JP2015170424A - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のX線源を配置したX線発生装置において、均一な線質または強度となるように出力X線量を制御することが可能なX線発生装置を提供する。【解決手段】 X線発生装置1は、複数の微小X線源Sを2次元マトリクス状に配置した2次元配列X線源2を有する。X線量検出部3(X線/可視光変換装置31、集光装置32、光検出装置33)は2次元配列X線源2のX線照射面から出力されるX線量をX線源グループG毎または個々の微小X線源S毎に計測する。制御部4は、計測した値に応じて各X線源グループGまたは個々の微小X線源Sからの出力X線量が均一となるようにフィードバック制御を行う。これにより、複数の微小X線源Sを用いても、その製造上の特性のバラつき等に影響されず、常にX線発生装置1のX線照射面から均一なX線を得ることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、X線発生装置に係り、詳細には、X線発生装置から出力するX線量の制御に関する。
従来より、複数のX線源を2次元に配置したX線発生装置が開発されている。例えば特許文献1には、2次元に配置した複数の電子源と、それらに対向する位置に配置され、位置によって異なる材質からなるターゲットとを有するマルチX線発生装置について記載されている。特許文献1のマルチX線発生装置は、複数の電子源を選択的に駆動することで、ターゲット部から発生箇所と線質が異なるX線を照射することが可能となっている。また従来より、電子放出源としては、例えば、ニードル型金属体、カーボンナノチューブ、表面伝導型電子源等、いくつかの種類がある。
特開2009−205992号公報
しかしながら、複数のX線源を配置する場合、全てのX線源の特性を合わせ、均一な強度分布を持つX線を照射することが可能なX線発生装置を製造することは困難である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、複数のX線源を配置したX線発生装置において、均一な線質または強度となるように出力X線量を制御することが可能なX線発生装置を提供することである。
前述した目的を達成するために本発明は、複数の微小X線源が2次元に配置された2次元配列X線源と、前記2次元配列X線源に対して所定の電圧を印加し、X線を出力させる制御部と、前記2次元配列X線源から出力されたX線量を検出するX線量検出部と、を備え、前記制御部は、前記X線量検出部により検出されたX線量に応じて、個々の微小X線源毎に、または複数の微小X線源から構成されるグループ毎に前記電圧の値を調整することを特徴とするX線発生装置である。
本発明により、複数のX線源を配置したX線発生装置において、均一な線質または強度となるように出力X線量を制御することが可能なX線発生装置を提供できる。
X線発生装置1の全体構成図 2次元配列X線源2におけるX線源グループG1〜G4の一例 微小X線源Sの構成図 X線発生装置1の各部の動作タイミングを示すタイミングチャート 第2の実施の形態のX線発生装置1Aの全体構成図 X線発生装置1Aの各部の動作タイミングを示すタイミングチャート 第3の実施の形態のX線発生装置におけるX線量検出部について説明する図 第4の実施の形態のX線発生装置1Cの全体構成図 X線発生装置1Cの各部の動作タイミングを示すタイミングチャート 1×5個の微小X線源Sから照射されるX線について説明する図 各微小X線源Sから照射されるX線の強度分布を示す図 図10に示す配列の微小X線源Sから照射されるX線の合成X線強度分布を示す図 欠損した微小X線源がある場合のX線強度分布と、その欠損補償について説明する図
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明に係るX線発生装置1の構成について説明する。
X線発生装置1は、複数の微小X線源Sが2次元に配列された2次元配列X線源2と、2次元配列X線源2に対して所定の電圧を印加し、X線を出力させる制御部4と、2次元配列X線源2から出力されたX線量を検出するX線量検出部3と、を備える。制御部4は、X線量検出部3により検出されたX線量に応じて、個々の微小X線源S毎に、または複数の微小X線源Sから構成されるX線源グループG毎に印加する電圧値を調整する機能を有する。
制御部4は、加速電圧制御部41及び電界放出電子量制御部42を有する。加速電圧制御部41は、微小X線源Sにおける陰極11と陽極10との間に印加する電圧である加速電圧の印加を制御する。電界放出電子量制御部42は、微小X線源Sにおけるゲート電極14と陰極11との間に印加する電圧であるゲート電極印加電圧の印加を制御する(図3参照)。
第1の実施の形態において、制御部4は、微小X線源Sにおける陰極11とゲート電極14との間にはすべてのX線源グループGに対し、常に一定の電圧(ゲート電極印加電圧)を印加する。また制御部4は、微小X線源Sにおける陰極11と陽極10との間にはX線源グループG毎に期間をずらして所定の電圧(加速電圧)を印加するものとする。例えば図2に示すように、2次元配列X線源2に含まれる微小X線源Sを4つのX線源グループG1〜G4に分割する場合には、X線照射時間の1区間を4つの小区間に等分し、予め定められた順番(例えば、G1→G2→G3→G4の順)で陰極11と陽極10との間に加速電圧を印加する。これを繰り返すことで、所定のX線照射時間、X線を照射する。
加速電圧制御部41及び電界放出電子量制御部42は、図示しない操作器から入力される指令値、或いはX線量検出部3から通知されたX線量に応じて、加速電圧の値またはゲート電極印加電圧の値を変更する。
X線量検出部3は、例えば図1に示すように、X線/可視光変換装置31と、集光装置32と、光検出装置33とにより構成される。X線量検出部3により検出されたX線量が制御部4に通知される。
制御部4は、X線量検出部3から通知されたX線量に応じて、個々の微小X線源S毎に、または複数の微小X線源Sから構成されるグループG毎に、印加する電圧の値を調整する。第1の実施の形態では、陰極11と陽極10との間に印加する電圧である加速電圧をX線源グループG毎に調整するものとする。
図2は、2次元配列X線源2について説明する図である。
2次元配列X線源2は、複数の微小X線源S(1,1),S(1,2),…がM×Nのマトリクス状に配置される。また、これらの複数の微小X線源S(1,1),S(1,2),…は、個々に出力X線量が調整可能な構成としてもよいし、いくつかの微小X線源SでX線源グループGを構成し、X線源グループG毎に出力X線量を調整可能な構成としてもよい。
