JP2015158781A - タッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチタッチ及びそのタッチ位置を検出する。
【解決手段】駆動部10により複数のY電極パターン3Yのそれぞれの両端に駆動信号が入力され、検出部20によりその駆動されたY電極パターン3Yの両端から出力信号VS1,VS2が検出され、それらの少なくとも一方を用いて複数のY電極パターン3Yの中から操作体が近接した電極パターンを特定するとともに、その特定されたY電極パターン3Yから検出された出力信号VS1,VS2の差(電位差)を用いてそのY電極パターン3Y上での操作体の近接位置を検出する。これらの結果から、すなわち特定されたY電極パターン3Yの配設位置(Y位置)とそれぞれの電極パターン上での操作体の近接位置の検出結果(X位置)とから、操作面4a上での操作体の近接位置(XY位置)を特定する。それにより、マルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能となる。
【選択図】図1

Description

操作面上への操作体の近接を検出するタッチパネルに関する。
近年、液晶パネルのような表示装置と組み合わせて用いられるポインティングデバイスの一種であり、表示装置の画面に指などでタッチすることによる入力操作を検出するタッチパネルが広く利用されるようになった。特に、2点以上のタッチ(マルチタッチ)、フリックやピンチといったジェスチャー操作等ができることから、画面上に2次元配設された複数の電極を用いて指などが近接することにより生じる静電容量の変化を積算検出する静電容量式タッチパネルが注目されている。
静電容量式タッチパネルは、一般的に、絶縁パネルの一面側にY軸方向を長手とするX電極パターンをX軸方向に複数配列し、絶縁パネルの他面側にX軸方向を長手とするY電極パターンをY軸方向に複数配列して、複数のX電極パターンと複数のY電極パターンとを絶縁パネルを介して互いに交差し格子状に積層することで構成される。係る構成のタッチパネルに指などの操作体が近接(接触を含む)すると、近接点の近傍で互いに交差する一組のX及びY電極パターンとの間で形成される浮遊容量(相互容量)、或いは近接点の近傍に配設されたX及びY電極パターンのそれぞれに形成される浮遊容量(自己容量)が変化する。この浮遊容量の変化を検出することにより、操作体の近接、すなわち入力操作及びそのパネル上の位置(タッチ位置)が検出される。
上述の構成の静電容量式タッチパネルにおいて、相互容量(の変化)は、X及びY電極パターンのすべての組み合わせについて順次、走査する、すなわち充放電し、蓄積された電荷の量を測定することで検出される(例えば、特許文献1参照)。この相互容量方式の検出原理では、X及びY電極パターンのすべての組み合わせについて走査するため、マルチタッチを判別することができる。しかし、長い電極パターンに対して、その大きな抵抗により消費電力が増大し、充放電時間が長くなるため応答特性が低下する。また、X及びY電極パターンの大きな数(組み合わせの数)に対して走査回数が増えるため、応答特性が低下する。これらの理由より、静電容量式タッチパネルの大型化が困難となっている。
一方、自己容量(の変化)は、X及びY電極パターンについて順次、走査することで、検出される。この自己容量方式の検出原理では、上述の相互容量方式と比較して走査回数が少なく、高い応答特性を維持することができる。しかし、マルチタッチがあった場合に、所謂ゴーストと呼ばれる現象が発生する(例えば、特許文献2参照)。例えば、操作体がパネル上の2点(X1,Y1)及び(X2,Y2)に近接した場合、X電極パターンX1,X2及びY電極パターンY1,Y2のそれぞれの自己容量の変化が検出され、それら4つの電極パターンに操作体が近接したことのみ判別される。そのため、実際には操作体が近接していない2点(X1,Y2)及び(X2,Y1)に操作体が近接した可能性を排除することができない。
特開2002−342033号公報 特開2012−221220号公報
そこで、本発明は、自己容量方式の静電容量式タッチパネルにおいて、マルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能なタッチパネルを提供すること、応答特性を損なうことなく消費電力の低減が可能なタッチパネルを提供すること、を課題とする。
本発明の第1のタッチパネルは、操作面上への操作体の近接を検出するタッチパネルであって、操作面上に配設された複数の電極パターンの一端及び他端に駆動信号を入力して、前記複数の電極パターンを駆動する駆動部と、前記複数の電極パターンのうち前記駆動部により駆動された電極パターンの一端及び他端からそれぞれ第1及び第2信号を検出して、前記複数の電極パターンから出力信号を検出する検出部と、前記第1及び第2信号の少なくとも一方を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定するとともに、該特定された電極パターンから検出された前記第1及び第2信号の差を用いて前記特定された電極パターン上での前記操作体の近接位置を検出する解析部と、を備える。
これによれば、特定された電極パターンの配設位置とその電極パターン上での操作体の近接位置の検出結果とから操作面上での操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向を長手とし、該第1方向に交差する第2方向に配列された電極パターンを含むことを特徴とする。
これによれば、特定された電極パターンの配設位置と検出された近接位置とからそれぞれ操作面上での第2及び第1方向に関する操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、さらに、前記操作面上で前記第1方向に配列された複数の別の電極パターンに駆動信号を入力して、前記複数の別の電極パターンを駆動し、前記検出部は、さらに、前記複数の別の電極パターンから出力信号を検出し、前記解析部は、前記複数の別の電極パターンから検出される第3信号を用いて前記複数の別の電極パターンの中から前記操作体が近接した別の電極パターンを特定することを特徴とする。
これによれば、さらに、特定された別の電極パターンの配設位置から操作面上での第1方向に関する操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、前記複数の電極パターンを各2回駆動し、前記検出部は、前記複数の電極パターンのそれぞれについて、前記駆動部による1回目の駆動時に前記一端から前記第1信号を検出し、前記駆動部による2回目の駆動時に、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で前記第1信号の検出と同じタイミングで、前記他端から前記第2信号を検出することを特徴とする。
これによれば、駆動部による2回の駆動により、逐次、複数の電極パターンの一端及び他端から出力信号を検出するので、検出部を簡便に構成することができる。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、前記複数の電極パターンを各1回駆動し、前記検出部は、前記複数の電極パターンのそれぞれについて、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで、前記一端及び他端からそれぞれ前記第1及び第2信号を検出することを特徴とする。
これによれば、駆動部による1回の駆動により複数の電極パターンの両端から出力信号を検出するので、複数の電極パターンを少ない駆動回数で短時間で走査することができる。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記第1及び第2信号の差は、前記第1及び第2信号の和を用いて規格化されることを特徴とする。
これによれば、操作体の電極パターンへの近接距離に応じた出力信号のレベルの変化によらず、第1及び第2信号の差から電極パターン上での操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、前記複数の電極パターンのそれぞれを駆動するに際し、それぞれの電極パターンの一端及び他端に、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで、前記駆動信号を入力することを特徴とする。
これによれば、第1及び第2信号の差を用いて特定された電極パターン上での操作体の近接位置が十分に高い分解能で検出される。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、前記一端及び他端に同電位の駆動信号を入力することを特徴とする。
これによれば、操作体の非近接時には電極パターンを駆動しても流れる電流が少ないため、電力消費を抑えることができる。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記検出部は、前記駆動部による電極パターンの駆動から遅延時間の経過後のレベルを含む前記出力信号の時間応答特性を検出することを特徴とする。
これによれば、複数の電極パターンを高速で走査することができ高い応答特性が得られるとともに、高精度で操作体の近接位置を検出することができる。
また、本発明の第1のタッチパネルは、前記駆動部は、さらに、前記操作面の裏面側に前記複数の電極パターンと絶縁して形成されたシールド電極に前記駆動信号と共通の駆動信号を入力して、前記シールド電極を駆動することを特徴とする。
これによれば、シールド電極を設け、電極パターンとともに駆動することで、出力信号が操作体の近接により敏感に反応することとなり検出感度が向上する。
本発明の第2のタッチパネルは、操作面上への操作体の近接を検出するタッチパネルであって、操作面上に配設された複数の電極パターンのそれぞれの一端及び他端に駆動信号を入力して、前記複数の電極パターンを駆動する駆動部と、前記複数の電極パターンのうち前記駆動部により駆動された電極パターンから該電極パターンの駆動から遅延時間の経過後のレベルを含む出力信号の時間応答特性を検出して、前記複数の電極パターンから出力信号を検出する検出部と、前記出力信号を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定する解析部と、を備え、前記駆動部は前記複数の電極パターンのそれぞれの一端及び他端に前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで同電位の駆動信号を入力することを特徴とする。
