JP2015165408A - 産業財産権活用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】権利成立前の出願ずみの産業財産権をインタラクティブに取引可能にする。
【解決手段】産業財産権活用システム1は、特許庁以外の者が所有する知的財産登録サーバ2と、公衆通信回線を通じて知的財産登録サーバ2にそれぞれ接続された権利者端末3ならびに利用希望者端末4と、を有する。知的財産登録サーバ2は、出願人により特許庁に出願ずみの産業財産権に関する知財情報を管理する。利用希望者端末4は、出願ずみの産業財産権の利用希望者が使用する端末であって同産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を申請する。権利者端末3は、出願人が使用する端末であって出願ずみの産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を行う。評価者端末5は、同出願ずみの産業財産権に対する価値評価を与える。
【選択図】図1

Description

本発明は、特許庁に出願された産業財産権をインタラクティブに取引することのできる産業財産権活用システムに関する。
昨今、産業のグローバル化の進展により特許権・商標権・著作権に代表される知的財産権(以下、単に「知財」ともいう)の事業活動における重要性が益々高まっている。
特に近年では、TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement:環太平洋戦略的経済連携協定)の合意に向けて知財を巡る各国の協議も佳境であり、知財立国である日本にとっては今後の世界市場における地位を大きく左右するといっても過言ではない。
日本国特許庁への特許出願件数に関する統計をみると、いわゆるリーマンショックが発生した2008年以前までは特許出願件数は年間約40万件程度で推移していたものの、リーマンショック翌年の2009年以降、同件数は34万件程度へと大きく落込み、その後、横ばいの状態が続いてしまっている。
このように現状、わが国の国内特許出願状況は厳しい状況にある。
一方で、知的財産権等使用料に関する統計(平成26年版通商白書:経済産業省発行)については同使用料の収支は2003年に黒字転化して以降、10年以上経過した2013年には1兆3千億円超の黒字となり、いまや日本国のサービス収支中で最大の黒字額を計上するに至っている。
上述した知的財産権に関する情報(以下、「知財情報」という)を幅広く取扱うインターネットサイトにも様々なものが散見される(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
非特許文献1に開示された知財情報開示システムによれば、特許庁により出願公開された出願公開公報などに基づき、将来的な成長が見込まれる有望市場やランキングのような様々な評価指標により独自の分析を加えた知財情報が閲覧可能となっている。
特開2014−089745号公報
アスタミューゼ株式会社、"技術情報"、[online]、アスタミューゼ株式会社、[平成 27 年 3月 28日検索]、インターネット〈URL:http://astamuse.com/ja/patent〉
ところで日本国特許庁に特許出願されたうちの約半数は、拒絶査定により日の目を見ない(特許にならない)状況にある。
しかしながら、たとえ特許取得には至らなかった技術(権利未成立状態にある出願発明ないしは拒絶確定した出願発明)であっても技術的価値が高いものなど、他社の目からするとぜひとも技術移転してほしいものが多数含まれていることが想定される。
すなわち、特許取得には至らなかった技術(権利未成立状態にある出願発明・拒絶確定した出願発明)についても「潜在的に一定数のニーズが存在する」ものと考えられる。
このような特許取得には至らなかった技術の流通(技術の譲受、ライセンス許諾)を促進することができれば、特許が認められた技術(特許発明)の流通市場に匹敵する規模の市場を新たに形成できる可能性がある。
そして出願発明(特許庁に出願係属中であって権利未成立の状態にあるもの、拒絶確定出願)の流通市場が拡充すれば、そこには弁理士が活躍できる場が確保されるのは勿論、物づくりに関してこだわりの強い日本国内の技術の裾野がさらに広がり、全体的な技術レベルのさらなるベースアップにつながることが期待される。
なお、わが国(日本国)では上記知的財産権のうち産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)については特許庁により管轄されている。
さらに日本国特許庁では、同庁に出願された保護対象(発明)について設定登録の前段階から積極的に活用を図るべく、特許法においては仮専用実施権制度・仮通常実施権制度(以下、「仮ライセンス制度」という。)が創設されている。
このようにわが国では仮ライセンス制度について法制面の整備がすでにされており、設定登録を受けていない権利成立前の出願ずみの保護対象について仮ライセンスを許諾する素地は整っている。
しかしながら実際に仮ライセンスの許諾契約を行う場合、出願こそされているものの未だ登録されていない知的財産が契約対象になるがゆえに、同契約対象に関する知財情報が十分に得られにくいといった事態が起こりうる。
せっかくの仮ライセンス制度が存在するにも関わらず、現状では同制度を利用するためのシステムは発展段階にあり、未登録の状態にある出願ずみの産業財産権に対してより一層の流動化を促すようなスキーム(仕組)は充分確立されていないものと考えられる。
産業財産権のうち特許法による保護対象である発明を例にとれば、ある発明が特許出願されていることを知るのは通常、特許庁によりなされる出願公開によることが多い。
例外的に早期出願公開が請求された場合には出願の事実ならびに同出願に係る権利内容・技術内容の了知が早まることになるが、早期出願公開がされるケースは稀であり、通常は出願公開時期(特許出願の日から1年6ヶ月経過後)を待たねば、たとえ特許庁のデータベースを利用したとしても出願内容はおろか出願された事実すら知り得ない。
一方で中小企業や個人発明家にとっては、自己の出願に係る権利内容・技術内容が拡散(情報頒布)される方が販売経路を開拓する上で好都合とも考えられる。
知財情報が広まることで第三者の目に触れる機会が増え、出願ずみの発明に関心を惹いたり、ライセンス契約ないしは特許を受ける権利の譲渡の申し出を受ける可能性が高まるからである。
