JP2015165107A - コンプレッサハウジング - Google Patents

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JP2015165107A JP2014039953A JP2014039953A JP2015165107A JP 2015165107 A JP2015165107 A JP 2015165107A JP 2014039953 A JP2014039953 A JP 2014039953A JP 2014039953 A JP2014039953 A JP 2014039953A JP 2015165107 A JP2015165107 A JP 2015165107A
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幸一 米澤
Koichi Yonezawa
幸一 米澤
竜 大須賀
Ryu Osuga
竜 大須賀
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Abstract

【課題】凝縮水が凍結してできた氷がインペラに巻き込まれ、インペラが変形してしまうことを抑制することのできるコンプレッサハウジングを提供する。【解決手段】内燃機関の過給機におけるコンプレッサハウジング100には、インペラ4が収容されている。コンプレッサハウジング100は、収容されたインペラ4に向かって壁面の一部が隆起し、インペラ4に向けて空気を吸入する吸入口5と、インペラ4を通過した空気を送り出すスクロール通路6とを備えている。また、コンプレッサハウジング100は、吸入口5における壁面が隆起している部分と壁面が隆起していない部分との接続部分のうち、内燃機関に過給機が組み付けられた姿勢において当該コンプレッサハウジング100の鉛直方向下方に位置する部位に吸入口側開口71を有する排水孔7を備えている。そして、排水孔7はスクロール通路6へと連通している。【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の過給機に用いられるコンプレッサハウジングに関するものである。
従来、インペラを収容し、インペラに向けて空気を吸入する吸入口を備えたコンプレッサが知られている。たとえば特許文献1では、吸入口を形成する壁がインペラに近づくにつれ隆起し、吸入口がインペラに向けて縮径した構成が開示されている。
実開平1‐118129号公報
ところで、低温環境下で機関運転が停止され、コンプレッサハウジングの温度が低下すると、吸気通路内の空気に含まれる水分が凝縮して吸入口に凝縮水が生じることがある。特許文献1に示されるようなコンプレッサでは、吸入口を形成する壁が隆起しており、吸気通路の壁面の角度が途中で変化している。そのため、コンプレッサが傾いた状態で配設されていると、隆起が開始される位置、すなわち壁面が隆起している部分と隆起していない部分との接続部分であり壁面の角度が変化している部分のうち下方に位置する部分が凝縮水の受け皿になり、凝縮水がこの部分に集まって滞留することになる。さらに、こうして滞留した凝縮水は、低温環境下においては凍結することもある。凝縮水が凍結してできた氷が吸入口に存在している状態で内燃機関が運転され、コンプレッサが始動すると、空気の吸入とともにこの氷がインペラに巻き込まれ、インペラが変形する虞がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、凝縮水が凍結してできた氷がインペラに巻き込まれ、インペラが変形してしまうことを抑制することのできるコンプレッサハウジングを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するためのコンプレッサハウジングは、内燃機関の過給機においてインペラを収容するコンプレッサハウジングであり、収容された前記インペラに向かって壁面の一部が隆起しており、前記インペラに向けて空気を吸入する吸入口と、前記インペラを通過した空気を送り出すスクロール通路と、前記吸入口における前記壁面が隆起している部分と前記壁面が隆起していない部分との接続部分のうち、前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢において当該コンプレッサハウジングの鉛直方向下方に位置する部位に吸入口側開口を有し、前記スクロール通路に連通する排水孔とを備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、凝縮水が滞留しやすい部分に排水孔の吸入口側開口が設けられていることになる。そのため、吸入口の壁面を伝ってこの部分に集まる凝縮水を、排水孔を介してスクロール通路に排出することができる。すなわち上記構成によれば、インペラよりも上流側に位置する吸入口での凝縮水の滞留が抑制されるようになり、低温環境下であっても、吸入口に氷が発生しにくくなる。したがって、凝縮水が凍結してできた氷が空気の吸入とともにインペラに巻き込まれ、インペラが変形してしまうことを抑制することができる。
