JP2015165505A - 有機el照明 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形白化および耐熱シール性に優れたリチウムイオン電池用外装材を提供する。【解決手段】有機EL照明は、蛍光有機化合物を含有する発光層が陽極および陰極に挟まれてなるフィルム状、シート状、若しくは板状の発光構造体と、発光構造体の厚さ方向の一方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する遮熱シート7Aと、発光構造体の厚さ方向の他方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で伝熱性を有する均熱部材と、遮熱シート7Aにおいて発光構造体に向けられた面と反対側の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する保護部材とを備え、遮熱シート7Aは、発光構造体に向けられた面と反対側の面に複数の突起5を有し、複数の突起は、保護部材に接する湾曲面の頂部5aと、頂部と曲率が異なる湾曲面の側部5bとを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、有機EL照明に関する。
有機ELは、蛍光有機化合物を含む発光層に電子および正孔を注入して再結合させることにより、励起子(エキシトン)が生じ、励起子の失活する際に光が放出される物理現象である。有機ELは、励起子が失活する際に放出される光を照明光として照射する有機EL照明等に利用されている。一般的に、有機EL照明は、発光層が陽極と陰極とによって挟まれた構造を透光性基板上に有し、陽極と陰極に直流電圧を印加することにより発光する。
ここで、特許文献1には、有機ELを用いた発光素子(有機EL発光素子)および表示装置が記載されている。特許文献1に記載の有機EL発光素子は、透光性基板の一方の面に、複数のマイクロレンズエレメントを平面的に配列して成るマイクロレンズアレイが形成されている。特許文献1に記載の有機EL発光素子によれば、励起子が失活する際に放出される光が透光性基板の表面で全反射してしまうことを抑え、透光性基板を透過して外部へ光が取り出される効率を高めることができる。
特開2002−260845号公報
有機EL照明は、従来の蛍光管や白熱電球などと比較して発熱量が少なく、また可撓性を有する薄板あるいはシート状に容易に成形することができるので、従来の照明装置を設置することができない場所に設置して使用することができる。
しかしながら、有機EL照明による光量は、たとえば温度が低下すると光量が低下する等、温度環境によって変動する。このため、たとえば特許文献1に開示されたような従来の有機EL照明では、有機EL発光素子が発する熱が均一に分散せずに一部で吸熱されると、吸熱された箇所における有機EL素子の光量が他の箇所よりも低下してしまう。このため、周囲の温度環境によっては有機EL照明による照明光に照度のムラが生じてしまうという問題がある。
有機EL照明は従来の照明装置よりも設置場所の自由度が高いので、たとえば冷たいグラスが置かれるカウンターテーブルなどに有機EL照明が組み込まれる場合もある。このような場合には、有機EL素子が発する熱が冷たいグラスによって吸収されることにより、グラスが置かれた位置における有機EL素子の光量が周囲の光量よりも低下して、有機EL照明の照度にムラが生じるおそれがある。
また、室内を照明するための照明装置として有機EL照明を使用する場合には、空気調和機から吹き出す冷気や暖気によって、有機EL照明の温度分布にムラが生じ、これにより有機EL照明の照度にムラが生じるおそれがある。
また、有機EL照明における照度のムラを軽減する目的で、熱伝導性の高い均熱板を有機EL素子に積層することも考えられる。しかしながら、均熱板が設けられている場合であっても、均熱板による熱伝導速度よりも速く上述のグラスや空気調和機などによって温度差が生じた場合には、有機EL照明に照度ムラが生じるおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、照度のムラが低く抑えられた有機EL照明を提供することである。
本発明は、蛍光有機化合物を含有する発光層が陽極および陰極に挟まれてなるフィルム状、シート状、若しくは板状の発光構造体と、前記発光構造体の厚さ方向の一方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する遮熱部材と、前記発光構造体の厚さ方向の他方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で伝熱性を有する均熱部材と、前記遮熱部材において前記発光構造体に向けられた面と反対側の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する保護部材とを備え、前記遮熱部材は、前記発光構造体に向けられた面と反対側の面に複数の突起を有し、前記複数の突起は、前記保護部材に接する湾曲面の頂部と、前記頂部と曲率が異なる湾曲面の側部とを有する有機EL照明である。
本発明の有機EL照明によれば、照度のムラを低く抑えることができる。
本発明の一実施形態の有機EL照明を備えたカウンターテーブルを示す説明図である。 同有機EL照明を示す模式的な断面図である。 同有機EL照明における遮熱シートの平面図である。 同遮熱シートを平面視したときの遮熱シートの面積に対する頂部の面積の比率と、遮熱シートを透過して取り出された全光量との関係を示すグラフである。 従来考えられていた有機EL照明の構成を示す模式図である。 従来考えられていた有機EL照明の構成を示す模式図である。 本発明の有機EL照明の変形例における遮熱シートを示す模式的な断面図である。 本発明の有機EL照明の他の変形例における遮熱シートを示す模式的な断面図である。
