JP2015167162A - 有機薄膜トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたキャリア移動度と電流増幅率を示し、スイッチング動作をより速く、より確実に行うことができる高性能な有機薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】基板6上に、ゲート電極5と、有機半導体層1と、ゲート電極と有機半導体層との間に設けられたゲート絶縁層2と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極3及びドレイン電極4とを有する有機薄膜トランジスタであって、有機半導体層が、ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層に接して設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機薄膜トランジスタに関する。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及び電気泳動型ディスプレイ等の表示装置の多くは薄膜トランジスタ(以下、「TFT」ともいう。)が表示スイッチングデバイスとして組み込まれている。TFTは、基板上に、ゲート電極、半導体層、ゲート電極と半導体層の間に設けられたゲート絶縁層からなる構造体を有しており、さらに半導体層に接してソース電極及びドレイン電極が設けられている。TFTは、ゲート電極に電圧を印加することで駆動する。ゲート電極に電圧を印加することで半導体中の電子又はホールからなるキャリア量をコントロールし、ソース電極−ドレイン電極間に流れる電流が制御される。
TFTに用いる半導体には、従来からアモルファスもしくは多結晶の薄膜シリコンといった無機半導体が用いられてきた。しかし、TFTの半導体層を無機半導体で形成する場合、真空プロセスや300℃以上の高温プロセスを要し、生産性の向上には制約がある。
これに対し近年では、有機半導体を用いたTFTも普及してきている。有機半導体層は、インクジェット、スピンコート、フレキソ印刷等の方法により成膜できるため、成膜プロセスを常温などの低温で、高速・効率的に、低コストで行うことができる。
半導体層に有機半導体を用いたTFTの多くは、ゲート絶縁層としてシリコンを熱酸化した酸化ケイ素を用いている。酸化ケイ素膜を用いる場合、その上に形成する有機半導体のキャリア伝導性能を十分に引き出すために、通常は酸化ケイ素膜表面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)やオクタデシルトリクロロシラン(OTS)等により処理し、表面を撥水性にする。この表面処理により、酸化ケイ素膜表面のヒドロキシル基がクエンチされ、また、ゲート絶縁膜の表面エネルギーが低下して半導体の結晶性が向上するため、キャリア移動度が向上する。
また、ゲート絶縁層を、低誘電率ポリマーと高誘電率ポリマーとを含む相分離誘電体構造とすることも知られている(特許文献1)。
特開2008−258610号公報
しかし、HMDSやOTSは、ゲート絶縁膜表面で凝集したりポリマー化したりすることがある。そうなると半導体が結晶成長しにくくなり、十分なキャリア移動度が得られない。
また、ゲート絶縁膜として有機高分子であるポリイミドを使用することも知られているが、表面の平滑化が容易でなく、十分なキャリア移動度を実現するには至っていない。
さらに上記特許文献1に記載のゲート絶縁層は、ポリマーを点状やロッド状に相分離させることで有機半導体層との適合性を向上させているが、キャリア移動度は未だ十分とはいえない。
本発明は、優れたキャリア移動度と電流増幅率を示し、スイッチング動作をより速く、より確実に行うことができる高性能な有機薄膜トランジスタを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体層を、自己組織化によりミクロ相分離構造を形成したブロック共重合体層に接して設けることにより、有機半導体層形成において結晶成長が促進され、結晶配向性も向上することを見い出した。さらに、このTFTは優れたキャリア移動度を示し、且つ、高い電流増幅率を示すことを見い出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
上記の課題は以下の手段により達成された。
〔1〕
基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、ゲート電極と有機半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、有機半導体層に接して設けられ、有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する有機薄膜トランジスタであって、
上記有機半導体層が、ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層に接して設けられている、有機薄膜トランジスタ。
〔2〕
上記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、上記ゲート絶縁層と上記有機半導体層との間に、上記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層が設けられている、〔1〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔3〕
上記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、上記ゲート絶縁層が、上記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層である、〔1〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔4〕
上記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、上記ゲート絶縁層が、上記ブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーを含む、〔2〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔5〕
上記ゲート絶縁層中の上記ランダムポリマーが架橋構造を有する、〔4〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔6〕
上記有機薄膜トランジスタがトップゲート構造であり、上記基板上に上記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層が設けられている、〔1〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔7〕
上記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層の、上記有機半導体層が設けられた側とは反対側に下地層が設けられている、〔1〕、〔2〕及び〔6〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
〔8〕
上記下地層が、上記ブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーを含む、〔7〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔9〕
上記下地層中の上記ランダムポリマーが架橋構造を有する、〔8〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔10〕
上記ミクロ相分離がラメラ相分離である、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔11〕
上記ラメラ相分離のピッチサイズが20nm以下である、〔10〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔12〕
上記ブロック共重合体の分散度が1.20以下である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
〔13〕
上記ブロック共重合体の数平均分子量が25000以下である、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
〔14〕
上記ブロック共重合体の数平均分子量が20000以下である、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
〔15〕
上記ブロック共重合体が、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルブロック共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ブロック共重合体、スチレン−ジアルキルシロキサンブロック共重合体、スチレン−アルキルアリールシロキサンブロック共重合体、スチレン−ジアリールシロキサンブロック共重合体、スチレン−POSS置換アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−POSS置換アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、スチレン−ビニルピリジンブロック共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンオキシドブロック共重合体、及びビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸エステルブロック共重合体から選択される少なくとも1種のブロック共重合体である、〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
〔16〕
上記ブロック共重合体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと、下記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとを有する、〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2015167162
一般式(I)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R11は水素原子またはアルキル基を表す。
一般式(II)中、Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rは、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
〔17〕
上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックが、下記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)のいずれかで表される繰り返し単位からなるブロックである、〔16〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
Figure 2015167162
一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)中、Rは上記一般式(II)におけるRと同義である。R4a及びR5aは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数1〜12の無置換アルキル基又は炭素数3〜12の無置換シクロアルキル基を表す。R及びRは、水素原子又はフッ素原子を表す。但し、R及びRの少なくとも1つはフッ素原子である。R10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。n1aは2〜4の整数を、n2aは1〜6の整数を表す。nは1又は2を表し、nは1〜8の整数を表す。
〔18〕
上記一般式(I)で表される繰り返し単位のSP値と上記一般式(II)で表される繰り返し単位のSP値との差の絶対値が、0.5〜4.0MPa1/2である、〔16〕又は〔17〕に記載の有機薄膜トランジスタ。
〔19〕
上記ブロック共重合体が架橋性基含有モノマー成分を含み、上記ミクロ相分離層中において上記ブロック共重合体が架橋構造を形成している、〔15〕〜〔18〕のいずれかに記載の有機薄膜トランジスタ。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基や連結基等(以下、置換基等という)が複数あるとき、あるいは複数の置換基等を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよいことを意味する。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、式中に同一の表示で表された複数の部分構造の繰り返しがある場合は、各部分構造ないし繰り返し単位は同一でも異なっていてもよい。また、特に断らない限り、複数の置換基等が近接(特に隣接)するときにはそれらが互いに連結したり縮環したりして環を形成していてもよい意味である。
本明細書において化合物(ポリマーを含む)の表示については、当該化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的の効果を奏する範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を奏する範囲で、その基にさらに置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。
例えば、ブロック共重合体というときは、無置換のブロック共重合体と、置換基を有するブロック共重合体とを包含する。ここで、置換基は、ブロック共重合体の分子鎖を形成する主鎖に有していても、主鎖から枝分かれしている側鎖に有していてもよい。
したがって、例えば、α−メチルスチレンはスチレンの主鎖メチル置換体であるが、上記考えに基づき、スチレンを有するブロック共重合体には、α−メチルスチレンを有するブロック共重合体が好ましく包含される。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の有機薄膜トランジスタは、優れたキャリア移動度と電流増幅率を示し、スイッチング動作をより速く、より確実に行うことができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの好ましい構造を模式的に示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[有機薄膜トランジスタ]
本発明の有機薄膜トランジスタ(以下、単に「本発明のOTFT」という。)の構造を以下に説明する。
本発明のOTFTは、基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、上記ゲート電極と上記有機半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、上記有機半導体層に接して設けられ、上記有機半導体を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する。ゲート電極に電圧が印加されると、ソース電極−ドレイン電極間の半導体層と隣接する層との界面に電流の流路(チャネル)が形成される。すなわち、ゲート電極に印加される入力電圧に応じて、ソース電極とドレイン電極との間を流れる電流が制御される。
本発明のOTFTの好ましい構造を図面に基づいて説明する。各図面に示されるOTFTは、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズないし相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。例えば、図1(A)及び(B)において、ゲート電極は必ずしも基板のすべてを覆っている必要はなく、基板の中央部分に設けられた形態も、本発明のOTFTの形態として好ましい。
図1(A)〜(D)は、各々、本発明のOTFTの代表的な好ましい構造を模式的に表わす縦断面図である。図1(A)〜(D)において、1は有機半導体層、2はゲート絶縁層、3はソース電極、4はドレイン電極、5はゲート電極、6は基板を示す。
また、図1(A)は、ボトムゲート・ボトムコンタクト型、図1(B)は、ボトムゲート・トップコンタクト型、図1(C)はトップゲート・ボトムコンタクト型、図1(D)はトップゲート・トップコンタクト型のOTFTを示している。本発明のOTFTには上記4つの形態のすべてが包含される。図示を省略するが、各OTFTの図面最上部(基板6に対して反対側)には、オーバーコート層が形成されている場合もある。
本発明のOTFTは、有機半導体層が、図示していないブロック共重合体がミクロ相分離してなる層(以下、単に「ミクロ相分離層」ともいう。)に接して設けられている。ミクロ相分離とは、ブロック共重合体が、これを構成する各ブロックの性状の違いにより、数nm〜数百nm、好ましくは数nm〜数十nmで微視的な相分離を形成する現象である。ブロック共重合体の構造については後述する。
本発明のOTFTがボトムゲート構造である場合、本発明のOTFTとして下記(a)及び(b)の態様を挙げることができ、より好ましい態様は下記(a)の態様である。
(a)ゲート絶縁層2上にミクロ相分離層が設けられ、このミクロ相分離層上に直接、有機半導体層が設けられた態様:
上記(a)の場合、ミクロ相分離層は、ゲート絶縁層2上に直接設けられていてもよいし、ゲート絶縁層2上に下地層を設け、この下地層に接して設けられていてもよい。下地層としては、その上のミクロ相分離層を形成しているブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマー(以下、「ランダムポリマーA」という。)を含むことが好ましく、より好ましくは下地層がランダムポリマーAで構成される。ランダムモノマーAの各モノマー成分のモル比は、対応するブロック共重合体におけるモノマー成分のモル比と同じであっても異なっていてもよい。
また、ミクロ相分離層がゲート絶縁層2上に直接設けられている場合、ゲート絶縁層2は、その上のミクロ相分離層を形成しているブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマー(以下、「ランダムポリマーB」という。)を含むことが好ましく、より好ましくは、ゲート絶縁層2はランダムポリマーBで構成される。ランダムモノマーBの各モノマー成分のモル比は、対応するブロック共重合体におけるモノマー成分のモル比と同じであっても異なっていてもよい。
