JP2015166081A - 酸分離膜及び酸分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機材料を使用し、耐久性の高い酸分離膜を提供すること。
【解決手段】置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる、逆浸透酸分離膜。
【選択図】なし
【解決手段】置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる、逆浸透酸分離膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸分離膜、及びそれを用いた酸の分離方法に関する。
逆浸透膜を利用したプロセスはエネルギー効率が高いため、海水淡水化技術などで広く利用されている。現在、実用化されている逆浸透膜は高分子膜であり、酢酸分離などの高分子膜の使用が困難な分離系では、無機材料による逆浸透膜の開発が求められている。しかし、無機逆浸透膜の開発の報告は少ない。
非特許文献1には、MFIゼオライト膜を用いて逆浸透により塩を分離することが記載されている。非特許文献2には、MFIゼオライト膜を用いて逆浸透により水から有機物質を除去することが記載されている。非特許文献3にも、ゼオライト膜を用いて塩及び有機物質を分離することが記載されている。また、非特許文献4には、NaCl分離に用いることができる有機シリカを用いた逆浸透膜が記載されている。
Liangxiong Li他、Desalination 228 (2008) 217-225
Ning Li他、Journal of Membrane Science 325 (2008) 357-361
Jun Lu他、Separation and Purification Technology 72 (2010) 203-207
Rong Xu他、Langmuir 2011, 27, 13996-13999
上記の通り、ゼオライト又はシリカを用いた逆浸透膜に関する報告は幾つかあるが、酸を分離できることについては報告がない。本発明の課題は、無機材料を使用し、耐久性の高い酸分離膜を提供することである。本発明の更に別の課題は、上記の酸分離膜を用いた酸の分離方法を提供することである。
本発明者は上記課題を解決することを目的として、無機素材であるシリカを利用した逆浸透膜の開発を試みた。本発明者らは、製膜法として対向拡散化学蒸着(Chemical vapor deposition)(CVD) 法に注目し、フェニル基を含むフェニルトリメトキシシランをシリカ源として用いることでシリカ複合膜を製造し、酸分離能を評価した結果、高い耐久性を有する酸分離膜を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の態様は以下に関する。
(1) 置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる、逆浸透酸分離膜。
(2) 置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランが、フェニルトリメトキシシランである、(1)に記載の逆浸透酸分離膜。
(3) 基材が、多孔質セラミックスである、(1)又は(2)に記載の逆浸透酸分離膜。
(4) 基材の平均細孔直径が1から10nmである、(1)から(3)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(5) 基材が多孔質γ−アルミナキャピラリーである、(1)から(4)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(6) 基材の一方からオゾンを供給し、基材の他方から置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを供給する対向拡散化学蒸着法により製膜を行う、(1)から(5)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(7) 製膜における蒸着温度が、270〜360℃である、(1)から(6)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(8) 酸が、無機酸又は有機酸である、(1)から(7)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(9) 酸が硫酸である、(1)から(8)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(10) 酸が酢酸である、(1)から(8)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(11) (1)から(10)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜を用いて、酸を分離する方法。
(2) 置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランが、フェニルトリメトキシシランである、(1)に記載の逆浸透酸分離膜。
(3) 基材が、多孔質セラミックスである、(1)又は(2)に記載の逆浸透酸分離膜。
