JP2015153586A - 燃料電池システム - Google Patents

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英高 西村
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Abstract

【課題】強制停止後の再起動時における燃料電池システムの安全性を確保する。
【解決手段】燃料電池に水素を含むアノードガス及び酸素を含むカソードガスを供給して負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムは、カソードガス通路に設けられる電気式部品と、燃料電池システムの起動後に、電気式部品に通電する通電手段とを含む。そして燃料電池システムは、燃料電池システムの起動後に、燃料電池システムの運転状態に応じて燃料電池にカソードガスを供給するガス供給手段を含む。ガス供給手段がカソードガスを前記燃料電池に供給してから所定期間が経過した後に、通電手段は、電気式部品への通電を開始する。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムとして、燃料電池の出力電圧が低下したときに、燃料電池システムを強制的に停止するものがある(特許文献1参照)。
特開2002−313396号公報
燃料電池システムが停止されるときは、通常、燃料電池へのカソードガス及びアノードガスの供給が停止され、この状態で燃料電池から電流を取り出すことにより、アノードガスに含まれる水素が消費されて、燃料電池内の水素圧力が所定の値以下に制御される。このため、燃料電池を構成する触媒のアノード側の電位が低下するので、高電位によるアノード側の触媒劣化が抑制される。
一方、燃料電池システムに何らかのフェールが発生した場合は、燃料電池システムが強制的に停止されることがあり、強制停止時には燃料電池内の水素圧力を低下させる制御が行われない。
このため、燃料電池を高負荷で運転していた場合など燃料電池内のアノード側の圧力が高圧になっている状態で、燃料電池システムが強制的に停止されると、強制停止後はアノード側の圧力が通常停止時よりも高い状態に維持されるので、アノード側の水素がカソード側へと透過していく。そして、カソード側へと透過した水素は、燃料電池内に留まらずにカソードガス供給通路に設けられたエアフローセンサなどの電気系部品まで拡散していくことがある。
現在開発中の燃料電池システムでは、エアフローセンサとして圧力損失の少ない熱線式のセンサが使用されている。この熱線式のセンサでは、カソードガス供給通路内のガス雰囲気中に熱線が配置され、この熱線が一定の温度となるように熱線に供給される電流が制御される。熱線に供給される電流値はカソードガス流量に応じて変化するので、この特性を利用してカソードガス通路を流れるガス流量が検知される。
このようにカソードガス通路内に電気式部品が設けられた燃料電池システムでは、強制停止後に、燃料電池システムが再起動されると、電気式部品の周りに水素が存在した状態で通電が開始されてしまうことが懸念される。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、強制停止後の再起動時における上記の懸念を改善させた燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明による燃料電池システムのひとつの態様は、燃料電池に水素を含むアノードガス及び酸素を含むカソードガスを供給して負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムである。この燃料電池システムは、カソードガス通路に設けられる電気式部品と、燃料電池システムの起動後に、電気式部品に通電する通電手段と、燃料電池システムの起動後に、前記燃料電池システムの運転状態に応じて前記燃料電池にカソードガスを供給するガス供給手段とを備える。そして通電手段は、ガス供給手段がカソードガスを燃料電池に供給してから所定期間が経過した後に電気式部品への通電を開始することを特徴とする。
この態様によれば、燃料電池システムが起動され、カソードガスを燃料電池に供給してから所定期間が経過した後に、カソードガス通路に設けられた電気式部品への通電が開始される。そのため、電気式部品の周りに拡散してきたガスをカソードガスによって掃気した後に、電気式部品への通電を開始するので、電気式部品の周りに水素が存在した状態で電気式部品への通電が開始されるのを回避できる。
図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池システムの概略図である。 図2は、カソードガス通路に設けられたエアフローセンサの一例を示す図である。 図3は、燃料電池システムの起動処理方法を示すフローチャートである。 図4は、燃料電池スタックのセル電圧を検出して、カソードガス供給通路の掃気処理を終了する手法を示す図である。 図5は、燃料電池スタックに供給されるアノードガスの圧力を検出して、カソードガス通路の掃気処理を終了する手法を示す図である。 図6は、燃料電池システムの強制停止後のエアフローセンサ近傍のカソードガス供給通路の水素濃度の時間変化を示す図である。 図7は、本発明の第2実施形態における燃料電池システムの起動処理方法を示すフローチャートである。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
燃料電池は電解質膜をアノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)とによって挟み、アノード電極に水素を含有するアノードガス(燃料ガス)、カソード電極に酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)を供給することによって発電する。アノード電極及びカソード電極の両電極において進行する電極反応は以下の通りである。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
この電極反応(1)(2)によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。
燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、車両の駆動に必要な電力が大きいため、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックが使用される。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、燃料電池スタックから車両駆動用の電力を取り出す。なお、燃料電池スタックに積層された複数の燃料電池のうちのひとつの燃料電池を電池セルという。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における燃料電池システム100の概略図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、カソードガス給排装置2と、アノードガス給排装置3と、コントローラ4と、バッテリ5と、電源供給スイッチ6と、セル電圧測定装置7と、負荷装置8と、を備える。
燃料電池スタック1は、数百枚の燃料電池を積層したものであり、アノードガス及びカソードガスの供給を受けて、車両の駆動に必要な電力を発電する。
カソードガス給排装置2は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスを外気に排出する。カソードオフガスは、燃料電池スタック1において、電極反応で使用されなかった余剰のカソードガスや、電極反応によって生じた水蒸気などが混合されたガスである。
カソードガス給排装置2は、カソードガス通路として、カソードガス供給通路201、カソードガス排出通路202及びカソードガスバイパス通路203を備える。
カソードガス供給通路201は、燃料電池スタック1に供給するカソードガスが流れる通路である。カソードガス供給通路201の一端は開口端となっており、他端は燃料電池スタック1に形成されたカソードガス入口孔に接続される。
