JP2015157573A - 電動パーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルの伸びを考慮して摩擦材(ブレーキシュー)の磨耗量を正確に判断できるようにすること。
【解決手段】パーキングブレーキ2を作動させるべくケーブル3を牽引、弛緩した場合にケーブル3の移動量を測定するケーブル移動量測定部31を設ける。作動毎に検出されるケーブル3の移動量と、予め設定している基準移動量である解除の場合の移動量と比較して算出したケーブル3の伸び値を記憶部13にて記憶させると共に、作動毎の伸び値を累積する。作動させた状態で運転者が離席した場合、且つ作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達した場合に、ケーブル3の累積伸び値をケーブル3の移動量を測定する際の基準位置として設定する。
【選択図】図1
【解決手段】パーキングブレーキ2を作動させるべくケーブル3を牽引、弛緩した場合にケーブル3の移動量を測定するケーブル移動量測定部31を設ける。作動毎に検出されるケーブル3の移動量と、予め設定している基準移動量である解除の場合の移動量と比較して算出したケーブル3の伸び値を記憶部13にて記憶させると共に、作動毎の伸び値を累積する。作動させた状態で運転者が離席した場合、且つ作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達した場合に、ケーブル3の累積伸び値をケーブル3の移動量を測定する際の基準位置として設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の車両に備えられている電動パーキングブレーキ装置に関するものである。
従来より、パーキングブレーキの作動、解除のために電動でケーブルの操作により行なうアクチュエータを備える電動パーキングブレーキ装置が提供されている。例えば、下記に示す特許文献1が挙げられる。
上記特許文献1では、ブレーキ点検またはシューギャップ調整を促すためにパーキングブレーキのシュー磨耗量を計算し、磨耗量が大きくなったところで警告を発するようにしている。
磨耗量の計算は、前回作動によるケーブル伸び量と今回作動によるケーブル伸び量との偏差が所定値以上となった位置をケーブルのストローク量の基準位置として記憶して、記憶した基準位置からの累積移動量が磨耗限界値に達したところで警告を発するようにしている。
磨耗量の計算は、前回作動によるケーブル伸び量と今回作動によるケーブル伸び量との偏差が所定値以上となった位置をケーブルのストローク量の基準位置として記憶して、記憶した基準位置からの累積移動量が磨耗限界値に達したところで警告を発するようにしている。
しかしながら、ケーブルが十分に伸びきったという判断を電動パーキングブレーキの作動回数のみで判断し、前回作動によるケーブル伸び量と今回作動によるケーブル伸び量との偏差となったときに積算値をリセットしていたため、短時間で連続してパーキングブレーキの解除、作動させた場合も回数としてカウントしていた。
しかし、パーキングブレーキを長時間させた場合にはケーブルがさらに伸び、短時間で連続してパーキングブレーキの解除、作動させた場合のケーブルの伸びに比べて大きく伸びを生じることがわかった。ここで、ケーブルの伸びきる前の状態で、ケーブルのストローク基準位置の設定がされると、パーキングブレーキを長時間作動させることによってケーブルが伸びた時に、ケーブルのストローク位置が基準位置から大きくずれてしまい、ブレーキシュー磨耗の判断等のストローク基準位置を用いて行なう判断を誤るおそれがあった。
しかし、パーキングブレーキを長時間させた場合にはケーブルがさらに伸び、短時間で連続してパーキングブレーキの解除、作動させた場合のケーブルの伸びに比べて大きく伸びを生じることがわかった。ここで、ケーブルの伸びきる前の状態で、ケーブルのストローク基準位置の設定がされると、パーキングブレーキを長時間作動させることによってケーブルが伸びた時に、ケーブルのストローク位置が基準位置から大きくずれてしまい、ブレーキシュー磨耗の判断等のストローク基準位置を用いて行なう判断を誤るおそれがあった。
つまり、特許文献1では、ケーブルが伸びきる前の状態でケーブルを作動させる場合の基準位置を設定していたため、作動、解除を行なっているうちにケーブル自体が伸び、この伸び量がブレーキシューの磨耗量に加算されることになり、実際にブレーキシューがあまり磨耗していないにも関わらず、ブレーキシューが磨耗したと判断されるおそれがあった。
本発明は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、パーキングブレーキの長時間作動に起因するケーブルの伸びを考慮したケーブルのストローク基準位置を設定することができるようにすることを目的とした電動パーキングブレーキ装置を提供するものである。
そこで、本発明では、ケーブル3を一方向に駆動することで、摩擦材を動作させて車輪に制動力を付与し、前記ケーブル3を他方向に駆動することで、前記車輪への制動力を解除する電動パーキングブレーキにおいて、
前記ケーブル3の移動量を測定するケーブル移動量測定手段31により、前記車輪に制動力を付与する作動毎に検出されるケーブル移動量と、予め設定している基準移動量と比較して算出されるケーブルの伸び値を作動毎にそれぞれ算出し記憶する算出記憶手段と、
前記算出記憶手段により作動毎に算出された前記ケーブル3の伸び値を累積していき該累積したケーブルの伸び値をケーブルの累積伸び値として保存する累積・保存手段と、
前記車輪に制動力を付与した状態で運転者が離席した場合、且つ車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達したことを判断する回数判断手段35と、
前記回数判断手段35により前記論理積回数が所定の回数に達した場合に、前記累積・保存手段にて保存している前記ケーブルの累積伸び値を、前記ケーブル移動量測定手段のケーブルの移動量を測定する際の基準位置として設定する制御手段30とを備えていることを特徴としている。
