JP2015165829A - 咬合採得法及び歯科用3d図作成方法と歯科用3d図作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 インプラントに対して基準部材を配して、例え1本から数本の歯の位置であっても、口腔内における上顎又は下顎の全体を考慮に入れた咬合採得法と、この咬合採得法から3D図で表示する歯科用3D図作成方法及び歯科用3D図作成プログラムを提供する。
【解決手段】 口腔内に配されたインプラントPに対して装着される基準部材10(1A)に対して、歯の咬み合わせ状態を記録するチェックバイト11を取り付け、このチェックバイト11に対して歯の咬み合わせ位置を記録し、この記録したチェックバイト11bから3D化したチェックバイト11b作成する。
【選択図】 図9
【解決手段】 口腔内に配されたインプラントPに対して装着される基準部材10(1A)に対して、歯の咬み合わせ状態を記録するチェックバイト11を取り付け、このチェックバイト11に対して歯の咬み合わせ位置を記録し、この記録したチェックバイト11bから3D化したチェックバイト11b作成する。
【選択図】 図9
Description
本発明は、冠やブリッジや総入れ歯などの義歯を製作・調整したり口腔内の検査などを行うために使用する咬合採得法と、これを3D図で仮想のチェックバイトなどを作成する歯科用3D図作成方法と歯科用3D図作成プログラムに関する。
従来、冠やブリッジや総入れ歯などの義歯などを製作する場合、まず口腔内の型を取り(印象採得)、次に咬合採得と呼ばれる作業、つまりロウ堤を配して上下の歯の位置関係を記録する作業を行なう。保険用語では「Bite Taking:BT」と呼ばれるが、この咬合採得を行って歯の咬み合わせ位置を記録することによって、実際の口腔内の状態と近い形で作業用模型を咬合器に装着することが可能となり、作業用模型上で検査や補綴物の製作・調整などを行う。咬合器(こうごうき)とは、歯科医療における治療・研究等を目的として、作業用模型上で顎運動や咬合のさまざまな位置を再現する装置である。咬合器は、中心咬合位などの特定の咬合位を再現するものや、側方運動や前方滑走運動などの顎運動を再現するもの等、目的に応じて様々な形態の装置が開発されている(特許文献1)。
入れ歯を製作する工程としては、まず型取り材で概形を取り、この概形から起こした石膏模型を見て個人トレーという印象するための「お皿」を作り、それを使って精密印象を取る。このトレーを実際に口の中に入れ、噛んだり口をすぼめたり舌を出したり運動をさせるなどして形を作る。そこに細かいところまで再現できる型取り材を流して精密な印象を取る。このようにしてとった印象から、石膏の模型を作るが、これが歯科技工士が技工操作で義歯を作っていく土台(作業用模型)になる。
入れ歯(義歯)を作る上で、最も重要なのは「咬み合わせ」である。咬み合わせは、一般には、高径(咬合高径や、高さ位置、高低とも呼ばれる。)が考慮されることが多いが、上下の歯の位置合わせは、そのような単純なものではなく、上下のほかに、正中位置を決定したり、前歯の位置を決定したり、水平的顎位置を決定したり等多くの測定が必要になる。しかも、その測定には、土台がしっかり固定されている状態で測定されて初めて有効な咬み合わせになる。
入れ歯(義歯)を作る上で、最も重要なのは「咬み合わせ」である。咬み合わせは、一般には、高径(咬合高径や、高さ位置、高低とも呼ばれる。)が考慮されることが多いが、上下の歯の位置合わせは、そのような単純なものではなく、上下のほかに、正中位置を決定したり、前歯の位置を決定したり、水平的顎位置を決定したり等多くの測定が必要になる。しかも、その測定には、土台がしっかり固定されている状態で測定されて初めて有効な咬み合わせになる。
なお、特許文献1には、義歯製作時の咬合調整器具に関するものが開示され、特許文献2には、義歯を作る際に、記録床を使って下顎を記録する方法に関するものが開示されている。
一方、特許文献4〜6などには、印象部材の3D図(三次元模型)を得る方法が開示されている。
一方、特許文献4〜6などには、印象部材の3D図(三次元模型)を得る方法が開示されている。
一般に咬合採得と呼ばれる作業は、ロウ堤と呼ばれる蝋でできた人工堤(総入れ歯の場合はU字状になるが、部分入れ歯の場合はその部分の形状を呈する。)に歯の位置関係を記録する。ロウ堤は、本模型に樹脂を盛り、個人トレーのように成型し、その上にロウを焼き付けて製作し、このロウ堤を患者の口に入れて咬み合わせの位置を決める。図15は、は、咬合器Kに義歯Sを配置して、その間にロウ堤Tを介在させたものである。実際の口腔内も同じような状態になる。図14は、咬合採得を経て義歯を製造するまでのフロー図である。なお、上記特許文献1も2も上記ロウ堤を使用すると考えられる。
しかしながら、このロウ堤Tによる咬合採得で上下の歯の咬み合わせでは、精度の高い咬合採得ができないという問題を有している。その理由としては、咬み合わせのタイミング等の従来から言われている要因のほかに、本願発明者の知見によれば、口腔内の土台(歯肉部)が変形することがあり、特に、高齢者のように歯肉部の衰えなどがあると、口腔内にロウ堤を入れて正確な咬み合わせ位置を記録することは難しい。
また、例えば、歯の本数がすべて揃っておらず、1本でも欠損しているような場合は、その位置での咬み合わせはできないが、奥歯のように咬み合わせの基準となるような箇所では、その位置での咬み合わせが可能になれば、正確な咬み合わせを実現できると、本願発明者は考える。
しかしながら、このロウ堤Tによる咬合採得で上下の歯の咬み合わせでは、精度の高い咬合採得ができないという問題を有している。その理由としては、咬み合わせのタイミング等の従来から言われている要因のほかに、本願発明者の知見によれば、口腔内の土台(歯肉部)が変形することがあり、特に、高齢者のように歯肉部の衰えなどがあると、口腔内にロウ堤を入れて正確な咬み合わせ位置を記録することは難しい。
また、例えば、歯の本数がすべて揃っておらず、1本でも欠損しているような場合は、その位置での咬み合わせはできないが、奥歯のように咬み合わせの基準となるような箇所では、その位置での咬み合わせが可能になれば、正確な咬み合わせを実現できると、本願発明者は考える。
他方、歯科技工士の側からすると、上記咬み合わせ状態を実際に確認するのは歯科医師であることが多く(歯科医院内に歯科技工士がいる医院は少ない。)、このため、上記ロウ堤を忠実に再現するように冠やブリッジや総入れ歯などの義歯を製造するが、医院で、患者に装着しても、歯科技工士のイメージとは差異が生じる。
そして、従来の咬合採得では、ロウ堤を使用するが、口を広げて多量のロウ堤を入れられる患者の負担は大きく、しかも、上記のような問題があるために、ロウ堤を使用しなくとも正確な咬合採得ができるとなれば、材料費の無駄を省き、作業工程の短縮が図られると、本願発明者は考える。
そこで本願発明者は、ロウ堤を使用せずに、しかも精度の高い咬合採得が可能な歯科用位置合わせ治具とこの位置合わせ治具を使用した咬合採得法を開発して、その特許を既に取得している(特許文献3)。
特許第3771534号公報
特開2005−152106号公報
特許第4863235号公報
特表2012−500673号公報
特開2009−544417号公報
特表2012−502703号公報
上記特許文献4〜6に示すように、咬合採得の分野においては、これを3D図化(三次元化)して表示することが行なわれるようになってきた。
しかしながら、歯の咬み合わせ位置を記録するときに、基準とするものがないと、単に所定箇所を写した情報(スキャニング等した情報)だけでは、正確な印象の3D図化(三次元化)しても正確な咬合採得にはならない。すなわち、印象の3D図(三次元模型)はその仮想性ゆえにいくらでも作成可能ではあるが(営業用に簡単に3D図は作成できるが)、正確なデータに基づかない3Dをいくら作成しても、その3D図は、義歯などの作成の基になるもの(例えば咬合印象)とはならない。
一方、本願発明者は、1本から数本の特定の義歯を作成する場合において、一本の義歯を作成する場合においても、それは全体の口腔内における特定の数本や一本の問題であって、正確な義歯を得るためには、口腔内全体における位置を考慮する必要があると考える。また、特定の一本の義歯であるとしても、その特定の位置におけるズレなどを考慮に入れた義歯を製造する必要があると考える。
しかしながら、このような場合に常に口腔内の全ての歯を考慮に入れて3D図を作成することは複雑で多大な労力が必要になる。
しかしながら、歯の咬み合わせ位置を記録するときに、基準とするものがないと、単に所定箇所を写した情報(スキャニング等した情報)だけでは、正確な印象の3D図化(三次元化)しても正確な咬合採得にはならない。すなわち、印象の3D図(三次元模型)はその仮想性ゆえにいくらでも作成可能ではあるが(営業用に簡単に3D図は作成できるが)、正確なデータに基づかない3Dをいくら作成しても、その3D図は、義歯などの作成の基になるもの(例えば咬合印象)とはならない。
一方、本願発明者は、1本から数本の特定の義歯を作成する場合において、一本の義歯を作成する場合においても、それは全体の口腔内における特定の数本や一本の問題であって、正確な義歯を得るためには、口腔内全体における位置を考慮する必要があると考える。また、特定の一本の義歯であるとしても、その特定の位置におけるズレなどを考慮に入れた義歯を製造する必要があると考える。
