JP2015173241A - 密閉型電気化学デバイス用封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイス - Google Patents

密閉型電気化学デバイス用封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電解液が外部へ漏れ出ないようケースの開口部をかしめ加工により密閉させる封口体において、合成樹脂で成形された外側封口体素子の表面に内側封口体素子となる固化されたゴムを強固に接合させる密閉型電気化学デバイス用封口体を提供する。【解決手段】合成樹脂で成形された外側封口体素子1はその表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝3が形成されており、凹溝3が形成された外側封口体素子1の表面に流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化させることにより固化されたゴムが内側封口体素子2となり、外側封口体素子1の表面にアンカー効果の作用で接合されている密閉型電気化学デバイス用封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイスである。【選択図】図1

Description

本発明は、電解液を有する電解コンデンサやリチウム電池などの密閉型電気化学デバイスに用いる封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイスに関する。
一端が開口したケースを封口体にて密閉して電解液を収容した構成の電解コンデンサやリチウム電池などの密閉型電気化学デバイスにおいて、電解液が外部へ漏れ出ないようケースの開口部をかしめ加工により密閉させる封口体としてゴム材が用いられている。例えば、そのゴム材としてエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)、イソブチレンイソプロピレンゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム、ニトリルプロピレンゴム等を用いた固体電解コンデンサが特許文献1に記載されており、この特許文献1の図2にて例示する実施形態2にて、封口ゴムの下面にテフロン等のフッ素樹脂が貼り付けられ、その貼り付ける方法として、フッ素樹脂の表面を紫外線照射、溶剤等によって粗面化し、この粗面化した面に架橋前のゴムを接触させ、その後、封口ゴムの架橋を行って、フッ素樹脂と封口ゴムを接合することが提案されているが、外装ケース(ケース)の開口部をかしめ加工する部位は封口ゴムにあるので、封口ゴムが直接外装ケース(ケース)の開口部にて押圧される際に十分な押圧が得られず、そのエッジにて亀裂などによる損傷が発生しないようにする必要がある。
また、このような封口ゴムとフッ素樹脂との貼り付けによらない接合として、特許文献1の図3にて例示する実施形態3にて、封口ゴムに凹部を設け、外装ケースの開口部をかしめ加工して後、エポキシ樹脂をこの凹部に充填し、その後に加熱して硬化することにより、封口ゴムより固いエポキシ樹脂層部分によって、リード線がより強固に固定されるようにした固体電解コンデンサが提案されているが、この場合も外装ケース(ケース)の開口部をかしめ加工する部位は封口ゴムにあるので、実施形態2と同様に封口ゴムが直接外装ケース(ケース)の開口部にて押圧される際に十分な押圧が得られず、そのエッジにて亀裂などによる損傷が発生しないようにする必要がある。
そこで、本願の出願人は、電解コンデンサにおいて、電解液が外部へ漏れ出ないよう封止させる封口体を用いるに際し、特許文献2に記載しているように、この封口体から電解液が外部へ漏れ出たり蒸発したりすると、電解コンデンサの使用寿命が短くなり、特に、自動車などの電源制御に使用される電解コンデンサは略150℃の高温雰囲気下で使用されてゴム材からなる封口体では熱的な劣化がしやすくなり、この封口体から電解液が外部へ漏れ出たり蒸発しやすくなり、電解コンデンサの使用寿命が短くなるという問題を解決するために、ゴム材のうち、シリコンゴムが耐熱性および耐薬品性があることに着眼した。そこで、密閉型電気化学デバイス用封口体に用いるには、シリコンゴム固有のガス透過性が高いため、密閉型電気化学デバイスの内部で発生したガスが封口体を介して外に漏れ出やすくなるという欠点を解消するために、この特許文献2にて、熱可塑性樹脂の成形部材と組み合わせる封口体として、シリコンゴムの成形部材と熱可塑樹脂の成形部材とを接合する面の何れか一方の面にメルカプト基、チオカルボニル基、シアノ基、イソシアナート基、アミノ基、アンモニウム基、ピリジニウム基、アジニル基、カルボキシル基、ベンゾトリアゾール基、トリアジンチオール基等の何れかまたはこれらを組み合わせた化学的処理剤からなる接着剤の薄膜層を形成し、両成形部材を接合させ加圧して密着接合させるようにしている。
この特許文献2にて提案のシリコンゴムは電解液にも耐薬品性がありかつ耐熱性があるので、シリコンゴムの成形部材を電解コンデンサのケースの内部側とし、電解液と接触するように用いることにより、封口体が劣化して高温雰囲気下で電解液が封口体から漏れることを防止する密閉型電気化学デバイスには有用であるが、前記ケースの開口部のかしめ加工で外部側にある熱可塑性樹脂の成形部材は直接外装ケース(ケース)の開口部にて押圧される際に十分な押圧が得られ、また、ケースの内部側方向(高さ方向)に押圧されていても、内部側にあるシリコンゴムの成形部材は、その外周面が側面方向(径方向)押圧されて両成形部材が分離しやすく作用を受けても、両成形部材を前記化学的処理剤からなる接着剤を用いて密着接合されている。しかし、この接合は、前記化学的処理剤からなる接着剤を用い接合であるので、その接着剤が電解液により接合力の劣化をさせないようにすることが必要であるという解決すべき問題点を見出した。