なお、上記のような排水孔を設けるようにすれば、凝縮水の多くは排水孔を通じてスクロール通路に排出されるようになるため、仮に壁面に付着して残存した凝縮水が凍結して氷が発生したとしても、その氷は非常に小さいものになる。すなわち、上記構成によれば、氷の発生を完全に防止することができなくても、インペラが変形してしまうことを抑制することができる。
また、上記コンプレッサハウジングにおいて、前記コンプレッサハウジングが、前記吸入口における前記壁面が隆起していない部分を構成する円筒部及び前記スクロール通路の外周側の壁面を構成するスクロール部を有するスクロール部材と、前記スクロール部材の前記円筒部に組み付けられて前記吸入口における前記壁面が隆起している部分を構成するインデューサ部及び前記スクロール通路の内周側の壁面を構成するフランジ部を有するシュラウド部材とを含み、前記排水孔が、前記シュラウド部材における前記スクロール部材と当接する面に前記吸入口から前記スクロール通路に亘って形成された溝からなる構成を採用することができる。
また、上記コンプレッサハウジングにおいて、前記コンプレッサハウジングが、前記吸入口における前記壁面が隆起していない部分を構成する円筒部及び前記スクロール通路の外周側の壁面を構成するスクロール部を有するスクロール部材と、前記スクロール部材の前記円筒部に組み付けられて前記吸入口における前記壁面が隆起している部分を構成するインデューサ部及び前記スクロール通路の内周側の壁面を構成するフランジ部を有するシュラウド部材とを含み、前記排水孔が、前記スクロール部材における前記シュラウド部材と当接する面に前記吸入口から前記スクロール通路に亘って形成された溝からなる構成を採用することもできる。
上記構成では、コンプレッサハウジングが、少なくともスクロール部材とシュラウド部材とに分割されており、これらの部材を組み合わせることによってコンプレッサハウジングが構成される。
シュラウド部材におけるスクロール部材と当接する面に吸入口からスクロール通路にまで延びる溝を形成する構成や、スクロール部材におけるシュラウド部材と当接する面に吸入口からスクロール通路にまで延びる溝を形成する構成を採用すれば、スクロール部材をシュラウド部材に組み付けることにより、排水孔が形成されるようになる。このように互いに当接する部材の当接面に溝を設けることにより排水孔を形成する構成であれば、各部材を組み合わせる前の当接面が露出した状態で溝を形成することにより、排水孔を形成するための加工を完了させることができる。そのため、排水孔を形成するための加工が容易になる。
また、上記コンプレッサハウジングでは、前記排水孔は、前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢においてスクロール通路側開口が前記吸入口側開口よりも鉛直方向下側に位置するとともに、前記スクロール通路側開口に繋がる出口部が前記スクロール通路内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜している構成を採用することができる。
上記構成によれば、排水孔におけるスクロール通路側開口に繋がる出口部がスクロール通路内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜しているため、機関運転中にスクロール通路を流れる空気が排水孔を介して吸入口へと流入しやすくなる。こうした吸入口側への空気の流入によって、スクロール通路内における空気の流れの安定化を図ることができ、サージ特性を向上させることができる。
また、上記コンプレッサハウジングでは、前記排水孔は、前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢においてスクロール通路側開口が前記吸入口側開口よりも鉛直方向下側に開口するとともに、前記スクロール通路側開口に繋がる出口部が前記スクロール通路内での空気の流れ方向下流側に向かって傾斜している構成を採用することができる。
