JP2015161877A - 光学モジュールおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキを小さく維持できる光学モジュールを提供する。
【解決手段】可動反射膜が設置された可動基板13と、可動反射膜に対向する固定反射膜が設置された固定基板14と、可動反射膜と固定反射膜の間隔を制御する静電アクチュエーターと、を備えた干渉フィルター12と、内部空間11を有し内部空間11に干渉フィルター12を収納する筐体2と、筐体2と接続され内部空間11を密閉する第2蓋体9と、第2蓋体9に対して干渉フィルター12を固定する固定部29と、を備え、可動基板13、固定基板14、第2蓋体9及び固定部29の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】可動反射膜が設置された可動基板13と、可動反射膜に対向する固定反射膜が設置された固定基板14と、可動反射膜と固定反射膜の間隔を制御する静電アクチュエーターと、を備えた干渉フィルター12と、内部空間11を有し内部空間11に干渉フィルター12を収納する筐体2と、筐体2と接続され内部空間11を密閉する第2蓋体9と、第2蓋体9に対して干渉フィルター12を固定する固定部29と、を備え、可動基板13、固定基板14、第2蓋体9及び固定部29の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学モジュールおよび電子機器に関するものである。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜を所定のギャップを介して対向配置した干渉フィルターが広く利用されている。また、このような干渉フィルターを収納用容器内に収納した光学モジュールが特許文献1に開示されている。
特許文献1によると、光学モジュールである赤外線式ガス検出器は板状の台座及び円筒状のキャップを有する筐体を備えている。この筐体は、ベース基板の周縁部分と、キャップの円筒一端部とが溶接または接着されており、ベース基板とキャップとの間に、ファブリペローフィルター(干渉フィルター)を収納する空間が設けられる。この干渉フィルターは、当該干渉フィルターを構成する基板の下面側で被設置部材に接着固定されている。
干渉フィルターには対向する2つの鏡が設置され、鏡の間隔が精度良く制御されている。そして、干渉フィルターの材質にはシリコンやケイ酸ガラスが用いられる。そして、特許文献1では干渉フィルターの固定には接着剤にて被設置部材に固定されていた。このとき、温度の変動に伴い、干渉フィルター、接着剤、被設置部材がそれぞれの線膨張率に応じて伸縮する。これにより、干渉フィルターに反り変形が生じる。これにより、対向する鏡の間隔が場所により異なるので間隔にバラツキが生じる。そして、干渉フィルターを透過する光の周波数の幅が広くなる。そこで、温度の変動があるときにも、干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキを小さく維持できる光学モジュールが望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる光学モジュールであって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されていることを特徴とする。
本適用例にかかる光学モジュールであって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、光学モジュールは干渉フィルターを備えている。干渉フィルターは第1基板、第2基板及び間隔制御部を備えている。第1基板には第1反射膜が設置され、第2基板には第2反射膜が設置されている。そして、間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜の間隔を制御する。第1反射膜及び第2反射膜は入射光の一部を反射し一部を透過する。第1反射膜と第2反射膜との間で多重反射が生じ、位相の合う光は入射光が進行する方向に透過して進行する。間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜との間隔を制御することにより干渉フィルターは所定の波長の光を透過させることができる。
干渉フィルターは筐体内の内部空間に設置され、蓋部により密閉されている。干渉フィルターは固定部により蓋部に固定されている。第1基板、第2基板、蓋部及び固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている。ケイ酸ガラスには石英ガラスも含まれる。光学モジュールの温度が変化するとき、蓋部は伸縮する。このとき、第1基板、第2基板及び固定部は蓋部と同じケイ酸ガラスであることから蓋部と同期して同程度の比率で伸縮する。従って、蓋部が伸縮しても固定部、第1基板、第2基板に応力が発生し難くなっている。その結果、第1基板及び第2基板の反り変形が抑制される。
第1基板及び第2基板に反り変形が発生するとき、第1反射膜と第2反射膜との間隔のバラツキが大きくなる。これにより、干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキが大きくなる。本適用例の光学モジュールでは第1基板及び第2基板の反り変形が抑制される為第1反射膜と第2反射膜との間隔のバラツキが小さく維持される。その結果、干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキを小さく維持することができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記蓋部は板状であり第1場所と厚みが前記第1場所より薄い第2場所とを備え、前記固定部は前記第1場所に位置し、前記蓋部は前記第2場所にて前記筐体と接続することを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記蓋部は板状であり第1場所と厚みが前記第1場所より薄い第2場所とを備え、前記固定部は前記第1場所に位置し、前記蓋部は前記第2場所にて前記筐体と接続することを特徴とする。
本適用例によれば、蓋部は板状であり第1場所及び第2場所を備えている。第2場所は第1場所より厚みが薄い場所であるので、第2場所は第1場所より変形し易い場所である。蓋部と筐体とは蓋部の第2場所にて接続されている。筐体の変形により蓋部に応力が加わるとき応力は第2場所に加わる。そして、蓋部が第2場所で変形することにより第1場所に伝わる応力は減少する。そして、蓋部の第1場所は厚い為、変形し難い。従って、第1場所に固定部を介して設置された干渉フィルターに応力が加わることを抑制することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記蓋部は前記固定部と接続する溝部を備えることを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記蓋部は前記固定部と接続する溝部を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、蓋部には溝部が設置され、溝部は固定部と接続する。固定部が液状体から固体に変わる過程で蓋部と干渉フィルターとが固定される。固定部が広い程固定する強度が強くなり、蓋部から干渉フィルターへ応力が伝わり易くなる。固定部と接続して溝部が設置され、液状の固定部の量が多いときには液状の固定部は溝部に流動する。これにより、固定部が広くなりすぎることを溝部が防止する。従って、溝部は固定部の広さを所定の広さに制限する為、蓋部から干渉フィルターへ応力が伝わり易くなることを抑制することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記固定部は前記第1反射膜及び前記第2反射膜から離れていることを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記固定部は前記第1反射膜及び前記第2反射膜から離れていることを特徴とする。
本適用例によれば、蓋部と干渉フィルターとは固定部により接続されている。蓋部から伝わる応力は固定部から干渉フィルターに伝わって広がる。従って、干渉フィルターでは固定部から離す程、蓋部から伝わる応力の影響を小さくすることができる。固定部は第1反射膜及び第2反射膜から離れている。従って、第1反射膜及び第2反射膜は蓋部から伝わる応力の影響を小さくすることができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記固定部は1か所であることを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記固定部は1か所であることを特徴とする。
本適用例によれば、固定部は1か所である。固定部が複数あって蓋部と干渉フィルターとの伸縮に差があるとき固定部間の距離は蓋部と干渉フィルターとで異なる。従って、蓋部及び干渉フィルターには反り変形が生じる。本適用例では固定部は1か所である為、蓋部及び干渉フィルターには反り変形が生じ難くなっている。その結果、第1反射膜及び第2反射膜は蓋部から伝わる応力の影響を小さくすることができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板、第2基板、蓋部及び固定部の線膨張率の比は1:10より小さくなっている。従って、蓋部が伸縮しても、固定部、第1基板、第2基板に応力が発生し難くなっている。その結果、第1基板及び第2基板の反り変形を抑制することができる。
