JP2015163092A - 眼科用レーザ手術装置、およびそれに用いられる眼球固定部移動ユニット、眼球固定ユニット - Google Patents

眼科用レーザ手術装置、およびそれに用いられる眼球固定部移動ユニット、眼球固定ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】 従来装置の問題点の少なくとも一つを解決する。【解決手段】 レーザ光を照射するための照射光学系であってレーザを集光させる対物レンズを備える照射光学系を備えレーザ光によって患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置であって、対物レンズを収容する照射端ユニットと照射光学系の少なくとも一部を備えレーザ光を導光するデリバリーユニットと、第1駆動部を備え第1駆動部の駆動によって、照射端ユニットとデリバリーユニットに連結され患者眼を対物レンズの光軸上に固定する眼球固定ユニットと、を患者眼に向けて一体的に移動させる第1移動ユニットと第2駆動部を備え第2駆動部の駆動によって眼球固定ユニットを照射端ユニットに対して移動させる第2移動ユニットと第1駆動部の駆動と第2駆動部の駆動を制御し第1移動ユニットと第2移動ユニットを独立して移動させる駆動制御手段とを備える。【選択図】 図4

Description

本発明は、患者眼にレーザ光を照射して患者眼を処置するための眼科用レーザ手術装置、およびそれに用いられる眼球固定部移動ユニット、眼球固定ユニットに関する。
近年、レーザビームを照射して患者眼(患者眼の角膜)水晶体等の組織を処置(例えば、切断、破砕)する技術が提案されている。例えば、特許文献1、2参照に記載の装置では、眼球組織のターゲット位置にレーザを集光させ、レーザスポットを形成する。その結果、眼球組織が機械的に破壊(切断)される。
このような装置は、レーザ照射中に眼球が動いてしまわないようにするために眼球を吸着する吸着ユニット(眼球固定ユニット)と、レーザスポットを精度よく導光する(光学系の位置決めをする)ためのインターフェイスユニット(例えば、コンタクトユニット、リキッドインターフェイス等)を備えている。
特開2000−116694号公報 特表2004−531344号公報 特開2013−248303号公報
特許文献1の装置では、吸着ユニット(サクションリング)と、インターフェイスユニットが一体となっており、患者眼の固定状態(角膜の圧平状態)等を調整できない。特許文献2の装置では、吸着ユニットとインターフェイスユニットが分離しており、吸着ユニットに対してインターフェイスユニットを保持させる操作が必要となり手間となってしまう。特許文献3の装置では、対物レンズを含む筐体全体が患者眼に向けて移動された場合、バネ機構の緩衝性によって、患者眼への押圧力を制御することは、比較的難しい。
上記のように現状の従来装置には、様々な問題点があり、改善の余地が残っている。
本発明は、上記従来装置の問題点の少なくとも一つを解決可能な眼科用レーザ手術装置、およびそれに用いられる眼球固定部移動ユニット、眼球固定ユニットを提供することを技術課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を有することを特徴とする。
(1) レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置であって、前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、第1駆動部を備え、第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた第1移動ユニットと、第2駆動部を備え、第2駆動部の駆動によって、前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに対して移動させるために設けられた第2移動ユニットと、前記第1駆動部の駆動と前記第2駆動部の駆動を制御し、前記第1移動ユニットと前記第2移動ユニットを独立して移動させる駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置であって、前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、第1駆動部を備え、第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた第1移動ユニットと、前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに対して移動させるために設けられた第2移動ユニットと、前記第2移動ユニットの本体は、連結部材を介して前記デリバリーユニットに連結され、前記照射端ユニットの筐体とは離れた位置に配置され、前記第2移動ユニットは、前記患者眼に対して、前記眼球固定ユニットを300g以下、より好ましくは200g以下の荷重で押圧することを特徴とする。
(3) レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置に着脱可能な眼球固定部移動ユニットであって、前記眼科用レーザ手術装置は、前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、第1駆動部を備え、第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた出射部移動ユニットと、を備え、前記眼球固定部移動ユニットは、前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに向けて移動させるための第2駆動部と、前記第1駆動部の駆動によって、出射部移動ユニットが前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットを患者眼に向けて移動されるときに、前記第2駆動部の駆動を制御して、出射部移動ユニットによる前記眼球固定ユニットの移動を相殺するための駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
(4) レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置を用いた手術に用いられる眼球固定ユニットであって、吸引口を備え、前記患者眼に当接されるリング状のサクションリングと、前記サクションリング部を保持するアームであって、前記眼科用レーザ手術装置に連結されるアームと、前記吸引口を介して前記患者眼を吸引するための吸引用パイプと、を備え、前記アームにおける前記眼科用レーザ手術装置側の先端には、前記眼科用レーザ手術装置に設けられ駆動部の駆動によって前記患者眼に対して移動可能なデリバリーユニット、前記眼球固定ユニットを移動させるための駆動部を備え前記デリバリーユニットに連結される移動ユニット、のいずれかに対して着脱させるための着脱部が形成されていることを特徴とする。
本実施例の眼科用レーザ手術装置の外観構成図である。 照射端ユニットを拡大したときの斜視図である。 本実施例の内部構成を示す概略図である。 本実施例の第2移動ユニットを説明するための図である。 眼球固定ユニットの着脱を説明するための図である。 モニタ表示を説明する図である。 本実施例の制御系を示すブロック図である。 本実施例の制御動作を示すフローチャートである。 第1・第2移動ユニットの制御方法を説明するための図である。 フォーカス調整ユニットの動作を説明するための図である。 フォーカス調整ユニットの変容例を説明するための図である。 アライメントの検出を説明するための図である。
<概要>
以下、本発明の典型的な実施形態の1つについて、概略を説明する。本実施例の眼科用レーザ手術装置(以下、本装置または手術装置ともいう、図1参照)1は、レーザ光を患者眼Eの組織に対して集光させ、患者眼Eを処置する。例えば、本装置1は、照射光学系320を備えてもよい(図3参照)。照射光学系320は、例えば、レーザ光源から出射されたレーザ光を患者眼Eに照射する。照射光学系320は、例えば、レーザを患者眼Eの組織に対して集光させるための対物レンズ305等を備えてもよい。
本実施例において、手術装置1は、デリバリーユニット41と、第1移動ユニット10と、第2移動ユニット200と、駆動制御部(例えば、制御ユニット100)と、を主に備える(図3、図4参照)。デリバリーユニット41は、例えば、レーザ光を患者眼Eに導光する。デリバリーユニット41は、例えば、照射端ユニット42と、照射光学系320の少なくとも一部と、を備えてもよい。照射端ユニット42は、対物レンズ305を収容する。対物レンズ305は、患者眼Eに対向する位置に配置されてもよい。対物レンズ305は、1枚でもよいし、複数枚にて構成させてもよい。なお、本装置1は、レーザ光源を内部に収納可能な本体部2を備えてもよい(図1参照)。
第1移動ユニット10(図1参照)は、例えば、第1駆動部12を備えてもよい。第1移動ユニット10は、第1駆動部12の駆動によって、照射端ユニット42と、眼球固定ユニット280と、を患者眼Eに向けて一体的に移動させてもよい。眼球固定ユニット280は、例えば、デリバリーユニット41に連結され患者眼Eを対物レンズ305の光軸上に固定する。
第2移動ユニット200(図4参照)は、例えば、第2駆動部226を備えてもよい。第2駆動部226は、第1駆動部12とは別に配置されている。第2移動ユニット200は、例えば、第2駆動部226の駆動によって、眼球固定ユニット280を照射端ユニット42または対物レンズ305に対して移動させてもよい。
駆動制御部(図7参照)は、例えば、第1駆動部12及び第2駆動部226の駆動を制御してもよい。駆動制御部は、例えば、第1駆動部12の駆動を制御して、第1移動ユニット10によって照射端ユニット42及び眼球固定ユニット280を患者眼Eに対して移動してもよい。このとき、駆動制御部は、第2駆動部226の駆動を制御して、第1移動ユニット10による眼球固定ユニット280の移動を相殺する方向に眼球固定ユニット280を移動させてもよい。
なお、駆動制御部は、第1駆動部12の駆動を制御して、第1移動ユニット10によって照射端ユニット42及び眼球固定ユニット280を患者眼Eに向けて移動させ、患者眼Eに対する照射端ユニット42の位置決めを完了させた後、第2駆動部226の駆動を制御して、第2移動ユニット200によって眼球固定ユニット280を患者眼Eに向けて移動させてもよい。
例えば、駆動制御部は、第1移動ユニット10を制御し、照射端ユニット42を移動させる。例えば、駆動制御部は、患者眼Eに対してレーザを照射可能な照射位置に照射端ユニット42を移動させる。その後、駆動制御部は、第2移動ユニット200を制御し、眼球固定ユニット280を患者眼Eに向けて移動させてもよい。そして、駆動制御部は、眼球固定ユニット280を患者眼Eに当接させ、眼球の吸着固定を開始してもよい。
本実施例の手術装置1は、例えば、第2移動ユニット200によって眼球固定ユニット280が照射端ユニット42に対して独立して移動可能となる。したがって、第1移動ユニット10の移動による患者眼Eの眼圧上昇を調整できる。つまり、駆動制御手段は、第2駆動部の駆動を制御して、眼球固定ユニット280による患者眼への圧力を制御してもよい。
なお、第2移動ユニット200は、患者眼Eに対して、眼球固定ユニット280を例えば、500g以下、好ましくは300g以下、より好ましくは200g以下の荷重で押圧してもよい。
照射端ユニット42にはインターフェイスユニット50(図4参照)が連結されてもよい。インターフェイスユニット50は、例えば、患者眼Eの角膜の少なくとも一部を覆う透過性の光学部材(例えば、カバーガラス51)を持つ。カバーカラス51は、例えば、圧平レンズまたは液浸レンズであってもよい。例えば、圧平レンズは、レーザを透過し、角膜の前面を圧平する。インターフェイスユニット50は、例えば、対物レンズ305と眼球固定ユニット280と共に一体的に移動されてもよい。
なお、患者眼Eに向けて移動させるとは、患者眼Eに近づく方向に移動させることである。同様に、照射端ユニット42に向けて移動させるとは、照射端ユニット42に近づける方向に移動させることである。
なお、第1移動ユニット10、第2移動ユニット200は、例えば、XYZ軸方向に3次元的に移動できなくともよい。各移動ユニットは、少なくとも対物レンズ305の光軸方向(あるいは患者眼Eの軸方向)に移動できればよい。
なお、眼球固定ユニット280の移動を相殺するとは、移動量が完全に一致していなくてもよい。例えば、眼球固定ユニット280が患者眼Eに対して多少移動してもよい。患者眼Eの負担にならない程度であれば、眼球固定ユニット280の絶対的な位置が変化してもよい。
なお、第2移動ユニット200は、駆動部とバネ機構が配置された移動機構であってもよい。例えば、バネ機構によって移動可能に保持された眼球固定ユニット280を駆動部によって駆動してもよい。
なお、第2移動ユニット200の本体は、連結部材を介してデリバリーユニット41に連結されてもよい。つまり、第2移動ユニット200は、照射端ユニット42の筐体(例えば、鏡筒44)とは離れた位置に配置されてもよい。これによって、照射端ユニット42の筐体サイズが小型化され、患者の顔に照射端ユニット42が接触することを回避できる。
なお、駆動制御部は、第1移動ユニット10によって照射端ユニット42及び眼球固定ユニット280が患者眼Eに向けて移動される際、眼球固定ユニット280の位置が患者眼Eに対して一定になるように第2駆動部226を制御してもよい。
第2移動ユニット200は、例えば、基部201と、可動部材(例えば、リンク211、リンク212など)を備えてもよい。基部201は、例えば、デリバリーユニット41に連結され照射端ユニット42とともに第1移動ユニット10によって移動される。可動部材は、例えば、基部201に対して移動可能であって眼球固定ユニット280と連結される。例えば、第2駆動部226は、可動部材を基部201に対して移動させてもよい。
駆動制御部は、基部201が第1移動ユニット10によって照射端ユニット42とともに移動される場合、基部201に対して可動部材を移動させることによって眼球固定ユニット280の位置を患者眼Eに対して一定にしてもよい。
なお、第2移動ユニット200は、例えば、圧力センサ(例えば、ロードセル206、図4参照)を備えてもよい。圧力センサは、例えば、眼球固定ユニット280による患者眼Eへの圧力または荷重を検出してもよい。駆動制御部は、圧力センサからの検出信号に基づいて第1駆動部12、第2駆動部226の少なくともいずれかの駆動を制御してもよい。例えば、圧力センサによって圧力が検出された場合、第1駆動部12あるいは、第2駆動部226の少なくともいずれかの駆動を停止させてもよい。これによって、患者眼Eに働く負荷を軽減できる場合がある。例えば、駆動制御部は、圧力センサからの検出信号に基づいて、眼球固定ユニット280と患者眼Eとの接触が検出された場合、第1駆動部12の駆動を停止するようにしてもよい。
