JP2015170091A - 加工条件算出装置、方法、プログラム、加工装置及び測定装置 - Google Patents

加工条件算出装置、方法、プログラム、加工装置及び測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の加工精度の加工材を得る加工条件算出装置、方法、プログラム、加工装置及び測定装置を提供する。【解決手段】加工条件算出装置1は、素材の内部応力と、素材を1つ以上の工程で加工することによる加工応力とから、素材の変形量を算出する計算部12と、変形量が所定基準外であるか否かを算出し、変形量が所定基準外である場合に、工程の加工条件を算出する特定部14と、算出した加工条件を出力する出力処理部15と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、加工条件算出装置、方法、プログラム、加工装置及び測定装置に関する。
特開2008−40588号公報(特許文献1)には、「内部応力の発生している粗材を切削して製造される製造物の3次元形状を予測する装置であって、粗材の形状を複数の微小要素によりモデル化した3次元形状データを入力する手段と、粗材の各微小要素に発生している内部応力を入力する手段と、切削加工時の切削条件を入力する手段と、入力された粗材の3次元形状データと切削条件を用いて、その切削条件で粗材を切削加工したときの切削範囲を算出する第1シミュレーション手段と、算出された切削範囲を用いて粗材の3次元形状データを修正する手段と、修正された3次元形状データと入力された内部応力を用いて、内部応力が作用するときの切削加工後の粗材の3次元形状データを算出する第2シミュレーション手段と、を有する形状予測装置」が記載されている。
特開2008−40588号公報
内部応力を有する素材を切削加工により所望形状に成形したとき、切削加工により付与される加工応力と素材の内部応力が合わさり、加工変形が生じる。このため、所望の加工精度が得られず、製品歩留まりの低下や、高精度が要求される製品の切削加工そのものが困難な場合がある。特に、精密部品の切削加工においてこのような加工変形は問題となる。
特許文献1に記載の技術は、加工後の3次元形状データを算出するのみであり、所望の加工精度の加工材を得ることはできない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、所望の加工精度の加工材を得る技術の提供を目的とする。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、加工条件算出装置であって、素材の内部応力と、当該素材を1つ以上の工程で加工することによる加工応力とから、前記素材の変形量を算出する計算部と、変形量が所定基準を満たさない場合に、工程の加工条件を算出する特定部と、算出した加工条件を出力する出力処理部と、を含む。
本願の発明によれば、所望の加工精度の加工材を得ることができる。上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
素材の切削加工について説明する図である。 加工条件算出装置1のブロック図である。 加工応力DBの一例である。 変形量データの一例である。 加工条件算出装置を実現するハードウェア構成である。 加工条件算出装置の動作フロー図である。 初期値の入力を受け付ける画面例である。 特定処理の動作フロー図である。 変数iごとの変形量Δjの推移を示す。 加工条件を出力する画面例である。 従来技術の場合と、上記実施形態の技術により図1に示す素材を加工した場合との解析結果の一例である。 第2の実施形態の加工条件算出装置の動作フローである。 第2の実施形態の特定処理の動作フロー図である。 変数iごとの変形量Δjの推移を示す。
以下、本実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は本願を実施する一例であり、これに限定するわけではない。また、以下では、同じ構成に対しては同じ符号を付与して説明を省略する。
まず、以下で説明する実施形態で例示する素材の加工について説明する。本実施の形態は、内部応力を有する素材を加工するあらゆる場合に適用可能であるが、ここでは、その一例として、原素材を鍛造して成型した素材を切削加工する場合を説明する。なお、以下で説明する素材の形状、加工材の形状、工程の数や位置、変形量の発生部位などは一例であり、これに限定するわけではない。
図1は、素材の切削加工について説明する図である。図1(a)に示す素材100は、治具220により工作機械200に固定され、工作機械200にチャック等された工具210により転削加工される。
切削の対象となる加工エリアAは、1つ以上のエリアAg(g≧1の整数)からなり、ここでは、g=4、即ち、エリアA1〜A4という4つの領域に分け、1つ領域が1つの工程で切削されるものとする。なお、ここでいう工程とは、単一の加工条件で加工する加工過程をいう。ただし、各エリアAの加工条件は同じでもよく、異なってもよい。
エリアA1〜A4の各々は、図1(b)に示すように、任意数のパス230により切削加工される。加工エリアAを切削することにより、図1(c)に示す所望形状の加工材150が得られる。この加工材150は、加工応力により、図1(d)に一例を示すように、基準値に対し変形量Δ(図1ではΔj)が生じている。このような加工応力による素材100の変形は如何なる部位にも生じうる。以下では、部位Pjに発生する変形量をΔjとして説明する。また、i番目の工程の加工後に部位Pjに発生する変形量をΔjとして説明する。
