JP2015160586A - エアバッグ - Google Patents

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JP2015160586A JP2014038470A JP2014038470A JP2015160586A JP 2015160586 A JP2015160586 A JP 2015160586A JP 2014038470 A JP2014038470 A JP 2014038470A JP 2014038470 A JP2014038470 A JP 2014038470A JP 2015160586 A JP2015160586 A JP 2015160586A
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雅俊 吉田
Masatoshi Yoshida
雅俊 吉田
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Abstract

【課題】展開速度を高速にしつつ、クッション性良く乗員を保護し、インフレーターのガス量を少なくできるエアバッグを提供する。
【解決手段】主膨張部11と副膨張部12とを含むエアバッグであって、主膨張部と副膨張部とは、連通部13を介して接続されており、副膨張部が連通部を通して主膨張部内に挿入されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車が他の自動車や障害物と衝突した際、乗員を保護するために、インフレーターから供給される膨張用ガスの流入によって展開膨張するエアバッグにおいて、乗員への傷害値をより低減し、且つインフレーターガスの使用量を抑えることのできるエアバッグに関する。
現在生産されているほとんどの乗用自動車には、自動車の前面が他の自動車や障害物と衝突(正面衝突)した際に、乗員と自動車車内構造物との間に急速に袋体を膨張させて乗員の安全を図るために、いわゆる運転席用および助手席用エアバッグが搭載されている。
近年、この正面衝突だけでなく、自動車の側面が他の自動車や障害物と衝突(側面衝突)した際の乗員の頭部などを保護するために、カーテンバッグシステムの装着数も増加してきている。カーテンバッグシステムは、自動車の側面窓部上の天井部やピラー部に折り畳んで収納されており、衝突時に側面窓部を覆うように膨張する。
このようなエアバッグにおいては、初期展開膨張時の展開速度を高速にし、乗員保護エリアを早く覆うこと、および、展開したエアバッグに乗員が衝突した際は、人体に掛かる傷害値を低くし、クッション性良く乗員を保護することが求められる。
特許文献1には、エアバッグによる乗員拘束時に、乗員に掛かる傷害値を低くする手段として、乗員保護エリアを形成する膨張部と連通するが、遅れて展開する副膨張部を有するエアバッグが開示されている。
特許文献2には、エアバッグ展開初期の容量を小さく制限する縫合糸を設け、エアバッグ内圧が一定圧以上になったとき、縫合糸が破断し、エアバッグの容量を増大させるエアバッグが開示されている。
特開2004−034766号公報 特開2007−176211号公報
特許文献1に示されるような、保護エリアと連通した副膨張部を有するエアバッグにおいては、展開初期の主膨張部の圧力上昇により、副膨張部にもガスが流れ込む仕組みとなっているが、この方式では主膨張部の圧力が十分に上昇しない段階で副膨張部にガスが流入するため、乗員拘束に十分な圧力まで主膨張部の圧力を上昇するためには、インフレーターの容量を大きくする必要があった。
また、特許文献2に示されるような、結節糸の破断により容量を増大させるエアバッグは、結節糸の破断による容量変化が急激であり、破断時の内圧低下も急峻となり、結節糸の破断のタイミングによっては、逆に乗員拘束性能を低下させる要因にもなりかねない。
本発明の目的は、展開初期の主膨張部の展開速度を高速にしつつ、乗員衝突時の主膨張部の圧力上昇を抑えることで、クッション性良く乗員を保護するエアバッグを提供することである。さらに、本発明の目的は、インフレーターのガス容量を少なくできるエアバッグを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、主膨張部と副膨張部とを含むエアバッグであって、主膨張部と副膨張部とは、連通部を介して接続されており、副膨張部が連通部を通して主膨張部内に挿入されている。
本発明の別の実施形態では、副膨張部が、重ね折り、ロール折り、もしくは蛇腹折りをした状態で、または、折り畳まない状態で、主膨張部の中に挿入されている。
また、本発明の別の実施形態では、連通部の開口幅が、80〜200mmである。
また、本発明の別の実施形態では、連通部の開口幅が、100〜150mmである。
また、本発明の別の実施形態では、主膨張部が、乗員を保護するための主室を含む。