以下の説明では、一例として図2に示すように、2×2の微小X線源S(1,1),S(1,2),S(2,1),S(2,2)からなる微小X線源群を1つのX線源グループG1とする。同様に、微小X線源S(1,3),S(1,4),S(2,3),S(2,4)からなる微小X線源群をを別のX線源グループG2とする。このようにして、4×4個の微小X線源Sを有する2次元配列X線源2から、2×2個の微小X線源Sから構成される4つのX線源グループG1〜G4が構成される。第1の実施の形態では、制御部4は、X線源グループG1〜G4毎にそれぞれ陰極11と陽極10との間の印加電圧(加速電圧)の値を調整することで、出力X線量を調整する例について説明する。
なお、2次元配列X線源2の微小X線源Sの数や、各X線源グループGを構成する微小X線源Sの数は、上述の例に限定されるものではなく任意の数としてよい。また、以下の説明では、個々の微小X線源Sを夫々区別して説明する場合は、S(1,1),S(1,2)のように要素毎に配置を示す符号を付し、個々を区別しない場合はSの符号を用いる。また、X線源グループGについては、個々のX線源グループを区別して説明する場合はG1〜G4のようにグループ別の符号を付し、個々を区別しない場合はGの符号を用いる。
図3は、微小X線源Sの構成図である。
図3に示すように、微小X線源Sは、真空中で電子放出源12から放出された電子を陰極11と陽極(ターゲット)10との間に高電圧を印加することにより得られる電位差で加速し、陽極(ターゲット)10に衝突させる。これによりX線を発生させる。陰極11と陽極(ターゲット)10との間に印加する電圧は、数十から百数十kV程度である。また、陽極(ターゲット)10は、タングステン等で構成される。
なお、図3において微小X線源Sは、電子放出源12としてゲート電極14に電圧を印加し、ニードル型金属体の先端に局所電界を与えることにより電子を得る電界放出型電子源を示しているが、必ずしもこの形態に限らない。また図3の例では、一般に透過型ターゲットと呼ばれる構造の微小X線源Sを一例として示しているが、この形態に限定されるものではない。透過型ターゲットとは、陽極10を介し、電子衝突面と反対側に透過するX線を利用するものである。その他の構造の微小X線源Sとしては、例えば、カーボンナノチューブや表面伝導型電子源等を利用したものがあるが、これらを利用してもよい。また図3の例では、陽極10は真空容器13内に固定された、一般に固定陽極と呼ばれる構造を示しているが、必ずしもこの形態に限定されない。陽極10を真空容器13内で高速回転させて陽極表面での電子衝突面を増やし、X線発生時の損失による発生する熱の処理を容易とする一般に回転陽極と呼ばれる構造の利用も可能である。
図1のX線量検出部3について説明する。
X線量検出部3は、2次元配列X線源2から出力されるX線量の大きさを計測するものであり、例えば図1に示すように、X線/可視光変換装置31と、集光装置32と、光検出装置33とを備える。X線量検出部3により検出されたX線量は制御部4に通知される。
X線/可視光変換装置31は、2次元配列X線源2のX線照射面全体を覆うように2次元配列X線源2のX線照射方向に設けられ、2次元配列X線源2から照射されるX線の一部を可視光に変換する装置である。X線/可視光変換装置31は、一般のX線画像診断装置に多用される例えば、タングステン酸カルシウム、酸硫化ガドリニウム・テルビウム、酸硫化ガドリニウム・プラセオジム等の蛍光体を塗布した、X線用蛍光板等により構成される。
集光装置32は、X線/可視光変換装置31により変換された可視光を集光し、光検出装置33の受光面に向かって放出させる。集光装置32は、例えば、プリズムを用い、光の屈折を利用した機構等により構成される。
光検出装置33は、集光装置32から放出された可視光を検出し、電気信号に変換する装置である。光検出装置33は、例えば、フォトダイオード等により構成される。フォトダイオードに可視光が入射すると、その入射強度に応じた出力電流(電気信号)を取り出すことができる。光検出装置33は検出した電気信号を制御部4に通知する。
制御部4は、光検出装置33により検出された電気信号の大きさに応じて2次元配列X線源2から出力されるX線量を、X線源グループG毎に調整する。すなわち、制御部4は、光検出装置33により検出された電気信号をX線源グループG毎に取得し、取得した電気信号を所定のX線照射時間分、積算し、その積算値を所定の目標値と比較する。そして、積算値(実測値)と目標値との偏差分を打ち消すように、そのX線源グループGが次のX線照射期間において印加する電圧の調整値を算出する。例えば、第1の実施の形態では、制御部4は、光検出装置33から通知された電気信号の大きさに基づいて陰極11と陽極10との間に印加する加速電圧の調整値を算出する。算出された調整値は、加速電圧制御部41に通知され、当該X線源グループGの次のX線照射期間において反映される。
加速電圧制御部41は、微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に印加する電圧である加速電圧を生成するユニットである。第1の実施の形態では、加速電圧制御部41が各X線源グループGの微小X線源Sの陰極11と陽極10の間に印加する電圧を調整することにより、出力X線量の調整を行う。調整値の算出方法及び手順については、後述する。
電界放出電子量制御部42は、微小X線源Sのゲート電極14に印加するゲート電極印加電圧を生成し、印加するユニットである。第1の実施の形態では、電界放出電子量制御部42は、X線照射期間中、全ての微小X線源S(すべてのX線源グループG)に対し、常に一定のゲート電極印加電圧を印加するものとする。
なお、加速電圧制御部41が全ての微小X線源S(すべてのX線源グループG)に対し、常に一定の加速電圧を印加し、電界放出電子量制御部42がゲート電極印加電圧を調整することにより各X線源グループGまたは各微小X線源Sの出力X線量の調整を行うことも可能である。この具体的な処理については第4の実施の形態で説明する。
次に、第1の実施形態のX線発生装置1の動作について説明する。
図4は、図1に示す構造を有するX線発生装置1が、X線発生装置1の前面から均一なX線を照射する一連の動作のタイミングチャートである。
時刻t=tはX線照射が開始される時刻である。
時刻t=t以前に、操作者は、図示しない操作器により管電圧、管電流、パルス幅等のパラメータを指定する。これらのパラメータはX線のスペクトルまたは強度に寄与するものである。管電圧は、X線源の陰極と陽極との間に印加する電圧である。管電流は、陰極と陽極との間に流れる電子の量である。パルス幅は、X線を放射する時間である。
