JP2015166753A - 透光性部材 - Google Patents

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健太 森本
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Abstract

【課題】本発明は、透過率の低下および色分散による透過光の虹色化を抑制して透過光を波長依存性なく広角に拡散させることができる透光性部材を提供する。
【解決手段】本発明の透光性部材は、受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層を備え、前記透光層は、受光面又は裏面に凹凸を有し、前記受光面又は裏面は、前記凹凸の前記頂上部と、前記底部と、前記頂上部と前記底部との間のショルダー部とに、前記受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面を複数有し、前記微小面は、100nm以上800nm以下の幅を有し、前記凹凸は、前記透光層中の前記受光面又は裏面と平行な任意の基準面から前記微小面までの距離が乱雑となるように形成されたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、透光性部材に関する。
室内照明の電力消費を抑えるために、太陽光を室内に取り込み室内を明るくする採光システムが研究されている。太陽光を効率的に室内に採り込む手法として、天窓から入射する太陽光を採り込み、光ファイバで室内の任意の箇所まで光を届ける採光システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このシステムでは、太陽光の大量採り込みを追求した結果、大規模な設備となり導入コストが高くなるという問題がある。
そこで近年、家屋側面の通常の窓から入射する光を用いて、室内を明るく照らす技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。こうした窓を採光窓と呼び、基本原理は、窓表面にmm〜μmサイズの凹凸加工を施して光を屈折・散乱させ、透過光を広角に拡散させるものである。
特開2001−305473号公報 特開2008−40021号公報
しかしながら、従来の採光窓では「散乱・反射による透過率の低下」や「屈折に伴う色分散による透過光の虹色化」等の問題が懸念される。一方、通常、光の回折現象を利用して光を拡散させる場合、特定の方向でのみ反射及び、透過パターンが確認される。また、干渉条件により強め合いの起こる方向には波長依存性があるため、透過光が虹色になってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、透過率の低下および色分散による透過光の虹色化を抑制して透過光を波長依存性なく広角に拡散させることができる透光性部材を提供する。
本発明は、受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層を備え、前記透光層は、受光面又は裏面に凹凸を有し、前記受光面又は裏面は、前記凹凸の前記頂上部と、前記底部と、前記頂上部と前記底部との間のショルダー部とに、前記受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面を複数有し、前記微小面は、100nm以上800nm以下の幅を有し、前記凹凸は、前記透光層中の前記受光面又は裏面と平行な任意の基準面から前記微小面までの距離が乱雑となるように形成されたことを特徴とする透光性部材を提供する。
本発明によれば、受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層を備えるため、受光面から入射し透光層を透過した可視光を透光層の裏面から放射することができる。
本発明によれば、透光層は受光面又は裏面に凹凸を有し、受光面又は裏面は、凹凸の頂上部と、底部と、頂上部と底部との間のショルダー部とに、受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面を複数有するため、微小面、凸部又は凹部を通る可視光を効率よく回折させることができる。この回折により透過光を広角に拡散することができる。
