JP2015154272A - 光パス切替装置および通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現用の伝送路に異常が発生した際に、外部からの電源を必要とせずに予備の伝送路の光信号へ切り替えることができる光パス切替装置を得る。
【解決手段】光パス切替装置を、光電変換手段1と、異常監視手段2と、出力信号切替手段3とを備える構成とする。光電変換手段1は、第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される第1の送電用の光を電気に変換する。異常監視手段2は、第1の伝送路の異常の有無を監視する。出力信号切替手段3は、異常監視手段2が前記第1の伝送路の異常を検知したときに、光電変換手段1が変換した電気を駆動源として、出力する信号を第1の伝送路を介して入力される第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信ネットワークに関するものであり、特に通信回線が冗長化された光通信ネットワークにおける通信回線の切り替え技術に関するものである。
情報通信社会の発展とともにデータの通信量が飛躍的に増大し、大容量のデータ伝送が可能な光通信ネットワークが様々な通信用途に用いられている。また、用途の多様化とともに社会的な重要性も高くなり、光通信ネットワークにおける通信の安定性に対する要求が高くなっている。通信の安定性を高めの方法の1つとして、通信回線を冗長化する方法がある。通信回線を冗長化する方法としては、例えば、同じデータを伝送する通信回線を2つ備えて、現用として使用している通信回線に異常が発生したときに、予備としているもう一方の通信回線に切り替える方法が用いられる。現用の通信回線の異常を検知して、同じデータを伝送している予備の通信回線への切り替えを行うことにより、通信を継続的に行うことが可能となり得る。
2つの通信回線を備えて、異常を検知したときにもう一方の通信回線に切り替えるためには、現用の通信回線の異常を検知して予備としているもう一方の通信回線に切り替えるための光パス切替装置が必要となる。異常を検知した通信回線からもう一方の通信回線への切り替えは、例えば、光パス切替装置への2つの入力経路のうち、信号の異常を検知した経路からもう一方の経路へと出力経路に接続する経路をスイッチ素子を用いて切り替えることにより行う。
光パス切替装置などの中継装置は、経路を切り替えるスイッチ素子や制御を行う電子回路を動作させるための電気を必要とすることがある。そのため、電子回路等を動作させるために電気を必要とする中継装置では、中継装置を動作させるための電源を確保しなければならない。一方で、中継装置が設置される場所で安定した電源を外部から確保することが困難な場合も多い。そのため、外部からの電源を独立して確保しなくても、動作できる光パス切替装置を光通信ネットワークに用いることが望ましい。
入力される光信号の異常を検知して、もう一方の経路から入力される光信号に出力信号を切り替える光パス切替装置に関する技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1の光パス切替装置は、予備と現用の2つの伝送路を備え、現用としている伝送路の異常を検知したときに、予備の伝送路への切り替えを行う機能を有している。特許文献1の光パス切替装置は、2つの伝送路から入力される光信号にそれぞれ含まれるパイロット信号を計測して、各伝送路の光信号の異常を検知している。特許文献1の光パス切替装置は、現用としている伝送路から入力されるパイロット信号の異常を検知したときに、予備としているもう一方の伝送路からの入力されている光信号を出力する。特許文献1は、異常を検知した際にもう一方の伝送路から入力される光信号の出力に切り替えることにより、出力先となる光通信ネットワークの信頼性を向上させることができるとしている。
また、外部からの電源を必要とせずに中継装置を動作させる方法として、伝送路で伝送される光を光電変換素子で電気に変え、光から変換した電気により中継装置を動作させる技術が検討されている。光を光電変換素子で変換した電気を電源として動作する中継装置に関する技術としては、例えば、特許文献2のような技術が開示されている。
特許文献2は、ファイバ径の異なる光ファイバを接続する中継装置に関するものである。特許文献2の中継装置は、ファイバ径の大きな光ファイバから中継装置に入力された光信号を電気信号に変換している。また、特許文献2の中継装置は、変換した電気信号を、再度、光信号に変換してファイバ径の小さな光ファイバに出力している。特許文献2の中継装置は、光信号から変換した電気の一部を、電気信号への変換および光信号への変換を行う回路の動作に用いている。特許文献2では、光信号から変換した電気を用いて動作させることにより、専用の電源を必要とせずに中継装置を動作させることが可能となるとしている。
特開2010−273047号公報 特開2003−23401号公報
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の光パス切替装置は、データ通信に用いられる光信号とともに入力されるパイロット信号の異常を検知し、もう一方の伝送路の光信号に出力信号を切り替えている。そのため、特許文献1の光パス切替装置では、パイロット信号を他の信号と分離して計測するための光学部材や計測するための電力を必要とする。よって、特許文献1では、パイロット信号を分離して計測するための光学部品によって装置構成が複雑化する恐れや、分離して計測のための電力消費量が増大する恐れがある。
また、特許文献2の技術は次のような点で十分ではない。特許文献2の中継装置は、伝送路から入力されるデータ通信用の光信号を電気信号に変換した電気を電源として電子回路を動作させている。しかし、光信号を変換して得られる電気は微弱であるため電子回路を動作できるだけの電力を確保すると、光信号を伝送するための信号の強度が微弱となり信号の品質が劣化する恐れがある。そのため、特許文献2の技術は、通信回線を冗長化して通信の品質を維持するための光パス切替装置に用いる技術としては十分ではない。
本発明は、現用の伝送路に異常が発生した際に、外部からの電源を必要とせずに予備の伝送路の光信号へ切り替えて通信を継続することができる光パス切替装置を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の光パス切替装置は、光電変換手段と、異常監視手段と、出力信号切替手段を備えている。光電変換手段は、第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される第1の送電用の光を電気に変換する。異常監視手段は、第1の伝送路の異常の有無を監視する。出力信号切替手段は、異常監視手段が第1の伝送路の異常を検知したときに、光電変換手段が変換した電気を駆動源として、出力する信号を第1の伝送路を介して入力される第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替える。
また、本発明の通信方法は、第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される第1の送電用の光を電気に変換する。本発明の通信方法は、第1の伝送路の異常の有無を監視する。本発明の通信方法は、第1の伝送路の異常を検知したときに、第1の送電用の光から電気を駆動源として、出力する光信号を第1の伝送路を介して入力される第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替える。
本発明によると、現用の伝送路に異常が発生した際に、外部からの電源を必要とせずに予備の伝送路の光信号へ切り替えて通信を継続することができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態における動作フローの概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の構成の一部を示した図である。 本発明の第3の実施形態における動作フローの概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態における動作を表に示した図である。 本発明の第4の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第4の実施形態における動作フローの概要を示す図である。
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の光パス切替装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の光パス切替装置は、光電変換手段1と、異常監視手段2と、出力信号切替手段3を備えている。光電変換手段1は、第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される第1の送電用の光を電気に変換する。異常監視手段2は、第1の伝送路の異常の有無を監視する。出力信号切替手段3は、異常監視手段2が第1の伝送路の異常を検知したときに、光電変換手段1が変換した電気を駆動源として、出力する信号を第1の伝送路を介して入力される第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替える。
