次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る非接触給電装置を、電気自動車やハイブリッド車に搭載されたメインバッテリに非接触で送電する非接触給電装置に適用した例を示す。
(第1実施形態)
まず、図1〜図18を参照して第1実施形態の非接触給電装置の構成について説明する。なお、図中における前後方向、左右方向及び上下方向は、車両における方向を示すものである。
図1に示すように、電気自動車やハイブリッド車は、モータジェネレータMGと、メインバッテリB1と、インバータ回路INVと、補機Sと、補機バッテリB2と、DC/DCコンバータ回路CNVと、制御器CNTとを備えている。
モータジェネレータMGは、3相交流を供給することでモータとして動作し、車両の走行のための駆動力を発生する機器である。また、車両の減速時において、外部からの駆動力によって回転することでジェネレータとして動作し、3相交流を発生する機器でもある。
メインバッテリB1は、直流高電圧を出力する充放電可能な電源である。
インバータ回路INVは、モータジェネレータMGがモータとして動作するとき、メインバッテリB1の出力する直流を3相交流に変換してモータジェネレータMGに供給する回路である。また、モータジェネレータMGがジェネレータとして動作するとき、モータジェネレータMGの出力する3相交流を直流に変換してメインバッテリB1に供給する回路でもある。
補機Sは、直流低電圧を供給することで動作するワイパー装置や電動パワーステアリング装置等の周辺装置である。
補機バッテリB2は、直流低電圧を出力する充放電可能な電源である。
DC/DCコンバータ回路CNVは、メインバッテリB1の出力する直流高電圧を直流低電圧に変換して補機バッテリB2及び補機Sに供給する回路である。
制御器CNTは、メインバッテリB1、補機バッテリB2、モータジェネレータMGに関する情報に基づいてインバータ回路INV、DC/DCコンバータ回路CNV及び補機Sを制御する装置である。
非接触給電装置1は、車両の外部に設置された外部電源PSから車両に搭載されたメインバッテリB1に非接触で電力を供給し、メインバッテリB1を充電する装置である。非接触給電装置1は、送電側パッド10(給電パッド)と、送電回路11と、受電側パッド12と、受電回路13とを備えている。
送電側パッド10は、駐車スペース内に車両を駐車したときに車両の底部に設置された受電側パッド12と対向する駐車スペース内の地表面の所定位置に設置され、電流が流れることで磁束を発生する装置である。図2〜図5に示すように、送電側パッド10は、コア100(給電用コア)と、コイル101、102(給電用コイル)とを備えている。
ここで、図3は、図2のA−A矢視断面図である。図4は、図2のB−B矢視断面図である。図5は、図2のC−C矢視断面図である。
コア100は、磁性材からなり、磁路を構成する直方体状の部材である。具体的には、フェライトやダストコアからなる部材である。
コイル101、102は、導線を巻いて構成され、電流が流れることで磁束を発生する略矩形環状の部材である。コイル101、102は、コア100の上面に、自らの軸心方向を上下方向にした状態で、前後方向に隣接して配置され、コア100を磁路として用いている。ここで、コイル101、102の軸心方向とは、環状のコイル101、102の軸心を通り、かつ、環状のコイル101、102によって囲まれた内側平面に対する法線方向のことである。なお、軸心方向は、環状のコイル101、102の重心点を通る。図6に示すように、コイル101、102に電流が流れると、図7〜図9に示すように、磁束が発生する。逆方向の電流が流れると、逆方向の磁束が発生する。ここで、図7〜図9は、送電側パッドの磁束の流れを説明するための図3〜図5の矢視断面図に対応した説明図である。
図1に示す送電回路11は、受電回路13との間で無線通信によって情報を送受信し、受信した情報に基づいて外部電源PSの出力を高周波の交流に変換し、送電側パッド10に供給する回路である。図10に示すように、送電回路11は、電力変換回路110と、フィルタ回路111と、共振用コンデンサ112とを備え、車両の外部に設置されている。
電力変換回路110は、外部電源PSの出力を高周波の交流に変換し出力する回路である。電力変換回路110の入力端は外部電源PSに、出力端はフィルタ回路111及び送電側パッド10に接続されている。
フィルタ回路111は、電力変換回路110から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する回路である。フィルタ回路111は、インダクタコイル1110と、コンデンサ1111とを備えている。
図11〜図13に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図13は、図11のD−D矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を前後方向にした状態でコア100の前面に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を前後方向にした状態でコア100の後面に配置されている。ここで、軸心方向とは、環状のコイルCOIL1、COIL2の軸心を通り、かつ、環状のコイルCOIL1、COIL2によって囲まれた内側平面に対する法線方向のことである。なお、軸心方向は、環状のコイルCOIL1、COIL2の重心点を通る。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図14及び図15に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図16に示すような磁束が発生する。ここで、図16は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図13の矢視断面図に対応した説明図である。
図6に示すように、コイル101、102に電流が流れ、図7〜図9に示すように、磁束が発生すると、図17に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図17は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図18に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図14に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
図10に示すように、インダクタコイル1110及びコンデンサ1111は直列接続されている。インダクタコイル1110の一端は電力変換回路110の出力端に、コンデンサ1111の一端は送電側パッド10に接続されている。
共振用コンデンサ112は、送電側パッド10のコイル101、102とともに共振回路を構成する回路である。共振用コンデンサ112は送電側パッド10に並列接続されている。
図1に示す受電側パッド12は、車両の底部に設置され、駐車スペースに車両を駐車したときに、上下方向に間隔をあけて送電側パッド10と対向して配置され、送電側パッド10の発生した交番磁束が鎖交することで電磁誘導によって交流を発生する装置である。受電側パッド12は、コアと、コイルとを備えている。受電側パッド12は、送電側パッド10と同一構成であり、上下逆向きに設置されている。
受電回路13は、送電回路11との間で無線通信によって情報を送受信し、受信した情報に基づいて受電側パッド12から供給される交流を直流に変換してメインバッテリB1を充電する回路である。図10に示すように、受電回路13は、共振用コンデンサ130と、フィルタ回路131と、電力変換回路132とを備えている。
共振用コンデンサ130は、受電側パッド12のコイルとともに共振回路を構成する
回路である。共振用コンデンサ130は、受電側パッド12に並列接続されている。
