JP2015158190A - 蒸気タービンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】高圧タービンの軸封部から抽出した蒸気を低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給する場合、高圧タービン側の蒸気抽出配管や、低圧タービン側の蒸気供給配管は、蒸気タービンの廻りに配置されるため、作業員等の蒸気タービン関連機器へのアクセス性や、メンテナンス性が阻害されるほか、配管工事が面倒であった。【解決手段】串形に配列・連結された蒸気圧の異なる複数の蒸気タービンの各ロータのケーシング貫通部をシール蒸気によってシールし、各ロータに軸線方向に延びる中心孔と、この中心孔に連通する放射状孔を設け、高圧蒸気タービン軸封部で抽出されたシール蒸気を、放射状孔から中心孔内に導き、さらにこの中心孔に連通する低圧蒸気タービンのロータの中心孔を経由して放射方向の孔から低圧蒸気タービン軸封部へシール蒸気として導く。【選択図】図1
Description
本発明は、蒸気タービンロータのケーシング貫通部分をシール蒸気によりシールするようにした蒸気タービンシステムに関する。
蒸気タービンシステムでは、ロータのケーシング貫通部分にグランドパッキンと称するラビリンスパッキン構造の軸封部を設けており、高圧タービンでは軸封部によってケーシング内部から蒸気が漏出するのを防止し、低圧タービンでは軸封部によって外気がケーシング内部(すなわち、復水器内部)へ流入するのを防止している。
また、火力発電プラントや原子力発電プラント等に設置される蒸気タービンシステムでは、高圧タービンの軸封部から抽出された蒸気をシール蒸気配管(導管)を介して低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給することにより、熱効率の低下を抑制する構成とすることが一般的である。そして、高圧タービンの軸封部からのシール蒸気の抽出や、低圧タービンの軸封部へのシール蒸気の供給は、各軸封部に接続され蒸気タービン廻りに設置したシール蒸気配管等の蒸気供給配管を通して行っている。
上述したように、従来技術では高圧タービンの軸封部からシール蒸気を抽出する蒸気抽出配管や、低圧タービンの軸封部へシール蒸気を供給する蒸気供給配管は、蒸気タービンの廻りに各軸封部に接続されて配置されるため、配管工事が大掛かりとなるだけでなく、運転員や工事作業員等が蒸気タービンやその関連機器の保守点検等の際に蒸気タービンやその関連機器にアクセスするうえで支障を来たしていた。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、高圧タービンの軸封部から抽出したシール蒸気を、蒸気タービン廻りの蒸気供給配管を利用せずに低圧タービンの軸封部に供給することを可能にした蒸気タービンシステムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明による蒸気タービンシステムは、蒸気圧の異なる複数の蒸気タービンを串形に連結するとともに、各蒸気タービンのロータのケーシング貫通部にシール蒸気により軸封する軸封部を設け、前記複数の蒸気タービンのうち蒸気圧の高い蒸気タービン軸封部で抽出されたシール蒸気を蒸気圧の低い蒸気タービン軸封部にシール蒸気として供給するように構成された蒸気タービンシステムにおいて、前記各ロータは、中心部に軸線方向に延びる中心孔と、前記中心孔に連通するとともに前記軸封部のシール蒸気室に対向する部位に開口する放射状孔とをそれぞれ設けるように構成され、前記蒸気圧の高い蒸気タービン軸封部で抽出されたシール蒸気を、当該蒸気圧の高い蒸気タービンに設けられた前記放射状孔から前記中心孔内に導き、さらに前記中心孔に連通する前記蒸気圧の低い蒸気タービンのロータに設けられた中心孔を経由して当該蒸気圧の低い蒸気タービンのロータに設けた放射状孔から当該蒸気圧の低い蒸気タービン軸封部のシール蒸気室へ導くことを特徴とする。
本発明によれば、蒸気タービン廻りの配管物量を低減し、あるいはタービン廻りの省スペース化を図ることができる。
以下、本発明に係る蒸気タービンシステムの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図を通して共通する部分には同一符号を付けて、重複する説明は適宜省略するものとする。