(時刻t=t
時刻t=tにおいて、図示しない操作器によりX線照射の要求が発行されると、電界放出電子量制御部42はその要求に従い、全てのX線源グループGのゲート電極群に、設定された管電流に応じた電圧を印加する。管電流とゲート電極14への印加電圧との関係は、予め既知であるものとする。一方、加速電圧制御部41は、まず、X線源グループG1に含まれる各微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に予め設定された電圧(管電圧)を印加する。
ゲート電極14への電圧印加と同時に、電子放出源12の先端に局所電界が生じ、電子の電界放出が開始される。この電界放出電子群は、微小X線源Sの陰極11と陽極10との間の電位差で加速され、陽極(ターゲット)10と衝突し、X線が放射される。このX線の一部はX線/可視光変換装置31により可視光に変換される。変換された可視光は集光装置32により集光される。集光された可視光は、光検出装置33により電気信号に変換されて制御部4に入力される。光検出装置33が出力する電気信号は、X線の線量率(例えば[Sv/min])に比例し、またその積算値はX線量[Sv]に比例する値である。
制御部4は、光検出装置33から入力された電気信号の積算処理を行い、X線源グループG1からのX線照射が終了した時点で、積算値を保持する。制御部4は保持された積算値を参照して、次のX線源グループG1のX線照射時刻(t=t10)までの間に、各X線源グループGから照射されるX線量が均一となるようにするための電圧値の調整処理を行う。
調整処理において制御部4は、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)を所定の目標値と比較し、積算値(実測値)と目標値との偏差分を打ち消すように、そのX線源グループGにおいて印加する加速電圧の調整値を求める。積算値(実測値)が目標値より大きい場合は、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ小さくするよう調整する。一方、積算値(実測値)が上述の目標値以下となる場合は、陰極11と陽極10との間に印加する電圧を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ大きくするよう調整する。
(時刻t=t
時刻t=tにおいて、加速電圧制御部41は、X線源グループG1への陰極11及び陽極10間への電圧印加を停止してX線照射を一旦停止するとともに、別のX線源グループG2の微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に電圧の印加を開始する。X線源グループG2においても、X線源グループG1と同様に、陰極/陽極間への電圧印加と同時にX線が放射され、そのX線の一部がX線/可視光変換装置31、集光装置32、及び光検出装置33を介し、電気信号として取り出される。取り出された電気信号は、制御部4に入力される。加速電圧制御部42は、光検出装置33から入力された電気信号を積算し、X線源グループG2からのX線照射終了時(t=t)にその積算値を保持する。そして、当該X線源グループG2の次のX線照射開始時刻(t=t11)までの間に、積算値(実測値)と所定の目標値との比較結果に基づいて、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)の調整処理を行なう。
以下、この動作を全てのX線源グループG1〜G4について繰り返し行う。
制御部4は各X線源グループGについて、調整処理により積算値(実測値)と目標値との偏差を算出し、次のX線照射開始時刻において当該グループGに印加する新たな陰極/陽極間電圧を求める。新たな陰極/陽極間電圧を求めた後は、制御部4は保持した積算値をリセットする。
(時刻t=t10以降)
時刻t=t10以降は、各X線源グループG1,G2,…からそれぞれ2回目のX線照射が開始される。各X線源グループG1,G2,…の陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)は、前回(1回目)のX線照射期間後の調整処理において算出された調整後の値とする。
図4のタイミングチャートの下段に示すように、1回目のX線照射期間(t=t〜)において、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)は、X線源グループG1については目標値より小さく、X線源グループG2については目標値より大きい。この場合、制御部4は、次のX線照射期間(t=t10〜)において、加速電圧制御部41は陰極11と陽極10の間に印加する電圧(加速電圧)を、X線源グループG1については前回(1回目)よりも大きく設定し、X線源グループG2については前回(1回目)よりも小さく設定する(図4の「陰極陽極間印加電圧」欄参照)。
(時刻t=t20以降)
時刻t=t20において、各X線源グループGから3回目のX線照射が開始される。3回目以降も2回目のX線照射と同様に、各X線源グループGの陰極11と陽極10の間に印加する電圧(加速電圧)は、前回のX線照射後に求めた調整後の電圧とする。
図4のタイミングチャートに示すように、2回目のX線照射期間(t=t10〜)において、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)は、X線源グループG1,G2についていずれも目標値と等しくなっている。この場合、3回目のX線照射期間(t=t20〜)において、加速電圧制御部41は、前回(2回目)と等しい電圧を陰極11と陽極10の間に印加する。
以下、この調整処理に係る動作は、積算動作時間が設定したパルス幅と等しくなるまで繰り返される。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係るX線発生装置1は、複数の微小X線源Sを2次元マトリクス状に配置した2次元配列X線源2を有し、その2次元配列X線源2からの出力X線量を各X線源グループG毎にX線量検出部3(X線/可視光変換装置31、集光装置32、光検出装置33)により計測し、計測した値に応じて各X線源グループGまたは個々の微小X線源Sからの出力X線量が均一となるようにフィードバック制御を行う。これにより、複数の微小X線源Sを用いても、その製造上の特性のバラつき等に影響されず、常にX線発生装置1のX線照射面から均一なX線を得ることが可能となる。