フィルタ回路131は、共振用コンデンサ130の接続された受電側パッド12から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する回路である。フィルタ回路131は、コンデンサ1310と、インダクタコイル1311とを備えている。
インダクタコイル1311は、インダクタコイル1110と同一構成であり、受電側パッド12のコアに設けられ、コアを磁路として用いている。そのため、インダクタコイル1110と同様に、受電側パッド12のコイルの発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
コンデンサ1310及びインダクタコイル1311は直列接続されている。コンデンサ1310の一端は受電側パッド12に、インダクタコイル1311の一端は電力変換回路132に接続されている。
電力変換回路132は、フィルタ回路131を介して供給される交流を直流に変換してメインバッテリB1に供給する回路である。電力変換回路132の入力端はフィルタ回路131及び受電側パッド12に、出力端はメインバッテリB1に接続されている。
次に、図1及び図10を参照して非接触給電装置の動作について説明する。
図1に示すように、駐車スペースに車両を駐車すると、送電側パッド10と受電側パッド12が上下方向に所定の間隔をあけて対向する。この状態で充電開始ボタン(図略)が押され、充電の開始が指示されると、送電回路11と受電回路13は、無線通信によって情報を送受信する。
図10に示す電力変換回路110は、外部電源PSの出力を高周波の交流に変換し出力する。フィルタ回路111は、電力変換回路110から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する。共振用コンデンサ112の接続された送電側パッド10は、フィルタ回路111介して交流が供給されることで交番磁束を発生する。
送電側パッド10の発生した磁束は、図17に示すように、コア100の内部及び周辺を流れる。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図18に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図14に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。これにより、フィルタ回路111の特性を確保することができる。
共振用コンデンサ130の接続された受電側パッド12は、送電側パッド10の発生した交番磁束と鎖交することで電磁誘導によって交流を発生する。フィルタ回路131は、共振用コンデンサ130の接続された受電側パッド12から供給される交流に含まれる所定の周波数成分を除去する。
受電側パッド12の発生した磁束は、コアの内部及び周辺を流れる。しかし、インダクタコイル1311は、インダクタコイル1110と同一構成である。そのため、受電側パッド12のコイルの発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、受電側パッド12のコイルの発生した磁束の影響を極力抑えることができる。これにより、フィルタ回路131の特性を確保することができる。
電力変換回路132は、フィルタ回路131を介して供給される交流を直流に変換してメインバッテリB1に供給する。このようにして、外部電源PSからメインバッテリB1に非接触で電力を供給し、メインバッテリB1を充電することができる。
次に、第1実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。
第1実施形態によれば、フィルタ回路11のインダクタコイル1110は、フィルタ回路11が接続される送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路して用いている。つまり、インダクタコイル1110の磁路を構成するコアとして送電側パッド10のコア100を利用している。そのため、変圧器を備えていない場合であっても適用できる。また、コアを有するインダクタコイルを別途設ける場合に比べ、非接触給電装置1を小型化することができる。しかも、インダクタコイル1110は、2つのコイルCOIL1、COIL2からなり、送電側パッド10のコイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うようにコイルCOIL1、COIL2を配線して構成されている。そのため、インダクタコイル1110とコイル101、102の結合係数がほぼ0になり、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。従って、フィルタ回路111の特性を確保することができる。
第1実施形態によれば、インダクタコイル1110は、コア100の表面に設けられている。そのため、コアを有するインダクタコイルを容易に構成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の非接触給電装置について説明する。第2実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図19〜図26を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図19〜図21に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図21は、図19のE−E矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前面であって、左右方向の中央部より左側に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の後面であって、左右方向の中央部より左側に配置されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図22及び図23に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図24に示すような磁束が発生する。ここで、図24は、インダクタコイル1110の磁束の流れを説明するための図21の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図25に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図25は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図26に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図22に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第2実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の非接触給電装置について説明する。第3実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図27〜図32を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図27及び図28に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図28は、図27のF−F矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を上下方向にした状態で、コア100の上面であって、前後方向の中央部より前方側に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を上下方向にした状態で、コア100の上面であって、前後方向の中央部より後方側に配置されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図29に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図30に示すような磁束が発生する。