なお、第2移動ユニット200は、位置検出センサ(例えば、エンコーダ203、図4参照)を備えてもよい。位置検出センサは、例えば、眼球固定ユニット280の高さ(例えば、患者眼Eに対する距離、または位置)を検出する。例えば、駆動制御部は、位置検出センサによって取得された眼球固定ユニット280の位置情報に基づいて、第1駆動部または第2駆動部を制御してもよい。駆動制御部は、圧力センサからの検出信号に基づいて、眼球固定ユニット280と患者眼Eとの接触が検出された場合、第1駆動部12の駆動を停止してもよい。このとき、位置検出センサによって検出された眼球固定ユニット280の高さを基準位置としてメモリに記憶させてもよい。さらに、第1駆動部12を駆動させて照射端ユニット42及び眼球固定ユニット280を患者眼Eに向けて移動させた後、メモリに記憶された基準位置に照射端ユニット42及び眼球固定ユニット280を復帰させてもよい。これによって、眼球固定ユニット280が患者眼Eに密着されるため、患者眼Eに眼球固定ユニット280を安定的に固定することができる。
なお、本装置は、例えば、ロック機構(例えば、ロック部230、図4参照)を備えてもよい。ロック機構は、例えば、眼球固定ユニット280の移動をロックする。この場合、駆動制御部は、第2駆動部226が駆動される間、ロック機構のロックを解除し、第2駆動部226の駆動が停止されている間、ロック機構のロックを作動させてもよい。これによって、眼球固定ユニット280が不用意に移動されることが抑制される。
なお、眼球固定ユニット280は、第2移動ユニット200に対して着脱可能であってもよい。第2移動ユニット200によって眼球固定ユニット280の位置決めを行えるため、術者の手間が軽減される。さらに、眼球固定ユニット280を容易に交換或いは滅菌することができる。
なお、第2移動ユニット(眼球固定部移動ユニット)200は、手術装置1に対して着脱可能であってもよい。例えば、第2移動ユニット200は、第1移動ユニット(出射部移動ユニット)10に対して着脱可能であってもよい。例えば、第2移動ユニット200は、連結部材(例えば、アーム202)によって第1移動ユニット10に着脱可能に取り付けられてもよい。連結部材は、例えば、アーム、ボルト、磁石、ファスナー等が挙げられる。駆動制御部は、第1移動ユニット(出射部移動ユニット)10による眼球固定ユニット280の移動を相殺するように、第2駆動部226の駆動を制御してもよい。
眼球固定ユニット280は、例えば、レーザ光によって患者眼Eを処置する眼科用レーザ手術装置1を用いた手術に用いられる。眼球固定ユニット280は、例えば、サクションリング281、アーム(例えば、支持部282)、吸引用パイプ284、を備えてもよい。サクションリング281は、例えば、吸引孔を備えてもよい。サクションリング281は、リング状であり、患者眼Eに当接される。アームは、例えば、サクションリング281部を保持してもよい。アームは、例えば、眼科用レーザ手術装置に連結されてもよい。吸引用パイプは、例えば、吸引孔を介して患者眼Eを吸引してもよい。
例えば、アームにおける眼科用レーザ手術装置側の先端には、着脱部(例えば、連結部250)が形成されていてもよい。着脱部は、例えば、デリバリーユニット41、第1移動ユニット10、のいずれかに対して眼球固定ユニット280を着脱させてもよい。デリバリーユニット41は、例えば、眼科用レーザ手術装置に設けられてもよい。そして、デリバリーユニット41は、駆動部12の駆動によって患者眼Eに対して移動可能であってもよい。第1移動ユニット10は、例えば、眼球固定ユニット280を移動させるための駆動部を備え、デリバリーユニット41に連結されてもよい。
以下、本発明の2つ目の典型的な実施形態について、概略を説明する。本実施例の眼科用レーザ手術装置(以下、本装置または手術装置ともいう、図1参照)1は、レーザ光を患者眼Eの組織に対して集光させ、患者眼Eを処置する。例えば、本装置1は、照射光学系320を備えてもよい。照射光学系320は、例えば、レーザ光源から出射されたレーザ光を患者眼Eに照射する。照射光学系320は、例えば、レーザを患者眼Eの組織に対して集光させるための対物レンズ305等を備えてもよい。
本実施例の手術装置1は、例えば、デリバリーユニット41と、移動ユニット(例えば、第1移動ユニット、第2移動ユニット)と、観察光学系(例えば、観察・撮影ユニット70)と、フォーカス調整ユニット80と、を主に備える。
デリバリーユニット41は、例えば、レーザ光を患者眼Eに導光してもよい。デリバリーユニット41は、例えば、照射端ユニット42と、照射光学系320の少なくとも一部とを備えてもよい。
移動ユニット(例えば、第1移動ユニット、第2移動ユニット200、図4参照)は、例えば、駆動部(例えば、第1駆動部、第2駆動部226)を備えてもよい。移動ユニットは、駆動部の駆動によって、対物レンズ305を含む照射端ユニット42を患者眼Eに向けて移動させてもよい。
観察光学系(例えば、観察・撮影ユニット70、図3参照)は、例えば、患者眼Eの前眼部を観察するために設けられる。観察光学系は、例えば、照射端ユニット42に設けられてもよい。観察光学系は、照射光学系320の対物レンズ305を介して前眼部を観察してもよい。観察光学系は、異なる対物レンズを介して観察してもよい。
フォーカス調整ユニット80(図3、図10参照)は、例えば、移動ユニットによる照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離に応じて、前眼部に対する観察光学系のフォーカスを調整してもよい。例えば、患者眼Eの前眼部像が合焦する合焦位置に観察光学系のフォーカスを調整してもよい。例えば、フォーカス調整ユニット80は、観察画像に写る患者眼Eまたは角膜輝点の情報に基づいてフォーカスを調整してもよい。
観察光学系のフォーカスが調整されることによって、待機位置から照射位置までピントが合った観察画像が取得でき、患者眼Eの様子が見易い。患者眼Eに対して眼球固定ユニット280を位置決めする場合など、観察画像のピントが合っているため、より正確な位置決めが可能である。フォーカス調整ユニット80は、眼球固定ユニット280によって眼球を固定した後も観察画像のピントを患者眼Eに合わせてもよい。これによって、インターフェイスユニット50の位置決めが完了するまでの患者眼のずれを観察しやすい。例えば、患者眼Eの固定状態が外れた場合、または患者眼Eが眼球固定ユニット280からずれた場合などに、観察画像から患者眼Eの状態を判断しやすい。
移動ユニットは、例えば、第1の位置(例えば、照射位置)と、第2の位置(例えば、待機位置)とで、照射端ユニット42を移動してもよい。第1の位置は、例えば、レーザを患者眼Eに照射する際に照射端ユニット42が配置される位置である。第2の位置は、例えば、第1の位置よりも患者眼Eから遠い位置であって、眼球固定ユニット280によって患者眼Eを固定する前に照射端ユニット42が配置される位置である。
フォーカス調整ユニット80は、例えば、第1の位置と第2の位置における照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離に応じて、前眼部に対する観察光学系のフォーカスをそれぞれ調整してもよい。これによって、患者眼Eを固定する前の眼球固定ユニット280の待機位置におていも、患者眼Eの前眼部に対して観察光学系のフォーカスを調整できる。
なお、フォーカス調整ユニット80は、例えば、駆動部81と、制御部(例えば、制御ユニット100)とを備えてもよい(図10参照)。駆動部81は、例えば、観察光学系のフォーカスを調整するために観察光学系に配置され、観察光学系のフォーカスを調整する。制御部は、例えば、駆動部81を制御することによって、前眼部に対する観察光学系のフォーカスを調整してもよい。フォーカス調整するための駆動部81は、例えば、観察光学系に配置された部材(例えば、レンズ、受光素子76)を光軸方向に移動させてもよい。また、駆動部は、例えば、部材を挿脱させてもよい。
なお、本装置1は、例えば、検出ユニット(例えば、エンコーダ203、OCTユニット71、正面観察ユニット75)を備えてもよい。検出ユニットは、例えば、移動ユニットによる照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離を検出する。この場合、制御ユニットは、検出ユニットの検出結果に応じて駆動部を制御することによって、移動ユニットによる照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離に応じて、前眼部に対する観察光学系のフォーカスを調整してもよい。
なお、検出ユニットは、エンコーダ等の位置検出センサを用いて照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離を検出してもよいし、観察光学系での観察画像に基づいて患者眼Eに対する観察光学系の距離を検出することによって間接的に照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離を検出してもよい。
なお、制御部は、照射端ユニット42の患者眼Eに対する距離に追従して観察光学系のフォーカスを調整してもよいし、スイッチ操作に応じて所定のフォーカス位置に観察光学系のフォーカス位置を切り換えてもよい。
なお、手術装置1は、アライメント検出ユニットを備えてもよい。アライメント検出ユニットは、例えば、照射端ユニット42が第2の位置に配置された状態において、観察光学系に配置された受光素子76からの受光信号に基づいて患者眼Eに対する照射端ユニット42のアライメント状態を検出してもよい。これによって、患者眼Eに対する照射端ユニット42のアライメント状態を早期に検出できる。つまり、眼球固定ユニット280によって患者眼Eを固定する際に、患者眼Eに対する眼球固定ユニット280の位置決めが行い易くなる。
なお、照射端ユニット42には、患者眼Eの角膜上に輝点を形成されるための照明光を照射するための光源60が配置されてもよい(図3、図4参照)。観察光学系は、例えば、第1の角膜反射像および第2の角膜反射像の少なくとも一方を含む患者眼Eの前眼部像を撮影できてもよい。第1の角膜反射像は、例えば、患者眼Eの角膜の少なくとも一部を覆う透光性の光学部材を持つインターフェイスの外部を通過した照明光によって形成される。第2の角膜反射像は、例えば、インターフェイスの内部を通過した照明光によって形成される。アライメント検出ユニットは、観察光学系によって撮像された第1の角膜反射像および第2の角膜反射像の少なくとも一方に基づいて患者眼Eの位置を検出してもよい。
<実施例>
以下、本発明の典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。以下の説明では、一例として、患者眼Eに照射されるレーザ光の光軸に沿う方向をZ方向とする。Z方向に交差(本実施形態では垂直に交差)する方向のうちの1つをX方向とする。Z方向およびX方向に共に交差(本実施形態では垂直に交差)する方向をY方向とする。X,Y,Z方向は適宜設定すればよい。例えば、患者の上下左右に基づいて方向を規定する場合、X方向を患者の左右方向、Y方向を患者の上下方向としてもよいし、X方向を患者の上下方向、Y方向を患者の左右方向、Z方向を眼Eの軸方向としてもよい。図1は、本装置1の外観を示す概略図である。図3は、本装置1の光学系及び制御系の概略構成を示す概略図である。
<全体構成>
本実施例の眼科用レーザ手術装置1は、患者眼Eの組織を処置するために使用される。本実施例では、患者眼Eの水晶体を処置することが可能な眼科用レーザ手術装置1を例示する。しかし、本実施例で例示する技術は、例えば、患者眼Eの他の部位(例えば、角膜、眼底)の処置に適用してもよい。本技術は、もちろん、角膜及び水晶体を含む前眼部の組織の処置に適用してもよい。
本実施例の眼科用レーザ手術装置(以下、手術装置)1は、例えば、第1移動ユニット10、第2移動ユニット200、レーザ照射ユニット300、インターフェイスユニット50、制御ユニット100、を主に備える。手術装置1には、照明光源60、観察・撮影ユニット70、フォーカス調整ユニット80、操作ユニット90が配置されてもよい。
レーザ照射ユニット300は、レーザ光源ユニット310と、レーザ照射光学系(レーザデリバリ)320と、を備える。レーザ光源ユニット310は、本体部2の内部に配置される。レーザ照射光学系(導光光学系)320は、レーザ光源ユニット310からのレーザ光を眼Eに導光するために配置された光学系である。
レーザ照射光学系320の少なくとも一部は、デリバリーユニット41に設けられている。レーザ光源ユニット310から出射されたレーザは、レーザ照射光学系320を介して、デリバリーユニット41における照射端ユニット42に導光される(詳しくは後述する)。照射端ユニット42には、レーザビームを集光するための対物光学系(例えば、対物レンズ305)が少なくとも配置されており、照射端ユニット42の出射端から眼Eに向けてレーザが照射される。なお、デリバリーユニット41の照射端ユニット42には、観察・撮影ユニット70が配置されてもよく、眼Eの観察・撮影等に利用される。
第1移動ユニット10は、照射端ユニット42を少なくとも本体部2に対してXYZ移動させるために配置されている。照射端ユニット42の出射端には、インターフェイスユニット50が設けられている。また、デリバリーユニット41には、第2移動ユニット200を介して眼球固定ユニット280が配置されている。したがって、第1移動ユニット10によって照射端ユニット42が移動される場合、結果として、インターフェイスユニット50、眼球固定ユニット280、第2移動ユニット200は、照射端ユニット42と共に一体的に移動される。
なお、第1移動ユニット10は、例えば、デリバリーユニット41に設けられ、照射端ユニット42を本体部2に対して移動される(移動機構については、例えば、特開2000−152954を参考にされたい)。しかしながら、これに限定されない。例えば、第1移動ユニット10は、本体部2に設けられてもよく、第1移動ユニット10は、本体部2に対してデリバリーユニット41を移動させることによって、照射端ユニット42を本体部2に対して相対的に移動させてもよい。
第2移動ユニット200は、照射端ユニット42に対して眼球固定ユニット280を相対的に移動させるために配置されている。第2移動ユニット200は、例えば、前述の第1移動ユニット10による照射端ユニット42の移動の際、眼球固定ユニット280の患者眼側への変位を軽減するために用いられる。つまり、眼球固定ユニット280は、眼Eの有無に関係なく、第1移動ユニット10によって移動される。しかしながら、第2移動ユニット200によって、照射端ユニット42の移動方向とは反対方向に独立して移動可能である(詳しくは後述する。図4、図9参照)。