前記ケーブル3の移動量を測定するケーブル移動量測定手段31により、前記車輪に制動力を付与する作動毎に検出されるケーブル移動量と、予め設定している基準移動量と比較して算出されるケーブルの伸び値を作動毎にそれぞれ算出し記憶する算出記憶手段と、
前記算出記憶手段により作動毎に算出された前記ケーブル3の伸び値を累積していき該累積したケーブルの伸び値をケーブルの累積伸び値として保存する累積・保存手段と、
前記車輪に制動力を付与した状態で運転者が離席した場合、且つ車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達したことを判断する回数判断手段35と、
前記回数判断手段35により前記論理積回数が所定の回数に達した場合に、前記累積・保存手段にて保存している前記ケーブルの累積伸び値を、前記ケーブル移動量測定手段のケーブルの移動量を測定する際の基準位置として設定する制御手段30とを備えていることを特徴としている。
(1)本発明によれば、前記回数判断手段35により前記論理積回数が所定の回数に達した場合に、前記累積・保存手段にて保存している前記ケーブルの累積伸び値を、前記ケーブル移動量測定手段31のケーブル3の移動量を測定する際の基準位置として設定するようにしているので、パーキングブレーキの長時間作動に起因するケーブル3の伸びを考慮してケーブルのストロークの基準位置を設定することができる。そのため、ストロークの基準位置を用いて行なう摩擦材(ブレーキシュー)の磨耗量判断等の判断を正確に判断することができる。
(2)本発明によれば、前記論理積回数を30回としていることで、ケーブル3を保持している時間も考慮していることから、実験結果からは基準位置を設定する論理積回数を30回という少ない回数で基準位置を設定でき、また、短時間で基準位置を設定することができる。
(3)本発明によれば、前記ケーブル移動量測定手段31により検出されたケーブル3の移動量と、予め設定している基準移動量とを比較し、その差の値が予め設定している値より超えた場合には、前記摩擦材が磨耗していると判断する摩擦材磨耗判断手段36を備えていることで、摩擦材の磨耗量を正確に判断することができる。
(4)本発明によれば、前記摩擦材磨耗判断手段36により前記摩擦材が磨耗していると判断された場合には、報知部24により報知するようにしているので、運転者は摩擦材が磨耗していると認識でき、摩擦材を交換することで、安全性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明の電動パーキングブレーキ装置1は、図1に示すように、車両の車輪を制動するパーキングブレーキ2と、ケーブル3を操作することによって前記パーキングブレーキ2を作動または解除するアクチュエータ4と、このアクチュエータ4によって操作されることで生じるケーブル3の張力を検出する荷重センサ5と、前記アクチュエータ4のストローク量を検出する回転センサ6と、アクチュエータ4を制御する制御ユニット7等で構成されている。
制御ユニット7は、マイクロコンピュータからなる制御装置10と、記憶部13と、モータ駆動部14等で構成されている。制御装置10は所定の手順に従って全体の制御を行なうものであり、記憶部13は、制御ユニット7に入力される種々のデータを一時的に記憶するRAMや、全体の制御を行なうためのプログラムを格納しているROMなどのメモリから構成されている。
モータ駆動部14は、制御装置10からの信号により、アクチュエータ4内に設けられている正逆転可能なモータ(図示せず)を駆動制御するものである。なお、制御装置10の構成については後述する。
モータ駆動部14は、制御装置10からの信号により、アクチュエータ4内に設けられている正逆転可能なモータ(図示せず)を駆動制御するものである。なお、制御装置10の構成については後述する。
制御ユニット7へは、イグニッションスイッチ21からの信号、着座センサ22からの信号、操作部23からの信号等のパーキングブレーキ2を制御するために必要な信号が入力されるようになっており、また制御ユニット7からは報知部24へ信号が出力されるようになっている。
イグニッションスイッチ21は、車両のエンジンのオン、オフを切り替えるためにオン信号、オフ信号を制御ユニット7へ送る。着座センサ22は、車両の運転席に設けられており、運転者が運転席に着座したときに、オン信号を制御ユニット7へ出力し、運転者が運転席から離れたときにオフ信号を制御ユニット7へ出力するものである。この着座センサ22は、例えば、圧力センサ等の公知の検出装置にて構成される。
操作部23は、パーキングブレーキ2の作動または解除の指示を行なうために制御ユニット7に対して作動信号、解除信号を送るものである。また、報知部24は、ブレーキシューの磨耗量が所定の値になった場合や経年劣化によりケーブル3に伸びが生じた場合等、ストロークの基準位置を用いて制御される部材に異常が生じた場合に、ランプ、ブザーなど視覚や音で運転者に知らせるために制御ユニット7にて駆動される。
操作部23は、パーキングブレーキ2の作動または解除の指示を行なうために制御ユニット7に対して作動信号、解除信号を送るものである。また、報知部24は、ブレーキシューの磨耗量が所定の値になった場合や経年劣化によりケーブル3に伸びが生じた場合等、ストロークの基準位置を用いて制御される部材に異常が生じた場合に、ランプ、ブザーなど視覚や音で運転者に知らせるために制御ユニット7にて駆動される。
パーキングブレーキ2は、主に駐停車時に車両が移動するのを防止するために車両の車輪を制動するものである。このパーキングブレーキ2は、例えば、車両の左右後輪のホイールハブ部にそれぞれ設けられるドラムインディスクタイプのものであって、フットブレーキとして用いられるディスクブレーキのロータの内側に配置されたブレーキドラム(図示せず)と、このブレーキドラムに接触することにより、制動力を発生させる摩擦材であるブレーキシュー等を備えている。ケーブル3は、車輪に設けられたブレーキシュー等の摩擦材を作動させる部材へ一端が取り付けられており、他端が後述するアクチュエータ4へ取り付けられている。
アクチュエータ4は、ケーブル3を操作することでパーキングブレーキ2の摩擦材(例えば、ブレーキシュー)を駆動させて、パーキングブレーキ2に制動力を発生させる作動状態と、実質的に制動力を発生させない解除状態との間の移行を行なうものである。