しかしながらインターネットなどを通じた単なる情報拡散では、出願ずみの産業財産権について関心を示してくれる者(同権利の潜在的な利用希望者であって、将来的な譲受人ないしは仮ライセンスの実施権者となり得る者)に効率的にアプローチすることは難しい。
上述した中小企業や個人発明家にとっては自己の出願ずみの産業財産権に対する利用希望者を、同出願後に一刻も早く見出したいのが実情と考えられる。
事業化するための資金確保の目途が立つことで、限られた資金から費用を捻出して出願したせっかくのアイデアを埋もれさせるリスクの早期低減につながるからである。
以上のような観点から上述した中小企業や個人発明家、ならびに権利未成立の出願に関する権利取得・技術移転を望む者にとって、今後の発展が望まれるのは、インターネット経由による双方向通信ならではの「インタラクティブな売買機能」を有した知的財産権活用システムである。
「インタラクティブな売買機能」とは、単なる出願した知的財産に関連する知財情報の掲載にとどまらず、同知的財産の創作者・権利者ならびにその利用希望者の間でインターネット等により開示された内容よりもさらに「機密的な知財情報」を交換しつつ、上記利用に関する譲渡交渉・ライセンス交渉を進められるような売買機能のことである。
上述した「機密的な知財情報」(以下、「知財機密情報」という。)の例としては、当事者以外の第三者に対しては開示がはばかられる知的財産に関する否定的な評価や知見、技術開発上のノウハウや課題、同知的財産により競合他社に対して優位に立つための戦略情報、同知的財産の将来的な応用例や今後の事業展開、同知的財産のさらなる発展形である改良発明を示唆する情報といったものが挙げられる。
このような売買機能により知財情報の提供機能を超えて、未登録の出願ずみ産業財産権に対する利用希望者の反応を即座に確認したり、譲渡ないしはライセンス許諾に関する契約交渉を進行できる等のメリットが生じる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、特許庁に出願こそされたものの権利成立前の状態にある産業財産権の取得・ライセンス許諾を希望する者からのリクエストを契機として、同権利をインタラクティブに取引可能な仕組を提供することを目的とする。
〔第1発明〕
そこで上記の課題を解決するために、本願の第1発明に係る産業財産権活用システムは、
特許庁以外の者が所有する知的財産登録サーバと、公衆通信回線を通じて前記知的財産登録サーバにそれぞれ接続された権利者端末ならびに利用希望者端末と、を有する産業財産権活用システムであって、

出願人により特許庁に出願ずみの産業財産権に関する知財情報を管理する前記知的財産登録サーバと、
前記出願ずみの産業財産権の利用希望者が使用する端末であって同産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を申請する前記利用希望者端末と、
前記出願人が使用する端末であって前記出願ずみの産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を行う前記権利者端末と、
同出願ずみの産業財産権に対する価値評価を与える評価者端末と、を備え、

前記知的財産登録サーバは、
前記知財情報を前記権利者端末から直接的に受信するとともに、前記特許庁が発行した受領書ならびに同特許庁の認証付出願書類を当該権利者端末から直接的に受信したことをもって同知財情報を登録する処理と、
前記出願ずみの産業財産権に対して前記評価者端末により与えられた前記価値評価を前記知財情報に登録する処理と、
前記価値評価を含む知財情報を前記利用希望者端末に提供する処理と、
前記利用希望者端末から送信された利用希望情報に基づいて、前記産業財産権の利用契約条件を設定する処理と、
前記知財情報に登録されている産業財産権の前記利用契約条件に対する売却条件を含む売却情報を前記権利者端末から受信する処理と、
前記利用希望者端末ないしは前記権利者端末のうち売却情報を送信した権利者端末のみにより前記出願ずみの産業財産権に対して与えられた知財機密情報を前記知財情報に登録する処理と、
同権利者端末から受信した売却情報が前記利用契約条件を充たしたときに、同売却情報に係る産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾に付随して特許庁への提出が必要な電子手続書類を自動作成する処理と、
同利用契約条件の基となった利用希望情報を送信した利用希望者端末に対して、前記作成した電子手続書類へのアクセスを許可する処理と、
を実行する構成とした。
第1発明によれば、特許庁の出願公開によって得た知財情報ではなく、出願人の使用する権利者端末から「直接的に取得した知財情報」に基づいて、特許庁に出願ずみの産業財産権の取引を行う。
そのため特許庁に出願した知財情報を中心とする周辺情報も勘案して、多面的な観点から産業財産権を検討しつつ同権利を譲り受けるか否か又はライセンス許諾を受けるか否かを検討できる。
加えて第1発明によれば、特許庁に出願こそされたものの権利成立前の状態にある産業財産権の取得・ライセンス許諾を希望する者からのリクエストを契機として、同権利をインタラクティブに取引することが可能となる。
また上述したように、従来の知財情報開示システムの中には様々な観点から傾向分析が加えられたシステムもあるが、これらのシステムでは評価者端末による知財評価は加えられていない。
しかし第1発明に係る産業財産権活用システムによれば「評価者端末による多面的かつ客観的な知財評価」がなされるため、当事者の主観に左右されることなく適正価格で取引されることを期待できる。
さらに産業財産権の利用を他者に許諾する場合、特許庁への提出が必要な手続書類(電子書類形式)を自動作成することはできないため、産業財産権の利用を他者に許諾するときは、このような手続書類を手動入力により別途作成するという手順を踏む必要がある。
しかし第1発明に係る産業財産権活用システムによれば、産業財産権の利用を他者に許諾する際に特許庁への提出が必要な手続書類(電子書類形式)を自動作成することが可能であるため、産業財産権の利用(同権利の譲渡またはライセンス付与)を他者に許諾するときの手順を簡略化できるとともに、当該利用に関する特許庁への手続も速やかに終えることが可能となる。