しかしながら、このような場合に常に口腔内の全ての歯を考慮に入れて3D図を作成することは複雑で多大な労力が必要になる。
そこで本発明の目的は、インプラントに対して基準部材を配して、例え1本から数本の歯の位置であっても、口腔内における上顎又は下顎の全体を考慮に入れた咬合採得法と、この咬合採得法から3D図で表示する歯科用3D図作成方法及び歯科用3D図作成プログラムを提供することにある。
本発明の咬合採得法は、口腔内に配されたインプラントに対して装着される基準部材に対して、歯の咬み合わせ状態を記録するチェックバイトを取り付け、このチェックバイトに対して歯の咬み合わせ位置を記録することを特徴とする。ここで、基準部材としては、従来インプラントに対して装着されるロケータと呼ばれる金属部材などが使用可能である。基準部材は、インプラントに刺差し込まれるものであれば、ロケータ以外のものでも良いが、型(歯の咬み合わせ)を採取できる本願発明者の発明した歯科用位置合わせ治具を使用することが好ましい。
本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配して、正確な咬み合わせ記録ができる。特に、歯の咬み合わせ記録で重要な点は、咬み合わせ高さであるが、本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配しているので、正確な高さを測定することができる。そして、本発明者が開発した歯科用位置合わせ治具を使用することにより、型(歯の咬み合わせ)を採取できる点や、その角度変更なども可能なことから、上記ロケータなどと比較すると格段に高い精度で歯の咬み合わせ記録を得ることができる。
本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配して、正確な咬み合わせ記録ができる。特に、歯の咬み合わせ記録で重要な点は、咬み合わせ高さであるが、本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配しているので、正確な高さを測定することができる。そして、本発明者が開発した歯科用位置合わせ治具を使用することにより、型(歯の咬み合わせ)を採取できる点や、その角度変更なども可能なことから、上記ロケータなどと比較すると格段に高い精度で歯の咬み合わせ記録を得ることができる。
本発明としては、前記咬み合わせ記録は、1本から数本の義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイトを配して歯の咬み合わせを記録するもので、前記基準部材を複数本使用して口腔内における前記チェックバイトの位置決めをすることを特徴とする。また、前記咬み合わせ記録は、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイトを配して歯の咬み合わせを記録するものであり、前記基準部材を複数本使用して口腔内における前記チェックバイトの位置決めをすることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、左右の奥歯と前歯の3箇所のような複数個所での歯の咬み合わせ記録(高さ位置や角度等)をとることにより、総入れ歯を製作したり、又、ブリッジの場合は、その両端側2箇所配置するなどして使用することにより、又、歯が欠損して遊離端になった箇所についても、これら複数個所の測定により精度の高い咬合採得が可能になる。
本発明によれば、例えば、左右の奥歯と前歯の3箇所のような複数個所での歯の咬み合わせ記録(高さ位置や角度等)をとることにより、総入れ歯を製作したり、又、ブリッジの場合は、その両端側2箇所配置するなどして使用することにより、又、歯が欠損して遊離端になった箇所についても、これら複数個所の測定により精度の高い咬合採得が可能になる。
本発明としては、前記歯の咬み合わせ記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成するか、又は、前記基準部材を含めて前記歯の咬み合わせ記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする。
本発明によれば、前記咬み合わせ記録したチェックバイトから3D図(三次元図)を作成することで(写真撮影を元にしたり、前記複数個所からの数値情報などからチェックバイトを3D図で作成することで)、これを元に義歯のイメージを3D図で作成したり、バーチャルの咬合機器に取り付けたりして(合成して)、患者に見せたり、さらに患者の個人データとして保管するなど様様な使用が可能になる。
本発明によれば、前記咬み合わせ記録したチェックバイトから3D図(三次元図)を作成することで(写真撮影を元にしたり、前記複数個所からの数値情報などからチェックバイトを3D図で作成することで)、これを元に義歯のイメージを3D図で作成したり、バーチャルの咬合機器に取り付けたりして(合成して)、患者に見せたり、さらに患者の個人データとして保管するなど様様な使用が可能になる。
また、本発明の歯科用3D図作成方法は、3D(三次元)図で歯の咬み合わせを記録する歯科用3D図作成方法において、歯の咬み合わせ状態を記録するチェックバイトと、口腔内に配されたインプラントに対して装着される3D図作成のための基準部材とを配して、この基準部材をインプラントに装着させた状態でチェックバイトに歯の咬み合わせ位置を記録し、この記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする。
ここでの歯科用3D図作成方法としては、歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトからそのまま3D図のチェックバイトを作成する方法と、歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトの歯型の形状(歯型跡)や大きさをその溝形状等から採取したチェックバイトの歯型から3D図(歯型の3D図)を作成する方法があり(歯型跡からの採取方法)、これらは歯の咬み合わせからうまれる凹凸の表裏一体の関係のあるものであり、いずれを3D図化しても良い。そして、基準部材としては、従来インプラントに対して装着されるロケータなどが使用可能である。基準部材は、インプラントに差し込まれるものであれば、ロケータ以外のものでも良いが、型(歯の咬み合わせ)を採取できる本願発明者の発明した歯科用位置合わせ治具を使用することが好ましい。
本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材や歯科用位置合わせ治具を配して、正確な咬み合わせ記録ができるので、この記録を元に3D図を作成することで、正確な咬み合わせ記録3D図を作成することができる。
ここでの歯科用3D図作成方法としては、歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトからそのまま3D図のチェックバイトを作成する方法と、歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトの歯型の形状(歯型跡)や大きさをその溝形状等から採取したチェックバイトの歯型から3D図(歯型の3D図)を作成する方法があり(歯型跡からの採取方法)、これらは歯の咬み合わせからうまれる凹凸の表裏一体の関係のあるものであり、いずれを3D図化しても良い。そして、基準部材としては、従来インプラントに対して装着されるロケータなどが使用可能である。基準部材は、インプラントに差し込まれるものであれば、ロケータ以外のものでも良いが、型(歯の咬み合わせ)を採取できる本願発明者の発明した歯科用位置合わせ治具を使用することが好ましい。
本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材や歯科用位置合わせ治具を配して、正確な咬み合わせ記録ができるので、この記録を元に3D図を作成することで、正確な咬み合わせ記録3D図を作成することができる。
本発明としては、前記咬み合わせ部材のチェックバイトは、口腔内の複数箇所において歯の咬み合わせ位置を記録し、前記咬み合わせ記録3D図は、上記複数箇所において歯の咬み合わせ位置を記録したものを連続するように咬み合わせ記録3D図であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、左右の奥歯と前歯の3箇所のような複数個所での歯の咬み合わせ記録(高さ位置や角度等)をとることにより、総入れ歯を製作したり、又、ブリッジの場合は、その両端側2箇所配置するなどして使用することにより、又、歯が欠損して遊離端になった箇所についても、これら複数個所の測定により精度の高い咬合採得が可能になる。そして、複数個所での咬み合わせ記録でも、又、仮にチェックバイトの配されない箇所でも、これを連続するように3D図で表すことで、咬合器や3Dの咬合器(バーチャル咬合器)などと合成可能である。
