JP2015159401A - エレクトレット材の製造方法およびエレクトレットコンデンサマイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】高い表面電位を有するエレクトレット層を得ることができるエレクトレット材の製造方法およびエレクトレットコンデンサマイクロホンを提供すること。【解決手段】基材11面に対してエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程12aおよびエレクトレット誘電膜を部分的に成膜する部分成膜工程12bを実行することで、エレクトレット誘電膜12に部分的に厚みの異なる成膜パターンが形成される。続いてエレクトレット誘電膜12に対して、電荷を注入することで、部分的に表面電位の異なる帯電パターンを有するエレクトレット層を得ることができる。特定な帯電パターンを有するエレクトレット層をコンデンサマイクロホンに利用することで、マイクロホンの周波数応答特性を制御することが可能となる。【選択図】図1

Description

この発明は、所望の表面電位分布を得ることができるエレクトレット材の製造方法およびこの製造方法によって得られるエレクトレット材を用いたエレクトレットコンデンサマイクロホンに関する。
コンデンサマイクロホンには、振動板と固定電極とをスペーサリングを介して対向させた構成の振動板組立体が具備されており、このうち固定電極側にエレクトレット材を備えたものがバックエレクトレット方式と呼ばれ、振動板側にエレクトレット材を備えたものが膜エレクトレット方式と呼ばれている。
前記したようにエレクトレット材を備えたエレクトレットコンデンサマイクロホンによると、エレクトレット材により成極電圧を得ることができるので、例えばDC−DCコンバータなどを含む成極電源装置が不要であり、コンデンサマイクロホンに付帯させる電子回路の簡素化を図ることができる。
また、エレクトレット材を構成する素材が電気絶縁性であるため、成極電圧の漏洩を防止することができ、成極電圧の漏洩に起因する雑音の発生を抑制することができるという特質も備えている。
ところで、前記したエレクトレットコンデンサマイクロホンにおいては、その高域の周波数応答は、エレクトレット材の表面電位分布に依存することが報告されている(非特許文献1参照)。
すなわち前記非特許文献1には、帯電領域の異なるエレクトレット層を備えたエレクトレットコンデンサマイクロホンを複数作成し、前記エレクトレット層の帯電パターンに応じて、例えば5kHz以上の高域の感度特性にどのような影響が生ずるかについて検証した結果が開示されている。
その検証結果によると、エレクトレット層の帯電領域の違いによって、高域の感度特性が上昇または低下したり、もしくは山谷が発生することが明らかにされている。
換言すればエレクトレット層に特定の帯電パターンを持たせることで、エレクトレットコンデンサマイクロホンの高域の感度特性(周波数応答)を制御することが可能であると言うことができる。
日本音響学会講演論文集 昭和57年3月 249〜250頁 田中正則ら
エレクトレット層に特定の帯電パターンを持たせる手段としては、前記非特許文献1に開示されているように、FEP(Fluorinated Ethylene Propylene)テフロンフィルムを加工する手段と、エレクトレット誘電膜に荷電する際に、エレクトレット誘電膜に対向するコロナ帯電器との間に、金属マスクを介在させる手段が知られている。
非特許文献1に開示された前者のFEPテフロンフィルムを加工する手段によると、多数の通気孔を穿設したFEPテフロンフィルムを、固定電極となる金属素材に接着するなどの複雑な工程が必要があり、これによるとエレクトレット材の生産性が悪く、コスト高になる。
一方、後者のエレクトレット誘電膜とコロナ帯電器との間に、金属マスクを介在させる手段においては、前者に比較して生産性の悪い問題を克服することができるものの、後述するように表面電位の高いエレクトレット層を安定的に作ることが困難であるという課題を抱えている。
図7は、コロナ帯電器に金属マスクを併用した後者のエレクトレット材の製造方法を模式図で示したものである。なお図7は固定電極にエレクトレット層を形成したバックエレクトレット方式のマイクロホンに用いられるエレクトレット誘電膜への荷電手段を示している。
図7に示す符号11はエレクトレットコンデンサマイクロホンに用いられる金属素材により形成された固定電極を示しており、この固定電極11の一方の平坦な面にはエレクトレット誘電膜12が成膜されている。
前記エレクトレット誘電膜12を成膜する素材としては、フッ素系材料の一例として旭硝子社より提供されているCYTOPを好適に利用することができ、このCYTOPは前記固定電極11に対して、例えば塗布法により一定の厚さに成膜することができる。
