後述する金属膜13を無電解めっきで形成してもよい。
その後、図1(b)に示すように、基材11上に成膜されたベースコート層12上に、無電解めっきを施して連続膜である金属膜13を形成する。金属膜13は無電解めっきで析出できる適宜の金属で形成することが可能であり、例えばニッケル若しくはニッケル合金、パラジウム若しくはパラジウム合金、スズ若しくはスズ合金、銅若しくは銅合金、銀若しくは銀合金、金若しくは金合金、又は、コバルト若しくはコバルト合金等とするとよい。尚、基材11にベースコート層12を設けない場合には、無電解めっきを施して基材11上に金属膜13を直接形成する。
この無電解めっき工程の手順は適宜であり、例えば一般にキャタリスト溶液と称されるスズ−パラジウム混合触媒溶液にベースコート層12を有する基材11、或いは基材11を浸漬し、水洗の後、5vol%〜10vol%の硫酸又は塩酸からなるアクセレータ(促進剤)に浸漬し、表面に吸着したパラジウムを触媒として金属を析出させる等の通常の手順により、金属膜13を形成することができる。但し、連続膜である金属膜13を形成するため、無電解めっき浴への浸漬時間は10秒を超えるようにすることが望ましい。
無電解めっき浴としては、ベースコート層12若しくは基材11の表面に析出させる金属(合金含む)の塩、還元剤等を含む既存の無電解めっき浴を採用することができ、例えばニッケル又はニッケル合金、パラジウム又はパラジウム合金、スズ又はスズ合金、銅又は銅合金、銀又は銀合金、金又は金合金、あるいはコバルト又はコバルト合金の無電解めっき浴とすると好ましい。なお、無電解めっき工程では、酸/アルカリ洗浄等の脱脂処理等の清浄化処理、市販の薬液等を用いて、コンディショニング処理、プレディップ処理等の各種前処理を行ってよいのは勿論である。また、基材11の表面が平滑であり、触媒がうまく付着しない場合には、機械的処理、化学的処理又は光学的処理(UV処理、プラズマ処理等)等によって、基材11の表面を粗面化するなどの前処理を行ってもよい。
そして、図1(c)に示すように、基材11と金属膜13との内部応力差により、金属膜13をクラック15で不連続に分割して、島状構造の微細金属領域14の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する。この内部応力差による金属膜13の分割は、例えば80℃以上等の加熱処理で生ずる基材11と金属膜13との内部応力差、或いは無電解めっき浴から引き揚げた状態で残留する基材11と金属膜13との内部応力差により分割する。尚、ベースコート層12を設ける場合にも、ベースコート層12の厚さは基材11の厚さに比べて桁違いに薄いので、ベースコート層12の内部応力による影響は小さく、基材11と金属膜13との内部応力差で金属膜13がクラック15で分割される。
好適には、基材11の熱膨張係数を金属膜13の熱膨張係数より大きくし、加熱処理を行って、基材11と金属膜13との間に熱膨張係数の差による熱応力差を生じさせると、金属膜13を簡単且つ確実に不連続に分割することができる。この場合、基材11の熱膨張係数が金属膜13との熱膨張係数の3倍以上、より好適には4倍以上とすると、クラック15で分離されて独立した微細金属領域14をより確実に形成することができて一層好ましい。尚、ベースコート層12を設ける場合にも、基材11の熱膨張係数を金属膜13の熱膨張係数より大きくし、好ましくは基材11の熱膨張係数が金属膜13との熱膨張係数の3倍以上、より好適には4倍以上とすることにより、同様にクラック15で分離された微細金属領域14を確実に形成することが可能である。
その後、図1(d)に示すように、島状金属膜の微細金属領域14を被覆し、且つクラック15に入り込んでベースコート層12若しくは基材11と接触するように、透光性のトップコート層16を形成する。トップコート層16は、例えばシリコンアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂等のトップコート剤を塗布或いは浸漬で設け、乾燥させることで形成し、これにより、トップコート層16は、微細金属領域14の各々を被覆すると共に、クラック15に入り込んでベースコート層12若しくは基材11と密着する。
第1実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法によれば、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成することにより、良好な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を得ることができる。また、微細金属領域14で島状金属膜を形成し、トップコート層16が微細金属領域14を被覆して、クラック15に入り込んでベースコート層12や基材11と接触するので、トップコート層16の密着性を向上することができ、優れた防錆性、耐剥離性を有する耐衝撃性自動車部品を得ることができる。