また、本発明の別の実施形態では、副膨張部が、主室に接続されている。
また、本発明の別の実施形態では、副膨張部が、主室以外の主膨張部に接続されている。
また、本発明の別の実施形態では、主膨張部が、複数の主室を含み、主室同士を連結するダクト部をさらに含む。
また、本発明の別の実施形態では、副膨張部が、ダクト部に接続されている。
また、本発明の別の実施形態では、エアバッグが、袋織によって一体形成されている。
また、本発明の別の実施形態では、前記エアバッグを用いたカーテンエアバッグ装置が提供される。
本発明によれば、初期状態で副膨張部が連通部を通して主膨張部内に挿入されているので、エアバッグ展開の初期から乗員保護部の内圧を速やかに上昇させることができる。また、乗員衝突後には、副膨張部が主膨張部から押し出され、副膨張部が主膨張部よりも遅れて膨張することにより、急激な内圧上昇による乗員保護性能の低下や、急激な内圧降下による乗員拘束性能の低下もなく、一定した乗員拘束性能を維持できる。
また、展開初期においては、副膨張部にガスが流れ込むことを抑制でき、その分インフレーターの出力を小さくすることができる。
本発明の一例のカーテンエアバッグを示す図であり、副膨張部が主膨張部内に挿入されていない状態を示す図である。 図1のカーテンエアバッグにおいて、副膨張部が連通部を通して主膨張部内に挿入されている状態を示す図である。 接合部の膨張部との境界付近の織組織の一例を示す図である。 接合部の膨張部との境界付近以外の織組織の一例を示す図である。 格子織またはリップストップと称する織組織の一例を示す図である。 展開試験の結果を示す図である。
本発明のエアバッグ10は、主膨張部11と副膨張部12とを含むエアバッグであって、主膨張部11と副膨張部12とは、連通部13を介して接続されており、副膨張部12が連通部13を通して主膨張部11内に挿入されている。
図1は、本発明の一例のカーテンエアバッグ10を示す図であり、副膨張部12が主膨張部11内に挿入されていない状態を示している。図2は、図1のカーテンエアバッグ10において、副膨張部12が連通部13を通して主膨張部11内に挿入されている状態を示している。
副膨張部12は、重ね折り、ロール折り、もしくは、蛇腹折りをした状態で、または、折り畳まない状態で、主膨張部11の中に挿入されている。とりわけ、副膨張部12は、重ね折りをした状態で、または、折り畳まない状態で、主膨張部11の中に挿入されていることがより望ましい。
主膨張部11から副膨張部12に繋がる連通部13の開口幅は、80〜200mmの範囲から選定すればよく、好ましくは、100〜150mmの範囲から選定すればよい。
図1および図2の例では、主膨張部11は、乗員を保護するための主室15を含む。さらに、主膨張部11は、複数の主室15を含み、主室15同士を連結するダクト部16を含む。連通部13を設ける位置は、エアバッグが膨張する部分であればよい。副膨張部は、乗員の保護エリアとなる主室15に接続してもよく、主室以外の主膨張部、または、ダクト部16に接続してもよい。さらには、副膨張部は、該副膨張部とは別の副膨張部に設けてもよいが、副膨張部を挿入した後でエアバッグを車体に収納する際に、エアバッグの収納を阻害しない位置に設けることが望ましい。
本発明のエアバッグは、図2のように、副膨張部12が連通部13を通して主膨張部11内に挿入されている状態で設置される。作動時には、インフレーターから供給されるガスが、乗員の頭部を保護する主室15を始めに膨張させることによって、乗員の初期拘束を行う。
乗員の初期拘束能力を高めるためには、乗員が衝突することが予想される主室15の圧力を速やかに上昇させなければならない。乗員の初期拘束を行う段階では、副膨張部12は主膨張部11内に挿入されているため、副膨張部12へはガスが流れ込まず、主室15の速やかな圧力上昇を実現することができる。
主室15に乗員が衝突することにより、主室15の内圧は上昇し、乗員の頭部に掛かる荷重も次第に増大するが、主室15の内圧がある程度以上まで上昇すると、挿入された副膨張部12が主膨張部11から外に押し出され、ガスが副膨張部12にも流れ始めることで、主室15の圧力上昇を抑制し、乗員の頭部に掛かる荷重も抑制することができる。
一方、副膨張部12が最初から挿入されていない図1の場合は、展開初期においても、インフレーターからのガスが、連通部13を通って副膨張部12に流れ込む。したがって、容量の少ない副膨張部12では乗員拘束の初期段階で圧力が飽和してしまい、主室15の圧力上昇を抑制する機能を失ってしまう。図2のように、副膨張部12を主膨張部11に挿入しておくことによって、乗員拘束の適切なタイミングで副膨張部12にガスを流すことができるため、副膨張部12の容量を小さく設計できる。すなわち、インフレーターのガス量を小さく設計することができる。