ここで、図30は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図28の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図31に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図31は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図31に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図29に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第3実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の非接触給電装置について説明する。第4実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図33〜図43を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図33〜図36に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図35は、図33のG−G矢視断面図である。図36は、図33のH−H矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を左右方向にした状態で、コア100の左側面であって、前後方向の中央部より前側に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を左右方向にした状態で、コア100の左側面であって、前後方向の中央部より後側に配置されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図37及び図38に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図39及び図40に示すような磁束が発生する。ここで、図39及び図40は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図35及び図36の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図41及び図42に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図41及び図42は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図43に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図38に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第4実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の非接触給電装置について説明する。第5実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図44〜図54を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図44〜図47に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図47は、図44のI−I矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を左右方向にした状態で、コア100の左側面であって、前後方向の中央部より後側に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を左右方向にした状態で、コア100の右側面であって、前後方向の中央部より後側に配置されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図48〜図50に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図51に示すような磁束が発生する。ここで、図51は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図47の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図52に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図52は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図53及び図54に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図49及び図50に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第5実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の非接触給電装置について説明する。第6実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図55〜図61を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図55〜図57に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図57は、図55のJ−J矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前後方向の中央部近傍であって、上下方向の中央部より上側に埋設されている。コイルCOIL1の略四角柱状の軸心部1110aは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前後方向の中央部近傍であって、上下方向の中央部より下側にコイルCOIL1に隣接して埋設されている。コイルCOIL2の略四角柱状の軸心部1110bは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。ここで、軸心部1110a、1110bとは、環状のコイルCOIL、COIL2によって囲まれた内側部分であって、軸心方向に延在する柱状部分のことである。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図58に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図59に示すような磁束が発生する。ここで、図59は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図57の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図60に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図60は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図61に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図58に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第6実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。
第6実施形態によれば、第1実施形態と同様に、コアを有するインダクタコイルを別途設ける場合に比べ、非接触給電装置1を小型化することができる。また、フィルタ回路111の特性を確保することができる。
