JP2015173343A - オーディオ信号処理装置 - Google Patents

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良太郎 青木
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浩太郎 中林
Kotaro Nakabayashi
浩太郎 中林
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Abstract

【課題】デジタルクリップを防止しながらも音質劣化を抑えるオーディオ信号処理装置を提供する。
【解決手段】オーディオ信号処理装置10は、マスタボリューム5の音量設定値の低下に応じて、DSP11の出力レベルとアナログボリューム13のレベル調整量を変化させる。例えばマスタボリュームの音量設定値が0〜−10dBではマスタボリュームの音量設定値の低下に応じてDSPの出力レベルを低下させ、アナログボリュームの出力レベルは0dBに固定される。マスタボリュームの音量設定値が−10〜−40dBではマスタボリュームの音量設定値の低下に応じてアナログボリュームの出力レベルを低下させ、DSPの出力レベルを固定する。これにより、デジタルクリップを防止しながらラウドネス曲線に合わせた周波数特性に補正され、かつ増幅部3に出力されるアナログオーディオ信号の音量は、マスタボリュームの音量設定値が反映されたものとなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルオーディオ信号に各種信号処理を行った後にアナログオーディオ信号に変換して出力するオーディオ信号処理装置に関する。
一般に、音響機器は、DSPでデジタル処理を行った後に後段のDACにてアナログオーディオ信号に変換する。DSPは、微小なレベルのオーディオ信号がアナログ回路のノイズに埋もれないように、できる限り出力レベルを大きくすることが好ましい。
しかし、DSPにおいて音量を増大させるエフェクト処理(例えば低域ブースト処理)を行うと、デジタルクリップする場合がある。デジタルクリップを避けるためには、DSPの出力音量を下げてマージンを取ることが考えられる。例えば、20dBの低域ブースト処理を行う場合、DSPの出力レベルを20dB下げることで、デジタルクリップを避けることができる。DSP側で下げたレベルは、例えば特許文献1に示すように、DACの後段におけるアナログボリューム(アナログアッテネータ)のレベル調整量を変更することで補償することができる。
特開2001−127571号公報
しかし、デジタル側の出力レベルを低下させると、ビット精度が低下し、音質が劣化する。例えば上述のように出力レベルを20dB下げると、リニアスケールでのビット精度は1/10に低下する。また、アナログボリュームでレベルを上げると、アナログ回路によるノイズが増大する。特に、マスタボリュームを大きくしてスピーカから出力される音量を大きくした場合には、これらの要因による音質劣化が目立つことになる。
さらに、一旦DSPの出力レベルを大きく下げた後にエフェクト処理を解除しようとしても、デジタル側の処理とアナログ側の処理とを同じタイミングで解除することは難しく、デジタル側の処理とアナログ側の処理との解除に時間差が発生してしまい、不連続な信号が発生してノイズが発生する。したがって、一旦エフェクト処理(例えば低域ブースト処理)を大きくしてDSPの出力レベルを大きく下げた場合には、当該処理を解除することができず、音質が劣化したままとなる。特に、マスタボリュームを大きくしてスピーカから出力される音量を大きくした場合には、このような音質劣化が目立つことになる。
そこで、本発明は、デジタルクリップを防止しながらも音質劣化を抑えることができるオーディオ信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明のオーディオ信号処理装置は、デジタルオーディオ信号に信号処理を行うデジタルオーディオ信号処理部と、音量設定値を受け付ける音量設定受付部と、を備え、前記デジタルオーディオ信号処理部は、前記音量設定値の低下にともなって所定周波数のレベルを増大させるラウドネス補正処理部を備えている。
そして、デジタルオーディオ信号処理部は、前記ラウドネス補正時のレベル増大量に応じて該デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルを調整するデジタル信号レベル調整部をさらに備え、前記デジタルオーディオ信号処理部から出力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する変換部と、前記変換部から出力されたアナログオーディオ信号のレベル調整を行うアナログ信号レベル調整部と、前記音量設定値と前記デジタル信号レベル調整部で調整された出力レベルに応じてアナログ信号レベル調整部を制御する制御部と、を備えている。