本発明によれば、微小面は100nm以上800nm以下の幅を有するため、受光面から入射する光を、可視光の波長と同程度の幅の微小面、凸部又は凹部を通過させ効率よく回折させることができる。このことにより、透過光を効率よく広角に拡散することができる。また、凹凸が形成された面における光の反射を抑制することができる。この結果、透光層に入射する光の透過率を高くすることができると共に、透過光を効率よく広角に拡散させることができる。
本発明によれば、凹凸は、透光層中の受光面又は裏面と平行な任意の基準面から微小面までの距離が乱雑となるように形成されるため、微小面、凸部又は凹部を通る可視光が回折する箇所を乱雑にすることができる。このことにより、回折光に不規則な光路差を生じさせることができ、特定の方向での強め合い干渉を抑制することができ、波長依存性なく等方的に透過光を拡散することができる。この結果、透過光の色分散を抑制することができ、透過光の虹色化を防止することができる。
また、本発明の透光性部材を建造物や交通機関の窓に用いると、太陽光を効率的に取り込み、室内の天井や奥まで導き、室内を明るく照らすことができる。その結果、日中の室内照明に使う電力消費を大幅に抑えることができる。この効果は、地球上のあらゆる建造物・交通機関の窓・照明の数を考えると莫大な省エネルギーになる。
本発明の一実施形態の透光性部材の概略断面図である。 本発明の一実施形態の透光性部材の受光面の拡大図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態の透光性部材の概略上面図である。 本発明の一実施形態の透光性部材に入射した光の回折の説明図である。 本発明の一実施形態の透光性部材を採光窓として用いた場合の説明図である。 (a)(b)はシミュレーション実験における構造モデル及び計算方法の説明図である。 (a)(b)はシミュレーション実験における構造モデル及び計算方法の説明図である。 シミュレーション実験における構造モデルの単位構造の長さの分布曲線を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。 シミュレーション実験の計算結果を示すグラフである。
本発明の透光性部材は、受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層を備え、前記透光層は、受光面又は裏面に凹凸を有し、前記受光面又は裏面は、前記凹凸の前記頂上部と、前記底部と、前記頂上部と前記底部との間のショルダー部とに、前記受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面を複数有し、前記微小面は、100nm以上800nm以下の幅を有し、前記凹凸は、前記透光層中の前記受光面又は裏面と平行な任意の基準面から前記微小面までの距離が乱雑となるように形成されたことを特徴とする。
本発明の透光性部材において、凹凸は、基準面から微小面までの距離の標準偏差が500nm以上3000nm以下となるように形成されたことが好ましい。
このような構成によれば、微小面の高さを十分に乱雑にすることができ、回折光に不規則な光路差を生じさせることができる。
本発明の透光性部材において、凹凸は、受光面の面内方向における隣接する2つの微小面の間隔が5nm以上300nm以下となるように形成されたことが好ましい。
このような構成によれば、凸部の幅、凹部の幅を可視光の波長と同程度にすることができるため、受光面から入射する光を凸部又は凹部を通過させ効率よく回折させることができる。このことにより、透過光を効率よく広角に拡散することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
透光性部材の構成および製造方法
図1は、本実施形態の透光性部材の概略断面図である。図2は本実施形態の透光性部材の受光面の拡大図である。図3(a)〜(c)は、本実施形態の透光性部材の概略上面図である。図4は、本実施形態の透光性部材に入射した光の回折の説明図である。図5は、本実施形態の透光性部材を採光窓として用いた場合の説明図である。
本実施形態の透光性部材10は、受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層1を備え、透光層1は、受光面又は裏面に凹凸を有し、受光面又は裏面は、凹凸の頂上部5と、底部6と、頂上部5と底部6との間のショルダー部7とに、受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面3を複数有し、微小面3は、100nm以上800nm以下の幅を有し、前記凹凸は、透光層1中の前記受光面又は裏面と平行な任意の基準面9から微小面3までの距離が乱雑となるように形成されたことを特徴とする。