本発明によれば、例えば、左右の奥歯と前歯の3箇所のような複数個所での歯の咬み合わせ記録(高さ位置や角度等)をとることにより、総入れ歯を製作したり、又、ブリッジの場合は、その両端側2箇所配置するなどして使用することにより、又、歯が欠損して遊離端になった箇所についても、これら複数個所の測定により精度の高い咬合採得が可能になる。そして、複数個所での咬み合わせ記録でも、又、仮にチェックバイトの配されない箇所でも、これを連続するように3D図で表すことで、咬合器や3Dの咬合器(バーチャル咬合器)などと合成可能である。
本発明としては、前記基準部材を含めて前記咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする。
歯の咬み合わせ記録で重要な点は、咬み合わせ高さであるが、本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配しているので、正確な歯肉から高さやインプラントからの高さを測定することができる。そして、高さを決める基準部材を3D図作成過程でこれを3D図加工で隠すことがきるとともに、患者に見せたり、営業用に使用したり、又、バーチャルの咬合機器に取り付けて使用するときにも、見栄えが悪くすることとがない。
このように作成した咬み合わせ記録3D図は、義歯やロウ堤等の製作の基準となるものであるので、これらの3D図との合成処理が可能であり、又、咬合印象、石膏模型などと合成加工することで、患者の歯の咬み合わせ記録をした実物としてのチェックバイトや、義歯等製作に使用する咬合器などの様々なものを実際に保管しなくとも、コンピュータ上で3図化して保管することができるようになる。
歯の咬み合わせ記録で重要な点は、咬み合わせ高さであるが、本発明によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配しているので、正確な歯肉から高さやインプラントからの高さを測定することができる。そして、高さを決める基準部材を3D図作成過程でこれを3D図加工で隠すことがきるとともに、患者に見せたり、営業用に使用したり、又、バーチャルの咬合機器に取り付けて使用するときにも、見栄えが悪くすることとがない。
このように作成した咬み合わせ記録3D図は、義歯やロウ堤等の製作の基準となるものであるので、これらの3D図との合成処理が可能であり、又、咬合印象、石膏模型などと合成加工することで、患者の歯の咬み合わせ記録をした実物としてのチェックバイトや、義歯等製作に使用する咬合器などの様々なものを実際に保管しなくとも、コンピュータ上で3図化して保管することができるようになる。
本発明の咬合採得法によれば、歯槽骨にしっかり固定したインプラントに対して装着される基準部材を配して、正確な咬み合わせ記録ができ、特に基準部材を複数個配することで、仮に全体に及ぶU字状のチェックバイトを用いなくとも、正確な咬み合わせ記録ができる。この咬み合わせ記録したチェックバイトを用いることで、3D図のバーチャルの咬合機器に取り付けたり(合成したり)、ロウ堤と取り付けたり(合成したり)などの活用が図られる。
そして、咬み合わせ記録したチェックバイトから3D図(三次元図)を作成することで(写真撮影を元にしたり、数値情報からチェックバイトを3D図で作成することで)、患者に見せたり、さらに患者の個人データとして保管するなど様様な使用が可能になる。また、チェックバイトの3D図を保管しておくことで、実物としてのチェックバイトを保管しなくともよくなる利点があることのみならず、正確な測定結果に基づき、実用的な測定や検診(歯科診断)に役立てることができる。さらに、これを元にして義歯のイメージを3D図で作成したり、3D図のバーチャルの咬合機器に取り付けたり(合成したり)、ロウ堤と取り付けたり(合成したり)、又、上顎印象(上部構造)及び下顎印象(下部構造)と合成させたり等等の活用が図られる。
そして、咬み合わせ記録したチェックバイトから3D図(三次元図)を作成することで(写真撮影を元にしたり、数値情報からチェックバイトを3D図で作成することで)、患者に見せたり、さらに患者の個人データとして保管するなど様様な使用が可能になる。また、チェックバイトの3D図を保管しておくことで、実物としてのチェックバイトを保管しなくともよくなる利点があることのみならず、正確な測定結果に基づき、実用的な測定や検診(歯科診断)に役立てることができる。さらに、これを元にして義歯のイメージを3D図で作成したり、3D図のバーチャルの咬合機器に取り付けたり(合成したり)、ロウ堤と取り付けたり(合成したり)、又、上顎印象(上部構造)及び下顎印象(下部構造)と合成させたり等等の活用が図られる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(基準部材:歯科用位置合わせ治具)
図1から図3は、本実施の形態の歯科用位置合わせ治具を作業用模型(上顎模型)に装着させた斜視図である。図4と図5は、基準部材としての歯科用位置合わせ治具とインプラントを示す斜視図である。本実施の形態の基準部材10は、位置合わせ記録のためのバイト材2bが配されるバイト材固定部2と、口腔内のインプラントPに対して着脱させるためのインプラント連結部3とを備え、インプラント連結部3の上方にバイト材固定部2が配されている、歯科用位置合わせ治具1Aである。なお、基準部材10としては、後述するロケータ10Rを使用しても良い(図10参照)。
(基準部材:歯科用位置合わせ治具)
図1から図3は、本実施の形態の歯科用位置合わせ治具を作業用模型(上顎模型)に装着させた斜視図である。図4と図5は、基準部材としての歯科用位置合わせ治具とインプラントを示す斜視図である。本実施の形態の基準部材10は、位置合わせ記録のためのバイト材2bが配されるバイト材固定部2と、口腔内のインプラントPに対して着脱させるためのインプラント連結部3とを備え、インプラント連結部3の上方にバイト材固定部2が配されている、歯科用位置合わせ治具1Aである。なお、基準部材10としては、後述するロケータ10Rを使用しても良い(図10参照)。
歯科用位置合わせ治具10(1A)のインプラント連結部3は、口腔内の配されたインプラントPに対して着脱させるもので、凸状を呈する上方側の太径部3aと下方側の細径部3bが形成され、これらの境は段差部3cが形成されると共に突起3tが3個形成されている。これらの形状3a,3b,3c,3tに対応する部分がインプラントPの凹部Paに形成され、上記3個の突起3tは、120度ごとに形成され、インプラント連結部3を周方向に角度変更可能に構成されている。すなわち、インプラント連結部3の細径部3bの外周は、断面視で三角形(などの多角形状)に形成されており、これに対応する多角形状の凹部PaがインプラントPに形成されている。
上記連結インプラント3の細径部3bとしては、後述するインプラントPの凹部Paに差し込まれて回転可能でその角度が調整できるように、インプラントPの凹部Paの外周に突起片を所定間隔で設けることも可能である。なお、インプラント連結部3の方を凹部とし、インプラントPの方を凸部にしても良い。また、図4(a)(b)に示すように、インプラント連結部3の長さの違う歯科用位置合わせ治具1Aを製作して、患者に適合するよう使い分けても良い。また、インプラントPの関係でネジ式でインプラントPに連結するインプラント連結部3でも良い。インプラント連結部3の外周形状は円形でもよく、インプラントPの凹部Paのほうも円形でも良く、一方が円形で他方が多角形でも良い。
ここで、市販のインプラントPでも凹部Paが断面三角形のような周溝で形成されたものがあるので、市販品でも角度変更可能である。しかし、更に回転角度の細かな設計が可能なように更に多角形(12角形等)の凹部に形成することが好ましい(図11)。
また、インプラント連結部3の中心には、維持穴3dが形成され、連結部材(ネジ頭を有する連結用ネジ)3gにより(図4(b))、インプラント連結部3がインプラントPとの連結固定ができる。
上記連結インプラント3の細径部3bとしては、後述するインプラントPの凹部Paに差し込まれて回転可能でその角度が調整できるように、インプラントPの凹部Paの外周に突起片を所定間隔で設けることも可能である。なお、インプラント連結部3の方を凹部とし、インプラントPの方を凸部にしても良い。また、図4(a)(b)に示すように、インプラント連結部3の長さの違う歯科用位置合わせ治具1Aを製作して、患者に適合するよう使い分けても良い。また、インプラントPの関係でネジ式でインプラントPに連結するインプラント連結部3でも良い。インプラント連結部3の外周形状は円形でもよく、インプラントPの凹部Paのほうも円形でも良く、一方が円形で他方が多角形でも良い。
ここで、市販のインプラントPでも凹部Paが断面三角形のような周溝で形成されたものがあるので、市販品でも角度変更可能である。しかし、更に回転角度の細かな設計が可能なように更に多角形(12角形等)の凹部に形成することが好ましい(図11)。
また、インプラント連結部3の中心には、維持穴3dが形成され、連結部材(ネジ頭を有する連結用ネジ)3gにより(図4(b))、インプラント連結部3がインプラントPとの連結固定ができる。
バイト材固定部2は、咬み合わせ部材であるバイト材(シリコンやレジン等)2bが配されるもので、円形の凹部2aを備えた頭部を有している。凹部2aの所定箇所には係止用穴2cが形成されている。この係止用穴2cは、バイト材2bが移動しないようにするために、流体状のシリコンやレジン等を凹部2aに流すと、上記係止用穴2cにも流れ込み、硬化すると、バイト材2bの動きが阻止され、咬み合わせにより上下の歯の位置関係を記録するときにも、バイト材が移動しないようにする。バイト材2bは、高さ方向に複数層を形成しても良いが、高さ方向の調整をするためには、凹部2aの底に敷設可能なシート状部材を介在させて調整しても良い。本実施の形態では、バイト材固定部2の凹部2aの大きさは、インプラントPが配される位置の歯(仮想の歯)よりもやや小さな大きさ(径)である。