すなわち、本発明のオーディオ信号処理装置は、音量設定受付部(マスタボリューム)の音量設定値が低下した場合に所定周波数(例えば低音および高音)のレベルを増大させる処理を行う。特に、本願発明のオーディオ信号処理装置は、マスタボリュームの音量設定値が低下するほどレベル増大量が大きくなるような補正を行う。具体的には、等ラウドネス曲線に合わせて、マスタボリュームの音量設定値が低下するほど低音および高音のレベルが大きくなるようなレベル増大処理を行い、音量が小さい場合にも高音および低音が聞こえにくくなることを防止する。
そして、本発明のオーディオ信号処理装置は、このようなレベル増大処理を行った場合、デジタルクリップを防止するために、デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルを低下させ、レベル調整部(アナログボリューム)でデジタルオーディオ信号処理部の出力レベルに応じてレベル調整量を調整することで音質劣化を抑える。具体的には、デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルが十分に低下してマージンを確保できている場合にはアナログボリュームでレベル調整を行う。
デジタル側の出力音量を低下させてアナログボリュームで音量を上げると、ビット精度が低下し、アナログ回路によるノイズが増大するが、本発明のオーディオ信号処理装置は、レベル増大処理の効果が大きくなるほど、全体としての音量は小さくなっていくため、音質劣化が目立つことがない。一方で、マスタボリュームの音量設定値を大きくすると、レベル増大処理の効果を小さくするため、ビット精度が向上し、アナログ回路によるノイズも低下するため、音質が劣化することがない。また、マスタボリュームの音量設定値に応じてデジタル側の出力レベルとアナログ側のレベル調整とが動的に変化するため、不連続な信号が発生することもない。特に、レベル調整部(アナログ側)のレベル調整量が、デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルが変化する場合に固定され、デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルが、レベル調整部のレベル調整量が変化する場合に固定される態様とすれば、アナログ側の処理とデジタル側の処理が同時に解除されることがなく、デジタル側の処理とアナログ側の処理との解除に時間差が発生することに起因するノイズが発生することはない。
以上のようにして、本発明のオーディオ信号処理装置は、デジタルクリップを防止しながらも音質劣化を抑えることができる。
なお、デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルの刻み幅は、前記音量設定受付部で受け付ける音量設定値の刻み幅に対応していることが好ましい。
アナログボリュームは、デバイスのハードウェア性能に応じてボリュームの刻み幅が決まり、ボリュームの刻み幅を細かくするためには、デバイスのハードウェア性能を高くする必要があり、コストがかかる。しかし、実用領域(例えば60〜80Phonの場合)では、さらに細かい刻み幅で音量を調整したい場合がある。そこで、オーディオ信号処理装置は、従来のアナログ側の処理では実現できない細かい音量の調整をデジタルオーディオ信号処理部で行い、マスタボリュームで細かい刻み幅(例えば0.1dB)の音量設定値を受け付けさせることができる。
本発明のオーディオ信号処理装置は、デジタルクリップを防止しながらも音質劣化を抑えることができる。
オーディオ信号処理装置の構成を示したブロック図である。 マスタボリュームの音量設定値とDSPのレベル増大量との関係を示す図である。 デジタルクリップの概念を示した図である。 マスタボリュームの音量設定値、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示す図である。 マスタボリュームの音量設定値、必要マージン、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示すグラフである。 マスタボリュームの音量設定値、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示す図である。 マスタボリュームの音量設定値、必要マージン、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示すグラフである。 