本実施形態の光パス切替装置では、異常監視手段2が第1の伝送路の異常を検知したときに、出力信号切替手段3が出力する信号を第1の信号から第2の信号に切り替えている。また、出力信号切替手段3は、光電変換手段1において第1の送電用の光から変換した電気を駆動源として信号の切り替えを行っている。このような構成を備えることにより、本実施形態の光パス切替装置は、現用としている第1の伝送路に異常が発生した際に、外部からの電源を必要とせずに予備の第2の伝送路の光信号へ切り替えることができる。また、本実施形態の光パス切替装置では、第1の信号および第2の信号と第1の送電用の光は別の光ファイバで伝送され、第1の送電用の光のみを電気に変換して出力信号切替手段3の駆動源として用いている。よって、駆動源を得るために第1の信号および第2の信号の劣化が生じることはない。以上より、本実施形態の光パス切替装置では、異常の発生していない光信号を外部からの電源を必要とせずに継続的に伝送することができる。
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は本実施形態の光通信ネットワークの構成の概要を示したものである。本実施形態の光通信ネットワークは、光パス切替装置10と、第1の伝送路21と、第2の伝送路22と、光出力伝送路23を備えている。第1の伝送路21は、通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25を備えている。また、第2の伝送路22は、通信用光ファイバ26および送電用光ファイバ27を備えている。本実施形態の光通信ネットワークでは、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24および第2の伝送路22の通信用光ファイバ26を介して、光信号が光パス切替装置10に入力される。第1の伝送路21および第2の伝送路22で伝送される光信号は同一のものである。
光パス切替装置10は、第1の伝送路21および第2の伝送路22から入力される光信号のいずれか一方を選択して光出力伝送路23に出力する。本実施形態の光通信ネットワークシステムでは、通常時は、第1の伝送路21が現用として用いられ、光パス切替装置10は第1の伝送路21から入力された第1の光信号S1を光出力伝送路23に出力光信号S3として出力する。第2の伝送路22は予備として用いられ、光パス切替装置10は、第1の伝送路21で異常が発生したときに、第1の伝送路21から入力される第1の光信号S1の出力を停止して、第2の伝送路22から入力される第2の光信号S2の出力を行う。
また、第1の伝送路21の送電用光ファイバ25および第2の伝送路22の送電用光ファイバ27を介して、送電用の光が光パス切替装置10に入力される。光パス切替装置10は、送電用光ファイバ25および送電用光ファイバ27から入力される光を光電変換素子により電気に変換して、自装置の各回路を動作させるための電源として用いる。本実施形態では、第1の伝送路21の送電用光ファイバ25で伝送される光を第1の送電信号S4と呼ぶ。また、本実施形態では、第2の伝送路22の送電用光ファイバ27で伝送される光を第2の送電信号S5と呼ぶ。
光パス切替装置10の構成の詳細について説明する。光パス切替装置10は、光電変換部11と、光電変換部12と、ダイオード13と、ダイオード14と、蓄電部15と、識別部16と、光出力信号切替部17を備えている。
光電変換部11および光電変換部12は、光電変換素子としてフォトダイオードを備え、入力された光をフォトダイオードで電気に変換して出力する機能を有する。光電変換部11は、第1の伝送路21の送電用光ファイバ25から入力された第1の送電信号S4を電気に変換して第1の光電変換信号S6として出力する。また、光電変換部22は、第2の伝送路22の送電用光ファイバ27から入力された第2の送電信号S5を電気に変換して第2の光電変換信号S7として出力する。光ダイオード13およびダイオード14は、光電変換部11および光電変換部12からそれぞれ出力された電流が、もう一方の光電変換部へ逆流することを防止するために備えられている。
蓄電部15は、光電変換部11および光電変換部12から出力された第1の光電変換信号S6および第2の光電変換信号S7が有する電力を蓄電する機能を備えている。蓄電部15に蓄電されることにより、光電変換部11および光電変換部12から出力される第1の光電変換信号S6および第2の光電変換信号S7の電圧が変動した場合でも、後段の素子に入力される電圧の変動を抑制することができる。本実施形態では、光電変換部11、光電変換部12および蓄電部15により構成される回路部分からの出力をDC(Direct Current)電源信号S8とよぶ。また、DC電源信号S8が示す電圧をDC電源電圧と呼ぶ。DC電源信号S8は、識別部16および光出力信号切替部17の動作用の電源として識別部16および光出力信号切替部17に入力される。DC電源信号S8は、識別部16および光出力信号切替部17を動作させるDC電源として機能する。
識別部16は、光電変換部11から出力される第1の光電変換信号S6を基に第1の伝送路21の異常の有無を判断し、光出力信号切替部17が出力する光信号の切り替えを制御する機能を有する。識別部16は、光出力信号切替部17に切替制御信号S9を送ることにより光出力信号切替部17を制御する。本実施形態では、識別部16は、光出力信号切替部17にオン状態またはオフ状態を示す信号を切替制御信号S9として送って、光出力信号切替部17を制御する。
識別部16は、オペアンプ18と所定の抵抗値を有する抵抗19を備えている。識別部16のオペアンプ18には動作用の電源としてDC電源信号S8が入力されている。また、識別部16のオペアンプ18の非反転入力端子には、光電変換部11から送られてくる第1の光電変換信号S6が入力される。図2においてオペアンプ18の非反転入力端子は「+」として示しされている。識別部16のオペアンプ18の反転入力端子には、DC電源信号S8が抵抗19により所定の電圧値に変換されて入力されている。図2においてオペアンプ18の反転入力端子は「−」として示している。
所定の電圧値は、光電変換部11から入力される第1の光電変換信号S6の電圧が正常であるかを判断する際の閾値の電圧値となるように設定されている。本実施形態の光パス切替装置10は、第1の光電変換信号S6の電圧が正常であるとき、第1の伝送路21が正常であると判断して動作を行う。所定の電圧値よりも第1の光電変換信号S6の電圧値が小さいときは、光電変換前の第1の伝送路21から入力される第1の送電信号S4の強度が低下しているので、第1の伝送路21に異常があると判断される。識別部16のオペアンプ18は、反転入力端子よりも非反転入力端子から入力される電圧が低いときに、オン状態の信号を切替制御信号S9として光出力信号切替部17に送る。また、識別部16のオペアンプ18は、反転入力端子よりも非反転入力端子から入力される電圧が高いときに、オフ状態の信号を切替制御信号S9として光出力信号切替部17に送る。
光出力信号切替部17は、第1の伝送路21から入力される第1の光信号S1、または、第2の伝送路22から入力される第2の光信号S2のうち、いずれか一方の光信号を出力光信号S3として出力する機能を有する。光出力信号切替部17は、経路の切り替えを行うスイッチ素子を備え、スイッチ素子の切り替えにより出力する光信号の切り替えを行う。スイッチ素子には、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた光スイッチを用いることができる。光出力信号切替部17は、識別部16から送られてくる切替制御信号S9に基づいてスイッチ素子を動作させて出力する光信号の切り替えを行う。
光出力信号切替部17は、識別部16からオン状態の切替制御信号S9を受け取ったときに、第2の伝送路22の通信用光ファイバ26からの入力経路を光出力伝送路23への出力経路に接続する。すなわち、光出力信号切替部17は、オン状態の切替制御信号S9を受け取ったときに、第2の伝送路22から入力される第2の光信号S2を光出力伝送路23に光出力信号S3として出力する。光出力信号切替部17は、識別部16からオフ状態の切替制御信号S9を受け取っているときは、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24からの入力経路を光出力伝送路23への出力経路に接続する。すなわち、光出力信号切替部17は、オフ状態の切替制御信号S9を受け取っているときは、第1の伝送路21から入力される第1の光信号S1を光出力伝送路23に出力光信号S3として出力する。また、光出力信号切替部17には、動作用の電源としてDC電源信号S8が入力され、光出力信号切替部17はDC電源信号S8が有する電力を電源としてスイッチ素子を動作させる。
