JP2015160255A - ロボット、制御装置、およびロボットシステム - Google Patents

ロボット、制御装置、およびロボットシステム Download PDF

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Abstract

【課題】挿入物を回転させ、被挿入物に挿入する作業の精度を高めることができるロボット、制御装置、およびロボットシステムを提供する。
【解決手段】ロボットは、挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットであって、力センサーと、制御部と、を含み、前記制御部は、前記力センサーの出力を用いた前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、撮像部の撮像画像を用いた前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロボット、制御装置、およびロボットシステムに関する。
従来、ボルトなどの挿入物を、ナットのような被挿入物に対して回転させて挿入する作業を行うロボットが開発されている。このような組み付け作業において、作業の成功率を高めるための装置が提案されている(例えば、特許文献1、2、および3参照)。
特開2006−212742号公報 特開2006−212743号公報 特開2011−224708号公報
しかしながら、従来の技術では、必ずしも挿入物を被挿入物に挿入する組み付け作業を成功させることができなかった。例えば、従来の技術では、挿入物が被挿入物に対して斜め掛かりしている状態で、挿入物を被挿入物に対して回転させることにより、挿入物または被挿入物が破損してしまう場合があった。また、例えば、従来の技術では、挿入作業を行うために挿入物を被挿入物に当接させるときに、挿入物と被挿入物との位置がずれ、挿入物を回転させても挿入できない場合があった。このように、従来の技術では、組み付け作業の精度を十分に高めることができなかった。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、挿入物を回転させ、被挿入物に挿入する作業の精度を高めることができるロボット、制御装置、およびロボットシステムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一実施形態は、挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットであって、力センサーと、制御部と、を含み、前記制御部は、前記力センサーの出力を用いた前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、撮像部の撮像画像を用いた前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、ロボットである。
この構成により、挿入物を被挿入物に対して回転させて挿入する作業において、制御部は、回転方向と挿入方向とのそれぞれに関して、ロボットを制御する。従って、ロボットは、挿入物と被挿入物とを破損させることなく作業を完了することができ、作業の精度を高めることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御との両方が収束した場合に前記挿入に係る作業が成功したと判定する、ロボットである。
この構成により、制御部は、挿入物を被挿入物に対して回転させて挿入する作業の成功を精度良く判定することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記制御部は、所定時間以内に前記第1制御と前記第2制御との両方が収束しない場合、前記作業が失敗したと判定する、ロボットである。
この構成により、制御部は、挿入物を被挿入物に挿入する作業が失敗したことを判定することができる。
また、本発明の一実施形態は、前記制御部は、前記作業が失敗したと判定した場合、前記挿入物の前記被挿入物に対する相対位置を変更してから前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、ロボットである。
この構成により、制御部は、作業が失敗した場合に、ロボットを制御して挿入物の被挿入物に対する相対位置を変更して、ロボットに改めて作業を行わせるため、作業の成功率を高めることができる。
また、本発明の一実施形態は、力センサーを備え、挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットを動作させる制御装置であって、前記ロボットに、前記ロボットが備える力センサーの出力を用いた、前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、撮像部の撮像画像を用いた、前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、制御装置である。