また、無電解めっきで金属膜13を形成することにより、真空容器等の大がかりな真空処理設備が不要となり、表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を効率的な製造ラインで低コストに大量生産することが可能となる。また、微細金属領域14の島状金属膜により、耐衝撃性自動車部品に衝突等で衝撃が加わった場合に、外力の負荷で金属膜で亀裂の発生、拡大が生じることや、更には、外力の負荷により金属膜で鋭利化、飛び出しが生じることを防止でき、人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる。また、ニッケル若しくはニッケル合金等の各金属の島状金属膜を得て、これらの各金属の特性を有効利用することができる。また、基材11を合成樹脂、若しくは基材11とベースコート層12を合成樹脂とする場合には、内部応力差を生じさせやすくして、金属膜13のクラック15の形成を一層容易且つ確実に行うことができる。
〔第2実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法〕
第2実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法で製造される耐衝撃性自動車部品は、図2(e)に示すように、合成樹値等により耐衝撃性自動車部品の原形形状に形成された基材21と、基材21の上に必要に応じて成膜される合成樹脂等のベースコート層22と、ベースコート層22上若しくは基材21上に形成され、島状構造の微細複層金属領域25からなる島状金属膜と、島状金属膜の微細複層金属領域25を被覆する透光性のトップコート層27とから構成され、更に、微細複層金属領域25は、無電解めっきによりベースコート層22上若しくは基材21上に形成された第1の金属層251と、電解めっきにより第1の金属層251上に形成された第2の金属層252とから構成される。
基材21と、基材21上に必要に応じて設けられるベースコート層22は、第1実施形態の基材11、ベースコート層12と基本的に同一であり、又、基材21に応じてベースコート層22を設けない場合には、島状構造の微細複層金属領域25の集合体からなる島状金属膜は基材21上に直接形成され、後述する透光性のトップコート層27は島状金属膜の微細複層金属領域25を被覆し、且つクラック26に入り込んで基材21と接触するように形成される。また、第1実施形態と同様に、合成樹脂を基材21とする場合に、ベースコート層22を設けることに代え、無電解めっきの密着性向上のため、大気下で基材21の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その改質層の上に無電解めっきを施すことにより、後述する島状構造の微細複層金属領域25の集合体からなる島状金属膜を形成するようにしてもよい。
島状構造の微細複層金属領域25は、後述する無電解めっきによる第1の金属膜23と電解めっきによる第2の金属膜24を形成し、内部応力差によって分割することにより形成される。微細複層金属領域25は、無電解めっきによる第1の金属層251と電解めっきによる第2の金属層252を積層して構成され、その島状金属膜は、クラック26で分離された島状構造の微細複層金属領域25の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する。この基材21の表面に施される島状金属膜は、衝撃によって基材21が変形した際に、その変形に追従して島状構造を維持することが可能である。
第1の金属層251或いは第1の金属膜23は、無電解めっきで析出できる適宜の金属で形成することが可能であり、例えばニッケル若しくはニッケル合金、パラジウム若しくはパラジウム合金、スズ若しくはスズ合金、銅若しくは銅合金、銀若しくは銀合金、金若しくは金合金、又は、コバルト若しくはコバルト合金等とすると好ましい。また、第2の金属層252或いは第2の金属膜24は、適宜の金属で形成することが可能であり、例えば十分な金属光沢と防錆性を有するクロム若しくはクロム合金、或いは金若しくは金合金等とすると好ましい。
微細複層金属領域25の平均最大幅(測定対象とする微細複層金属領域25の一端から他端までの距離を測定した場合に、最長となる端部間の距離、或いは、画像処理装置を用いる等して、微細複層金属領域25の面積と等しくなる円の直径を算出して得られる径)は例えば20μm前後等であり、また、クラック26の幅は、狭すぎるとトップコート層27のクラック26への入り込みや密着の確保が難しくなり、広すぎると一体的な光輝面の視認性の確保が難しくなるため、好適には10nm〜2μm、より好適には30nm〜500nmとするとよい。
透光性のトップコート層27は、第1実施形態と同様に、島状金属膜の微細複層金属領域25を被覆し、且つクラック26に入り込んでベースコート層22若しくは基材21と接触するように形成され、例えばシリコンアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂等で形成される。
第2実施形態における耐衝撃性自動車部品を製造する際には、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材21を形成した後、図2(a)、(b)に示すように、基材21上に必要に応じてベースコート層22を成膜し、基材21上に成膜されたベースコート層22上に或いは基材21上に、無電解めっきを施して連続膜である第1の金属膜23を形成する。ベースコート層22の形成、第1の金属膜23の形成の手順は、第1実施形態のベースコート層12の形成、金属膜13の形成の手順と同様である。また、合成樹脂を基材21とする場合に、ベースコート層22を設けることに代え、大気下で基材21の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その上に第1の金属膜23を無電解めっきで形成してもよい。
