JP2015159513A - スイッチトキャパシタ回路、ad変換器 - Google Patents

スイッチトキャパシタ回路、ad変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチトキャパシタ回路が縦列接続された構成にて、低消費電力でアンプ出力を高精度化する。
【解決手段】差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号のいずれかをサンプリングするための複数の入力容量を備える。あるサンプリング期間の前の演算期間において、複数の入力容量のそれぞれに入力されていた信号がハイサイドリファレンス信号であるかローサイドリファレンス信号であるかに応じて、当該サンプリング期間中に差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングする入力容量と、逆相入力信号をサンプリングする入力容量を切り替える。
【選択図】図18

Description

本発明は、スイッチ操作により容量に入力信号をサンプルするスイッチトキャパシタ回路、スイッチトキャパシタ回路を用いたAD変換器に関する。
パイプライン型のAD変換器では、各ステージにスイッチトキャパシタ回路を設け、縦列接続する構成が一般的である。その場合、前段のスイッチトキャパシタ回路のアンプの出力が、後段のスイッチトキャパシタ回路の入力容量にそのまま入力される。
特開2003−243949号公報
後段のスイッチトキャパシタ回路の入力容量に電荷が残留している場合、その残留電荷の影響により、前段のスイッチトキャパシタ回路のアンプの出力波形にデータ依存性が生じ、出力波形が歪むことがある。それを抑制するために駆動力が大きいアンプを使用することが考えられるが、駆動力が大きいアンプを使用すると消費電力が増加する。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチトキャパシタ回路が縦列接続された構成にて、低消費電力でアンプ出力を高精度化する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のAD変換器は、複数の変換ステージを備えるパイプライン型のAD変換器であって、前記変換ステージは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号を、設定された分解能のデジタル信号に変換するサブAD変換器と、前記サブAD変換器と並列に、前のステージから入力される差動アナログ入力信号をサンプリングし、サンプリングした差動アナログ入力信号から、前記サブAD変換器により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算した差動残差アナログ信号を、前記分解能に応じた増幅率で増幅し、後のステージに出力するスイッチトキャパシタ回路と、を備える。前記複数の変換ステージの少なくも一つのスイッチトキャパシタ回路は、並列に設けられる複数の入力スイッチ回路と、並列に設けられる複数の入力容量と、演算期間中に、前記複数の入力容量にサンプリングされた差動入力信号が入力される差動増幅回路と、を有する。前記複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号のいずれか、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号の3種類のいずれかを選択し、前記複数の入力容量は、前記複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号のいずれかをサンプリングし、あるサンプリング期間の前の演算期間において、前記複数の入力容量のそれぞれに入力されていた信号がハイサイドリファレンス信号であるかローサイドリファレンス信号であるかに応じて、当該サンプリング期間中に差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングする入力容量と、逆相入力信号をサンプリングする入力容量を切り替える。
本発明の別の態様もまた、AD変換器である。このAD変換器は、複数の変換ステージを備えるパイプライン型のAD変換器であって、前記変換ステージは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号を、設定された分解能のデジタル信号に変換するサブAD変換器と、前記サブAD変換器と並列に、前のステージから入力される差動アナログ入力信号をサンプリングし、サンプリングした差動アナログ入力信号から、前記サブAD変換器により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算した差動残差アナログ信号を、前記分解能に応じた増幅率で増幅し、後のステージに出力するスイッチトキャパシタ回路と、を備える。前記複数の変換ステージの少なくも一つのスイッチトキャパシタ回路は、並列に設けられる前記分解能に対応した、第1グループの複数の入力スイッチ回路と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第1グループの複数の入力容量と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第2グループの複数の入力スイッチ回路と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第2グループの複数の入力容量と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第3グループの複数の入力スイッチ回路と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第3グループの複数の入力容量と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第4グループの複数の入力スイッチ回路と、並列に設けられる前記分解能に対応した、第4グループの複数の入力容量と、演算期間中に、前記第1〜4グループの入力容量にサンプリングされた差動入力信号が入力される差動増幅回路と、前記第3グループの入力スイッチ回路に、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替え、前記第4グループの入力スイッチ回路に、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替える第1クロススイッチ部と、前記第3グループの入力容量の出力経路を前記差動増幅回路の第1入力端子と第2入力端子の間で切り替え、前記第4グループの入力容量の出力経路を前記差動増幅回路の第2入力端子と第1入力端子の間で切り替える第2クロススイッチ部と、を有する。前記第1グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、前記第1グループの複数の入力容量は、前記第1グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングし、前記第2グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、前記第2グループの複数の入力容量は、前記第2グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の逆相入力信号をサンプリングし、前記第3グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、前記第3グループの複数の入力容量は、前記第3グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号をサンプリングし、前記第4グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、前記第4グループの複数の入力容量は、前記第4グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号をサンプリングし、前記第1〜第4グループの各入力容量は、前記分解能の最小単位に対応する容量値の半分の容量値に設定され、前記第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第1グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第2グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第3グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第4グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続される状態で差動アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプリングフェーズと、前記第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第1グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第2グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第3グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第4グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続される状態で差動アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプリングフェーズと、を有する。
本発明のさらに別の態様は、スイッチトキャパシタ回路である。このスイッチトキャパシタ回路は、差動入力信号の正相入力信号をサンプリングするための正相側入力容量部と、前記正相側入力容量部にサンプリングされた信号が入力される正相側アンプと、前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される正相側帰還容量と、前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に前記正相側帰還容量と並列に接続される正相側短絡スイッチと、差動入力信号の逆相入力信号をサンプリングするための逆相側入力容量部と、前記逆相側入力容量部にサンプリングされた信号が入力される逆相側アンプと、前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される逆相側帰還容量と、前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に前記逆相側帰還容量と並列に接続される逆相側短絡スイッチと、前記正相側アンプの出力端子と前記逆相側アンプの入力端子間に接続される第1クロス容量と、前記逆相側アンプの出力端子と前記正相側アンプの入力端子間に接続される第2クロス容量と、を備える。