特開2000−114118号公報 特開2012−104789号公報
本発明は、上記の問題点を解消するために、電解液が外部へ漏れ出ないようケースの開口部をかしめ加工により密閉させる封口体において、レーザ照射により凹溝が形成された外側封口体素子の表面に流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化させることにより、電解液により接合力の劣化をさせずに、固化されたゴムが外側封口体素子の表面にアンカー効果の作用で強固に接合された封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、合成樹脂で成形された外側封口体素子と流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化させてできた内側封口体素子とからなる密閉型電気化学デバイス用封口体であって、前記外側封口体素子はその表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝が形成されており、前記凹溝が形成された外側封口体素子の表面に前記充填ゴムを充填し固化させることにより固化されたゴムが内側封口体素子となって前記外側封口体素子の表面にアンカー効果の作用で接合されていることを特徴とし、請求項2に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項1において、前記合成樹脂が熱可塑性樹脂で、前記外側封口体素子の表面にはレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより前記熱可塑性樹脂が除去されてできた複数条の凹溝が形成されていることを特徴とし、請求項3に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項1または2において、前記充填ゴムが液状シリコンゴムであり、前記液状シリコンゴムを前記凹溝が形成された外側封口体素子の表面に充填し固化させる手段が射出成形であることを特徴とし、請求項4に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項1から3の何れかひとつにおいて、前記外側封口体素子および内側封口体素子を貫通してできた一対の電極端子用挿通孔が形成されていることを特徴とし、請求項5に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項1から4の何れかひとつにおいて、前記外側封口体素子には繊維状もしくは鱗片状の無機フィラーを含有しており、前記レーザ照射により露出した無機フィラーに固化された前記ゴムが絡みついていることを特徴とし、請求項6に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項5において、前記無機繊維がガラス繊維であることを特徴とする。また、請求項7に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体は、請求項1から6の何れかひとつにおいて、前記外側封口体素子はその両面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝が形成されており、前記内側封口体素子が接合された表面と反対側の表面に前記充填ゴムを充填し固化させてできた封止補助層を形成したことを特徴とする。請求項8に記載の密閉型電気化学デバイスは、請求項1から7の何れかひとつに記載の密閉型電気化学デバイス用封口体にて電極素子および電解液を収納してなる筒状のケースの開口部を閉塞してなる密閉型電気化学デバイスであって、前記封口体には電極端子を設けるとともに、前記ケースの開口部に配置させた状態で前記ケースの開口部をかしめ加工して前記開口部の端縁部が前記外側封口体素子の外面を圧接し、前記開口部の端縁近傍部の内周面が前記内側封口体素子の外周面を圧接することによりケースの開口部を前記封口体にて密閉させてなることを特徴とする。
本発明の密閉型電気化学デバイス用封口体は、合成樹脂で成形された外側封口体素子と流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化させてできた内側封口体素子とからなる密閉型電気化学デバイス用封口体であって、前記外側封口体素子はその表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝が形成されており、前記凹溝が形成された外側封口体素子の表面に前記充填ゴムを充填し固化させることにより固化されたゴムが内側封口体素子となって前記外側封口体素子の表面にアンカー効果の作用で接合されているので、外側封口体素子と内側封口体素子との接合が強固となり、電解液が外部へ漏れ出ないようケースの開口部をかしめ加工により密閉させるに際して、前記内側封口体素子がその外周面が側面方向に押圧されて外側封口体素子から分離されるように応力を受けても外側封口体素子と内側封口体素子との一体化が維持でき、密閉型電気化学デバイス内の電解液に侵されにくく高温雰囲気下においても電解液の漏れ出るような劣化がしにくく、ガスが透過しやすい充填ゴムを用いても密閉型電気化学デバイス内で発生したガスを透過させにくくすることができる。