ここでは説明の簡略化のために1つの変形量のみを例示する。その例として、j=1であり、変形量Δ1が発生する部位P1は、図1(d)に示す位置である場合を説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態を説明する。図2は、加工条件算出装置1のブロック図である。加工条件算出装置1は、制御部10と、記憶部20とを有する。制御部10は、設定部11、計算部12、判定部13、特定部14、出力処理部15等を有する。記憶部20は、加工応力DB(データベース)21、変形量データ22等を有する。
設定部11は、初期値や各値を設定する。計算部12は、素材100の有する内部応力と、切削加工により素材100に付与される加工応力とから、素材100の変形量Δを算出する。判定部13は、計算部12の算出した素材の変形量Δが所定の加工精度範囲内であるか否か判定する。特定部14は、変形量Δを加工精度範囲内とさせない工程を特定し、その工程での加工条件を算出する。出力処理部15は、情報の出力処理を行う。
加工応力DB21は、素材を切削加工する加工条件と、その加工条件で加工した際に素材に付加される加工応力とを示す。加工条件は、例えば、切削加工に用いる加工装置200や工具210の種類や仕様、切削速度、送り速度、切込み量などであるが、これに限定しない。
図3は、加工応力DB21の一例である。図示するように、加工応力DB21は、加工条件(種別、直径及び長さなどの工具条件、切削速度、送り速度、切込み量等)毎の、加工応力を含む。
加工応力DB21内の加工条件毎の加工応力は、特に限定しないが、例えば、加工表面に付与される3次元的な加工応力σを予め切削シミュレーションしたもの、もしくは、テストピースを用いた切削加工試験により求めた測定値であってもよい。ただし、加工応力は3次元的でなくてもよく、2次元的であってもよい。また、データ構造も特に限定せず、図3に示すように加工条件毎の加工応力が直接示されていてもよい。或いは、加工条件と加工応力の相関関係から構築された近似的な補完式が加工応力DB21に格納されており、これを用いて加工応力を算出可能なようにしておいてもよい。或いは、これらの組み合わせでもよい。
なお、加工応力は、加工後の表面に付与される加工応力σのデータベースであってよいが、これに限定するわけではなく、加工応力σは加工表面の平均的な値でも良いし、加工表面深さ方向に対する関数で表されていても良い。或いは、これらの組み合わせでもよい。
また、加工条件は図3に示すものに限るわけではなく、他の加工条件に加工応力を対応させてもよい。
図2に戻る。変形量データ22は、加工条件と、その加工条件で加工したときに素材に付与される加工応力と、その加工条件で加工したときの素材の変形量とを示す。変形量データ22内の情報は、後述する処理により得られるものである。
図4は、変形量データ22の一例である。図示するように、変形量データ22は、加工条件毎に、加工応力と、変形量等とを含む。
図5は、加工条件算出装置1を実現するハードウェア構成である。加工条件算出装置1は、演算装置51、メモリ52、外部記憶装置53、入力装置54、出力装置55、通信I/F(インターフェース)56、読取書込み装置57等を有する。これらはバス等により互いに接続されている。
演算装置51は例えばCPU(Central Processing Unit)等である。メモリ52は、揮発性メモリである。外部記憶装置53は、例えばHDD(Hard disk drive)やSSD(solid state drive)等である。入力装置54は、例えばキーボード、マウス、マイク、タッチパネル等である。出力装置55は、例えばディスプレイ装置、スピーカ、プリンタ、タッチパネル等である。加工条件算出装置1は、通信I/F56を介して通信ネットワーク(図示略)と接続する。読取書込み装置57は、可搬性記憶媒体58へ情報を書込み、及び、可搬性記憶媒体58からの情報の読み取りを行う。
制御部10内の各部は、演算装置51がメモリ52にロードしたプログラムを実行することにより実現してもよい。このプログラムは、予めメモリ52や外部記憶装置53等に記憶されていてもよく、可搬性記憶媒体58に記憶されているものを読取書込み装置57が読み出してインストールしてもよく、通信ネットワークから通信I/F56を介してダウンロードされたものをインストールしてもよい。
ただし、制御部10内の各部の全て又は一部は、回路などのハードウェアとして実現されてもよい。また、制御部10内の各部は、1つの装置等で実現されてもよく、複数の装置で分散して実現されてもよい。
記憶部20内の各情報は、メモリ52、外部記憶装置53、可搬性記憶媒体58等に記憶される。又は、これらの情報の一部又は全ては、メモリ52、外部記憶装置53、可搬性記憶媒体58等に分散して記憶されていてもよく、通信ネットワークを介して接続される他の装置(図示略)のメモリ52、外部記憶装置53等に記憶されていてもよい。
なお、上記各部は便宜上の構成であり、ある部が他の部に含まれていてもよく、また、さらに分割等されてもよい。
また、加工条件算出装置1は、図5に示す構成の他に、図示しない他システム(例えば工作機械や測定装置など)と接続するためのインターフェース等を含んでいてもよい。
次に、加工条件算出装置1の動作例を説明する。図6は加工条件算出装置1の動作フロー図である。この動作が起動するタイミングは特に限定せず、例えば、入力装置54を介して起動指示が入力されたときに起動してもよい。
設定部11は、初期値の入力を受け付ける(S601)。ここで入力する初期値は、特に限定しないが、例えば、素材100の寸法や組成、材料等、素材初期応力、加工材150の寸法、制限値Δj-lim、工具、加工パス、工作機械種別、治具種別、第1のターゲット数T1、修正最大回数Klim等である。