この構成により、挿入物を被挿入物に対して回転させて挿入する作業において、制御装置は、回転方向と挿入方向とのそれぞれに関して、ロボットを制御する。従って、制御装置は、挿入物と被挿入物とを破損させることなく作業を完了させることができ、作業の精度を高めることができる。
また、本発明の一実施形態は、挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットシステムであって、撮像部と、力センサーを備えるロボットと、前記ロボットを動作させる制御部と、を含み、前記制御部は、前記ロボットに、前記力センサーの出力を用いた、前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、前記撮像部の撮像画像を用いた、前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、ロボットシステムである。
この構成により、挿入物を被挿入物に対して回転させて挿入する作業において、制御装置は、回転方向と挿入方向とのそれぞれに関して、ロボットを制御する。従って、ロボットは、挿入物と被挿入物とを破損させることなく作業を完了することができ、作業の精度を高めることができる。
以上のように、本発明によれば、ロボット、制御装置、およびロボットシステムは、それぞれ、挿入物を回転させ、被挿入物に挿入する作業の精度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係るロボットシステムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態に係る第2制御に用いる対象物画像と目標画像との一例を示す図である。 本実施形態に係る制御装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態に係るロボットシステムの動作の第1例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るロボットシステムによる作業手順の第1例を説明するための図である。 本実施形態に係る第2制御に用いる対象物画像と目標画像との一例を示す図である。 本実施形態に係るロボットシステムの動作の第2例を示すフローチャートである。 本実施形態に係るロボットシステムによる作業手順の第2例を説明するための図である。 他の構成例に係るロボットシステムの概略的な構成の第1例を示す図である。 他の構成例に係るロボットシステムの概略的な構成の第2例を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[本実施形態に係るロボットシステムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステム1の概略的な構成例を示す図である。
本実施形態に係るロボットシステム1は、ロボット10と、制御装置20と、撮像部30と、を備える。ロボット10は、その内部に制御装置20を含む。撮像部30とロボット10の制御装置20とは、回線40を介して通信可能に接続される。本実施形態において、回線40は有線であるが、無線であってもよい。
ロボットシステム1は、回転により挿入物を被挿入物に挿入するねじ込み(螺入)作業を行うシステムである。この作業において、ロボットは、挿入物を把持して被挿入物に当接させる。そして、ロボットは、挿入物を回転させることにより、挿入物を被挿入物に螺入する。本実施形態において、挿入物は、例えば、ボルトなどの雄螺子部材である。本実施形態において、被挿入物は、例えば、ナットなどの雌螺子部材である。
ロボット10は、1本の腕(アーム)を構成するマニピュレーター11を備える単腕のロボットである。マニピュレーター11は、その先端部に把持部(ハンド)12と力(力覚)センサー13とを備える。
把持部12は、挿入物を把持する。
力センサー13は、把持部12に加わる力とモーメントとを検出する。力センサー13は、検出した力とモーメントとを示す力覚情報を制御装置20に出力する。
撮像部30は、カメラモジュールを備え、ロボット10が把持する挿入物と被挿入物とを含む画像を撮像することが可能な配置で備えられる。撮像部30は、挿入物と被挿入物とを撮像する。また、撮像部30は、回線40と接続された通信用インターフェイスを備える。撮像部30は、回線40を介して、撮像した画像の情報である対象物画像情報を制御装置20に送信する。
制御装置20は、第1制御と第2制御との2種類の制御手法によりロボット10を制御する。