上記本実施の形態の歯科用位置合わせ治具1Aは、前記バイト材固定部2がインプラント連結部3の中心軸Cよりもその位置をずらして配されている。すなわち、インプラント連結部3の中心軸Cの上方先端部には、その位置を示す維持穴3dが形成され、その位置から片側外周に偏心した位置に前記バイト材固定部2が設けられている。これは、例えば、歯の本数がすべて揃っておらず欠損しているような場合でも、その欠損した歯の位置での咬み合わせ記録が可能である。すなわち、位置合わせ治具1Aのインプラント連結部3をインプラントPに差し込み固定した後、隣接する歯の欠損した位置に上記偏心した前記バイト材固定部2を位置させることにより、欠損した歯(ここでは最奥歯Tb)の位置での咬み合わせ記録を可能としたり(図13(a)参照)、また、上記偏心した位置にある前記バイト材固定部2の歯科用位置合わせ治具1Aを使用すれば、インプラント(埋設した状態の埋設インプラント)Pの位置よりも奥の位置にも(インプラントPの位置から離れた位置)、偏心した位置に前記バイト材固定部2を位置させることができ、奥側での装着や歯の存在しない位置(対応する顎の歯があるとする。)での咬み合わせ記録をとることもできる。
(咬合採得法と義歯の製造方法)
次に、上記位置合わせ治具を配して咬合採得法と義歯の製造方法を説明する。
ここでは、偏心位置に配されるバイト材固定部2を有する歯科用位置合わせ治具1Aを配して、上顎の総入れ歯をメタルフレームの義歯で作成する場合で説明する。図1から図3は、本実施の形態の歯科用位置合わせ治具1Aを上顎模型Mに装着させたものであるが、実際の患者の口腔内に歯科用位置合わせ治具1Aを装着させる場合も、これと同じ状態になる。
図14は、従来例と比較して示す本実施の形態の義歯の製造フローである。
まず、患者診察を行い、インプラント治療に必要な審査を行い、インプラントの治療が可能かどうかを判断して、可能な場合は、歯の根に相当するインプラントPの部分(=フィクスチャー)を手術により顎骨(歯槽骨)に埋入する手術を行う(フィクスチャー埋入の手術)。ここでは、上顎の全域に所定間隔を置いてインプラントPを埋設するものとする。
次に、上記位置合わせ治具を配して咬合採得法と義歯の製造方法を説明する。
ここでは、偏心位置に配されるバイト材固定部2を有する歯科用位置合わせ治具1Aを配して、上顎の総入れ歯をメタルフレームの義歯で作成する場合で説明する。図1から図3は、本実施の形態の歯科用位置合わせ治具1Aを上顎模型Mに装着させたものであるが、実際の患者の口腔内に歯科用位置合わせ治具1Aを装着させる場合も、これと同じ状態になる。
図14は、従来例と比較して示す本実施の形態の義歯の製造フローである。
まず、患者診察を行い、インプラント治療に必要な審査を行い、インプラントの治療が可能かどうかを判断して、可能な場合は、歯の根に相当するインプラントPの部分(=フィクスチャー)を手術により顎骨(歯槽骨)に埋入する手術を行う(フィクスチャー埋入の手術)。ここでは、上顎の全域に所定間隔を置いてインプラントPを埋設するものとする。
そして、口腔内の埋入したインプラントPに、歯科用位置合わせ治具1Aを装着する。すなわち、埋入したインプラントPの凹部Paに、歯科用位置合わせ治具1Aのインプラント連結部3を角度を合わせながら装着する。このとき、インプラント連結部3の細径部bをインプラントPに差し込む際の位置を特定した状態のマーキングをしておけば、歯科用位置合わせ治具1Aを取り出して、これを実際の口腔内の状態と近い形で再現する作業用模型Mに前記マーキングを介して取り付けて、この作業用模型M上で位置合わせ治具1Aをその取り付け角度を再現して取り付けることができる。前記マーキングによる印があれば、向きや角度を検討しなくとも装着可能である。
一方、従来と同じように、患者診察を行い、印象採得(個人トレーを用いた精密印象)を行ない、咬合採得を行なうが、本実施の形態の咬合採得では上記歯科用位置合わせ治具1Aを使用することにより、印象採得と同時にでも、或いは、印象採得の前でも咬合採得を行なうことができる。
一方、従来と同じように、患者診察を行い、印象採得(個人トレーを用いた精密印象)を行ない、咬合採得を行なうが、本実施の形態の咬合採得では上記歯科用位置合わせ治具1Aを使用することにより、印象採得と同時にでも、或いは、印象採得の前でも咬合採得を行なうことができる。
本実施の形態では、総入れ歯を作成するために、左右の奥歯の位置と前歯の位置の3点の位置の埋設インプラントPに対して歯科用位置合わせ治具1Aを装着する。凡その咬み合わせの高さや水平的な位置も決定するために、つまりバイト材2bの厚みや装着感を確認するために予め口腔内の埋設インプラントPに装着してみる(仮装着)。なお、前記バイト材固定部2にバイト材2bを厚めに充填させた歯科用位置合わせ治具1Aで咬み合わせ記録をとっても良い。
ここでは、バイト材の厚みを考慮する等を検討するために、上記仮装着をすることとすると、歯科用位置合わせ治具1Aの高さ(特にバイト材固定部2の高さ)も問題となるが、解剖学的な見地や一本でも残っている歯があるときには、その高さ位置よりも低い位置にバイト材固定部2の高さが来るようにして余裕のある厚みでバイト材2bをバイト材固定部2の凹部2aに充填する。また、ブリッジや遊離端となった箇所では、近接する歯(残っている歯)の高さ位置よりも低い位置にバイト材固定部2の高さとなる歯科用位置合わせ治具1Aを使用する。歯科用位置合わせ治具1Aは、図4(a)(b)のように高さの異なるものをいくつか用意しておくと、高さの調節が可能である。
ここでは、バイト材の厚みを考慮する等を検討するために、上記仮装着をすることとすると、歯科用位置合わせ治具1Aの高さ(特にバイト材固定部2の高さ)も問題となるが、解剖学的な見地や一本でも残っている歯があるときには、その高さ位置よりも低い位置にバイト材固定部2の高さが来るようにして余裕のある厚みでバイト材2bをバイト材固定部2の凹部2aに充填する。また、ブリッジや遊離端となった箇所では、近接する歯(残っている歯)の高さ位置よりも低い位置にバイト材固定部2の高さとなる歯科用位置合わせ治具1Aを使用する。歯科用位置合わせ治具1Aは、図4(a)(b)のように高さの異なるものをいくつか用意しておくと、高さの調節が可能である。
次いで、一旦取り出して、バイト材2bを前記バイト材固定部2に充填させてから、再度患者の口腔内に装着する。本実施の形態では、左右の奥歯の位置と前歯の位置の3箇所に装着すると、インプラントPの先端部とインプラント連結部3の段差部3cが当接して高さが決まる。そして、患者に歯の咬み合わせを行なってもらう(図3参照、図14の咬合採得)。図3は、歯科用位置合わせ治具1Aを上顎模型Mに装着させたものであるが、実際の患者の口腔内に歯科用位置合わせ治具1Aを装着させる場合も、これと同じ状態になるので、実際の患者の口腔内に歯科用位置合わせ治具1Aを装着させる図は省略する。そして、前記角度が決まった場合は、埋入したインプラントPの凹部Paに前記インプラント連結部3を装着して、維持穴3dに固定用ネジ3gを挿入して固定する(図4(b)参照)。
ここで、前記バイト材固定部2に高さ調整用のシート材を介してバイト材2bを前記バイト材固定部2に充填することで、高さ調整を容易にしたり、バイト材2bの使用量を少なくしたり、位置ずれを防止したりしても良い。咬み合わせの記録を多く記録するために、インプラントPに対する取り付け角度を変更して咬み合わせの記録をしたり、前記長さの異なる歯科用位置合わせ治具1Aを交換して咬み合わせ記録をとっても良い。また、前記偏心した位置のバイト材固定部2を、前記欠損した位置(例えば欠損した奥歯の位置)に向けた状態にして、咬み合わせ記録をとっても良い。奥歯は咬み合わせの基準になることが多いので、このような記録を採取することも安定した入れ歯を製作する上では有効である。しかも、本発明では歯槽骨に装着したインプラントPを基準に咬合採得するので、精度の高い咬み合わせ記録がとれる。
ここで、前記バイト材固定部2に高さ調整用のシート材を介してバイト材2bを前記バイト材固定部2に充填することで、高さ調整を容易にしたり、バイト材2bの使用量を少なくしたり、位置ずれを防止したりしても良い。咬み合わせの記録を多く記録するために、インプラントPに対する取り付け角度を変更して咬み合わせの記録をしたり、前記長さの異なる歯科用位置合わせ治具1Aを交換して咬み合わせ記録をとっても良い。また、前記偏心した位置のバイト材固定部2を、前記欠損した位置(例えば欠損した奥歯の位置)に向けた状態にして、咬み合わせ記録をとっても良い。奥歯は咬み合わせの基準になることが多いので、このような記録を採取することも安定した入れ歯を製作する上では有効である。しかも、本発明では歯槽骨に装着したインプラントPを基準に咬合採得するので、精度の高い咬み合わせ記録がとれる。