本発明の一実施形態の有機EL照明について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の有機EL照明を備えたカウンターテーブルを示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL照明20は、カウンターテーブル60の天板61内に組み込まれている。
カウンターテーブル60は、天板61の厚さ方向から見たときに有機EL照明20と重なる位置の天板61が透光性を有し、有機EL照明20が発する光が天板61の上方へ照射される。天板61の上面61aには、たとえば飲料などが収容された容器(缶、瓶、グラスなど)が載置される。飲料などが収容された容器は、飲料の提供温度に応じた温度となっている。このため、天板61上に載置された容器によって、天板61は加熱されたり冷却されたりする。また、天板61上には飲料などが収容された容器以外にも様々な物体が載置される。天板61上に載置される様々な物体によっても、天板61は加熱されたり冷却されたりする。本明細書では、天板61に熱を加えたり天板61から熱を吸収したりする物体を、「冷熱体50」と称する。
カウンターテーブル60は、冷熱体50を載置可能な天板61が、有機EL照明20によって天板61内から照明される。これにより、有機EL照明20を備えるカウンターテーブル60は演出効果を発揮することができる。
図2は、本実施形態の有機EL照明を示す模式的な断面図である。
図2に示すように、有機EL照明20は、有機EL素子9と、遮熱シート7(遮熱部材)7と、保護フィルム17とを備える。
有機EL素子9は、図1に示す天板61の下面61b側から上面61a側へ向かって、均熱板(均熱部材)10、拡散粘着層6B、基板1B、陰極4、発光層2、陽極3、透光性基板1A、および拡散粘着層6Aがこの順に重ねて設けられている。
均熱板10は、伝熱性の高い板状部材であり、たとえばアルミニウムやアルミニウム合金などの金属製の板材によって構成されている。均熱板10がアルミニウムやアルミニウム合金からなる場合には、均熱板10は、高い伝熱性と高い耐腐食性とを共に有する。均熱板10は、有機EL照明20が発光する際に生じる熱を、均熱板10の面方向へ拡散させる。これにより、有機EL照明20は、均熱板10の厚さ方向から見たときに略一様な温度分布となる。
拡散粘着層6Bは、均熱板10と基板1Bとを貼り合わせる層である。拡散粘着層6Bは、粘着剤や接着剤によって構成されている。拡散粘着層6の材料としては、たとえば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。なお、本明細書では、粘着剤とは、加圧により付着力を発揮する物性を有するものを指し、接着剤とは化学変化等により硬化して付着力を発揮する物性を有するものを指す。
拡散粘着層6Bには、有機EL素子9の発光に伴う熱が伝わり、拡散粘着層6Bを通じて熱が均熱板10へ拡散する。拡散粘着層6Bは、有機ELによる発光に伴って拡散粘着層6Bが加熱されても十分な粘着力あるいは接着力を有する。たとえば、拡散粘着層6Bは、80℃において5N/inch以上の粘着力あるいは接着力を有している。これにより、拡散粘着層6Bの粘着力あるいは接着力は有機EL照明20の点灯中にも十分に維持され、有機EL照明20の使用中に均熱板10が基板1Bから剥離するのを防止できる。
基板1Bは、拡散粘着層6Bの両面のうち均熱板10と接する面と反対側の面に設けられている。基板1Bの材料としては、種々のガラス材料を用いることができる。また、基板1Bの材料として、PMMA、ポリカーボネート、ポリスチレン等のプラスチック材料を用いてもよい。基板1Bの材料として採用されるプラスチック材料としては、シクロオレフィン系のポリマーが特に好ましい。シクロオレフィン系のポリマーは、基板1Bの材料として、加工性、断熱性、耐熱、耐水性、および光学透光性に優れる。なお、基板1Bは、透光性を有していてもよいし、遮光性を有していてもよい。
陰極4は、バリア層11を介して基板1Bと離間して設けられた電極である。陰極4と基板1Bとの間に設けられたバリア層11は、液体の進入を防止し、発光層2および陰極4を保護する目的で設けられている。バリア層11は、陰極4において発光層2と接する面と反対側の面を封止する封止剤12と、封止剤12を覆う図示しないガラスあるいはバリアフィルムとを有する。
封止剤12には、シリカゲルやゼオライト等の吸湿性粒子を添加することができる。封止剤12が吸湿性を有することにより、有機EL素子9内に液体が進入した場合に封止剤12によって液体が保持される。このため、有機EL素子9内に液体が進入しても液体が発光層2、陽極3、および陰極4へ到達しないので、発光層2、陽極3、および陰極4の劣化を防ぐことができる。
なお、窒化アルミニウム等、伝熱性が高い絶縁性材料をバリア層11の材料として採用することもできる。この場合には、発光層2の発光に伴って生じる熱をバリア層11において好適に拡散させることができる。伝熱性が高い絶縁性材料としては、200W(/m・K)程度の伝熱性を有することが好ましい。バリア層11の伝熱性が200W(/m・K)より低いと、バリア層11を通じて熱を拡散させる効果が不十分となり、温度ムラに伴う明るさのムラが生じてしまう。
発光層2は、蛍光有機化合物を含有し、蛍光有機化合物中に注入された電子と正孔の再結合によって生じたエキシトンによって発光するフィルム状、シート状、若しくは板状の部材である。発光層2は、白色光を発する白色発光層であってもよく、青色、赤色、黄色、緑色など特定の範囲の波長の光を発する発光層であってもよい。たとえば、白色光を発する発光層の例としては、ITO/CuPc(銅フタロシアニン)/α−NPDにルブレン1%ドープ/ジナクチルアントラセンにペリレン1%ドープ/Alq3/フッ化リチウム/陰極としてアルミニウム、という構成とすればよい。
