JP2015170310A - 準備動作を含む同期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スレーブ軸2が同期する区間の始点に停止した状態からいきなりマスタ軸1に同期すると、スレーブ軸2の速度が0から急激に変化するため機械的なショックが発生してしまう。そのため、スレーブ軸2のコンベア方向の移動を3つの動作に分けて行う。ツール(印字装置)が進行方向手前に位置している状態をサイクルの始点5とする。前記3つの動作は、同期準備動作6a,同期動作6b,戻り動作6cである。ツールがサイクルの始点5に位置しているとすると、同期準備動作6a、同期動作6b、戻り動作6cの順に動作を行う。
【選択図】図3
Description
そこで本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、スレーブ軸は、同期開始位置に向けて緩やかに加速を行うことができる加速区間の開始点を算出し移動を行い、その後、マスタ軸の移動に合わせて徐々に加速していくことで、同期準備動作を行う同期制御装置を提供することである。
請求項2に係る発明は、マスタ軸が指定した位置に移動する間に、スレーブ軸が指定した距離移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、前記マスタ軸の位置と、前記スレーブ軸の移動量と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、前記マスタ軸が指定した位置に到達する時点で、スレーブ軸が指定した距離を移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、前記スレーブ軸を、指定した移動量から前記移動量算出手段で算出した移動量を引いた量だけ移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点まで移動する移動手段と、を有することを特徴とする同期制御装置である。
請求項4に係る発明は、マスタ軸が指定した距離を移動する間に、スレーブ軸が指定した距離を移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、前記マスタ軸の移動量と、前記スレーブ軸の移動量と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、前記マスタ軸が指定した距離を移動し終える時点で、スレーブ軸が指定した移動量を移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、前記スレーブ軸を、指定した移動量から前記移動量算出手段で算出した移動量を引いた量だけ移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点までの移動する移動手段と、を有することを特徴とする同期制御装置である。
請求項6に係る発明は、前記移動手段は、スレーブ軸の、加速開始位置への移動のための軸速度と、マスタ軸に合わせて加速するための軸速度とを加算した速度で移動させることを特徴とする請求項1から5記載のうちいずれか1項に記載の同期制御装置である。
(実施形態1):請求項1に対応
図3は実施形態1に係るシステムを示す図である。コンベヤ3と印字装置(図示せず)から構成されるシステムを例に本発明について説明する。このシステムでは、マスタ軸1が駆動するコンベヤ3によって移動しているワーク4と、スレーブ軸2が駆動するツール(印字装置)とが、プログラムで定めた区間において同じ速度で同期している間に印字加工を行う。
・スレーブ軸の終点位置X=200.0
・マスタ軸の終点位置R=200.0
・同期準備動作の終点におけるマスタ・スレーブ間の速度比率Q=1.0
また、スレーブ軸の動作条件として、加減速時間をTとする。なお、加減速時間Tはあらかじめ同期制御装置にパラメータとして設定されている。
まずスレーブ軸の加減速時間Tを満足するような、加速動作におけるスレーブ軸速度f(Xm)を考える。この関数fはマスタ軸の位置Xmによって定まり、数1式の関係を満たす。
スレーブ軸は時間Tで加速を完了するので加速区間の移動量X1は数2式により算出される。
同期準備動作におけるスレーブ軸終点位置Xへの移動量としてX1では足りない残りの移動量をX2とする。X2はX1と符号が異なる値となることもある。
まず、同期準備動作を開始すると、スレーブ軸は移動量X2の移動を開始する。この移動についてはマスタ軸とは無関係に行って良いので、例えば時定数Tで加速と減速を行う早送りを行う。
スレーブ軸が加速区間の移動量X1を移動し終えたら、同期準備動作は終了し、次の動作である同期動作を開始する。
図8は実施形態2に係るシステムを示す図である。請求項1に対応する実施形態では、プログラムで指定した位置に向かって同期動作を行うが、機械の構成や目的によっては、同期動作を行う区間が毎回同じではないことがある。図8では、ワーク4がコンベア3上の紙面左側の位置にあるときに、同期準備動作6a,同期動作6b,戻り動作6cを行うが、次の回の動作では、コンベア3上の紙面右側の位置にあるときに、同期準備動作6a,同期動作6b,戻り動作6cを行う。そのような動作を同じプログラムで記述するには、マスタ軸1とスレーブ軸2について終点位置ではなく移動量で指定する必要がある。
図9は実施形態3に係るシステムを示す図である。例えば、マスタ軸1が絶対的な位置の情報を持たない機械の場合には、加工開始スイッチ7からの信号入力などをきっかけとして加工を開始することになり、同期区間のマスタ軸1の座標値は開始直前まで定まらない。プログラム内にマスタ軸の座標値を事前に指定することができないため、同期動作および同期準備動作には移動量を指定する。
請求項4に係る実施形態4はマスタ軸とスレーブ軸の両方が移動量で指定される場合である。実施形態4は、請求項2に係る実施形態のスレーブ軸2の特徴と請求項3に係る実施形態のマスタ軸1の特徴の両方を持つ装置である。
図10は実施形態5を説明する図である。実施形態1において、同期動作におけるマスタ軸の速度を切り替えて運転を行う場合に、スレーブ軸の移動パターンを変更しないと、加速度が変化してしまう。そこで、マスタ軸の移動に合わせてスレーブ軸を加速させる区間において、指定した加速度となるようにスレーブ軸の動作を決め、その際に同期準備動作全体で必要な移動量を満たすような移動量X1とX2を計算することで、指定した加速度で動作させることができる。
図11は実施形態6を説明する図である。実施形態1では、移動量X2を移動して停止後に移動量X1を移動させるため、マスタ軸が位置Rsに到達する前に移動量X2の移動を完了しなければならない。その結果、移動量X2のためのスレーブ軸の速度と加速度が大きくなってしまう。そこで、2つの移動を同時並行的に行うことにより、マスタ軸が位置Rsに到達して移動量X1のための移動が開始してからも移動量X2の移動を続けることができる。そのため、速度や加速度を低く抑えることができる。