[適用例7]
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記間隔制御部は前記第1反射膜を移動させ、前記固定部は前記第2基板に設置されていることを特徴とする。
上記適用例にかかる光学モジュールにおいて、前記間隔制御部は前記第1反射膜を移動させ、前記固定部は前記第2基板に設置されていることを特徴とする。
本適用例によれば、間隔制御部は第1反射膜を移動させるので第1基板は第1反射膜を移動させやすい構造となっている。このため、第1基板は応力の影響を受け易くなっている。固定部は第2基板に設置されている為、固定部から応力が伝わるときにも第1基板に設置されているときに比べて応力の影響を受け難い。従って、光学モジュールは蓋部から伝わる応力の影響を小さくすることができる。
[適用例8]
本適用例にかかる光学モジュールであって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする。
本適用例にかかる光学モジュールであって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板、第2基板、蓋部及び固定部の線膨張率の比は1:10より小さくなっている。従って、温度変化により蓋部が伸縮しても、固定部、第1基板、第2基板に応力が発生し難くなっている。その結果、第1基板及び第2基板の反り変形を抑制することができる。
第1基板及び第2基板に反り変形が発生するとき、第1反射膜と第2反射膜との間隔のバラツキが大きくなる。これにより、干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキが大きくなる。本適用例の光学モジュールでは第1基板及び第2基板の反り変形が抑制される為第1反射膜と第2反射膜との間隔のバラツキが小さく維持される。その結果、温度変化が生じても干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキを小さく維持することができる。
[適用例9]
本適用例にかかる電子機器であって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている光学モジュールと、前記光学モジュールを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例にかかる電子機器であって、第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている光学モジュールと、前記光学モジュールを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、電子機器は光学モジュールを備え、光学モジュールは干渉フィルターを備えている。干渉フィルターは第1基板、第2基板及び間隔制御部を備えている。間隔制御部が第1反射膜と第2反射膜との間隔を制御することにより干渉フィルターは所定の波長の光を透過させることができる。
光学モジュールが備える第1基板、第2基板、蓋部及び固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている。これにより、温度の変動により蓋部が伸縮しても固定部、第1基板、第2基板に応力が発生し難くなっている。そして、第1基板及び第2基板の反り変形が抑制され、第1反射膜と第2反射膜との間隔のバラツキが小さく維持される。従って、干渉フィルターが透過させる光の波長のバラツキを小さく維持することができる。その結果、電子機器は品質良く所定の波長で光を分離する光学モジュールを備えた電子機器とすることができる。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、特徴的な構造を有する光学モジュールと、この光学モジュールの製造方法について図面に従って説明する。光学モジュールについて図1〜図4に従って説明する。図1(a)及び図1(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図である。図1(a)は光学モジュールの第1蓋体側から見た図であり、図1(b)は光学モジュールの第2蓋体側から見た図である。図1(a)に示すように、光学モジュール1は略直方体の形状となっている。光学モジュール1の図中下方向をZ方向とし、Z方向と直交する2方向をX方向及びY方向とする。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ光学モジュール1の辺に沿う方向であり、直交する方向となっている。
本実施形態では、特徴的な構造を有する光学モジュールと、この光学モジュールの製造方法について図面に従って説明する。光学モジュールについて図1〜図4に従って説明する。図1(a)及び図1(b)は光学モジュールの構造を示す概略斜視図である。図1(a)は光学モジュールの第1蓋体側から見た図であり、図1(b)は光学モジュールの第2蓋体側から見た図である。図1(a)に示すように、光学モジュール1は略直方体の形状となっている。光学モジュール1の図中下方向をZ方向とし、Z方向と直交する2方向をX方向及びY方向とする。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ光学モジュール1の辺に沿う方向であり、直交する方向となっている。
光学モジュール1は有底角筒状の筐体2を備え、筐体2の−Z方向側には円形の第1孔2aが形成されている。そして、第1孔2aを塞ぐように第1蓋体3が設置されている。筐体2と第1蓋体3とは第1の低融点ガラス4により接合されている。筐体2において−Z方向側の面には第1端子5、第2端子6、第3端子7、第4端子8が設置されている。筐体2のZ方向側には蓋部としての第2蓋体9が設置され、筐体2と第2蓋体9とは第2の低融点ガラス10により接合されている。
図1(b)に示すように、筐体2のZ方向には四角形の第2孔2bが形成されている。第2孔2bは第1孔2aより大きな孔となっている。そして、第2孔2bを塞ぐように第2蓋体9が設置されている。筐体2、第1蓋体3及び第2蓋体9に囲まれた内部空間11は密閉された空間であり、内部空間11には干渉フィルター12が設置されている。換言すれば、筐体2は内部空間11を有し内部空間11に干渉フィルター12を収納する。第2蓋体9は筐体2と接続され内部空間11を密閉する。
光学モジュール1の寸法は特に限定されないが、本実施形態では例えば、第1蓋体3から第2蓋体9までの厚みが約3mmである。筐体2をZ方向から見た大きさは1辺が約15mmの正方形となっている。第2蓋体9の厚みは約1mmである。干渉フィルター12をZ方向から見た大きさは1辺が約11mm〜12mmの正方形となっている。干渉フィルター12の厚みは約0.7mm〜約1.2mmとなっている。
図2(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、光学モジュール1をZ方向側から見た図である。図2(a)は第2蓋体9を除いた図となっている。図2(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のA−A線に沿う断面から見た図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、筐体2の底面2cに干渉フィルター12が設置され、干渉フィルター12は第1基板としての可動基板13と第2基板としての固定基板14とが重なった構造となっている。
可動基板13はX方向側の端に第1端子15、第2端子16、第3端子17、第4端子18が設置されている。X方向側の底面2cには第1端子21、第2端子22、第3端子23、第4端子24が設置されている。第1端子15は第1端子21と金線25により接続され、第2端子16は第2端子22と金線25により接続されている。さらに、第3端子17は第3端子23と金線25により接続され、第4端子18は第4端子24と金線25により接続されている。
筐体2には貫通電極26が設置され、第1端子21は第1端子5と貫通電極26により接続されている。同様に、第2端子22は第2端子6と貫通電極26により接続され、第3端子23は第3端子7と貫通電極26により接続されている。さらに、第4端子24は第4端子8と貫通電極26により接続されている。つまり、第1端子15は第1端子5と接続され、第2端子16は第2端子6と接続されている。そして、第3端子17は第3端子7と接続され、第4端子18は第4端子8と接続されている。
第1端子5〜第4端子8は制御部としての電圧制御部27と接続されている。電圧制御部27は第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24及び金線25を介して第1端子15〜第4端子18の電圧を制御する。
第1蓋体3及び第2蓋体9は光透過性を有するケイ酸ガラスによって形成されている。可動基板13及び固定基板14の材料にもケイ酸ガラスが用いられている。ケイ酸ガラスにはソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラスや、水晶等を用いることができる。従って、第1蓋体3、干渉フィルター12、第2蓋体9を光28が通過することが可能になっている。筐体2の材質は第1蓋体3及び第2蓋体9と線膨張率が近い材質であれば良く特に限定されないが、本実施形態では例えば、筐体2の材質にセラミックを用いている。