本発明によれば、スイッチトキャパシタ回路が縦列接続された構成にて、低消費電力でアンプ出力を高精度化できる。
本発明の実施例1と比較すべき差動スイッチトキャパシタ回路の構成を示す図である。 図1の差動スイッチトキャパシタ回路に含まれる制御部を示す図である。 本発明の実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路の構成を示す図である。 図4(a)−(b)は、図3の正相側入力部の構成例を示す図である。 本発明の実施例2に係る差動スイッチトキャパシタ回路の構成を示す図である。 図5の同相電圧制御部の構成例1を示す図である。 図5の同相電圧制御部の構成例2を示す図である。 図8(a)、(b)は、本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路を説明するための図である。 本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路の差動入力部及びクロススイッチ部の構成を示す図である。 図9のクロススイッチ部の構成例を示す図である。 パイプライン型AD変換器の構成を示す図である。 図11の各ステージの構成例を示す図である。 本発明の実施例4に係る差動入力部の構成例1を示す図である。 図14(a)、(b)は、図13の入力回路を説明するための図である。 実施例4に係る、各ステージで実現すべき伝達関数を示す図である。 サブAD変換器に入力される差動入力信号レベルと、複数の入力回路のスイッチの関係を示す図である。 本発明の実施例4に係る差動入力部の構成例2を示す図である。 本発明の実施例5に係る差動入力部の構成例を示す図である。 本発明の実施例5に係る差動スイッチトキャパシタ回路に含まれる制御部30を示す図である。 図20(a)−(d)は、図18の差動入力部の動作を説明するための模式図である。 実施例3の変形例に係る、差動スイッチトキャパシタ回路の構成を示す図である。
近年、ミリ波レーダーシステムにみられるように、車載レーダーシステムの開発が加速している。現在のミリ波レーダーシステムでは高精度化のため、変換周波数で数ギガヘルツの動作のAD変換器を要求されることが多くなってきている。これら数ギガヘルツで動作し、8ビット以上の高分解能を持つAD変換器を実現しようとすると、高速動作のために電圧電流利得の高いトランジスタを用いる必要がある。このようなトランジスタを用いると、回路の消費電流が非常に大きくなる。回路の消費電流を下げるには、低い動作電圧のアンプを使用することが有効である。例えば、電流源を持たない疑似差動型のアンプを用いることが有効である。
しかしながら、疑似差動型のアンプを用いて差動スイッチトキャパシタ回路を構成した場合、差動信号利得と同相信号利得が同じになる問題が生じる。また、このような同相信号利得が大きい回路を多段に縦列接続すると、初段の同相信号の揺れが後段に行くほど増幅され、同相信号ノイズに対して脆弱な回路となる問題がある。また疑似差動型のアンプは電流源を持たないため、同相信号を安定化させるのが難しいという問題がある。
また高周波信号を入力した場合にて、差動スイッチトキャパシタ回路の蓄積容量をスイッチにより短絡し、蓄積電荷をリセットしても、高周波信号がスイッチ抵抗に漏れるため完全に蓄積容量をリセットできない問題がある。また差動スイッチトキャパシタ回路を多段に縦列接続した場合、ある段のスイッチトキャパシタ回路の入力側に残留する電荷によって、前段のスイッチトキャパシタ回路のアンプ出力が影響を受ける。即ち、前段のスイッチトキャパシタ回路の出力に歪が生じる問題がある。
以上の問題を踏まえ下記実施例1−5では、上述の疑似差動型のアンプを用いた場合でも、同相信号利得が大きくならない差動スイッチトキャパシタ回路の構成を実現する。また上述の疑似差動型のアンプを各変換ステージに設けて、それら変換ステージを多段に縦列接続してパイプラインAD変換器を構成した場合に、同相信号ノイズに強い回路構成を実現する。また上述の疑似差動型のアンプを用いても、同相電位をフィードバック可能な差動スイッチトキャパシタ回路を実現し、同相電圧出力を簡単に安定させることが可能なパイプラインAD変換器を実現する。
また、入力信号が高周波信号の場合でも、蓄積容量を容易にリセット可能な差動スイッチトキャパシタ回路を実現し、高周波信号に対しても安定なパイプラインAD変換器を実現する。また上述の疑似差動型のアンプを縦列接続しても、前段の差動スイッチトキャパシタ回路に、後段の差動スイッチトキャパシタ回路の残留電荷が影響を与えない回路構成を実現し、出力歪の少ないパイプラインAD変換器を実現する。以上これらの回路構成を組み合わせることにより、パイプラインAD変換器の低消費電力化と、ノイズ耐性および入力信号帯域の向上を両立させる。これにより、高精度、高速、低消費電力化されたAD変換器を実現する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1と比較すべき差動スイッチトキャパシタ回路100の構成を示す図である。図2は、図1の差動スイッチトキャパシタ回路100に含まれる制御部30を示す図である。正相側入力スイッチは、差動入力信号の正相入力信号またはリファレンス信号を選択する。図1では正相側入力スイッチは、スイッチSi1p及びスイッチSi2pを有する。リファレンス信号には例えば、アナログドメインのグラウンド電圧を使用できる。正相入力信号が選択されるとき、スイッチSi1pがオンに制御され、スイッチSi2pがオフに制御される。リファレンス信号が選択されるとき、スイッチSi1pがオフに制御され、スイッチSi2pがオンに制御される。正相側入力容量Cinpは、正相側入力スイッチを介して正相入力信号をサンプリングする。
逆相側入力スイッチは、差動入力信号の逆相入力信号またはリファレンス信号を選択する。図1では逆相側入力スイッチは、スイッチSi1m及びスイッチSi2mを有する。リファレンス信号には例えば、アナログドメインのグラウンド電圧を使用できる。逆相入力信号が選択されるとき、スイッチSi1mがオンに制御され、スイッチSi2mがオフに制御される。リファレンス信号が選択されるとき、スイッチSi1mがオフに制御され、スイッチSi2mがオンに制御される。逆相側入力容量Cinmは、逆相側入力スイッチを介して正相入力信号をサンプリングする。
正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmは擬似差動型のアンプを構成する。正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmは、それぞれインバータアンプで構成される。一般的な差動増幅回路では基準電位間に、負荷(例えば、カレントミラー回路)、入力となる差動対、テイル電流源が直列に接続される。この回路構成の差動増幅回路を、上述のミリ波レーダーシステムのように、1.1V以下の動作電圧で数ギガヘルツの速度で動作させると、閾値電圧が高いトランジスタを使用しているテイル電流源が追従できなくなる。無理に追従させるには電流を増やす必要があり、低消費電力化に逆行する。
これに対してインバータでは、基準電位間にPchトランジスタとNchトランジスタが直列接続される。この構成ではPchトランジスタとNchトランジスタの両方の駆動能力を使用でき、低消費電力でありながら低電圧高速動作が可能である。
正相側帰還容量Cfpは、正相側アンプINApの入力端子と出力端子間に接続される。正相側短絡スイッチSfpは、正相側アンプINApの入力端子と出力端子間に正相側帰還容量Cfpと並列に接続される。正相側アンプINApの入力端子に、正相側入力容量Cinpにサンプリングされた信号が入力される。
逆相側帰還容量Cfmは、逆相側アンプINAmの入力端子と出力端子間に接続される。逆相側短絡スイッチSfmは、逆相側アンプINAmの入力端子と出力端子間に逆相側帰還容量Cfmと並列に接続される。逆相側アンプINAmの入力端子に、逆相側入力容量Cinmにサンプリングされた信号が入力される。
制御部30は、スイッチSi1p、スイッチSi1m、正相側短絡スイッチSfp、逆相側短絡スイッチSfmに制御信号φ1を供給する。制御部30は、スイッチSi2p、スイッチSi2mに制御信号φ2を供給する。制御信号φ1は、差動入力信号のサンプリング期間を規定するクロック信号である。サンプリング期間は、容量のリセット期間と捉えることもできる。制御信号φ2は、擬似差動型のアンプの演算期間を規定するクロック信号である。演算期間は増幅期間と読み替えてもよい。制御信号φ1と制御信号φ2は図2に示すように、正論理で重なり合わない2相クロックであればよい。
図3は、本発明の実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100の構成を示す図である。実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100は差動入力部10、増幅部20、制御部30(図3に不図示)を備える。制御部30は制御信号φ1及び制御信号φ2で差動入力部10を駆動し、制御信号φ1で増幅部20を駆動する。差動入力部10は正相側入力部11、逆相側入力部12を有する。
図4(a)−(b)は、図3の正相側入力部11の構成例を示す図である。図4(a)は第1構成例を示す。第1構成例は、図1の正相側入力スイッチ及び正相側入力容量Cinpの構成と同様である。即ち、スイッチSi1pの一端に差動入力信号の正相側入力信号が入力される。スイッチSi2pの一端にリファレンス信号が入力される。スイッチSi1p及びスイッチSi2pの他端は、正相側入力容量Cinpの一端に接続される。正相側入力容量Cinpの他端は、正相側アンプINApの入力ノードN1に接続される。
制御部30は、スイッチSi1pに制御信号φ1を供給し、スイッチSi2pに制御信号φ2を供給する。即ち、制御信号φ1がアクティブな期間、正相側入力容量Cinpの一端に差動入力信号の正相側入力信号が入力され、制御信号φ2がアクティブな期間、正相側入力容量Cinpの一端にリファレンス信号が入力される。正相側入力容量Cinpの他端は常時、正相側アンプINApの入力ノードN1に接続されている。
図4(b)は第2構成例を示す。スイッチSi1pの一端に差動入力信号の正相側入力信号が入力される。スイッチSi2pの一端にリファレンス信号が入力される。スイッチSi1p及びスイッチSi2pの他端は、正相側入力容量Cinpの一端に接続される。正相側入力容量Cinpの他端は、スイッチSi3p及びスイッチSi4pの一端に並列に接続される。スイッチSi3pの他端は、正相側アンプINApの入力ノードN1に接続される。スイッチSi4pの他端にリファレンス信号が入力される。
制御部30は、スイッチSi1p及びスイッチSi4pに制御信号φ1を供給し、スイッチSi2p及びスイッチSi3pに制御信号φ2を供給する。即ち、制御信号φ1がアクティブな期間、正相側入力容量Cinpの一端に差動入力信号の正相側入力信号が入力され、他端にリファレンス信号が入力される。制御信号φ2がアクティブな期間、正相側入力容量Cinpの一端にリファレンス信号が入力され、他端は正相側アンプINApの入力ノードN1に接続される。