そして図7に示す構成においては、固定電極11に成膜されたエレクトレット誘電膜12の上部を覆うようにして、金属マスク21が配置され、金属マスク21を間にしてコロナ帯電器22がさらに上部に配置されている。
電荷注入工程において用いられるコロナ帯電器22の代表例として、スコロトロンと呼ばれるものが存在し、このスコロトロンはケーシング22aの中央部にワイヤー電極2222bが配置され、ケーシング22aの開口部には網目状のグリッド電極22cが備えられている。
前記ワイヤー電極22bには定電流源Icを介して高圧電源Vhからの電位が印加され、またグリッド電極22cにはグリッドバイアスVgが印加されて、前記エレクトレット誘電膜12に対する帯電電位(荷電量)が制御できるように構成されている。
なお、前記した固定電極11および金属マスク21は、基準電位点に接続されている(接地されている)。
図7に示したコロナ帯電器22は、前記固定電極11および金属マスク21に沿って水平方向に移動しつつ、固定電極11上に成膜されたエレクトレット誘電膜12に対して電荷を注入(荷電)する動作が実行される。
この時、金属マスク21の開口部に位置するエレクトレット誘電膜12に対しては、帯電量が高く設定され、金属マスク21で遮蔽されるエレクトレット誘電膜12に対しては、帯電量は低くもしくは設定されない状態になされる。
すなわち、図7に示すエレクトレット材の製造方法によると、金属マスク21のマスクパターンに応じて、エレクトレット誘電膜12に対して特定の帯電パターン(電位分布)を付与することができる(異なる電位分布の帯電パターンを選択的に付与することができる)。
このようにして荷電されるエレクトレット層に特定の電位分布を設定することで、マイクロホンの感度特性(周波数応答)を制御することが可能となる。
ところで、図7に示したエレクトレット材の製造方法によると、コロナ帯電器22とエレクトレット誘電膜12との間に介在される接地された金属マスク21に対して、コロナ帯電器22から火花放電が発生する場合がある。
この火花放電の発生は、前記した高圧電源Vhの電位に依存し、エレクトレット誘電膜12に対して高い表面電位を与えるために電源Vhの電位を高める程、その発生度合いが上昇する。
前記したように火花放電が生じた場合には、火花放電により両極性(正および負)のイオンが発生し、その近傍におけるエレクトレット誘電膜12が中和されて電荷が消失する。したがって、前記したように金属マスク21を用いて、エレクトレット誘電膜12に特定の帯電パターンを付与する手法によると、高い表面電位を有するエレクトレット層を得ることに限界が生ずる。
この発明は、前記した技術的な観点に基づいてなされたものであり、所望の電位分布を設定することができると共に、高い表面電位を有するエレクトレット層を安定して得ることができるエレクトレット材の製造方法、およびこの製造方法により得られるエレクトレット材を用いたエレクトレットコンデンサマイクロホンを提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明に係るエレクトレット材の製造方法によると、基材面に対してエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程およびエレクトレット誘電膜を部分的に成膜する部分成膜工程とを実行することで、エレクトレット誘電膜に部分的に厚みの異なる成膜パターンを形成する成膜パターン形成工程と、前記成膜パターン形成工程により基材面に対して成膜されたエレクトレット誘電膜に対して電荷を注入してエレクトレット層とする電荷注入工程とを備えることで、表面電位の異なる帯電パターンを有するエレクトレット層を得ることを特徴とする。
この場合、前記した成膜パターン形成工程の一つの好ましい態様は、基材面にエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程と、一様に成膜された前記エレクトレット誘電膜上に、エレクトレット誘電膜をさらに部分的に成膜する部分成膜工程とを備える。
また、前記した成膜パターン形成工程の他の一つの好ましい態様は、基材面にエレクトレット誘電膜を部分的に成膜する部分成膜工程と、部分的に成膜された前記エレクトレット誘電膜上およびエレクトレット誘電膜が成膜されない前記基材面に対して、エレクトレット誘電膜をさらに一様に成膜する全面成膜工程とを備える。
加えて、前記したエレクトレット誘電膜が成膜される前記基材面は、平坦面状に形成されていることが望ましい。
そして、前記した製造方法によって得られたエレクトレット層を備えた基材は、固定電極として用いられ、前記エレクトレット層に対向して振動板を配置することで、エレクトレットコンデンサマイクロホンを構成することができる。