図2(c)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図2(a)のB−B線に沿う断面から見た図である。図2(a)及び図2(c)に示すように、固定基板14の−X方向且つY方向側の角の付近には固定部29が設置され、固定部29により固定基板14は上面にて第2蓋体9に固定されている。固定部29はケイ酸ガラスに添加剤を加えた低融点ガラスが用いられている。
第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることが好ましい。第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29のうちの2つの部位の線膨張率の比は1:10より小さいのが好ましい。このとき、熱変動による影響を小さくすることができる。さらには、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の材質は同じ材質にするのが好ましい。さらに、熱変動による影響を小さくすることができる。本実施形態では例えば、第2蓋体9、可動基板13及び固定基板14、に石英ガラスが用いられている。そして、固定部29は石英ガラスに添加剤を加えた低融点ガラスが用いられている。
第2蓋体9と干渉フィルター12とは固定部29により1か所で固定されている。これにより、第2蓋体9に応力が作用して、第2蓋体9が変形するときにも干渉フィルター12に応力が伝わり難くなっている。
底面2cと可動基板13との間には隙間があっても良く、接していても良い。光学モジュール1の製造過程で固定部29が収縮することにより、底面2cと可動基板13との間には隙間が形成されることがある。可動基板13が底面2cと離れることにより、干渉フィルター12が底面2cから応力を受けることを防止することができる。これにより、干渉フィルター12に反り変形を生じさせ難くすることができる。
図3(a)は干渉フィルターの構造を示す模式側断面図である。図3(b)は可動基板の構造を示す模式平面図であり、図3(c)は固定基板の構造を示す模式平面図である。図3(a)に示すように、干渉フィルター12では可動基板13と固定基板14とが接合膜31により接合されている。接合膜31には例えば、シロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された膜を用いることができる。固定基板14のZ方向側の面にはアパーチャー32が設置されている。
アパーチャー32は例えばCr等の非透光性部材の膜である。アパーチャー32は円環状であり、アパーチャー32の内周径は干渉フィルター12が光干渉する光28の有効径に設定されている。これにより、アパーチャー32は光学モジュール1に入射する光28を所定の範囲に限定して絞ることができる。
図3(a)及び図3(b)に示すように、Z方向から見た平面視で可動基板13には中央を囲む円環状の溝13aが設置されている。溝13aに囲まれた円柱状の部分を可動部13bとする。可動部13bの周囲に位置し溝13aにより薄くなっている部分を保持部13cとする。保持部13cは厚みが薄いので変形し易くなっている。これにより、可動部13bは容易にZ方向に移動することが可能になっている。可動基板13は厚みが例えば200μm〜800μmに形成されるガラス基材を加工することで形成されている。
可動部13bには+Z方向側の面に第1反射膜としての可動反射膜33及び可動電極34が設置されている。可動反射膜33は略円形の膜であり配線33aにより第3端子17と接続されている。第3端子17は筐体2の第3端子7と接続されているので、可動反射膜33は第3端子7と接続されている。
可動電極34は可動反射膜33の周囲に位置し円環状に可動反射膜33を囲んでいる。可動電極34は円環状の+X方向側が分断され、分断された場所に配線33aが設置されている。可動電極34は配線34aにより第2端子16と接続されている。第2端子16は筐体2の第2端子6と接続されているので、可動電極34は第2端子6と接続されている。
図3(a)及び図3(c)に示すように、−Z方向から見た平面視で固定基板14の中央には円柱状に−Z方向に突出する反射膜設置部14aが設置されている。反射膜設置部14aの周囲には円環状に凹んだ電極設置溝14bが設置されている。さらに、電極設置溝14bは+X方向側に延び固定基板14の外周にまで延在している。従って、干渉フィルター12は電極設置溝14bが+X方向側で開口している。固定基板14は厚みが例えば500μm〜1000μmに形成されたガラス基材を加工することで形成されている。
反射膜設置部14aには−Z方向側の面に第2反射膜としての固定反射膜35が設置されている。固定反射膜35は略円形の膜であり固定反射膜35のX方向側に位置する反射膜端子36と配線35aにより接続されている。固定反射膜35の周囲では電極設置溝14bに固定電極37が設置されている。固定電極37は固定反射膜35の周囲に位置し円環状に固定反射膜35を囲んでいる。固定電極37は円環状の−X方向側が分断され、分断された場所に固定反射膜35に接続する配線35aが設置されている。固定電極37は配線37aにより固定電極端子38と接続されている。
反射膜端子36と第4端子18との間にはバンプ電極39が設置され、バンプ電極39により反射膜端子36は第4端子18と接続されている。第4端子18は筐体2の第4端子8と接続されているので、固定反射膜35は第4端子8と接続されている。同様に、固定電極端子38と第1端子15との間にはバンプ電極39が設置され、バンプ電極39により固定電極端子38は第1端子15と接続されている。第1端子15は筐体2の第1端子5と接続されているので、固定電極37は第1端子5と接続されている。
可動反射膜33及び固定反射膜35の材質には、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、可動反射膜33及び固定反射膜35の材質には、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(または合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(または合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(または合金膜)とを積層した反射膜等を用いてもよい。
可動電極34と固定電極37とは円環状の部分が対向して設置されている。そして、電圧制御部27が、第2端子6と第1端子5との間に所定のステップ電圧を印加する。これにより、可動電極34と固定電極37との間に静電引力が発生する。静電引力により保持部13cが撓むことで、可動部13bが固定基板14側に変位し、反射膜間ギャップ42を所望の寸法に設定することが可能となる。可動電極34、固定電極37及び保持部13c等により間隔制御部としての静電アクチュエーター43が構成されている。
可動反射膜33及び固定反射膜35は干渉フィルター12に入射する光28の一部を反射し一部を透過する。可動反射膜33と固定反射膜35との間で多重反射が生じ、位相の合う光28は光28が進行する方向に透過して進行する。静電アクチュエーター43が反射膜間ギャップ42を制御することにより干渉フィルター12は所定の波長の光28を透過させることができる。
干渉フィルター12が撓むとき保持部13cが変形する。これにより、可動反射膜33と固定反射膜35とは平行でなくなる。そして、反射膜間ギャップ42は一様でなくなり短い場所と長い場所との差が大きくなる。反射膜間ギャップ42のバラツキが大きくなると干渉フィルター12を透過する光28の波長のバラツキが大きくなる。本実施形態では、第2蓋体9、固定部29、可動基板13及び固定基板14の材質が石英ガラスとなっている。従って、これらの部位は線膨張率の差が小さいので、光学モジュール1に加わる温度が変化しても干渉フィルター12に応力が加わり難くなっている。そして、干渉フィルター12が反り変形を生じさせ難いので、干渉フィルター12を透過する光28の波長のバラツキを小さく維持することができる。
光学モジュール1が実装された回路基板に各種の部品を実装するとき、回路基板はハンダ槽を用いたリフロー工程が行われる。このとき、光学モジュール1は300℃に加熱される。このリフロー工程が行われた後でも光学モジュール1は干渉フィルター12を透過する光28の波長のバラツキを小さく維持することができる。
可動反射膜33及び固定反射膜35は電圧制御部27に接続されている。電圧制御部27は可動反射膜33の電位を固定反射膜35の電位と同じ電位にする。これにより、電圧制御部27は可動反射膜33と固定反射膜35との間に静電引力が作用しないようにしている。従って、電圧制御部27は反射膜間ギャップ42を精度良く制御することができる。
さらに、電圧制御部27は可動反射膜33と固定反射膜35との間の静電容量を測定することにより反射膜間ギャップ42を推定する機能も備えている。
固定部29は干渉フィルター12の角の近くに位置している。固定部29は可動反射膜33及び固定反射膜35の外側に位置しており、固定部29は保持部13c、可動反射膜33及び固定反射膜35から離れている。これにより固定部29は光28の通過しない場所に位置する。そして、固定部29から応力が伝わるときにも保持部13c、可動反射膜33及び固定反射膜35に影響を与えることを抑制する。
