JP2015169989A - 設備点検順位設定装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】故障の予兆が発生した設備に、各設備が設置された現場に到達する現場到達時間を考慮して保守点検を行う優先度を設定する。【解決手段】各設備2における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類することでグループ化する現場特性分類部11と、グループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する特性別故障確率算出部12と、保守員の各現場までの移動時間を取得する移動時間取得部13と、グループ毎の故障確率及び移動時間に基づいて予兆が発生した設備2それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する現場到着時故障確率算出部14と、算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備2に対して保守点検を行う優先度を設定する優先度設定部15と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、設備点検順位設定装置及びプログラム、特に冷熱設備などの設備から収集される故障履歴に基づいて保守点検を行う設備の優先順位の決定に関する。
従来から、複数の冷熱設備などの設備を、監視センタから監視する遠隔監視サービスがある。この遠隔監視サービスでは、稼動中の設備の温度、圧力等各設備の稼動の状態を示す設備状態データを各設備から収集している。収集した設備状態データの解析により設備の異常が検知されると、保守員は、作成された点検スケジュールに従って異常が検知された設備に対する点検を実施する。
近年では、異常が検知されなくても故障の予兆が発生された設備も点検対象とすることで、異常の発生を未然に防ぐように点検スケジュールを作成する場合がある。異常の発生をより確実に防ぐためには、予兆が発生した設備に対して、早期に故障すると予測される設備、換言すると故障が発生する確率の高い設備を優先して点検するよう点検スケジュールを作成し、故障の発生を低減することが好ましい。
特開2006−266609号公報 国際公開第2009/144780号 特開2005−149137号公報 特許第3731125号公報
しかしながら、保守員は、設備が設置された現場に到着してはじめて設備の点検を実施することができるが、従来においては、点検スケジュールの作成のために予兆が発生した各設備の故障発生確率を参照して各設備に優先順位を設定する際、保守員が、駐在している支部等から現場までの移動に要する時間(現場到達時間)が考慮されていなかった。
つまり、従来においては、現場到達時間が相対的に大きい場所に設置された設備Aの故障発生確率が、現場到達時間が相対的に小さい場所に設置された設備Bの故障発生確率より低かったとしても、現場到達時間の差によっては、各設備A,Bに対して点検を実施するタイミングでの故障発生確率は、設備Aの方が逆転して高くなっている可能性がある。すなわち、現場到達時間を考慮すると、設備Aへの点検を優先させるべきであると考えられる。
本発明は、故障の予兆が発生した設備に、各設備が設置された現場に到達する現場到達時間を考慮して保守点検を行う優先度を設定することを目的とする。
本発明に係る設備点検順位設定装置は、複数の設備それぞれが設置される現場を識別する情報、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類することでグループ化する分類手段と、前記分類手段により形成されたグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する特性別故障確率算出手段と、前記特性別故障確率算出手段により算出されたグループ毎の故障確率を記憶する故障確率記憶手段と、保守員の拠点から予兆が発生した設備それぞれが設置された現場までの移動時間を取得する移動時間取得手段と、前記故障確率記憶手段に記憶された故障確率及び前記移動時間取得手段により取得された移動時間に基づいて予兆が発生した設備それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する現場到着時故障確率算出手段と、前記現場到着時故障確率算出手段により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備に対して保守点検を行う優先度を設定する優先度設定手段と、を有するものである。
また、現場までの移動時間に関する実績情報が蓄積された移動時間実績情報記憶手段を有し、前記移動時間取得手段は、前記移動時間実績情報記憶手段に蓄積された実績情報に含まれる移動時間を参照して当該現場までの移動時間を求めるものである。
また、前記移動時間取得手段は、前記移動時間実績情報記憶手段に蓄積される実績情報に含まれる、現場までの移動時間に影響を与える可能性のある外部環境に関する外部環境情報を参照して、前記現場到着時故障確率算出手段が故障確率を算出する時点における移動時間取得対象の現場の外部環境と類似する外部環境情報を含む当該現場の実績情報を参照して当該現場までの移動時間を求めるものである。
また、前記移動時間取得手段は、外部環境の発生確率に基づき移動時間取得対象の現場の実績情報に含まれる移動時間に重み付けを行う重み付け部を含み、重み付けした移動時間を参照して当該現場までの移動時間を求めるものである。
また、保守員による設備の点検に要する作業時間を取得する作業時間取得手段を有し、前記現場到着時故障確率算出手段は、前記故障確率記憶手段に記憶された故障確率と、前記移動時間取得手段により取得された移動時間と、前記作業時間取得手段により取得された予兆が発生した各設備に対する作業時間に基づき、予兆が発生した各設備の点検が終了する時点における故障確率を算出するものである。
また、各設備の点検に要した作業時間に関する実績情報が蓄積された作業時間実績情報記憶手段を有し、前記作業時間取得手段は、前記作業時間実績情報記憶手段に蓄積された、作業時間取得対象の設備の実績情報に含まれる作業時間を参照して当該設備の点検に要する作業時間を求めるものである。