カソードガス供給通路201には、エアフローセンサ21と、カソードコンプレッサ22と、インタークーラ23と、エアフローセンサ24と、水分回収装置(Water Recovery Device;以下「WRD」という。)25と、カソード圧力センサ26とが設けられる。
エアフローセンサ21は、カソードガス供給通路201の開口端とカソードコンプレッサ22との間のカソードガス供給通路201に設けられる。エアフローセンサ21は、カソードコンプレッサ22に吸入されるカソードガスの流量(以下、「コンプレッサ流量」という。)を検出する。エアフローセンサ21により検出されたコンプレッサ流量は、コントローラ4に出力される。本実施形態ではエアフローセンサ21として、圧力損失の少ない熱線式のセンサが使用される。
カソードコンプレッサ22は、カソードガス供給通路201に設けられる。カソードコンプレッサ22は、カソードガスとしての空気(外気)をカソードガス供給通路201に取り込み、燃料電池スタック1に供給する。カソードコンプレッサ22は、コントローラ4によって制御されてコンプレッサ流量が調節される。
インタークーラ23は、カソードコンプレッサ22よりも下流のカソードガス供給通路201に設けられる。インタークーラ23は、カソードコンプレッサ22から吐出されたカソードガスを冷却する。
エアフローセンサ24は、インタークーラ23とWRD25との間のカソードガス供給通路201に設けられる。エアフローセンサ24は、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量(以下、「スタック流量」という。)を検出する。エアフローセンサ24により検出されたスタック流量は、コントローラ4に出力される。本実施形態ではエアフローセンサ24は、エアフローセンサ21と同じものである。
WRD25は、カソードガス供給通路201及びカソードガス排出通路202とそれぞれ接続される。そしてWRD25は、カソードガス排出通路202を流れるカソードオフガス中の水分を回収し、その回収された水分を利用してカソードガス供給通路201を流れるカソードガスを加湿する。
カソード圧力センサ26は、WRD25と燃料電池スタック1との間のカソードガス供給通路201に設けられる。カソード圧力センサ26は、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの圧力(以下、「カソード圧」という。)を検出する。カソード圧力センサ26により検出されたカソード圧は、コントローラ4に出力される。
カソードガス排出通路202は、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス排出通路202の一端は燃料電池スタック1に形成されたカソードガス出口孔に接続され、他端が開口端となっている。カソードガス排出通路202によって、燃料電池スタック1から排出された排気ガスが大気に放出される。
カソードガス排出通路202には、カソード調圧弁27とマフラ28とが設けられる。
カソード調圧弁27は、WRD25よりも下流のカソードガス排出通路202に設けられる。カソード調圧弁27は、コントローラ4に従って開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの圧力を調整する。例えばカソード調圧弁27は、その開度を段階的に調整可能な電磁弁により実現される。
マフラ28は、カソードガス排出通路202から外部に伝播される騒音を吸収するものである。マフラ28は主に吸音材により形成されている。マフラ28の内部においてアノードガス排出通路302がカソードガス排出通路202に合流している。また、マフラ28とカソード調圧弁27との間のカソードガス排出通路202には、カソードガスバイパス通路203が合流している。
カソードガスバイパス通路203は、カソードコンプレッサ22から吐出されるカソードガスの一部が、燃料電池スタック1をバイパスさせてカソードガス排出通路202に流れる通路である。カソードガスバイパス通路203は、カソードコンプレッサ22とインタークーラ23との間のカソードガス供給通路201から分岐してカソードガス排出通路202に接続される。
カソードバイパス弁29は、カソードガスバイパス通路203に設けられる。カソードバイパス弁29は、コントローラ4によって開閉制御されて、カソードガス供給通路201からカソードガス排出通路202にバイパスさせるカソードガスの流量を調節する。カソードバイパス弁29は、その開度を段階的に調整可能な電磁弁により実現される。
アノードオフガスを希釈するために必要なコンプレッサ流量が、燃料電池スタック1に必要なスタック流量よりも大きい場合には、カソードバイパス弁29によって、コンプレッサ流量からスタック流量を差し引いた流量のカソードガスがバイパスされる。あるいは、カソードコンプレッサ22に生じるサージを回避するために必要なコンプレッサ流量が、燃料電池スタック1に必要なスタック流量よりも大きい場合には、カソードバイパス弁29によって、コンプレッサ流量からスタック流量を差し引いた流量のカソードガスがバイパスされる。
アノードガス給排装置3は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスをカソードガス排出通路202に排出する。アノードオフガスは、燃料電池スタック1において、電極反応で使用されなかった余剰のアノードガスや、カソード側からリークしてきた窒素及び水蒸気などが混合されたガスである。
アノードガス給排装置3は、アノードガス供給通路301及びアノードガス排出通路302を備える。
アノードガス供給通路301は、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスが流れる通路である。アノードガス供給通路301の一端は、不図示の高圧タンクに接続され、他端は燃料電池スタック1に形成されたアノードガス入口孔に接続される。高圧タンクには、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスが高圧状態に保って貯蔵される。
アノードガス供給通路301には、アノード調圧弁31とアノード圧力センサ32とが設けられる。
アノード調圧弁31は、高圧タンクよりも下流のアノードガス供給通路301に設けられる。アノード調圧弁31は、コントローラ4によって開閉制御されて、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力を調節する。例えばアノード調圧弁31は、その開度を段階的に調整可能な電磁弁により実現される。
アノード圧力センサ32は、アノード調圧弁31と燃料電池スタック1との間のアノードガス供給通路301に設けられる。アノード圧力センサ32は、燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力(以下、「アノード圧」という。)を検出する。アノード圧力センサ32により検出されたアノード圧は、コントローラ4に出力される。
アノードガス排出通路302は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスが流れる通路である。アノードガス排出通路302の一端は燃料電池スタック1に形成されたアノードガス出口孔に接続され、他端はマフラ28内でカソードガス排出通路202に接続される。すなわち、アノードガス排出通路302によって、カソードガス排出通路202にアノードオフガスを合流させる。
アノードガス排出通路302を介してカソードガス排出通路202に排出されたアノードオフガスは、カソードガス排出通路202を流れるカソードオフガスと混合されて燃料電池システム100の外部に排出される。アノードオフガスには、電極反応に使用されなかった余剰のアノードガス(水素)が含まれているので、カソードオフガスと混合させて排出することで、カソードガス排出通路202から排出されるガスの水素濃度が予め定められた規定値以下となるようにコンプレッサ流量が制御される。