また、発光層2から射出される光の波長をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)とすることのできる公知の材料を適宜選択して採用することもできる。また、発光層2は、光の三原色に対応したそれぞれの波長の光を発する画素が整列配置され、画素ごとに発光状態が制御される発光層であってもよい。この場合、有機EL照明20はフルカラーディスプレイとして機能する。また、白色光を発する複数の画素が整列配置された発光層にカラーフィルタを重ねることによっても有機EL照明20をフルカラーディスプレイとして機能させることができる。
陽極3は、発光層2において陰極4が固定された側の面と反対の面に固定された電極である。これにより、陽極3および陰極4は、間に発光層2を挟むように発光層2に固定された状態となっている。本実施形態では、陽極3は発光層2において透光性基板1A側に向けられた面に固定され、陰極4は発光層2において基板1B側に向けられた面に固定されている。
陽極3は、発光層2が発光して生じた光が透過可能な透光性を有している。陽極3の材料としては、ITOやIZOなどの透光性導電膜を採用することができる。
陽極3および陰極4は、図示しない給電部に接続されており、給電部によって陽極3および陰極4に電圧がかけられることにより、電子と正孔とを発光層2に注入することができる。
本実施形態では、発光層2と電極3と陰極4とによって、有機ELとして光を発する発光構造体が構成されている。
透光性基板1Aは、陽極3の厚さ方向の両面のうち発光層2と接する面と反対側の面に形成された板状部材である。透光性基板1Aは、発光層2から出射された光の透過性が高いことが好ましい。具体的には、透光性基板1Aは、全光線透過率が50%以上の材料で形成することが好ましい。
透光性基板1Aの材料としては樹脂板やガラス板などを採用することができる。透光性基板1Aの材料としてガラス板を採用した場合には、加工時の耐熱性が高く、且つ加工しやすい。特に、透光性基板1Aの材料としてサファイアガラスが採用された場合には、熱伝導率が15〜40W(/m・K)と高いので、発光層2における発光に伴って発生する熱を好適に拡散させることができる。さらに、サファイアガラスの屈折率は1.76程度であるので、酸化インジウムスズ(ITO)との界面の反射を抑えることができ、ITOによる電極構造が目立たない構成とすることができる。
拡散粘着層6Aは、光透過性を有する粘着剤あるいは接着剤によって透光性基板1Aと遮熱シート7とを固定する層である。拡散粘着層6Aの材料としては、たとえば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤あるいは接着剤が挙げられる。拡散粘着層6Aの粘着性あるいは接着性は、上述の拡散粘着層6Bと同様に有機ELによる発光に伴って拡散粘着層6Aが加熱されても十分な粘着力あるいは接着力であることが好ましい。たとえば、拡散粘着層6Aは、80℃において5N/inch以上の粘着力あるいは接着力を有していることが望ましい。さらに、拡散粘着層6Aと透光性基板1Aとの間の剥離強度は、拡散粘着層6Aと遮熱シート7との間の剥離強度よりも小さい。
拡散粘着層6Aには、透明の微粒子などが混合されていてもよい。透明の微粒子としては、(メタ)アクリレート、メラミン、ポリスチレン、シリコーン、ポリオレフィン、熱可塑性フッ素樹脂(例えばETFE)、等の樹脂を単体または共重合させた粒子、アルミナ、シリカ等の無機粒子を用いることができる。また、これらの粒子として中空の粒子が採用されてもよい。さらに、これらの粒子の表面を樹脂コーティング、ドライコーティングすることにより、拡散粘着層6A中における粒子の分散性を向上させることもできる。
拡散粘着層6A内に微粒子が混合されていることによって、発光層2から発せられた光が拡散粘着層6Aにおいて全反射することを抑えることができる。
また、拡散粘着層6Aは、両面テープのように基材シートの両面に粘着剤が設けられたテープでもよいし、粘着剤あるいは接着剤からなる単層の構造を有していてもよい。また、拡散粘着層6Aは、剥離紙によって挟まれ剥離紙をはがして取り付ける構造であってもよいし、剥離紙を必要としないいわゆるセパレスラベルであってもよい。
遮熱シート7は、伝熱性が低い略板状の部材であり、透光性基板1Aにおいて陽極3が設けられている面と反対側の面に設けられている。遮熱シート7の厚さが厚いほど、遮熱シート7の厚さ方向への熱の伝播を抑えることができる。なお、遮熱シート7が厚いと有機EL照明20自体の美観を損ねる場合があり、また有機EL照明20の重量が増大するので、遮熱シート7は、高い断熱性を有する薄型の部材であることが好ましい。また、遮熱シート7は、絶縁性を有していることが好ましい。
図3は、遮熱シートの平面図である。
図2および図3に示すように、遮熱シート7において拡散粘着層6Aに接する面と反対側には、保護フィルム17側へ行くに従って窄まる複数の突起5が形成されている。突起5の頂部5aには保護フィルム17が接着されている。遮熱シート7に形成された突起5の頂部5aは、平坦に形成されている。具体的には、遮熱シート7の複数の頂部5aは同一平面内に存する平面となっている。これにより、遮熱シート7に形成された突起5の頂部5aは保護フィルム17に密着し、遮熱シート7内に入射した光の再帰的な反射光を減少させつつ光を保護フィルム17へ入射させることができる。遮熱シート7の側部5bは、頂部5aの平面に対して45度以上の角度で傾斜している。
図4は、遮熱シート7を平面視したときの遮熱シート7の面積に対する頂部5aの面積の比率と、遮熱シート7を透過して取り出された全光量との関係を示すグラフである。図4においては、頂部5aの面に対する側部5bの角度を変えた複数の条件におけるデータが重ねて示されている。図4に示すように、頂部5aの面積の比率が10%から40%であれば、全光量の90%を取り出すことができる。
なお、遮熱シート7の平面視における面積に対する頂部5aの面積の比率が10%より小さい場合には、側部5bでの再帰的な反射が増加する。また、遮熱シート7の平面視における面積に対する頂部5aの面積の比率が40%より大きい場合には、遮熱シート7内を伝播していく光が増加する。