(4) 基材の平均細孔直径が1から10nmである、(1)から(3)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(5) 基材が多孔質γ−アルミナキャピラリーである、(1)から(4)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(6) 基材の一方からオゾンを供給し、基材の他方から置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを供給する対向拡散化学蒸着法により製膜を行う、(1)から(5)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(7) 製膜における蒸着温度が、270〜360℃である、(1)から(6)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(8) 酸が、無機酸又は有機酸である、(1)から(7)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(9) 酸が硫酸である、(1)から(8)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(10) 酸が酢酸である、(1)から(8)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜。
(11) (1)から(10)の何れかに記載の逆浸透酸分離膜を用いて、酸を分離する方法。
本発明の酸分離膜は、耐久性が高く、効率良く酸を分離することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の逆浸透酸分離膜は、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜である。アリール基としては、フェニル基又はナフチル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基である。アリール基は、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基など)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基など)、又はハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)から選択される1以上(好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜2個)の置換基で置換されていてもよいし、無置換のアリール基でもよい。
置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランは、特に好ましくは、以下の構造で示されるフェニルトリメトキシシランである。
本発明の逆浸透酸分離膜は、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜である。アリール基としては、フェニル基又はナフチル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基である。アリール基は、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基など)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基など)、又はハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)から選択される1以上(好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜2個)の置換基で置換されていてもよいし、無置換のアリール基でもよい。
置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランは、特に好ましくは、以下の構造で示されるフェニルトリメトキシシランである。
基材としては、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを製膜できるものであれば特に限定されないが、多孔質セラミック基材が好ましく、例えば、多孔質セラミック基材の材料として、好ましくは、γ−アルミナ、シリカ、シリカ―ジルコニア、シリカ−ニッケル、シリカ−銅、シリカ−コバルト、アルミナ−酸化ガリウム、アルミナ−酸化ランタン、アルミナ−酸化ランタン−酸化ガリウムなどを使用することができる。
多孔質γ−アルミナキャピラリーを使用する場合、平均細孔直径は、好ましくは1〜100nmであり、より好ましくは1〜10nmである。ここで、平均細孔直径は市販のパームポロメーターで測定することができる。
本発明における置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランの製膜の方法は特に限定されないが、好ましくは対向拡散CVD法により製膜を行うことができる。対向拡散CVD法によれば、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に均質に蒸着することができる。対向拡散CVD法は、図1に示すように、2種の反応種を基材の両側より供給する方法である。基材の細孔を閉塞するように、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシラン膜が製膜される。蒸着したシリカにより原料の拡散が制御されるので、均質な処理が可能となり、これにより均質なシリカ膜を製膜することができる。
本発明の一例としては、多孔質γ−アルミナキャピラリーなどの基材の一方からオゾンを供給し、基材の他方から置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを供給することにより、対向拡散CVD法による製膜を行うことができる。
上記した製膜における置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランの蒸着温度は特に限定されないが、一般的には150℃〜450℃であり、好ましくは250〜400℃であり、より好ましくは270〜360℃であり、特に好ましくは270〜300℃である。