アノードパージ弁33は、アノードガス排出通路302に設けられ、アノードオフガスを排出するために開閉する。アノードパージ弁33は、コントローラ4によって開閉制御されて、アノードガス排出通路302からカソードガス排出通路202に排出されるアノードオフガスの流量を調節する。
バッテリ5は、例えば14V(ボルト)の直流電圧を出力する。バッテリ5は、電源供給スイッチ6を介して、エアフローセンサ21、及びエアフローセンサ24に接続される。すなわち、バッテリ5は、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の電源として用いられる。バッテリ5は、例えばリチウムイオン電池により実現される。
電源供給スイッチ6は、コントローラ4の制御に従って、バッテリ5から出力される直流電圧をエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24に供給する。
例えば、電源供給スイッチ6が接続状態(ON)に設定されると、バッテリ5からエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24に直流電圧が供給されて、カソードガス流量の検出が開始される。一方、電源供給スイッチ6が切断状態(OFF)に設定されると、バッテリ5から出力される直流電圧の供給が停止されてエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24による検出が停止される。
セル電圧測定装置7は、燃料電池スタック1に積層される複数の電池セルに生じる出力電圧(以下、「セル電圧」という。)を、電池セルごとに測定する。セル電圧測定装置7は、測定した各セル電圧をコントローラ4に出力する。
負荷装置8は、燃料電池スタック1に接続される電動モータなどの負荷である。例えば、負荷装置8は、一方が燃料電池スタック1に接続され他方が数百Vの強電バッテリに接続されたDC/DCコンバータを含み、コントローラ4によってDC/DCコンバータが制御されて燃料電池スタック1の出力電圧が所望の値に調整される。
コントローラ4は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ4には、前述したセル電圧測定装置7、エアフローセンサ21、エアフローセンサ24、カソード圧力センサ26、及びアノード圧力センサ32から出力される信号が入力される。その他にも、アクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル操作量」という。)を検出するアクセルストロークセンサや、イグニッションキーを操作して燃料電池システム100の起動又は停止を指示する指令信号を出力するイグニッションスイッチ41などの各種センサからの信号が入力される。
イグニッションスイッチ41がONされてイグニッションスイッチ41から、燃料電池システム100の起動を指示する指令信号がコントローラ4に出力されると、コントローラ4は、その指令信号に従って、燃料電池システム100の起動処理を実行する。その後コントローラ4は、各種センサの出力信号や、カソード調圧弁27などの各種電気部品の作動状態、アクセル操作量から求められる要求電力などに基づいて、燃料電池スタック1を発電させる。
例えばコントローラ4は、負荷装置8からの要求電力や、燃料電池スタック1の温度状態、内部圧力状態、電解質膜の湿潤状態、水素希釈状態などの燃料電池システム100の運転状態に応じて、カソードガス及びアノードガスを燃料電池スタック1に供給する。具体的には、コントローラ4は、カソードコンプレッサ22及びカソード調圧弁27を制御して、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量及び圧力を調整する。またコントローラ4は、アノード調圧弁31を制御して燃料電池スタック1に供給されるアノードガスの圧力を調整する。
一方、イグニッションスイッチ41がOFFされてイグニッションスイッチ41から、燃料電池システム100の停止を指示する指令信号がコントローラ4に出力されると、コントローラ4は、その指令信号に従って、燃料電池スタック1の停止処理を実行する。
本実施形態では、コントローラ4は、燃料電池システム100を停止させるために、カソードコンプレッサ22を停止して燃料電池スタック1へのカソードガスの供給を停止し、アノード調圧弁31及びアノードパージ弁33を閉じてアノードガスの供給を停止する。この状態でコントローラ4は、負荷装置8に設けられたDC/DCコンバータを制御して燃料電池スタック1から電流を取り出す。
これにより、燃料電池スタック1内のアノードガスに含まれる水素が消費されるので、燃料電池スタック1内の水素圧力が所定値よりも低くなるように制御される。このため、燃料電池を構成する電解質膜のアノード側の電位が低下するので、アノード側の電位が高く維持されることによって生じる電解質膜の酸化が抑制される。したがって、燃料電池システム100の停止後に、電解質膜のアノード側の酸化によって発電性能が低下することを抑制できる。
一方、燃料電池スタック1の温度や、セル電圧、ガス圧力などが、燃料電池スタック1の損傷を防止するために定められた各閾値を超えた場合は、燃料電池システム100に何らかのフェールが発生し、燃料電池システム100が強制的に停止されることがある。
強制停止時は、燃料電池スタック1を保護するために燃料電池システム100を迅速に停止させることが望ましいため、通常の停止処理で行われる燃料電池スタック1内の水素圧力を低下させる制御は省略される。すなわち、強制停止処理では、コントローラ4は、燃料電池スタック1へのアノードガス及びカソードガスの供給を停止するのみであり、燃料電池スタック1内のアノードガスの圧力を所定値まで下げる制御を行われない。
そのため、燃料電池スタック1を高負荷で運転していた場合など、燃料電池スタック1内のアノード圧が高くなっている状態において、燃料電池システム100が強制的に停止されると、強制停止後はアノード圧が通常停止時よりも高い状態に維持される。
このような状態では、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路に存在する水素が、電解質膜を介して反対側のカソードガス通路へと透過していく。そして、カソードガス通路へと透過した水素は、燃料電池スタック1内に留まらずに、燃料電池スタック1よりも上流のカソードガス供給通路201に設けられたエアフローセンサ24などの電気系部品まで拡散していくことがある。
図2は、熱線式のエアフローセンサ24の構成を示す模式図である。
エアフローセンサ24は、カソードガス供給通路201に設けられる圧力損失の少ない熱線式のセンサである。エアフローセンサ24は、熱線241と検出回路242とを備える。
熱線241は、電気信号が供給される電気式部品であり、カソードガス供給通路201内のガス雰囲気中に配置される。熱線241は、検出回路242に接続されている。
検出回路242は、カソードガス供給通路201の外周面に配置される。検出回路242は、電源供給スイッチ6がONに設定されると、バッテリ5から直流電圧を受けて熱線241に電圧を供給する。
検出回路242は、熱線241が所定温度に維持されるように、熱線241に供給される電流の大きさを制御する。そのため、カソードガスの流量が大きくなるほど熱線241が冷やされて温度が低下するので、検出回路242から熱線241に供給される電流値が大きくなる。一方、カソードガスの流量が小さくなるほど熱線241の温度が上昇するので、検出回路242から熱線241に供給される電流値が小さくなる。このように検出回路242から熱線241に供給される電流値はカソードガスの流量に応じて変化するので、この特性を利用してカソードガス供給通路201を流れるガス流量が検出回路242によって検知される。
具体的には、検出回路242は、熱線241に供給される電流値を検出し、その電流値に応じて信号レベルが変化する検出信号を、カソードガスの流量としてコントローラ4に出力する。
このようにカソードガス通路内に熱線241などの電気式部品が設けられた燃料電池システム100においては、強制停止後に燃料電池システム100が再起動されると、電気式部品の周りに水素が存在した状態で、通電が開始されることが懸念される。特に、熱線241の損傷等の異常によって熱線抵抗が増大していた場合は、熱線241で生じる発熱量が通常よりも大きくなるので、望ましくない。