また、前記分類手段は、予兆内容を特性情報とし、故障履歴情報を予兆内容毎に分類するものである。
また、前記分類手段は、設備の設置状況を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を設置状況毎に分類するものである。
また、前記分類手段は、設備の機種を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を機種毎に分類するものである。
また、前記分類手段は、予兆発生時における設備の運転状況を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を運転状況毎に分類するものである。
また、前記分類手段は、予兆発生時における気象情報を特性情報とし、故障履歴情報を気象情報毎に分類するものである。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、複数の設備それぞれが設置される現場を識別する情報、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類することでグループ化する分類手段、前記分類手段により形成されたグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する特性別故障確率算出手段、保守員の拠点から予兆が発生した設備それぞれが設置された現場までの移動時間を取得する移動時間取得手段、前記特性別故障確率算出手段により算出されたグループ毎の故障確率及び前記移動時間取得手段により取得された移動時間に基づいて予兆が発生した設備それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する現場到着時故障確率算出手段、前記現場到着時故障確率算出手段により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備に対して保守点検を行う優先度を設定する優先度設定手段、として機能させるためのものである。
本発明によれば、予兆が発生した設備に対し、保守員が現場に到着するまでに故障が発生する確率を低減させることができる。
また、過去の実績情報を用いることで、より精度の高い移動時間を取得することができる。
また、外部環境情報を参照することで現場までの外部環境に即した、より精度の高い移動時間を取得することができる。
また、過去の実績情報に基づき移動時間に重み付けをして計算により移動時間を取得するようにしたので、過去に発生しなかった外部環境にも対応した移動時間を取得することができる。
また、予兆が発生した設備に対し、保守員が点検を完了するまでに故障が発生する確率を低減させることができる。
また、現場特性により変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
また、コストの増加を抑制しつつ、予兆発生から現場到着所要時間経過後における故障確率を正確に求めることが可能になり、結果として設定した各設備の優先度の信頼性を高めることが可能になる。
本発明に係る設備点検順位設定装置の実施の形態1を示したブロック構成図である。 実施の形態1における故障履歴データベースに蓄積される故障履歴を示す故障履歴情報のデータ構成例を示した図である。 実施の形態1における設備点検順位設定装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。 実施の形態1における優先度設定処理を示したフローチャートである。 実施の形態1において、ある故障グループの故障確率と累積故障確率のグラフを示した図である。 実施の形態1における故障確率蓄積部に記憶された故障確率情報のデータ構成例を示した図である。 実施の形態1において優先度を設定する過程において参照される又は算出されるデータを示した図である。 実施の形態1における設備点検順位設定装置の他のブロック構成の例を示した図である。 実施の形態2における設備点検順位設定装置のブロック構成図である。
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る設備点検順位設定装置の一実施の形態を示したブロック構成図である。図1には、冷熱設備2、稼動履歴受信部3、故障履歴データベース(DB)4及び設備点検順位設定装置10が示されている。図1に示すように、設備点検順位設定装置10には、稼動履歴受信部3と故障履歴データベース4とを介して複数の契約先施設に設置された複数の冷熱設備2が接続されている。本実施の形態では、冷熱設備2を点検対象の設備として図示しているが、点検が必要となるその他の設備でもよい。
設備点検順位設定装置10、稼動履歴受信部3及び故障履歴データベース4は、例えば監視センタに設置されている。稼動履歴受信部3は、冷熱設備(以下、単に「設備」と称する)2から設備状態を示す設備状態データを受信し、予兆及び異常が発生したときの設備状態データ、また受信した設備状態データを必要により集計するなどして故障履歴情報を生成し故障履歴データベース4に蓄積する。稼動履歴受信部3は通信機能を有するコンピュータにより、故障履歴データベース4はデータベースサーバによりそれぞれ実現してよい。設備状態データを受信して故障履歴データベース4に蓄積する方法としては、設備2の制御装置(図示省略)に搭載された通信ソフトウェアにより、電話回線およびインターネット回線を経由してオンラインで送信する方法などがある。
図2は、本実施の形態における故障履歴データベース4に蓄積される故障履歴を示す故障履歴情報のデータ構成例を示した図である。故障履歴情報は、故障の予兆が発生した日時を示す予兆発生日時に、故障時間間隔、設置環境情報及び発生状況情報が対応付けして構成される。予兆発生日時は、稼動履歴受信部3が設備2から送信されてくる設備状態データを参照することにより予兆の発生が検知された日時である。故障時間間隔は予兆の発生から設備2が故障するまでの時間間隔であり、異常発生日時と予兆発生日時との差分を示した値である。本実施の形態では、日数で示しているが時間でもよい。ここで、「異常」とは、1つの設備状態データが正常範囲内の値を示す正常状態から逸脱した場合をいう。「故障」とは、設備状態データが異常の発生により設備2が停止することをいう。また、「予兆」とは、設備状態データが正常範囲内であっても異常状態に近い状態であることを示す閾値を超えた場合をいう。