マスタボリュームの音量設定値、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示す図である。 マスタボリュームの音量設定値、必要マージン、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示すグラフである。 第2実施形態に係るボリューム調整の例を示した図である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るオーディオ信号処理装置10の構成を示すブロック図である。オーディオ信号処理装置10は、入力部1、DSP11、DAC12、アナログボリューム13、制御部14、増幅部3、出力部4、およびマスタボリューム5を備えている。
入力部1は、HDMIやS/PDIF等のデジタルオーディオ信号を入力するインタフェースを有し、外部からデジタルオーディオ信号を入力する。また、入力部1は、アナログオーディオ信号の入力インタフェースを有し、アナログオーディオ信号が入力された場合にデジタルオーディオ信号に変換するADCの機能を内蔵していてもよい。なお、入力されるデジタルオーディオ信号のチャンネル数は、モノラルであってもよいし、ステレオであってもよいし、さらに多数のチャンネル(例えば5.1チャンネル)が入力される態様であってもよい。
入力部1に入力されたデジタルオーディオ信号は、DSP11に入力される。なお、DSP11、DAC12、およびアナログボリューム13は、図1においては代表して1チャンネルだけを示すが、実際には各チャンネルについてそれぞれDSP11、DAC12、およびアナログボリューム13を備えている。
DSP11は、本発明のデジタルオーディオ信号処理部に相当し、入力部1から入力されたデジタルオーディオ信号に種々の信号処理を施す。DSP11で信号処理がなされた後のデジタルオーディオ信号は、DAC12に入力される。DAC12は、本発明の変換部に相当し、DSP11から出力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する。DAC12で変換されたアナログオーディオ信号は、アナログボリューム13に入力される。アナログボリューム13は、本発明のアナログ信号レベル調整部に相当し、アナログオーディオ信号のレベル調整を行う。アナログボリューム13でレベル調整された後のアナログオーディオ信号は、増幅部3で増幅される。増幅部3は、マスタボリューム(本発明の音量設定受付部に相当する。)5で受け付けた音量設定値に応じた増幅量でアナログオーディオ信号を増幅する。増幅部3で増幅されたアナログオーディオ信号は、出力部4を介して外部のスピーカに出力される。
そして、DSP11は、信号処理として、制御部14を介して入力されるマスタボリューム5の音量設定値に応じて所定周波数(例えば100Hzおよび10kHz)のレベルを増大させるレベル増大処理を行う。これにより、DSP11は、本発明のラウドネス補正処理部として機能する。特に、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が低下するほどレベル増大量が大きくなるような補正を行う。このような補正は、例えばISO226:2003において規定された等ラウドネス曲線に合わせた周波数特性を実現するために行う。
図2は、マスタボリューム5の音量設定値とDSP11のレベル増大量との関係を示す図である。図2では、マスタボリューム5の音量設定値が0dBの場合に聴取位置における音量が80phonとなる例を示している。DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が0dB(80phon)であるときを基準とし、このときの聴感上の周波数特性が維持されるように、マスタボリューム5の音量設定値が低下するほどレベル増大量が上がるようなレベル増大処理を行う。
DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が0dB以上の場合にレベル増大量を0とする。すなわち、レベル増大処理は行わない。DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−1dB低下する毎に100Hzのレベルを0.25dBずつ増大させる。例えばマスタボリューム5の音量設定値が−10dBの場合には、100Hzのレベルを2.5dB増大させる。また、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−40dBとなった場合に100Hzのレベルを10dB増大させるとともに10kHzのレベルを2dB増大させる。DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−40dB以下では、マスタボリューム5の音量設定値が−1dB低下する毎に100Hzのレベルを0.5dBずつ増大させるとともに、10kHzのレベルを0.15dBずつ増大させる。例えばマスタボリューム5の音量設定値が−50dBの場合には、100Hzのレベルを15dB増大させるとともに、10kHzのレベルを3.5dB増大させる。また、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−60dBとなった場合に100Hzのレベルを20dB増大させるとともに10kHzのレベルを5dB増大させる。マスタボリューム5の音量設定値が−60dB以下では、レベル増大量は固定になる(100Hzのレベルを20dB増大させるとともに、10kHzのレベルを5dB増大させる)。
このように、DSP11は、等ラウドネス曲線に合わせて、マスタボリューム5の音量設定値が低下するほど低音および高音のレベルが大きくなるようなレベル増大処理を行い、スタボリューム5の音量設定値が0dB(80phon)であるときの聴感上の周波数特性が維持されるようにする。これにより、人の聴感に合わせた周波数特性が実現され、音量が小さい場合にも高音および低音が聞こえにくくなることを防止することができる。
ただし、DSP11において上述のようなレベル増大処理を行うと、そのままではデジタルクリップする場合がある。図3は、デジタルクリップの概念を示す図である。
図3(A)および図3(B)は、DSP11におけるレベル増大量が0である場合のデジタルオーディオ信号を示した図である。DSP11は、微少なレベルのオーディオ信号がアナログ回路のノイズに埋もれないように、できる限り出力レベルを大きくする。ここで、図3(A)および図3(B)に示すように、最大レベル(0dB)のデジタルオーディオ信号が入力された場合、レベル増大量が0である場合は当該デジタルオーディオ信号をそのまま出力することができる。しかし、図3(C)および図3(D)に示すように、例えばDSP11において5dBのレベル増大処理を行うと、最大レベルのオーディオ信号が入力された場合に0dBを超えた部分(5dB分)がデジタルクリップすることになる。
そこで、DSP11は、このようなデジタルクリップを防止するために、レベル増大量が大きくなるほど、出力レベルを低下させる処理を行う。これにより、DSP11は、本発明のデジタル信号レベル調整部としても機能する。また、制御部14は、アナログボリューム13に対して、DSP11の出力レベルの低下に応じてレベル調整を実行させる。
図4は、マスタボリューム5の音量設定値、DSP11の出力レベル低下量、およびアナログボリューム13のレベル調整量の関係を示す図である。図5(A)は、従来の音響機器におけるマスタボリュームの音量設定値、必要マージン、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示すグラフである。図5(B)は、本実施形態に係るオーディオ信号処理装置10のマスタボリュームの音量設定値、必要マージン、DSPの出力レベル低下量、およびアナログボリュームのレベル調整量の関係を示すグラフである。従来の音響機器も、本実施形態のオーディオ信号処理装置10も、レベル増大処理の内容は同一である(図2に示したレベル増大処理を行う)。
まず、図5(A)に示すように、従来の音響機器は、上述のデジタルクリップを防止するための必要マージンを考慮してデジタル側の出力レベルを−20dB下げ、マスタボリュームの音量設定値に応じてアナログボリュームの音量を調整する態様である。これに対して、本実施形態に係るオーディオ信号処理装置10は、図4および図5(B)に示すように、マスタボリューム5の音量設定値に応じてDSP11の出力レベルとアナログボリューム13の音量調整量を動的に変化させる態様である。
DSP11は、図2で示したように、マスタボリューム5の音量設定値が0dBから−1dB低下する毎に100Hzのレベルを0.25dBずつ増大させる。例えばマスタボリューム5の音量設定値が−1dBとなった場合、DSP11は、デジタルクリップを防止するために、出力レベルを0.25dB以上低下させる(出力レベルを−0.25dB以下に設定する)必要がある。
そこで、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値−1dBに合わせて、出力レベルを−1dBに設定する。これにより、出力されるオーディオ信号は、マスタボリューム5の音量設定値が反映されたものとなる。以後、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値に合わせて、出力レベルを調整する。このように、DSP11がマスタボリューム5の音量設定値に合わせたレベル調整を行うことで、DSP11にとって必要なマージンを確保しながらもマスタボリューム5による音量調整を反映させることができる。