また、側部5bの傾斜角度は、頂部5aの面に対して35°以上、65°以下が好ましい。側部5bの傾斜角度が35°以上、65°以下であると、発光層2から遮熱シート7に入射した光は、側部5bから外部に出射されるとともに側部5bにおいて一部が反射を繰り返して頂部5aから保護フィルム17側へ出射される。これにより、光が発光層2側へと再帰的に反射することが抑えられている。
なお、側部5bの傾斜角度が35度より小さい場合には、斜めに伝播する光を外部へ取り出しにくく、側部5bの傾斜角度が65度以より大きい場合には、側部5bから出射された光が隣接する突起5の側部5bに再度入射する。
図3に示すように、遮熱シート7に形成された複数の突起5は、格子状に整列された角錐台形状に形成されている。複数の突起5のピッチは小さい方が好ましい。たとえば複数の突起5のピッチが100μm以下であれば、通常の使用時に人の目で識別できる最小距離以下のピッチとなる。このため、複数の突起5が遮熱シート7に形成されていることに気付かれにくい。この場合、有機EL照明20の利用者には遮熱シート7は平坦であると認識されるので、美観に優れる。なお、有機EL照明20を利用する利用者と有機EL照明20との間の距離によっては、複数の突起5のピッチが100μm以上であっても突起5が目立たない場合もある。さらに、遮熱シート7の突起5のピッチが敢えて大きく設定されたデザインであっても構わない。
さらに、遮熱シート7における突起5の大きさは、遮熱シート7にかかる応力に応じて設定される。各突起5が小さいほど、遮熱シート7が破損し難くなる。
遮熱シート7に複数の突起5を形成する方法としては、遮熱シート7を切削して複数の突起5を削り出す方法を採用することができる。遮熱シート7を切削するためには、たとえば所定の間隔を開けて複数の切歯が固定された工作機械などを使用することができる。
なお、成形型を用いて遮熱シート7を成形する場合には、各突起5の側部5bは、脱型性を高めるための抜き勾配を有する形状とされることが好ましい。
遮熱シート7の材料としては、たとえば粘度が1000cp〜4000cpの樹脂材料を採用することができる。粘度が低い樹脂材料を遮熱シート7の材料として採用した場合、モノマーの比率が高くなりタック性が強くなる。逆に、粘度が高いと成形性が落ちてしまう。具体的には、遮熱シート7の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、およびエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)等を使うことができる。
また、遮熱シート7は、全体として硬い樹脂が良い。遮熱シート7として使用可能な硬い樹脂の例としては、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のアクリル系樹脂やポリスチレン系樹脂を挙げることができる。
遮熱シート7の材料としてポリカーボネート樹脂を用いる場合には、分子量の大きいポリカーボネート樹脂を用いることにより、硬い遮熱シート7が得られる。遮熱シート7の材料となるポリカーボネート樹脂の分子量は2万以上が好ましい。
また、遮熱シート7は、紫外線吸収材を含有していてもよい。この場合、たとえば屋外などで太陽光が有機EL素子9へ照射された場合に太陽光に含まれる紫外線が紫外線吸収材に吸収される。このため、発光層2等へ到達する紫外線の量を低く抑えることができ有機EL素子9が損傷する可能性を下げることができる。
また、遮熱シート7の表面強化性能は、壁紙工業会制定「表面強化壁紙性能表示規定」に準拠した引っ掻き試験後、耐傷つき性能を目視により判定し4級(表面に少し変化あり)か、5級(変化なし)であることが好ましい。
下記表1は、遮熱シート7に形成された突起5の配置および形状と、遮熱シート7と保護フィルム17との間の気泡の状態および保護フィルム17の浮き上がりの有無とを示している。
Figure 2015165505
上記表1において、「網目間隔」の欄は、隣接する突起5の頂部5aの中心間距離を示している。「網目間隔」の単位はμmである。また、上記表1において、「○」は好適あるいは許容できる程度であることを示し、「×」は不適あるいは許容できない程度であることを示す。
図2に示すように、保護フィルム17は、有機EL素子9の外面を保護する目的で設けられている。保護フィルム17が設けられていることにより、有機EL照明20の使用者や有機EL照明20が組み込まれたカウンターテーブル60などを利用する利用者などが有機EL素子9に直接接触することを防止できる。
保護フィルム17は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂によってフィルム状、シート状、若しくは板状に構成されている。ガラスの熱伝導率が1W(/m・K)であることに対して、保護フィルム17の材料となるアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の熱伝導率は0.19W/(m・K)である。このため、従来使用されていた表面のガラス板に代えてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂によって保護フィルム17を構成した場合には、保護フィルム17も遮熱シート7と同様に断熱性を有する。
また、一般的なフロートガラスの比重が2.5であるのに対し、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の比重は1.2程度である。このため、保護フィルム17として従来のガラス板に代えてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の板材を採用することにより、有機EL照明20を軽量化することができる。
なお、硬度の高い材料によって保護フィルム17が形成されていると、保護フィルム17の表面などへ傷が付きにくくなる。
保護フィルム17の材料の他の例としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。なお、保護フィルム17における傷つきにくさと柔軟性とを両立する目的で、硬質なコーティングが施された軟性樹脂シートを保護フィルム17の材料として採用してもよい。