このアクチュエータ4は、詳しくは図示しないが、制御ユニット7によって制御される正転、逆転駆動可能なモータ(図示せず)と、このモータの回転数を減速させる複数段のギアからなる減速機構と、この減速機構の出力にて回転駆動されるスクリューと、このスクリューの回転により該スクリューの軸方向に往復動するナット等を備えており、スクリューとナットによりモータの回転運動を直線運動へ変換される機構が構成される。直線運動を行なうナットには、ケーブル3の他端が取り付けられている。なお、モータの回転運動を直線運動へ変換し、直線運動をケーブル3へ伝達する機構を用いるものであればよく、ナットを回転させてスクリューを直線運動させてもよい。また、ナットへケーブル3の他端部を直接取り付けずに公知のイコライザ機構を介して取り付けてもよい。そして、このナットの往復運動により、ケーブル3が牽引または弛緩され、ブレーキシューがドラムに対して接触する方向へ移動又はドラムから離間する方向へ移動され、パーキングブレーキ2が制動状態又は解除状態とされる。
このアクチュエータ4は、詳しくは図示しないが、制御ユニット7によって制御される正転、逆転駆動可能なモータ(図示せず)と、このモータの回転数を減速させる複数段のギアからなる減速機構と、この減速機構の出力にて回転駆動されるスクリューと、このスクリューの回転により該スクリューの軸方向に往復動するナット等を備えており、スクリューとナットによりモータの回転運動を直線運動へ変換される機構が構成される。直線運動を行なうナットには、ケーブル3の他端が取り付けられている。なお、モータの回転運動を直線運動へ変換し、直線運動をケーブル3へ伝達する機構を用いるものであればよく、ナットを回転させてスクリューを直線運動させてもよい。また、ナットへケーブル3の他端部を直接取り付けずに公知のイコライザ機構を介して取り付けてもよい。そして、このナットの往復運動により、ケーブル3が牽引または弛緩され、ブレーキシューがドラムに対して接触する方向へ移動又はドラムから離間する方向へ移動され、パーキングブレーキ2が制動状態又は解除状態とされる。
ケーブル3は、公知の外装のアウターケーシングと、該アウターケーシングの内部を摺動自在な公知の撚り線からなるインナーケーブルを備えるものである。このケーブル3は、左右のパーキングブレーキ2に対応するようにそれぞれ車両へ配索されており、アクチュエータ4によって牽引または弛緩されることにより、パーキングブレーキ2の作動または解除が行なわれる。
荷重検出手段は、ケーブル3に作用する荷重(張力)を測定するものであり、アクチュエータ4によりケーブル3へ付与された荷重を直接検出する荷重センサやモータを駆動する際に検出される電圧や電流を検出する電圧計や電流計を用いて、ケーブル3へ付与される荷重を間接的に検出してもよい。本実施形態では、荷重センサ5によりケーブル3へ作用される荷重を検出している。この荷重センサ5で得られたケーブル3の荷重測定値は、制御ユニット7へ送られ、制御ユニット7は、この測定値が所定の目標荷重値に到達するようにアクチュエータ4の駆動を制御する。なお、所定の目標荷重値は、パーキングブレーキ2を作動させた際に、車両の制動状態を維持できる荷重値とされていればよい。
荷重センサ5は詳しくは図示しないが、例えば、主な構成部材として、シャフトと、主バネと、副バネと、マグネットと、ホールIC等を備えており、ケーブル3の作動または解除に伴って前記シャフトが軸方向に往復動するようにケーブル3へ取り付けられている。
荷重センサ5は詳しくは図示しないが、例えば、主な構成部材として、シャフトと、主バネと、副バネと、マグネットと、ホールIC等を備えており、ケーブル3の作動または解除に伴って前記シャフトが軸方向に往復動するようにケーブル3へ取り付けられている。
このシャフトの往復動と共に、マグネットが往復動するようになっている。そして、このマグネットの往復動により該マグネットに対応して配置されているホールICが、ケーブル3の荷重に相当する主バネと副バネとの圧縮、伸長変形量に応じた電位をケーブル3に作用する荷重の測定値として制御ユニット7へ出力するようになっている。
回転センサ6は、アクチュエータ4を駆動させた際のモータの回転数を計数することにより、アクチュエータ4の直線運動を行なう部材(ナット)の軸方向への移動量であるストローク量つまり、ケーブル3の作動または解除における該ケーブル3の軸方向の移動量を計測するために用いられるセンサである。
詳しくは図示しないが、例えば、磁気パターンを形成した回転ディスクまたはドラムによって、回転の位置情報を周期的な磁界の変化としてとらえる磁気式のロータリーエンコーダを用いることができる。そして、回転センサ6により検出されたモータの回転数に関する信号(例えば、パルス信号)を制御ユニット7へ送信する。
詳しくは図示しないが、例えば、磁気パターンを形成した回転ディスクまたはドラムによって、回転の位置情報を周期的な磁界の変化としてとらえる磁気式のロータリーエンコーダを用いることができる。そして、回転センサ6により検出されたモータの回転数に関する信号(例えば、パルス信号)を制御ユニット7へ送信する。
操作部23は、パーキングブレーキ2の作動または解除の指令を制御ユニット7に対して行なうためのものであって、例えば、車両のインストルメントパネルやコンソールボックス等に設けられたスイッチとして設けられている。この操作部23から制御ユニット7に対して作動信号が送られると、制御ユニット7は、アクチュエータ4のモータを正転駆動させてケーブル3を牽引することにより、ブレーキシューをドラムへ接触する方向へ移動させてパーキングブレーキ2を作動させる。
また、ケーブル3が牽引されると、荷重センサ5からケーブル3に作用する荷重の測定値が制御ユニット7へ送られ、同時に回転センサ6からモータの回転情報、すなわち、ケーブル3の移動量のデータが制御ユニット7へ送られる。
そして、ケーブル3に作用する荷重の測定値が目標荷重値に到達すると、制御ユニット7は、一定の制動力が確保されたと判断して、アクチュエータ4のモータを停止させる。これにより、パーキングブレーキ2が作動した状態、すなわち、パーキングブレーキが掛かった状態となる。