図4(a)、(b)のいずれの構成でも制御信号φ1がアクティブな期間に、正相側入力容量Cinpに、入力信号を電荷として蓄積し、制御信号φ2がアクティブな期間に、蓄積した信号を正相側アンプINApの入力ノードN1に出力する構成となっている。なお、逆相側入力部12も図4(a)又は図4(b)と同様の回路構成を用いることができる。
図3に戻る。増幅部20は、正相側アンプINAp、正相側帰還容量Cfp、正相側短絡スイッチSfp、逆相側アンプINAm、逆相側帰還容量Cfm、逆相側短絡スイッチSfm、第1クロス容量Cc1及び第2クロス容量Cc2を有する。正相側アンプINAp、正相側帰還容量Cfp、正相側短絡スイッチSfp、逆相側アンプINAm、逆相側帰還容量Cfm及び逆相側短絡スイッチSfmの接続関係は、図1のそれらの接続関係と同様であるため説明を省略する。
第1クロス容量Cc1は、正相側アンプINApの出力端子と逆相側アンプINAmの入力端子間に接続される。第2クロス容量Cc2は、逆相側アンプINAmの出力端子と正相側アンプINApの入力端子間に接続される。
図3の実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100にて、正相側入力容量Cinp、逆相側入力容量Cinmの値をCin、正相側帰還容量Cfp、逆相側帰還容量Cfmの値をCf、及び第1クロス容量Cc1、第2クロス容量Cc2の値をCcとする。実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100に係る差動入力信号と差動出力信号の差動信号利得は、Cin/(Cf−Cc)で定義される。また、その同相信号利得は、Cin/(Cf+Cc)で定義される。
一方、図1の比較例に係る差動スイッチトキャパシタ回路100では、第1クロス容量Cc1及び第2クロス容量Cc2が設けられていない。従って比較例に係る差動スイッチトキャパシタ回路100に係る差動入力信号と差動出力信号の差動信号利得と、その同相信号利得は両方ともCin/Cfとなる。
後述するが、パイプラインAD変換器を実現するためには、図3に示す差動スイッチトキャパシタ回路100を複数段、縦列接続する必要がある。差動スイッチトキャパシタ回路100の差動信号利得は通常2以上であるため、比較例では数段接続するだけで非常に大きな同相信号利得が発生する。
これに対して実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100では、同相信号利得を1に設定しても差動信号利得を1を超える値に設定できる。例えば、Cin:Cf:Cc=1:5/8:3/8に設定すれば、同相信号利得を1に設定しつつ差動信号利得を4に設定できる。このように実施例1に係る差動スイッチトキャパシタ回路100は複数段、縦列接続しても同相信号利得が増加しない。従って同相信号ノイズが入力されても、安定した動作が保障される。
(実施例2)
実施例1で説明したように上述の正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmに、電流源を持たないインバータ構成を採用している。この場合、出力同相電圧を一定電圧に安定させるための補償電圧をフィードバックする制御電流源を設けることができない。
図5は、本発明の実施例2に係る差動スイッチトキャパシタ回路100の構成を示す図である。実施例2に係る差動スイッチトキャパシタ回路100は、差動入力部10、増幅部20及び制御部30(不図示)に加えて同相電圧制御部40を備える。同相電圧制御部40は、増幅部20の差動出力電圧をもとに同相電圧変動を検出し、その変動を補償するための電圧を増幅部20の入力にフィードバックする。これにより差動スイッチトキャパシタ回路100の同相電圧を安定化させる。
図6は、図5の同相電圧制御部40の構成例1を示す図である。増幅部20からの差動出力は中点電圧検出部41に入力される。中点電圧検出部41は、直列接続された同じ抵抗値の抵抗R41と抵抗R42を有し、抵抗R41及び抵抗R42は、増幅部20から入力された差動出力電圧を分圧して同相出力電圧を出力する。出力された同相出力電圧は、スイッチS41を介して容量C41にサンプルされる。スイッチS41は、制御信号φ2により制御される。容量C41にサンプルされた増幅部20の同相出力電圧は、正相増幅部42に入力される。
図5における増幅部20の同相信号利得の符号が基本的に負であるため、正相増幅部42の利得の符号は正である必要がある。正相増幅部42は、オペアンプOP、抵抗R43、容量C42を有する。抵抗R43は、オペアンプOPの反転入力端子に接続され、当該反転入力端子に同相基準電圧を入力する。容量C42は、オペアンプOPの出力端子と反転入力端子間に接続される。容量C41にサンプルされた増幅部20の同相出力電圧は、オペアンプOPの非反転入力端子に入力される。このように構成された正相増幅部42の出力は、入力された増幅部20の同相出力電圧と、同相基準電圧の差電圧を積分したものとなり、その伝達関数の符号は正となる。
正相増幅部42の出力電圧は、容量C43及び容量C44にサンプルされる。容量C43にサンプルされた電圧は、増幅部20の演算期間に、増幅部20の第1入力ノードN1に出力される。容量C44にサンプルされた電圧は、増幅部20の演算期間に、増幅部20の第2入力ノードN2に出力される。容量C43は正相側入力容量Cinpの一部であってもよい。同様に容量C44は逆相側入力容量Cinmの一部であってもよい。後述するようにパイプラインAD変換器に差動スイッチトキャパシタ回路100を使用する場合、正相側入力容量Cinp及び逆相側入力容量Cinmはそれぞれ容量アレイで構成される。その場合、正相側容量アレイを構成する1個の容量を容量C43に、逆相側容量アレイを構成する1個の容量を容量C44に割り当てることができる。
図7は、図5の同相電圧制御部40の構成例2を示す図である。正相増幅部42の伝達関数は必ずしも積分操作を含むものでなくてもよい。図7の正相増幅部42は、オペアンプOP、抵抗R43、抵抗R44を有する。この正相増幅部42では周波数にかかわらず固定の正利得を持つ。このように構成された正相増幅部42の出力は、入力された増幅部20の同相出力電圧と、同相基準電圧の差電圧を固定の正利得で増幅した値となる。正相増幅部42の出力電圧は抵抗R45及び抵抗R46を介して、増幅部20の第1入力ノードN1及び第2入力ノードN2にそれぞれフィードバックされる。
このように実施例2によれば、疑似差動アンプ等の電流源を持たないアンプを用いて差動スイッチトキャパシタ回路を構成しても、その差動出力信号から同相出力信号を検出して、その同相電圧ノイズを補償するフィードバック制御が可能となる。即ち、電流源を持たないアンプを用いた差動スイッチトキャパシタ回路の同相出力電圧を容易に安定させることができる。
(実施例3)
図8(a)、(b)は、本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路100を説明するための図である。図8(a)、(b)では説明を単純化するため正相側の構成のみを描いている。図8(a)は、比較例に係る差動スイッチトキャパシタ回路100の正相側の模式図を示す。正相側短絡スイッチSfpがオンすることにより、正相側アンプINApの入力端子と出力端子間が短絡される。入出力端子間が短絡すると、正相側アンプINApの入出力は安定した電位に収束する。
スイッチSi1pがオンすると、差動入力信号の正相側入力信号が正相側入力容量Cinpに入力される。この時、正相側入力信号に含まれる周波数成分が非常に高い場合、正相側短絡スイッチSfpのオン抵抗成分と、正相側入力容量Cinpによってハイパスフィルタが形成される。このハイパスフィルタにより、正相側入力信号の高周波成分が正相側短絡スイッチSfpの両端に現れてしまう。この正相側入力信号の高周波成分は、正相側帰還容量Cfpに漏れ、差動スイッチトキャパシタ回路100の動作に悪影響を及ぼす。
図8(b)は、本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路100の正相側と、逆相側の一部の模式図を示す。図8(b)では、差動入力信号の正相側入力信号を差動スイッチトキャパシタ回路100にサンプリングする際、逆相側入力信号をサンプリングしている第2逆相側入力容量Cin2mの他端を、クロススイッチ部50を介して正相側アンプINApの入力端子に接続する。これにより、正相側入力信号の高周波成分と、逆相側入力信号の高周波成分が正相側アンプINApの仮想接地点に入力されることになり、両高周波成分が正相側アンプINApの仮想接地点で打ち消される。従って差動入力信号のサンプリング時に、正相側入力信号の高周波成分が正相側帰還容量Cfpに悪影響を与えることがなく、高周波信号入力時にも差動スイッチトキャパシタ回路100の安定動作が可能となる。
本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路100は、差動入力部10、増幅部20及び制御部30に加えて、クロススイッチ部50を備える。図9は、本発明の実施例3に係る差動スイッチトキャパシタ回路100の差動入力部10及びクロススイッチ部50の構成を示す図である。
実施例3では図3の正相側入力部11が、第1正相側入力部11と第2正相側入力部13に分割される。同様に図3の逆相側入力部12が、第1逆相側入力部12と第2逆相側入力部14に分割される。これに伴い図4(a)、(b)の正相側入力容量Cinpが、第1正相側入力容量Cin1pと第2正相側入力容量Cin2pに分割される。同様に逆相側入力容量Cinmが、第1逆相側入力容量Cin1mと第2逆相側入力容量Cin2mに分割される。第1正相側入力容量Cin1pと第2正相側入力容量Cin2pは、容量値が実質的に等しくなるよう分割される。同様に第1逆相側入力容量Cin1mと第2逆相側入力容量Cin2mも、容量値が実質的に等しくなるよう分割される。
第1正相側入力容量Cin1pの出力経路は、正相側アンプINApの入力端子に固定的に接続される。第1逆相側入力容量Cin1mの出力経路は、逆相側アンプINAmの入力端子に固定的に接続される。このように第1正相側入力容量Cin1pを含む第1正相側入力部11と、第1逆相側入力容量Cin1mを含む第1逆相側入力部12の出力経路の接続関係は、実施例1と同様である。
クロススイッチ部50は、第2正相側入力容量Cin2pの出力経路を正相側アンプINApの入力端子と逆相側アンプINAmの入力端子の間で切り替える。また第2逆相側入力容量Cin2mの出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子と正相側アンプINApの入力端子との間で切り替える。以下、具体的な構成例を挙げる。
図10は、図9のクロススイッチ部50の構成例を示す図である。スイッチS51は、第2正相側入力部13の出力端子と正相側アンプINApの入力端子間に挿入される。スイッチS52は、第2逆相側入力部14の出力端子と逆相側アンプINAmの入力端子間に挿入される。スイッチS53は、第2正相側入力部13の出力端子と逆相側アンプINAmの入力端子間に挿入される。スイッチS54は、第2逆相側入力部14の出力端子と正相側アンプINApの入力端子間に挿入される。