以上の通り、本発明のエアバッグによれば、連通部を通して主膨張部内に挿入されている副膨張部が、作動時に連通部の圧力によって主膨張部から外に押し出され、主膨張部よりも遅れて展開する。それによって、高圧になった主膨張部のガスを副膨張部に流し、主室の内圧を緩やかに下降させることができる。
本発明で使用する基布の経糸および緯糸の繊度は、通常、エアバッグ用基布に用いられている太さの糸、すなわち150〜1000dtexの範囲から選定すればよく、好ましくは235〜700dtexの範囲とすればよい。繊度が150dtexより細いと、エアバッグに求められる強度が得られにくい傾向にあり、1000dtexを超えると、目付けが大きくなりすぎる傾向にある。
なお、本発明で使用する糸の単糸太さは、互いに同じでも異なっていてもいずれでもよく、例えば、0.5〜6dtexの範囲にあれば好ましい。また、単糸の強度も7cN/dtex以上、好ましくは8cN/dtex以上の糸を用いればよい。さらに、単糸の断面形状も円形、楕円、扁平、多角形、中空、その他の異なる型など、織物の製造、織物の物性に支障のない範囲で適宜選定すればよい。また、繊度や断面形状などが異なる複数の糸を、合糸、撚り合わせなどにより一体化したものを用いてもよい。
これらの糸からなる本発明で使用する織物は、目付けが190g/m以下、引張強度が650N/cm以上であることが好ましい。目付けと引張強度がこの範囲であれば、軽くて物理特性に優れているといえる。なお、目付けとは、後述する不通気材料などを付与する前の未加工の状態の基布重量をいう。
目付けが、190g/mをこえると、エアバッグの重量が大きくなり、所望の軽量化を達成しにくい。また、引張強度が650N/cmより小さいと、エアバッグとしての必要な物理特性を達成することができない可能性がある。
また、本発明で使用する織物は、その織構造の緻密さを示す指数であるカバーファクターが700以上であることが好ましく、750以上であることがより好ましい。
前記カバーファクター(CF)とは、織物の経糸および緯糸それぞれの織密度N(本/cm)と太さD(dtex)との積で一般的に求められ、下記式にて表される。
CF=Nw×√Dw+Nf×√Df
ここで、Nw、Nfは、経糸および緯糸の織密度(本/cm)
Dw、Dfは、経糸および緯糸の太さ(dtex)
本発明のエアバッグ用基布の製造は、通常の工業用織物を製織するのに用いられる各種織機から適宜選定すればよく、例えばシャトル織機、ウォータージェット織機、エアジェット織機、レピア織機、プロジェクタイル織機などから選定すればよい。
また、本発明のエアバッグ用基布を構成する繊維糸条は、天然繊維、化学繊維、無機繊維などでよく、特に限定されない。なかでも、汎用性があり、基布の製造工程、基布物性などの点から、合成繊維フィラメントが好ましい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの、単独またはこれらの共重合、混合によって得られるポリエステル繊維、超高分子量ポリオレフィン系繊維、ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリアセタール系繊維、ポリサルフォン系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系繊維(PEEK)、全芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、ポリイミド系繊維、ポリエーテルイミド系繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール系繊維(PBO)、ビニロン系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維、炭化珪素系繊維、アルミナ系繊維、ガラス系繊維、カーボン系繊維、スチール系繊維などから、適宜、1種または2種以上を選定すればよい。なかでも、物理特性、耐久性、耐熱性などの点から、ナイロン66繊維が好ましい。また、リサイクルの観点からは、ポリエステル系繊維、ナイロン6繊維も好ましい。
これらの繊維糸条には、紡糸性、加工性、耐久性などを改善するために、通常使用されている各種の添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などのうちの1種または2種以上を使用してもよい。また、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工、糊付け加工などの加工を施してもよい。さらに、糸条の形態は、長繊維フィラメント以外に、短繊維の紡績糸、これらの複合糸などを用いてもよい。
また、本発明で使用する織物は、エアバッグの気密性が確保できる点で、不通気材料を有することが好ましい。不通気材料とは、例えば以下に示すように、実質的に空気を通さないようにする材料のことであり、不通気とは、JIS L1096「一般織物試験方法」における8.27.1 A法(フラジール形法)において、測定値ゼロのことをいう。この材料を、後述する方法により、織物の片面あるいは両面から付与する。この不通気材料は、基布の表面、基布を構成する糸束の交差部、または、繊維単糸の間隙部など、いずれに介在してもよい。