上記ランダムポリマーA及びBが、後述するように、エポキシ基、オキセタン基等の架橋性基を有する場合、好ましくは酸触媒(例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の熱酸発生剤)や硬化剤(活性水素を2つ以上有する化合物、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ビスフェノール)の存在下で加熱等することで、橋架け構造を形成する。ランダムポリマーA及びBが架橋構造を有することで耐溶剤性が向上する。そのため、ブロック共重合体を溶剤に溶解し、これをランダムポリマーA又はBを含む層上に塗布・成膜してミクロ層分離層を形成しても、ランダムポリマーA又はBを含む層は溶剤の影響を受けにくく、OTFTの製造効率や性能安定性がより向上する。
ランダムポリマーA及びBが架橋構造を有する場合、ランダムポリマーA及びBは、その全モノマー成分のモル量中、架橋性基含有モノマー成分の量が1〜20モル%であることが好ましく、1〜10モル%であることがより好ましい。
(b)ゲート絶縁層2が、ミクロ相分離層で構成され、このミクロ相分離層上に直接、有機半導体層が設けられた態様。
ミクロ相分離層の層厚は、ミクロ相分離が起こる厚さであれば特に限定されないが、厚さ10〜250nmであることが好ましく、厚さ20〜200nmで使用されることがより好ましく、厚さ20〜100nmであることが更に好ましい。また、下地層が設けられる場合、下地層の層厚は5〜2000nmであることが好ましく、10〜1000nmであることがより好ましい。
また、ミクロ相分離がラメラ相分離である場合において、ラメラ相分離のピッチは5nm〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、10〜20nmであることがさらに好ましい。ラメラ相分離のピッチが小さい方が、その上に設けられる有機半導体の結晶粒径を大きくすることができる。また、結晶配向性も高めることができる。
本発明のOTFTがトップゲート構造である場合、基板6上に、図示していないミクロ相分離層が設けられ、このミクロ相分離層上に直接、有機半導体層が設けられている。この場合、ミクロ相分離層は、基板6上に直接設けられていてもよいし、基板6上に下地層を設け、この下地層に接して設けられていてもよい。下地層はその上のミクロ相分離層を形成しているブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマー(以下、「ランダムポリマーC」という。)を含むことが好ましく、より好ましくは下地層がランダムポリマーCで構成される。ランダムモノマーCの各モノマー成分のモル比は、対応するブロック共重合体におけるモノマー成分のモル比と同じであっても異なっていてもよい。
上記ランダムポリマーCは、後述するように、エポキシ基、オキセタン基等の架橋性基を有していることも好ましい。架橋構造の形成方法の好ましい態様は、上記ランダムポリマーA及びBで説明したものと同じである。
ランダムポリマーA、B及びCの重量平均分子量及び数平均分子量の好ましい範囲は、
3,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜800,000であり、さらに好ましくは20,000〜600,000である。
上記のミクロ相分離層は、ブロック共重合体がラメラ相分離した層であることが好ましい。ラメラ相分離とは、ブロック共重合体が層の平面に沿って線状に相分離した形態である。線状とは、直線状であっても曲線状であっても構わない。所望のラメラ相分離構造とするために、ミクロ相分離層の下層となる層にガイドパターンを設け、ガイドパターンを設けた層上にミクロ相分離層を形成することもできる。ガイドパターンの形成方法としては、ラビング処理、リソグラフィー法、偏光や干渉露光による光重合法や光架橋法、光異性化法を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。工程の簡略化の観点から、本発明においてブロック共重合体がミクロ相分離してなる層はガイドパターンを設けずに形成することが好ましい。
<ブロック共重合体>
上記のミクロ相分離層を構成するブロック共重合体について以下に説明する。
ブロック共重合体を構成するブロックは2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。ブロック共重合体を構成する複数種類のブロックは、ラメラ相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。例えば、ブロック共重合体を構成するブロックが2種類である場合、2種類のブロックの溶解性パラメータ(SP値)の差の絶対値は、0.5〜4.0MPa1/2であることが好ましく、0.5〜3.0MPa1/2であることがより好ましい。
本明細書において「溶解性パラメータ(SP値)」は、ハンセンの方法によって求めることができる。ハンセンの方法は当業界で周知のSP値を算出する方法の一つであり、分散項、極性項、水素結合項からなる多次元ベクトルでSP値を表記する。ハンセンのSP値は、Int.J.Thermophys,2008,29,568−585頁に記載の方法で予測でき、本明細書中に記載のSP値はこの文献の方法により予測した値である。
本明細書において、ブロック共重合体の特定ブロックのSP値は、当該特定ブロック(換言すれば特定の繰り返し単位のみからなるホモポリマー。但しモノマー成分の一部に後述の架橋性基が導入されていてもよい。)を構成する繰り返し単位のSP値とする。例えば、ポリスチレンの繰り返し単位(スチレンユニット)のSP値は20.8MPa1/2であり、ポリメタクリル酸メチルの繰り返し単位(メタクリル酸メチルユニット)のSP値は20.5MPa1/2であることから、ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルの2つブロックを結合してなる共重合体の、ブロック間のSP値の差の絶対値は0.3MPa1/2となる。
なお、特定ブロックのSP値の算出にあたり、特定ブロックが後述する架橋性基を有するモノマー成分を有する場合、この架橋性基を有するモノマー単位はないものとして扱う。すなわち、特定ブロックが架橋性基を有するモノマー単位を有する場合、この特定ブロックは、架橋性基を有するモノマー単位を除いたモノマー単位から構成された繰り返し単位からなるブロックとしてSP値を算出する。
ブロック共重合体を構成する各ブロックの質量比に特に制限はないが、2種類のブロックで構成されるブロック共重合体においては、各ブロックの数平均分子量の比が25:75〜75:25であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましく、45:55〜55:45であることがさらに好ましい。こうすることで、好ましい相分離形態であるラメラ相分離構造をより確実に、より効率的に形成することができる。
本発明に用いるブロック共重合体は、それを構成するモノマー成分の一部に架橋性基が導入されていることも好ましい。架橋性基はブロック共重合体に架橋構造を導入することができれば特に制限はなく、例えば、エポキシ基及びオキセタン基から選ばれる基を好適に用いることができる。この場合において、ブロック共重合体は、好ましくは酸触媒(例えばジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の熱酸発生剤)や硬化剤(活性水素を2つ以上有する化合物、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、ビスフェノール)の存在下で加熱等することで橋架け構造を形成する。したがって、ブロック共重合体層をミクロ相分離させるための加熱時に、同時に架橋構造を形成させることができる。
ミクロ相分離層を形成するブロック共重合体が架橋構造を有することで耐溶剤性が向上するため、その上に有機半導体層を塗布、成膜する際に、塗布液を構成する溶剤の影響を受けにくくなり、OTFTの製造効率や性能安定性がより向上する。
ミクロ相分離層を形成するブロック共重合体が架橋構造を有する場合、ブロック共重合体を構成する全モノマー成分の総モル量中、架橋性基含有モノマー成分の量が1〜20モル%であることが好ましく、1〜10モル%であることがより好ましい。
本発明に用いるブロック共重合体としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体をモノマー成分とする繰り返し単位からなるブロックと、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー成分とする繰り返し単位からなるブロックとを結合してなるブロック共重合体;スチレン又はスチレン誘導体をモノマー成分とする繰り返し単位からなるブロックと、ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体からなるブロックとを結合してなるブロック共重合体;及びポリアルキレンオキシドからなるブロックと、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー成分とする繰り返し単位からなるブロックとを結合してなるブロック共重合体が挙げられる。
本発明に用いるブロック共重合体のモノマー成分となる(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルから選ばれるものが好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよい。また、上記(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルのヒドロキシアルキル基は、その炭素数が1〜10であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、及び(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピルが挙げられる。
上記スチレン誘導体としては、例えば、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−n−オクチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−ニトロスチレン、3−ニトロスチレン、4−クロロスチレン、4−フルオロスチレン、4−アセトキシビニルスチレン、4−ビニルベンジルクロリド、1−ビニルナフタレン、4−ビニルビフェニル、9−ビニルアントラセン、及びα−メチルスチレンが挙げられる。
上記ポリシロキサン誘導体としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、及びメチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。
上記ポリアルキレンオキシドとしては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリイソプロピレンオキシド、及びポリブチレンオキシドが挙げられる。
本発明に用いるブロック共重合体の好ましい例として、例えば以下に示すブロック共重合体を挙げることができる。
スチレン−アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体(アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。)、
スチレン−(メタ)アクリル酸ブロック共重合体、
スチレン−ジアルキルシロキサンブロック共重合体(ジアルキルシロキサンのアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。)、
スチレン−アルキルアリールシロキサンブロック共重合体(アルキルアリールシロキサンのアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。また、ポリアルキルアリールシロキサンのアリール基の炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜12がさらに好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。)、
スチレン−ジアリールシロキサンブロック共重合体(ジアリールシロキサンのアリール基の炭素数は6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜12がさらに好ましく、フェニル基であることがさらに好ましい。)、
スチレン−POSS置換アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体(POSS置換アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。)、
アルキル(メタ)アクリレート−POSS置換アルキル(メタ)クリレートブロック共重合体(アルキル(メタ)アクリレート及びPOSS置換アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。)、
スチレン−ビニルピリジンブロック共重合体、
スチレン−ヒドロキシスチレンブロック共重合体、
スチレン−エチレンオキシドブロック共重合体、
ビニルナフタレン−アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体。
上記「POSS」とは、シルセスキオキサンである。すなわち、本発明に用いるブロック共重合体は、特開2012−036078号公報等に記載のシルセスキオキサン構造を有する共重合体であることも好ましい。
また、上記の好ましい例として挙げた各ブロック共重合体には、そのブロックを構成するモノマー成分の一部に上述の架橋性基(好ましくはエポキシ基又はオキセタン基)を有する形態も含まれる。
ブロック共重合体は市販品(ポリマーソース社等のもの)を使用してもよいし、ラジカル重合やアニオン重合による公知の方法で合成しても良い。
本発明に用いるブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、3000〜300000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましく、8000〜70000であることが更に好ましい。
また、本発明に用いるブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、25000以下であることがさらに好ましく、20000以下であることがさらに好ましい。ブロック共重合体のMnが小さいほどラメラ相分離層のピッチを小さくすることができる。ラメラ相分離層のピッチを小さくするほど、その上に設けられる有機半導体の結晶粒径を大きくすることができ、結晶配向性も向上する。したがって、OTFTのキャリア移動度をより向上させることができる。また、本発明に用いるブロック共重合体のMnは3000以上であることが好ましく、5000以上であることがより好ましく、6000以上であることが更に好ましい。
本発明に用いるブロック共重合体の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜1.5であることが好ましく、さらに1.2以下であることがより好ましく、1.0〜1.2であることがさらに好ましく、1.0〜1.15であることが更に好ましい。相分離構造を形成しやすい等の観点から、本発明に用いるブロック共重合体の分散度は1.15以下であることがさらに好ましく、1.10以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、Mw及びMnは、例えば、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M(東ソー(株)製、7.8mmHD×30.0cm)を用いて、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)又はNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を用いることで求めることができる。また、MwとMnはポリスチレン換算値である。
ブロック共重合体の分散度を低くする(すなわち、単分散化する)ためには、公知のリビングアニオン重合やリビングラジカル重合を用いることが好ましく、なかでもリビングアニオン重合を用いることが好ましい。また、特開2009−67999号公報に記載のように、マイクロリアクター合成装置(フロー反応系)を用いてリビングアニオン重合を行うことも好ましい。
本発明に用いるブロック共重合体は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと下記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとを有する構造であることも好ましい。
Figure 2015167162
一般式(I)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。Rは、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子と結合して、ベンゼン環と縮環していても良い。
が採用しうる上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は更に置換基を有していても良い。この置換基としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、さらに好ましくはエトキシ又はメトキシ)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルアミノ基)、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のジアルキルアミノ基、さらに好ましくはジエチルアミノ基又はジメチルアミノ基)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基、さらに好ましくはエチルチオ基又はメチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜15のアリールチオ基、さらに好ましくはフェニルチオ基又はナフチルチオ基)、アラルキルチオ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキルチオ基)、チエニルカルボニルオキシ基、チエニルメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。Rが上記置換基を有する形態には、繰り返し単位における複数のRのうち一部が上記置換基を有する形態、及び複数のRのすべてが上記置換基を有する形態のいずれも含まれる。また、複数のRは異なる置換基を有していてもよい。
がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、より好
ましくは2〜9であり、更に好ましくは4〜6である。Rがアルキル基である場合、無置換のアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状でもよいし、分岐構造であってもよい。
がアルケニル基又はアルキニル基である場合、その炭素数は好ましくは2〜12であり、より好ましくは2〜9であり、更に好ましくは4〜6である。
がシクロアルキル基である場合、その炭素数は好ましくは3〜12であり、より好ましくは3〜9であり、更に好ましくは3〜6である。Rがシクロアルキル基である場合、無置換のシクロアルキル基が好ましい。
がアリール基である場合、その炭素数は好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜9である。Rがアリール基である場合、無置換のアリール基が好ましい。
がアラルキル基である場合、その炭素数は好ましくは7〜12であり、より好ましくは7〜9である。
における炭素数を上記の好ましい範囲内とすることで、一般式(I)で表される繰り返し単位の疎水性がより高まり、一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとの相分離性をより高めることができる。
が、Rが結合する炭素原子に隣接する炭素原子(すなわち、Rが結合する炭素原子に対してオルト位に位置する炭素原子)と結合して一般式(I)中のベンゼン環と縮環する場合において、一般式(I)中のベンゼン環と縮環するRを含む環構造はベンゼン環であることが好ましい(すなわち、縮環構造全体としてはナフタレン環が形成されることが好ましい)。
一般式(1)にてR11は、水素原子またはアルキル基を表す。R11は好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
11が水素原子であるとき、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基のいずれかであることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることがさらに好ましく、アルキル基であることがさらに好ましく、t−ブチル基であることがもっとも好ましい。
11がアルキル基であるとき、Rは水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることが好ましい。
一般式(II)中、Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
として採用しうるアルキル基及びシクロアルキル基は、更に置換基を有していてもよい。この置換基の具体例としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、さらに好ましくはエトキシ又はメトキシ)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルアミノ基)、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のジアルキルアミノ基、さらに好ましくはジエチルアミノ又はジメチルアミノ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基、さらに好ましくはエチルチオ又はメチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜15のアリールチオ基、さらに好ましくはフェニルチオ又はナフチルチオ)、アラルキルチオ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキルチオ基)、チエニルカルボニルオキシ基、チエニルメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。Rが上記置換基を有する形態には、繰り返し単位における複数のRのうち一部が上記置換基を有する形態、及び複数のRのすべてが上記置換基を有する形態のいずれも含まれる。また、複数のRは異なる置換基を有していてもよい。
として採用しうるアルキル基及びシクロアルキル基は無置換であることが好ましい。
ブロック共重合体のガラス点移転(Tg)を高め、一度形成されたブロック共重合体層の相分離構造を安定的に維持する観点から、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)又はシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキル基)であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
一般式(II)中、Rはアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
として採用しうるアルキル基及びシクロアルキル基は、更に置換基を有していてもよい。この置換基の具体例としては、例えば、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、さらに好ましくはエトキシ又はメトキシ)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルアミノ基)、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のジアルキルアミノ基、さらに好ましくはジエチルアミノ又はジメチルアミノ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基、さらに好ましくはエチルチオ又はメチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜15のアリールチオ基、さらに好ましくはフェニルチオ又はナフチルチオ)、アラルキルチオ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキルチオ基)、チエニルカルボニルオキシ基、チエニルメチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基等のヘテロ環残基、エポキシ基、及びオキセタン基が挙げられる。
が上記置換基を有する形態には、繰り返し単位における複数のRのうち一部が上記置換基を有する形態、及び複数のRのすべてが上記置換基を有する形態のいずれも含まれる。また、複数のRは異なる置換基を有していてもよい。Rが置換基を有する場合、この置換基はハロゲン原子であるか、又は酸素原子若しくは硫黄原子を含む基(例えばアルコキシ又はアルキルチオ基)であることが好ましい。
がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、より好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜4であり、さらに好ましくはメチル又はエチルである。
またRはハロゲンが置換したアルキル基であっても好ましく、特にフッ素が置換したアルキル基であっても好ましく、その場合、後述の一般式(II−2)で表されることが好ましい。
また、Rがシクロアルキル基である場合、その炭素数は、好ましくは3〜12であり、より好ましくは3〜8である。
上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックは、下記一般式(II−1)、(II−2)又は(II−3)のいずれかで表される繰り返し単位からなるブロックであることが好ましく、下記一般式(II−2)又は(II−3)で表される繰り返し単位からなるブロックであることがより好ましい。
Figure 2015167162
上記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)中、Rは、上記一般式(II)におけるRと同義であり、好ましい形態も同じである。
上記一般式(II−1)において、Rは、炭素数1〜12の無置換アルキル基、又は、炭素数が3〜12の無置換シクロアルキル基を表す。Rが無置換アルキル基である場合、その炭素数は1〜8であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。Rはさらに好ましくはメチル又はエチルである。また、Rが無置換シクロアルキル基である場合、その炭素数は4〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。Rはさらに好ましくはシクロヘキシルである。
上記一般式(II−2)において、R及びRは、水素原子又はフッ素原子を表す。ただし、R及びRの少なくとも1つはフッ素原子を表す。より好ましくはR及びRの両方がフッ素原子である。
上記一般式(II−2)においてn3は1又は2を表し、好ましくは1である。n4は1〜8の整数を表す。n4はより好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜4の整数であり、さらに好ましくは1又は2である。
上記一般式(II−3)において、R4a及びR5aは水素原子又はメチルを表す。上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと上記一般式(II−3)で表される繰り返し単位からなるブロックとの相分離性をより高める観点から、R4a及びR5aは水素原子であることが好ましい。
上記一般式(II−3)中、R10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
n1aは、2〜4の整数を表す。n2aは1〜6の整数を表す。
上記一般式(II−3)において、R10として採用しうるアルキル基及びシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。この置換基の好ましい例としては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、さらに好ましくはエトキシ又はメトキシ)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシル基)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜5、さらに好ましくは炭素数2又は3のアシルアミノ基)、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のジアルキルアミノ、さらに好ましくはジエチルアミノ又はジメチルアミノ)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のアルキルチオ基、さらに好ましくはエチルチオ又はメチルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜15のアリールチオ基、さらに好ましくはフェニルチオ又はナフチルチオ)、アラルキルチオ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜15のアラルキルチオ基)、チエニルカルボニルオキシ基、チエニルメチルカルボニルオキシ基、ピロリドン残基等のヘテロ環残基、エポキシ基、及びオキセタン基が挙げられる。
10が上記置換基を有する形態には、繰り返し単位における複数のR10のうち一部が上記置換基を有する形態、及び複数のR10のすべてが上記置換基を有する形態のいずれも含まれる。また、複数のR10は異なる置換基を有していてもよい。
10がアルキル基である場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、より好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜4である。R10がアルキル基である場合、R10はさらに好ましくはエチル又はメチルである。
10がシクロアルキル基である場合、その炭素数は3〜12であることが好ましく、より好ましくは3〜8である。R10がシクロアルキル基である場合、R10はさらに好ましくはシクロへキシルである。
本発明に用いるブロック共重合体が、上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと下記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとを有する場合、本発明に用いるブロック共重合体は、上記一般式(I)又は(II)では表されない別の繰り返し単位を有していてもよいが、上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと下記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとが結合した構造であることが好ましい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと、上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックの数平均分子量の比は、一般式(I):一般式(II)=25:75〜75:25であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましく、45:55〜55:45であることがさらに好ましい。こうすることで、好ましい相分離形態であるラメラ相分離構造をより確実に、より効率的に形成することができる。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例示中、Meはメチルを示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記一般式(I)で表される繰り返し単位のSP値(上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックのSP値)と上記一般式(II)で表される繰り返し単位のSP値(上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックのSP値)との差の絶対値は0.5〜4.0(MPa1/2)であることが好ましい。
また、上記一般式(III)で表される繰り返し単位のSP値(上記一般式(III)で表される繰り返し単位からなるブロックのSP値)と上記一般式(IV)で表される繰り返し単位のSP値(上記一般式(IV)で表される繰り返し単位からなるブロックのSP値)との差の絶対値は0.5〜4.0(MPa1/2)であることが好ましい。
各繰り返し単位の溶解パラメータ(SP値)の差を上記範囲内とすることで、ブロック共重合体の相分離をより高品位かつ高効率に行うことができる。
一般式(I)で表される繰り返し単位の溶解パラメータ(SP値)と一般式(II)で表される繰り返し単位の溶解パラメータ(SP値)との差の絶対値は、より低分子量のブロックポリマーにてラメラ相分離層を形成する、すなわちより細かいピッチにてラメラ相分離層を形成する(ピッチサイズは重合度の2/3乗に比例)観点から、0.5〜3.5(MPa1/2)であることが好ましく、0.5〜3.0(MPa1/2)であることがより好ましい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと、上記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとを結合してなるブロック共重合体の、繰り返し単位の組み合わせの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記例中、繰り返し単位の比率(a、b)は質量比である。また、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。ΔSPは、各繰り返し単位でのブロック間のSP値の差の絶対値を表す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
続いて、ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層の形成方法について以下に説明する。
本発明のOTFTにおいて、ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層は、上記ブロック共重合体を含有する溶液を塗布し、成膜後、この膜に熱処理等を施してブロック共重合体を自己組織化して形成される。
上記ブロック共重合体を含有する溶液の溶媒は有機溶剤が好ましく、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、上記多価アルコール類又は上記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤を挙げることができる。また、上記有機溶剤の2種以上を併用してもよい。
上記ブロック共重合体を含有する溶液において、ブロック共重合体の濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、1.5〜6.0質量%、更に好ましくは1.5〜5.5質量%である。
典型的には、上記ブロック共重合体を含有する溶液は、基板10上に、スピナーやコーター等を用いて塗布される。これにより、ブロック共重合体を含有する層を形成することができる。このブロック共重合体を含有する層を加熱することで、ブロック共重合体をミクロ相分離させることができる。この加熱は、ガラス転移温度以上の温度で行うことが好ましい。また、ブロック共重合体の熱分解温度以下の温度に加熱することが好ましい。加熱温度は好ましくは50〜250℃であり、より好ましくは60〜200℃であり、さらに好ましくは100〜180℃である。また、加熱時間は1秒〜10時間であることが好ましく、1分〜2時間であることがより好ましい。
このミクロ相分離により、ブロック共重合体をラメラ相分離させることが好ましい。ブロック共重合体におけるブロック単位の組成を上述した好ましい範囲とすることで、ラメラ相分離させることができる。
以下、本発明のOTFTの構成ないし材料についてさらに説明する。
[基板]
基板は、OTFT及びその上に作製される表示パネル等を支持できるものであればよい。基板は、表面に絶縁性があり、シート状で、表面が平坦であれば特に限定されない。
基板の材料として、無機材料を用いてもよい。無機材料からなる基板として、例えば、ソーダライムガラス、石英ガラス等の各種ガラス基板や、表面に絶縁膜が形成された各種ガラス基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成されたシリコン基板、サファイヤ基板、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル等の各種合金や各種金属からなる金属基板、金属箔、紙等を挙げることができる。