そこで本実施形態では、燃料電池システム100が起動されると、コントローラ4は、カソードガスを燃料電池スタック1に供給した後に、カソードガス通路に設けられた電気式部品への通電が開始されるように制御する。以下、本実施形態による燃料電池システム100の動作について詳細に説明する。
図3は、コントローラ4による燃料電池システム100の起動処理方法を示すフローチャートである。
まず、イグニッションスイッチ41がONされてイグニッションスイッチ41から、燃料電池システム100の起動を指示する指令信号がコントローラ4に出力される。
そしてステップS911においてコントローラ4は、燃料電池システム100の起動処理を開始し、前回行われた燃料電池システム100の停止処理が、強制停止処理か通常停止処理かを判断する。
例えば、コントローラ4では、燃料電池システム100に何らかのフェールが発生して強制停止処理が行われた場合には、メモリ49に記憶された強制停止フラグが「1」に設定され、通常停止処理が行われた場合には、強制停止フラグが「0」に設定される。
そしてコントローラ4は、燃料電池システム100の起動時においてメモリ49に記憶された強制停止フラグを参照し、強制停止フラグが「1」を示す場合には、燃料電池システム100が前回停止された時(前回停止時)に強制停止処理が実行されたと判定する。一方、コントローラ4は、強制停止フラグが「0」を示す場合には、前回停止時に通常停止処理が実行されたと判定する。
前回停止時に通常停止処理が実行されたと判定された場合には、ステップS920においてコントローラ4は、電源供給スイッチ6の接続状態をONに設定して、バッテリ5からエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24へ電源電圧を供給する。バッテリ5から供給される電源電圧によって、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の熱線241への通電が開始される。そしてステップS921においてコントローラ4は、燃料電池スタック1を起動するための起動処理を実行して、燃料電池システム100の起動処理方法を終了する。
一方、前回停止時に強制停止処理が実行されたと判定された場合には、ステップS912においてコントローラ4は、アノード調圧弁31及びアノードパージ弁33を共に全閉にした状態でカソードコンプレッサ22を駆動し、カソードガス供給通路201を掃気する。
本実施形態では、コントローラ4は、アノードパージ弁33を全閉にした状態でカソードコンプレッサ22の回転速度を、カソードガス供給通路201の掃気に必要な所定の値(以下、「掃気回転速度」という。)vcに固定する。
そしてコントローラ4は、カソード調圧弁27を開き、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量が、カソードガスバイパス通路203を流れるカソードガスの流量よりも少なくなるように、カソードバイパス弁29の開度を調整する。これにより、カソードガス供給通路201や燃料電池スタック1内のカソードガス通路などに存在する水素ガスを掃気している間に、カソードガス排出通路202から外部に排出されるガス中の水素濃度を規定値以下に維持することができる。
ステップS913乃至S915においてコントローラ4は、カソードガス供給通路201に拡散してきた水素ガスが十分に排出されたこと、すなわちカソードガス供給通路201に対する掃気が終了したことを検出する。
ステップS913においてコントローラ4は、セル電圧測定装置7によって測定されたセル電圧(出力電圧)に基づいて、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたか否かを判断する。
例えば、強制停止後の再起動時にカソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201に供給されるカソードガスが多くなるほど、燃料電池スタック1内に形成されたカソードガス通路に滞留した水素が押し出されて酸素量が多くなり、セル電圧が高くなる。
このように、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出される量が増加するほど、セル電圧が高くなる。この特性を利用することにより、セル電圧に基づいてカソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたか否かを推定することができる。
本実施形態では、コントローラ4は、燃料電池スタック1のセル電圧が、電圧閾値Vthよりも大きいか否かを判断する。なお、電圧閾値Vthは、実験データ等により設定され、本実施形態ではメモリ49に予め記憶されている。
そしてコントローラ4は、セル電圧が電圧閾値Vthよりも大きい場合には、カソードガス供給通路201の掃気が完了したと判断し、ステップS920に進み、熱線241への通電を開始させる。
なお、カソードガス通路の掃気が終了したことを検出するために用いられるセル電圧としては、セル電圧測定装置7で測定される複数のセル電圧のうち、電圧値が最も低い電池セルに生じるセル電圧の値や、各セル電圧を平均した値などが用いられる。あるいは、セル電圧の代わりに、燃料電池スタック1の各セル電圧を加算した値、いわゆる総電圧の値を用いてもよい。
ステップS914においてコントローラ4は、燃料電池スタック1のセル電圧が電圧閾値Vth以下である場合には、アノード圧力センサ32によって検出されたアノード圧に基づいて、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたか否かを判断する。
例えば、コントローラ4は、アノード圧力センサ32によって検出されたアノード圧の現在値と、燃料電池システム100の起動時に検出されたアノード圧の初期値との差分に基づいて、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたか否かを判断する。
カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201を介して燃料電池スタック1に供給されるカソードガスが多くなるほど、燃料電池スタック1内の電解質膜で生じる電極反応によって水素が消費される量が増加する。その結果、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路のアノードガスの圧力が低下する。
このように、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出される量が増加するほど、アノード圧の現在値と初期値との差圧が大きくなる。この特性を利用することにより、アノード圧の現在値と初期値との差圧に基づいてカソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたか否かを推定することができる。
本実施形態では、コントローラ4は、アノード圧の現在値から初期値を減算した差圧である低下幅が、低下閾値ΔPathよりも大きいか否かを判断する。なお、低下閾値ΔPathは、実験データ等により設定され、本実施形態ではメモリ49に記憶されている。
そしてコントローラ4は、アノード圧の低下幅が低下閾値ΔPathよりも大きい場合には、カソードガス供給通路201の掃気が完了したと判断し、ステップS920に進み、熱線241への通電を開始させる。
ステップS915においてコントローラ4は、アノード圧の低下幅が低下閾値ΔPath以下である場合には、カソードコンプレッサ22を掃気回転速度vcに設定してからの経過時間に基づいて、カソードガス供給通路201から水素が排出されたか否かを判断する。
カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201にカソードガスを吐出する時間が長くなるほど、カソードガス供給通路201を流れるカソードガスが多くなり、カソードガス供給通路201から水素ガスが排出される量が増加する。