これによれば、駆動部により駆動された電極パターンからその駆動から遅延時間の経過後のレベルを含む出力信号の時間応答特性を検出するため高い応答特性が得られるとともに、複数の電極パターンのそれぞれの一端及び他端に出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで同電位の駆動信号が入力されるため、操作体の非近接時には複数の電極パターンを駆動しても電流が流れず、電力消費を抑えることができる。
また、本発明の第2のタッチパネルは、前記検出部は、前記複数の電極パターンの一端及び他端からそれぞれ第1及び第2信号を検出し、前記解析部は、前記第1及び第2信号の少なくとも一方を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定するとともに、該特定された電極パターンから検出された前記第1及び第2信号の差を用いて前記特定された電極パターン上での前記操作体の近接位置を検出することを特徴とする。
これによれば、特定された電極パターンの配設位置と検出されたその電極パターン上での操作体の近接位置とから操作面上での操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第2のタッチパネルは、前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向を長手とし、該第1方向に交差する第2方向に配列された電極パターンを含むことを特徴とする。
これによれば、特定された電極パターンの配設位置と検出された近接位置とからそれぞれ操作面上での第2及び第1方向に関する操作体の近接位置が検出される。
また、本発明の第2のタッチパネルは、前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向に配列された第1電極パターンと、前記第1方向に交差する第2方向に配列された第2電極パターンと、を含むことを特徴とする。
これによれば、特定された第1及び第2電極パターンの配設位置から操作面上での操作体の近接位置が検出される。
本発明の第1のタッチパネルによれば、自己容量方式の静電容量式タッチパネルにおいて、マルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能となる。
本発明の第2のタッチパネルによれば、自己容量方式の静電容量式タッチパネルにおいて、高い応答特性が得られるとともに、電力消費を抑えることが可能となる。
図1は、第1の実施形態に係る静電容量式タッチパネル(パネル本体部)、駆動部、及び検出部の概略構成を示す図である。 図2(A)は図1の構成の静電容量式タッチパネルにおけるY電極パターン及び駆動部の等価回路を示す図、図2(B)はタッチパネル本体への操作体の近接がある場合の等価回路を示す図である。 図3(A)はパルス信号VCLK、図3(B)はホールド信号Vhold、図3(C)は出力信号V、図3(D)はサンプルアンドホールド回路の出力信号V、の時間変化を示す図である。 図4は、規格化された電位差〈ΔV〉と操作体の近接位置Xとの関係を示す図である。 図5は、第2の実施形態に係る静電容量式タッチパネル(パネル本体部)、駆動部、及び検出部の概略構成を示す図である。 図6は、図5の構成の静電容量式タッチパネルにおけるタッチパネル本体への操作体の近接がある場合のY電極パターン、シールド電極パターン、及び駆動部の等価回路を示す図である。 図7は、第3の実施形態に係る静電容量式タッチパネル(パネル本体部)、駆動部、及び検出部の概略構成を示す図である。 図8(A)は図7の構成の静電容量式タッチパネルにおけるX電極パターン及び駆動部の等価回路を示す図、図8(B)はタッチパネル本体への操作体の近接がある場合の等価回路を示す図である。 図9は、第3の実施形態に係る静電容量式タッチパネルの変形構成例を示す図である。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を、図1〜図4を用いて説明する。
図1に、第1の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1の概略構成を示す。静電容量式タッチパネル1は、パネル本体部1a、駆動部10、及び検出部20から構成される。
パネル本体部1aは、積層された絶縁パネル3とカバー4とを有する。ただし、図1では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。絶縁パネル3とカバー4は、例えば、12cm×9.5cmの矩形状を有し、PETフィルム等の絶縁フィルムを用いて形成されている。
絶縁パネル3の表面には、X軸方向を長手とする複数(例えば50)のY電極パターン3Yが、互いに平行に、Y軸方向に等間隔で配列されている。Y電極パターン3Yは、ITO等の導電材を用いて形成されている。Y電極パターン3Yの両端は駆動部10及び検出部20に接続されている。
絶縁パネル3の表面にカバー4の裏面が粘着剤等を用いて接着され、カバー4の表面が指などの操作体9により操作される操作面4aを形成する。
駆動部10は、パルス生成器(CLK)11と、遅延器(delay)17と、複数の駆動器(drive)13A,13Bとを有する。
パルス生成器(CLK)11は、例えば200μsecの一定周期でON信号とOFF信号を繰り返すパルス信号VCLKを生成する。図3(A)にパルス信号VCLKの一例を示す。ただし、パルス信号の生成周期は一定に限らず、電磁ノイズ、一定の周期に由来するノイズ等の影響の低減のために、例えばランダムでもよい。パルス信号VCLKは、遅延器17と複数の駆動器13A,13Bとのそれぞれに入力される。
遅延器(delay)17は、パルス生成器11からのパルス信号VCLKを受け、この信号に対して一定の遅延時間(Tdelay)遅延するホールド信号Vholdを生成する。図3(B)にホールド信号Vholdの一例を示す。ホールド信号Vholdは、後述するサンプルアンドホールド回路22に入力される。
複数の駆動器(drive)13A,13Bは、それぞれ、複数のY電極パターン3Yの一端(+X端)及び他端(−X端)に接続されている。複数の駆動器13A,13Bは、図2(A)に示すように、それぞれ、定電圧源Vdd1,Vdd2とプルアップ抵抗(単に抵抗とも呼ぶ)Rd1,Rd2と電界効果型トランジスタ(FET)F,Fとを用いて構成される。FETF,Fとして、例えば金属酸化膜型FET(MOS−FET)が採用される。FETF(F)のゲートはパルス生成器11(図1参照)に接続され、パルス信号VCLKが入力される。FETF(F)のドレインはY電極パターン3Yの一端(他端)と抵抗Rd1(Rd2)とを介して定電圧源Vdd1(Vdd2)に、ソースはグランド(基準電位)にクランプされる。
複数の駆動器13A,13Bは、パルス生成器11からのパルス信号VCLKを受けると、そのOFF信号の入力と同時に、それぞれ、振幅Vdd1,Vdd2のステップ状の駆動信号を抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yに入力する。これにより、Y電極パターン3Yが駆動される。
検出部20は、マルチプレクサ(MUX)21と、サンプルアンドホールド回路(S&H)22と、AD変換器(A/D)23と、信号処理器(SP)24と、ホストコンピュータ(PC)25と、から構成される。ここで、マルチプレクサ21の出力端はサンプルアンドホールド回路22の入力端に、サンプルアンドホールド回路22の出力端はAD変換器23の入力端に、AD変換器23の出力端は信号処理器24の入力端に、信号処理器24の出力端はホストコンピュータ25の入力端に、それぞれ、接続されている。
マルチプレクサ(MUX)21には、複数のY電極パターン3Yの両端(+X端3Y及び−X端3Y(図2(A)参照))が接続されている。マルチプレクサ21は、複数のY電極パターン3Yのうち信号処理器24又はホストコンピュータ25により選択されたいずれかの一端を出力端に切換接続する多チャンネルスイッチである。これにより、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの一端の電位(+X端3Yの電位VS1及び−X端3Yの電位VS2(図2(A)参照))が、順次、切り換えて出力される。
なお、複数のY電極パターン3Yを2以上のグループに分け、そのグループ毎にマルチプレクサ21を設けることとしてもよい。また、複数のY電極パターン3Yの+X端と−X端とで2つの端子群に分け、+X端子群が接続される第1マルチプレクサと、−X端子群が接続される第2マルチプレクサと、端子群毎にマルチプレクサ21を設けることとしてもよい。これに併せて、サンプルアンドホールド回路22等、検出部20の構成各部もグループ毎或いは端子群毎に設けることとしてもよい。
サンプルアンドホールド回路(S&H)22は、任意の時刻における入力信号をサンプルし、その信号を保持(ホールド)して出力する回路である。図3(C)及び(D)にそれぞれサンプルアンドホールド回路22の入力信号Vと出力信号Vの一例を示す。サンプルアンドホールド回路22は、遅延器17から入力されるホールド信号Vhold(図3(B)参照)に従い、OFF信号が入力されている間(t<Tdelay)、入力信号V(t)を出力し(V(t)=V(t))、時刻TdelayにおけるON信号の入力(OFF信号からON信号への切り換わり)に併せて入力信号V(Tdelay)を保持し、以降、ON信号が入力されている間(t≧Tdelay)、その保持した入力信号を出力する(V(t)=V(Tdelay))。
AD変換器(A/D)23は、入力された信号(アナログ信号)Vをデジタル信号に変換する。これにより、サンプルアンドホールド回路22によりホールドされた複数のY電極パターン3Yのいずれかの一端からの出力信号V(Tdelay)がデジタル値に変換される。
信号処理器(SP)24(又はホストコンピュータ(PC)25)は、サンプルアンドホールド回路22の出力信号V=V(Tdelay)に由来するデジタル信号を解析処理して、操作体9の近接、すなわち入力操作及びその操作面4a上の位置を検出する。解析処理の詳細は後述する。
上述の構成の静電容量式タッチパネル1において、操作面4aに対する指などの操作体9の近接(接触を含む)を検出する原理を説明する。
まず、操作体9の近接がない場合において、駆動部10によるY電極パターン3Yの駆動とそれに対する検出部20の応答について説明する。
図2(A)に、操作体9の近接がない場合におけるY電極パターン3Yと駆動部10(駆動器13A,13B)と検出部20(マルチプレクサ21及びサンプルアンドホールド回路22)との等価回路を示す。ただし、マルチプレクサ21によりサンプルアンドホールド回路22の入力端に接続する1つのY電極パターン3Y(+X端3Y及び−X端3Y)を図示している。