基板がステンレスシート、アルミ箔、銅箔又はシリコンウェハ等の導電性あるいは半導体性の材料で形成されている場合、通常は、表面に絶縁性の高分子材料あるいは金属酸化物等を塗布又は積層して用いられる。
また、基板の材料として、有機材料を用いてもよい。例えば、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル、PMMA)やポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィンに例示される有機ポリマーから構成された可撓性を有するプラスチック基板(プラスチックフィルム、プラスチックシートともいう)を挙げることができる。また雲母で形成したものも挙げることができる。
このような可撓性を有するプラスチック基板等を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器へのOTFTの組込みあるいは一体化が可能となる。
基板を形成する有機材料は、他の層の積層時や加熱時に軟化し難いことから、ガラス転移点が高いことが好ましく、ガラス転移点が40℃以上であるのが好ましい。また、製造時の熱処理により寸法変化を起こし難く、トランジスタ性能の安定性に優れる点から、線膨張係数が小さいことが好ましい。例えば、線膨張係数が25×10−5cm/cm・℃以下である材料が好ましく、10×10−5cm/cm・℃以下である材料がさらに好ましい。
また、基板を構成する有機材料は、OTFT作製時に用いる溶媒に対する耐性を有する材料が好ましく、また、ゲート絶縁層及び電極との密着性に優れる材料が好ましい。
さらに、ガスバリア性の高い有機ポリマーからなるプラスチック基板を用いることも好ましい。
基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けたり、無機材料を蒸着又は積層したりすることも好ましい。
基板として、上記の他に、導電性基板(金やアルミニウム等の金属からなる基板、高配向性グラファイトからなる基板、ステンレス鋼製基板等)も挙げることができる。
基板には、密着性や平坦性を改善するためのバッファー層、ガスバリア性を向上させるためのバリア膜等の機能性膜、また表面に易接着層等の表面処理層を形成してもよいし、コロナ処理、プラズマ処理、UV/オゾン処理等の表面処理を施してもよい。
基板の厚みは、10mm以下であるのが好ましく、2mm以下であるのがさらに好ましく、1mm以下であるのが特に好ましい。また、一方で、0.01mm以上であるのが好ましく、0.05mm以上であるのがさらに好ましい。特に、プラスチック基板の場合は、厚みが0.05〜0.1mm程度であるのが好ましい。また、無機材料からなる基板の場合は、厚みが0.1〜10mm程度であるのが好ましい。
[ゲート電極]
ゲート電極は、OTFTのゲート電極として用いられている従来公知の電極を用いることができる。ゲート電極を構成する導電性材料(電極材料ともいう)としては、特に限定されない。例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、モリブデン、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム、パラジウム、鉄、マンガン等の金属;InO、SnO、インジウム・錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等の導電性高分子;塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等のドーパントを添加した上記導電性高分子、並びに、カーボンブラック、グラファイト粉、金属微粒子等を分散した導電性の複合材料等が挙げられる。これらの材料は、1種のみを用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、ゲート電極は、上記導電性材料からなる1層でもよく、2層以上を積層してもよい。
ゲート電極の形成方法に制限は無い。例えば、真空蒸着法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD法)、スパッタ法、印刷法(塗布法)、転写法、ゾルゲル法、メッキ法等により形成された膜を、必要に応じて所望の形状にパターンニングする方法が挙げられる。
塗布法では、上記材料の溶液、ペースト又は分散液を調製、塗布し、乾燥、焼成、光硬化又はエージング等により、膜を形成し、又は直接電極を形成できる。
また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、(反転)オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、熱転写印刷、マイクロコンタクトプリンティング法等は、所望のパターニングが可能であり、工程の簡素化、コスト低減、高速化の点で好ましい。
スピンコート法、ダイコート法、マイクログラビアコート法、ディップコート法を採用する場合も、下記フォトリソグラフィー法等と組み合わせてパターニングすることができる。
フォトリソグラフィー法としては、例えば、フォトレジストのパターニングと、エッチング液によるウェットエッチングや反応性のプラズマによるドライエッチング等のエッチングやリフトオフ法等とを組み合わせる方法等が挙げられる。
他のパターニング方法として、上記材料に、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して、研磨し、又は材料の導電性を変化させる方法も挙げられる。
さらに、基板以外の支持体に印刷したゲート電極用組成物を基板等の下地層の上に転写させる方法も挙げられる。
ゲート電極の厚みは、任意であるが、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、200nm以下が特に好ましい。
[ゲート絶縁層]
ゲート絶縁層は上述したミクロ層分離層で形成される態様の他、以下の形態とすることができる。
ゲート絶縁層は、絶縁性を有する層であれば特に限定されず、単層であってもよいし、多層であってもよい。
ゲート絶縁層は、絶縁性の材料で形成されるのが好ましく、絶縁性の材料として、例えば、有機高分子、無機酸化物等が好ましく挙げられる。
有機高分子及び無機酸化物等は、絶縁性を有するものであれば特に限定されず、薄膜、例えば厚み1μm以下の薄膜を形成できるものが好ましい。
有機高分子及び無機酸化物は、ぞれぞれ、1種を用いても、2種以上を併用してもよく、また、有機高分子と無機酸化物を併用してもよい。
有機高分子としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルフェノール、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレートに代表されるポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、CYTOPに代表される環状フルオロアルキルポリマー、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)に代表されるポリオルガノシロキサン、ポリシルセスキオキサン又はブタジエンゴム等が挙げられる。また、上記の他にも、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、シンナメート樹脂、アクリル樹脂、ポリパラキシリレン樹脂等の熱硬化性樹脂も挙げられる。
有機高分子は、アルコキシシリル基やビニル基、アクリロイルオキシ基、エポキシ基、メチロール基等の反応性置換基を有する化合物と併用することもできる。
有機高分子でゲート絶縁層を形成する場合、ゲート絶縁層の耐溶媒性や絶縁耐性を増す目的等で、有機高分子を架橋し、硬化させることも好ましい。架橋は、光、熱又はこれら双方を用いて、酸又はラジカルを発生させることにより、行うのが好ましい。
ラジカルにより架橋する場合、光又は熱によりラジカルを発生させるラジカル発生剤として、例えば、特開2013−214649号公報の[0182]〜[0186]に記載の熱重合開始剤(H1)及び光重合開始剤(H2)、特開2011−186069号公報の[0046]〜[0051]に記載の光ラジカル発生剤、特開2010−285518号公報の[0042]〜[0056]に記載の光ラジカル重合開始剤等を好適に用いることができ、好ましくはこれらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、特開2013−214649号公報の[0167]〜[0177]に記載の「数平均分子量(Mn)が140〜5,000であり、架橋性官能基を有し、フッ素原子を有さない化合物(G)」を用いるのも好ましく、これらの内容は好ましくは本願明細書に組み込まれる。
酸により架橋する場合、光により酸を発生させる光酸発生剤として、例えば、特開2010−285518号公報の[0033]〜[0034]に記載の光カチオン重合開始剤、特開2012−163946号公報の[0120]〜[0136]に記載の酸発生剤、特にスルホニウム塩、ヨードニウム塩等を好ましく使用することができ、好ましくはこれらの内容は本願明細書に組み込まれる。
熱により酸を発生させる熱酸発生剤(触媒)として、例えば、特開2010−285518号公報の[0035]〜[0038]に記載の熱カチオン重合開始剤、特にオニウム塩等や、特開2005−354012号公報の[0034]〜[0035]に記載の触媒、特にスルホン酸類及びスルホン酸アミン塩等を好ましく使用することができ、好ましくはこれらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、特開2005−354012号公報の[0032]〜[0033]に記載の架橋剤、特に二官能以上のエポキシ化合物、オキセタン化合物、特開2006−303465号公報の[0046]〜[0062]に記載の架橋剤、特に2個以上の架橋基を有し、該架橋基の少なくとも一つがメチロール基もしくはNH基であることを特徴とする化合物、及び、特開2012−163946号公報の[0137]〜[0145]に記載の、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を分子内に2個以上有する化合物を用いるのも好ましく、これらの内容は好ましくは本願明細書に組み込まれる。
ゲート絶縁層を有機高分子で形成する方法としては、例えば、有機高分子を塗工、硬化する方法が挙げられる。塗工方法は、特に限定されず、上記の各印刷法が挙げられる。なかでも、マイクログラビアコート法、ディップコート法、スクリーンコート印刷、ダイコート法又はスピンコート法等のウエットコーティング法が好ましい。
上記無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)、酸化ハフニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化アルミニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化銅、酸化ニッケル等の酸化物、また、SrTiO、CaTiO、BaTiO、MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物又は混合物等が挙げられる。ここで、酸化ケイ素としては、酸化シリコン(SiO)の他に、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、酸化窒化シリコン(SiON)、SOG(スピンオングラス)、低誘電率SiO系材料(例えば、ポリアリールエーテル、シクロパーフルオロカーボンポリマー及びベンゾシクロブテン、環状フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、アモルファスカーボン、有機SOG)を含む。
ゲート絶縁層を無機酸化物で形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング又はCVD法等の真空成膜法を用いることができ、また成膜中に任意のガスを用いたプラズマやイオン銃、ラジカル銃等でアシストを行ってもよい。
また、それぞれの金属酸化物に対応する前駆体、具体的には塩化物、臭化物等の金属ハロゲン化物や金属アルコキシド、金属水酸化物等を、アルコールや水中で塩酸、硫酸、硝酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基と反応させて加水分解することにより、形成してもよい。このような溶液系のプロセスを用いる場合、上記ウエットコーティング法を用いることができる。
ゲート絶縁層は、上記の方法以外にも、リフトオフ法、ゾル−ゲル法、電着法及びシャドウマスク法のいずれかと、必要に応じてパターニング法とを組合せた方法により、設けることもできる。
ゲート絶縁層は、コロナ処理、プラズマ処理、UV/オゾン処理等の表面処理を施してもよいが、この場合、処理による表面粗さが粗くしないのが好ましい。好ましくは、ゲート絶縁層表面の算術平均粗さRa又は二乗平均粗さRMSは0.5nm以下である。
[有機半導体層]
有機半導体層は、半導体性を示し、キャリアを蓄積可能な層である。
有機半導体層は、有機半導体を含有する層であればよい。
有機半導体としては、特に限定されず、有機ポリマー及びその誘導体、低分子化合物等が挙げられる。
本発明において、低分子化合物は、有機ポリマー及びその誘導体以外の化合物を意味する。すなわち、繰り返し単位を有さない化合物をいう。低分子化合物は、このような化合物である限り、分子量は特に限定されるものではない。低分子化合物の分子量は、好ましくは300〜2000であり、さらに好ましくは400〜1000である。
低分子化合物としては、縮合多環芳香族化合物が挙げられる。例えば、ナフタセン、ペンタセン(2,3,6,7−ジベンゾアントラセン)、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン等のアセン、アントラジチオフェン、ピレン、ベンゾピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセン、及び、これらの炭素原子の一部をN、S、O等の原子で置換した誘導体又は上記炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子をカルボニル基等の官能基で置換した誘導体(ペリキサンテノキサンテン及びその誘導体を含むジオキサアンタントレン系化合物、トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノン等)、並びに、上記水素原子を他の官能基で置換した誘導体を挙げることができる。
また、銅フタロシアニンで代表される金属フタロシアニン、テトラチアペンタレン及びその誘導体、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)、N,N’−ジオクチルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミド等のアントラセンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン及びこれらの誘導体、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素、ヘミシアニン色素等の色素とこれらの誘導体等を挙げることもできる。
さらに、ポリアントラセン、トリフェニレン、キナクリドンを挙げることができる。
また、低分子化合物としては、例えば、4,4’−ビフェニルジチオール(BPDT)、4,4’−ジイソシアノビフェニル、4,4’−ジイソシアノ−p−テルフェニル、2,5−ビス(5’−チオアセチル−2’−チオフェニル)チオフェン、2,5−ビス(5’−チオアセトキシル−2’−チオフェニル)チオフェン、4,4’−ジイソシアノフェニル、ベンジジン(ビフェニル−4,4’−ジアミン)、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、テトラチアフルバレン(TTF)及びその誘導体、テトラチアフルバレン(TTF)−TCNQ錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体に代表される電荷移動錯体、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−ジ(4−チオフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、1,4−ジ(4−イソシアノフェニルアセチリニル)−2−エチルベンゼン、1,4−ジ(4−チオフェニルエチニル)−2−エチルベンゼン、2,2”−ジヒドロキシ−1,1’:4’,1”−テルフェニル、4,4’−ビフェニルジエタナール、4,4’−ビフェニルジオール、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、1,4−ジアセチニルベンゼン、ジエチルビフェニル−4,4’−ジカルボキシレート、ベンゾ[1,2−c;3,4−c’;5,6−c”]トリス[1,2]ジチオール−1,4,7−トリチオン、α−セキシチオフェン、テトラチアテトラセン、テトラセレノテトラセン、テトラテルルテトラセン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)、ポリ(N−アルキルピロール)ポリ(3−アルキルピロール)、ポリ(3,4−ジアルキルピロール)、ポリ(2,2’−チエニルピロール)、ポリ(ジベンゾチオフェンスルフィド)を例示することができる。
有機半導体は低分子化合物が好ましく、なかでも、縮合多環芳香族化合物が好ましい。縮合多環芳香族化合物はキャリア移動度及び耐久性の向上効果が高く、さらには優れた閾値電圧の低減効果をも示す。
縮合多環芳香族化合物は、式(A1)〜(A4)のいずれかで表されるアセン、及び、下記一般式(C)〜(T)のいずれかで表される化合物が好ましく、下記一般式(C)〜(T)のいずれかで表される化合物がより好ましい。
縮合多環芳香族化合物として好ましいアセンは、下記式(A1)又は(A2)で表されるものである。
Figure 2015167162
式中、RA1〜RA6、XA1及びXA2は、水素原子又は置換基を表す。
A1及びZA2は、S、O、Se又はTeを表す。
nA1及びnA2は0〜3の整数を表す。ただし、nA1及びnA2が同時に0になることはない。