そこで本実施形態では、コントローラ4は、カソードコンプレッサ22を掃気回転速度vcに設定してから経過した時間(以下、「掃気時間」という。)を、例えばカウンタを用いて計測する。そしてコントローラ4は、掃気時間が所定の時間閾値Tthよりも長いか否かを判断する。なお、時間閾値Tthは、実験データ等により設定され、本実施形態ではメモリ49に記憶されている。
そしてコントローラ4は、カソードガス供給通路201の掃気時間が時間閾値Tthよりも長い場合には、カソードガス供給通路201の掃気が完了したと判断し、ステップS920に進み、熱線241への通電を開始させる。
一方、コントローラ4は、カソードガス供給通路201を掃気している時間が時間閾値Tthと等しいか時間閾値Tthよりも短い場合には、カソードガス供給通路201の掃気が完了していないと判断し、ステップS912に戻る。
そして、ステップS913からS915までの処理のうちいずれかひとつの処理において、カソードガスによって十分に水素ガスが希釈されたことが検出されるまで、ステップS913からS915までの一連の処理が繰り返される。
カソードガス供給通路201から水素ガスが排出されたことを検出した場合には、ステップS920においてコントローラ4は、電源供給スイッチ6をONに設定してエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の熱線241に通電を開始させる。
ステップS921においてコントローラ4は、燃料電池スタック1の通常起動処理を実行して燃料電池システム100の起動処理方法についての一連の処理手順を終了する。
次に、燃料電池システム100の強制停止後の再起動時に行われるカソードガス供給通路201に対する掃気が完了したことを検出する検出手法について説明する。
図4は、燃料電池スタック1のセル電圧に基づいて、カソードガス供給通路201の掃気が終了したことを検出したときの燃料電池システム100の起動処理を説明するためのタイムチャートである。
図4(a)は、セル電圧測定装置7で測定されるセル電圧の変化を示す図である。図4(b)は、カソードガス排出通路202から排出されるガス中の水素濃度、いわゆる排気水素濃度の変化を示す図である。図4(c)から図4(f)は、コントローラ4によって制御されるカソード調圧弁27の開度、カソードバイパス弁29の開度、カソードコンプレッサ22の回転速度、及び、アノードパージ弁33の開度の変化を示す図である。
図4(g)は、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の電源がONされるタイミングを示す図である。図4(a)から図4(f)までの各図面の横軸は、互いに共通の時間軸である。
時刻t10よりも前に、燃料電池スタック1が高負荷で運転されている状態で燃料電池システム100に何らかのフェールが発生して強制的に停止されたことを想定している。
強制停止後は、燃料電池スタック1内のアノード圧が通常停止時よりも高くなることから、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路から、電解質膜を介してカソードガス通路へとアノードガスが押し出される量が増加する。カソードガス通路を透過してきたアノードガスに含まれる水素は、拡散性が高いのでエアフローセンサ24まで拡散される。
また強制停止後は、燃料電池スタック1内のアノードガス通路からカソードガス通路へとアノードガスが押し出される量が通常停止時よりも増加するので、カソードガス通路内の酸素濃度が低下すると共にアノードガス通路内の水素濃度が低下する。そのため、図4(a)に示されるセル電圧は低下し、図4(b)に示される排気水素濃度は、通常停止時に比べて高くなる。
また停止処理が行われたため、図4(c)から図4(f)に示すように、カソード調圧弁27は開いた状態であり、カソードバイパス弁29は少し開いた状態であり、カソードコンプレッサ22の回転速度が0であり、アノードパージ弁33は閉弁状態である。さらに、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24では、電源がOFFされた状態であり、検出値が0となっている。
時刻t10において、イグニッションスイッチ41によってイグニッションキーがOFFからONへ操作されたことが検出され、これによってイグニッションスイッチ41から、燃料電池システム100の起動を指示する指令信号がコントローラ4に供給される。そしてコントローラ4は、燃料電池システム100を起動するための起動処理を開始する。
燃料電池システム100の起動処理が開始されると、時刻t11において、コントローラ4は、メモリ49に記憶された強制停止フラグを参照して、燃料電池システム100の前回停止処理が、強制停止処理か通常停止処理かを判断する。
図4では、メモリ49に記憶された強制停止フラグが「1」を示すため、コントローラ4は、燃料電池システム100が前回停止時に強制停止処理が実行されたと判断し、カソードガス通路を掃気するための掃気処理を開始する。これに伴い、コントローラ4は、掃気処理を終了するタイミングを検出するために、所定周期で、燃料電池スタック1のセル電圧が電圧閾値Vthよりも低いか否かを判断する。
なお、強制停止フラグが「0」を示す場合には、燃料電池システム100の前回停止時に通常停止処理が実行されたことになるため、カソードガス供給通路201に拡散してきた水素は無視できるほど僅かである。そのため、コントローラ4は、強制停止フラグが「0」を示す場合は、電源供給スイッチ6の接続状態をONに設定してエアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の熱線241への通電を開始し、燃料電池スタック1の起動処理を実行する。
カソードガス通路の掃気処理では、コントローラ4は、図4(e)に示すようにカソードコンプレッサ22の回転速度を、カソードガス供給通路201を掃気するために定められた掃気回転速度vcに設定する。これと共にコントローラ4は、図4(c)に示すようにカソード調圧弁27の開度を、燃料電池スタック1のカソードガス通路に滞留した水素の排出量を少なくするために小さな値acに設定する。これにより、排気水素濃度の増加を抑制すると共に、カソードガス供給通路201を流れる流速が速くなるので水素ガスを掃気しやすくなって掃気時間を短くすることができる。
その後、図4(d)に示すように、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量が、カソードガスバイパス通路203を流れるカソードガスの流量よりも少なくなるように、コントローラ4は、カソードバイパス弁29の開度を大きくして開弁する。これにより、図4(b)に示すように、排気水素濃度を低下させることができる。
時刻t12において、図4(c)に示すようにカソード調圧弁27の開度が下げられて所定の値acに固定されると共に、図4(d)に示すようにカソードバイパス弁29の開度が上げられて全開状態に固定される。そして、図4(e)に示すように、カソードコンプレッサ22の回転速度が上昇して掃気回転速度vcに固定される。
このようにコントローラ4は、カソード調圧弁27の開度を燃料電池スタック1の起動処理のときよりも小さな値に設定し、カソードバイパス弁29の開度を燃料電池スタック1の起動処理のときよりも大きな値に設定する。これにより、排気水素濃度を規定値以下に維持しつつ、カソードガス排出通路202から水素ガスを掃気することができる。
その後、時刻t13において、図4(a)に示すようにセル電圧が電圧閾値Vthよりも高くなるため、コントローラ4は、カソードガス供給通路201から水素が排出されたと判断する。すなわち、カソードガス通路の掃気が終了したことが検出される。
これに伴いコントローラ4は、燃料電池スタック1を起動するために、カソード調圧弁27の開度を燃料電池スタック1の発電に適した値に調整しつつ、カソードバイパス弁29の開度を閉じる方向、例えばゼロ(0)に設定する。