第1制御は、ロボット10が備える力センサーの出力を用いた制御であり、いわゆるインピーダンス制御である。インピーダンス制御とは、ロボット10に外力が加わったとき、当該外力による変位(スチフネス)、速度(粘性)、および慣性(加速度)の応答が所望の値となるようにアクチュエーターの駆動トルクを制御する制御手法である(例えば、非特許文献、わかりやすいロボットシステム入門、松日楽 信人、他、オーム社、2010.7.15、p131−p134参照)。
本実施形態において、制御装置20は、ロボット10を制御して、挿入物51と被挿入物52とを当接させた後、螺入のための回転方向の力が予め定められた所定値であるように第1制御を行う。換言すると、制御装置20は、ロボット10が挿入物51の回転方向から受ける反力が所定値であるように第1制御を行う。制御装置20は、第1制御において、例えば、所定時間以上、挿入物51が回転方向の力が所定値であり、挿入物51と被挿入物52との相対位置に変化がない場合、第1制御が収束したと判定する。また、制御装置20は、第1制御において、例えば、所定時間以上、ロボット10が挿入物51から所定値の反力を受けた場合、第1制御が収束したと判定する。このように、第1制御における収束の判定は、作業に応じて変更してよい。
図2は、第2制御に用いる対象物画像と目標画像との一例を示す図である。
第2制御は、撮像部30の撮像画像を用いた制御であり、いわゆるビジュアルサーボである。図2(a)は、対象物画像の一例を示す画像である。図2(b)は、対象物画像の他の一例を示す画像である。図2(c)は、目標画像の一例を示す画像である。図2(a)〜(c)において示される画像には、挿入物51、被挿入物52、および固定台60が撮像されている。被挿入物52は、固定台60により固定され、ロボット10のマニピュレーター11が届く範囲内に配置されている。固定台60は、ロボット10による作業を妨げない。
挿入物51は、頭部511と軸部512とを有する。軸部512には、雄螺子が切ってある。中心軸513は、挿入物51の頭部511および軸部512の中心を通り、挿入物51の挿入方向に平行な軸である。被挿入物52は開口部521を有し、当該開口部521には、雌螺子が切ってある。中心軸522は、被挿入物52の中心を通り、被挿入物52の被挿入方向に平行な軸である。ロボット10は、頭部511を把持し、挿入物51を被挿入物52に当接させた後、中心軸513を回転軸として挿入物51を回転させることにより、挿入物51を被挿入物52に螺入させる。
対象物画像は、制御途中の挿入物51と被挿入物52とを撮像したものである。図2(a)において示される対象物画像は、挿入物51と被挿入物52とが離間している状態を示す。図2(b)において示される対象物画像は、挿入物51が被挿入物52に螺入される途中の状態を示す。これらの対象物画像は、撮像部30により随時取得される。目標画像は、制御の結果として得られる挿入物51と被挿入物52との像を示す。図2(c)において示される目標画像は、挿入物51が被挿入物52に挿入され、挿入物51の頭部511と被挿入物52とが当接した状態を示す。
制御装置20は、第2制御において、対象物画像と目標画像とを比較し、対象物画像が目標画像に一致するように視覚的なフィードバック制御を行う。目標画像が図2(c)に例示される画像の場合、制御装置20は、ロボット10を第2制御して、挿入物51を被挿入物52に螺入させることにより、対象物画像と目標画像とを近づける。制御装置20は、第2制御において、対象物画像と目標画像とが一致した場合、第2制御が収束したと判定する。
[本実施形態に係る制御装置の概要]
図3は、本発明の一実施形態に係る制御装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
制御装置20は、ロボット10の動作を制御する制御装置であり、装置の内部にCPU(Central Processing Unit)を備える。制御装置20は、記憶部21と、入力部22と、出力部23と、制御部24とを備える。
記憶部21は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、フラッシュメモリー、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)などを備え、制御装置20が備えるCPUが実行するための各種プログラムやCPUが実行した処理の結果などを記憶する。
また、記憶部21は、第2制御に用いる目標画像の情報である目標画像情報を記憶する。また、記憶部21は、第2制御と第1制御との2種類の制御手法のうち、選択中の制御手法を示す制御選択情報を記憶する。また、記憶部21は、第1制御と第2制御とが収束したか否かを示す収束情報を記憶する。制御部24は、例えば、制御装置20が備えるCPUが記憶部21に記憶されているプログラムを実行することによって機能する。