A1〜RA6、XA1及びXA2で各々表される置換基としては、特に限定されないが、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、オクチル、tert−オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、イソプロペニル等)、アルキニル基(例えば、エチニル、プロパルギル等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル、p−クロロフェニル、メシチル、トリル、キシリル、ナフチル、アントリル、アズレニル、アセナフテニル、フルオレニル、フェナントリル、インデニル、ピレニル、ビフェニリル等)、芳香族複素環基(ヘテロアリール基ともいい、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(ヘテロアリール環基等ともいい、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(例えば、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2−ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(例えば、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタフルオロフェニル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリフェニルシリル、フェニルジエチルシリル等)、下記一般式(SG1)で表される基(ただし、XはGe又はSn)等が挙げられる。
これらの置換基は、さらに置換基を複数有していてもよい。複数有していてもよい置換基としては、上記、RA1〜RA6で表される置換基が挙げられる。
上記アセンのなかでも、下記式(A3)又は(A4)で表されるものがより好ましい。
Figure 2015167162
式中、RA7、RA8、XA1及びXA2は、水素原子又は置換基を表す。RA7、RA8、XA1及びXA2は同じであっても異なっていてもよい。RA7及びRA8で表される置換基は式(A1)及び(A2)のRA1〜RA6として採用しうる置換基として上記で列挙したものが好ましい。
A1及びZA2は、S、O、Se又はTeを表す。
nA1及びnA2は0〜3の整数を表す。ただし、nA1とnA2が同時に0になることはない。
式(A3)又は(A4)において、RA7及びRA8は、下記式(SG1)で表されるものが好ましい。
Figure 2015167162
式中、RA9〜RA11は置換基を表す。XはSi、Ge又はSnを表す。RA9〜RA11で表される置換基は、式(A1)及び(A2)のRA1〜RA6として採用しうる置換基として上記で列挙したものであることが好ましい。
以下に、式(A1)〜(A4)で表されるアセン又はアセン誘導体の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
縮合多環芳香族化合物としては、さらに、下記一般式(C)〜(T)で表される化合物も好ましい。
Figure 2015167162
一般式(C)中、AC1、AC2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはAC1、AC2共に酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは硫黄原子を表す。RC1〜RC6は水素原子又は置換基を表す。RC1〜RC6のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(D)中、XD1及びXD2はNRD9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AD1はCRD7又はN原子を表し、AD2はCRD8又はN原子を表し、RD9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアシル基を表す。RD1〜RD8は水素原子又は置換基を表し、RD1〜RD8のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(E)中、XE1及びXE2は酸素原子、硫黄原子又はNRE7を表す。AE1及びAE2はCRE8又は窒素原子を表す。RE1〜RE8は水素原子又は置換基を表す。RE1〜RE8のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(F)中、XF1及びXF2は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。好ましくはXF1及びXF2は酸素原子、硫黄原子を表し、より好ましくは、硫黄原子を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbは水素原子又は置換基を表す。RF1〜RF10、RFa及びRFbのうち少なくとも一つは一般式(W)で表される置換基である。p及びqは0〜2の整数を表す。
一般式(G)中、XG1及びXG2はNRG9、酸素原子又は硫黄原子を表す。AG1はCRG7又はN原子を表す。AG2はCRG8又はN原子を表す。RG9は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RG1〜RG8は水素原子又は置換基を表す。RG1〜RG8のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(H)中、XH1〜XH4は、NRH7、酸素原子又は硫黄原子を表す。XH1〜XH4は、好ましくは硫黄原子を表す。RH7は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。RH1〜RH6は水素原子又は置換基を表す。RH1〜RH6のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(J)中、XJ1及びXJ2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRJ9を表す。XJ3及びXJ4は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XJ1、XJ2、XJ3及びXJ4は好ましくは硫黄原子を表す。RJ1〜RJ9は水素原子又は置換基を表す。RJ1〜RJ9のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(K)中、XK1及びXK2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRK9を表す。XK3及びXK4は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表す。XK1、XK2、XK3及びXK4は好ましくは硫黄原子を表す。RK1〜RK9は水素原子又は置換基を表す。RK1〜RK9のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(L)中、XL1及びXL2は酸素原子、硫黄原子又はNRL11を表す。XL1及びXL2は好ましくは酸素原子又は硫黄原子を表す。RL1〜RL11は水素原子又は置換基を表し、RL1〜RL11のうち少なくとも1つが下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(M)中、XM1及びXM2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRM9を表す。XM1及びXM2は好ましくは硫黄原子を表す。RM1〜RM9は水素原子又は置換基を表す。RM1〜RM9のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(N)中、XN1及びXN2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRN13を表す。XN1及びXN2は好ましくは硫黄原子を表す。RN1〜RN13は水素原子又は置換基を表す。RN1〜RN13のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(P)中、XP1及びXP2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRP13を表す。XP1及びXP2は好ましくは硫黄原子を表す。RP1〜RP13は水素原子又は置換基を表す。RP1〜RP13のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(Q)中、XQ1及びXQ2は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRQ13を表す。XQ1及びXQ2は好ましくは硫黄原子を表す。RQ1〜RQ13は水素原子又は置換基を表す。RQ1〜RQ13のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(R)中、XR1、XR2及びXR3は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRR9を表す。XR1、XR2及びXR3は好ましくは硫黄原子を表す。RR1〜RR9は水素原子又は置換基を表す。RR1〜RR9のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(S)中、XS1、XS2、XS3及びXS4は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRS7を表す。XS1、XS2、XS3及びXS4は好ましくは硫黄原子を表す。RS1〜RS7は水素原子又は置換基を表す。RS1〜RS7のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
一般式(T)中、XT1、XT2、XT3、及びXT4は酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はNRT7を表す。XT1、XT2、XT3及びXT4は好ましくは硫黄原子を表す。RT1〜RT7は水素原子又は置換基を表す。RT1〜RT7のうち少なくとも1つは下記一般式(W)で表される置換基である。
以下に、上記一般式(C)〜(T)において、水素原子又は置換基を表す、RC1〜RC6、RD1〜RD8、RE1〜RE8、RF1〜RF10、RFa及びRFb、RG1〜RG8、RH1〜RH6、RJ1〜RJ9、RK1〜RK9、RL1〜RL11、RM1〜RM9、RN1〜RN13、RP1〜RP13、RQ1〜RQ13、RR1〜RR9、RS1〜RS7及びRT1〜RT7(以下、置換基R〜Rという)について、説明する。
置換基R〜Rが、とりうる置換基として、ハロゲン原子、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル等の炭素数1〜40のアルキル基、ただし、2,6−ジメチルオクチル、2−デシルテトラデシル、2−ヘキシルドデシル、2−エチルオクチル、2−デシルテトラデシル、2−ブチルデシル、1−オクチルノニル、2−エチルオクチル、2−オクチルテトラデシル、2−エチルヘキシル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル等を含む)、アルケニル基(1−ペンテニル、シクロアルケニル、ビシクロアルケニル等を含む)、アルキニル基(1−ペンチニル、トリメチルシリルエチニル、トリエチルシリルエチニル、トリ−i−プロピルシリルエチニル、2−p−プロピルフェニルエチニル等を含む)、アリール基(フェニル、ナフチル、p−ペンチルフェニル、3,4−ジペンチルフェニル、p−ヘプトキシフェニル、3,4−ジヘプトキシフェニルの炭素数6〜20のアリール基等を含む)、複素環基(ヘテロ環基といってもよい。2−ヘキシルフラニル等を含む)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシル基(ヘキサノイル、ベンゾイル等を含む。)、アルコキシ基(ブトキシ等を含む)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基含む)、アルコキシ及びアリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキル及びアリールチオ基(メチルチオ、オクチルチオ等を含む)、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基(ジトリメチルシロキシメチルブトキシ基等)、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基が挙げられる。
これら置換基は、さらに上記置換基を有していてもよい。
これらの中でも、置換基R〜Rがとりうる置換基として、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、後述の一般式(W)で表される基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数1〜11のアルコキシ基、炭素数5〜12の複素環基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、後述の一般式(W)で表される基がより好ましく、後述の一般式(W)で表される基が特に好ましく、後述の一般式(W)で表される基がより特に好ましい。
上記RD9、RG9及びRH7の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基は、それぞれ、置換基R〜Rがとりうる置換基で説明した、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基と同義である。
また、ヘテロアリール基は、RA1〜RA6の置換基で説明したヘテロアリール基と同義である。
一般式(W):−L−R で表される基について説明する。
一般式(W)中、Lは下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基又は2以上の下記一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した2価の連結基を表す。Rは置換又は無置換のアルキル基、シアノ基、ビニル基、エチニル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基を表す。
Figure 2015167162
一般式(L−1)〜(L−25)中、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各骨格を形成するいずれかの環との結合位置を表す。なお、本明細書中、Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が2つ以上結合した2価の連結基を表す場合、波線部分は上記一般式(C)〜(T)で表される各骨格を形成するいずれかの環との結合位置及び一般式(L−1)〜(L−25)で表される2価の連結基のいずれかとの結合位置を表してもよい。
*はRとの結合位置または一般式(L−1)〜(L−25)の波線部分との結合位置を表す。
一般式(L−13)におけるmは4を表し、一般式(L−14)及び(L−15)におけるmは3を表し、一般式(L−16)〜(L−20)におけるmは2を表し、(L−22)におけるmは6を表す。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−19)及び(L−21)〜(L−24)におけるR’はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、一般式(L−1)及び(L−2)中のR’はそれぞれLに隣接するRと結合して縮合環を形成してもよい。
は水素原子又は置換基を表し、Rsiはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。
この中でも、一般式(L−17)〜(L−21)、(L−23)及び(L−24)で表される2価の連結基は、下記一般式(L−17A)〜(L−21A)、(L−23A)及び(L−24A)で表される2価の連結基であることがより好ましい。
Figure 2015167162
ここで、置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、一般式(W)における−R単独と解釈することもでき、一般式(W)における−L−Rと解釈することもできる。
本発明では、主鎖が炭素数N個の置換又は無置換のアルキル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で一般式(W)における−L−Rと解釈することとし、一般式(W)における−R単独とは解釈しない。具体的には「一般式(W)におけるLに相当する(L−1)1個」と「一般式(W)におけるRに相当する主鎖が炭素数N−1個の置換又は無置換のアルキル基」とが結合した置換基として解釈する。例えば、炭素数8のアルキル基であるn−オクチル基が置換基の末端に存在する場合、2個のR’が水素原子である(L−1)1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。また、一般式(W)で表される置換基が炭素数8のアルコキシ基である場合、−O−である一般式(L−4)で表される連結基1個と、2個のR’が水素原子である(L−1)で表される連結基1個と、炭素数7のn−ヘプチル基とが結合した置換基として解釈する。
一方、本発明では、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数vが2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基、あるいは、置換又は無置換のトリアルキルシリル基が置換基の末端に存在する場合は、置換基の末端から可能な限りの連結基を含めた上で、一般式(W)におけるR単独と解釈する。例えば、−(OCHCH)−(OCHCH)−(OCHCH)−OCH基が置換基の末端に存在する場合、オキシエチレン単位の繰り返し数vが3のオリゴオキシエチレン基単独の置換基として解釈する。
Lが一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基が結合した連結基を形成する場合、一般式(L−1)〜(L−25)のいずれかで表される2価の連結基の結合数は2〜4であることが好ましく、2又は3であることがより好ましい。
一般式(L−1)、(L−2)、(L−6)及び(L−13)〜(L−24)中の置換基R’としては、一般式(C)〜(T)の置換基R〜Rが採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でも一般式(L−6)中の置換基R’はアルキル基であることが好ましく、(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、該アルキル基の炭素数は1〜9であることが好ましく、4〜9であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、5〜9であることがさらに好ましい。(L−6)中のR’がアルキル基である場合は、該アルキル基は直鎖アルキル基であることが、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