前記材料としては、通常、エアバッグ用基布に使用されている材料であればよく、耐熱性、耐磨耗性、基布との密着性、難燃性、不粘着性などを満足するものであればよい。例えば、シリコーン系樹脂またはゴム、ポリウレタン系樹脂またはゴム(シリコーン変性、フッ素変性も含む)、フッ素系樹脂またはゴム、塩素系樹脂またはゴム、ポリエステル系樹脂またはゴム、ポリアミド系樹脂またはゴム、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂などのうちの1種または2種以上を用いればよい。なかでも、耐熱性および難燃性の点でシリコーン樹脂が好ましい。
付与方法は、1)コーティング法(ナイフ、キス、リバース、コンマ、スロットダイおよびリップなど)、2)含漬法、3)印捺法(スクリーン、ロール、ロータリー、およびグラビアなど)、4)転写法(トランスファー)、および、5)ラミネート法などがあげられる。なかでも、内圧を維持する効果が高い点で、コーティング法もしくはラミネート法が好ましい。
また、付与量としては、片面10〜150g/mであることが好ましく、50〜100g/mであることがより好ましい。また、層状となる場合は、その厚さは10μm以上であることが好ましい。付与量が片面10g/mより少ない、または、層の厚さが10μmより薄いと、必要な気密性を得ることが難しい傾向にある。
また、前記材料には、主たる材料の他、加工性、接着性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために、通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、接着付与剤、反応促進剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などのうちの1種または2種以上を選択して、混合してもよい。
前記材料の液体としての性状は、塗布量、塗布法、材料の加工性や安定性、要求される特性などに応じて、無溶媒型、溶媒型、水分散型、水乳化型、水溶性型などから適宜選定すればよい。
また、前記材料には、基布との密着性を向上させるための各種前処理剤、接着向上剤などを添加してもよいし、予め基布表面にプライマー処理などの前処理を施してもよい。さらに、前記材料の物理特性を向上させたり、耐熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するため、前記材料を織物に付与した後、乾燥、架橋、加硫などを熱処理、加圧熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線など)などを行なってもよい。
本発明のエアバッグは、前記基布を用いたものであり、その仕様、形状および容量は、配置される部位、用途、収納スペース、乗員衝撃の吸収性能、インフレーターの出力などに応じて選定すればよい。
また、乗員側へのエアバッグの突出抑制や、膨張時の厚みの制御のために、エアバッグ内側に吊り紐またはガス流調整布、エアバッグ外側にフラップと呼ばれる帯状布または抑え布などを設けてもよい。
エアバッグの接合部、例えば、外周部、補強布や吊り紐の固定などは、縫製、接着、溶着、製織、製編、あるいはこれらの併用など、いずれの方法によってもよく、エアバッグとしての堅牢性、展開時の耐衝撃性、乗員の衝撃吸収性能などを満足するものであればよい。例えば、接合部を縫合により接合する場合、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、かがり縫い、安全縫い、千鳥縫い、扁平縫いなどの、通常のエアバッグに適用されている縫い目により行なえばよい。
また、縫い糸の太さは700dtex(20番手相当)〜2800dtex(0番手相当)、運針数は2〜10針/cmであることが好ましい。複数列の縫い目線が必要な場合は、縫い目線間の距離は2.2〜8mm程度として、多針型ミシンを用いればよいが、縫製部距離が長くない場合には、1本針ミシンで複数回縫合してもよい。エアバッグ本体として複数枚の裁断基布を用いる場合には、複数枚を重ねて縫合してもよいし、一枚ずつ縫合してもよい。
さらに、必要に応じて、外周縫合部などの縫い目からのガス抜けを防ぐため、シール剤、接着剤、または粘着剤などを、縫い目の上部および/または下部、縫い目の間、縫い代部などに塗布、散布、または積層してもよい。
