JP2015155868A - 検査装置および検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被検査部材の反射特性を検査するための検査装置および検査方法を提供すること。
【解決手段】
本検査装置10は、被検査部材14に対し光を照射する照射手段18と、それぞれ異なる感度特性の複数のチャネルを有し、上記照射手段18から照射され被検査部材14で反射された光を受光する撮像手段20と、上記撮像手段20の複数のチャネルのうちから、反射特性の検査画像を与えるチャネルを選択する選択手段30とを含む。選択手段30は、上記複数のチャネルで撮像された撮像画像に基づき、チャネルを選択するができる。
【選択図】 図2
【解決手段】
本検査装置10は、被検査部材14に対し光を照射する照射手段18と、それぞれ異なる感度特性の複数のチャネルを有し、上記照射手段18から照射され被検査部材14で反射された光を受光する撮像手段20と、上記撮像手段20の複数のチャネルのうちから、反射特性の検査画像を与えるチャネルを選択する選択手段30とを含む。選択手段30は、上記複数のチャネルで撮像された撮像画像に基づき、チャネルを選択するができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、光学特性の検査技術に関し、より詳細には、被検査部材の反射特性を検査するための検査装置および検査方法に関する。
近年、画像の高付加価値への要求の高まりに伴い、印刷物に対して光沢を付与できる装置が提供されている。例えば、紫外線の照射により硬化するUVニスを用いて光沢を付与する技術、透明インクや透明トナーを使ってドット形成する技術などが知られている。
このような背景から、色再現性や階調再現性などの画質評価項目と並んで、光沢性が重要な画質特性となってきている。そして、印刷物における光沢性を評価し、その異常を検出する技術が種々提案されている。例えば、特開2005−277678号公報(特許文献1)は、用紙の表側にて拡散反射された光および同じ表側にて正反射された光をラインセンサで受光し、得られた像に基づき光沢の検査を行う技術を開示する。特開2011−242379号公報(特許文献2)は、画像が形成された被検査対象物に対して斜め方向から照明光を照射し、被検査対象物に照射された照明光の正反射光を撮像手段で受光し、正反射光を結像させる画像検査装置を開示する。
しかしながら、正反射光条件では特に、反射光の強さが表面の特性に比較的敏感であるため、被検査部材の特性に合わせて、照明光量、撮像感度を調整した上で撮影する必要がある。例えば、表面が粗く、光沢感および写像性が低い対象物を撮影する場合は、照明光量を上げ、撮像感度を高く調整しなければ、暗い画像になってしまう。反対に、光沢感および写像性が高い対象物を撮影する場合は、照明光量を落とし、撮像感度を低く調整しなければ、明るすぎる画像になってしまう。このように、光沢を評価しようとする場合は、被検査部材の特性に合わせた撮像系の調整が都度必要となる。
一方、検査装置の感度範囲が充分に広ければ、一回の調整で、種々の光沢感および写像性の被検査対象物を評価できるようになる。このような背景から、検査装置の感度範囲を広く確保することができる技術の開発が望まれていた。
本発明は、上記従来技術における不充分な点に鑑みてなされたものであり、本発明は、撮影手段が備える複数のチャネルを活用して、被検査部材の反射特性の測定可能な範囲を広げることができる、検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、下記特徴を有した、被検査部材の反射特性を検査する検査装置を提供する。本検査装置は、被検査部材に対し光を照射する照射手段と、それぞれ異なる感度特性の複数のチャネルを有し、上記照射手段から照射され被検査部材で反射された光を受光する撮像手段と、上記撮像手段の複数のチャネルのうちから、反射特性の検査画像を与えるチャネルを選択する選択手段とを含む。
上記構成により、撮影手段が備える複数のチャネルを活用して、被検査部材の反射特性の測定可能な範囲を広げることができるようになる。
以下、本実施形態について説明するが、本実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に説明する実施形態では、被検査部材の反射特性を検査する検査装置として、撮像画像に基づいて印刷物表面の光沢の分布を検査するための光沢検査装置を一例として説明する。