としては、置換基R〜Rが採りうる置換基として例示したものを挙げることができる。その中でもRとしては水素原子又はメチル基が好ましい。
siは、アルキル基であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキル基としては特に制限はないが、Rsiがとり得るアルキル基の好ましい範囲はRがシリル基である場合に該シリル基がとり得るアルキル基の好ましい範囲と同様である。Rsiがとり得るアルケニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルケニル基が好ましく、分枝アルケニル基であることがより好ましく、該アルケニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。Rsiがとり得るアルキニル基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキニル基が好ましく、分枝アルキニル基であることがより好ましく、該アルキニル基の炭素数は2〜3であることが好ましい。
Lは、一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基、又は一般式(L−1)〜(L−5)、(L−13)、(L−17)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることが好ましく、一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)のいずれかで表される2価の連結基又は一般式(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基が2以上結合した2価の連結基であることがより好ましく、(L−1)、(L−3)、(L−13)もしくは(L−18)で表される2価の連結基、あるいは一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であることが特に好ましい。一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基は、一般式(L−1)で表される2価の連結基がR側に結合することが好ましい。
化学的安定性、キャリア輸送性の観点から一般式(L−1)で表される2価の連結基を含む2価の連結基であることが特に好ましく、一般式(L−1)で表される2価の連結基であることがより特に好ましく、Lが一般式(L−18)及び(L−1)で表される2価の連結基であり、(L−1)を介してRと結合し、Rが置換又は無置換のアルキル基であることがさらにより特に好ましく、Lが一般式(L−18A)及び(L−1)で表される2価の連結基であり、(L−1)を介してRと結合し、Rが置換又は無置換のアルキル基であることがさらにより特に好ましい。
一般式(W)において、Rは、好ましくは、置換又は無置換のアルキル基である。一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−1)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基、オキシエチレン基、オキシエチレン単位の繰り返し数が2以上のオリゴオキシエチレン基、シロキサン基、ケイ素原子数が2以上のオリゴシロキサン基であることが好ましく、置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−2)及び(L−4)〜(L−25)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基であることがより好ましい。
一般式(W)において、Rに隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合は、Rは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシリル基であることが好ましい。
が置換又は無置換のアルキル基の場合、炭素数は4〜17であることが好ましく、6〜14であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、6〜12であることがさらに好ましい。Rが上記の範囲の長鎖アルキル基であること、特に長鎖の直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
がアルキル基を表す場合、直鎖アルキル基でも、分枝アルキル基でも、環状アルキル基でもよいが、直鎖アルキル基であることが、分子の直線性が高まり、キャリア移動度を高めることができる観点から好ましい。
これらの中でも、一般式(W)におけるRとLの組み合わせとしては、一般式(C)〜(T)のLが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であるか;あるいは、Lが一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基であることが、キャリア移動度を高める観点から好ましい。
Lが一般式(L−1)で表される2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることが特に好ましい。
Lが一般式(L−3)、(L−13)又は(L−18)のいずれか1つで表される2価の連結基と一般式(L−1)で表される2価の連結基が結合した2価の連結基であり、かつ、Rが直鎖のアルキル基である場合、Rが直鎖の炭素数4〜17のアルキル基であることがより好ましく、直鎖の炭素数6〜14のアルキル基であることが化学的安定性、キャリア輸送性の観点からより好ましく、直鎖の炭素数6〜12のアルキル基であることがキャリア移動度を高める観点から特に好ましい。
一方、有機溶媒への溶解度を高める観点からは、Rが分枝アルキル基であることが好ましい。
が置換基を有するアルキル基である場合の該置換基としては、ハロゲン原子等を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。なお、Rがフッ素原子を有するアルキル基である場合は該アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されてパーフルオロアルキル基を形成してもよい。ただし、Rは無置換のアルキル基であることが好ましい。
がエチレンオキシ基又はオリゴエチレンオキシ基の場合、Rが表す「オリゴオキシエチレン基」とは本明細書中、−(OCHCHOYで表される基のことを言う(オキシエチレン単位の繰り返し数vは2以上の整数を表し、末端のYは水素原子又は置換基を表す)。なお、オリゴオキシエチレン基の末端のYが水素原子である場合はヒドロキシ基となる。オキシエチレン単位の繰り返し数vは2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。オリゴオキシエチレン基の末端のヒドロキシ基は封止されていること、すなわちYが置換基を表すことが好ましい。この場合、ヒドロキシ基は、炭素数が1〜3のアルキル基で封止されること、すなわちYが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、Yがメチル基やエチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
が、シロキサン基又はオリゴシロキサン基の場合、シロキサン単位の繰り返し数は2〜4であることが好ましく、2〜3であることがさらに好ましい。また、Si原子には、水素原子やアルキル基が結合することが好ましい。Si原子にアルキル基が結合する場合、アルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基又は水素原子が結合してもよい。また、オリゴシロキサン基を構成するシロキサン単位はすべて同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一であることが好ましい。
に隣接するLが一般式(L−3)で表される2価の連結基である場合、Rが置換又は無置換のシリル基であることも好ましい。Rが置換又は無置換のシリル基である場合はその中でも、Rが置換シリル基であることが好ましい。シリル基の置換基としては特に制限はないが、置換又は無置換のアルキル基が好ましく、分枝アルキル基であることがより好ましい。Rがトリアルキルシリル基の場合、Si原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜3であることが好ましく、例えば、メチル基やエチル基やイソプロピル基が結合することが好ましい。Si原子には、同一のアルキル基が結合してもよく、異なるアルキル基が結合してもよい。Rがアルキル基上にさらに置換基を有するトリアルキルシリル基である場合の該置換基としては、特に制限はない。
一般式(W)において、L及びRに含まれる炭素数の合計は5〜18であることが好ましい。L及びRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の下限値以上であると、キャリア移動度が高くなり、駆動電圧を低くなる。L及びRに含まれる炭素数の合計が上記範囲の上限値以下であると、有機溶媒に対する溶解性が高くなる。
L及びRに含まれる炭素数の合計は5〜14であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜12であることが特に好ましく、8〜12であることがより特に好ましい。
一般式(C)〜(T)で表される各化合物において置換基R〜Rのうち、一般式(W)で表される基は1〜4個であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましく、1又は2個であることがより好ましく、2個であることが特に好ましい。
置換基R〜Rのうち、一般式(W)で表される基の位置に特に制限はない。
一般式(C)で表される化合物においては、RC1、RC2、RC3、RC6のいずれかが一般式(W)で表される基であることが好ましく、RC1とRC2との両方又はRC3とRC6の両方が一般式(W)で表される基であることがより好ましい。
一般式(D)で表される化合物においては、RD6が一般式(W)で表される基であることが好ましく、RD5とRD6との両方が一般式(W)で表される基であることがより好ましい。
一般式(E)で表される化合物においては、RE6が一般式(W)で表される基であることが好ましく、RE5とRE6との両方が一般式(W)で表される基であることがより好ましい。また、RE5及びRE6が一般式(W)で表される基以外の置換基である場合、2つのRE7が一般式(W)で表される基であるのも好ましい。
一般式(F)で表される化合物においては、RF2、RF3、RF8及びRF9のうち少なくとも一つは一般式(W)で表される置換基であるのが好ましい。
一般式(G)で表される化合物においては、RG5又はRG6が一般式(W)で表される基であることが、キャリア移動度を高め、有機溶媒への溶解性を高める観点から好ましい。
一般式(H)で表される化合物においては、RH4又はRH6が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RH4又はRH6、及び、RH3又はRH5が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(J)で表される化合物においては、RJ8が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RJ8とRJ4との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(K)で表される化合物においては、RK7が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RK7とRK3との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(L)で表される化合物においては、RL2、RL3、RL6及びRL7のうち少なくとも一つが一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(M)で表される化合物においては、RM2が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RM2とRM6との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(N)で表される化合物においては、RN3が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RN3とRN9との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(P)で表される化合物においては、RP3が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RP3とRP9との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(Q)で表される化合物においては、RQ3が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RQ3とRQ9との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(R)で表される化合物においては、RR2が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RR2とRR7との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(S)で表される化合物においては、RS2が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RS2とRS5との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
一般式(T)で表される化合物においては、RT2が一般式(W)で表される基であるのが好ましく、RT2とRT5との両方が一般式(W)で表される基であるのがより好ましい。
置換基R〜Rのうち、一般式(W)で表される基以外の置換基は、0〜4個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましい。
以下に、一般式(C)〜式(T)で表される各化合物の具体例を以下に示すが、本発明で用いることができる化合物は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
一般式(C)で表される化合物Cの具体例を示す。
Figure 2015167162
一般式(C)で表される化合物は、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量が上記範囲内にあると、溶媒への溶解性を高めることができる。
一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。
一般式(D)で表される化合物Dの具体例を示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
一般式(D)で表される化合物の分子量は、上限が一般式(C)で表される化合物と同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
一般式(E)で表される化合物E、一般式(F)で表される化合物F、一般式(G)で表される化合物G及び一般式(H)で表される化合物Hそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記化合物E、化合物F、化合物G及び化合物Hの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される化合物と同じである。
一般式(J)及び一般式(K)で表される化合物J及び化合物Kの具体例を示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記化合物J及び化合物Kの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される化合物と同じである。
一般式(L)で表される化合物L、一般式(M)で表される化合物M、一般式(N)で表される化合物N、一般式(P)で表される化合物P及び一般式(Q)で表される化合物Qそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記化合物L、化合物M、化合物N、化合物P及び化合物Qの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される化合物と同じである。
一般式(R)で表される化合物R、一般式(S)で表される化合物S及び一般式(T)で表される化合物Tそれぞれの具体例を、順に示す。
Figure 2015167162
Figure 2015167162
Figure 2015167162
上記化合物R、化合物S及び化合物Tの分子量は、それぞれ、上限が一般式(C)で表される化合物Cと同じであるのが、溶媒への溶解性を高めることができ、好ましい。一方で、薄膜の膜質安定性の観点から、分子量の下限は一般式(D)で表される化合物と同じである。
有機ポリマー及びその誘導体としては、例えば、ポリピロール及びその置換体、ポリジケトピロール及びその置換体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリイソチアナフテン等のイソチアナフテン、ポリチエニレンビニレン等のチエニレンビニレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)等のポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリアズレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリ(p−フェニレン)、ポリインドール、ポリピリダジン、ポリテルロフェン、ポリナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィド等のポリマー及び縮合多環芳香族化合物の重合体等を挙げることができる。
ポリチオフェン及びその誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ポリチオフェンにヘキシル基を導入したポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するオリゴマー(例えば、オリゴチオフェン)を挙げることもできる。