[実施形態1]
図1は本発明に係る蒸気タービンシステムの実施形態1を示す概略構成図であり、図2、図3はそれぞれ図1の高圧タービンの軸封部および低圧タービンの軸封部の一部を断面で表わした模式図である。また、図4は高圧タービンのロータ1および低圧タービンのロータ5を連結する連結部を模試的に表わした斜視図であり、図5は高圧タービンのロータ1および低圧タービンのロータ5の連結部側の端部を模試的に表わした斜視図である。
図1は本発明に係る蒸気タービンシステムの実施形態1を示す概略構成図であり、図2、図3はそれぞれ図1の高圧タービンの軸封部および低圧タービンの軸封部の一部を断面で表わした模式図である。また、図4は高圧タービンのロータ1および低圧タービンのロータ5を連結する連結部を模試的に表わした斜視図であり、図5は高圧タービンのロータ1および低圧タービンのロータ5の連結部側の端部を模試的に表わした斜視図である。
(構成)
まず、図1を参照して本実施形態に係る蒸気タービンシステムの概略構成について説明する。
本実施形態1に係る蒸気タービンシステムは、高圧タービン2に対して1台の低圧タービン5を串形(タンデムコンパウンド形)に配列して連結したものである。なお、図1では蒸気タービン起動時に補助ボイラあるいは原子炉から軸封部へシール蒸気を供給する配管システムについては省略している。
まず、図1を参照して本実施形態に係る蒸気タービンシステムの概略構成について説明する。
本実施形態1に係る蒸気タービンシステムは、高圧タービン2に対して1台の低圧タービン5を串形(タンデムコンパウンド形)に配列して連結したものである。なお、図1では蒸気タービン起動時に補助ボイラあるいは原子炉から軸封部へシール蒸気を供給する配管システムについては省略している。
図示しない蒸気発生器で発生した主蒸気は、主蒸気供給管1から高圧タービン2に供給され、ここで膨張仕事を行うことによって蒸気の持つ熱エネルギーを回転エネルギーに変換して高圧タービンのロータ2Rを回転駆動する。そして、高圧タービン2で仕事を行った蒸気は、クロスオーバー管3により低圧タービン4に供給され、ここで再び膨張仕事を行って低圧タービンのロータ4Rを回転駆動するとともに、復水器5に排気されて復水になる。この復水は図示しないグランド蒸気コンデンサ、給水ポンプおよび給水加熱器等を経て再び蒸気発生器へ環流される。
そして、高圧タービンのロータ2Rがケーシング2Cを貫通する部分に、図2で示す高圧タービンの軸封部61、62が設けられている。この高圧タービンの軸封部61、62には、蒸気タービンの定常運転中、ケーシング2C内部から漏出した蒸気がシール蒸気として供給されることにより、タービン駆動蒸気がケーシング2Cから外部へ漏出するのを防止するようになっている。
低圧タービン4においても同様に、低圧タービンのロータ4Rがケーシング4Cを貫通する部分には図3で詳細構成を示す低圧の軸封部71、72が設けられており、この低圧の軸封部71、72にも外気が流入するのを防止するためのシール蒸気を供給するように構成しているが、その詳細については後述する。
図2において、(a)は図1の高圧タービンの軸封部を模式的に示す模式図であり、(b)は(a)のB−B矢視図である。(a)に示すように、高圧タービンのロータ2Rの中心部には、軸線方向に延びる中心孔8が刳り貫いて形成される。そして、(b)に示すように、この中心孔8がロータ表面に対向する高圧タービンの軸封部61、62のシール蒸気室10と連通するように、放射状孔9を等間隔に複数個(図では3個)設けている。すなわち、中心孔8と高圧タービンの軸封部61、62のシール蒸気室10とは、放射状孔9によって連通するように構成されている。
そして、高圧タービンのロータ2Rの一端部(非連結部側端部−図示左端)にはフランジ2F1が形成され、このフランジ部2F1に弾性体11を介して閉塞部材例えば円板状の閉塞板12がボルト等の締結具13によって気密に取付けられている。この閉塞板12によって高圧タービンのロータ2Rの中心孔8の一端部は閉塞されている(図4参照)。
一方、高圧タービンのロータ2Rの他端部(図示左端)は、中心孔8を開口させた状態で連結部14により低圧タービンのロータ4Rに連結されるようになっている(図5参照)。連結部14の詳細は後述する。