入力部22は、外部からの入力を受け付ける。入力部22は、例えば、ロボットシステム1のユーザーから入力される操作を受け付けるためのキーボードやマウスなどを備えてよい。また、入力部22は、例えば、通信用インターフェイスを備え、外部装置からの入力を受け付ける機能を備えてよい。
出力部23は、外部への出力を行う。出力部23は、例えば、ユーザーに対して、画像情報を出力するディスプレイなどを備えてよい。また、出力部23は、例えば、ユーザーに対して音声情報を出力するスピーカーなどを備えてよい。また、出力部23は、例えば、通信用インターフェイスを備え、外部装置へ情報を出力する機能を備えてよい。
制御部24は、対象物画像取得部241と、目標画像取得部242と、センサー出力取得部243と、制御切替部244と、ロボット第1制御部245と、ロボット第2制御部246と、を備える。
対象物画像取得部241は、回線40を介して、撮像部30から対象物画像情報を取得する。対象物画像取得部241は、取得した対象物画像情報を制御切替部244に出力する。
目標画像取得部242は、記憶部21から目標画像情報を読み出し、読み出した目標画像情報を制御切替部244に出力する。
センサー出力取得部243は、ロボット10から力覚情報を取得し、取得した力覚情報を制御切替部244に出力する。
制御切替部244は、第1制御と第2御とを切り替える。制御切替部244は、記憶部21から制御選択情報を読み出す。制御切替部244は、読み出した制御選択情報が第1制御を示す場合、センサー出力取得部243から取得した力覚情報をロボット第1制御部245に出力する。制御切替部244は、読み出した制御選択情報が第2制御を示す場合、対象物画像取得部241から取得した対象物画像情報と目標画像取得部242から取得した目標画像情報とをロボット第2制御部246に出力する。
ロボット第1制御部245は、制御切替部244から力覚情報を取得する。ロボット第1制御部245は、取得した力覚情報に基づいて第1制御を行うための制御信号を生成する。ロボット第1制御部245は、生成した制御信号をロボット10に出力し、ロボット10を第1制御する。
ロボット第2制御部246は、制御切替部244から対象物画像情報と目標画像情報とを取得する。ロボット第2制御部246は、取得した情報に基づいて第2制御を行うための制御信号を生成する。ロボット第2制御部246は、生成した制御信号をロボット10に出力し、ロボット10を第2制御する。
判定部247は、第1制御と第2制御との両方が収束したか否かを判定する。具体的には、判定部247は、制御選択情報が第1制御を示す場合、第1制御が収束したか否かを判定する。第1制御が収束したと判定した場合、判定部247は、記憶部21の記憶する収束情報が第2制御の収束を示すか否かを判定する。収束情報が第2制御の収束を示す場合、判定部247は、作業が成功したと判定する。収束情報が第2制御の収束を示していない場合、判定部247は、第1制御の収束を示す情報を収束情報として記憶部21に記憶させる。また、第1制御の開始から、例えば、所定時間以上、第1制御が収束しない場合、判定部247は、第1制御が収束しないと判定する。
判定部247は、制御選択情報が第2制御を示す場合、第2制御が収束したか否かを判定する。対象物画像と目標画像とが一致した場合、判定部247は、第2制御が収束したと判定する。第2制御が収束した場合、判定部247は、記憶部21の記憶する収束情報が第1制御の収束を示すか否かを判定する。収束情報が第1制御の収束を示す場合、判定部247は、作業が成功したと判定する。収束情報が第1制御の収束を示していない場合、判定部247は、第2制御の収束を示す情報を収束情報として記憶部21に記憶させる。また、第2制御の開始から、例えば、所定時間以上、第2制御が収束しない場合、判定部247は、第2制御が収束しないと判定する。
[本実施形態に係るロボットシステムの動作の概要]
図4は、ロボットシステム1の動作の第1例を示すフローチャートである。
図4において示されるフローチャートは、図2(b)において示される、挿入物51の軸部512の一部が被挿入物52に挿入されている状態から、図2(c)において示される、挿入物51の頭部511と被挿入物52とが当接した状態を目標として行う作業における処理の流れを示す。
まず、制御装置20は、ロボット10に対して第1制御を行い、挿入物51を螺入可能な方向に回転させる(ステップS101)。次に、制御装置20は、所定時間以上、挿入物51の回転方向の力が所定値であり、挿入物51の被挿入物52に対する相対位置に変化がないか否かを判定することにより、第1制御が収束したか否かを判定する(ステップS102)。第1制御が収束しない場合(ステップS102;NO)、制御装置20は、第1制御と第2制御との両方が収束しないため、作業が失敗したと判定する。そして、制御装置20は、挿入物51を螺入可能な方向とは逆方向に回転させ(ステップS103)、挿入物51を被挿入物52から引き抜く。その後、制御装置20は、ステップS101に処理を戻す。