第1の伝送路21は、通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25により構成されている。本実施形態の通信用光ファイバ24には1芯の光ファイバが用いられている。また、送電用光ファイバ25には、2芯の光ファイバが用いられている。通信用光ファイバ24では第1の光信号S1が伝送され、第1の光信号S1は光パス切替装置10の光出力信号切替部17に入力される。また、送電用光ファイバ25では、送電用の光が第1の送電信号S4として伝送され光パス切替装置10の光電変換部11に入力される。
第2の伝送路22は、通信用光ファイバ26および送電用光ファイバ27により構成されている。本実施形態の通信用光ファイバ26には1芯の光ファイバが用いられている。また、送電用光ファイバ27には、2芯の光ファイバが用いられている。通信用光ファイバ26では第2の光信号S2が伝送され、第2の光信号S2は光パス切替装置10の光出力信号切替部17に入力される。また、送電用光ファイバ27では、送電用の光が第2の送電信号S5として伝送され光パス切替装置10の光電変換部12に入力される。送電用光ファイバ25および送電用光ファイバ27には、1芯の光ファイバや3芯以上の光ファイバを用いることもできる。
本実施形態の光通信ネットワークでは、通信用の光信号と送電用の光がそれぞれの光ファイバを介して光パス切替装置10に入力されている。送電用の光のみを光電変換部11で変換した電力を各回路の動作用の電源として用いるため、電力を得る工程において通信用の光信号への影響が生じることはない。そのため、通信の品質を維持しつつ光パス切替回路10の各回路の動作用の電源を得ることが可能となる。
第1の伝送路21の通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25は一体のものとして構成されている。例えば、通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25は1つの束にされた状態で用いられる。すなわち、通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25は、1本のケーブルとして扱えるような構造で第1の伝送路21を構成している。そのため、第1の伝送路21を構成する通信用光ファイバ24または送電用光ファイバ25のうち、一方の光ファイバが折り曲げられて損傷したときや切断されたときは、もう一方の光ファイバも同様に損傷した可能性や、切断されている可能性が高い。また、接続部の不良の場合でも、通信用光ファイバ24および送電用光ファイバ25で同時に異常が発生する。そのため、送電用光ファイバ25に何らかの異常が発生して伝送されている第1の送電信号S4の強度が低下した場合は、通信用光ファイバ24で伝送される第1の光信号S1にも同様に異常が発生している可能性が高い。よって、送電用光ファイバ25で伝送される第1の送電信号S4の光の強度の異常の有無を光電変換後の電気信号を基に判断することにより、通信用光ファイバ24で伝送される第1の光信号S1の異常の有無を推測することが可能となる。また、第2の伝送路22の通信用光ファイバ26および送電用光ファイバ27も同様に一体のものとして構成されている。
光出力伝送路23は光ファイバを備え、光パス切替装置10の光出力信号切替部17から出力される出力光信号S3を伝送する機能を有する。光パス切替装置10の光出力信号切替部17からは第1の光信号S1または第2の光信号S2のいずれか一方が、出力光信号S3として出力される。
本実施形態の光パス切替装置10が出力伝送路23に出力する光信号を切り替える際の動作について説明する。図3は、本実施系形態の光パス切替装置10が出力する光信号を切り替える際の、動作フローの概要を示したものである。
第1の伝送路21が現用として設定され、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24から入力されている第1の光信号S1が光出力伝送路23に出力光信号S3として出力されているとして説明する
光パス切替装置10には、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24から第1の光信号S1が入力されている。また、光パス切替装置10には、第1の伝送路21の送電用光ファイバ25をから送電用の光である第1の送電信号S4が入力されている。光パス切替装置10に入力された第1の光信号S1は、光出力信号切替部17に送られる。第1の伝送路21が現用として使われているとき、光出力信号切替部17のスイッチ素子は、通信用光ファイバ24からの入力経路が光出力伝送路23への出力経路に接続している状態である。そのため、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24を介して送られてきた第1の光信号S1が光出力伝送路23に出力光信号S3として出力されている(ステップ101)。
第2の伝送路22の通信用光ファイバ26から第2の光信号S2も光出力信号切替部17に入力されるが、第2の光信号S2は出力されずに、第1の光信号S1のみが出力される。また、光パス切替装置10には、第2の伝送路22の送電用光ファイバ27から、送電用の光である第2の送電信号S5も入力されている。
光パス切替装置10に入力された第1の送電信号S4は、光電変換部11に送られる。光電変換部11に入力された第1の送電信号S4の光は、フォトダイオードで電気に変換され、第1の光電変換信号S6として出力される。第1の光電変換信号S6は、光ダイオード13を介して蓄電部15に送られて、第1の光電変換信号S6が有する電力が蓄電部15に蓄電される(ステップ102)。また、第1の光電変換信号S6は、畜電部15および光電変換部12からの出力とともにDC電源信号S8を構成する。DC電源信号S8は、識別部16および光出力信号17を動作させるためのDC電源として識別部16および光出力信号17に送られる。また、DC電源信号S8は、抵抗により所定の電圧値に変換されて、識別部16のオペアンプの反転入力端子に入力される。
光パス切替装置10に入力された第2の送電信号S5は、光電変換部12に送られる。光電変換部12に入力された光は、フォトダイオードで電気に変換され、第2の光電変換信号S7として出力される。光電変換部12から出力された第2の光電変換信号S7は、光ダイオード14を介して蓄電部15で蓄電され、蓄電部15および光電変換部11からの出力とともにDC電源信号S8を構成する。
光電変換部11から出力された第1の光電変換信号S6は、識別部16のオペアンプの非反転入力端子に送られる。第1の光電変換信号S6が入力されると、識別部16は第1の伝送路21の光電変換部11の出力電圧である第1の光電変換信号S6の電圧値と所定の電圧値として設定されている所定の閾値を比較する(ステップ103)。識別部16は、第1の光電変換信号S6と、所定の電圧値に変換したDC電圧信号S8比較を比較することにより、第1の光電変換信号S6の示す電圧値と所定の閾値を比較する。
第1の光電変換信号S6が示す電圧値が所定の閾値以上のときは(ステップ104でNo)、識別部16はオフ状態を示す切替制御信号S9を出力する。第1の伝送路21の送電用光ファイバ25に異常がないときは、第1の送電信号S4の光の強度が所定の強度以上となる。そのため、光電変換部11から出力される第1の光電変換信号S6の電圧値も所定の閾値以上となる。非反転入力端子に入力される第1の光電変換信号S6が、反転入力端子に入力されている所定の電圧値以上なので、識別部16のオペアンプはオフ状態の切替制御信号S9を出力する。識別部16から出力された切替制御信号S9は、光出力信号切替部17に送られる。
光出力信号切替部17は識別部16からオフ状態の切替制御信号S9を受け取った場合、スイッチ素子の切り替えを行わずにそのままの動作を継続する(ステップ107)。よって、光出力信号切替部17は、第1の伝送路21の通信用光ファイバ24から入力される第1の光信号S1を光出力伝送路23に出力光信号S3として出力し続ける(ステップ108)。ステップ108までの動作を終えると、光パス切替装置10はステップ103からの動作を繰り返し行う。
第1の光電変換信号S6が示す電圧値が所定の閾値未満のときは(ステップ104でYes)、識別部16はオン状態を示す切替制御信号S9を出力する。第1の伝送路21で異常が発生しているとき、第1の送電信号S4が光電変換部12で光電変換さえることにより生成される第1の光電変換信号S6の電圧値が低下する。そのため、識別部16のオペアンプの非反転入力端子に入力される電圧値も低下する。一方でDC電源を構成する回路部分は蓄電部15を備えているので、反転入力端子側に入力される所定の電圧値は変動しない。識別部16のオペアンプの非反転入力端子に入力される第1の光電変換信号S6の電圧が低下して、反転入力端子に入力されている電圧以下になると、オペアンプはオン状態の信号を出力する。識別部16から出力されたオン状態の切替制御信号S9は、光出力信号切替部17へ送られる。