設置環境情報は、設備2の仕様及び設置場所に関する情報であり、設備2を特定する設備番号、設備2が設置された建物を特定する建物番号、設備2が備え付けられた住所を示す据付先、据え付けた年度を示す据付開始、設備2の型名及び建物内において設備2が設置された方角を示す設置方向に関する各種情報を含む。本実施の形態では、建物番号と設備番号との組合せを設備2が設置された現場を識別する情報として用いる。
発生状況情報は、予兆及び異常が発生したときの発生状況に関する情報であり、発生した予兆の内容を示す予兆内容、予兆が発生した時点の気温と湿度、予兆が発生した時点の気温と設定温度との温度差、カウントが開始されてから予兆が発生するまでに設備2のサーモスタットがON/OFFされた切替回数を示す発停回数、カウントが開始されてから予兆が発生するまでの間に設備2が稼動しているときの時間が積算された運転時間、カウントが開始されてから予兆が発生するまでに設備2のサーモスタットがONのときの時間が積算されたサーモON時間、運転時間当たりの発停回数を示す発停回数割合、運転時間当たりのサーモON時間を示すサーモON時間割合、カウントが開始されてから予兆が発生するまでの間に設備2の室内温度が設定温度に到達する平均時間を示す目標温度到達時間、異常の発生により設備2が停止したときの日時を示す異常発生日時及び発生した異常の内容を示す異常内容に関する各種情報を含む。なお、図2には、上記記載した発生状況情報の一部を図示している。
図3は、本実施の形態における設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータは、従前から存在する汎用的なパーソナルコンピュータ(PC)のハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図3に示したようにCPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24を接続したHDDコントローラ25、入力手段として設けられたマウス26とキーボード27、及び表示装置として設けられたディスプレイ28をそれぞれ接続する入出力コントローラ29、通信手段として設けられたネットワークコントローラ30を内部バス31に接続して構成される。
図1に戻り、設備点検順位設定装置10は、現場特性分類部11、特性別故障確率算出部12、移動時間取得部13、現場到着時故障確率算出部14、優先度設定部15及び故障確率蓄積部16を有している。なお、本実施の形態の説明に用いない構成要素については図1から省略している。
現場特性分類部11は、分類手段として設けられ、故障履歴データベース4に蓄積されている故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類(クラスタリング)することでグループ化する。この分類された故障履歴情報のグループを以下の説明では「故障グループ」と称することにする。特性別故障確率算出部12は、特性別故障確率算出手段として設けられ、現場特性分類部11により形成されたグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する。移動時間取得部13は、移動時間取得手段として設けられ、保守員の拠点から予兆が発生した設備2それぞれが設置された現場までの移動時間を取得する。現場到着時故障確率算出部14は、現場到着時故障確率算出手段として設けられ、故障確率蓄積部16に記憶された故障確率及び移動時間取得部13により取得された移動時間に基づいて予兆が発生した設備2それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する。優先度設定部15は、優先度設定手段として設けられ、現場到着時故障確率算出部14により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備2に対して保守点検を行う優先度を設定する。故障確率蓄積部16は、故障確率記憶手段として設けられ、特性別故障確率算出部12により算出された故障グループ毎の故障確率を記憶する。本実施の形態では、後述するように累積故障確率を記憶する。
設備点検順位設定装置10における各構成要素11〜15は、設備点検順位設定装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、故障確率蓄積部16は、設備点検順位設定装置10に搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
次に、本実施の形態における動作について説明する。なお、以降の説明では、現場と設備2とは1対1の関係にあるものとし、「設備」と「現場」とをほぼ同義に用いることにする。すなわち、予兆が発生するのは設備2だが、説明の便宜上、予兆が発生するのは現場であるように記載する場合がある。
設備2が稼動している間、稼動履歴受信部3には、予兆又は異常が発生した設備2から故障履歴情報の生成に必要な情報が含まれる設備状態データが送信されてくる。稼動履歴受信部3は、受信した設備状態データを解析することで予兆の発生を検知すると、設備状態データに基づき予兆発生日時、設置環境情報、発生状況情報に含まれる予兆内容、気温、湿度、温度差、発停回数、運転時間、サーモON時間、発停回数割合、サーモON時間割合及び目標温度到達時間を設定して故障履歴情報を生成する。また、稼動履歴受信部3は、受信した設備状態データを解析することで異常の発生を検知すると、予兆の発生により生成された故障履歴情報の中から設置環境情報等を参照して異常が発生した設備2に対応する故障履歴情報を特定し、受信した設備状態データに基づき、故障履歴情報の異常発生日時及び異常内容を設定登録する。更に、稼動履歴受信部3は、予兆の発生から異常の発生までの時間間隔を算出して故障時間間隔を設定登録する。
