JP2015152339A - 流体の温度分布測定方法、及び流体の温度分布測定システム - Google Patents

流体の温度分布測定方法、及び流体の温度分布測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】長尺な断熱管内に導入される流体の温度分布を測定できる流体の温度分布測定方法を提供する。【解決手段】流体が流通する断熱管の内部に、前記流体の温度分布を測定する複数の光ファイバをそれぞれの有効測定区間が前記断熱管の長手方向に重なるようにずらして配置して、前記断熱管の全長に複数の有効測定区間を途切れることなく亘らせる配置工程と、各光ファイバをセンサとして前記流体の長手方向に亘る温度分布を測定する温度分布測定工程と、測定したデータを集約して合成することで、前記流体の前記断熱管全長に亘る温度分布を導出する温度測定データ合成工程とを備える流体の温度分布測定方法。【選択図】図1

Description

本発明は、断熱管の内部の流体の長手方向に亘る温度分布を測定する流体の温度分布測定方法、及びその温度分布測定システムに関する。特に、長尺な断熱管の内部に導入される流体の温度分布を測定できる流体の温度分布測定方法に関する。
電力供給路を構成する電力ケーブルとして、単心又は複数心の超電導ケーブルコアと、この超電導ケーブルコアを収納する断熱管とを備える超電導ケーブルがある。超電導ケーブルは、断熱管内に導入される冷媒(例、液体窒素(LN))で超電導ケーブルコアの超電導線材等の構成部材を冷却して使用する。初期冷却工程において急激な冷却を行うと、超電導ケーブルコアの構成部材などが急激なサーマルショックにより損傷する虞がある。この点を考慮し、一般には、断熱管内の全長に亘って冷媒の温度分布を確認しながら、超電導ケーブルコアの構成材料の性能に影響を与えない程度の冷却速度となるように、徐々に冷却する手法が採用される。超電導ケーブルの運転は、超電導ケーブルコアが十分に冷却されたことを確認した上で開始される。
例えば、特許文献1では、断熱管内における冷媒の温度の測定に、光ファイバを温度センサとして利用している。この光ファイバは、超電導ケーブルコアの外周に螺旋状に巻き付けたり、超電導ケーブルコアが多心の場合、例えば、三心のケーブルコアを撚り合わせて形成される中心部(コアで囲まれる空間)に配置したりしている。
特開2007−089343号公報
単一の光ファイバで所定の精度にて温度測定ができる最大測定長には限界があり、その限界測定長よりも長尺な断熱管の場合、その内部の流体の断熱管全長に亘る温度分布を測定することが難しい。特に、上述したような超電導ケーブルを備える超電導ケーブルシステムは低損失なため、冷媒を超電導ケーブル線路内に循環させる冷却ステーション同士の距離を長くとれることから、今後、ますます長尺化されることが予測される。超電導ケーブルの初期冷却及び運転開始を判断するためには、上述したように断熱管全長に亘る冷媒の温度分布を確認することが望まれるため、単一の光ファイバにおける限界測定長よりもさらに長尺な断熱管全長に亘る流体の温度分布を測定できる技術の開発が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、長尺な断熱管内に導入される流体の温度分布を測定できる流体の温度分布測定方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、長尺な断熱管内に導入される流体の温度分布を測定できる流体の温度分布測定システムを提供することにある。
本発明の流体の温度分布測定方法は、配置工程と温度分布測定工程と温度測定データ合成工程とを備える。配置工程は、流体が流通する断熱管の内部に、流体の温度分布を測定する複数の光ファイバをそれぞれの有効測定区間が断熱管の長手方向に重なるようにずらして配置して、断熱管の全長に複数の有効測定区間を途切れることなく亘らせる。温度分布測定工程は、各光ファイバをセンサとして流体の長手方向に亘る温度分布を測定する。温度測定データ合成工程は、測定したデータを集約して合成することで、流体の断熱管全長に亘る温度分布を導出する。
本発明の流体の温度分布測定システムは、複数の光ファイバと、温度分布測定装置と、温度測定データ合成装置とを備える。複数の光ファイバは、流体が流通する断熱管の内部に配置される。この複数の光ファイバは、それぞれの有効測定区間が断熱管の長手方向に重なるようにずれて配置されて、断熱管の全長に複数の有効測定区間が途切れることなく亘っている。温度分布測定装置は、各光ファイバをセンサとして流体の長手方向に亘る温度分布を測定する。温度測定データ合成装置は、各光ファイバを用いて得られた測定データを集約して合成することで、流体の断熱管全長に亘る温度分布を導出する。
本発明の流体の温度分布測定方法は、長尺な断熱管内に流通される流体の長手方向の温度分布を測定できる。
本発明の流体の温度分布測定システムは、長尺な断熱管内に流通される流体の長手方向の温度分布を測定するのに好適に利用できる。
実施形態1に係る流体の温度分布測定システムを示す概略構成図である。 実施形態2に係る流体の温度分布測定システムを示す概略構成図である。 実施形態2に係る超電導ケーブルを示す断面図である。 実施形態3に係る流体の温度分布測定システムを示す概略構成図である。 実施形態4に係る流体の温度分布測定システムを示す概略構成図である。 実施形態5に係る流体の温度分布測定システムを示す概略構成図である。
《本発明の実施形態の説明》