素材初期応力とは、素材100の有する内部応力の初期値である。制限値Δj-limとは、変形量Δjの加工精度の許容基準範囲を示す。制限値Δj-limで定める範囲は、上限、下限、上限及び下限のいずれでもよいが、ここでは、許容しうる上限を示すものとして説明する。工具は、使用する工具210の種別、直径及び長さなどである。加工パスは、単一の工程での工具210のパスの経路やパスの数などである。工作機械種別は、使用する工作機械200の種別や型式などである。治具種別は、使用する治具220の種別や型式などである。第1のターゲット数T1は、素材の変形量Δjを所定の加工精度範囲内とさせない工程を特定するための自然数である。修正最大回数Klimは、変数Kが取りうる最大値である。なお、変数Kとは、ある変数iでの特定処理(後述)で加工条件を算出した回数を示す。また、変数iは、工程を示す。
ここで、初期値の入力の詳細について説明する。図7は、初期値の入力を受け付ける画面例である。設定部11は、画面700を表示するための情報を生成して、ディスプレイ装置である入力装置54に出力する。図示するように、画面700は、初期値を入力するための入力領域を含む。オペレータは、入力装置54を用いて各初期値を入力する。
なお、素材100の寸法、加工材150の寸法、工具、工作機械種別、治具種別などは、該当する3次元CADモデルを初期値として与えても良い。また、素材100の組成、材料等、素材初期応力などは、3次元CADモデルに付与されているものを用いてもよい。
また、上記各エリアAg(A1〜A4)の位置に関する情報は、S601で入力されてもよいが、S601で入力された加工パスに基づいて、加工条件算出装置1により取得されてもよい。そのために、例えば、加工条件算出装置1の制御部10は、素材100の形状モデルと、加工材150の形状モデルと、加工パスと、工具(種別、直径及び長さ)等とから、公知のCAM(Computer Aided manufacturing)技術により、各エリアAgの位置等を算出してもよい。
なお、S601で入力される各初期値の一部又は全ては、予め記憶部20に記憶されていてもよく、通信I/F56を介して入力されていてもよい。
また、設定部11は、上記の他に、変数iの初期値をi=1として設定し、変数Kの初期値をK=0として設定する。また、設定部11は、変数Nを、iの最大値として設定する。この変数Nは、上記エリアAgの位置などから取得可能である。
図6に戻る。設定部11は、加工条件を取得する(S602)。加工条件は、これに限定しないが、例えば、使用する工具210の切込み量ap、送り量f、切削速度Vのうち少なくとも一つである。
これらの加工条件は、限定はしないが、入力装置55を介してオペレータにより入力されていてもよく、また、使用する切削工具と加工条件の範囲とを関連させたデータベース(図示略)を参照して取得してもよい。一般的には、切込み量ap、送り量f、切削速度Vの取りうる範囲は、工具210の工具寿命や加工能率、素材100の材料や組成などにより定められる。
なお、詳細を後述するように、初期値として取得する加工条件はオペレータにより入力されたものを用いてもよいが、2回目以降の加工条件は加工条件算出装置1により算出される。
次に、計算部12は、S601で入力された条件をもとに、i番目の工程の加工後の形状モデルを算出する(S603)。この形状モデルは、計算部12が、S601で入力された素材100の寸法や3次元CADモデルから、i番目のエリアAに該当する範囲を除去して生成するとよい。このような技術は公知であるので詳細は省略する。
次に、計算部12は、算出した形状モデルを解析モデルに変換して解析データを生成する(S604)。この解析モデルには、S601で入力された素材初期応力が付与されている。このような解析モデル及びその変換は公知であるので詳細は省略する。
次に、計算部12は、S604で変換した解析モデルを用いて、加工により付与される加工応力σik及び素材100の変形量Δjikを算出する(S605)。より詳細には、計算部12は、加工応力DB21内から、S602で取得した加工条件で加工したときの加工応力σikを取得し、解析モデルと、素材初期応力と、加工応力σikとから、加工後の変形量Δjikを算出する。このような変形量の算出は公知であるので詳細は省略する。或いは、計算部12は、加工応力DB21内から必要な補完式などを読み出し、この補完式などから、加工応力σikを算出してもよい。
なお、加工応力σikとは、K回目の特定処理で算出した加工条件で、i番目の工程の実行により素材100に与えられる加工応力である。また、変形量Δjikとは、K回目の特定処理で算出した加工条件で、i番目の工程の実行により、部位Pjに発生する変形量を示す。
計算部12は、S602で取得した加工条件、S607で算出した加工応力σik及び変形量Δjik等を変形量データ22に格納する。
次に、判定部13は、変数iのときに加工条件の特定処理を行っているか否か、即ち、変数K>0であるか否か判定する(S606)。S606の判定の結果、K>0でない場合(S606:No)、後述する特定処理に移行する。S606の判定の結果、K>0である場合(S606:Yes)、判定部13は、S605で算出した変形量Δjが制限値Δj-limの範囲内であるか否か、即ち、Δjik<Δj-limであるか否か判定する(S607)。
S607の判定の結果、Δjik<Δj-limでない場合(S607:No)、後述する特定処理に移行する。S607の判定の結果、Δjik<Δj-limである場合(S607:Yes)、判定部13は、全ての工程に対して解析処理を行ったか否か、即ち、i=Nであるか否か判定する(S608)。即ち、制限値Δj-limの範囲内である場合にのみ特定処理に移行し、制限値Δj-limの範囲外である場合は、特定処理を行わない。