時刻t14において、図4(d)に示すようにカソードバイパス弁29の開度が設定値にまで下がり、燃料電池スタック1の起動処理が開始される。なお、燃料電池システム100が通常停止処理によって停止された後に燃料電池システム100が起動された場合には、通常、燃料電池スタック1の起動処理が直ぐに実行される。
燃料電池スタック1の起動処理を行うために、コントローラ4は、電源供給スイッチ6をONに設定して、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の熱線241への通電を開始する。これにより、図4(g)に示すように、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24から出力される検出信号が上昇する。
また燃料電池スタック1の起動処理が開始されると、コントローラ4は、図4(e)に示すように、カソードコンプレッサ22の回転速度を、燃料電池スタック1を発電させるために必要とされる起動回転速度vbに設定する。また、コントローラ4は、アノード調圧弁31を全閉状態から発電に適した開度まで開く。
時刻t15において、カソードコンプレッサ22が起動回転速度vbまで上昇すると、コントローラ4は、図4(f)に示すように、アノードパージ弁33の開度を大きくしてアノードパージ弁33を開く。
このようにカソードガス供給通路201を掃気した後にアノードパージ弁33を開くことにより、カソードガス通路の掃気中において、燃料電池スタック1からカソードガス排出通路202へ水素が排出されなくなる。このため、確実に、排気水素濃度を規定値以下に抑えることができる。なお、エアフローセンサ24では検出信号が次第に上昇し、カソードガス流量を正しく検出できる状態になる。
図5は、燃料電池スタック1内のアノード圧に基づいて、カソードガス供給通路201の掃気が終了したことを検出したときの燃料電池システム100の起動処理を説明するためのタイムチャートである。
図5(a)は、アノード圧力センサ32によって検出されるアノード圧の変化を示す図である。図5(b)から図5(g)までの各図面は、それぞれ、図4(b)から図4(g)までの各図面と同じである。また図5(a)から図5(f)までの各図面の横軸は、互いに共通の時間軸である。
図5では、図4と同様、時刻t20よりも前において、燃料電池システム100に何らかのフェールが発生して強制的に停止されたことを想定している。
強制停止処理では、燃料電池スタック1内のアノード圧を所定の値まで低下させる制御が行われないため、図5(a)に示されるアノード圧は、通常停止時よりも高くなる。これに伴い、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路からカソードガス通路へと水素が押し出される量が増加するため、図5(b)に示される排気水素濃度は、通常停止時よりも高くなる。
また停止処理が行われたため、図5(c)から図5(f)に示すように、カソード調圧弁27は開いた状態であり、カソードバイパス弁29は少し開いた状態であり、カソードコンプレッサ22は停止されて回転速度が0であり、アノードパージ弁33は閉弁状態である。さらに、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24では、電源がOFFされた状態であり、検出値が0となっている。
時刻t20において、イグニッションスイッチ41によってイグニッションキーがOFFからONへ操作されたことが検出され、これによってイグニッションスイッチ41から、燃料電池システム100の起動を指示する指令信号がコントローラ4に供給される。そしてコントローラ4は、燃料電池システム100の起動処理を開始する。
起動処理が開始された時点において、コントローラ4は、カソードガス供給通路201を掃気している間にアノード圧が低下した低下幅を求めるために、アノード圧力センサ32から出力されるアノード圧を初期値Pbとして取得する。
そして時刻t21において、コントローラ4は、メモリ49に記憶された強制停止フラグを参照して、燃料電池システム100の前回停止処理が、強制停止処理か通常停止処理かを判断する。
図5では、メモリ49に記憶された強制停止フラグが「1」を示すため、コントローラ4は、燃料電池システム100が前回停止時に強制停止処理が実行されたと判断し、カソードガス通路の掃気処理を開始する。これに伴い、コントローラ4は、掃気処理を終了するタイミングを検出するために、所定周期でアノード圧力センサ32によって検出されるアノード圧の現在値と、上述の初期値Pbとの差分ΔPaが、低下閾値ΔPathを超えるか否かを判断する。
なお、強制停止フラグが「0」を示す場合には、カソードガス供給通路201に拡散してきた水素は無視できるほど僅かであるため、電源供給スイッチ6の接続状態をONに設定して熱線241への通電を開始させ、燃料電池スタック1の起動処理を実行する。
カソードガス通路の掃気処理では、図4で述べた通り、コントローラ4は、図5(e)に示すようにカソードコンプレッサ22の回転速度を掃気回転速度vcに設定すると共に、図5(c)に示すようにカソード調圧弁27の開度を小さな値acに設定する。
その後、図5(d)に示すように、燃料電池スタック1に供給されるカソードガスの流量が、カソードガスバイパス通路203を流れるカソードガスの流量よりも少なくなるように、コントローラ4は、カソードバイパス弁29の開度を大きくして開弁する。
時刻t22において、図5(c)に示すようにカソード調圧弁27の開度が下げられて所定の値acに固定されると共に、図5(d)に示すようにカソードバイパス弁29の開度が上げられて全開状態に固定される。そして、図5(e)に示すように、カソードコンプレッサ22の回転速度が上昇して掃気回転速度vcに固定される。
このようにコントローラ4は、カソード調圧弁27の開度を燃料電池スタック1の起動処理のときよりも小さな値に設定し、カソードバイパス弁29の開度を燃料電池スタック1の起動処理のときよりも大きな値に設定する。これにより、排気水素濃度を規定値以下に維持しつつ、カソードガス排出通路202から水素ガスを掃気することができる。
この後、カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201を介して燃料電池スタック1にカソードガスが供給されると、電解質膜で生じる電極反応によって水素が消費される。このため、カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201に吐出されるカソードガスが多くなるほど、水素の消費量が多くなるので、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路内のアノード圧が低下する。
そして時刻t23において、図5(a)に示すように、アノード圧の低下幅ΔPaが低下閾値ΔPathよりも大きくなるため、コントローラ4は、カソードガス供給通路201から水素が排出されたと判断する。すなわち、カソードガス通路の掃気が終了したことが検出される。
これに伴いコントローラ4は、燃料電池スタック1を起動するために、カソード調圧弁27の開度を燃料電池スタック1の発電に適した値に調整しつつ、カソードバイパス弁29の開度を水素希釈に必要な値に設定する。
時刻t24において、図5(d)に示すようにカソードバイパス弁29の開度が設定値まで下がり、燃料電池スタック1の起動処理が開始される。
そしてコントローラ4は、電源供給スイッチ6をONに設定して、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24の熱線241への通電を開始する。これにより、図5(g)に示すように、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24から出力される検出信号が上昇する。
また燃料電池スタック1の起動処理が開始されると、図4で述べた通り、コントローラ4は、図5(e)に示すように、カソードコンプレッサ22の回転速度を起動回転速度vbに設定する。
時刻t25において、カソードコンプレッサ22が起動回転速度Vbまで上昇すると、コントローラ4は、図5(f)に示すように、アノードパージ弁33の開度を大きくしてアノードパージ弁33を開く。