本発明者は、長尺な断熱管の内部に、常温での限界測定長がその断熱管よりも長い光ファイバを収納し、断熱管内に冷媒を導入して、光ファイバをセンサとして断熱管内の冷媒の温度分布を測定した。ここでは、光ファイバの一端から光パルスを入射し、ラマン散乱光の強度が温度に依存することを利用して光ファイバ沿いの温度分布を求めた。その結果、断熱管の長さは単一の光ファイバの限界測定長よりも短いにも関わらず、流体の温度分布が正確に測定できない場合があった。その原因を検討・考察したところ、断熱管が長いほど、超電導ケーブルコアを冷却する冷媒のように測定対象流体の温度が低い(常温との差が大きい)ほど、ラマン散乱光強度が減衰して、常温に比べて光ファイバの限界測定長が短くなることが分かった。そこで、本発明者は、断熱管が長くても、断熱管内の測定対象が常温との差が大きい低温流体であっても、断熱管全長に亘って流体の温度分布を測定できる方法を鋭意検討した。その結果、複数の光ファイバを用い、これらを特定の領域が断熱管内で重複するように配置することで、断熱管が単一の光ファイバの限界測定長よりも長尺な場合、常温よりも各光ファイバの限界測定長が短くなる場合であっても、断熱管全長に亘って流体の温度分布を測定できるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づくものである。最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)実施形態に係る流体の温度分布測定方法は、配置工程と温度分布測定工程と温度測定データ合成工程とを備える。配置工程は、流体が流通する断熱管の内部に、流体の温度分布を測定する複数の光ファイバをそれぞれの有効測定区間が断熱管の長手方向に重なるようにずらして配置して、断熱管の全長に複数の有効測定区間を途切れることなく亘らせる。温度分布測定工程は、各光ファイバをセンサとして流体の長手方向に亘る温度分布を測定する。温度測定データ合成工程は、測定したデータを集約して合成することで、流体の断熱管全長に亘る温度分布を導出する。有効測定区間とは、単一の光ファイバを断熱管内に配置した状態において、その光ファイバで流体の温度を所定の精度にて測定できる断熱管の軸に沿った長さを言う。有効測定区間は、単一の光ファイバを直線状に配置すれば、その光ファイバの実際の測定条件下における限界測定長と同一となり、単一の光ファイバを螺旋状などの非直線状に配置すれば、その光ファイバの限界測定長よりも短くなる。
上記の構成によれば、配置工程において、断熱管内で光ファイバの有効測定区間を重複させたことで、複数の光ファイバのそれぞれをセンサとして用いて測定したデータを集約して合成することで、断熱管全長に亘る温度分布を測定できる。従って、単一の光ファイバでは有効測定区間が断熱管の全長に達せず、その全長に亘って流体の温度分布を測定できないほど長尺な断熱管であっても、断熱管全長に亘って流体の温度分布を所定の精度で測定することができる。
(2)上記流体の温度分布測定方法の一形態として、流体が液化天然ガスであることが挙げられる。
上記の構成によれば、光ファイバの有効測定区間が常温での測定に比べて短くなる液化天然ガスのような低温の流体であっても、流体の温度分布を長尺な断熱管の全長に亘って測定できる。
(3)上記流体の温度分布測定方法の一形態として、流体が液体窒素であることが挙げられる。
上記の構成によれば、液化天然ガスよりも低温であり、光ファイバの限界測定長が短くなる液体冷媒であっても、流体の温度分布を長尺な断熱管の全長に亘って測定できる。
(4)上記流体の温度分布測定方法の一形態として、流体が液体窒素の場合、断熱管は内部に超電導ケーブルコアを収納し、複数の光ファイバの全てが超電導ケーブルコアに内蔵されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、長尺な断熱管全長に亘って流体の温度分布を測定することができるため、長尺な断熱管に収納される超電導ケーブルコアの初期冷却を、断熱管の全長に亘って冷媒の温度分布を確認しながら行える。従って、初期冷却時に急激なサーマルショックを与えることがなく、急激な温度変化による超電導ケーブルコアの予期せぬ熱挙動や構成部材のサーマルショックによる損傷を抑制できる。
(5)上記流体の温度分布測定方法の一形態として、断熱管の一方の端部から複数の光ファイバのうち一部の光ファイバの一端部が引き出されており、断熱管の他方の端部から複数の光ファイバのうち残りの光ファイバの一端部が引き出されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、断熱管の一方の端部から引き出される一部の光ファイバを用いて断熱管の一方の端部から他方の端部に向かって流体の温度分布を測定でき、断熱管の他方の端部から引き出される残りの光ファイバを用いて断熱管の他方の端部から一方の端部に向かって流体の温度分布を測定できる。このように、断熱管の両端部から異なる光ファイバを用いて流体の温度分布を測定でき、その測定データを合成することで、断熱管の全長に亘る流体の温度分布を導出できる。
(6)上記流体の温度分布測定方法の一形態として、断熱管が複数の断熱管ユニットと断熱管ユニット同士を接続する中間接続部とを備えることが挙げられる。このとき、断熱管の一端部から複数の光ファイバのうち一部の光ファイバの一端部が引き出されており、断熱管の他端部から複数の光ファイバのうち他部の光ファイバの一端部が引き出されている。そして、中間接続部から複数の光ファイバのうち残りの光ファイバの一端部が引き出されている。
上記の構成によれば、各断熱管ユニットの全長に亘る流体の温度分布を測定できるので、複数の断熱管ユニットを備える断熱管で構成された長尺線路においても、各断熱管ユニットの温度分布データを全て合成することで断熱管の全長に亘って流体の温度分布を導出できる。