低圧タービン4のロータ4Rも高圧タービンのロータ2Rと同様に、中心部に軸線方向に延びる中心孔15を刳り貫いて形成するとともに、この中心孔15がロータ表面に対向する低圧タービンの軸封部71、72のシール蒸気室17と連通するように、放射状孔16を等間隔に複数個(図では3個)設けている(図3参照)。すなわち、中心孔15と低圧タービンの軸封部2のシール蒸気室17とは、放射状孔16によって連通するように構成されている。
この低圧タービンのロータ4Rの一端部(連結部側端部)は、中心孔15を開口させた状態で前記連結部14によって高圧タービンのロータ2Rと連結され、この結果、両タービン高圧タービンのロータ2R、4R同士の中心孔8および中心孔15は連通する。低圧タービンのロータ4Rの他端部(非連結部側端部−図示右端)には、高圧タービンのロータ2Rの場合と同様に、フランジ4F1が形成され、このフランジ4F1に弾性体18を介して閉塞部材例えば円板状の閉塞板19がボルト等の締結具20によって気密に取付けられている。この閉塞板19によって低圧タービンのロータ4Rの中心孔15の一端部は閉塞されている(図4参照)。
そして、低圧タービンの軸封部71、72から漏れた蒸気は、復水器5内部に導かれ、ここで復水する。
そして、低圧タービンの軸封部71、72から漏れた蒸気は、復水器5内部に導かれ、ここで復水する。
次に、図5を参照して連結部14の詳細について説明する。
連結部14によって連結される高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rの対向端部にはそれぞれフランジ2F2および4F2を設けており、両フランジ2F2、4F2は弾性体21を介してボルト等の締結具22によって締結されている。両フランジ2F2、4F2の中心部には高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rにそれぞれ設けた中心孔8および15と同一口径の連通孔23、24が設けてあり、高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rが連結された際、中心孔8と、中心孔15とは中心軸が一致して連通し、シール蒸気が高圧タービンのロータ2Rの中心孔8から低圧タービンのロータ4Rの中心孔15に送られる際に流体損失が極力発生しないように考慮してある。
連結部14によって連結される高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rの対向端部にはそれぞれフランジ2F2および4F2を設けており、両フランジ2F2、4F2は弾性体21を介してボルト等の締結具22によって締結されている。両フランジ2F2、4F2の中心部には高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rにそれぞれ設けた中心孔8および15と同一口径の連通孔23、24が設けてあり、高圧タービンのロータ2Rおよび低圧タービンのロータ4Rが連結された際、中心孔8と、中心孔15とは中心軸が一致して連通し、シール蒸気が高圧タービンのロータ2Rの中心孔8から低圧タービンのロータ4Rの中心孔15に送られる際に流体損失が極力発生しないように考慮してある。
なお、以上の説明では、高圧タービンの軸封部61、62、低圧タービンの軸封部71、72の各シール蒸気室10、17にそれぞれ開口するように設けた放射状孔9および16の大きさ(口径)や位置については言及していないが、放射状孔9および16を開けたことによるロータの質量欠損部がタービンの運転に影響を与えることがないように、放射状孔9および16は円周方法に均一な間隔で、かつ、同じ大きさ(口径)にして回転対の質量バランスを均一にしてある。
(作用)
本実施形態1に係る蒸気タービンシステムでは、高圧タービンの軸封部61、62には、高圧タービン2の運転時にケーシング2C内部からの蒸気をシール蒸気として供給されることにより、タービン駆動蒸気がケーシング2Cから外部へ漏出するのを防止する。
本実施形態1に係る蒸気タービンシステムでは、高圧タービンの軸封部61、62には、高圧タービン2の運転時にケーシング2C内部からの蒸気をシール蒸気として供給されることにより、タービン駆動蒸気がケーシング2Cから外部へ漏出するのを防止する。