以上のようにして予兆及び故障の発生に伴い稼動履歴受信部3により故障履歴情報が生成されて故障履歴データベース4に蓄積される。
続いて、故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報を参照して故障が予兆された各設備2に対して点検を行う優先順位を設定するための優先度決定処理について図4に示したフローチャートを用いて説明する。
現場特性分類部11は、故障履歴データベース4に蓄積された故障履歴情報を取得し(ステップ110)、予め設定された分類条件に従い現場特性毎に分類(クラスタリング)することで1又は複数の故障グループを形成する(ステップ120)。本実施の形態では、分類条件として指定される現場特性には、例えば予兆内容、設置状況、機種、運転状況又は気象情報があり、これらのうちいずれかの現場特性毎にあるいは複数の現場特性を組み合わせて分類する。故障履歴情報の分類に用いる現場特性の詳細については追って説明することにし、ここでは、何らかの現場特性により分類したものとして説明する。
続いて、特性別故障確率算出部12は、累積故障確率を故障グループ毎に算出する(ステップ130)。すなわち、特性別故障確率算出部12は、処理対象の故障グループの故障履歴情報に含まれる故障時間間隔を参照し、予兆の発生から故障の発生まで所定の時間間隔毎に故障確率を算出する。図5は、ある故障グループの故障確率と累積故障確率のグラフを示した図である。図5において、横軸は時間、縦軸は確率を示す。本実施の形態では、図5に示したように累積故障確率を、予兆発生後、時間t以内に故障する確率P(t)として定義する。ある故障グループに含まれる全ての故障履歴情報の数に対する所定の時間間隔xでの故障履歴情報の数の割合(故障確率)をp(x)として累積故障確率を以下の数式で求める。
Figure 2015169989
例えば、図2に例示した現場が全て異なる4件分の故障履歴情報に基づくと、所定の時間間隔xが1週間(7日)の場合、予兆が発生してから1週間以内(1日〜7日)に異常が発生した場合の故障確率p(x)は、故障時間間隔が2日の1件のみなのでp(x)=1/4と算出される。予兆が発生してから1週間超2週間以内(8日〜14日)に異常が発生した場合の故障確率p(2x)は、故障時間間隔が10日と13日の2件なのでp(2x)=2/4と算出される。同様にしてp(3x)=1/4と算出される。
特性別故障確率算出部12は、以上のようにして故障確率を算出すると、その算出結果を経過時間に伴い累積することで累積故障確率を算出し、その累積故障確率を含む故障確率情報を故障確率蓄積部16に保存する。この処理により故障確率蓄積部16に記憶された故障確率情報のデータ構成例を図6に示す。
図6に示したように、故障確率情報は、各現場に対応させて予兆発生からx時間経過後の累積故障確率が示されている。現場は、設備2が設置された場所を示し、本実施の形態の場合、前述したように故障履歴情報に含まれる建物番号と設備番号とで特定する。予兆発生からx時間経過後の累積故障確率は、ステップ130において算出した累積故障確率である。図6には、1時間という時間間隔xで故障確率及び累積故障確率を求めた場合の例が示されている。
例えば、ステップ120において故障履歴情報が据付先という現場特性に従って都道府県別に分類された場合、累積故障確率は都道府県という故障グループ毎に算出されることになる。ここで、現場Aが兵庫県に所在しているのであれば、現場Aに対しては兵庫県用の累積故障確率を対応付ける。現場Bが大阪府に所在しているのであれば、現場Bに対しては大阪府用の累積故障確率を対応付ける。ちなみに、故障履歴情報が据付先という現場特性に従って地方別に分類された場合、累積故障確率は地方という故障グループ毎に算出されることになるが、この場合、現場A、Bには、共に関西地方用の累積故障確率を対応付けることになる。
また、現場特性と故障時間間隔との間に相関がみられることが分かっている場合は、基準となる累積故障確率から、その現場特性における故障グループ毎に、その相関傾向に合わせて係数をかけることにより累積故障確率を算出してもよい。
例えば、相関分析を行うことにより、故障履歴情報が運転時間という現場特性と故障時間間隔との間に相関があり、運転時間が長いほど故障時間間隔が短いという傾向がみられる場合、現場Aの運転時間が長いのであれば、緊急度を高くするために基準となる累積故障確率の時間xにおける累積故障確率に1.2(>1.0)を乗算したり、また、現場Bの運転時間が短いのであれば、緊急度を低くするために0.8(<1.0)を乗算することにより、累積故障確率を算出することになる。このとき、係数は運転時間が長い場合、短い場合の2種類の場合だけでなく、運転時間の長さに応じて柔軟に係数を設定してもよい。また、基準となる累積故障確率は、全故障履歴数に対する累積故障確率でも、全故障履歴数における運転時間から、発生頻度が最も高い運転時間における累積故障確率を用いてもよい。
以上の処理は、各現場の点検を行う順番を決めるための優先度を設定するまでに実施しておくべき処理である。なお、本実施の形態では、後段の処理において累積故障確率を用いるため、故障確率蓄積部16には、故障確率を累積して求めた累積故障確率を記憶するようにしたが、故障確率を記憶するようにし、累積故障確率を用いる際に故障確率を積算して累積故障確率を算出するようにしてもよい。
ここで、ある日のある時間に予兆が発生している設備2に対して点検を実施するための点検スケジュールを作成することにする。例えば、ある日の6時に点検スケジュールを作成することにする。この場合に予兆が発生している設備2に点検を行う順番、つまり各現場に優先順位を設定するが、この優先順位を設定するまでに参照する情報及びその過程において算出した結果をまとめた表を図7に示す。以下、この表を参照しながら優先度として優先順位を設定するまでの処理について説明する。