Y電極パターン3Y、Y電極パターン3Yと駆動回路とに接続する配線、LSIの端子、駆動回路に並列に接続されるESD保護素子等がグランドとカップリングすることで浮遊容量(例えば〜10pF)が発生する。そこで、図2(A)の等価回路において、Y電極パターン3Yの+X端3Y側及び−X端3Y側に発生する容量をそれぞれまとめて浮遊容量Cp1,Cp2と表している。また、Y電極パターン3Yは抵抗Rを用いて表している。
駆動器13A,13Bにおいて、図3(A)に示すパルス信号VCLKがFETF,Fのゲートに入力される。パルス信号VCLKは、時刻T(=0)にてON信号からOFF信号に切り換わる。FETF,FにON信号が入力されている間、それらのドレインとソース間に電流(ドレイン電流)が流れる。なお、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yをグランドクランプすることと等価である。この時、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yの電位(操作体9の近接がない場合のそれらの電位をそれぞれVS10,VS20と表記する)はグランドレベルにある(VS10=VS20=0)。
FETF,FにOFF信号が入力されると、それらのドレイン電流はゼロになる。なお、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yのグランドクランプを切断することと等価である。これにより、振幅Vdd1,Vdd2のステップ状の駆動信号が抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yにそれぞれ入力され、Y電極パターン3Yが駆動される。それにより、定電圧源Vdd1,Vdd2からそれぞれ電流i10,i20が抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yに向けて供給され、浮遊容量Cp1,Cp2にそれぞれ電流iC1,iC2が流れて充電される。なお、このときにY電極パターン3Y(抵抗R)に流れる電流をi(=i10−iC1=−i20+iC2)と表記する。
ここで、抵抗Rd1,Rd2に流れる電流i10,i20、浮遊容量Cp1,Cp2に流れる電流iC1,iC2、Y電極パターン3Y(抵抗R)に流れる電流iは、連立方程式
に従う。
Y電極パターン3Yの駆動(浮遊容量Cp1,Cp2の充電)に伴い、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yの電位VS10(=Vdd1−Rd110),VS20(=Vdd2−Rd220)は、図3(C)に示すように、時間tに対して、
のように指数関数的に立ち上がる。ただし、τ,τは時定数である。
ここで、操作体9の非近接時にY電極パターン3Yを駆動しても電流iが流れないよう(i=0(iC1=i10,iC2=i20))、すなわちY電極パターン3Yの+X端及び−X端に同電位が印加されるよう(VS10=VS20(Vdd1−Rd110=Vdd2−Rd220))、駆動器13A,13Bが設計されているものとする。これらの条件の下で連立方程式(1)を解くことにより、条件Vdd1=Vdd2(=Vdd)及びτ=τ(=τ)が導かれる。ただし、τ=Cp1d1及びτ=Cp2d2である。また、定電圧源Vdd1,Vdd2からY電極パターン3Yに向けて供給される電流(抵抗Rd1,Rd2に流れる電流)i10,i20は、
と求められる。
一方、遅延器17は、図3(B)に示すように、パルス信号VCLKに対して一定の遅延時間(Tdelay)遅延するホールド信号Vholdをサンプルアンドホールド回路22に出力する。
サンプルアンドホールド回路22は、図3(D)に示すように、ホールド信号Vhold(OFF信号)が入力されている間、マルチプレクサ21により切換接続されたY電極パターン3Yの+X端3Y又は−X端3Yからの入力信号VS10(t),VS20(t)を出力し、時刻TdelayにおけるON信号の入力(OFF信号からON信号への切り換わり)に併せて入力信号VS10(Tdelay),VS20(Tdelay)を保持し、ON信号が入力されている間、その保持した入力信号を出力する。これにより、サンプルアンドホールド回路22の出力V(t)は、
と振舞う。
次に、操作体9の近接がある場合における検出部20の応答について説明する。
図2(B)は、操作体9の近接がある場合におけるY電極パターン3Yと駆動部10(駆動器13A,13B)と検出部20(マルチプレクサ21及びサンプルアンドホールド回路22)との等価回路を示す。図2(A)と同様に、マルチプレクサ21によりサンプルアンドホールド回路22の入力端に接続する1つのY電極パターン3Yのみを図示している。
Y電極パターン3Yには、グランドレベルとの間に形成される浮遊容量Cp1,Cp2の他に、操作体9の近接によりY電極パターン3Y上の近接点とグランドレベルとの間に浮遊容量ΔC(例えば〜1pF)が形成される。なお、抵抗Rp1は浮遊容量Cp1と近接点までのY電極パターン3Yの抵抗であり、抵抗Rp2は近接点から浮遊容量Cp2までのY電極パターン3Yの抵抗であり、Rp1+Rp2=Rである。
駆動器13A,13Bにおいて、図3(A)に示すパルス信号VCLKがFETF,Fのゲートに入力される。パルス信号VCLKが時刻T(=0)にてON信号からOFF信号に切り換わると、FETF,Fのドレイン電流がゼロになる。これにより、振幅Vdd1,Vdd2のステップ状の駆動信号が抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yにそれぞれ入力され、Y電極パターン3Yが駆動される。それにより、定電圧源Vdd1,Vdd2からそれぞれ電流i,iが抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yに向けて供給され、浮遊容量Cp1,Cp2にそれぞれ電流iC1,iC2が流れて充電されるとともに、Y電極パターン3Y(抵抗Rp1,Rp2)を介して浮遊容量ΔCに電流が流れて充電される。なお、このときにY電極パターン3Yを構成する抵抗Rp1,Rp2にそれぞれ流れる電流をiR1,iR2と表記する。ただし、iR1=i−iC1,iR2=i−iC2である。また、浮遊容量ΔCに流れる電流はiR1+iR2と与えられる。
ここで、抵抗Rd1,Rd2に流れる電流i,i、浮遊容量Cp1,Cp2に流れる電流iC1,iC2、Y電極パターン3Y(抵抗Rp1,Rp2)に流れる電流iR1,iR2は、連立方程式
に従う。
Y電極パターン3Yの駆動(浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCの充電)に伴い、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yの電位VS1(=Vdd1−Rd1),VS2(=Vdd2−Rd2)は、図3(C)に示すように、時間tに対して指数関数的に立ち上がる。先述の操作体9の近接がない場合の電位VS10,VS20と比較して、浮遊容量ΔC及びY電極パターン3Yの抵抗Rp1,Rp2により時定数が大きくなるため、電位VS1,VS2はゆっくり立ち上がることとなる。また、操作体9が操作面4aに近づくにつれて(操作体9とY電極パターン3Yとの離間距離が小さくなるにつれて)、浮遊容量ΔCが大きくなるため、すなわち時定数がより大きくなるため、電位VS1,VS2はよりゆっくり立ち上がることとなる。
サンプルアンドホールド回路22は、遅延時間Tdelay後の入力信号VS1(Tdelay),VS2(Tdelay)を保持して出力するため、その出力V=VS1(Tdelay),VS2(Tdelay)は、操作体9の操作面4a(Y電極パターン3Y)への近接により、先述の近接がない場合と比較して、小さくなる。また、出力Vは、近接距離が近くなる(浮遊容量ΔCが大きくなる)につれてより小さくなる。
ホストコンピュータ25は、全てのY電極パターン3Yを順次走査する。すなわち、駆動部10(駆動器13A,13B)を用いて、全てのY電極パターン3Yを各2回駆動する。ここで、マルチプレクサ21を制御して、複数のY電極パターン3Yのそれぞれについて、例えば、1回目の駆動時に+X端3Yを、2回目の駆動時に−X端3Yを、サンプルアンドホールド回路22の入力端に接続する。それにより、1回目の駆動時に+X端3Yから出力信号V=VS1(Tdelay)を検出し、その検出と同じタイミングで、2回目の駆動時に−X端3YからV=VS2(Tdelay)を検出することで、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの両端から出力信号V=VS1(Tdelay),VS2(Tdelay)を検出する。その検出された出力信号V(に由来するデジタル信号)は、例えば、Y電極パターン3Y及びその+X端3Y又は−X端3Yに対応付けてメモリ(不図示)に記憶される。
なお、上述のY電極パターン3Yの走査において、1つのY電極パターン3Yを連続して2回駆動し、1回目の駆動時にその+X端3Y及び−X端3Yの一方からの出力信号を検出し、2回目の駆動時に他方からの出力信号を検出することを全てのY電極パターン3Yについて繰り返すとよい。それにより、1つのY電極パターン3Yからの検出結果の解析を次のY電極パターン3Yの走査と並行して進めることができる。また、検出結果の解析とY電極パターン3Yの走査とを並行する必要がない場合等には、全てのY電極パターン3Yの駆動を2回繰り返し、1回目の駆動時にその+X端3Y及び−X端3Yの一方からの出力信号を順次検出し、2回目の駆動時に他方からの出力信号を順次検出することで、Y電極パターン3Yを走査してもよい。
1つの(或いは全ての)Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yからの出力信号V(=VS1(Tdelay),VS2(Tdelay))の検出が終了すると、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、その検出結果、すなわち出力信号Vに由来するデジタル信号を解析処理する。信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、そのデジタル信号が、操作体9の操作面4a(Y電極パターン3Y)への近接により、リファレンスと比較して有意に小さくなっている場合に、対応するY電極パターン3Yへの操作体9の近接(入力操作)を検出する。ここで、リファレンスとして、操作体9の近接が無い場合の出力V=VS10(Tdelay),VS20(Tdelay)のレベル、操作体9が近接し得ない又はほとんど近接しない位置に配置されたY電極パターン3Yからの出力信号のレベル、後述するシールド電極パターン5Sからの出力信号のレベル等が採用される。