そして、高圧タービン2の軸封部61、62側から抽出されたシール蒸気は矢印のようにシール蒸気室10に開口する放射状孔9から中心孔8に導かれ、さらに連結部9内の孔23、24を経て低圧タービンのロータ4Rの中心孔15に導かれて放射状孔16から低圧タービンの軸封部71、72のシール蒸気室17へシール蒸気として供給される。
低圧タービンの軸封部71、72では、このシール蒸気によって外気が低圧蒸気タービン4を通って復水器5内に侵入するのを防ぐ。そして低圧タービンの軸封部71、72に供給されたシール蒸気は、最終的に復水器5へ排気されて復水となる。
(効果)
本実施形態1の蒸気タービンシステムによれば、高圧タービン2の軸封部61、62で抽出されたシール蒸気は、高圧タービンのロータ2Rに開けた放射孔9、中心孔8および連結部14に開けた孔25、26を経て低圧タービンのロータ4Rに開けた中心孔15に至り、さらに放射孔16から低圧タービンの軸封部71、72のシール蒸気室17へシール蒸気として供給される。このため、蒸気タービンの廻りに蒸気供給配管を設けることなく低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給することが可能となる。この結果、従来技術に比して蒸気タービン廻りの配管物量を低減することができ、それによる蒸気タービン廻りの省スペース化を図ることができ、併せて、運転員、保守員によるタービン機器へのアクセス性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
本実施形態1の蒸気タービンシステムによれば、高圧タービン2の軸封部61、62で抽出されたシール蒸気は、高圧タービンのロータ2Rに開けた放射孔9、中心孔8および連結部14に開けた孔25、26を経て低圧タービンのロータ4Rに開けた中心孔15に至り、さらに放射孔16から低圧タービンの軸封部71、72のシール蒸気室17へシール蒸気として供給される。このため、蒸気タービンの廻りに蒸気供給配管を設けることなく低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給することが可能となる。この結果、従来技術に比して蒸気タービン廻りの配管物量を低減することができ、それによる蒸気タービン廻りの省スペース化を図ることができ、併せて、運転員、保守員によるタービン機器へのアクセス性およびメンテナンス性の向上を図ることができる。
[実施形態2]
図6は本発明に係る蒸気タービンシステムの実施形態2の概略構成図であり、図1に描いてある主蒸気供給管1やクロスオーバー管3等は省いてある。図7(a)、(b)および図8(a)、(b)は、それぞれ2台の低圧タービン41、42の中心孔15に連通する放射状孔16の例を模式的に示したロータの部分図である。なお、高圧タービンの軸封部および低圧タービンの軸封部の詳細構成等は前述した実施形態1の図2、3の場合と特に変わらないので、図示は省略している。
図6は本発明に係る蒸気タービンシステムの実施形態2の概略構成図であり、図1に描いてある主蒸気供給管1やクロスオーバー管3等は省いてある。図7(a)、(b)および図8(a)、(b)は、それぞれ2台の低圧タービン41、42の中心孔15に連通する放射状孔16の例を模式的に示したロータの部分図である。なお、高圧タービンの軸封部および低圧タービンの軸封部の詳細構成等は前述した実施形態1の図2、3の場合と特に変わらないので、図示は省略している。
(構成)
本実施形態2に係る蒸気タービンシステムは、1台の高圧タービン2と2台の低圧タービン41、42とを串形(タンデムコンパウンド形)に配列して連結したものである。
本実施形態2に係る蒸気タービンシステムは、1台の高圧タービン2と2台の低圧タービン41、42とを串形(タンデムコンパウンド形)に配列して連結したものである。
高圧タービンのロータ2Rと第1の低圧タービンのロータ4R1の一端とを第1の連結部141で連結し、第1の低圧タービンのロータ4R1の他端と第2の低圧蒸気タービンのロータ4R2とを第2の連結部142で連結することにより、高圧タービンのロータ2R、第1の低圧タービンのロータ4R1および第2の低圧タービンのロータ4R2それぞれの中心孔8、151および152を一直線状に連通させる。
高圧タービンのロータ2Rの非連結側端部(図示左端端部)および第2の低圧タービンのロータ4R2の非連結側端部(図示右端端部)は、前述した実施形態1の図4と同様に円板状の閉塞板12、19でそれぞれ中心孔8、152の開口部を閉塞する。