この発明に係るエレクトレット材の製造方法によると、前記した成膜パターン形成工程によって、基材面に形成されるエレクトレット誘電膜に部分的に厚みの異なる成膜パターンを形成することができる。
そして、成膜されたエレクトレット誘電膜に対して電荷を注入してエレクトレット層とする電荷注入工程を実行することで、Q=CV(Qは電荷量、Cは静電容量、Vは電位)にしたがった表面電位の異なる帯電パターンを有するエレクトレット層を得ることができる。
この場合、前記した電荷注入工程においては、部分的に厚みの異なるエレクトレット誘電膜に対して一様に電荷を注入することで部分的に表面電位の異なるエレクトレット層を得ることができる。
このために、この明細書の冒頭で従来例として説明したように電荷注入工程において金属マスクを用いる必要はなく、したがって全体的に表面電位を高めたエレクトレット層を安定して得ることができる。
また、前記した製造方法によって得られたエレクトレット層を備えた基材は、固定電極として用いられ、前記エレクトレット層に対向して振動板を配置することで、エレクトレットコンデンサマイクロホンを構成することができる。
そして、特定の帯電パターンを有するエレクトレット層を利用して、マイクロホンの周波数応答を制御することができると共に、全体的に高い表面電位のエレクトレットを利用した感度の高いコンデンサマイクロホンを実現することができる。
この発明に係るエレクトレット材の製造方法の一例について各部を断面図で示した工程図である。 この発明に係る製造方法によって得られるエレクトレット材の第2の例を示した断面図である。 同じく第3の例を示した断面図である。 同じく第4の例を示した断面図である。 同じく第5の例を示した断面図である。 この発明に係る製造方法によって得られたエレクトレット材を用いたコンデンサマイクロホンの一例を示した分解図である。 従来のエレクトレット材の製造方法の一例を示した模式図である。
以下、この発明に係るエレクトレット材の製造方法について、図1に示す工程図に基づいて説明する。
図1に示す工程図は、金属素材による基材の一方の面に、エレクトレット層を形成するエレクトレット材の製造方法の一例を示すものである。そして、一方の面にエレクトレット層が形成される前記基材は、後述するようにエレクトレットコンデンサマイクロホンの固定電極として利用するものとなる。
このために前記基材11は、例えば円板状に形成され、エレクトレット層が形成される基材面は、平坦面状に形成されていることが望ましい。
図1(A)は、平坦面になされた基材11上にエレクトレット誘電膜12aを成膜した状態を示しており、(A)に示す例は、エレクトレット誘電膜12aを、基材面に対して一様に成膜する全面成膜工程を示している。
このエレクトレット誘電膜12aには、すでに説明したとおり、旭硝子社より提供されるCYTOPを好適に利用することができ、このCYTOPは前記基材11に対して例えばスプレー法などを利用して塗布され、固化することで一様の厚さに成膜される。
図1(B)は、前記した全面成膜工程により一様の厚さに成膜されたエレクトレット誘電膜12a上に、エレクトレット誘電膜12bを部分的に(選択的に)成膜する部分成膜工程の様子を示している。この図1(B)に示す例においては、エレクトレット誘電膜12a上に、さらにエレクトレット誘電膜12bを部分成膜するために、マスク23が利用され、前記したCYTOPが再びスプレー塗布される。
マスク23を利用して部分成膜されたエレクトレット誘電膜12bは、固化することで、エレクトレット誘電膜に部分的に厚みの異なる成膜パターンが形成される。
すなわち、前記マスク23の開口部分に位置する誘電膜は、部分成膜工程により厚さが大きく成膜される。
以上のとおり、図1(A),(B)は、全面成膜工程および部分成膜工程を含む成膜パターン形成工程を示している。
図1(C)は、基材面に対して成膜されたエレクトレット誘電膜(誘電膜12a,12bを含めて単に符号12で示している。)に対して電荷を注入してエレクトレット層とする電荷注入工程を示している。
この電荷注入工程においては、図7に基づいてすでに説明したスコロトロンと呼ばれるコロナ帯電器22が用いられる。
なお、図1(C)においては、コロナ帯電器22に加えられる高圧電源Vh、グリッドバイアスVg、定電流源Icの図示は省略しているが、これらは図7に示した例と同様に配置される。
前記コロナ帯電器22は、基材面に成膜されたエレクトレット誘電膜12に沿って、図1(C)の白抜きの矢印で示すように水平方向に移動しつつ、エレクトレット誘電膜12に対して一様に電荷を注入(荷電)するように動作する。