なお、操作体9の近接(入力操作)を検出する上で、出力信号Vとして検出した+X端3Yの電位VS1(Tdelay)、−X端3Yの電位VS2(Tdelay)、又はこれらの和VS1(Tdelay)+VS2(Tdelay)等の演算量のいずれを用いてもよい。
上述の通りY電極パターン3Yへの操作体9の近接(入力操作)が検出されると、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)はさらにそのY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置を検出する。
ここで、Y電極パターン3Y上での近接位置の検出原理を説明するために、Y電極パターン3Yの駆動時におけるその+X端3Y及び−X端3Yの電位VS1,VS2を求める。ただし、簡単のため、Y電極パターン3Yの抵抗Rp1,Rp2は、例えば抵抗Rd1,Rd2に対して十分大きく、それらに流れる電流iR1,iR2は定電圧源Vdd1,Vdd2から供給される電流i,iより十分小さいと仮定する(iR1≪i,iR2≪i)。この仮定の下、定電圧源Vdd1,Vdd2から供給される電流i,iは、操作体9の近接がない場合におけるそれら(電流i10,i20)に良い近似で等しいとする(i≒i10,i≒i20)。ただし、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yの電位VS1=(1/Cp1)∫iC1dt,VS2=(1/Cp2)∫iC2dtと与えられるものとする。
上記の条件の下で連立方程式(5)を解くことにより、Y電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yの電位VS1,VS2の差(電位差)
が得られる。ただし、
である。ここで、Y電極パターン3Yの浮遊容量が均等に分布している、すなわちCp1=Cp2(=C)が成り立つとすると、式(6)は、
と書き換えられる。
式(8)において、電位差ΔV(=VS1−VS2)は、Y電極パターン3Yの抵抗Rp1,Rp2の差に比例する。抵抗Rp1,Rp2の大きさは、操作体9の近接点の位置より一意に定まる。Y電極パターン3Yの長さを2L,その中央を基準とする近接点の位置Xとすると、Rp1/R=(L−X)/2L,Rp2/R=(L+X)/2Lと与えられる。従って、式(8)より比例関係X/L∝−ΔVが導かれる。
また、式(8)において、電位差ΔV(=VS1−VS2)は操作体9の近接により発生する浮遊容量ΔCの大きさに比例する。そこで、両端の電位VS1,VS2の和を用いて電位差ΔVを規格化(正規化)する、すなわち(VS1−VS2)/(VS1+VS2)と規格化する。或いは、さらに操作体9の近接がない場合の両端の電位VS10,VS20を用いて、((VS1−VS10)−(VS2−VS20))/((VS1−VS10)+(VS2−VS20))=(VS1−VS2)/(VS1−VS10+VS2−VS20)と規格化してもよい。また、電位VS1,VS2を操作体9の近接がない場合の両端の電位VS10,VS20を用いて規格化し、その規格化された両端の電位から電位差を求めてもよい。規格化された電位差を〈ΔV〉と表記する。
上述の通り規格化(正規化)することで電位差ΔVに含まれる浮遊容量ΔCだけでなく浮遊容量C(Cp1,Cp2)、及び定電圧源の電位Vdd(Vdd1,Vdd2)等が相殺される。さらに、式(7a)より、時定数τ,Δτに対して十分長い時間tの経過(t≫τ,Δτ)に対して、F(t)=1が導かれる。それにより、電位差〈ΔV〉=(Rp1−Rp2)/Rが導かれ、電位差〈ΔV〉は図4に示すようにY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置Xに明確に比例することとなる。すなわち、関係X/L=−〈ΔV〉が成立する。
そこで、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、操作体9の近接(入力操作)が検出されたY電極パターン3Yの+X端3Y及び−X端3Yからの出力信号V=VS1(Tdelay),VS2(Tdelay)を用いて電位差〈ΔV〉を求め、その結果からそのY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置X(=−〈ΔV〉L)を求める。
信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、上述の検出結果から、すなわち操作体9の近接(入力操作)が検出されたY電極パターン3Yの配設位置(Y位置)とその電極パターン上での操作体9の近接位置の検出結果(X位置)とから、操作面4a上での操作体9の近接位置(XY位置)を特定する。
なお、2以上の異なるY電極パターン3Yからの出力信号Vがリファレンスと比較して有意に小さくなったと検出された場合、シングルタッチにより操作体9がそれらのY電極パターン3Yに同時に近接した場合と、マルチタッチにより操作体9がそれらのY電極パターン3Yに同時に近接した場合と、を判別しなければならない。そこで、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、有意に小さくなった出力信号Vが検出されたY電極パターン3Yに全てついて(或いは全てのY電極パターン3Yについて)、上述の通り、そのY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置(X位置)を検出する。信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、隣接する2以上のY電極パターン3Yについて互いに等しいX位置が特定された場合、シングルタッチと判別する。全ての或いは一部のY電極パターン3Yについて異なるX位置が特定された場合、マルチタッチと判別する。
信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、検出精度或いは操作体9の大きさ等の範囲内で隣接する複数のY電極パターン3Yから操作体9の近接(入力操作)が検出され、且つそれらから検出精度或いは操作体9の大きさ等の範囲内で互いに等しいX位置が特定された場合、最も振幅の小さい出力信号Vが検出されたY電極パターン3Yを操作体9が近接した(入力操作があった)Y電極パターン3Yと特定し、その特定されたY電極パターン3Yの配設位置(Y位置)及びそのY電極パターン3Yから検出されたX位置から操作面4a上での操作体9の近接点(入力操作点)のXY位置を特定する。
また、この場合において、検出された出力信号Vは、Y電極パターン3Yの配設位置(Y位置)について(離散的な)分布を有する。そこで、出力信号Vの分布より、その振幅の最も小さい操作面4a上の位置から操作体9の近接点(入力操作点)のY位置を特定することとしてもよい。また、複数のY電極パターン3Yのうち、検出された出力信号Vが閾値(リファレンス)を超えたY電極パターン3Yに操作体9が近接した(入力操作があった)ものと特定し、それらのY電極パターン3Yの操作面4a上の配設位置の中心から操作体9の近接点(入力操作点)の位置を特定してもよい。これにより、Y電極パターン3Yの配設間隔以上の分解能で入力操作点のY位置を特定することができる。一方、操作体9の近接点(入力操作点)のX位置は、それぞれのY電極パターン3Yについて検出されたX位置を平均する、または出力信号Vの振幅を用いて重み平均する等により、より高い分解能で特定することができる。
なお、Y電極パターン3Y上での操作体9の近接位置Xを検出する上で近接位置Xと電位差〈ΔV〉との比例関係(図4参照)が明確に成り立つのが望ましいことから、遅延時間Tdelayは時定数τ,Δτに対して十分大きく定めることとする。ただし、応答特性を損なうことなく操作体9の近接(浮遊容量ΔC)を検出するには、図3(D)内に矢印を用いて示された範囲(最適範囲)内で遅延時間Tdelayを決めると検出効率(検出感度)が最良となる。そこで、最適な遅延時間Tdelayを決定するために(最適範囲内で決定するために)、電位VS1(t),VS2(t)(V(t)と表記する)の飽和時間を基準に遅延時間Tdelayを定めることとする。例えば、係数aを用いて、関係V(t)=aVddを満たす時間tを遅延時間Tdelayと定める。ここで、係数aは、電位V(t)の単位時間当たりの変化が十分小さくなる値、例えば0.8<a<0.9とする。又は、時定数τを基準に、例えば2.5τ<Tdelay<3τと定めることとする。又は、浮遊容量の変化ΔC(すなわち時定数Δτ)に対する電位V(t)の変化dV/Δτが最大となる時間、すなわちd/dΔτdt=0を満たす時間t(Vが理想的な振舞いを示す場合、時定数Δτにほぼ等しい)、或いは温度ドリフトの影響を受け難くなる時間を基準に遅延時間Tdelayを決める。
ただし、検出部20の機能を確保するためにパルス信号VCLKの生成周期よりも十分短く、分解能の向上のためにノイズレベル(σと表記する)の信号変化を与える時間(σ/(dV/dt))よりも十分長く、定めることとする。これにより、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)が最適化される。
遅延時間Tdelayの最適化に代えて或いはこれと併せて、駆動器13A,13B内のプルアップ抵抗Rd1,Rd2を調整して、時定数、すなわちY電極パターン3Yからの出力信号VS1,VS2の時間応答特性を調整することで、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)を最適化することもできる。駆動器13A,13B内のプルアップ抵抗の値を大きくすると遅延時間Tdelayは長くなるため、例えば遅延時間の調整幅Tdivが遅延時間Tdelayの10分の1程度になるように決めると、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)の高い遅延時間の選択が容易になる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1によると、駆動部10により複数のY電極パターン3Yのそれぞれの両端に駆動信号が入力されてその複数の電極パターン3Yが駆動され、検出部20によりその駆動されたY電極パターン3Yの一端(+X端3Y)及び他端(−X端3Y)から出力信号VS1,VS2が検出される。そして、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)により、出力信号VS1,VS2の少なくとも一方を用いて複数のY電極パターン3Yの中から操作体9が近接した電極パターンが特定されるとともに、その特定されたY電極パターン3Yから検出された出力信号VS1,VS2の差、すなわち電位差ΔV又は〈ΔV〉を用いてそのY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置が検出される。これらの結果から、すなわち特定されたY電極パターン3Yの配設位置(Y位置)とそれぞれの電極パターン上での操作体の近接位置の検出結果(X位置)とから、操作面4a上での操作体9の近接位置(XY位置)を特定することができる。それにより、マルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能となる。