第6実施形態によれば、インダクタコイル1110は、コア100に埋設されている。そのため、インダクタコイル1110の発生した磁束がコア100の外部に漏れにくい。つまり、インダクタコイル1110の発生した磁束がコア100の上面に配置されているコイル101、102を鎖交することはほとんどない。従って、インダクタコイル1110の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の非接触給電装置について説明する。第7実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図62〜図68を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図62〜図64に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図64は、図62のK−K矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前後方向の中央部よりやや後方であって、上下方向の中央部より上側に埋設されている。コイルCOIL1の略四角柱状の軸心部1110aは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前後方向の中央部よりやや後方であって、上下方向の中央部より下側にコイルCOIL1に隣接して埋設されている。コイルCOIL2の略四角柱状の軸心部1110bは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図65に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図66に示すような磁束が発生する。ここで、図66は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図64の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図67に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図67は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図68に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図65に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。 次に、第7実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第7実施形態によれば、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態の非接触給電装置について説明する。第8実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図69〜図74を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図69及び図70に示すように、インダクタコイル1110は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図70は、図69のL−L矢視断面図である。インダクタコイル1110は、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。
コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を上下方向にした状態で、コア100の上下方向の中央部近傍であって、前後方向の中央部より前側に埋設されている。コイルCOIL1の略四角柱状の軸心部1110aは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を上下方向にした状態で、コア100の上下方向の中央部近傍であって、前後方向の中央部より後側にコイルCOIL1に隣接して埋設されている。コイルCOIL2の略四角柱状の軸心部1110bは、空気層ではなく、コア100の磁性材によって構成されている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図71に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図72に示すような磁束が発生する。ここで、図72は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図70の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図73に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図73は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図74に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図71に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態の非接触給電装置について説明する。第9実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、送電側パッド及び受電側パッドのコイルの構成だけを変更したものである。送電側パッド及び受電側パッドのコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図75〜図80を参照して送電側パッド及び受電側パッドのコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図75〜図77に示すように、送電側パッド10は、コア100と、コイル103(給電用コイル)とを備えている。ここで、図77は、図75のM−M矢視断面図である。
コイル103は、導線を巻いて構成され、電流が流れることで磁束を発生する略矩形環状の部材である。コイル103は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コア100の前後方向の中央部近傍に、コア100の上下面及び左右側面に沿って配置され、コア100を磁路として用いている。図78及び図79に示すように、コイル103に電流が流れると、図80に示すように、磁束が発生する。逆方向の電流が流れると、逆方向の磁束が発生する。ここで、図80は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。
受電側パッド12は、送電側パッド10と同一構成であり、上下逆向きに設置されている。
コイル103に電流が流れ、磁束が発生すると、図80に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。その結果、第1実施形態と同様に、コイルCOIL1、COIL2に、図18に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図14に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル103の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル103の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第9実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第9実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態の非接触給電装置について説明する。第10実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、送電側パッド及び受電側パッドのコイルの構成を変更するとともに、それに伴ってインダクタコイルの配線を変更したものである。送電側パッド及び受電側パッドのコイル、並びに、インダクタコイルの配線以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図81〜図89を参照して送電側パッド及び受電側パッドのコイルの構成、インダクタコイルの配線についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図81及び図82に示すように、送電側パッド10は、コア100と、コイル104(給電用コイル)とを備えている。ここで、図82は、図81のN−N矢視断面図である。