図4は光学モジュールの製造方法を説明するための模式図である。図4(a)に示すように、まず、筐体2及び干渉フィルター12を用意する。筐体2には第1蓋体3、第1端子5〜第4端子8、貫通電極26、第1端子21〜第4端子24等が設置されている。可動基板13には溝13aが設置され、可動反射膜33、可動電極34、第1端子15〜第4端子18及びバンプ電極39等が設置されている。固定基板14には電極設置溝14bが形成され、固定反射膜35、固定電極37及びアパーチャー32等が設置されている。可動基板13と固定基板14とが接合膜31により接合されて干渉フィルター12が形成されている。尚、筐体2及び干渉フィルター12の製造方法は公知の方法を用いて製造することが可能であり説明を省略する。
次に、筐体2内の内部空間11に干渉フィルター12を配置し、図示しない固定治具を用いて筐体2と干渉フィルター12との位置関係を固定する。
図4(b)に示すように、次に、第1端子15と第1端子21とを金線25で接続し、第2端子16と第2端子22とを金線25で接続する。さらに、第3端子17と第3端子23とを金線25で接続し、第4端子18と第4端子24とを金線25で接続する。金線25の接続はワイヤーボンディング法を用いて行われる。金線25が設置された後で固定治具を除去する。
図4(c)に示すように、次に、筐体2の第2蓋体9を設置する予定の面に低融点ガラスペースト44を配置する。固定基板14上で固定部29を設置する予定の場所に低融点ガラスペースト45を配置する。続いて、低融点ガラスペースト44及び低融点ガラスペースト45を加熱してバインダー成分を蒸発させて除去する。
図4(d)に示すように、次に、筐体2上に第2蓋体9を配置し、真空チャンバー装置等によって真空雰囲気に設定された環境下で加熱する。低融点ガラスペースト44及び低融点ガラスペースト45が溶融した後、徐冷する。これにより、低融点ガラスペースト44が第2の低融点ガラス10になり、低融点ガラスペースト45が固定部29になる。そして、内部空間11が減圧された状態で光学モジュール1が封止される。干渉フィルター12は1か所の固定部29で第2蓋体9に固定されているので、干渉フィルター12には反り変形が生じ難くなっている。
固定部29は徐冷により収縮する。そして、可動基板13と筐体2の底面2cとの間に隙間が形成される場合がある。このとき、可動基板13は筐体2から応力を受け難くなるので干渉フィルター12が反り変形することを抑制することができる。尚、可動基板13と筐体2の底面2cとの間には必ずしも隙間が形成されなくても良い。以上の工程により光学モジュール1が完成する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、静電アクチュエーター43が反射膜間ギャップ42を制御する。可動反射膜33及び固定反射膜35は入射する光28の一部を反射し一部を透過する。可動反射膜33と固定反射膜35との間で多重反射が生じ、位相の合う光28は入射光が進行する方向に透過して進行する。静電アクチュエーター43が反射膜間ギャップ42を制御することにより干渉フィルター12は所定の波長の光28を透過させることができる。
(1)本実施形態によれば、静電アクチュエーター43が反射膜間ギャップ42を制御する。可動反射膜33及び固定反射膜35は入射する光28の一部を反射し一部を透過する。可動反射膜33と固定反射膜35との間で多重反射が生じ、位相の合う光28は入射光が進行する方向に透過して進行する。静電アクチュエーター43が反射膜間ギャップ42を制御することにより干渉フィルター12は所定の波長の光28を透過させることができる。
(2)本実施形態によれば、可動基板13、固定基板14、第2蓋体9及び固定部29の材質が主にケイ酸ガラスに属する石英ガラスで構成されている。光学モジュール1の温度が変化するとき、第2蓋体9は伸縮する。このとき、可動基板13、固定基板14及び固定部29は第2蓋体9と同じケイ酸ガラスであることから第2蓋体9と同期して類似した比率で伸縮する。従って、第2蓋体9が伸縮しても固定部29、可動基板13、固定基板14に応力が発生し難くなっている。その結果、可動基板13、固定基板14の反り変形を抑制することができる。
(3)本実施形態によれば、光学モジュール1では可動基板13及び固定基板14の反り変形が抑制される為反射膜間ギャップ42のバラツキが少なく維持される。その結果、光学モジュール1の温度が変動しても干渉フィルター12が透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができる。
(4)本実施形態によれば、第2蓋体9と干渉フィルター12とは固定部29により接続されている。第2蓋体9から伝わる応力は固定部29から干渉フィルター12に伝わって広がる。従って、干渉フィルター12では固定部29から離す程、第2蓋体9から伝わる応力の影響を小さくすることができる。固定部29は静電アクチュエーター43、可動反射膜33及び固定反射膜35から離れている。従って、静電アクチュエーター43、可動反射膜33及び固定反射膜35は第2蓋体9から伝わる応力の影響を小さくすることができる。
(5)本実施形態によれば、固定部29は1か所である。固定部29が複数あって第2蓋体9と干渉フィルター12との伸縮に差があるとき固定部29の間の距離は第2蓋体9と干渉フィルター12とで異なる。従って、第2蓋体9及び干渉フィルター12には反り変形が生じる。本実施形態では固定部29は1か所である為、第2蓋体9及び干渉フィルター12には反り変形が生じ難くなっている。その結果、可動反射膜33及び固定反射膜35は第2蓋体9から伝わる応力の影響を小さくすることができる。
(6)本実施形態によれば、可動基板13、固定基板14、第2蓋体9及び固定部29のそれぞれの線膨張率の比は1:10より小さくなっている。従って、第2蓋体9が伸縮しても、固定部29、可動基板13、固定基板14に応力が発生し難くなっている。その結果、可動基板13及び固定基板14の反り変形を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、光学モジュールの一実施形態について図5を用いて説明する。図5(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、第2蓋体9に相当する部位が省略された図である。図5(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図5(a)のC−C線に沿う断面から見た図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第2蓋体9の断面形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、光学モジュールの一実施形態について図5を用いて説明する。図5(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、第2蓋体9に相当する部位が省略された図である。図5(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図5(a)のC−C線に沿う断面から見た図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、第2蓋体9の断面形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図5に示すように、光学モジュール48は筐体49を備え、底面49cには干渉フィルター12が設置されている。第1の実施形態における筐体2に比べて筐体49はZ方向から見た平面視で広い形状となっている。従って、筐体49の側壁部49dは干渉フィルター12から離れている。
筐体49のZ方向側には第2蓋体50が設置されている。第2蓋体50において干渉フィルター12と対向する場所を第1場所50aとし、第1場所50aの周囲の場所を第2場所50bとする。そして、第1場所50aにおける第2蓋体50の厚みを第1厚み51とし、第2場所50bにおける第2蓋体50の厚みを第2厚み52とする。このとき、第2厚み52は第1厚み51より薄くなっている。第1厚み51及び第2厚み52の値は特に限定されないが、本実施形態では例えば、第1厚み51が約1mmであり、第2厚み52が約0.5mmとなっている。
固定部29は第1場所50aに配置されている。そして、筐体49と接合する第2の低融点ガラス10は第2場所50bに設置されている。第2蓋体50と筐体49とは第2場所50bにて接続されている。
第2場所50bは第1場所50aより厚みが薄い場所であるので、第2場所50bは第1場所50aより変形し易い場所である。第2蓋体50と筐体49とは第2蓋体50の第2場所50bにて接続されている。光学モジュール48を図示しない回路基板に実装するとき筐体49は回路基板に接着剤及びはんだにて固定される。このとき、筐体49は接着剤や基板の収縮や膨張の差により応力が加わり変形する場合がある。筐体49の変形により第2蓋体50に応力が加わるとき応力は第2場所50bに加わる。第2場所50bでは第2厚み52が薄いので変形し易くなっている。そして、第2蓋体50は第2場所50bで変形するので第1場所50aに伝わる応力は減少する。第2蓋体50の第1場所50aは第1厚み51が厚いので変形し難くなっている。従って、第1場所50aに固定部29を介して設置された干渉フィルター12に応力が加わることを抑制することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第2場所50bは厚みが薄い場所であり変形し易い場所となっている。筐体49の変形により第2蓋体50に応力が加わるとき応力は第2場所50bに加わる。そして、第2蓋体50は第2場所50bで変形するので第1場所50aに伝わる応力を減少させることができる。