現場到着時故障確率算出部14は、現時点までに予兆が発生している設備2、厳密には予兆は発生しているものの故障がまだ発生していない設備2が設置されている現場及び各現場における予兆発生時刻を取得する(ステップ140)。これは、故障履歴データベース4を検索して抽出するようにしてもよいし、保守員によって指定された現場及び予兆発生時刻を用いてもよい。図7によると、予兆が発生している現場として現場A〜Eが抽出されており、各現場は予兆発生時刻順に並べられている。なお、図7において、予兆発生からx時間経過後の累積故障確率は、図6と比較すれば明らかなように故障確率蓄積部16に蓄積されたものの中から該当する現場の故障確率情報を抽出した情報である。
続いて、移動時間取得部13は、保守員の拠点から各現場までの移動時間を取得する(ステップ150)。保守員は、一般に支部等の各拠点に駐在し、担当地域内にある現場において設備2の保守点検を行う。従って、移動元となる保守員の所在場所(拠点)は現場の住所によって異なってくる。移動時間取得部13が取得する移動時間の詳細な求め方については、追って説明する。
続いて、現場到着時故障確率算出部14は、移動時間取得部13により取得された移動時間と予兆発生時刻及び現在時刻とから現場到着所要時間を算出する(ステップ160)。現場到着所要時間というのは、各現場において予兆が発生したときから保守員が現場に到着するまでに要する時間である。現時点からの所要時間ではない。図7に示した数値例によると、例えば、現場Bの場合、現時点(6時)において、予兆が発生した時点(4時00分)から現時点(6時00分)までに2時間が経過しており、また現場Bまでの移動時間は1時間なので、現場到着所要時間は3時間(=2時間+1時間)である。また、現場Dの場合、予兆が発生した時点(4時00分)から現時点(6時00分)までに2時間が経過しており、また現場Dまでの移動時間は2時間なので、現場到着所要時間は4時間(=2時間+2時間)である。現場Aの場合、予兆が発生した時点(4時50分)から現時点(6時00分)までに1.17時間が経過しており、また現場Aまでの移動時間は0.5時間なので、現場到着所要時間は1.67時間(=1.17時間+0.5時間)である。現場到着時故障確率算出部14は、現場C,Eについても同様にして現場到着所要時間を算出する。
そして、現場到着時故障確率算出部14は、算出した現場到着所要時間に基づいて保守員が現場に到着した時点における故障確率を現場毎に算出する(ステップ170)。例えば、現場Bの場合、現場到着所要時間は3時間である。また、図7に示した予兆発生からx時間経過後の累積故障確率を参照すると、予兆発生から3時間経過後の現場Bにおける累積故障確率は0.6である。前述したように、現場到着所要時間は、予兆が発生したときから保守員が現場に到着するまでに要する時間なので、保守員が現場Bに到着した時点における故障確率は0.6と求めることができる。また、現場Dの場合、現場到着所要時間は4時間であり、予兆発生から4時間経過後の現場Dにおける累積故障確率は0.8である。従って、保守員が現場Dに到着した時点における故障確率は0.8と求めることができる。現場C,Eに関しては、現場B,Dと同様に故障確率を求める。
現場Aの場合、現場到着所要時間は1.67時間である。図7に示した予兆発生からx時間経過後の累積故障確率を参照しても1.67時間のときの累積故障確率は算出されていない。従って、このような場合には、次のようにして保守員が現場に到着した時点における故障確率を求める。
現場到着所要時間をはさむ予兆発生からの経過時間のうち小さい経過時間をtmin、大きい経過時間をtmaxとし、またtminにおける累積故障確率をp(tmin)、tmaxにおける累積故障確率をp(tmax)、とすると、故障確率は、次の計算式にて算出できる。
故障確率=((現場到着所要時間−tmin)/(tmax−tmin))×(p(tmax)−p(tmin))+p(tmin
現場Aの場合、現場到着所要時間は1.67時間なので、上記計算式に従うと、保守員が現場に到着した時点における現場Aの故障確率は、
((1.67−1)/(2−1))×(0.7−0.5)+0.5=0.634
と算出される。本実施の形態では、現場到着所要時間に対応する時間(予兆発生からx時間経過後)の累積故障確率が求められていない場合には、上記計算式を用いて補間する。
特性別故障確率算出部12は、予兆の発生から故障の発生までの所定時間間隔毎に図5に示したような故障確率を算出し、その算出した故障確率から数1を用いて累積故障確率を求めた。累積故障確率の時間変化を表す数式が求まれば、現場到着時点での累積故障確率を算出することが可能になる。しかしながら、累積故障確率の時間変化は、必ずしも図5に示すような単純な変化を示すとは限らない。そのため、累積故障確率の時間変化を表す数式は複雑になり、正確な数式(回帰式)の導出が困難な場合がある。数式によって累積故障確率の時間変化を示すことが困難である場合、図6のように離散的な時間における累積故障確率を表形式で記憶することがある。そして、表を参照して現場到着所要時間の累積故障確率を正確に求めるためには、故障確率を算出する時刻間隔をできる限り短くする必要がある。しかしながら、時刻間隔を短くすると、記憶するデータ量が増加し、演算リソースの消費量が増加し、結果として設備点検順位設定装置のコストが増加する可能性が生じてくる。
そこで、本実施の形態では、データ量の増加を考慮して1時間という所定時間間隔毎に離散的な故障確率を算出して、図6に例示したように離散的な累積故障確率を故障確率蓄積部16に記憶した。ただ、この故障確率蓄積部16には、前述したように1.67時間という現場Aの現場到着所要時間に対応する時間の累積故障確率は記憶されていない。従って、現場到着時故障確率算出部14は、現場Aに到着する時点における故障確率を、故障確率蓄積部16に記憶された現場到着所要時間(1.67時間)の直前の故障確率すなわち予兆発生から(tmin=1)時間経過後の累積故障確率(p(tmin)=0.5)と、直後の故障確率すなわち予兆発生から(tmax=2)時間経過後の累積故障確率(p(tmax)=0.7)から補間して算出することになる。