さらに、前記外側封口体素子の合成樹脂にガラス繊維などの繊維状の無機フィラーもしくは鱗片状の無機フィラーを含有した状態で、レーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより無機フィラーの一部が露出し、この露出した無機フィラーに固化されたゴムが絡みつくようになって、前記外側封口体素子と前記内側封口体素子との接合がさらに強固にすることができる。また、前記封口体にて一端が開口したケースを密閉して電解液を収容した構成の電解コンデンサやリチウム電池などの密閉型電気化学デバイスにおいてケースの開口部をかしめ加工により密閉させる封口体として用いた場合、内側封口体素子の固化されたゴムが外面ではなく外側封口体素子の合成樹脂が外面にあるので、ケースの開口部の端縁部が外側封口体素子の外面を圧接しても固化されたゴムが損傷せずにかしめ加工を行うことができ、電解液が外部へ漏れ出ないようにすることがさらに向上するなどの効果がある。
本発明の実施形態1を示す密閉型電気化学デバイス用封口体の断面図である。 本発明の実施形態1を示すレーザ照射した外側封口体素子の平面図である。 図2のA−A断面図である。 図3の一部を拡大した凹溝部位の断面図で、(A)はレーザ照射の一例であり、(B)はレーザ照射の異なる例である。 本発明の実施形態1を示すレーザ照射した外側封口体素子の表面に内側封口体素子が接合した状態の断面図である。 本発明の実施形態1を示すレーザ照射した外側封口体素子の表面に内側封口体素子が接合した状態で、図5とは異なる接合状態の断面図である。 図5および図6の一部を拡大した断面図で、(A)は図4(A)の外側封口体素子に対応し、(B)は図4(A)の外側封口体素子に対応した断面図である。 本発明の実施形態1における密閉型電気化学デバイス用封口体の異なる実施形態で、電極端子を組み込んだ密閉型電気化学デバイス用封口体の断面図である。 本発明の実施形態2を示すレーザ照射した外側封口体素子の平面図である。 本発明の実施形態3を示すレーザ照射した外側封口体素子の平面図である。 本発明の実施形態4を示すレーザ照射した外側封口体素子の平面図である。 本発明の実施形態5を示す外側封口体素子の一部を破断した平面図である。 図12のB−B断面図である。 本発明の実施形態5を示すレーザ照射した外側封口体素子の平面図である。 図14のC−C断面図である。 本発明の実施形態5を示すレーザ照射した外側封口体素子の表面に内側封口体素子が接合した状態の断面図である。 本発明の実施形態5を示すレーザ照射した外側封口体素子の表面に内側封口体素子が接合した状態の一部を拡大した断面図である。 本発明の実施形態6を示すレーザ照射した外側封口体素子の断面図である。 本発明の実施形態6を示すレーザ照射した外側封口体素子の両面にそれぞれ内側封口体素子および封止補助層が接合した状態の断面図である。 本発明の実施形態6を示すレーザ照射した外側封口体素子の両面にそれぞれ内側封口体素子および封止補助層が接合した状態で、図19とは異なる接合状態の断面図である。 本発明実施形態1から5の密閉型電気化学デバイス用封口体を用いた密閉型電気化学デバイスAの断面図である。 本発明の実施形6の密閉型電気化学デバイス用封口体を用いた密閉型電気化学デバイスBの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(封口体の実施形態1)
図1から図7は、密閉型電気化学デバイスとしての電解コンデンサを例示し、密閉型電気化学デバイスのケースの開口部を閉塞する封口体の実施形態を示す。
図1は、合成樹脂で成形された外側封口体素子1と流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化してできた内側封口体素子2とからなり、外側封口体素子1および内側封口体素子2を貫通した一対の電極端子用挿通孔41、42が形成されている密閉型電気化学デバイス用封口体5を示す。
図2および図3は、合成樹脂で成形された外側封口体素子1を示し、一対の電極端子用挿通孔41、42を構成する一対の貫通孔41A、42Aがその成形時に同時に形成されている。この外側封口体素子1は合成樹脂で円柱状または角柱状に成形されている。合成樹脂としては、高温使用環境下で使用できるように耐熱性および電解液に侵されないように耐薬品性という観点で、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが例示でき、熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー(LCP)などが例示でき、この合成樹脂としては、レーザ照射により溶解して除去できるように熱可塑性樹脂が好ましく、その中でもポリフェニレンサルファイド樹脂や液晶ポリマー(LCP)が好ましい。そこで、外側封口体素子1の表面、図では上面(図1では下面)にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されてできた複数条の凹溝3が形成されている。このレーザとしては、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、ファイバレーザおよび半導体レーザなどの加工用レーザを用いて、外側封口体素子1の表面に所定の深さの凹溝3を形成する。なお、上記一対の貫通孔41A、42Aは複数条の凹溝3が形成されて後、孔加工をして形成してもよい。