また、第1制御が収束した場合(ステップS102;YES)、制御装置20は、第2制御が収束したか否かを判定する(ステップS104)。第2制御が収束した場合(ステップS104;YES)、制御装置20は、第1制御と第2制御との両方が収束したため、作業が成功したと判定し、処理を終了する(ステップS103)。また、第2制御が収束しない場合(ステップS104;NO)、制御装置20は、ステップS103に処理を進める。なお、上述した各ステップにおいて、第1制御を第2制御に、第2制御を第1制御に変更してもよい。
図5は、ロボットシステム1による作業手順の第1例を説明するための図である。
図5(a)は、図4において説明した作業の開始直後の挿入物51と被挿入物52との状態の一例を示す。矢印71より示される方向は、挿入時において、挿入物51を回転させる方向である。矢印72により示される方向は、挿入時において、挿入物51が被挿入物52に挿入される方向である。第1制御は、挿入物51の回転方向である矢印71が示す方向の力に基づいて行われる。第2制御は、矢印72が示す方向への、挿入物51の螺入の程度に基づいて行われる。
図5(b)は、図4において説明した作業が完了しない場合の挿入物51と被挿入物52との状態の第1例を示す。図5(b)において、第1制御は収束している。しかし、挿入物51の頭部511は被挿入物52に当接しておらず、第2制御は収束していない。図5(b)において示される状態は、例えば、軸部512の雄螺子と被挿入物52の雌螺子とが正しく噛み合わっていない場合や螺子の形状不良により発生する。
図5(c)は、図4において説明した作業が完了しない場合の挿入物51と被挿入物52との状態の第2例を示す。図5(c)において、第2制御は収束している。しかし、矢印72が示す方向に挿入物51を回転させても、所定の力が得られず、第1制御は収束しない。図5(c)において示される状態は、例えば、軸部512の雄螺子または被挿入物52の雌螺子が破損し、挿入物51が回転してしまう場合に発生する。
図5(d)は、図4において説明した作業が完了した場合の挿入物51と被挿入物52との状態の一例を示す。図5(d)において、第1制御および第2制御の両方が収束している。この状態において、挿入物51の頭部511と被挿入物52とは当接している。また、挿入物51は、第1制御における所定値の力では螺入可能な方向に回転しない。
図6は、第2制御に用いる対象物画像と目標画像との一例を示す図である。
図6(a)は、対象物画像の一例を示す画像である。図6(b)は、目標画像の一例を示す画像である。図6(a)において示される対象物画像は、挿入物51と被挿入物52とが離間している状態を示す。図6(b)において示される目標画像は、挿入物51の軸部512の先端が被挿入物52に当接している状態を示す。また、挿入物51の中心軸513と被挿入物52の中心軸522とは、一致している。この状態から、ロボット10が挿入物51を螺入可能な方向に回転させることにより、挿入物51が被挿入物52に挿入される。なお、挿入物51の中心軸513と被挿入物52の中心軸522とは、螺入可能な程度に概ね一致していればよい。
図7は、ロボットシステム1の動作の第2例を示すフローチャートである。
図7において示されるフローチャートは、図6(a)において示される、挿入物51と被挿入物52とが当接していない状態から、図6(b)において示される、挿入物51の軸部512の先端と被挿入物52とが螺入可能に当接した状態を目標として行う作業における処理の流れを示す。
まず、制御装置20は、ロボット10に対して第2制御を行い、挿入物51と被挿入物52とを当接させる(ステップS201)。次に、制御装置20は、第2制御が収束したか否かを判定する(ステップS202)。第2制御が収束しない場合(ステップS202;NO)、制御装置20は、作業が失敗したと判定し、挿入物51の位置を変更する(ステップS203)。その後、制御装置20は、ステップS201に処理を戻す。
また、第2制御が収束した場合(ステップS202;YES)、制御装置20は、所定時間以上、ロボット10が挿入物51から所定値の反力を受けたか否かを判定することにより、第1制御が収束したか否かを判定する(ステップS204)。第1制御が収束した場合(ステップS204;YES)、制御装置20は、第1制御と第2制御との両方が収束したため、作業が成功したと判定し、処理を終了する(ステップS203)。また、第1制御が収束しない場合(ステップS204;NO)、制御装置20は、ステップS203に処理を進める。