なお、上述の説明では、陰極11と陽極10との間に印加する加速電圧をX線源グループG毎に制御するものとしているが、加速電圧に代えて、陰極11と陽極10とに電位を与える時間(印加時間)をX線源グループG毎に制御しても同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、各X線源グループGから出力されるX線量に比例する光検出装置33の出力を所定時間積算し、その積算結果を元に、再度同X線源グループGからX線が放射される際に、陰極11と陽極10との間に印加する電圧を調整する動作例を説明したが、必ずしもこのような動作に限定されない。例えば、常に光検出装置33の出力を監視し、その出力値の例えば微分値が所望の目標値となるように、陰極/陽極間印加電圧のフィードバック制御を行うように動作させてもよい。
[第2の実施の形態]
図5〜図6を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5は、第2の実施の形態のX線発生装置1Aの構成を示す図である。図5において、第1の実施の形態のX線発生装置1の各部と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1の実施の形態のX線発生装置1(図1参照)では、1つの2次元配列X線源2に対して、可視光を集光する集光装置32と、集光された可視光を検出する光検出装置33とをそれぞれ1つずつ備えていた。これに対し、第2の実施の形態のX線発生装置1Aは、1つの2次元配列X線源2に対して、複数の集光装置32a,32bと複数の光検出装置33a,33bを備える。図5に示す例では、2次元配列X線源2に含まれる微小X線源Sを2つのX線源グループG1,G2に分割し、各X線源グループG1,G2にそれぞれ集光装置32a,32bと光検出装置33a,33bを備えるものとする。
集光装置32aは、2次元配列X線源2により出力され、X線/可視光変換装置31により変換された可視光のうち、X線源グループG1から放出された可視光を集光する。光検出装置33aは、集光装置32aにより集光された光量を検出し、電気信号に変換して制御部4Aに出力する。つまり、X線源グループG1の出力X線量に応じた電気信号が制御部4Aに入力される。
同様に、集光装置32bは、2次元配列X線源2のX線源グループG2から出力され、X線/可視光変換装置31により変換された可視光を集光する。光検出装置33bは、集光装置32bにより集光された光量を検出し、電気信号に変換して制御部4Aに出力する。つまり、X線源グループG2の出力X線量に応じた電気信号が制御部4Aに入力される。
第2の実施の形態において、電界放出電子量制御部42は、X線源グループG1,G2の、陰極11とゲート電極14との間には、常に一定の電圧を印加する。また、加速電圧制御部41は、X線源グループG1,G2の、陰極11と陽極10との間には、同時に加速電圧を印加する。
制御部4Aは、光検出装置33a,33bから入力された各電気信号の大きさに基づき、X線源グループG1,G2についてそれぞれ微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に印加する電圧である加速電圧の調整値を求める。具体的には、制御部4Aは、光検出装置33a,33bから入力された各電気信号を所定の積算時間(図6のt=t〜t、t〜t、…)それぞれ積算し、積算時間が終了した時点(t=t、t、…)で、各積算値を保持する。
そして、制御部4Aは、各積算値(実測値)と所定の目標値とを比較し、積算値(実測値)の方が大きいX線源グループGについては、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ小さくするよう更新する。一方、積算値(実測値)が上述の目標値以下となるX線源グループGについては、陰極11と陽極10との間に印加する電圧を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ大きくするよう更新する。
以下、図6を参照して、第2の実施の形態のX線発生装置1Aの動作を説明する。図6は、図5に示す構造を有するX線発生装置1Aが、X線発生装置1Aの前面から均一なX線を照射する一連の動作のタイミングチャートである。
第1の実施の形態と同様に、操作者はまずX線の照射を開始する時刻t=t以前に、管電圧、管電流、パルス幅等のパラメータを指定する。
(時刻t=t)
時刻t=tにおいて、図示しない操作器によりX線照射の要求が発行されると、電界放出電子量制御部42はその要求に従い、全てのX線源グループG1,G2のゲート電極群に、設定された管電流に応じた電圧を印加する。管電流とゲート電極14への印加電圧との関係は、予め既知であるものとする。加速電圧制御部41はX線源グループG1,G2の両方の各微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に予め設定された電圧(管電圧)を印加する。
電圧印加と同時に、X線が放射される。このX線の一部はX線/可視光変換装置31により可視光に変換される。変換された可視光は集光装置32a,32bによりそれぞれ集光される。集光された可視光は、光検出装置33a,33bによりそれぞれ電気信号に変換されて制御部4Aに入力される。
制御部4Aは、光検出装置33a,33bから入力された各電気信号を所定時間(t=t〜t)それぞれ積算し、1区間の積算時間が終了した時点(t=t)で、各積算値を保持する。
(時刻t=t〜t
1回目の積算時間終了時刻t=tから次の積算時間開始時刻t=tの間に設けられる演算時間において、制御部4Aは、各X線源グループG1,G2について保持された各積算値を参照して、各X線源グループG1,G2から照射されるX線量が均一となるように調整処理を行う。
調整処理において制御部4Aは、光検出装置33a,33bから入力された電気信号の積算値(実測値)をそれぞれ所定の目標値と比較し、積算値(実測値)と目標値との偏差分を打ち消すように、加速電圧の調整値を求める。積算値(実測値)が目標値より大きい場合は、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ小さくするよう補正する。一方、積算値(実測値)が上述の目標値以下となる場合は、陰極11と陽極10との間に印加する電圧を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ大きくするよう補正する。
なお、図6のタイミングチャートでは、時刻t=tにおいて、制御部4Aは積算値(実測値)と目標値との偏差を算出し、新たな陰極/陽極間電圧を求めた後は、保持した積算値をリセットし、次の積算時間開始時刻t=tまで電気信号の積算動作を停止するものとしている。