図1(C)に示すエレクトレット誘電膜12は、すでに説明したとおり、部分的に厚みの異なるように成膜されており、このエレクトレット誘電膜に対してコロナ帯電器22により一様に電荷の注入(荷電)がなされる。
これにより、Q=CV(Qは電荷量、Cは静電容量、Vは電位)にしたがった表面電位の異なるエレクトレット層(エレクトレット誘電膜と同一の符号12で示す。)が形成される。
ここで、エレクトレット層12の表面電位Vは、V=Q/Cで表すことができ、前記C(静電容量)は、エレクトレット層12の厚さに反比例する。このために、全面成膜された誘電膜12aと部分成膜された誘電膜12bを含めた層の厚い部分は、誘電膜12aのみの部分に比較して、表面電位は低く設定される。
例えば、全面成膜された誘電膜12aと、部分成膜された誘電膜12bによる層の厚さが同一である場合には、誘電膜12a,12bによる厚さの大きな領域の表面電位は、誘電膜12aのみによる厚さの小さな領域に比較して、約半分の表面電位に設定される。
図1(D)は、以上説明した工程にしたがって製造された表面電位の異なるエレクトレット層12について示してものである。すなわち、その表面電位の設定状態を折れ線矢印の長さで模式的に示している。
図2は、この発明に係る製造方法によって得られるエレクトレット材の第2の例を示した断面図である。
この図2に示す成膜パターン形成工程は、基材11の上面にエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程が2回繰り返され、エレクトレット誘電膜12a1,12a2が二層に形成される。そして、一様に成膜された二層からなるエレクトレット誘電膜12a1,12a2の上に、図1に示したマスク23を利用して部分成膜工程が実行され、エレクトレット誘電膜12bが部分的に成膜される。
この図2に示す例によると、図1に示す例に比較して、全面成膜工程によるエレクトレット誘電膜の厚さをより大きく設定することができ、したがって各層の厚さの比に応じたエレクトレット層12の表面電位を設定することが可能となる。
図3に示す成膜パターン形成工程は、図1に示した例に加えて、さらに全面成膜工程によりエレクトレット誘電膜12a2が成膜されている。すなわち、最初の全面成膜工程によるエレクトレット誘電膜12a1と、次の部分成膜工程によるエレクトレット誘電膜12bを共に覆うようにして、最後に全面成膜工程によりエレクトレット誘電膜12a2が成膜される。
この図3に示す例においても、図2に示した例に近い作用効果を得ることができる。
図4に示す成膜パターン形成工程は、基材11の上面に、図1に示したマスク23を利用して、エレクトレット誘電膜12bが部分的に成膜される(部分成膜工程)。この部分成膜工程によるエレクトレット誘電膜12bの固化後に、部分的に成膜された前記エレクトレット誘電膜12b上、およびエレクトレット誘電膜が成膜されない前記基材11の上面に対して、エレクトレット誘電膜12aを一様に成膜する全面成膜工程が実行される。
図4に示す成膜パターン形成工程によると、図1に示した例に近い作用効果を得ることができる。
図5に示す成膜パターン形成工程は、図4に示す成膜パターン形成工程の実行後に、さらに全面成膜工程によりエレクトレット誘電膜12a2が成膜される。すなわち、エレクトレット誘電膜12bを部分的に成膜する部分成膜工程の実行後に、エレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程が2回繰り返され、エレクトレット誘電膜12a1,12a2が二層に形成される。
図5に示す成膜パターン形成工程においても、図2および図3に示した例に近い作用効果を得ることができる。
以上説明した表面電位の異なる帯電パターンを有するエレクトレット層12を備えた基材11は、エレクトレットコンデンサマイクロホンの固定電極(前記基材と同一の符号11で示す。)として利用することができる。
図6は、バックエレクトレット方式のコンデンサマイクロホンユニットの例を示すものであり、図6はマイクロホンユニットを主要部に別けて分解した状態を断面図で示している。
このコンデンサマイクロホンユニットは、音波を受けて振動する振動板と固定電極(背面電極)とを所定間隔の空気層を介して対向させたコンデンサ要素を有し、このコンデンサ要素はユニットケース1内において組み立てられている。
すなわち、前記ユニットケース1は、前面側に多数の音導入孔2を有し、後面側が開放された円筒形状になされており、このユニットケース1は、例えば真鍮などの金属素材により成形されている。このユニットケース1内には、その後面側からフロントメッシュ3、リング状の振動板ホルダ4に取り付けられた振動板5、リング状のスペーサ6、金属素材による固定電極11および合成樹脂等により成形された絶縁座7が挿入されている。