本発明の実施形態に係る産業財産権活用システムの全体構成を示すブロック図である。 知的財産登録サーバの電気的構成を示すブロック図である。 知財情報のデータ構造の一例を示す図である。 ユーザ情報のデータ構造の一例を示す図である。 利用希望情報のデータ構造の一例を示す図である。 登録を受ける権利の譲渡時に生成される電子手続書類の第1の例を示す図である。 登録を受ける権利の譲渡時に生成される電子手続書類の第2の例を示す図である。 仮ライセンス許諾時に生成される電子手続書類の第1の例を示す図である。 仮ライセンス許諾時に生成される電子手続書類の第2の例を示す図である。 権利者端末の電気的構成を示すブロック図である。 利用希望者端末の電気的構成を示すブロック図である。 評価者端末の電気的構成を示すブロック図である。 オブジェクト処理時の、産業財産権活用システムの動作を示すシーケンス図である。 権利者端末に表示される、知財登録申請時の入力画面の一例である。 権利者端末または利用希望者端末に表示される、ユーザ登録申請時の入力画面の一例である。 権利者端末に表示される、出願ずみの産業財産権の売却時における入力画面の一例である。
以下、図1乃至図16を参照して、本発明の産業財産権活用システムについて説明する。
[実施形態]
本発明の実施形態は、権利成立前の出願ずみ産業財産権の有効活用(譲渡ないしはライセンス許諾)を目的として産業財産権活用システム1を構成した例である。
図1は、本実施形態に係る産業財産権活用システム1の構成を示すブロック図である。
同図1に示すように産業財産権活用システム1は、特許庁以外の者が所有する知的財産登録サーバ2と、権利者端末3・利用希望者端末4・評価者端末5とを公衆通信回線10を介して通信可能な状態で接続したシステムである。
なおインターネット等の公衆通信回線10を採用する場合には、例えば、VPN(Virtual Private Network)技術等を利用すればセキュリティレベルを高く確保可能である。
また本システム1は、出願人により特許庁に出願ずみの産業財産権に関する知財情報を管理する知的財産登録サーバ2と、出願ずみの産業財産権の利用希望者が使用する端末であって同産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を申請する利用希望者端末4と、出願人が使用する端末であって出願ずみの産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を行う権利者端末3と、同出願ずみの産業財産権に対する価値評価を与える評価者端末5と、を備えている。
知的財産登録サーバ(以下、「知財サーバ」という)2は、知財情報を権利者端末3から直接的に受信するとともに特許庁が発行した受領書RCならびに同特許庁の認証付出願書類APを当該権利者端末3から直接的に受信したことをもって同知財情報を登録する処理、出願ずみの産業財産権に対して評価者端末5により与えられた価値評価を知財情報に登録する処理、ならびに、価値評価を含む知財情報を利用希望者端末4に提供する処理と、を実行する。
また知財サーバ2は、利用希望者端末4から送信された利用希望情報に基づいて、産業財産権の利用契約条件を設定する処理と、知財情報に登録されている産業財産権の利用契約条件に対する売却条件を含む売却情報を権利者端末3から受信する処理と、を実行する。
加えて知財サーバ2は、利用希望者端末4ないしは権利者端末3のうち売却情報を送信した同端末3のみにより出願ずみの産業財産権に対して与えられた知財機密情報を知財情報に登録する。
さらに知財サーバ2は、同権利者端末3から受信した売却情報が利用契約条件を充たしたときに、同売却情報に係る産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾に付随して特許庁への提出が必要な電子手続書類PRを自動作成する処理と、同利用契約条件の基となった利用希望情報を送信した利用希望者端末4に対して、作成した電子手続書類PRへのアクセスを許可する処理と、を実行するように構成される。
以下、この内容について詳しく説明する。
図1に示す知財サーバ2は、各権利者端末3からの「知財情報」を権利者端末3ごとに区別して受信する。
ここでいう知財情報は、日本国特許庁に出願された産業財産権のみに限定されず、日本国特許庁以外の外国特許庁に出願された産業財産権であってもよい。
上述した「知財情報」(図3参照)に含まれる項目の例としては、以下のような各項目が挙げられる。
1)権利者名:特許庁に出願した産業財産権について「登録を受ける権利を有する権利者」を特定するための氏名または名称。
2)出願種別:特許庁に対して出願した産業財産権の種別。特許、実用新案、意匠、商標のいずれか。
3)出願番号:特許庁に対して出願したときの番号。
4)出願日:上記出願をした日付。
5)出願対象:出願種別が「特許」の場合、発明の名称。また出願種別が「実用新案」の場合、考案の名称。また出願種別が「意匠」の場合、意匠に係る物品。また出願種別が「商標」の場合、登録を受けようとする商標。
6)創作者氏名:特許庁に出願された保護対象(発明・考案・意匠)の創作者を特定するための氏名。
7)出願人名:上記出願をした者を特定するための氏名または名称。
8)代理人名:上記出願を行った代理人(弁理士・特許業務法人など)の氏名または名称。
上記「知財情報」のデータ形式は、出願番号・発明の名称などの各データ項目をカンマで区切ったCSV(Comma Separated Values)形式など所定形式のデータ列でもよく、任意のデータベースに適合したデータファイルでもよい。
同サーバ2による「知財情報の電子データ取得」には任意の手法を採用可能であり、権利者端末3から任意の電気通信回線(本例では、公衆通信回線10)を通じて受信することは勿論、DVD(Digital Versatile Disk)等をはじめとする任意の記憶媒体や着脱可能な可搬型メモリを介して読込むようにしてもよい。
権利者端末3は、特許庁に対して産業財産権を出願した権利者が各々所有する電子端末であり、携帯電話機・スマートフォン・PC(Personal Computer)・タブレット端末などが該当する。
同端末3は公衆通信回線10を介して、権利者本人が所有する「出願ずみの産業財産権」に関する各種情報を含む「知財情報」を知財サーバ2に対して送信する。