図1は、本実施形態による光沢検査装置10の撮像系を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態による光沢検査装置10の撮像系は、光沢を測定するための正反射用照明装置18と、濃度を測定するための拡散反射用照明装置22と、被検査面からの反射光を受光して撮像する撮像装置20とを含み構成される。なお、図1は、光沢検査装置10の撮像系を模式的に示すものであり、その他のミラーやレンズといった要素の詳細な図示が省略されている点に留意されたい。
光沢検査装置10は、例えばローラなどで構成された搬送装置12をさらに含み、搬送装置12は、被検査部材である印刷物14を読み取り位置16へ搬送する。印刷物14は、表面に画像が形成され、また表面の一部または全部に光沢処理が施されている紙などの媒体である。印刷物14の画像および光沢の形成面が被検査面となる。読み取り位置16は、撮像装置20によって印刷物表面での反射光分布が読み取られる、1ライン分の読み取り領域である。印刷物14は、搬送装置12によって矢印で示す副走査方向に走査され、1ラインずつ読み進められる。
正反射用照明装置18は、特に限定されるものではないが、例えば複数の反射型発光ダイオードの配列として構成される。正反射用照明装置18から照射された光は、図示しないミラーなどを介して、印刷物14の読み取り位置16の全域に入射角θ1で入射する。この照明光は、印刷物14の読み取り位置16の全域において、入射角と等しい反射角θ2(θ1=θ2)で正反射し、正反射光となる。なお、入射角θ1および反射角θ2は、読み取り位置16における印刷物14の被検査面の法線に対する角度として定義される。
拡散反射用照明装置22は、特に限定されるものではないが、例えばキセノン・ランプや発光ダイオードなどを用いることができる。拡散反射用照明装置22は、読み取り位置16の被検査面に所定の角度で入射するよう照明光を照射する。ここで、所定の角度は、入射角θ1と異なる角度であり、典型的には、被検査面の法線方向、つまり0度とすることができる。
撮像装置20は、特に限定されるものではないが、複数の画素からのラインが構成され、入射する光量を取得して、電気信号に変換するラインセンサを用いることができる。ラインセンサとしては、例えば、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)、CCD(電荷結合素子)などを用いることができる。説明する実施形態では、詳細を後述するが、撮像装置20は、異なる分光感度特性の複数のチャネルを有するよう構成されている。典型的には、RGB3原色の各色のカラーフィルタが各ラインに設けられた3ライン方式のラインセンサなどを用いることができる。
なお、チャネルの具体的な構成は、特に限定されるものではなく、他の実施形態では、赤外光、紫外光、その他のRGB三原色のフィルタでは対応できない波長の光を捉えることができる3色以上のチャネルを有するセンサであってもよい。また、以下に説明する実施形態では、撮像装置20として、1次元で読み取るラインセンサを用いるものとするが、特に限定されるものではなく、他の実施形態では、2次元で読み取るイメージセンサを用いてもよい。
撮像装置20および正反射用照明装置18を含む撮像系は、正反射用照明装置18から照射されて読み取り位置16の印刷物表面で正反射された正反射光が撮像装置20で受光可能な幾何学的条件を満たすように配置される。さらに、光沢検査装置10において、拡散反射用照明装置22は、印刷物表面で拡散反射された拡散反射光の一部が撮像装置20で受光可能な幾何学的条件を満たすように配置される。特に限定されるものではないが、典型的な実施形態では、正反射用照明装置18から被検査面に法線に対して45度で照明され、法線に対して45度で受光するよう構成され、拡散反射用照明装置22から被検査面の法線方向に照明し、法線に対して45度の角度で受光するよう構成することができる。
なお、正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22は、典型的な実施形態では、撮像装置20の駆動に合わせて交互に光を放射するように構成されている。例えば、正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22を交互に点滅させて、この点滅速度の2倍のレートで撮像装置20により撮像することによって、正反射光および拡散反射光の両方を測定することができる。