図4は外側封口体素子1の表面に形成される凹溝3の形状を示す。凹溝3の内周壁は一般的には底の部位が狭くなるが、図4(A)に示すように内周壁3Aは底の部位から同じ略垂直に伸びるようにレーザ照射を制御することが好ましく、さらに好ましくは図4(B)に示すように溝底の部位が広くなるように内周壁3Bの断面が逆ハの字状になった所謂蟻溝となるようにレーザ照射を制御する。この場合、凹溝3は複数条となるようにレーザ照射を所定の照射ピッチで走査するが、このピッチや凹溝3の深さおよび幅は、内側封口体素子2となる充填ゴムの固化されたゴムをアンカー効果の作用で接合できるように設定すればよい。また、外側封口体素子1の表面をレーザ照射して走査させると、図4(A)および(B)に示すように、凹溝3の各条間の表面1Aにこの合成樹脂が除去して合成樹脂自体またはその含有物質の種類により形状や大きさは異なるが、不定形の樹脂瘤が形成されている。この樹脂瘤により、凹溝3の各条間の表面1Aにおいても内側封口体素子2となる充填ゴムの固化されたゴムはアンカー効果の作用で接合されることになる。その充填ゴムは流動性を有するゴム素材であり、密閉型電気化学デバイスとしての電解コンデンサに用いられる封口体5においては、少なくとも150℃の高温使用に耐える素材が好ましく、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPT)およびフッ素ゴムなどの液状ゴムまたは架橋ゴムコンパウンドが例示できる。
このように封口体5を構成する外側封口体素子1は、合成樹脂成形部材の表面にレーザ照射して凹溝3を形成して製作された状態で、その表面に内側封口体素子2となる充填ゴムを充填し固化させている。
この充填ゴムの素材は流動性を有するゴム素材で、流動性を有するゴム素材としては液状ゴムが好ましい。この液状ゴムを外側封口体素子1に充填し固化させる方法としては、射出成形金型に配置させた外側封口体素子1の成形部材に液状ゴムを注入して、円柱状または角柱状に成形するインサート成形が例示できる。このように、凹溝3が形成された外側封口体素子1の表面に液状ゴムを充填し固化させることにより、固化されたゴムが外側封口体素子1の凹溝3や各条間の表面1Aの樹脂瘤にてアンカー効果の作用で強固に接合されて、その結果、図5に示すように、外側封口体素子1と内側封口体素子2とからなる封口体5が形成される。このようにして密閉型電気化学デバイスとしての電解コンデンサに用いられる封口体5は合成樹脂で円柱状または角柱状に成形された外側封口体素子1の形状に対応した形状で内側封口体素子2が外側封口体素子1の表面に接合されることになる。この場合、外側封口体素子1の一対の貫通孔41A、42Aにおいて、液状ゴムを充填して形成される内側封口体素子2側の表面部位を径大にしておけば、図6に示すように、充填ゴムを外側封口体素子1の表面に充填するに際して、その径大な部位にも充填し、一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面の一部(内側封口体素子2側の表面部位)に端子封止層21、22を形成し、この端子封止層21、22の表面に貫通孔41A、42Aを形成しておけば、一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面に弾性作用をもたせることができる。
図1、図5および図6においては、封口体5に一対の電極端子用挿通孔41、42が形成されており、この一対の電極端子用挿通孔41、42の封口体5への形成は、電極端子用挿通孔41、42に相当するピンを有する射出成形金型(図示せず)を用いて、液状ゴムを外側封口体素子1の成形部材にインサート成形する際にそのピン跡を外側封口体素子1および内側封口体素子2を貫通した一対の電極端子用挿通孔41、42とすれば、電極端子用挿通孔41、42も同時に封口体5に形成されるが、凹溝3の形成後または封口体5の成形後に孔加工により一対の電極端子用挿通孔41、42を形成してもよい。なお、この一対の電極端子用挿通孔41、42を形成する際に、その貫通孔41A、42Aの内側封口体素子2側の表面部位を径大にするように形成しておけば、図6に示すようにその径大な部位にも充填することができる。
図8は、図5および図6に示す実施形態1における密閉型電気化学デバイス用封口体5において、一対の電極端子用挿通孔41、42に密閉型電気化学デバイスの電極素子7(図21参照)に電気的に接続される電極端子100の一対の引き出し端子101、102を組み込んだ密閉型電気化学デバイス用封口体を示し、以下説明する。
外側封口体素子1における素材および形状は実施形態1と同じであり、その表面の凹溝3の形状およびレーザ照射の走査法は実施形態1さらには後述する実施形態2から4と同じである。そこで、図2および図3において凹溝3が形成された外側封口体素子1に一対の貫通孔41A、42Aが形成されている状態で、電極端子100の一対の引き出し端子101、102を一対の貫通孔41A、42Aを挿入するようにして外側封口体素子1に電極端子100の一対の引き出し端子101、102を組み込んだ封口体5が得られる。例えば、外側封口体素子1に一対の引き出し端子101、102を組み込んだ状態で、内側封口体素子2となる液状ゴムを射出成形金型でインサート成形することにより、一対の引き出し端子101、102からなる電極端子100を外側封口体素子1の一対の貫通孔41A、42Aに組み込んだ密閉型電気化学デバイス用封口体5が得られる。このようにインサート成形することにより、一対の引き出し端子101、102は一対の貫通孔41A、42Aにおいても固化されたゴムにより弾性的に保持されるので、一対の引き出し端子101、102が封口体5に隙間なく密着接合される。