なお、図2、図4では、第2移動ユニット200は、デリバリーユニット41における照射端ユニット42に設けられているが、これに限定されない。例えば、デリバリーユニット41の基部に設けられても良い。
より詳細には、第2移動ユニット200は、後述する眼球固定ユニット280を着脱可能に取り付けることができる。第2移動ユニット200は、眼球固定ユニット280をZ方向に移動可能である。眼球固定ユニット280は、レーザ照射ユニット300に対して患者眼Eの眼球を固定保持する。レーザ照射ユニット300は、レーザ光を患者眼Eに照射する。照射端ユニット42には、レーザ光を患者眼Eに集光させるための対物レンズ305等が設けられている。
インターフェイスユニット50は、患者眼Eの角膜に近接し、屈折率の差を小さくし、屈折率差によって発生するレーザ光の収差を減少させる。これによって、例えば、角膜及びレンズでの表面反射が少なくなる。照明光源60は、患者眼Eを照明する。観察・撮影ユニット70は、患者眼Eの前眼部の正面像及び前眼部の断層像を撮影する。観察・撮影ユニット70は、例えば、光干渉断層像撮影ユニット((OCT:Optical Coherence Tomography)ユニットと略す)71と、正面観察ユニット75とを備える。光干渉断層像撮影ユニット71は、患者眼Eの断層像を撮影(取得)する。正面観察ユニット75は、患者眼Eの前眼部像を撮影する。フォーカス調整ユニット80は、正面観察ユニット75のフォーカスを調整する。操作ユニット90は、装置1を操作するために設けられる。制御ユニット100は、装置全体を統括制御する。なお、制御ユニット100は、操作ユニット90からの制御信号に基づいて、第2移動ユニット200を駆動させてもよい。
<第1移動ユニット>
より詳細には、第1移動ユニット10(図1参照)は、照射端ユニット42、第2移動ユニット200、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50、観察・撮影ユニット70等を一体的に移動させる。これによって、照射端ユニット42、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50は、患者眼Eにアライメントできる。
第1移動ユニット10は、例えば、移動機構11と、駆動部(モータ、アクチュエータ等)12を備える。移動機構11は、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50等の本体の一部を本体部2に対して移動させる。駆動部12は、移動機構11を駆動する。第1移動ユニット10は、図4に示す照射端ユニット42(の光軸L1)、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50(の中心軸)を、本体部2および患者眼Eに対して3次元方向に移動させる。ここでは、光軸L1と、眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50の中心軸は、一致している。また、後述するサクションリング281の中心軸と、インターフェイスユニット50の中心軸とは一致している。
なお、移動機構11と、駆動部12に関して、照射端ユニット42を移動させるための移動機構及び駆動部は、X方向、Y方向、Z方向に関してそれぞれ異なる位置に配置されてもよい。例えば、X方向、Y方向に関する移動機構及び駆動部が本体部2に設けられ、Z方向に関する移動機構及び駆動部がデリバリーユニット41の基部に配置されてもよい。
第1移動ユニット10は、制御ユニット100に接続されており、操作ユニット90からの操作信号に基づいて照射端ユニット42、眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50を本体部2に対して移動させる。術者は、モニタ92に表示される患者眼Eを確認しながら、XY方向の位置合せ(XYアライメント)と、Z方向の位置合わせ(Zアライメント)と、を行う。ここでは、少なくとも照射端ユニット42と眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50が一体的に移動する。第1移動ユニット10は、サクションリング281及びインターフェイスユニット50をZ軸方向に沿って移動させる。第1移動ユニット10は、内部にエンコーダ等のセンサを備えている。このため、眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50等の位置は制御ユニット100に取得される。
なお、第1移動ユニット10は、少なくともZ軸方向に移動する構成であればよい。例えば、レーザ照射ユニット300及び眼球固定ユニットおよびインターフェイスユニット50が手術顕微鏡等の別装置(レーザ照射ユニット300と連結されている)に取り付けられる構成で、XYアライメントを術者が持って移動させる構成であってもよい。
<レーザ照射ユニット>
図3に示すように、レーザ照射ユニット300は、例えば、レーザ光源ユニット310と、レーザ照射光学系(レーザデリバリ)320と、位置検出ユニット370を備えてもよい。レーザ光源ユニット310は、手術用のレーザ光(レーザビーム)を出射する。レーザ照射光学系320は、レーザ光を導光するための光学部材を含む。レーザ照射光学系320は、本体部2、デリバリーユニット41に内蔵されている。レーザ照射光学系320は、例えば、走査ユニット330と、対物レンズ305と、各種光学部材とを備える。対物レンズ305は、走査ユニット330と患者眼Eの間の光路上に設けられている。対物レンズ305は、走査ユニット330を経たレーザ光を、患者眼Eの組織に集光させる。位置検出ユニット370は、患者眼Eの絶対位置を検出する。
レーザ光源ユニット310によって出射されたレーザ光は、非線形相互作用によって組織にプラズマを誘起するために用いられる。非線形相互作用とは、光と物質とによって生じる相互作用の1つであり、光の強度(つまり、光子の密度)に比例しない応答が現れる作用である。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、レーザ光を患者眼Eの透明組織内に集光(合焦)させることで、集光位置(「レーザスポット」という場合もある)または集光位置よりも僅かに光路(光束)の上流側で多光子吸収を生じさせる。多光子吸収が生じる確率は、光の強度に比例せず、非線形となる。多光子吸収によって励起状態が生じると、組織内にプラズマバブルが発生し、組織の切断・破砕等が行われる。以上の現象は、光破壊(photodisruption)と言われる場合もある。非線形相互作用による光破壊では、レーザ光による熱の影響が集光位置の周辺に加わり難い。よって、微細な処置が可能である。レーザ光のパルス幅を小さくする程、少ないエネルギーで効率よく光破壊が生じる。
レーザ光源ユニット310としては、1フェムト秒から10ナノ秒のパルス幅のレーザ光を出射するデバイスが用いられる。レーザ光源としては、例えば、パルス幅500フェムト秒で、中心波長が、1040nm(波長幅は、±10nm)である赤外域のレーザ光を出射するデバイスを用いてもよい。また、レーザ光源としては、10ピコ秒のパルス幅を持ち、450nmを中心波長として±10nmの波長幅を持つ紫外域のレーザを出射するレーザ光源を用いてもよい。また、レーザ光源ユニット310には、レーザスポットのスポットサイズが1〜15μmでブレイクダウンを発生させる出力のレーザ光を出射可能なレーザ光源を用いる。
レーザ照射光学系320において、レーザ光源ユニット310を上流、患者眼Eを下流とする。すると、レーザ光源ユニット310から下流に向かって、ミラー301及びミラー302、ホールミラー371〜レンズ303、レンズ304、ビームコンバイナ72が光軸L1に沿って配置されている。
ミラー301及び302は、レーザ光の光軸を調整する。ホールミラー371は、レーザ光の光軸L1と位置検出ユニット370の光軸L2とを分けるビームスプリッタとして用いられる。レンズ303は、走査ユニット330、レーザ光の中間結像を形成するために用いられる。レンズ304は、瞳共役位置を形成する。ビームコンバイナ72は、光軸L1と観察・撮影ユニット70の光軸L3とを合波する。
ミラー301及び302は、反射面が互いに直交する構成となっており、傾斜可能な保持部材に保持されている。ミラー301及び302の反射面を移動、傾斜させることにより、レーザ光源ユニット110から出射されたレーザ光の光軸を調整することができる。ミラー301及び302の調整により、レーザ光の軸を光軸L1に合わされる。
<走査ユニット>
走査ユニット330は、レーザ光を走査することで、対物レンズ305(詳細は後述する)によって集光されるレーザ光の集光位置を走査させる。つまり、走査ユニット330は、レーザ光の集光位置を目標位置に移動させる。本実施形態の走査ユニット330は、Z走査部350およびXY走査部360を備える。
本実施形態のZ走査部350は、凹レンズ351、凸レンズ352、および駆動部353を備える。駆動部353は、凹レンズ351を光軸L1に沿って移動させる。凹レンズ351が移動することで、凹レンズ351を通過したビームの発散状態が変化する。その結果、レーザ光の集光位置(レーザスポット)がZ軸方向に移動する。
本実施形態のXY走査部360は、Xスキャナ361、Yスキャナ364、およびレンズ367,368を備える。Xスキャナ361は、駆動部362によってガルバノミラー363を揺動させることで、レーザ光をX方向に走査させる。Yスキャナ364は、駆動部365によってガルバノミラー366を揺動させることで、レーザ光をY方向に走査させる。レンズ367,368は、2つのガルバノミラー363,366を共役とする。
なお、走査ユニット330としては、レーザ光をXY方向に走査できる構成であればよい。例えば、X方向の走査をポリゴンミラーとし、Y方向の走査をガルバノミラーとする構成としてもよい。また、レゾナントミラーをX方向とY方向に対応させて用いる構成としてもよい。また、2つのプリズムを独立して回転させる構成でもよい。このようにして、走査ユニット330によって、レーザスポットが、患者眼Eの眼球組織内(ターゲット内)で3次元的(XYZ方向)に移動される。
走査ユニット330と対物レンズ305の間には、レーザ光軸と観察・撮影光軸を同軸とするためのビームコンバイナ(ビームスプリッタ)72が配置される。コンバイナ72は、レーザ光を反射し、観察・撮影ユニットの照明光を透過する特性を有している。対物レンズ305は、照射端ユニット42に対して固定的に配置されたレンズである。図4に示すように、対物レンズ305は、照射端ユニット42によって保持される。対物レンズ305は、レーザ光をレーザスポットとしてターゲットに結像させる。レーザスポットのスポットサイズは、例えば、1〜15μm程度である。
なお、図示は略すが、術者がレーザ照射位置を確認するための照準光(エイミング光)を出射するエイミング光源をレーザ照射ユニット300に設ける。
<位置検出ユニット>
位置検出ユニット370は、走査ユニット330に対する患者眼Eの位置を検出するために用いられる。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、走査ユニット330に対する患者眼Eの位置を検出することで、レーザ光が集光する集光位置を、断層画像(詳細は後述する)に対応付ける。集光位置を断層画像に対応付けることで、走査ユニット330等を制御するための制御データを、断層画像を用いて設定することができる。なお、位置検出ユニット370の詳細については、例えば、特開2013−248304号公報を参考にされたい。
<照射端ユニット>
照射端ユニット42(図2、図4参照)は、例えば、対物レンズ305、インターフェイスユニット50と、照明光源60を一体的に保持する。照射端ユニット42は、例えば、鏡筒44を備える。鏡筒44は、筒状であり、内部に対物レンズ305等を保持する。鏡筒44の患者眼E側の端部には、照明光源60が固定される。また、鏡筒44の患者眼E側の端部には、ガイド46が形成される。ガイド46には、インターフェイスユニット50が着脱可能に取り付けられる。
照射端ユニット42は、第1移動ユニット10によって本体部2に対してXYZ軸方向に移動される。照射端ユニット42に保持される対物レンズ305、インターフェイスユニット50、照明光源60等は、照射端ユニット42とともに第1移動ユニット10によって移動される。
<インターフェイスユニット>
インターフェイスユニット50(図4参照)は、患者眼Eの角膜に近接し、角膜の屈折力を弱めて、レーザ光を水晶体等の眼球組織に到達(集光)し易くする役割を持つ。本実施形態のインターフェイスユニット50は、角膜に直接接触することなく、少なくとも角膜の一部を覆う構成とする。インターフェイスユニット50は、カバーガラス51、ホルダ52を主に備える。カバーガラス51は、例えば、角膜を覆う光学部材である。ホルダ52は、例えば、カバーガラス51を保持する。インターフェイスユニット50は、ホルダ52を介して照射端ユニット42の鏡筒44に着脱可能に取り付けられる。
カバーガラス51は、角膜を覆う部材であり、少なくともレーザスポットが集光されるNAをカバーするサイズとなっている。カバーガラス51は、透光性を有する透明部材であり、例えば、ガラス、樹脂によって形成される。カバーガラス51は、後述する液体の液面に位置し、液体を覆う役割を持つ。ホルダ52は、円錐状に形成されたテーパ状の部材であり、円錐の先端箇所でカバーガラス51を支持する。また、ホルダ52の上部には、照射端ユニット42の鏡筒44に着脱可能に保持されるように、互いに嵌め合う嵌合部が形成されている。本実施例では、例えば、ホルダ52の上部にスライダ53が形成される。そして、照射端ユニット42に形成されるガイド46に対してスライダ53をスライドさせることによって、インターフェイスユニット50が着脱される。
インターフェイスユニット50は、後述するサクションリング281の内側に収まる形状である。インターフェイスユニット50の各部材は、生体適合性を有する素材で形成される。インターフェイスユニット50は、一回の使用で廃棄されるディスポーザブルタイプとなっている。
インターフェイスユニット50は、後述するサクションリング281に吸着された患者眼Eの角膜に近接する。または、先に患者眼Eおよびインターフェイスユニット50の位置を決定した後に、サクションリング281を吸着させてもよい。サクションリング281の内側には、例えば、液体(生理食塩水)が満たされる。カバーガラス51、液体により、角膜の屈折力がキャンセルされる。これによって、レーザ光は、対物レンズ305からターゲットである水晶体まで屈折することが抑制される。