スイッチS51及びスイッチS52は制御信号φ2で制御され、スイッチS53及びスイッチS54は制御信号φ1で制御される。差動入力信号のサンプリング時には制御信号φ1がアクティブとなるため、スイッチS53及びスイッチS54がオンし、スイッチS51及びスイッチS52がオフする。正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの演算期間には制御信号φ2がアクティブとなるため、スイッチS51及びスイッチS52がオンし、スイッチS53及びスイッチS54がオフする。
第1正相側入力部11、第2正相側入力部13、第1逆相側入力部12及び第2逆相側入力部14による差動入力信号のサンプリング期間中、図10の構成のクロススイッチ部50は、第2正相側入力容量Cin2pの出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子に接続し、第2逆相側入力容量Cin2mの出力経路を正相側アンプINApの入力端子に接続する。当該サンプリング期間中、正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオンし、第1正相側入力部11及び第2正相側入力部13にそれぞれ含まれる正相側入力スイッチは正相入力信号を選択し、第1逆相側入力部12及び第2逆相側入力部14にそれぞれ含まれる逆相側入力スイッチは逆相入力信号を選択する。
正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの演算期間中、図10の構成のクロススイッチ部50は、第2正相側入力容量Cin2pの出力経路を正相側アンプINApの入力端子に接続し、第2逆相側入力容量Cin2mの出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子に接続する。当該演算期間中、正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオフし、第1正相側入力部11及び第2正相側入力部13にそれぞれ含まれる正相側入力スイッチはリファレンス信号を選択し、第1逆相側入力部12及び第2逆相側入力部14にそれぞれ含まれる逆相側入力スイッチもリファレンス信号を選択する。
以上の構成及び動作ではサンプリング期間中、正相側アンプINApに漏れる第1正相側入力容量Cin1pからの高周波信号と、第2逆相側入力容量Cin2mからの高周波信号が逆相となる。従って正相側アンプINApの仮想接地点で互いに打ち消し合って信号成分を略ゼロにできる。同様に逆相側アンプINAmに漏れる第1逆相側入力容量Cin1mからの高周波信号と、第2正相側入力容量Cin2pからの高周波信号も逆相となり、逆相側アンプINAmの仮想接地点で互いに打ち消し合って信号成分を略ゼロにできる。
なお第1正相側入力容量Cin1pと第2正相側入力容量Cin2pは、実施例1の正相側入力容量Cinpを等分割したものである。従って第1正相側入力容量Cin1pと第2正相側入力容量Cin2pにサンプリングされる電荷は、実施例1の正相側入力容量Cinpにサンプリングされる電荷と等しくなる。演算期間中は、第1正相側入力容量Cin1pと第2正相側入力容量Cin2pの出力経路が両方とも正相側アンプINApの入力ノードN1に接続される。従って高周波成分を相殺する作用を除き、実施例1と実施例3では同様の演算結果となる。
このように実施例3によれば、正相側入力容量と逆相側入力容量をそれぞれ2系統に分割し、クロススイッチ部50を設ける。これにより、差動入力信号のサンプリング時に正相側帰還容量Cfp及び逆相側帰還容量Cfmに、差動入力信号の高周波成分がノイズとして蓄積されることを防止できる。従って差動スイッチトキャパシタ回路100の安定動作が可能となる。
(実施例4)
実施例4は、実施例1−3に係る差動スイッチトキャパシタ回路100をパイプライン型AD変換器に適用する例を説明する。図11は、パイプライン型AD変換器500の構成を示す図である。パイプライン型AD変換器500は、複数のパイプラインステージ(以下、単にステージという)200、サブAD変換器300及びビット合成論理回路400を備える。各ステージ200及びサブAD変換器300はそれぞれ、設定されたビット数のデジタル信号をビット合成論理回路400に出力し、ビット合成論理回路400はそれらデジタル信号を組み立てて最終的なデジタル信号を生成する。
図12は、図11の各ステージ200の構成例を示す図である。各ステージ200は、差動入力部10、増幅部20、制御部30(不図示)、同相電圧制御部40及びサブAD変換器250を備える。前のステージから入力される差動アナログ入力信号は、差動入力部10とサブAD変換器250で並列にサンプリングされる。
サブAD変換器250は入力される差動アナログ入力信号を、設定された分解能のデジタル信号に変換する。サブAD変換器250は例えば、差動構成のフラッシュ型AD変換器で構成される。フラッシュ型AD変換器は複数のコンパレータ及びエンコーダを有する。複数のコンパレータの一方の端子には、ハイサイド基準電位とローサイド基準電位間の電圧を抵抗ラダーで等分割した電圧がそれぞれ入力される。複数のコンパレータの他方の端子には、サンプリングされたアナログ信号が並列に入力される。複数のコンパレータの出力は温度計コードとなる。複数のコンパレータは温度計コードを差動入力部10及びエンコーダに出力する。エンコーダは、複数のコンパレータから出力された温度計コードをバイナリコードに変換してビット合成論理回路400に出力する。
差動入力部10、増幅部20、制御部30(不図示)及び同相電圧制御部40は、差動スイッチトキャパシタ回路100を構成する。差動スイッチトキャパシタ回路100は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号をサンプリングする。差動スイッチトキャパシタ回路100は、サンプリングした差動アナログ入力信号から、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算して差動残差アナログ信号を生成する。当該デジタル信号は、サブAD変換器250から上記の温度計コードで渡される。差動スイッチトキャパシタ回路100は、サブAD変換器250の分解能に応じた増幅率で差動残差アナログ信号を増幅し、後のステージに出力する。
増幅部20の構成は実施例1で説明した通りであり、同相電圧制御部40の構成は実施例2で説明した通りである。実施例4では、実施例3で説明した差動入力部10の構成を応用する。
実施例4、5では、3個のステージ200を備えるパイプライン型AD変換器500で、アナログ信号を9ビットのデジタル信号に変換する例を想定する。その内訳は、第1ステージ200で2ビット、第2ステージ200で2ビット、第3ステージ200で2ビット、最後のサブAD変換器300で3ビットをそれぞれ変換する。第1〜第3ステージ200に搭載されるサブAD変換器250には、2.5ビット仕様の変換器を使用する。
図13は、本発明の実施例4に係る差動入力部10の構成例1を示す図である。第1正相側入力部11は複数の入力回路111〜118を有し、第2正相側入力部13は複数の入力回路131〜138を有し、第1逆相側入力部12は複数の入力回路121〜128を有し、第2逆相側入力部14は複数の入力回路141〜148を有する。
図14(a)、(b)は、図13の入力回路111を説明するための図である。図14(a)は、図13の入力回路111の構成を示す図である。入力回路111は、スイッチSi11p、スイッチSi12p、スイッチSi13p、容量Cin11pを有する。スイッチSi11pの一端には差動入力信号の正相入力信号が入力される。スイッチSi12pの一端には、ハイサイドリファレンス信号VRHが印加される。スイッチSi13pの一端には、ローサイドリファレンス信号VRLが印加される。スイッチSi11p、スイッチSi12p及びスイッチSi13pの他端は、容量Cin11pの一端に接続される。容量Cin11pの他端は、正相側アンプINApの入力ノードN1に接続される。スイッチSi11pは制御信号φ1で制御され、スイッチSi12pは制御信号φ3で制御され、スイッチSi13pは制御信号φ4で制御される。
図14(b)は、制御信号φ3、制御信号φ4の生成回路の構成例を示す図である。当該生成回路は、サブAD変換器250と差動入力部10の間に設けられる。当該生成回路はANDゲート61とANDゲート62を有する。ANDゲート61の一方の入力端子には制御信号φ2が制御され、他方の入力端子にサブAD変換器250の正相出力信号(上述の温度計コード)が入力される。ANDゲート61は両信号の論理積信号を制御信号φ3として出力する。ANDゲート62の一方の入力端子には制御信号φ2が制御され、他方の入力端子にサブAD変換器250の正相出力信号(上述の温度計コード)の反転信号が入力される。ANDゲート61は両信号の論理積信号を制御信号φ4として出力する。
ANDゲート61とANDゲート62により構成される生成回路は、制御信号φ2がハイレベルの期間において、サブAD変換器250の出力信号がハイレベルのとき制御信号φ3をハイレベル、制御信号φ4をローレベルとし、サブAD変換器250の出力信号がローレベルのとき制御信号φ3をローレベル、制御信号φ4をハイレベルとする。
入力回路112〜118も入力回路111と同様の構成である。また第2正相側入力部13の入力回路131〜138も入力回路111と同様の構成である。第1逆相側入力部12の入力回路121〜128及び第2逆相側入力部14の入力回路141〜148は、入力回路111に対して以下の点が変更される。スイッチSi11pの一端には差動入力信号の正相入力信号ではなく逆相入力信号が入力される。ANDゲート61及びANDゲート62のそれぞれの他方の入力端子に、サブAD変換器250の正相出力信号ではなく、逆相出力信号が入力される。
2.5ビット仕様のサブAD変換器250を使用する場合、第1正相側入力部11、第2正相側入力部13、第1逆相側入力部12及び第2逆相側入力部14は、それぞれ8個の入力回路を有する。
図15は、実施例4に係る、各ステージ200で実現すべき伝達関数を示す図である。図15は、2.5ビット仕様のサブAD変換器250に対応した7区間に分割されたロバートソン・プロットを示している。この例ではn=3となる。
図16は、サブAD変換器250に入力される差動入力信号レベルと、複数の入力回路のスイッチの関係を示す図である。差動入力信号の正相入力信号レベルまたは逆相入力信号レベルは7区分される。従ってサブAD変換器250の分解能は7である。通常、容量アレイは偶数個の容量で構成されるため第1正相側入力部11、第2正相側入力部13、第1逆相側入力部12及び第2逆相側入力部14には、それぞれ8個の容量が必要となる。
図16では、差動入力信号の正相入力信号レベルまたは逆相入力信号レベルと、第1正相側入力部11、第2正相側入力部13、第1逆相側入力部12または第2逆相側入力部14に含まれる8個の入力回路内のスイッチの関係を示している。以下、入力された差動入力信号の正相入力信号レベルが5/8〜1の範囲内の場合の例を説明する。