そして、ケーブル3に作用する荷重の測定値が目標荷重値に到達すると、制御ユニット7は、一定の制動力が確保されたと判断して、アクチュエータ4のモータを停止させる。これにより、パーキングブレーキ2が作動した状態、すなわち、パーキングブレーキが掛かった状態となる。
また、パーキングブレーキ2の作動状態から、操作部23から解除信号が制御ユニット7へ送られた場合には、制御ユニット7は、パーキングブレーキ2の解除を行なうようにアクチュエータ4のモータを逆転駆動させ、予め設定された所定ストローク分だけケーブル3を弛緩方向へ移動させてケーブル3を弛緩させることによって、ブレーキシューをドラムから離間させる方向へ移動させる。これにより、パーキングブレーキ2は解除状態となる。
次に、制御ユニット7内の制御装置10について説明する。この制御装置10は、全体の制御を行なう制御部30と、ケーブル移動量測定部31と、ケーブル伸び値算出部32と、ケーブル伸び値累積部33と、論理積回数判断部35と、摩擦材磨耗判断部36等で構成されている。
ケーブル移動量測定手段としてのケーブル移動量測定部31は、パーキングブレーキ2を解除状態又は作動状態とする際に、ストロークの基準位置からのケーブル3の軸方向への移動量(ストローク量)を検出するものであり、上述のように回転センサ6からのパルス信号によりアクチュエータ4によって移動されたケーブル3の移動量を測定している。また、ケーブル伸び値算出部32は、ケーブル3の前回のパーキングブレーキ2の解除状態から作動状態までの移動量、又は作動状態から解除状態迄の移動量と、今回の解除状態から作動状態迄の移動量、又は作動状態から解除状態迄の移動量とを比較しその差を伸び値として算出する。初期状態においては、例えば工場出荷時でのケーブル3の作動毎の伸び値を算出し、その算出した伸び値は制御部30により記憶部13にて保存される。
ケーブル伸び値累積部33は、ケーブル3の作動毎に伸びるケーブル3の伸び値をケーブル伸び値算出部32から取得して累積し、その累積した伸び値のデータは制御部30により記憶部13に保存される。そして、累積した伸び値のデータは記憶部13に更新されていって保存される。
ケーブル伸び値累積部33は、ケーブル3の作動毎に伸びるケーブル3の伸び値をケーブル伸び値算出部32から取得して累積し、その累積した伸び値のデータは制御部30により記憶部13に保存される。そして、累積した伸び値のデータは記憶部13に更新されていって保存される。
回数判断手段である論理積回数判断部35は、車輪に制動力を付与した状態で運転者が離席した場合、且つパーキングブレーキ2が作動して車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数をカウントしていき、その論理積回数が予め設定した回数に達したかどうかを判断するものである。論理積回数が予め設定した回数に達した場合にケーブル3はほぼ伸びきったと判断する。
また、摩擦材判断手段である摩擦材磨耗判断部36は、ケーブル移動量測定部31により検出されたケーブル3の移動量と、予め設定している基準移動量とを比較し、その差の値が予め設定しているのと同じになった場合、あるいは該値を超えた場合に、摩擦材つまりブレーキシューが磨耗していると判断するものである。
図2は、パーキングブレーキ2を作動させた回数とケーブル(ケーブル3)の累積伸び量を示すグラフを示しており、横軸がパーキングブレーキ2の作動回数であり、縦軸がケーブル3の累積伸び量となっている。基本的には作動回数に応じてケーブルの累積伸び量は多くなっている。なお、図2は発明者による実験結果を示すグラフである。点x1、点x2については、パーキングブレーキ2を長時間(12時間)作動させた際の結果を表し、それ以外の点については、短時間(例えば、2秒)作動させ、その後すぐにパーキングブレーキ2を解除させた場合の測定結果である。
パーキングブレーキ2を作動させた状態でそのまま長時間放置させると、ケーブルの伸び量は、短時間作動させた場合よりも多くなっている。
パーキングブレーキ2を作動させた状態でそのまま長時間放置させると、ケーブルの伸び量は、短時間作動させた場合よりも多くなっている。
パーキングブレーキ2の作動回数に比例してケーブルの伸び量は飽和していき、作動状態の放置の時間や、ある程度の作動回数になると、ケーブルはほとんど伸びなくなり、かかる状態となった時にケーブル移動量測定部(ケーブル移動測定手段)31のケーブル3の移動量を測定する際のストロークの基準位置として設定するようにしている。
図3は、パーキングブレーキ2の作動回数とケーブル3の伸び量の関係を分かりやすく図示したものである。パーキングブレーキ2を作動させる場合は運転者が図1に示す操作部23を操作して作動信号を制御ユニット7の制御装置10へ送る。
制御装置10の制御部30は、この作動信号を受けてモータ駆動部14を制御し、アクチュエータ4のモータを正転駆動しケーブル3を牽引する。また、制御部30は、荷重センサ5からの信号を受けて、予め記憶部13にて格納している目標荷重値に達した場合、あるいは値を超えた場合にアクチュエータ4の駆動を停止させる。これによりパーキングブレーキ2は、ブレーキが掛かった状態となる。
制御装置10の制御部30は、この作動信号を受けてモータ駆動部14を制御し、アクチュエータ4のモータを正転駆動しケーブル3を牽引する。また、制御部30は、荷重センサ5からの信号を受けて、予め記憶部13にて格納している目標荷重値に達した場合、あるいは値を超えた場合にアクチュエータ4の駆動を停止させる。これによりパーキングブレーキ2は、ブレーキが掛かった状態となる。
また、パーキングブレーキ2を解除する場合は、操作部23からの解除信号を受けた制御部30は、モータ駆動部14を駆動してアクチュエータ4のモータを逆転駆動し、ケーブル3を弛緩させ、ケーブル3の移動量が基準移動量となるまで、ケーブル3を緩めていく。ここで、パーキングブレーキ2をケーブル3を完全に解除する場合のケーブル3の移動量である所定ストローク量(基準移動量)は、摩擦材(ブレーキシュー)による摩擦力がドラムへ付与されていない状態となる位置までは摩擦材を移動させることができる量であればよく、例えば、100mmとする。
図3において、最初の作動1で、荷重センサ5からの信号が所定の荷重値になるまでケーブル3を牽引した場合の初期位置からのケーブル3の移動量が105mmであったとする。