識別部16からオン状態の切替制御信号S9が入力されると、光出力信号切替部17は、第1の伝送路21側の経路から第2の伝送路22側の経路へとスイッチ素子を動作させて光信号が伝送される経路の切り替えを行う(ステップ105)。光出力信号切替部17がスイッチ素子を切り替えると、第2の伝送路22の光通信ファイバ23側の経路が光出力伝送路23へと接続された状態となる。すなわち、第1の伝送路21の光通信ファイバ21側は光出力伝送路23への経路から切断される。スイッチ素子の切り替えが行われると、光出力信号切替部17は、第2の伝送路22の通信用光ファイバ26から入力された第2の光信号S2を、光出力伝送路23に出力光信号S3として出力する(ステップ106)。また、光出力信号切替部17のスイッチ素子の切り替えにより、第1の伝送路21から入力される第1の光信号S1は、光出力伝送路23に出力されなくなる。
以上により、光パス切替装置10から光出力伝送路23に出力される光信号について、異常が発生している第1の伝送路21の第1の光信号S1から、第2の伝送路22の第2の光信号S2への切り替えが完了する。異常の発生している第1の伝送路21の第1の光信号S1から、第2の伝送路22の第2の光信号S2に出力する光信号を切り替えることにより、光出力伝送路23への正常な光信号の出力を継続することができる。
本実施形態の光通信ネットワークでは、光パス切替装置10の識別部16が送電用の光を光電変換部11で変換した電気信号を基に第1の伝送路21の異常の有無を判断している。第1の伝送路21に異常が発生したことを検知したとき、光出力信号切替部17は、現用としていた第1の伝送路21に代えて予備としていた第2の伝送路22から入力される光信号へ出力する光信号を切り替えている。このように、現用の伝送路の異常を検知して予備の伝送路から入力される光信号へと切り替えることにより、正常な光信号の伝送を継続することができ、通信の安定性を向上することができる。また、本実施形態の光パス切替装置10は、通信用の光信号とは別に伝送されている送電用の光を光電変換部で光電変換を行って得た電力を電源として動作している。そのため、電源を得るために通信用の光信号の劣化が生じることはない。よって、本実施形態の光通信ネットワークでは、電気配線による外部からの電源を必要とすることなく異常の発生していない光信号を継続的に伝送することができ、通信の安定性を向上することが可能となる。また、電源供給のために電気配線を設けることなく、光の伝送系のみで光信号の切り替えを行うことができるため、光パス切替装置10の設置場所を選択する際の自由度が高くなり、光通信ネットワークの構築が容易となる。
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図4は本実施形態の光通信ネットワークの構成の概要を示したものである。第2の実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置は、第1の伝送路に異常が発生したときに第1の伝送路から第2の伝送路へ切り替えを行っていた。すなわち、第2の実施形態では、第2の伝送路の状態によらずに第1の伝送路から第2の伝送路への切り替えを行っていた。また、第2の実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置は、第2の伝送路から第1の伝送路へ、再度、切り替える構成を備えていなかった。本実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置は、現用としている伝送路に異常を検知したときに、予備としているもう一方の伝送路に異常がなかったときに、予備の伝送路への切り替えを行う。また、本実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置は、双方向へ切り替えを行うことが出来る構成を備えている。
本実施形態の光通信ネットワークは、光パス切替装置30と、第1の伝送路41と、第2の伝送路42と、光出力伝送路43を備えている。第1の伝送路41は、通信用光ファイバ44および送電用光ファイバ45を備えている。また、第2の伝送路42は、通信用光ファイバ46および送電用光ファイバ47を備えている。本実施形態の光通信ネットワークでは、第1の伝送路41の通信用光ファイバ44および第2の伝送路42の通信用光ファイバ46を介して、光信号が光パス切替装置30に入力される。第1の伝送路41で伝送される第1の光信号S11および第2の伝送路42で伝送される第2の光信号S12は同一の情報を伝送する信号である。また、第1の伝送路41、第2の伝送路42、光出力伝送路43、通信用光ファイバ44、送電用光ファイバ45、通信用光ファイバ46および送電用光ファイバ47は、第2の実施形態の同一名称のものと構成および機能は同様である。
本実施形態の光パス切替装置30の詳細な構成について説明する。光パス切替装置30は、光電変換部31と、光電変換部32と、ダイオード33と、ダイオード34と充電部35と、ラッチ回路37と、光出力信号切替部38を備えている。ダイオード33、ダイオード34および光出力信号切替部38の構成および機能は、第2の実施形態の同名称の部位と同様である。
光電変換部31は光電変換素子を備え、第1の伝送路41の送電用光ファイバ45から入力される送電用の光である第1の送電信号S14を電気に変換して、第1の光電変換信号S16として出力する。光電変換部31から出力された第1の光電変換信号S16はダイオード33を介して充電部35に送られる。光電変換部31から出力された第1の光電変換信号S16は、識別部36にも送られる。また、光電変換部32は光電変換素子を備え、第2の伝送路42の送電用光ファイバ47から入力される送電用の光である第2の送電信号S15を電気に変換して、第2の光電変換信号S17として出力する。光電変換部32ら出力された第2の光電変換信号S17はダイオード34を介して充電部35に送られる。光電変換部32から出力された第2の光電変換信号S17は識別部36にも送られる。光電変換部31および光電変換部32の光電変換素子にはフォトダイオードを用いることができる。
充電部35は、光電変換部31からダイオード33を介して送られてくる第1の光電変換信号S16および光電変換部32からダイオード34を介して送られてくる第2の光電変換信号S17が有する電力を蓄電する機能を備える。また、充電部35は、蓄電した電力をDC電源信号S18として一定の出力電圧となるように出力する機能を有する。充電部35には、例えば、リチウムイオン電池を用いることができる。
識別部36は、第1の光電変換信号S16および第2の光電変換信号S17を基に、第1の伝送路41および第2の伝送路42の異常の有無を判断する機能を有する。また、識別部36は、第1の伝送路41および第2の伝送路42の異常の有無の結果を基に、光出力信号切替部38に切替制御信号S19を送って、光出力信号切替部38が出力する信号の切り替えを制御する機能を有する。切替制御信号S19は、光出力信号切替部38のスイッチ素子を制御するための信号である。
識別部36のさらに詳細な構成について図5を参照して説明する。図5は識別部36の構成の概要を示したものである。図5に示すように識別部36は、第1の伝送路側入力部51と、第2の伝送路側入力部52と、制御部53と、切替制御信号出力部54を備えている。
第1の伝送路側入力部51は、光電変換部41から送られてくる第1の光電変換信号S16をデジタル信号に変換して、第1の光強度信号S21として制御部53に送る機能を有する。また、第2の伝送路側入力部52は、光電変換部42から送られてくる第2の光電変換信号S17をデジタル信号に変換して、第2の光強度信号S22として制御部53に送る機能を有する。第1の光強度信号S21および第2の光強度信号S22は、それぞれデジタル信号への変換前の信号の電圧値の情報を含んでいる。
制御部53は、第1の光強度信号S21および第2の光強度信号S22を基に、第1の伝送路41および第2の伝送路42の異常の有無を判断する機能を有する。また、制御部53は、光出力信号切替部37から出力している現用の伝送路で異常が発生した際に、もう一方の予備の伝送路からの出力に切り替えるように光出力信号切替部37を制御する機能を有する。
制御部53は、主制御部61と、記憶部62と、スリープ機能部63を備えている。主制御部61は、第1の光強度信号S21および第2の光強度信号S22が示す電圧値と所定の閾値を比較して、第1の伝送路41および第2の伝送路42の異常の有無を判断する。所定の閾値は、各伝送路の送電用光ファイバで正常に光が伝送されていると判断できる最小値として設定され、記憶部62に保存されている。主制御部61は、第1の光強度信号S21および第2の光強度信号S22が示す電圧値がそれぞれ所定の閾値未満であるときに、伝送路に異常があると判断する。伝送路に異常があると判断したとき、制御部61は、出力信号切替部38のスイッチ素子の状態を示す出力制御信号S23を出力することにより出力信号切替部38における出力信号の切り替えの制御を行う。記憶部62は、記憶素子を備え、伝送路から入力される光の強度の異常の有無を判断する際の所定の閾値の情報を保存している。