本発明の逆浸透酸分離膜を用いて、酸の分離を行うことができる。酸の種類は特に限定されず、無機酸又は有機酸の何れでもよく、強酸又は弱酸の何れでもよい。無機酸の例としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、フルオロスルホン酸、リン酸又はホウ酸などを挙げることができるが特に限定されない。有機酸の例としては、酢酸、シュウ酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェノールスルホン酸等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明によれば、逆浸透酸分離膜の製造のための、上記した置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜の使用が提供される。
さらに本発明によれば、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる逆浸透酸分離膜を用いて、酸を分離する方法が提供される。
さらに本発明によれば、置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる逆浸透酸分離膜を用いて、酸を分離する方法が提供される。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定されるものではない。
実施例1:逆浸透膜の製造
(1)製膜材料
(1−1)γ-アルミナ基材
NOK製多孔質α-アルミナキャピラリーにγ-アルミナコーティングを行うことにより、γ-アルミナキャピラリーを製造した。γ-アルミナコーティングは、Boehmiteゾルの作製、コーティング液の作製、ディップコーティング及び焼成からなる。このコーティングは、α-アルミナキャピラリーの外側のみに2回行った。
(1)製膜材料
(1−1)γ-アルミナ基材
NOK製多孔質α-アルミナキャピラリーにγ-アルミナコーティングを行うことにより、γ-アルミナキャピラリーを製造した。γ-アルミナコーティングは、Boehmiteゾルの作製、コーティング液の作製、ディップコーティング及び焼成からなる。このコーティングは、α-アルミナキャピラリーの外側のみに2回行った。
1)Boehmiteゾルの作製
グローブボックス内にAluminium tri-sec-butoxide (ALTSB) と2-propanol(IPA)を入れた100mLビーカー、300mLビーカー、1-10mLマイクロピペット、ピペットチップ×2、スターラー、撹拌子を入れ、窒素置換する。窒素置換後、300mLビーカーをIPA3.84mlで濡らしてからALTSB19.14gを秤量した。その後、界面を安定させるために1時間グローブボックス内で攪拌した。上記のALTSB溶液を分液ろうとに移す。90℃の温水にALTSB溶液を10g min-1程度の速度で滴下する。90℃を保ちながら、IPAがすべて蒸発するまで撹拌する(1-2時間程度)。IPAが蒸発し終わったら加熱をやめ、撹拌しながら室温(30℃位)まで冷却する。冷却後、600-700rpmで撹拌しながら1M HNO3 28mLを溶液が透明になるまでゆっくり加える。硝酸を加えた後、三角フラスコに還流管をつけ、200rpm程度で撹拌しながら90℃へ昇温する。そして200rpm、90℃を保持しながら12時間(一晩)還流する。
グローブボックス内にAluminium tri-sec-butoxide (ALTSB) と2-propanol(IPA)を入れた100mLビーカー、300mLビーカー、1-10mLマイクロピペット、ピペットチップ×2、スターラー、撹拌子を入れ、窒素置換する。窒素置換後、300mLビーカーをIPA3.84mlで濡らしてからALTSB19.14gを秤量した。その後、界面を安定させるために1時間グローブボックス内で攪拌した。上記のALTSB溶液を分液ろうとに移す。90℃の温水にALTSB溶液を10g min-1程度の速度で滴下する。90℃を保ちながら、IPAがすべて蒸発するまで撹拌する(1-2時間程度)。IPAが蒸発し終わったら加熱をやめ、撹拌しながら室温(30℃位)まで冷却する。冷却後、600-700rpmで撹拌しながら1M HNO3 28mLを溶液が透明になるまでゆっくり加える。硝酸を加えた後、三角フラスコに還流管をつけ、200rpm程度で撹拌しながら90℃へ昇温する。そして200rpm、90℃を保持しながら12時間(一晩)還流する。
2)コーティング溶液の作製
300mlビーカーに純水 95ml、1M HNO3 5mLを入れ、この混合液を撹拌しながらポリビニルアルコール(PVA n=500) 3.5gを少しずつ加えていく。90℃でPVAが完全に溶解するまで200rpmで3時間程度撹拌する。PVAが完全に溶解したら、加熱をやめ、撹拌しながら冷却する。Boehmiteゾル液6mLをビーカーに入れ100rpm程度で撹拌しながら、室温まで冷却したPVA溶液4mLを気泡が入らないように気をつけながら加え、さらに10min程度撹拌する。
300mlビーカーに純水 95ml、1M HNO3 5mLを入れ、この混合液を撹拌しながらポリビニルアルコール(PVA n=500) 3.5gを少しずつ加えていく。90℃でPVAが完全に溶解するまで200rpmで3時間程度撹拌する。PVAが完全に溶解したら、加熱をやめ、撹拌しながら冷却する。Boehmiteゾル液6mLをビーカーに入れ100rpm程度で撹拌しながら、室温まで冷却したPVA溶液4mLを気泡が入らないように気をつけながら加え、さらに10min程度撹拌する。
3)ディップコーティング及び焼成
キャピラリーの中央4cm以外の部分にコーティング液がつかないように、テフロン(登録商標)シールテープでシールする。コーティング液をサンプル管に入れ、シールしたキャピラリーを6秒浸す。キャピラリーを60℃で3時間乾燥する。乾燥後、6時間で600℃まで昇温し、600℃で3時間保持した後、9時間で室温まで冷却する。
上記のコーティング操作を2回行った。
キャピラリーの中央4cm以外の部分にコーティング液がつかないように、テフロン(登録商標)シールテープでシールする。コーティング液をサンプル管に入れ、シールしたキャピラリーを6秒浸す。キャピラリーを60℃で3時間乾燥する。乾燥後、6時間で600℃まで昇温し、600℃で3時間保持した後、9時間で室温まで冷却する。