また権利者端末3は、特許庁に出願したときに得られる(1)特許庁が発行した受領書RC、ならびに、(2)特許庁の認証が付与された出願書類(以下、「認証付電子書類」という)APを知財登録サーバ2へ送信する。
なお日本国特許庁に対して出願された産業財産権については、同庁へインターネットを通じてオンライン出願した際に出願書類に付与される「proof」の文字列が認証となる。
図1に示す知財サーバ2は、権利者端末3からの「知財情報」を権利者端末3ごとに区別して受信する。
また知財サーバ2は、受領書RC・認証付出願書類APの組を受信したことをもって権利者端末3の利用者は正当な出願人(出願ずみの産業財産権について登録を受ける権利を有する権利者)であると判定し、同端末3から送信された知財情報を登録する。本発明では特許庁によりまだ公開されていない産業財産権の出願情報を取扱うため、上記書類RC・AP以外に確かめるすべがないからである。
つぎに、知財サーバ2・権利者端末3・利用希望者端末4・評価者端末5の各電気的構成について順次説明する。
これらのサーバや端末2・3・4・5は、計算処理能力や記憶容量等の規模に相違があるものの装置構成は似通っている。いずれの装置2・3・4・5も図1に示したごとく、液晶ディスプレイや図示しないプリンタ等を含む出力部25・35・45・55と、各種の演算処理を実行する装置本体と、キーボード及び図示しないマウスを含む入力部24・34・44・54と、を備えている。
また装置本体は、演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を中心とした制御機能、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM(Read Only Memory)・RAM(Random Access Memory)等を利用する記憶機能、および、各種信号あるいは情報を送受信する通信機能等を有している。
まず知的財産登録サーバ2の電気的構成について説明する。
図2に示すように知財サーバ2の装置本体は、演算処理を実行するCPUを含む制御部21のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部22、および、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部23を備えている。
通信部23は公衆通信回線10に接続され、同回線10を介して「知財情報」を権利者端末3から受信する。通信部23としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
制御部21は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部22に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
知財サーバ2では、知財情報管理手段211、ユーザ管理手段212、知財評価手段213、入札管理手段214および手続書類作成手段215が実現される。
知財情報管理手段211は、権利者端末3に対して知財登録申請画面100(図14参照)を提供する。
また同管理手段211は、上記申請画面100(図14)を通じて権利者端末3から送信された「知財情報」を記憶部22に登録するとともに知財情報221(図3参照)の管理全般を行う。
図3に示した知財情報221は、特許庁に出願ずみの産業財産権と、同権利に関する属性との対応関係を指定する情報である。
また知財情報管理手段211は、知財登録申請画面100(図14)を通じて権利者端末3から送信された受領書RCならびに認証付電子書類APを、同端末3から送信された知財情報と対応付けて記憶部22に書込む。
上記「受領書RC」は、特許庁に出願したときに得られる同庁が発行した受領書である。
また「認証付電子書類AP」は、特許庁の認証が付与された出願書類(特許出願の場合には、願書・明細書・特許請求の範囲・図面・要約書)のことを指す。なお日本国特許庁に対して出願された産業財産権については、同庁へインターネットを通じてオンライン出願した際に電子出願書類に付与される「proof」の文字列が認証となる。
さらに知財情報管理手段211は、利用希望情報を送信した利用希望者端末4、ならびに、権利者端末3のうち同利用希望情報に対する売却情報を送信した権利者端末3のみにより、出願ずみの産業財産権に対して与えられた知財機密情報を知財情報に登録する役割も担う。
図2に示すユーザ管理手段212は、権利者端末3から送信された「ユーザ情報」を記憶部22に登録するとともにユーザ情報222(図4参照)の管理全般を行う。またユーザ管理手段212は、ユーザ登録の削除操作に応じて、ユーザ情報222から同ユーザに関する登録内容を削除する。
ユーザ情報222は、本システム1を利用するユーザと、同ユーザに関する属性との対応関係を指定する情報である。図4の例ではユーザ情報222において、ユーザを個々に識別するためのユーザIDと、各ユーザが利用(権利取得・ライセンス許諾)を希望した権利内容または各ユーザが提示した売却条件(売却情報)とが対応付けされている。
「ユーザ情報」に含まれる基本情報の例としては、以下のような各項目が挙げられる。
1)ユーザID:産業財産権活用システム1を利用するユーザ(産業財産権の出願を行った各権利者、もしくは、出願ずみの産業財産権の利用希望者)を一意に特定可能な識別情報。
2)氏名又は名称:ユーザIDを割振られた権利者もしくは利用希望者の氏名または名称。
3)住所:産業財産権活用システム1を利用するユーザの住所情報。
4)電話番号:産業財産権活用システム1を利用するユーザの電話番号。
5)電子メールアドレス:産業財産権活用システム1を利用するユーザの電子メールアドレス。
さらに本実施形態におけるユーザ管理手段212は、ユーザ登録申請画面110(図15参照)を権利者端末3または利用希望者端末4に対して提供する。
図2に示した知財評価手段213は、各権利者がそれぞれ特許庁に出願した産業財産権が有する知財価値の評価を行う手段である。
ここでいう「知財価値の評価」とは、純技術的な価値のみならず、産業財産権が属する事業分野における経済的価値、将来的な市場の成長見込などの潜在的価値を含めた総合的な価値評価のことを指す。
上記の価値評価自体は評価の客観性を担保できるよう、当事者(権利者自身や利用希望者)ではなく、弁理士など知財に関して一定水準以上の造詣を有する評価者により行なわれる。なお知財価値の評価結果は、評価者端末5を介して知財サーバ2に送信される。