このようにカソードガス供給通路201を掃気した後にアノードパージ弁33を開くことにより、カソードガス通路の掃気中において、燃料電池スタック1からカソードガス排出通路202へ水素が排出されなくなる。このため、確実に、排気水素濃度を規定値以下に抑えることができる。
なお、図5ではアノード圧の現在値と初期値との差圧が低下閾値よりも大きい場合にカソードガス通路の掃気が完了したと判断する例について説明したが、アノード圧の現在値が所定の閾値よりも低下した場合に掃気が完了したと判断するようにしてもよい。
本発明の第1実施形態によれば、カソードガス通路内に電気式部品が設けられた燃料電池システム100において、コントローラ4は、燃料電池システム100の起動後に、カソードガス通路を介してカソードガスを燃料電池スタック1に供給する。そしてコントローラ4は、カソードガスを燃料電池スタック1に供給してから、カソードガス通路に存在する水素を掃気するのに必要となる所定期間が経過した後に電気式部品への通電を開始する。
これにより、カソードガス通路内に設けられた電気式部品の周りに拡散してきたアノードガスをカソードガスによって掃気した後に電気式部品への通電が開始されるので、電気式部品の周りに水素が存在した状態で電気式部品への通電が開始されることを回避できる。したがって、強制停止後の再起動時における燃料電池システム100の安全性を確保することができる。
ここで電気式部品としては、例えば、エアフローセンサ21及びエアフローセンサ24に用いられる熱線241などが挙げられる。また電気式部品が設けられるカソードガス通路としては、例えば、カソードガス供給通路201や、カソードガス排出通路202、カソードガスバイパス通路203などが考えられる。
また、通常停止後の再起動時は、強制停止後の再起動時に比べて、カソードガス通路に拡散してくる水素の量が少ない。このため、強制停止後の再起動時においてカソードガス通路に存在する水素を掃気するのに必要とされる所定時間を待たずに電気式部品への通電を開始することが可能である。
そのため、本実施形態では、コントローラ4は、通常停止後の再起動時は、強制停止後の再起動時にカソードガス通路を掃気するのに必要とされる所定期間が経過する前に、電気式部品への通電を開始する。これにより、電気式部品の通電後に行われる燃料電池スタック1の起動処理を迅速に実行できるので、燃料電池システム100の起動処理に要する全体の起動時間を短縮することができる。
また本実施形態では、コントローラ4は、燃料電池システム100のフェールを判定したときに、アノードガス及びカソードガスの供給を停止して燃料電池システム100を強制的に停止させる。強制停止後にコントローラ4は、燃料電池システム100の起動及び停止を行うために用いられるイグニッションスイッチがONされた強制停止後の再起動時は、アノードガスの供給を停止したまま、所定流量のカソードガスを燃料電池スタック1に供給する。
このように、カソードガス通路を掃気している間は、燃料電池スタック1へのアノードガスの供給を停止することにより、燃料電池スタック1に形成されたアノードガス通路から電解質膜を介してカソードガス通路へとアノードガスがリークしにくくなる。このため、カソードガス通路へリークしてくる水素の量が低減するので、カソードガス通路を掃気しているときにカソードガス排出通路202から排出されるガス中の水素濃度の増加を抑制することができる。
また本実施形態では、燃料電池システム100は、燃料電池スタック1の出力電圧として電池セルに生じるセル電圧を検出するセル電圧測定装置7を備え、電気式部品としてカソードガス供給通路201にエアフローセンサ24が配置される。そしてコントローラ4は、燃料電池システム100の起動後に、カソードガス供給通路201を介してカソードガスを燃料電池スタック1に供給してから、セル電圧が所定電圧Vthを超えた後にエアフローセンサ24への通電を開始する。
一般的に、カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201に吐出されるカソードガスが多くなるほど、燃料電池スタック1内のカソードガス通路に滞留した水素が押し出されて酸素量が多くなり、セル電圧が高くなる。
このため、燃料電池スタック1のセル電圧を監視することにより、カソードガス供給通路201に存在する水素の量を推定できるので、カソードガス供給通路201に対する掃気が完了したことを的確に検出することができる。したがって、安全にエアフローセンサ24への通電を開始できる。さらにカソードガス供給通路201の掃気時間を長くし過ぎて燃料電池システム100の起動時間が長期化することを防止できる。
また本実施形態では、燃料電池システム100は、燃料電池スタック1内に形成されたアノードガス通路のアノード圧、すなわちアノード側の圧力を検出するアノード圧力センサ32を備える。そしてコントローラ4は、アノード圧力センサ32で検出されたアノード側の圧力の現在値と、強制停止後の再起動時に検出されたアノード側の圧力の初期値との差圧が、所定値ΔPathとなるまでの所定時間を超えるまで、エアフローセンサ42への通電を行わない。
カソードコンプレッサ22からカソードガス供給通路201を介して燃料電池スタック1に供給されるカソードガスが多くなるほど、燃料電池スタック1で消費される水素が増加するので、燃料電池スタック1内のアノードガスの圧力が低下する。
このため、アノード圧の現在値と初期値との差圧を監視することにより、カソードガス供給通路201に存在する水素の量を推定できるので、カソードガス供給通路201から水素が排出されたことを的確に検出することができる。したがって、安全にエアフローセンサ42への通電を行うことができる。さらにカソードガス供給通路201の掃気時間を長くしすぎて燃料電池システム100の起動時間が長期化することを防止できる。
また本実施形態では、コントローラ4は、カソードガスを燃料電池スタック1に供給してから、予め定められた経過時間Tthに到達するまでの所定期間、カソードガス供給通路201を掃気する。これにより、セル電圧測定装置7やアノード圧力センサ32などの故障によってセル電圧やアノード圧が正確に検出されない状況でも、簡易な構成で確実に、カソードガス供給通路201に対する掃気を終了させることができる。
また本実施形態では、カソードガス排出通路202にアノードオフガスを合流させるアノードガス排出通路302と、アノードオフガスを排出するために開閉するアノードパージ弁33と、をさらに備える。そしてコントローラ4は、強制停止後の再起動時は、カソードガス供給通路201の掃気に必要な所定期間が経過するまで、アノードパージ弁33を開弁しない。
このように、カソードガス通路を掃気している間は、アノードパージ弁33を閉弁することにより、燃料電池スタック1からアノードガス排出通路302を介してカソードガス排出通路202へ水素が排出されない。このため、カソードガス通路を掃気しているときに、カソードガス排出通路202から排出されるガス中の水素濃度の増加を抑制することができる。
(第2実施形態)
図6は、エアフローセンサ24近傍に位置するカソードガス供給通路201における強制停止後の水素濃度の時間変化を示す図である。
時刻t30において燃料電池システム100が強制停止され、エアフローセンサ24の熱線241周辺まで水素が拡散してくるため、エアフローセンサ24近傍の水素濃度は、通常停止時よりも高くなる。
この後、エアフローセンサ24近傍の水素濃度は、時刻t31を経過するまで急激に低下し、時刻t31を経過した後は徐々に低下する。
そして時刻t32では、エアフローセンサ24近傍の水素濃度は、燃料電池システム100の安全性が確保できる程度まで十分に低下する。
このように、燃料電池システム100を強制的に停止した後、時刻t30から時刻t32までの数十時間程度の時間Tuが経過している場合には、水素濃度は十分低くなるので、カソードガス供給通路201を掃気しなくてもよい。
そこで本発明の第2実施形態では、コントローラ4は、例えばカウンタなどを用いて、燃料電池システム100が強制停止されてから再起動されるまでの放置時間を計測する。燃料電池システム100の起動後にコントローラ4は、計測した放置時間が、カソードガス供給通路201の掃気が不要となる時間Tuを経過している場合には、エアフローセンサ24の熱線241への通電を開始する。