スリープ機能部63は、識別部36の動作状態を制御する機能を有する。動作状態とは、識別部36が動作する必要がないときに機能を停止している状態である休止状態と、通常の動作を行っている状態である起動状態のことをいう。本実施形態の光パス切替装置30は、送電用光ファイバを介して入力された光から電気を得ている。光から得られる電力は十分な余裕のあるものではないので、光パス切替回路30を構成する各回路はできるだけ省電力であることが望ましい。そのため、本実施形態の光パス切替装置30は、スリープ機能部63の制御により、識別部36が動作する必要がないときに休止状態とすることにより使用する電力を抑制している。休止状態では、起動に必要な最小限の電力以外の供給が停止される。スリープ機能部63は休止状態となると時間の計測を行い、所定の時間後に識別部36が起動状態となるように制御する。
切替制御信号出力部54は、制御部53が出力する出力制御信号S23に応じて、光出力信号切替部38のスイッチ素子の状態を示す切替制御信号S19をラッチ回路37に送る機能を有する。
ラッチ回路37は、識別部36から送られてくる切替制御信号S19の信号状態を次に信号が送られてくるまで保持し、保持した信号を光出力信号切替部38に信号切替信号S20として送る機能を有する。切替制御信号S19は、オン状態およびオフ状態により示される信号である。ラッチ回路37は、切替制御信号S19が示すオン状態またはオフ状態を次に信号が送られてくるまで保持する。
光出力信号切替部38は、第1の伝送路41から入力される第1の光信号S11または第2の伝送路42から入力される第2の光信号S12のいずれか一方を、光出力伝送路43に出力光信号S13として出力する機能を有する。光出力信号切替部38は、スイッチ素子を備え、スイッチ素子の切り替えにより、第1の伝送路41または第2の伝送路42からの経路のいずれか一方と、光出力伝送路43への経路を接続する。
光出力信号切替部38は、ラッチ回路37から送られてくる信号切替信号S20に基づいてスイッチ素子の切り替えを行う。光出力信号切替部38は、オフ状態の信号切替信号S20を受け取っているときは、第1の伝送路41から入力される第1の光信号S11方を、光出力伝送路43に出力光信号S13として出力する。また、光出力信号切替部38は、オン状態の信号切替信号S20を受け取っているときは、第2の伝送路42から入力される第2の光信号S12を、光出力伝送路43に出力光信号S13として出力する機能を有する。
本実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置30が、光出力伝送路43に出力する光信号を切り替える際の動作について説明する。図6は本実施形態の光パス切替装置30が、出力する光信号の切り替えを行う際の動作フローを示したものである。
第1の伝送路41が現用の伝送路として用いられ、第1の光信号S11が光出力伝送路43に出力光信号S13として出力されている状態を開始時点として以下の説明を行う。
光パス切替装置30には、データ通信用の光信号が第1の光信号S11として第1の伝送路41の通信用光ファイバ44から入力されている。また、光パス切替装置30には送電用の光が第1の送電信号S14として第1の伝送路41の送電用光ファイバ45から入力されている。また、光パス切替装置30には、第1の光信号S11と同一のデータを基に生成された第2の光信号S12が、第2の伝送路42の通信用光ファイバ46から入力されている。また、光パス切替装置30には送電用の光が第2の送電信号S15として第2の伝送路42の送電用光ファイバ47から入力されている。光パス切替装置30に入力された第1の光信号S11および第2の光信号S12は、光出力信号切替部38に送られる。
第1の伝送路41を現用としているとき、光出力信号切替部38のスイッチ素子は、第1の伝送路41の通信用光ファイバ44からの経路を光出力伝送路43への出力経路に接続している状態である。そのため、現用としている第1の伝送路41から入力される第1の光信号S11が、出力光信号S13として光出力伝送路43に出力されている(ステップ111)。また、第2の光信号S12は、光出力伝送路43には出力されない。
第1の伝送路41から光パス切替装置30に入力された第1の送電信号S14は光電変換部31に送られる。光電変換部31に入力された光は、フォトダイオードで電気に変換されて、第1の光電変換信号S16として出力される。また、第2の伝送路42から光パス切替装置30に入力された第2の送電信号S15は光電変換部32に送られる。光電変換部32に入力された光は、フォトダイオードで電気に変換されて、第2の光電変換信号S17として出力される。第1の光電変換信号S16および第2の光電変換信号S17は、ダイオードを介して充電部35に送られる。充電部35は、第1の光電変換信号S16および第2の光電変換信号S17が入力されると、第1の光電変換信号S16および第2の光電変換信号S17の有する電力を蓄電する(ステップ112)。充電部35で蓄電された電力は、DC電源信号S18として出力され、識別部36、ラッチ回路37および光出力信号切替部38にDC電源として供給される。
光電変換部41からの出力部分の回路は分岐されており、光電変換部41から出力された第1の光電変換信号S16は識別部36の第1の伝送側入力部51にも入力される。また、光電変換部42から出力された第2の光電変換信号S17は識別部36の第2の伝送路側入力部52にも入力される。
第1の光電変換信号S16が第1の伝送路側入力部51に入力されると、第1の伝送路側入力部51は、入力された信号をデジタル信号に変換して第1の光強度信号S21として出力する。第1の伝送路側入力部51から出力された第1の光強度信号S21は、制御部53の主制御部61に送られる。第2の光電変換信号S17が第2の伝送路側入力部52に入力されると、第2の伝送路側入力部52は、入力された信号をデジタル信号に変換してとして出力する。第2の伝送路側入力部52から出力された第2の光強度信号S22は、制御部53の主制御部61に送られる。
主制御部61は、第1の光強度信号S21を受け取ると、現用の第1の伝送路41の光の強度に基づいた信号である第1の光強度信号S21が示す電圧値と記憶部62に保存している所定の閾値を比較する(ステップ113)。
第1の光強度信号S21が示す電圧値が所定の閾値以上である場合は(ステップ114でNo)、主制御部61は現用側である第1の伝送路41が正常であると判断する。主制御部61は、現用側である第1の伝送路41が正常であると判断すると出力制御信号S23の出力は行わない。識別部36から新たな信号が送られて来ないので、ラッチ回路37は保持しているオフ状態の信号切替信号S20を継続して光出力信号切替部38に送る。光出力信号切替部38は、オフ状態の信号切替信号S20を受け取り続けているのでスイッチ素子の切り替えを行わない。そのため、光出力信号切替部38は、現用の伝送路である第1の伝送路41から入力される第1の光信号S11を、光出力伝送路43に出力し続ける(ステップ121)。
主制御部61は、第1の伝送路41が正常であると判断すると、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を送る。スリープ制御部63は、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を受け取ると、識別部36を所定の時間、休止状態で待機するように制御する(ステップ122)。スリープ制御部63は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ123でNo)、時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ123でYes)、スリープ機能部63は主制御部61に起動を示す信号を送る。主制御部61は起動を示す信号を受け取るとステップ113からの動作を行う。
第1の光強度信号S21が示す電圧値が所定の閾値未満である場合は(ステップ116でYes)、主制御部61は予備側の第2の伝送路42も異常であり、第2の伝送路42側への切り替えが不可であると判断する。識別部36は、第2の伝送路42側への切り替えが不可であると判断すると、所定の時間後に再度、異常の有無を判断するために、一度、休止状態として待機する。主制御部61は、予備である第2の伝送路22側への切り替えが判断すると、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を送る。