利用希望者は、譲受またはライセンス許諾を受けることを検討している産業財産権の取引価格を適正価格に近付けるべく、同価値評価に基づいて権利者と適正な価格交渉をすることが可能である。
また権利者にとっても、交渉対象の産業財産権についてまだ権利付与(設定登録)されておらず確実に権利取得できるか不明な状態にあることを理由に、不当に低廉な取引価格となることを回避できる。
なお権利者端末3から知財サーバ2に送信された知財情報が評価者に対して公開されることについては、あらかじめ権利者の同意を得ておく必要がある。
入札管理手段214は、出願ずみの産業財産権に対する利用契約条件を設定するとともに、同産業財産権の利用に関する入札処理を行う手段である。この入札形式は、オークションによる入札形式でもよく、個別入札により特定の相手と個々に商談するものでもよい。
本例では商慣行の一つであるオークションによる入札制度に従って、出願ずみの産業財産権の利用契約について入札の募集を行う。なお利用希望者が利用契約条件を提示する取引形態においては、通常のオークションとは反対に売却側(権利者側)の提示価格を順次下げていくようにすればよい。
出願ずみの産業財産権の利用契約に関する「利用希望情報」が利用希望者端末4から送信されると、入札管理手段214は、入札募集情報223(図5参照)を記憶部22に書込む。
産業財産権の利用契約条件としては図5に例示するごとく、入札可能期間(入札開始日時と入札終了日時)、上限額、現入札額に加えて、契約対象(産業財産権)の利用形態(同産業財産権の全部譲渡ないしは一部譲渡、同産業財産権の仮専用実施権・仮通常実施権の許諾)を設定する。
さらに利用形態としては、権利の利用を許諾する相手方の条件(例えば、資本金3億円以下の企業、個人事業主についても利用を許諾する等)を含めてもよい。
なお仮ライセンスを許諾する場合、利用契約条件に対する利用希望者の円滑な合意を図るべく、同産業財産権の仮専用実施権については時間的・地域的・数量的な利用契約条件を提示することが望ましい。
また仮通常実施権の許諾については複数人に対して許諾が可能であることから、非独占的ライセンス契約ないしは独占的ライセンス契約の指定や、ライセンス許諾する対象人数や許諾対象者の資本規模などを条件提示することが望ましい。
また入札管理手段214は、利用希望情報223から抽出される利用契約条件が表示された利用希望画面120(図16参照)を権利者端末3に対して提供する。同端末3は、同画面120を介して「売却情報」(知財情報に登録されている産業財産権の売却条件を含む情報)を知財サーバ2に送信する。
そして図2に示す入札管理手段214は、入札可能期間中に権利者端末3から送信された売却情報(入札金額・ライセンス契約可能期間など)に基づいて、利用契約条件(すなわち、落札条件)を充たした同端末3を判定する。
なお入札管理手段214は、上記画面120(図16)を介して権利者端末3から売却情報が送信されたとき、その旨を利用希望者(利用希望者端末4)に対し電子メール・音声ガイドなどにより通知してもよい。
さらに入札管理手段214は、権利者による誤発注を回避できるよう、入札に係る取引内容を記載した確認用電子メールを、送信元の権利者端末3に対して自動送信してもよい。
入札可能期間中に上記利用契約条件(落札条件)を充たした権利者が、出願ずみの産業財産権を利用する権利(登録を受ける権利そのものの全部譲渡・一部譲渡もしくは仮専用実施権・仮通常実施権の許諾)を売却することになる。
設定登録を受ける権利の譲受(すなわち出願人名義の変更)または仮専用実施権の許諾にあたっては特許庁への届出が必要となるため、手続書類作成手段215は、上記届出に必要な「電子手続書類PR」の自動作成を行う。
なお自動作成された電子手続書類PRは、弁理士・特許業務法人などの代理人によりオンライン送信ないしは郵送により特許庁に提出される。
本発明では、登録を受ける権利の譲渡や仮ライセンス許諾に際し、ライセンサー(実施許諾者)・ライセンシー(実施権者)に関する氏名・名称や住所・居所など所定の情報が記載された特許庁提出用書類が必要になることに着目し、本産業財産権活用システム1のユーザ登録申請の際に得られたユーザ情報222(ユーザの氏名又は名称、同ユーザの住所など)を基に特許庁指定の様式に自動記入する。
すなわち手続書類作成手段215は、特許庁に対して公衆通信回線10経由でオンライン手続をするための「インターネット出願ソフトで認識可能なHTML型式の電子データ」により電子手続書類PRを作成する。
これにより、これらの書類PRを電子データ形式で作成し、手続書類の作成負担軽減を図るとともに迅速な手続を可能としている。
例えば特許を受ける権利の一部を譲渡する場合、手続書類作成手段215は、電子書類PRとして出願人名義変更届(図6参照)ならびに一部譲渡証書(図7参照)を作成する。
なお出願人名義変更届(図6)はオンライン手続によるためHTML形式などのインターネット出願ソフトで認識可能なデータ形式で作成される一方、一部譲渡証書(図7)については押印がなされた原紙(紙媒体)で提出する必要があるため任意の文書作成ソフトウェアで読取可能なファイル形式で作成される。
また特許を受ける権利に基づいて仮専用実施権を許諾する場合、手続書類作成手段215は、電子書類PRとして仮専用実施権設定登録申請書(図8参照)ならびに仮専用実施権設定契約証書(図9参照)を作成する。
これら2つの書類(仮専用実施権設定登録申請書・仮専用実施権設定契約証書)はともに押印がなされた原紙で提出する必要があるため、任意の文書作成ソフトウェアで読取可能なファイル形式で作成される。
なお知財サーバ2を、USB(Universal Serial Bus)接続端子など所定のインターフェースまたは通信部23を介してプリンタ(図示略)に接続しておき、手続書類作成手段215が作成した電子手続書類PRを紙媒体に印刷出力してもよい。
譲渡証書(図7)・仮専用実施権設定登録申請書(図8)・仮専用実施権設定契約証書(図9)のように「紙媒体により特許庁に提出する必要がある手続書類」については、本システム1の運用上、それぞれ指定の様式に合わせて入力の必要な項目(利用を許諾する権利者の住所・氏名、利用許諾を受ける利用希望者の住所・氏名など)を自動的に記載し、印刷出力可能な電子データ(電子書類)の状態で知財サーバ2上に保管される。