S608の判定の結果、全ての工程に対して解析処理を行っていない場合(S608:No)、変数Kを初期化してK=0とし(S609)、変数iをインクリメントしてi=i+1として(S610)、S602の処理に戻る。
S608の判定の結果、全ての工程に対して解析処理を行っている場合(S608:Yes)、出力処理部15は出力処理を行う(S611)。
ここで、K>0でない場合(S606:No)、又は、Δjik<Δj-limでない場合(S607:No)に移行する特定処理について説明する。図8は、特定処理の動作フロー図である。図8を図6の動作フローと組み合わせて説明する。
特定部14は、変数iのときに加工条件の特定処理を行っているか否か、即ち、K>0であるか否かを判定する(S801)。
S801の判定の結果、K>0でない場合(S801:No)、特定部14は、加工条件を取得する(S802)。ここで取得する加工条件は、例えば、切込み量ap、送り量f、切削速度Vのうち少なくとも1つである。加工条件は、限定はしないが、使用する切削工具と加工条件の範囲とを関連させたデータベース(図示略)を参照して取得してもよく、あるいは、予め与えられている関数から算出されてもよい。
S802の処理の後、特定部14は、K=K+1とし(S803)、取得されうる全ての加工条件の組み合わせに対し処理を行ったか、あるいは、K=Klimであるか否か判定する(S804)。ここでいう取得されうる全ての加工条件の組み合わせとは、後述のS809で算出可能な加工条件である。
S804の判定の結果、該当しない場合(S804:No)、図6のS602の処理に移行する。このとき、計算部12は、直前のS802で取得された加工条件を、S602の処理で取得する加工条件とし、以降の処理が実行される。S804の判定の結果、該当する場合(S804:Yes)については後述する。
S607の判定で、Δjik<Δj-limでない場合、再び図8に示す処理に移行する。この場合、S801の判定では、K>0であるので(S801:Yes)、特定部14は、変形量Δjを制限値Δj-limの範囲外とさせる工程であるターゲット工程を特定する(S805)。ここでは、このターゲット工程を、変数Lで示すものとする。この変数Lの特定は、特に限定しないが、ここでは、特定部14は、変形量Δjの推移に応じてターゲット数Tを定め、L=i−T(ただしT≧1の整数)として得るものとする。ターゲット工程を特定し、この工程での加工条件を算出することで、変形量Δjを制限値Δj-limの範囲内とする加工条件を効率的に算出することができる。
ここで、S805の処理について詳細に説明する。ここでは、変形量Δjの推移が2つのパターンのうちどちらに該当するかにより、ターゲット数Tを定めるものとする。図9は、変数iごとの変形量Δjの推移を示す。図9(a)のグラフ910は、変形量Δjの値がほぼ一定の割合で増加していく場合の例である。図9(b)のグラフ950は、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に増加する場合の例である。
特定部14は、変形量Δjがグラフ910のように推移する場合、ターゲット数T=第1のターゲット数T1とする。この第1のターゲット数T1は、S601の処理で入力されたものである。
一方、変形量Δjがグラフ950のように推移する場合、特定部14は、ターゲット数T=第2のターゲット数T2とする。第2のターゲット数T2は、限定はしないが、変形量Δjの推移が急峻であればそれに応じて大きくなるように定まる値である。
第2のターゲット数T2は、例えば、予め記憶部20に記憶されているデータベース(図示略)等により特定されてもよく、また、変形量Δjと変形量Δj(ただし1≦m<iの整数)との差分などを変数とする所定式から特定されてもよい。
特定部14は、変形量Δjと変形量Δj(ただし1≦n<iの整数)との差分が所定閾値を超えるか否かにより、ターゲット数Tを、第1のターゲット数T1とするか、或いは第2のターゲット数T2とするか定めてもよい。このとき、特定部14は、変形量Δjと変形量Δjとの差分が所定閾値を超えない場合、ターゲット数T=第1のターゲット数T1とし、差分が所定閾値を超える場合、ターゲット数T=第2のターゲット数T2としてもよい。
なお、上記判定に用いる所定閾値は、予め記憶部20に記憶されていてもよく、それまでに算出された単数又は複数の変形量Δjなどに基づいて算出されてもよい。
また、ここでは、説明の簡略化のために、1つの変形量Δjと変形量Δjの差分のみでターゲット数Tを定めるとしているが、これに限るわけではなく、複数の変形量Δjの差分でターゲット数Tを定めてもよい。即ち、変形量Δjの値がほぼ一定の割合で増加又は減少しているのか、或いは、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に増加又は減少しているのかにより、ターゲット数Tが定められれば良い。
また、上記mの値やnの値は、常に同じ値である必要はない。素材100や加工期間200、工具210、治具220や、変形量Δjの推移に応じて異なる値としてもよい。
図8に戻る。特定部14は、変形量Δjikと変形量Δji(k−1)とを比較して、直前のS602で取得された加工条件で加工した場合の素材100の変形量が、それより前のS602で取得された加工条件で加工された場合より改善されているか否か判定する(S806)。変形量Δjikと変形量Δji(k−1)とは、変形量データ22から読み出して取得することができる。