コイル104は、導線を巻いて構成され、電流が流れることで磁束を発生する略矩形環状の部材である。コイル104は、コア100の上面の前後方向及び左右方向の中央部近傍に、自らの軸心方向を上下方向にした状態で配置され、コア100を磁路として用いている。図83に示すように、コイル104に電流が流れると、図84に示すように、磁束が発生する。逆方向の電流が流れると、逆方向の磁束が発生する。ここで、図84は、送電側パッドの電流の流れを説明するための図82の矢視断面図に対応した説明図である。
受電側パッド12は、送電側パッド10と同一構成であり、上下逆向きに設置されている。
図85〜図87に示すように、インダクタコイル1110は、第1実施形態と同様に、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成され配置されている。しかし、コイル104の発生する磁束の流れが、第1実施形態のコイル101、102の発生する磁束の流れと異なるため、コイルCOIL1、COIL2の配線が異なっている。ここで、図87は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図13の矢視断面図に対応した説明図である。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図85及び図86に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図87に示すような磁束が発生する。
コイル104に電流が流れ、磁束が発生すると、図88に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図88は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図89に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図85に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル104の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル104の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第10実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第10実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態の非接触給電装置について説明する。第11実施形態の非接触給電装置は、第10実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第10実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図90〜図94を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第10実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図90〜図92に示すように、インダクタコイル1110は、第2実施形態と同様に、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成され配置されている。しかし、コイル104の発生する磁束の流れが、第2実施形態のコイル101、102の発生する磁束の流れと異なるため、コイルCOIL1、COIL2の配線が異なっている。
ここで、図92は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図21の矢視断面図に対応した説明図である。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図90及び図91に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図92に示すような磁束が発生する。
コイル104に電流が流れ、磁束が発生すると、図93に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図93は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図94に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図90に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル104の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル104の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第11実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第11実施形態によれば、第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態の非接触給電装置について説明する。第12実施形態の非接触給電装置は、第10実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第10実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図95〜図98を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第10実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図95及び図96に示すように、インダクタコイル1110は、第3実施形態と同様に、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成され配置されている。しかし、コイル104の発生する磁束の流れが、第3実施形態のコイル101、102の発生する磁束の流れと異なるため、コイルCOIL1、COIL2の配線が異なっている。ここで、図96は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図28に対応した説明図である。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図95に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図96に示すような磁束が発生する。