また、保護フィルム17は、遮熱シート7に接する側の面に粘着剤が塗布されており、遮熱シート7に対して再剥離可能に貼り付けることができるようになっている。このため、保護フィルム17は、遮熱シート7に貼り付けられた側と反対側の面に傷がついたり保護フィルム17に割れや亀裂が生じた場合に、適宜交換することができる。保護フィルム17を貼り替えることにより、保護フィルム17を介して発光層2を見たときに白濁や黄変、あるいは保護フィルム17の割れなどが生じている場合に、白濁、黄変、および割れがない状態へと容易に復旧することができる。
遮熱シート7と保護フィルム17との間の剥離強度は、遮熱シート7を透光性基板1Aに貼り付ける拡散粘着層6Aの剥離強度よりも低い。このため、遮熱シート7から保護フィルム17を剥がす過程で遮熱シート7が透光性基板1Aから剥離されることを防止できる。遮熱シート7と保護フィルム17との間の剥離強度は、保護フィルム17に設けられた粘着剤の粘着性によって設定されたり、遮熱シート7と保護フィルム17との接触面積の大きさによって設定されたりする。
なお、遮熱シート7と保護フィルム17とが予め張り合わせられた状態で供給されてもよい。この場合には、遮熱シート7と保護フィルム17との積層体を、拡散粘着層6Aを用いて透光性基板1Aに貼り付けることができる。
また、保護フィルム17と遮熱シート7と拡散粘着層6Aとが予め積層され、保護フィルム17と遮熱シート7と拡散粘着層6Aとの積層体を有機EL照明20の製造時に透光性基板1A上に貼り付けるようになっていてもよい。この場合、保護フィルム17と遮熱シート7と拡散粘着層6Aとの積層体は、保護フィルム17側が外側となるロール状に巻かれた状態で保管される。これにより、ロール状の積層体が外周側から引き出されたときに、遮熱シート7、拡散粘着層6A、および保護フィルム17が剥がれるのを防止できる。
次に、有機EL照明の製造方法について、上述の有機EL照明20を製造する場合を例に説明する。
まず、有機EL素子9を製造する。有機EL素子9を製造する場合には、透光性基板1Aの厚さ方向の一方の面に、陽極3、発光層2、および陰極4を形成する。さらに、バリア層11によって発光層2および陰極4を封止し、拡散粘着層6Bを介して均熱板10と貼り付ける(図2参照)。
次に、遮熱シート7に保護フィルム17が貼り付けられた積層体を製造する。遮熱シート7に保護フィルム17を貼り付ける工程では、保護フィルム17は、厚さ方向の一方の面に粘着剤が設けられた状態で供給される。保護フィルム17は、ロール直径が100mm〜350mmのゴムロールによって搬送されつつ当該ゴムロールによって遮熱シート7の突起5の頂部5aに押し付けられる。保護フィルム17を搬送するゴムロールの直径が100mmより小さいと保護フィルム17に反りが生じ易く作業性が著しく低下する。またゴムロールの直径が350mmより大きいと、貼り合わせの圧力がうまくかからず、加工途中で保護フィルム17がとれてしまう。
遮熱シート7に保護フィルム17を貼り付けるゴムロールのゴム硬度は40〜70が好ましい。当該ゴムロールのゴム硬度が40〜70であれば、保護フィルム17を貼り付ける際にシワが発生し難く、保護フィルム17と遮熱シート7との間に僅かに異物が混入してもゴムロールが弾性変形し、異物によって保護フィルム17や遮熱シート7が傷つくのを抑えることができる。
なお、保護フィルム17が遮熱シート7の頂部5aに張り付きやすくする目的で、保護フィルム17を搬送するゴムロールを加熱しても良い。このときの温度は、15℃〜35℃が良い。当該ゴムロールの温度が15℃〜35℃であると、ゴムロールに接した保護フィルム17に設けられた粘着剤が軟化し、遮熱シート7の頂部5aに粘着剤が密着しやすくなる。なお、当該ゴムロールを加熱する温度は、保護フィルム17に設けられた粘着剤の種類や、遮熱シート7に対する剥離強度に基づいて適宜設定することができる。たとえば、ゴムロールの温度が15℃より低い場合は保護フィルム17の粘着剤が加熱される量は少なく、ゴムロールの温度が35℃より高いと再度保護フィルム17を剥離する際に粘着材が遮熱シート7上に残るほどの粘着力となる。
次に、保護フィルム17が貼り付けられた遮熱シート7を透光性基板1Aに貼り付ける。
遮熱シート7を透光性基板1Aに貼り付ける工程では、まず、剥離紙によって挟まれた両面テープ状の拡散粘着層6Aから一方の剥離紙を剥離し、遮熱シート7における突起5とは反対側の平坦な面に拡散粘着層6Aを貼り付ける。拡散粘着層6Aと遮熱シート7とは、直径が150mm〜450mmであるゴムロールによって互いに押し付けられることによって貼り付けられる。拡散粘着層6Aを遮熱シート7に貼り付けるゴムロールの直径が150mmより小さいと貼り付け時に保護フィルム17に浮きが生じてしまう。拡散粘着層6Aを遮熱シート7に貼り付けるゴムロールの直径が450mmより大きいと、遮熱シート7と拡散粘着層6Aとの間に気泡が閉じ込められてしまう場合がある。
また、拡散粘着層6Aを遮熱シート7に貼り付けるゴムロールのゴム硬度は40〜70が好ましい。ゴムロールのゴム硬度が40〜70であれば、遮熱シート7と保護フィルム17との積層体を透光性基板1Aに貼り付ける際にシワが発生し難く、遮熱シート7と透光性基板1Aとの間に僅かに異物が混入してもゴムロールが弾性変形し、異物によって保護フィルム17、遮熱シート7、および有機EL素子9が傷つくのを抑えることができる。
また、拡散粘着層6Aを遮熱シート7に貼り付けるゴムロールを加熱しても良い。ゴムロールを加熱する温度は、15℃〜35℃が良い。ゴムロールを加熱する温度が15℃より低い場合は拡散粘着層6Aの接着力の増加が少なく、ゴムロールを加熱する温度が45℃より高場合には、拡散粘着層6Aを構成する粘着剤あるいは接着剤が食み出す場合がある。