(封口体の実施形態2)
図9は、実施形態1と同じ合成樹脂で成形された外側封口体素子1において、レーザ照射の走査が異なる実施形態を示す。
外側封口体素子1の表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査するに際し、実施形態1では、一方向(例えば、縦方向)にレーザ照射をして形成される複数条の凹溝3を図示しているが、図9において、縦横の2方向にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査して複数条の凹溝3、31が形成されている。このようにしてレーザ照射を走査することにより、凹溝3、31の各条間の表面1A(図4(A)および(B)参照)に不定形の樹脂瘤が実施形態1とは異なった形状で形成される。
(封口体の実施形態3)
図10は、実施形態1と同じ合成樹脂で成形された外側封口体素子1において、レーザ照射の走査が異なる実施形態を示す。
外側封口体素子1の表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査するに際し、実施形態1では、一方向(例えば、縦方向)にレーザ照射をして形成される複数条の凹溝3を図示しているが、図10において、ジグザグ状にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査して複数条の凹溝32が形成されている。このようにしてレーザ照射を走査することにより、凹溝32の各条間の表面1A(図4(A)および(B)参照)に不定形の樹脂瘤が実施形態1および実施形態2とは異なった形状で形成される。
(封口体の実施形態4)
図11は、実施形態1と同じ合成樹脂で成形された外側封口体素子1において、レーザ照射の走査が異なる実施形態を示す。
外側封口体素子1の表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査するに際し、実施形態1では、一方向(例えば、縦方向)にレーザ照射をして形成される複数条の凹溝3を図示しているが、図11において、渦巻状にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査して複数条の凹溝33が形成されている。このようにしてレーザ照射を走査することにより、凹溝33の各条間の表面1A(図4(A)および(B)参照)に不定形の樹脂瘤が実施形態1、2および3とは異なった形状で形成される。
(封口体の実施形態5)
図12から図17は、実施形態1と同じ合成樹脂で成形された外側封口体素子11と外側封口体素子11の表面に充填ゴムを充填し固化させてできた内側封口体素子2からなる封口体を示す。
外側封口体素子11の合成樹脂は実施形態1と同じであるが、この合成樹脂には無機フィラー111を含有している。この無機フィラー111は、図12および図13に示すように無機繊維を編んで網材とし、好ましくは上下に2層以上積層した状態で、外側封口体素子11の表面(図では上面)に近い部位に水平に埋め込まれるように前記合成樹脂と一体に形成されている。無機フィラー111の素材は電気絶縁部材が好ましく、無機繊維としては炭素繊維のような電気伝導性の素材ではなく、ガラス繊維およびセラミック繊維を例示でき、ガラス繊維が好ましい。また、合成樹脂に含有させる無機フィラー111として無機繊維を編んだ網材を例示しているが、ガラス繊維やセラミック繊維などの短繊維や雲母(マイカ)などの鱗片を用いて、これらを単独または組み合わせて、網材とせずに、多数個を分散させて合成樹脂に配合するようにして外側封口体素子11の全体にわたって分布させた無機フィラー111であってもよい。なお、成形された外側封口体素子11における一対の貫通孔41A、42Aはその成形後に孔加工により形成され、その際、無機フィラー111は貫通孔41A、42Aにおいては除去されている。
図14は、この成形された外側封口体素子11の表面に実施形態1と同様なレーザ照射の走査を示し、このレーザ照射の走査により、図15に示すように無機フイラー111の一部が複数条の凹溝3および凹溝3の各条間の表面11Aにおいて露出しており、この露出した状態で、外側封口体素子11の表面に内側封口体素子2となる充填ゴム好ましくは実施形態1と同様に液状ゴムを充填し固化させ、て図16に示すように封口体5が得られる。この場合、レーザ照射の走査法は実施形態2から4に示すものでもよい。また、この露出した無機フィラー111の形状としては、図17において網材が水平に埋め込まれた状態で露出した部位も水平状態を示すが、無機フィラー111および合成樹脂の材質や加工用レーザの種類・出力さらにはレーザ照射時間などにより、無機フィラー111が縦方向・横方向・斜め方向など種々の方向に露出し、特に、無機フィラー111に網材を用いずに短繊維や鱗片を用いた場合には種々の方向に露出することになる。このようにレーザ照射により無機フィラー111の一部を露出させた状態で、充填ゴムを外側封口体素子1の表面に充填し固化させた際、固化されたゴムが露出した無機フィラー111に絡みついた状態となりアンカー効果の作用がさらに向上し、外側封口体素子11と内側封口体素子2とがさらに強固に接合された封口体5を得ることができる。