S806の判定の結果、改善されている場合(S806:Yes)、特定部14は、変数i=L+1とする(S807)。一方、S806の判定の結果、改善されていない場合(S806:No)、特定部14は、i=Lとする(S808)。即ち、変形量が改善されている場合は、以降の処理をターゲット工程(変数L)の次の工程(変数i=L+1)に対して行うようにし、変形量が改善されていない場合には、以降の処理を同じ工程(変数i=L)に対して行うようにする。
S807又はS808の処理の後、特定部14は、加工条件を算出する(S809)。ここで定める加工条件は、切込み量ap、送り量f、切削速度Vのうち少なくとも1つである。これに限定するものではないが、これまでの変形量Δj(例えば変形量Δj10〜変形量Δjik)に対する加工応力σの相関から、例えば応答曲面などのような公知の統計学的な処理に基づき同定式を作成し、変形量が小さくなると予測される加工条件の組み合わせを特定してもよい。或いは、他の任意の技術により加工条件を算出してもよい。
特定部14は、S802又はS809の処理の後、S803、S804の処理を行う。S804の判定の結果、該当しない場合(S804:No)、図6のS602の処理に移行する。このとき、計算部12は、S809で特定された加工条件を、S602の処理で取得する加工条件とする。以降の処理は上記と同じである。
一方、S804の判定の結果、該当する場合(S804:Yes)、特定部14はi=L−1とし(S810)、i>1であるか否か判定する(S811)。S811の判定の結果、i>1である場合(S811:Yes)、図6のS602の処理に移行する。以降の処理は上記と同じである。
一方、S811の判定の結果、i>1でない場合(S811:No)は、如何なる加工条件であっても変形量Δjが制限値Δj-limより小さくならないことを示す。そこで、特定部14は、変形量データ22を参照し、変形量Δjが最小となる加工条件を特定し(S812)、図6のS611の処理に移行する。
ここで、S806〜S809の処理について、図9を参照して詳細に説明する。グラフ910において、例えば、経路921のように、変数i(ステップ911)における変形量Δjが制限値Δj-limより大きくなったものとする。この場合、特定部14は、変数iから第1のターゲット数T1だけ前の変数L(ステップ912)での加工条件を算出し、計算部12は、この加工条件で変形量ΔjiKの算出を行う。
この結果、経路922のように、変数iにおける変形量jiKが制限値Δj-limより小さくなった場合、特定部14は、S807の処理で変数i=L+1とするので、変数i=N即ち最後の工程まで終了したことになり、処理を終了する。
一方、経路923のように、変数iにおける変形量Δjが制限値Δj-limより大きくなった場合、特定部14は、S808の処理で変数i=Lとするので、ステップ912における他の加工条件を算出し、以降は、上記と同じ処理が行われる。
グラフ950において、例えば、経路971のように、変数i(ステップ961)における変形量Δjが制限値Δj-limより大きくなったものとする。この場合、特定部14は、変数iから第2のターゲット数T2だけ前の変数L(ステップ962)での加工条件を算出し、以降は、上記と同じ処理が行われる。
この結果、経路972のように、変数iにおける変形量Δjが制限値Δj-limより小さくなった場合、特定部14は、S807の処理で変数i=L+1とするので、次の工程(ステップ963)での変形量Δjを算出し、以降は、上記と同じ処理が行われる。なお、ステップ963での変形量Δjの算出に用いる加工条件は、ステップ962でのS802又はS809で算出されたものを用いてもよく、他の新たな加工条件を算出してもよい。
一方、経路973のように、変数iにおける変形量Δjが制限値Δj-limより大きくなった場合、特定部14は、S808の処理で変数i=Lとするので、同じ工程(ステップ962)での他の加工条件を算出し、以降は、上記と同じ処理が行われる。
なお、上記では、変形量Δjの値がほぼ一定の割合で増加している場合はターゲット数Tを第1のターゲット数T1とし、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に増加又は減少している場合はターゲット数Tを第2のターゲット数T2としている。
変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外となるのに最も影響のある変数iは、例えば図9(a)のステップ912のように、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲内である変数iのうち、その変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外となった変数iに近いほうであると考えられる。
変形量Δjの値がほぼ一定の割合で増加している場合は、ターゲット数Tを一定値とすることで、最低限の処理回数で、変形量Δjの増大又は減少に最も影響のある変数iとその時の加工条件とを取得することが可能となる。
一方、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に増加している場合は、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外となるのに最も影響のある変数iは、例えば図9(b)のステップ963のように、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲内である変数iのうち、その変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外となった変数iに近いほうであるとは限らない。従って、この場合は、変形量Δjの推移が急峻なほど大きくなるようにターゲット数Tを定めるほうが効率的である。