なお、第1の低圧タービンのロータ4R1および第2の低圧タービンのロータ4R2の各軸封部71、72、73、74におけるシール効果がほぼ等しく、かつ、回転対の質量バランスが均一になるように、第1の低圧タービンのロータ4R1に設けた放射状孔161の口径あるいは個数と、第2の低圧タービンのロータ4R2に設けた放射状孔162の口径あるいは個数が設計段階から定められ、高圧タービン2に近い低圧タービンの軸封部141に供給するシール蒸気量と高圧タービン2から遠い低圧タービンの軸封部142に供給するシール蒸気量とを調整することが可能になっている。
因みに、図7の場合、(a)は第1の低圧タービンのロータ4R1の表面に開口するように設けた放射状孔161を模式的に表しており、(b)は第2の低圧タービンのロータ4R2の表面に開口するように設けた放射状孔162を模式的に表している。図7(a)、(b)何れの場合も放射状孔は円周方向に120度の間隔で3個ずつ設けられている。そして、図7(a)および(b)を比較すれば分るように、第1の低圧タービンのロータ4R1の表面に開口した放射状孔161の口径(大きさ)よりも、第2の低圧タービンのロータ4R2の表面に開口した放射状孔162口径(大きさ)の方を大きくしている。
一方、図8では(a)で第1の低圧タービンのロータ4R1の表面に開口するように設けた放射状孔161を模式的に表し、(b)で第2の低圧タービンのロータ4R2の表面に開口するように設けた放射状孔162を模式的に表しているが、図8(a)に示す放射状孔161は3個でかつ、口径を小さくしてあるが、図8(b)に示す放射状孔162は4個でかつ、口径を大きくてある。
このように、高圧タービン2に2台の低圧タービン41、42を串形に配列して連結した蒸気タービンシステムにおいて、低圧タービン41、42の各ロータ41、42に設けた放射状孔161、162の口径(大きさ)や個数を異ならせることにより、第1の低圧タービンのロータ4R1の軸封部71、72への蒸気供給量と、第2の低圧タービンのロータ4R2の軸封部73、74への蒸気供給量とを調整することができる。
一般的には、シール蒸気流の上流側である高圧タービンに隣接する低圧タービン4R1側の方が、シール蒸気流の下流側である他の低圧タービンのロータ4R2側よりも、放射状孔16の大きさを小さくするか、放射状孔16の個数を少なくして、低圧タービンのロータ4R1および4R2における軸封部のシール効果が同等になるように調整している。
(作用)
高圧タービン2の軸封部6から抽出されたシール蒸気は、同軸封部6のシール蒸気室10に開口している放射状孔9から中心孔8に入り、この中心孔8および低圧タービンのロータ4R1の中心孔151を通って、一部のシール蒸気は第1の低圧タービンのロータ4R1に設けてある放射孔161から低圧タービンの軸封部71のシール蒸気室に供給されるため、外気が第1低圧タービン41のケーシング4C1内に侵入するのを防いだあと、復水器51へ排気される。軸封部71で放射孔161に分岐しなかった残りのシール蒸気は、さらに第2低圧タービン42の中心孔152を通り、第2の低圧タービンのロータ4R2の放射状孔162から軸封部72のシール蒸気室に供給されて外気が第2低圧タービン42内に侵入するのを防いだあと、復水器52へ排気される。
高圧タービン2の軸封部6から抽出されたシール蒸気は、同軸封部6のシール蒸気室10に開口している放射状孔9から中心孔8に入り、この中心孔8および低圧タービンのロータ4R1の中心孔151を通って、一部のシール蒸気は第1の低圧タービンのロータ4R1に設けてある放射孔161から低圧タービンの軸封部71のシール蒸気室に供給されるため、外気が第1低圧タービン41のケーシング4C1内に侵入するのを防いだあと、復水器51へ排気される。軸封部71で放射孔161に分岐しなかった残りのシール蒸気は、さらに第2低圧タービン42の中心孔152を通り、第2の低圧タービンのロータ4R2の放射状孔162から軸封部72のシール蒸気室に供給されて外気が第2低圧タービン42内に侵入するのを防いだあと、復水器52へ排気される。
この場合、上流側である第1の低圧タービンのロータ4R1の放射状孔の口径あるいは個数を、下流側である第2の低圧タービンのロータ4R2の放射状孔の口径あるいは個数よりも小さくすることにより、第1の低圧タービンの軸封部71および第2の低圧タービンの軸封部72に適正量のシール蒸気を供給することができる。