以上のようにして現場到着時故障確率算出部14が予兆が発生した各現場に到着した時点における故障確率を算出すると、優先度設定部15は、各現場に対し故障確率の大きい順に割り付けた優先順位を、各現場に対する優先度として設定する(ステップ180)。図7に示した処理結果によると、現場Dの故障確率が0.8と他の現場より大きい、すなわち保守員が6時に拠点を出発し各現場に到着したとすると、各現場に到着した時点において現場Dに設置の設備2が故障に至る可能性が最も高いので、保守員は、現場Dを一番優先して点検を実施することになる。
なお、各現場への到着時刻は、必ずしも同じとは限らない。図7に示した数値例によると、保守員が6時に拠点を出発した場合、例えば現場Bには7時に、現場Dには8時に、現場Aには6時30分に、それぞれ到着することになる。
現時点における故障確率が他の現場より低くても、移動に時間を費やした結果、現場に到着して点検を行う時点における故障確率が逆転して高くなるようであれば、その現場への到着時点(点検作業開始時点)において故障確率の高い現場での点検を優先して実施するのが好ましいと考えられる。そこで、本実施の形態においては、現時点ではなく各現場までの移動時間を考慮し、現場に到着した時点における故障確率を参照に点検スケジュールを作成することができるので、その現場に設置された設備2が実際に故障する可能性を低減させることができる。
ここで、ステップ120において故障履歴情報の分類(故障グループの形成)に用いる現場特性について説明する。
現場特性分類部11が故障グループを形成する際に用いる現場特性として、例えば予兆内容、設置状況、機種、運転状況又は気象情報があることは前述した。本実施の形態においては、基本的には図2に例示した故障履歴情報に含まれるデータ項目を特性情報として用いる。もちろん、以下に説明するように図2に示していないデータ項目を参照して分類してもよい。図2に示していない情報は、故障履歴情報を含めるようにしてもよいし、設備2に関連付けして別途用意しておいてもよい。
予兆内容は、発生状況情報に含まれる予兆内容である。予兆内容毎に分類することで、特性別故障確率算出部12は、部位または検知項目などを表す予兆内容により変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
設置状況は、設置環境情報に含まれる据付先、設置方向、その他にも地域、降雪地域、沿岸地、海岸からの距離等の情報により表される。設置状況毎に分類することで、特性別故障確率算出部12は、設置状況により変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
機種は、設置環境情報に含まれる据付開始、型名、製造年月日、運転開始日時等の情報により表される。機種毎に分類することで、特性別故障確率算出部12は、機種により設備2の内部構造、搭載部品、又は生産年月が異なることに起因して変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
運転状況は、発生状況情報に含まれる発停回数、運転時間、サーモON時間、発停回数割合、サーモON時間割合、目標温度到達時間等の情報により表される。運転状況毎に分類することで、特性別故障確率算出部12は、運転状況により変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
気象情報は、発生状況情報に含まれる気温、湿度、温度差、その他にも露点温度等の情報により表される。気象情報毎に分類することで、特性別故障確率算出部12は、気象情報により変化する故障発生までの傾向を考慮した故障確率を生成することができる。
本実施の形態では、前述した現場特性に従って故障履歴情報を故障グループに分類するようにしたが、その他の種類の現場特性を参照して故障履歴情報を分類するようにしてもよい。
ここで、上記説明した優先度設定処理のステップ150における移動時間を取得する処理について詳述する。
図8は、本実施の形態における設備点検順位設定装置の他のブロック構成の例を示した図である。図8には、図1に示した構成に、各拠点から現場へ移動するまでに要した時間に関する実績情報が蓄積された移動実績データベース(DB)17を移動時間実績情報記憶手段として付加した構成が示されている。移動実績データベース17は、設備点検順位設定装置10aに搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
「移動時間」というのは、保守員が駐在している拠点から現場へ移動するまでに要する時間である。移動時間として、保守員が移動時間を手入力して、移動時間取得部13がその入力値を受け付けて取得するようにしてもよいが、設備点検順位設定装置10aを図8に示したように移動実績データベース17を設けて移動時間の実績情報を蓄積するようにしてもよい。実績情報には、移動の開始日時、到着日時、移動した保守員、移動手段(交通手段、徒歩等)、道路情報(移動経路、高速道路の利用の有無、移動経路上の信号機の数等)、天候情報(天気、気温、湿度等)などの種々の情報が含まれている。もちろん、これらの情報は例示であり、更にその他の情報を含めてよい。
図4に示したステップ150において、移動時間取得部13は、移動実績データベース17に蓄積された実績情報を参照して現場までの移動時間を取得する。例えば、移動時間を取得したいのと同じ現場の実績情報を取得し、その代表時間を移動時間として取得するようにしてもよい。代表時間として、例えば、該当する実績情報に含まれる移動時間の平均値を算出してもよいし、出現頻度が最も多い移動時間を用いてもよい。このように、移動時間に関する実績情報を参照することで、より精度の高い移動時間を取得することができる。
あるいは、実績情報に含まれる、現場までの移動時間に影響を与える可能性のある外部環境に関する外部環境情報を参照し、その外部環境情報に基づき移動時間を絞り込んでから移動時間の代表時間を取得するようにしてもよい。外部環境情報として、例えば、曜日、移動開始時刻、天候情報、道路情報等を利用し、移動時間取得部13は、保守員が移動する時と同じ曜日、時間帯、あるいは天気(雨、雪等)の実績情報を参照して移動時間を取得するようにしてもよい。このように、外部環境情報を参照することで現場までの外部環境に即した、より精度の高い移動時間を取得することができる。