なお、上記では、制限値Δj-limが上限を定めるものであるため、変形量Δjの値がほぼ一定の割合で増加している場合と、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に増加している場合とで、ターゲット数Tを定めている。制限値Δj-limが下限を定めるものである場合は、変形量Δjの値がほぼ一定の割合で減少している場合と、変形量Δjの値がある変数i以降に急激に減少している場合とで、ターゲット数Tを定めてもよい。また、制限値Δj-limが上限及び下限の両方を定めるものである場合は、変形量Δjの値が増加しているか、あるいは減少しているかで、上記いずれかを選択させてもよい。
また、上記では、第1のターゲット数T1はS601で取得するものとしているが、これに限るわけではない。例えば、特定部14が、変形量Δjの変化率(傾き)などに基づいて第1のターゲット数T1を算出してもよい。
次に、図6のS611で説明した出力処理について説明する。加工条件の出力は任意の形態を採用し得るが、ここでは、ディスプレイ装置に出力する場合の例を説明する。図10は、加工条件を出力する画面例である。図示するように、画面1000は、工程毎の加工条件を含む。この加工条件は、図6及び図8を参照して説明した動作で、全ての工程を行った後の変形量Δjが最小となる場合のものである。
また、図示するように、画面1000は、全ての工程を行った後の変形量と、範囲外工程と、ターゲット工程とを含んでもよい。この変形量は、上記処理で算出した変形量Δjのうちの最小値である。範囲外工程とは、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外となる工程である。範囲外工程は、図8に示す特定処理に移行したときの変数iから得ることができる。ターゲット工程は、図8に示す特定処理の変数Lから得ることができる。
なお、S611の出力は、上記に限らない。例えば、図示しない他システム(例えば工作機械や測定装置、CAD/CAMシステムなど)に、変形量データ22に格納された情報のうち少なくとも1つを出力してもよい。或いは、如何なる加工条件であっても変形量Δjが制限値Δj-limの範囲内とならない場合にのみ、図示しない他システムに、それを通知する情報を出力してもよい。あるいは、これらの組み合わせでもよい。
以上、変形量Δがj=1である場合を例にして説明したが、上記のように、変形量Δの評価箇所の数は任意であり、1つに限るわけではない。変形量Δの評価箇所が複数である場合(j≧2の場合)、上記と同じ処理により、加工条件毎に変形量Δの各々を算出し、各位置の変形量Δが所望の範囲内となるものを特定するとよい。このとき、変形量Δの発生位置に重みを予め設定しておき、加工条件算出装置1が、重みを用いた評価関数を生成して、いずれかの加工条件を選択するように構成してもよい。
以上の実施形態によれば、内部応力を有する素材を加工する際の加工応力を鑑みて、基準値に対する変形量が最小となる加工条件を算出することができる。
図11は、従来技術の場合と、上記実施形態の技術により図1に示す素材100を加工した場合の解析結果の一例である。なお、ここでいう従来技術とは、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外であるときに、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲外とさせる工程を特定せず、他の加工条件を算出しない技術をいう。
従来技術では、4工程(エリアA1〜A4)ある加工のうち、経路1101のように、最終工程の加工後にてΔ1-lim=0.2mmを超える解析結果となった。一方、上記実施形態の技術を用いた場合、最終工程の加工後で変形量が小さくなる加工条件を算出し、再解析を行うことで変形量Δ1が制限値Δ1-lim =0.2mm以内となる経路1102が新たに計算された。このように、本実施の形態では、所望の加工精度範囲内となった。
以上の結果から、上記実施形態の技術を用いることで、素材100の変形量Δjが小さくなり、所望の加工精度にて加工可能な加工条件の特定を自動で行うことが可能であることは明らかとなった。上記実施形態の技術は、例えば航空機部品や歯車など、精密さを要求される素材の加工に特に好適である。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と以下で説明する第2の実施形態との違いは、第1の実施形態では工程毎に変形量Δjと制限値Δlimとを比較したのに対し、第2の実施形態では、全ての工程を加工した後の変形量Δjと制限値Δlimとを比較する点である。限定はしないが、第1の実施形態は、加工する工程毎に変形量Δjが漸次増大又は減少する場合に特に好適であるのに対し、第2の実施形態は、加工する工程毎に変形量Δjが漸次増大又は減少するとは限らない場合に特に好適である。以下では、第1の実施形態と異なる点のみを詳細に説明する。
図12は、第2の実施形態の加工条件算出装置1の動作フローである。設定部11は、初期値の入力を受け付け(S601)、加工条件を取得する(S602)。
計算部12は、S601で入力された条件をもとに、i番目の工程の加工後の形状モデルを算出する(S603)、算出した形状モデルを解析モデルに変換して解析データを生成し(S604)、S604で変換した解析モデルを用いて、加工により付与される加工応力σik及び素材100の変形量Δjikを算出する(S605)。
次に、計算部12は、単ステップ解析処理がONであるか否か判定する(S1201)。なお、単ステップ解析処理は初期設定ではOFFであり、後述する処理によりONとされる。この判定は、限定はしないが、単ステップ解析処理がONか否かを示す変数やフラグ等により行うとよい。