また、上記の封口体5の実施形態1から5においては、封口体5は合成樹脂で成形された外側封口体素子1、11とその表面に充填ゴムを充填し固化させてできた内側封口体素子2からなり、その固化されたゴムがアンカー効果の作用で強固に接合されているが、そのアンカー効果の作用を果たす外側封口体素子1、11の凹溝3、31、32、33の表面にさらにメルカプト基、チオカルボニル基、シアノ基、イソシアナート基、アミノ基、アンモニウム基、ピリジニウム基、アジニル基、カルボキシル基、ベンゾトリアゾール基、トリアジンチオール基等の何れかまたはこれらを組み合わせた化学的処理剤からなる接着剤の薄膜層を形成してもよい。この場合、特許文献2に記載のような電解液による接合力の劣化については、外側封口体素子1、11の表面に形成された凹溝3、31、32、33により外側封口体素子11と内側封口体素子2とのアンカー効果の作用による接合には影響されない。
(封口体の実施形態6)
図18から図20は、実施形態1と同じ電解コンデンサを例示し、そのケースの開口部を閉塞する封口体の異なる実施形態を示す。
図18は合成樹脂で成形された外側封口体素子12を示し、合成樹脂で成形された外側封口体素子12には実施形態1と同様な一対の電極端子用挿通孔41、42を構成する一対の貫通孔41A、42Aがその成形時に同時に形成されている。この外側封口体素子12は合成樹脂で円柱状または角柱状に成形されている。合成樹脂の素材としては、高温使用環境下で使用できるように耐熱性および電解液に侵されないように耐薬品性という観点で、実施形態1と同じ素材で、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが例示でき、熱可塑性樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー(LCP)などが例示でき、この合成樹脂としては、レーザ照射により溶解して除去できるように熱可塑性樹脂が好ましく、その中でもポリフェニレンサルファイド樹脂や液晶ポリマー(LCP)が好ましい。この場合、図示しないが、外側封口体素子12の内面側の表面12A(図18では上面)にもさらには、外面側の表面12B(図18では下面)にも、実施形態5に示すような無機フィラー111を有していてもよい。この外側封口体素子12の内面側の表面12A(図18では上面)に実施形態1と同様にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されてできた複数条の凹溝3が形成されており、その凹溝3の形成は実施形態2から4のようなレーザ照射の走査で形成された凹溝31、32、33でもよい。また、外側封口体素子12の外面側の表面12B(図18では下面)にも同様にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されてできた複数条の凹溝34が形成されている。
図19は上記合成樹脂で成形された外側封口体素子12で複数条の凹溝3が形成された表面12Aに実施形態1と同様な充填ゴムを充填し固化されたゴムが内側封口体素子2となって外側封口体12の表面12Aにアンカー効果の作用で接合された封口体51を示す。さらに、この封口体51には、内側封口体素子2が接合された外側封口体素子12の表面12Aと反対側の表面12Bにも内側封口体素子2の厚さより薄い封止補助層8が形成されている。この封止補助層8の素材としては、充填し固化させて弾性作用のある素材であり、内側封口体素3と同様な充填ゴムが例示でき、好ましくは高温使用に耐える液状ゴムで、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴムおよびフッ素ゴムなどが例示でき、内側封口体素子2の素材と同じ素材でもよい。この封止補助層8も外側封口体12の表面12Bに形成された凹溝34にアンカー効果の作用で接合されている。また、この封止補助層8には一対の電極端子用挿通孔41、42と連通した一対の貫通孔41A、42Aが形成されている。封止補助層8に形成される一対の電極端子用挿通孔41、42においては、外側封口体12の表面12Bの表面部位を径大にしてその径大な部位にも充填し、一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面の一部(内側封口体素子2と反対側の表面部位)に端子封止層81、82が形成されるように外側封口体素子12の表面12Bに封止補助層8を接合させている。この場合、図示しないが、実施形態1の図6に示す端子封止層21、22のように、外側封口体素子12の表面12Aの表面部位において一対の電極端子用挿通孔41、42を径大にしてその径大な部位にも内側封口体素子2の充填ゴムを充填し、一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面の一部(内側封口体素子2側の表面部位)に端子封止層81、82を形成してこの端子封止層81、82の表面に貫通孔41A、42Aを形成しておけばよい。
図20は、外側封口体素子12の両側の表面12A、12Bにそれぞれ内側封口体素子2および封止補助層8が接合した状態を示し、図19とは異なり、外側封口体素子12の一対の貫通孔41A、42Aには、一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面に端子封止層83,84が形成されており、さらに、外側封口体素子12の側面にはケース内面接触層85が形成された円柱状または角柱状の封口体51である。この場合、端子封止層83,84およびケース内面接触層85は、内側封口体素子2および封止補助層8の何れかの充填ゴムで形成されている。その形成方法としては、液状ゴムを用いて、射出成形金型に配置させた外側封口体素子12の表面12Aに液状ゴムを注入して、凹溝3が形成された外側封口体素子12の表面および一対の貫通孔41A、42Aおよびその周側面に液状ゴムを充填することにより、他の表面12Bにもこの液状ゴムが充填し、これらの充填された液状ゴムを固化させることにより、固化されたゴムが外側封口体素子12の表面12Aの凹溝3や表面12Bの凹溝34にてアンカー効果の作用で強固に接合されるとともにこの充填ゴムは一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面に端子封止層83、84が形成され、外側封口体素子12の周側面にケース内面接触層85が一体に形成される。この場合に用いる充填ゴムの素材はガス透過性の低い素材を用いることが好ましい。