コイル104に電流が流れ、磁束が発生すると、図97に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図97は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図98に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図95に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル104の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル104の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第12実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第12実施形態によれば、第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第13実施形態)
次に、第13実施形態の非接触給電装置について説明する。第13実施形態の非接触給電装置は、第10実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第10実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図99〜図105を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第10実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図99〜図102に示すように、インダクタコイル1110は、第4実施形態と同様に、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成され配置されている。しかし、コイル104の発生する磁束の流れが、第4実施形態のコイル101、102の発生する磁束の流れと異なるため、コイルCOIL1、COIL2の配線が異なっている。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図99及び図100に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図101及び図102に示すような磁束が発生する。ここで、図101及び図102は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図35及び図36の矢視断面図に対応した説明図である。
コイル104に電流が流れ、磁束が発生すると、図103及び図104に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図103及び図104は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図105に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図100に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル104の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル104の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第13実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第13実施形態によれば、第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14実施形態)
次に、第14実施形態の非接触給電装置について説明する。第14実施形態の非接触給電装置は、第10実施形態の非接触給電装置に対して、インダクタコイルの形状及び配置だけを変更したものである。インダクタコイル以外は、第10実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図106〜図109を参照してインダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第10実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図106及び図107に示すように、インダクタコイル1110は、第8実施形態と同様に、略矩形環状の2つのコイルCOIL1、COIL2によって構成され配置されている。しかし、コイル104の発生する磁束の流れが、第8実施形態のコイル101、102の発生する磁束の流れと異なるため、コイルCOIL1、COIL2の配線が異なっている。ここで、図107は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図70の矢視断面図に対応した説明図である。インダクタコイル1110に電流が流れた場合、図106に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されている。この場合、図107に示すような磁束が発生する。
コイル104に電流が流れ、磁束が発生すると、図108に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図108は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2に、図109に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2は、図106に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル104の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル104の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
インダクタコイル1311も、インダクタコイル1110と同一構成である。
次に、第14実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。第14実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第15実施形態)
次に、第15実施形態の非接触給電装置について説明する。第15実施形態の非接触給電装置は、第1実施形態の非接触給電装置に対して、フィルタ回路の構成を変更するとともに、それに伴ってインダクタコイルの構成を変更したものである。フィルタ回路及びインダクタコイル以外は、第1実施形態の非接触給電装置と同一である。そのため、図110〜図116を参照してフィルタ回路の構成、及び、インダクタコイルの構成についてのみ説明し、動作については説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の構成要素は、同一の符号を付し説明を省略する。
図110に示すように、フィルタ回路111は、インダクタコイル1110、1112と、コンデンサ1111、1113とを備えている。