拡散粘着層6Aが遮熱シート7に貼り付けられたら、続いて、拡散粘着層6Aに残ったもう一方の剥離紙を剥離し、拡散粘着層6Aを透光性基板1Aに貼り付ける。透光性基板1Aに遮熱シート7を貼り付ける際には、透光性基板1Aにかかる力をできるだけ小さくし、且つ圧力を適切に加え、且つ遮熱シート7と透光性基板1Aとの間に気泡が残らないように貼り付ける。そのためには、ロール直径20mm〜150mmのゴムロールを用いることが好ましい。
ゴムロールの直径が150mmより太い場合には、有機EL素子9が撓んでしまい、有機EL素子9の中央付近がうまく貼り合わせできない場合がある。ゴムロールの直径が20mmより小さいとゴムロール自体の撓みにより、ゴムロール中央付近に圧力がかからず、貼り合わせできない。拡散粘着層6Aを透光性基板1Aに貼り付けるゴムロールのゴム硬度は30〜70が好ましい。ゴム硬度が30より小さいと保護フィルム17がよれてしまいやすく、ゴム硬度が70より大きいと、異物による傷付が発生し易い。さらに、15℃〜50℃の範囲内でゴムロールを加熱して使用してもよい。ゴムロールの温度が15℃〜50℃の範囲内であると、拡散粘着層6Aが軟化して透光性基板1Aに密着しやすくなる。ゴムロールの温度が15℃より低い場合は加熱の効果が無く、ゴムロールの温度が50℃より高いと有機EL素子9の発光材料を劣化させやすい。
また、ゴムロールを使用することに代えて、スキージのような形状のものを保護フィルム17上で滑らせるようにして、拡散粘着層6Aと透光性基板1Aとの間の気泡を押し出しながら拡散粘着層6Aを透光性基板1Aに貼り付けることもできる。
本実施形態では、拡散粘着層6Aと透光性基板1との間の剥離強度は、拡散粘着層6Aと遮熱シート7との間の剥離強度よりも小さいので、遮熱シート7を透光性基板1Aに貼り付ける作業中に、位置ずれや気泡の混入などが生じた場合には、透光性基板1Aから遮熱シート7を剥がして新たな遮熱シート7を透光性基板1Aに貼り付けることができる。
以上に説明した構成の有機EL照明20の作用について、従来考えられていた有機EL照明の構成と対比して説明する。図5および図6は、従来考えられていた有機EL照明の構成を示す模式的な断面図である。
たとえば、図5に示す従来の有機EL照明100は、遮熱シート7が設けられていない。この場合、有機ELにより光を発する発光構造体102の温度よりも低温な冷熱体50(例えば冷えた飲料が注がれたグラスなど)が保護フィルム103上に置かれているときに、発光構造体102が発光する際に生じる熱は冷熱体50へと拡散する。発光構造体102の厚さ方向から見て冷熱体50と重なる領域において、発光構造体102の温度が周囲よりも低下する。
従来の有機EL照明100に設けられた発光構造体102は、温度環境によって光量が変動する。具体的には、発光構造体2の温度が低下した部分では光量が低下する。このため、冷熱体50が置かれた部分だけ有機EL照明100が暗くなる。これにより、有機EL照明100に照度のムラが生じる。
これに対して、図6に示すように、発光構造体102と冷熱体50との間に空気層104を介在させるための板105を有する有機EL照明110とすることも考えられる。空気の熱伝導率は0.024W/(m・K)と低い。しかし、遮熱シート7に代えて空気層を設けた場合には、発光構造体102と冷熱体50との間で浮力による空気の対流が生まれ、発光構造体102で生じた熱が冷熱体50へと移動する。このため、空気層11が設けられていない場合と比較して照度のムラは少ないものの、依然として照度のムラが生じるおそれがある。
また、空気層104の代わりにエアロゲルのような透明性断熱材を採用することも考えられるが、発光構造体102が発する光を再帰的に全反射させてしまう場合があり、光を外部へ取り出す効率を高めにくい。さらに、エアロゲルは高価なので、有機EL照明20の製造コストが高くなる。
さらに、空気層104に代えて波状に形成されたプレートを配置することにより、空気が対流することを抑えることも考えられる。しかし、デザイン性を損なわないような微細な波状のプレートを作製するのは非常に困難であり、かつ、エアロゲルと同様に光が再帰的に全反射する場合があり、発光効率が不十分となる。
上述した従来の有機EL照明20と比較して、本実施形態の有機EL照明20は、図2に示すように、遮熱シート7によって、発光層2が発光することに伴って発生する熱が冷熱体50側へ拡散することが抑えられており、逆に、冷熱体50が加熱された物体である場合に冷熱体50から発光層2側へ熱が拡散することが抑えられている。また、均熱板10と透光性基板1Aは、それぞれ伝熱性が高いので、均熱板10と透光性基板1Aとの間に挟まれた発光層2の温度分布は略均一となる。
このため、発光層2が発する光量は略均一となり、有機EL素子9から外部へ照射される光の照度のムラが少ない。その結果、たとえば図1に示すカウンターテーブル60のように冷熱体50が天板61上に載置される場合に、冷熱体50が載置される位置(たとえば図1に符号52で示す)において照度のムラが抑えられ、所定の演出効果が損なわれるのを防止することができる。
また、遮熱シート7は、突起5の頂部5aが平坦に形成されているので、頂部5aに遮熱シート7を密着させることができる。各頂部5aの面積の合計が、遮熱シート7平面視したときの面積に対して10%以上になっているので、冷熱体50を置いた際に遮熱シート7の突起5形状が維持される。このため、光の取り出し量の変動がなく均一に照明することができる。なお、頂部5aの面積の比率が5%より小さいと、保護フィルム17を配置し上に冷熱体50を置いた際に遮熱シート7の突起5がつぶれてしまう場合がある。
以上説明したように、本実施形態の有機EL照明20によれば、発光層2が発する熱が遮熱シート7によって遮られるので、遮熱シート7を通じて出入りする熱量が少ない。このため、発光層2から発せられる熱は、均熱板10などによって拡散し、発光層2を均一な温度に保つことができる。その結果、有機EL照明20における照度のムラを低く抑えることができる。
また、従来、有機EL照明に用いられる有機EL素子において、発光層から射出した光線が、透光性基板から射出する際、透光性基板上において全反射し、光を外部に取り出す効率が低いという問題があった。一般的な有機EL照明は、発光層から発せられた光の20%程度を外部に取り出すことができると言われている。