(7)実施形態に係る流体の温度分布測定システムは、複数の光ファイバと、温度分布測定装置と、温度測定データ合成装置とを備える。複数の光ファイバは、流体が流通する断熱管の内部に配置される。この複数の光ファイバは、それぞれの有効測定区間が断熱管の長手方向に重なるようにずれて配置されて、断熱管の全長に複数の有効測定区間が途切れることなく亘っている。温度分布測定装置は、各光ファイバをセンサとして流体の長手方向に亘る温度分布を測定する。温度測定データ合成装置は、各光ファイバを用いて得られた測定データを集約して合成することで、流体の断熱管全長に亘る温度分布を導出する。
上記の構成によれば、単一の光ファイバの限界測定長よりも長尺な断熱管内に流通される流体の温度分布を測定するのに好適に利用できる。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔実施形態1〕
実施形態に係る流体の温度分布測定方法は、流体が流通する断熱管の内部に複数の光ファイバを配置する配置工程と、各光ファイバをセンサとして流体の温度分布を測定する温度分布測定工程とを備える。流体の温度分布測定方法の主たる特徴とするところは、以下の(1)と(2)とにある。
(1)配置工程において、複数の光ファイバをそれぞれの有効測定区間が断熱管の長手方向に重なるようにずらして配置して、断熱管の全長に複数の有効測定区間を途切れることなく亘らせる。
(2)温度分布測定工程で測定したデータを集約して合成することで、流体の断熱管全長に亘る温度分布を導出する温度測定データ合成工程を備える。
以下、主として図1を参照(適宜図3、4を参照)しつつ、まず、測定対象の流体60、及びその流体60が流通される断熱管50の構成について説明し、その後、その流体60の温度分布を測定する方法を説明する。本例では断熱管50の数が1つ場合を例とする。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[測定対象]
測定対象である流体60は、断熱管50の内部を流通する非常温の流体である。非常温とは、常温(20℃±15℃)でない流体で、常温超の高温流体、常温未満の低温流体のどちらでもよい。高温流体としては、例えば、40℃以上、更に60℃以上、特に80℃以上の流体が挙げられる。具体的には、湯や水蒸気が挙げられる。低温流体としては、例えば、0℃以下、更に−100℃以下、−150℃以下、特に−190℃以下の流体が挙げられる。具体的には、冷却窒素ガス及び空気(0°〜約−190℃)、液体アンモニア(約−33℃)、液化天然ガス(LNG:約−160℃)、液体空気(約−190℃)、液体窒素(LN:約−196℃)、液体水素(LH:約−253℃)などが挙げられる。流体の形態には、気体や液体の他、水蒸気などの気液混合体が挙げられる。
[断熱管]
断熱管50は、その内部に流体60を流通させる。断熱管50の材質及び形態は、流体60の種類に応じて、適宜選択すればよい。断熱管50の材質は、流体60の温度で割れや劣化が生じ難く、流体60と反応しない材質が挙げられる。流体60が高温流体の場合、例えば、架橋ポリエチレン管などのプラスチック管や、銅管や鋼管などの金属管、或いは、耐熱塩化ビニルライニング鋼管などの複合管が利用できる。流体60が低温流体の場合、ステンレス鋼やインバー合金等の金属管が挙げられる。断熱管50の構造は、一重構造で断熱材を設けた断熱構造としてもよいが、流体60が非常温の流体であるため断熱性にすぐれる構造、例えば、図3のような内管51と外管52とからなる二重構造が好ましい。断熱管50の形態を二重構造とする場合、内管51と外管52との間を真空引きすると断熱管50を真空断熱管とすることができる。真空断熱管の場合、内管51と外管52との間には、スーパーインシュレーションといった輻射熱の断熱材(図示略)や、両管の間隔を保持するスペーサ(図示略)を配置することもできる。断熱管50の外周にはポリ塩化ビニルといった耐食性に優れる材料を押出して形成した防食層53を形成することもできる。
断熱管50の形状は、長手方向に螺旋形状の凹凸を形成したコルゲート管や、長手方向に凹凸のないストレート管などが挙げられる。コルゲート管の場合、可撓性に優れるため、屈曲させたりし易くドラム巻きして輸送できる。また、断熱管50の布設経路の曲り等の制約が少ない。ストレート管の場合、コルゲート管のような凹凸がないため、内部に流体60を圧送する際の断熱管との摩擦抵抗を小さくできるので、長距離圧送時の圧力損失を小さくできる。また、ストレート管は同じ外径と長さのコルゲート管に比べて表面積が小さいため、常温側から低温側への熱侵入を低減し易く、流体60を所定の温度以下に維持し易い。
断熱管50の長さは、単一の光ファイバ20の有効測定区間Leよりも長く、単一の光ファイバの有効測定区間Leの2倍未満である。ここでいう、断熱管50の長さとは、単一の断熱管50の長さをいう。断熱管50の数は、断熱管50同士を接続する中間接続部300(図4:実施形態3で説明)の数をn個とするとき、n+1個で表される。即ち、単一の断熱管50とは、上記n=0のときを言い、その時の断熱管50の全長を単一の断熱管50の長さとする。有効測定区間Leとは、単一の光ファイバ20を断熱管50内に配置した状態において、単一の光ファイバ20で流体の温度を所定の精度にて測定できる断熱管50の軸に沿った最大長さを言う。所定の精度とは、例えば、±5℃や±1℃などが挙げられる。この有効測定区間Leは、単一の光ファイバ20の限界測定長と同一の場合と、限界測定長よりも短くなる場合とがある。例えば、次述する配置工程で、単一の光ファイバ20を断熱管50の軸に沿って直線上に配置した場合、その有効測定区間Leと限界測定長とが同一である。一方、単一の光ファイバ20を螺旋状に巻回するなど、光ファイバ20の一部を屈曲させて断熱管50の軸に沿わない部分を有するように配置した場合、有効測定区間Leは限界測定長よりも短くなる。この光ファイバ20の限界測定長は、流体の温度に依存することが多く、流体の温度における最大の測定長さをいう。