図2は、本実施形態による光沢検査装置10の制御系の概略構成図である。制御装置30は、光沢検査装置10の各部の動作を制御する。正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22は、制御装置30の制御下で、点灯および消灯を交互に繰り返す。搬送装置12は、制御装置30の制御下で、印刷物14を副走査方向に間欠的または連続的に搬送する。撮像装置20は、制御装置30の制御下で、正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22の点灯に合わせて、印刷物表面からの正反射光の分布および拡散反射光の分布を撮像する。
制御装置30は、典型的には、コントローラ・ユニット、汎用コンピュータ、またはこれらの組み合わせとして構成される。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、マウス、キーボード、ディスプレイなどの入出力装置を備えてもよい。
制御装置30は、上述したように光沢検査装置10の各部の動作を制御するとともに、撮像装置20で読み取られた画像を取り込んで、被検査部材である印刷物表面の光沢分布および濃度分布を検査する。光沢検査装置10における光沢分布および濃度分布の検査は、典型的には、以下のように行われる。
まず、制御装置30は、正反射用照明装置18を点灯させて(この間、拡散反射用照明装置22は消灯される。)、読み取り位置16に照明光を照射し、撮像装置20で印刷物14からの正反射光を受光し、各チャネルで1ラインの画像(1次元光沢分布画像)を読み取り、読み取られた画像を記憶装置に記憶する。続いて、同様に、拡散反射用照明装置22を点灯して(この間、正反射用照明装置18は消灯される。)、読み取り位置16に照明光を照射し、撮像装置20でその拡散反射光の一部を受光し、各チャネルで1ラインの画像(1次元濃度分布画像)を読み取り、記憶装置に記憶する。
次に、搬送装置12は、印刷物14を矢印で示す副走査方向に所定の距離だけ搬送し、次の1ラインについて、上記と同様の動作が行われる。各ラインについて同様な動作を繰り返すことによって、制御装置30の記憶装置上に、印刷物14の全域の2次元光沢分布画像および2次元濃度分布画像が構成される。ここで、2次元光沢分布画像は、主として正反射光の分布を意味し、2次元濃度分布画像は、主として印刷物の拡散反射光の分布を意味するものとする。なお、上記では、撮像および搬送が間欠的に行われるように説明しているが、連続的に印刷物14を搬送し、正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22を交互に点灯しながら連続的に印刷物表面を撮像するようにしてもよい。
制御装置30は、記憶装置に記憶された2次元光沢分布画像および2次元濃度分布画像に基づいて、被検査部材である印刷物14の全域にわたり、光沢分布と濃度分布の状態を検査する。例えば、これら画像に基づいて、検査結果として得られる検査画像をディスプレイに表示させたり、ファイル保存したり、あるいは画像解析により光沢スジや光沢不均一性などのノイズの検出結果を表示したりすることができる。
光沢スジは、印刷物を正反射条件で観察した際に現れる図3に示すようなスジ状の光沢ノイズをいい、加熱ロールや搬送時のガイドなどの摩耗等により、2次元光沢分布画像において、周辺の画像よりも光沢が増加する形で現れる。光沢不均一性は、ページ間、ページ内の光沢変動や、色材量および面積率による光沢変動によるマクロなムラをいう。その他、微小な光沢差による光沢ムラ、非画像部および画像部間、画像部間の境界付近における段差感などの光沢ノイズもある。
このとき、濃度分布については、R、GおよびBの複数チャネルのカラー画像として構成することができる。これに対して、光沢性に関しては、1チャネルのみで充分に分布を表し、評価することができるため、いずれか1チャンネルの画像として2次元光沢分布画像を構成することができる。本実施形態による光沢検査装置10では、詳細を後述するように、制御装置30が、複数のチャンネルのうちから、光沢分布の検査画像を与えるチャンネルを選択し、本実施形態による選択手段を構成している。