S1201の判定の結果、単ステップ解析処理がOFFの場合(S1201:No)、S608の処理に移行する。S1201の判定の結果、単ステップ解析処理がONの場合(S1201:Yes)、判定部13は、K>0であるか否か判定する(S606)。S606の判定の結果、K>0でない場合(S606:No)、後述する特定処理に移行する。S606の判定の結果、K>0である場合(S606:Yes)、判定部13は、Δjik<Δj-limであるか否か判定する(S607)。
S607の判定の結果、Δjik<Δj-limでない場合(S607:No)、後述する特定処理に移行する。S607の判定の結果、Δjik<Δj-limである場合(S607:Yes)、判定部13は、全ての工程に対して解析処理を行ったか否か判定する(S608)。
S608の判定の結果、全ての工程に対して解析処理を行っていない場合(S608:No)、変数Kを初期化してK=0とし(S609)、変数iをインクリメントしてi=i+1として(S610)、S602の処理に戻る。
S608の判定の結果、全ての工程に対して解析処理を行っている場合(S608:Yes)、単ステップ解析処理がONであるか否か判定する(S1202)。
S1202の判定の結果、単ステップ解析処理がOFFの場合(S1202:No)、後述する特定処理に移行する。S1202の判定の結果、単ステップ解析処理がONの場合(S1202:Yes)、出力処理部15は出力処理を行う(S611)。
ここで、K>0でない場合(S606:No)、又は、Δjik<Δj-limでない場合(S607:No)に移行する特定処理について説明する。図13は、第2の実施形態の特定処理の動作フロー図である。図13を図12の動作フローと組み合わせて説明する。
特定部14は、Δj<Δj-limであるか否か判定する(S1301)。S1301の判定の結果、Δj<Δj-limである場合(S1301:Yes)、S611の処理に移行する。S1301の判定の結果、Δj<Δj-limでない場合(S1301:No)、単ステップ解析処理をONとし(S1302)、K>0であるか否かを判定する(S801)。
S801の判定の結果、K>0でない場合(S801:No)、特定部14は、加工条件を取得する(S802)。S802の処理の後、特定部14は、K=K+1とし(S803)、取得されうる全ての加工条件の組み合わせに対し処理を行ったか、あるいは、K=Klimであるか否か判定する(S804)。
S804の判定の結果、該当しない場合(S804:No)、図12のS602以降の処理に移行する。以降の処理は上記と同じである。
次のS1201の判定で、単ステップ解析処理がONと判定されるので、S606の処理に移行する。S606の判定の結果、K>0であると判定されるので(S606:Yes)、S607の処理に移行する。S607の判定の結果、Δj<Δj-limでない場合(S607:No)、再び図13に示す処理に移行する。
特定部14は、上記のようにS1301の判定を行う。その判定の結果、Δj<Δj-limでないと判定されるので(S1301:No)、単ステップ解析処理をONとし(S1302)、K>0であるか否かを判定する(S801)。この場合、S801ではK>0と判定されるので(S801:Yes)、特定部14は、変形量Δjを制限値Δj-limの範囲外とさせるターゲット工程を特定する(S1303)。そのために、特定部14は、変形量Δjが制限値Δj-limの範囲内である変数iのうち変数Nに最も近いものを特定し、これをターゲット工程を示す変数Lとする。
ここで、S1303について一例をあげて詳細に説明する。図14は、変数iごとの変形量Δjの推移を示す。グラフ1400は、N=5であり、経路1401では、変数i=5(ステップ1421)で、変形量Δjが制限値Δj-limより大きくなっている。
変数iの値(1〜5)のうち、変形量Δjが制限値Δj-limより小さいのは変数i=1(ステップ1423)及び変数i=3(ステップ1422)のときである。このうち、i=5に最も最も近いのは変数i=3である。従って、特定部14は、変数i=3を変数Lの値とする。なお、変数i=3の次である変数i=4(ステップ1424)に該当する工程が、変形量Δjに対しボトルネックとなる工程である。
図13に戻る。特定部14は、変形量Δjikと変形量Δji(k−1)とを比較して、直前のS602で取得された加工条件で加工した場合の素材100の変形量が、それより前のS602で取得された加工条件で加工された場合と比較して、改善されているか否か判定する(S806)。
S806の判定の結果、改善されている場合(S806:Yes)、特定部14は、i=L+1とする(S807)。一方、S806の判定の結果、改善されていない場合(S806:No)、特定部14は、i=Lとする(S808)。
S807又はS808の処理の後、特定部14は、加工条件を算出する(S809)。次に、特定部14は、上記S803、S804の処理を行う。S804の判定の結果、該当しない場合(S804:No)、図12のS602の処理に移行する。このとき、計算部12は、S809で特定された加工条件を、S602の処理で取得する加工条件とする。以降の処理は上記と同じである。
一方、S804の判定の結果、該当する場合(S804:Yes)、特定部14はi=L−1とし(S810)、i>1であるか否か判定する(S811)。S811の判定の結果、i>1である場合(S811:Yes)、図12のS602の処理に移行する。このとき、計算部12は、直前のS809で特定された加工条件を、S602の処理で取得する加工条件とする。以降の処理は上記と同じである。