その後、図2(c)に示すように、第1の金属膜23上に電解めっきを施して第1の金属膜23と同種或いは異種の金属からなる連続膜の第2の金属膜24を形成し、ベースコート層22若しくは基材21と第1の金属膜23との結合力より、第1の金属膜23と第2の金属膜24で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにする。即ち、ベースコート層22や基材21には、第1の金属膜23との結合力が、複層金属膜の各膜相互間の結合力よりも弱くなるものを用い、例えば合成樹脂の基材21や合成樹脂の有機塗膜のベースコート層22とすることにより、ベースコート層22や基材21と第1の金属膜23との結合力よりも、金属結合される複層金属膜の各膜相互間の結合力をはるかに強くすることができる。第2の金属膜24は、例えばクロム若しくはクロム合金等の電解めっき浴で形成する。
そして、図2(d)に示すように、基材21と、第1の金属膜23及び第2の金属膜24で構成される複層金属膜との内部応力差により、この複層金属膜を一体的にクラック26で不連続に分割し、島状構造の微細複層金属領域25の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する。この内部応力差による複層金属膜の分割は、例えば80℃以上等の加熱処理で生ずる基材21と複層金属膜との内部応力差、或いは電解めっき浴から引き揚げた状態で残留する基材21と複層金属膜との内部応力差により分割する。尚、ベースコート層22を設ける場合にも、ベースコート層22の厚さは基材21の厚さに比べて桁違いに薄いので、ベースコート層22の内部応力による影響は小さく、基材21と金属膜23、24或いは第1に金属膜23との内部応力差で複層金属膜がクラック26で分割される。
好適には、基材21の熱膨張係数を第1の金属膜23の熱膨張係数より大きくし、加熱処理を行って、基材21と複層金属膜或いは第1の金属膜23との間に熱膨張係数の差による熱応力差を生じさせると、複層金属膜を簡単且つ確実に不連続に分割することができる。
更に、加熱処理で内部応力差を生じさせる場合、基材21の熱膨張係数が、複層金属膜を構成する各金属膜23、24の各熱膨張係数に対して3倍以上、より好適は4倍以上であるようにすると、複層金属膜に対するクラック26、即ち第1の金属膜23と第2の金属膜24に対するクラック26を同じ位置により一層確実に形成することが可能となり、クラック26で分離されて独立した微細複層金属領域25をより確実に形成することができると共に、島状金属膜の視認性や特性の均一化、クラック26に入る後述のトップコート層27のベースコート層22や基材21への接触を確実に図ることができて一層好ましい。尚、ベースコート層22を設ける場合も、第1実施形態と同様に、基材21の熱膨張係数を各金属膜23、24の各熱膨張係数或いは第1の金属膜23の熱膨張係数より大きくし、好ましくは基材21の熱膨張係数を各金属膜23、24の各熱膨張係数に対して3倍以上、より好適には4倍以上とすることにより、クラック26で分離された微細複層金属領域25を確実に形成することが可能である。
その後、図2(e)に示すように、島状金属膜の微細複層金属領域25を被覆し、且つクラック26に入り込んでベースコート層22若しくは基材21と接触するように、透光性のトップコート層27を形成する。トップコート層27は、第1実施形態のトップコート層16と同様に形成し、微細複層金属領域25の各々を被覆すると共に、クラック26に入り込んでベースコート層22若しくは基材21と密着するようにする。
第2実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法によれば、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成し、良好な表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を得ることができる。また、微細複層金属領域25で島状金属膜を形成し、トップコート層27が微細複層金属領域25を被覆して、クラック26に入り込んでベースコート層22や基材21と接触するので、トップコート層27の密着性を向上することができ、優れた防錆性、耐剥離性を有する耐衝撃性自動車部品を得ることができる。
また、無電解めっき、電解めっきで金属膜23、24を形成することにより、真空容器等の大がかりな真空処理設備が不要となり、表面光輝性の耐衝撃性自動車部品を効率的な製造ラインで低コストに大量生産することが可能となる。また、微細複層金属領域25の島状金属膜により、耐衝撃性自動車部品に衝突等で衝撃が加わった場合に、金属膜で亀裂の発生、拡大が生じることや、更には、金属膜で鋭利化、飛び出しが生じることを防止でき、人体に危険な状況を作り出す可能性を無くすことができる。