また、電位差ΔV又は〈ΔV〉を用いて電極パターン3Y上での操作体9の近接位置を検出する検出原理においてその検出精度を向上するために、式(8)から明らかなように、電極パターン3Yの抵抗R(Rp1,Rp2)が大きいことが望ましい。これは、Y電極パターン3Yの材質の選択の幅が広がるためパネル本体部1aの設計において好適であるだけでなく、Y電極パターン3Yを長く配設することができるためパネル本体部1aの大型化にも好適である。なお、従来の静電容量式タッチパネル(例えば、特許文献1参照)では、充放電して、蓄積された電荷の量を測定することで浮遊容量が検出される。この検出原理では、長い電極パターンに対して、その大きな抵抗により消費電力が増大し、長い充放電時間により応答特性が低下するため、パネル本体部1aの大型化は困難であった。本実施形態に係る検出原理は、これらの困難を本質的に解決するものである。
また、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1によると、駆動部10により複数のY電極パターン3Yのそれぞれの一端(+X端3Y)及び他端(−X端3Y)にステップ状の駆動信号が入力されてその複数の電極パターンが駆動され、検出部20によりその駆動されたY電極パターン3Yの一端(+X端3Y)及び他端(−X端3Y)からその駆動から遅延時間Tdelayの経過後のレベルVS1(Tdelay),VS2(Tdelay)を含む出力信号VS1,VS2の時間応答特性が検出される。ここで、駆動部10は、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの両端に同電位の駆動信号を入力する。それにより、遅延時間Tdelayから定まる十分に高い応答特性が維持されるとともに、操作体の非近接時にY電極パターン3Yに電流が流れず消費電力の低減が可能となる。
また、パネル本体部1aが大型化し、Y電極パターン3Yが長くなると、その抵抗Rp1,Rp2(図2(B)参照)が大きくなり、浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCの充放電時間(時定数)が長くなる。しかし、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1における検出原理では、その充放電時間(時定数)に関係なく、十分短い時間で全てのY電極パターン3Yを走査することができる。これにより、例えば、タッチパネルの応答速度として十分短い10〜20m秒の間に50程度の数のY電極パターン3Yを走査することができ、ひいては低消費電力化、パネル本体部1aの大型化が可能となる。
また、従来の静電容量式タッチパネルは、X軸方向を長手とするY電極パターンがY軸方向に複数配列された絶縁パネルと、Y軸方向を長手とするX電極パターンがX軸方向に複数配列された絶縁パネルとを積層する構成を採用するため、パネル本体部1aの構成は複雑であり、特にY及びX電極パターンの正確な位置合わせを要する。それに対して、本実施形態の静電容量式タッチパネル1は、Y電極パターン3YがY軸方向に複数配列された絶縁パネル3のみを有するため、パネル本体部1aを簡素に構成することが可能となる。
なお、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1において、駆動器13A,13Bはそれぞれ同じY電極パターン3Yの一端及び他端に同じタイミングで同電位の駆動信号を入力するのが望ましいが、それらから検出される出力信号(電位VS1,VS2)の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで駆動信号を入力すればよい。それにより、電位差ΔV又は〈ΔV〉を用いて電極パターン3Y上での操作体9の近接位置を十分に高い分解能で検出することが可能となる。
また、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1では、検出部20は、駆動部10によるY電極パターン3Yの駆動から遅延時間Tdelayの経過後の出力信号VS1(Tdelay),VS2(Tdelay)のレベルを検出し、それらの差(電位差ΔV)を用いて電極パターン3Y上での操作体9の近接位置(X位置)を検出したが、これに代えて、例えば、出力信号VS1,VS2がそれぞれ予め定められた閾レベルを超える駆動からの経過時間T,Tを検出し、それらの差或いはそれらに由来する演算量の差を用いて電極パターン3Y上での操作体9の近接位置(X位置)を検出することとしてもよい。電位差ΔVのように近接位置(X位置)により定まる抵抗Rp1,Rp2の差(或いはそれらの一方)と比例関係(式(8)参照)を有する量を検出することができれば、遅延時間の経過後の出力信号のレベル、閾レベルを超える経過時間等の出力信号の時間応答特性を検出することとしてもよい。
また、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1では、複数のY電極パターン3Yを各2回駆動し、1つのマルチプレクサ21を用いて複数のY電極パターン3Yのそれぞれの+X端3Y及び−X端3Yを順次切り換えてサンプルアンドホールド回路22に接続することで、それらの電位VS1,VS2を順次検出することとした。それにより、検出部20を簡便に構成することが可能となる。なお、複数のY電極パターン3Yのそれぞれについて、1回目の駆動時に+X端3Y及び−X端3Yの一方からその電位を検出し、その1回目の検出と同じタイミングで、2回目の駆動時に他方からその電位を検出するのが望ましいが、その一方の電位(出力信号)の応答時間より十分短い時間内で1回目の検出と同じタイミングで、2回目の駆動時に他方からその電位を検出すればよい。
また、これに代えて、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの+X端3Yが接続される第1マルチプレクサ及びこれに接続するサンプルアンドホールド回路22等の検出部20の構成各部と、−X端子3Yが接続される第2マルチプレクサ及びこれに接続するサンプルアンドホールド回路22等の検出部20の構成各部と、を設けて、複数のY電極パターン3Yを各1回駆動し、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの+X端3Yの電位VS1及び−X端3Yの電位VS2の両方を一度の駆動時に検出することとしてもよい。それにより、複数の電極パターンを少ない駆動回数、すなわち短時間で走査することが可能となる。なお、係る場合においても同様に、複数の電極パターン3Yのそれぞれについて、+X端3Yの電位VS1及び−X端3Yの電位VS2を同じタイミングで検出するのが望ましいが、それらから検出される出力信号(電位VS1,VS2)の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで検出すればよい。
また、この場合において、検出された電位(出力信号)VS1,VS2の数値差を算出することで電位差ΔVを検出することに代えて、上述の第1及び第2マルチプレクサの出力端を差分器を介して1つのサンプルアンドホールド回路等の検出部20の構成各部に接続し、第1及び第2マルチプレクサを用いて複数のY電極パターン3Yを順次切り換えて、差分器及びサンプルアンドホールド回路22等を用いてそれらの+X端3Y及び−X端3Yの電位差ΔV=VS1−VS2を順次検出することとしてもよい。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を、図5及び図6を用いて説明する。
第2の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1’の主要構成は先述の第1の実施形態におけるそれとほぼ同様のため、以下では、相違点を中心に説明する。また、第1の実施形態と同一又は同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
図5に、第2の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1’の概略構成を示す。静電容量式タッチパネル1’は、パネル本体部1a、駆動部10、及び検出部20から構成される。
パネル本体部1aは、積層された絶縁パネル3とカバー4とシールドパネル5とを有する。なお、図5では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。シールドパネル5も、PETフィルム等の絶縁フィルムを用いて形成されている。
シールドパネル5の表面には、その全面にシールド電極パターン5Sが設けられている。シールド電極パターン5Sは、ITO等の導電材を用いて形成される。シールドパネル5の表面は絶縁パネル3の裏面に、絶縁パネル3の表面はカバー4の裏面に、それぞれ粘着剤等を用いて接着されている。これにより、カバー4の表面が指などの操作体9により操作される操作面4aを形成し、カバー4とシールドパネル5との間に、複数のY電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sとが積層される。この構成において、シールドパネル5(シールド電極パターン5S)によりパネル本体部1a(操作面4a)の裏面が遮蔽され、裏面側から、特に表示装置の画面からの電磁ノイズが遮断される。
また、シールド電極パターン5Sとグランドレベルとの間で浮遊容量Cp0(図6参照)が形成されることで、Y電極パターン3Y(グランドレベルとの間で形成される)の浮遊容量Cp1,Cp2の容量が小さくなり、相対的に、指などの操作体9が近接することにより生じる浮遊容量(の変化)ΔCが大きくなる。これにより、Y電極パターン3Yからの出力信号VS1,VS2が操作体9の近接により敏感に反応することとなり、変化ΔCの検出効率(検出感度)が向上する。