置であり、インタフェース18は表示器/MDIユニット34のキーボードからの指令,データを受けてCPU11に渡す。
[ステップsa01]プログラムのブロックから指令情報を読み込む。実施形態1の(1)に対応する。
[ステップsa02]マスタ軸速度を取得する。
[ステップsa03]加速区間におけるスレーブ軸の移動量X1を算出する。実施形態1の(2)に対応する。
[ステップsa04]加速区間の開始条件となるマスタ軸の位置Rsを算出する。
[ステップsa05]非加速区間におけるスレーブ軸の移動量X2を算出する。
[ステップsa06]指令開始後の時間と非加速区間の移動量X2からスレーブ軸の速度V2を算出し、指令する。実施形態1の(3)に対応する。
[ステップsa07]マスタ軸が指令終点を通過したか否かを判別し、指令終点を通過した場合(YES)には処理を終了し、指令終点を通過していない場合(NO)にはステップsa08へ移行する。実施形態1の(4)に対応する。
[ステップsa08]マスタ軸位置と加速区間の移動量X1からスレーブ軸の速度V1を算出し、指令し、ステップsa07へ戻る。
[ステップsb01]プログラムのブロックから指令情報を読み込む。
[ステップsb02]マスタ軸速度を取得する。
[ステップsb03]加速区間におけるスレーブ軸の移動量X1を算出する。
[ステップsb04]加速区間の開始条件となるマスタ軸の位置Rsを算出する。
[ステップsb05]非加速区間におけるスレーブ軸の移動量X2を算出する。
[ステップsb06]マスタ軸が指令終点を通過したか否か判断し、通過した場合(YES)には処理を終了し、通過していない場合(NO)にはステップsb07へ移行する。
[ステップsb07]マスタ軸位置と加速区間の移動量X1から速度V1を算出する。
[ステップsb08]指令開始後の時間と非加速区間の移動量X2から速度V2を算出する。
[ステップsb09]V1+V2をスレーブ軸の速度指令とし、ステップsb06に戻る。
2 スレーブ軸
3 コンベア
4 ワーク
5 サイクルの始点
6a 同期準備動作
6b 同期動作
6c 戻り動作
7 加工開始スイッチ
10 同期制御装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 CMOS
15 インタフェース
16 PMC
17 I/Oユニット
18 インタフェース
19 バス
20 軸制御手段
21 軸制御手段
22 サーボアンプ
23 サーボアンプ
30 マスタ軸モータ
31 スレーブ軸モータ
34 表示器/MDIユニット
Claims (6)
- マスタ軸が指定した位置に移動する間に、スレーブ軸が指定した位置に移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、
前記マスタ軸の位置と、前記スレーブ軸の位置と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、
前記マスタ軸が指定した位置に到達する時点で、スレーブ軸が指定した位置に移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、
前記スレーブ軸を、指定した位置から前記移動量算出手段で算出した移動量だけ手前の位置に移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点まで移動する移動手段と、
を有することを特徴とする同期制御装置。 - マスタ軸が指定した位置に移動する間に、スレーブ軸が指定した距離移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、
前記マスタ軸の位置と、前記スレーブ軸の移動量と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、
前記マスタ軸が指定した位置に到達する時点で、スレーブ軸が指定した距離を移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、
前記スレーブ軸を、指定した移動量から前記移動量算出手段で算出した移動量を引いた量だけ移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点まで移動する移動手段と、
を有することを特徴とする同期制御装置。 - マスタ軸が指定した距離を移動する間に、スレーブ軸が指定した位置に移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、
前記マスタ軸の移動量と、前記スレーブ軸の位置と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、
前記マスタ軸が指定した距離を移動し終える時点で、スレーブ軸が指定した位置に移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、
前記スレーブ軸を、指定した位置から前記移動量算出手段で算出した移動量だけ手前の位置に移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点までの移動する移動手段と、
を有することを特徴とする同期制御装置。 - マスタ軸が指定した距離を移動する間に、スレーブ軸が指定した距離を移動し、その直後から同期動作を開始する同期制御装置において、
前記マスタ軸の移動量と、前記スレーブ軸の移動量と、前記マスタ軸と前記スレーブ軸が指定した移動を終えたときの速度比を指定する手段と、
前記マスタ軸が指定した距離を移動し終える時点で、スレーブ軸が指定した移動量を移動し、かつマスタ軸に対して指定の速度比となるように、スレーブ軸がマスタ軸の位置に応じて移動するために必要な移動量を算出する移動量算出手段と、
前記スレーブ軸を、指定した移動量から前記移動量算出手段で算出した移動量を引いた量だけ移動し、その後マスタ軸の位置に応じて終点までの移動する移動手段と、
を有することを特徴とする同期制御装置。 - 前記スレーブ軸の加速度を指定する手段と、前記移動量算出手段は移動中の加速度が指定した加速度となるような移動量を計算することを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の同期制御装置。
- 前記移動手段は、スレーブ軸の、加速開始位置への移動のための軸速度と、マスタ軸に合わせて加速するための軸速度とを加算した速度で移動させることを特徴とする請求項1から5記載のうちいずれか1項に記載の同期制御装置。
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