また、島状構造を微細複層金属領域25で構成することにより、表面光輝性の質感、島状金属膜の特性、適用可能な耐衝撃性自動車部品の多様化を図ることができる。また、複層金属膜を一体的に不連続に分割し、第1の金属膜23と第2の金属膜24の微細複層金属領域25やクラック26が異なる位置に形成されることがなく、同じ位置に形成することが可能であり、島状金属膜の視認性や特性の均一化、クラック26に入るトップコート層27のベースコート層22や基材21への接触を確実に図ることができる。また、基材21を合成樹脂、若しくは基材21とベースコート層22を合成樹脂とする場合には、これらと第1の金属膜23との結合力より複層金属膜の各膜相互間の結合力を高くし、且つ内部応力差を生じさせやすくして、複層金属膜のクラックの形成を一層容易且つ確実に行うことができる。
〔第3実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法〕
第3実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法で製造される耐衝撃性自動車部品は、図3(f)に示すように、合成樹値等により耐衝撃性自動車部品の原形形状に形成された基材31と、基材31の上に必要に応じて成膜される合成樹脂等のベースコート層32と、ベースコート層32上若しくは基材31上に形成され、島状構造の微細複層金属領域36からなる島状金属膜と、島状金属膜の微細複層金属領域36を被覆する透光性のトップコート層38とから構成され、更に、微細複層金属領域36は、無電解めっきによりベースコート層32上若しくは基材31に形成された第1の金属層361と、電解めっきにより第1の金属層361上に形成された第2の金属層362と、電解めっきにより第2の金属層362上に形成された第3の金属層363とから構成される。
基材31と、基材31上に必要に応じて設けられるベースコート層32は、第1、第2実施形態の基材11、21、ベースコート層12、22と基本的に同一であり、又、基材31に応じてベースコート層32を設けない場合には、島状構造の微細複層金属領域36の集合体からなる島状金属膜は基材31上に直接形成され、後述する透光性のトップコート層38は島状金属膜の微細複層金属領域36を被覆し、且つクラック37に入り込んで基材31と接触するように形成される。また、第1、第2実施形態と同様に、合成樹脂を基材31とする場合に、ベースコート層32を設けることに代え、無電解めっきの密着性向上のため、大気下で基材31の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その改質層の上に無電解めっきを施すことにより、後述する島状構造の微細複層金属領域36の集合体からなる島状金属膜を形成するようにしてもよい。
島状構造の微細複層金属領域36は、後述する無電解めっきによる第1の金属膜33と電解めっきによる第2の金属膜34、第3の金属膜35を形成し、内部応力差によって分割することにより形成される。微細複層金属領域36は、無電解めっきによる第1の金属層361と電解めっきによる第2の金属層362、第3の金属膜363を積層して構成され、その島状金属膜は、クラック37で分離された島状構造の微細複層金属領域36の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する。この基材31の表面に施される島状金属膜は、衝撃によって基材31が変形した際に、その変形に追従して島状構造を維持することが可能である。
第1の金属層361或いは第1の金属膜33は、無電解めっきで析出できる適宜の金属で形成することが可能であり、例えばニッケル若しくはニッケル合金、パラジウム若しくはパラジウム合金、スズ若しくはスズ合金、銅若しくは銅合金、銀若しくは銀合金、金若しくは金合金、又は、コバルト若しくはコバルト合金等とすると好ましい。また、第2の金属層362或いは第2の金属膜34は、適宜の金属で形成することが可能である。また、第3の金属層363或いは第3の金属膜35は、適宜の金属で形成することが可能であり、例えば十分な金属光沢と防錆性を有するクロム若しくはクロム合金、或いは金若しくは金合金等とすると好ましい。
更に、第2実施形態と同様に、微細複層金属領域36の平均最大幅は例えば5μm前後等であり、また、クラック37の幅は、狭すぎるとトップコート層38のクラック37への入り込みや密着の確保が難しくなり、広すぎると一体的な光輝面の視認性の確保が難しくなるため、好適には10nm〜2μm、より好適には30nm〜500nmとするとよい。
透光性のトップコート層38は、第1実施形態と同様に、島状金属膜の微細複層金属領域36を被覆し、且つクラック37に入り込んでベースコート層32若しくは基材31と接触するように形成され、例えばシリコンアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂等で形成される。
第3実施形態における耐衝撃性自動車部品を製造する際には、耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材31を形成した後、図3(a)、(b)に示すように、基材31上に必要に応じてベースコート層32を成膜し、基材31上に成膜されたベースコート層32上に或いは基材31上に、無電解めっきを施して連続膜である第1の金属膜33を形成する。このベースコート層32の形成、第1の金属膜33の形成の手順は、第1、第2実施形態のベースコート層12、22の形成、金属膜13、第1の金属膜23の形成の手順と同様である。また、合成樹脂を基材31とする場合に、ベースコート層32を設けることに代え、大気下で基材31の表面に紫外線照射を施して表面に改質層を形成し、その上に第1の金属膜33を無電解めっきで形成してもよい。