スリープ制御部63は、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を受け取ると、識別部36を所定の時間、休止状態で待機するように制御する(ステップ122)。スリープ制御部63は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ123でNo)、時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ123でYes)、スリープ機能部63は主制御部61に起動を示す信号を送る。主制御部61は起動を示す信号を受け取るとステップ113からの動作を行う。所定の回数、伝送路の異常の有無の判断を行っても、2つの伝送路が異常と判断される場合に、光通信ネットワークの制御システム等に、2つの伝送路に異常が生じている旨の情報が通知される構成とすることもできる。
第1の光強度信号S21が示す電圧値が所定の閾値未満である場合は(ステップ114でYes)、現用の第1の伝送路41に異常が発生していると判断して、主制御部61は予備の第2の伝送路42の異常の有無の判断を行う。主制御部61は、予備の第2の伝送路42の光の強度を基にしている第2の光強度信号S22が示す電圧値と記憶部62に保存している所定の閾値を比較する(ステップ115)。
2の光強度信号S22が示す電圧値が所定の閾値未満である場合は(ステップ116でNo)、主制御部61は予備の第2の伝送路42が正常であり、第2の伝送路42側への切り替えが可能と判断する。主制御部61は、第2の伝送路42への切り替えが可能と判断すると、第2の伝送路22側への切り替えを示す出力制御信号S19を切替制御信号出力部54に送る。出力制御信号S23を受け取ると、切替制御信号出力部54は、オン状態を示す切替制御信号S19をラッチ回路37に送る。オン状態を示す切替制御信号S19を受け取ると、ラッチ回路37はオン状態の保持を開始する。ラッチ回路37はオン状態の保持を開始すると、オン状態を示す信号切替信号S20を光出力信号切替部38に送る。オン状態を示す信号切替信号S20を受け取ると、光出力信号切替部38はスイッチ素子を第1の伝送路21側から第2の伝送路22側へと切り替えて、信号の経路の切り替えを実施する(ステップ117)。スイッチ素子の切り替えが行われると、光出力信号切替部38は、予備の伝送路であった第2の伝送路22から入力される第2の光信号S12を、出力光信号S13として光出力伝送路43に出力する(ステップ118)。スイッチ素子の切り替えにより、第1の光信号S11は光出力信号切替部38からの出力されなくなる。
オン状態を示す切替制御信号S19がラッチ回路37に送られると、主制御部61は、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を送る。スリープ制御部63は、スリープ機能部63に休止状態に入ることを示す信号を受け取ると、識別部36を所定の時間、休止状態となるように制御する(ステップ119)。スリープ制御部63は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ120でNo)、時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ120でYes)、スリープ機能部63は主制御部61に起動を示す信号を送る。主制御部61は起動を示す信号を受け取るとステップ113からの動作を行う。ステップ113からの動作は、第2の伝送路22を現用、第1の伝送路21を予備の伝送路として行われる。
本実施形態の光通信ネットワークおいて、各伝送路の異常の有無に応じて選択される伝送路について図7に示した。図7は、各伝送路の異常の有無に応じて選択される伝送路の例を表に示したものである。図7では、現用の伝送路の異常の有無が「現用伝送路品質」、予備の伝送路の異常の有無が「予備伝送路品質」として示されている。伝送路が正常であるとき、すなわち、光電変換後の電気信号である光電変換信号の電圧が所定の閾値以上である場合を「○」として示している。伝送路に異常が生じているとき、すなわち、光電変換信号の電圧が所定の閾値未満である場合を「×」として示している。また、図7では各伝送路の異常の有無に応じて選択される伝送路が「判定結果」として示されている。
図7に示す通り、光パス切替装置30は、現用の伝送路と予備の伝送路が両方とも「○」、すなわち、正常であったときは現用の伝送路の選択を継続する。現用の伝送路のみが「○」、すなわち、現用の伝送路のみが正常なときは、光パス切替装置30は、現用の伝送路の選択を継続する。現用の伝送路が「×」、予備の伝送路が「○」のとき、すなわち、現用の伝送路に異常が生じて、予備の伝送路が正常なときは、光パス切替装置30は予備の伝送路を選択し、伝送路の切り替えを行う。また、現用の伝送路と予備の伝送路が両方とも「×」、すなわち、両方の伝送路に異常が生じているときは、光パス切替装置30は伝送路の選択を行うことができないのでそのままの動作を継続する。両方の伝送路に異常が生じているときに、光通信ネットワークの制御システムや作業者等に、伝送路に異常が生じている旨の情報を通知する構成とすることもできる。
本実施形態の光通信ネットワークでは、光パス切替装置30の識別部36が送電用の光の強度を基に現用と予備の伝送路の異常の有無を判断している。現用の伝送路の異常を検知したとき、予備の伝送路が正常なときのみ切り替えることで、正常な光信号の出力をより正確に継続することが可能となる。また、2つの伝送路の異常を検知して双方向に切り替えを行うことができるので、異常が生じた伝送路の修復処置を行えば作業者が光パス切替装置30を操作することなく、再度、伝送路に異常が発生した際の信号の切り替えを行うことができる。
本発明の第4の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図8は本実施形態の光通信ネットワークの構成の概要を示したものである。第2の実施形態および第3の実施形態では、送電用光ファイバで伝送された光から変換された電気信号の電圧を基に、伝送路の異常の有無の判断を行っていた。そのような構成に代えて、本実施形態では、通信用光ファイバで伝送される光信号の強度の計測結果を基に、伝送路の異常の有無の判断を行う。
本実施形態の光通信ネットワークは、光パス切替装置70と、第1の伝送路81と、第2の伝送路82と、光出力伝送路83を備えている。第1の伝送路81は、通信用光ファイバ84および送電用光ファイバ85を備えている。また、第2の伝送路82は、通信用光ファイバ86および送電用光ファイバ87を備えている。
本実施形態の光通信ネットワークでは、第1の伝送路81の通信用光ファイバ84から第1の光信号S31が光パス切替装置70に入力される。また、第2の伝送路82の通信用光ファイバ86から第2の光信号S32が光パス切替装置70に入力される。第1の伝送路81で伝送される第1の光信号S31および第2の伝送路82で伝送される第2の光信号S32は同一の情報を伝送する信号である。光パス切替装置70からは、第1の光信号S31または第2の光信号S32のうちいずれか一方が、出力光信号S33として光出力伝送路83に出力される。
第1の伝送路81の送電用光ファイバ85および第2の伝送路82の送電用光ファイバ87からは送電用の光である第1の送電信号S34および第2の送電信号S35がそれぞれ光パス切替装置70に入力される。また、第1の伝送路81、第2の伝送路82、光出力伝送路83、通信用光ファイバ84、送電用光ファイバ85、通信用光ファイバ86および送電用光ファイバ87は、第3の実施形態の同名称のものと構成および機能は同様である。
光パス切替装置70の構成について詳細に説明する。光パス切替装置70は、光電変換部71と、光電変換部72と、ダイオード73と、ダイオード74と、充電部75を備えている。本実施形態の光パス切替装置70は、光レベル検出回路76と、光レベル検出回路77をさらに備えている。また、本実施形態の光パス切替装置70は、識別部78と、ラッチ回路79と、光出力信号切替部80をさらに備えている。
光電変換部71、光電変換部72、ダイオード73、ダイオード74および充電部75の構成および機能は第3の実施形態の同一名称の部位と同様である。また、識別部78、ラッチ回路79および光出力信号切替部80の構成および機能は第3の実施形態の同一名称の部位と同様である。
光レベル検出部76は、第1の伝送路81の通信用光ファイバ84から入力される第1の光信号S31の強度を測定する機能を有する。光レベル検出部76は、測定した光信号の強度を第1の光強度信号S39として識別部78に送る。光レベル検出部77は、第2の伝送路81の通信用光ファイバ86から入力される第2の光信号S32の強度を測定する機能を有する。光レベル検出部77は、測定した光信号の強度を第2の光強度信号S39として識別部78に送る。
本実施形態の光電変換部71および光電変換部72からの出力信号は、第3の実施形態とは異なり、識別部78には入力されない。すなわち、光電変換部71から出力される第1の光電変換信号S36および光電変換部72から出力される第2の光電変換信号S37は、各々、ダイオードを介して充電部75にのみ送られる。