また、有機ポリマーとして、下記一般式(C)〜(T)で表される化合物が繰り返し構造を有する高分子化合物が挙げられる。
このような高分子化合物としては、一般式(C)〜(T)で表される化合物が少なくとも1つ以上のアリーレン基、ヘテロアリーレン基(チオフェン、ビチオフェン等)を介して繰り返し構造を示すπ共役ポリマーや、一般式(C)〜(T)で表される化合物が高分子主鎖に側鎖を介して結合したペンダント型ポリマーが挙げられる。高分子主鎖としては、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリシロキサン等が好ましく、側鎖としては、アルキレン基、ポリエチレンオキシド基等が好ましい。ペンダント型ポリマーの場合、高分子主鎖は置換基R〜Rの少なくとも1つが重合性基由来の基を有し、これが重合してなるものであってもよい。
これらの有機ポリマーは、重量平均分子量が3万以上であることが好ましく、5万以上であることがより好ましく、10万以上であることがさらに好ましい。重量平均分子量が上記下限値以上とすることにより、分子間相互作用を高めることができ、高い移動度が得られる。
[ソース電極、ドレイン電極]
本発明のOTFTにおいて、ソース電極は、配線を通じて外部から電流が流入する電極である。また、ドレイン電極は、配線を通じて外部に電流を送り出す電極であり、通常、上記半導体層に接して設けられる。
ソース電極及びドレイン電極の材料としては、従来の有機薄膜トランジスタに用いられている導電性材料を用いることができ、例えば、上記ゲート電極で説明した導電性材料等が挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極は、それぞれ、上記ゲート電極の形成方法と同様の方法により形成することができる。
上記フォトリソグラフィー法としては、リフトオフ法又はエッチング法を採用できる。
特に、ゲート絶縁層がエッチング液や剥離液に対する耐性に優れていることから、ソース電極及びドレイン電極はエッチング法でも好適に形成することができる。エッチング法は、導電性材料を成膜した後に不要部分をエッチングにより除去する方法である。エッチング法によりパターニングすると、レジスト除去時に下地に残った導電性材料の剥がれ、レジスト残渣や除去された導電性材料の下地への再付着を防止でき、電極エッジ部の形状に優れる。この点で、リフトオフ法よりも好ましい。
リフトオフ法は、下地の一部にレジストを塗布し、この上に導電性材料を成膜し、レジスト等を溶媒により溶出又は剥離等することにより、レジスト上の導電性材料ごと除去して、レジストが塗布されていなかった部分にのみ導電性材料の膜を形成する方法である。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、任意であるが、それぞれ、1nm以上が好ましく、10nm以上が特に好ましい。また、500nm以下が好ましく、300nm以下が特に好ましい。
ソース電極とドレイン電極との間の間隔(チャネル長)は、任意であるが、100μm以下が好ましく、50μm以下が特に好ましい。また、チャネル幅は、5000μm以下が好ましく、1000μm以下が特に好ましい。
[オーバーコート層]
本発明のOTFTは、オーバーコート層を有していてもよい。オーバーコート層は、通常、OTFTの表面に保護層として形成される層である。単層構造でも多層構造でもよい。
オーバーコート層は、有機系のオーバーコート層でも無機系のオーバーコート層でもよい。
有機系のオーバーコート層を形成する材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアセナチレン、エポキシ樹脂等の有機ポリマー、及び、これらの有機ポリマーに架橋性基や撥水基等を導入した誘導体等が挙げられる。これらの有機ポリマーやその誘導体は、架橋成分、フッ素化合物、シリコン化合物等と併用することもできる。
無機系のオーバーコート層を形成する材料としては、特に限定されないが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の金属窒化物等が挙げられる。
これらの材料は、1種を用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
オーバーコート層の形成方法に制限は無く、公知の各種の方法により形成することができる。
例えば、有機系のオーバーコート層は、例えば、その下地となる層に、オーバーコート層となる材料を含む溶液を塗布後に乾燥させる、オーバーコート層となる材料を含む溶液を塗布、乾燥後に露光、現像してパターニングする等の方法により形成することができる。なお、オーバーコート層のパターニングは、印刷法やインクジェット法等により直接形成することもできる。また、オーバーコート層のパターニング後に、露光や加熱することにより、オーバーコート層を架橋させてもよい。
一方、無機系のオーバーコート層は、スパッタリング法、蒸着法等の乾式法やゾルゲル法のような湿式法により形成することができる。
[その他の層]
本発明のOTFTは、上記以外の層や部材を設けてもよい。
その他の層又は部材としては、例えば、バンク等が挙げられる。バンクは、インクジェット法等により半導体層やオーバーコート層等を形成するときに、吐出液を所定の位置に塞き止める目的等で用いられる。このため、バンクには、通常、撥液性がある。バンクの形成方法としては、フォトリソグラフィー法等によりパターニングした後にフッ素プラズマ法等の撥液処理を施す方法、フッ素化合物等の撥液成分を含む感光性組成物等を硬化させる方法等が挙げられる。
本発明の有機薄膜トランジスタの場合、ゲート絶縁層が有機層であることから、後者の撥液成分を含む感光性組成物を硬化させる方法が、ゲート絶縁層が撥液処理の影響を受ける可能性がなく、好ましい。なお、バンクを用いずに下地に撥液性のコントラストを持たせてバンクと同じ役割を持たせる技術を用いてもよい。
[OTFTの用途]
本発明のOTFTは好ましくは表示パネルに搭載して使用される。表示パネルとしては、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、電子ペーパーパネル等が挙げられる。
以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[合成例]
ミクロ相分離層を形成するためのブロック共重合体として下記P−1〜P−8を用意した。
Figure 2015167162
P−1:PS−b−PMMA ポリマーソース社製(カタログNo.P4961)
PS(ポリスチレン)のMn25000
PMMA(ポリメチルメタクリレート)のMn26000
分散度1.06
P−2:PS−b−PMMA ポリマーソース社製(カタログNo.P4418)
PSのMn18500
PMMAのMn18000
分散度1.06
P−3:PS−b−PDMS ポリマーソース社製(カタログNo.P8709)
PSのMn22000
PDMS(ポリジメチルシロキサン)のMn21000
分散度1.08
P−4:PS−b−POSSisoBuMA
ポリマーソース社製(カタログNo.P9793)
PMMAのMn22000
POSSisoBuMAのMn22500
分散度1.10
P−5:PS−b−POSSisoBuMA
ポリマーソース社製(カタログNo.P14022)
PSのMn6000
POSSisoBuMAのMn23000
分散度1.6
P−6:PS−b−P4VP
ポリマーソース社製(カタログNo.P9892)
PSのMn195000
P4VP(ポリ(4−ビニルピリジン))のMn204000
分散度1.09
P−7:PVNp−b−PMMA
ポリマーソース社製(カタログNo.P3400)
PVNp(ポリビニルナフタレン)のMn61000
PMMAのMn68000
分散度1.15
P−8:PS−b−PHS
ポリマーソース社製(カタログNo.P8616)
PSのMn9000
PHS(ポリヒドロキシスチレン)のMn6000
分散度1.12
また、ミクロ相分離層を形成するためのブロックポリマーとして下記BP−1、BP−4、BP−5、BP−6、及びCBP−2を常法により合成した。
Figure 2015167162
さらに、ミクロ相分離層を形成するためのブロックポリマーとして、架橋性基を含有する繰り返し単位を有するブロックポリマーBBP−1及びBBP−2を常法により合成した。なお、BBP−1において、共重合体中の含有量がb1で示された構成成分とb2で示された構成成分は、両者が10:1のモル比でランダムに連結したランダムポリマーを構成し、このランダムポリマーが1つのブロックを構成している。このことはBBP−2においても同様である。
Figure 2015167162
各例に用いた有機半導体としての化合物を以下に示す。
Figure 2015167162
上記化合物L9は、一般式(L)で表される化合物であり、応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌、2011、22、9−12.、国際公開第2009/148016号パンフレット等に記載の方法に準じて、合成した。
上記化合物C16は、一般式(C)で表される化合物あり、下記化合物C1の下記合成方法に準じて、合成した。
Figure 2015167162
(化合物C1aの合成)
1,5−ジアミノナフタレン(10g)のピリジン溶液(125mL)に、p−トルエンスルホニルクロリド(34g)をゆっくりと添加し、室温で2時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出物を減圧濾過した。得られた粗結晶をメタノールで洗浄し、化合物C1a(29g)を得た。
(化合物C1bの合成)
化合物C1a(10g)の氷酢酸溶液を95℃で加熱撹拌し、そこに氷酢酸10mLで希釈した臭素(2mL)をゆっくりと滴下した。10分間反応させ、放冷後にろ過することで粗結晶を灰色固体として得た。粗結晶をニトロベンゼン中で再結晶することで化合物C1b(6.8g)を得た。
(化合物C1cの合成)
化合物C1b(5g)の濃硫酸溶液を室温で24時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出している固体をろ過して回収した。その固体を氷水中に再度分散し、アンモニア水で中和し、化合物C1c(0.5g)を得た。
(化合物C1dの合成)
室温下、化合物C1c(2g)のピリジン溶液にペンタノイルクロリド(バレリン酸クロリド)(2.6mL)を滴下して2時間撹拌した。氷水に反応液を注ぎ、固体を減圧濾過した。メタノール中に分散し1時間撹拌した後、固体をろ過することで化合物C1d(1.39g)を得た。
(化合物C1eの合成)
THF(360mL)及びトルエン(72mL)の混合溶液中に化合物C1d(1.2g)とローソン試薬(1.48g)を添加した後、加熱還流しながら3時間撹拌した。エバポレーションでTHFのみ除去してトルエン溶液とした後、60℃で1時間撹拌した。その後、不溶物をろ過することで化合物C1e(0.5g)を得た。
(化合物C1の合成)
化合物C1e(0.4g)と炭酸セシウム(1.33g)をジメチルアセトアミド中、120℃で2時間反応させた。反応液を水に注ぎ析出物をろ過した。ろ過した固体をTHF中で再結晶を繰返し、目的化合物C1(0.12g)を合成した。得られた化合物C1の同定は、H−NMR及びMassスペクトルにより行った。
なお、化合物A6(TIPS−ペンタセン)及び化合物M3(C8−BTBT)は、公知の方法に準じて、合成した。
[製造例1] ボトムゲート型OTFTの作製−1
図1(A)に示すボトムゲート・ボトムコンタクト型のOTFTを作製した。基板6として厚さ1mmのドープシリコン基板(ゲート電極5を兼ねる)を用い、その上にゲート絶縁層2を形成した。
ゲート絶縁層2は以下のように形成した。
ポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達社製、商品名:VP−8000、Mn11000、分散度1.1)を6.3gと、架橋剤として2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン2.7gとを、91gの1−ブタノール/エタノール=1/1の混合溶媒に室温で完全に溶解した。この溶解液をφ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタでろ過した。得られたろ液に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩0.18gを加え、基板6上に塗布し、乾燥して成膜した。その後、100℃に加熱して架橋構造を形成させ、厚さ0.7μmのゲート絶縁層2を形成した。
次いで、図1(A)に示すようにソース電極3及びドレイン電極4として、くし型に配置されたクロム/金からなる電極(ゲート幅W=100mm、ゲート長L=100μm)を、マスクを用いて真空蒸着により形成した。
ゲート絶縁層2上にミクロ相分離層を形成させるため、表1に記載のブロック共重合体10mgを1gのPGMEAに溶解した溶液(塗布液)を調製した。この塗布液をゲート絶縁層2上にスピンコートし、乾燥して成膜した。このブロック共重合体層を、窒素気流下、180℃で、ミクロ相分離構造(ラメラ相分離構造)が形成されるまで加熱した。得られたミクロ相分離層(ブロック共重合体層)の厚さはいずれも20〜50nmの範囲内にあった。また、BBP−1及びBBP−2を成膜する際には、塗布液中に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を固形分に対し1wt%の濃度で添加し、上記ミクロ相分離層を形成させる加熱時に同時に架橋反応を行わせた。なお、ミクロ層分離層は図1(A)には図示していない。
続いて、ミクロ相分離層、ソース及びドレイン電極を覆うように、下記表1に示す有機半導体5mgをトルエン1mLに溶解した溶液をスピンコートして成膜し、図1(A)に示される構造のOTFTを作製した。有機半導体層の厚さは150nmとした。
[試験例1] ミクロ相分離層の評価
上記製造例1のOTFTの製造において、ミクロ相分離層を形成した後、SU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いてミクロ相分離層を観察し、ラメラ相分離のピッチを下記評価基準により評価した。
(ラメラ相分離層の評価基準)
A:ラメラ相分離のピッチが10nm以上20nm未満である。
B:ラメラ相分離のピッチが20nm以上40nm未満である。
C:ラメラ相分離のピッチが40nm以上である。
D:ミクロ相分離が観察されない。
[試験例2] 有機半導体層の結晶粒径と結晶配向性の評価
製造例1で得られたOTFTについて、有機半導体層をAFMにより観察し、有機半導体の結晶粒径を下記評価基準により評価した。補助的に偏光顕微鏡(クロスニコル条件)も用いて評価した。
(有機半導体層の結晶粒径の評価基準)
A:結晶粒径が100nm以上に成長している。
B:観察された結晶粒径がいずれも10nm以上100nm未満である。
C:観察された結晶粒径がいずれも10nm未満である。
D:結晶が観察されない。
また、製造例1で得られたOTFTについて、有機半導体層を偏光顕微鏡により観察し、有機半導体の結晶配向性を下記評価基準により評価した。
(有機半導体層の結晶配向性の評価基準)
A:一方向に配向している。
B:一部の結晶が一方向に配向している。
C:配向していない。
[試験例3] OTFTの性能評価
製造例1で得られたOTFTについて、キャリア移動度とon/off比を下記方法により評価することでOTFTの性能を調べた。
(キャリア移動度の評価)
ソース電極−ドレイン電極間に−40Vの電圧を印加し、ゲート電圧を40V〜−40Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表わす下記式を用いてキャリア移動度μを算出した。
Id=(w/2L)μCi(Vg−Vth)
(式中、Lはゲート長、wはゲート幅、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧)
(on/off比の評価基準)
ソース電極−ドレイン電極間にかかる電圧を−40Vに固定し、Vgを40から−40Vまでスイープさせた時の(|Id|の最大値)/(|Id|の最小値)をOn/Off比とした。
結果を下記表1に示す。
Figure 2015167162

Figure 2015167162
[製造例2] ボトムゲート型OTFTの作製−2
ミクロ相分離層の下層として、ゲート絶縁層上に下地層を形成したOTFTを作製した。より詳細には、上記製造例1において、ブロック共重合体としてP−2を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、P−2と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーRP−1層を形成したOTFTを作製した。RP−1層は、RP−1 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例1においてブロック共重合体としてBBP−1を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BBP−1と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーBRP−1層を形成したOTFTを作製した。BRP−1層は、BRP−1 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例1においてブロック共重合体としてBP−6Aを用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BP−6Aと同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーRP−2層を形成したOTFTを作製した。RP−2層は、RP−2 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例1においてブロック共重合体としてBBP−2を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BBP−2と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーBRP−2層を形成したOTFTを作製した。BRP−2層は、BRP−2 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
なお、BRP−1及びBRP−2を用いた下地層の形成に際しては、酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を塗布液中の固形分に対し1wt%濃度で添加し、塗布、成膜後に100℃で加熱して架橋構造を形成させた。