以下、本実施形態の透光性部材10及びその製造方法について説明する。
1.透光性部材
本実施形態の透光性部材10は、可視光を透過させる部材である。具体的には、採光窓、照明機器、太陽電池などに含まれる透光性部材として利用される。
透光性部材10は、発光ダイオードなどの光素子の上や太陽電池の光電変換層の上に設けることもできる。
透光性部材10は、透光層1のみで構成されてもよく、他の透光性を有する部材の上に透光層1を設けた部材であってもよく、透光層1の上に保護層などを積層した部材であってもよい。例えば、図1に示した透光性部材1は、透光層1のみで形成されている。
透光性部材10の形状は、板状またはシート状であってもよい。このことにより、透光性部材10を透過する透過光の光量を多くすることができる。また、透光性部材10の厚さは、例えば、0.5mm以上500mm以下とすることができる。
2.透光層
透光層1は、可視光に対する透光性を有する。透光層1の材料は、可視光に対する透光性を有すれば特に限定されないが、例えば、ガラスや透光性樹脂などである。また、透光層1の材料の屈折率は、例えば、1.05以上1.9以下とすることができ、好ましくは1.05以上1.6以下とすることができる。また、透光層1は1つの材料で構成することができる。
透光層1の形状は、受光面およびその裏面を有する板状又はシート状である。このことにより、受光面から入射し透光層1を透過した可視光を透光層1の裏面から放射することができる。
透光層1は、剛性を有してもよい。この場合、透光性部材10の光学特性を安定化することができる。また、透光性部材10を保護部材として利用することも可能である。また、透光層1を透光性部材10の基材とすることも可能である。この場合、透光性部材10は、透光層1だけで構成されてもよく、透光層1とその上に積層された他の層とで構成されてもよい。
また、透光層1は、柔軟性を有してもよい。この場合、透光層1を透光性基材の上に容易に積層させることができる。
透光層1の厚さは、例えば、1μm以上500mm以下とすることができる。
透光層1は、受光面または裏面に凹凸を有する。凹凸は、透光層1の受光面に形成されてもよく、透光層1の裏面に形成されてもよく、透光層1の受光面と裏面の両方に形成されてもよい。例えば、図1に示した透光性部材10では、受光面に凹凸が形成されている。
凹凸は、受光面の90%以上100%以下の領域に形成されていてもよく、裏面の90%以上100%以下の領域に形成されていてもよい。このことにより、透光層1の凹凸構造により広角に拡散させる透過光の光量を大きくすることができる。
透光層1の受光面又は裏面は、凹凸の頂上部5と底部6との間のショルダー部7と、頂上部5と、底部6とに、受光面又は裏面と実質的に同じ向きの微小面3を複数有する。例えば、図2に示した透光層1では、14個の微小面3が形成されている。
このことにより、微小面3、凸部又は凹部を通る可視光を回折させることができる。例えば、光が微小面3から入射する場合、微小面3において可視光を回折させることができ、光が凸部の側面から入射し凸部を通過する場合、凸部において可視光を回折させることができ、光が2つの凸部の間の凹部を通過する場合、凹部において可視光を回折させることができる。
微小面3は、平面状であってもよく、曲面状であってもよく、凹面であってもよく、凸面であってもよい。
また、微小面3の形状は、例えば、図3(a)に示したように細長い形状であってもよい。この場合、微小面3の幅wは、微小面3の対向する長辺の間隔となる。また、微小面3の形状は、図3(b)に示したように円形状であってもよい。この場合、微小面3の幅wは、微小面3の直径または短径である。また、微小面3の形状は、図3(c)に示したように方形状であってもよい。この場合、微小面3の幅wは、微小面3の対向する辺の間隔となる。透光層1に設けられる複数の微小面3は、細長い形状の微小面3、円形状の微小面3、方形状の微小面3のうち少なくとも2つが組み合わされていてもよい。また、透光層1に設けられる複数の微小面3は、形状がばらばらであってもよい。
なお、微小面3の端部は、図2に示したように透光層1の表面の向きが大きく変化する箇所とすることができる。微小面3の幅wは、図2に示した幅wのようになる。