この場合、第1正相側入力部11または第2正相側入力部13に含まれる7個の入力回路111〜117のスイッチSi12pが制御信号φ3によりオンされ、1個の入力回路118のスイッチSi13pが制御信号φ4によりオンされる。これにより正相側アンプINApの増幅期間中、第1正相側入力部11の8個の容量のうち7個の容量の一端にハイサイドリファレンス信号VRHが印加され、1個の容量の一端にローサイドリファレンス信号VRHが印加される。
これにより、サブAD変換器250に入力された正相入力信号が、8個の容量の合成容量のリファレンス信号として復元される。これら8個の容量から正相側帰還容量Cfmに転送される電荷は、サンプリングされた信号の電圧とリファレンス信号の電圧との差分電圧と、8個の容量の合成容量値にもとづき決定される。当該リファレンス信号がゼロでない場合、8個の容量の一端に印加される電圧を減じることになる。サブAD変換器250に入力される差動入力信号の正相入力信号レベルが大きいほど、ハイサイドリファレンス信号VRHが選択されるスイッチが多くなり、大きな電圧を減じることになる。
以上の原理により差動スイッチトキャパシタ回路100は、サンプリングしたアナログ入力信号から、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算した残差アナログ信号を生成できる。2.5ビット仕様のサブAD変換器250を使用する場合、差動スイッチトキャパシタ回路100は、生成した残差アナログ信号を4倍に増幅して後のステージ200に出力する。4倍にすることにより、各ステージ200の差動スイッチトキャパシタ回路100及びサブAD変換器250の使用する電圧レンジを合わせることができる。
以下、回路構成を具体的に説明する。以下、図14(a)のスイッチSi11p、スイッチSi12p、スイッチSi13pの3個のスイッチを総称して正相側入力スイッチと呼ぶ。それら3個のスイッチに対応する逆相側の3個のスイッチを総称して逆相側入力スイッチと呼ぶ。正相側入力スイッチは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLのいずれかを選択して、1個の正相側入力容量に供給する。正相側入力スイッチは並列に複数設けられる。逆相側入力スイッチは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLのいずれかを選択して、1個の逆相側入力容量に供給する。逆相側入力スイッチも並列に複数設けられる。図13の例では、正相側入力スイッチ及び逆相側入力スイッチはそれぞれ16個設けられる。
正相側入力容量は並列に複数設けられ、複数の正相側入力スイッチをそれぞれ介して正相入力信号をサンプリングする。複数の正相側入力容量は、第1グループの正相側入力容量と第2グループの正相側入力容量に実質的に等分割される。複数の正相側入力容量は、サブAD変換器250の分解能の2倍の数に対応した数(図13の例では16個)の容量であり、8個の第1グループの正相側入力容量と8個の第2グループの正相側入力容量に分割される。各正相側入力容量は、当該分解能の最小単位に対応する容量値の半分の容量値に設定される。
逆相側入力容量は並列に複数設けられ、複数の逆相側入力スイッチをそれぞれ介して逆相入力信号をサンプリングする。複数の逆相側入力容量は、第1グループの逆相側入力容量と第2グループの逆相側入力容量に実質的に等分割される。複数の逆相側入力容量は、サブAD変換器250の分解能の2倍の数に対応した数(図13の例では16個)の容量であり、8個の第1グループの逆相側入力容量と8個の第2グループの逆相側入力容量に分割される。各逆相側入力容量は、当該分解能の最小単位に対応する容量値の半分の容量値に設定される。
第1グループの正相側入力容量は、第1正相側入力部11に設けられる8個の容量であり、第2グループの正相側入力容量は、第2正相側入力部13に設けられる8個の容量である。第1グループの逆相側入力容量は、第1逆相側入力部12に設けられる8個の容量であり、第2グループの逆相側入力容量は、第2逆相側入力部14に設けられる8個の容量である。
第1及び第2グループの正相側入力容量にサンプリングされた信号は、正相側アンプINApの演算期間中に正相側アンプINApに入力される。第1及第2グループの逆相側入力容量にサンプリングされた信号は、逆相側アンプINAmの演算期間中に逆相側アンプINAmに入力される。
クロススイッチ部50は、第2グループの正相側入力容量の出力経路を正相側アンプINApの入力端子と逆相側アンプINAmの入力端子の間で切り替える。またクロススイッチ部50は、第2グループの逆相側入力容量の出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子と正相側アンプINApの入力端子の間で切り替える。第1グループの正相側入力容量の出力経路は、正相側アンプINApの入力端子に固定的に接続される。第1グループの逆相側入力容量の出力経路は、逆相側アンプINAmの入力端子に固定的に接続される。
第1及び第2グループの正相側入力容量および第1及び第2グループの逆相側入力容量による差動アナログ入力信号のサンプリング中、クロススイッチ部50は、第2グループの正相側入力容量の出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子に接続し、第2グループの逆相側入力容量の出力経路を正相側アンプINApの入力端子に接続する。当該サンプリング中、正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオンし、複数の正相側入力スイッチは正相入力信号を選択し、複数の逆相側入力スイッチは逆相入力信号を選択する。
正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの演算期間中、クロススイッチ部50は、第2グループの正相側入力容量の出力経路を正相側アンプINApの入力端子に接続し、第2グループの逆相側入力容量の出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子に接続する。当該演算期間中、正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオフする。当該演算期間中、複数の正相側入力スイッチのそれぞれは、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に応じて、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLを選択する。当該演算期間中、複数の逆相側入力スイッチのそれぞれは、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に応じて、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLを選択する。
図17は、本発明の実施例4に係る差動入力部10の構成例2を示す図である。第1正相側入力部11は複数の入力回路111〜114を有し、第2正相側入力部13は複数の入力回路135〜138を有し、第1逆相側入力部12は複数の入力回路121〜124を有し、第2逆相側入力部14は複数の入力回路145〜148を有する。
複数の正相側入力容量は、第1グループの正相側入力容量と第2グループの正相側入力容量に実質的に等分割される。構成例2では複数の正相側入力容量は、サブAD変換器250の分解能の数に対応した数(図17の例では8個)の容量であり、4個の第1グループの正相側入力容量と4個の第2グループの正相側入力容量に分割される。各正相側入力容量は、当該分解能の最小単位に対応する容量値に設定される。
複数の逆相側入力容量は、第1グループの逆相側入力容量と第2グループの逆相側入力容量に実質的に等分割される。構成例2では複数の逆相側入力容量は、サブAD変換器250の分解能の数に対応した数(図17の例では8個)の容量であり、4個の第1グループの逆相側入力容量と4個の第2グループの逆相側入力容量に分割される。各逆相側入力容量は、当該分解能の最小単位に対応する容量値に設定される。
第1グループの正相側入力容量は、第1正相側入力部11に設けられる4個の容量であり、第2グループの正相側入力容量は、第2正相側入力部13に設けられる4個の容量である。第1グループの逆相側入力容量は、第1逆相側入力部12に設けられる4個の容量であり、第2グループの逆相側入力容量は、第2逆相側入力部14に設けられる4個の容量である。
このように実施例4によれば、実施例3で述べたサンプリング時に差動入力信号の高周波成分が漏れてノイズとして蓄積することを防止できる差動スイッチトキャパシタ回路100を、パイプライン型AD変換器500の各ステージ200に適用できる。従って、差動入力信号に高周波信号が含まれる場合でも、パイプライン型AD変換器500の各ステージ200の動作を高精度で安定したものにできる。
なお実施例4で述べた差動スイッチトキャパシタ回路100は、パイプライン型AD変換器500の全てのステージ200に適用してもよいし、一部のステージ200に適用してもよい。一部のステージ200に適用する場合、最も高精度が要求される最上位のステージ200に適用することが望ましい。また最上位のステージ200から下位側に順番に所定数のステージ200に適用してもよい。
実施例4の構成例2では正相側および逆相側のそれぞれにおいて、入力容量の容量値を変えずに入力容量の数を半分に分ける例を示した。入力容量の数が奇数の場合は、相殺する高周波成分同士が対称とならないため、構成例2は入力容量の数が偶数の場合に使用することが望ましい。
(実施例5)
実施例4で述べたように正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの演算期間中、各入力容量には2種類の異なる電圧(ハイサイドリファレンス信号VRH、ローサイドリファレンス信号VRL)のいずれかが印加される。従って自己のステージ200の入力容量に蓄積された電荷の影響を受けてから、前のステージ200の出力信号がセトリングすることになる。その残留電荷の影響によりセトリングが遅くなることもある。このように各ステージ200の出力信号は、後のステージ200の入力容量に対して信号依存性を持つため、歪みやすくなる。実施例5では、この信号依存性がなくなるよう制御することにより、各ステージ200の出力信号を歪みにくくする。
図18は、本発明の実施例5に係る差動入力部10の構成例を示す図である。図19は、本発明の実施例5に係る差動スイッチトキャパシタ回路100に含まれる制御部30を示す図である。第1入力部11aは複数の入力回路111〜118を有し、第2入力部12aは複数の入力回路121〜128を有し、第3入力部13aは複数の入力回路131〜138を有し、第4入力部14aは複数の入力回路141〜148を有する。
第1入力部11a、第2入力部12a、第3入力部13a及び第4入力部14aは、図13の第1正相側入力部11、第1逆相側入力部12、第2正相側入力部13及び第2逆相側入力部14にそれぞれ対応する。ただし実施例5では第3入力部13a及び第4入力部14aがサンプリングする信号が正相入力信号または逆相入力信号に固定されないため名称を変更している。