なお、前記固定電極11の振動板5に対向する面には、エレクトレット層12が配置されている。
前記固定電極11は、ユニットケース1および振動板5に対して電気的に絶縁されるように絶縁座7によって支持されている。また、絶縁座7の中央部には前記固定電極11から信号を取り出すための引出電極ロッド8が取り付けられている。
なお、前記絶縁座7の後面には蓋体9が取り付けられており、前記絶縁座7の適宜の位置に穿設された連通孔7aを介して、絶縁座7と固定電極11との間、および絶縁座7と蓋体9との間に、空気室が形成されている。
前記ユニットケース1の後部の内周面には、図示せぬロックリングが取り付けられ、絶縁座7を介して固定電極11には振動板ホルダ4側に所定の押圧力が付与され、振動板ホルダ4や固定電極11を含むユニット部品の全体が、ユニットケース1内に固定されている。そして、前記ユニットケース1の後部には、図示せぬ円筒状の本体ケース(マイクロホンケース)が取り付けられ、この本体ケース内に、FET等のインピーダンス変換器を搭載した回路基板等が収容されて、エレクトレットコンデンサマイクロホンが構成される。
以上説明したこの発明に係るエレクトレット材の製造方法によると、部分的に厚みの異なるエレクトレット誘電膜を作成して、電荷注入を実行することで、部分的に表面電位の異なるエレクトレット層を得ることができる。
したがって、電荷注入に際して金属マスクを用いる従来の製造方法に比較すると、火花放電の発生を抑制することができる。これにより全体的に表面電位を高めたエレクトレット層を安定して得ることができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
また、前記した製造方法によって得られたエレクトレット層を備えた基材をコンデンサマイクロホンの固定電極として用いることにより、所望の周波数応答特性を備えたマイクロホンを得ることができる。しかも、全体的に高い表面電位のエレクトレットを利用した感度の高いコンデンサマイクロホンを実現できるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
1 ユニットケース
2 音導入孔
3 フロントメッシュ
4 振動板ホルダ
5 振動板
6 スペーサ
7 絶縁座
8 引出電極ロッド
9 蓋体
11 固定電極(基材)
12 エレクトレット層(エレクトレット誘電膜)
12a エレクトレット誘電膜(全面成膜層)
12b エレクトレット誘電膜(部分成膜層)
21 金属マスク
22 コロナ帯電器
23 塗布用マスク

Claims (5)

  1. 基材面に対してエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程およびエレクトレット誘電膜を部分的に成膜する部分成膜工程とを実行することで、エレクトレット誘電膜に部分的に厚みの異なる成膜パターンを形成する成膜パターン形成工程と、
    前記成膜パターン形成工程により基材面に対して成膜されたエレクトレット誘電膜に対して電荷を注入してエレクトレット層とする電荷注入工程と、
    を備えることで、表面電位の異なる帯電パターンを有するエレクトレット層を得ることを特徴とするエレクトレット材の製造方法。
  2. 前記成膜パターン形成工程は、基材面にエレクトレット誘電膜を一様に成膜する全面成膜工程と、一様に成膜された前記エレクトレット誘電膜上に、エレクトレット誘電膜をさらに部分的に成膜する部分成膜工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載されたエレクトレット材の製造方法。
  3. 前記成膜パターン形成工程は、基材面にエレクトレット誘電膜を部分的に成膜する部分成膜工程と、部分的に成膜された前記エレクトレット誘電膜上およびエレクトレット誘電膜が成膜されない前記基材面に対して、エレクトレット誘電膜をさらに一様に成膜する全面成膜工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載されたエレクトレット材の製造方法。
  4. 前記エレクトレット誘電膜が成膜される前記基材面が、平坦面状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたエレクトレット材の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載された製造方法によって得られるエレクトレット層を備えた基材を固定電極として用い、前記エレクトレット層に対向して振動板を配置したことを特徴とするエレクトレットコンデンサマイクロホン。
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