その後、図3(c)に示すように、第1の金属膜33上に電解めっきを施して第1の金属膜33と同種或いは異種の金属からなる連続膜の第2の金属膜34を形成し、更に、図3(d)に示すように、第2の金属膜34上に電解めっきを施して第1の金属膜33若しくは第2の金属膜34と同種或いは異種の金属からなる連続膜の第3の金属膜35を形成し、ベースコート層32若しくは基材31と第1の金属膜33との結合力より、第1の金属膜33、第2の金属膜34及び第3の金属膜35で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにする。即ち、ベースコート層32や基材31には、第1の金属膜33との結合力が、複層金属膜の各膜相互間の結合力よりも弱くなるものを用い、例えば合成樹脂の基材31や合成樹脂の有機塗膜のベースコート層32とすることにより、ベースコート層32や基材31と第1の金属膜33との結合力よりも、金属結合される複層金属膜の各膜相互間の結合力をはるかに強くすることができる。
そして、図3(e)に示すように、基材31と、第1の金属膜33、第2の金属膜34及び第3の金属膜35で構成される複層金属膜との内部応力差により、この複層金属膜を一体的にクラック37で不連続に分割し、島状構造の微細複層金属領域36の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する。この内部応力差による複層金属膜の分割は、例えば80℃以上等の加熱処理で生ずる基材31と複層金属膜との内部応力差、或いは電解めっき浴から引き揚げた状態で残留する基材31と複層金属膜との内部応力差により分割する。尚、ベースコート層32を設ける場合にも、ベースコート層32の厚さは基材31の厚さに比べて桁違いに薄いので、ベースコート層32の内部応力による影響は小さく、基材31と金属膜33、34、35或いは第1に金属膜33との内部応力差で複層金属膜がクラック37で分割される。
好適には、基材31の熱膨張係数を第1の金属膜33の熱膨張係数より大きくし、加熱処理を行って、基材31と複層金属膜或いは第1の金属膜33との間に熱膨張係数の差による熱応力差を生じさせると、複層金属膜を簡単且つ確実に不連続に分割することができる。
更に、加熱処理で内部応力差を生じさせる場合、基材31の熱膨張係数が、複層金属膜を構成する各金属膜33、34、35の各熱膨張係数に対して3倍以上、より好適には4倍以上であるようにすると、複層金属膜に対するクラック37、即ち第1の金属膜33と第2の金属膜34と第3の金属膜35に対するクラック37を同じ位置により一層確実に形成することが可能となり、クラック37で分離されて独立した微細複層金属領域36をより確実に形成することができると共に、島状金属膜の視認性や特性の均一化、クラック37に入る後述のトップコート層38のベースコート層32や基材31への接触を確実に図ることができて一層好ましい。尚、ベースコート層32を設ける場合も、第1、第2実施形態と同様に、基材31の熱膨張係数を各金属膜33、34、35の熱膨張係数或いは第1の金属膜33の熱膨張係数より大きくし、好ましくは基材31の熱膨張係数を各金属膜33、34、35の各熱膨張係数に対して3倍以上、より好適には4倍以上とすることにより、クラック37で分離された微細複層金属領域36を確実に形成することが可能である。
その後、図3(f)に示すように、島状金属膜の微細複層金属領域36を被覆し、且つクラック37に入り込んでベースコート層32若しくは基材31と接触するように、透光性のトップコート層38を形成する。トップコート層38は、第1、第2実施形態のトップコート層16、27と同様に形成し、微細複層金属領域36の各々を被覆すると共に、クラック37に入り込んでベースコート層32若しくは基材31と密着するようにする。
第3実施形態の耐衝撃性自動車部品の製造方法によれば、第2実施形態と対応する構成に基づき第2実施形態と同様の効果を奏する。更に、無電解めっきの第1の金属層361と電解めっきの2層の第2の金属層362、第3の金属層363から構成される微細複層金属領域36で島状構造を構成することにより、表面光輝性の質感、島状金属膜の特性、適用可能な耐衝撃性自動車部品の一層の多様化を図ることができる。
〔実施形態のその他の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明や各実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを含むものである。そして、下記変形例も包含する。
例えば、無電解めっきの金属膜上に順次電解めっきを施して複数の金属膜を積層する場合、電解めっきによる複数の金属膜の層数は適宜であり、電解めっきによる3層以上の複数の金属膜を形成してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に、加熱処理による熱応力の内部応力差或いは電解めっき浴から引き揚げた状態で残留する内部応力の内部応力差で複層金属膜を一体的に不連続に分割し、微細複層金属領域を形成することが可能である。