そして、DSP11は、ある程度のマージンが確保された場合に、出力レベルを固定して、ビット精度の低下を抑制する。例えばマスタボリューム5の音量設定値が−10dBとなった場合、DSP11のレベル増大量は2.5dBであり、デジタルクリップを防止するために必要なマージンは2.5dBとなるが、この時点でDSP11の出力レベルは−10dBに設定されている。したがって、マスタボリューム5の音量設定値が−10dB以下の場合、アナログボリューム13において、マスタボリューム5の音量設定値に合わせたレベル調整を行う。例えば、マスタボリューム5の音量設定値が−11dBとなった場合、DSP11の出力レベルは−10dBのまま固定され、アナログボリューム13のレベル調整量が−1dBとなる。これにより、ビット精度の低下を抑制し、音質を維持することができる。
DSP11は、図2で示したように、マスタボリューム5の音量設定値が−40dBとなった場合、100Hzのレベルを10dB増大させる。このときのDSP11の出力レベルは、−10dBに設定されている。そのため、マスタボリューム5の音量設定値が−40dB以下の場合には、デジタルクリップを防止するために必要なマージンが不足する。したがって、図4に示すように、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−40dB以下となった場合、デジタルクリップを防止するために出力レベルをさらに低下させる。例えば、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−41dBとなった場合、出力レベルを−11dBとする。このとき、アナログボリューム13のレベル調整量は−30dBに固定される。
DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−50dBとなった場合に100Hzのレベルを15dB増大させ、出力レベルを−20dBに設定する。図2で示したように、マスタボリューム5の音量設定値が−60dB以下では、レベル増大量は固定になる(100Hzのレベルを20dB増大させるとともに、10kHzのレベルを5dB増大させる)ため、20dB以上のマージンは必要ない。したがって、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が−50dB以下となった場合には、出力レベルを−20dBに固定する。マスタボリューム5の音量設定値が−50dB以下の場合は、アナログボリューム13がマスタボリューム5の音量設定値に合わせたレベル調整を行う。これにより、ビット精度の低下を抑制し、音質を維持することができる。
このように、オーディオ信号処理装置10は、マスタボリューム5の音量設定値の低下に応じて動的にDSP11の出力レベルを低下させ、ある程度のマージンが確保された場合にはマスタボリューム5の音量設定値の低下に応じて動的にアナログボリューム13のレベル調整を低下させ、さらなるマージンが必要となった場合に再びDSP11の出力レベルを低下させる。これにより、デジタルクリップを防止しながら等ラウドネス曲線に合わせた周波数特性に補正され、かつ増幅部3に出力されるアナログオーディオ信号の音量は、マスタボリューム5の音量設定値が反映されたものとなる。
一般に、デジタル側の出力音量を低下させてアナログボリュームで音量を上げると、ビット精度が低下し、アナログ回路によるノイズが増大する。しかし、本実施形態のオーディオ信号処理装置10では、マスタボリューム5の音量設定値が低下するほどDSP11の出力レベルを低下させる処理を行うため、ビット精度が低下するのは小音量時だけとなり、音質劣化が目立つことがない。例えば、DSP11の出力レベルを20dB低下させるのはマスタボリューム5の音量設定値が−50dB以下であり、音量が小さい領域であるため、音質劣化が目立つことがなく、等ラウドネス曲線に合わせた周波数特性の補正による効果が得られる。また、マスタボリューム5の音量設定値が大きくなった場合には、そのままでは音質劣化が目立つことになるが、本実施形態のオーディオ信号処理装置10では、DSP11の出力レベルを上昇させるため、ビット精度が向上し、アナログ回路によるノイズも低下するため、音質が劣化することがない。