本実施形態の光パス切替装置70のラッチ回路79には、識別部78が出力した切替制御信号S41が入力される。ラッチ回路79は、信号切替信号S42を出力し、信号切替信号S42は,光出力信号切替部80に入力される。第1の光電変換信号S36、第2の光電変換信号S37、切替制御信号S41および信号切替信号S42の機能および各信号が示す情報は、第3の実施形態の同名称の信号と同様である。
本実施形態の光通信ネットワークの光パス切替装置70が、出力する光信号を切り替える際の動作について説明する。図9は本実施形態の光パス切替装置70が、出力する光信号の切り替えを行う際の動作フローを示したものである。第1の伝送路81が現用の伝送路として用いられ、第1の光信号S31が光出力伝送路73に出力光信号S33として出力されている状態を開始時点として以下の説明を行う。
光パス切替装置70の光出力信号切替部80に、第1の伝送路81から第1の光信号S31が入力されている。また、光パス切替装置70の光出力信号切替部80に、第2の伝送路82から第2の光信号S32が入力されている。第1の伝送路81側を現用としているので、光出力信号切替部80のスイッチ素子は、第1の伝送路81の通信用光ファイバ84からの入力経路を光出力伝送路83への出力経路に接続している状態である。よって、光出力信号切替部は、現用の第1の伝送路81から入力された第1の光信号S31を、出力光信号S33として光出力伝送路85に出力している(ステップ131)。
光パス切替装置70には送電用の光が第1の送電信号S34として第1の伝送路81の送電用光ファイバ85から入力されている。光パス切替装置70に入力された第1の送電信号S34は、光電変換部71に送られる。第1の送電信号S34を受け取ると、光電変換部71は、第1の送電信号S34の光を電気に変換して第1の光電変換信号S36として出力する。また、光パス切替装置70には送電用の光が第2の送電信号S35として第2の伝送路82の送電用光ファイバ87から入力されている。光パス切替装置70に入力された第2の送電信号S35は、光電変換部72に送られる。第2の送電信号S35を受け取ると、光電変換部72は、第2の送電信号S35の光を電気に変換して第2の光電変換信号S37として出力する。第1の光電変換信号S36および第2の光電変換信号S37はそれぞれダイオードを介して充電部75に送られる。充電部75は、第1の光電変換信号S36および第2の光電変換信号S37が有する電力を蓄電する(ステップ132)。
充電部75で蓄電された電力は、充電部75からDC電源信号S38として出力され、光レベル検出部76、光レベル検出部77、識別部78、ラッチ回路79および光出力信号切替部80のDC電源として供給される。
第1の伝送路81から光パス切替装置70に入力された第1の光信号S31の一部は、分岐されて光レベル検出部76に入力される。光信号の分岐は、例えば、光カプラを用いて行うことができる。分岐されてそれぞれの経路に送られる光信号は、分岐前の光信号が含むすべての波長の信号を含む。また、第2の伝送路82から光パス切替装置70に入力された第2の光信号S32の一部も、同様に、光レベル検出部77に入力される。
第1の光信号S31が入力されると、光レベル検出回路76は光信号の強度の測定を行い、測定結果を第1の光強度信号S39として識別部78に送る。第2の光信号S32が入力されると、光レベル検出回路77は光信号の強度の測定を行い、測定結果を第2の光強度信号S40として識別部78に送る。識別部78は、第1の光強度信号S39および第2の光強度信号S40を受け取ると、現用の伝送路の光信号の強度である第1の光強度信号S39が示す強度の測定値と所定の閾値を比較する(ステップ133)。所定の閾値は、伝送路から入力される光信号の強度の異常の有無を判断する際の閾値として設定され、識別部78に保存されている。識別部78は、光レベル検出回路から送られてくる光信号の強度の測定値が所定の閾値以上である場合に、光信号が正常に伝送されていると判断する。また、識別部78は、光レベル検出回路から送られてくる光信号の強度の計測値が所定の閾値未満である場合に、伝送路で異常が発生していると判断する。
第1の光強度信号S39が示す光信号の強度が所定の閾値以上の場合(ステップ134でNo)、識別部78は第1の伝送路81は正常であると判断する。識別部78は、現用の伝送路が正常であると判断したときは、切替制御信号S41の出力は行わない。新たな信号を受け取らないのでラッチ回路79は、オフ状態の信号切制御信号S42の出力を継続する。また、光出力信号切替部80は、オフ状態の信号切制御信号S42の信号を受け取り続けているのでスイッチ素子の切り替えを行わない。そのため、光出力信号切替部80は現用としている第1の伝送路81から入力される第1の光信号S31を、光出力伝送路81に出力し続ける(ステップ141)。
識別部78は、第1の伝送路81が正常であると判断すると、所定の時間、休止状態で待機する(ステップ142)。識別部78は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ143でNo)、休止状態のまま時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ143でYes)、識別部143はステップ133からの動作を行う。
第1の光強度信号S39が示す光信号の強度が所定の閾値未満の場合(ステップ134でYes)、識別部78は第1の伝送路81で異常が発生していると判断する。識別部78は、現用の伝送路である第1の伝送路81で異常が発生していると判断すると、予備のとしている第2の伝送路81の異常の有無を判断する。識別部78は、予備の伝送路である第2の伝送路81の異常の有無を判断するため、第2の光強度信号S40が示す第2の光信号S32の強度と所定の閾値を比較する(ステップ135)。
第2の光強度信号S40が示す光信号の強度が所定の閾値未満の場合(ステップ136でYes)、識別部78は第2の伝送路82でも異常が生じていると判断する。識別部78は、第2の伝送路82も異常が発生していると判断すると、所定の時間後に再度、伝送路の異常の有無を判断する。識別部78は、再度、伝送路の異常の有無を判断するまでの時間、すなわち所定の時間、休止状態で待機する(ステップ142)。識別部78は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ143でNo)、休止状態のまま時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ143でYes)、識別部78はステップ133からの動作を行う。所定の回数の確認を行っても、両方の伝送路とも異常と判断される場合に、光通信ネットワークの制御システム等に、伝送路で異常が発生している旨の情報が通知される構成とすることもできる。
第2の光強度信号S40が示す光信号の強度が所定の閾値以上の場合(ステップ136でNo)、識別部78は第2の伝送路82は正常であると判断する。第2の伝送路が正常であると判断すると、識別部78は光出力信号切替部80からの出力を第2の伝送路82側に切り替えるために、オン状態を示す切替制御信号S41をラッチ回路79に送る。ラッチ回路79は、オン状態を示す切替制御信号S41を受け取るとそれまで保持していたオフ状態に代えてオン状態の保持を開始する。ラッチ回路79はオン状態を保持すると、オン状態を示す信号切替信号S42を光出力信号切替部80に送る。
光出力信号切替部80は、オン状態を示す信号切替信号S42を受け取るとスイッチ素子を第1の伝送路81側から第2の伝送路82側へと切り替えて、信号の経路の切り替えを行う(ステップ137)。光出力信号切替部80がスイッチ素子を切り替えると、予備の伝送路としていた第2の伝送路82入力された第2の光信号S32が、出力光信号S33として光出力伝送路82に出力される(ステップ138)。また、光出力信号切替部80がスイッチ素子を切り替えることにより、第1の光信号S31は光出力伝送路83に出力されなくなる。
オン状態を示す切替制御信号S41をラッチ回路79に送ると、識別部78は次に、伝送路の異常の有無を判断する所定の時間後まで休止状態で待機する(ステップ139)。
識別部78は、時間の計測を行い所定の時間が経過していない場合は(ステップ140でNo)、休止状態のまま時間の計測を継続する。所定の時間が経過した場合は(ステップ140でYes)、識別部143はステップ133からの動作を行う。ステップ133からの動作は、第2の伝送路82を現用、第1の伝送路81を予備の伝送路として行われる。
以上の動作により、出力する光信号を異常が発生している第1の伝送路81から正常な第2の伝送路82で伝送される光信号へと切り替えることにより、正常な光信号の伝送を継続することができる。