これに対して、本実施形態の有機EL照明20によれば、遮熱シート7に形成された複数の突起5によって、遮熱シート7へ入射した全光量の90%を透光性基板1A側へ出射させることができる。このため、発光量が同じ有機EL素子を用いても有機EL照明20からの出射光量をより多くすることができる。また、同じ出射光量を得るためには従来よりも有機EL素子の発光量が少なくてよいので、消費電力が少なく、また発熱も少ない。さらに、有機EL素子を駆動させるためにかける電圧を低くすることができるので、有機EL素子が劣化する速度が遅くなり、有機EL照明20を従来の有機EL照明より長い期間使用することができる。
また、保護フィルム17を貼り替えることができるので、保護フィルム17に傷や変色等が生じた場合に容易に元の状態に復旧させることができる。また、デザインや特性が異なる複数の保護フィルム17を用意することにより、異なる保護フィルム17を適宜張り替えて使用することもできる。
(変形例1)
次に、上述の実施形態で説明した有機EL照明20の変形例について説明する。
図7は、本変形例の有機EL照明における遮熱シートを示す模式的な断面図である。
図7に示すように、本変形例では、上述の実施形態で説明した遮熱シート7に代えて、頂部5aと側部5bとがともに湾曲面とされた複数の突起5が形成された遮熱シート7Aを備える点で上述の実施形態の有機EL照明20と構成が異なっている。
遮熱シート7Aに形成された突起5の頂部5aと側部5bとの境界は、互いに曲率が異なる曲面における変曲点を結んだ線上に位置する。また、本明細書において、複数の変曲点を有する曲面によって頂部5aおよび側部5bが形成されている場合には、複数の変曲点が存する領域の中間線が、遮熱シート7Aにおける頂部5aと側部5bとの境界である。
遮熱シート7Aに形成された突起5の頂点から変曲点までの高さは、突起5の間隔の10%以内に設定されている。これにより、保護フィルム17が突起5の頂点近傍の湾曲面に密着した状態で保護フィルム17は各突起5に支持される。
このような構成であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
(変形例2)
次に、上述の実施形態で説明した有機EL照明20の他の変形例について説明する。
本変形例では、遮熱シート7が押し出し成形によって成形されている点で上述の実施形態で説明した遮熱シート7と異なっている。
遮熱シート7の材料としては、たとえばポリスチレンと共重合体を形成する樹脂を採用することができる。本変形例においても遮熱シート7には複数の突起5が形成されている。遮熱シート7に形成された複数の突起5は、樹脂フィルムにエンボス加工をすることによって形成される。
本変形例では、遮熱シート7の突起5の頂部5aは平坦に形成されている。頂部5aが平坦な各突起5は、エンボス加工を行うための成形型の内面形状に倣った形状である。エンボス加工を行う場合には、頂部5aが湾曲面である突起5よりも、頂部5aが平坦な突起5の方が、成形型内へ樹脂をしやすいので容易に成形することができる。また、遮熱シート7を平面視したときの面積に対する頂部5aの面積の比率が大きいほど成形が容易である。具体的には、遮熱シート7を平面視したときの面積に対する頂部5aの面積の比率は5%以上であることが好ましい。
エンボス加工を行うときの圧力条件は、線圧が5〜500kg/cmであり、好ましくは5〜300kg/cm、より好ましくは10〜150kg/cmである。
線圧が5kg/cmより小さい場合には、賦形率が70%未満であり、凹凸形状を十分に賦形できない場合がある。線圧が10kg/cmより大きい場合には85%以上の賦形率が得られ、線圧が150kg/cmの条件において賦形率は99%〜100%となる。
線圧が300kg/cm以下であれば、フィルム幅が1mを超えても、エンボス加工を行う機械への負荷が大きすぎないが、線圧が500kg/cmを越えるとエンボス加工を行う機械への負荷が大きすぎて実用的でない。
押し出し成形およびエンボス加工によって成形された本変形例の遮熱シート7は、表面強化性能が高く、傷がつきにくい。
(変形例3)
次に、上述の実施形態で説明した有機EL照明20のさらに他の変形例について説明する。
図8は、本変形例の有機EL照明における遮熱シートを示す模式的な断面図である。
本変形例の有機EL照明20は、遮熱シート7の構成が異なっている。
図8に示すように、遮熱シート7は、紫外線が照射されることによって硬化する紫外線硬化型樹脂からなる突起層8aと、紫外線硬化型樹脂が積層されるフィルム状、シート状、若しくは板状の基材層8bとによって形成されている。
突起層8aを構成する紫外線硬化型樹脂は、流動性を有する状態で基材8b上に積層され、ラインスピードが1m/minから30m/minのスピードで、突起5の形状を転写する成形型に押し付けられることにより、突起5を有する板状に成形される。なお、ラインスピードが1m/minより低速では、成形型に押し付ける前に空気中の酸素や水分と樹脂が反応してうまく成型できない。逆に、ラインスピードが30m/minより早い場合には、気泡の噛み込みが発生してしまう。
さらに、成形型によって成形された紫外線硬化型樹脂に500mJ/mから、3000mJ/mの紫外線を照射し硬化させることによって、遮熱シート7を得ることができる。
本変形例において、基材8bは脆性の低い樹脂からなることが好ましい。基材8bの材料としては、(a―)PETまたは、ポリカーボネート、(ポリ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ポリ)エチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル(ポリ)スチレン樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