更に、移動時間取得部13は、外部環境の発生確率に基づき移動時間取得対象の現場の実績情報に含まれる移動時間に重み付けを行う重み付け部(図示せず)を含み、重み付けした移動時間を参照して当該現場までの移動時間を求めるようにしてもよい。例えば、実績情報を参照し集計、解析等を行った結果、移動時間取得対象の現場までの移動に晴天時では20分、雨天時では60分要し、また晴天の確率が80%、雨天の確率が20%であったとする。この場合、移動時間取得部13は、移動時間取得対象の現場までの移動時間は、20分×0.8+60分×0.2=28分と、過去の天気の確率に基づき移動時間に重み付けをして移動時間を取得する。また、例えば、上記条件に加えて移動経路中、高速道路の利用が60%で30分、一般道路の利用が40%で90分だとする。この場合、移動時間取得部13は、移動時間取得対象の現場までの移動時間は、((20分×0.8+60分×0.2)+(30分×0.6+90分×0.4))/2=41分と、過去の天気及び高速道路の利用状況に確率に基づき移動時間に重み付けをして移動時間を取得する。このように、実績情報に基づき移動時間に重み付けを行うことで、過去に発生しなかった外部環境にも対応することができる。
実施の形態2.
図9は、本実施の形態における設備点検順位設定装置のブロック構成図である。図9には、図1に示した構成に、作業時間取得部18及び作業時間データベース(DB)19を付加した構成が示されている。作業時間取得部18は、作業時間取得手段として設けられ、保守員による設備2の点検に要する作業時間を取得する。作業時間データベース(DB)19は、作業時間実績情報記憶手段として設けられ、各設備2の点検に要した作業時間に関する実績情報が蓄積される。作業時間に関する実績情報には、作業開始日時、作業終了日時、作業をした保守員を識別する情報、作業内容等の情報が含まれている。作業時間取得部18は、設備点検順位設定装置10bを形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU21で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、作業時間データベース19は、設備点検順位設定装置10bに搭載されたHDD24にて実現される。あるいは、RAM23又は外部にある記憶手段をネットワーク経由で利用してもよい。
ところで、設備2の種類によっては、停止させずに稼動させた状態のまま点検が可能な設備2もある。このような設備2の場合、保守員が現場に到着して点検の開始した後も継続して稼動させる場合があるので点検の途中にもかかわらず設備2に故障が発生する可能性が生じてくる。
そこで、上記実施の形態1では、現場への到着時点における故障確率を求めるようにしたが、本実施の形態においては、点検終了時点における故障確率を求めて優先度を設定するようにしたことを特徴としている。これにより、保守員が点検を完了するまでに設備2が故障が発生する確率を低減させることができる。
作業時間として、保守員が作業時間を手入力して、作業時間取得部18がその入力値を受け付けて作業時間を取得するようにしてもよいが、設備点検順位設定装置10bを図9に示したように作業時間データベース19を設けて作業時間の実績情報を蓄積するようにしてもよい。
本実施の形態における設備点検順位設定装置10bのハードウェア構成及び優先度設定処理の内容は、基本的には実施の形態1と同じでよい。ただ、作業時間取得部18及び作業時間データベース19を設けたことにより、優先度設定処理において図4のステップ170における故障確率を算出する処理が若干異なってくる。従って、本実施の形態では、実施の形態1と異なる故障確率算出処理について説明し、その他の説明は省略する。
ステップ170において、現場到着時故障確率算出部14は、現場到着所要時間に加えて作業時間を考慮することで保守員が点検を完了させた時点における故障確率を現場毎に算出する。保守員が点検を完了させた時点における故障確率は、実施の形態1と同様にして現場到着所要時間に基づいて保守員が現場に到着した時点における故障確率を現場毎に算出した結果に、更に各現場における作業時間を加算することで現場毎に算出すればよい。
「作業時間」というのは、保守員が現場に到着して点検作業に要する時間なので、作業時間を取得したいのと同じ現場の実績情報を取得し、その代表時間を作業時間として取得するようにしてもよい。代表時間として、例えば、該当する実績情報に含まれる作業時間の平均値を算出してもよいし、出現頻度が最も多い作業時間を用いてもよい。このように、実績情報を参照することで、より精度の高い作業時間を取得することができる。
また、点検を行う保守員がすでに決定されているのであれば、その保守員の実績情報に限定して実績情報を参照するなど、作業時間を取得する際、種々の条件に従い参照する実績情報を絞り込むようにしてもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせて実施してもよいし、適宜変形、省略して実施してもよい。
2 冷熱設備、3 稼動履歴受信部、4 故障履歴データベース(DB)、10,10a,10b 設備点検順位設定装置、11 現場特性分類部、12 特性別故障確率算出部、13 移動時間取得部、14 現場到着時故障確率算出部、15 優先度設定部、16 故障確率蓄積部、17 移動実績データベース(DB)、18 作業時間取得部、19 作業時間データベース(DB)、21 CPU、22 ROM、23 RAM、24 ハードディスクドライブ(HDD)、25 HDDコントローラ、26 マウス、27 キーボード、28 ディスプレイ、29 入出力コントローラ、30 ネットワークコントローラ、31 内部バス。

Claims (13)

  1. 複数の設備それぞれが設置される現場を識別する情報、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類することでグループ化する分類手段と、