次いで、バイト材固定部2に配されるバイト材2bにより歯の咬み合わせ位置を記録した後は、この位置合わせ記録(咬合採得)を行った位置合わせ治具1Aを取り出して、これを実際の口腔内の状態と近い形で再現する作業用模型Mに取り付けて(図1、図の咬合器Kに装着)、この作業用模型M上で検査や補綴物の製作・調整などを行う。すなわち、従来のロウ堤を使用しないで、歯科用位置合わせ治具1Aを作業用模型M上で再現する。したがって、患者診察の必要もなく(図14参照)、患者の口腔内における負担も少なくなる。
本実施の形態では、上記再現した内容でメタルフレームを作成する。なお、図14において、「上部構造の製作」とは、インプラントの上部に配される人工歯肉や人工歯などを言う。
ここでは、その後の試適(入れ歯の吸着具合、咬み合わせ、歯並び等を検討する。)との調整を図りながら、メタルフレームによる入れ歯を完成に近い状態にする。なお、上記再現した後は、ロウ堤を配して、人工歯の配列と口腔内試適を歯科技工士が人工歯を並べ、入れ歯を完成に近い状態にしても良い。そして、患者の口の中で咬み合わせ、唇や頬のふくらみ等を確認し、入れ歯が完成する。
本実施の形態では、上記再現した内容でメタルフレームを作成する。なお、図14において、「上部構造の製作」とは、インプラントの上部に配される人工歯肉や人工歯などを言う。
ここでは、その後の試適(入れ歯の吸着具合、咬み合わせ、歯並び等を検討する。)との調整を図りながら、メタルフレームによる入れ歯を完成に近い状態にする。なお、上記再現した後は、ロウ堤を配して、人工歯の配列と口腔内試適を歯科技工士が人工歯を並べ、入れ歯を完成に近い状態にしても良い。そして、患者の口の中で咬み合わせ、唇や頬のふくらみ等を確認し、入れ歯が完成する。
ところで、義歯のうちでも総義歯の場合の印象採得は型を「作る」と言う創造的な作業である。総義歯の場合は上下の顎の位置関係が不定であるのみならず、その空間中のどの位置に歯を並べたらよいかなど創造的にならざるを得ない。そこで何かを目安にして歯並びと咬み合わせの位置を決めることが良いと本願発明者は考える。医療現場では、現在使っている義歯があればそれを参考にすることがある。口腔内の解剖学的な目印、唇の周りの張り具合、顔の長さなどを目安することもある。しかし、印象以上に患者の動きや感覚に左右されることが大きい。
このような点を考慮するとき、本願発明者は、歯の咬み合わせの記録をいくつも採取することが重要であると考える。そのためには、例えば、奥歯のない位置での記録をとったり、また、敢えて患者に咬み合わせをずらしてもらって咬み合わせ記録をとったり、そしてこれらを連続して記録することが有効である。このような要請に応えるため、本実施の形態のような偏心した位置にある前記バイト材固定部2を有する歯科用位置合わせ治具1Aにより角度を変更したり、敢えて患者に上下の歯のずれるような位置での咬み合わせをしてもらって、数箇所の咬み合わせ記録をとることが好ましい。
また、総入れ歯であるか否かを問わず、インプラントPを配する箇所(図1と図2の例では6箇所)では、すべて歯科用位置合わせ治具1Aを装着して咬合採得するようにすると、総入れ歯の製作に役立つことは勿論、例えば1本義歯の製作でも、全体的な咬み合わせの中における1本の咬み合わせ記録となり、精度が高くなる。
このような点を考慮するとき、本願発明者は、歯の咬み合わせの記録をいくつも採取することが重要であると考える。そのためには、例えば、奥歯のない位置での記録をとったり、また、敢えて患者に咬み合わせをずらしてもらって咬み合わせ記録をとったり、そしてこれらを連続して記録することが有効である。このような要請に応えるため、本実施の形態のような偏心した位置にある前記バイト材固定部2を有する歯科用位置合わせ治具1Aにより角度を変更したり、敢えて患者に上下の歯のずれるような位置での咬み合わせをしてもらって、数箇所の咬み合わせ記録をとることが好ましい。
また、総入れ歯であるか否かを問わず、インプラントPを配する箇所(図1と図2の例では6箇所)では、すべて歯科用位置合わせ治具1Aを装着して咬合採得するようにすると、総入れ歯の製作に役立つことは勿論、例えば1本義歯の製作でも、全体的な咬み合わせの中における1本の咬み合わせ記録となり、精度が高くなる。
(本発明の咬合採得法)
本発明の咬合採得法は、粘着性の部材であるチェックバイト11を使用し、そしてこれを3D図化する。チェックバイト11は、口腔内に配されたインプラントPに対して基準部材10を取り付けるとともに、この基準部材10を介してチェックバイト11を配して歯の咬み合わせ位置を記録する。
まず、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイト11を使用するが、本実施の形態では、基準部材である歯科用位置合わせ治具1Aを複数本使用して、図8〜図10のように、チェックバイト11を位置決めしてから、歯の咬み合わせ記録をとる。
本発明の咬合採得法は、粘着性の部材であるチェックバイト11を使用し、そしてこれを3D図化する。チェックバイト11は、口腔内に配されたインプラントPに対して基準部材10を取り付けるとともに、この基準部材10を介してチェックバイト11を配して歯の咬み合わせ位置を記録する。
まず、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイト11を使用するが、本実施の形態では、基準部材である歯科用位置合わせ治具1Aを複数本使用して、図8〜図10のように、チェックバイト11を位置決めしてから、歯の咬み合わせ記録をとる。
ここで、基準部材10としてはロケータ10Rと呼ばれる部材を使用しても良いが(図7)、歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、図13(a)のように、奥歯Tbに相当する歯がないときでも(符号Tbは、実際には無い奥歯を示す。)、その仮想の奥歯Tbを基準にチェックバイト11に歯の咬み合わせ状態を記録したり、上記チェックバイト11がないところでも歯の咬み合わせ記録をとることができる。つまり、本実施の形態では、必ずチェックバイト11を使用するが、部分的にチェックバイト11を使用して、それ以外の箇所では、歯科用位置合わせ治具1Aのバイト材固定2で歯の咬み合わせを記録できる。また、歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、バイト材固定部2にチェックバイト11を乗せるようにできるので、チェックバイト11の安定化が図られる。
これに対して、図7に示すように、従来のロケータ10Rと呼ばれる基準部材を使用して、チェックバイト11で歯の咬み合わせ記録を採取する場合は、インプラントPに対して取り付けたロケータ10Rに対して突き刺すようにしてチェックバイト11を取り付ける。このように取り付けると、ロケータ10Rからチェックバイト11を外すことも難しいが、歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、チェックバイト11を外すことも容易である。すなわち、図16は従来の基準部材10を使用しない場合の例であるが、歯Qの上にチェックバイト11が乗せられるにすぎず位置ずれは勿論、高さの正確な維持が図られていない。
また、基準部材10として歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、偏心位置での咬合採得や(図13(a)や図17を参照)、回転角度を調節して咬合採得することも可能であり、従来のロケータ10Rよりもその利点は大きい。
これに対して、図7に示すように、従来のロケータ10Rと呼ばれる基準部材を使用して、チェックバイト11で歯の咬み合わせ記録を採取する場合は、インプラントPに対して取り付けたロケータ10Rに対して突き刺すようにしてチェックバイト11を取り付ける。このように取り付けると、ロケータ10Rからチェックバイト11を外すことも難しいが、歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、チェックバイト11を外すことも容易である。すなわち、図16は従来の基準部材10を使用しない場合の例であるが、歯Qの上にチェックバイト11が乗せられるにすぎず位置ずれは勿論、高さの正確な維持が図られていない。
また、基準部材10として歯科用位置合わせ治具1Aを使用すると、偏心位置での咬合採得や(図13(a)や図17を参照)、回転角度を調節して咬合採得することも可能であり、従来のロケータ10Rよりもその利点は大きい。
(歯科用3D図制御プログラム)
そして、上記のような各咬合採得法で採得したデータから咬合印象(仮想の咬み合わせ記録したチェックバイト)を作成する。
本実施の形態は、図12に示すように、CAD/CAMデータなどの設計図作成プログラムがインストールされた制御プログラム(ハードディスク)2を備え、処理プログラムには、設計図データ作成プログラムや3D(三次元)図で表示する3D模型図面の作成機能を有し、3Dデータ作成プログラム等がインストールされているコンピュータCである。このコンピュータCには、チェックバイト情報蓄積データベース51、基準部材情報蓄積データベース(DB)52、インプラント情報蓄積データベース(DB)53と、口腔内情報蓄積データベース(DB)55を備えている。チェックバイト情報蓄積DB51は、粘性の材料であり歯の咬み合わせを記録するチェックバイトの大きさや形状等の情報が蓄積され、基準部材情報蓄積DB53は、使用するロケータや歯科用位置決め治具1Aなどの基準部材10の大きさや形状等の情報を蓄積しており、インプラント情報蓄積DB53は、3D図に用いる投射情報や、3D図の咬合器Kv等との合成表示方法などの情報を蓄積している。口腔内情報蓄積DB55は、患者の口腔内の情報、例えば、歯の並びや義歯の位置などのデータを蓄積している。