上記のコーティング操作を2回行った。
上記で製造したγ-アルミナ基材について、ポロメーターナノ(日本ベル株式会社製造)を用いて細孔径評価を行った。結果を図2に示す。
使用したα-アルミナキャピラリーの特性を表1に示す。
(1−2)シリカ源
以下に示すフェニルトリメトキシシラン(PhTMOS)をシリカ源として使用した。
以下に示すフェニルトリメトキシシラン(PhTMOS)をシリカ源として使用した。
(1−3)酸化剤
酸化剤としてO2とオゾンを用いた。オゾンは、O2 1.0 L min-1をオゾン発生器 ( ZOS-YB-20G、SOW-5000R 、商研製 ) に導入し、無声放電によりオゾンを発生させた。このO2とオゾンが混合したガスの流量をO3流量と呼ぶ。本実施例では、放電出力100V、オゾン発生器に導入するO2流量を1.0 L min-1に固定した。
酸化剤としてO2とオゾンを用いた。オゾンは、O2 1.0 L min-1をオゾン発生器 ( ZOS-YB-20G、SOW-5000R 、商研製 ) に導入し、無声放電によりオゾンを発生させた。このO2とオゾンが混合したガスの流量をO3流量と呼ぶ。本実施例では、放電出力100V、オゾン発生器に導入するO2流量を1.0 L min-1に固定した。
(2)CVD装置・製膜方法
シリカ膜は、対向拡散CVD法を用いて製膜を行った。CVD装置及び透過試験装置、製膜手順、製膜条件について以下に説明する。
シリカ膜は、対向拡散CVD法を用いて製膜を行った。CVD装置及び透過試験装置、製膜手順、製膜条件について以下に説明する。
(2−1)CVDおよび透過試験装置
図3にCVDおよび透過試験装置図を示す。CVD及び透過試験装置は、リアクター、電気炉、リボンヒーター、温度調節器、ガス供給・制御部分、バブラー、石鹸膜流量計、圧力センサー、真空ポンプ、コールドトラップにより構成されている。配管にはSUSを用いた。
図3にCVDおよび透過試験装置図を示す。CVD及び透過試験装置は、リアクター、電気炉、リボンヒーター、温度調節器、ガス供給・制御部分、バブラー、石鹸膜流量計、圧力センサー、真空ポンプ、コールドトラップにより構成されている。配管にはSUSを用いた。
膜モジュールと膜は、Swagelok社のウルトラトールを加工したものとO-ringを用いてシールした。膜モジュールの中央に電気炉を設置し、温度調節器で温度を管理し、モジュール内に挿入された熱電対により温度を測定した。
リボンヒーターは、シリカ源がリアクターに達するまでに凝縮するのを防ぐために巻いた。シリカ源を供給する際は140℃に加熱した。有毒なシリカ源が大気中に放出されないように、未反応のシリカ源をコールドトラップで回収した。
リボンヒーターは、シリカ源がリアクターに達するまでに凝縮するのを防ぐために巻いた。シリカ源を供給する際は140℃に加熱した。有毒なシリカ源が大気中に放出されないように、未反応のシリカ源をコールドトラップで回収した。
膜の外側からシリカ源を供給するためにN2バブラー、膜の内側にO2およびO3を供給するラインを接続した。それぞれ大気圧にて供給した。製膜の際に必要なN2、O2はマスフローコントローラーを用いて電子制御し、透過試験用のH2、N2、SF6ガスはニードルバルブで制御により流量を調整した。
膜の外側のラインには圧力計を設置した。これはシリカ源を膜の外側のラインに供給することで配管が閉塞したときのモニター用である。
膜の内側、外側にて未反応のガスはドラフトに排気される。
膜の外側のラインには圧力計を設置した。これはシリカ源を膜の外側のラインに供給することで配管が閉塞したときのモニター用である。
膜の内側、外側にて未反応のガスはドラフトに排気される。
(2−2)製膜手順(対向拡散CVD法)
(2−1)に記載した装置を用いて対向拡散CVD法により、製膜を行った。製膜の手順を以下に示す。
(2−1)に記載した装置を用いて対向拡散CVD法により、製膜を行った。製膜の手順を以下に示す。
1)準備
膜をO-ringとウルトラトールを用いてシールし、金属継手で接続する。リアクター、リボンヒーターの温度を温度調節器(温調)で設定し、昇温する。リアクター温度が一定になったら、基材の透過試験を加圧(石鹸)法で行う。このとき、N2透過率は、1.5×10-6 mol m-2s-1 Pa-1程度を基準とする。バブラーの温度を温調で設定し、昇温する。温度が上がったらN2 0.2 L min-1をバブラーへ導入する。製膜開始前に、反応器内にシリカ源が混入することを防ぐため、バブラーからコールドトラップへ流れるようにラインを確保する。O2ラインを開け、1.0 L min-1になるようにマスフローコントローラーを設定する。O3発生器の電源を入れ、出力を最大にする。O2をオゾン発生器に供給し、加圧法で確認しながらO3流量0.2 L min-1に調節する。膜の内側のラインからドラフトへO3を廃棄する。O3濃度が安定するまで10分程度放置する。トラップ管が半分以上隠れるぐらいポリビーカーに氷を入れる。
膜をO-ringとウルトラトールを用いてシールし、金属継手で接続する。リアクター、リボンヒーターの温度を温度調節器(温調)で設定し、昇温する。リアクター温度が一定になったら、基材の透過試験を加圧(石鹸)法で行う。このとき、N2透過率は、1.5×10-6 mol m-2s-1 Pa-1程度を基準とする。バブラーの温度を温調で設定し、昇温する。温度が上がったらN2 0.2 L min-1をバブラーへ導入する。製膜開始前に、反応器内にシリカ源が混入することを防ぐため、バブラーからコールドトラップへ流れるようにラインを確保する。O2ラインを開け、1.0 L min-1になるようにマスフローコントローラーを設定する。O3発生器の電源を入れ、出力を最大にする。O2をオゾン発生器に供給し、加圧法で確認しながらO3流量0.2 L min-1に調節する。膜の内側のラインからドラフトへO3を廃棄する。O3濃度が安定するまで10分程度放置する。トラップ管が半分以上隠れるぐらいポリビーカーに氷を入れる。