(1)本実施形態によれば、第2場所50bは厚みが薄い場所であり変形し易い場所となっている。筐体49の変形により第2蓋体50に応力が加わるとき応力は第2場所50bに加わる。そして、第2蓋体50は第2場所50bで変形するので第1場所50aに伝わる応力を減少させることができる。
(2)本実施形態によれば、第2蓋体50の第1場所50aは厚く変形し難い形状となっている。この為、第1場所50aに固定部29を介して設置された干渉フィルター12に応力が加わることを抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、光学モジュールの一実施形態について図6を用いて説明する。図6(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、第2蓋体9に相当する部位が省略された図である。図6(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図6(a)のD−D線に沿う断面から見た図である。図6(c)は固定部の構造を示す要部模式拡大図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、固定部29と一部が重なる溝部が設置された点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、光学モジュールの一実施形態について図6を用いて説明する。図6(a)は光学モジュールの構造を示す模式平面図であり、第2蓋体9に相当する部位が省略された図である。図6(b)は光学モジュールの構造を示す模式側断面図であり、図6(a)のD−D線に沿う断面から見た図である。図6(c)は固定部の構造を示す要部模式拡大図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、固定部29と一部が重なる溝部が設置された点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図6に示すように、光学モジュール55は筐体49を備え、底面49cには干渉フィルター12が設置されている。第1の実施形態における筐体2に比べて筐体49はZ方向から見た平面視で広い形状となっている。従って、筐体49の側壁部49dは干渉フィルター12から離れている。
筐体49のZ方向側には第2蓋体56が設置されている。第2蓋体56には固定部29と接続して溝部56aが設置されている。溝部56aはX方向に延びる長方形の溝であり、干渉フィルター12から離れる側に延在している。溝部56aの寸法は特に限定されないが、本実施形態では例えば、溝部56aの深さが0.3mmであり、長さが2mmとなっている。尚、図中溝部56aは想像線にて記載されている。
固定基板14と第2蓋体56とを固定する工程では、低融点ガラスペースト45が塗布されバインダーが除去される。そして、低融点ガラスペースト45が加熱されて液状の低融点ガラス57となる。このとき、低融点ガラスペースト45は固定基板14と第2蓋体56に挟まれる。
溝部56aは一部が固定部29と重なるように配置されている。そして、低融点ガラスペースト45の塗布量が多いときや固定基板14と第2蓋体56との間隔が狭いときには液状の低融点ガラス57がX方向及びY方向に広がる。このとき、低融点ガラス57の一部が溝部56aに流入する。溝部56aは幅が狭いので毛管現象が作用する。これにより、低融点ガラス57が溝部56aに流れるため、固定部29が広くなりすぎることを抑制する。
固定部29が広いときには第2蓋体56から固定基板14に応力が伝わり易くなる。本実施形態では固定部29が広がることを溝部56aが規制する為、第2蓋体56から干渉フィルター12に応力が伝わることを抑制することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、固定部29が広くなりすぎることを溝部56aが防止する。溝部56aは固定部29の広さを所定の広さに制限する為、第2蓋体56から干渉フィルター12へ応力が伝わり易くなることを抑制することができる。
(1)本実施形態によれば、固定部29が広くなりすぎることを溝部56aが防止する。溝部56aは固定部29の広さを所定の広さに制限する為、第2蓋体56から干渉フィルター12へ応力が伝わり易くなることを抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えた測色装置の一実施形態について図7を用いて説明する。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えた測色装置の一実施形態について図7を用いて説明する。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
(測色装置)
図7は、測色装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、電子機器としての測色装置60は、測定対象物61に光を射出する光源装置62と、測色センサー63と、測色装置60の全体動作を制御する制御装置66とを備える。そして、この測色装置60は光源装置62から射出される光を測定対象物61にて反射させる。反射された検査対象光を測色センサー63が受光する。測色センサー63から出力される検出信号に基づいて測色装置60は検査対象光の色度すなわち測定対象物61の色を分析して測定する。
図7は、測色装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、電子機器としての測色装置60は、測定対象物61に光を射出する光源装置62と、測色センサー63と、測色装置60の全体動作を制御する制御装置66とを備える。そして、この測色装置60は光源装置62から射出される光を測定対象物61にて反射させる。反射された検査対象光を測色センサー63が受光する。測色センサー63から出力される検出信号に基づいて測色装置60は検査対象光の色度すなわち測定対象物61の色を分析して測定する。
光源装置62は光源67及び複数のレンズ68(図中には1つのみ記載)を備え、測定対象物61に対して例えば基準光(例えば、白色光)を射出する。また、複数のレンズ68にはコリメーターレンズが含まれてもよい。この場合、光源67から射出された基準光をコリメーターレンズが平行光にし、光源装置62は図示しない投射レンズから測定対象物61に向かって光を射出する。尚、本実施形態では、光源装置62を備える測色装置60を例示するが、例えば測定対象物61が液晶パネル等の発光部材である場合、光源装置62が設けられない構成としてもよい。
測色センサー63は光学モジュールとしての光フィルター69と、光フィルター69を透過する光を受光するディテクター64と、光フィルター69を透過させる光の波長を制御する制御部としての波長制御部65とを備える。光フィルター69には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。波長制御部65は第1の実施形態における電圧制御部27の機能を備えている。
また、測色センサー63は、光フィルター69に対向する場所に図示しない入射光学レンズを備えている。入射光学レンズは測定対象物61で反射された反射光(検査対象光)を測色センサー63の内部に導光する。そして、測色センサー63では入射光学レンズから入射した検査対象光のうち所定の波長の光を光フィルター69が分光し、分光した光をディテクター64が受光する。
制御装置66は測色装置60の全体動作を制御する。この制御装置66としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや携帯情報端末の他にも測色専用コンピューター等を用いることができる。そして、制御装置66は光源制御部70、測色センサー制御部71及び測色処理部72等を備えて構成されている。光源制御部70は光源装置62に接続され、例えば、操作者の設定入力に基づいて光源装置62に所定の制御信号を出力して所定の明るさの白色光を射出させる。測色センサー制御部71は測色センサー63に接続されている。例えば、操作者の設定入力に基づいて測色センサー63にて受光させる光の波長を測色センサー制御部71が設定する。そして、設定した波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー制御部71が測色センサー63に出力する。これにより、制御信号に基づいて波長制御部65は光フィルター69を駆動させる。測色処理部72は、ディテクター64により検出された受光量から、測定対象物61の色度を分析する。
光フィルター69には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。光フィルター69は温度変動によらず透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができるモジュールである。従って、測色装置60は測色する波長の光を品質良く透過させる光フィルター69を備えた電子機器とすることができる。