このパーキングブレーキ2の作動状態から解除を行なう場合のケーブル3の移動量であるストローク量は基準移動量とされるため、本実施形態においては100mmである。そのため、最初の作動1を行なった場合におけるケーブル3の伸び量(伸び値)は、5mmとなる。
このパーキングブレーキ2の作動状態から解除を行なう場合のケーブル3の移動量であるストローク量は基準移動量とされるため、本実施形態においては100mmである。そのため、最初の作動1を行なった場合におけるケーブル3の伸び量(伸び値)は、5mmとなる。
次に、2回目の作動2を上記と同様に行なうと、ケーブル3の移動量は、例えば、105mmであったとする。そして、解除ではケーブル3は100mm移動するので、作動2でのケーブル3の伸び値は5mmとなる。
同様に、作動3では、ケーブル3の伸び値は3mmであり、作動4では、ケーブル3の伸び値は2mmとなる。また、作動5では、ケーブル3の伸び値は1mmである。
同様に、作動3では、ケーブル3の伸び値は3mmであり、作動4では、ケーブル3の伸び値は2mmとなる。また、作動5では、ケーブル3の伸び値は1mmである。
パーキングブレーキ2の作動回数を増やしていき、N回目の作動Nでは、ケーブル3はほとんど伸びなくなり、作動状態と、解除状態でのケーブル3の伸び値は、ほぼ0mmとなっている。
そして、最初の作動1から、5回目の作動5までにおけるケーブル3の累積の伸び値は16mmとなる。ケーブル3の伸びが無くなったと判断された時に、パーキングブレーキ2の解除が完了した際のケーブル3のストローク位置又は、パーキングブレーキ2の作動が完了した際のケーブル3のストローク位置をストロークの基準位置と設定し、この基準位置を用いた制御、例えば、ブレーキシューの磨耗量を測定する際におけるケーブル3の移動量を測定する際の基準位置とするものである。本実施形態においては、図3に示すようにパーキングブレーキ2の解除が完了した際のケーブル3のストローク位置を基準位置として設定を行なう。これにより、パーキングブレーキ2の解除時のケーブル移動量測定データを用いて制御を行なうことができるので、荷重で制御を行なうパーキングブレーキ2の作動時においては、移動量測定を行なわなくても良くなるため、制御が容易となる。
そして、最初の作動1から、5回目の作動5までにおけるケーブル3の累積の伸び値は16mmとなる。ケーブル3の伸びが無くなったと判断された時に、パーキングブレーキ2の解除が完了した際のケーブル3のストローク位置又は、パーキングブレーキ2の作動が完了した際のケーブル3のストローク位置をストロークの基準位置と設定し、この基準位置を用いた制御、例えば、ブレーキシューの磨耗量を測定する際におけるケーブル3の移動量を測定する際の基準位置とするものである。本実施形態においては、図3に示すようにパーキングブレーキ2の解除が完了した際のケーブル3のストローク位置を基準位置として設定を行なう。これにより、パーキングブレーキ2の解除時のケーブル移動量測定データを用いて制御を行なうことができるので、荷重で制御を行なうパーキングブレーキ2の作動時においては、移動量測定を行なわなくても良くなるため、制御が容易となる。
なお、図3では、理解し易いように5回の作動でケーブル3の伸びが無くなるようにしているが、実際には例えば、約30回作動させた後、ケーブル3の移動量を測定する際の基準位置としている。
ここで、本実施形態では、上記基準位置を設定する場合、単に作動回数だけをカウントして設定しているのではなく、車輪に制動力を付与した状態で運転者が運転席から離れた状態と、車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数(本実施形態では、30回)に達した場合に、ケーブル3の基準位置を設定している。
つまり、パーキングブレーキ2を作動させた状態で、運転者が運転席から離席したことを検知することで、パーキングブレーキ2の作動が短時間で解除されるものではなく、運転者が車から離れ、長時間パーキングブレーキ2を作動させる状態であるとみなすことが可能となる。そのため、パーキングブレーキ2が作動状態で、且つ、離席状態である状況が所定回数繰り返されることで、パーキングブレーキ2の長時間作動によるケーブル3の伸びを考慮した基準位置設定が可能となる。特に、パーキングブレーキ2の作動時間の計測が困難な場合、例えば、イグニッションスイッチをOFFとして、車両のECUがスリープ状態となった際に、ECUのスリープ前にパーキングブレーキ2の作動情報と運転者の離席情報を検知することで、パーキングブレーキ2の作動が長時間の作動であるとみなすことができるため、容易にケーブル3の基準位置を設定することができる。
つまり、パーキングブレーキ2を作動させた状態で、運転者が運転席から離席したことを検知することで、パーキングブレーキ2の作動が短時間で解除されるものではなく、運転者が車から離れ、長時間パーキングブレーキ2を作動させる状態であるとみなすことが可能となる。そのため、パーキングブレーキ2が作動状態で、且つ、離席状態である状況が所定回数繰り返されることで、パーキングブレーキ2の長時間作動によるケーブル3の伸びを考慮した基準位置設定が可能となる。特に、パーキングブレーキ2の作動時間の計測が困難な場合、例えば、イグニッションスイッチをOFFとして、車両のECUがスリープ状態となった際に、ECUのスリープ前にパーキングブレーキ2の作動情報と運転者の離席情報を検知することで、パーキングブレーキ2の作動が長時間の作動であるとみなすことができるため、容易にケーブル3の基準位置を設定することができる。
次に、図4に示すフローチャートにより本実施形態の基準位置を設定する場合の制御動作について説明する。先ず、所謂エンジンをかけると、図1に示すイグニッションスイッチ21からの信号を受けた制御部30は、エンジンの始動を認識する。運転者が運転席に座ると、着座センサ22の(図4のステップS1参照)信号が制御部30へ送られ、制御部30は運転者が運転席に着座していることを認識する。
次に、ステップS2に示すように、運転者が操作部23を操作してパーキングブレーキ2を作動させると、制御部30はケーブル3を作動させると認識してステップS2からステップS3へ移行して上述のように制御部30はアクチュエータ4を制御してケーブル3を所定荷重値となるまで作動(牽引)させる。