実施例5に係る差動スイッチトキャパシタ回路100は、第1クロススイッチ部50aと第2クロススイッチ部50bを有する。第2クロススイッチ部50bは、実施例3、4のクロススイッチ部50に対応する。第1クロススイッチ部50aは差動入力信号の正相入力信号の入力先を、第3入力部13aと第4入力部14aの間で切り替える。また第1クロススイッチ部50aは差動入力信号の逆相入力信号の入力先を、第4入力部14aと第3入力部13aの間で切り替える。
第2クロススイッチ部50bは、第3入力部13aの出力経路を正相側アンプINApの入力ノードN1と逆相側アンプINAmの入力ノードN2の間で切り替える。また第2クロススイッチ部50bは、第4入力部14aの出力経路を逆相側アンプINAmの入力ノードN2と正相側アンプINApの入力ノードN1との間で切り替える。
制御部30は制御信号φ1、制御信号φ2、制御信号φ1’及び制御信号φ2’を各素子に供給する。制御信号φ1、制御信号φ2、制御信号φ1’及び制御信号φ2’は、図19に示すように正論理で重なり合わない4相クロックである。制御信号φ1及び制御信号φ1’は、差動入力信号のサンプリング期間を規定するクロック信号である。制御信号φ2及び制御信号φ2’は、正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの演算期間を規定するクロック信号である。制御信号φ2及び制御信号φ2’のアクティブ期間にサブAD変換器250はデジタル信号AD8−1を、差動入力部10及びビット合成論理回路400に出力する。サブAD変換器250のデジタル信号AD8−1は、制御信号φ1及び制御信号φ3の立ち下がりエッジタイミングで確定する。
信号選択部65は、サブAD変換器250と差動入力部10の間に設けられる。サブAD変換器250の出力デジタル信号AD8−1は、第1入力部11a及び第2入力部12aに信号選択部65を介さずに供給され、第3入力部13a及び第4入力部14aに信号選択部65を介して供給される。
信号選択部65は、制御信号φ2’がノンアクティブな期間に入力される当該出力デジタル信号AD8−1の正相出力信号を第3入力部13aに供給し、その逆相出力信号を第4入力部14aに供給する。信号選択部65は、制御信号φ2’がアクティブな期間に入力される当該出力デジタル信号AD8−1の正相出力信号を第4入力部14aに供給し、その逆相出力信号を第3入力部13aに供給する。図18では信号選択部65を通った後の出力デジタル信号をAD’8−1と表記している。
図20(a)−(d)は、図18の差動入力部10の動作を説明するための模式図である。図20(a)は、制御信号φ1がアクティブとなるリセットフェーズ(サンプリングフェーズ)の第1入力部11a〜第4入力部14aの状態を示す。図20(b)は、制御信号φ2がアクティブとなるアンプフェーズ(演算フェーズ)の第1入力部11a〜第4入力部14aの状態を示す。図20(c)は、制御信号φ1’がアクティブとなるリセットフェーズの第1入力部11a〜第4入力部14aの状態を示す。図20(d)は、制御信号φ4がアクティブとなるアンプフェーズの第1入力部11a〜第4入力部14aの状態を示す。
まず図20(b)の、制御信号φ2がアクティブとなるアンプフェーズを説明する。このアンプフェーズ時点でサブAD変換器250の出力デジタル信号AD8−1は確定している。従って第1入力部11a及び第3入力部13aの各々に含まれる8個の容量の内、いくつにハイサイドリファレンス信号VRHが入力され、いくつにローサイドリファレンス信号VRLが入力されるかも確定している。一方、第2入力部12a及び第4入力部14aの各々に含まれる8個の容量に入力されるリファレンス信号は、第1入力部11a及び第3入力部13aの逆になる。第1入力部11a及び第3入力部13aの出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2入力部12a及び第4入力部14aの出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。
以下、第1入力部11a及び第3入力部13aの各々に含まれる8個の容量の内、6個にハイサイドリファレンス信号VRHが入力され、2個にローサイドリファレンス信号VRLが入力される例を考える。この場合、第2入力部12a及び第4入力部14aの各々に含まれる8個の容量の内、2個にハイサイドリファレンス信号VRHが入力され、6個にローサイドリファレンス信号VRLが入力されることになる。
図20(a)−(d)では、第1入力部11a及び第3入力部13aの各々に含まれる複数の容量の内、ハイサイドリファレンス信号VRHが入力される個数をPと表記し、ローサイドリファレンス信号VRLが入力される個数をMと表記している。第2入力部12a及び第4入力部14aの入力個数は、第1入力部11a及び第3入力部13aと逆になるためP、Mにバーを付加している。第1入力部11aのPと第2入力部12aのPの合計は常に8であり、第1入力部11aのMと第2入力部12aのMの合計も常に8である。第3入力部13aと第4入力部14aの関係も同様である。
次に図20(c)の、制御信号φ1’がアクティブとなるリセットフェーズを説明する。このリセットフェーズでは差動入力信号の正相入力信号が第1入力部11a及び第4入力部14aにサンプリングされ、逆相入力信号が第2入力部12a及び第3入力部13aにサンプリングされる。第1入力部11a及び第3入力部13aの出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2入力部12a及び第4入力部14aの出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。従って実施例3、4で説明したように正相入力信号の高周波成分と逆相入力信号の高周波成分を相殺しながらサンプリングできる。
図20(c)には、図20(b)に示した直前のアンプフェーズの容量の接続関係(P、M)を引き続き表記している。第1入力部11a及び第4入力部14aに含まれる16個の容量の内、直前のアンプフェーズでハイサイドリファレンス信号VRHが入力されている個数は8個であり、ローサイドリファレンス信号VRLが入力されている個数も8個である。同様に第2入力部12a及び第3入力部13aに含まれる16個の容量の内、直前のアンプフェーズでハイサイドリファレンス信号VRHが入力されている個数は8個であり、ローサイドリファレンス信号VRLが入力されている個数も8個である。
次に図20(d)の、制御信号φ2’がアクティブとなるアンプフェーズを説明する。このアンプフェーズ時点でサブAD変換器250の新たな出力デジタル信号AD8−1は確定している。第1入力部11a及び第4入力部14aの出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2入力部12a及び第3入力部13aの出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。直前のリセットフェーズで第1入力部11a及び第4入力部14aに正相入力信号をサンプリングし、第2入力部12a及び第3入力部13aに逆相入力信号をサンプリングしているため、第3入力部13a及び第4入力部14aの出力経路はクロス接続となる。
最後に図20(a)の、制御信号φ1がアクティブとなるリセットフェーズを説明する。このリセットフェーズでは差動入力信号の正相入力信号が第1入力部11a及び第3入力部13aにサンプリングされ、逆相入力信号が第2入力部12a及び第4入力部14aにサンプリングされる。第1入力部11a及び第4入力部14aの出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2入力部12a及び第3入力部13aの出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。従って実施例3、4で説明したように正相入力信号の高周波成分と逆相入力信号の高周波成分を相殺しながらサンプリングできる。
図20(a)には、図20(d)に示した直前のアンプフェーズの容量の接続関係(P、M)を引き続き表記している。第1入力部11a及び第3入力部13aに含まれる16個の容量の内、直前のアンプフェーズでハイサイドリファレンス信号VRHが入力されている個数は8個であり、ローサイドリファレンス信号VRLが入力されている個数も8個である。同様に第2入力部12a及び第4入力部14aに含まれる16個の容量の内、直前のアンプフェーズでハイサイドリファレンス信号VRHが入力されている個数は8個であり、ローサイドリファレンス信号VRLが入力されている個数も8個である。
図20(a)〜20(d)に示すように制御信号φ1→制御信号φ2→制御信号φ1’→制御信号φ2’→の順番で各スイッチを繰り返し切り替える。これにより前のステージのアンプ出力に対する、アンプフェーズ時に入力容量に蓄積された電荷の影響を一定にできる。
以下、回路構成を具体的に説明する。第1入力部11aは第1グループの入力スイッチと第1グループの入力容量を有する。第2入力部12aは第2グループの入力スイッチと第2グループの入力容量を有する。第3入力部13aは第3グループの入力スイッチと第3グループの入力容量を有する。第4入力部14aは第4グループの入力スイッチと第4グループの入力容量を有する。
第1グループの入力スイッチは、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数のスイッチである。各入力スイッチは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLのいずれかを選択する。第1グループの入力容量は、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数の容量である。第1グループの入力容量は、第1グループの入力スイッチをそれぞれ介して正相入力信号をサンプリングする。図18の例では、第1グループの入力スイッチ及び第1グループの入力容量はそれぞれ8個設けられる。
第2グループの入力スイッチは、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数のスイッチである。各入力スイッチは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLのいずれかを選択する。第2グループの入力容量は、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数の容量である。第2グループの入力容量は、第2グループの入力スイッチをそれぞれ介して逆相入力信号をサンプリングする。図18の例では、第2グループの入力スイッチ及び第2グループの入力容量もそれぞれ8個設けられる。