また、制御装置30は、上述した2次元光沢分布画像および2次元濃度分布画像を適切に撮像するために、撮像系の校正処理を事前実施する。濃度画像の場合は、白色度が高い白基準部材を準備し、その白基準部材を用いて拡散反射用照明装置22の照明光量、レンズの絞り量や感度を調整すればよい。しかしながら、正反射光は、拡散反射光と比較して、その強さが被検査面の特性に敏感に反応するため、通常、被検査部材の種類ごとに、その特性に合わせて、光源の照明光量、レンズ絞りおよび撮像感度を都度調整した上で撮影する必要がある。
例えば、光沢感が低く、写像性が低い部材に対して調整された撮影系を用いて、光沢感が高く、写像性が高い被検査部材を撮影すると、感度が高すぎるため、ほとんどの画素が白飽和した画像となってしまう。
このように、光沢を評価しようとする場合は、被検査部材の特性に合わせた撮像系の調整が必要となる。一方で、光沢検査装置10の感度範囲が広ければ、一回の調整で、種々の光沢性および写像性の被検査対象物を評価できるようになる。
そこで、本実施形態では、RGBの各チャネルの分光感度特性が異なる点に着目し、2次元光沢分布画像の撮像時は、感度が異なる複数のチャネルの中から、光沢分布を表す検査画像を与えるチャネルを切り替える構成を採用する。特定の実施形態では、感度が高いチャネルでは、光沢感が低く、写像性が低いワークを撮影し、感度が低いチャネルでは、光沢感が高く、写像性が高いワークを撮影するように構成される。これにより、光沢感および写像性を幅広いレンジで測定することが可能となる。
上記切替は、ユーザが被検査部材を配置する際に事前に切り替えてもよいが、好適な実施形態では、複数チャネルにより撮像された撮像画像に基づいて、検査画像を与えるチャンネルを自動的に切り替えるよう構成することができる。
以下、図4〜図7を参照して、本実施形態による光沢検査装置10の校正処理について説明する。図4は、本実施形態による光沢検査装置10が実行する校正処理を示すフローチャートである。なお、以下、正反射条件での光沢測定のための校正処理について説明し、特に断らない限り、正反射用照明装置18を単に照明装置18と参照する。
図4に示す処理は、ステップS100から開始され、ステップS101では、制御装置30は、照明装置18および撮像装置20の分光特性データを読み出す。ステップS102では、制御装置30は、読み出した分光分布データに基づき、各チャネルの撮像系としての分光特性を評価し、順位付けし、どの程度の光沢感および写像性を有する部材に対し、いずれのチャネルを使用するかを決定する。分光分布データは、事前に測定されたデータとして、例えばROMなどに格納されている。
図5(A)は、本実施形態による照明装置18および撮像装置20の分光特性を模式的に示すグラフである。図5(A)に示すように、照明装置18の発光強度(あるいはエネルギー)には、波長依存性があり、同様に撮像装置20の各チャネルも、固体撮像素子自体の感度特性やフィルタ特性に起因して、波長依存の分光感度特性を有する。一定の照明条件下で、撮像装置20のRGB各チャネルのセンサ素子が感知する光の強度は、照明装置18の光源の分光特性と、各チャネルの分光感度特性とに依存し、すなわち、照明系と受光系とを合わせた撮像系全体の分光特性に依存することになる。
このように、撮影系としての分光分布は、照明装置18の分光分布と撮像装置20の各チャネルの分光分布とを合わせたものであるため、図5(A)のような照明装置18および撮像装置20の分光分布が与えられる場合、そのかけ合わせた分光特性は、Bチャネルについて図5(B)に示すように、Gチャネルについて図5(C)に示すようになる。図5(B)および図5(C)を参照すると理解されるように、正反射光を撮像する場合、同じ照明光量で照明が行われても、Bチャネルの方が、Gチャネルよりも強く正反射光を検出することになる。
したがって、光沢感および写像性が高いサンプルは、実効的な感度が比較的に低いGチャネルで撮像することが好ましく、光沢感および写像性が比較的低いサンプルの場合は、実効的な感度が比較的高いBチャネルで撮像することが好ましいということになる。そこで、ステップS102では、実効的な感度が低い順にチャネルを順位付けし、実効的な感度が低いチャネルが光沢性および写像性の高い方を対象とするようなチャネル選択を行う。
なお、図4では、照明装置18および撮像装置20の分光特性データを読み出し、計算により各チャネルの実効的な感度を評価する構成としたが、このような評価は、製造者側で、事前に、センサ毎の分光特性を計測し、実行されてもよい。