[配置工程]
配置工程では、上述の断熱管50の内部に複数の光ファイバ20を配置する。各光ファイバ20は、断熱管50内を流通する流体60の温度分布を測定するセンサに用いられる。光ファイバ20の配置形態は、各光ファイバ20の有効測定区間Le同士の間に所定の精度で温度測定ができない無効測定区間が介在されることのないように、複数の光ファイバ20の有効測定区間Leを断熱管50の全長に途切れることなく亘らせる。具体的には、複数の光ファイバ20をそれぞれの有効測定区間Leの一部が断熱管50の長手方向に重なるようにずらして配置する。即ち、各光ファイバ20は、有効測定区間Le内で他の光ファイバ20と重複する重複領域Loを有する。
各光ファイバ20の一端側には、後述する温度分布測定装置30に接続される装置側端部を有する。一部の光ファイバ20の装置側端部は、断熱管の一端側(図1上段図左側)の外側に配置され、残りの光ファイバ20における装置側端部は、断熱管の他端側(図1上段図右側)の外側に配置される。全光ファイバ20における装置側端部との反対側端部は、光ファイバ20が上記重複領域Loを形成していれば断熱管50内に配置されていてもよいし、断熱管50から外側に引き出されていてもよい。後者の場合、一部の光ファイバ20の反対側端部が断熱管50の他端側から外部に引き出され、残りの光ファイバ20の反対側端部が断熱管50の一端側から外部に引き出される(図1上段図の二点鎖線)。
光ファイバ20の数は、複数であるが、具体的には1つの断熱管50(断熱管ユニット50u(図4))につき少なくとも2本あればよい。1つの断熱管50につき2本あれば、流体60の温度分布を測定できるが、1つの断熱管50につき光ファイバ20の数を3本以上としてもよい。そうすれば、2本の光ファイバ20を測定に利用し、測定に利用する上記2本の光ファイバ20の予備として残りの光ファイバ20を利用することができる。それにより、仮に1つの光ファイバ20が損傷したりして流体60の温度分布を測定できなくなっても、予備用の光ファイバ20を用いて流体60の温度分布を測定できる。ここでは、光ファイバ20の数が2本である。この2本の光ファイバ20を断熱管50の軸に沿って直線上に配置している。即ち、本例では上述したように、有効測定区間Leと限界測定長とが同一となる。
光ファイバ20のコアとクラッドの材質は、プラスチックや石英ガラスが挙げられる。例えば、長距離でかつ常温との温度差が大きい流体(例えば、LNGやLN)を測定する場合、石英ガラスファイバが好ましい。ここでは、コアとクラッドの材質を石英ガラスとしている。
光ファイバ20の構成は、一次被覆を備える光ファイバ素線(図示略)や、更に二次被覆(図示略)を備える光ファイバ心線21などが利用できる(図3の(i))。その他、光ファイバ素線や光ファイバ心線21の全長に亘ってその外周を覆う被覆部を備える形態とすることもできる。被覆部としては、絶縁性テープを巻回して形成されるテープ巻回部23(同(ii))、ステンレス鋼などの金属管24(同(iii))、金属管24と金属管24の外周を覆うチューブ25とを備える多層構造(同(iv))などが挙げられる。図3(i)〜(iv)では、光ファイバ近傍を拡大して示している。被覆部を備えることで光ファイバ心線21の機械的な保護を強化でき、光ファイバの損傷を抑制できる。チューブ25の構成材料は、流体60の温度での冷却に伴う収縮に対して脆性破壊せず機械劣化しない材料が挙げられる。そうすれば、チューブ25が超電導ケーブルコア10の運用温度で超電導ケーブルコア10に付加される応力に対して破壊しない機械的強度を有するため光ファイバ20の機械的な保護をより一層強化できる。このような材料としては、例えば、流体60が高温流体の場合、シリコーン樹脂やフッ素系樹脂などが挙げられ、流体60が低温流体の場合、ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂が挙げられる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンが好適である。ここでは、光ファイバ20には、二次被覆した光ファイバ心線21を図3(iii)の金属管24で覆ったものを用いている。
光ファイバのモードは、シングルモードとマルチモードとがあるが、測定距離や測定対象の温度などの測定条件に応じて適宜選択することが挙げられる。入射光量を多くとることを考慮すればマルチモード光ファイバを用いることが好ましい。長距離で低損失な測定が求められる場合、シングルモード光ファイバが好適である。本実施形態では、マルチモード光ファイバを用いている。
[温度分布測定工程・温度測定データ合成工程]
温度分布測定工程では、流体60の温度分布を測定する。温度測定データ合成工程では、測定したデータを集約して合成することで、流体60の断熱管50全長に亘る温度分布を導出する。温度分布測定と温度測定データ合成の両工程は、図1(上段図)に示す流体の温度分布測定システム2を用いて行う。流体の温度分布測定システム2は、上述した複数の光ファイバ20と、温度分布測定装置30と、温度測定データ合成装置40とを備える。
各温度分布測定装置30は、上述したように光ファイバ20が接続され、光ファイバ20をセンサとして流体60の温度分布を測定する。各温度分布測定装置30は、光ファイバ20をセンサとして測定した温度データを送信する送信部を備え、測定した温度データを逐次温度測定データ合成装置40へ送信する。