(第5の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えたガス検出装置の一実施形態について図8及び図9を用いて説明する。このガス検出装置は、例えば、特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等に用いられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えたガス検出装置の一実施形態について図8及び図9を用いて説明する。このガス検出装置は、例えば、特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等に用いられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図8は、ガス検出装置の構成を示す模式正面図であり、図9は、ガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。図8に示すように、電子機器としてのガス検出装置75はセンサーチップ76と吸引口77a、吸引流路77b、排出流路77c及び排出口77dを備えた流路77と本体部78とを有する構成となっている。
本体部78は、センサー部カバー79、排出手段80及び筐体81を備えている。センサー部カバー79を開閉することにより、流路77を着脱することが可能になっている。さらに、本体部78は光学部82、フィルター83、光学モジュールとしての光フィルター84、受光素子85(検出部)等を含む検出装置を備えている。光フィルター84には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。
さらに、本体部78は検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部86(処理部)及び電力を供給する電力供給部87等を備えている。光学部82は、光を射出する光源88、ビームスプリッター89、レンズ90、レンズ91及びレンズ92により構成されている。ビームスプリッター89は光源88から入射された光をセンサーチップ76側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子85側に透過する。
図9に示すように、ガス検出装置75には操作パネル93、表示部94、外部とのインターフェイスのための接続部95及び電力供給部87が設けられている。電力供給部87が二次電池の場合には充電のための接続部96を備えてもよい。更に、ガス検出装置75の制御部86は、CPU等により構成された信号処理部99及び光源88を制御するための光源ドライバー回路100を備えている。更に、制御部86は光フィルター84を制御するための制御部としての波長制御部101、受光素子85からの信号を受信する受光回路102を備えている。波長制御部101は第1の実施形態における電圧制御部27の機能を備えている。更に、制御部86はセンサーチップ76のコードを読み取り、センサーチップ76の有無を検出するセンサーチップ検出器103からの信号を受信するセンサーチップ検出回路104を備えている。更に、制御部86は排出手段80を制御する排出ドライバー回路105等を備えている。
次に、ガス検出装置75の動作について説明する。本体部78の上部のセンサー部カバー79の内部にはセンサーチップ検出器103が設けられている。センサーチップ検出器103によりセンサーチップ76の有無が検出される。信号処理部99はセンサーチップ検出器103からの検出信号を検出するとセンサーチップ76が装着された状態であると判断する。そして、信号処理部99は表示部94へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、操作者により操作パネル93が操作され、操作パネル93から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部99へ出力される。まず、信号処理部99は光源ドライバー回路100に光源駆動の指示信号を出力して光源88を作動させる。光源88が駆動されると、光源88から単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。光源88には温度センサーや光量センサーが内蔵されており、センサーの情報が信号処理部99へ出力される。光源88から入力された温度や光量に基づいて、光源88が安定動作していると信号処理部99が判断すると、信号処理部99は排出ドライバー回路105を制御して排出手段80を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口77aから吸引流路77b、センサーチップ76内、排出流路77c、排出口77dへと誘導される。尚、吸引口77aには、除塵フィルター77eが設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気等が除去される。
センサーチップ76は金属ナノ構造体が複数組み込まれた素子であり、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ76ではレーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成される。この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光、及びレイリー散乱光が発生する。これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は光学部82を通ってフィルター83に入射する。フィルター83によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光フィルター84に入射する。
そして、信号処理部99は波長制御部101に対して制御信号を出力する。これにより、波長制御部101は光フィルター84のアクチュエーターを駆動させて検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光フィルター84に分光させる。分光した光が受光素子85にて受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路102を介して信号処理部99に出力される。
信号処理部99は、得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータとROMに格納されているデータとを比較する。そしてし、検出対象となるガス分子が目的のガス分子か否かを判定し物質の特定をする。また、信号処理部99は表示部94にその結果情報を表示し、接続部95から外部へ出力する。
ラマン散乱光を光フィルター84により分光し、分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置75を例示した。ガス検出装置75はガス固有の吸光度を検出してガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーに光フィルター84を用いる。そして、ガス検出装置はガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別する電子機器である。ガス検出装置75はこのような構成にすることで光フィルター84を用いてガスの成分を検出することができる。
光フィルター84には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。光フィルター84は温度変動によらず透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができるモジュールである。従って、ガス検出装置75は測色する波長の光を品質良く透過させる光フィルター84を備えた電子機器とすることができる。
(第6の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えた食物分析装置の一実施形態について図10を用いて説明する。上記の光学モジュールは近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や食物、生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の物質成分分析装置に用いることができる。食物分析装置は物質成分分析装置の1種である。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを備えた食物分析装置の一実施形態について図10を用いて説明する。上記の光学モジュールは近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や食物、生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の物質成分分析装置に用いることができる。食物分析装置は物質成分分析装置の1種である。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図10は、食物分析装置の構成を示すブロック図である。図10に示すように、電子機器としての食物分析装置108は検出器109、制御部110及び表示部111を備えている。検出器109は光を射出する光源112、測定対象物113からの光が導入される撮像レンズ114、撮像レンズ114から導入された光を分光する光学モジュールとしての光フィルター115を備えている。光フィルター115には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。