その一方、Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sとの間で浮遊容量Cq1,…,CqN(図6参照)が形成される。この浮遊容量Cq1,…,CqNの容量は、Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sの大きな面積より、浮遊容量Cp1,Cp2の容量よりはるかに大きいため、Y電極パターン3Yからの出力信号VS1,VS2の変化はより緩やかとなり(時定数が大きくなり)、長い測定時間を要することとなる。
そこで、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1’では、複数の駆動器13A,13Bと同様にパルス信号VCLKの入力に従ってシールド電極パターン5Sを駆動する駆動器15をさらに含めて駆動部10が構成されている。駆動器15は、複数の駆動器13A,13Bと同様に構成される。
図6に、操作体9の近接がある場合における、静電容量式タッチパネル1’におけるY電極パターン3Yと駆動部10(駆動器13A,13B,15)と検出部20(マルチプレクサ21及びサンプルアンドホールド回路22)との等価回路を示す。ただし、マルチプレクサ21によりサンプルアンドホールド回路22の入力端に接続するY電極パターン3Yのみを図示している。
Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sには、グランドレベルとの間でそれぞれ浮遊容量Cp1,Cp2,Cp0が形成される。これに加えて、上述の通り、Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sとの間で浮遊容量Cq1,…,CqNが形成される。また、Y電極パターン3Yを抵抗Rp1,Rp2を用いて、シールド電極パターン5Sを抵抗Rp3を用いて、表すこととする。
駆動器13A,13B,15にパルス信号VCLKが入力されると(ON信号からOFF信号に切り換わると)、Y電極パターン3Y及びシールド電極パターン5Sが駆動される。すなわち、定電圧源Vdd1,Vdd2から電流がそれぞれ抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yに向けて供給され、それにより浮遊容量Cp1,Cp2に電流が流れて充電され、且つ定電圧源Vdd0から電流が抵抗Rd0を介してシールド電極パターン5Sに向けて供給され、浮遊容量Cp0に電流が流れて充電される。
これと同時に、Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sとの間で形成される浮遊容量Cq1,…,CqNのY電極パターン3Y側の一端に定電圧源Vdd1,Vdd2から抵抗Rd1,Rd2等を介して電位が加わり、シールド電極パターン5S側の他端に定電圧源Vdd0から抵抗Rd0等を介して電位が加わる。ここで、Y電極パターン3Yとシールド電極パターン5Sとの抵抗が同様に分布して構成されているものとすると、浮遊容量Cq1,…,CqNの両端には同電位が印加されることとなる。係る場合、浮遊容量Cq1,…,CqNは充放電されないため、Y電極パターン3Yの両端からは、先述の第1の実施形態におけるシールド電極パターン5Sがない場合の出力信号VS1,VS2と同様の出力信号が出力されることとなる。
従って、第1の実施形態における検出原理と同じ原理で、浮遊容量の変化ΔCを検出することができる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1’によると、先述の第1の実施形態における静電容量式タッチパネル1と同様の効果が得られることに加え、シールド電極パターン5Sの浮遊容量Cp0が形成されることでY電極パターン3Yの浮遊容量Cp1,Cp2の容量が小さくなり、相対的に、指などの操作体9が近接することにより生じる浮遊容量の変化ΔCが大きくなるため、変化ΔCの検出効率(検出感度)が向上する。
また、シールド電極パターン5Sにより、パネル本体部1a(操作面4a)の裏面側から、特に表示装置の画面からの電磁ノイズが遮断される。特に、Y電極パターン3Y及びシールド電極パターン5Sを同様に駆動することでこれらの間で形成される浮遊容量Cq1,…,CqN等が充放電されることがなく、Y電極パターン3Yからの出力信号にその効果は現れない。従って、シールド電極パターン5SをY電極パターン3Yにより近接して配置することができ、裏面側からの電磁ノイズをより遮断することが可能となる。また、パネル本体部1a(シールドパネル5)の裏面側で形成される浮遊容量の寄与も遮蔽されるため、静電容量式タッチパネル1’を表示装置等のセット内部に組み込んだ場合の調整が簡便化される。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態を、図7及び図8を用いて説明する。
第3の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”の主要構成は先述の第1の実施形態におけるそれとほぼ同様のため、以下では、相違点を中心に説明する。また、第1の実施形態と同一又は同等の部分については、同一の符号を用いるとともにその説明を省略する。
先述の第1及び第2の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1,1’では、駆動されたY電極パターン3Yの一端(+X端3Y)及び他端(−X端3Y)からそれぞれ検出される出力信号VS1,VS2の差(電位差)を用いることで、そのY電極パターン3Y上での操作体9の近接位置が検出される。この検出原理において、1つのY電極パターン3Y上の2点に操作体9が近接した場合、その2点の近接位置を誤検出するおそれがある。係る場合において、その2点の近接位置を検出可能な構成を考える。
図7に、第3の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”の概略構成を示す。静電容量式タッチパネル1”は、パネル本体部1a、駆動部10、及び検出部20から構成される。
パネル本体部1aは、積層された絶縁パネル2,3とカバー4とを有する。ただし、図7では、説明の都合上、これらを積層せず、分解して斜視図により示している。絶縁パネル2も、PETフィルム等の絶縁フィルムを用いて形成されている。
絶縁パネル2の表面には、Y軸方向を長手とする複数(例えば50)のX電極パターン2Xが、互いに平行に、X軸方向に等間隔で配列されている。X電極パターン2Xは、ITO等の導電材を用いて形成されている。X電極パターン2Xの一端(+Y端)は駆動部10及び検出部20に接続されている。なお、X電極パターン2Xの他端(−Y端)は開放されている。
絶縁パネル2の表面に絶縁パネル3の裏面が、絶縁パネル3の表面にカバー4の裏面が、それぞれ粘着剤等を用いて接着される。これにより、複数のX電極パターン2Xと複数のY電極パターン3Yとが、絶縁パネル3を介して、互いに交差して格子状に積層される。カバー4の表面が、指などの操作体9により操作される操作面4aを形成する。
駆動部10は、さらに、複数の駆動器(drive)12を有する。複数の駆動器(drive)12は、複数のX電極パターン2Xの一端(+Y端)に接続されている。その構成は、複数の駆動器13A,13Bと同様である。
検出部20を構成するマルチプレクサ21には、さらに、複数のX電極パターン2Xの一端(+Y端)が接続されている。マルチプレクサ21は、複数のX及びY電極パターン2X,3Yのうちホストコンピュータ25により選択されたいずれかの一端を出力端に接続する。これにより、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの一端の電位(+X端3Yの電位VS1及び−X端3Yの電位VS2(図2(A)参照))に加えて、複数のX電極パターン2Xのそれぞれの一端の電位(+Y端の電位)が、順次、切り換えて出力される。
その他のパネル本体部1a、駆動部10、及び検出部20の構成は先と同様である。また、複数のY電極パターン3Yを用いた操作体9の近接(接触を含む)及びその位置の検出原理も先と同様である。
信号処理器24又はホストコンピュータ25は、1つのY電極パターン3Y上の2点(或いはそれ以上の点)に操作体9が近接したことを検出すると、複数のX電極パターン2Xを用いて、その2点の近接位置を検出する。
ここで、1つのY電極パターン3Y上の複数点に操作体9が近接した場合、それによりY電極パターン3Y上の複数の近接点のそれぞれとグランドレベルとの間に浮遊容量ΔCが形成されるため、言い換えると、複数点に操作体9が近接することでY電極パターン3Yとグランドレベルとの間に形成される浮遊容量ΔCの容量が大きくなるため、Y電極パターン3Yから検出される出力信号Vのレベルが小さくなる。そこで、閾レベルを定め、出力信号Vのレベルがこれを超えない場合、そのY電極パターン3Y上の1点のみに操作体9が近接し、超えた場合、複数点に近接したものと判別することができる。
まず、操作体9の近接がない場合において、駆動部10によるX電極パターン2Xの駆動と検出部20の応答について説明する。
図8(A)に、操作体9の近接がない場合におけるX電極パターン2Xと駆動部10(駆動器12)と検出部20(マルチプレクサ21及びサンプルアンドホールド回路22)との等価回路を示す。ただし、マルチプレクサ21によりサンプルアンドホールド回路22の入力端に接続するX電極パターン2Xのみを図示している。
X電極パターン2X(及びその他の素子)とグランドレベルとの間で浮遊容量C(例えば〜10pF)が形成される。また、X電極パターン2Xの抵抗が、抵抗Rを用いて表されている。
駆動器12において、図3(A)に示すパルス信号VCLKがFETFに入力される。パルス信号VCLKは、時刻T(=0)にてON信号からOFF信号に切り換わる。FETFにON信号が入力されている間、そのドレインとソース間に電流(ドレイン電流)が流れる。この時、X電極パターン2Xの一端の電位Vはグランドレベルにある(すなわちV=0)。FETFにOFF信号が入力されると、そのドレイン電流はゼロになる。これにより、振幅Vddのステップ状の駆動信号が抵抗Rを介してX電極パターン2Xの一端(+Y端)に入力され、X電極パターン2Xが駆動される。それにより、定電圧源Vddから抵抗Rを介してX電極パターン2Xの浮遊容量Cに電流が流れ、浮遊容量Cが充電される。
X電極パターン2Xの駆動(浮遊容量Cの充電)に伴い、X電極パターン2Xの一端(+Y端)の電位Vは、例えば図3(C)に示す振舞いと同様に、時間tに対して、
のように指数関数的に立ち上がる。ここで、時定数τ(=τ(=C))である。