縫合に使用する縫い糸は、一般に化合繊縫い糸と呼ばれるものや、工業用縫い糸として使用されているものの中から適宜選定すればよい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ポリエステル、高分子ポリオレフィン、含フッ素、ビニロン、アラミド、カーボン、カラス、スチールなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚糸、またはフィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
袋織(以下、OPWと記す)で接合部を形成する場合、膨張部との境界付近の接合部の組織は、特に限定するものではないが、例えば図3に示すような各種の(A)斜子織、(B)風通織、(C)平織などを組合せ、これらの適切な繰返しを行なえばよい。また、接合部の膨張部との境界付近以外の部分の織組織についても、特に限定するものではないが、例えば図4に示すような部分結節織などが、交錯点を減少する点で好ましい。
これらの接合部と膨張部との境界付近を除く膨張部の織組織は、通常、平織組織が使用されている。
自動車が他の自動車や障害物と側面衝突する時に窓ガラスが破損し、この破損したガラス片により、場合によってはエアバッグに損傷を与えることも考えられる。この損傷の度合いをできるだけ軽減するために、外周接合部、内側接合部、および、これらの接合部と膨張部との境界付近を除く膨張部の織組織を、単純な平織組織でなく、一例として図5に示すように、経糸および緯糸の一定本数ごとに数本の糸を引き揃えた状態で製織した、いわゆる格子織またはリップストップと称される織組織とすることが好ましい。
この引き揃える糸の数は、2〜3本程度が好ましく、これ以上では糸間の間隙が大きくなり、コーティング剤の表面被覆効果が減少する。また、引き揃え糸の間隔は5〜30mm、より好ましくは10〜20mmである。これ以下の間隔では糸間の間隙が大きくなり、コーティング剤の表面被覆効果が減少する。また、これ以上に引き揃え糸の間隔が大きくなると、ガラス片によるエアバッグの損傷を低減する効果が低下する。
OPWの場合、通常、経糸はサイジングした原糸を使用して製織し、次いで、エアバッグの気密性を向上させるためにコーティング加工を施すことが好ましい。特に限定するものではないが、コーティング剤と織物との接着性を阻害しないよう、コーティングに先立って原糸に付着している油剤類、サイジング剤を除去することを目的として、ジッガ精練機あるいは複数の精練槽などを有する連続精練機により精練することが好ましい。精練後、織物をシリンダー乾燥機などにより乾燥する。乾燥後、そのままで次のコーティング工程に供されることもあるが、寸法や織密度の制御のために、精練、乾燥後に、引き続いてヒートセットすることが好ましい。
コーティング剤、コーティング方法についても、特に限定されるものではないが、コーティング剤としては、一般に、シリコーン系のものが使用され、通常、ナイフコーターでコーティングする。コーティング剤塗布量は、使用するシリコーン樹脂の特性や、製法がOPW方式かミシン方式か、バッグの用途が、側面衝突時のみを想定しているか側面衝突後の自動車の転覆を想定しているかによって異なる。
コーティング剤塗布量は、特に限定されるものではないが、自動車の転覆を想定していないカーテンバッグでは、10〜50g/mが好ましい。OPW方式のバッグで、自動車の転覆時の乗員保護も想定しているタイプのカーテンバッグでは、コーティング剤塗布量は、50〜150g/mが好ましい。
OPW方式では、コーティング後、レーザー裁断機により所定の寸法、形状に裁断され、エアバッグを固定するためのストラップなどの付属品を縫い付け、車体への取り付け部の補強などを行なって、製品となる。
また、使用するインフレーターの特性に応じて、インフレーター噴出口の周囲に、熱ガスから保護するための耐熱保護布や、力学的な補強布を設けてもよい。これらの保護布や補強布は、布自体が耐熱性の材料、例えば、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、PBO繊維、ポリイミド繊維、含フッ素系繊維などの、耐熱性繊維材料を用いてもよいし、エアバッグ本体用基布と同じか、それより太い糸を用いて別途作製した織物を用いてもよい。また、織物に耐熱性被覆剤を施したものを用いてもよい。
エアバッグを収納する際の折り畳み方も、運転席用バッグのように中心から左右、上下対称の屏風折り、あるいは中心に向かって多方位から押し縮める折り、助手席エアバッグのようなロール折り、蛇腹折り、屏風状のつづら折り、あるいはこれらの併用や、シート内臓型サイドバッグのようなアリゲーター折り、サイドカーテンエアバッグのような、ロール折り、蛇腹折りなどを用いてもよい。
本発明のエアバッグは、各種の乗員保護用バッグ、例えば運転席および助手席の前面衝突用、側面衝突用のサイドバッグおよびサイドカーテンエアバッグ、後部座席保護用、追突保護用のヘッドレストバッグ、脚部・足部保護用のニーバッグおよびフットバッグ、乳幼児保護用(チャイルドシート)のミニバッグ、エアーベルト用袋体、歩行者保護用などの乗用車、商業車、バス、二輪車などの各用途の他、機能的に満足するものであれば、船舶、列車・電車、飛行機、遊園施設など多用途に適用することができる。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下に、実施例で行なったエアバッグの作製方法およびエアバッグ特性の性能評価方法を示す。