さらに、検出器109は分光された光を検出する撮像部116(検出部)を備えている。また、制御部110は光源112の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部117及び光フィルター115を制御する制御部としての波長制御部118を備えている。波長制御部118は第1の実施形態における電圧制御部27の機能を備えている。さらに、制御部110は撮像部116を制御して撮像部116で撮像された分光画像を取得する検出制御部119、信号処理部120及び記憶部121を備えている。
食物分析装置108を駆動させると光源制御部117により光源112が制御されて光源112から測定対象物113に光が照射される。そして、測定対象物113で反射された光は撮像レンズ114を通って光フィルター115に入射する。光フィルター115は波長制御部118の制御により駆動される。これにより、光フィルター115から精度よく目的波長の光を取り出すことができる。そして、取り出された光は、例えば、CCDカメラ等により構成される撮像部116に撮像される。また、撮像された光は分光画像として記憶部121に蓄積される。また、信号処理部120は波長制御部118を制御して光フィルター115に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部120は記憶部121に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部121にはスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されている。記憶部121に記憶された食物に関する情報を基に信号処理部120は求めたスペクトルのデータを分析する。そして、信号処理部120は測定対象物113に含まれる食物成分と各食物成分含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から信号処理部120は食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。更に、画像内のスペクトル分布を分析することで、信号処理部120は検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができる。更には、信号処理部120は食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。そして、信号処理部120は上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部111に表示させる処理をする。
光フィルター115には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。光フィルター115は温度変動によらず透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができるモジュールである。従って、食物分析装置108は測色する波長の光を品質良く透過させる光フィルター115を備えた電子機器とすることができる。
また、食物分析装置108の他にも略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば、血液等の体液成分を測定する装置に食物分析装置108を用いることができる。他にも、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置に食物分析装置108を用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
更には、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55を用いた電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55により特定波長の光を分光する。そして、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このように上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55でデータを抽出する電子機器により各波長の光のデータを処理することで、複数波長の光通信を実施することもできる。
(第7の実施形態)
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55を備えた分光カメラの一実施形態について図11を用いて説明する。光を分光させて分光画像を撮像する分光カメラや分光分析機等に上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを用いることができる。このような分光カメラの一例として、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
次に、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55を備えた分光カメラの一実施形態について図11を用いて説明する。光を分光させて分光画像を撮像する分光カメラや分光分析機等に上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを用いることができる。このような分光カメラの一例として、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。尚、上記の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図11は、分光カメラの構成を示す概略斜視図である。図11に示すように、電子機器としての分光カメラ124はカメラ本体125、撮像レンズユニット126及び撮像部127を備えている。カメラ本体125は操作者により把持され操作される部分である。
撮像レンズユニット126はカメラ本体125に接続され、入射した画像光を撮像部127に導光する。また、この撮像レンズユニット126は対物レンズ128、結像レンズ129及びこれらのレンズ間に設けられた光学モジュールとしての光フィルター130を備えて構成されている。光フィルター130には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。さらに、カメラ本体125には光フィルター130が分光する光の波長を制御する制御部としての波長制御部131が設置されている。波長制御部131は第1の実施形態における電圧制御部27の機能を備えている。
撮像部127は受光素子により構成され、撮像レンズユニット126により導光された画像光を撮像する。分光カメラ124では光フィルター130が撮像対象となる波長の光を透過させて、撮像部127が所望の波長の光の分光画像を撮像する。
光フィルター130には上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかが用いられている。光フィルター130は温度変動によらず透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができるモジュールである。従って、分光カメラ124は測色する波長の光を品質良く透過させる光フィルター130を備えた電子機器とすることができる。
更には、光フィルター130を組み合わせた光学モジュールをバンドパスフィルターとして用いてもよい。例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを光フィルター130で分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。また、光学モジュールを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた血管、指紋、網膜及び虹彩等の認証装置にも適用できる。更には、光学モジュールを濃度検出装置に用いることができる。この場合、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55の何れかにより物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55は上記のように複数の波長を効率良く分光させることができる。このため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を効率よく実施することができる。したがって、単一波長を分光させる複数の光モジュールにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の光学デバイスとして好適に用いることができる。