そして権利者と利用希望者との間で「出願ずみの産業財産権」の利用契約が成立すると、同権利者は譲渡証書(もしくは仮専用実施権設定登録申請書・仮専用実施権設定契約証書など)を紙媒体に印刷し、さらに自筆でサインした上で同譲渡証書(原紙)を利用希望者あてに送付する。
つぎに権利者端末3の構成について説明する。
図10は、本実施形態に係る権利者端末3の電気的構成を示すブロック図である。
権利者端末3は同図10に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部35と、タッチパネル(図示略)を含む入力部34とを備えている。
また権利者端末3は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部31のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部32、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部33を備えている。
通信部33は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信回線10に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部33としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
制御部31は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部32に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
権利者端末3では、知財登録申請手段311、ユーザ登録申請手段312、売却指示手段313および機密情報提供手段314が実現される。
知財登録申請手段311は、知財サーバ2に対して知財情報の登録を申請する手段である。
本例における知財登録申請手段311は、知財登録申請画面100(図14)を介して入力された知財情報を知財サーバ2に送信することにより、ユーザ登録の申請を行う。
ここでいう「知財情報」とは、特許庁に出願ずみであるものの未だ同庁により出願公開されていない知的財産のことを指す。
また本実施形態における知財登録申請手段311は、知財情報の送信のみならず、同申請画面100(図14)を介して、出願時に特許庁が発行した受領書RCならびに同庁の認証が付与された認証付電子書類APを知財サーバ2へ送信する。
図10に示すユーザ登録申請手段312は、知財サーバ2に対してユーザ登録を申請する手段である。同手段312は、ユーザ登録申請画面(図15)を介して入力されたユーザ情報を知財サーバ2に送信することにより、ユーザ登録の申請を行う。
なお上記ユーザ登録の申請は、近年のインターネットサイトにみられるように、Facebook(登録商標)に代表されるような所定のSNS(Social Networking Service:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトに登録されているユーザアカウント情報(ユーザ名、パスワード等)を、本産業財産権活用システム1のユーザ情報として流用可能に構成してもよい。
売却指示手段313は、知財サーバ2に対して、特許庁に出願ずみの産業財産権(権利未成立の状態にあるもの)の利用契約に関して売却を指示する手段である。
同手段313は、利用希望画面120(図16参照)を介して入力された「売却情報」(入札金額など)を知財サーバ2に送信することにより、知財情報に登録された権利者の産業財産権の売却を指示する。
なお「売却情報」とは、利用希望者が提示した利用契約条件に対する、知財情報に登録されている産業財産権の売却条件を含む情報のことを指す。
機密情報提供手段314は、権利者により入力部34を介して入力された「知財機密情報」を知財サーバ2に送信する。
「知財機密情報」の例としては、当事者以外の第三者に対しては開示がはばかられる知的財産に関する否定的な評価や知見、技術開発上のノウハウや課題、同知的財産により競合他社に対して優位に立つための戦略情報、同知的財産の将来的な応用例や今後の事業展開、同知的財産のさらなる発展形である改良発明を示唆する情報などが挙げられる。
つぎに利用希望者端末4の構成について説明する。
図11は、本実施形態に係る利用希望者端末4の電気的構成を示すブロック図である。
利用希望者端末4は同図11に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部45と、キーボードやタッチパネル(図示略)を含む入力部44とを備えている。
また利用希望者端末4は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部41のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部42、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部43を備えている。
通信部43は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信回線10に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部43としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
制御部41は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部42に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。
利用希望者端末4では、ユーザ登録申請手段411、利用希望申請手段412および機密情報提供手段413が実現される。
ユーザ登録申請手段411は、知財サーバ2に対してユーザ登録を申請する手段である。
同手段411は、ユーザ登録申請画面110(図15)を介して入力されたユーザ情報を知財サーバ2に送信することにより、ユーザ登録の申請を行う。
図11に示す利用希望申請手段412は、知財サーバ2に対して、出願ずみの産業財産権の利用契約希望を申請する手段である。