(効果)
以上述べたように、本実施形態2によれば低圧タービンが複数台串形に配列されて連結された場合でも、実施形態1の作用効果を奏することに加えて、それぞれの低圧タービン41、42の軸封部71、72、73、74にシール蒸気を適正量供給することができる。
以上述べたように、本実施形態2によれば低圧タービンが複数台串形に配列されて連結された場合でも、実施形態1の作用効果を奏することに加えて、それぞれの低圧タービン41、42の軸封部71、72、73、74にシール蒸気を適正量供給することができる。
[変形例]
(i) 以上説明した実施形態では、高圧タービン2と1台の低圧タービン4とを連結部14によって串形に配列・連結し、高圧タービンのロータ2Rと低圧タービンのロータ4Rがケーシング2C、4Cをそれぞれ貫通する部分に軸封部6、7を設け、高圧タービン2側の軸封部6から漏洩した蒸気を低圧タービン4側の軸封部7に供給するようにしたが、本発明は串形に配列・連結した蒸気タービンに限定されるものではなく、1台の蒸気タービンに高圧軸封部と低圧軸封部を備えた蒸気タービンとか、特許文献2に記載のコンバインドサイクル等に用いられる蒸気タービンのように、高圧主蒸気および低圧主蒸気を供給され、一方の軸端部に高圧軸封部を設け、他方の軸端部に低圧軸封部を設けるように構成された蒸気タービンにも適用できる。
(i) 以上説明した実施形態では、高圧タービン2と1台の低圧タービン4とを連結部14によって串形に配列・連結し、高圧タービンのロータ2Rと低圧タービンのロータ4Rがケーシング2C、4Cをそれぞれ貫通する部分に軸封部6、7を設け、高圧タービン2側の軸封部6から漏洩した蒸気を低圧タービン4側の軸封部7に供給するようにしたが、本発明は串形に配列・連結した蒸気タービンに限定されるものではなく、1台の蒸気タービンに高圧軸封部と低圧軸封部を備えた蒸気タービンとか、特許文献2に記載のコンバインドサイクル等に用いられる蒸気タービンのように、高圧主蒸気および低圧主蒸気を供給され、一方の軸端部に高圧軸封部を設け、他方の軸端部に低圧軸封部を設けるように構成された蒸気タービンにも適用できる。
この場合、高圧側軸封部から抽出された蒸気は、図1のようにタービンケーシングの外部に露出した連結部14を介することなく、高圧軸封部に設けた放射状孔からロータ中心部の中心孔を通って低圧軸封部に至り、この低圧軸封部で放射状孔からシール蒸気室に供給されることになる。
(ii) さらに、以上説明した実施形態では、非連結部側のロータ端部の中心孔を閉塞する閉塞部材として、円板状の閉塞板を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、円板状の閉塞板に替えて、閉塞栓を設けるようにしてもよい。
[各実施形態に共通する効果]
以上述べた実施形態や変形例によれば、高圧タービンの軸封部からのシール蒸気を、蒸気抽出配管や蒸気配管(導管)を設けることなく、低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給することが可能となり、配管物量が低減し、それによるタービンケーシング廻りの省スペース化を図ることができる。また、運転員や作業員達がタービン機器へ近寄る際の障害を排除することもできる。
以上述べた実施形態や変形例によれば、高圧タービンの軸封部からのシール蒸気を、蒸気抽出配管や蒸気配管(導管)を設けることなく、低圧タービンの軸封部にシール蒸気として供給することが可能となり、配管物量が低減し、それによるタービンケーシング廻りの省スペース化を図ることができる。また、運転員や作業員達がタービン機器へ近寄る際の障害を排除することもできる。