次に、ステップS2に示すように、運転者が操作部23を操作してパーキングブレーキ2を作動させると、制御部30はケーブル3を作動させると認識してステップS2からステップS3へ移行して上述のように制御部30はアクチュエータ4を制御してケーブル3を所定荷重値となるまで作動(牽引)させる。
ステップS3からステップS4移行して作動が完了すると、ステップS5に示すように、制御部30はケーブル移動量測定部31を制御してパーキングブレーキ2の作動開始時のケーブル位置からパーキングブレーキ2の作動完了時のケーブル位置迄のケーブル3の移動量を測定し、その移動量のデータを記憶部13に保存する。
次に、ケーブル3を作動させた後に、運転者が運転席から離席するかを判断するために、ステップS6に示すように、着座センサ22からの信号を待ち、着座センサ22からオフ信号(離席した際の信号)があった場合、制御部30は運転者が離席したと判断する。
次に、ケーブル3を作動させた後に、運転者が運転席から離席するかを判断するために、ステップS6に示すように、着座センサ22からの信号を待ち、着座センサ22からオフ信号(離席した際の信号)があった場合、制御部30は運転者が離席したと判断する。
そして、ステップS7からステップS8に移行し、制御部30は、論理積回数判断部35を制御して、離席かつケーブル3が作動したときの論理積回数をカウントし、そのカウントした結果が予め設定した論理積回数に達したかを判断する。この論理積回数を本実施形態では、例えば、30回としている。
この論理積回数が30回に達していない場合は、ステップS8からステップS9に移行する。ステップS9では、運転者が再び乗車して着座センサ22からの信号がオンになるか待機し、着座センサ22からの信号がオンとなり、ステップS10に示すように、パーキングブレーキ2を解除させる信号があると、制御部30はモータ駆動部14を制御してケーブル3を基準移動量となるまで移動させ、パーキングブレーキ2の解除を行なう(ステップS11参照)。
この論理積回数が30回に達していない場合は、ステップS8からステップS9に移行する。ステップS9では、運転者が再び乗車して着座センサ22からの信号がオンになるか待機し、着座センサ22からの信号がオンとなり、ステップS10に示すように、パーキングブレーキ2を解除させる信号があると、制御部30はモータ駆動部14を制御してケーブル3を基準移動量となるまで移動させ、パーキングブレーキ2の解除を行なう(ステップS11参照)。
ステップS12に示すように、パーキングブレーキ2の解除が完了すると、ステップS13に移行し、制御部30は、ケーブル伸び値算出部32を制御して、ケーブル3の伸び値を算出し、記憶部13にその伸び値を保存する。ここで、ケーブル伸び値算出部32と記憶部13とで、ケーブル3の伸び値を作動毎にそれぞれ算出し記憶する算出記憶手段を構成している。
なお、ケーブル伸び値算出部32では、ケーブル移動量測定部31にて算出し保存した前回のケーブル3の移動量を記憶部13から読み出し、その読み出したデータ(移動量)からケーブル3の解除方向の移動量を差し引き、その差し引いた値をケーブル3の伸び値とし、その伸び値を記憶部13に保存する。
なお、ケーブル伸び値算出部32では、ケーブル移動量測定部31にて算出し保存した前回のケーブル3の移動量を記憶部13から読み出し、その読み出したデータ(移動量)からケーブル3の解除方向の移動量を差し引き、その差し引いた値をケーブル3の伸び値とし、その伸び値を記憶部13に保存する。
そして、ステップS13からステップS2に戻り、ステップS8において、運転者が離席し、かつパーキングブレーキ2を作動させた状態であるという条件が成立した回数、つまり離席かつ作動の論理積回数をカウントし、予め設定した論理積回数に達するまでステップS2からステップS13へとルーチンを繰り返す。
このルーチンの繰り返しにおいて、ステップS13では、パーキングブレーキ2の作動、解除後のケーブル3の伸び値を算出し、その結果の伸び値を累積していく。つまり、制御部30はケーブル伸び値算出部32で算出した伸び値をケーブル伸び値累積部33にて累積していき、この累積した伸び値を記憶部13に保存していく。
このルーチンの繰り返しにおいて、ステップS13では、パーキングブレーキ2の作動、解除後のケーブル3の伸び値を算出し、その結果の伸び値を累積していく。つまり、制御部30はケーブル伸び値算出部32で算出した伸び値をケーブル伸び値累積部33にて累積していき、この累積した伸び値を記憶部13に保存していく。
ケーブル伸び値累積部33と記憶部13とで、ケーブル3の伸び値を累積していき該累積したケーブル3の伸び値をケーブル3の累積伸び値として保存する累積・保存手段を構成している。
ここで、ステップS8において、離席かつ作動の論理積回数をカウントし、予め設定した論理積回数に達した場合は、ステップS14に移行し、記憶部13にて記憶している累積した伸び値を、アクチュエータ4の直線運動を行なう部材(ナット)のストロークの基準位置、すなわちケーブル3のストロークの基準位置と設定する。この基準位置は、たとえば、摩擦材としてのブレーキシューの磨耗判断の基準となる基準位置と設定される。
すなわち、図5に示すように、ケーブル3に荷重をかけ、作動、解除を所定回数繰り返すことで、ケーブル3が伸びきったと判断し、ケーブル3に荷重をかける前の初期位置から、伸びきった状態で作動、解除を行なう場合の基準位置を設定するものである。ここでの、初期位置とは、基準位置を設定するための制御開始時において、アクチュエータの作動開始時における直動部材(ナット)の位置であって、例えば、車両にケーブルを配索し、アクチュエータを初めて作動させるときの直動部材の移動開始位置とすることができる。
すなわち、図5に示すように、ケーブル3に荷重をかけ、作動、解除を所定回数繰り返すことで、ケーブル3が伸びきったと判断し、ケーブル3に荷重をかける前の初期位置から、伸びきった状態で作動、解除を行なう場合の基準位置を設定するものである。ここでの、初期位置とは、基準位置を設定するための制御開始時において、アクチュエータの作動開始時における直動部材(ナット)の位置であって、例えば、車両にケーブルを配索し、アクチュエータを初めて作動させるときの直動部材の移動開始位置とすることができる。