微小面3は、100nm以上800nm以下の幅wを有する。また、好ましくは、微小面3は、100nm以上600nm以下の幅wを有する。さらに好ましくは、微小面3は、150nm以上400nm以下の幅wを有する。このことにより、微小面3の幅、凸部の厚さ、または凹部の幅を、可視光の波長(380nm〜780nm)と同程度にすることができる。光が微小面3、凸部または凹部を通過する際に、可視光を効率よく回折させることができる。このことにより、透過光を効率よく広角に拡散することができる。
また、微小面3は、800nm以下の幅を有するため、微小面3における入射光の反射を抑制することができる。このことにより、透光層1に入射する光の透過率を高くすることができると共に、透過光を効率よく広角に拡散させることができる。
透光層1の受光面又は裏面に形成される凹凸は、受光面の面内方向における隣接する2つの微小面3の間隔iが5nm以上300nm以下となるように形成されてもよい。このことにより、凸部の幅、凹部の幅を可視光の波長と同程度にすることができ、透過光を効率よく広角に拡散することができる。
なお、この間隔iは、図2に示したような間隔である。
透光層1の受光面又は裏面に形成される凹凸は、透光層1中の受光面又は裏面と平行な任意の基準面9から微小面3までの距離が乱雑となるように形成される。このことにより、微小面3、凸部又は凹部を通る可視光が回折する箇所を乱雑にすることができる。
基準面9は、図2に示したように、透光層1中の受光面又は裏面と平行な任意の面である。受光面または裏面に凹凸が形成されている場合、基準面9は、凹凸の平均高さの面と平行な面となる。
基準面9から微小面3までの距離は、図2に示したd1〜d14のように、基準面9と微小面3との面間距離である。なお、微小面3が曲面である場合、基準面9と微小面3の平均高さの面との面間距離である。
透光層1の凹凸は、図2、4に示したように基準面9から微小面3までの距離が乱雑となるように形成される。ここでは、図4を用いて、可視光が回折する箇所を乱雑にすることができることを説明する。図4では、微小面3a〜3cに光が入射することを想定している。この場合、入射光は、微小面3a〜3cにおいて回折し、回折光となり広角に散乱されると考えられる。微小面3a〜3cは同一面上にないため、回折光に不規則な光路差を生じさせることができ、特定の方向において回折光が強め合いの干渉を生じさせることや弱め合いの干渉を生じさせることを抑制することができる。このことにより、透光層1を透過した光は、波長依存性なく等方的に拡散することができる。この結果、透過光の色分散を抑制することができ、透過光の虹色化を防止することができる。
ここでは、微小面3に入射する光について説明したが、凸部の側面から入射し凸部を通過する光や、凹部を通過する光でも同様に回折光に不規則な光路差を生じさせることができる。また、ここでは、凹凸を受光面に設けた透光層1について説明したが、凹凸を裏面に設けた場合でも、光を微小面3などで回折させることができる。
なお、透光層1の凹凸が乱雑ではなく規則的な凹凸である場合、凹凸による回折は同一面上で生じるため、回折光は強め合いの干渉を起こす点(一般にブラッグ回折式を満たす点)のみでしか観察されない。これは、その他の点に関しては弱め合い干渉が生じ、打ち消し合うためである。このため、回折光が色分散のため虹色となってしまう。
透光層1の凹凸は、基準面9から微小面3までの距離の標準偏差が500nm以上3000nm以下となるように形成されてもよく、好ましくは600nm以上2500nm以下、より好ましくは700nm以上2000nm以下となるように形成されてもよい。
このことにより、微小面3の高さを十分に乱雑にすることができ、回折光に不規則な光路差を生じさせることができる。
図2に示した透光層1を用いて乱雑さを示す指標(散布度)である標準偏差の算出方法を説明する。図2では、透光層1に14個の微小面3が形成され、基準面9と微小面3との距離は、d1〜d14である。d1〜d14の平均値μ及び偏差(dx−μ)を算出する。そして、偏差から分散σ2および標準偏差σを算出することができる。
このような凹凸が形成された透光層1を有する透光性部材10は、図5に示したように採光窓として利用することができる。このように透光性部材10を含む採光窓を設けると、色分散のない明るい透過光を広角に拡散させることができ、室内を明るく照らすことができる。
3.透光性部材の製造方法
透光性部材10は、例えば、凹凸が形成された型にガラスや透光性樹脂などを流し込むことにより製造されてもよく、ガラスや透光性樹脂の表面をレーザー加工し凹凸を形成することにより製造されてもよい。また、透光性部材10は、透光性樹脂に凹凸が形成された型を押し当てることにより製造されてもよい。