また、第1実施形態の無電解めっきによる金属膜13、微細金属領域14は、単層の他、無電解めっきを複数回行って積層形成された複数層の金属膜、複数層の微細金属領域とすることが可能であり、又、第2、第3実施形態の無電解めっきによる第1の金属膜23、33、第1の金属層251、361も、単層の他、無電解めっきを複数回行って積層形成された複数層の金属膜、複数層の金属層とすることが可能である。
[実施例1]
実施例1は、第1実施形態に対応するものであり、試験用の基材としてABS樹脂(日本A&L社製MTH2 サイズ130mm×80mm×3mm、熱膨張係数60×10−6/℃)を用い、このABS樹脂基材の一方の面に、UV照射装置で、波長184.9nm及び253.7nmの混合UVを照射強度28mW/cmで10分間照射し、ABS樹脂基材の表面に改質層を形成した。
その後、界面活性剤の塩化ベンザルコニウムに40℃で1分間浸漬した。そして、キャタリストCに30℃で5分間浸して触媒付与処理を行なった後、pH2.5、40℃の緩衝液に1分間浸漬した。還元処理として40℃、5%硫酸に5分間浸漬した後、40℃でSEP−LF無電解ニッケルめっき液に30秒入れて膜厚30nmのニッケル膜を金属膜として成膜した。その後、加熱処理を100℃で30分間行い、基材とニッケル膜との熱応力による内部応力差により、ニッケル膜をクラックで不連続に分割して、島状構造のニッケルの微細金属領域の集合体からなる島状金属膜を得た。この島状金属膜のクラックの幅は、60nm〜300nmであった。また、基材であるABS樹脂の熱膨張係数:60×10−6/℃は、ニッケルの熱膨張係数:14×10−6/℃の3倍以上になっている。その後、アクリルシリコン・ウレタン系の熱硬化型クリア塗料(R227HF)を膜厚20μm以上になるようにスプレー塗装を行ない、80℃、1時間で焼付けを行い、室温で72時間以上放置し、テストサンプルとした。
このテストサンプルに対し、以下の密着性試験を行った。テストサンプル塗装面をカッターナイフ(材質SK2、硬さHV820±30)の新しい刃先を用い、有効面に対して約35〜45度で1mm等間隔の平行線11本を引いた。更にそれに直角に交わる同じ等間隔平行線を11本引き碁盤目状を描いた。次に碁盤目状を一度にカバーするセロハンテープを張った。セロハンテープはニチバン製セロハンテープを用いた。セロハンテープを塗装面に気泡が入らないように張った。次にセロハンテープの一端を持ち、セロハンテープと試験面の角度が約45度になるようにテープを上げ、その方向に急激に引っ張って試験片をはがした。次に各正方形内の塗膜の50%以上が剥離した正方形の数を調べたところ、0であった。
また、このテストサンプルに対し、以下の耐チッピング性試験を行った。耐チッピング性能はグラベロメーターを用いて測定した。塗装面を指定された向きに取り付け、規定された石(6号砕石)を射出用空気圧0.392±0.019MPa、エアー流量40〜50L/sec、使用総量500±10g、室温でチッピングテストを行った。試験後サンプルを取り出し、塗料表面の石くず、ゴミ等を取り除いた後80時間塩水噴霧試験を行なった。円錐噴霧試験後試験片を取り出し、塗面を洗浄な流水で洗い室内にて2時間後放置後、塗膜前面に接着テープを貼り密着性テストを行った。接着テープはニチバン製セロハンテープを用いた。セロハンテープを塗装面に気泡が入らないように張った。次にセロハンテープの一端を持ち、セロハンテープと試験面の角度が約45度になるようにテープを上げ、その方向に急激に引っ張って試験片をはがした。その剥離評価は表1の評価表を用いてランク分けした。その結果、最良の評価Aが得られた。
Figure 2015174020
[実施例2]
実施例2は、第1実施形態に対応するものであり、試験用の基材としてABS樹脂(日本A&L社製MTH2 サイズ130mm×80mm×3mm、熱膨張係数60×10−6/℃)を用い、このABS樹脂基材の一方の面に、アクリル系樹脂(UTU570:東邦化研工業社)を溶媒で希釈した塗布液をスプレー塗布し、その後、UV硬化させることにより、厚み20μmの有機塗装被膜であるベースコート層を形成した。その後、ベースコート層が形成された基材を、60℃の条件下で、エースクリーンA220(奥野製薬社)に1分間浸漬し、アルカリ脱脂を行った後、45℃の条件下で市販のコンディショニング液に2分間浸漬し、その後スズ−パラジウム水溶液0.3g/Lに、45℃の条件下で2分間浸漬した。
その後、10%の硫酸水溶液に、基材を45℃の条件下で1分間浸漬した後、ベースコート層に触媒としてのパラジウム金属が吸着された基材を、40℃に調整した以下の浴組成の無電解パラジウム−リン合金めっき浴に40秒浸漬し、ベースコート層の表面にパラジウム−リン合金の金属膜を成膜した。
無電解パラジウム−リン合金めっき浴
塩化パラジウム:0.01M(mol/L)
次亜リン酸ナトリウム:0.2M
チオジグリコール酸:3.0g/L