上記構成によれば、排水孔におけるスクロール通路側開口に繋がる出口部がスクロール通路内での空気の流れ方向下流側に向かって傾斜しているため、機関運転中にスクロール通路を流れる空気が排水孔を介して吸入口へと流入しにくくなる。ところで、スクロール通路から吸入口への空気の流入量、すなわち吸入口へ逆流する空気の量が多すぎると、コンプレッサの効率が低下してしまう。そこで、上記のように出口部を空気の流れ方向下流側に傾斜させるようにすれば、スクロール通路から吸入口への空気の逆流を抑制し、コンプレッサの効率の低下を抑制することができる。
第1の実施形態にかかるコンプレッサハウジングを備えた過給機のコンプレッサ部分の構造を示す断面図。 同実施形態にかかるコンプレッサハウジングを構成するスクロール部材の斜視図。 同実施形態にかかるコンプレッサハウジングを構成するシュラウド部材の正面図。 同実施形態にかかるコンプレッサハウジングを構成するシュラウド部材の斜視図。 コンプレッサハウジングにおけるスクロール通路の模式図。 第2の実施形態にかかるコンプレッサハウジングを構成するシュラウド部材の正面図。 同実施形態にかかるコンプレッサハウジングを構成するシュラウド部材の斜視図。 排水孔の出口部がスクロール通路内を流れる空気の流れ方向上流側に向かって傾斜している状態を示す簡略図。 排水孔の出口部がスクロール通路内を流れる空気の流れ方向下流側に向かって傾斜している状態を示す簡略図。
(第1の実施形態)
以下、コンプレッサハウジングの第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、コンプレッサハウジング100は、スクロール部材1とシュラウド部材2と環状部材3とが組み合わされて構成されている。内燃機関に搭載される過給機のコンプレッサハウジング100は、インペラ4を収容する。インペラ4は回転軸41を備え、回転軸41にインペラ翼42が固定されている。
以下、インペラ4の回転軸方向を軸方向と称し、インペラ4の回転方向を周方向と称する。また、図1における矢印は鉛直方向下方を示している。本実施形態のコンプレッサハウジング100を備える過給機は図1に示すように傾けて配設される。
図2に示すように、スクロール部材1は、円筒部11とスクロール部12を有している。円筒部11は、大径部11aと小径部11bとが段差部13を介して接続された形状をなしており、円筒部11の小径部11bはコンプレッサハウジング100の吸入口5の一部を構成する。そして、スクロール部12は、スクロール通路6の外周側の壁面を構成する。また、スクロール部12には、軸方向に窪んだ係止凹部14が形成されている。なお、スクロール通路6は、周方向に螺旋状に形成される。
図3及び図4に示すように、シュラウド部材2は、円筒状に形成されたインデューサ部21を備えている。インデューサ部21の内周面21aは、インデューサ部21の先端23から基端24にかけて内周が縮径するように隆起している。また、インデューサ部21の基端24からは、フランジ部22が外方向に延設されている。
スクロール部材1とシュラウド部材2は、両者を組み付ける際に位相合わせを行う構成を備えている。シュラウド部材2のフランジ部22には、軸方向に突出した係止凸部25が形成されおり、この係止凸部25がスクロール部材1の係止凹部14と当接することにより、スクロール部材1に対するシュラウド部材2の回動が規制される。このように、本実施形態のコンプレッサハウジング100では、スクロール部材1とシュラウド部材2とを組合せる際に、スクロール部材1とシュラウド部材2との位相が固定されるようになっている。
また、スクロール部材1の円筒部11における大径部11aに、シュラウド部材2のインデューサ部21が挿入され、スクロール部材1とシュラウド部材2とが組み合わされたときに円筒部11の段差部13とインデューサ部21の先端23とが当接して軸方向の移動も規制されるようになっている。すなわち、円筒部11の段差部13はインデューサ部21の先端23を係止する係止部として機能する。
こうしてスクロール部材1とシュラウド部材2とを組み合わせることによって、図1に示すように、インデューサ部21が円筒部11の大径部11aに嵌合されると、インデューサ部21の内周面21aが吸入口5の内周面において隆起した部分を構成することになる。なお、このとき、フランジ部22は、スクロール通路6の内周側の壁面を構成するようになる。