このときにも、上記の光学モジュール1、光学モジュール48、光学モジュール55は温度変動によらず透過させる光28の波長のバラツキを小さく維持することができる為、これらの光学モジュールを用いた電子機器は複数の波長の光を品質良く取り出して利用することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の主な材料に石英ガラスが用いられた。これらの主な材料には、他のケイ酸ガラスを用いても良く、他のケイ酸ガラスを組み合わせてもよい。例えば、ホウケイ酸ガラスで統一しても良い。線膨張率が1:10以内のケイ酸ガラスを組み合わせても良い。例えば、線膨張率が9×10-6/℃のソーダライムガラス、線膨張率が3×10-6/℃のホウケイ酸ガラス、を組み合わせても良い。他にも、線膨張率が0.8×10-6/℃のバイコール(登録商標)ガラス、線膨張率が3.25×10-6/℃のパイレックス(登録商標)ガラス、を組み合わせても良い。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の主な材料に石英ガラスが用いられた。これらの主な材料には、他のケイ酸ガラスを用いても良く、他のケイ酸ガラスを組み合わせてもよい。例えば、ホウケイ酸ガラスで統一しても良い。線膨張率が1:10以内のケイ酸ガラスを組み合わせても良い。例えば、線膨張率が9×10-6/℃のソーダライムガラス、線膨張率が3×10-6/℃のホウケイ酸ガラス、を組み合わせても良い。他にも、線膨張率が0.8×10-6/℃のバイコール(登録商標)ガラス、線膨張率が3.25×10-6/℃のパイレックス(登録商標)ガラス、を組み合わせても良い。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、固定部29の位置は図2において図中左上側の干渉フィルター12の角の近くに位置した。この位置に限らず、固定部29の位置は図2において干渉フィルター12の図中右上、左下、右下の角の近くに位置しても良い。このときにも固定部29を静電アクチュエーター43、可動反射膜33及び固定反射膜35から離れた場所に配置することができる。
前記第1の実施形態では、固定部29の位置は図2において図中左上側の干渉フィルター12の角の近くに位置した。この位置に限らず、固定部29の位置は図2において干渉フィルター12の図中右上、左下、右下の角の近くに位置しても良い。このときにも固定部29を静電アクチュエーター43、可動反射膜33及び固定反射膜35から離れた場所に配置することができる。
(変形例3)
前記第3の実施形態では、図6に示すように溝部56aは固定部29の−X方向側に延在した。溝部56aが延在する方向は特に限定されない。Y方向でも良く、−X方向且つY方向でも良い。干渉フィルター12から離れる側であれば良い。固定部29を図中右上、左下、右下の角の近くに位置するとき、溝部56aは保持部13cから離れる方向に延在するように配置するのが好ましい。
前記第3の実施形態では、図6に示すように溝部56aは固定部29の−X方向側に延在した。溝部56aが延在する方向は特に限定されない。Y方向でも良く、−X方向且つY方向でも良い。干渉フィルター12から離れる側であれば良い。固定部29を図中右上、左下、右下の角の近くに位置するとき、溝部56aは保持部13cから離れる方向に延在するように配置するのが好ましい。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の材質はケイ酸ガラスの組合せであったが、これに限定されない。第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であれば良い。例えば、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14の材質をパイレックス(登録商標)ガラスにする。そして、固定部29の材質はAgペーストを固化したAgにする。このとき、パイレックス(登録商標)ガラスの線膨張率は3.25×10-6/℃であり、Agは10×10-6/℃である。従って、Ag線膨張率をパイレックス(登録商標)ガラスの線膨張率で除算した商は10以下であるのでパイレックス(登録商標)ガラスとAgペーストを固化したAgを組み合わせることができる。
前記第1の実施形態では、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の材質はケイ酸ガラスの組合せであったが、これに限定されない。第2蓋体9、可動基板13、固定基板14及び固定部29の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であれば良い。例えば、第2蓋体9、可動基板13、固定基板14の材質をパイレックス(登録商標)ガラスにする。そして、固定部29の材質はAgペーストを固化したAgにする。このとき、パイレックス(登録商標)ガラスの線膨張率は3.25×10-6/℃であり、Agは10×10-6/℃である。従って、Ag線膨張率をパイレックス(登録商標)ガラスの線膨張率で除算した商は10以下であるのでパイレックス(登録商標)ガラスとAgペーストを固化したAgを組み合わせることができる。
1,48,55…光学モジュール、2…筐体、9…蓋部としての第2蓋体、11…内部空間、12…干渉フィルター、13…第1基板としての可動基板、14…第2基板としての固定基板、29…固定部、33…第1反射膜としての可動反射膜、35…第2反射膜としての固定反射膜、50a…第1場所、50b…第2場所、56a…溝部、60…電子機器としての測色装置、65,101,118,131…制御部としての波長制御部、69,84,115,130…光学モジュールとしての光フィルター、75…電子機器としてのガス検出装置、108…電子機器としての食物分析装置、124…電子機器としての分光カメラ。
Claims (9)
- 第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、
内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、
前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、
前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、
前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されていることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1に記載の光学モジュールであって、
前記蓋部は板状であり第1場所と厚みが前記第1場所より薄い第2場所とを備え、
前記固定部は前記第1場所に位置し、
前記蓋部は前記第2場所にて前記筐体と接続することを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1または2に記載の光学モジュールであって、
前記蓋部は前記固定部と接続する溝部を備えることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学モジュールであって、
前記固定部は前記第1反射膜及び前記第2反射膜から離れていることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学モジュールであって、
前記固定部は1か所であることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学モジュールであって、
前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学モジュールであって、
前記間隔制御部は前記第1反射膜を移動させ、前記固定部は前記第2基板に設置されていることを特徴とする光学モジュール。 - 第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、
内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、
前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、
前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、
前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の線膨張率のうち最も大きい線膨張率を最も小さい線膨張率で除算した商は10以下であることを特徴とする光学モジュール。 - 第1反射膜が設置された第1基板と、前記第1反射膜に対向する第2反射膜が設置された第2基板と、前記第1反射膜と前記第2反射膜の間隔を制御する間隔制御部と、を備えた干渉フィルターと、
内部空間を有し前記内部空間に前記干渉フィルターを収納する筐体と、
前記筐体と接続され前記内部空間を密閉する蓋部と、
前記蓋部に対して前記干渉フィルターを固定する固定部と、を備え、
前記第1基板、前記第2基板、前記蓋部及び前記固定部の材質が主にケイ酸ガラスで構成されている光学モジュールと、
前記光学モジュールを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする電子機器。
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