利用希望申請手段412は、入力部44を介して入力された「利用希望情報」を知財サーバ2に送信することにより、出願ずみの産業財産権の利用契約希望を申請する。
利用希望者端末4により送信される利用希望情報は、知財サーバ2において保管される利用希望情報223の各項目に対応する内容(利用を希望する権利種別・利用希望者の氏名または名称・利用形態・上限額・入札開始日時・入札終了日時)を含んでいる。
機密情報提供手段413は、利用希望者による入力部44に対する入力操作に応じて、「出願ずみの産業財産権に関する知財機密情報」を送信する手段である。
なお本実施形態においては利用希望者端末4(機密情報提供手段413)による知財機密情報の送信は、利用希望申請手段412により利用希望情報が知財サーバ2に送信されている場合に限り、実行可能である。
つぎに評価者端末5の構成について説明する。
図12は、本実施形態に係る評価者端末5の電気的構成を示すブロック図である。
評価者端末5は同図12に示すように、液晶ディスプレイ(図示略)等の出力部55と、キーボードやタッチパネル(図示略)を含む入力部54とを備えている。
また評価者端末5は、任意の演算処理を実行するCPU(中央処理装置)を含む制御部51のほか、ハードディスクドライブ(HDD)・ROM・RAM等を含む記憶部52、及び、各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む通信部53を備えている。
通信部53は、インターネットや移動体通信網等の公衆通信回線10に接続され、他装置との間で各種の通信を行う。通信部53としては、ネットワークインターフェース・モデム等が使用される。
制御部51は、CPU・ROM・RAM等を有し、ROM・記憶部52に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMにロードして実行し、それにより各種の論理的手段を実現する。評価者端末5では、価値評価手段511が実現される。
価値評価手段511は、知財サーバ2に登録された出願ずみの産業財産権が有する価値を評価する手段である。
この価値評価自体は、弁理士などにより行われる。価値評価手段511は、評価者により入力部54を介して入力された価値評価情報を知財サーバ2に送信する。
つぎに、本実施形態に係る産業財産権活用システム1の動作について説明する。
特許庁に出願ずみの産業財産権について登録を受ける権利を有する権利者は、権利者端末3を用いて、知財サーバ2により提供される知財登録申請画面100(図14)にアクセスする。
図13に示すように権利者端末3は、同申請画面100を介して権利者により入力された内容に応じて、知財サーバ2に対して知財情報を送信する(ステップS10)。これにより同端末3は、出願ずみの産業財産権を対象とする知財登録申請を行う。
また同サーバ2は、知財情報の送信のみならず、知財登録申請画面100を介して、出願時に特許庁が発行した受領書RCならびに同庁の認証が付与された認証付電子書類APを知財サーバ2へ送信する。
知財サーバ2は、知財情報を受領書RC・認証付電子書類APとともに権利者端末3から受信したことを以って、同知財情報を、記憶部22内の知財情報221(図3参照)に登録する(ステップS11)。受領書RC・認証付電子書類APは、知財情報221と対応付けされて記憶部22に保管される。
認証付電子書類APが日本国特許庁に正規に出願されたことを知財サーバ2により自動判定するためには、同電子書類APの文書内に「proof」の文字列が含まれることを識別するとよい。
本実施形態では、さらに権利者は、権利者端末3を用いて、知財サーバ2により提供されるユーザ登録申請画面110(図15)にアクセスする。
権利者端末3は、知財登録申請に加えてユーザ登録申請をすべく、権利者からの入力内容に応じ、知財サーバ2に対してユーザ情報を送信する。
なお知財サーバ2上に登録された出願ずみの産業財産権に対する利用希望者も、利用希望者端末4を用いてユーザ登録申請画面110にアクセスし、ユーザ登録をすませておく。
その後、利用希望者端末4により利用希望情報が送信されると(ステップS12)、知財サーバ2は、利用希望情報223(図5)を記憶部22に登録するとともに、同情報223に基づいて出願ずみの産業財産権に対し「利用契約条件を設定」する(ステップS13)。
この利用契約条件の一条件として、入札可能期間(入札開始日時〜入札終了日時)も指定される。この入札開始日時を迎えたときに、知財サーバ2による利用希望情報223の公開が行われることで、出願ずみの産業財産権の利用契約に関する入札が開始される(ステップS14)。
そして開始された入札に対して、入札金額(売却金額)を含む売却情報が利用希望画面120(図16)を介して権利者端末3から送信されると(ステップS15)、知財サーバ2は、同売却情報に含まれる入札金額により利用希望情報223(図5)に登録された現入札額を更新する。
本例では利用希望者が利用契約条件を提示する取引形態となるため、通常のオークションとは反対に売却側(権利者側)の提示価格を順次下げていく形式としてもよい。
また本発明に係る産業財産権活用システム1においては、公衆通信回線10(インターネット)による双方向通信ならではの「インタラクティブな売買機能」が可能となっている。
具体的には、出願ずみの産業財産権に対する利用契約を希望した利用希望者端末4から権利者端末3に対して知財機密情報(例えば、利用希望者による将来的な事業計画など)の提供が可能であるとともに(ステップS16A)、権利者端末3についても同端末3が売却情報を送信した場合には、それ以降、利用希望者端末4に対する知財機密情報の提供が可能となっている(ステップS16B)。
なお知財サーバ2は、権利者端末3ないしは利用希望者端末4のいずれかにより知財機密情報が送信された場合、同機密情報により知財情報221を更新する(ステップS17)。
また知財サーバ2は、入札終了日時を監視することで、入札可能期間が経過したかどうかを判定している。
入札可能期間が経過すると知財サーバ2は、同期間中に売却情報を送信した権利者端末3のうちから、入札にかけられた出願ずみの産業財産権に関して利用契約条件を充たした権利者端末3を特定することで落札者(売却者)を判定する(ステップS18)。
落札者を判定するときの判断基準は任意であり、例えば、実際に入札応募されたうちで最も低額な入札金額(売却金額)を示した権利者端末3を落札者であると判定してもよい。