2)製膜
シリカ源のラインを開き、製膜を開始する。開始時から蒸着時間を正確に計測する。蒸着時間がきたら、酸化剤の供給ラインを閉じる。N2バブリングを止め、バブラーの温調を切る。シリカ源が残らないよう、15分程度N2でスイープする。
シリカ源のラインを開き、製膜を開始する。開始時から蒸着時間を正確に計測する。蒸着時間がきたら、酸化剤の供給ラインを閉じる。N2バブリングを止め、バブラーの温調を切る。シリカ源が残らないよう、15分程度N2でスイープする。
(2−3)製膜条件
使用したシリカ源の製膜条件を表2に示す。
使用したシリカ源の製膜条件を表2に示す。
実施例2:硫酸による逆浸透試験
膜の逆浸透性能の評価として、硫酸による逆浸透試験を行った。
硫酸透水試験を行い、得られた透過液と供給液の硫酸イオン濃度をそれぞれ測定し、硫酸イオン阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(L-6300形インテリジェントポンプ、日立ハイテクフィールディング製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
膜の逆浸透性能の評価として、硫酸による逆浸透試験を行った。
硫酸透水試験を行い、得られた透過液と供給液の硫酸イオン濃度をそれぞれ測定し、硫酸イオン阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(L-6300形インテリジェントポンプ、日立ハイテクフィールディング製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
(1)硫酸透水試験
100mg/L 硫酸溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5min程度循環させ、装置内の硫酸濃度を一定にする。循環後、供給液を50mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0mLとし、差圧を背圧弁により3.0〜6.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。特に、4.0 MPa以降で圧力を調節する際は注意する。
100mg/L 硫酸溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5min程度循環させ、装置内の硫酸濃度を一定にする。循環後、供給液を50mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0mLとし、差圧を背圧弁により3.0〜6.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。特に、4.0 MPa以降で圧力を調節する際は注意する。
1滴目が透過した時間を測定開始時間とし、スクリュー管は透過液が中に入るよう設置した。スクリュー管に透過液が1mL(硫酸イオン濃度が測定できる体積)以上溜まったら、スクリュー管を交換、もしくは測定を終了する。測定終了時間は、透過液が1滴落ちた瞬間とする。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
膜を取り出し、無孔ガラス管に入れ替える。供給側に純水400〜600mL、透過側に空のビーカーを用意する。ポンプを稼働し、純水を循環させ、装置を洗浄する。
(2)イオンメーターによる硫酸濃度の測定
供給液、透過液の硫酸濃度を測定するために、pH・導電率計(PCWP10、AS ONE株式会社製)を使用した。硫酸濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液の硫酸濃度を測定するために、pH・導電率計(PCWP10、AS ONE株式会社製)を使用した。硫酸濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液をそれぞれ、1.00 mL分取し、純水49.0 mLを加え希釈した。この溶液にpH・導電率計を浸し、pHを測定した。測定値は1分おきに記録し、3点の平均値を硫酸水溶液のpHとした。測定値の差は0.01以内に収まるようにした。
蒸着温度240℃、270℃、300℃又は360℃で作製した膜を用いた場合の逆浸透試験の測定結果を図5に示す。本発明の逆浸透膜は、硫酸を効率的に分離できることが示された。
実施例3:硫酸逆浸透試験前後の透過試験
実施例2の硫酸逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、100℃、270℃で行った。
実施例2の硫酸逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、100℃、270℃で行った。
(1)圧力変化法
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
(2)加圧(石鹸膜)法
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
硫酸逆浸透試験前後の透過試験の結果を図6に示す。蒸着温度が300℃の膜及び蒸着温度が360℃の膜について、硫酸逆浸透試験の前後において性能の大きな劣化は認められなかった。
実施例4:酢酸の逆浸透試験
膜の逆浸透性能の評価として、酢酸による逆浸透試験を行った。
酢酸透水試験を行い、得られた透過液と供給液の酢酸濃度をそれぞれ測定し、酢酸阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(LC-20AD、島津製作所製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
膜の逆浸透性能の評価として、酢酸による逆浸透試験を行った。