図8は、ロボットシステム1による作業手順の第2例を説明するための図である。
図8(a)は、図7において説明した作業の開始直後の挿入物51と被挿入物52との状態の一例を示す。制御装置20は、ロボット10に対して第2制御を行い、挿入物51の軸部512の先端を被挿入物52の開口部521に少しずつ近づける。ロボット10は、例えば、矢印73により示される方向に挿入物51を移動させる。
図8(b)は、図7において説明した作業が完了しない場合の挿入物51と被挿入物52との状態の一例を示す。図8(b)において示されるように、挿入物51と被挿入物52とは当接しているが、挿入物51の中心軸513と被挿入物52の中心軸522とがずれている。この状態で、制御装置20がロボット10に対して第1制御を行い、挿入物51を回転させても、挿入物51は被挿入物52に螺入しない。このとき螺入による挿入物51と被挿入物52との間の摩擦が無いため、ロボット10は、回転方向とは逆向きの反力を挿入物51から得ることができない。従って、第1制御は収束しない。そこで、制御装置20は、ロボット10を制御して挿入物51の被挿入物52に対する相対位置を変更する。そして、制御装置20は、再度ロボット10を第2制御して挿入物51と被挿入物52とを当接させる作業を実行させる。
図8(c)は、図7において説明した作業が完了した場合の挿入物51と被挿入物52との状態の一例を示す。図8(c)において、第1制御および第2制御の両方が収束している。この状態において、挿入物51と被挿入物52とは当接しており、挿入物51の中心軸513と被挿入物52の中心軸522とが一致している。この状態で、制御装置20がロボット10に対して第1制御を行い、挿入物51を回転させると、挿入物51は被挿入物52に螺入する。このとき、螺入により挿入物51と被挿入物52との間に摩擦が生じ、ロボット10は、回転方向とは逆向きの反力を挿入物51から受ける。これにより、第2制御は収束する。
[ロボットシステムの他の構成例]
本実施形態では、図1において示されるように単腕のロボット10を備えるロボットシステム1について説明したが、ロボット10とは異なるロボットを備えるロボットシステムに、本実施形態と同様の構成を適用することが可能である。
図9は、他の構成例に係るロボットシステム1aの概略的の構成の第1例を示す図である。
ロボットシステム1aは、ロボット10aと、制御装置20aと、撮像部30aと、を備える。ロボット10aと制御装置20aとは、回線41を介して通信可能に接続される。制御装置20aと撮像部30aとは、回線42を介して通信可能に接続される。本実施形態において、回線41と回線42とは、有線であるが、無線であってもよい。
ロボット10aは、1本のマニピュレーター11aを備える単腕のロボットである。マニピュレーター11aは、上述したロボット10のマニピュレーター11と同様の構成を備える。
制御装置20aは、上述したロボット10の制御装置20と同様の構成を備える。また、制御装置20aは、ロボット10aの外部装置である。このようにロボット10aと制御装置20aとは、別の装置であってもよい。
図10は、他の構成例に係るロボット8の概略的な構成の第2例を示す図である。
図10は、ロボット8の正面図を示す。ロボット8は、撮像部82と、制御装置83と、格納部801と、胴体部分802〜804と、左側の車輪805と、右側の車輪806と、左側のマニピュレーター811と、右側のマニピュレーター814と、を備える。
ロボット8は、それぞれ腕(アーム)を構成する2本のマニピュレーター811、814を備える双腕ロボットである。また、ロボット8は、制御装置83と一体に構成されている。ロボット8の動作は、制御装置83から入力される制御信号により制御される。
格納部801の上面には、胴体部材802、胴体部材803、胴体部材804の順に部材が取り付けられている。また、最も上部の胴体部材804の左側には、左腕を構成するマニピュレーター811が取り付けられており、当該胴体部材804の右側には、右腕を構成するマニピュレーター814が取り付けられている。また、格納部801の底面の左側には、車輪805が取り付けられており、格納部801の底面の右側には、車輪806が取り付けられている。車輪805、806は、例えば、人手により、または、制御装置83の自動制御により回転可能であり、ロボット8は、車輪805、806を回転させることにより移動する。また、格納部801の上面には、撮像部82が取り付けられている。また、格納部801は、制御装置83を格納する。
マニピュレーター811、814は、それぞれ、垂直多関節ロボットの一種であり、ロボットアームとして機能する。マニピュレーター811は、その先端に把持部812と力センサー813とを備える。マニピュレーター814は、その先端に把持部815と力センサー816とを備える。