たとえば、アクリル樹脂を基材8bの材料とする場合には、単官能のアクリル樹脂と多官能のアクリル樹脂との混合物であることが好ましい。これにより、表面強化性能と光取り出しの効率とが共に高い遮熱シート7とすることができる。
次に、以下に示す比較例および実施例に基づいて、本発明の有機EL照明についてより詳細に説明する。
(比較例1)
まず、光学用2軸延伸易接着PETフィルム(膜厚125μm)上に、遮熱シート7のパターンを形成させるウレタンアクリレートを主成分とし、メガファックF−482を3重量部添加した紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.51))を塗布した。続いて、切削ピッチが100μmの溝を有する金型を使用して、紫外線硬化型樹脂が塗布された基材を搬送しながら、UV光を用いて基材側から露光した。これにより、紫外線硬化型樹脂は硬化した。紫外線硬化型樹脂の硬化後、紫外線硬化型樹脂が積層された基材を金型から離型し、ピッチが100μmの逆四角錐状の突起5を有する遮熱シート7とした。
また、これに保護フィルム17を貼り合わせたが、遮熱シート7と保護フィルム17との間の粘着力が十分でなく、使用に耐えなかった。
(実施例1)
まず、光学用2軸延伸易接着PETフィルム(膜厚125μm)上に、遮熱シート7のパターンを形成させるウレタンアクリレートを主成分とし、メガファックF−482を3重量部添加した紫外線硬化型樹脂(ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.51))を塗布した。突起5を成形するために、直径が190mmで切削面長さが800mmのシリンダ状の工作機械を使用して、切削ピッチが100μmで頂部5aの面積の比率が28%となる溝を形成した金型を製作した。この金型を用いて紫外線硬化型樹脂に複数の突起5を成形し、紫外線硬化型樹脂が塗布された透光性基材8を搬送しながらUV光を透光性基材8側から露光することにより、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。紫外線硬化型樹脂の硬化後、透光性基材8から金型を離型することにより、ピッチが100μmであって頂部5aが平坦な四角錐台状の突起5を有する遮熱シート7とした。
これにより、有機EL照明20の表面には、空気調和機の冷気や暖気、およびグラス等が載置されることによる温度ムラが生じなかった。
(実施例2)
AS樹脂(アクリロニトリルとスチレンとの共重合化合物)を約230℃に加熱し、凸型の四角錐状形状が加工されたシリンダー金型に沿わせるように射出し、0.3mmの凹形状の四角錐形状の突起5を成形した。さらに、加熱されたAS樹脂を加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は85℃)し、四角錐台の突起5が成形された遮熱シート7を製作した。本実施例では、遮熱シート7に形成された突起5は、ピッチが140μmで頂部5aの面積比率が33%の四角錐台形状となった。
これにより、有機EL照明20の表面には、空気調和機の冷気や暖気、およびグラス等が載置されることによる温度ムラが生じなかった。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、上述の実施形態では、発光層2と、陽極3と、陰極4を含んで発光構造体が構成されている例を示したが、発光構造体としては、従来公知のさまざまな構成を適宜採用可能である。
また、均熱板は、板状以外にも、フィルム状やシート状などの形状であってもよい。
また、遮熱シートは、略板状の形状以外に、フィルム状やシート状などの形状であってもよい。
また、上述の実施形態および各変形例で説明した構成は適宜組み合わせることができる。
本発明の有機EL照明は、液晶用バックライト、照明用光源、電飾、およびサイン用光源等に用いられる。
1A…透光性基板
1B…基板
2…発光層
3…陽極
4…陰極
5…突起
5a…頂部
5b…側部
6A…拡散粘着層
6B…拡散粘着層
7…遮熱シート
8…基材
9…有機EL素子
10…均熱シート
11…バリア層
17…保護フィルム
50…冷熱体
60…カウンターテーブル

Claims (5)

  1. 蛍光有機化合物を含有する発光層が陽極および陰極に挟まれてなるフィルム状、シート状、若しくは板状の発光構造体と、
    前記発光構造体の厚さ方向の一方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する遮熱部材と、
    前記発光構造体の厚さ方向の他方の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で伝熱性を有する均熱部材と、
    前記遮熱部材において前記発光構造体に向けられた面と反対側の面に設けられたフィルム状、シート状、若しくは板状で光透過性を有する保護部材と、
    を備え、
    前記遮熱部材は、前記発光構造体に向けられた面と反対側の面に複数の突起を有し、
    前記複数の突起は、前記保護部材に接する湾曲面の頂部と、前記頂部と曲率が異なる湾曲面の側部とを有する、
    有機EL照明。
  2. 前記複数の突起において、頂点から前記頂部と前記側部との境界までの高さ方向の寸法は、前記複数の突起の間隔の10%以下である、
    請求項1に記載の有機EL照明。
  3. 前記遮熱部材の厚さ方向から見たときの前記遮熱部材の面積に対する前記遮熱部材の厚さ方向から見たときの前記頂部の面積の比率は、5%以上30%以下である、
    請求項1に記載の有機EL照明。
  4. 前記遮熱部材の厚さ寸法は0.1mm以上3mm以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の有機EL照明。
  5. 前記遮熱部材は、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の有機EL照明。
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