酢酸透水試験を行い、得られた透過液と供給液の酢酸濃度をそれぞれ測定し、酢酸阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(LC-20AD、島津製作所製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
(1)酢酸透水試験
1.0x10-3 M 酢酸溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5 min程度循環させ、装置内の酢酸濃度を一定にする。循環後、供給液を50 mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0 mLとし、差圧を背圧弁により4.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。
1.0x10-3 M 酢酸溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5 min程度循環させ、装置内の酢酸濃度を一定にする。循環後、供給液を50 mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0 mLとし、差圧を背圧弁により4.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。
1滴目が透過した時間を測定開始時間とし、スクリュー管は透過液が中に入るよう設置した。スクリュー管に透過液が1mL以上溜まったら、スクリュー管を交換、もしくは測定を終了する。測定終了時間は、透過液が1滴落ちた瞬間とする。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
膜を取り出し、無孔ガラス管に入れ替える。供給側に純水400〜600mL、透過側に空のビーカーを用意する。ポンプを稼働し、純水を循環させ、装置を洗浄する。
(2)全有機体炭素計(TOC)による酢酸濃度の測定
供給液、透過液の酢酸濃度を測定するために、TOC(TOC-L、島津製作所製)を使用した。酢酸濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液の酢酸濃度を測定するために、TOC(TOC-L、島津製作所製)を使用した。酢酸濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液をそれぞれ、1 g分取し、純水を加え全量50 gになるよう測定溶液を調整した。この溶液をTOCで分析し、炭素量を測定した。
蒸着温度300℃で作製した膜を用いた場合の逆浸透試験の測定結果を図7に示す。本発明の逆浸透膜は、酢酸を分離できることが示された。図7においてPhTMOSはフェニルトリメトキシシランを示し、PrTMOSはプロピルトリメトキシシランを示す。
実施例5:酢酸逆浸透試験前後の透過試験
実施例4の酢酸逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、270℃で行った。
実施例4の酢酸逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、270℃で行った。
(1)圧力変化法
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
(2)加圧(石鹸膜)法
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
酢酸逆浸透試験前後の透過試験の結果を図8に示す。蒸着温度が300℃の膜について、酢酸逆浸透試験の前後において性能の劣化は認められなかった。
実施例6:塩化ナトリウム(NaCl)水溶液の逆浸透試験
膜の逆浸透性能の評価として、NaCl水溶液による逆浸透試験を行った。
NaCl水溶液の透水試験を行い、得られた透過液と供給液のNaイオン濃度をそれぞれ測定し、Naイオン阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(L-6300形インテリジェントポンプ、日立ハイテクフィールディング製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
膜の逆浸透性能の評価として、NaCl水溶液による逆浸透試験を行った。
NaCl水溶液の透水試験を行い、得られた透過液と供給液のNaイオン濃度をそれぞれ測定し、Naイオン阻止率の算出を行った。
逆浸透試験は図4に示す装置を用いて行った。液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ(L-6300形インテリジェントポンプ、日立ハイテクフィールディング製)を使用し、背圧弁により圧力差を調節し、供給液が循環するようにした。
(1)NaCl水溶液の透水試験
100 mg/L NaCl水溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5 min程度循環させ、装置内のNaCl濃度を一定にする。循環後、供給液を50 mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0 mLとし、差圧を背圧弁により3.0〜5.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。
100 mg/L NaCl水溶液を調製し、供給液とした。供給液は500mLビーカーに入れ、濃度勾配が一定になるよう300(290〜320)rpmで常に撹拌する。
膜の代わりに無孔ガラス管を入れ、ポンプを稼働し、供給液を5 min程度循環させ、装置内のNaCl濃度を一定にする。循環後、供給液を50 mL程度分取する。スクリュー管の重量を精密電子天秤で測定する。無孔ガラス管を測定する膜に取り換える。ポンプを稼働し、供給量10.0 mLとし、差圧を背圧弁により3.0〜5.0 MPaに調節する。差圧の調整はゆっくりと行い、膜が破損しないようにする。