さらに、仮にDSP11の出力レベルを急激に変化させるとともにアナログボリューム13のレベル調整量を急激に変化させると(例えばDSP11の出力レベルを−20dBから0dBに変化させるとともにアナログボリューム13のレベル調整量を+20dBから0dBに変化させると)、デジタル側の処理とアナログ側の処理との解除に時間差が発生してしまい、不連続な信号が発生してノイズが発生する。したがって、従来の音響機器では、図5(A)に示したように、必要マージンを考慮してデジタル側の出力レベルを−20dBに固定して、マスタボリュームの音量設定に応じてアナログ側の音量調整を行っていた。しかし、本実施形態のオーディオ信号処理装置10では、図5(B)に示すように、マスタボリューム5の音量設定値に応じてデジタル側の出力レベルが変化する場合、アナログ側のレベル調整が固定され、アナログ側のレベル調整が変化する場合、デジタル側の出力レベルが固定される。すなわち、オーディオ信号処理装置10では、アナログ側の処理とデジタル側の処理が同時に解除されることがないため、不連続な信号が発生することもない。
なお、図2および図4で示したレベル調整は一例である。音質を重視するために、より細かくデジタル側の出力レベルとアナログ側のレベル調整とを入れ替えるようにしてもよい。例えば、図6および図7に示すような態様であってもよい。図6および図7に示す態様では、マスタボリューム5の音量設定値が0dB〜−5dBでは、マスタボリューム5の音量設定値の変化に応じてDSP11の出力レベルを変化させ、マスタボリューム5の音量設定が−5dB〜−20dBではDSP11の出力レベルを−5dBに固定してアナログボリューム13によるレベル調整を行う。そして、マスタボリューム5の音量設定値が−20dB〜−25dBではマスタボリューム5の音量設定値の変化に応じてDSP11の出力レベルを変化させ、−25dB〜−40dBでは再びDSP11の出力レベルを−10dBに固定してアナログボリューム13によるレベル調整を行う。以下、マスタボリューム5の音量設定値が−40dB−45dBではマスタボリューム5の音量設定値の変化に応じてDSP11の出力レベルを変化させ、マスタボリューム5の音量設定値が−45dB〜−50dBではDSP11の出力レベルを−15dBに固定してアナログボリューム13によるレベル調整を行い、マスタボリューム5の音量設定値が−50dB−55dBではマスタボリューム5の音量設定値の変化に応じてDSP11の出力レベルを変化させ、マスタボリューム5の音量設定値が−55dB以下ではDSP11の出力レベルを−20dBに固定してアナログボリューム13によるレベル調整を行う。
また、制御を簡単にするために、より少なくデジタル側の出力レベルとアナログ側のレベル調整とを入れ替えるようにしてもよい。例えば、図8および図9に示すように、マスタボリューム5の音量設定値が0dB〜−20dBまではマスタボリューム5の音量設定値の変化に応じてDSP11の出力レベルを低下させ、マスタボリューム5の音量設定値が−20dB以下ではDSP11の出力レベルを−20dBに固定してアナログボリューム13によるレベル調整を行うようにして、制御を単純にしてもよい。この場合も、従来の音響機器に比べて音質の劣化は抑制されている。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置について説明する。第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、図1に示したオーディオ信号処理装置と同じ構成を有する。ただし、第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、DSP11においてボリュームの微調整を行うことを目的とするものである。そのため、第1実施形態において述べた、アナログ側の処理とデジタル側の処理とを同時に解除すると信号が不連続になる課題点については、第2実施形態では問わないこととする。
アナログボリュームは、デバイスのハードウェア性能に応じてボリュームの刻み幅が決まる。一般的には、0.5dBや1.0dB等の刻み幅であることが多い。ボリュームの刻み幅を細かくするためには、デバイスのハードウェア性能を高くする必要があり、コストがかかる。しかし、実用領域(例えば60〜80Phonの場合)では、さらに細かい刻み幅で音量を調整したい場合がある。そこで、第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、従来のアナログ側の処理では実現できない細かい音量の刻み幅を実現する。
図10は、DSP11とアナログボリューム13の音量調整の例を示す図である。図10に示すように、第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、マスタボリューム5において0.1dBの刻み幅で音量設定値を受け付ける。アナログボリューム13の刻み幅は、1.0dBである。したがって、アナログボリューム13では、0.1dBの刻み幅を反映させることができない。しかし、DSP11は、プログラムの調整により、0.1dBのような細かい刻み幅も実現することができる。