図6のタイミングチャートでは、1回目の積算時間(t=t〜t)において、X線源グループG1からのX線量(光検出装置33aから出力された電気信号の積算値)は目標値より小さく、X線源グループG2からのX線量(光検出装置33aから出力された電気信号の積算値)は目標値より大きい。この場合、時刻t=tにおいて、加速電圧制御部41は、陰極11と陽極10の間に印加する電圧(加速電圧)を、X線源グループG1については前回(1回目)よりも大きく設定し、X線源グループG2については前回(1回目)よりも小さく設定する。
(時刻t=t
時刻t=t以降は、各X線源グループG1,G2からそれぞれ2回目の電気信号の積算動作が開始される。ここで、各X線源グループG1,G2の陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)は、前回(1回目)の積算時間における電気信号の積算値に基づいて算出された調整後の電圧とする。
2回目の積算時間(t=t〜t)においても、制御部4Aは1回目と同様に、光検出装置33a,33bから入力された電気信号をそれぞれ積算する。
2回目の積算時間(t=t〜t)において、光検出装置33a,33bから入力された電気信号の積算値(実測値)は、X線源グループG1,G2についていずれも目標値と等しくなっている。この場合、時刻t=tにおいて、加速電圧制御部41は、前回(2回目)の積算時間(t=t〜t)における印加電圧と等しい電圧を陰極11と陽極10の間に印加する。
以下、この動作は、積算動作時間が設定したパルス幅と等しくなるまで、繰り返される。
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態に係るX線発生装置1Aは、2次元配列X線源2に含まれる複数の微小X線源SをグループG1,G2に分割し、各グループ毎に出力X線量をX線量検出部3(X線/可視光変換装置31、集光装置32、光検出装置33)により計測する。そして、計測値に応じて各X線源グループG1,G2からの出力X線量が均一となるようにグループ毎にフィードバック制御を行う。これにより、第1の実施の形態のX線発生装置1による効果に加え、更に、各グループからの出力X線量を同時に計測して即時に応答できるようになる。
なお、第2の実施の形態では、集光装置32及び光検出装置33を各X線源グループに対して1つずつ設ける構成としたがこれに限定されない。例えば、図2に示すように、2次元配列X線源2に含まれる微小X線源Sを4つのグループG1,G2,G3,G4に分割する場合において、グループG1とグループG3からの出力X線量を図4の集光装置32a及び光検出装置33aで検出し、グループG2とグループG4からの出力X線量を図4の集光装置32b及び光検出装置33bで検出してもよい。この場合の動作は、1回目のX線照射期間の前半でグループG1とグループG2に対して陰極/陽極間電圧を印加し、光検出装置33a,33bからの出力電気信号をそれぞれ積算する。そして、次の当該グループG1,G2のX線照射開始時刻までに陰極/陽極間電圧の調整値をグループ毎にそれぞれ演算する。また、1回目のX線照射期間の後半でグループG3とグループG4に対し陰極/陽極間電圧を印加し、光検出装置33a,33bからの出力電気信号をそれぞれ積算する。そして、次の当該グループG3,G4のX線照射開始時刻までに陰極/陽極間電圧の調整値をそれぞれ演算する。
[第3の実施の形態]
図7を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。
図7は、微小X線源S、X線/可視光変換装置31、集光装置32B、及び光検出装置33Bの配置例を示す図である。なお、図7は各装置の配置とX線束及び光束の入出力の関係を説明するための図であり、簡略のために全ての光束及びX線束について図示していない。また、光束およびX線束は、矢印を用いて表現している。また、図7において、第1の実施の形態のX線発生装置1の各部と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第3の実施の形態のX線発生装置では、図1に示した第1の実施の形態のX線発生装置1のX線検出部3において、図7に示すように、個々の微小X線源Sから放出されたX線束Rを可視光の光束Lに変換し、それぞれ集光し、電気信号として取り出す。
このため、第3の実施の形態の集光装置32Bは、X線/可視光変換装置31により変換された可視光を、微小X線源S毎に集光して、それぞれ所定の方向へ放出する。集光装置32Bであるプリズムの形状は、X線/可視光変換装置31と光検出装置33Bとの位置関係により決定される。
光検出装置33Bは、各微小X線源Sから放出されるX線束Rに対応する可視光Lの光束をそれぞれ検出する光検出素子Dを2次元に配置したものである。光検出装置33Bは、2次元配列X線源2における微小X線源Sの配置に対応するように、複数の光検出素子Dをマトリクス状に配列する。すなわち、M×N個の微小X線源Sを有する2次元配列X線源2に対しては、M×N個の光検出素子Dを配列した2次元配列光検出装置を用いる。各光検出素子Dは、例えば、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)や、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等を用いることができる。
図7に示すように、微小X線源S(1,1)から放射されたX線束R(1,1)は、X線/可視光変換装置31により可視光の光束L(1,1)に変換される。更にその光束L(1,1)は集光装置32Bで屈曲され、光検出装置33Bの光検出素子D(1,1)に入射するよう構成される。同様に、X線束S(1,4)〜S(4,4)は、X線/可視光変換装置31によりそれぞれ光束L(1,4)〜(4,4)に変換され、光検出装置33Bの各光検出素子D(1,4)〜D(4,4)に入射するよう構成される。光検出装置33Bの各光検出素子Dにより検出された電気信号は、それぞれ制御部4に入力される。
第3の実施の形態において、制御部4は、各光検出素子Dから入力された各電気信号の大きさに基づき、各微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に印加する電圧である加速電圧を調整する。
このような構成を有するX線発生装置により、微小X線源S毎にその出力X線量を検出することができる。また、第3の実施の形態のX線発生装置がX線を照射する一連の動作は、第2の実施の形態の動作と同様である。