1滴目が透過した時間を測定開始時間とし、スクリュー管は透過液が中に入るよう設置した。スクリュー管に透過液が1mL以上溜まったら、スクリュー管を交換、もしくは測定を終了する。測定終了時間は、透過液が1滴落ちた瞬間とする。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
背圧弁を調節し、圧力を0MPaまで下げ、ポンプの稼働を止める。供給液を50mL程度分取する。
膜を取り出し、無孔ガラス管に入れ替える。供給側に純水400〜600mL、透過側に空のビーカーを用意する。ポンプを稼働し、純水を循環させ、装置を洗浄する。
(2)ナトリウムイオンメーターによるNaイオン濃度の測定
供給液、透過液のNaイオン濃度を測定するために、ナトリウムイオンメーター(ハンディNaイオンメーター、東興化学研究所製)を使用した。Naイオン濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液のNaイオン濃度を測定するために、ナトリウムイオンメーター(ハンディNaイオンメーター、東興化学研究所製)を使用した。Naイオン濃度の測定手順を以下に示す。
供給液、透過液をそれぞれ、1 mL分取し、純水を加え全量100 mLにした。この溶液をNaイオンメーターで測定し、Naイオン濃度を測定した。測定値は5回の測定の平均値をとった。
蒸着温度270℃、300℃、360℃で作製した膜を用いた場合の逆浸透試験の測定結果を図9に示す。本発明の逆浸透膜は、NaCl水溶液を分離できることが示された。
実施例7:NaCl水溶液の逆浸透試験前後の透過試験
実施例6のNaCl水溶液の逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、270℃で行った。
実施例6のNaCl水溶液の逆浸透試験の前後において、H2、N2、SF6の3種類の気体を用いて膜の気体透過性能を評価した。各気体のKinetic径を表3に示す。透過試験には圧力変化法と加圧法(石鹸法)の2種類がある。圧力変化法は透過率が10-8 mol m-2 s-1 Pa-1未満、加圧法は透過率が10-8mol m-2 s-1 Pa-1以上のときに用いた。透過試験は28℃(室温)、270℃で行った。
(1)圧力変化法
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
透過試験ガスを大気圧にて膜の外側に供給し、透過側(膜の内側)を真空ポンプで減圧することで供給側と透過側に約1気圧の圧力差が生じる。透過したガスの圧力をバラトロン真空計で測定し、表示機が示す圧力の値が一定になったとき、定常状態と判断する。定常状態になった後、真空ポンプにつながるラインをバルブで遮断し、ガス透過に起因する透過側の圧力上昇の時間変化を測定する。この値と気体の状態方程式より透過率を算出した。
(2)加圧(石鹸膜)法
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
ガスで供給側(膜の外側)を加圧し、透過側を大気圧開放とすることで、供給側と透過側に圧力差が生じ、透過したガスの体積流量を石鹸膜流量計で測定し、透過率を算出した。
Claims (11)
- 置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを基材に供給して製膜することによって得られる膜からなる、逆浸透酸分離膜。
- 置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランが、フェニルトリメトキシシランである、請求項1に記載の逆浸透酸分離膜。
- 基材が、多孔質セラミックスである、請求項1又は2に記載の逆浸透酸分離膜。
- 基材の平均細孔直径が1から10nmである、請求項1から3の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 基材が多孔質γ−アルミナキャピラリーである、請求項1から4の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 基材の一方からオゾンを供給し、基材の他方から置換されていてもよいアリール基を有するトリメトキシシランを供給する対向拡散化学蒸着法により製膜を行う、請求項1から5の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 製膜における蒸着温度が、270〜360℃である、請求項1から6の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 酸が、無機酸又は有機酸である、請求項1から7の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 酸が硫酸である、請求項1から8の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 酸が酢酸である、請求項1から8の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜。
- 請求項1から10の何れか1項に記載の逆浸透酸分離膜を用いて、酸を分離する方法。
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JP2015025976A JP2015166081A (ja) | 2014-02-14 | 2015-02-13 | 酸分離膜及び酸分離方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017170435A (ja) * | 2016-03-16 | 2017-09-28 | 学校法人 芝浦工業大学 | 分離膜及び分離方法 |
-
2015
- 2015-02-13 JP JP2015025976A patent/JP2015166081A/ja active Pending
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