エアバッグ本体は、ナイロン66繊維の470dtexを用いて、片面経糸密度57本/インチ、緯糸密度49本/インチの袋織にて構成した。
基布表面にはナイフコーティングによりベースコート80g/m、トップコート10g/mのシリコンコーティングを施した。
実施例で使用したカーテンエアバッグの形態は、図1および図2の通りである。図1では、副膨張部が主膨張部内に挿入されていない(比較例)。図2は、本発明の実施例を示しており、図1のカーテンエアバッグにおいて、副膨張部が連通部を通して主膨張部内に挿入されている。なお、副膨張部は、連通部を通して主膨張部に挿入され、主膨張部の中で2つに折り畳んである。
評価はヘリウムガスを高速で噴出する、エアバッグ展開試験装置(マイクロシス社製:コールドガスシステム)を用いて、エアバッグ展開の際の主膨張部の内圧変化を観察した。試験条件は、タンク容量:0.75L、オリフィス:0.6インチ、供給圧力:5500kPa、バッグ容積:25Lである。
図6に試験結果を示す。縦軸は圧力(kPa)を示し、横軸は時間(msec)を示す。実線21は、本実施例の結果を示し、点線22は、比較例の結果を示す。
本実施例について、コールドガスシステムによる展開を行なった結果(実線21)、始めに主膨張部に圧力が満たされ、主膨張部の圧力が約40kPaとなった辺りから副膨張部の膨張が始まった。副膨張部が主膨張部から飛び出して膨張を始めるまでは、副膨張部にはほとんどガスが供給されないため、主膨張部の圧力は高い状態を保持する。副膨張部の膨張が始まってからは副膨張部にもガスが流れ出すため、それに伴い主膨張部の圧力は減少した。その後は、主膨張部の急激な内圧上昇や内圧降下もなく、安定した内圧を維持した。
比較例について、コールドガスシステムによる展開を行なった結果(点線22)、展開初期に、主膨張部の圧力が上昇していくにつれて、連通部を通して副膨張部にもガスが流れ出すため、主膨張部の圧力は展開初期において本実施例よりも緩やかとなることが確認された。
以上のように、本実施例は、比較例と比較して、エアバッグ展開の初期から主膨張部の内圧を速やかに上昇させることができるということが確認された。さらに、本実施例は、副膨張部が主膨張部から押し出された後には、急激な内圧上昇による乗員保護性能の低下や、急激な内圧降下による乗員拘束性能の低下もなく、一定した乗員拘束性能を維持できることが確認された。
10 カーテンエアバッグ
11 主膨張部
12 副膨張部
13 連通部
15 主室
16 ダクト部
21 本実施例の結果
22 比較例の結果

Claims (11)

  1. 主膨張部と副膨張部とを含むエアバッグであって、前記主膨張部と前記副膨張部とは、連通部を介して接続されており、前記副膨張部が前記連通部を通して前記主膨張部内に挿入されている、エアバッグ。
  2. 前記副膨張部が、重ね折り、ロール折り、もしくは蛇腹折りをした状態で、または、折り畳まない状態で、前記主膨張部の中に挿入されている、請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記連通部の開口幅が、80〜200mmである、請求項1または2に記載のエアバッグ。
  4. 前記連通部の開口幅が、100〜150mmである、請求項1から3までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
  5. 前記主膨張部が、乗員を保護するための主室を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
  6. 前記副膨張部が、前記主室に接続されている、請求項5に記載のエアバッグ。
  7. 前記副膨張部が、前記主室以外の前記主膨張部に接続されている、請求項5または6に記載のエアバッグ。
  8. 前記主膨張部が、複数の主室を含み、前記主室同士を連結するダクト部をさらに含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
  9. 前記副膨張部が、前記ダクト部に接続されている、請求項8に記載のエアバッグ。
  10. 前記エアバッグが、袋織によって一体形成されている、請求項1から9までのいずれか一項に記載のエアバッグ。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載のエアバッグを用いたカーテンエアバッグ装置。
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