各温度分布測定装置30による温度分布の測定には、ラマン後方散乱光やブリルアン散乱光を利用する。ラマン散乱光の強度やブリルアン散乱光の周波数が温度に依存する性質から、その強度や周波数を検出することで断熱管50内の光ファイバ20沿いの温度分布を断熱管50の端部から連続的に求められる。ここでは、ラマン散乱光を利用する。一方の光ファイバ20には、断熱管50の一端側に配置される温度分布測定装置30から光パルスを入射してラマン後方散乱光の強度を検出する。他方の光ファイバ20には、断熱管50の他端側に配置される温度分布測定装置30から同様に光パルスを入射してラマン後方散乱光の強度を検出する。この検出した強度から、断熱管50内の長手方向の温度分布を断熱管50の両端から連続的に求める。
温度測定データ合成装置40は、各温度分布測定装置30で測定した温度データを集約して合成する。図1中段図に各温度測分布定装置30で測定した温度データの模式グラフ(縦軸:温度(℃)、横軸:距離(m))を示し、同下段図に温度測定データ合成装置40で合成した温度分布のデータの模式グラフを示す。温度測定データ合成装置40は、各温度分布測定装置30から送信された温度データを受信する受信部と、受信した温度データを集約して合成する演算部とを備える。まず、受信部により、一方の光ファイバ20で測定した断熱管50の一端側から連続する温度分布のデータ(図1中段図左)と、他方の光ファイバ20で測定した断熱管50の他端側から連続する温度分布のデータ(図1中段右)とを受信する。次に、演算部により、各温度分布のデータを集約して合成する。この合成は、例えば、両方の光ファイバ20の重複領域Loにおける測定データの平均値をとることで行う。それにより、流体60の断熱管50の一端側から他端側に亘る断熱管50全長の温度分布プロファイルデータが求められる(図1下段図)。
各温度分布測定装置30と温度測定データ合成装置40との送受信の通信形態は、両装置30、40をケーブルで直接接続する有線通信でもよいし、ケーブルで直接接続しない無線通信でもよい。特に、無線通信により送信する場合、両装置30、40を接続するケーブルが不要なことは勿論、両装置30、40間の距離に制約が実質的にないため、長距離の断熱管50内の温度管理を行う場合に好適である。
〔作用効果〕
上述の流体の温度分布測定方法及び温度分布測定システムによれば、単一の光ファイバ20ではその有効測定区間Leが全長に亘らないほどの長尺な断熱管50であっても、また、測定対象が常温との差が大きい流体であっても、複数の光ファイバ20をそれぞれの有効測定区間Leが断熱管50の長手方向に重なるようにずらして配置することで、断熱管50の全長に複数の有効測定区間Leを途切れることなく亘らせることができる。有効測定区間Leが断熱管50の全長に亘ることで、断熱管50の両端から、それぞれ異なる光ファイバ20をセンサとして用いて断熱管50の各端部から他方の端部に向かって温度分布を測定し、得られた測定データを合成することで断熱管50の全長に亘る温度分布が測定できる。従って、断熱管50の全長に亘る流体60の温度分布のデータに基づいて、流体60の温度変化の監視を行ったり、流体60の温度分布を所定の温度範囲に保つような制御を行ったりすることができる。
〔実施形態2〕
実施形態2では、図2及び図3を参照して、超電導ケーブル線路の内部の流体(冷媒)60の温度分布を測定する形態を説明する。超電導ケーブル線路は、光ファイバ20を有する単心又は多心の超電導ケーブルコア10と断熱管50とを備える超電導ケーブル1と、断熱管50の両端に接続される端末接続部200とを備える。この超電導ケーブル線路内の流体60の温度分布測定方法及び温度分布測定システム2は、実施形態1と同様である。以下、超電導ケーブル線路の構成を説明し、実施形態1と同様の点については説明を省略する。ここでは、超電導ケーブル1は、単心の超電導ケーブルコア10を備え、代表的には直流送電に利用される。図2では、説明の便宜上、超電導ケーブルコア10に備わる保護層16(図3)を省略し、端末接続部200の構成を簡略化して示している。
[超電導ケーブル線路]
(断熱管)
断熱管50は、上述した内管51と外管52とからなる二重構造の真空断熱管である(図3)。内管51内には、超電導ケーブルコア10が挿通されると共に液体窒素(LN)といった冷媒が流通される。この冷媒によりケーブルコア10の超電導導体層12が冷却されて超電導状態に維持される。ここでは、内管51及び外管52の種類は、長手方向に螺旋形状の凹凸を形成したコルゲート管としている(図2)。コルゲート管の場合、可撓性に優れるため超電導ケーブル1の布設を行い易い。内管51及び外管52の構成材料は、機械的強度に優れるステンレス鋼などの金属が挙げられる。
(端末接続部)
端末接続部200には、超電導ケーブルコア10の各端部と共に上記冷媒が収納される(図2)。この端末接続部200で超電導ケーブルコア10と常電導ケーブルとが接続されて端末接続部200の外側の常温側へ電気が引き出される。この端末接続部200は、公知(例えば、特開2011−040705号公報)の構成とすることができる。
(超電導ケーブルコア)
超電導ケーブルコア10は、中心から順に、フォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、外部超電導導体層14、接地層15、保護層16を備える。これらの部材11〜16は公知の構成とすることができ、一例を以下に説明する。