図5に示す基準位置を例えば、ブレーキシューの磨耗判断の基準とするものであり、この基準位置からケーブル3が予め設定した移動量に達するか、あるいは移動量を超えた場合に、ブレーキシューが磨耗したと判断するものである。
このように本実施形態では、論理積回数判断部35により車輪に制動力を付与した状態で運転者が離席した場合、且つ車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達した場合に、ケーブル3の累積伸び値を、ケーブル移動量測定部31によりケーブル3の移動量を測定する際の基準位置として設定するようにしているので、パーキングブレーキ2を長時間作動させることにより生じるケーブル3の伸びを考慮してストロークの基準位置を設定することができる。そのため、ストロークの基準位置を用いて行なう摩擦材(ブレーキシュー)の磨耗量判断等の判断を正確に判断することができる。
また、前記論理積回数を30回としていることで、ケーブル3を保持している時間も考慮していることから、実験結果からは基準位置を設定する論理積回数を30回という少ない回数で基準位置を設定でき、また、短時間で基準位置を設定することができる。
なお、パーキングブレーキ2を作動させた状態で、運転者が離席した場合、通常はイグニッションスイッチ21をオフにするものであり、このイグニッションスイッチ21がオフの場合では、パーキングブレーキ2は解除できないため、解除から作動を連続して行なうことはできない。
また、着座センサ22からの信号により運転者が離席したことを判断して上述の制御を行なっていたが、運転者が離席することにより、パーキングブレーキ2が長時間作動されるとみなすことができるものであれば良く、イグニッションスイッチ21からの信号がオフとなった状態で、着座センサ22の信号がオフとなった状態を離席したと判断してもよい。この場合、上述のようにイグニッションスイッチ21がオフとなる状況では、運転者が車両から離れると考えられるためパーキングブレーキ2を長時間作動させるとみなすことができる。また、車両のドアの開閉の有無を検知するドアスイッチからの信号や、ドアの施開錠を検知するキースイッチを用いるようにしても良い。ドアを施錠した場合は、通常は、運転者は車両から離れると考えられるため、パーキングブレーキ2を長時間作動させるとみなすことができる。
図6は、ブレーキシューの磨耗量を判断する場合のフローチャートを示しており、通常のパーキングブレーキ2の作動、解除の制御でブレーキシューの磨耗量の判断を行なっている。
ステップS21で、パーキングブレーキ2の作動信号が操作部23から制御部30へ送られ、制御部30はモータ駆動部14を制御してアクチュエータ4を駆動し、ケーブル3を牽引してパーキングブレーキ2を作動する。
ステップS21で、パーキングブレーキ2の作動信号が操作部23から制御部30へ送られ、制御部30はモータ駆動部14を制御してアクチュエータ4を駆動し、ケーブル3を牽引してパーキングブレーキ2を作動する。
パーキングブレーキ2の作動を行なう場合、ステップS22に示すように、ケーブル3の移動量をケーブル移動量測定部31にて測定する。なお、図6ではケーブル3を牽引した場合におけるブレーキシューの磨耗量を判断する制御内容なので、パーキングブレーキ2の解除の場合の制御内容は図示省略している。
ここで、パーキングブレーキ2を作動させるべくケーブル3の荷重が図7に示すように、左端が図3の基準位置に対応したストロークの基準位置である。本実施形態においては、この基準位置は、ストローク位置が0(ゼロ)であるとして制御を行なう。この基準位置から予め設定している目標荷重値N1になるまで牽引した場合の該ケーブル3の移動量(ストローク量)をX0とし、このX0が便宜上、例えば、100mmとする。
通常、ブレーキシューに磨耗が生じていない場合や、ケーブルに伸びが生じていない状態においては、基準位置からケーブル3を牽引し、解除した場合、パーキングブレーキ2の作動時でのケーブル3の移動量と、解除時でのケーブル3が戻る場合の移動量とは同じである(図7の特性曲線A参照)。
通常、ブレーキシューに磨耗が生じていない場合や、ケーブルに伸びが生じていない状態においては、基準位置からケーブル3を牽引し、解除した場合、パーキングブレーキ2の作動時でのケーブル3の移動量と、解除時でのケーブル3が戻る場合の移動量とは同じである(図7の特性曲線A参照)。
パーキングブレーキ2の作動、解除を繰り返していくとブレーキシューは磨耗していき、ブレーキシューの磨耗量の分だけケーブル3の移動量が増加する。ブレーキシューが磨耗していくと、作動時でのケーブル3の移動量が多くなり、ケーブル3のストロークの戻り位置が基準位置からずれる。図7に示す基準位置から右方へ徐々に移動していく。
ケーブル3の牽引毎にケーブル移動量測定部31ではケーブル3の移動量(例えば、103mm)を測定し、基準となるケーブル3の戻り移動量(例えば、100mm)に対してのケーブル3の戻り移動量の増加分(3mm)を記憶部13に記憶していく。
ケーブル3の牽引毎にケーブル移動量測定部31ではケーブル3の移動量(例えば、103mm)を測定し、基準となるケーブル3の戻り移動量(例えば、100mm)に対してのケーブル3の戻り移動量の増加分(3mm)を記憶部13に記憶していく。
ここで、図7に示すように、ブレーキシューの磨耗が多くなるにつれて、特性曲線Bのように右方に移動し、ケーブル3の移動量が基準位置よりLの分増加したケーブル3の移動量X1となった時にブレーキシューが磨耗したと判断するようにしている。
つまり、ケーブル3の牽引毎に基準となる移動量(100mm)に対して、基準の移動量より増加した分だけ記憶部13に累積して記憶していき、この増加した移動量L(例えば、10mm)に達した場合、あるいは超えた場合に(図6のステップS23参照)、ステップS24に移行して摩擦材磨耗判断部36(図1参照)が摩擦材であるブレーキシューが磨耗していると判断するようにしている。これにより、ブレーキシューの磨耗量を正確に判断することができる。