ステップS103では、制御装置30は、実効的な感度が低い側のチャネル(例示ではGチャネル)を用いて、照明装置18の照明光量の調整を行う。照明光量の調整では、光沢性および写像性の高い高光沢基準部材が用意され、実効的な感度が低い側のチャネルで、その高光沢基準部材の正反射光の分布が適切に測定可能なように行われる。適切かどうかは、白飽和や黒飽和しない適切な信号レベルが得られるか否かで判定することができる。
このように照明光量を調整することによって、高光沢感および高写像性の特性を有する検査対象が実効的な感度が低い側のチャネルで、低光沢感および低写像性の特性を有する検査対象が実効的な感度が高い側のチャネルで撮影できるような調整が一回でできる。なお、ここでは、照明光量のみを調整することとしているが、結像レンズの絞りが調整されてもよい。
ステップS104では、制御装置30は、各チャネルで測定するレンジを調整する。つまり、測定結果から、調整された条件下で、チャネル各々が担当する範囲を決定し、ステップS105で、校正処理を終了し、測定準備が完了する。このレンジの調整は、上記分光分布の感度に基づいて行うこともできるが、図6に示すような校正チャートを用いて行うことができる。
図6に示す校正チャートは、それぞれ異なる光沢感および写像性を有する複数のパッチを含み構成される。ここで、光沢性および写像性の刻みが小さいほど、測定精度が向上するが、処理時間や手間が必要となる。また、ここでは、事前に光沢感および写像性の測定がパッチ毎に行われ、各パッチの素性が明らかであるものとする。
光沢感とは、印刷物表面に対する心理的な光沢の大きさあるいは艶の大きさを表したものであり、写像性(像鮮明度)とは、表面に写り込んだ像の鮮明さを表す。光沢感は、写像性の寄与が大きいと指摘されている。光沢を計測する方法としては、JIS Z 8741で規定されている、鏡面反射光(正反射光)の強さを測定する鏡面光沢度測定法が知られている。その他、正反射光以外の拡散反射光も使用した評価方法も知られている。写像性の測定方法は、例えば、JIS K 7374に規定されたものが知られている。
図7は、図6に示す校正チャートを撮像し、各パッチで測定されたB、Gチャネルの信号値を光沢感および写像性に対してプロットしたグラフを示す。図7に示すグラフにより、ある光沢感および写像性を有する部分が、各チャネルでどの程度の信号強度として観測されるかの対応付けができるとともに、各チャネルの信号強度が下限値または上限値の範囲内となる測定可能な光沢性および写像性の範囲も把握される。そして、その結果を用いることにより、測定時に、撮像画像に基づいてチャネルを切り替える条件を設定することができる。
例えば、あるパッチについて、あるチャネルでの信号強度が下限値にあるということは、そのパッチよりも光沢感および写像性が低いパッチは、そのチャネルでは黒飽和することになるため、より実効的な感度の高いチャネルに切り替えるように構成するとよい。また、例えばあるチャネルでの信号強度が上限値にあるということは、そのパッチより光沢感および写像性が高いパッチは、そのチャネルでは白飽和することになるため、より実効的な感度の低いチャネルに切り替えるように構成する。
図8は、本実施形態による光沢検査装置10が実行する光沢測定処理のフローチャートを示す。図8に示す処理は、図4に示したステップS105で、測定準備が完了した後、ユーザから検査開始指示がなされたことに応答して、ステップS200から開始される。
ステップS201では、制御装置30は、被検査部材である印刷物14の2次元光沢分布画像を各チャンネルで撮像する。具体的には、搬送装置12により印刷物14を副走査方向に搬送し、これに合わせて照明装置18を点灯して、撮像装置20の各チャネルで印刷物14の光沢分布画像を順次読み取る。このとき、正反射用照明装置18および拡散反射用照明装置22が交互に点灯し、撮像装置20では、印刷物14の光沢分布画像および濃度分布画像を交互に読み取ることになるが、ここでは、濃度分布画像については説明を省略する。
ステップS202では、制御装置30は、得られたチャンネル各々の2次元光沢分布画像に基づいて、評価値を算出する。ステップS203では、制御装置30は、チャネル各々の評価値に基づき、検査結果とするチャネルを選択する。ステップS204では、制御装置30は、選択されたチャネルの2次元正反射光分布画像を光沢検査画像として保存し、ステップS205で本処理を終了する。
上述したステップS202では、印刷物14の2次元光沢分布画像の各チャネルの全体平均値あるいはピーク値などが評価値として計算される。ステップS203では、この各チャネルの評価値が、レンジの下限値または上限値の範囲内にあるか否かに応じてチャネル選択が行われる。