本実施形態の光通信ネットワークでは、光パス切替装置70の識別部78がデータ通信用の光信号の強度を基に現用と予備の伝送路の異常の有無を判断している。データ通信用の光信号の強度を基に異常の有無を判断することにより、光信号の異常をより正確に検知することができる。その結果、本実施形態の光通信ネットワークでは、異常をより正確に検知して光信号の切り替えを行うことができるので、光信号のより正常な伝送が可能となり通信の信頼性を向上することが可能となる。
第2の実施形態において、光パス切替装置の光電変換部および蓄電部は並列となるように備えられている。このような構成に代えて、第3の実施形態と同様に光電変換部の出力が、充電部に入力され充電部からの出力がDC電源として供給されるような構成とすることもできる。
第3の実施形態および第4の実施形態において、光パス切替装置の識別部が第1の伝送路および第2の伝送路の異常の有無を所定の閾値との比較を基に判断し、判断結果を基に切り替えの可否を判断していた。このような、構成に代えて2つの伝送路のうち光信号がより正常に伝送されている側が選択されるようにすることもできる。すなわち、2つの伝送路の送電用の光または光信号を比較して、強度がより正常な伝送路を選ぶ方法とすることもできる。2つの伝送路のうちより正常な方を選ぶ方法とすることにより、光信号の伝送を継続できる可能性が向上する。また、このような構成とする場合は、頻繁な切り替えが起きないように、伝送路の選択を開始するための所定の条件を設定し、条件を満たしたときのみ伝送路の選択の動作を開始する構成とする。
第2乃至第4の実施形態において、光パス切替装置の蓄電部または充電部では、2つの光電変換部から出力された電気信号の電力を同時に蓄電していた。このような、構成に代えて、現用の伝送路の光電変換部から出力された電気信号のみが蓄電される構成とすることもできる。現用側でのみ蓄電される構成とする場合は、異常が発生してもう一方の伝送路からの出力に切り替える際に、切り替え先の伝送路に対応した光電変換部から出力される電気信号の蓄電が開始される構成とする。
第1乃至第4の実施形態の光パス切替装置および光通信ネットワークは、例えば、ケーブルテレビの映像配信システムに用いることができる。このような用途に用いた場合、放送局または中継局の送信機から第1の伝送路および第2の伝送路に同一の内容の放送信号が光信号として送信される。所定の位置に設置された光パス切替装置で第1の伝送路または第2の伝送路の一方の光信号が選択され、それ以後の経路では1つの伝送路のみで光信号が伝送される。このような構成とすることにより、所定の位置までの経路が第1の伝送路および第2の伝送路で冗長化されているので、放送信号の伝送をより安定して行うことができる。また、光伝送系のみで信号の切り替えを行うことができ電気配線を必要としないため、地理的条件等の制約を受けにくくなり、ケーブルテレビの映像配信ネットワークの構築の自由度が向上する。
本発明は、光通信ネットワークに用いることができ、特に通信回線が冗長化された光通信ネットワークに利用することができる。
1 光電変換手段
2 異常監視手段
3 出力信号切替手段
10 光パス切替装置
11 光電変換部
12 光電変換部
13 ダイオード
14 ダイオード
15 蓄電部
16 識別部
17 光出力信号切替部
18 オペアンプ
19 抵抗
21 第1の伝送路
22 第2の伝送路
23 光出力伝送路
24 通信用光ファイバ
25 送電用光ファイバ
26 通信用光ファイバ
27 送電用光ファイバ
30 光パス切替装置
31 光電変換部
32 光電変換部
33 ダイオード
34 ダイオード
35 充電部
36 識別部
37 ラッチ回路
38 光出力信号切替部
41 第1の伝送路
42 第2の伝送路
43 光出力伝送路
44 通信用光ファイバ
45 送電用光ファイバ
46 通信用光ファイバ
47 送電用光ファイバ
51 第1の伝送路側入力部
52 第2の伝送路側入力部
53 制御部
54 切替制御信号出力部
61 主制御部
62 記憶部
63 スリープ機能部
70 光パス切替装置
71 光電変換部
72 光電変換部
73 ダイオード
74 ダイオード
75 充電部
76 光レベル検出部
77 光レベル検出部
78 識別部
79 ラッチ回路
80 光出力信号切替部
81 第1の伝送路
82 第2の伝送路
83 光出力伝送路
84 通信用光ファイバ
85 送電用光ファイバ
86 通信用光ファイバ
87 送電用光ファイバ
101−108 信号の切り替え動作ステップ
111−123 信号の切り替え動作ステップ
131−143 信号の切り替え動作ステップ
S1 第1の光信号
S2 第2の光信号
S3 出力光信号
S4 第1の送電信号
S5 第2の送電信号
S6 第1の光電変換信号
S7 第2の光電変換信号
S8 DC電源信号
S9 切替制御信号
S11 第1の光信号
S12 第2の光信号
S13 出力光信号
S14 第1の送電信号
S15 第2の送電信号
S16 第1の光電変換信号
S17 第2の光電変換信号
S18 DC電源信号
S19 切替制御信号
S20 信号切替信号
S21 第1の光強度信号
S22 第2の光強度信号
S23 出力制御信号
S31 第1の光信号
S32 第2の光信号
S33 出力光信号
S34 第1の送電信号
S35 第2の送電信号
S36 第1の光電変換信号
S37 第2の光電変換信号
S38 DC電源信号
S39 第1の光強度信号
S40 第2の光強度信号
S41 切替制御信号
S42 信号切替信号

Claims (10)

  1. 第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される前記第1の送電用の光を電気に変換する光電変換手段と、
    前記第1の伝送路の異常の有無を監視する異常監視手段と、
    前記異常監視手段が前記第1の伝送路の異常を検知したときに、前記光電変換手段が変換した前記電気を駆動源として、出力する信号を前記第1の伝送路を介して入力される前記第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替える出力信号切替手段と
    を備えることを特徴とする光パス切替装置。
  2. 前記光電変換手段は、前記第2の信号を伝送する光ファイバとは別の光ファイバで前記第2の伝送路を介して入力される第2の送電用の光を電気に変換する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光パス切替装置。
  3. 前記異常監視手段は、前記第2の伝送路の異常の有無を監視する手段をさらに備え、
    前記出力信号切替手段は、前記異常監視手段が前記第1の伝送路の異常を検知したときに、前記第2の伝送路の異常を検知していない場合に、前記第1の信号から前記第2の信号への切り替えを行うことを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の光パス切替装置。
  4. 前記異常監視手段は、前記光電変換手段が前記第1の送電用の光を変換して出力する前記電気を計測した結果を基に異常を検知することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光パス切替装置。
  5. 前記異常監視手段は、前記第1の信号の強度の計測結果を基に異常を検知することを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光パス切替装置。
  6. 前記光電変換手段が前記光を変換した前記電気を保持する蓄電手段をさらに備え、
    前記蓄電手段が前記出力信号切替手段に前記電気を駆動源として供給することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の光パス切替装置。
  7. 第1の信号を伝送する光ファイバ及び第1の送電用の光を伝送する光ファイバをそれぞれ備える第1の伝送路を介して入力される送電用の光を電気に変換し、
    前記第1の伝送路の異常の有無を監視し、
    前記第1の伝送路の異常を検知したときに、前記第1の送電用の光から変換した前記電気を駆動源として、出力する光信号を前記第1の伝送路を介して入力される前記第1の信号から、第2の伝送路を介して入力される第2の信号に切り替えることを特徴とする通信方法。
  8. 前記第2の信号を伝送する光ファイバとは別の光ファイバで前記第2の伝送路を介して入力される第2の送電用の光を電気に変換し、前記第2の送電用の光から変換した前記電気も前記第2の信号に切り替える際の前記駆動源として用いることを特徴とする請求項7に記載の通信方法。
  9. 前記第1の送電用の光を変換して出力する前記電気を計測した結果を基に前記異常を検知することを特徴とする請求項7または8いずれかに記載の通信方法。
  10. 前記第1の信号の強度の計測結果を基に前記異常を検知することを特徴とする請求項7または8いずれかに記載の通信方法。
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