力センサー813は、把持部812に加わる力とモーメントとを検出する。力センサー816は、把持部815に加わる力とモーメントとを検出する。
把持部812、815は、それぞれ、把持する対象物である挿入物51と被挿入物52とを把持する。
マニピュレーター811、814、および把持部812、815は、把持部812、815により把持される挿入物51と被挿入物52とを移動させ、当該対象物の位置や姿勢を変化させる。
撮像部82は、カメラモジュールを備え、把持部812、815により把持される挿入物51と被挿入物52とを撮像することが可能な姿勢で配置される。撮像部82は、把持部812、815によって把持される挿入物51と被挿入物52とを撮像する。
制御装置83は、左腕のマニピュレーター811と右腕のマニピュレーター814とを制御する。制御装置83は、2つのマニピュレーター811、814を同時に関連付けて制御してよく、また、それぞれ別個に制御してもよい。制御装置83は、例えば、図3において示される制御装置20と同様の概略構成を備える。制御装置83は、撮像部82や力センサー813、816から取得する情報に基づいてロボット8の動作を制御する。
図10のような双腕のロボット8を用いて、挿入物51を被挿入物52に螺入する作業を行う場合、制御装置83は、例えば、右腕の把持部815が被挿入物52を把持するように制御し、左腕の把持部812が挿入物51を把持するように制御してもよい。そして、制御装置83は、例えば、左腕または右腕のいずれかを第2制御または第1制御し、挿入物51を被挿入物52に螺入する作業を行ってよい。
[以上の実施形態のまとめ]
一構成例として、ロボット10は、挿入物51を回転させ、前記挿入物51を被挿入物52に挿入するロボットであって、力センサー13と、制御部24と、を含み、前記制御部24は、前記力センサー13の出力を用いた前記挿入物51の回転方向に関する第1制御と、撮像部30の撮像画像を用いた前記被挿入物52の前記挿入物51への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物51を前記被挿入物52に挿入させる、ロボットである。
また、一構成例として、前記制御部24は、前記第1制御と前記第2制御との両方が収束した場合に前記挿入に係る作業が成功したと判定する。
また、一構成例として、前記制御部24は、所定時間以内に前記第1制御と前記第2制御との両方が収束しない場合、前記作業が失敗したと判定する。
また、一構成例として、前記制御部24は、前記作業が失敗したと判定した場合、前記挿入物51の前記被挿入物52に対する相対位置を変更してから前記挿入物51を前記被挿入物52に挿入させる。
また、一構成例として、制御装置20は、力センサー13を備え、挿入物51を回転させ、前記挿入物51を被挿入物52に挿入するロボット10を動作させる制御装置であって、前記ロボット10に、前記ロボット10が備える力センサー13の出力を用いた、前記挿入物51の回転方向に関する第1制御と、撮像部30の撮像画像を用いた、前記被挿入物52の前記挿入物51への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物51を前記被挿入物52に挿入させる、制御装置である。
また、一構成例として、ロボットシステム1は、挿入物51を回転させ、前記挿入物51を被挿入物52に挿入するロボットシステムであって、撮像部30と、力センサー13を備えるロボット10と、前記ロボット10を動作させる制御部24と、を含み、前記制御部24は、前記ロボット10に、前記力センサー13の出力を用いた、前記挿入物51の回転方向に関する第1制御と、前記撮像部30の撮像画像を用いた、前記被挿入物52の前記挿入物51への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物51を前記被挿入物52に挿入させる、ロボットシステムである。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
なお、上述した各例において、マニピュレーターは、任意の自由度を有してよい。マニピュレーターは、例えば、6軸や7軸の自由度を有する。また、マニピュレーターは、5軸以下の自由度を有してもよく、任意の自由度を有してよい。
なお、上述した各例において、撮像部は、例えばロボットが設置されている台の上面や床面、天井、壁面などに固定されて備えられてもよい。また、撮像部は、例えば、人手により撮像方向や撮像角度などを変化させることが可能な構成であってもよい。また、撮像部は、自動的に撮像方向や撮像角度などを変化させる構成を備えてよい。また、撮像部は、ロボットと一体であってもよいし、一体でなくてもよい。