なお、インターフェイスユニット50は、角膜に直接接触する構成であってもよい。例えば、インターフェイスユニット50は、カバーガラス51を角膜に接触させて角膜を圧平するユニットであってもよい。この結果、角膜がカバーガラス51と接触することによって、角膜の位置がレーザ照射光学系320に対してポジショニングされる。カバーガラス51は、例えば、角膜内等のレーザ照射領域をカバーするように角膜を覆う接触面を有していればよい。
<照明光源>
照明光源60(図3,図4参照)は、患者眼Eを照明する。照明光源60は、例えば、患者眼Eに対して輝点を形成させるための光源と、瞳孔のコントラストを高めるための光源が設けられる。本実施例において、輝点を形成させる光源は、例えば、赤外光源が用いられる。これによって、患者が眩しいと感じることを低減できる。瞳孔のコントラストを高めるための光源としては、例えば、可視光源が用いられる。より詳細には、可視光源として、例えば、緑色または赤色の光源を用いてもよい。
なお、照明光源60としては、ひとつの光源が、輝点形成に用いられる光源と、瞳孔のコントラスト向上に用いられる光源と、を兼用してもよい。
照明光源60によって、患者眼Eに角膜反射像である輝点が形成される。この輝点は後述する正面観察ユニット75等で観察される。後述する制御ユニット100は、例えば、この輝点の位置から患者眼Eの位置を検出してもよい。
<第2移動ユニット>
図4、に示すように、第2移動ユニット200は、例えば、対物レンズ305に対して眼球固定ユニット280をZ軸方向に駆動可能に保持してもよい。第2移動ユニット200は、例えば、基部201、アーム202、リンクユニット210、エンコーダ203、リンク駆動ユニット220、ロック部230、位置センサ240、ロードセル206、連結部250を備えてもよい。
基部201は、第2移動ユニット200の各構成を保持する。アーム202は、基部201を照射端ユニット42の鏡筒44に連結する(図4参照)。なお、前述のように、照射端ユニット42は、第1移動ユニットによってXYZ方向に移動される。鏡筒44に連結された第2移動ユニットもXYZ方向に移動される。なお、アーム202は、鏡筒44に対して水平方向に回転可能に取り付けられてもよい。例えば、鏡筒44に対する第2移動ユニット200の位置を変更できるようにしてもよい。例えば、第2移動ユニット200は、鏡筒44を中心にXY方向に回動可能に設けられてもよい。例えば、患者の右眼を治療する場合と左眼を治療する場合とで、第2移動ユニット200の位置を切り換えてもよい。これによって、第2移動ユニットが患者に接触することを防止してもよい。なお、第2移動ユニット200は、鏡筒44に着脱可能に取り付けられてもよい。
<リンクユニット>
リンクユニット210は、眼球固定ユニット280をZ軸方向に移動させるための移動機構を形成する。リンクユニット210は、例えば、リンク211、リンク212、ジョイント213、ジョイント214を備える。リンク211は、矩形状である。リンク212は、棒状である。リンク211とリンク212はリンク機構を形成する。リンク211の一方の端部は、ジョイント213によって基部201に回転可能に連結される。リンク211の他方の端部は、ジョイント214によってリンク212の端部が連結される。リンク212は、筒状のガイド215に挿入される。ガイド215によって、リンク212の移動方向はZ軸方向に規定される。
なお、第2移動ユニットにおいて、眼球固定ユニット280をZ軸方向に移動させるための機構は、上記のようなリンク機構でなくともよい。例えば、ラック・ピニオン機構によって、眼球固定ユニット280をZ軸方向に移動させてもよい。
支基216は、リンク212に固定される。支基216は、リンク212とともにZ軸方向に移動される。ロードセル206は、矩形状をしており、両端から加わる荷重を検知する。ロードセル206の一方の端部は、支基216に固定されている。ロードセル206の他方の端部は、連結部250に固定される。つまり、ロードセル206は、支基216と連結部250との間に加わる荷重を検知する。
連結部250は、眼球固定ユニット280を着脱可能に吸着保持する(図5参照)。連結部250は、例えば、シール部材251、吸引孔252、接続管253を備える。シール部材251は、眼球固定ユニット280を吸着する際に、連結部250と眼球固定ユニット280の気密性を高める。シール部材251は、弾性体が主に用いられる。吸引孔252は、連結部250の連結面250aに開いている。吸引孔252には、接続管253が嵌合されている。図示を略す吸引装置から延びるホースは、接続管253に接続される。吸引装置は、連結面250aと凹部283との間に形成された空間Rの空気を吸引する。空気が吸引されることによって、空間Rに負圧が生じる。この負圧によって、連結部250と眼球固定ユニット280は互いに引っ張り合い、結果として、吸着される。
眼球固定ユニット280に大きな荷重が加わると、伝達した荷重によって、ロードセル206が故障する場合がある。眼球固定ユニット280に大きな荷重が加わった場合に、制御ユニット100は、連結部250から眼球固定ユニット280が外れるように、吸引装置の吸引圧が設定されてもよい。
例えば、所定値を超える荷重が眼球固定ユニット280に加わった場合、眼球固定ユニット280は連結部250から外れる。したがって、ロードセル206への大きな荷重を低減できるので、ロードセル206の故障が低減される。
なお、連結部250は、吸引圧によって眼球固定ユニット280を固定するものとしたが、どのような固定方法でもよい。例えば、連結部250と眼球固定ユニット280は、互いに形成されたネジが螺合することによって固定されてもよい。また、連結部250と眼球固定ユニット280は、磁力によって固定されてもよい。また、連結部250と眼球固定ユニット280は、互いに嵌り合うことで固定されてもよい。また、連結部250と眼球固定ユニット280は、粘着性の物質によって固定されてもよい。
<リンク駆動ユニット>
リンク駆動ユニット220は、例えば、ピン221、バネ222、送りネジ223、ナット224、ホルダ225、駆動部(アクチュエータ)226を備える。駆動部226の回転シャフト226aには、送りネジ223が連結されている。駆動部226が回転すると、送りネジ223が回転する。送りネジ223が回転すると、送りネジ223に螺合するナット224が上下に移動される。
ナットの上部にはホルダ225が固定される。ホルダ225には、バネ222を介してピン221が取り付けられている。ナットが上昇すると、同時にピン221が上昇する。ピン221が上昇すると、リンク211に接触する。ピン221が上昇を続けると、リンク211は、バネ222の弾性力が働くピン221によって押し上げられ、ジョイント213を基点として回転する。リンク211が回転すると、リンク212は、ジョイント214とともに、上方に移動される。リンク212は、ガイド215に沿って、Z軸方向に移動される。
ロードセル206は、リンク212に固定されている。さらに、連結部250は、ロードセル206を介してリンク212に固定されている。ロードセル206、連結部250は、リンク212とともにZ軸方向に移動される。連結部250には、後述する眼球固定ユニット280が吸着されている。したがって、眼球固定ユニット280は、リンク212とともにZ軸方向に移動される。
<エンコーダ>
エンコーダ203は、リンク212の移動量または、位置を検出する。本実施例のリンク212には、磁気を帯びたラインが複数箇所に形成される。エンコーダ203は、ラインの磁気を検出し、ラインの通過数によってリンク212の移動量または位置を検出する。なお、エンコーダ203としては、磁気に限らず、部材の移動量または位置を検出可能な種々のエンコーダ(またはポテンショメータ)を用いてもよい。
<位置検出センサ>
位置検出センサ240は、リンク212の駆動限界を検知する。例えば、リンク212には、遮蔽板が固定される。位置検出センサ240は、例えば、U字型の端子が備わる。例えば、U字型の端子の間には常に磁気が発生している。この端子の間に遮蔽板が挿入されると磁気が遮断される。すると、位置検出センサ240は、磁気が遮断されたことを検知し、リンク212が所定の領域にあることを検出する。本実施例では、例えば、リンク212が駆動領域の上限あることを検出するセンサ241と、下限に位置することを検出するセンサ242が備わってもよい。
なお、位置検出センサは磁気センサに限らず、他の原理を用いたセンサであってもよい。例えば、フォトインタラプタ等の光学センサであってもよい。
<ロック部>
ロック部230は、例えば、リンク212の移動を規制する。ロック部230は、リンク212のジョイント214側と反対側に設けられる。ロック部230は、例えば、筐体231、ロック部材232、バネ233、駆動部234を備える。ロック部材は、筐体231に回転可能に設けられる。ロック部材232は、例えば、環状である。ロック部材232には穴232aが形成される。リンク212は、穴232aを通っている。ロック部材232は回転可能に筐体231に設けられる。ロック部材232は、バネ233によって一定の方向に回転されるように付勢させる。ロック部材232はバネ233によって回転され、穴232aがリンク212に接触する。ロック部材232の穴232aがリンク212に接触することによって、リンク212が固定される。駆動部234は、バネ233の弾性力による回転方向とは、反対にロック部材232を回転させる。駆動部234は、水平になるまでロック部材232が回転させる。
ロック部230は、例えば、バネ233の弾性力によってロック部材232が回転され、常にリンク212がロックされた状態である。例えば、後述する制御ユニット100は、駆動部226によってリンクユニット210を移動させるとき、同時に駆動部234を駆動させ、ロック部材232を水平方向になるまで回転させる。すると、リンク212のロックが解除され、Z軸方向に移動可能となる。
ロック部230によって、駆動部234が停止している場合は、ロックが掛かる。これによって、駆動部234が停止している場合に、ロックが外れて不具合等に繋がることが抑制させる。
なお、ロック部230は、上記の構成に限らず、リンク212の移動を規制できればよい。例えば、ソレノイドや電磁ブレーキなどを使用してもよい。以上のように、ロック部230は、リンク212の移動を電気的に制御してもよい。
<眼球固定ユニット>
眼球固定ユニット280(図4、図5参照)は、対物レンズ305に対して患者眼Eを固定するためのユニットである。対物レンズ305に対して患者眼Eを固定することで、レーザを患者眼Eに好適に集光させることができる。眼球固定ユニット280は、例えば、サクションリング281、支持部282、凹部283、吸引用パイプ284等を備える。サクションリング281は、患者眼E(例えば、強膜)に接触する接触部である。支持部282は、サクションリング281を支える。凹部283は、第2移動ユニット200の連結部250に連結される。吸引用パイプ284は、サクションリング281に吸引圧を付加する流路(通気孔)である。眼球固定ユニット280は、吸引ポンプ(図示を略す)から付加される吸引圧を、吸引用パイプ284を介してサクションリング281に伝達(付加)する。
サクションリング281は、強膜の曲面に沿う開口を有する。サクションリング281の開口は眼球の輪部(角膜周辺部)を囲う形状であり、眼球固定ユニット280にあわせたリング形状となっている。これにより、眼球がサクションリング281に対して均一に吸着される。支持部282は、眼球をサクションリング281に吸着させた状態で支持部282の内側に液体が満たすことができるように、サクションリング281(眼球)を囲う壁状となっている。
また、眼球固定ユニット280には、インターフェイスユニット50を非接触(非干渉)にて収納するための空間280Sが形成されている。空間280は、例えば、支持部282の内側に形成されてもよい。支持部282は、連結部250と着脱可能となるような形状(嵌合形状)となっている。パイプ284には、装置本体の設けられた(又は別ユニットの)吸引ポンプからの吸引チューブが接続される。吸引ポンプの操作により発生した吸引圧によって、吸引チューブ、パイプ284、サクションリング281内が負圧となり、患者眼Eの強膜がサクションリング281の開口に吸着される。
本実施例の眼球固定ユニット280は、例えば、図示無き液体供給排出用のパイプ(以下、液体用パイプと略す)をさらに備える。液体用パイプは、支持部282を貫通して形成された流路(貫通孔)であり、液体を供給・排出してもよい。液体用パイプには、図示を略す灌流吸引ユニットにチューブ等を介して接続されてもよい。レーザ照射前には、灌流吸引ユニットの動作により、眼球固定ユニット280内に液体が供給される。手術後には、眼球固定ユニット280内の液体が排出される。なお、液体は、液体用パイプを介して供給されるだけの構成であってもよい。患者眼Eに眼球固定ユニット280を患者眼Eから取り外す作業により、液体を廃棄する構成としてもよい。なお、液体は術者が眼球固定ユニット280に注入してもよい。例えば、眼球固定ユニット280によって患者眼Eの固定が完了した後、術者は、注射器等で液体をサクションリング281の内側に注入してもよい。
眼球固定ユニット280は、生体適合性を有する樹脂、金属、等の素材で形成されている。眼球固定ユニット280は、インターフェイスユニット50と同様にディスポーザブルタイプとなっている。このため、第2移動ユニット280に対して着脱可能な構成となることが好ましい(図5参照)。
このようにして、眼球固定ユニット280とインターフェイスユニット50は、独立してZ方向に移動可能とさせることができる。また、本実施形態では、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50は、対物レンズ305に対してXY方向に動くことがない構成であるため、患者眼Eの吸着等の作業がし易くなる。
<観察・撮影ユニット>
観察・撮影ユニット70(図3参照)は、患者眼Eを術者に観察させると共に、処置対象となる組織を撮影する。一例として、本実施形態の観察・撮影ユニット70は、OCTユニット71および正面観察ユニット75を備える。観察・撮影ユニット70の光軸L3は、ビームコンバイナ72によって、レーザ光の光軸L1と同軸とされる。光軸L3は、ビームコンバイナ73によって、OCTユニット71の光軸L4と、正面観察ユニット75の光軸L5とに分岐する。
OCTユニット71は、光干渉の技術を用いて被検眼Eの組織の断層画像を取得する。本実施形態の眼科用レーザ手術装置1は、レーザ光が集光する位置を、術前に撮影した患者眼Eの断層画像に対応付ける。その結果、眼科用レーザ手術装置1は、レーザ光を照射する動作(例えば、駆動部353,367,368の動作)を制御するための制御データを、断層画像を用いて作成することができる。なお、OCTユニット71には種々の構成を用いることができる。例えば、SS−OCT、SD−OCT、TD−OCT等のいずれをOCTユニット71として採用してもよい。OCTユニット71の構成及び使用形態については、例えば、例えば、特開2013−248303、特開2013−248304号公報を参考にされたい。