すなわち、制御部4は、光検出装置33Bの各光検出素子Dから入力される電気信号を取得し、それぞれ積算し、所定の時間毎にその積算値(実測値)と目標値とを比較する。積算値と目標値との間に差がある場合には、その偏差を打ち消すよう陰極11と陽極10との間に印加する電圧の調整値を求める。加速電圧制御部41は、制御部4により調整された電圧を対応する微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に印加する。
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態に係るX線発生装置は、2次元配列X線源2に含まれる各微小X線源Sからの出力X線量を、集光装置32B及び光検出装置33Bによって個別に計測できる。そして、制御部4は、計測値に応じて各微小X線源Sからの出力X線量が均一となるようにフィードバック制御を行う。これにより、複数の微小X線発生源Sを用いても、その製造上の特性のバラつき等に影響されず、常にX線発生装置1のX線照射面から均一なX線を得ることが可能となる。
[第4の実施の形態]
図8、図9を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。
図8は、第4の実施の形態のX線発生装置1Cの構成を示す図である。図8において、第1の実施の形態のX線発生装置1の各部と同一の構成要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1〜第3の実施の形態では、各微小X線源Sのゲート電極14に印加する電圧は常に一定とし、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)を調整することにより、各X線源グループGまたは微小X線源Sから出力されるX線量を調整していた。
第4の実施の形態では、陰極11と陽極10との間に印加する電圧(加速電圧)を常に一定とする。そして各微小X線源Sのゲート電極14に印加する電圧(ゲート電極印加電圧)を調整することで、各X線源グループGまたは各微小X線源Sから出力されるX線量を調整する。
このため、第4の実施の形態のX線発生装置1Cは、電界放出電子量制御部42が陰極11とゲート電極14の間に印加する電圧の値を調整するための制御部4Cを備える。制御部4Cは、光検出装置33によって検出された電気信号を取得し、積算し、所定時刻毎に積算値(実測値)と所望の目標値とを比較する。積算値と目標値との間に偏差が存在する場合には、その偏差を打ち消すようゲート電極14に印加する電圧を更新する。
なお、光検出装置33による可視光の検出は、第1の実施の形態のように2次元配列X線源2のX線源グループG毎に行ってもよいし、第3の実施の形態のように個々の微小X線源S毎に行ってもよい。また、第2の実施の形態に示すように、複数の集光装置32a,32b及び複数の光検出装置33a,33bを備え、各光検出装置33a、33bから出力された電気信号に基づいて、それぞれの電気信号に対応するX線源グループGのゲート電極14に印加する電圧を調整するようにしてもよい。
次に、第4の実施形態のX線発生装置1Cの動作について説明する。
図9は、図8に示すX線発生装置1Cが、X線発生装置1の前面から均一なX線を照射する一連の動作のタイミングチャートである。X線発生装置1Cの2次元配列X線源2は、図2に示すようにX線源グループG1〜G4毎にゲート電極14に印加する電圧を制御できるように構成されているものとする。
第1の実施の形態と同様に、X線照射が開始される時刻t=t以前に、操作者により管電圧、管電流、パルス幅等のパラメータが指定される。
(時刻t=t)
時刻t=tにおいて、図示しない操作器によりX線照射の要求が発行されると、加速電圧制御部41はその要求に従い、まず、X線源グループG1に含まれる各微小X線源Sの陰極11と陽極10との間に予め設定された電圧(管電圧)を印加する。一方、電界放出電子量制御部42は、複数の微小X線源Sから構成されるX線源グループGのうち1つのX線源グループG1のゲート電極群に、設定された管電流に応じた電圧を印加する。管電流とゲート電極14への印加電圧との関係は、予め既知であるものとする。
ゲート電極14への電圧印加と同時に、電子放出源12の先端に局所電界が生じ、電子の電界放出が開始される。この電界放出電子群は、微小X線源Sの陰極11と陽極10との間の電位差で加速され、陽極(ターゲット)10と衝突し、X線が放射される。このX線の一部はX線/可視光変換装置31により可視光に変換される。変換された可視光は集光装置32により集光される。集光された可視光は、光検出装置33により電気信号に変換されて制御部4Cに入力される。
制御部4Cは、光検出装置33から入力された電気信号の積算処理を行い、X線源グループG1からのX線照射が終了した時点での積算値を保持する。制御部4Cは保持された積算値を参照して、次のX線源グループG1のX線照射時刻(t=t10)までの間に、各X線源グループGから照射されるX線量が均一となるようにするための電圧値の調整処理を行う。
調整処理において制御部4Cは、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)を所定の目標値と比較し、積算値(実測値)と目標値との偏差分を打ち消すように、そのX線源グループGの次のX線照射開始時刻におけるゲート電極印加電圧の調整値を求める。積算値(実測値)が目標値より大きい場合は、ゲート電極14に印加する電圧(ゲート電極印加電圧)を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ小さくするよう調整する。一方、積算値(実測値)が上述の目標値以下となる場合は、ゲート電極印加電圧を積算値(実測値)と目標値との偏差分だけ大きくするよう調整する。
(時刻t=t
時刻t=tにおいて、電界放出電子量制御部42は、X線源グループG1のゲート電極14への電圧印加を停止してX線照射を一旦停止する。その後、別のX線源グループG2のゲート電極14への電圧印加を開始する。X線源グループG2においても、X線源グループG1と同様に、ゲート電極14への電圧印加と同時にX線が放射されるとともに、そのX線の一部をX線/可視光変換装置31、集光装置32、及び光検出装置33を介し、電気信号として取り出す。取り出された電気信号は、制御部4Cに入力される。制御部4Cの電界放出電子量制御部42は、光検出装置33から入力された電気信号を積算し、X線源グループG2からのX線照射終了時(t=t)にその積算値を保持する。そして、当該X線源グループG2の次のX線照射開始時刻(t=t11)までの間に、積算値(実測値)と所定の目標値との比較結果に基づいて、X線源グループG2のゲート電極14に印加する電圧の調整処理を行なう。