そして、上記のような各咬合採得法で採得したデータから咬合印象(仮想の咬み合わせ記録したチェックバイト)を作成する。
本実施の形態は、図12に示すように、CAD/CAMデータなどの設計図作成プログラムがインストールされた制御プログラム(ハードディスク)2を備え、処理プログラムには、設計図データ作成プログラムや3D(三次元)図で表示する3D模型図面の作成機能を有し、3Dデータ作成プログラム等がインストールされているコンピュータCである。このコンピュータCには、チェックバイト情報蓄積データベース51、基準部材情報蓄積データベース(DB)52、インプラント情報蓄積データベース(DB)53と、口腔内情報蓄積データベース(DB)55を備えている。チェックバイト情報蓄積DB51は、粘性の材料であり歯の咬み合わせを記録するチェックバイトの大きさや形状等の情報が蓄積され、基準部材情報蓄積DB53は、使用するロケータや歯科用位置決め治具1Aなどの基準部材10の大きさや形状等の情報を蓄積しており、インプラント情報蓄積DB53は、3D図に用いる投射情報や、3D図の咬合器Kv等との合成表示方法などの情報を蓄積している。口腔内情報蓄積DB55は、患者の口腔内の情報、例えば、歯の並びや義歯の位置などのデータを蓄積している。
各種プログラムを含む各種情報を格納する読み取り専用のROM(Read
Only Memory)と、ワークエリアとして機能するRAM(RandomAccess Memory)と、各種情報を読み出し及び/又は書き込み可能に記憶する記憶部3と、ユーザインターフェースとしての操作デバイスを介した入力操作の処理及び制御を行う入力操作制御部11と、各種情報を表示する表示部32と、撮影手段31を備える。CPU4は、記憶部3等に格納されている各種アプリケーションプログラムをはじめとする各種プログラムを実行し、各部を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムをはじめとする各種情報を格納している。このROMに格納されている情報は、CPU4の制御のもとに読み出される。RAMは、CPU4が各種プログラムを実行し、CPU4の制御のもとに、各種情報を一時記憶するとともに、記憶している各種情報を読み出す。撮影手段31は、主に歯の咬み合わせ位置を記録したチェックバイトを撮影するが、咬み合わせ前のチェックバイトなどを撮影するためにも使用する。
Only Memory)と、ワークエリアとして機能するRAM(RandomAccess Memory)と、各種情報を読み出し及び/又は書き込み可能に記憶する記憶部3と、ユーザインターフェースとしての操作デバイスを介した入力操作の処理及び制御を行う入力操作制御部11と、各種情報を表示する表示部32と、撮影手段31を備える。CPU4は、記憶部3等に格納されている各種アプリケーションプログラムをはじめとする各種プログラムを実行し、各部を統括的に制御する。ROMは、各種プログラムをはじめとする各種情報を格納している。このROMに格納されている情報は、CPU4の制御のもとに読み出される。RAMは、CPU4が各種プログラムを実行し、CPU4の制御のもとに、各種情報を一時記憶するとともに、記憶している各種情報を読み出す。撮影手段31は、主に歯の咬み合わせ位置を記録したチェックバイトを撮影するが、咬み合わせ前のチェックバイトなどを撮影するためにも使用する。
処理プログラム21としては、3D画像処理手段D1などを備え、後述のようにプログラム処理される。
記憶部3は、各種データベースからの情報を処理プログラム21により処理する制御部であり、患者の口腔内の情報、例えば、歯の並びや義歯の位置などデータや(図3)、チェックバイトの長さ・幅や大きさ・位置を示す数値情報等を格納し、これを読み出すとともに、必要な3D加工処理を行なう。この記憶部3としては、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリ等、すなわち、本体に対して着脱可能とされるフレキシブルディスクやメモリカード等の記憶媒体に対して、各種情報の読み出し及び/又は書き込みを行うドライブ装置も含まれる。この記憶部3に記憶されている各種情報は、CPU4の制御のもとに読み出される。
記憶部3は、各種データベースからの情報を処理プログラム21により処理する制御部であり、患者の口腔内の情報、例えば、歯の並びや義歯の位置などデータや(図3)、チェックバイトの長さ・幅や大きさ・位置を示す数値情報等を格納し、これを読み出すとともに、必要な3D加工処理を行なう。この記憶部3としては、例えば、ハードディスクや不揮発性メモリ等、すなわち、本体に対して着脱可能とされるフレキシブルディスクやメモリカード等の記憶媒体に対して、各種情報の読み出し及び/又は書き込みを行うドライブ装置も含まれる。この記憶部3に記憶されている各種情報は、CPU4の制御のもとに読み出される。
入力操作制御部30は、例えば、キーボード、マウス、キーパッド、赤外線リモートコントローラ、スティックキー、又はプッシュボタンといった、ユーザインターフェースとしての図示しない所定の操作デバイスを介した入力操作を受け付け、操作内容を示す制御信号をCPU4に対して供給する。入力操作制御部30は、表示部32に表示された3D図にインプラントPや基準部材10を表示する機能を有させたり、又、階層表示手段D7を介して、チェックバイトを透明に表示して階層的に描かれているインプラントPや基準部材10を表示することができる。
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid
Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro
Luminescent)ディスプレイといった各種表示デバイスであり、CPU4の制御のもとに各種情報を表示する。
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid
Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro
Luminescent)ディスプレイといった各種表示デバイスであり、CPU4の制御のもとに各種情報を表示する。
本実施の形態のコンピュータの制御プログラム2は、チェックバイト情報蓄積(DB)51からり義歯の設計をする画面を表示するとともに、3D図を作成する画面を表示することができ、そしてこれらを同時に表示部32に表示しながら処理プログラム21により作成する。したがって、技工士と歯科医師と患者が各々画面表示を見ながら打ち合わせすることができる(図12)。
処理プログラム21の内容は、3D画像処理手段D1と、歯型採取処理D2と、画像変換処理D3と、高さ測定処理D4と、測定手段(3点測定手段)D5と、合成処理手段D6と、階層表示処理D7とを備える(図12)。
3D画像処理手段D1は、チェックバイト11やロウ堤Tr、義歯Gなどの計測情報から3D図を作成するプログラムを備える。歯型採取処理手段D2は、歯の咬み合せしたときのチェックバイト11から採取される歯型の形状(歯型跡)や溝の深さ(高さ)のほか、インプラントからのずれ量などを採取して、咬み合わせ記録3D図を作成する情報を得る。また、歯型の形状や溝の深さなどを採取するためにマーキングを施したり、マーキングを施した箇所を切り取ったり、又は、チェックバイト11のない箇所にも連続させるマーキングを施したり、マーキングを施した箇所を切り取ったりなどを行なう。
高さ測定処理D4は、インプラントPから基準部材10の高さ位置や、インプラントPからチェックバイト11の高さ位置や歯肉からの高さ位置などを採取する。また、チェックバイト11から採取される歯型の深さ(高さ)も採取可能である。
測定手段(3点測定手段)D5は、基準部材10を複数(主には3ヶ所)配置して、三角測量などによる測定結果からチェックバイト11の3D図を作成したり、チェックバイト11に記録される歯の咬み合せ情報(咬み合わせの痕跡)から、口腔内にける適正な位置などを測定する。
合成処理手段D6は、基準部材10を使用して、複数個所の測定をするが、この計測データから略U字状のチェックバイト11bに加工するときに計測していない箇所をあたかも略U字状であるかのように塗りつぶす作業や、所定箇所を切り取る作業を行なうことや、3D化したチェックバイト11b,11,11pと3D化した咬合器などと合成処理したり、3D化したロウ堤と合成したり、又、仮想のチェックバイト11pを介して上顎印象(上部構造)及び/又は下顎印象(下部構造)とを合成させたりする。また、インプラント情報蓄積DB53等から与えられたインプラント情報と合成させたり、インプラントPを3図化して、3図化した基準部材10と合成させたりすることもできる。
階層表示手段D7は、チェックバイト11のみ表示したり、基準部材のみ表示したり、これらを合わせて階層的に表示するとともに、いずれか一方を表示したり、重ね合わせて同時に表示させたりする(図17参照)。また、階層処理手段D7としては、3D図による仮想の咬合器Kvのみ表示したり、基準部材10のみを表示したりする。