正面観察ユニット75は、患者眼Eの正面画像を取得する。本実施例の正面観察ユニット75は、例えば、受光素子76を備える。正面観察ユニット75は、可視光または赤外光によって照明された患者眼Eを撮影し、モニタ92(後述する)に表示する。術者は、モニタ92を見ることで、患者眼Eを正面から観察することができる。
なお、本実施例の正面観察ユニット75は、例えば、テレセントリック光学系であってもよい。これによって、正面観察ユニット75によって撮影する正面画像のピント位置を変更しても、画像の倍率が変化しないようにしてもよい。例えば、手術装置1において、手術内容によって患者眼の角膜または水晶体等にピントを合わせる場合がある。このため、ピント位置を変更した場合でも画像の倍率を調整しなくて済むように、テレセントリック光学系を用いてもよい。
<フォーカス調整ユニット>
フォーカス調整ユニット80(図3参照)は、正面観察ユニット75のフォーカスを調整する。本実施例のフォーカス調整ユニット80は、正面観察ユニット75によって取得される患者眼Eの前眼部画像のフォーカスを調整する。
本実施例のフォーカス調整ユニット80は、例えば、受光素子76を移動させる駆動部81を備える(図10,11参照)。駆動部81は、撮影光軸(光軸L5)の方向に受光素子76を移動させる。これによって、フォーカス調整ユニット80は、撮像光軸の方向に受光素子76のフォーカス位置を調整することができる。
受光素子76としては、例えば、二次元撮像素子が用いられる。もちろん、正面観察ユニット75としては、二次元撮像素子を用いた構成に限定されず、例えば、走査型レーザ撮像装置、光干渉断層計、等であってもよい。
<操作ユニット>
操作ユニット90(図3,図6参照)は、術者からの各種操作指示の入力を受け付ける。一例として、本実施形態の操作ユニット90は、各種操作ボタンを備えた操作部91と、モニタ92の表面に設けられたタッチパネルとを備える。しかし、ジョイスティック、キーボード、マウス等の他の構成も操作ユニット90として採用できる。なお、モニタ92には、例えば、患者眼Eの正面画像、組織の断層画像、各種操作メニュー等、種々の画像を表示させることができる。
モニタ92には、患者眼Eの前眼部を表示する前眼部表示部93、患者眼Eの前眼部の断層像を表示するOCT像表示部94、手術条件を表示する手術条件表示部95、眼球固定するための操作を行う眼球固定操作部(眼球固定・インターフェイス操作部)96、照射端ユニット42の移動を操作する移動ユニット操作部97、が表示されてもよい。
OCT像表示部94では、術者により手術部位(レーザ照射の範囲)が表示される。モニタ92上で指定された手術部位は、OCT像上での領域を指定する信号として制御ユニット100へと送られる。手術条件表示部95では、術者の操作により、水晶体を破砕(切開)する治療レーザ光の照射パターンが設定される。照射パターンは予め複数用意されており、術者の選択によって設定される。手術条件表示部95で、照射パターンが設定されると、モニタ92は、設定信号を制御ユニット100へと送る。なお、本実施形態では、レーザ出力、レーザスポットのスポットサイズ、等は不変とし、術者が設定を変更しないものとしているが、術者により設定する構成としてもよい。
OCT像表示部94(モニタ92)は、術者が眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50の位置合わせを視覚的に行いやすいように、OCT像上にサクションリング281、インターフェイスユニット50を表示する役割を持ってもよい。
本実施形態では、OCT像表示部94において、少なくとも眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50の位置決めが完了するまでは、OCT像が動画表示される。OCT像では、患者眼Eの角膜及び角膜周辺(輪部周辺の強膜、眼球固定ユニット280(サクションリング281)が写り込んで撮影されている。ここでは、眼球固定時のOCT像では、少なくとも患者眼Eの角膜と、サクションリング281が含まれる。カバーガラス51の位置決め時のOCT像では、少なくとも、角膜とカバーガラス51が含まれる。
眼球固定操作部96には、サクションリング281に付加される吸引圧を設定する吸引圧設定部96a、サクションリング281により眼球を吸着する指令信号を入力する吸引スイッチ96b、サクションリング281内に液体を供給する指令信号を入力する供給スイッチ96c、サクションリング281内から液体を排出する指令信号を入力する排出スイッチ96d、インターフェイスユニット50の位置(高さ位置)を調節するための上下動スイッチ96eが配置されている。
吸引圧設定部96aが操作されると、吸引圧の数値を設定するためのテンキーが表示される。数値を入力すると、設定値としてメモリ71(後述)に記憶される。制御ユニット100は、設定された吸引圧に基づいて吸引ポンプを制御する。吸引スイッチ96bが操作されると、サクションリング281に付加(印加)される吸引圧がオン・オフされる。スイッチ96cが操作されると、指令信号が制御ユニット100へと送られる。信号を受けた制御ユニット100は、灌流吸引ユニットを制御し、図示無き液体用パイプを介して液体をサクションリング281内に供給し、一定の水位とする。スイッチ96dが操作されると、指令信号が制御ユニット100へと送られる。信号を受けた制御ユニット100は、吸引排出ユニットを制御し、液体用パイプを介してサクションリング281内の液体を排出する。
スイッチ96eには、上方に向いたカーソル97eと、下方へ向いたカーソル98eと、を含む。カーソル97eが操作されると、インターフェイスユニット50をZ方向に沿って上方向に移動させるための指令信号(操作信号)が制御ユニット100へと送られる。信号を受けた制御ユニット100は、駆動部12を制御し、カバーガラス51を上方へと移動させる。逆に、カーソル98eが操作されると、制御ユニット100は、カバーガラス51を下方へと移動させる。詳細は後述するが、術者は、モニタ92に表示される患者眼Eの動画像を見ながら眼球固定ユニット280を移動させ、眼球固定を行う。このため、モニタ92は、眼球固定ユニット280を位置決めするための手段(モニタリングユニット)となる。
移動ユニット操作部97は、第1移動ユニット10に、XYZ方向に移動させる指令信号(操作信号)を入力するための入力手段となっている。操作部270は、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれに対して正負の方向に配置されたカーソルを備えている。カーソルが操作されることで、方向に対応した指令信号が制御ユニット100へと送られる。
<制御ユニット>
制御ユニット100(図3,図7参照)は、CPU101、ROM102、RAM103、および不揮発性メモリ(図示せず)等を備える。CPU100は、眼科用レーザ手術装置1の各種制御(例えば、後述する制御データ作成の制御、レーザ光源ユニット310の制御、走査ユニット330の制御、集光位置の走査速度の調整制御等)を司る。ROM102には、眼科用レーザ手術装置1の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。RAM103は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリは、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。
制御ユニット100には、第1移動ユニット10、第2移動ユニット200、レーザ照射ユニット300、照明光源60、観察・撮影ユニット70、フォーカス調整ユニット80、操作ユニット90、吸引ポンプ、灌流吸引ユニット、等が接続される。
制御ユニット100は、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50で患者眼Eの固定が完了した後に、位置検出ユニット370を用いて患者眼Eの特徴部位(水晶体前嚢)の絶対位置を取得して、レーザ照射位置の補正を行う(アライメント)。
制御ユニット100は、手術用のレーザ光の照射よりも前に、OCT像表示部94で設定された手術部位(領域)と、位置検出ユニット370で取得した絶対情報とに基づき、手術用のレーザ光を照射するための位置情報を補正する。制御ユニット100は、補正された手術部位、手術条件、照射パターンに基づいてレーザ光源ユニット310からレーザ光を出射し、走査ユニット(ガルバノミラー363及び366)を制御して、レーザスポットを眼球組織で移動させ、眼球組織を切断、破砕する。
制御ユニット100は、眼球固定操作部470からの指令信号に基いて第1移動ユニット10を駆動制御し、眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50を照射端ユニット42と共に、XYZ方向に移動させる。これにより、眼球固定ユニット280およびインターフェイスユニット50のXY方向の位置合せと、Z方向の粗動の位置合せが行える。
制御ユニット100は、OCTユニット71等で取得した断層像を画像処理し、眼球固定固定ユニット280、インターフェイスユニット50、患者眼Eの組織の位置、形状を取得(検出、算出)、表示(表示制御)を行う役割を持つ。また、制御ユニット100は、断層像を表示する、又は、画像処理結果に基づいて眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50の駆動制御をすることによって眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50の位置をモニタリングするモニタリングユニットの機能(の一部)を担う。
<手術の流れ・制御動作>
続いて、手術の流れおよび本装置1の制御動作を図8に基づいて、眼球固定動作を中心に説明する。
術者は、連結部250に眼球固定ユニット280を取り付ける。術者は、眼球固定ユニット280を連結部250に嵌める。次に術者は、図示無き吸引装置の吸引開始ボタンを押す。図示無き吸引装置は、連結部250と凹部283との間に形成された空間Rの空気を吸引する。空間Rの空気が吸引されると、空間Rの内部に負圧が働く。これによって、連結部250に眼球固定ユニット280が吸着される。
次に、術者は、インターフェイスユニット50を照射端ユニット42のホルダ52に取り付ける。術者は、モニタ92の手術条件表示部95を操作し、手術条件を設定する。ここでは、水晶体を破砕するための照射パターンを選択する。照射パターンとしては、例えば、水晶体の前嚢だけを切開するパターン、前嚢切開及び水晶体核を分割するパターン(例えば、ニ分割、四分割、八分割、等)、前嚢切開及び水晶体核を小片に破砕するパターン、等から選択する。また、吸引圧設定部96aで眼球固定時の吸引圧を設定する。照射パターンの設定信号、吸引圧の設定信号は、制御ユニット100へと送られ、RAM103に記憶される。
次に、術者は、操作ユニット90を操作し、ベッド等に寝た患者の眼Eに、レーザ照射ユニット300の光軸L1を位置決め(XYアライメント)する。制御ユニット100は、操作部90からの信号を受け付け、第1移動ユニット10をXY方向に駆動させる(ステップ1)。なお、術者は、観察・撮影ユニット70によって撮影された前眼部画像を観察しながらXYアライメントの操作を行ってもよい。例えば、術者は、表示部93に表示された前眼部正面画像に写る輝点、瞳孔、角膜等を確認し、XY方向のアライメント操作を行ってもよい。
続いて、術者は、第1移動ユニット10をZ軸方向に駆動させる(ステップ2)。これによって、インターフェイスユニット50と眼球固定ユニット280を一体的に患者眼Eの強膜に接近させる。なお、ステップ2は、ステップ1が完了する前に開始されてもよい。
なお、術者は、前眼部表示部93と、OCT像表示部94に表示される動画像を見ながら作業してもよい。例えば、術者は、サクションリング281の強膜に対する接触状態を動画像(正面像、OCT像)を見ながら確認してもよい。制御ユニット100は、OCTユニット310で取得した動画像であるOCT像を画像処理し、患者眼Eの角膜形状を抽出して角膜頂点の位置を抽出してもよい。また、制御ユニット100は、患者眼Eの虹彩を抽出して瞳孔中心位置を取得してもよい。そして、制御ユニット100は、角膜頂点と瞳孔中心を通る線を患者眼Eの方向(眼球の軸を示す軸情報)としてもよい。制御ユニット100は、OCT像上に軸を示すシンボル(マーク)A1を重畳表示してもよい(図6参照)。また、制御ユニット100は、正面像取得ユニット350で取得した正面像を画像処理し、瞳孔中心位置を抽出してもよい。制御ユニット100は、瞳孔中心位置を示すシンボルA2を正面像に重畳表示する。シンボルA1、A2は、リアルタイムに更新表示されてもよい。
サクションリング281が患者眼Eに接触すると、ロードセル206は、患者眼Eによって眼球固定ユニット280が押し上げられる力を検出する(ステップ3)。ロードセル206によって力が検出されると、制御ユニット100は、第1移動ユニット10の駆動を停止させる(ステップ4)。このとき、制御ユニット100は、例えば、エンコーダ203からリンク212の位置を取得し、サクションリング281と患者眼Eとが接触した位置としてRAM103に記憶する(ステップ5)。
次いで、図9(a),(b)に示すように、制御ユニット100は、駆動部226を駆動させ、ピン221を下方向に移動させる。リンク211、212は、重力によって下方向に移動される。サクションリング281は、リンクユニット210および連結部250、眼球固定ユニット280等の重量の分、患者眼Eに押し付けられる。このように、制御ユニット100は、ピン221によるサクションリング281の支持を解除し、サクションリング281を患者眼Eに押し付ける(ステップ6)。これによって、サクションリング281と患者眼Eとの密閉性が高まり、サクションリング281が患者眼Eに吸着し易くなる。
なお、ステップ6において、サクションリング281を患者眼Eに押圧するときの荷重は、例えば、300g以下、より好ましくは200gになるように設定されてもよい。また、好ましくは、サクションリング281によって患者眼が良好に吸着されるように患者眼Eに適度な荷重が加わることが好ましい。例えば、駆動部226から切り離された状態で、患者眼Eに加わる荷重が300g以下になるように、リンクユニット210の設計が行われてもよい。
なお、例えば、制御ユニット100は、駆動部226を制御し、ピン221をリンク211に接触させることで、バネ222の弾性力の大きさだけ患者眼Eに加わる荷重をキャンセルしてもよい。
なお、バネ222の弾性力に限らず、例えば、リンクユニット210にバランス調整機構を設置することで、患者眼Eに加わる荷重をキャンセルしてもよい。例えば、リンク211のジョイント213側の端部に錘を固定してもよい。これによって、リンク211には、サクションリング281を上方に移動させる方向にモーメントが働き、患者眼Eに加わる荷重がキャンセルされる。