基材を無電解パラジウム−リン合金めっき浴から引き揚げるとクラックが残留応力によって生じ、ベースコート層とパラジウム−リン合金膜との内部応力差により、パラジウム−リン合金膜がクラックで不連続に分割され、島状構造のパラジウム−リン合金の微細金属領域の集合体からなる島状金属膜を得た。この島状金属膜のクラックの幅は、30nm〜200nmであった。また、基材であるABS樹脂の熱膨張係数:60×10−6/℃は、パラジウムの熱膨張係数:12×10−6/℃の3倍以上であり、基材と金属めっき膜の熱膨張係数の比が3倍以上でクラックネットワークが形成された。その後、アクリルシリコン・ウレタン系の熱硬化型クリア塗料(R227HF)を膜厚20μm以上になるようにスプレー塗装を行ない、80℃、1時間で焼付けを行い、室温で72時間以上放置し、テストサンプルとした。
このテストサンプルに対し、実施例1と同様の密着性試験を行った結果、各正方形内の塗膜の50%以上が剥離した正方形の数は0であった。また、このテストサンプルに対し、実施例1と同様の耐チッピング性試験を行った結果、最良の評価Aが得られた。
[実施例3]
実施例3は、第2実施形態に対応するものであり、試験用の基材としてABS樹脂(日本A&L社製MTH2 サイズ130mm×80mm×3mm、熱膨張係数60×10−6/℃)を用い、このABS樹脂基材の一方の面に、アクリル系樹脂(UTU570:東邦化研工業社)を溶媒で希釈した塗布液をスプレー塗布し、その後、UV硬化させることにより、厚み20μmの有機塗装被膜であるベースコート層を形成した。その後、ベースコート層が形成された基材を、60℃の条件下で、エースクリーンA220(奥野製薬社)に1分間浸漬し、アルカリ脱脂を行った後、pH2緩衝液超音波洗浄処理を90秒行なった。
その後、界面活性剤の塩化ベンザルコニウムに40℃で1分間浸漬した。そして、キャタリストCに30℃で5分間浸して触媒付与処理を行なった後、pH2.5、40℃の緩衝液に1分間浸漬した。還元処理として40℃、5%硫酸に5分間浸漬した後、40℃でSEP−LF無電解ニッケルめっき液に30秒入れて膜厚30nmのニッケル膜を第1の金属膜として成膜した。水洗後、以下のサージェント浴に温度50℃、電流密度30A/dmの条件で30秒間電解めっきを行い、厚さ60nmの装飾系クロム膜を第2の金属膜として積層して成膜した。
サージェント浴
クロム酸:250g/L
クロム酸/硫酸:100/1
硫酸:2g/L
水洗後、加熱処理として恒温乾燥機に温度100℃、乾燥時間30分放置すると、ニッケル膜とクロム膜の複層金属膜にクラックが残留応力により生じ、基板と複層金属膜或いはニッケル膜との内部応力差により、複層金属膜がクラックで一体的に不連続に分割され、島状構造の微細複層金属領域の集合体からなる島状金属膜を得た。この島状金属膜のクラックの幅は、200nm〜500nmであった。また、基材であるABS樹脂の熱膨張係数:60×10−6/℃は、ニッケルの熱膨張係数:14×10−6/℃、クロムの熱膨張係数:6×10−6/℃の3倍以上である。尚、通常金属上の金属めっきは自由電子が流れあうので結合力は強く、熱応力等が生じた場合、複層金属膜の接合面積分を剥離させるより複層金属膜と基材若しくはベースコート層の接合部分を破壊させた方が少ない力で済み、本例のニッケル上のクロムめっきの密着力も強く、クラックネットワークが形成される際に一体的に不連続に分割される。その後、アクリルシリコン・ウレタン系の熱硬化型クリア塗料(R227HF)を膜厚20μm以上になるようにスプレー塗装を行ない、80℃、1時間で焼付けを行い、室温で72時間以上放置し、テストサンプルとした。
このテストサンプルに対し、実施例1と同様の密着性試験を行った結果、各正方形内の塗膜の50%以上が剥離した正方形の数は0であった。また、このテストサンプルに対し、実施例1と同様の耐チッピング性試験を行った結果、最良の評価Aが得られた。
[実施例4]
実施例4は、第3実施形態に対応するものであり、試験用の基材としてABS樹脂(日本A&L社製MTH2 サイズ130mm×80mm×3mm、熱膨張係数60×10−6/℃)を用い、このABS樹脂基材の一方の面に、アクリル系樹脂(UTU570:東邦化研工業社)を溶媒で希釈した塗布液をスプレー塗布し、その後、UV硬化させることにより、厚み20μmの有機塗装被膜であるベースコート層を形成した。その後、ベースコート層が形成された基材を、60℃の条件下で、エースクリーンA220(奥野製薬社)に1分間浸漬し、アルカリ脱脂を行った後、pH2緩衝液超音波洗浄処理を90秒行なった。
その後、界面活性剤の塩化ベンザルコニウムに40℃で1分間浸漬した。そして、キャタリストCに30℃で5分間浸して触媒付与処理を行なった後、pH2.5、40℃の緩衝液に1分間浸漬した。還元処理として40℃、5%硫酸に5分間浸漬した後、40℃でSEP−LF無電解ニッケルめっき液に30秒入れて膜厚30nmのニッケル膜を第1の金属膜として成膜した。
その後、硫酸銅めっき液で温度20℃、電流密度1A/dmで銅電解めっきを行い、厚さ100nmの銅膜を第2の金属膜として第1の金属膜上に積層して成膜した。
更に、サージェント浴に温度50℃、電流密度30A/dmの条件で30秒間電解めっきを行い、厚さ60nmの装飾系クロム膜を第3の金属膜として第2の金属膜上に積層して成膜した。