3D画像処理手段D1は、チェックバイト11やロウ堤Tr、義歯Gなどの計測情報から3D図を作成するプログラムを備える。歯型採取処理手段D2は、歯の咬み合せしたときのチェックバイト11から採取される歯型の形状(歯型跡)や溝の深さ(高さ)のほか、インプラントからのずれ量などを採取して、咬み合わせ記録3D図を作成する情報を得る。また、歯型の形状や溝の深さなどを採取するためにマーキングを施したり、マーキングを施した箇所を切り取ったり、又は、チェックバイト11のない箇所にも連続させるマーキングを施したり、マーキングを施した箇所を切り取ったりなどを行なう。
高さ測定処理D4は、インプラントPから基準部材10の高さ位置や、インプラントPからチェックバイト11の高さ位置や歯肉からの高さ位置などを採取する。また、チェックバイト11から採取される歯型の深さ(高さ)も採取可能である。
測定手段(3点測定手段)D5は、基準部材10を複数(主には3ヶ所)配置して、三角測量などによる測定結果からチェックバイト11の3D図を作成したり、チェックバイト11に記録される歯の咬み合せ情報(咬み合わせの痕跡)から、口腔内にける適正な位置などを測定する。
合成処理手段D6は、基準部材10を使用して、複数個所の測定をするが、この計測データから略U字状のチェックバイト11bに加工するときに計測していない箇所をあたかも略U字状であるかのように塗りつぶす作業や、所定箇所を切り取る作業を行なうことや、3D化したチェックバイト11b,11,11pと3D化した咬合器などと合成処理したり、3D化したロウ堤と合成したり、又、仮想のチェックバイト11pを介して上顎印象(上部構造)及び/又は下顎印象(下部構造)とを合成させたりする。また、インプラント情報蓄積DB53等から与えられたインプラント情報と合成させたり、インプラントPを3図化して、3図化した基準部材10と合成させたりすることもできる。
階層表示手段D7は、チェックバイト11のみ表示したり、基準部材のみ表示したり、これらを合わせて階層的に表示するとともに、いずれか一方を表示したり、重ね合わせて同時に表示させたりする(図17参照)。また、階層処理手段D7としては、3D図による仮想の咬合器Kvのみ表示したり、基準部材10のみを表示したりする。
(歯科用3D図作成方法)
まず第1に、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するときは、その範囲に及ぶチェックバイト11を使用するが、このチェックバイト11に本発明の方法で咬合採得すると(図13(a)参照)、そこに歯の咬み合せ情報(咬み合わせの痕跡11h)が記録されるため、その記録されたチェックバイト11をそのまま3D図にすれば良い。3D画像処理手段D1により歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトの情報(数値情報)や、あるいは、撮像手段31で撮像したものから、その全体の数値データから3D図を起こすなどして3D図を作成する。また、本実施の形態では、撮像手段31としてスキャニング装置31Aを備えるので(図12)、咬み合わせ記録を採取したチェックバイト11の情報をスキャニングすると、その他の情報と合わせて3D画像処理手段D1が3D図を作成する。
まず第1に、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するときは、その範囲に及ぶチェックバイト11を使用するが、このチェックバイト11に本発明の方法で咬合採得すると(図13(a)参照)、そこに歯の咬み合せ情報(咬み合わせの痕跡11h)が記録されるため、その記録されたチェックバイト11をそのまま3D図にすれば良い。3D画像処理手段D1により歯の咬み合わせ記録を採取したチェックバイトの情報(数値情報)や、あるいは、撮像手段31で撮像したものから、その全体の数値データから3D図を起こすなどして3D図を作成する。また、本実施の形態では、撮像手段31としてスキャニング装置31Aを備えるので(図12)、咬み合わせ記録を採取したチェックバイト11の情報をスキャニングすると、その他の情報と合わせて3D画像処理手段D1が3D図を作成する。
ここで、本実施の形態では、図9(b)に示すように、基準部材10も含めて3D図を作成する。咬み合せで重要な高さ測定を含めたチェックバイト11bを作成するとしても、3D図上では基準部材10を表示しないようにすることが好ましく、このため、合成処理手段D6は、略U字状のチェックバイトに加工するときに計測していない箇所をあたかも略U字状であるかのように塗りつぶす作業を行なう。このように3D加工することで、患者には、基準部材10を見せないでおく工夫ができる。なお、図10(a)の咬み合わせ記録したチェックバイト11bのデータを採取することで、基準部材10を含めないチェックバイトの3D図も勿論作成可能である。
また、図9(b)や図10(b)に示すように、チェックバイト11で歯の咬み合わせを行ったときにできる痕跡(マーキングした箇所)11mを3Dで表示することも可能である。この痕跡(マーキングした箇所)11mを3Dで表示すると、図10(a)のチェックバイト11のように厚みがなくなるので(余分な厚みがない咬み合わせ記録3D図)、より高精度な位置合わせのできる3D図としてのチェックバイト11mが作成可能である(図10(c)参照)。
また、図9(b)や図10(b)に示すように、チェックバイト11で歯の咬み合わせを行ったときにできる痕跡(マーキングした箇所)11mを3Dで表示することも可能である。この痕跡(マーキングした箇所)11mを3Dで表示すると、図10(a)のチェックバイト11のように厚みがなくなるので(余分な厚みがない咬み合わせ記録3D図)、より高精度な位置合わせのできる3D図としてのチェックバイト11mが作成可能である(図10(c)参照)。
第2に、1本から数本の義歯を製作するときは、その範囲に及ぶチェックバイト11を使用すると共に、歯科用位置合わせ治具1Aをチェックバイトの位置以外でも使用して(図13(b)(c)参照)、これらのデータを総合して(口腔内の全体を考慮に入れた義歯の位置を測定して)、前記チェックバイト11bから3D図を作成する。この場合も基準部材10を含めたチェックバイト11の高さを測定して3D図を作成することが好ましい。歯科用位置合わせ治具1Aを使用すれば、上記チェックバイトは使用せずに複数箇所の咬合採得ができる。複数個所での咬合採得としては、三角測量の要領で計測する測定手段を備えて測定したり、レーザ光で入力対象をスキャンする写し取り手段を備えて、その反射光を撮像手段(CCDカメラ)31で受光し(三角測距の原理で被写体との距離情報を得て)、3次元データ化することもできる。コンピュータ画面では、測定したい箇所の3点を入力装置によりポイントすると、ポイントした3箇所間の距離が自動で表記されるポインティング測定手段を備えている。なお、本実施の形態では、複数個所で歯科用位置合わせ治具1Aを装着して歯の咬み合わせを行なう場合を例に説明したが、この複数の位置を入れ替えて、それを何度か行なって、更に詳細な咬み合わせ記録を行なっても良い。その回数が多くなることで、一つ一つの小さな歯科用位置合わせ治具から得られるデータは仮に一つであっても、口腔内を再現する作業用模型としては、きわめて精度の高い口腔内を再現でき、義歯の製作や咬み合わせ記録の検討ができるようになる。
また、複数個所での咬合採得を行ないながら、1本から数本の義歯を製作するときのためのチェックバイト11(B)を製作することも可能である(図13(a)〜(d))。そして、合成処理手段D6により、図13(c)のチェックバイトB3を、図13(b)のチェックバイトB2や、図13(a)のチェックバイトB1に重ね合わせるようにして表示して計測の確認を行なうことや、階層手段D7により、これを個別に表示したりすることも可能である。
なお、複数の歯科用位置合わせ治具1A(10)を使用する場合、図8(b)に示すように、歯科用位置合わせ治具1Aを連結する連結バー(金属棒)Baを配して、2つ以上の歯科用位置決め治具1HをインプラントPから同時に取り外すとともに、作業用模型に同時に装着することも可能である。
なお、複数の歯科用位置合わせ治具1A(10)を使用する場合、図8(b)に示すように、歯科用位置合わせ治具1Aを連結する連結バー(金属棒)Baを配して、2つ以上の歯科用位置決め治具1HをインプラントPから同時に取り外すとともに、作業用模型に同時に装着することも可能である。
次に、作成した咬み合わせ記録3D図は、咬合器Kを使用して義歯Gやロウ堤Tr等の製作の基準となるものであるので、種種の3D図との合成処理が可能である。また、チェックバイトの3D図を保管しておくことで、患者の歯の咬み合わせ記録を、実物としてのチェックバイトを保管しなくともよくなる利点がある。