(密閉型電気化学デバイスの実施形態A)
密閉型電気化学デバイスとしては、電解液を有する電解コンデンサやリチウム電池などであり、図21は、実施形態1から5に記載の封口体5を用いて、電極素子7を収納してなる筒状のケース6の開口部61を閉塞させた電解コンデンサを例示している。
図21において、先ず、ケース6の開口部61に封口体5を配置してケース6の開口部61を密閉させるために、内側封口体素子2をケース6の内側になるように下面側とし、外側封口体素子1、11をケース6の外側になるように上面側として配置させている。この密閉型電気化学デバイスのケース6は、上端に開口部61を有するアルミニウム材などのかしめ加工ができる金属材でできた円筒状または角筒状に形成されており、ケース6には陽極および陰極の一対の極板が電解液に含浸された電極素子7が収容されている。電極素子7は予め一対の引き出し端子101、102からなる電極端子100を有しているので、図1または図5に示す電極端子用挿通孔41、42が形成された封口体5においては、この引き出し端子101、102を電極端子用挿通孔41、42に組み込む必要があり、組み込んだ際、内側封口体素子2の固化されたゴムは弾性があるので、引き出し端子101、102を密着接合されているが、さらに、この接合部位にシール剤を塗布してもよい。このようにして、電極端子100は封口体5の一対の電極端子用挿通孔41、42を組み込んでケース6の外方に突出するように封口体5に設けられている。なお、電極素子7に予め一対の引き出し端子101、102からなる電極端子100を有していない場合には、図7に示すような、電極端子100の一対の引き出し端子101、102が予め組み込まれている封口体5を用いると、図示しないが、電気接続部材を用いて電極素子7と引き出し端子101、102とを電気的に接続をさせればよいので、引き出し端子101、102を電極端子用挿通孔41、42に組み込む作業は不要となる。なお、実施形態1の図6に示す外側封口体素子1の一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面の一部(内側封口体素子2側の表面部位)に内周面に端子封止層21、22が形成された外側封口体素子1を用いると、引き出し端子101、102とが密着した状態となり、ケース6内の電解液が一対の貫通孔41A、42Aと引き出し端子101、102との隙間からケース6外へ漏れ出ないようにすることができ、端子封止層21、22はケース6外に露出していないので、ガス透過性のある充填ゴムを用いてもケース6内に発生したガスが封口体5を介してケース6外に漏れ出にくくなる。
次に、ケース6の開口部61に配置させた封口体5にてケース6の開口部61をかしめ加工して密閉させるには、ケース6の開口部61の端縁部62の部位Qを押圧してその端縁部62を外側封口体素子1、11の外面にケース6の内部方向(高さ方向)に圧接させ、また、内側封口体素子2の固化されたゴムに密着接合するように開口部61の端縁近傍部63の部位Pを押圧して環状のくびれ状に変形させケース6の開口部61の端縁近傍部63の内周面が内側封口体素子2の外周面を側面方向(径方向)に圧接させればよい。このとき、内側封口体素子2はその外周面が側面方向に押圧されて外側封口体素子1から分離されるような応力を受けるが、外側封口体素子1と内側封口体素子2とはアンカー効果の作用で強固に接合されているので、内側封口体素子2が外側封口体素子1から分離されるように応力を受けても外側封口体素子1と内側封口体素子2との一体化が維持できる。また、内側封口体素子2の固化されたゴムが外面ではなく外側封口体素子1の合成樹脂が外面にあるので、ケース6の開口部61の端縁部62が外側封口体素子1の外面を圧接しても固化されたゴムが損傷せずにかしめ加工を行うことができる。このように、ケース6の開口61部は内側封口体素子2の固化されたゴムに密着接合され、ケース6の開口部61の端縁部62が外側封口体素子1、11の外面に固着されて、電解液が外部へ漏れ出ないようケース6の開口部61に配置させた封口体5にてケース6の開口部61をかしめ加工により密閉させた密閉型電気化学デバイスが得られる。
(密閉型電気化学デバイスの実施形態B)
電解液を有する電解コンデンサやリチウム電池などの密閉型電気化学デバイスで、実施形態Aと同じ電解コンデンサを例示し、図21にもとづいて、以下、説明する。
図21は、密閉型電気化学デバイスのケース6の開口部61に封口体51を配置してケース6の開口部61を密閉させるために、内側封口体素子2をケース6の内側になるように下面側とし、封止補助層8をケース6の外側になるように上面側としており、電解液が外部へ漏れ出ないようにケース6の開口部61に配置させた封口体51にてケース6の開口部61をかしめ加工して密閉させた密閉型電気化学デバイスを示す。