また、環状部材3がスクロール部材1に組み付けられて、スクロール部12によって構成されるスクロール通路6の外周側の壁面に対向する壁面を構成する。
次に、本実施形態が備える排水孔7について説明する。
図3及び図4に示すように、シュラウド部材2のインデューサ部21の外周面、すなわち、スクロール部材1と組み合わされたときに円筒部11の大径部11aと当接する面には、溝26aが形成されている。溝26aは、インデューサ部21の先端23と基端24とを最短距離で結ぶように軸方向に沿って延設されている。また、溝26aは、コンプレッサハウジング100が過給機に組み付けられて車両に搭載されたときの姿勢において鉛直方向下方に位置する部位に形成されている。さらに、シュラウド部材2のフランジ部22には、スクロール部材1と当接する面に、溝26bが形成されている。溝26bは、溝26aと連通しており、フランジ部22の外周縁に向けて延設されている。
こうした溝26a及び溝26bが設けられていることにより、図1に示すようにシュラウド部材2のインデューサ部21がスクロール部材1の大径部11aに嵌合された状態において、吸入口5からスクロール通路6に亘る排水孔7が形成されることになる。
溝26aは、インデューサ部21の先端23まで延びているため、排水孔7の吸入口側開口71は、吸入口5における内周面が隆起している部分と内周面が隆起していない部分との接続部分のうち鉛直方向下方に位置する部位に存在することになる。また、排水孔7のスクロール通路側開口72は、スクロール通路6に臨むように設けられており、図1に示すように、コンプレッサハウジング100が過給機として配設される姿勢において、吸入口側開口71よりも鉛直方向下側に位置している。
また、排水孔7は、吸入口5に生じた凝縮水を排水可能に設けられる。すなわち、溝26a及び溝26bは、凝縮水が通過し得る程度の大きさに形成される。
次に、本実施形態にかかるコンプレッサハウジング100の作用について、図1を参照して説明する。
コンプレッサハウジング100では、吸入口5からインペラ4に向けて空気が吸入され、吸入された空気はスクロール通路6を通過して排出される。ところで、低温環境下で機関運転が停止され、コンプレッサハウジング100の温度が低下すると、吸気通路内の空気に含まれる水分が凝縮して吸入口5に凝縮水が生じることがある。本実施形態のように過給機が傾いた姿勢で配設されていると、吸入口5の内周面において隆起が開始される位置のうち鉛直方向下方の部分、すなわち、インデューサ部21の先端23が円筒部11の段差部13に当接する部分のうち鉛直方向下方の部分が凝縮水の受け皿になる。すると、凝縮水がこの部分に集まって滞留することになる。
この点、本実施形態では、吸入口5からスクロール通路6に亘る排水孔7を設けているため、吸入口5に発生した凝縮水はこの排水孔7を通じてスクロール通路6へと排水される。空気中から発生する凝縮水は排水孔7に随時流れ込むため、吸入口5に滞留しにくくなる。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)吸気通路内の空気に含まれる水分が凝縮して吸入口5に生じた凝縮水を、排水孔7を通じてスクロール通路6へと排水することができる。すなわち、インペラ4よりも上流側に位置する吸入口5での凝縮水の滞留が抑制されるようになり、低温環境下であっても、吸入口5に氷が発生しにくくなる。したがって、空気の吸入とともに氷がインペラ4に巻き込まれることに伴うインペラ4の変形を抑制することができる。なお、排水孔7が設けられており、凝縮水の多くは排水孔7を通じてスクロール通路6に排出されるようになるため、仮に、円筒部11の壁面に付着して残存した凝縮水が凍結して氷が発生したとしても、その氷は非常に小さいものになる。すなわち、氷の発生を完全に防止することができなくても、インペラ4の変形を抑制することができる。
(2)シュラウド部材2におけるスクロール部材1との当接面に溝26a,26bを形成することによって、排水孔7を形成することができる。つまり、各部材を組み合わせる前の露出した当接面への溝26a,26bの形成によって、排水孔7を形成するための加工を完了させることができる。そのため、排水孔7を形成するうえで、その加工が容易になる。
(第2の実施形態)
図5に示すように、機関運転中には、スクロール通路6では矢印方向に空気が流れる。このとき、スクロール通路6では下流側に向かって空気が次第に圧縮されるため、スクロール通路6内の圧力は、下流側ほど高くなる。