フォーマ11は、銅裸線又はポリ塩化ビニル(PVC)やエナメルなどの絶縁被覆を備える銅線を複数本撚り合わせて構成された中実体としている。フォーマ11の外周にクッション層(図示略)を設けてもよい。クッション層は、クラフト紙といった絶縁紙や、クラフト紙とプラスチックとを複合した半合成絶縁紙(例えば、PPLP(住友電気工業株式会社 登録商標))からなる絶縁性テープを巻回して形成している。超電導導体層12は、フォーマ11の外周に超電導線材を螺旋状に巻回して形成された多層構造である。各層を構成する超電導線材同士の間には、例えば、クラフト紙などの絶縁材を巻回して層間絶縁層を形成して電気的に絶縁している。電気絶縁層13は、超電導導体層12の上に、上記絶縁性テープを巻回することで形成される。外部超電導導体層14は、電気絶縁層13の外周に超電導導体層12と同様の超電導線材を螺旋状に巻回して形成された多層構造である。本例のように、超電導ケーブルコア10が単心の場合、超電導導体層12を電流往路(電流復路)とすれば、この外部超電導導体層14は電流復路(電流往路)として利用できる。外部超電導導体層14の外周には外側電気絶縁層を設けてもよい。この外側電気絶縁層は、例えば、電気絶縁層13と同様の構成が挙げられる。接地層15は、外部超電導導体層14の外周に銅やアルミニウムなどの常電導線材を螺旋状に巻回して形成される。保護層16は、接地層15の外周に、接地層15を機械的に保護するために設けられる。保護層16は、接地層15の直上にクラフト紙や半合成絶縁紙、布テープなどの絶縁性テープを巻回することで形成できる。
〈光ファイバ〉
光ファイバ20の配置箇所は、超電導ケーブルコア10の外部及び内部のいずれでもよい。光ファイバ20の配置箇所を超電導ケーブルコア10の外部とすると、光ファイバ20を配置し易い。その上、光ファイバ20の端末処理を行い易い。一方、光ファイバ20の配置箇所を超電導ケーブルコア10の内部とすると、超電導ケーブル110と断熱管50との接触に伴う光ファイバ20の損傷を抑制し易い。
光ファイバ20の配置箇所を超電導ケーブルコア10の内部とする場合、具体的には、フォーマ11内、フォーマ11と超電導導体層12との間、超電導導体層12内、超電導導体層12と電気絶縁層13との間、電気絶縁層13内、電気絶縁層13と外部超電導導体層14との間、外部超電導導体層14内、外部超電導導体層14と接地層15との間、接地層15内、接地層15と保護層16との間、保護層16内のいずれかの箇所とする。中でも、光ファイバ20の配置箇所は保護層16内が好ましい。光ファイバ20を保護層16に内蔵することで、光ファイバ20の全長に亘ってその外周が覆われているため、光ファイバ20の断熱管50との接触に伴う損傷を抑制できる。その上、光ファイバ20はフォーマ11、超電導導体層12、外部超電導導体層14などの高電位部の外側に配置するため、光ファイバ20の端末処理が行い易い。ここでは、光ファイバ20を、図3に示すように保護層16内に配置している。
光ファイバ20の配置形態は、螺旋状に巻回する巻付型でもよいし、縦添え配置する添え型でもよい。巻付型の場合、光ファイバ20が損傷し難い。超電導ケーブル1の布設などで超電導ケーブルコア10を曲げたり、超電導ケーブルコア10の冷却などで超電導ケーブルコア10が熱収縮したりした際に、光ファイバ20に付加される歪みを小さくできるからである。この巻付型の場合、光ファイバ20の等価曲げ半径rが、光ファイバ20の許容曲げ半径以上となるように光ファイバ20を巻回することが好ましい。ここでは、光ファイバ20を螺旋状に巻回する際の巻き径をD、ピッチをPとするとき、光ファイバ20の等価曲げ半径rは{(D+P1/2}/2πとする。そうすれば、光ファイバ20を損傷させることなく螺旋状に巻回させられる。単一の光ファイバ20の有効測定区間Leは、上述のように、断熱管50の軸に沿った長さであるので、巻付型の場合、単一の光ファイバ20の有効測定区間Leは、単一の光ファイバ20の限界測定長よりも短くなる。一方、添え型の場合、光ファイバ20の長さが同じであれば、上記巻付型に比べて、単一の光ファイバ20の有効測定区間Leを長くし易い。この場合、単一の光ファイバ20の有効測定区間Leと光ファイバ20の限界測定長とを実質的に同じとすることができる。ここでは、光ファイバ20の上記配置形態は、上記巻付型として、光ファイバ20は超電導ケーブルコア10の全長に亘って設けられている。
超電導ケーブルコア10の周方向への複数の光ファイバ20のそれぞれの配置は、超電導ケーブルコア10の周方向における光ファイバ20同士の間隔が均一となるように配置することが挙げられる。光ファイバ20を2つ備える場合は、互いの光ファイバ20が超電導ケーブルコア10を挟んで対向するように設ける。即ち、超電導ケーブルコア10のどの横断面(軸方向と直交する断面)をとっても、光ファイバ20同士が超電導ケーブルコア10を挟んで対向する。
断熱管50の内部に配置される超電導ケーブルコア10に備える2つの光ファイバ20のうち、一方の光ファイバ20の上記装置側端部を一方の端末接続部200から引き出しており、他方の光ファイバ20の上記装置側端部を他方の端末接続部200から引き出している。そして、上述の超電導ケーブル線路において、実施形態1と同様に、断熱管50の両端からそれぞれ異なる光ファイバ20をセンサとして用いることで、断熱管50内の冷媒の温度分布を断熱管50の両端から測定できる。そして、断熱管50内で光ファイバ20の有効測定区間Leが重複しているため、測定データを集約・合成することで冷媒の断熱管50全長に亘る温度分布を測定できる。この測定により得られた温度データを用いて、断熱管50内の全長に亘って冷媒の温度分布を確認しながら、超電導ケーブルコア10の構成材料の性能に影響を与えない程度の温度変化となるように、冷却速度を制御して徐々に冷却することができる。そのため、初期冷却に急激な冷却を行うことがなく、急激な温度変化による超電導ケーブルコア10の構成部材の損傷を抑制できる。そして、超電導ケーブルコア10が十分に冷却されたことを確認した上で、超電導ケーブル1の運転を開始できる。