以下、この動作を全てのX線源グループGについて繰り返し行う。
制御部4Cは各X線源グループGについて、調整処理により積算値(実測値)と目標値との偏差を算出し、次の区間に印加する新たなゲート電極印加電圧を求める。新たなゲート電極印加電圧を求めた後は、制御部4Cは保持した積算値をリセットする。
(時刻t=t10以降)
時刻t=t10以降は、各X線源グループG1,G2,…からそれぞれ2回目のX線照射が開始される。ここで、各X線源グループG1,G2,…のゲート電極14に印加する電圧(加速電圧)は、前回(1回目)のX線照射後の調整処理において算出された調整後の値とする。
図9のタイミングチャートの下段に示すように、1回目のX線照射期間(t=t〜)において、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)は、X線源グループG1については目標値より小さく、X線源グループG2については目標値より大きい。この場合、次のX線照射期間(t=t10〜)において、電界放出電子量制御部42はゲート電極14に印加する電圧を、X線源グループG1については前回(1回目)よりも大きく設定し、X線源グループG2については前回(1回目)よりも小さく設定する(図9の「ゲート電極印加電圧」欄参照)。
(時刻t=t20以降)
時刻t=t20において、各X線源グループGから3回目のX線照射が開始される。3回目以降も2回目のX線照射と同様に、各X線源グループGのゲート電極14に印加する電圧(加速電圧)は、前回のX線照射後に求めた調整後の電圧とする。
図9のタイミングチャートに示すように、2回目のX線照射期間(t=t10〜)において、光検出装置33から入力された電気信号の積算値(実測値)は、X線源グループG1,G2についていずれも目標値と等しくなっている。この場合、次(3回目)のX線照射期間(t=t20〜)において、電界放出電子量制御部42は、前回(2回目)と等しい電圧をゲート電極14に印加する。
以下、この調整処理に係る動作は、積算動作時間が設定したパルス幅と等しくなるまで繰り返される。
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態に係るX線発生装置1Cは、2次元配列X線源2からの出力X線量をX線量検出部3(X線/可視光変換装置31、集光装置32、光検出装置33)により計測し、計測した値に応じて各X線源グループGからの出力X線量が均一となるように、ゲート電極14へ印加する電圧の調整を行う。
これにより、第1から第3の実施の形態と同様に、複数の微小X線源Sを用いても、その製造上の特性のバラつき等に影響されず、常にX線発生装置1の前面から均一なX線を得ることが可能となる。
ゲート電極に印加する電圧を調整することにより出力X線量を調整する場合は、陰極/陽極間印加電圧を調整する場合と比較して、以下の点で有利である。
(1)陰極/陽極間印加電圧は、40kV〜150kVと高電圧であるのに対し、ゲート電極14への印加電圧は低く、制御が容易である。そのため回路構成が簡略化でき、信頼性が向上し、装置の小型化やコストの低減を図ることが可能となる。
(2)陰極/陽極間印加電圧を調整すると、X線の線質(スペクトル形状)が変わる。その結果、画質に影響が及ぶことがあるが、ゲート電極14に印加する電圧を調整する場合は、線質(スペクトル形状)を変化させることなくX線強度を調整できる。
なお、上述の説明では、各X線源グループGから照射されるX線量が均一となるように、電界放出電子量制御部42がゲート電極14に印加する電圧をX線源グループG毎に制御しているが、ここでゲート電極電位の代替として、ゲート電極に電位を与える時間をX線源グループ毎に制御しても、同様の効果が得られる。
また、各X線源グループGから出力されるX線量に比例する光検出装置33の出力を所定時間積算し、その積算結果を元に、再度同X線源グループ33からX線が放射される際に、ゲート電極14に印加する電圧を調整するといった動作を説明したが、必ずしもこのような動作に限定されない。例えば、常に光検出装置33の出力を監視し、その出力値の例えば微分値が所望の目標値となるように、ゲート電極14に印加する電圧のフィードバック制御を行うように動作させてもよい。
[第5の実施の形態]
図10〜図13を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。図10は、XYZ軸で表現する3次元空間に1×5個の微小X線源Sを配置した図である。図10において、X線/可視光変換装置31、集光装置32等は省略している。また、以下の説明では、第1〜第4の実施形態のX線発生装置1,1A,1C等と同一の構成要素については同一の符号を付すものとし、重複する説明を省略する。
図10において、X線の放射方向はZ軸方向である。図10に示すX線源2aのX線放射面から所定距離離れ、かつX軸と平行な線分上での1つの微小X線源Sから放射されるX線の強度分布の一例を図11に示す。
1つの微小X線源Sから放射されるX線の強度分布が図11に示すような強度分布になると仮定した場合、図10に示すように複数の微小X線源Sから並べられたX線源2aから放射されるX線の強度分布は、図12に示す強度分布のようになる。なお、本来、X線強度とは3次元的に分布するものであるが、ここでは説明を簡便にするため、X軸方向のみについて図示している。
複数並べられた微小X線源S(1,1)〜S(1,5)のうち、例えばS(1,3)が欠損し、そのX線出力がゼロとなった場合、全体のX線強度分布は、図13において実線で示す合成X線強度のようになる。
本発明の第5の実施形態のX線発生装置において、このようなX線源の欠損が生じた場合に、制御部4は、その欠損を補償する機能を更に備える。
制御部4は、2次元配列X線源2のどの微小X線源2に欠損が生じているかを、第1から第4の実施形態のいずれかに示すX線/可視光変換装置31、集光装置32(32a、32b、32B)、及び光検出装置33(33a,33b、33B)を用いることにより認識できる。すなわち、制御部4は、光検出装置33で検出された各微小X線源S(またはX線源グループG)に対応する電気信号の大きさを周囲の微小X線源S(またはX線源グループG)からの電気信号の大きさと比較することで、どの微小X線源S(またはX線源グループG)で欠損が生じているかを認識できる。