一方、遅延器17は、図3(B)に示すように、パルス信号VCLKに対して一定の遅延時間(Tdelay)遅延するホールド信号Vholdをサンプルアンドホールド回路22に出力する。
サンプルアンドホールド回路22は、図3(D)に示すように、ホールド信号Vhold(OFF信号)が入力されている間、X電極パターン2Xの一端からの出力信号V(t)を出力し、時刻TdelayにおけるON信号の入力(OFF信号からON信号への切り換わり)に併せて出力信号V(Tdelay)を保持し、ON信号が入力されている間、その保持した出力信号V(Tdelay)を出力する。これにより、サンプルアンドホールド回路22の出力V(t)は、
と振舞う。
次に、操作体9の近接がある場合における検出部20の応答について説明する。
図8(B)に、操作体9の近接がある場合におけるX電極パターン2Xと駆動部10(駆動器12)と検出部20(マルチプレクサ21及びサンプルアンドホールド回路22)との等価回路を示す。図8(A)と同様に、マルチプレクサ21によりサンプルアンドホールド回路22の入力端に接続するX電極パターン2Xのみを図示している。
X電極パターン2Xには、グランドレベルとの間に形成される浮遊容量Cの他に、操作体9の近接によりX電極パターン2X上の近接点とグランドレベルとの間に浮遊容量ΔC(例えば〜1pF)が形成される。なお、抵抗Rp1は浮遊容量Cと近接点までのX電極パターン2Xの抵抗であり、抵抗Rp2は近接点から開放端までのX電極パターン2Xの抵抗であり、Rp1+Rp2=Rである。
駆動器12において、図3(A)に示すパルス信号VCLKがFETFに入力される。パルス信号VCLKが時刻T(=0)にてON信号からOFF信号に切り換わると、FETFのドレイン電流がゼロになる。これにより、振幅Vddのステップ状の駆動信号が抵抗Rを介してX電極パターン2Xの一端(+Y端)に入力され、X電極パターン2Xが駆動される。それにより、定電圧源Vddから抵抗Rを介してX電極パターン2Xの浮遊容量C及び操作体9の近接により形成された浮遊容量ΔCに電流が流れ、浮遊容量C,ΔCが充電される。
X電極パターン2Xの駆動(浮遊容量C,ΔCの充電)に伴い、X電極パターン2Xの一端(+Y端)の電位Vは、例えば図3(C)に示す振舞いと同様に、時間tに対して指数関数的に立ち上がる。先述の操作体9の近接がない場合と比較して、浮遊容量Cの変化ΔCにより時定数τが大きくなるため(τ>τ)、電位Vはゆっくり立ち上がることとなる。また、操作体9が操作面4aに近づくにつれて(操作体9とX電極パターン2Xとの離間距離が小さくなるにつれて)、浮遊容量ΔCが大きくなるため、すなわち時定数τがより大きくなるため、電位Vはよりゆっくり立ち上がることとなる。
サンプルアンドホールド回路22は、遅延時間Tdelay後の出力信号V(Tdelay)を保持して出力するため、その出力V=V(Tdelay)は、操作体9の操作面4a(X電極パターン2X)への近接により、先述の近接がない場合と比較して、小さくなる。また、出力Vは、近接距離が近くなる(浮遊容量ΔCが大きくなる)につれてより小さくなる。
信号処理器24又はホストコンピュータ25は、遅延時間Tdelayの経過後の入力信号、すなわち出力V=V(Tdelay)に由来するデジタル信号を解析処理する。信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、そのデジタル信号が、操作体9の操作面4a(X電極パターン2X)への近接により、リファレンスと比較して有意に小さくなっている場合に、操作体9の近接を検出する。ここで、リファレンスとして、操作体9の近接が無い場合の出力V=V(Tdelay)のレベル、操作体9が近接し得ない又はほとんど近接しない位置に配置されたX電極パターン2Xからの出力信号のレベル、後述するシールドパネル5に設けられるシールド電極パターン5Sからの出力信号のレベル等が採用される。
1つのY電極パターン3Y上の複数点に操作体9が近接した場合、その複数点のそれぞれに近接する各1つ(又は各1以上)のX電極パターン2Xから操作体9の近接が検出される。そこで、信号処理器24(又はホストコンピュータ25)は、上述の検出結果から、すなわち操作体9の近接が検出されたX電極パターン2Xの配設位置(X位置)から、1つのY電極パターン3Y上での操作体9の複数の近接位置(X位置)を特定する。この結果と、操作体9の近接が検出されたY電極パターン3Yの配設位置(Y位置)とから、操作面4a上での操作体9の複数の近接位置(XY位置)が特定される。
なお、複数のX電極パターン2Xを用いた操作体9の近接位置の検出においても、先述のY電極パターン3Yを用いた近接位置の検出と同様、出力信号Vの分布より、その振幅の最も小さい操作面4a上の位置から操作体9の近接点の位置を特定することとしてもよい。これにより、X電極パターン2Xの配設間隔より良い(細かい)の分解能で入力操作点の位置を特定することができる。
また、先と同様に、電位V(t)の飽和時間を基準に遅延時間Tdelayを定めることで、最適な遅延時間Tdelayを決定することとする。ただし、検出部20の機能を確保するためにパルス信号VCLKの生成周期よりも十分短く、分解能の向上のためにノイズレベル(σと表記する)の信号変化を与える時間(σ/(dV/dt))よりも十分長く、定めることとする。これにより、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)が最適化される。
また、遅延時間Tdelayの最適化に代えて或いはこれと併せて、駆動器12内のプルアップ抵抗を調整して、時定数τ、すなわちX電極パターン2Xの一端からの出力信号Vの時間応答特性を調整することで、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)を最適化することもできる。駆動器12内のプルアップ抵抗の値を大きくすると遅延時間Tdelayは長くなるため、例えば遅延時間の調整幅Tdivが遅延時間Tdelayの10分の1程度になるように決めると、浮遊容量の変化ΔCの検出効率(検出感度)の高い遅延時間の選択が容易になる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”によると、先述の第1の実施形態における静電容量式タッチパネル1と同様の効果が得られることに加え、1つのY電極パターン3Y上の2点(或いはそれ以上の点)に操作体9が近接した場合においても、複数のX電極パターン2Xを用いて、その2点の近接位置を検出することができる。それにより、誤検出することなく、マルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能となる。
なお、先述の第2の実施形態に係る静電容量式タッチパネル1’と同様に、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”(及び後述するその変形構成)においてもシールドパネル5を設けてもよい。これにより、さらに、第2の実施形態における静電容量式タッチパネル1’と同様の効果が得られる。
また、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”において、X電極パターン2Xに形成される浮遊容量を検出する方法として、浮遊容量Cの充電によるX電極パターン2Xの検出端の電位を検出するに限らず、様々な検出方法を採用することができる。例えば、基準容量を用意し、X電極パターン2Xの浮遊容量と基準容量との一方を定電位(Vdd)に充電し、他方をグランド電位(ゼロ電位)に充電し、これら2つの容量を接続して電荷をシェアすることで決まる電位を検出することとしてもよい。
また、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”において、複数のX電極パターン2X並びにこれに接続する駆動部10及び検出部20を、先述の複数のY電極パターン3Y並びにこれに接続する駆動部10(駆動器13A,13B)及び検出部20と同様に構成してもよい。すなわち、複数のX電極パターン2Xのそれぞれの両端に駆動信号を入力し、その駆動されたX電極パターン2Xの両端からそれぞれ出力信号を検出し、それらの少なくとも一方を用いて複数のX電極パターン2Xの中から操作体9が近接した電極パターンを特定するとともに、その特定されたX電極パターン2Xから検出された2つの出力信号の差(すなわち電位差)を用いてそのX電極パターン2X上での操作体9の近接位置を検出する。これらの結果から、すなわち特定されたX電極パターン2Xの配設位置(X位置)とそれぞれの電極パターン上での操作体の近接位置の検出結果(Y位置)とから、さらに、操作面4a上での操作体9の近接位置(XY位置)を特定することとしてもよい。複数のX電極パターン2Xと複数のY電極パターン3Yとを用いることで、より正確なマルチタッチ及びそのタッチ位置の検出が可能となる。また、X電極パターン2Xのそれぞれの両端に同電位の駆動信号を入力することで、操作体の非近接時にX電極パターン2Xに電流が流れず消費電力の低減が可能となる。
また、消費電力の低減を主な目的とする場合、図9に示す静電容量式タッチパネル1”の変形構成を採用することもできる。すなわち、複数のY電極パターン3Yのそれぞれの両端を駆動部10(駆動器13A,13B)に接続し、それぞれの一端のみを検出部20に接続し、同様に複数のX電極パターン2Xのそれぞれの両端を駆動部10(駆動器12A,12B)に接続し、それぞれの一端のみを検出部20に接続する。先述の通り、複数のY及びX電極パターン3Y,2Xのそれぞれの両端に駆動信号を入力し、その駆動されたY及びX電極パターン3Y,2Xのそれぞれの一端のみから出力信号を検出し、本実施形態に係る静電容量式タッチパネル1”におけるX電極パターン2Xを用いた検出原理と同様に、その検出結果(出力信号)のレベルをリファレンスと比較することで操作体9の近接を検出する。操作体9の近接を検出したY及びX電極パターン3Y,2Xの配設位置からそれぞれ操作体9の近接点のY位置及びX位置が特定される。
なお、上述の第1〜第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1,1’,1”では、複数のY電極パターン3Yのそれぞれにステップ状の入力信号を入れて駆動することとしたが、出力信号VS1,VS2の時間応答特性を十分検出できる限りにおいて、例えば、一定の傾きを有するステップパルス、指数関数的に立ち上がるステップパルス、正弦波状パルス等、様々なステップ状の入力信号を用いてY電極パターン3Yを駆動することとしてもよい。静電容量式タッチパネル1,1’,1”において、パネル本体部1a(Y電極パターン3Y)及び駆動部10(駆動器13A,13B又は等価回路12A,12B)は、検出部20に対してカットオフ周波数f=1/2πRを有するハイパスフィルタを構成する。従って、原理上、カットオフ周波数fより高い周波数成分を有するあらゆるステップ状の入力信号を用いることができる。それにより、複数の電極パターンを高速で走査することで高い応答特性が得られるとともに、高精度で操作体9の近接位置を検出することが可能となる。