術者は、スイッチ96bを操作する。制御ユニット100は、スイッチ96bからの操作信号を受け付け、吸引装置に制御信号を送る(ステップ7)。吸引装置はポンプを始動させ、サクションリング281を患者眼Eに吸着させる。術者がスイッチ96cを操作すると、液体がサクションリング281内に満たされる。なお、制御ユニット100が、サクションリング281の移動の停止後に、吸引を開始する構成としてもよい。また、制御ユニット100が、サクションリング281での吸着完了に基づいて、液体を供給する構成としてもよい。
患者眼Eがサクションリング281に吸引された状態で、制御ユニット100は、サクションリング281の位置を、患者眼Eに接触したときの位置に戻す。制御ユニット100は、サクションリング281が患者眼Eに接触したときの位置をRAM103から読み出す(ステップ8)。制御ユニット100は、RAM103から読み出した位置に応じて駆動部226を駆動させ、ピン221を上方に移動させる。リンク211は、ピン221によって押し上げられる。リンク211が押し上げられると、リンク212がZ軸方向に上昇する。リンクユニット210が上方に移動されることによって、眼球固定ユニット280が上方に移動され、サクションリングの位置が患者眼Eに接触したときの位置に戻る。これによって、サクションリング281から患者眼Eに加わる押し付け力が解除される。このように、制御ユニット100は、眼球固定ユニット280の位置を元に戻す(ステップ9)。
<インターフェイス位置決め>
次に、術者は、インターフェイスユニット50を患者眼Eに対してZ方向で位置決めさせる。術者は、OCT像を見ながら、カバーガラス51の位置(Z方向での高さ位置)と、角膜の位置を確認しながら、操作ユニット90を操作して、角膜(頂点)に対してカバーガラス51前面(下面)が、一定の位置関係となるようにする。位置関係としては、例えば、角膜頂点とカバーガラス51前面が、1mm程度の距離とする。これは、液体の表面の揺れの影響を受けず、カバーガラス51が直接角膜に接触して患者に負担を掛けてしまわない距離である。
制御ユニット100は、操作ユニット90で入力された操作信号を指令信号として第1移動ユニット10に送る。制御ユニット100は、第1移動ユニット10を駆動させ、照射端ユニット42及びインターフェイスユニット50を患者眼Eに対してZ軸方向に移動させる(ステップ10)。
第2移動ユニット200は、アーム202によって照射端ユニット42に取り付けられている。このため、第1移動ユニット10の駆動によって、第2移動ユニット200は、照射端ユニット42とともに患者眼Eの方向に移動される。
本実施例では、図9に示すように、第1移動ユニット10によってインターフェイスユニット50および第2移動ユニット200が移動された場合、制御ユニット100は、眼球固定ユニット280の位置を患者眼E(或いは装置の設置面(床面))に対して一定に保持するように、第2移動ユニット200の駆動を制御する(ステップ11)。
例えば、第1移動ユニット10が第2移動ユニット200及び眼球固定ユニット280を患者眼Eに近づける方向に移動させる移動量をΔZ1、第2移動ユニット200が眼球固定ユニット280を照射端ユニット42に対して相対的に近づける方向に移動させる移動量をΔZ2とする。本実施例の制御ユニット100は、例えば、移動量ΔZ1と移動量ΔZ2が等しくなるように第1移動ユニット10と第2移動ユニット200の駆動が制御される。
例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニット10および第2移動ユニット200のそれぞれの駆動部12,226に関して、駆動量(例えば、パルスモータのパルス数)と、リンク212(または、眼球固定ユニット280)の移動量との関係が記憶される。したがって、制御ユニット100は、第1移動ユニット10の駆動量に応じて、第2移動ユニットの駆動を制御してもよい。これによって、移動量ΔZ1と移動量ΔZ2が等しくなるように、第1移動ユニット10と第2移動ユニット200を制御することができる。
本実施例の場合、第1移動ユニット10による第2移動ユニット200の下方への移動量ΔZ1と、第2移動ユニット200による眼球固定ユニット280の上方への移動量ΔZ2が相殺される。これによって、眼球固定ユニット280のZ軸方向の位置が患者眼Eに対して不動に保たれた状態で、インターフェイスユニット50を患者眼Eに対して位置決めすることができる。したがって、第1移動ユニット10の移動によって眼球固定ユニットが患者眼Eに押し付けられ、患者眼Eの眼圧が上昇することが低減される。つまり、手術中の患者の負担を軽減させることができる。
なお、本実施例において、ステップ10とステップ11は並行して処理されるが、処理時間がずれていてもよい。例えば、ステップ10の処理に追従してステップ11が処理されてもよい。
なお、ロードセル206による圧力の検出結果を見ながら、第1移動ユニット10及び第2移動ユニット200をサーボコントロールしなくとも、眼圧の変動を抑制しつつ眼球固定を行える。
なお、術者は、モニタ92に表示されたロードセルの圧力の検出結果(例えば、インジケータ)を見ながら操作ユニット90を操作してもよい。制御ユニット100は、術者の操作による操作ユニット90からの信号に基づいて、駆動部12または駆動部226等を駆動させてもよい。
本実施例では、ロードセル206の検出値は、第1移動ユニット10及び第2移動ユニットの移動制御には、フィードバックされない。しかし、ロードセル206の検出結果は、常に監視されており、圧力が閾値以上に達すると、ロック部230によるロックが解除される。これによって、患者眼Eに過度の負荷が掛かることが抑制される。
さらに、本実施例において、例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニット10が駆動されるとき、眼球固定ユニット280が患者眼Eに対して定常的に一定の位置に保持されるように、第2移動ユニット200を制御する。
例えば、第1移動ユニット10が第2移動ユニット200と眼球固定ユニット280とを患者眼Eに近づける方向に一体的に移動させ、第2移動ユニット200が眼球固定ユニット280を患者眼Eから遠ざける方向に移動させるとする。このとき、第1移動ユニット10によって眼球固定ユニット280が移動されるときのZ軸方向の移動速度の大きさをV1、第2移動ユニット200によって眼球固定ユニット280が移動されるときのZ軸方向の移動速度の大きさをV2とする。本実施例において、制御ユニット100は、Z軸方向の移動速度の大きさV1とV2が等しくなるように第1移動ユニット10と第2移動ユニット200を制御する。
例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニット10および第2移動ユニット200のそれぞれの駆動部12,226に関して、駆動速度(例えば、モータの回転速度)と、リンク212(または眼球固定ユニット280)の移動速度との関係が記憶される。したがって、制御ユニット100は、第1移動ユニットの駆動量に応じて、第2移動ユニット200の駆動を制御してもよい。これによって、移動速度の大きさV1と移動速度の大きさV2が等しくなるように、第1移動ユニット10と、第2移動ユニット200を制御することができる。
これによって、制御ユニット100は、眼球固定ユニット280を患者眼E対して常に一定の位置に保った状態で、インターフェイスユニット50(カバーガラス51)を患者眼Eに対して位置決めできる(ステップ12)。したがって、眼球固定ユニット280が移動することによって、サクションリング281に患者眼Eが圧迫されて眼圧が上昇することを低減させることができる。
なお、上記のように、眼球固定ユニット280の位置は、患者眼Eに対して必ずしも一定でなくてもよい。ただし、患者眼Eに過大な負荷が掛からない程度に眼球固定ユニット280の位置を保持することが好ましい。
なお、制御ユニット100が、OCT像の画像処理により、カバーガラス51前面の位置と、眼球固定ユニット280の上面の位置とを検出してカバーガラス51の位置決めを行う構成としてもよい。
このようにして、患者眼Eの眼球が固定され、インターフェイスユニット50が位置決めされる。術者が、前眼部画像またはOCT像等の動画像を見ながら、サクションリング281、インターフェイスユニット50のZ方向の移動を行うことで、簡単に位置決め作業が行える。また、患者眼Eの動画像を確認することで、患者眼によって異なる強膜、角膜の位置に対応で、患者眼に応じて好適な眼球固定ができる。
また、本実施形態の装置は、装置本体に設けられたサクションリング281とインターフェイスユニット50を独立してそれぞれZ方向に移動可能な構成を持ち、サクションリング281によって固定された患者眼に対してインターフェイスユニット50を移動させる。これにより、サクションリング281によって固定された患者眼とインターフェイスユニットの位置関係を好適に調整できるため、患者眼によって異なる強膜、角膜の位置に対応で、患者眼に応じて好適な眼球固定ができる。さらに、インターフェイスユニット50は、第2移動ユニットによって、XY方向への移動が規制された状態にて、サクションリング281に対してZ軸方向に移動可能であるため、インターフェイスユニット50とサクションリング281とのXY方向のずれの発生を回避できる。
また、本実施形態の装置は、装置本体に設けられたサクションリング281とインターフェイスユニット50を独立してそれぞれZ方向に移動可能な構成を持ち、患者眼に対するサクションリング281の固定、サクションリング281によって固定された患者眼とインターフェイスユニット50の位置関係の調整を、スムーズに行うことができ、効率的な手術が行える。
<フォーカスの調整>
なお、本実施例の装置1では、第1移動ユニット10によって正面観察ユニット75及び対物レンズ305がZ軸方向に移動される場合、患者眼Eにフォーカスが合うように、フォーカス調整ユニット80によって正面観察ユニット75のフォーカスが調整される。
例えば、図10(a),(b)に示すように、第1移動ユニット10が患者眼Eに向かって移動するとする。このとき、患者眼Eに対する対物レンズ305の距離および患者眼Eに対する正面観察ユニット75の距離が短くなる。このため、正面観察ユニット75の光学系によって受光素子76の位置に結像されていた患者眼Eの像は、受光素子76の遠方に結像されるようになる。したがって、受光素子76によって検出される患者眼Eの正面画像は、ピントの合っていない画像になってしまう。
例えば、眼球固定ユニット280によって固定される前における患者眼Eに対して正面観察ユニット75のフォーカスを調整する。例えば、初期状態では、サクションリング281から患者側に15mm離れた位置に受光素子76のフォーカスが合っているものとする。これによって、術者は、サクションリング281に患者眼Eが接触する前に、患者眼Eの位置を把握することができる。
まず、術者は、第1移動ユニット10によって、眼球固定ユニット280を患者眼Eに接近させる。眼球固定ユニット280が移動されることによって、サクションリング281から15mm離れた位置に患者眼Eが位置すると、受光素子76のフォーカスが患者眼Eに合う。しかしながら、サクションリング281を患者眼Eに当接させるため、さらに第1移動ユニット10を移動させると、受光素子76のフォーカス位置が患者眼Eに対してずれてしまう。フォーカス位置がずれると、受光素子76によって取得される患者眼Eの正面画像がぼやけてしまい、患者眼Eと眼球固定ユニット280のXY方向の位置決めに支障が出てしまう。
このような場合、本実施例において、制御ユニット100は、例えば、第1移動ユニット10の移動によって、受光素子76のフォーカスが患者眼Eに合った後、第1移動ユニット10の位置または移動量に応じたフォーカス調整ユニット80の制御を開始してもよい。そして、制御ユニット100は、対物レンズ305及び正面観察ユニット75によって結像された患者眼Eの像が受光素子76の受光位置に結像されるように、受光素子76の位置を変更する。例えば、観察光路上における受光素子76と患者眼Eの距離を変化させる。
例えば、図10(b)に示すように、制御ユニット100は、フォーカス調整ユニットの駆動部81を制御し、受光素子76を移動させる。第1移動ユニット10によって、対物レンズ305と患者眼Eとが近づく方向に移動されると、制御ユニット100は、駆動部81によって、受光素子76の位置を患者眼Eから遠ざける方向に移動させる。このように、制御ユニット100は、フォーカス調整ユニット80によって正面観察ユニット75のフォーカス位置を調整することができる。患者眼Eに対して対物レンズ305を近づけた時の移動量と、受光素子76を移動させるときの移動量との関係は、装置の光学系等に依存し、実験的に求めることができる。また、対物レンズ305の移動量と受光素子76の移動量は、設計値として理論的に求めることもできる。例えば、対物レンズ305を患者眼Eに対して35mm近づけた場合、受光素子76を2mm遠ざけることで、受光素子76のピントを患者眼Eに合わせることができる。
このように、照射端ユニット42の移動に伴って正面観察ユニット75の配置が移動される場合、受光素子76に撮像される患者眼Eの画像のピントが合わなくなってしまう。画像のピントが合わなくなると、例えば、サクションリング281の位置決めが不鮮明な画像で行われることになる。したがって、例えば、レーザ照射光学系320の光軸L1に対して、患者眼Eの光軸L2がずれて傾いた状態で、患者眼Eが固定されてしまう。
本実施例ように、正面観察ユニット75と患者眼Eとの距離が変化し、受光素子76のフォーカスが合わなくなった場合、例えば、フォーカス調整ユニット80によって、正面観察ユニット75のフォーカスを患者眼Eに合わせる。
このように、正面観察ユニット75のフォーカスを調整することで、患者眼Eの様子が観察し易くなる。そして、サクションリング281の位置決めおよびインターフェイスユニット50の位置決めを好適に行うことができる。
さらに、本実施例では、眼球固定ユニット280によって患者眼Eを固定した後、患者眼Eに対して、照射端ユニット42の位置合わせを行うときも、正面観察ユニット75のフォーカスを調整してもよい。
例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニット10を移動させ、眼球固定ユニット280に固定された患者眼Eに対して、対物レンズ305およびインターフェイスユニット50を接近させる。そして、患者眼Eを、レーザを照射するための照射位置に配置する。第1移動ユニット10が移動されることにともない、正面観察ユニット75も移動される。つまり、正面観察ユニット75のフォーカス位置がずれる。このとき、制御ユニット100は、フォーカス調整ユニット80を制御し、例えば、受光素子76の位置を移動させる。これによって、フォーカス調整ユニット80は、患者眼Eを固定する前の眼球固定ユニット280の待機位置から、レーザを照射するための照射位置までに置ける患者眼Eに正面観察ユニット75のフォーカスを合わせることができる。これによって、術者は、眼球固定前からレーザを照射するまで、患者眼Eの様子を確認し易くなる。