なお、上述した実施形態では、校正チャートの撮像結果に基づいて、各チャネルの担当する範囲が決定され、測定時は、撮像画像に基づいてチャネルが選択されるものとして説明した。しかしながら、撮像画像に基づくチャネルの選択方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、R、G、B各チャネルの撮影画像において、ワークの特性に対して感度が高すぎるチャネルでは、画面が白飽和してしまい、撮影対象がほとんど写らないという結果となる。反対に、ワークの特性に対して、感度が低すぎるチャネルでは、画面が黒飽和してしまい、こちらも撮影対象がほとんど写らないという結果となる。そこで、撮影された各チャネルの撮像画像に対して、エッジ抽出や、テクスチャ特徴量を抽出することによって、そのエッジ量や特徴量といった評価値から、適切な感度のチャネルであるか否かを判定することができる。例えば、ワークが搬送されていない場合での画像を撮影し、その評価値と比較し、チャネルを選択することができる。その場合、搬送されていない時に、真っ黒、真っ白になるような背景を用意すると好ましい。
以上説明した実施形態では、撮像装置20が備える複数のチャネルを活用して、撮像結果に基づいてチャネルが切り替えられて二次元光沢分布画像が得られる。したがって、照明装置18の照明光量やレンズの絞りを一回調整するだけで、幅広い光沢感および写像性のワークを測定することができ、撮像装置20の測定可能な感度範囲を広げることができるといえる。
以上説明した実施形態によれば、撮影手段が備える複数のチャネルを活用して、被検査部材の反射特性の測定可能な範囲を広げることができる、検査装置および検査方法を提供することができる。
なお、以上説明した好適な実施形態では、濃度画像のために用いられる複数色のチャネルを活用することができ、計装コストを削減することができる。しかしながら、これに特に限定されるものではなく、他の実施形態では、同一の分光感度特性を有するセンサに、ND(Neutral Density)フィルタを設けて光量感度を変化させる構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、被検査対象の部材として、画像が形成された印刷物を一例に説明したが、被検査対象の部材は、必ずしも印刷物に限定されるものではない。他の実施形態では、転写前の用紙などの転写部材や、写真印画紙、塗装膜、着色金属であってもよい。また、上述した実施形態では、正反射光の分布を光沢分布画像として測定しているが、光沢の評価において、拡散反射光の測定結果を用いることを妨げるものではない。
また、上述した実施形態では、ワークごとに撮像結果から、検査画像を与えるチャネルを選択するものとして説明した。しかしながら、各チャネルでの信号強度と光沢感および写像性との対応が良好に取れる場合は、ワーク内で、検査画像の各画素の信号値を与えるチャネルを切り替える態様を妨げるものではない。
なお、上記機能部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SDカード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。また、上記機能部の一部または全部は、例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、あるいはASIC(特定用途向集積)として実装することができ、上記機能部をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(VHSIC(Very High Speed Integrated Circuits) Hardware Description Language))、Verilog−HDLなどにより記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…光沢検査装置、12…搬送装置、14…印刷物、16…読み取り位置、18…正反射用照明装置、20…撮像装置、22…拡散反射用照明装置、30…制御装置、
Claims (10)
- 被検査部材の反射特性を検査する検査装置であって、
前記被検査部材に対し光を照射する照射手段と、
それぞれ異なる感度特性の複数のチャネルを有し、前記照射手段から照射され前記被検査部材で反射された光を受光する撮像手段と、
前記撮像手段の前記複数のチャネルのうちから、反射特性の検査画像を与えるチャネルを選択する選択手段と