コンプレッサハウジング100は、図5に示されるような姿勢で配設され、スクロール通路6の出口6aが鉛直方向上端に設けられている。
上述したようにスクロール通路6内の圧力は下流側ほど高圧であるため、排水孔7のスクロール通路側開口72をスクロール通路6の出口6aに近い下流側に設けるほど圧力の高い部分にスクロール通路側開口72が設けられることになる。その結果、スクロール通路6内の圧力と吸入口5内の圧力との差によって排水孔7を通じてスクロール通路6から吸入口5へと空気が流れ込みやすくなる。すなわち、この場合には、排水孔7を通じてスクロール通路6から吸入口5への空気の逆流が生じやすくなる。一方、スクロール通路側開口72をスクロール通路6の出口6aから離れた上流側に設けるほど、圧力の低い部分にスクロール通路側開口72が設けられることになる。その結果、空気の逆流が抑制されるようになる。
なお、コンプレッサでは、スクロール通路6から吸入口5へ適量の空気を逆流させることにより、サージ特性を向上させることができる。しかし、スクロール通路6から吸入口5へと逆流する空気の量が多すぎる場合には、コンプレッサの効率が低下してしまう。
そこで、第2の実施形態のコンプレッサハウジング100では、こうしたスクロール通路側開口72の配設位置の違いによる排水孔7を通じた空気の逆流の生じやすさの変化を考慮してスクロール通路側開口72の配設位置を設定している。
図6及び図7を用いて、コンプレッサハウジング100の第2の実施形態について説明する。
本実施形態のコンプレッサハウジング100では、第1の実施形態のコンプレッサハウジング100と比較してスクロール通路側開口72をスクロール通路6における空気の流れ方向上流側にずらした位置に設けるようにしている。
具体的には、図6に示すように、本実施形態のコンプレッサハウジング100におけるシュラウド部材2では、溝26aはコンプレッサハウジング100が過給機に組み付けられて車両に搭載されたときの姿勢において鉛直方向下方に位置する部位に形成されている。これに対して、溝26bは、上述したように排水孔7を通じた空気の逆流の生じやすさを考慮して、鉛直方向下方に位置する部位から空気の流れ方向上流側にずれた部位に配設されている。
なお、サージ特性とコンプレッサ効率の両立を図ることのできるスクロール通路側開口72の配設位置の範囲は、実験やシミュレーションを行うことによって割り出すことができる。本実施形態では、サージ特性とコンプレッサ効率の両立を図ることのできるスクロール通路側開口72の配設位置の範囲が、図6に示されるように鉛直方向下方に位置する部位から空気の流れ方向上流側に30°までの範囲であることを割り出し、スクロール通路側開口72がこの範囲内に位置するように、溝26bの配設位置を設定している。
そして、図6及び図7に示すように、本実施形態のシュラウド部材2では、溝26aと溝26bとを連通する周方向に延びる溝26cを新たに設け、これらの溝26a,26b,26cによって排水孔7を構成している。その他の構成は、上記第1の実施形態と共通であるため同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
次に、本実施形態にかかるコンプレッサハウジング100の作用について説明する。
吸入口5からスクロール通路6に亘る排水孔7を設けているため、吸入口5に発生した凝縮水はこの排水孔7を通じてスクロール通路6へと排水される。空気中から発生する凝縮水は排水孔7に随時流れ込むため、吸入口5に滞留しにくくなる。
また、スクロール通路側開口72を、過給機に組み付けられるコンプレッサハウジング100が車両に搭載されるときの姿勢における鉛直方向下方に位置する部位から空気の流れ方向上流側に30°以内の範囲に設けたことによって、機関運転中に、スクロール通路6から吸入口5への空気の逆流が発生するものの、過度な逆流は抑制されるようになる。
以上説明した第2の実施形態によれば、上記(1),(2)に加え、以下の効果が得られるようになる。
(3)機関運転中に、スクロール通路6を流れる空気が排水孔7を介して吸入口5へと流入するものの、過度な逆流は抑制される。そのため、こうした吸入口5側への空気の流入によって、スクロール通路6内における空気の流れの安定化を図り、サージ特性を向上させることができるとともに、過度の逆流によるコンプレッサ効率の低下も抑制することができる。