〔実施形態3〕
実施形態3では、主として図4を参照(適宜図2、3を参照)して、実施形態2と同様に超電導ケーブル線路の内部の冷媒温度分布を測定する形態を説明する。実施形態3では、断熱管が、複数の断熱管ユニット50uと、断熱管ユニット50u同士を接続する中間接続部300とを備える点が、実施形態2と相違する。以下、実施形態2との相違点を中心に説明する。図4では、説明の便宜上、超電導ケーブルコア10(図2、3)のうち光ファイバ20のみを示し、その他の構成は省略し、中間接続部300の構成を簡略化している。また、光ファイバ20を直線状に示しているが、光ファイバ20は実施形態2と同様、螺旋状に巻回されている(図2)。これらの点は後述する実施形態4(図5)と実施形態5(図6)でも同様である。
[超電導ケーブル線路]
〈断熱管ユニット〉
各断熱管ユニット50uは、上述した実施形態2の断熱管50と同様の二重構造の真空断熱管である(図3)。各断熱管ユニット50uの長さは、単一の光ファイバの有効測定区間Leよりも長い。内管51内には、実施形態2と同様の超電導ケーブルコア10が挿通されると共に液体窒素(LN)といった冷媒が流通される。ここでは、各断熱管ユニット50u内に配置される超電導ケーブルコア10の数が1本で、光ファイバ20の数が2本である。この断熱管ユニット50uの数は、α(α≧2)である。
〈中間接続部〉
中間接続部300は、断熱管ユニット50u同士の間に配置されて断熱管ユニット50u同士を接続する。この中間接続部300では、上述の超電導ケーブルコア10同士が接続されると共に上記冷媒が収納される。具体的な中間接続部300の数は、上述のように断熱管ユニット50uの数がα(α≧2)のとき、α−1個である。断熱管ユニット50u同士、及び超電導ケーブルコア10同士を接続する中間接続部300の具体的構成は、公知(例えば、特許文献1)の構成とすることができる。
〈端末接続部〉
両端末接続部200は、断熱管50の両端部に配置される断熱管ユニット50u(端部断熱管50e)の中間接続部300とは反対側の端部に接続される。両端末接続部200の構成は、上述した実施形態2と同様である。即ち、各端末接続部200には、超電導ケーブルコア10の一方の端部と共に上記冷媒が収納される(図2)。
断熱管ユニット50uのうち、一端側が端末接続部200に接続され、他端側が中間接続部300に接続される端部断熱管50e(図4左端、右端)では、その内部に配置される超電導ケーブルコアに備える2つの光ファイバ20のうち、一方の光ファイバ20の上記装置側端部を端末接続部200から引き出しており、他方の光ファイバ20の上記装置側端部を中間接続部300から引き出している。両端が中間接続部300に接続される中間断熱管50cでは、その内部に配置される超電導ケーブルコアに備える2つの光ファイバ20のうち、一方の光ファイバ20の上記装置側端部を一方の中間接続部300から引き出しており、他方の光ファイバ20の装置側端部を他方の中間接続部300から引き出している。即ち、1つの中間接続部300では、一方の断熱管ユニット50uから引き出される光ファイバ20の上記装置側端部と、他方の断熱管ユニット50uから引き出される光ファイバ20の装置側端部の合計で少なくとも2本の光ファイバ20の装置側端部が引き出される。
この断熱管の全長に亘る流体60の温度分布の測定は、各断熱管ユニット50uの全長に亘る流体60の温度をそれぞれ上述した実施形態1と同様にして測定する。そして、各断熱管ユニット50uにおいて測定した温度分布のデータを更に合成する。それにより、断熱管50の全長に亘る流体60の温度分布を測定できる。即ち、この流体の温度分布測定方法によれば、断熱管を構成する断熱管ユニット50uの数がいくつであっても断熱管の全長に亘る流体60の温度分布を測定できる。
〔実施形態4〕
実施形態4では、主として図5を参照して、実施形態3とは異なる方法で、複数の断熱管ユニット50u及び中間接続部300を備える超電導ケーブル線路の内部の冷媒温度分布を測定する形態を説明する。実施形態4の実施形態3との相違点は、以下の(1)と(2)とにある。(1)各断熱管ユニット50uの長さが単一の光ファイバ20の有効測定区間Leよりも短い。(2)各断熱管ユニット50u内に配置される1本の超電導ケーブルコア10に備わる光ファイバ20の数が1本である。以下の説明は、実施形態3との相違点を中心に行う。
各端部断熱管50e(図5左端、右端)では、実施形態3と同様、その内部に配置される超電導ケーブルコアに備える1つの光ファイバ20の上記装置側端部を端末接続部200から引き出している。各中間断熱管50cでは、その内部に配置される超電導ケーブルコアに備える1つの光ファイバ20の上記装置側端部を一方の中間接続部300から引き出している。即ち、各中間接続部300では、一方の断熱管ユニット50uから引き出される1つの光ファイバ20の上記装置側端部が引き出される。
各超電導ケーブルコアに備わる1つの光ファイバ20の有効測定区間Leは、それぞれの上記装置側端部が引き出される端末接続部200や中間接続部300に隣接する中間接続部300にまで亘っている。そして、光ファイバ20同士の重複領域Loは、中間接続部300を含む領域に設けられる。
この断熱管の全長に亘る流体60の温度分布の測定は、各断熱管ユニット50uの全長に亘る流体60の温度分布をそれぞれ1つの光ファイバ20で測定する。そして、中間接続部300内での両方の光ファイバ20の重複領域Loにおける測定データの平均値を取ることで、各断熱管ユニット50uにおいて測定した温度分布のデータを合成する。それにより、断熱管50の全長に亘る流体60の温度分布を測定できる。