また、第1〜第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1,1’,1”では、ステップ状に立ち上がる入力信号を入れることでY電極パターン3Yを駆動することとしたが、ステップ状に立ち下がる入力信号を入れることでY電極パターン3Yを駆動することとしてもよい。また、第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1”において、X電極パターン2Xにはステップ状に立ち上がる(立ち下がる)入力信号を、Y電極パターン3Yにはステップ状に立ち下がる(立ち上がる)入力信号を入れることで、それぞれ駆動することとしてもよい。
また、ステップ状の入力信号に代えて正弦波等の周期振動する入力信号を入れてY電極パターン3Yを駆動することとしてもよい。係る場合、Y電極パターン3Yの一端(及び他端)から、入力信号に対する出力信号の振幅の変化、位相のずれ等を検出することができる。
また、第1〜第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1,1’,1”では、Y電極パターン3Yを駆動して、浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCを充電することにともなう出力信号VS1,VS2の時間応答特性を検出する構成を採用したが、逆に、浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCを放電することにともなう出力信号VS1,VS2の時間応答特性を検出する構成を採用することもできる。係る場合、遅延器17は、パルス信号VCLK(OFF信号からオン信号の切り換わり)に対して一定の遅延時間(Tdelay)遅延するホールド信号Vholdを出力するよう構成する。パルス信号VCLKがOFF信号の間、定電圧源Vdd1,Vdd2から抵抗Rd1,Rd2を介してY電極パターン3Yの浮遊容量Cp1,Cp2に電流が流れ、浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCが充電され、パルス信号VCLKがON信号に切り換わると、浮遊容量Cp1,Cp2,ΔCが放電され、その切り換わりから遅延時間Tdelay後の出力信号V(Tdelay)が検出される。
また、第1〜第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1,1’,1”では、操作体9として指を想定して説明したが、Y電極パターン3Yとの間に浮遊容量ΔCが形成されるものであれば、指に限らず、専用入力ペンなどの専用デバイスを用いて入力操作するものとしてもよい。
また、第1〜第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1,1’,1”では、Y電極パターン3Yを絶縁パネル3上に線状に形成したが、電極パターンの形状は線状に限らず、操作体9の近接により浮遊容量が形成される限りにおいて、任意の形状を採用することができる。例えば、一連のダイヤモンド形状、四角形状、三角形状等でもよい。また、第3の実施形態の静電容量式タッチパネル1”において、操作体9の近接により大きな容量の浮遊容量が形成されるよう、X及びY電極パターン2X,3Yを積層することで操作面4aの全面を覆う形状を採用してもよい。
1…静電容量式タッチパネル、1a…パネル本体部、2,3…絶縁パネル、2X…X電極パターン、3Y…Y電極パターン、4…カバー、4a…操作面、5…シールドパネル、5S…シールド電極パターン、10…駆動部、11…パルス生成器、12,12A,12B,13A,13B,15…駆動器、17…遅延器、20…検出部、21…マルチプレクサ、22…サンプルアンドホールド回路、23…AD変換器、24…信号処理器、25…ホストコンピュータ、Cp1,Cp2,Cp0,Cq1,CqN,ΔC…浮遊容量、Rd0,Rd1,Rd2,R,Rp1,Rp2,Rp3…抵抗、Tdelay…遅延時間、V…入力信号、V,V…出力信号、Vdd0,Vdd1,Vdd2…定電圧源。

Claims (14)

  1. 操作面上への操作体の近接を検出するタッチパネルであって、
    操作面上に配設された複数の電極パターンの一端及び他端に駆動信号を入力して、前記複数の電極パターンを駆動する駆動部と、
    前記複数の電極パターンのうち前記駆動部により駆動された電極パターンの一端及び他端からそれぞれ第1及び第2信号を検出して、前記複数の電極パターンから出力信号を検出する検出部と、
    前記第1及び第2信号の少なくとも一方を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定するとともに、該特定された電極パターンから検出された前記第1及び第2信号の差を用いて前記特定された電極パターン上での前記操作体の近接位置を検出する解析部と、
    を備えるタッチパネル。
  2. 前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向を長手とし、該第1方向に交差する第2方向に配列された電極パターンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 前記駆動部は、さらに、前記操作面上で前記第1方向に配列された複数の別の電極パターンに駆動信号を入力して、前記複数の別の電極パターンを駆動し、
    前記検出部は、さらに、前記複数の別の電極パターンから出力信号を検出し、
    前記解析部は、前記複数の別の電極パターンから検出される第3信号を用いて前記複数の別の電極パターンの中から前記操作体が近接した別の電極パターンを特定することを特徴とする、請求項2に記載のタッチパネル。
  4. 前記駆動部は、前記複数の電極パターンを各2回駆動し、
    前記検出部は、前記複数の電極パターンのそれぞれについて、前記駆動部による1回目の駆動時に前記一端から前記第1信号を検出し、前記駆動部による2回目の駆動時に、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で前記第1信号の検出と同じタイミングで、前記他端から前記第2信号を検出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  5. 前記駆動部は、前記複数の電極パターンを各1回駆動し、
    前記検出部は、前記複数の電極パターンのそれぞれについて、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで、前記一端及び他端からそれぞれ前記第1及び第2信号を検出することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  6. 前記第1及び第2信号の差は、前記第1及び第2信号の和を用いて規格化されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  7. 前記駆動部は、前記複数の電極パターンのそれぞれを駆動するに際し、それぞれの電極パターンの一端及び他端に、前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで、前記駆動信号を入力することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  8. 前記駆動部は、前記一端及び他端に同電位の駆動信号を入力することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  9. 前記検出部は、前記駆動部による電極パターンの駆動から遅延時間の経過後のレベルを含む前記出力信号の時間応答特性を検出することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  10. 前記駆動部は、さらに、前記操作面の裏面側に前記複数の電極パターンと絶縁して形成されたシールド電極に前記駆動信号と共通の駆動信号を入力して、前記シールド電極を駆動することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタッチパネル。
  11. 操作面上への操作体の近接を検出するタッチパネルであって、
    操作面上に配設された複数の電極パターンのそれぞれの一端及び他端に駆動信号を入力して、前記複数の電極パターンを駆動する駆動部と、
    前記複数の電極パターンのうち前記駆動部により駆動された電極パターンから該電極パターンの駆動から遅延時間の経過後のレベルを含む出力信号の時間応答特性を検出して、前記複数の電極パターンから出力信号を検出する検出部と、
    前記出力信号を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定する解析部と、
    を備え、前記駆動部は前記複数の電極パターンのそれぞれの一端及び他端に前記出力信号の応答時間より十分短い時間内で同じタイミングで同電位の駆動信号を入力することを特徴とする、タッチパネル。
  12. 前記検出部は、前記複数の電極パターンの一端及び他端からそれぞれ第1及び第2信号を検出し、
    前記解析部は、前記第1及び第2信号の少なくとも一方を用いて前記複数の電極パターンの中から前記操作体が近接した電極パターンを特定するとともに、該特定された電極パターンから検出された前記第1及び第2信号の差を用いて前記特定された電極パターン上での前記操作体の近接位置を検出することを特徴とする、請求項11に記載のタッチパネル。
  13. 前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向を長手とし、該第1方向に交差する第2方向に配列された電極パターンを含むことを特徴とする、請求項12に記載のタッチパネル。
  14. 前記複数の電極パターンは、前記操作面上の第1方向に配列された第1電極パターンと、前記第1方向に交差する第2方向に配列された第2電極パターンと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載のタッチパネル。
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