JP2015172545A - ガスセンサの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関10の排気通路12,14に設置すると共に、排気通路内を流れる排気ガスGが流通可能な流通孔20h、31aを有する治具20,30に複数個のガスセンサ50を取り付け、該流通孔内を流れる排気ガスに前記ガスセンサを曝してガスセンサの評価を行うガスセンサの評価方法であって、治具内に流体を流してガスセンサを冷却する。
【選択図】図2
Description
例えば、図1に示すガスセンサが知られている。図1に示すように、このガスセンサ50は、軸線O方向に延びる検出素子50bを主体金具50aで取り囲んで保持すると共に、主体金具50aよりも先端側に突出した検出素子50bをプロテクタ50dで覆った構成を有している。又、主体金具の先端側には、ガスセンサ50をエンジンヘッドや排気管等にネジ止めするための雄ネジ部50cが形成されている。なお、図1において、検出素子50bはプロテクタ50dで覆われていて、外部からはプロテクタ50dに設けたガス導入孔50eを介してのみ見ることができる。
ところで、このようなガスセンサ50は、実際に使用する前(出荷前)に、ガスセンサの耐久評価を行う必要がある。このような耐久評価を行う際には、通常、試験室内で実機のエンジンの排気通路(排気管)にガスセンサを直接取り付け、内燃機関から排出される排気ガスにガスセンサを曝して評価が行われる(特許文献1)。
これに対し、上述のように試験室内で実機のエンジンの排気通路にガスセンサを直接取付け、エンジンを長時間作動させてガスセンサの耐久評価を行うと、車両の走行風等が生じないためにガスセンサが過熱してしまい、ガスセンサの構成部品が溶損するおそれがある。
なお、評価用のガスセンサを二輪車のエンジンヘッドに取付け、実際に走行することでガスセンサの耐久評価を行う方法が考えられる。しかしながら、この方法では、エンジンヘッドに取付けられるガスセンサは1本であり、評価効率が悪いといった問題がある。
そこで、本発明は、実機の内燃機関の運転状態を反映してガスセンサが冷却された状態で複数のガスセンサの評価を行うことができるガスセンサの評価方法を提供することを目的とする。
このガスセンサの評価方法によれば、実機の内燃機関において車両の走行風等によりガスセンサが冷却された状態、つまり実機の内燃機関の運転状態を反映したガスセンサの評価を行うことができ、評価の際にガスセンサが過熱してその構成部品等が溶損することを防止できる。
また、複数のガスセンサを同時に評価することができ、評価効率が悪くなることを防止できる。
このガスセンサの評価方法によれば、水路に流れる水により、ガスセンサを確実に冷却して評価を行うことができる。
このガスセンサの評価方法によれば、1つの治具にて複数のガスセンサを同時に評価を行うことができ、また、水路に流れる水により、複数のガスセンサを確実に冷却して評価を行うことができる。
このガスセンサの評価方法によれば、1つの治具にてより多数のガスセンサを、複数の水路によって冷却することができる。
また、複数のガスセンサに対して水路を対応して設けることができ、ガスセンサをより確実に冷却して評価を行うことができる。
このガスセンサの評価方法によれば、空冷によりガスセンサを確実に冷却して評価を行うことができる。
このガスセンサの評価方法によれば、ガスセンサをベッド部で囲んだ状態でベッド部に空気を流すので、ガスセンサを確実に空冷することができる。
このガスセンサの評価方法によれば、個々のガスセンサをそれぞれベッド部で囲み、1個の空気穴から空気を流すので、ガスセンサをさらに確実に空冷することができる。
このガスセンサの評価方法によれば、間隙内をガスセンサの軸線の周りに空気が旋回して流れるので、空気穴とは反対側のガスセンサの背面側にも空気が接触し、ガスセンサをより均等に空冷することができる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係るガスセンサの評価方法に用いる第1の試験装置100を示すブロック図である。第1の試験装置100は、車両の内燃機関であるエンジン(ガソリンエンジン)10と、エンジン10のエキゾーストマニホールド12に接続された六角筒状の治具20とを有する。治具20には後述する複数のガスセンサ取付け孔(図示せず)が開口し、各ガスセンサ取付け孔には試験対象である複数個のガスセンサ50がそれぞれネジ止めされて取り付けられている。