図10の例では、マスタボリューム5の音量設定値が0dBから−0.1dBに変化した場合、DSP11は、出力レベルを−0.1dBに設定する。以後、DSP11は、マスタボリューム5の音量設定値が0.1dBに変化する毎に、出力レベルを0.1dB変化させる。これにより、マスタボリューム5において受け付けた0.1dBの刻み幅を実際の音量に反映させることができる。
また、図10の例では、マスタボリューム5の音量設定値が−1.0dBに変化した場合、DSP11は、出力レベルを0dBに設定し、アナログボリューム13は、レベル調整量を−1.0dBに設定する。ただし、アナログボリューム13のレベル調整量を変化させることは必須ではない。第1実施形態において述べたように、アナログ側の処理とデジタル側の処理とを同時に解除すると信号が不連続になる点が問題になる場合においては、DSP11側の出力レベルを変化させるだけの態様としてもよい。
このようにして、第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、従来のアナログ側の処理では実現できない細かい音量の刻み幅を実現する。
なお、実用領域(例えば60〜80Phonの場合)ではDSP11によるボリュームの微調整を行い0.1dB単位での音量調整を受け付ける態様として、実用領域外では、アナログボリューム13によるボリューム調整を行い、1.0dB単位での音量調整を受け付ける態様としてもよい。
(応用例)
第2実施形態に係るオーディオ信号処理装置は、以下の様な応用例が可能である。上述したように、オーディオ信号処理装置10は、各チャンネルについてそれぞれDSP11、DAC12、およびアナログボリューム13を備えている。したがって、チャンネル毎に音量の刻み幅を異なる態様とすることができる。
フロントチャンネル(Cチャンネル、Lチャンネル、およびRチャンネル)は、映画のセリフや音楽のボーカル成分等の聴覚感度が高い成分が含まれている。したがって、オーディオ信号処理装置10は、フロントチャンネルについては、DSP11によるボリュームの微調整を行い0.1dB単位での音量調整を受け付ける態様とする。一方で、サラウンドチャンネル(SLチャンネル、SRチャンネル等)は、バックグラウンドミュージックや環境音等の効果音の成分が含まれ、フロントチャンネルに比べて聴感感度は低い成分が多い。したがって、オーディオ信号処理装置10は、サラウンドチャンネルについては、アナログボリューム13によるボリューム調整を行い、1.0dB単位での音量調整を受け付ける態様とする。
1…入力部
3…増幅部
4…出力部
5…マスタボリューム
10…オーディオ信号処理装置
11…DSP
12…DAC
13…アナログボリューム
14…制御部

Claims (3)

  1. デジタルオーディオ信号に信号処理を行うデジタルオーディオ信号処理部と、
    音量設定値を受け付ける音量設定受付部と、
    を備え、
    前記デジタルオーディオ信号処理部は、前記音量設定値の低下にともなって所定周波数のレベルを増大させるラウドネス補正処理部を備えたオーディオ信号処理装置であって、
    前記デジタルオーディオ信号処理部は、前記ラウドネス補正時のレベル増大量に応じて該デジタルオーディオ信号処理部の出力レベルを調整するデジタル信号レベル調整部をさらに備え、
    前記デジタルオーディオ信号処理部から出力されたデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する変換部と、
    前記変換部から出力されたアナログオーディオ信号のレベル調整を行うアナログ信号レベル調整部と、
    前記音量設定値と前記デジタル信号レベル調整部で調整された出力レベルに応じてアナログ信号レベル調整部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号処理装置。
  2. 前記デジタル信号レベル調整部の出力レベルが変化する場合、前記アナログ信号レベル調整部のレベル調整量は固定され、
    前記アナログ信号レベル調整部のレベル調整量が変化する場合、前記デジタル信号レベル調整部の出力レベルは固定される請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  3. 前記デジタル信号レベル調整部の出力レベルの刻み幅は、前記音量設定受付部で受け付ける音量設定値の刻み幅に対応していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオーディオ信号処理装置。
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