第3グループの入力スイッチは、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数のスイッチである。各入力スイッチは、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLのいずれかを選択する。第3グループの入力容量は、サブAD変換器250の分解能に対応した、並列に設けられる複数の容量である。第3グループの入力容量は、第3グループの入力スイッチをそれぞれ介して正相入力信号または逆相入力信号をサンプリングする。図18の例では、第3グループの入力スイッチ及び第3グループの入力容量もそれぞれ8個設けられる。
第4グループの入力スイッチ及び第4グループの入力容量は、第3グループの入力スイッチ及び第3グループの入力容量と同じである。第1〜第4グループの各入力容量は、サブAD変換器250の最小単位に対応する容量値の半分の容量値に設定される。
第1グループの入力容量と第3又は第4グループの入力容量にサンプリングされた信号は、正相側アンプINApの演算期間中に正相側アンプINApに入力される。第2グループの入力容量と第4又は第3グループの入力容量にサンプリングされた信号は、逆相側アンプINAmの演算期間中に逆相側アンプINAmに入力される。
第1クロススイッチ部50aは第3グループの入力スイッチに、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替える。また第4グループの入力スイッチに、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替える。第2クロススイッチ部50bは、第3グループの入力容量の出力経路を正相側アンプINApの入力端子と逆相側アンプINAmの入力端子の間で切り替える。また第4グループの入力容量の出力経路を逆相側アンプINAmの入力端子と正相側アンプINApの入力端子の間で切り替える。第1グループの入力容量の出力経路は、正相側アンプINApの入力端子に固定的に接続される。第2グループの入力容量の出力経路は、逆相側アンプINAmの入力端子に固定的に接続される。
第1サンプリングフェーズでは、第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、第1グループの入力容量の出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続される。第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、第2グループの入力容量の出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。第3グループの入力容量に正相入力信号が入力され、第3グループの入力容量の出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。第4グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、第4グループの入力容量の出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続される。正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオンし、第1及び第3グループの入力スイッチは正相入力信号を選択し、第2及び第4グループの入力スイッチは逆相入力信号を選択する。この状態で第1〜第4グループの入力容量に、差動アナログ入力信号をサンプリングする。
第1サンプリングフェーズの後の第1演算フェーズでは、第1及び第3グループの入力容量の出力経路が正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2及び第4グループの入力容量の出力経路が逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオフする。第1〜第4グループの入力スイッチのそれぞれは、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に応じて、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLを選択する。
第2サンプリングフェーズでは、第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、第1グループの入力容量の出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続される。第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、第2グループの入力容量の出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。第3グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、第3グループの入力容量の出力経路は正相側アンプINApの入力端子に接続される。第4グループの入力容量に正相入力信号が入力され、第4グループの入力容量の出力経路は逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオンし、第1及び第4グループの入力スイッチは正相入力信号を選択し、第2及び第3グループの入力スイッチは逆相入力信号を選択する。この状態で第1〜第4グループの入力容量に、差動アナログ入力信号をサンプリングする。
第2サンプリングフェーズの後の第2演算フェーズでは、第1及び第4グループの入力容量の出力経路が正相側アンプINApの入力端子に接続され、第2及び第3グループの入力容量の出力経路が逆相側アンプINAmの入力端子に接続される。正相側短絡スイッチSfp及び逆相側短絡スイッチSfmはオフする。第1〜第4グループの入力スイッチのそれぞれは、サブAD変換器250により変換されたデジタル信号に応じて、ハイサイドリファレンス信号VRHまたはローサイドリファレンス信号VRLを選択する。
制御部30は、前のステージ200から変換対象の差動アナログ入力信号が入力される度に、第1サンプルフェーズと第2サンプルフェーズを切り替える。
以上の説明したように実施例5では、あるサンプリングフェーズの前の演算フェーズにおいて、第1〜第4グループの入力容量のそれぞれに入力されていたハイサイドリファレンス信号VRHとローサイドリファレンス信号VRLの影響が前段アンプから見て一定となるように、当該サンプリングフェーズに差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングする入力容量と、逆相入力信号をサンプリングする入力容量を切り替える。これにより前のステージ200のアンプ出力に対する、アンプフェーズ時に入力容量に蓄積された電荷の影響を一定にできる。従って、前のステージ200のアンプ出力の信号依存性をなくすことができ、歪の少ない高品質なスイッチトキャパシタ動作が可能となる。また実施例4で説明した正相入力信号の高周波成分と逆相入力信号の高周波成分の相殺効果も享受できる。
以上、本発明を実施例1−5をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例1では差動入力信号と差動出力信号の同相信号利得を1に設定しつつ、その差動信号利得を1を超える値に設定する回路構成を示した。変形例では入力容量Cinp、入力容量Cinm、正相側帰還容量Cfp、逆相側帰還容量Cfm、第1クロス容量Cc1及び第2クロス容量Cc2の少なくも一つを、インピーダンスを持つ他の素子に置き換えることができる。例えば、全ての容量を抵抗に置き換えて連続時間入力に対応する増幅回路が形成されてもよい。なお各素子の種別を統一したほうがゲイン設定が容易であるが、必ずしも統一されている必要はない。
図21は、実施例3の変形例に係る、差動スイッチトキャパシタ回路100の構成を示す図である。実施例3では擬似差動型のアンプとして、正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmを使用する例を挙げた。正相側アンプINAp及び逆相側アンプINAmの代わりに一般的な差動アンプDAを用いてもよい。その場合、正相側アンプINApの入力端子を差動アンプDAの反転入力端子、正相側アンプINApの出力端子を差動アンプDAの非反転入力端子、逆相側アンプINAmの入力端子を差動アンプDAの非反転出力端子、逆相側アンプINAmの出力端子を差動アンプDAの反転出力端子とそれぞれ読み替えればよい。この場合も、正相入力信号の高周波成分と逆相入力信号の高周波成分の相殺効果を享受できる。
10 差動入力部、 11 第1正相側入力部、 12 第1逆相側入力部、 13 第2正相側入力部、 14 第2逆相側入力部、 20 増幅部、 30 制御部、 40 同相電圧制御部、 41 中点電圧検出部、 42 正相増幅部、 50 クロススイッチ部、 50a 第1クロススイッチ部、 50b 第2クロススイッチ部、 61,62 ANDゲート、 65 信号選択部、 差動スイッチトキャパシタ回路、 111〜118,121〜128,131〜138,141〜148 入力回路、 200 ステージ、 400 ビット合成論理回路、 500 パイプライン型AD変換器、 INAp 正相側アンプ、 INAm 逆相側アンプ、 Cc1 第1クロス容量、 Cc2 第2クロス容量、 Cin1m 第1逆相側入力容量、 Cin1p 第1正相側入力容量、 Cin2m 第2逆相側入力容量、 Cin2p 第2正相側入力容量、 Cfp 正相側帰還容量、 Cfm 逆相側帰還容量、 C41〜C44 容量、 R41〜R46 抵抗、 Sfp 正相側短絡スイッチ、 Sfm 逆相側短絡スイッチ、 S41,S51〜S54,Si1m,Si1p,Si2m,Si2p,Si3p,Si4p,Si11p,Si12p,Si13p スイッチ。

Claims (6)

  1. 複数の変換ステージを備えるパイプライン型のAD変換器であって、
    前記変換ステージは、
    前のステージから入力される差動アナログ入力信号を、設定された分解能のデジタル信号に変換するサブAD変換器と、
    前記サブAD変換器と並列に、前のステージから入力される差動アナログ入力信号をサンプリングし、サンプリングした差動アナログ入力信号から、前記サブAD変換器により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算した差動残差アナログ信号を、前記分解能に応じた増幅率で増幅し、後のステージに出力するスイッチトキャパシタ回路と、を備え、
    前記複数の変換ステージの少なくも一つのスイッチトキャパシタ回路は、
    並列に設けられる複数の入力スイッチ回路と、
    並列に設けられる複数の入力容量と、
    演算期間中に、前記複数の入力容量にサンプリングされた差動入力信号が入力される差動増幅回路と、を有し、
    前記複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号のいずれか、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号の3種類のいずれかを選択し、