シミュレーション実験
FDTD法(有限差分時間領域法)を用いて、表面にナノサイズの特殊な乱雑凹凸を有する構造モデルにおける光学特性解析(透過率角度分布、透過率スペクトル分布)を行った。
図6(a)、図7(a)に示したような構造モデルによりシミュレーションを行った。この構造モデルでは幅300 nm、長さ3000 nm±σ(標準偏差)の単位構造が隙間なく並ぶ。この単位構造に与える乱雑さの大きさは、透光性部材に用いる材質の屈折率や、対象とする光の波長等を考慮する必要がある。単位構造の材質には窓材として一般的なガラス(屈折率 : n≒1.46)を使用し、σ(標準偏差)=1000 nmとして解析を行った。また、構造モデルに含まれる単位構造の長さを図8に示した分布曲線(一般性のため、最も普遍的な統計分布である正規分布)のように分布させて解析を行った。
また、比較例として標準偏差σが0nmである通常のガラスの構造モデルにより同様のシミュレーションを行った。
まず、図6(a)(b)に示したように、平面波光源からの可視光を構造モデルに垂直入射させて透過率角度分布、透過率スペクトル分布を計算した。この計算結果を図9の一部、図10に示す。図9に示した透過率スペクトル分布のように可視光領域の全ての波長において約90%という高い透過率を示した。図10に示した各波長の透過率角度分布においては、いずれの波長においても入射方向(-90°)を中心に色分散のない、滑らかな空間分布となっており、空間分布の半値幅も80°と広くなっていた。従って、乱雑凹凸を有する構造モデルでは、明るい透過光が広角に拡散することがわかった。また、図10では、特定波長の大きなピークが示されていないため、色分散が抑制されることがわかった。
比較例の計算結果を図14に示す。図14に示すように、通常の平坦な窓ガラスに平面波を垂直方向から照射した場合、透過方向の鋭いピークのみが観察され、その半値幅も1°以下となることがわかった。その理由は、微細構造が無いため回折広がりを生じないからである。なお、図14では、380nm〜780nmの透過率曲線が重なっている。
次に、実際に採光窓としての使用を想定し、図7(a)(b)に示したように、平面波光源からの可視光を斜め方向から構造モデルに入射させて透過率角度分布、透過率スペクトル分布を計算した。平面波を照射する角度には、季節ごとの南中角度を用いており、30°(冬至)、55°(春分、秋分)、80°(夏至)の3通りとした。
図11〜13に示した透過率角度分布のように、入射角が大きくなる程、半値幅が広くなり、透過光が等方的に広角に拡散されていることがわかった。なお、入射角φ=30°では半値幅は約120°であり、入射角φ=55°では半値幅は約125°であり、入射角φ=80°では半値幅は約170°であった。
また、図11〜13では、特定波長の大きなピークが示されていないため、色分散が抑制されることがわかった。
また、図9に示した透過率スペクトル分布からわかるように、波長域全体の透過率は、入射角が大きくなるにつれて低下していることがわかった。これは、入射角が大きくなると反射される光量が大きくなるためと考えられる。しかし、太陽光の入射角が大きくなる夏場においても太陽光の60%以上を色分散がなく広角に拡散された光として室内に採り込むことができることがわかった。
1: 透光層 3:微小面 5:頂上部 6:底部 7:ショルダー部 9:基準面 10:透光性部材

Claims (3)

  1. 受光面およびその裏面を有する板状またはシート状の透光層を備え、
    前記透光層は、受光面又は裏面に凹凸を有し、
    前記受光面又は裏面は、前記凹凸の前記頂上部と、前記底部と、前記頂上部と前記底部との間のショルダー部とに、前記受光面又は裏面と実質的に同じ向きの平面状又は曲面状の微小面を複数有し、
    前記微小面は、100nm以上800nm以下の幅を有し、
    前記凹凸は、前記透光層中の前記受光面又は裏面と平行な任意の基準面から前記微小面までの距離が乱雑となるように形成されたことを特徴とする透光性部材。
  2. 前記凹凸は、前記基準面から前記微小面までの距離の標準偏差が500nm以上3000nm以下となるように形成された請求項1に記載の透光性部材。
  3. 前記凹凸は、前記受光面の面内方向における隣接する2つの前記微小面の間隔が5nm以上300nm以下となるように形成された請求項1又は2に記載の透光性部材。
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