産業財産権の譲受または仮専用実施権の許諾にあたっては特許庁への届出が必要となるため、知財サーバ2は、上記届出に必要な「電子手続書類PR」の自動作成を行う。
本例では、産業財産権活用システム1のユーザ登録申請の際に得られたユーザ情報222(図4)を基に特許庁指定の様式に自動記入することで上記書類PRを作成する。
さらに知財サーバ2は、利用契約を希望した利用希望者端末4に対して、自動作成した電子手続書類PRへのアクセス(ダウンロード)を許可する(ステップS19)。
アクセスの許可された利用希望者端末4によりダウンロードされた同書類PRは、利用希望者自身ないしは弁理士・特許業務法人などの代理人により特許庁に提出される。
以上説明したように、本実施形態に係る産業財産権活用システムによれば、特許庁に出願ずみであるものの未だ出願公開のされていない権利成立前の産業財産権の利用契約を行う際に「インタラクティブな売買機能」という概念を導入する。
そのため、インターネット等により不特定多数の公衆に開示された内容よりもさらに機密的で忌憚のない知財機密情報を交換しつつ、権利者ならびに利用希望者の当事者間でライブ感のある譲渡交渉・ライセンス交渉を進めることが可能となる。
また「インタラクティブな売買機能」により、単なる知財情報の提供機能を超えて、未登録の出願ずみ産業財産権に対する利用希望者の反応を即座に確認したり、相手の反応をうかがいながら譲渡ないしはライセンス許諾に関する契約交渉を進行できる等のメリットが生じる。
また本発明に係る産業財産権活用システムによれば、評価者端末5による多面的かつ客観的な知財評価がなされるため、当事者の主観に左右されることなく適正価格で利用契約がなされることを期待できる。
さらに本発明によれば産業財産権の利用を他者に許諾する際に、産業財産権活用システム1を利用するために登録されたユーザ情報に基づいて、特許庁への提出が必要な手続書類(電子書類形式)が自動作成される。
そのため、産業財産権の利用(同権利の譲渡またはライセンス付与)を他者に許諾するときの手順を簡略化できるとともに、当該利用に関する特許庁への手続も速やかに終えることが可能となる。
なお本実施形態に係る産業財産権活用システムでは、専用アプリケーションを任意の多機能電子装置に導入(インストール)するだけで本発明の特徴的な各種機能を付加することができ、上記権利者端末3・利用希望者端末4・評価者端末5を構成可能である。
そのため安価に、また簡易かつ短時間で権利者端末3・利用希望者端末4・評価者端末5を構成できる。
ここで多機能電子装置としては、望ましくはスマートフォン、タブレット端末またはPC等が採用される。知財情報の参照時は、CPUに対しかなりの処理負担がかかるものの、スマートフォンやタブレット端末であれば処理性能が日進月歩の勢いで飛躍的に向上しており、上記処理を実行する際にも快適な動作速度を担保できる。
また携帯型の多機能電子装置であれば、携行性というメリットを備えるがゆえに、権利者ないしは利用希望者が都合のつくときに気軽に交渉を進めることできる。
このように多機能電子装置を権利者端末3・利用希望者端末4・評価者端末5として利用できることで、出願ずみの産業財産権について権利譲渡やライセンス許諾をしようとしている権利者、同産業財産権について譲受やライセンス取得をしようとしている利用希望者、さらには同産業財産権に対する価値評価を下す評価者の全員にとって、本システム1の利用シーンや出願ずみの産業財産権に携わる機会(例えば、参照機会)を広げやすくなる。
そのため、出願ずみの産業財産権の流動化促進を期待できる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
1 産業財産権活用システム
2 知的財産登録サーバ
3 権利者端末
4 利用希望者端末
5 評価者端末
10 公衆通信回線

Claims (1)

  1. 特許庁以外の者が所有する知的財産登録サーバと、公衆通信回線を通じて前記知的財産登録サーバにそれぞれ接続された権利者端末ならびに利用希望者端末と、を有する産業財産権活用システムであって、

    出願人により特許庁に出願ずみの産業財産権に関する知財情報を管理する前記知的財産登録サーバと、
    前記出願ずみの産業財産権の利用希望者が使用する端末であって同産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を申請する前記利用希望者端末と、
    前記出願人が使用する端末であって前記出願ずみの産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾を行う前記権利者端末と、
    同出願ずみの産業財産権に対する価値評価を与える評価者端末と、を備え、

    前記知的財産登録サーバは、
    前記知財情報を前記権利者端末から直接的に受信するとともに、前記特許庁が発行した受領書ならびに同特許庁の認証付出願書類を当該権利者端末から直接的に受信したことをもって同知財情報を登録する処理と、
    前記出願ずみの産業財産権に対して前記評価者端末により与えられた前記価値評価を前記知財情報に登録する処理と、
    前記価値評価を含む知財情報を前記利用希望者端末に提供する処理と、
    前記利用希望者端末から送信された利用希望情報に基づいて、前記産業財産権の利用契約条件を設定する処理と、
    前記知財情報に登録されている産業財産権の前記利用契約条件に対する売却条件を含む売却情報を前記権利者端末から受信する処理と、
    前記利用希望者端末ないしは前記権利者端末のうち売却情報を送信した権利者端末のみにより前記出願ずみの産業財産権に対して与えられた知財機密情報を前記知財情報に登録する処理と、
    同権利者端末から受信した売却情報が前記利用契約条件を充たしたときに、同売却情報に係る産業財産権の譲渡ないしはライセンス許諾に付随して特許庁への提出が必要な電子手続書類を自動作成する処理と、
    同利用契約条件の基となった利用希望情報を送信した利用希望者端末に対して、前記作成した電子手続書類へのアクセスを許可する処理と、
    を実行するように構成されたことを特徴とする、産業財産権活用システム。
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