を含む、検査装置。 - 前記選択手段は、前記複数のチャネルで撮像された撮像画像に基づき、チャネルを選択することを特徴とする、請求項1に記載の検査装置。
- 前記選択手段は、前記撮像画像から評価値を算出し、前記評価値が事前定義された条件を満たすか否かに応じて、チャネルを選択することを特徴とする、請求項2に記載の検査装置。
- 前記選択手段は、ユーザ指示に基づきチャネルを選択することを特徴とする、請求項1に記載の検査装置。
- 前記複数のチャネル各々での照明系を含む撮像系全体としての分光特性に基づき、前記複数のチャネル各々の感度を評価する手段と、
前記複数のチャネルのうちの最も感度が低いチャネルでの撮像結果に基づき、照明光量および絞りの少なくとも一方を調整する手段と、
調整された条件下で、前記複数のチャネル各々が担当する範囲を決定する手段と
をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査装置。 - 前記複数のチャネルは、それぞれ異なる分光感度特性を有するチャネルを含み、前記複数のチャネルを用いて、拡散反射光の複数色の濃度分布画像が撮像されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査装置。
- 前記複数のチャネルは、それぞれ異なる光量感度を有するチャネルを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検査装置。
- 前記被検査部材は、光沢が付与された転写部材であり、前記撮像手段および前記照射手段は、前記照射手段から照射され前記転写部材の表面で正反射された光を前記撮像手段が受光するような幾何学的条件を満たすよう構成されており、前記検査画像は、正反射光の2次元分布である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検査装置。
- それぞれ異なる感度特性の複数のチャネルを有する撮像手段および照射手段を備えた検査装置が実行する、被検査部材の反射特性を検査するための検査方法であって、前記検査装置が、
前記照射手段から被検査部材に対し光を照射するステップと、
前記撮像手段により、前記照射手段から照射されて前記被検査部材で反射された光を受光して撮像するステップと、
前記撮像手段の前記複数のチャネルのうちから、反射特性の検査画像を与えるチャネルを選択するステップと
を含む、検査方法。 - 前記選択するステップは、前記検査装置が、前記複数のチャネルで撮像された撮像画像に基づきチャネルを選択するステップであることを特徴とする、請求項9に記載の検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014031588A JP2015155868A (ja) | 2014-02-21 | 2014-02-21 | 検査装置および検査方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020201102A (ja) * | 2019-06-10 | 2020-12-17 | コニカミノルタ株式会社 | 画像検査装置及び画像形成装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20060256341A1 (en) * | 2005-03-10 | 2006-11-16 | Fuji Xerox Co., Ltd | Gloss measurement apparatus and gloss measurement method |
JP2007278931A (ja) * | 2006-04-10 | 2007-10-25 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像評価装置および画像評価方法 |
JP2012117870A (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-21 | Nikon Corp | 検出装置 |
-
2014
- 2014-02-21 JP JP2014031588A patent/JP2015155868A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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