水洗後、加熱処理として恒温乾燥機に温度100℃、乾燥時間30分放置すると、複層金属膜にクラックが残留応力により生じ、ベースコート層と複層金属膜或いは第1の金属膜との内部応力差により、複層金属膜がクラックで一体的に不連続に分割され、島状構造の微細複層金属領域の集合体からなる島状金属膜を得た。この島状金属膜のクラックの幅は、200nm〜500nmであった。また、基材であるABS樹脂の熱膨張係数:60×10−6/℃は、ニッケルの熱膨張係数:14×10−6/℃、銅の熱膨張係数:17×10−6/℃、クロムの熱膨張係数:6×10−6/℃の3倍以上である。その後、アクリルシリコン・ウレタン系の熱硬化型クリア塗料(R227HF)を膜厚20μm以上になるようにスプレー塗装を行ない、80℃、1時間で焼付けを行い、室温で72時間以上放置し、テストサンプルとした。
このテストサンプルに対し、実施例1と同様の密着性試験を行った結果、各正方形内の塗膜の50%以上が剥離した正方形の数は0であった。また、このテストサンプルに対し、実施例1と同様の耐チッピング性試験を行った結果、最良の評価Aが得られた。
本発明は、例えばフロントグリル、バンパーモール、サイドモール、或いはホイールキャップ等の耐衝撃性自動車部品を製造する際に利用することができる。
11、21、31…基材 12、22、32…ベースコート層 13…金属膜 23、33…第1の金属膜 24、34…第2の金属膜 35…第3の金属膜 14…微細金属領域 25、36…微細複層金属領域 251、361…第1の金属層 252、362…第2の金属層 363…第3の金属層 15、26、37…クラック 16、27、38…トップコート層

Claims (6)

  1. 衝撃に対する耐性が要求され、且つ表面に衝撃による基材変形に追従する島状金属膜が施される耐衝撃性自動車部品の製造方法であって、
    耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材を形成する第1工程と、
    前記基材上に、若しくは前記基材上に成膜されたベースコート層上に、無電解めっきを施して金属膜を形成する第2工程と、
    前記基材と前記金属膜との内部応力差により、前記金属膜をクラックで不連続に分割して、島状構造の微細金属領域の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する第3工程と、
    前記島状金属膜の微細金属領域を被覆し、且つ前記クラックに入り込んで前記基材若しくは前記ベースコート層と接触するように、透光性のトップコート層を形成する第4工程と、
    を備えることを特徴とする耐衝撃性自動車部品の製造方法。
  2. 衝撃に対する耐性が要求され、且つ表面に衝撃による基材変形に追従する島状金属膜が施される耐衝撃性自動車部品の製造方法であって、
    耐衝撃性自動車部品の原形形状の基材を形成する第1工程と、
    前記基材上に、若しくは前記基材上に成膜されたベースコート層上に、無電解めっきを施して第1の金属膜を形成する第2工程と、
    前記第1の金属膜上に電解めっきを施して少なくとも第2の金属膜を形成し、前記基材若しくは前記ベースコート層と前記第1の金属膜との結合力より、少なくとも前記第1の金属膜と前記第2の金属膜で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにする第3工程と、
    前記基材と前記複層金属膜との内部応力差により、前記複層金属膜を一体的に同じ位置のクラックで不連続に分割して、島状構造の微細複層金属領域の集合体からなり、一体的な光輝面の視認性を有する島状金属膜を形成する第4工程と、
    前記島状金属膜の微細複層金属領域を被覆し、且つ前記クラックに入り込んで前記基材若しくは前記ベースコート層と接触するように、透光性のトップコート層を形成する第5工程と、
    を備えることを特徴とする耐衝撃性自動車部品の製造方法。
  3. 前記第3工程において、前記第2の金属膜上に電解めっきを施して第3の金属膜を形成し、前記基材若しくは前記ベースコート層と前記第1の金属膜との結合力より、前記第1の金属膜、前記第2の金属膜及び前記第3の金属膜で構成される複層金属膜の各膜相互間の結合力が高くなるようにし、
    前記第4工程において、前記基材と、前記第1の金属膜、前記第2の金属膜及び前記第3の金属膜で構成される複層金属膜との内部応力差により、前記複層金属膜を前記クラックで不連続に分割することを特徴とする請求項2記載の耐衝撃性自動車部品の製造方法。
  4. 前記基材が合成樹脂、若しくは前記基材と前記ベースコート層が合成樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の耐衝撃性自動車部品の製造方法。
  5. 前記金属膜又は前記複層金属膜を不連続に分割する際に加熱処理を施し、加熱処理で生ずる内部応力差により前記金属膜又は前記複層金属膜を不連続に分割することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の耐衝撃性自動車部品の製造方法。
  6. 前記耐衝撃性自動車部品がフロントグリル、バンパーモール、サイドモール若しくはホイールキャップであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の耐衝撃性自動車部品の製造方法。
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