作成したチェックバイトの3D図の使用例として図14を用いて説明する。図14は、咬合採得を経て義歯を製造するまでのフロー図であるが(従来の方法と本願発明のフローを比較して示す図である。)、前記チェックバイト11bの3D図を作成すると、合成処理手段D6により、3D図の石膏模型と合成させたり、3D図の咬合器Kvと合成させたりすることができる。図15は、3D図の咬合器(バーチャル咬合器)Kvに前記3D図化したチェックバイト11bを嵌め込んだ状態を想定して表示する。ここで、3D図の咬合器Kvに前記歯型の3D図11pを合成することも可能である。なお、本実施の形態の総入れ歯はメタルフレームと呼ばれる金属を土台にする例で説明したが、メタルフレームの義歯でロウ堤部分(歯肉部分)を製造することも可能であり、いずれも前記3D図化したチェックバイト11bを基準に作成が可能である。そして、これらの合成等の過程を患者と歯科医と技工士が画面を共有することができる(図12)。また、例えば、インプラントの埋設状態を3D化したり、個人トレー製作を3D図化したりして、これらと3D図化したチェックバイト11bとの合成をすることも可能である。
また、図17は、上顎又は下顎に対応する各々の咬み合わせ記録3D図である。各々階層表示手段D7により、チェックバイト11のみ表示したり、基準部材10のみ表示したり、インプラントPのみ表示させたりすることできるが、上顎(上部構造)又は下顎(下部構造)に対応する各々の咬み合わせ記録3D図を表示することから、これらの角度合わせも自由に合成可能であり、すなわち、口をすぼめた状態から徐々に口を広げた状態の移り変わり角度を3D図で再現することも可能である。また、従来は上顎印象(上部構造)と下顎印象(下部構造)のいずれか一方づつ作成することが通常であったが、本願発明によれば、特にチェックバイト11mの外周歯型跡11hの外周のみを3図化したチェックバイト11pを用いることで、この3Dのチェックバイト11pを介して上顎印象及び下顎印象とを合成させることも可能になり、そして実用的な測定・検診や、歯科模型製作(石膏模型製作や3D図化した石膏模型製作)に役立てることが可能になる。
また、図17は、上顎又は下顎に対応する各々の咬み合わせ記録3D図である。各々階層表示手段D7により、チェックバイト11のみ表示したり、基準部材10のみ表示したり、インプラントPのみ表示させたりすることできるが、上顎(上部構造)又は下顎(下部構造)に対応する各々の咬み合わせ記録3D図を表示することから、これらの角度合わせも自由に合成可能であり、すなわち、口をすぼめた状態から徐々に口を広げた状態の移り変わり角度を3D図で再現することも可能である。また、従来は上顎印象(上部構造)と下顎印象(下部構造)のいずれか一方づつ作成することが通常であったが、本願発明によれば、特にチェックバイト11mの外周歯型跡11hの外周のみを3図化したチェックバイト11pを用いることで、この3Dのチェックバイト11pを介して上顎印象及び下顎印象とを合成させることも可能になり、そして実用的な測定・検診や、歯科模型製作(石膏模型製作や3D図化した石膏模型製作)に役立てることが可能になる。
以上、本発明の実施形態では、粘着性の部材である総入れ歯の例と、義歯が1本の場合と、義歯が連続する数本の場合とで説明したが、どのような入れ歯を製作するときにも使用可能であり、口腔内を再現して検査したり、これを患者に説明する場合に使用したりすることも勿論可能である。そして、3D図は一般的に仮想のものと認識されることがあるが、本実施の形態のチェックバイト11は正確な実測値によるものであり、本明細書中で「仮想の」という記載は正確な実測値を前提に記載しているものである。
1A 歯科用位置合わせ治具(基準部材)、
2 バイト材固定部、
3 インプラント連結部、
10 基準部材、10R ロケータ(基準部材)、
11 チェックバイト(咬み合わせ記録する前のチェックバイト)、
11b 咬み合わせ記録したチェックバイト(咬み合わせ記録3D図)、
11m 基準部材を含めたチェックバイト(咬み合わせ記録3D図)、
11p 咬み合わせ記録3D図(咬み合わせ記録したチェックバイトの歯型跡からから採取した3D図)、
11h 歯型跡、
K 咬合器、Kv 3D図の咬合器、
P インプラント、Pv 3D図化したインプラント、
T,Tr ロウ堤、 Tr 3D図化したロウ堤、
M 作業用模型(上顎模型)、
2 バイト材固定部、
3 インプラント連結部、
10 基準部材、10R ロケータ(基準部材)、
11 チェックバイト(咬み合わせ記録する前のチェックバイト)、
11b 咬み合わせ記録したチェックバイト(咬み合わせ記録3D図)、
11m 基準部材を含めたチェックバイト(咬み合わせ記録3D図)、
11p 咬み合わせ記録3D図(咬み合わせ記録したチェックバイトの歯型跡からから採取した3D図)、
11h 歯型跡、
K 咬合器、Kv 3D図の咬合器、
P インプラント、Pv 3D図化したインプラント、
T,Tr ロウ堤、 Tr 3D図化したロウ堤、
M 作業用模型(上顎模型)、
Claims (11)
- 粘着性材料であるチェックバイトにより歯の咬み合わせ位置を記録する咬合採得法において、口腔内に配されたインプラントに対して基準部材を取り付けるとともに、この基準部材を介して前記チェックバイトを配して歯の咬み合わせ位置を記録することを特徴とする咬合採得法。
- 前記咬み合わせ記録は、1本から数本の義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイトを使用して歯の咬み合わせを記録するもので、前記基準部材を複数本使用して口腔内における前記チェックバイトの位置決めをすることを特徴とする請求項1記載の咬合採得法。
- 前記咬み合わせ記録は、上顎又は下顎の全ての義歯を製作するために、その範囲に及ぶチェックバイトを使用して歯の咬み合わせを記録するもので、前記基準部材を複数本使用して口腔内における前記チェックバイトの位置決めをすることを特徴とする請求項1記載の咬合採得法。
- 前記請求項1ないし3のいずれか1項記載の歯の咬み合わせ記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成するか、又は、前記基準部材を含めて前記歯の咬み合わせ記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の咬合採得法。
- 前記基準部材は、歯の咬み合わせ位置を記録するためのバイト材が配されるバイト材固定部と、口腔内に配されたインプラントに対して着脱させるためのインプラント連結部とを備えた歯科用位置合わせ治具であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の咬合採得法。
- 3D(三次元)図で歯の咬み合わせを記録する歯科用3D図作成方法において、歯の咬み合わせ位置を記録するチェックバイトと、口腔内に配されたインプラントに対して装着される3D図作成のための基準部材とを配して、この基準部材をインプラントに装着させた状態でチェックバイトに歯の咬み合わせ位置を記録し、この記録したチェックバイトから咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする歯科用3D図作成方法。
- 前記咬み合わせ部材のチェックバイトは、複数の歯に対応した複数箇所において歯の咬み合わせ位置を記録し、前記咬み合わせ記録3D図は、上記複数箇所において歯の咬み合わせ位置を記録したものを連続するように表示した咬み合わせ記録3D図であることを特徴とする請求項6記載の歯科用3D図作成方法。
- 前記基準部材を含めて前記咬み合わせ記録3D図を作成することを特徴とする請求項6又は7記載の歯科用3D図作成方法。
- 3D図で作成した仮想の咬合器をコンピュータ画面上に表示して、前記咬み合わせ記録3D図とを合成することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項記載の歯科用3D図作成方法。
- 3D図で作成した仮想の義歯を有する仮想のロウ堤をコンピュータ画面上に表示して、前記咬み合わせ記録3D図とを合成することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項記載の歯科用3D図作成方法。
- 前記請求項6ないし8のいずれか1項記載の歯科用3D図作成方法によるデータを集めて加工する3D画像処理手段と、咬み合せしたときのチェックバイトから採取される歯型の形状(歯型跡)や溝の深さ(高さ)を測定する歯型採取処理手段とを備えることを特徴とする歯科用3D図作成プログラム。
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JP2012144736A JP2015165829A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 咬合採得法及び歯科用3d図作成方法と歯科用3d図作成プログラム |
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JP2012144736A JP2015165829A (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | 咬合採得法及び歯科用3d図作成方法と歯科用3d図作成プログラム |
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- 2013-01-17 WO PCT/JP2013/050726 patent/WO2014002513A1/ja active Application Filing
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