エンジン10の各気筒からの排気ガスGはエキゾーストマニホールド(排気集合管)12を介して排気管14から排出されるが、第1の実施形態においてはエキゾーストマニホールド12と排気管14との間に治具20を接続することで、エンジン10の排気通路に治具20が設置されることとなり、治具20の内部(図3の流通孔20h)を排気ガスGが流通する。なお、治具20の流通方向の両端にはそれぞれフランジ部21c、21dが形成され、フランジ部21cがエキゾーストマニホールド12のフランジ部12fに接続され、フランジ部21dが排気管14のフランジ部14fに接続される。
治具20の6つの外面(図3では、3つの外面21s1、21s2、21s3のみ表示)には、それぞれ排気ガスの流通方向に沿って複数のガスセンサ取付け孔(図3では、2つの外面21s2、21s3に対応するガスセンサ取付け孔22h1、22h2のみ表示)が流通孔20hに向かって開口している。各ガスセンサ取付け孔22h1、22h2には雌ネジが形成され、ガスセンサ50の雄ネジ部50cをガスセンサ取付け孔22h1、22h2にネジ止めすることで、ガスセンサ50が治具20に取り付けられると共に、ガスセンサ50の先端側の検出素子50b(図1参照)が流通孔20hに露出して排気ガスGに曝されるようになっている。
なお、図1に示すように、ガスセンサ50は、例えば酸素やNOx(窒素酸化物)などの濃度に応じ、大きさの異なる起電力が生じたり、抵抗値が変化したりする検出素子を先端側に備えた公知の構成を有している。
そして、図2に示すように(図2には、入側プラグ23a2〜23a4、出側プラグ23b2〜23b4のみ表示)、入側プラグ23a2〜23a4にそれぞれ冷却水ホース30a2〜30a4が接続され、冷却水ホース30a2〜30a4はそれぞれ流量調節バルブ32〜34によって流量を調節された冷却水Wを各水路23h2〜23h4に流すようになっている。
又、出側プラグ23b2〜23b4にそれぞれ冷却水ホース30b2〜30b4が接続され、各水路23h2〜23h4に流れた冷却水Wが冷却水ホース30b2〜30b4から外部に排出されるようになっている。
なお、図示しない他の3つの水路についても同様である。
これにより、実機のエンジン10において車両の走行風等によりガスセンサ50が冷却された状態、つまり実機のエンジン10の運転状態を反映したガスセンサ50の評価を行うことができ、評価の際にガスセンサ50が過熱してその構成部品等が溶損することを防止できる。又、1つの治具20にて複数のガスセンサ50を冷却した状態で同時に評価を行うことができ、評価効率が悪くなることを防止できる。
又、各流量調節バルブ32、33・・・を調節し、各外面21s1、21s2・・・に取付けられたガスセンサ50の温度がそれぞれ別個の値になるように管理すれば、1つの治具20にて複数の別条件下でガスセンサ50の評価を同時に行うことができる。
エンジン10の各気筒からの排気ガスGはエキゾーストマニホールド(排気集合管)12を介して排気管14から排出されるが、第2の実施形態においてはエキゾーストマニホールド12と排気管14との間に筒部31を接続することで、エンジン10の排気通路に筒部31が設置されることとなり、筒部31(図5の流通孔31a)の内部を排気ガスGが流通する。なお、筒部31の流通方向の両端にはそれぞれフランジ部31c、31dが形成され、フランジ部31cがエキゾーストマニホールド12のフランジ部12fに接続され、フランジ部31dが排気管14のフランジ部14fに接続される。
ベッド部32、35には、エア配管39aからの分岐配管39a1、39a2がそれぞれ接続されている。同様に、ベッド部33、36には、エア配管39bからの分岐配管39b1、39b2がそれぞれ接続されている。ベッド部34、37には、エア配管39cからの分岐配管39c1、39c2がそれぞれ接続されている。
そして、エア配管39a〜39cのレギュレーター38a〜38cによって流量が調節された空気Airを各ベッド部32〜37に流し、各ベッド部32〜37の内部に収容された各ガスセンサ50を空冷するようになっている。