    前記複数の入力容量は、前記複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号のいずれかをサンプリングし、
    あるサンプリング期間の前の演算期間において、前記複数の入力容量のそれぞれに入力されていた信号がハイサイドリファレンス信号であるかローサイドリファレンス信号であるかに応じて、当該サンプリング期間中に差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングする入力容量と、逆相入力信号をサンプリングする入力容量を切り替えることを特徴とするAD変換器。
  2. 複数の変換ステージを備えるパイプライン型のAD変換器であって、
    前記変換ステージは、
    前のステージから入力される差動アナログ入力信号を、設定された分解能のデジタル信号に変換するサブAD変換器と、
    前記サブAD変換器と並列に、前のステージから入力される差動アナログ入力信号をサンプリングし、サンプリングした差動アナログ入力信号から、前記サブAD変換器により変換されたデジタル信号に相当するアナログ信号を減算した差動残差アナログ信号を、前記分解能に応じた増幅率で増幅し、後のステージに出力するスイッチトキャパシタ回路と、を備え、
    前記複数の変換ステージの少なくも一つのスイッチトキャパシタ回路は、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第1グループの複数の入力スイッチ回路と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第1グループの複数の入力容量と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第2グループの複数の入力スイッチ回路と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第2グループの複数の入力容量と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第3グループの複数の入力スイッチ回路と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第3グループの複数の入力容量と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第4グループの複数の入力スイッチ回路と、
    並列に設けられる前記分解能に対応した、第4グループの複数の入力容量と、
    演算期間中に、前記第1〜4グループの入力容量にサンプリングされた差動入力信号が入力される差動増幅回路と、
    前記第3グループの入力スイッチ回路に、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替え、前記第4グループの入力スイッチ回路に、正相入力信号を供給するか逆相入力信号を供給するか切り替える第1クロススイッチ部と、
    前記第3グループの入力容量の出力経路を前記差動増幅回路の第1入力端子と第2入力端子の間で切り替え、前記第4グループの入力容量の出力経路を前記差動増幅回路の第2入力端子と第1入力端子の間で切り替える第2クロススイッチ部と、を有し、
    前記第1グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、
    前記第1グループの複数の入力容量は、前記第1グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号をサンプリングし、
    前記第2グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、
    前記第2グループの複数の入力容量は、前記第2グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の逆相入力信号をサンプリングし、
    前記第3グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、
    前記第3グループの複数の入力容量は、前記第3グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号をサンプリングし、
    前記第4グループの複数の入力スイッチ回路の各スイッチ回路は、前のステージから入力される差動アナログ入力信号の正相入力信号、逆相入力信号、ハイサイドリファレンス信号およびローサイドリファレンス信号のいずれかを選択し、
    前記第4グループの複数の入力容量は、前記第4グループの複数の入力スイッチ回路をそれぞれ介して、差動アナログ入力信号の正相入力信号または逆相入力信号をサンプリングし、
    前記第1〜第4グループの各入力容量は、前記分解能の最小単位に対応する容量値の半分の容量値に設定され、
    前記第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第1グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第2グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第3グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第4グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続される状態で差動アナログ入力信号をサンプリングする第1サンプリングフェーズと、
    前記第1グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第1グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第2グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、前記第3グループの入力容量に逆相入力信号が入力され、前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第4グループの入力容量に正相入力信号が入力され、前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続される状態で差動アナログ入力信号をサンプリングする第2サンプリングフェーズと、
    を有することを特徴とするAD変換器。
  3. 前記第1サンプリングフェーズの後の演算フェーズでは、前記第1グループの入力容量および前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量および前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、
    前記第2サンプリングフェーズの後の演算フェーズでは、前記第1グループの入力容量および前記第4グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第1入力端子に接続され、前記第2グループの入力容量および前記第3グループの入力容量の出力経路が前記差動増幅回路の第2入力端子に接続され、
    前のステージから変換対象の差動アナログ入力信号が入力される度に、前記第1サンプリングフェーズと前記第2サンプリングフェーズが切り替えられることを特徴とする請求項2に記載のAD変換器。
  4. 前記差動増幅回路は、
    演算期間中に、前記第1グループの入力容量と、前記第3または第4グループの入力容量にサンプリングされた信号が入力される正相側アンプと、
    演算期間中に、前記第2グループの入力容量と、前記第4または第3グループの入力容量にサンプリングされた信号が入力される逆相側アンプと、を有し、
    前記スイッチトキャパシタ回路は、
    前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される正相側帰還容量と、
    前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に前記正相側帰還容量と並列に接続される正相側短絡スイッチ回路と、
    前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される逆相側帰還容量と、
    前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に前記逆相側帰還容量と並列に接続される逆相側短絡スイッチ回路と、をさらに有し、
    前記第1サンプリングフェーズでは、前記正相側短絡スイッチ回路及び前記逆相側短絡スイッチ回路はオンし、前記第1及び第3グループの入力スイッチ回路は正相入力信号を選択し、前記第2及び第4グループの入力スイッチ回路は逆相入力信号を選択し、
    前記第2サンプリングフェーズでは、前記正相側短絡スイッチ回路及び前記逆相側短絡スイッチ回路はオンし、前記第1及び第4グループの入力スイッチ回路は正相入力信号を選択し、前記第2及び第3グループの入力スイッチ回路は逆相入力信号を選択し、
    前記第1及び第2サンプリングフェーズの後の演算フェーズでは、前記正相側短絡スイッチ回路及び前記逆相側短絡スイッチ回路はオフし、前記第1〜第4グループの入力スイッチ回路のそれぞれは、前記サブAD変換器により変換されたデジタル信号に応じて、ハイサイドリファレンス信号またはローサイドリファレンス信号を選択することを特徴とする請求項2または3に記載のAD変換器。
  5. 差動入力信号の正相入力信号をサンプリングするための正相側入力容量部と、
    前記正相側入力容量部にサンプリングされた信号が入力される正相側アンプと、
    前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される正相側帰還容量と、
    前記正相側アンプの入力端子と出力端子間に前記正相側帰還容量と並列に接続される正相側短絡スイッチと、
    差動入力信号の逆相入力信号をサンプリングするための逆相側入力容量部と、
    前記逆相側入力容量部にサンプリングされた信号が入力される逆相側アンプと、
    前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に接続される逆相側帰還容量と、
    前記逆相側アンプの入力端子と出力端子間に前記逆相側帰還容量と並列に接続される逆相側短絡スイッチと、
    前記正相側アンプの出力端子と前記逆相側アンプの入力端子間に接続される第1クロス容量と、
    前記逆相側アンプの出力端子と前記正相側アンプの入力端子間に接続される第2クロス容量と、
    を備えることを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
  6. 前記正相側アンプ及び前記逆相側アンプは、それぞれインバータアンプで構成されることを特徴とする請求項5に記載のスイッチトキャパシタ回路。
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