    前記分類手段により形成されたグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する特性別故障確率算出手段と、
    前記特性別故障確率算出手段により算出されたグループ毎の故障確率を記憶する故障確率記憶手段と、
    保守員の拠点から予兆が発生した設備それぞれが設置された現場までの移動時間を取得する移動時間取得手段と、
    前記故障確率記憶手段に記憶された故障確率及び前記移動時間取得手段により取得された移動時間に基づいて予兆が発生した設備それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する現場到着時故障確率算出手段と、
    前記現場到着時故障確率算出手段により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備に対して保守点検を行う優先度を設定する優先度設定手段と、
    を有することを特徴とする設備点検順位設定装置。
  2. 現場までの移動時間に関する実績情報が蓄積された移動時間実績情報記憶手段を有し、
    前記移動時間取得手段は、前記移動時間実績情報記憶手段に蓄積された実績情報に含まれる移動時間を参照して当該現場までの移動時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  3. 前記移動時間取得手段は、前記移動時間実績情報記憶手段に蓄積される実績情報に含まれる、現場までの移動時間に影響を与える可能性のある外部環境に関する外部環境情報を参照して、前記現場到着時故障確率算出手段が故障確率を算出する時点における移動時間取得対象の現場の外部環境と類似する外部環境情報を含む当該現場の実績情報を参照して当該現場までの移動時間を求めることを特徴とする請求項2に記載の設備点検順位設定装置。
  4. 前記移動時間取得手段は、外部環境の発生確率に基づき移動時間取得対象の現場の実績情報に含まれる移動時間に重み付けを行う重み付け部を含み、重み付けした移動時間を参照して当該現場までの移動時間を求めることを特徴とする請求項3に記載の設備点検順位設定装置。
  5. 保守員による設備の点検に要する作業時間を取得する作業時間取得手段を有し、
    前記現場到着時故障確率算出手段は、前記故障確率記憶手段に記憶された故障確率と、前記移動時間取得手段により取得された移動時間と、前記作業時間取得手段により取得された予兆が発生した各設備に対する作業時間に基づき、予兆が発生した各設備の点検が終了する時点における故障確率を算出することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  6. 各設備の点検に要した作業時間に関する実績情報が蓄積された作業時間実績情報記憶手段を有し、
    前記作業時間取得手段は、前記作業時間実績情報記憶手段に蓄積された、作業時間取得対象の設備の実績情報に含まれる作業時間を参照して当該設備の点検に要する作業時間を求めることを特徴とする請求項5に記載の設備点検順位設定装置。
  7. 前記分類手段は、予兆内容を特性情報とし、故障履歴情報を予兆内容毎に分類することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  8. 前記分類手段は、設備の設置状況を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を設置状況毎に分類することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  9. 前記分類手段は、設備の機種を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を機種毎に分類することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  10. 前記分類手段は、予兆発生時における設備の運転状況を示す情報を特性情報とし、故障履歴情報を運転状況毎に分類することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  11. 前記分類手段は、予兆発生時における気象情報を特性情報とし、故障履歴情報を気象情報毎に分類することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  12. 前記故障確率記憶手段に離散的な故障確率が記憶されている場合において、
    前記現場到着時故障確率算出手段は、現場において予兆が発生したときから保守員が当該現場に到着するまでに要する現場到着所要時間に対応する時間の故障確率が前記故障確率記憶手段に記憶されていない場合、当該現場に到着する時点における故障確率を、前記故障確率記憶手段に記憶された前記現場到着所要時間の直前直後の故障確率から補間して算出することを特徴とする請求項1に記載の設備点検順位設定装置。
  13. コンピュータを、
    複数の設備それぞれが設置される現場を識別する情報、当該設備における故障の予兆の発生状況及び予兆後に当該設備に発生した故障に関する故障履歴情報を、現場の特性を示す特性情報に基づき分類することでグループ化する分類手段、
    前記分類手段により形成されたグループ毎に、予兆発生から故障するまでの経過時間に伴って変化する故障確率を算出する特性別故障確率算出手段、
    保守員の拠点から予兆が発生した設備それぞれが設置された現場までの移動時間を取得する移動時間取得手段、
    前記特性別故障確率算出手段により算出されたグループ毎の故障確率及び前記移動時間取得手段により取得された移動時間に基づいて予兆が発生した設備それぞれが設置された現場に到着する時点における故障確率を算出する現場到着時故障確率算出手段、
    前記現場到着時故障確率算出手段により算出された故障確率に基づいて予兆が発生した各設備に対して保守点検を行う優先度を設定する優先度設定手段、
    として機能させるためのプログラム。
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