上記下地層の厚さはいずれも20nmであった。
Figure 2015167162
上記ランダムポリマーの繰り返し単位に付された数値は、繰り返し単位の質量比を示す。
得られた各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。その結果、下地層を形成した場合と形成しなかった場合とで、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比において差は認められなかった。
有機半導体を、上記例示のA26、A27、C1、C4、C7、D1、E2、F2、F5、F10、G12、G14、H10、H11、J2、J3、K2、K3、L2、L5、L6、L8、L15、M8、N4、P3、Q3、R1、S1、T1に置き換えてOTFTを製造し、上記と同様にして性能を評価したところ、同様な効果が得られた。
[製造例3] ボトムゲート型OTFTの作製−3
上記製造例1におけるゲート絶縁層を、ポリビニルフェノール(日本曹達社製、VP−8000)からなる層に置き換えた場合、ポリシルセスキオキサン(東亜合成社製、OX−SQ、HDXOX−SQ、NDX)からなる層に置き換えた場合、CYTOP(旭硝子社製、CTL−809M)からなる層に置き換えた場合、及び、SiOからなる層に置き換えた(ゲート絶縁層2を形成する有機高分子に代えて、Si基板の表面0.3μmを熱酸化によりSiOに変えてゲート絶縁層2として用いた)OTFTを作製した。
得られた各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。その結果、ゲート絶縁層の違いによる有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比の変化は認められなかった。
[製造例4] ボトムゲート型OTFTの作製と評価−4
製造例1において、ブロック共重合体としてP−2を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層を上記RP−1で構成した層に置き換えたOTFTを作製した。
同様に、製造例1においてブロック共重合体としてBBP−1を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層を上記BRP−1層に置き換えたOTFTを作製した。
同様に、製造例1においてブロック共重合体としてBP−6Aを用いたOTFTについて、ゲート絶縁層を上記RP−2層に置き換えたOTFTを作製した。
同様に、製造例1においてブロック共重合体としてBBP−2を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層を上記BRP−2層に置き換えたOTFTを作製した。
なお、BRP−1及びBRP−2を用いたゲート絶縁層の形成に際しては、酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を塗布液中の固形分に対し1wt%濃度で添加し、塗布、成膜後に100℃で加熱して架橋構造を形成させた。
得られた各OTFTについて、試験例1〜3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。その結果、いずれも試験例1〜3における結果(表1に記載の結果)と同様の結果となった。
[製造例5] ボトムゲート型OTFTの作製−5
製造例1において、ブロック共重合体としてP−2を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層自体をP−2で形成し、P−2からなるミクロ相分離層を設けないOTFT(すなわち、P−2で形成したゲート絶縁層上に有機半導体層を形成したOTFT)を作製した。
同様に、製造例1において、ブロック共重合体としてBBP−1を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層自体をBBP−1で形成し、BBP−1からなるミクロ相分離層を設けないOTFT(すなわち、BBP−1で形成したゲート絶縁層上に有機半導体層を形成したOTFT)を作製した。
同様に、製造例1において、ブロック共重合体としてBP−6Aを用いたOTFTについて、ゲート絶縁層自体をBP−6Aで形成し、BP−6Aからなるミクロ相分離層を設けないOTFT(すなわち、BP−6Aで形成したゲート絶縁層上に有機半導体層を形成したOTFT)を作製した。
同様に、製造例1において、ブロック共重合体としてBBP−2を用いたOTFTについて、ゲート絶縁層自体をBBP−2で形成し、BBP−2からなるミクロ相分離層を設けないOTFT(すなわち、BBP−2で形成したゲート絶縁層上に有機半導体層を形成したOTFT)を作製した。
なお、BBP−1及びBBP−2を用いたゲート絶縁層の形成に際しては、酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を塗布液中の固形分に対し1wt%濃度で添加し、塗布、成膜後に100℃で加熱して架橋構造を形成させた。
得られた各OTFTについて、試験例1〜3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。その結果、いずれも試験例1〜3における結果(表1に記載の結果)と同様の結果となった。
[製造例6] トップゲート型OTFTの作製
図1(C)に示すトップゲート・ボトムコンタクト型のOTFTを作製した。ガラス基板(NECコーニング社製、OA10)を水で洗浄し、乾燥したものを基板6として用いた。このガラス基板上にレジスト層を設けて、蒸着により、厚さ100nmのソース電極3及びドレイン電極4を設けた。ゲート幅Wは100mm、ゲート長Lは100μmとした。レジスト層を除去し、ミクロ相分離層を形成させるため、表2に記載のブロック共重合体10mgを1gのPGMEAに溶解した溶液を調製した。この溶液を基板6上にスピンコートし、成膜した。このブロック共重合体層を、窒素気流下、180℃で、ミクロ相分離構造が形成されるまで加熱した。得られたミクロ相分離層(ブロック共重合体層)の厚さはいずれも20〜50nmの範囲内にあった。また、BBP−1及びBBP−2を成膜する際には、溶液(塗布液)中に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を固形分に対し1wt%の濃度で添加し、上記加熱時に架橋反応を行わせた。このミクロ相分離層は図1(C)には図示していない。
ミクロ層分離層、ソース電極及びドレイン電極を覆うように、表2に記載の有機半導体5mgをトルエン1mLに溶解した溶液をスピンコートして成膜した。これにより厚さ150nmの有機半導体層を形成した。
続いて、有機半導体層を覆うようにゲート絶縁層を形成した。より詳細には、ポリ(4−ビニルフェノール)(日本曹達社製、商品名:VP−8000、Mn11000、分散度1.1)を6.3gと、架橋剤として2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ)プロパン2.7gとを、91gの1−ブタノール/エタノール=1/1の混合溶媒に室温で完全に溶解した。この溶解液をφ0.2μmのPTFE製メンブランフィルタでろ過した。得られたろ液に酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩0.18gを加え、有機半導体層上に塗布し、乾燥して成膜した。その後、100℃に加熱して架橋構造を形成させ、厚さ0.7μmのゲート絶縁層2を形成した。
続いて、ゲート絶縁層上にAg微粒子水分散液をインクジェット法により塗布し、乾燥して厚さ200nmのゲート電極を形成した。
上記トップゲート・ボトムコンタクト型OTFTの形成において、ミクロ層分離層を形成後、上記試験例1と同様にしてミクロ相分離層のピッチを評価した。また、有機半導体層を形成後、上記試験例2と同様にして有機半導体層の結晶粒径と結晶配向性を評価した。さらに、得られたトップゲート・ボトムコンタクト型OTFTについて、上記試験例3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。結果を下記表2に示す。
Figure 2015167162

Figure 2015167162
[製造例7] トップゲート型OTFTの作製−2
ミクロ相分離層の下層として、基板上に下地層を形成したトップゲート型OTFTを作製した。より詳細には、上記製造例6において、ブロック共重合体としてP−2を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、P−2と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーRP−1層を形成したOTFTを作製した。RP−1層は、RP−1 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例6においてブロック共重合体としてBBP−1を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BBP−1と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーBRP−1層を形成したOTFTを作製した。BRP−1層は、BRP−1 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例6においてブロック共重合体としてBP−6Aを用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BP−6Aと同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーRP−2層を形成したOTFTを作製した。RP−2層は、RP−2 10mgを1gのPGMEAに溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
同様に、上記製造例1においてブロック共重合体としてBBP−2を用いたOTFTについて、ミクロ相分離層の下地層として、BBP−2と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーBRP−2層を形成したOTFTを作製した。BRP−2層は、BRP−2 10mgを1gのPGMEA溶解した塗布液を調製し、スピンコートにより形成した。
なお、BRP−1及びBRP−2を用いた下地層の形成に際しては、酸触媒としてジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート塩を塗布液中の固形分に対し1wt%濃度で添加し、塗布、成膜後に100℃で加熱して架橋構造を形成させた。
得られた各OTFTについて、上記試験例1〜3と同様にして、ミクロ相分離層のラメラ相分離の状態、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比を評価した。その結果、下地層を形成した場合と形成しなかった場合とで、有機半導体の結晶粒径及び結晶配向性、OTFTの移動度及びon/off比において差は認められなかった。
上記のように、有機半導体層をミクロ相分離層に接して設けることで、より高性能の有機薄膜トランジスタが得られることがわかった。
1 有機半導体層
2 ゲート絶縁層
3 ソース電極
4 ドレイン電極
5 ゲート電極
6 基板

Claims (19)

  1. 基板上に、ゲート電極と、有機半導体層と、該ゲート電極と該有機半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、該有機半導体層に接して設けられ、該有機半導体層を介して連結されたソース電極及びドレイン電極とを有する有機薄膜トランジスタであって、
    前記有機半導体層が、ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層に接して設けられている、有機薄膜トランジスタ。
  2. 前記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、前記ゲート絶縁層と前記有機半導体層との間に、前記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層が設けられている、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  3. 前記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、前記ゲート絶縁層が、前記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層である、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  4. 前記有機薄膜トランジスタがボトムゲート構造であり、前記ゲート絶縁層が、前記ブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーを含む、請求項2に記載の有機薄膜トランジスタ。
  5. 前記ゲート絶縁層中の前記ランダムポリマーが架橋構造を有する、請求項4に記載の有機薄膜トランジスタ。
  6. 前記有機薄膜トランジスタがトップゲート構造であり、前記基板上に前記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層が設けられている、請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記ブロック共重合体がミクロ相分離してなる層の、前記有機半導体層が設けられた側とは反対側に下地層が設けられている、請求項1、2及び6のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記下地層が、前記ブロック共重合体を構成するモノマー成分と同じモノマー成分を構成成分とするランダムポリマーを含む、請求項7に記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 前記下地層中の前記ランダムポリマーが架橋構造を有する、請求項8に記載の有機薄膜トランジスタ。
  10. 前記ミクロ相分離がラメラ相分離である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  11. 前記ラメラ相分離のピッチサイズが20nm以下である、請求項10に記載の有機薄膜トランジスタ。
  12. 前記ブロック共重合体の分散度が1.20以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  13. 前記ブロック共重合体の数平均分子量が25000以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  14. 前記ブロック共重合体の数平均分子量が20000以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  15. 前記ブロック共重合体が、スチレン−(メタ)アクリル酸エステルブロック共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸ブロック共重合体、スチレン−ジアルキルシロキサンブロック共重合体、スチレン−アルキルアリールシロキサンブロック共重合体、スチレン−ジアリールシロキサンブロック共重合体、スチレン−POSS置換アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−POSS置換アルキル(メタ)アクリレートブロック共重合体、スチレン−ビニルピリジンブロック共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンオキシドブロック共重合体、及びビニルナフタレン−(メタ)アクリル酸エステルブロック共重合体から選択される少なくとも1種のブロック共重合体である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
  16. 前記ブロック共重合体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるブロックと、下記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックとを有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2015167162
    一般式(I)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R11は水素原子またはアルキル基を表す。
    一般式(II)中、Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。Rは、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
  17. 前記一般式(II)で表される繰り返し単位からなるブロックが、下記一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)のいずれかで表される繰り返し単位からなるブロックである、請求項16に記載の有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2015167162
    一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)中、Rは前記一般式(II)におけるRと同義である。R4a及びR5aは、水素原子又はメチル基を表す。Rは、炭素数1〜12の無置換アルキル基又は炭素数3〜12の無置換シクロアルキル基を表す。R及びRは、水素原子又はフッ素原子を表す。但し、R及びRの少なくとも1つはフッ素原子である。R10は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。n1aは2〜4の整数を、n2aは1〜6の整数を表す。nは1又は2を表し、nは1〜8の整数を表す。
  18. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位のSP値と前記一般式(II)で表される繰り返し単位のSP値との差の絶対値が、0.5〜4.0MPa1/2である、請求項16又は17に記載の有機薄膜トランジスタ。
  19. 前記ブロック共重合体が架橋性基含有モノマー成分を含み、前記ミクロ相分離層中において前記ブロック共重合体が架橋構造を形成している、請求項15〜18のいずれか1項に記載の有機薄膜トランジスタ。
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