ベッド部32は、略有底円筒状をなし、筒部31の外面に取り付けられる底面32bと、底面32bの外縁部から延び、ガスセンサ50と間隙を形成しつつガスセンサ50を取り囲む円環状の側壁部32sと、側壁部32sの外面に取り付けられ、分岐配管39a1を接続するための1個の配管継手部32aとを有する。側壁部32sには、ガスセンサ50の軸線O方向に垂直に延びて継手部32aの内部に連通すると共に、空気Airを吹き出すノズル孔32cが開口している。ノズル孔32cが特許請求の範囲の「空気孔」に相当する。
そして、ノズル孔32cからガスセンサ50に吹き付けられた空気Airは、側壁部32sの上方からベッド部32の外部に排出されるようになっている。
一方、底面32bの中央には、ガスセンサ取付け孔32hが開口しており、ガスセンサ取付け孔32hは筒部31に設けられた開口31hに連通している。ガスセンサ取付け孔32hには雌ネジが形成され、ガスセンサ50の雄ネジ部50cをガスセンサ取付け孔32hにネジ止めすることで、ガスセンサ50が筒部31に取り付けられると共に、ガスセンサ50の先端側の検出素子50b(図1参照)が筒部31の内部に露出して排気ガスGに曝されるようになっている。
これにより、第2の実施形態においても、実機のエンジン10において車両の走行風等によりガスセンサ50が冷却された状態、つまり実機のエンジン10の運転状態を反映したガスセンサ50の評価を行うことができ、評価の際にガスセンサ50が過熱してその構成部品等が溶損することを防止できる。又、1つの治具30にて複数のガスセンサ50を冷却した状態で同時に評価を行うことができ、評価効率が悪くなることを防止できる。
例えば、ガスセンサ50の構成は上記実施形態に限定されない。又、治具20、30の構成は上記実施形態に限定されず、複数個のガスセンサ50を取り付けられるものであればよい。治具20、30を設置する排気通路についても上記実施形態に限定されない。
なお、治具20、30がアルミニウム又はアルミニウム合金からなると、熱伝導率が高いので、ガスセンサ50をより一層冷却できるので好ましい。
12,14 排気通路
20,30 治具
20h、31a 流通孔
23h2〜23h4 水路
31 筒部
32〜37 ベッド部
32c 空気穴(ノズル孔)
50 ガスセンサ
G 排気ガス
W 冷却水(流体)
Air 空気(流体)
F 空気の流れ方向
L 空気穴とガスセンサの軸線とを結ぶ直線
O ガスセンサの軸線
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に設置すると共に、該排気通路内を流れる排気ガスが流通可能な流通孔を有する治具に複数個のガスセンサを取り付け、該流通孔内を流れる排気ガスに前記ガスセンサを曝してガスセンサの評価を行うガスセンサの評価方法であって、
前記治具内に流体を流して前記ガスセンサを冷却するガスセンサの評価方法。 - 前記流体は水であり、前記治具には前記水を流す水路が形成されてなり、前記水路に水を流して前記ガスセンサを水冷する請求項1記載のガスセンサの評価方法。
- 前記治具は、前記排気ガスの流通方向に沿って延びる筒状をなし、前記複数のガスセンサは前記流通方向に沿って前記治具に配置されてなり、前記水路は、前記治具の前記流通方向に沿って延びる請求項2記載のガスセンサの評価方法。
- 前記水路を前記治具に複数設けた請求項3に記載のガスセンサの評価方法。
- 前記流体は空気であり、前記治具には前記空気を流す空気穴が形成されてなり、前記空気穴に空気を流して前記ガスセンサを空冷する請求項1記載のガスセンサの評価方法。
- 前記治具は、前記流通孔を有する筒状の筒部と、前記筒部の外面に取り付けられて、前記ガスセンサと間隙を形成しつつ前記ガスセンサの周囲を取り囲むベッド部と、を有し、
前記空気穴は前記ベッド部に設けられており、前記ベッド部内の前記間隙に空気を流して前記ガスセンサを空冷する請求項5記載のガスセンサの評価方法。 - 前記ベッド部を複数設け、前記ベッド部のそれぞれに前記ガスセンサを1個づつ配置し、前記ベッド部に設けた1個の前記空気穴から前記ガスセンサに空気を流す請求項6に記載のガスセンサの評価方法。
- 前記間隙内を前記ガスセンサの軸線の周りに空気が旋回して流れるように、前記空気穴から前記ガスセンサに向かって空気を流す請求項7に記載のガスセンサの評価方法。
- 前記治具がアルミニウム又はアルミニウム合金からなる請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサの評価方法。
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