以上、本発明の幾つかの実施形態や変形例を説明したが、これらの実施形態は単に例示したものであって、発明の範囲を限定することは意図していない。そして、これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…主蒸気供給管、2…高圧タービン、2R…高圧タービンのロータ、2F1,2F2…高圧タービンのロータフランジ、2C…高圧タービンケーシング、3…クロスオーバー管、4…低圧タービン、4R…低圧タービンのロータ、4F1,4F2…低圧タービンのロータフランジ、4C…低圧タービンケーシング、5,51,52…復水器、61,62…高圧タービンの軸封部、71,72…低圧タービンの軸封部、8…中心孔、9…放射状孔、10…高圧軸封部のシール蒸気室、11…閉塞板、12…弾性体、13…ボルト等の締結具、14…連結部、15,151,152…中心孔、16,161,162…放射状孔、17…低圧軸封部のシール蒸気室、18…弾性体、19…閉塞板、20…ボルト等の締結具、21…弾性体、22…ボルト等の締結具、23,24…連通孔。
Claims (6)
- 蒸気圧の異なる複数の蒸気タービンを直列に配置するとともに、各蒸気タービンのロータがケーシングを貫通する部分にシール蒸気で軸封する軸封部を設け、前記複数の蒸気タービンのうち蒸気圧の高い蒸気タービンの軸封部で抽出されたシール蒸気を蒸気圧の低い蒸気タービンの軸封部にシール蒸気として供給するように構成された蒸気タービンシステムにおいて、
前記各蒸気タービンのロータは、中心部に軸線方向に延びる中心孔と、前記中心孔に連通するとともに前記軸封部に設けられたシール蒸気室に開口する放射状孔とをそれぞれ設けるように構成され、前記蒸気圧の高い蒸気タービンの軸封部で抽出されたシール蒸気を、当該蒸気圧の高い蒸気タービンのロータに設けられた前記放射状孔から前記中心孔内に導き、さらに前記中心孔に連通する前記蒸気圧の低い蒸気タービンのロータに設けられた中心孔を経由して当該蒸気圧の低い蒸気タービンのロータに設けた前記放射状孔から当該蒸気圧の低い蒸気タービンの軸封部のシール蒸気室へ導くように構成したことを特徴とする蒸気タービンシステム。 - 蒸気タービンのロータが高圧側ケーシングを貫通する部分および低圧側ケーシングを貫通する部分にシール蒸気でそれぞれ軸封する高圧側軸封部および低圧側軸封部を設け、前記高圧側軸封部で抽出されたシール蒸気を前記低圧側軸封部にシール蒸気として供給するように構成された蒸気タービンシステムにおいて、
前記蒸気タービンのロータは、中心部に軸線方向に延びる中心孔と、前記中心孔に連通するとともに前記高圧側軸封部および前記低圧側軸封部のシール蒸気室に開口する放射状孔とを設けるように構成され、前記高圧側軸封部で抽出されたシール蒸気を、当該高圧側軸封部のシール蒸気室に開口する放射状孔から前記中心孔内に導き、さらにこの中心孔から低圧側軸封部に位置する放射状孔を経由して当該低圧側軸封部のシール蒸気室へ導くように構成したことを特徴とする蒸気タービンシステム。 - 前記蒸気タービンのロータに設けられた前記中心孔は、両端部を閉塞部材により気密状態に閉塞されることを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービンシステム。
- 前記蒸気タービンのロータに設けられた前記放射状孔は、同じ大きさでかつ、ロータの円周方向に等間隔に設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の蒸気タービンシステム。
- 前記中心孔を連通させ、蒸気圧の低い各蒸気タービンのうち、前記蒸気圧の高い蒸気タービンに連結される低圧蒸気タービンのロータに設けた放射状孔の口径を、当該蒸気圧の低い各蒸気タービンに連結される他の蒸気タービンに設けた放射状孔の口径とは異なる大きさにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の蒸気タービンシステム。
- 前記蒸気圧の低い蒸気タービンを複数台串形に配列して各ロータの前記中心孔を連通させ、蒸気圧の低い各蒸気タービンのうち、前記蒸気圧の高い蒸気タービンに連結される低圧蒸気タービンのロータに設けた放射状孔の個数を、当該蒸気圧の低い各蒸気タービンに連結される他の蒸気タービンに設けた放射状孔の個数とは異なるようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の蒸気タービンシステム。
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2014
- 2014-02-25 JP JP2014034296A patent/JP2015158190A/ja active Pending
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