図111及び図112に示すように、インダクタコイル1110、1112は、導線を巻いて構成される略矩形環状の素子である。ここで、図112は、図111のO−O矢視断面図である。そして、送電側パッド10のコア100に設けられ、コア100を磁路として用いている。インダクタコイル1110は、略矩形環状のコイルCOIL1、COIL2によって構成されている。インダクタコイル1112は、略矩形環状のコイルCOIL3、COIL4によって構成されている。インダクタコイル1110、1112は、フィルタ回路111に電流が流れた場合に発生する磁束が互いに打消し合わないように配線されている。また、コイルCOIL1、COIL2は、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL3、COIL4も、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されている。コイルCOIL1は、自らの軸心方向を前後方向にした状態でコア100の前面に配置されている。コイルCOIL2は、自らの軸心方向を前後方向にした状態でコア100の後面に配置されている。コイルCOIL3は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コイルCOIL1の前側にコイルCOIL1に隣接して配置されている。コイルCOIL4は、自らの軸心方向を前後方向にした状態で、コイルCOIL2の後側にコイルCOIL2に隣接して配置されている。フィルタ回路111に電流が流れた場合、図113に示すような電流が流れるようにコイルCOIL1、COIL2が配線されるとともに、コイルCOIL3、COIL4が配線されている。この場合、図114に示すような磁束が発生する。ここで、図114は、インダクタコイルの磁束の流れを説明するための図112の矢視断面図に対応した説明図である。そのため、コイルCOIL1の軸心部1110aにおける磁束と、コイルCOIL3の軸心部1112aにおける磁束が同一方向になるとともに、コイルCOIL2の軸心部1110bにおける磁束と、コイルCOIL4の軸心部1112bにおける磁束が同一方向になる。従って、インダクタコイル1110の発生した磁束とインダクタコイル1112の発生した磁束が互いに打消し合うようなことはない。
コイル101、102に電流が流れ、磁束が発生すると、図115に示すように、コア100の内部及び周辺に磁束が流れる。ここで、図115は、送電側パッド及びインダクタコイルの磁束の流れを説明するための説明図である。その結果、コイルCOIL1、COIL2及びコイルCOIL3、COIL4に、図116に示すような電流が誘起される。しかし、コイルCOIL1、COIL2及びコイルCOIL3、COIL4は、図113に示すような電流が流れるように配線されている。そのため、コイル101、102の発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うことになる。従って、コイル101、102の発生した磁束の影響を極力抑えることができる。
次に、第15実施形態の非接触給電装置の効果について説明する。
第15実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第15実施形態によれば、1つのコア100に2つのインダクタコイル1110、1112が設けられている。そのため、コアを有する2つのインダクタコイルを別途設ける場合に比べ、非接触給電装置1をより小型化することができる。
第15実施形態によれば、インダクタコイル1110、1112は、互いに隣接して配置されている。そのため、コア100の体格が大きくなるような事態を抑えることができる。
第15実施形態によれば、インダクタコイル1110、1112は、フィルタ回路111に電流が流れた場合に発生する磁束が互いに打消し合わないように配線されている。そのため、フィルタ回路111の特性を確保することができる。
なお、第1〜第15実施形態では、送電回路側のフィルタ回路のインダクタコイルが送電側パッドのコアを磁路として用いるとともに、受電回路側のフィルタ回路のインダクタコイルが受電側パッドのコアを磁路として用いる例を挙げているが、これに限られるものではない。少なくともいずれかのフィルタ回路のインダクタコイルが、そのフィルタ回路が接続されるパッドのコアを磁路として用いていればよい。
第1〜第15実施形態では、インダクタコイルが2つのコイルによって構成される例を挙げているが、これに限られるものではない。インダクタコイルは、3つ以上のコイルによって構成されていてもよい。送電側パッドのコイルの発生した磁束によって誘起される電流が互いに打消し合うように配線されていればよい。
第1〜第15実施形態では、共振用コンデンサが、送電側パッド及び受電側パッドにそれぞれ並列接続されている例を挙げているが、これに限られるものではない。共振用コンデンサは、送電側パッド及び受電側パッドにそれぞれ直列接続されていてもよい。
第1〜第15実施形態では、フィルタ回路が、直列接続されたインダクタコイル及びコンデンサによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。フィルタ回路は、それ以外の構成であってもよい。インダクタコイルを有していればよい。
第1〜第15実施形態では、送電側パッド及び受電側パッドのコイル、並びに、インダクタコイルが、略矩形環状である例を挙げているが、これに限られるものではない。送電側パッドや受電側パッドのコイル、インダクタコイルは、円環状や半円環状であってもよい。環状であればよい。
第1〜第15実施形態では、コアが直方体状である例を挙げているが、これに限られるものではない。コアは、円柱状であってもよい。磁路を構成できる形状であればよい。コイルの軸心部がコアの磁性材によって構成されるようにしてもよい。
第1〜第15実施形態では、コアがフェライトやダストコアによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。硅素鋼板や板状のアモルファスを板厚方向に積層することによって構成されていてもよい。その場合、インダクタコイルの発生する磁束が積層方向と直交するようにコアを埋設するとよい。図117に示すように、板状の磁性材100aを板厚方向に積層してコア100を構成し、インダクタコイル1110に電流が流れた場合に積層方向と直交する磁束を発生する部分だけをコア100に埋設し、積層方向の磁束を発生する部分は、コア100の外部に配置すればよい。
第3実施形態では、インダクタコイル1110を構成するコイルCOIL1、COIL2が送電側パッド10のコイル101、102と同一形状であり、コイル101、102のすぐ下に配置される例を挙げているが、これに限られるものではない。インダクタコイル1110を構成するコイルCOIL1、COIL2は、送電側パッド10のコイル101、102と異なる形状であってもよい。また、送電側パッド10のコイル101、102のすぐ上に配置されていてもよいし、コア100の下面に配置されていてもよい。
第7実施形態では、インダクタコイル1110を構成するコイルCOIL1、COIL2が自らの軸心方向を前後方向にした状態で、第8実施形態では、インダクタコイル1110を構成するコイルCOIL1、COIL2が自らの軸心方向を上下方向にした状態で、コア100に埋設されている例を挙げているが、これに限られるものではない。自らの軸心方向を左右方向にした状態で、コア100に埋設されていてもよい。
第9実施形態では、インダクタコイルの構成が第1実施形態と同一である例を挙げているが、これに限られるものではない。インダクタコイルの構成は、第2〜第8実施形態と同一であってもよい。いずれの構成と組合せても第2〜第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
第10〜第14実施形態では、コイル104を備えた送電側パッド10に、様々な構成のインダクタコイルを組合せた例を挙げているが、これに限られるものではない。インダクタコイルの構成は、第5及び第7実施形態と同一であってもよい。いずれの構成と組合せても第5及び第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
第15実施形態では、2つのインダクタコイル1110、1112がコア100に設けられている例を挙げているが、これに限られるものではない。3つ以上のインダクタコイルがコアに設けられていてもよい。
第15実施形態では、インダクタコイル1110、1112が隣接してコア100に埋設され、フィルタ回路111に電流が流れた場合に発生する磁束が互いに打消し合わないように配線されている例を挙げているが、これに限られるものではない。フィルタ回路の構成によっては、フィルタ回路に電流が流れた場合に、フィルタ回路を構成する複数のインダクタコイルの発生する磁束が互いに打消し合うようにしか配線できない場合もある。その場合には、複数のインダクタコイルを離して配置すればよい。磁束が互いに打消し合うような事態を極力抑えることができる。