つまり、ケーブル3の牽引毎に基準となる移動量(100mm)に対して、基準の移動量より増加した分だけ記憶部13に累積して記憶していき、この増加した移動量L(例えば、10mm)に達した場合、あるいは超えた場合に(図6のステップS23参照)、ステップS24に移行して摩擦材磨耗判断部36(図1参照)が摩擦材であるブレーキシューが磨耗していると判断するようにしている。これにより、ブレーキシューの磨耗量を正確に判断することができる。
次に、ステップS25に示すように、摩擦材磨耗判断部36からの信号を受けた制御部30が報知部24を駆動して、ランプ、ブザー等にて視覚や音により運転者にブレーキシューが磨耗していると知らしめる。
これにより、運転者はブレーキシューが磨耗していると認識でき、ブレーキシューの交換をすることで、安全性を確保することができる。
これにより、運転者はブレーキシューが磨耗していると認識でき、ブレーキシューの交換をすることで、安全性を確保することができる。
1 電動パーキングブレーキ装置
2 パーキングブレーキ
3 ケーブル
4 アクチュエータ
5 荷重センサ
6 回転センサ
7 制御ユニット
10 制御装置
13 記憶部
24 報知部
30 制御部
31 ケーブル移動量測定部(ケーブル移動量測定手段)
32 ケーブル伸び値算出部
33 ケーブル伸び値累積部
35 論理積回数判断部(回数判断手段)
36 摩擦材磨耗判断部(摩擦材磨耗判断手段)
2 パーキングブレーキ
3 ケーブル
4 アクチュエータ
5 荷重センサ
6 回転センサ
7 制御ユニット
10 制御装置
13 記憶部
24 報知部
30 制御部
31 ケーブル移動量測定部(ケーブル移動量測定手段)
32 ケーブル伸び値算出部
33 ケーブル伸び値累積部
35 論理積回数判断部(回数判断手段)
36 摩擦材磨耗判断部(摩擦材磨耗判断手段)
Claims (5)
- ケーブル(3)を一方向に駆動することで、摩擦材を動作させて車輪に制動力を付与し、前記ケーブル(3)を他方向に駆動することで、前記車輪への制動力を解除する電動パーキングブレーキにおいて、
前記ケーブル(3)の移動量を測定するケーブル移動量測定手段(31)により、前記車輪に制動力を付与する作動毎に検出されるケーブル移動量と、予め設定している基準移動量と比較して算出されるケーブルの伸び値を作動毎にそれぞれ算出し記憶する算出記憶手段と、
前記算出記憶手段により作動毎に算出された前記ケーブル(3)の伸び値を累積していき該累積したケーブルの伸び値をケーブルの累積伸び値として保存する累積・保存手段と、
前記車輪に制動力を付与した状態で運転者が離席した場合、且つ車輪に制動力を付与した作動している状態との論理積回数が予め設定した所定の回数に達したことを判断する回数判断手段(35)と、
前記回数判断手段(35)により前記論理積回数が所定の回数に達した場合に、前記累積・保存手段にて保存している前記ケーブルの累積伸び値を、前記ケーブル移動量測定手段のケーブルの移動量を測定する際の基準位置として設定する制御手段(30)とを
備えていることを特徴とする電動パーキングブレーキ装置。 - 前記論理積回数を30回としていることを特徴とする請求項1に記載の電動パーキングブレーキ装置。
- 前記ケーブル移動量測定手段(31)により検出されたケーブル(3)の移動量と、予め設定している基準移動量とを比較し、その差の値が予め設定している値より超えた場合には、前記摩擦材が磨耗していると判断する摩擦材磨耗判断手段(36)を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電動パーキングブレーキ装置。
- 前記摩擦材磨耗判断手段(36)により前記摩擦材が磨耗していると判断された場合には、報知部(24)により報知するようにしていることを特徴とする請求項3に記載の電動パーキングブレーキ装置。
- 前記車輪に制動力が付与された状態で運転者が離席したと判断された際に、車輪への制動力が長時間付与される作動状態であるとみなすことをことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電動パーキングブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014033524A JP2015157573A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | 電動パーキングブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014033524A JP2015157573A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | 電動パーキングブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015157573A true JP2015157573A (ja) | 2015-09-03 |
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ID=54181954
Family Applications (1)
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JP2014033524A Pending JP2015157573A (ja) | 2014-02-25 | 2014-02-25 | 電動パーキングブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015157573A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115140004A (zh) * | 2021-03-30 | 2022-10-04 | 纳博特斯克有限公司 | 制动装置、磨损量计算方法以及计算机可读介质 |
-
2014
- 2014-02-25 JP JP2014033524A patent/JP2015157573A/ja active Pending
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