なお、フォーカス調整ユニット80は、眼球固定ユニット280の高さに応じてリアルタイムで受光素子76のフォーカスを調整してもよい。例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニット10または第2移動ユニット200の移動量から、眼球固定ユニットのリアルタイムの高さを検出する。そして、制御ユニット100は、検出したリアルタイムの高さに応じてフォーカス調整ユニット80を制御し、受光素子76のフォーカスをリアルタイムにて調整してもよい。
眼球固定が完了すると、術者は、手術部位の設定を行う。術者は、OCT像表示部94のスイッチを操作し、プランニングを行う。プランニングが完了すると、制御ユニット100は、位置検出ユニット370を制御して、患者眼Eの眼球組織の特徴部位の絶対位置を取得し、レーザ照射位置情報の補正を行う。補正結果はRAM103に記憶される。
術者が、操作部ユニット90を操作すると、制御ユニット100は操作信号に基いて設定された手術条件、照射パターン、補正されたレーザ照射位置情報、に基づいてレーザ照射を行う(レーザ照射光学系320の制御)。
レーザ照射によって、患者眼の水晶体が切断、破砕され、水晶体前嚢が切開される。制御ユニット100は、レーザ照射が完了すると、図示無きブザーによって術者に報知する。術者は、スイッチ97eを操作して、インターフェイスユニット50を上方へと移動させる。また、術者は、スイッチ96dを操作して、サクションリング281内の液体を排出させる。そして、術者は、スイッチ96bを操作してサクションリング281による吸着を解除し、サクションリング281を患者眼Eから取り外す。なお、レーザ照射完了後の処理を、制御ユニット100が行う構成としてもよい。
眼球固定ユニット280及びインターフェイスユニット50が取り外された患者眼は、別の手術装置、例えば、超音波白内障手術装置によって、手術される。
なお、本実施例において、フォーカス調整ユニット80は、観察・撮影ユニット70の受光素子76を対物レンズ305に対して移動させることによって、観察・撮影ユニット70のフォーカスを調整するものと説明したが、これに限らない。例えば、図11(a)に示すように、観察・撮影ユニット70の光路上にフォーカス調整用のレンズを挿脱させてもよい。例えば、観察・撮影ユニット70は光路上に凹レンズ83が配置され、受光素子76は、サクションリング281からの15mm遠方にピントが合っているとする。患者眼Eがしだいに接近し、サクションリング281から15mm遠方の位置に来ると、観察・撮影ユニット70のフォーカスは患者眼Eに一致する。
次いで、患者眼Eが、サクションリング281と接触する位置に達した場合、制御ユニット100は、凹レンズ82を観察・撮影ユニット70の光路外に退避させる。結果として、サクションリング281にドッキングされた患者眼Eの近辺に、受光素子76のフォーカスが合うようになる。さらに、照射端ユニット42がレーザ照射位置まで接近した場合、制御ユニット100は、観察・撮影ユニット70の光路上に凸レンズ83を挿入する。結果として、レーザ照射位置に配置された患者眼Eの近辺に受光素子76のフォーカスが合うようになる。
このように、観察・撮影ユニット70の光路上に光学素子(例えば、凹レンズ82、凸レンズ83)を挿脱することによっても、観察・撮影ユニット70のフォーカス位置を調整することができる。
また、例えば、図11(b)に示すように、対物レンズ305を移動させることによって、観察・撮影ユニット70のフォーカスを調整するものとしてもよい。例えば、照射端ユニット42を患者眼Eの方向に移動させる。このとき、対物レンズ305を患者眼Eから遠ざかる方向に移動させる。患者眼Eと受光素子76の位置が変更されることによってフォーカス位置がずれてしまっても、対物レンズ305を移動させることによって、受光素子76のフォーカスを患者眼Eに合わせることができる。
また、例えば、観察・撮影ユニット70に備えられた図示無き結像レンズを移動させることによって、観察・撮影ユニット70のフォーカスを調整してもよい。
以上のように、フォーカス調整ユニット80は、受光素子76の配置を調整することによって、観察・撮影ユニット70の受光素子76のフォーカスを調整してもよい。
また、例えば、フォーカス調整ユニットは、例えば、患者眼Eの高さに応じて設けられた複数の図示無き受光素子を切換えてもよい。このように、フォーカス調整ユニットは、フォーカス位置の異なる複数の受光素子を切換ることによって、正面観察ユニット75のフォーカスを調整できてもよい。
本実施例の受光素子76では、眼球の固定前において、サクションリング281の遠方にフォーカスが合った状態である。このように、サクションリング281の遠方にフォーカスを合わせておくことで、サクションリング281に接触する前の患者眼Eを好適に検出することができる。さらに、前述のように、受光素子76のフォーカスを患者眼Eに調整することによって、患者眼Eがサクションリング281と接触する前から、レーザを照射されるまで、ピントの合った画像を撮影することができる。これによって、術者は術中の患者眼Eの様子を適切に観察することができる。
なお、本実施例では、例えば、サクションリング281から15mm遠方の位置にフォーカスが合っている。カバーガラス51からは、例えば、35mm遠方の位置にフォーカスが合っている。受光素子76のピントは、少なくとも、サクションリング281から5mm遠方の位置に合っているとよい。また、好ましくは、カバーガラス51からは、例えば、25mm遠方にピントが合っているとよい。少なくとも、サクションリング281に患者眼Eが接触する前に、患者眼Eに受光素子76のフォーカスが合うことが好ましい。
なお、本実施例においては、制御ユニット100は、観察・撮影ユニット70によって取得された患者眼Eの前眼部画像に基づいて、患者眼Eの位置を検出してもよい。例えば、制御ユニット100は、照明光源からの照明光によって形成された角膜上の輝点を正面画像から検出してもよい。そして、制御ユニット100は、検出された輝点の位置に基づいて、患者眼EのXY方向またはZ軸方向の装置に対する距離を求めてもよい。例えば、図12(a)、(b)に示すように、制御ユニット100は、正面画像に写った角膜輝点の位置から照射端ユニット42に対する患者眼Eの位置を検出してもよい。このように、正面観察ユニット75は患者眼の位置を検出する検出ユニットとして機能してもよい。なお、図12に示すように、正面画像には、カバーレンズ51等に照明光が反射してできた輝点が写りこむ場合がある。例えば、レーシック手術等のカバーレンズ51を場合が挙げられる。このカバーレンズ51等の輝点は、常に正面画像の同一位置に検出される。制御ユニット100は、予め記憶部に記憶された輝点の形成される位置を読み込み、角膜輝点とカバーレンズ51の輝点を区別してもよい。また、カバーレンズ51の輝点は、角膜輝点に比べて大きく写る場合が多い。このため、制御ユニット100は、輝点大きさから角膜輝点とカバーレンズ51の輝点を区別してもよい。
なお、術者は、正面画像に写った角膜輝点の位置が、表示部93の中央に配置されるように操作ユニット90を操作し、第1移動ユニット10を移動させてもよい。
なお、OCTユニットによって患者眼の位置を検出してもよい。例えば、OCTユニットによって撮影された患者眼の前眼部断層像から、患者眼の位置を検出してもよい。OCTユニットは、患者眼の角膜の断層像、眼球固定ユニット280、インターフェイスユニット50等も撮影される。したがって、OCTユニット71は、装置に対する患者眼Eの位置を検出する検出ユニットとして機能してもよい。制御ユニット100は、OCTユニットによって検出された装置に対する患者眼Eの位置に応じて、フォーカス調整ユニット80を制御し、受光素子76のフォーカスを調整してもよい。
なお、サクションリング281によって患者眼Eが固定された後は、眼球固定ユニット280の位置からおよその患者眼Eの位置を検出してもよい。例えば、制御ユニット100は、第1移動ユニットまたは第2移動ユニットの駆動量(パルスモータのパルス数など)から眼球固定ユニット280の位置を検出する。
以上のように、手術装置1は、検出ユニット(例えば、観察・撮影ユニット、制御ユニット)によって、患者眼Eの位置を検出してもよい。そして、制御ユニット100は、検出した患者眼Eの位置に基づいてフォーカス調整ユニットを制御し、正面観察ユニット75のフォーカスを調整してもよい。
なお、検出ユニットは、角膜輝点、瞳孔、角膜輪舞、結膜血管等を検出してもよい。検出ユニットは、手術装置1の動作に合わせて、検出対象を切り換えてもよい。例えば、装置1と患者眼Eのアライメント状態を検出する場合、検出ユニットは、角膜輝点を検出対象として設定してもよい。角膜輝点は検出しやすく、アライメント状態の検出精度を高めることができる。また、検出対象として、レーザの照射対象(例えば、水晶体、角膜など)を検出対象としてもよい。例えば、手術のプランニング等を行うときは、レーザの照射対象を鮮明な画像で確認するために、照射対象に観察画像のフォーカスが合っていることが好ましい。したがって、検出ユニットは、レーザの照射対象を検出し、観察・撮像ユニット70のフォーカスを調整してもよい。照射対象を検出することによって、フォーカスを調整してもよい。
なお、制御ユニット100は、フォーカス調整ユニット80によって常に受光素子76のフォーカス調整を行い、受光素子76の位置に基づいて、照射端ユニット42から患者眼Eまでの距離を算出しても良い。例えば、受光素子76のピントが合う位置は、光学的な設計値によって算出することができる。このように、受光素子76のフォーカス状態を利用して、患者眼EのZ軸方向の位置を取得してもよい。
なお、以上の説明において、フォーカス調整ユニット80は駆動部81を有し、制御ユニット100によって自動で制御されるものとしたが、これに限らない。例えば、術者によって手動で受光素子76等の位置を移動させ、フォーカス調整を行ってもよい。
本実施例では、患者眼Eとサクションリング281のドッキング前の位置から、患者眼Eにレーザを照射する位置までの広い領域に対して、患者眼Eの位置を検出している。このため、本実施例では、対物レンズ305に対して患者眼Eが遠い場合と近い場合で、照明光源60からの出射光が角膜を反射して受光素子76に受光されるまでの光路が異なる。
例えば、対物レンズ305に対して患者眼Eが遠い場合、照明光は、カバーガラス51の外側を通り、サクションリング281の内側を通過して角膜に到達する。そして、角膜に反射された照明光は、Z軸方向に反射され、受光素子76に受光される。一方、対物レンズ305に対して患者眼Eが近い場合、照明光は、カバーガラス51の内部を透過し、サクションリング281の内側を通過して角膜に到達する。そして、角膜に反射された照明光は、Z軸方向に反射され、受光素子76に受光される。
このように、本実施例では、対物レンズ305に対して患者眼Eが遠い場合と近い場合と、どちらの場合でも角膜に輝点を形成できるように照明光源60が配置されている。これによって、同一の照明光源60を用いて、長い領域で角膜上に輝点を形成させることができる。
なお、以上の説明では、第2移動ユニット200は、第1移動ユニット10によってXYZ方向に移動されるとしたが、これに限らない。例えば、第2移動ユニット200は、第1移動ユニット10の駆動に影響されない本体部2に取り付けられてもよい。この場合、第2移動ユニット200は、本体部2に対して眼球固定ユニット280をXYZ方向に移動可能に保持できるとよい。また、この場合、第2移動ユニット200のXY方向の駆動に関しては、第1移動ユニット10の駆動と同期されてもよい。
なお、以上の説明では、サクションリング、インターフェイスユニットは、ディスポーザブルタイプ(ワンユースタイプ)としたが、これに限るものではない。眼球の固定ができればよく、リユースタイプであってもよい。この場合、繰り返し滅菌が可能な素材、ステンレス鋼、ガラス、等を用いて、それぞれのユニットを形成する。
なお、以上説明した本実施形態では、サクションリングによる患者眼の吸着の後に、インターフェイスユニットを患者眼に当接させる構成としたが、これに限るものではない。眼球固定が行えればよく、作業の順番が逆であってもよい。
なお、以上の説明では、サクションリング、インターフェイスユニットは、Z方向に移動する構成となっていたが、これに限るものではない。2つのユニットが、独立して移動する構成であればよく、それぞれのユニットが、XY方向(或いは回転)する構成であってもよい。
なお、以上の説明では、OCT像には撮影した画像(動画像)を用いて眼球固定ユニットの位置決めを行う構成としたが、これに限るものではない。例えば、少なくともサクションリングのリングの位置を示すシンボル(イラスト、フレーム等)をOCT像に重畳表示する構成としてもよい。例えば、サクションリングの部材の構成、第1保持ユニットのセンサの検出信号から、サクションリングのリングの位置を求め、OCT像に表示させる構成としてもよい。これによって、画像に写りこみにくい部材の位置をモニタ上で確認できる。
また、制御ユニット等の画像処理によってOCT像から患者眼の形状を抽出して、眼球固定等に利用する構成としてもよい。例えば、眼球固定動作の前に取得したOCT像(別の撮影装置で取得したOCT像でもよい)を画像処理し、角膜形状と、サクションリングが接触する角膜周辺の形状(眼球形状)を抽出しておく。眼球形状は、角膜頂点付近を通る直交するライン(Bスキャン)によって取得された3次元形状であることがこのましい。眼球固定動作の際に、患者眼の角膜形状を取得して、予め取得していた角膜形状とマッチングさせることによって、患者眼の角膜周辺の形状と位置を取得する。得られた角膜周辺の形状と位置をOCT像上にシンボル表示する構成とする。これにより、OCTユニットで角膜周辺を撮影できなくても、術者が角膜周辺の位置を確認(予測)しながらサクションリングの位置決めが行える。
なお、以上の説明では、OCTユニットが、眼球固定ユニット、インターフェイスユニットの少なくとも一部を含むOCT像を取得する構成としたが、これに限るものではない。OCT像上で眼球固定ユニット等の位置、形状がわかる構成であればよい。例えば、眼球固定ユニット等の一部を示すイラスト等をOCT像上にシンボルとして表示する構成としてもよい。具体的には、制御ユニットが、サクションリングの位置をセンサ、アライメントユニットの情報(位置の検出結果)により取得し、OCT像上にサクションリングを模した形状のイラストを表示する。イラストは、サクションリングの設計情報から形状を模す。制御ユニットは、センサの位置情報に基づき表示を更新する。OCT像上のイラストによって、術者は、サクションリングの位置を知ることができ、位置合せがし易くなる。インターフェイスユニットの場合も同様に、駆動部、アライメントユニットの情報を取得し、インターフェイスユニットのイラスト(少なくとも)カバーガラスを示すOCT像上に表示する。なお、眼球固定ユニット、インターフェイスユニットの一部がOCT像に含まれていてもシンボル表示してもよい。