なお、上記第2の実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記構成では、溝26aと溝26bと連通する溝26cを新たに設けることでスクロール通路側開口72を空気の流れ方向上流側に設ける構成を例示したが、溝26cを設けることなく、溝26aを斜めに形成して溝26bに連通させ、スクロール通路側開口72を空気の流れ方向上流側に設けるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、図8を用いてコンプレッサハウジング100の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、図8に示すように、排水孔7におけるスクロール通路側開口72に繋がる出口部73がスクロール通路6内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜している。その他の構成は、上記第1の実施形態と共通であるため同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
こうした構成は、シュラウド部材2のフランジ部22に形成される溝26bを溝26aと連通する部分からスクロール通路側開口72を構成する端部に向かって空気の流れ方向上流側に傾斜させて設けることにより実現することができる。
次に、本実施形態にかかるコンプレッサハウジング100の作用について、図8を参照して説明する。
吸入口5からスクロール通路6に亘る排水孔7を設けているため、吸入口5に発生した凝縮水はこの排水孔7を通じてスクロール通路6へと排水される。空気中から発生する凝縮水は排水孔7に随時流れ込むため、吸入口5に滞留しにくくなる。
また、上述したように、機関運転中には、スクロール通路6内における空気は矢印方向に流れるが、出口部73がスクロール通路6内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜しているために、スクロール通路6を流れる空気が出口部73から排水孔7内に入り込みやすくなる。そのため、スクロール通路6から吸入口5への空気の逆流が生じやすくなる。
以上説明した第3の実施形態によれば、上記(1),(2)に加え、以下の効果が得られるようになる。
(4)排水孔7におけるスクロール通路側開口72に繋がる出口部73がスクロール通路6内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜しているため、機関運転中にスクロール通路6を流れる空気が排水孔7を介して吸入口5へと流入しやすくなる。そのため、こうした吸入口5側への空気の流入によって、スクロール通路6内における空気の流れの安定化を図ることができ、サージ特性を向上させることができる。
その他、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施形態ではシュラウド部材2に溝を設けて排水孔7を形成する構成を例示したが、スクロール部材1に溝を設けて排水孔7を形成してもよい。また、シュラウド部材2及びスクロール部材1の両方に溝を設けて排水孔7を形成してもよい。
これらのいずれの構成であっても、スクロール部材1とシュラウド部材2とを組み合わせる前の各部材の当接面が露出した状態で排水孔7を形成するための加工を完了させることができる。そのため、上記各実施形態と同様に、容易な加工によって排水孔7を形成することができる。
・溝26a及び溝26bは、凝縮水の通過を許容する大きさであればよい。また、上記各実施形態では溝26a及び溝26bを同一の大きさにしていたが、それぞれの大きさが異なっていてもよい。
・上記第2の実施形態と第3の実施形態を適宜組み合わせてもよい。つまり、スクロール通路側開口72を上流側にずらして設けるとともに、出口部73を空気の流れ方向上流側に傾斜させてもよい。
・第3の実施形態では、排水孔7におけるスクロール通路側開口72に繋がる出口部73をスクロール通路6内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜させた構成を示したが、図9に示すように、出口部73をスクロール通路6内での空気の流れ方向下流側に向かって傾斜させる構成を採用することもできる。
出口部73を下流側に傾斜させた場合には、第3の実施形態の場合とは反対に、スクロール通路6内を流れる空気が、排水孔7内に入り込みにくくなる。そのため、スクロール通路6から吸入口5への空気の逆流を抑制し、コンプレッサ効率の低下を抑制することができる。