なお、上述した各例において、挿入物51と被挿入物52の形状は、上述したものに限定されない。例えば、挿入物51は、螺入後、被挿入物52を貫通しなくてもよい。例えば、挿入物51は、開口部に雄螺子が切られた瓶であり、被挿入物52は、雌螺子が切られた蓋であってもよい。また、上述した各例において、ロボット10は被挿入物52を把持し、回転させることにより、挿入物51の螺入を行ってもよい。
なお、図4を用いて説明した作業と図7を用いて説明した作業とは連続して行われてもよい。例えば、図7において示される処理が完了したとき、制御装置20は、第2制御に用いる目標画像を図2(c)において例示される画像に変更する。そして、制御装置20は、図4のステップS101に処理を進める。これにより、挿入物51と被挿入物52とが離間している状態から、挿入物51を被挿入物52に螺入する作業を一貫して行うことができる。
なお、以上に説明した装置(例えば、ロボット10、10a、8や制御装置20、20a)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここで言う「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことを言う。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことを言う。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…ロボットシステム、10…ロボット、20…制御装置、30…撮像部、11…マニピュレーター、12…把持部、13…力センサー、21…記憶部、22…入力部、23…出力部、24…制御部、241…対象物画像取得部、242…目標画像取得部、243…センサー出力取得部、244…制御切替部、245…ロボット第1制御部、246…ロボット第2制御部、247…判定部、40…回線、51…挿入物、52…被挿入物

Claims (6)

  1. 挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットであって、
    力センサーと、
    制御部と、を含み、
    前記制御部は、
    前記力センサーの出力を用いた前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、撮像部の撮像画像を用いた前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、
    ロボット。
  2. 前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御との両方が収束した場合に前記挿入に係る作業が成功したと判定する、
    請求項1に記載のロボット。
  3. 前記制御部は、所定時間以内に前記第1制御と前記第2制御との両方が収束しない場合、前記挿入に係る作業が失敗したと判定する、
    請求項1または請求項2に記載のロボット。
  4. 前記制御部は、前記作業が失敗したと判定した場合、前記挿入物の前記被挿入物に対する相対位置を変更してから前記挿入物を前記被挿入物に挿入する作業を行う、
    請求項3に記載のロボット。
  5. 力センサーを備え、挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットを動作させる制御装置であって、
    前記ロボットに、前記ロボットが備える力センサーの出力を用いた、前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、撮像部の撮像画像を用いた、前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、
    制御装置。
  6. 挿入物を回転させ、前記挿入物を被挿入物に挿入するロボットシステムであって、
    撮像部と、
    力センサーを備えるロボットと、
    前記ロボットを動作させる制御部と、を含み、
    前記制御部は、
    前記ロボットに、前記力センサーの出力を用いた、前記挿入物の回転方向に関する第1制御と、前記撮像部の撮像画像を用いた、前記被挿入物の前記挿入物への挿入方向に関する第2制御とを行わせることによって、前記挿入物を前記被挿入物に挿入させる、
    ロボットシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020171201A1 (ja) * 2019-02-22 2020-08-27 株式会社エスイーフォー セグメントの孔にシャフト部材を挿入する方法および制御装置

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