〔実施形態5〕
実施形態5では、主として図6を参照して、実施形態4と同様に複数の断熱管ユニット50u及び中間接続部300を備える超電導ケーブル線路の内部の冷媒温度分布を測定する形態を説明する。実施形態5の実施形態4との相違点は、光ファイバ20が複数引き出される中間接続部300と、光ファイバ20が引き出されない中間接続部300とを備える点にある。以下の説明は、実施形態4との相違点を中心に行う。
各端末接続部200(図6左端、右端)では、実施形態4と同様、その内部に配置される超電導ケーブルコアに備える1つの光ファイバ20の上記装置側端部が引き出されている。
端末接続部200に隣接する中間接続部300では、接続される中間断熱管50c及び端部接続管50eの内部に配置される光ファイバ20の上記反対側端部のいずれも引き出されていない。一方で、上記中間接続部300に隣接する中間接続部300では、接続される両中間接続部50cの内部に配置される光ファイバ20の上記装置側端部が引き出されている。このように本形態の超電導ケーブル線路は、光ファイバ20が1つも引き出されない中間接続部300と、一方の断熱管ユニット50uから引き出される光ファイバ20の上記装置側端部、及び他方の断熱管ユニット50uから引き出される光ファイバ20の装置側端部の合計で少なくとも2本の光ファイバ20の上記装置側端部が引き出される中間接続部300とを備える。
各超電導ケーブルコアに備わる1つの光ファイバ20の有効測定区間Leは、実施形態4と同様、それぞれの上記装置側端部が引き出される端末接続部200や中間接続部300に隣接する中間接続部300にまで亘っている。そして、光ファイバ20同士の重複領域Loは、中間接続部300に設けられる。
この断熱管の全長に亘る流体60の温度分布の測定は、実施形態4と同様に各測定装置の測定データを集約して合成することで、断熱管50の全長に亘る流体60の温度分布を測定できる。
本発明の流体の温度分布測定方法は、長尺な断熱管内の流体の温度分布を測定するのに好適に利用できる。本発明の流体の温度分布測定システムは、長尺な断熱管内の流体の温度分布を測定するためのシステムに好適に利用できる。特に、これらの方法及びシステムは、超電導ケーブルや極低温冷媒の輸送管などの長手方向沿いの温度分布の測定に好適である。
1 超電導ケーブル
10 超電導ケーブルコア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 外部超電導導体層 15 接地層 16 保護層
2 流体の温度分布測定システム
20 光ファイバ
21 光ファイバ心線
23 テープ巻回部 24 金属管 25 チューブ
30 温度分布測定装置
40 温度測定データ合成装置
50 断熱管
50u 断熱管ユニット 50e 端部断熱管 50c 中間断熱管
51 内管 52 外管
53 防食層
60 流体
200 端末接続部 300 中間接続部

Claims (7)

  1. 流体が流通する断熱管の内部に、前記流体の温度分布を測定する複数の光ファイバをそれぞれの有効測定区間が前記断熱管の長手方向に重なるようにずらして配置して、前記断熱管の全長に複数の有効測定区間を途切れることなく亘らせる配置工程と、
    各光ファイバをセンサとして前記流体の長手方向に亘る温度分布を測定する温度分布測定工程と、
    測定したデータを集約して合成することで、前記流体の前記断熱管全長に亘る温度分布を導出する温度測定データ合成工程とを備える流体の温度分布測定方法。
  2. 前記流体が、液化天然ガスである請求項1に記載の流体の温度分布測定方法。
  3. 前記流体が、液体窒素である請求項1に記載の流体の温度分布測定方法。
  4. 前記断熱管は、内部に超電導ケーブルコアを収納し、
    前記複数の光ファイバの全てが、前記超電導ケーブルコアに内蔵されている請求項3に記載の流体の温度分布測定方法。
  5. 前記断熱管の一方の端部から、前記複数の光ファイバのうち一部の光ファイバの一端部が引き出されており、
    前記断熱管の他方の端部から、前記複数の光ファイバのうち残りの光ファイバの一端部が引き出されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の流体の温度分布測定方法。
  6. 前記断熱管が、複数の断熱管ユニットと前記断熱管ユニット同士を接続する中間接続部とを備え、
    前記断熱管の一端部から、前記複数の光ファイバのうち一部の光ファイバの一端部が引き出され、
    前記断熱管の他端部から、前記複数の光ファイバのうち他部の光ファイバの一端部が引き出され、
    前記中間接続部から、前記複数の光ファイバのうち残りの光ファイバの一端部が引き出されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の流体の温度分布測定方法。
  7. 流体が流通する断熱管の内部に配置される複数の光ファイバと、
    各光ファイバをセンサとして前記流体の長手方向に亘る温度分布を測定する温度分布測定装置と、
    前記各光ファイバを用いて得られた測定データを集約して合成することで、前記流体の前記断熱管全長に亘る温度分布を導出する温度測定データ合成装置とを備え、
    前記複数の光ファイバは、それぞれの有効測定区間が前記断熱管の長手方向に重なるようにずれて配置されて、前記断熱管の全長に複数の有効測定区間が途切れることなく亘っている流体の温度分布測定システム。
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