なお、以上の説明では、OCT像の動画像をモニタに表示させる構成としたが、これに限るものではない。制御ユニットが、眼球ユニット等の位置合せを行う場合のモニタリングができる構成であればよい。撮影されたOCT像は内部で処理される構成としてもよい。この場合、制御ユニットがモニタリングユニットとして機能することとなる。
なお、以上の説明では、断層像撮影ユニットとして、OCTユニットを用いる構成としたが、これに限るものではない。患者眼の奥行情報、断層像を撮影できればよい。例えば、シャインプルーフカメラユニットを用いる構成としてもよい。
なお、以上の説明では、OCT像等をレーザ照射前(手術前)の眼球固定ユニットの位置合せに用いる構成としたが、これに限るものではない。レーザ照射中(手術中)に、OCT像を用いて眼球固定の状態をモニタ(確認)する構成としてもよい。例えば、制御ユニットが、画像処理により、OCT像から患者眼の移動を検出する構成とする。制御ユニットが、OCT像から角膜形状、角膜頂点位置、等の患者眼の特徴部分の情報を得ておく。制御ユニットが、特徴部分の位置をモニタして、特徴部分の移動を検出する。例えば、サクションブレイク等によって眼球が移動してしまった場合、制御ユニットは、検出結果に基づいてレーザ照射を停止し、術者に報知する構成とする。このような場合、サクションリングの吸引圧をモニタするセンサを用いた吸着状態の検出と比べて、吸着状態の検出を早くできる。また、吸着状態に限らず、OCT像等から患者眼の変化を検出し、レーザ照射を停止する、レーザ照射(の位置)を補正する制御を行う構成としてもよい。
なお、以上の説明では、眼球固定ユニットの少なくとも一部、インターフェイスユニットの少なくとも一部、がOCT像に写り込む構成としたが、これに限るものではない。インターフェイスユニットの位置合せができる構成であればよく、インターフェイスユニットの一部がOCT像に写り込めばよい。これによって、画像表示、画像処理での角膜とインターフェイスユニットに位置関係が取得しやすい。
なお、以上の説明では、眼球固定ユニットの一部、インターフェイスユニットの一部がOCT像に写り込む構成としたが、これに限るものではない。角膜に対して眼球固定ユニット、インターフェイスユニットの位置合せができる構成であればよい。各ユニットは必ずしもOCT像に写り込まなくてもよい。OCTユニットと角膜(表面)の位置関係は、撮影されたOCT像から取得できる。このため、OCTユニットと眼球固定ユニット、インターフェイスユニットの位置関係を定めることによって、眼球固定ユニット等が写り込まないOCT像を利用して角膜(患者眼)と眼球固定ユニットの位置関係を取得して、各ユニットの位置合せを行うことができる。
なお、以上の説明では、OCT像を利用した眼球固定ユニット、インターフェイスユニットの位置合せにおいて、各ユニットが装置本体に固定的に配置された構成であったが、これに限るものではない。レーザ照射ユニットに対して眼球を固定する構成であればよい。例えば、眼球固定ユニットは、装置とは独立したユニットであってもよい。この場合、眼球固定作業において、OCT像等を用いることによって、独立した眼球固定ユニットの位置決めがし易くなる。
なお、以上の説明では、眼球固定ユニット(サクションリング)は、眼球を吸引して、吸着固定する構成としたが、これに限るものではない。眼球を固定できる構成であればよい。例えば、眼球に接触し、眼球の動きを抑制する眼球固定ユニットであってもよい。
なお、以上の説明では、レーザ光を備える眼科用レーザ手術装置を例に挙げたが、これに限るものではなない。患者眼(患者眼)の眼球を固定し、固定された患者眼の眼球組織にレーザ光を照射して手術、治療を行う構成であればよい。例えば、選択的線維柱帯形成術(Selective Laser Trabeculoplasity)を行うための眼科用レーザ手術装置であってもよい。この場合、レーザ光は、可視光のレーザ等であり、レーザスポットのサイズは、数百μmとされ、患者眼隅角の線維柱帯に照射される。
以上のように本発明は実施形態に限られず、種々の変容が可能であり、本発明はこのような変容も技術思想を同一にする範囲において含むものである。
1 眼科用レーザ手術装置
10 第1移動ユニット
200 第2移動ユニット
300 レーザ照射ユニット
50 インターフェイスユニット
60 照明光源
70 観察・撮影ユニット
80 フォーカス調整ユニット
90 操作ユニット
100 制御ユニット

Claims (18)

  1. レーザ光源から出射されたレーザ光を患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置であって、
    前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、
    第1駆動部を備え、前記第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた第1移動ユニットと、
    第2駆動部を備え、前記第2駆動部の駆動によって、前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに対して移動させるために設けられた第2移動ユニットと、
    前記第1駆動部の駆動と前記第2駆動部の駆動を制御し、前記第1移動ユニットと前記第2移動ユニットを独立して移動させる駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼科用レーザ手術装置。
  2. 前記駆動制御手段は、
    前記第1駆動部の駆動を制御して、第1移動ユニットによって前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットを前記患者眼に向けて移動すると共に、
    前記第2駆動部の駆動を制御して、前記第1移動ユニットによる前記眼球固定ユニットの移動を相殺する方向に前記眼球固定ユニットを移動させることを特徴とする請求項1の眼科用レーザ手術装置。
  3. 前記駆動制御手段は、
    前記第2駆動部の駆動を制御して、前記眼球固定ユニットによる前記患者への圧力を制御することを特徴とする請求項1の眼科用レーザ治療装置。
  4. 前記第2移動ユニットの本体は、連結部材を介して前記デリバリーユニットに連結され、前記照射端ユニットの筐体とは離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  5. 前記駆動制御手段は、第1移動ユニットによって前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットが前記患者眼に向けて移動される際、前記眼球固定ユニットの位置が前記患者眼に対して一定になるように前記第2駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  6. 前記第2移動ユニットは、前記デリバリーユニットに連結され前記照射端ユニットとともに前記第1移動ユニットによって移動される基部と、前記基部に対して移動可能であって前記眼球固定ユニットと連結される可動部材と、を備え、
    前記第2駆動部は、前記可動部材を前記基部に対して移動させるための第2駆動部であって、
    前記駆動制御手段は、前記基部が前記第1移動ユニットによって前記照射端ユニットとともに移動される場合、前記基部に対して前記可動部材を移動させることによって前記眼球固定ユニットの位置を前記患者眼に対して一定にすることを特徴とする請求項5の眼科用レーザ手術装置。
  7. 前記第2移動ユニットは、前記眼球固定ユニットによる前記患者眼への圧力を検出するための圧力センサを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  8. 前記駆動制御手段は、前記圧力センサからの検出信号に基づいて前記第1駆動部、前記第2駆動部の少なくともいずれかの駆動を制御することを特徴とする請求項7の眼科用レーザ手術装置。
  9. 前記駆動制御手段は、前記圧力センサからの検出信号に基づいて、前記眼球固定ユニットと前記患者眼との接触が検出された場合、前記第1駆動部の駆動を停止することを特徴とする請求項7または8の眼科用レーザ手術装置。
  10. 術者によって操作される操作手段をさらに備え、
    前記駆動制御手段は、術者の操作による前記操作手段からの操作信号に基づいて前記第2駆動部の駆動を制御することを特徴とする請求項7〜9のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  11. 前記第2移動ユニットは、前記眼球固定ユニットの高さを検出するための位置検出センサを備え、
    前記駆動制御手段は、前記位置検出センサによって取得された前記眼球固定ユニットの位置情報に基づいて、前記第1駆動部および前記第2駆動部の少なくとも一方の駆動を制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  12. 前記駆動制御手段は、前記圧力センサからの検出信号に基づいて、前記眼球固定ユニットと前記患者眼との接触が検出された場合、前記第1駆動部の駆動を停止すると共に、前記位置検出センサによって検出された前記眼球固定ユニットの高さを基準位置としてメモリに記憶させ、
    さらに、前記第1駆動部を駆動させて前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットを前記患者眼に向けて移動させた後、前記メモリに記憶された基準位置に前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットを復帰させることを特徴とする請求項11の眼科用レーザ手術装置。
  13. 前記駆動制御手段は、
    前記第1駆動部の駆動を制御して、前記第1移動ユニットによって前記照射端ユニット及び前記眼球固定ユニットを前記患者眼に向けて移動させ、前記患者眼に対する前記照射端ユニットの位置決めを完了させた後、
    前記第2駆動部の駆動を制御して、第2移動ユニットによって前記眼球固定ユニットを前記患者眼に向けて移動させることを特徴とする請求項1の眼科用レーザ手術装置。
  14. 前記第2移動ユニットによる前記眼球固定ユニットの移動をロックするためのロック機構を備え、
    前記駆動制御手段は、前記第2駆動部が駆動される間、前記ロック機構のロックを解除し、前記第2駆動部の駆動が停止されている間、前記ロック機構のロックを作動させることを特徴とする請求項1〜13のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  15. レーザ光源から出射された前記レーザ光を前記患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置であって、
    前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、
    第1駆動部を備え、第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた第1移動ユニットと、
    前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに対して移動させるために設けられた第2移動ユニットと、
    前記第2移動ユニットの本体は、連結部材を介して前記デリバリーユニットに連結され、前記照射端ユニットの筐体とは離れた位置に配置され、
    前記第2移動ユニットは、前記患者眼に対して、前記眼球固定ユニットを300g以下、より好ましくは200g以下の荷重で押圧することを特徴とする眼科用レーザ手術装置。
  16. 前記眼球固定ユニットは、前記第2移動ユニットに対して着脱可能であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかの眼科用レーザ手術装置。
  17. レーザ光源から出射されたレーザ光を患者眼に照射するための照射光学系であって、前記レーザを前記患者眼の組織に対して集光させるための対物レンズを備える照射光学系を備え、前記レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置に着脱可能な眼球固定部移動ユニットであって、
    前記眼科用レーザ手術装置は、
    前記対物レンズを収容する照射端ユニットと、前記照射光学系の少なくとも一部と、を備え、前記レーザ光を前記患者眼に導光するためのデリバリーユニットと、
    第1駆動部を備え、前記第1駆動部の駆動によって、前記照射端ユニットと、前記デリバリーユニットに連結され、前記患者眼を前記対物レンズの光軸上に固定するための眼球固定ユニットと、を前記患者眼に向けて一体的に移動させるために設けられた出射部移動ユニットと、を備え、
    前記眼球固定部移動ユニットは、
    前記眼球固定ユニットを前記照射端ユニットに対して移動させるための第2駆動部と、
    前記第1駆動部の駆動によって、出射部移動ユニットが前記照射端ユニット及び眼球固定ユニットを患者眼に向けて移動されるときに、前記第2駆動部の駆動を制御して、出射部移動ユニットによる前記眼球固定ユニットの移動を相殺するための駆動制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼球固定部移動ユニット。
  18. レーザ光によって前記患者眼を処置する眼科用レーザ手術装置を用いた手術に用いられる眼球固定ユニットであって、
    吸引口を備え、前記患者眼に当接されるリング状のサクションリングと、
    前記サクションリング部を保持するアームであって、前記眼科用レーザ手術装置に連結されるアームと、
    前記吸引口を介して前記患者眼を吸引するための吸引用パイプと、
    を備え、
    前記アームにおける前記眼科用レーザ手術装置側の先端には、前記眼科用レーザ手術装置に設けられ駆動部の駆動によって前記患者眼に対して移動可能なデリバリーユニット、前記眼球固定ユニットを移動させるための駆動部を備え前記デリバリーユニットに連結される移動ユニット、のいずれかに対して着脱させるための着脱部が形成されていることを特徴とする眼球固定ユニット。
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