例えば、図13の破線に示すように、微小X線源S(1,3)の欠損を認識した場合、電界放出電子制御部41または加速電圧制御部42は、その微小X線源S(1,3)に隣接するX線源であるS(1,2)及びS(1,4)のゲート電極電位もしくは陰極11と陽極10との間の加速電圧を調整する。これにより、微小X線源S(1,3)からのX線強度を補正する。
S(1,2)及びS(1,4)に印加するゲート電極電位または陰極/陽極間電圧を増加することで、図13の中央の破線に示すように、S(1,3)のX線強度が増加する。
このように、第5の実施の形態において、制御部4は、2次元配列X線源2に配置されている微小X線源Sに欠損が認められた場合、隣接する微小X線源SまたはX線源グループGがその欠損を補償する。このため、X線強度を均一な状態に近づけることができ、画像診断への影響を最小限に抑えることが可能となる。
なお、上述の説明では、一例として1×5個の微小X線源Sから構成されるX線源2aとし、各々の微小X線源Sのゲート電極電位もしくは陰極と陽極との間の加速電圧を調整する構成としたが、この例に限定されない。例えば、幾つかの微小X線源Sから構成されるX線源グループG毎にゲート電極電位もしくは陰極と陽極との間の加速電圧を調整するものとしてもよい。
また、本第5の実施の形態においては、X線源2aの欠損補償を、欠損した微小X線源に隣接する微小X線源Sのゲート電極電位または陰極と陽極との間の加速電圧を調整する方法を示したが、これに限定されない。例えば、微小X線源S毎に電子軌道を制御する集極電極を用意し、同電極の電位を調整する事により、欠損したX線源に隣接するX線源Sにおけるターゲット(陽極10)への電子衝突面の形状を変え、X線強度分布を制御することも可能である。
以上、本発明に係るX線発生装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、2次元配列X線源2の近傍にX線量検出部3(X線/可視光変換装置31、集光装置32、光検出装置33)を設けることを想定しているが、これに限定しない。例えば、X線診断装置等におけるFPD(Flat Panel Detector)等のような複数の検出素子を備えたX線検出器によって検出したX線量を加速電圧制御部41または電界放出電子量制御部42に入力し、2次元配列X線源2の各微小X線源Sの出力X線量の調整を行ってもよい。ただし、X線検出器(FPD)でX線量を計測する場合は、被検体の撮影中に行うと被検体によりX線の一部が遮られるため、撮影の事前に被検体がない状態で行う調整動作を実施する必要がある。一方、第1〜第4の実施の形態に示すように、2次元配列X線源2側にX線量検出部3を設ける場合は、被検体の撮影中であっても出力X線量を正確に計測できるため、撮影中にリアルタイムに出力X線量を調整できる点で優位である。
その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1・・・・・・・・・X線発生装置
2・・・・・・・・・2次元配列X線源
3・・・・・・・・・X線量検出部
31・・・・・・・・X線/可視光変換装置
32・・・・・・・・集光装置
33・・・・・・・・光検出装置
4・・・・・・・・・制御部
41・・・・・・・・加速電圧制御部
42・・・・・・・・電界放出電子量制御部
S・・・・・・・・・微小X線源
G・・・・・・・・・X線源グループ
R・・・・・・・・・X線束
L・・・・・・・・・光束
D・・・・・・・・・光検出素子

Claims (8)

  1. 複数の微小X線源が2次元に配置された2次元配列X線源と、
    前記2次元配列X線源に対して所定の電圧を印加し、X線を出力させる制御部と、
    前記2次元配列X線源から出力されたX線量を検出するX線量検出部と、を備え、
    前記制御部は、前記X線量検出部により検出されたX線量に応じて、個々の微小X線源毎に、または複数の微小X線源から構成されるグループ毎に前記電圧の値を調整することを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記X線量検出部は、
    前記2次元配列X線源のX線照射面全体を覆うように設けられ、前記2次元配列X線源から照射されるX線の少なくとも一部を可視光に変換するX線/可視光変換装置と、
    前記X線/可視光変換装置により変換された可視光を集光する集光装置と、
    前記集光装置により集光された可視光の大きさを検出し、前記制御部に通知する光検出装置と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記制御部は、前記グループ毎に期間をずらして電圧を印加し、前記X線量検出部により検出したX線量を前記期間毎に積算した積算値と所定の目標値とを比較し、前記積算値と前記目標値との偏差分を打ち消すように、前記グループに印加する電圧値を調整することを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  4. 前記集光装置は、前記グループ毎に可視光を集光し、
    前記光検出装置は、前記グループ毎に集光された可視光の大きさを検出し、
    前記制御部は、前記グループ毎に検出された可視光の大きさに基づいて、前記グループに印加する電圧値を調整することを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
  5. 前記集光装置は、前記微小X線源毎に可視光を集光し、
    前記光検出装置は、前記微小X線源毎に集光された可視光の大きさを検出し、
    前記制御部は、前記微小X線源毎に検出された可視光の大きさに基づいて、前記微小X線源に印加する電圧値をそれぞれ調整することを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
  6. 前記制御部が調整する電圧の値は、前記微小X線源における陰極と陽極との間に印加する電圧の値であることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  7. 前記制御部が調整する電圧の値は、前記微小X線源におけるゲート電極と陰極との間に印加する電圧の値であることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  8. 前記制御部は、欠損した微小X線源の周囲の微小X線源に印加する電圧の値を調整することにより前記欠損の補償を行うことを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
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