また、このように出口部73を下流側に傾斜させる構成を上記第2の実施形態の構成と組み合わせてもよい。つまり、スクロール通路側開口72を上流側にずらして設けるとともに、出口部73を空気の流れ方向下流側に傾斜させてもよい。
・上記各実施形態では、コンプレッサハウジング100がスクロール部材1とシュラウド部材2と環状部材3とを組み合わせることによって構成される例を示したが、コンプレッサハウジング100は、鋳造によって一体成型したものでもよい。一体成型したものであっても、鋳造後の加工や、鋳造時に中子を用いることによって排水孔7を形成することができる。
1…スクロール部材、2…シュラウド部材、4…インペラ、5…吸入口、6…スクロール通路、7…排水孔、11…円筒部、12…スクロール部、21…インデューサ部、22…フランジ部、26a,26b,26c…溝、71…吸入口側開口、72…スクロール通路側開口、73…出口部、100…コンプレッサハウジング。

Claims (5)

  1. 内燃機関の過給機においてインペラを収容するコンプレッサハウジングであり、
    収容された前記インペラに向かって壁面の一部が隆起しており、前記インペラに向けて空気を吸入する吸入口と、
    前記インペラを通過した空気を送り出すスクロール通路と、
    前記吸入口における前記壁面が隆起している部分と前記壁面が隆起していない部分との接続部分のうち、前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢において当該コンプレッサハウジングの鉛直方向下方に位置する部位に吸入口側開口を有し、前記スクロール通路に連通する排水孔と、
    を備えるコンプレッサハウジング。
  2. 前記コンプレッサハウジングが、
    前記吸入口における前記壁面が隆起していない部分を構成する円筒部及び前記スクロール通路の外周側の壁面を構成するスクロール部を有するスクロール部材と、
    前記スクロール部材の前記円筒部に組み付けられて前記吸入口における前記壁面が隆起している部分を構成するインデューサ部及び前記スクロール通路の内周側の壁面を構成するフランジ部を有するシュラウド部材と、
    を含み、
    前記排水孔が、前記シュラウド部材における前記スクロール部材と当接する面に前記吸入口から前記スクロール通路に亘って形成された溝からなる
    請求項1に記載のコンプレッサハウジング。
  3. 前記コンプレッサハウジングが、
    前記吸入口における前記壁面が隆起していない部分を構成する円筒部及び前記スクロール通路の外周側の壁面を構成するスクロール部を有するスクロール部材と、
    前記スクロール部材の前記円筒部に組み付けられて前記吸入口における前記壁面が隆起している部分を構成するインデューサ部及び前記スクロール通路の内周側の壁面を構成するフランジ部を有するシュラウド部材と、
    を含み、
    前記排水孔が、前記スクロール部材における前記シュラウド部材と当接する面に前記吸入口から前記スクロール通路に亘って形成された溝からなる
    請求項1に記載のコンプレッサハウジング。
  4. 前記排水孔は、
    前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢においてスクロール通路側開口が前記吸入口側開口よりも鉛直方向下側に位置するとともに、
    前記スクロール通路側開口に繋がる出口部が前記スクロール通路内での空気の流れ方向上流側に向かって傾斜している
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンプレッサハウジング。
  5. 前記排水孔は、
    前記内燃機関に前記過給機が組み付けられた姿勢においてスクロール通路側開口が前記吸入口側開口よりも鉛直方向下側に開口するとともに、
    前記スクロール通路側開口に繋がる出口部が前記スクロール通路内での空気の流れ方向下流側に向かって傾斜している
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンプレッサハウジング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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