図7は、第2実施形態における燃料電池システム100の起動方法を示すフローチャートである。図7では、ステップS930以外の処理は、図3に示した処理と同じであるため、同一符号を付してステップS930についてのみ説明する。
ステップS930においてコントローラ4は、ステップS911で前回の停止処理が強制停止処理であると判定された場合には、強制停止されてから再起動されるまでの放置時間が、掃気の不要となる時間Tuを経過しているか否かを判断する。なお、掃気が不要となる時間Tuは、実験データ等により設定され、本実施形態ではメモリ49に予め記憶されている。
そして、コントローラ4は、燃料電池システム100が強制停止されてから再起動されるまでの放置時間が、掃気が不要となる時間Tuを経過している場合には、ステップS920に進み、エアフローセンサ24の熱線241への通電を開始する。
一方、コントローラ4は、燃料電池システム100が強制停止されてから再起動されるまでの放置時間が、掃気が不要となる時間Tuを経過していない場合には、ステップS912に進み、カソードコンプレッサ22を掃気回転速度vcに設定する。
本発明の第2実施形態によれば、燃料電池システム100が強制停止されてから再起動に至るまでの放置時間が、掃気が不要となる時間Tuを経過している場合には、カソードガス供給通路201を掃気せずに、熱線241への通電を開始する。
これにより、無用にカソードコンプレッサ22を駆動してカソードガス供給通路201を掃気するのを抑制できるので、カソードコンプレッサ22の消費電力を削減すると共に、燃料電池スタック1の起動処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では燃料電池システム100が強制停止されてからの放置時間が、掃気が不要となる時間Tuを経過している場合にはカソードガス通路を掃気せずに熱線241への通電を開始する例について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、コントローラ4は、燃料電池システム100の強制停止後の放置時間が、掃気が不要となる所定時間Tu以上の場合には、カソードガス供給通路201を掃気し、掃気時間が時間閾値Tthを経過する前に、熱線241への通電を開始するようにしてもよい。これにより、燃料電池システム100の安全性を確保しつつ、燃料電池スタック1の起動処理を迅速に実行することができる。
あるいは、コントローラ4は、強制停止から掃気が不要となる時間Tuを経過していない場合には、図6を参照し、放置時間の長さに応じて時間閾値Thを変更するようにしてもよい。具体的には、コントローラ4は、放置時間が長くなるほど、掃気時間が短くなるように時間閾値を小さくする。これにより、無用にカソードコンプレッサ22を駆動してカソードガス供給通路201が掃気されることを回避できるので、カソードコンプレッサ22の消費電力を削減できると共に、燃料電池スタック1の起動が完了するまでの時間を短縮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、本実施形態ではアノードガス排出通路302にアノードパージ弁33を備えたアノードガスデッドエンド式の燃料電池システムについて説明したが、アノードガス循環型の燃料電池システムに対しても本発明を適用してもよい。この場合にも、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、本実施形態ではカソードガスバイパス通路203にカソードバイパス弁29を備えた燃料電池システムについて説明したが、カソードガスバイパス通路203が設けられていない燃料電池システムに対しても本発明を適用してもよい。この場合にも、本実施形態と同様の作用効果が得られる。
1 燃料電池スタック(燃料電池)
4 コントローラ(通電手段、ガス供給手段、強制停止手段)
7 セル電圧測定装置(出力電圧検出手段)
22 カソードコンプレッサ(ガス供給手段)
21、24 エアフローセンサ
241 熱線(電気式部品)
32 アノード圧力センサ(アノード圧力検出手段)
33 アノードパージ弁
100 燃料電池システム
201 カソードガス供給通路(カソードガス通路)
202 カソードガス排出通路(カソードガス通路)
203 カソードガスバイパス通路(カソードガス通路)
302 アノードガス排出通路

Claims (8)

  1. 燃料電池に水素を含むアノードガス及び酸素を含むカソードガスを供給して負荷に応じて燃料電池を発電させる燃料電池システムであって、
    カソードガス通路に設けられる電気式部品と、
    前記燃料電池システムの起動後に、前記電気式部品への通電を開始する通電手段と、
    前記燃料電池システムの起動後に、前記燃料電池システムの運転状態に応じて前記燃料電池にカソードガスを供給するガス供給手段と、
    を備え、
    前記通電手段は、
    前記ガス供給手段がカソードガスを前記燃料電池に供給してから所定期間が経過した後に前記電気式部品への通電を開始する、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記通電手段は、
    通常停止後の再起動時は、所定期間が経過する前に前記電気式部品への通電を開始し、
    強制停止後の再起動時は、前記所定期間が経過した後に前記電気式部品への通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池システムのフェールを判定したときに、アノードガス及びカソードガスの供給を停止して前記燃料電池システムを強制的に停止させる強制停止手段を備え、
    前記ガス供給手段は、
    強制停止後に、前記燃料電池システムの起動又は停止を行うためのイグニッションスイッチがONされた強制停止後の再起動時は、アノードガスの供給を停止したまま、所定流量のカソードガスを前記燃料電池に供給する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 強制停止後の再起動であっても、
    前記燃料電池システムを強制的に停止させてから再起動に至るまでの放置時間が所定時間以上の場合には、前記所定期間が経過する前に前記電気式部品への通電を開始する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池の出力電圧を検出する出力電圧検出手段を備え、
    前記電気式部品としてカソードガス供給通路にエアフローセンサを配置し、
    前記通電手段は、カソードガスを前記燃料電池に供給してから前記出力電圧が所定電圧を超えた後に前記エアフローセンサへの通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池内のアノード側の圧力を検出するアノード圧力検出手段を備え、
    前記通電手段は、検出したアノード側の圧力と、強制停止後の再起動時に検出したアノード側の圧力と、の差圧が所定値を超えた後にエアフローセンサへの通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記通電手段は、カソードガスを前記燃料電池に供給してからの経過時間が所定の経過時間を超えた後にエアフローセンサへの通電を開始する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池から排出された排気ガスを大気に放出するためのカソードガス排出通路と、
    前記カソードガス排出通路にアノードオフガスを合流させるアノードガス排出通路と、
    前記アノードオフガスを排出するために開閉するアノードパージ弁と、
    をさらに備え、
    強制停止後の再起動時は、前記所定期間が経過するまで前記アノードパージ弁を開弁しない
    ことを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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