一方、S811の判定の結果、i>1でない場合(S811:No)、特定部14は、変形量データ22を参照し、変形量Δjが最小となる加工条件を算出し(S812)、図12のS607の処理に移行する。
以上が、本実施形態の動作フローである。本実施形態は、図14に示すように、加工する工程毎に変形量Δjが漸次増大又は減少するとは限らない場合に特に好適である。このような現象は、例えば、素材100を構成する対向面を両側から加工する場合や、加工材200の加工形状によって発生する。
例えば、図14のグラフ1400を参照して説明すると、変形量Δjは変数i=2のときに制限値Δj-limを超えているが、その後再び制限値Δj-limより小さくなっている。従って、第1の実施形態のように、変数i=2の段階で加工条件の特定処理を行うことは無用な工数となる。第2の実施形態のように、一旦すべての変形量Δjの解析結果と傾向を見ることで、変位量Δjを抑えるために最も効果的なターゲット工程(変数L)を特定して、第1の実施形態と同様に加工条件の算出を行うことができる。これにより、図14に一例を示すように変位量Δjが変動する場合でも、最小限の工数で変形量を修正可能な加工条件を算出することができる。
なお、上記の第2の実施形態でのS611の出力では、図10に示す範囲外工程の替わりに、ボトルネック工程を出力してもよい。
上記の第1の実施形態及び第2の実施形態は、任意の形態で提供することが可能である。例えば、加工条件を算出するシミュレーション装置として提供してもよく、加工装置の機能として提供してもよく、測定装置の機能として提供してもよい。なお、この加工装置とは、マシニング等の駆動機構を含む工作機械の他に、そのような工作機械にセットする工具(例えば切削工具や研削工具など)をも含むものを示す。
上記のように、第1の実施形態及び第2の実施形態の加工条件算出装置1は、加工条件毎に、その加工条件で加工したときの加工応力と変形量とを取得可能な構成(計算部12、加工応力DB21など)を含む。上記第1の実施形態及び第2の実施形態の機能を含む加工機械、加工機械にセットする工具、測定装置の各々は、この加工応力と変形量とに関する情報を取得するための装置として機能するものであってもよい。
また、上記では、鍛造して生成した素材を切削加工する場合を例にして説明したが、これに限らない。素材は鍛造されたものに限らず、内部応力を有するあらゆるものに適用可能である。また、加工も切削のみに限らず、研削やせん断加工など、加工応力が生じるあらゆる場合に適用可能である。
また、1つの加工条件算出装置1が、上記第1の実施形態と第2の実施形態との両方の機能を含むものとして構成されてもよい。この場合、素材の形状や材料、加工材の材料や形状、工作機械の構成、変形量の推移などに応じて、第1の実施形態の動作又は第2の実施形態の動作が選択されるように構成されてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも実装上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:加工条件算出装置、10:制御部、11:設定部、12:計算部、13:判定部、14:特定部、15:出力処理部、20:記憶部、21:加工応力DB、22:変形量データ

Claims (9)

  1. 素材の内部応力と、当該素材を1つ以上の工程で加工することによる加工応力とから、前記素材の変形量を算出する計算部と、
    変形量が所定基準外である場合に、工程の加工条件を算出する特定部と、
    算出した加工条件を出力する出力処理部と、
    を含むことを特徴とする加工条件算出装置。
  2. 請求項1に記載の加工条件算出装置であって、
    前記特定部は、変形量を所定基準外とさせる工程を特定し、当該特定した工程の加工条件を算出すること
    を特徴とする加工条件算出装置。
  3. 請求項1に記載の加工条件算出装置であって、
    前記特定部は、工程毎に加工後の変形量が所定基準外であるか否か判定し、所定基準外である場合に、加工条件を算出すること、
    を特徴とする加工条件算出装置。
  4. 請求項1に記載の加工条件算出装置であって、
    前記特定部は、全ての工程の加工後の変形量が所定基準外である場合に、加工条件を算出すること、
    を特徴とする加工条件算出装置。
  5. 請求項2に記載の加工条件算出装置であって、
    前記特定部は、変形量の推移に基づいて、変形量を所定基準外とさせる工程を特定すること
    を特徴とする加工条件算出装置。
  6. 素材の内部応力と、当該素材を1つ以上の工程で加工することによる加工応力とから、前記素材の変形量を算出するステップと、
    変形量が所定基準外である場合に、工程の加工条件を算出するステップと、
    算出した加工条件を出力するステップと、
    を含むことを特徴とする加工条件算出方法。
  7. 演算部と、記憶部とを含むコンピュータにより実行されると、コンピュータを、
    素材の内部応力と、当該素材を1つ以上の工程で加工することによる加工応力とから、前記素材の変形量を算出する計算部と、
    変形量が所定基準外である場合に、工程の加工条件を算出する特定部と、
    算出した加工条件を出力する出力処理部と、
    を含む加工条件算出装置として機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 請求項1乃至5のうちいずれか1つに記載の加工条件算出装置を含む加工装置。
  9. 請求項1乃至5のうちいずれか1つに記載の加工条件算出装置を含む測定装置。
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