図21において、ケース6が実施形態Aと同様に上端に開口部61を有するアルミニウム材などのかしめ加工ができる金属材でできた円筒状または角筒状に形成されている。ケース6には実施形態Aと同様に陽極および陰極の一対の極板が電解液に含浸された電極素子7が収容されており、電極素子7は一対の引き出し端子101、102からなる電極端子100と電気的に接続されている。このケース6の開口部61の端縁部62の部位Qを押圧してその端縁部62を封口体51の外側封口体素子12の外面にケース6の内部方向(高さ方向)に圧接させると、ケース6の開口部61の端縁部62が封止補助層8の弾性作用により隙間なく封口体51に密着されて、ケース6の開口部61の端縁部62の部位Qは封止される。また、封口体51の内側封口体素子2の固化されたゴムに密着接合するようにケース6の開口部61の端縁近傍部63の部位Pを押圧して環状のくびれ状に変形させケース6の開口部61の端縁近傍部63の内周面が内側封口体素子2の外周面を側面方向(径方向)に圧接させると、実施形態Aと同様にケース6の開口部61の端縁近傍部63の部位Pは封止される。さらに、この封口体51においては、外側封口体素子12の一対の貫通孔41A、42Aのそれぞれの内周面に端子封止層83、84が形成されているので、引き出し端子101、102を電極端子用挿通孔41、42に挿入した際、引き出し端子101、102が貫通孔41A、42Aの端子封止層83、84と密着した状態となり、ケース6内の電解液が一対の貫通孔41A、42Aと引き出し端子101、102との隙間からケース6の外へ漏れ出ないようにすることができる。また、外側封口体素子12の周側面にはケース内面接触層85が形成されているので、ケース6の内面が弾接されて、ケース6と封口体51との密着接合が向上する。このようにして、ケース6の開口部61の端縁部62の部位Qにおいて封止効果を高めて、電極端子100を有する封口体51にてケース6の開口部61がより一層密閉された密閉型電気化学デバイスを得ることができる。
本発明の密閉型電気化学デバイス用封口体およびその封口体を用いた密閉型電気化学デバイスは、使用環境温度が高い電気機器や電子機器または電気通信機器に有効である。
1、11、12 外側封口体素子
2 内側封口体素子
3、31、32、33 凹溝
41、42 電極端子用挿通孔
5、51 封口体
8 封止補助層

Claims (8)

  1. 合成樹脂で成形された外側封口体素子と流動性を有するゴム素材でできた充填ゴムを充填し固化させてできた内側封口体素子とからなる密閉型電気化学デバイス用封口体であって、前記外側封口体素子はその表面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝が形成されており、前記凹溝が形成された外側封口体素子の表面に前記充填ゴムを充填し固化させることにより固化されたゴムが内側封口体素子となって前記外側封口体素子の表面にアンカー効果の作用で接合されていることを特徴とする密閉型電気化学デバイス用封口体。
  2. 前記合成樹脂が熱可塑性樹脂であり、前記外側封口体素子の表面にはレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより前記熱可塑性樹脂が除去されてできた複数条の凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  3. 前記充填ゴムが液状シリコンゴムであり、前記液状シリコンゴムを前記凹溝が形成された外側封口体素子の表面に充填し固化させる手段が射出成形であることを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  4. 前記外側封口体素子および内側封口体素子を貫通してできた一対の電極端子用挿通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかひとつに記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  5. 前記外側封口体素子には繊維状もしくは鱗片状の無機フィラーを含有しており、前記レーザ照射により露出した無機フイラーに固化された前記ゴムが絡みついていることを特徴とする請求項1から4の何れかひとつに記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  6. 前記無機フィラーがガラス繊維であることを特徴とする請求項5に記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  7. 前記外側封口体素子はその両面にレーザ照射を所定の照射ピッチで走査することにより合成樹脂が除去されて複数条の凹溝が形成されており、前記内側封口体素子が接合された表面と反対側の表面に前記充填ゴムを充填し固化させてできた封止補助層を形成したことを特徴とする請求項1から6の何れかひとつに記載の密閉型電気化学デバイス用封口体。
  8. 請求項1から7の何れかひとつに記載の密閉型電気化学デバイス用封口体にて電極素子および電解液を収納してなる筒状のケースの開口部を閉塞してなる密閉型電気化学デバイスであって、前記封口体には電極端子を設けるとともに、前記ケースの開口部に配置させた状態で前記ケースの開口部をかしめ加工して前記開口部の端縁部が前記外側封口体素子の外面を圧接し、前記開口部の端縁近傍部の内周面が前記内側封口体素子の外周面を圧接することによりケースの開口部を前記封口体にて密閉させてなることを特徴とする密閉型電気化学デバイス。
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